説明

動力伝達装置の冷却構造

【課題】冷却効率の向上を図ることのできる動力伝達装置の冷却構造を提供すること。
【解決手段】トランスアクスル5の冷却構造に、トランスアクスル5内を循環するATFを、電気で作動することにより循環させることができる電動オイルポンプ30を設け、ATFの循環経路15を流れるATFを冷却可能なウォータジャケット45を設けている。これにより、電動オイルポンプ30によって車速等に関係なく循環経路15に流してATFを循環させることができるため、車速等に関係なく循環経路15を流れるATFの流量を調節することができ、循環経路15を流れるATFをウォータジャケット45で冷却することができる。従って、必要に応じて電動オイルポンプ30を作動させることにより、ATFを適切に冷却することができ、トランスアクスル5が有するギア等を適切に冷却することができる。この結果、冷却効率の向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝達装置の冷却構造に関するものである。特に、この発明は、トランスアクスル内を循環するATFを用いてトランスアクスル内の各部の冷却を行う動力伝達装置の冷却構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両には走行時の動力源としてエンジンが搭載されており、エンジンで発生した動力を駆動輪に向けて送り出す動力伝達装置が設けられている。この動力伝達装置は、複数のギアが内設されており、これらのギアが組み合わされることにより、エンジンの動力を伝達可能に設けられている。さらに、従来の動力伝達装置では、電動機が収容され、電動機の出力も車両走行時の動力として使用可能に設けられているものがある。しかし、動力伝達装置でエンジンの動力を伝達する場合にはギア間の摩擦力等により伝達するため、熱が発生し、内部の温度が高くなる。さらに、電動機が収容されている動力伝達装置では、電動機の作動時に電動機が熱を発生するため、さらに内部の温度が高くなる。このため、従来の動力伝達装置では、内設されるギア等の冷却を行っているものがある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の動力伝達装置では、複数設けられるギアの一部が潤滑油に浸るように配設し、回転するギアによって潤滑油を掻き上げることができるようにする。また、動力伝達装置が有するケースの外側には冷却水が流れる冷却ジャケットを設け、ケースの内側には、ギアにより掻き上げられた潤滑油が、冷却ジャケットが設けられている位置の内側を通るように誘導する誘導路を設けている。これにより、ギアによって掻き上げられた潤滑油は、誘導路を通って冷却ジャケットが設けられている位置の内側を通る際に冷却ジャケット内を流れる冷却水により冷却される。また、ケースに内設されるギア等は、冷却された潤滑油により冷却される。これにより、動力伝達装置の内部を効率よく冷却することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2008−116018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の動力伝達装置では、このようにギアが潤滑油を掻き上げることにより潤滑油を冷却し、冷却した潤滑油によってギアや電動機を冷却しているが、このギアや電動機は、車速が高くなるに従って回転速度が上昇し、車速が低くなるに従って回転速度が低下する。このため、掻き上げられる潤滑油は、車速に応じて量が変化し、この変化に伴い潤滑油の温度も変化する。従って、特許文献1に記載の動力伝達装置には、車速が高くなるに従ってギアや電動機は冷却され易くなる。
【0006】
しかしながら、動力伝達装置に設けられるギアや電動機は、必ずしも車速に応じて温度が変化するとは限らない。即ち、動力伝達装置に設けられるギアや電動機は、車速が高くても温度が低い場合や、車速が低くても温度が高い場合があるため、一概に車速に応じて掻き上げる潤滑油の量を変化させて潤滑油を冷却した場合、ギアや電動機を適切に冷却することができない場合がある。
【0007】
また、特許文献1に記載の動力伝達装置では、潤滑油は車速に応じて回転速度が変化するギアにより掻き上げられているが、エンジンの回転数に応じて回転速度が変化するギアにより潤滑油を掻き上げる場合も同様である。つまり、動力伝達装置に設けられるギアや電動機は、必ずしもエンジンの回転数に応じて温度が変化するとは限らず、一概にエンジンの回転数に応じて掻き上げる潤滑油の量を変化させて潤滑油を冷却した場合、ギアや電動機を適切に冷却することができない場合がある。このため、ギアや電動機を冷却する際に効率良く冷却を行うことが出来ない場合があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、冷却効率の向上を図ることのできる動力伝達装置の冷却構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る動力伝達装置の冷却構造は、動力源の動力を駆動輪に向けて伝達可能な動力伝達装置内を循環する冷却媒体の経路である循環経路と、電気で作動することにより前記冷却媒体を循環させることができる電動循環手段と、前記循環経路を流れる前記冷却媒体を冷却可能な冷却手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この発明では、電気で作動する電動循環手段を設け、動力伝達装置内を循環する冷却媒体を、電動循環手段により循環可能に設けている。