動力伝達装置
【課題】 ガイドプレートにも動力伝達を担わせることで耐久性や静粛性の向上を図った動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 吸気カムスプロケット32の主スプロケット歯35には第1リンクプレート2のリンクプレート凹部17と第2リンクプレート5のリンクプレート凹部18とが噛み合い、副スプロケット歯36にはガイドプレート6のガイドプレート凹部19が噛み合う。また、ガイドプレート6の内側面は、主スプロケット歯35の側面に摺接/係止される。これにより、両リンクプレート2,5のみならず、ガイドプレート6も動力伝達に寄与することになり、サイレントチェーン1の幅方向寸法が比較的小さく設定したにもかかわらず、高い動力伝達性能を確保できるとともに、主スプロケット歯35の摩耗が効果的に抑制され、更に放射音の音圧レベルも有意に低減できた。
【解決手段】 吸気カムスプロケット32の主スプロケット歯35には第1リンクプレート2のリンクプレート凹部17と第2リンクプレート5のリンクプレート凹部18とが噛み合い、副スプロケット歯36にはガイドプレート6のガイドプレート凹部19が噛み合う。また、ガイドプレート6の内側面は、主スプロケット歯35の側面に摺接/係止される。これにより、両リンクプレート2,5のみならず、ガイドプレート6も動力伝達に寄与することになり、サイレントチェーン1の幅方向寸法が比較的小さく設定したにもかかわらず、高い動力伝達性能を確保できるとともに、主スプロケット歯35の摩耗が効果的に抑制され、更に放射音の音圧レベルも有意に低減できた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンや産業機械等に用いられる動力伝達装置に係り、詳しくは耐久性や静粛性の向上を図る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等に搭載されるレシプロエンジンでは、運転時にカムシャフトやオイルポンプを確実に作動させる必要があるため、これらが滑りを起こさない動力伝達部材を介してクランクシャフトに連結されている。動力伝達部材としては、ローラチェーンやタイミングベルトが一般に用いられた時期もあったが、現在では静粛性や耐久性に優れたサイレントチェーン(特許文献1,2参照)が主流となっている。
【0003】
特許文献1のサイレントチェーンは、幅方向中央に配置された2枚のリンクプレート(以下、第1リンクプレートと記す)と、第1リンクプレートの両側方にそれぞれ配置された各1枚のリンクプレート(以下、第2リンクプレートと記す)とをピンによって交互に連結した無端状のものであり、第2リンクプレートの側方にはそれぞれ1枚のガイドプレートが配置されている。2枚の第1リンクプレートは第1リンク列として一体に作動し、第2リンクプレートおよびガイドプレートは第2リンク列として一体に作動する。また、第1,第2リンクプレートにはスプロケットに形成されたスプロケット歯に噛み合うリンクプレート歯がそれぞれ形成される一方、ガイドプレートはサイレントチェーンのスプロケットからの脱落を防止すべくスプロケットの外側面に係止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−53987号公報
【特許文献1】特開平5−17251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サイレントチェーンは、その幅方向寸法が大きくなるとエンジンの体格も大きくなるため、エンジンの設計上の都合等によって自ずと幅方向寸法に制限が加えられる。したがって、特許文献1のサイレントチェーンでは、制限された幅方向寸法で必要とする動力伝達性能を確保するように、第1リンク列の幅方向寸法が第2リンク列の幅方向寸法の和よりも大きく設定されている。これは、第1リンク列を幅広とし幅方向で対称形状とすることで、サイレントチェーンの捩れも抑制されて有利となること(すなわち、重心が幅方向中心となること)等を目的とする。
【0006】
しかしながら、このような構造とした場合、ガイドプレートがスプロケット歯に噛み合わないため、スプロケットとサイレントチェーンとの噛合幅が小さくなり、スプロケットの耐久性が低くなる(スプロケット歯の摩耗が大きくなる)。特に、スプロケット歯が偶数の場合、常に同一の箇所がサイレントチェーンの第1リンク列(または、第2リンク列)に噛み合うため、スプロケット歯の摩耗が進行しやすくなる問題があった。一方、動力伝達に寄与しないガイドプレートは、第2リンク列にとっては重量を増加させるだけのものであり、駆動騒音を増大させる要因となっていた。
【0007】
