説明

動物個体に特異的な栄養剤プログラムを提供する方法およびシステム

特定動物の欠乏および/または必要性を満たすために特に調製した栄養剤プログラムを動物に提供する。
【課題】
【解決手段】 動物から血液を採取し、この血液をラボで分析し血液検査結果を得る。血液検査結果に点数を付け、少なくとも1種の対応する血液パラメータについて少なくとも1個の血液検査点数を得る。前記少なくとも1個の血液検査点数が正常域内にあるが正常域内の最適範囲外にあるならば、前記少なくとも1種の対応する血液パラメータについて最適範囲に動物をもっていくために必要な1種以上の栄養剤を同定する。少なくとも前記対応する血液パラメータについての前記血液検査点数と前記血液検査点数の最適範囲からの偏差に基づいて、動物のために同定した前記1種以上の栄養剤の少なくとも1種の処方投与量を計算する。処方投与量の計算は、対応する血液パラメータの血液検査点数と最適範囲からの血液点数の偏差に少なくとも基づく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年9月17日出願の米国仮出願第60/610、748号に基づくもので、その出願はここに参考文献として組み込まれる。
本発明は、動物個体に対して特定の栄養剤プログラムを提供する方法とシステムに関する。さらに詳細に述べると、本発明は、動物体内臓器の健康状態、およびその代謝プロセスに必要な利用可能なビタミン類、ミネラル類および酵素類の評価を可能とする。血液検査結果と病歴を用いて、本発明が提供する栄養学的血液検査(NBT)は、臓器機能を最適化し、さらに代謝のバランスを保つために必要な栄養物に優先順位を付ける。次に、この結果を、臨床応答を助ける特定栄養剤とマッチさせる。
【背景技術】
【0002】
動物臓器および腺類は病的であるとみなされないにしても、それらが最適とはいえない状態で機能していることがある。潜在する虚弱、欠乏または不適切なバランスなどがあるかも知れず、それらはもし検査せずに放置すると、変性して病的プロセスに陥るかもしれない。
【0003】
標準的血液検査では厳密に病理を中心としており、代謝および生理的弱点を明らかにすることができないことが多い。血液検査は慣例上診断の第一段階となっているが、単純に“正常”と“異常”を識別することよりもむしろ、臓器弱点を識別する分析が必要とされている。こうした方向は、“どの臓器が機能していないか”ということから“どのように臓器は機能すべきであるか”にまで拡張する必要がある。
【0004】
標準的処置は、過去において、動物に医薬および栄養サプリメントを与えてその健康状態を維持するかまたは回復させることであった。動物に対して栄養剤を与える先行技術はマルチビタミンの形状として行われており、あらかじめ定めた量の栄養サプリメントを、定められた動物群に対して変化させることなく与える。このような方法では、動物個体の特定の栄養欠乏が解決されることはない。
【0005】
動物に対して栄養サプリメントを与えるための他の先行方法も開発されている。しかし、これらの先行方法のいずれも、動物を分析しこの分析に基づいてこの特定動物に対して具体的に作製した栄養剤プログラムを処方するものではない。特に、この先行技術は、動物の健康を最適化するために、望ましい栄養剤を明らかにしかつ欠乏を処置するために明らかにした栄養剤の投与量を計算するという観点から、動物の欠乏を解決するために具体的に作製した栄養剤プログラムを処方していない。さらに、先行技術は、血液検査数値が正常域にあるが、それでもなお、なんらかの具体的に不適切なところがあるかも知れない動物の健康を最適化するための方法を開示していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、“正常”域の検査結果を有する動物の特定栄養欠乏を明らかにできるより精密な方法および装置が必要とされている。したがって、動物に合わせた特別の処置をするための方法およびシステムを提供することが、本発明の目的である。本発明の別の目的は、血液分析に基づいて動物に合わせた特別の処置をするための方法およびシステムを提供することである。さらに、動物の血液分析に基づき、それぞれの動物に合わせた動物処置方法およびシステムを提供することも本発明の目的である。さらに本発明の目的は、ある栄養が欠乏しているかもしれない動物を処置するための方法とシステムを提供することである。さらに本発明の目的は、最適に機能しているとはいえない臓器を有している動物類を処置するために方法とシステムを提供することである。
【0007】
さらに本発明の目的は、それぞれの動物の具体的必要性に栄養剤の組成や投与量を合わせた動物処置方法とシステムを提供することである。さらに本発明の目的は、獣医が動物血液検査をラボに委任してそれに呼応して処置についてのお勧めの方法を聞くための方法およびシステムを提供することである。さらに本発明の目的は、インターネットのような通信網を介して獣医が栄養剤処置プランのプロバイダーと連絡を取り合うことができる方法およびシステムを提供することである。
【0008】
本発明の方法およびシステムは、先に述べた利点および他の利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、動物個体に特化した栄養剤プログラムを提供するための方法およびシステムに関する。本発明により、動物内臓の健康状態と、その代謝プロセスに必要な利用可能なビタミン類、ミネラル類および酵素類を詳細に評価することができる。本発明の方法およびシステムは、臓器機能を最適化するためおよび代謝のバランスを保つために必要な栄養物類に優先順位を付ける。本発明は、この特定の栄養剤類を明らかにし、この評価に対応してその具体的投与量を決定する。本発明は、栄養の吸収と利用がうまくいっていないために動物が欠乏しているものまたはバランスが取れていないものを明らかにするために有用で、それぞれの動物のために具体的に特化して作成した対応処置を提供する。
【0010】
本発明の実施例態様において、動物個体に特化した栄養剤プログラムを提供する方法が、示される。動物から血液を採取して、ラボで分析し、血液検査結果を得る。血液検査結果に点数を付けて、少なくとも1種の対応する血液パラメータに対して少なくとも1種の血液試験点数を得る。次に、少なくとも1種の血液検査点数が、対応する血液パラメータについて定義した正常域の外にあるかどうかを決定できる。正常域中の最適範囲もまた、各血液パラメータについて定義される。もし少なくとも1種の対応する血液パラメータの血液検査点数が前記の最適範囲内にあれば、動物の健康が最適であり、この動物には全く栄養剤を処方することがない。
【0011】
もし少なくとも1種の血液検査点数が正常域内にあるが最適範囲の外であれば、少なくとも1種の対応する血液パラメータについての最適範囲にこの動物をもっていくために必要な1種以上の栄養剤を、明らかにする。次に、処方投与量を、前記動物について1種以上明らかにした栄養剤の少なくとも1種について計算する。処方投与量の計算は、少なくとも対応する血液パラメータの血液検査点数と血液検査点数が最適範囲からどれだけ逸脱しているかその偏差に基づいている。
【0012】
もし少なくとも1種の血液検査点数が正常域外であるならば、この動物が病気で、前記の少なくとも1種の血液検査点数を正常域にもっていくために標準的栄養物または医薬を処方する。
【0013】
1種以上の栄養剤は、動物種、動物生理、動物生化学、動物の身体状態所見を述べたデータ、動物の医学的診断を述べるデータ等のうちの少なくとも1種に基づいて、明らかにすることができる。
【0014】
特定の明らかになった栄養剤の処方投与量の計算は、血液検査点数、最適範囲からの前記少なくとも1種の血液検査点数の偏差、動物種、動物体重、投与強度情報および投与限度情報に基づき“プレキャップ”投与量を計算することを含む。計算したプレキャップ投与量を次に、前記特定動物についての“低キャップ”投与量および“高キャップ”投与量と比較できる。もし前記プレキャップ投与量が、低キャップ投与量と高キャップ投与量の間にあるならば、前記の処方投与量が、プレキャップ投与量に等しくなる。もしプレキャップ投与量が高キャップ投与量を超えているならば、処方投与量は、この高キャップ投与量に等しくなる。もしプレキャップ投与量が低キャップ投与量未満であるならば、処方投与量は、低キャップ投与量に等しくなる。