さらに、冷却媒体の経路である循環経路を流れる冷却媒体を冷却可能な冷却手段を設けている。これにより、電動循環手段によって車速等に関係なく冷却媒体を循環させることができるため、車速等に関係なく循環経路を流れる冷却媒体の流量を調節することができ、電動循環手段が作動することにより循環経路を流れる冷却媒体を冷却手段によって冷却することができる。従って、必要に応じて電動循環手段を作動させることにより、冷却媒体を適切に冷却することができ、動力伝達装置が有するギアや電動機を適切に冷却することができる。この結果、冷却効率の向上を図ることができる。
【0011】
また、この発明に係る動力伝達装置の冷却構造は、上記動力伝達装置の冷却構造において、前記動力伝達装置には、少なくとも電気によって作動可能な電動機が設けられており、前記電動循環手段は、前記電動機の温度に応じて前記冷却媒体の循環量を変化させて作動することを特徴とする。
【0012】
この発明では、電動循環手段は、電動機の温度に応じて冷却媒体の循環量を変化させて作動するが、電動機は、動力伝達装置が備える機器や部材のうち、最も温度が高くなり易い機器になっている。このため、この電動機の温度に応じて冷却媒体の循環量を変化させることにより、冷却媒体の循環量を、動力伝達装置が備える機器等のうち最も温度が高くなり易い電動機の温度に応じた適切な循環量にすることができ、温度が高くなり易い電動機を、適切に冷却することができる。この結果、より確実に冷却効率の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る動力伝達装置の冷却構造は、冷却効率の向上を図ることができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明に係る動力伝達装置の冷却構造の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例】
【0015】
図1は、実施例に係るトランスアクスルの冷却構造を備える車両の概略図である。本発明に係る動力伝達装置の冷却構造の一例である実施例に係るトランスアクスル5の冷却構造を備える車両1は、走行時の動力源として内燃機関であるエンジン3を搭載しており、このエンジン3の動力によって走行可能になっている。また、エンジン3には、減速機構6と差動機構7とが一体となって設けられた動力伝達装置であるトランスアクスル5が接続されており、これらの減速機構6と差動機構7とは、互いに動力の伝達が可能に設けられている。また、トランスアクスル5の差動機構7には、駆動軸25が接続されており、駆動軸25には、駆動輪26が接続されている。このため、エンジン3で発生した動力はトランスアクスル5に伝達され、伝達された動力はトランスアクスル5から駆動軸25を介して駆動輪26に伝達される。これにより、駆動輪26は回転し、車両1は走行可能になっている。
【0016】
また、このトランスアクスル5には、電気によって作動可能な電動機として設けられていると共に電気を発電可能な発電機としても設けられているモータジェネレータ20と、このモータジェネレータ20の動力とエンジン3の動力とを分割したり統合したりして駆動輪26に向けて伝達可能な動力分割統合機構8とが設けられている。このうち、モータジェネレータ20は、電気で作動することにより車両1の走行時の動力を発生したり、車両1の走行時の運動エネルギーが伝達されることにより発電したりすることが可能になっており、第1モータジェネレータ21と第2モータジェネレータ22との2つが設けられている。
【0017】
これらの第1モータジェネレータ21と第2モータジェネレータ22、及びエンジン3は、全て動力分割統合機構8に連結されており、動力分割統合機構8は、差動機構7との間で動力の伝達が可能に設けられた減速機構6との間で、動力の伝達が可能に形成されている。これにより、トランスアクスル5は、モータジェネレータ20で発生した動力やエンジン3で発生した動力を駆動輪26に向けて伝達可能に設けられていると共に、駆動輪26から伝達される車両1の走行時の運動エネルギーをモータジェネレータ20に伝達可能に設けられている。
【0018】
図2は、図1に示すトランスアクスルの概略図である。なお、図2は、トランスアクスル5の概略の説明図であるため、モータジェネレータ20は、2つのモータジェネレータ20の一方のみを図示している。図2中のモータジェネレータ20は、第1モータジェネレータ21と第2モータジェネレータ22とのいずれのモータジェネレータ20も適用することができる。トランスアクスル5に設けられるモータジェネレータ20は、トランスアクスル5における筐体として設けられるケース11の内部に配設されており、このモータジェネレータ20には、当該モータジェネレータ20の温度を検出する温度検出手段である温度センサ23が設けられている。