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、ガイドプレートにも動力伝達を担わせることで耐久性や静粛性の向上を図った動力伝達装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面では、それぞれに一対のピン孔を有する複数のリンクプレートを当該ピン孔に嵌挿されるピンによって交互に連結するとともに、前記リンクプレートの幅方向両側方に前記ピンが嵌挿されるガイドプレートをそれぞれ配置してなるサイレントチェーンと、当該サイレントチェーンが巻き掛けられるスプロケットとを有する動力伝達装置であって、前記ガイドプレートは、前記サイレントチェーンの幅方向両側方に配置され、前記スプロケットには、前記リンクプレートに形成されたリンクプレート凹部と噛み合う主スプロケット歯が幅方向中央に形成されるとともに、前記ガイドプレートに形成されたガイドプレート凹部と噛み合う副スプロケット歯が当該主スプロケット歯の両側方に形成され、前記サイレントチェーンが前記スプロケットに巻き掛けられた状態で、前記ガイドプレートが前記主スプロケット歯の側面に係止される。
【0009】
また、本発明の第2の側面では、前記一対のピン孔の中心線を結んだ面に対し、前記ガイドプレート凹部の底が前記リンクプレート凹部の底よりも離間している。
【0010】
また、本発明の第3の側面では、前記リンクプレートは、幅方向中央に配置された第1リンクプレートと、当該第1リンクプレートの両側方に配置された第2リンクプレートとからなる。
【0011】
また、本発明の第4の側面では、前記第2リンクプレートにおける両ピン孔と前記ガイドプレートにおける両ピン孔とが重なるように配置され、前記第1リンクプレートの幅方向寸法は、前記第2リンクプレートの幅方向寸法と前記ガイドプレートの幅方向寸法との和に略等しい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の側面によれば、ガイドプレートは、スプロケットからのサイレントチェーンの脱落を防止するだけでなく、ガイドプレート凹部が副スプロケット歯に噛み合うことで動力伝達の一部を担うため、サイレントチェーンの幅方向寸法を大きくすることなく比較的大きな動力伝達性能を確保できる。また、第2の側面によれば、ガイドプレートが主スプロケット歯の側面に摺接することで、サイレントチェーンのスプロケットからの脱落が防止される。また、第3の側面によれば、サイレントチェーンの捩れが抑制される。また、第4の側面によれば、第1リンクプレートが負担する動力伝達量と第2リンクプレートおよびガイドプレートが負担する動力伝達量とが略等しくなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係るエンジンの要部透視斜視図である。
【図2】サイレントチェーンの要部を示す側面図である。
【図3】実施形態に係るサイレントチェーンの要部を示す平面図である。
【図4】実施形態に係るサイレントチェーンの要部分解斜視図である。
【図5】実施形態に係る第1リンクプレートを示す側面図である。
【図6】実施形態に係る第2リンクプレートを示す側面図である。
【図7】実施形態に係るガイドプレートを示す側面図である。
【図8】実施形態に係るスプロケットの模式的斜視図である。
【図9】実施形態におけるスプロケットとサイレントチェーンとの噛み合いを示す図である。
【図10】図9中のX−X断面図である。
【図11】実施形態における駆動騒音の低減効果を示すグラフである。
【図12】実施形態における駆動騒音の低減効果を示すグラフである。
【図13】実施形態における駆動騒音の低減効果を示すグラフである。
【図14】一部変形例に係るサイレントチェーンの要部分解斜視図である。
【図15】一部変形例に係るガイドプレートを示す側面図である。
【図16】一部変形例におけるスプロケットとサイレントチェーンとの噛み合いを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明を自動車用エンジンのカムシャフト駆動に供される動力伝達装置の一実施形態とその一部変形例とを詳細に説明する。なお、各部材の説明にあたっては、図1,図4中に上下・左右・前後を矢印で示し、位置や方向をこれらに沿って表記する。
【0015】
[実施形態]
≪実施形態の構成≫
<全体構成>
図1に示すエンジンEは、自動車に搭載されるDOHC4バルブ型の4サイクル直列4気筒ガソリンエンジンであり、そのシリンダヘッド51に、各気筒2本ずつの吸気バルブ52および排気バルブ53、これら吸排気バルブ52,53を駆動する吸気カムシャフト54および排気カムシャフト55を備えている。両カムシャフト54,55は、クランクスプロケット31、カムチェーンとしてのサイレントチェーン1、吸気カムスプロケット32、排気カムスプロケット33を介して、クランクシャフト56によって1/2の回転速度をもって回転駆動される。なお、クランクシャフト56は、コネクティングロッド57を介してピストン58に連結されており、ピストン58がレシプロ運動することによって回転する。