【0015】
低キャップ投与量は、動物体重または前記少なくとも1種の血液検査点数の最適範囲からの偏差にかかわらず、動物について処方した同定栄養剤の最小量である。高キャップ投与量は、動物体重または前記少なくとも1種の血液検査点数の最適範囲からの偏差にかかわらず、動物について処方した同定栄養剤の最大量である。
【0016】
本発明の1実施例態様において、プレキャップ投与量は、投与強度Sに動物体重を掛けたものに等しい。投与強度Sは、下記として定義できる:
S=傾き(血液点数−最大範囲値)+高投与量
【0017】
最適範囲から逸脱する血液検査点数範囲を示す複数の重篤度レベルを、確立することができる。重篤度レベルマイナスは、血液検査点数範囲が最適範囲最小値未満であることを示し、重篤度レベルプラスは、血液検査点数範囲が最適範囲最大値を越えていることを示す。
【0018】
もし前記少なくとも1種の血液検査点数が重篤度レベルマイナスになったら、最大範囲値は、最適範囲に最も近い重篤度レベルマイナスの最高値であり、最小範囲値は、最適範囲から最も離れた重篤度レベルマイナスの最低値である。もし少なくとも1種の血液検査点数が重篤度レベルプラスに入れば、最大範囲値は、最適範囲から最も離れた重篤度レベルプラスにおける最高値であり、最小範囲値は、最適範囲に最も近い重篤度レベルプラスにおける最低値である。
【0019】
その際には、傾きは、次のようにも定義できる:
傾き=(高投与量−低投与量)/(最大範囲値−最小範囲値)
【0020】
低投与量は、動物体重または前記少なくとも1種の血液検査点数の重篤度レベルにかかわらず、この動物について処方した最小栄養剤強度を示すことができる。高投与量は、低投与量のおよそ2倍となる。
【0021】
正常範囲と最適範囲の少なくともひとつは、複数動物についてのこれまでの血液検査点数を含むデータベースから導出できる。このデータベースは、動物種、動物体重および血液検査点数に関する情報で更新できる。
【0022】
血液検査分析で測定した血液パラメータ類は、白血球情報、赤血球情報および血液化学情報の少なくとも1種を含むことができる。血液パラメータは、動物の1種以上の内臓の機能に対応させることができる。たとえば、血液検査で測定した血液パラメータ類には、下記のうちの1種以上を含むことができる:AST(SGOT)、ALT(SGPT)、総ビリルビン、アルカリホスファターゼ、GGTP,総タンパク質、アルブミン、グロブリン、A/G比、コレステロール、尿素窒素(Bun)、クレアチニン、BUN/クレアチニン比、リン、カルシウム、グルコース、アミラーゼ、リパーゼ、ナトリウム、カリウム、塩化物、CPK、トリグリセリド類、乳酸デヒドロゲナーゼ、白血球数、赤血球数、ヘモグロビン(HGB)、ヘマトクリット(PCV,HCT)、絶対ポリ(好中球数)、絶対リンパ球数、絶対単球数、絶対好酸球数、血小板数、T4等。
【0023】
栄養剤類は、ビタミン類、ミネラル類、酵素類、アミノ酸類、ホメオパシーサプリメント類、ハーブサプリメント類、未加工の生の腺サプリメント類等を含むことができる。
【0024】
血液検査結果は、ラボからサービスプロバイダーに対して電子的に伝えることもできる。サービスプロバイダーは血液検査結果に点数を付け、少なくとも1種の血液検査点数を得る。サービスプロバイダーは、また、同定した栄養剤の処方投与量を計算することもできる。前記の処方投与量は、サービスプロバイダーから調剤薬剤師に電子的に伝えることができる。調剤薬剤師は、次に、処方された投与量に従って1種以上の識別された栄養剤を含む処方を作成し、動物に投与するため、動物飼い主または獣医に発送する。
【0025】
本発明はまた、上記記載の方法を実行するためのシステムを可能とする。特に、本発明は、動物個体に特化した栄養剤プログラムを付与するためのシステムを包含する。本発明によるこのようなシステムの1実施例態様において、血液アナライザーが提供され、動物の血液サンプルを分析し、血液検査結果を得る。さらに、複数動物についてのこれまでの血液検査点数を含むデータベースが提供される。血液検査点数歴は、対応する血液パラメータについて正常域を規定し、対応する血液パラメータについての正常域内にある最適範囲を対応して規定する。血液アナライザーおよびデータベースと接続したプロセッサーもまた、前記システムの一部として提供される。前記プロセッサーは、血液検査結果に点数をつけ少なくとも1種の対応する血液パラメータについて少なくとも1個の血液検査点数を得て、この少なくとも1個の血液検査点数が対応する血液パラメータについて定めた正常域外にあるかどうかを決定するように、改良することができる。もし前記少なくとも1個の血液検査点数が、正常域内にあるものの最適範囲外にあるならば、前記プロセッサーは、前記少なくとも1種の対応する血液パラメータについての最適範囲に動物をもっていくために必要な1種以上の栄養剤を明らかにすることもできる。いったん栄養剤(類)が明らかになると、次に、前記プロセッサーは、前記動物についての明らかになった1種以上の栄養剤類の少なくとも1種について処方投与量を計算することもできる。前記処方投与量の計算は、対応する血液パラメータの少なくとも1種の血液検査点数と最適範囲からの前記血液検査点数の偏差に基づいて行うことができる。
【0026】
もし前記少なくとも1種の血液検査点数が正常域外に入るならば、この動物が病気で、前記の少なくとも1種の血液検査点数を正常域にもっていくために標準的栄養物または医薬を処方する。
【0027】
前記プロセッサーは、動物種、動物生理、動物生化学、動物の身体状況を記載したデータ、および動物の医学的診断を記載したデータの少なくともひとつに基づいて1種以上の栄養剤を同定する。プロセッサーが用いたデータは、データベースからまたはパソコン、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話、ラップトップコンピュータ等のようなユーザーターミナルからの入力により得ることができる。このようなデータは、プロセッサーに直接接続したユーザーターミナルにより、またはインターネット、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、グローバルエリアネットワーク、電話網等およびそれらの組み合わせを含む有線またはワイヤレス通信網により、プロセッサーに遠隔接続したユーザーターミナルから直接入力することもできる。当業者は、前記プロセッサーがまた、必要情報を含む1を超えるデータベースと接続することができることがわかるであろう。
【0028】
前記プロセッサーは、上記の処方類および方法を用いて、特定の識別栄養剤について処方投与量を計算することができる。
【0029】
前記データベース(類)はまた、上記に述べた重篤度レベルに関する情報を保存することもでき、それらは、最適範囲から逸れた血液検査点数範囲を示唆する(例 上述の重篤度レベルマイナスおよびプラス)。
【0030】
血液検査結果は、ラボの血液分析担当者からサービスプロバイダーの手元にあるプロセッサーに電子的に連絡することもできる。プロセッサーが計算した処方投与量は、次に、サービスプロバイダーから調剤薬剤師に電子的に連絡することができる。調剤薬剤師は、次に、処方投与量に従って1種以上の識別栄養剤を含む処方を作製し、動物に投与するために動物飼い主または獣医にこの処方を発送できる。
【0031】
本発明の方法の実施例態様と関連させて述べた特徴は、本発明のシステム態様にも同様に適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
下記の詳細な説明では例示的態様のみを述べるが、発明の範囲、適用性、または構成を限定するためではない。むしろ、例示的態様の下記の詳細な説明は、当業者に対して本発明の態様を実施するための実施可能な説明を示すであろう。特許請求の範囲に記載の本発明の思想および範囲から逸脱することなく、構成要素の機能および組み立てをさまざまに変更できることがわかるであろう。