【0019】
また、トランスアクスル5のケース11内には、減速機構6などの作動部分を潤滑する潤滑油であるATF(Automatic Transmission Fluid)が溜められている。このATFは、各作動部分を潤滑する潤滑油として使用されると共に、各部を冷却する際に用いられる冷却媒体としても使用される。また、ケース11の内側には、ATFが流れる経路である循環経路15が設けられている。この循環経路15は、ケース11内の所定の内面に沿って循環経路壁部16が形成されることにより、この循環経路壁部16とケース11の内面とによって形成されている。このように設けられる循環経路15は、一端側が、ケース11内におけるATFが溜められている部分付近に位置している。
【0020】
また、トランスアクスル5には、ATFをトランスアクスル5内で循環させることができる電動循環手段である電動オイルポンプ30が接続されている。この電動オイルポンプ30は、電気によって作動可能に設けられており、電動オイルポンプ30とトランスアクスル5とは、ATFの通路であるATF通路31によって接続されている。電動オイルポンプ30とトランスアクスル5とを接続するATF通路31は、ATFがケース11内から電動オイルポンプ30に流れるATF通路31である流出側ATF通路32と、ATFが電動オイルポンプ30からケース11内に流れるATF通路31である流入側ATF通路33との2つの通路が設けられている。
【0021】
このうち、流出側ATF通路32は、ケース11の下方側、即ち、ATFが貯留されている部分に接続されており、ケース11の内部と連通している。また、流入側ATF通路33は、ケース11のうち循環経路15におけるATFが溜められている側の端部の反対側の端部が位置する部分に接続されており、ケース11の内部、或いは循環経路15と連通している。
【0022】
また、トランスアクスル5には、内側に循環経路15が位置する部分のケース11の外側に、循環経路15を流れるATFを冷却可能な冷却手段であるウォータジャケット45が設けられている。このウォータジャケット45は、内側に循環経路15が位置する部分のケース11の外側に設けられているため、換言すると、ウォータジャケット45は、ケース11の壁部12を介して循環経路15に隣接して設けられている。
【0023】
このウォータジャケット45は、モータジェネレータ20に供給する電気を調節するインバータ35を冷却する冷却液であるLLC(Long Life Coolant)が流れるように設けられている。つまり、ウォータジャケット45は、インバータ35の冷却系統であるインバータ冷却系統40の一部として設けられている。なお、インバータ35は、モータジェネレータ20に電気的に接続されており、車両1に搭載されるバッテリー(図示省略)から供給される直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ20に供給可能に設けられている。
【0024】
また、このインバータ冷却系統40には、内部にLLCが流れるように設けられていると共に、LLCと外気との間で熱交換を行わせることによりLLCを冷却可能なLLCクーラ41が設けられている。これらのインバータ35、LLCクーラ41、ウォータジャケット45は、LLCが流れるLLC循環路42によって接続されており、さらに、インバータ冷却系統40には、LLCを循環させることができるLLC循環ポンプ43が設けられている。これにより、LLCは、インバータ冷却系統40を循環可能に設けられている。
【0025】
また、これらの電動オイルポンプ30と、モータジェネレータ20に設けられた温度センサ23と、インバータ35とは、車両1に搭載されると共に車両の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)50に接続されている。
【0026】
図3は、図2のA−A方向矢視概略図である。循環経路15は、上下方向に往復した波形状の形状で設けられている。詳しくは、循環経路15は、流入側ATF通路33に連通している側の端部が、トランスアクスル5における上方側に設けられており、ケース11内におけるATFが溜められている部分付近に位置している。また、循環経路15のうち、ケース11内におけるATFが溜められている部分付近に位置している側の端部は、トランスアクスル5における下方側に位置しており、且つ、循環経路15が設けられるケース11の壁部12の平面視での水平方向における位置が、流入側ATF通路33に連通している側の端部の同方向における位置と異なる位置になっている。循環経路15は、この両端部のうち一方の端部から他方の端部に向かう際に、上下方向に往復しつつ一方の端部から他方の端部に向かうように形成されている。
【0027】