【0016】
<サイレントチェーンの構成>
図2〜図4に示すように、本実施形態のサイレントチェーン1は、鋼板を素材とする2枚の第1リンクプレート2からなる第1リンク列3と、どちらも鋼板を素材とする2枚の第2リンクプレート5および2枚のガイドプレート6からなる第2リンク列7と、両リンク列3,7を交互に連結するピン9とから構成されている。第2リンクプレート5は、ガイドプレート6が外側に位置するかたちでガイドプレート6に重ねられている。また、両第1リンクプレート2は、2枚重ねにされた状態で、両第2リンクプレート5の内側に介装されている。すなわち、本実施形態のサイレントチェーン1は、第1リンク列3が中央に配置される一方、第2リンク列7が第1リンク列3の左右に配置されており、幅方向で対称(左右対称)な配列となっている。
【0017】
図5に示すように、第1リンクプレート2には、所定の間隔で一対のピン孔11が前後に穿設されるとともに、後述する各スプロケット31〜33の主スプロケット歯35に噛み合う一対のリンクプレート歯12およびリンクプレート凹部17(両リンクプレート歯12間の凹部)が下側に形成されている。図6に示すように、第2リンクプレート5には、一対のピン孔13が第1リンクプレート2と同一の位置に穿設されるとともに、第1リンクプレート2と同一形状のリンクプレート歯14およびリンクプレート凹部18が下側に形成されている。図7に示すように、ガイドプレート6には、一対のピン孔15が第1リンクプレート2と同一の位置に穿設されるとともに、後述する各スプロケット31〜33の副スプロケット歯36に噛み合う一対のガイドプレート歯16およびガイドプレート凹部19(両ガイドプレート歯16間の凹部)が下側に形成され、更にガイドプレート凹部19の直上に重量軽減孔20が穿設されている。
【0018】
図5〜図7に示すように、第1リンクプレート2(第2リンクプレート5)の両ピン孔11(13)の中心を結んだ面からリンクプレート歯12(14)の歯底までの距離L1に対し、ガイドプレート6の両ピン孔15の中心を結んだ面からガイドプレート凹部19の底までの距離L2は有意に大きく設定されている。また、本実施形態の場合、図3から判るように、第1リンク列3の幅方向寸法T1は、両第2リンク列7の幅方向寸法T2の和と等しくなっている(T1=2×T2)。
【0019】
<スプロケット>
各スプロケット31〜33は、径や歯数の相違はあるもののともに略同一形状の主スプロケット歯35と副スプロケット歯36とを有しており、サイレントチェーン1との噛み合い形態も同一であるため、吸気カムスプロケット32について説明する。
【0020】
図8に示すように、吸気カムスプロケット32は、左右方向中央(すなわち、回転軸方向中央)に形成された18枚の主スプロケット歯35と、各主スプロケット歯35の左右端に連続した副スプロケット歯36とを備えている。副スプロケット歯36は、主スプロケット歯35と同一の歯底を有しているが、主スプロケット歯35に較べて歯高が有意に低くなっている。図5〜図7において、主スプロケット歯35の歯高をS1とし、副スプロケット歯36の歯高をS2とすると、距離L1と歯高S1との和(L1+S1)と距離L2と歯高S2との和(L2+S2)とが等しく設定されている。なお、各スプロケット31〜33は、高強度合金鋼の微粉末を素材とし、焼結やMIM(Metal Injection Molding:金属粉末射出成形)等の粉末冶金法によって製造される。
【0021】
≪実施形態の作用≫
エンジンEが運転を開始すると、クランクシャフト56とともにクランクスプロケット31が回転し、サイレントチェーン1や両カムスプロケット32,33を介して両カムシャフト54,55が駆動される。図9,図10に示すように、吸気カムスプロケット32の主スプロケット歯35には第1リンクプレート2のリンクプレート凹部17と第2リンクプレート5のリンクプレート凹部18とが噛み合い、副スプロケット歯36にはガイドプレート6のガイドプレート凹部19が噛み合う。また、ガイドプレート6の内側面は、主スプロケット歯35の側面に摺接/係止される。
【0022】
本実施形態では、このような構成を採ったことにより、両リンクプレート2,5のみならず、ガイドプレート6も動力伝達に寄与することになり、サイレントチェーン1の幅方向寸法を比較的小さく設定しても、高い動力伝達性能を確保できるとともに、第1リンク列3が負担する動力伝達量と第2リンク列7が負担する動力伝達量とが略等しくなる。
【0023】
また、本発明者等が、実機(エンジン)を比較的高速で運転させた場合と同様の条件で試験(ベンチテスト)を行ったところ、ガイドプレート6のガイドプレート凹部19に副スプロケット歯36が噛み合わない従来のもの(以下、”ガイド噛み合い無し”と記す)に較べ、各スプロケット31〜33における主スプロケット歯35の摩耗が1/3程度となることが確認できた。