【0033】
本発明は、動物個体に特定の栄養剤プログラムを付与するための方法およびシステムを提供する。本発明の実施例態様によれば、動物血液を採取し、それについて分析を行う。血液検査に点数を付けて、正常か異常かを決定する。異常であることは、通常、病気を示唆する。異常に対応し、通常カプセル形状として“在庫品(オフ・ザ・シェルフ)”として栄養物を動物に与える。正常範囲の動物の結果を分析し、いかなる栄養欠乏があるかを決定する。このプロセスにより、動物が摂取すべき栄養剤という観点から動物個体に特化した処置を行う。
【0034】
各測定血液パラメータについて健常(すなわち、“正常”)動物に適した血液検査点数範囲が、通常、ある。しかし、これらの正常域では、測定可能でかつウェルネスおよび治癒に重要な構成成分となっている組織完全性と臓器効率には、わずかに違いが認められる。本発明は、参考範囲(正常域)を超えて、臓器またはシステムがどのように動いているかを重視したレベルまたは測定値に注目している。すなわち、本発明により、健常動物についてさえも全体としての健康状態と臓器機能を最適化するため栄養剤を選択できるようになる。
【0035】
本発明は、基本的に、正常参考範囲で生息している動物を最適範囲にもっていくための処置を提供することを目指している。最適範囲とは、臓器または代謝プロセスがピーク効率で機能している範囲で正常域をより狭めたものと定義される。この最適範囲内では、全く健康状態の劣化というものはなくまた測定値を矯正する必要もない。しかし、最適範囲外の結果は病気または異常を必ずしも示唆するものではないもの、特定の臓器システムが最適効率で機能していないかも知れず従ってそれに見合ったサポートを必要としているかも知れないことを実際に示唆している。
【0036】
動物の血液検査結果を分析し、血液検査点数が特定の血液パラメータについて決定した最適範囲内にあるかどうかを決定する。貯留されているビタミン類、ミネラル類および酵素類の利用可能なレベルを決定するとともに、特定臓器の状況について評価する。これらの結果に対応して、この動物に特化した栄養学的プログラムをこの動物に対して推奨する。
【0037】
本発明と関連させて使用するために考慮した栄養物または栄養剤には、ビタミン類、ミネラル類、酵素類、アミノ酸類、ホメオパシーサプリメント類、ハーブサプリメント類、未加工の生の腺サプリメント類等が含まれる。これらの栄養物は、動物血中で見られた欠乏に適合するよう特定の配合とし、動物体重とバランス欠如または欠乏の重篤度に応じて、精密に投与する。栄養物組み合わせは、希望に応じて粉末状または液体状で提供できる。このようなオーダーメードの投与を行うことで、事前に製剤化したカプセルおよび錠剤の必要性がなくなり、複数錠剤やカプセルを投与せねばならないという難題に終止符が打たれる。必要に応じてまたはかかりつけ獣医の希望に応じて、栄養物組み合わせは、カプセルまたは錠剤の形状で調製できる。さらに、結合剤類、充填剤類、コーティング類、保存剤類、着色剤類および添加物類のような不活性化合物類は時に腸の炎症リスクを高めあるいは脂肪溶解性ビタミン類の吸収を阻害するが、これらは本発明で排除される。オーダーメードで配合した粉剤は、生体利用性がより高く、したがって、同化を最大としかつ消化管の不快感を最小とする。さらに、精密な量で投与されるので、過量投与も避けられる。
【0038】
獣医の見地からは、本発明では、下記の段階を必要とするであろう:
1.血液を採取し、全血球算定(CBC)、超化学血液検査(完全血液化学、SMAまたはCHEMプロフィールともいわれる)、および甲状腺試験(T4)等を行う;
2.質問用紙に全て回答し、血液バイアルに血液試験ラボ診断からの追跡ステッカー(リクエストまたはアクセス)を貼る;
3.血液検査ラボが血液を取りにくる日時を設定する;
4.ラボからバランス不良および/または欠乏を中心とした報告を受け取り、勧められる対応措置の概略を示す;および
5.調剤薬剤師から栄養剤の処方投与剤を受け取る。
【0039】
本発明の栄養血液検査を提供するサービスプロバイダー、血液検査ラボと調剤薬剤師センターの見地からは、本発明には下記の段階を伴う。
1.年齢、性、血統、体重、現在服用中の薬剤、サプリメントおよびダイエット、ワクチン接種歴、医学的診断情報等を含む対応する動物病歴を有する動物から、血液サンプルを受け取る;
2.赤血球、白血球および血液化学に関する情報について具体的に血液を分析する;
3.血液に点数を付ける;それには、全血球算定(CBC)、超化学血液検査(完全血液化学、SMAまたはCHEMプロフィールともいわれる)、および甲状腺試験(T4)等のうちの少なくとも1種の結果を採用し、さらに、最適からの偏差との関連からこれらの試験1種以上の結果に点数を付ける;
4.点数をデータベースと比較する;
5.点数が最適から外れているか、どこで外れているかを決定する;
6.必要な栄養剤を決定する(動物を最適にするという最終目的で、血液の生理学的分析から決定する);および
7.前記動物について適正な(栄養物、栄養剤および治療薬類の)投与を決定する;および
8.調剤薬剤師により、この動物に特化した特定栄養剤の適正な投与剤を調製する。
【0040】
用語“栄養剤”とは、ビタミン類、ミネラル類、腺サプリメント類、医薬類、酵素類、アミノ酸類、栄養物類、ホメオパシーサプリメント類、ハーブサプリメント類等を含むものとして本文で使用する。前記栄養剤は、通常、2ヶ月乃至3ヶ月のサプリメントプログラム(重篤な症例については、週ごとまたは月単位の薬が処方される)で処方することができる。最初の期間が経過した後、血液検査(類)を繰り返して、追跡分析を行うことができる。欠乏およびバランス不良を再度評価し、もともとのNBT分析と比較し、プログラムに基づいて、サプリメント補充プログラムを調整する。(強化するか、そのまま維持するかまたは維持レベルに低下するかは、血液検査結果と動物の臨床状態ならびに改善レベルに基づく。)
【0041】
人力で血液点数を調べおよそ過去25年にわたって欠乏を矯正するためにサプリメント類を処方した結果としてのデータと相関させ、コンピュータモデルが開発されている。好適な態様において、本発明が提供したコンピュータ分析は、およそ36種の異なる血液点数因子を評価し、何年にもわたる試験で開発した参考範囲と比較する。本発明の最適範囲は、それぞれの血液検査の臨床的重要性と血液検査が生理学的および生化学的に何を示唆するかに基づき、この医療データから作成する。本発明は、大きさや体重のような動物についての特性を要因として考慮し、動物についてそれぞれの処置プログラムを作成するが、このプログラムでは栄養物を同定し投与判定を行う。この処置プログラムは、したがって、動物について具体的に特化しており、動物に対しては、動物の健康状態を最適化するためにまさに必要な処置を提供する。
【0042】
図1は、本発明の実施例態様のブロック図である。最初に、獣医は、動物病院20から血液検査ラボ22に血液サンプルを提出(1で示した)する。血液サンプル提出1は、血液検査ラボ22で受け取られる(2で示した)。獣医から受け取った血液サンプル2に識別および追跡目的のため受け取りステーション12でラベルを貼ることができる。血液サンプル提出1には、本発明により開発したNBT(栄養血液試験)質問用紙が付随する。これとは別に、血液検査ラボ22は、動物病院20に対して、NBT質問用紙または血液試験リクエストまたはアクセス書式をファクシミリ等で送付することもできる。NBT質問用紙には、動物についての具体的情報が盛り込まれており、体重、年齢、性、血統、種および動物に関する臨床および病歴が含まれるが、それらに限定されない。いったん獣医が完成したNBT質問用紙を提出すると、この質問用紙に血液検査ラボでラベルを貼り、提出された血液バイアルとともに保存する。質問用紙に追跡ステッカーを付けることもでき、この追跡ステッカーは、追跡目的のため血液バイアルに固定できる。
【0043】
