説明

動画像配信システム

【課題】運営費の削減、システムの簡単化、操作の容易化、及び使い勝手を良くする。
【解決手段】携帯電話機70が持つシリアル通信機能に着目し、1つのエンコーダ30を使って、電話会社との1つの動画像配信契約により、複数台のビデオカメラ10−1〜10−nでそれぞれ撮影した動画像を配信する。例えば、送信側のエンコーダ30の前段に映像選択器20を設け、受信側の携帯電話機70からシリアル通信を用いて、該携帯電話機70のボタン操作により、送信側にある映像選択器20を遠隔制御により切り換えてカメラ映像を選択する。そのため、システムの構成が簡単で、送信側のIPアドレスを切り換えることなく、携帯電話機70のボタン操作でカメラ番号を簡単に選択できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯情報端末を用いた動画像配信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機を用いた動画像配信システムに関連する技術として、例えば、次のような文献等に記載されるものが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−142065号公報
【特許文献2】特開2003−244516号公報
【非特許文献1】映像情報メディア学会誌、Vol.59、No.12(2005)、宮地悟史著“ここまできた携帯電話機での動画像通信”P.1779−1785
【0004】
特許文献1には、ディジタルカメラと携帯電話機とを信号線で接続し、ディジタルカメラで撮影した静止画の画像データを、シリアル通信によって携帯電話機へ伝送する技術が記載されている。
【0005】
特許文献2には、撮影装置の撮影動作を携帯電話機を用いて無線により遠隔操作し、撮影装置で撮影した画像を無線により携帯電話機へ送信して再生・表示させる撮影システムの技術が記載されている。
【0006】
非特許文献1には、動画像再生機能付き携帯電話機を用いたリアルタイム遠隔映像監視システムの技術が記載されている。このリアルタイム遠隔映像監視システムでは、動画像を撮影してこのデータを送信する送信部と、この送信部から送られてくる動画像のデータを受信し、動画像の履歴管理や携帯電話機からのリクエストに応じて動画像のデータを配信するサーバと、このサーバから配信された動画像のデータを視聴する前記携帯電話機とから構成されている。
【0007】
図5は、従来の動画像配信システムを示す概略の構成図である。
この動画像配信システムでは、非特許文献1に記載されたような技術を用い、例えば、電話会社に対して携帯電話機での動画像配信サービスの契約を行うことにより、動画像信号を携帯電話機に送ることができる構成になっている。
【0008】
即ち、被写体をそれぞれ撮影する複数のビデオカメラ1−1〜1−nが設置されている場合、これらの各ビデオカメラ1−1〜1−nで撮影された被写体の映像信号(動画像)は、各ビデオカメラ1−1〜1−nに対応して設けられ、各インターネット・プロトコル・アドレス(以下「IPアドレス」という。)を持つ各エンコーダ2−1〜2−nへ送られ、この各エンコーダ2−1〜2−nにて、電話会社の電話局4の指定するフォーマットに変換される。変換された各フォーマットは、例えばインターネットの伝送路3を通して電話局4へ送られる。電話局4では、受け取った動画像データをストリームサーバを通した後、動画像の配信を要求する動画像再生機能付き携帯電話機6の近くの無線中継所5へ送り、そこから無線通信により携帯電話機6へ動画像を配信する。
【0009】
このような動画像配信システムにより、動画像再生機能付き携帯電話機6への配信サービスが行われており、携帯電話機6へ伝送できる地域であれば、何処でも、何時でも、動画像配信が可能になっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の動画像配信システムでは、次のような課題があった。
例えば、ビデオカメラを用いた遠隔監視システムにおいては、監視区域に対して1台のビデオカメラ1−1で撮影した映像を監視するだけでなく、監視区域に複数台のビデオカメラ1−1〜1−nを設置し、各ビデオカメラ1−1〜1−nで撮影した複数の映像を使ってより緻密に、広範囲に監視する方向にある。
【0011】