【0024】
一方、本発明者等が、吸気カムスプロケット32の回転速度を変化させながら1次振動の放射音の音圧レベルを計測したところ、図11に示すように、ガイド噛み合い無しの場合の音圧レベル(破線で示す)に較べ、大半の回転領域で実施形態の音圧レベル(実線で示す)が低くなることが確認できた。そして、図12に示す2次振動の放射音の音圧レベルや、図13に示す1.5次振動の放射音の音圧レベルについても、ガイド噛み合い無しの場合の音圧レベル(破線で示す)に較べ、大半の回転領域で実施形態の音圧レベル(実線で示す)が低くなることが確認できた。
【0025】
[一部変形例]
一部変形例のサイレントチェーン1は、図14に示すように実施形態と同様の構成を採っているが、図15に示すようにガイドプレート6における重量軽減孔20の位置やガイドプレート凹部19の形状が異なっている。すなわち、一部変形例においては、重量軽減孔20が実施形態のものに対して下方に穿設されるとともに、ガイドプレート凹部19の上端(最深部)が連通部21を介して重量軽減孔20に連通している。
【0026】
一部変形例では、吸気カムスプロケット32にサイレントチェーン1が巻き掛けられ、ガイドプレート凹部19に副スプロケット歯36に噛み合うと、図16に示すように、副スプロケット歯36の先端が連通部21に進入する。そして、重量軽減孔20と連通部21とが存在することにより、副スプロケット歯36の進入に伴って両ガイドプレート歯16が微少に弾性変形し(すなわち、ガイドプレート凹部19が微少に開き)、両ガイドプレート歯16の傾斜面によって副スプロケット歯36が挟み込まれるかたちとなる。
【0027】
これにより、副スプロケット歯36の先端とガイドプレート凹部19との衝突に起因する衝突音が発生しなくなるとともに、副スプロケット歯36とガイドプレート歯16との衝突音もガイドプレート歯16が撓むことによって緩和され、上述した実施形態のものに較べて駆動騒音を更に減少させることができる。
【0028】
以上で具体的実施形態および一部変形例の説明を終えるが、本発明の態様はこれら実施形態や一部変形例に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、第1リンク列3が2枚の第1リンクプレート2から構成され、第2リンク列7が各1枚の第2リンクプレート5とガイドプレート6とから構成されるものとしたが、第1リンク列3を構成する第1リンクプレート2を1枚あるいは3枚以上としてもよいし、第2リンク列7を構成する第2リンクプレート5を2枚以上としてもよい。また、上記実施形態は幅方向中央に第1リンクプレートが配置されたサイレントチェーンに本発明を適用したものであるが、本発明は、幅方向の中央に第2リンクプレートが配置されたサイレントチェーン等にも適用可能である。その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、主スプロケット歯や副スプロケット歯の歯数や形状等についても適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 サイレントチェーン
2 第1リンクプレート
3 第1リンク列
5 第2リンクプレート
6 ガイドプレート
7 第2リンク列
9 ピン
11 ピン孔
12 リンクプレート歯
13 ピン孔
14 リンクプレート歯
15 ピン孔
16 ガイドプレート歯
17 リンクプレート凹部
18 リンクプレート凹部
19 ガイドプレート凹部
20 重量軽減孔
21 連通部
32 吸気カムスプロケット
35 主スプロケット歯
36 副スプロケット歯
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンや産業機械等に用いられる動力伝達装置に係り、詳しくは耐久性や静粛性の向上を図る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等に搭載されるレシプロエンジンでは、運転時にカムシャフトやオイルポンプを確実に作動させる必要があるため、これらが滑りを起こさない動力伝達部材を介してクランクシャフトに連結されている。動力伝達部材としては、ローラチェーンやタイミングベルトが一般に用いられた時期もあったが、現在では静粛性や耐久性に優れたサイレントチェーン(特許文献1,2参照)が主流となっている。
【0003】
特許文献1のサイレントチェーンは、幅方向中央に配置された2枚のリンクプレート(以下、第1リンクプレートと記す)と、第1リンクプレートの両側方にそれぞれ配置された各1枚のリンクプレート(以下、第2リンクプレートと記す)とをピンによって交互に連結した無端状のものであり、第2リンクプレートの側方にはそれぞれ1枚のガイドプレートが配置されている。2枚の第1リンクプレートは第1リンク列として一体に作動し、第2リンクプレートおよびガイドプレートは第2リンク列として一体に作動する。また、第1,第2リンクプレートにはスプロケットに形成されたスプロケット歯に噛み合うリンクプレート歯がそれぞれ形成される一方、ガイドプレートはサイレントチェーンのスプロケットからの脱落を防止すべくスプロケットの外側面に係止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−53987号公報