血液検査ラボ22は、本発明に従い血液分析(例 血液アナライザー23により)を行い、その結果を印刷し、および/または獣医に送付するかまたはファクシミリで送付する。血液検査の結果を示した(21で示した)。獣医に送付したこのレポートには、獣医の医学的評価のため、全血球算定(CBC)、超化学血液検査(完全血液化学)、およびT4試験の少なくとも1種の血液検査結果が、含まれる。検査(類)およびNBT質問用紙を含む対応する書面での作業の結果もまた、血液検査ラボ22のデータベース26に保存され、このデータベースは、血液検査ラボ22にあるサーバー24と接続している。指定の間隔で、ウェブサービス25(サービスプロバイダー30が稼動させる)がこのサーバー24にポーリングを行い、新しいデータがないかチェックする。新しい試験を見つけると、データを暗号化して、サービスプロバイダー30(例 本発明の指定代理人であるBionutrional、LLC)のメインサーバー32にあるウェブサービス31に(例 TCP/IPを用いて)転送し(3で示した)、ここで、データの暗号化を解除して、サービスプロバイダー30の主データベース34に転送し(4で示した)かつ保存する。図1は血液検査ラボ22のデータベース26とサービスプロバイダー30のデータベース34を示しているが、これら2種のデータベースの機能がひとつのデータベースに統合できること、それは、対応するデータベースサーバーを有する遠隔地に配置することもできるし、または、サービスプロバイダー30または血液検査ラボ22のいずれかに配置してもよいことを、当業者は理解するであろう。いずれの場合でも、血液検査ラボ22および/またはサービスプロバイダー30は、当該技術で公知のように、ウェブブラウザーを用いてインターネットから、またはローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワーク上のような従来方法で、このような統合データベースと接続できる。
【0044】
モニタリングデバイス37は、サービスプロバイダーデータベース34に入れた新しいデータをモニタリングし、サービスプロバイダー30に対して、新しい血液検査が血液検査ラボ22から送付されたことを知らせる。その後、NBT質問用紙(病歴、診断、および使用中の薬剤)と血液の生理学的分析に基づいて、サービスプロバイダー30は、栄養学的および生理学的分析を(例 プロセッサー36において)行い、特定栄養剤の最適範囲を決定し動物に対して特定栄養剤類の選択と計算を行い、この特定栄養剤類は、オーダーメードで作製されるであろう。プロセッサー36は、数個の因子に基づいて各血液パラメータについて特定の栄養剤または栄養剤類を選択するが、この因子類には、欠乏度、動物種、動物の性、動物の体重、処置歴データ、特定栄養剤と血液パラメータについて公知となっている関係、血液分析から得た生理データ、動物生理、血液分析から得た動物生化学、動物の生理状態観察所見についてのデータ、動物の医学的診断を記載したデータ等を含むが、それらに限定されない。この選択プロセスは、特定栄養剤を選択する際、上記因子を考慮するようプロセッサー36に働く“規則類”によって支配される。さらに、この規則と使用した特定因子間の関連は、検査で得られ本発明で可能となったモニタリングで得られた新しいデータに基づいて継続的に更新され、このプロセッサー36は、経時的に選択プロセスを連続してさらに精密なものとするようになる。
【0045】
計算した処方を、精査しかつ承認を得る(5で示した)ためサービスプロバイダー30の品質管理部署39にまわす。血液結果、結果の解釈、推奨処置(例 栄養剤投与量およびその投与スケジュール)、追跡スケジュールおよびオーダー用紙を含むレポートが次に獣医に連絡され、例えばインターネット70、e−mail、通常の書簡、または他の全ての通信手段のような通信手段38により検討され、動物病院20の対応する通信手段17により受領される。また、オーダー承認も送付され、動物病院での通信デバイス16によりオーダー状況がチェックされ、これは、サービスプロバイダー30のウェブサービス31と接続している。
【0046】
動物病院20から(電話、インターネット、ファクシミリ、e−mail、または他の全ての通信手段18により)レポート承認40を受け取ると、獣医は、サービスプロバイダーにオーダーする(7で示した)。オーダーは、サービスプロバイダー22のソフトウェア45(Nutritional Therapy Processing System Softwareと称する)により作成され、オーダーにより処理の準備ができている調剤薬剤師50にオーダーの知らせが送られる(8で示した)。調剤薬剤師50は対応するソフトウェア51を利用して、オーダーを見る。調剤薬剤師50は、通信手段54とWindows(登録商標) Service55によりサービスプロバイダー30と連絡を取り合うことができる。オーダー処理(例 CPU52において)後、調剤薬剤師50は、通信手段54によりサービスプロバイダー30に対して注文品を発送しておりインボイスの用意ができていることの知らせを送る(9に示した)。サービスプロバイダー30は、発送された注文品を(例 モニター44で)モニターしインボイスを作成(10として示した)し、動物病院20に送付する。血液検査ラボ22はまた、提供された血液検査サービスについてのインボイスも(例 請求システム60により)作成し、このインボイスを直接、動物病院20に送付する。これとは別に、血液検査ラボ22は、サービスプロバイダー30に請求し、プロバイダーは次に、血液検査コストを動物病院20に対して10で示したインボイスに付け替える。
【0047】
いかなる時点においても、獣医はサービスプロバイダーウェブサイト11にログインでき、かれら自身のプライベートエリアにアクセスして、患者のNBT報告書を見て、オーダー19の状況をチェックし、オーダーと報告書の経緯を調べる。ステータスウェブサービス15はサーバー32に連結されており、獣医がオーダーに応じて状況についての情報を得ることができるようにしている。ウェブサイトの公開エリアにおいて、ビジターは栄養血液検査についてより多くを知り、患者の看護と栄養を結びつける。
【0048】
当業者は、上記に述べかつ図1に示した実施例が、本発明の唯一の実施例実施にあたること、および本発明が包含するプロセス全体が唯一の場所における唯一のサービスプロバイダーにより実行できることを理解するであろう。すなわち、サービスプロバイダーは、獣医学サービス、血液検査サービス、血液分析、必要栄養剤の決定、処方投与量の決定、および調剤薬剤師サービスを一箇所で提供できる。これとは別に、本発明の段階は、1箇所以上の離れた場所において1つ以上の組織団体または一人以上の個人により提供することもできる。これらの場所は、電話網、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、有線またはワイヤレスネットワーク、またはそのすべての組み合わせのようなネットワークにより互いに接続されている。
【0049】
図2は、本発明の栄養剤作成プロセスの実施例態様のフローチャートを示しており、それにより、各栄養剤処方の適切な投与量が決定される。このプロセスは、数多くの血液点数因子について実施する試験結果である血液化学読み取り値(段階1)で始まる。さまざまな血液試験パラメータについての血液検査点数サンプルを下記の表1に示した。表1に示した実施例点数は、イヌ血液サンプルについてのものである。表1は、各測定血液パラメータについての最適範囲から逸脱したそれぞれの血液点数の実際の構成成分が、各血液点数が栄養学的に何を意味するかを決定するであろうということを示している。各血液点数を、特定血液パラメータについて求めた正常および最適範囲と比較した。
【0050】
【表1】

【0051】
グルコースの最適範囲が70−183であり、グルコースの正常範囲が70−138であることに注目すれば、グルコースが、最適範囲を正常範囲外にもつ唯一のパラメータであることがわかる。グルコースの正常範囲は、食後すぐの血液中に存在するグルコースレベル上昇を補正するため、その高値側で正常域外に設定されている。
【0052】