また、循環経路15には、ケース11の壁部12を介してウォータジャケット45が隣接しているが、ウォータジャケット45のLLCの流路は、循環経路15と同様に、循環経路15が設けられるケース11の壁部12の平面視での水平方向における流路の両端部同士の位置が異なっており、一方の端部から他方の端部に向かう際には、上下方向に往復しつつ向かうように形成されている。さらに、循環経路15とウォータジャケット45とは、上下方向の振幅と往復のピッチとが、同程度の振幅とピッチとで形成されている。
【0028】
この実施例に係るトランスアクスル5の冷却構造は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。車両1の走行時には、運転者が要求するトルクの大きさに応じてエンジン3やモータジェネレータ20を作動させて、これらの動力を駆動輪26に伝達することにより走行する。詳しくは、エンジン3で発生した動力はトランスアクスル5に伝達され、トランスアクスル5内の動力分割統合機構8から減速機構6に伝達されて減速機構6で車両1の走行状態に応じて減速した後、差動機構7で左右の駆動輪26に分配して駆動輪26に伝達される。
【0029】
また、運転者の要求にトルクの大きさに応じてトランスアクスル5に設けられるモータジェネレータ20も作動させた場合、モータジェネレータ20の動力は動力分割統合機構8でエンジン3の動力と統合された後、減速機構6に伝達されて減速機構6で車両1の走行状態に応じて減速して差動機構7に伝達され、差動機構7で左右の駆動輪26に分配して駆動輪26に伝達される。
【0030】
このように、モータジェネレータ20を作動させる場合には、インバータ35でモータジェネレータ20に供給する電気を調節することによって作動させる。その際、インバータ35は熱を発生するため、インバータ冷却系統40によって冷却する。インバータ冷却系統40でインバータ35を冷却する際には、LLC循環ポンプ43を作動させて、インバータ冷却系統40内のLLCを循環させることにより行う。LLCが循環する際においてLLCがインバータ35に流れた場合、LLCはインバータ35との間で熱交換を行い、インバータ35を冷却する。反対に、LLCは温度が上昇し、温度が上昇したLLCはLLCクーラ41に流れた際に、LLCクーラ41で外気との間で熱交換を行い、LLCは冷却される。これらを繰り返すことにより、インバータ35は冷却される。
【0031】
また、トランスアクスル5でエンジン3やモータジェネレータ20の動力を伝達するなどトランスアクスル5を作動させる場合には、トランスアクスル5のケース11内に溜められるATFを減速機構6などの各作動部分に供給し、各作動部分を潤滑する。また、これらの作動部分は、各ギア等によって動力を伝達する際の摩擦時の熱によって温度が上昇するが、ATFでこれらを潤滑する際には、潤滑すると同時に熱交換を行う。これにより、各作動部分は温度が低下し、ATFは温度が上昇する。
【0032】
このように、各部を冷却する冷却媒体としても用いられるATFは、トランスアクスル5に内設される各作動部分の冷却を行うことにより温度が上昇するため、電動オイルポンプ30を作動させてATFをウォータジャケット45が隣接した循環経路15に流し、ATFを冷却する。詳しくは、電動オイルポンプ30を作動させた場合、ケース11内のATFは、ケース11内においてATFが溜められている部分から流出側ATF通路32に流出して、流出側ATF通路32を通って電動オイルポンプ30に流れる。
【0033】
電動オイルポンプ30に流れたATFは、電動オイルポンプ30に接続された流入側ATF通路33に送り出され、流入側ATF通路33を通ってトランスアクスル5のケース11内に流入する。その際に、流入側ATF通路33はトランスアクスル5のケース11の内部に形成されたATFの循環経路15に連通しているため、流入側ATF通路33からケース11内に流入するATFは、循環経路15に流入する。このように循環経路15に流入したATFは、循環経路15を通ってケース11内におけるATFが溜められている部分に流れる。これによりATFは循環する。
【0034】
電動オイルポンプ30を作動させることによりATFが循環する場合には、ATFは循環経路15を流れるが、循環経路15はウォータジャケット45と隣接している。このウォータジャケット45はインバータ冷却系統40の一部として設けられており、インバータ35を冷却するためにインバータ冷却系統40が有するLLC循環ポンプ43を作動させた場合には、インバータ冷却系統40を循環するLLCはウォータジャケット45も通って循環する。このため、ATFが循環経路15を通って循環する場合には、循環経路15を流れるATFとウォータジャケット45内のLLCとの間で熱交換を行う。ここで、LLCがインバータ冷却系統40を循環する場合には、LLCはLLCクーラ41で冷却されて温度が低くなっている。このため、循環経路15を流れるATFとウォータジャケット45内のLLCとの間で熱交換を行った場合には、循環経路15を流れるATFの熱がウォータジャケット45内のLLCに伝達され、ATFの温度は低下する。
【0035】