【特許文献1】特開平5−17251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サイレントチェーンは、その幅方向寸法が大きくなるとエンジンの体格も大きくなるため、エンジンの設計上の都合等によって自ずと幅方向寸法に制限が加えられる。したがって、特許文献1のサイレントチェーンでは、制限された幅方向寸法で必要とする動力伝達性能を確保するように、第1リンク列の幅方向寸法が第2リンク列の幅方向寸法の和よりも大きく設定されている。これは、第1リンク列を幅広とし幅方向で対称形状とすることで、サイレントチェーンの捩れも抑制されて有利となること(すなわち、重心が幅方向中心となること)等を目的とする。
【0006】
しかしながら、このような構造とした場合、ガイドプレートがスプロケット歯に噛み合わないため、スプロケットとサイレントチェーンとの噛合幅が小さくなり、スプロケットの耐久性が低くなる(スプロケット歯の摩耗が大きくなる)。特に、スプロケット歯が偶数の場合、常に同一の箇所がサイレントチェーンの第1リンク列(または、第2リンク列)に噛み合うため、スプロケット歯の摩耗が進行しやすくなる問題があった。一方、動力伝達に寄与しないガイドプレートは、第2リンク列にとっては重量を増加させるだけのものであり、駆動騒音を増大させる要因となっていた。
【0007】
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、ガイドプレートにも動力伝達を担わせることで耐久性や静粛性の向上を図った動力伝達装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面では、それぞれに一対のピン孔を有する複数のリンクプレートを当該ピン孔に嵌挿されるピンによって交互に連結するとともに、前記リンクプレートの幅方向両側方に前記ピンが嵌挿されるガイドプレートをそれぞれ配置してなるサイレントチェーンと、当該サイレントチェーンが巻き掛けられるスプロケットとを有する動力伝達装置であって、前記ガイドプレートは、前記サイレントチェーンの幅方向両側方に配置され、前記スプロケットには、前記リンクプレートに形成されたリンクプレート凹部と噛み合う主スプロケット歯が幅方向中央に形成されるとともに、前記ガイドプレートに形成されたガイドプレート凹部と噛み合う副スプロケット歯が当該主スプロケット歯の両側方に形成され、前記サイレントチェーンが前記スプロケットに巻き掛けられた状態で、前記ガイドプレートが前記主スプロケット歯の側面に係止される。
【0009】
また、本発明の第2の側面では、前記一対のピン孔の中心線を結んだ面に対し、前記ガイドプレート凹部の底が前記リンクプレート凹部の底よりも離間している。
【0010】
また、本発明の第3の側面では、前記リンクプレートは、幅方向中央に配置された第1リンクプレートと、当該第1リンクプレートの両側方に配置された第2リンクプレートとからなる。
【0011】
また、本発明の第4の側面では、前記第2リンクプレートにおける両ピン孔と前記ガイドプレートにおける両ピン孔とが重なるように配置され、前記第1リンクプレートの幅方向寸法は、前記第2リンクプレートの幅方向寸法と前記ガイドプレートの幅方向寸法との和に略等しい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の側面によれば、ガイドプレートは、スプロケットからのサイレントチェーンの脱落を防止するだけでなく、ガイドプレート凹部が副スプロケット歯に噛み合うことで動力伝達の一部を担うため、サイレントチェーンの幅方向寸法を大きくすることなく比較的大きな動力伝達性能を確保できる。また、第2の側面によれば、ガイドプレートが主スプロケット歯の側面に摺接することで、サイレントチェーンのスプロケットからの脱落が防止される。また、第3の側面によれば、サイレントチェーンの捩れが抑制される。また、第4の側面によれば、第1リンクプレートが負担する動力伝達量と第2リンクプレートおよびガイドプレートが負担する動力伝達量とが略等しくなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係るエンジンの要部透視斜視図である。
【図2】サイレントチェーンの要部を示す側面図である。
【図3】実施形態に係るサイレントチェーンの要部を示す平面図である。
【図4】実施形態に係るサイレントチェーンの要部分解斜視図である。
【図5】実施形態に係る第1リンクプレートを示す側面図である。