表1では、アルブミン、尿素窒素(BUN)、クレアチニン、アルカリホスファターゼ、ALT(SGPT)、コレステロール、カリウム、アミラーゼ、CPK、GGTP、ヘモグロビン(HGB)、ヘマトクリット(PVC,HCT)、赤血球数、絶対単球数、絶対好酸球数および血小板数についての血液検査点数が正常域にあるが最適範囲外であるか、または、全く正常域外であることがわかる。表1実施例における残りの測定血液パラメータ類は、最適範囲内に入る。正常域外の血液パラメータ類(ALT(SGPT)、アルカリホスファターゼ、クレアチニン、カリウム、および絶対好酸球数)の点数は、病気であることを示唆し、処方医薬で処置できる。表1の最適および正常範囲外に入る血液検査点数の解釈を下記に示した。
【0053】
アルブミンの血液検査点数は2であり、正常であるが最適以下である。アルブミンレベル低下は、食事中のタンパク質の内容が不十分であるかまたは不良であることを示唆する。それはまた、変性疾患と消耗または肝臓が代謝不全となっていることを示唆する。このことはしばしば、肝臓に対するサプリメント類、ある種のビタミンB類、ビタミンA、CおよびD、アミノ酸類、およびレシチンの必要性を示唆する。
【0054】
尿素窒素(BUN)の血液検査点数は23であり、正常であるが最適を超えている。BUNレベル上昇は、肝臓と腎臓に過剰の負荷がかかっていることを示唆し、さらに、下垂体、甲状腺および肝臓が弱っていることを示唆し、それらはタンパク質代謝を監督している。この過剰負荷は、マグネシウム、銅、ヨウ素および鉄のような重要なミネラル類が欠乏していることを示唆できる。それはまた、重篤な腎臓疾患を示唆することもある。
【0055】
クレアチニンの血液検査点数は、1.8であり、正常域を超えている。クレアチニンレベル上昇は、筋肉中代謝不全とタンパク質吸収が不良であることを示している。このことは膵臓が弱っており、膵臓酵素レベルが低くなっていること、ならびに、脳下垂体前葉および生殖腺系が虚弱であることを示唆している。このことはまた、腎臓の重篤な疾患を示唆することもある。
【0056】
アルカリホスファターゼの血液検査点数は664であり、正常域を超えている。アルカリホスファターゼレベル上昇は、体全体でミネラル類の作用が効率的でないことを示唆する。このことはまた、腺類が血液に比べてあまりに酸性であることを示唆することもある。このことはまた、副腎と生殖腺系における過活性と根本的に虚弱であることを示すこともある。またそれは、ビタミンC(アスコルビン酸)、PABA、パントテン酸、および葉酸のような酸性の栄養ならびに、ナトリウムおよびカリウムのような重要なミネラル類が必要であることを示唆することもある。長期に続くレベル上昇は、副腎の虚弱(クッシング病とも言われる)と癌のような重篤な変性疾患があることと関連させることができる。レベル上昇は、コネコやコイヌが急激に成長する際または骨折した骨が治癒する際、よく見られる。
【0057】
ALT(SGPT)の血液検査点数は126であり、正常域を超えている。アラニントランスフェラーゼレベル上昇は、肝臓の虚弱または病気を示唆することがある。またこれは、ビタミンA、ビタミンDおよびビタミンB6ならびに鉄、銅およびヨウ素の欠乏を示唆することがある。レベル上昇は、有毒化学物質または汚染物質に暴露したことを示唆することもある。
【0058】
コレステロールの血液検査点数は300であり、正常であるが最適域を超えている。コレステロールレベル上昇は、食事中飽和脂肪(ほとんどの市販ペットフードで見られるように)が望ましいレベルを超えていることを示唆している。これらの飽和脂肪は、コレステロールを含む一般的に全ての脂肪の吸収を刺激する。これにより血液は濃厚になり、これらの血中脂肪の酸化(酸敗)を起こさせるようにする。このことは、レシチン、コリンおよびイノシトールさらに微量であるが必須のミネラル類の必要性を示唆する。このことはまた、脳下垂体前葉の全体としての虚弱性と胃と腸における酸レベルバランス不良を示唆している。
【0059】
カリウムの血液検査点数は5.6であり、正常域を超えている。カリウムレベル上昇は、心筋の脆弱性と度を越えた衰弱を示唆しており、それは、不規則な収縮につながることがある。このことは、ビタミンE、コエンザイムQおよびアミノ酸L−カルニチンの必要性を示唆する。
【0060】
アミラーゼの血液検査点数は969であり、正常であるが最適域を超えている。アミラーゼレベル上昇は、膵臓における活発な炎症を示唆し、そのことは、膵臓が弱っていることあるいは医療処置が必要であること(急性膵炎)を示す場合もある。食事は、脂肪摂取量を低くするように調整し、必須脂肪酸類、高消化性タンパク質類および炭水化物複合体類レベルのバランスを適正にするために調整すべきである。
【0061】
CPKの血液検査点数は155であり、正常であるが最適域を超えている。クレアチンホスホキナーゼレベル低下は、筋肉の無栄養症または消耗を示唆し、筋肉には心筋も含まれる。このことはまた、必須アミノ酸類およびビタミンEの欠乏を示唆することもある。
【0062】
GGTPの血液検査点数は7であり、正常であるが最適域を超えている。ガンマグルタミニルトランスフェラーゼレベル上昇は、過量の老廃物と有毒物質の存在のゆえに体内酸素レベル低下を示唆する。このことは、ビタミンB複合体、銅および鉄欠乏を示唆する。このことはまた、肝臓の虚弱を示唆する。
【0063】
ヘモグロビン(HGB)の血液検査点数は12.8であり、正常であるが最適域を下回る。ヘモグロビンレベル低下は、貧血、栄養不良および/または血液中での食物吸収がわるいことを示唆する。このことはまた、肝臓と脾臓が弱っていることならびにビタミンB複合体、ビタミンCおよび鉄の欠乏さらに高消化性タンパク質類およびアミノ酸類の必要性を示唆する。
【0064】
ヘマトクリット(PVC,HCT)の血液検査点数は38であり、正常であるが最適域を下回る。ヘマトクリットレベル低下は、赤血球数が望ましいレベルに達していないことを示唆する(貧血)。このことは、骨髄、肝臓および脾臓における虚弱性ならびにビタミンB12および鉄の欠乏を示唆している。
【0065】
RBC(赤血球数)の血液検査点数は5.3であり、正常であるが最適域を下回る。赤血球数レベル低下は、血液損失または適正レベルの赤血球を体が製造できないことを示唆している(貧血)。このことは、血液中に望ましいレベルを超えた老廃物または有毒物質があること、薬剤に対しての副作用または慢性変性状態を示唆する。このことはまた、肝臓、骨髄、脾臓および肝臓における虚弱性とビタミンB12、クロロフィルおよび鉄の必要性を示唆している。
【0066】
絶対単球数の血液検査点数は833であり、正常であるが最適域を超えている。単球数レベル上昇は、長期持続感染および炎症性プロセスがあることを示唆している。このことは、ビタミンC,ビタミンAおよびビタミンEの必要性を示唆する。
【0067】
絶対好酸球数の血液検査点数は1428であり、正常域を超えている。好酸球数増加は、アレルギー状態またはイヌ糸状虫または腸内ぎょう虫類のような寄生体の存在を示唆する。このことは、胸腺および副腎が弱っていることを示す。このことはまた、ビタミンB6およびビタミンCの必要性を示唆することもある。
【0068】
血小板数の血液検査点数は389であり、正常であるが最適域を超えている。血小板数増加は、血液の濃厚化または骨髄の炎症を示唆する。このことはまた、骨髄の虚弱ならびにビタミンCおよびビタミンEの欠乏を示唆する。
【0069】
いったん血液検査点数が得られてそれらが最適範囲に入るか、正常範囲であるが最適範囲外であるか、または正常範囲外であるかが決められると、動物を最適健康状態にもっていくために必要な特定の栄養剤を決定できる。上記にも述べたように、異なる栄養剤が、最適範囲外の各血液パラメータについて必要である。必要な栄養剤は、点数が最適範囲を上回るかまたはそれを下回るかにより異なってくる。
【0070】