さらに、循環経路15とウォータジャケット45とは、上下方向の振幅と往復のピッチとが、同程度の振幅とピッチとで形成されているため(図3参照)、循環経路15を流れるATFとウォータジャケット45内を流れるLLCとは、長い距離、或いは長い時間、双方の間で熱交換を行う状態になる。つまり、循環経路15を流れるATFとウォータジャケット45内を流れるLLCとは、循環経路15とウォータジャケット45との間に位置する壁部12を介して長い距離、或いは長い時間、隣接する状態になるため、双方の間で熱交換を行う状態になる。このため、ATFの熱はLLCに伝達され易くなり、ATFは冷却されて温度が低下する。一方、ATFの熱が伝達されて温度が上昇したLLCは、インバータ冷却系統40を循環する際にLLCクーラ41で冷却され、温度が低下する。
【0036】
ATFは、このようにLLCとの間で熱交換を行って温度が低下することにより、トランスアクスル5内の各部を潤滑する際に、潤滑と同時に冷却も行う。このように、ATFはトランスアクスル5に内設される各作動部分の冷却を行うが、このATFはモータジェネレータ20にも供給され、モータジェネレータ20との間でも熱交換を行ってモータジェネレータ20を冷却する。
【0037】
ATFは、このように電動オイルポンプ30を作動させることにより循環経路15を通って冷却されながら循環をするが、電動オイルポンプ30はECU50に接続され、ECU50によって制御可能になっている。このように、電動オイルポンプ30を制御可能なECU50は、モータジェネレータ20の温度に応じて電動オイルポンプ30を制御する。具体的には、モータジェネレータ20に設けられる温度センサ23で検出するモータジェネレータ20の温度が所定の温度よりも高い場合は、電動オイルポンプ30の作動量を増加させることにより、電動オイルポンプ30で流出側ATF通路32から流入側ATF通路33に流すATFの流量を増加させる。これに対し、モータジェネレータ20の温度が所定の温度よりも低い場合は、電動オイルポンプ30の作動量を低減させることにより、電動オイルポンプ30で流出側ATF通路32から流入側ATF通路33に流すATFの流量を低減させる。このように、電動オイルポンプ30は、モータジェネレータ20の温度に応じてATFの循環量を変化させて作動する。
【0038】
図4は、実施例に係るトランスアクスルの冷却構造の処理手順を示すフロー図である。次に、実施例に係るトランスアクスル5の冷却構造の制御方法、即ち、当該トランスアクスル5の冷却構造の処理手順について説明する。なお、以下の処理は、車両1の走行中に各部を制御する際に、所定の期間ごとに呼び出されて実行する。実施例に係るトランスアクスル5の冷却構造の処理手順では、まず、モータジェネレータ20の温度であるMG温度TMが所定の温度T0よりも高いか否かを判定する(ステップST101)。この判定は、モータジェネレータ20に設けられている温度センサ23で検出したモータジェネレータ20の温度TMが、モータジェネレータ20の温度が所定の温度より高いと判定することができる閾値として予め設定されているT0よりも高いか否かを、ECU50により判定する。即ち、ECU50でMG温度TM>T0であるか否かを判定する。
【0039】
MG温度TMとT0とを比較することにより(ステップST101)、MG温度TMはT0よりも高いと判定された場合には、電動オイルポンプ30の流量Q0を増加させる(ステップST102)。つまり、電動オイルポンプ30を作動させることによるATFの流量Q0に、流量Q0を変化させる場合における所定の流量として予め設定されているΔQを追加する。即ち、ECU50で、電動オイルポンプ流量Q0=Q0+ΔQを演算し、電動オイルポンプ30の流量Q0をΔQ分だけ増加させることができるように電動オイルポンプ30を制御する。このように、電動オイルポンプ30の流量を増加させた場合には、この処理手順から抜け出る。
【0040】
これに対し、MG温度TMとT0とを比較することにより(ステップST101)、MG温度TMはT0以下であると判定された場合には、次に、MG温度TMは所定の温度T1よりも低いか否かを判定する(ステップST103)。この判定は、温度センサ23で検出したモータジェネレータ20の温度TMが、モータジェネレータ20の温度が所定の温度より低いと判定することができる閾値として予め設定されているT1よりも低いか否かを、ECU50により判定する。この判定に用いられる所定の温度T1は、モータジェネレータ20の温度が所定の温度より高いと判定することができる閾値であるT0、つまり、電動オイルポンプ30の流量Q0を増加させるか否かの判定に用いる閾値であるT0よりも、低い温度になっている。このように、MG温度TMはT0以下であると判定された場合(ステップST101)には、次に、ECU50でMG温度TM<T1であるか否かを判定する。この判定により、MG温度TMはT1以上であると判定された場合には、この処理手順から抜け出る。
【0041】