【図6】実施形態に係る第2リンクプレートを示す側面図である。
【図7】実施形態に係るガイドプレートを示す側面図である。
【図8】実施形態に係るスプロケットの模式的斜視図である。
【図9】実施形態におけるスプロケットとサイレントチェーンとの噛み合いを示す図である。
【図10】図9中のX−X断面図である。
【図11】実施形態における駆動騒音の低減効果を示すグラフである。
【図12】実施形態における駆動騒音の低減効果を示すグラフである。
【図13】実施形態における駆動騒音の低減効果を示すグラフである。
【図14】一部変形例に係るサイレントチェーンの要部分解斜視図である。
【図15】一部変形例に係るガイドプレートを示す側面図である。
【図16】一部変形例におけるスプロケットとサイレントチェーンとの噛み合いを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明を自動車用エンジンのカムシャフト駆動に供される動力伝達装置の一実施形態とその一部変形例とを詳細に説明する。なお、各部材の説明にあたっては、図1,図4中に上下・左右・前後を矢印で示し、位置や方向をこれらに沿って表記する。
【0015】
[実施形態]
≪実施形態の構成≫
<全体構成>
図1に示すエンジンEは、自動車に搭載されるDOHC4バルブ型の4サイクル直列4気筒ガソリンエンジンであり、そのシリンダヘッド51に、各気筒2本ずつの吸気バルブ52および排気バルブ53、これら吸排気バルブ52,53を駆動する吸気カムシャフト54および排気カムシャフト55を備えている。両カムシャフト54,55は、クランクスプロケット31、カムチェーンとしてのサイレントチェーン1、吸気カムスプロケット32、排気カムスプロケット33を介して、クランクシャフト56によって1/2の回転速度をもって回転駆動される。なお、クランクシャフト56は、コネクティングロッド57を介してピストン58に連結されており、ピストン58がレシプロ運動することによって回転する。
【0016】
<サイレントチェーンの構成>
図2〜図4に示すように、本実施形態のサイレントチェーン1は、鋼板を素材とする2枚の第1リンクプレート2からなる第1リンク列3と、どちらも鋼板を素材とする2枚の第2リンクプレート5および2枚のガイドプレート6からなる第2リンク列7と、両リンク列3,7を交互に連結するピン9とから構成されている。第2リンクプレート5は、ガイドプレート6が外側に位置するかたちでガイドプレート6に重ねられている。また、両第1リンクプレート2は、2枚重ねにされた状態で、両第2リンクプレート5の内側に介装されている。すなわち、本実施形態のサイレントチェーン1は、第1リンク列3が中央に配置される一方、第2リンク列7が第1リンク列3の左右に配置されており、幅方向で対称(左右対称)な配列となっている。
【0017】
図5に示すように、第1リンクプレート2には、所定の間隔で一対のピン孔11が前後に穿設されるとともに、後述する各スプロケット31〜33の主スプロケット歯35に噛み合う一対のリンクプレート歯12およびリンクプレート凹部17(両リンクプレート歯12間の凹部)が下側に形成されている。図6に示すように、第2リンクプレート5には、一対のピン孔13が第1リンクプレート2と同一の位置に穿設されるとともに、第1リンクプレート2と同一形状のリンクプレート歯14およびリンクプレート凹部18が下側に形成されている。図7に示すように、ガイドプレート6には、一対のピン孔15が第1リンクプレート2と同一の位置に穿設されるとともに、後述する各スプロケット31〜33の副スプロケット歯36に噛み合う一対のガイドプレート歯16およびガイドプレート凹部19(両ガイドプレート歯16間の凹部)が下側に形成され、更にガイドプレート凹部19の直上に重量軽減孔20が穿設されている。
【0018】
図5〜図7に示すように、第1リンクプレート2(第2リンクプレート5)の両ピン孔11(13)の中心を結んだ面からリンクプレート歯12(14)の歯底までの距離L1に対し、ガイドプレート6の両ピン孔15の中心を結んだ面からガイドプレート凹部19の底までの距離L2は有意に大きく設定されている。また、本実施形態の場合、図3から判るように、第1リンク列3の幅方向寸法T1は、両第2リンク列7の幅方向寸法T2の和と等しくなっている(T1=2×T2)。
【0019】
<スプロケット>
各スプロケット31〜33は、径や歯数の相違はあるもののともに略同一形状の主スプロケット歯35と副スプロケット歯36とを有しており、サイレントチェーン1との噛み合い形態も同一であるため、吸気カムスプロケット32について説明する。
【0020】