下記に実施例を示したが、この実施例目的のため、血液パラメータアルブミンのみを検討する。上記の表1にも示したように、アルブミンの血液検査点数は2であり、それは、最適範囲を下回るが正常範囲内である。先にも述べたように、低アルブミンレベルは、食事中のタンパク質が不十分であるかまたは内容が貧弱であることを示唆する。それはまた、肝臓の変性疾患ならびに肝臓の消耗または代謝不良を示唆する。このことは肝臓サプリメント類、ビタミンB類、ビタミンA、CおよびD,アミノ酸類およびレシチンが必要であることを示唆している。下記の実施例のため、アルブミンレベルが低いゆえに必要な肝臓サプリメント投与量を計算し、求めた。低アルブミンレベルにより示唆された他の栄養剤類(すなわち、ビタミンA、CおよびD、およびレシチン)の決定ならびにそれに対応する最適範囲の外にある他の血液検査点数によって示唆される栄養剤類にも、同様の処方と方法が適用されることを理解されたい。
【0071】
本発明によれば、血液化学読み取り値が最適範囲外であると決定される(段階2)と、それらが最適からどれだけ逸れているかに基づいて、重篤度範囲(例 −1、−2、−3、および+1、+2、+3)にグループ分けする。重篤度範囲は各動物種(イヌ、ネコ、ウマ)で異なる。各処方栄養剤は、投与特性群を有しており、その例を下記の表2に示した。
【0072】
【表2】

【0073】
表2に示した投与特性群を下記の表3と関連させて使用し、表3は、イヌについての栄養血液検査(NBT)ワークシート(NBTW)の例を示している。表3は、適正な投与量を計算するための第一段階チャートの例である。
【0074】
【表3】

【0075】
下記の表4は、上記表2および3で使用した用語の説明を示している。下記表3における各用語の前の数値は、上記表2および3で用語を使用したカラムの番号を示している。
【0076】
【表4】

【0077】
栄養剤の適正投与量を決定する第1段階は、上記表3における血液化学読み取り値15が最適範囲を超えているかまたは下回るかを決定することである。もし血液化学読み取り値が最適未満であるならば(−1、−2、−3)、その際には、最小範囲値18は、重篤度レベル−3における最低読み取り値であり、最大範囲値19は、重篤度レベル−1における最高読み取り値である。もし血液点数が最適範囲を超えていると(重篤度レベル+1、+2、+3)、その際には、最小範囲値20は、重篤度レベル+1における最低読み取り値であり、最大範囲値21は、重篤度レベル+3における最高読み取り値である。上述のようなイヌ実施例を継続し、血液パラメータアルブミンについての血液化学読み取り値2が得られ、それを上記表3のカラム15に示した。血液化学読み取り値2は、カラム11のアルブミンについて重篤度範囲−2(カラム12に示した低範囲値2からカラム13に示した高範囲値2.3までを有する)に入る。示した表3の例において、アルブミンの最適範囲(カラム14に示した)は、2.7(カラム12に示した低範囲値)と3.6(カラム13に示した高範囲値)の間にある。最適重篤度範囲を下回る血液化学読み取り値の結果、最小範囲1.6と最大範囲2.6となり、それは、それぞれ、表3のカラム18と19に示した。
【0078】
表2は、イヌ投与チャートのサンプルである。表2はイヌ投与チャートの一部のみを示しており、そこでは、酵素類/消化補助手段と腺類を含んでいる。完全な投与チャートはまた、さまざまなビタミン類、ミネラル類、ホメオパシー物質類、ハーブサプリメント類等について投与情報を提供することもできる。別々の投与チャートは、各動物種について付与することができ、適切な投与チャート(例 イヌについての表3)を用いて、適切な重篤度範囲における対応する栄養剤類を準備し、低用量10(表2)を2倍にして、17として示した高用量乗数を得る(表3)。
これによって、傾き22(図2の段階4として示した)を計算するために必要な全てのパーツが得られる。傾きとは、最大および最低重篤度点と最大および最小投与量との関係で作成した直線の傾きを示すために用いられる用語である。傾きは、高投与量から低投与量を引き算して、最大範囲値から最小範囲値を引き算した数でその値を割ることによって計算する。結果、下記の式が得られる:
傾き=(高投与量−低投与量)/(最大範囲値−最小範囲値)
【0079】
上記のイヌ実施例を継続し低アルブミンレベルについて同定した栄養剤としての肝臓サプリメントを用い(表1と関連させて上記で検討)、イヌ投与チャート(表2)は、肝臓サプリメントについて4.5の低投与量(カラム10において)を示唆している。最大投与量が低投与量×2倍であるので、肝臓サプリメントについての最大投与量は、9である。低および高投与量のための乗数は、表3のカラム16と17に示した。したがって、検討しているイヌ実施例について、高投与量乗数が9で、低投与量乗数が4.5、最大範囲が2.6で最小範囲が1.6である。したがって、傾きは、傾き=(9−4.5)/(2.6−1.6)=4.5と計算でき、それを表3のカラム14に示した。
【0080】
傾きを用いて、最大範囲値を血液化学読み取りから減算しその数に傾きを掛けることによって、実際の血液化学読み取り値が低投与量および高投与量との関連に入るかどうかを、決定できる。結果を次に高投与量に加算し、強度23(図2の段階5で示した)を得る。式は下記のようになる:
強度=傾き×(血液化学読み取り値−最大範囲値)+高投与量乗数
【0081】
上記に述べたイヌ実施例のため、強度は、
強度=4.5(2−2.6)+9=6.3として計算できる。
【0082】
プレキャップ投与量24(図2の段階6に示した)を決定するため、強度に動物体重を掛ける。プレキャップ投与量は、高キャップまたは低キャップを適用する前の投与量として定義される。作成された式は下記のとおりである:
プレキャップ投与量=強度×動物体重
【0083】
図2に示したイヌ実施例は、イヌ体重が75ポンドであることを示している。したがって、このイヌのプレキャップ投与量は、下記のように計算できる。
プレキャップ投与量=6.3×75=472.5
【0084】
このプレキャップ投与量を、表2に示した低キャップ26および高キャップ25と比較する。もしこの投与量が低キャップよりも小さいならば、その際には、実際の投与量は低キャップに等しくなる(段階7)。もしこの投与量が高キャップよりも大きいならば(段階8)、その際には、実際の投与量は高キャップに等しくなる。もし、その投与量が高キャップ25と低キャップ26の間にあるならば、実際の投与量は、プレキャップ投与量に等しくなる。
【0085】
イヌ実施例について表2のカラム25と26に示したように、肝臓サプリメントの高キャップは600で、低キャップは60である、上記でコンピュータ計算したイヌについてのプレキャップ投与量は472.5であり、それは、表2に示した高および低キャップ値の間に入る。したがって、プレキャップ投与量は、このイヌ実施例において実際の投与量であろう。
【0086】
上記で検討し図2に示したプロセスを、各血液パラメータについて規定した最適範囲の外部に入る各血液パラメータについておよび正常域外部のこれらの血液パラメータ類のそれぞれについて同定した各栄養剤について、繰り返す(図2の段階9)。下記の表5は、上記表1に示した血液検査結果に対応して本発明で決定した必要な栄養剤類について計算した投与量の例を示している。
【0087】
【表5】

【0088】
液体治療薬は、特定問題を解決するために作成したオーダーメードで配合した処方である。
メス用ドロップは、卵巣、子宮および女性ホルモン系(特に不妊手術をしたメス)関連アンバランスのための特定細胞、組織および代謝を助けるものを提供する。メス用処方は、女性ホルモンバランスをよくする手助けをするために設計され、正常状態は、生殖系を強化する。卵巣および子宮痛および炎症を取り除く。不妊手術を行ったメスでは、女性ホルモン産生に関与している他の腺類のバランスを取ることを手助けするであろう。頻尿ドロップは、膀胱と括約筋のホメオパシーサポートを提供し、尿失禁のためのコントロールを改善する。腎/膀胱処方は炎症を鎮め、下部尿管疾患(LUTD)、腎炎、膀胱炎、尿石症および尿道炎のような状態における尿管を全体として強化する。腎/卵巣/副腎ドロップは、腎、卵巣、および副腎に対して特殊な細胞および腺サポートを提供する。下垂体ドロップは、下垂体に対して組織および腺サポートを提供する。