MG温度TMとT1とを比較することにより(ステップST103)、MG温度TMはT1よりも低いと判定された場合には、電動オイルポンプ30の流量Q0を低減させる(ステップST104)。つまり、電動オイルポンプ30を作動させることによるATFの流量Q0から、流量Q0を変化させる場合における所定の流量として予め設定されているΔQを低減させる。即ち、ECU50で、電動オイルポンプ流量Q0=Q0−ΔQを演算し、電動オイルポンプ30の流量Q0をΔQ分だけ低減させることができるように電動オイルポンプ30を制御する。このように、電動オイルポンプ30の流量を低減させた場合には、この処理手順から抜け出る。
【0042】
以上のトランスアクスル5の冷却構造は、電気で作動する電動循環手段である電動オイルポンプ30を設け、トランスアクスル5内を循環するATFを、電動オイルポンプ30により循環可能に設けている。また、ATFの経路である循環経路15には、循環経路15を流れるATFを冷却可能なウォータジャケット45が隣接している。これにより、電動オイルポンプ30によって車速等に関係なくATFを積極的に循環経路15に流してATFを循環させることができるため、循環経路15を流れるATFの流量を、車速等に依存することなく調節することができ、循環経路15に隣接するウォータジャケット45によってATFを冷却することができる。従って、必要に応じて電動オイルポンプ30を作動させることにより、ATFを適切に冷却することができ、トランスアクスル5が有するギア等を適切に冷却することができる。この結果、冷却効率の向上を図ることができる。
【0043】
また、ATFを冷却する際に、電動オイルポンプ30を用いてATFを循環させるので、ATFの油面を下げることができる。つまり、例えばトランスアクスル5内に設けられるギアでATFを掻き上げることによりATFを循環させる場合、掻き上げ量はATFの油面を上げた場合には増加し、ATFの油面を下げた場合には低下する。このため、ATFによる冷却性能を向上させる場合には、ATFの油面を上げる必要があるが、ATFの油面を上げた場合、ギアは、ATFに浸っている部分が多くなるため、このATFによって回転時の抵抗が多くなる。これに対し、ATFを循環させるために電動オイルポンプ30を用いた場合には、ATFの油面を上げることなくATFを循環させることができる。この結果、トランスアクスル5で動力を伝達する場合における抵抗を増加させることなくATFを循環させることができる。
【0044】
また、電動オイルポンプ30は、モータジェネレータ20の温度に応じてATFの循環量を変化させて作動するが、モータジェネレータ20は、トランスアクスル5が備える機器や部材等のうち、最も温度が高くなり易い機器になっている。即ち、トランスアクスル5内の各部材は、車両1の走行中に摩擦熱等により温度が上昇するが、モータジェネレータ20は、トランスアクスル5に内設される各機器や部材等のうち、温度が最も高くなり易い機器になっている。このため、このモータジェネレータ20の温度に応じてATFの循環量を変化させることにより、ATFの循環量を、トランスアクスル5が備える機器等のうち最も温度が高くなり易いモータジェネレータ20の温度に応じた適切な循環量にすることができ、温度が高くなり易いモータジェネレータ20を、適切に冷却することができる。この結果、より確実に冷却効率の向上を図ることができる。
【0045】
また、モータジェネレータ20は、電磁力を用いて作動するが、この電磁力は、温度が高くなり過ぎると低下する特性を有している。このため、モータジェネレータ20の温度が高くなり過ぎた場合には電磁力が低下し、この電磁力の低下に伴い、モータジェネレータ20で発生する動力も低下する。このモータジェネレータ20の動力は、車両1の走行時における駆動力の一部として用いられるため、モータジェネレータ20で発生する動力が低下した場合、車両1の走行時における駆動力も低下する。これに対し、モータジェネレータ20の温度に応じてATFの循環量を変化させてモータジェネレータ20を適切に冷却し、モータジェネレータ20の温度を適切な温度に維持することにより、モータジェネレータ20で発生する動力が低下することを抑制できる。この結果、車両1の走行時における駆動力を確保することができ、安定した走行状態を得ることができる。
【0046】
また、モータジェネレータ20の温度に応じて、電動オイルポンプ30の作動量を変化させているので、電動オイルポンプ30を設けた場合における電気の消費量の低減を図ることができる。つまり、電動オイルポンプ30を、必要時に必要な作動量で作動させるため、必要以上に電動オイルポンプ30を作動させ、必要以上に電気を消費することを抑制できる。この結果、無駄な電力消費を回避することができる。
【0047】
また、ATFを冷却する冷却手段として用いられるウォータジャケット45は、トランスアクスル5の外部に設けられるインバータ35を冷却するインバータ冷却系統40の一部を構成しており、インバータ35を冷却するLLCとATFとの間で熱交換が可能に設けられている。このように、ATFを冷却する冷却手段として設けられるウォータジャケット45は、インバータ35を冷却するために設けられたインバータ冷却系統40の一部となっている。このため、新たに冷却構造を設ける必要がなく、インバータ35を冷却するインバータ冷却系統40に、インバータ35を冷却するLLCとATFとの間で熱交換が可能なウォータジャケット45を追加するのみで、循環経路15を流れるATFの冷却が可能な冷却手段を設けることができる。従って、循環経路15を流れるATFの冷却が可能な冷却手段を、容易に設けることができる。この結果、容易に、且つ、より確実に冷却効率の向上を図ることができる。