図8に示すように、吸気カムスプロケット32は、左右方向中央(すなわち、回転軸方向中央)に形成された18枚の主スプロケット歯35と、各主スプロケット歯35の左右端に連続した副スプロケット歯36とを備えている。副スプロケット歯36は、主スプロケット歯35と同一の歯底を有しているが、主スプロケット歯35に較べて歯高が有意に低くなっている。図5〜図7において、主スプロケット歯35の歯高をS1とし、副スプロケット歯36の歯高をS2とすると、距離L1と歯高S1との和(L1+S1)と距離L2と歯高S2との和(L2+S2)とが等しく設定されている。なお、各スプロケット31〜33は、高強度合金鋼の微粉末を素材とし、焼結やMIM(Metal Injection Molding:金属粉末射出成形)等の粉末冶金法によって製造される。
【0021】
≪実施形態の作用≫
エンジンEが運転を開始すると、クランクシャフト56とともにクランクスプロケット31が回転し、サイレントチェーン1や両カムスプロケット32,33を介して両カムシャフト54,55が駆動される。図9,図10に示すように、吸気カムスプロケット32の主スプロケット歯35には第1リンクプレート2のリンクプレート凹部17と第2リンクプレート5のリンクプレート凹部18とが噛み合い、副スプロケット歯36にはガイドプレート6のガイドプレート凹部19が噛み合う。また、ガイドプレート6の内側面は、主スプロケット歯35の側面に摺接/係止される。
【0022】
本実施形態では、このような構成を採ったことにより、両リンクプレート2,5のみならず、ガイドプレート6も動力伝達に寄与することになり、サイレントチェーン1の幅方向寸法を比較的小さく設定しても、高い動力伝達性能を確保できるとともに、第1リンク列3が負担する動力伝達量と第2リンク列7が負担する動力伝達量とが略等しくなる。
【0023】
また、本発明者等が、実機(エンジン)を比較的高速で運転させた場合と同様の条件で試験(ベンチテスト)を行ったところ、ガイドプレート6のガイドプレート凹部19に副スプロケット歯36が噛み合わない従来のもの(以下、”ガイド噛み合い無し”と記す)に較べ、各スプロケット31〜33における主スプロケット歯35の摩耗が1/3程度となることが確認できた。
【0024】
一方、本発明者等が、吸気カムスプロケット32の回転速度を変化させながら1次振動の放射音の音圧レベルを計測したところ、図11に示すように、ガイド噛み合い無しの場合の音圧レベル(破線で示す)に較べ、大半の回転領域で実施形態の音圧レベル(実線で示す)が低くなることが確認できた。そして、図12に示す2次振動の放射音の音圧レベルや、図13に示す1.5次振動の放射音の音圧レベルについても、ガイド噛み合い無しの場合の音圧レベル(破線で示す)に較べ、大半の回転領域で実施形態の音圧レベル(実線で示す)が低くなることが確認できた。
【0025】
[一部変形例]
一部変形例のサイレントチェーン1は、図14に示すように実施形態と同様の構成を採っているが、図15に示すようにガイドプレート6における重量軽減孔20の位置やガイドプレート凹部19の形状が異なっている。すなわち、一部変形例においては、重量軽減孔20が実施形態のものに対して下方に穿設されるとともに、ガイドプレート凹部19の上端(最深部)が連通部21を介して重量軽減孔20に連通している。
【0026】
一部変形例では、吸気カムスプロケット32にサイレントチェーン1が巻き掛けられ、ガイドプレート凹部19に副スプロケット歯36に噛み合うと、図16に示すように、副スプロケット歯36の先端が連通部21に進入する。そして、重量軽減孔20と連通部21とが存在することにより、副スプロケット歯36の進入に伴って両ガイドプレート歯16が微少に弾性変形し(すなわち、ガイドプレート凹部19が微少に開き)、両ガイドプレート歯16の傾斜面によって副スプロケット歯36が挟み込まれるかたちとなる。
【0027】
これにより、副スプロケット歯36の先端とガイドプレート凹部19との衝突に起因する衝突音が発生しなくなるとともに、副スプロケット歯36とガイドプレート歯16との衝突音もガイドプレート歯16が撓むことによって緩和され、上述した実施形態のものに較べて駆動騒音を更に減少させることができる。
【0028】
以上で具体的実施形態および一部変形例の説明を終えるが、本発明の態様はこれら実施形態や一部変形例に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、第1リンク列3が2枚の第1リンクプレート2から構成され、第2リンク列7が各1枚の第2リンクプレート5とガイドプレート6とから構成されるものとしたが、第1リンク列3を構成する第1リンクプレート2を1枚あるいは3枚以上としてもよいし、第2リンク列7を構成する第2リンクプレート5を2枚以上としてもよい。また、上記実施形態は幅方向中央に第1リンクプレートが配置されたサイレントチェーンに本発明を適用したものであるが、本発明は、幅方向の中央に第2リンクプレートが配置されたサイレントチェーン等にも適用可能である。その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、主スプロケット歯や副スプロケット歯の歯数や形状等についても適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 サイレントチェーン