【0089】
本発明が動物個体に特化した栄養プログラムを提供するための有益な方法とシステムを提供することは理解できたであろうが、このプログラムでは、動物の健康状態を最適化するための栄養剤類の適正投与量を決定する。
【0090】
本発明をさまざまな例示態様と関連させて記述してきたが、請求の範囲に述べた本発明の精神と範囲から逸脱することなく、発明に対して多くの修正および適用ができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1A】図1Aは本発明の実施例態様のブロック図である。
【図1B】図B)は本発明の実施例態様のブロック図である。
【図2】図2は本発明と関連させて用いた栄養剤作成プロセスの実施例態様のフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
1 書式とともに血液サンプル送付
2 血液サンプル受け取り
3 データ転送
4 データベース転送
5 処方の精査と承認
7 獣医は、サービスプロバイダーにオーダー
8 調剤薬剤師にオーダーの知らせが送付
9 注文品の発送とインボイスの知らせを送付
10 インボイスを作成送付
11 サービスプロバイダー
12 血液サンプル受理ステーション
15 状況/ウェブサービス
16 状況、オーダー承認
17 レポート受理
18 承認/オーダー確認
19 状況チェック
20 動物病院
21 血液サンプルの結果提示
22 血液検査ラボ(BTL)
23 血液アナライザー(血液サンプル分析)
24 ウェブサーバー
25 ウェブサービス
26 データベース
30 サービスプロバイダー
31 BTL用/ウェブサービス
32 ウェブサーバー
34 データベース(DB)
36 プロセッサー
37 モニター(新しいNBT結果)
38 レポート送付
39 品質管理
40 カスタマー承認/オーダー受理
44 モニター(オーダー発送)
45 ソフトウェアオーダー
50 調剤薬剤師(CP)
51 ソフトウェア(新しいオーダー)
54 サービスプロバイダーへオーダーが発送されたことを通知
55 CP用/Windows(登録商標)Service
60 請求システム
70 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物から血液を採取すること;
この血液をラボで分析し血液検査結果を得ること;
前記血液検査結果に点数を付け、少なくとも1種の対応する血液パラメータについて少なくとも1個の血液検査点数を得ること;
前記少なくとも1個の血液検査点数が対応する血液パラメータについて定義した正常域外にあるかどうかおよび前記少なくとも1個の血液検査点数が前記正常域内にあるが前記正常域内の最適範囲外にあるかどうかを決定すること;
前記少なくとも1種の対応する血液パラメータについて最適範囲に動物をもっていくために必要な1種以上の栄養剤を同定すること;および
少なくとも前記対応する血液パラメータについての前記血液検査点数と前記血液検査点数の最適範囲からの偏差に基づいて、動物のために同定した前記1種以上の栄養剤の少なくとも1種の処方投与量を計算すること;
前記少なくとも1種の血液検査点数が前記正常域外に入るならば、前記少なくとも1種の血液検査点数を正常域に入れるために標準的栄養物または医薬を処方すること;
を含む動物個体に特化した栄養剤プログラムを提供する方法。
【請求項2】
前記1種以上の栄養剤の同定が、動物種、動物生理、動物生化学、動物の身体状態所見を述べたデータ、動物の医学的診断を述べるデータ等のうちの少なくとも1種に基づいていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
特定の明らかになった栄養剤の処方投与量の計算が、
前記血液検査点数、最適範囲からの前記少なくとも1種の血液検査点数の偏差、動物種、動物体重、投与強度情報および投与限度情報に基づきプレキャップ投与量を計算すること;および
計算したプレキャップ投与量を次に、前記特定動物についての低キャップ投与量および高キャップ投与量と比較することを含み、
さらに、もし前記プレキャップ投与量が、低キャップ投与量と高キャップ投与量の間にあるならば、前記の処方投与量が、プレキャップ投与量に等しくなり;
もしプレキャップ投与量が高キャップ投与量を超えているならば、処方投与量は、この高キャップ投与量に等しくなり;および
もしプレキャップ投与量が低キャップ投与量未満であるならば、処方投与量は、低キャップ投与量に等しくなることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
低キャップ投与量は、動物体重または前記少なくとも1種の血液検査点数の最適範囲からの偏差にかかわらず、動物について処方した同定栄養剤の最小量であり;および
高キャップ投与量は、動物体重または前記少なくとも1種の血液検査点数の最適範囲からの偏差にかかわらず、動物について処方した同定栄養剤の最大量であることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記プレキャップ投与量は、投与強度Sに動物体重を掛けたものに等しいことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記投与強度Sが、下記:
S=傾き(血液点数−最大範囲値)+高投与量
として定義されることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
最適範囲から逸脱する血液検査点数範囲を示す複数の重篤度レベルを確立することをさらに含み;
ここで、重篤度レベルマイナスは、血液検査点数範囲が最適範囲最小値未満であることを示し、重篤度レベルプラスは、血液検査点数範囲が最適範囲最大値を越えていることを示すことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
もし前記少なくとも1種の血液検査点数が重篤度レベルマイナスになるならば、最大範囲値は、最適範囲に最も近い重篤度レベルマイナスの最高値であり、かつ、最小範囲値は、最適範囲から最も離れた重篤度レベルマイナスの最低値であり;もし少なくとも1種の血液検査点数が重篤度レベルプラスに入れば、最大範囲値は、最適範囲から最も離れた重篤度レベルプラスにおける最高値であり、かつ、最小範囲値は、最適範囲に最も近い重篤度レベルプラスにおける最低値であることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
傾きが、
傾き=(高投与量−低投与量)/(最大範囲値−最小範囲値)
として定義されることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記低投与量は、動物体重または前記少なくとも1種の血液検査点数の重篤度レベルにかかわらず、この動物について処方した最小栄養剤強度を示し;および
高投与量は、前記低投与量のおよそ2倍となることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記正常範囲と最適範囲のうちの少なくともひとつは、複数動物についてのこれまでの血液検査点数を含むデータベースから導出されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記データベースは、動物種、動物体重および血液検査点数に関する情報で更新することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記血液パラメータ類は、白血球情報、赤血球情報および血液化学情報の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記血液パラメータは、動物の1種以上の内臓の機能に対応することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記栄養剤は、ビタミン、ミネラル、酵素、アミノ酸、ホメオパシーサプリメント、ハーブサプリメント、および未加工の生の腺サプリメントの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項16】