【0048】
なお、上述したトランスアクスル5の冷却構造では、モータジェネレータ20の温度を取得する際に、モータジェネレータ20に温度センサ23を設け、温度センサ23の検出結果よりモータジェネレータ20の温度を取得しているが、モータジェネレータ20の温度は、温度センサ23の検出結果以外より取得してもよい。例えば、モータジェネレータ20の出力よりモータジェネレータ20の温度を推定することによって取得してもよい。
【0049】
また、上述したトランスアクスル5の冷却構造では、ウォータジャケット45は、インバータ冷却系統40の一部として設けられており、循環経路15を流れるATFとインバータ35を冷却するLLCとを熱交換させることによりATFを冷却可能に設けられているが、ウォータジャケット45は、他の流体とATFとを熱交換させることができるように設けられていてもよい。例えば、ウォータジャケット45は、エンジン3を冷却するLLCとATFとを熱交換させることによりATFを冷却可能に設けられていてもよい。
【0050】
図5は、トランスアクスルにモータジェネレータが設けられていない場合における変形例を示す説明図である。また、実施例に係るトランスアクスル5の冷却構造では、トランスアクスル5にモータジェネレータ20が設けられているが、トランスアクスル5にはモータジェネレータ20は設けられていなくてもよい。モータジェネレータ20が設けられていない場合でも、電気で作動することによりトランスアクスル5内のATFを循環させることができる電動オイルポンプ30を設け、循環経路15を流れるATFを冷却可能なウォータジャケット45を設けることにより、車速やエンジン3の回転等に関係なくATFを循環させ、ATFを冷却することができる。従って、必要に応じてATFを適切に冷却することができ、トランスアクスル5が有するギア等を適切に冷却することができる。この結果、冷却効率の向上を図ることができる。
【0051】
図6は、ウォータジャケットが循環経路内に位置している場合における変形例を示す説明図である。また、実施例に係るトランスアクスル5の冷却構造では、インバータ冷却系統40のウォータジャケット45はトランスアクスル5のケース11の外部に設けられているが、ウォータジャケット45は、トランスアクスル5のケース11の内部に設けられていてもよい。例えば、図6に示すように、ウォータジャケット45はケース11の内部に形成される循環経路15内に設けられていてもよい。このように、ウォータジャケット45を循環経路15内に設けた場合、循環経路15はウォータジャケット45の周囲に形成されることになるので、ウォータジャケット45は周囲に形成される循環経路15に隣接した形態になる。このため、循環経路15にATFが流れ、ウォータジャケット45にLLCが流れた場合は、循環経路15を流れるATFとウォータジャケット45を流れるLLCとの間で熱交換が行われる。これにより、ATFの熱はLLCに伝達され、ATFの温度は低下する。
【0052】
さらに、この変形例に係るトランスアクスル5の冷却構造では、ウォータジャケット45は循環経路15内に設けられているため、より熱交換が行い易くなっている。つまり、実施例に係るトランスアクスル5の冷却構造では、ウォータジャケット45はトランスアクスル5のケース11の外部に設けられているため、ウォータジャケット45は循環経路15側に位置する1つの面のみがケース11の壁部12を介して循環経路15に隣接している。このため、循環経路15を流れるATFとウォータジャケット45を流れるLLCとは、この1つの面のみで熱交換を行う。これに対し、この変形例に係るトランスアクスル5の冷却構造では、ウォータジャケット45は循環経路15内に設けられているため、ウォータジャケット45は、外周面全体がATFに接している。このため、循環経路15を流れるATFとウォータジャケット45を流れるLLCとは、ウォータジャケット45の外周面全体で熱交換を行うことができる。従って、ATFとLLCとは熱交換が行い易くなり、ATFを、より冷却し易くなる。この結果、より確実に冷却効率の向上を図ることができる。
【0053】
図7は、ATFを冷却する冷却手段として冷却ファンが設けられた場合における変形例を示す説明図である。また、上述したトランスアクスル5の冷却構造では、循環経路15を流れるATFを冷却可能な冷却手段としてウォータジャケット45が設けられているが、ATFを冷却可能な冷却手段はウォータジャケット45以外のものであってもよい。例えば、図7に示すように、循環経路15が設けられるケース11の壁部12の外面側に冷却ファン60を設け、冷却ファン60の作動時に冷却ファン60で発生した風が、この循環経路15が設けられる壁部12の外面に当たるように設けてもよい。このように冷却ファン60を設けた場合において冷却ファン60を作動させた場合、冷却ファン60で発生した風は、内側に循環経路15が設けられる壁部12の外面に当たるが、冷却ファン60で発生した風が壁部12の外面に当たった場合、壁部12の外面には空気の流れが発生する。