2 第1リンクプレート
3 第1リンク列
5 第2リンクプレート
6 ガイドプレート
7 第2リンク列
9 ピン
11 ピン孔
12 リンクプレート歯
13 ピン孔
14 リンクプレート歯
15 ピン孔
16 ガイドプレート歯
17 リンクプレート凹部
18 リンクプレート凹部
19 ガイドプレート凹部
20 重量軽減孔
21 連通部
32 吸気カムスプロケット
35 主スプロケット歯
36 副スプロケット歯
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれに一対のピン孔を有する複数のリンクプレートを当該ピン孔に嵌挿されるピンによって交互に連結するとともに、前記リンクプレートの幅方向両側方に前記ピンが嵌挿されるガイドプレートをそれぞれ配置してなるサイレントチェーンと、当該サイレントチェーンが巻き掛けられるスプロケットとを有する動力伝達装置であって、
前記ガイドプレートは、前記サイレントチェーンの幅方向両側方に配置され、
前記スプロケットには、前記リンクプレートに形成されたリンクプレート凹部と噛み合う主スプロケット歯が幅方向中央に形成されるとともに、前記ガイドプレートに形成されたガイドプレート凹部と噛み合う副スプロケット歯が当該主スプロケット歯の両側方に形成され、
前記サイレントチェーンが前記スプロケットに巻き掛けられた状態で、前記ガイドプレートが前記主スプロケット歯の側面に係止されることを特徴とする動力伝達装置。
【請求項2】
前記一対のピン孔の中心線を結んだ面に対し、前記ガイドプレート凹部の底が前記リンクプレート凹部の底よりも離間していることを特徴とする、請求項1に記載された動力伝達装置。
【請求項3】
前記リンクプレートは、幅方向中央に配置された第1リンクプレートと、当該第1リンクプレートの両側方に配置された第2リンクプレートとからなることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載された動力伝達装置。
【請求項4】
前記第2リンクプレートにおける両ピン孔と前記ガイドプレートにおける両ピン孔とが重なるように配置され、
前記第1リンクプレートの幅方向寸法は、前記第2リンクプレートの幅方向寸法と前記ガイドプレートの幅方向寸法との和に略等しいことを特徴とする、請求項3に記載された動力伝達装置。
【請求項1】
それぞれに一対のピン孔を有する複数のリンクプレートを当該ピン孔に嵌挿されるピンによって交互に連結するとともに、前記リンクプレートの幅方向両側方に前記ピンが嵌挿されるガイドプレートをそれぞれ配置してなるサイレントチェーンと、当該サイレントチェーンが巻き掛けられるスプロケットとを有する動力伝達装置であって、
前記ガイドプレートは、前記サイレントチェーンの幅方向両側方に配置され、
前記スプロケットには、前記リンクプレートに形成されたリンクプレート凹部と噛み合う主スプロケット歯が幅方向中央に形成されるとともに、前記ガイドプレートに形成されたガイドプレート凹部と噛み合う副スプロケット歯が当該主スプロケット歯の両側方に形成され、
前記サイレントチェーンが前記スプロケットに巻き掛けられた状態で、前記ガイドプレートが前記主スプロケット歯の側面に係止されることを特徴とする動力伝達装置。
【請求項2】
前記一対のピン孔の中心線を結んだ面に対し、前記ガイドプレート凹部の底が前記リンクプレート凹部の底よりも離間していることを特徴とする、請求項1に記載された動力伝達装置。
【請求項3】
前記リンクプレートは、幅方向中央に配置された第1リンクプレートと、当該第1リンクプレートの両側方に配置された第2リンクプレートとからなることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載された動力伝達装置。
【請求項4】
前記第2リンクプレートにおける両ピン孔と前記ガイドプレートにおける両ピン孔とが重なるように配置され、
前記第1リンクプレートの幅方向寸法は、前記第2リンクプレートの幅方向寸法と前記ガイドプレートの幅方向寸法との和に略等しいことを特徴とする、請求項3に記載された動力伝達装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−202489(P2012−202489A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67864(P2011−67864)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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