血液検査結果をラボからサービスプロバイダーに対して、電子的に伝えること;
サービスプロバイダーは血液検査結果に点数を付け、少なくとも1種の血液検査点数を得て、前記処方投与量を計算すること;
前記の処方投与量は、サービスプロバイダーから調剤薬剤師に電子的に伝えること;および
前記調剤薬剤師は、次に、処方された投与量に従って1種以上の識別された栄養剤を含む処方を作成し、動物に投与するため、動物飼い主または獣医に発送することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項17】
動物個体に特化した栄養剤プログラムを付与するためのシステムであって、
動物の血液サンプルを分析し、血液検査結果を得る血液アナライザー;
複数動物についてのこれまでの血液検査点数であって、対応する血液パラメータについて正常域を規定し、対応する血液パラメータについての正常域内に対応する最適範囲を規定するとことの血液検査点数を含むデータベース;および
血液アナライザーおよびデータベースと接続したプロセッサーを含み、
前記プロセッサーは、:
血液検査結果に点数を付け、少なくとも1種の対応する血液パラメータについて少なくとも1個の血液検査点数を得て;
この少なくとも1個の血液検査点数が対応する血液パラメータについて定めた正常域外にあるかどうかを決定し;
もし前記少なくとも1個の血液検査点数が正常域内にあるものの最適範囲外にあるならば、前記少なくとも1種の対応する血液パラメータについての最適範囲に動物をもっていくために必要な1種以上の栄養剤を同定し;
前記動物について明らかになった1種以上の栄養剤類の少なくとも1種について、少なくとも対応する血液パラメータの血液検査点数と最適範囲からの前記血液検査点数の偏差に基づいて、処方投与量を計算し;
もし前記少なくとも1種の血液検査点数が正常域外に入るならば、前記の少なくとも1種の血液検査点数を正常域にもっていくために標準的栄養物または医薬を処方する、ことを特徴とするシステム。
【請求項18】
前記プロセッサーは、動物種、動物生理、動物生化学、動物の身体状況を記載したデータ、および動物の医学的診断を記載したデータの少なくとも1種に基づいて1種以上の栄養剤を同定することを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記プロセッサーは、前記血液検査点数、最適範囲からの前記少なくとも1種の血液検査点数の偏差、動物種、動物体重、投与強度情報および投与限度情報に基づきプレキャップ投与量を計算することおよび計算したプレキャップ投与量を次に、前記特定動物についての“低キャップ”投与量および“高キャップ”投与量と比較することによって、特定の同定栄養剤の処方投与量を計算し、
もし前記プレキャップ投与量が、低キャップ投与量と高キャップ投与量の間にあるならば、前記の処方投与量が、プレキャップ投与量に等しくなり;
もしプレキャップ投与量が高キャップ投与量を超えているならば、処方投与量は、この高キャップ投与量に等しくなり;および
もしプレキャップ投与量が低キャップ投与量未満であるならば、処方投与量は、低キャップ投与量に等しくなることを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項20】
低キャップ投与量は、動物体重または前記少なくとも1種の血液検査点数の最適範囲からの偏差にかかわらず、動物について処方した同定栄養剤の最小量であり;および
高キャップ投与量は、動物体重または前記少なくとも1種の血液検査点数の最適範囲からの偏差にかかわらず、動物について処方した同定栄養剤の最大量であることを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項21】
前記プレキャップ投与量は、投与強度Sに動物体重を掛けたものに等しいことを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項22】
前記投与強度Sが、
S=傾き(血液点数−最大範囲値)+高投与量
として定義されることを特徴とする請求項21記載のシステム。
【請求項23】
最適範囲から逸脱する血液検査点数範囲を示す複数の重篤度レベルに関して前記データベースは情報を保存し;
ここで、重篤度レベルマイナスは、血液検査点数範囲が最適範囲最小値未満であることを示し、重篤度レベルプラスは、血液検査点数範囲が最適範囲最大値を超えていることを示すことを特徴とする請求項22記載のシステム。
【請求項24】
もし前記少なくとも1種の血液検査点数が重篤度レベルマイナスに入るならば、最大範囲値は、最適範囲に最も近い重篤度レベルマイナスの最高値であり、かつ、最小範囲値は、最適範囲から最も離れた重篤度レベルマイナスの最低値であり;
もし少なくとも1種の血液検査点数が重篤度レベルプラスに入れば、最大範囲値は、最適範囲から最も離れた重篤度レベルプラスにおける最高値であり、かつ、最小範囲値は、最適範囲に最も近い重篤度レベルプラスにおける最低値であることを特徴とする請求項23記載のシステム。
【請求項25】
傾きが、
傾き=(高投与量−低投与量)/(最大範囲値−最小範囲値)
として定義されることを特徴とする請求項24記載のシステム。
【請求項26】
前記低投与量は、動物体重または前記少なくとも1種の血液検査点数の重篤度レベルにかかわらず、この動物について処方した最小栄養剤強度を示すこと;および
高投与量は、低投与量のおよそ2倍となることを特徴とする請求項25記載のシステム。
【請求項27】
前記データベースは、動物種、動物体重および血液検査点数に関する情報で更新することを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項28】
前記血液パラメータ類は、白血球情報、赤血球情報および血液化学情報の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項29】
前記血液パラメータは、動物の1種以上の内臓の機能に対応することを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項30】
前記栄養剤は、ビタミン、ミネラル、酵素、アミノ酸、ホメオパシーサプリメント、ハーブサプリメント、および未加工の生の腺サプリメントの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項31】
血液検査結果が、ラボの血液分析担当者からサービスプロバイダーの手元にあるプロセッサーに電子的に連絡されること;
処方投与量が次に、サービスプロバイダーから調剤薬剤師に電子的に連絡されること;および
調剤薬剤師は、次に、処方投与量に従って1種以上の識別栄養剤を含む処方を作製し、動物に投与するために動物飼い主または獣医にこの処方を発送することを特徴とする請求項17記載のシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−513024(P2008−513024A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532571(P2007−532571)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/033428
【国際公開番号】WO2006/034165
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(507086387)バイオニュートリショナル・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】BIONUTRITIONAL LIMITED LIABILITY COMPANY
【住所又は居所原語表記】606 Post Road East, Westport, CT 06880, United Stated of America
【Fターム(参考)】