【0054】
ここで、循環経路15にATFが流れる場合、ATFの熱の一部は循環経路15が設けられる壁部12に伝達され、この壁部12から外部に放熱される。このため、循環経路15にATFに流れた状態で冷却ファン60を作動させ、壁部12の外面に空気の流れが発生した場合には、放熱により温度が高くなった空気は、この空気の流れにより除去される。これにより、循環経路15にATFが流れる場合に、ATFの熱は壁部12から放熱し易くなるため、ATFは熱を放熱することにより温度が低下し、冷却される。このように、冷却手段として冷却ファン60を設けた場合でも、ATFを冷却することができる。
【0055】
また、ATFを冷却する冷却手段として、冷却ファン60を用いた場合、ウォータジャケット45を設ける場合のようにLLCなどの冷却液が循環する経路やポンプ、さらに、LLCクーラ41のような冷却液を冷却する装置などを設ける場合と比較して、構造を簡略化することができる。このため、ATFを、より容易に冷却することができる。この結果、より容易に冷却効率の向上を図ることができる。さらに、このように冷却ファン60を用いてATFを冷却する場合、循環経路15が設けられる壁部12の外面に、板状の形状で形成される公知の冷却フィン(図示省略)を複数設けるのが好ましい。このように冷却フィンを設けることにより、放熱する面積が増加するので、ATFを、より冷却し易くなり、より冷却効率の向上を図ることができる。
【0056】
また、上述した実施例及び変形例では、本発明に係る動力伝達装置の冷却構造の例としてトランスアクスル5の冷却構造を説明しており、動力伝達装置はトランスアクスル5で説明しているが、動力伝達装置はトランスアクスル5以外のものでもよい。例えば、動力伝達装置は、エンジン3の動力を変速して駆動輪に向けて伝達可能な自動変速機(図示省略)であってもよい。動力伝達装置がトランスアクスル5以外の場合でも、電動オイルポンプ30などの電動循環手段と、ウォータジャケット45などの冷却手段を設けることにより、ATFなど冷却媒体を効率よく冷却することができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように、本発明に係る動力伝達装置の冷却構造は、動力伝達装置が有する作動部材等を、潤滑油を用いて冷却する場合に有用であり、特に、潤滑油の循環量を変化させる動力伝達装置の冷却構造に適している。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施例に係るトランスアクスルの冷却構造を備える車両の概略図である。
【図2】図1に示すトランスアクスルの概略図である。
【図3】図2のA−A方向矢視概略図である。
【図4】実施例に係るトランスアクスルの冷却構造の処理手順を示すフロー図である。
【図5】トランスアクスルにモータジェネレータが設けられていない場合における変形例を示す説明図である。
【図6】ウォータジャケットが循環経路内に位置している場合における変形例を示す説明図である。
【図7】ATFを冷却する冷却手段として冷却ファンが設けられた場合における変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1 車両
3 エンジン
5 トランスアクスル
11 ケース
12 壁部
15 循環経路
16 循環経路壁部
20 モータジェネレータ
23 温度センサ
26 駆動輪
30 電動オイルポンプ
31 ATF通路
35 インバータ
40 インバータ冷却系統
41 LLCクーラ
42 LLC循環路
43 LLC循環ポンプ
45 ウォータジャケット
50 ECU
60 冷却ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源の動力を駆動輪に向けて伝達可能な動力伝達装置内を循環する冷却媒体の経路である循環経路と、
電気で作動することにより前記冷却媒体を循環させることができる電動循環手段と、
前記循環経路を流れる前記冷却媒体を冷却可能な冷却手段と、
を備えることを特徴とする動力伝達装置の冷却構造。
【請求項2】
前記動力伝達装置には、少なくとも電気によって作動可能な電動機が設けられており、
前記電動循環手段は、前記電動機の温度に応じて前記冷却媒体の循環量を変化させて作動することを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置の冷却構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−60037(P2010−60037A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225845(P2008−225845)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】