このような遠隔監視システムを、従来の図5のような動画像配信システムを用いて構築する場合、監視区域を複数台のビデオカメラ1−1〜1−nで撮影した映像を、高価なエンコーダ2−1〜2−nにより、所定のフォーマットにそれぞれ変換して電話局4へ伝送する方法を採用することになる。この時、各エンコーダ2−1〜2−nが動画像データを電話局4へ送るには、予め各エンコーダ2−1〜2−n毎に電話会社との間で動画像配信契約が結ばれ、各エンコーダ2−1〜2−n毎に使用料金が必要になり、通信費と合わせると運用費が高額になる。しかも、携帯電話機6の画面サイズは小さく、1つの画面には1つのカメラ映像を見ることになり、例えば、あるビデオカメラ1−1の映像から他のビデオカメラ1−2の映像を見ようとすると、携帯電話機6からエンコーダ2−1,2−2がそれぞれ持つIPアドレスを切り換えて動画像を選択し、表示しなければならないので、操作が煩雑で、使い勝手が悪いという課題があった。
【0012】
本発明は、従来の運営費が高額、操作が煩雑、及び使い勝手が悪いという課題を解決した動画像配信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の動画像配信システムは、被写体を撮影して動画像の映像信号をそれぞれ出力する複数の撮影装置と、前記複数の撮影装置から出力される複数の前記映像信号から所望の映像信号を選択して出力する映像選択手段と、前記映像選択手段から出力された前記映像信号を符号化するエンコーダと、前記エンコーダで符号化された前記映像信号をシリアルな無線信号に変換して配信し、且つ、無線により送られてくるシリアルなカメラ選択信号を前記映像選択手段へ送信して前記映像選択手段を選択動作させるシリアルな通信経路と、前記通信経路から配信される前記シリアルな無線信号を受信して動画像を画面に表示し、且つ、シリアルな前記カメラ選択信号を無線により送信して前記通信経路を介して前記映像選択手段を遠隔制御する制御機能を有する携帯情報端末とを備えている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、送信側のエンコーダの前段に映像選択手段を設け、受信側の携帯情報端末からシリアル通信を用いて、該携帯情報端末の操作により、送信側にある映像選択手段を遠隔制御により切り換えてカメラ映像を選択する構成になっている。そのため、システムの構成が簡単で、送信側の識別アドレス等を切り換えることなく、携帯情報端末の操作でカメラ番号を簡単に選択できる。従って、携帯情報端末を用いた簡単な操作で、所望の動画像を見ることができ、使い勝手が良い。
【0015】
又、送信側に映像選択手段及び1つのエンコーダを設けてカメラ映像を選択可能な構成にしたので、例えば、電話会社とは1つの動画像配信契約でn個の異なる動画像を選択して見ることができ、運営費を大幅に削減でき、大きな経済的効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
動画像配信システムは、被写体を撮影して動画像の映像信号をそれぞれ出力する複数のビデオカメラと、前記複数のビデオカメラから出力される複数の前記映像信号から所望の映像信号を選択して出力する映像選択器と、前記映像選択器から出力された前記映像信号を符号化するエンコーダと、前記エンコーダで符号化された前記映像信号をシリアルな無線信号に変換して配信し、且つ、無線により送られてくるシリアルなカメラ選択信号を前記映像選択器へ送信して前記映像選択器を選択動作させるシリアルな通信経路と、前記通信経路から配信される前記シリアルな無線信号を受信して動画像を画面に表示し、且つ、シリアルな前記カメラ選択信号を無線により送信して前記通信経路を介して前記映像選択器を遠隔制御する制御機能を有する携帯電話機とを備えている。
前記配信経路は、伝送路、電話局及び無線中継所等により構成されている。
【実施例1】
【0017】
(実施例1の構成)
図1は、本発明の実施例1を示す動画像配信システムの概略の構成図である。
携帯情報端末(例えば、動画像再生機能付き携帯電話機)は、通常の携帯電話機と同様、有線のモデムと同じようにシリアル通信路として働き、音声信号、画像信号、及び制御信号を全てシリアル通信により送受信する構成になっている。本実施例1の動画像配信システムでは、そのような携帯電話機が持つシリアル通信機能に着目し、1つのエンコーダを使って、電話会社との1つの動画像配信契約により、複数台の撮影装置でそれぞれ撮影した動画像を配信できる構成になっている。
【0018】
即ち、本実施例1の動画像配信システムでは、監視区域等の撮影場所に複数の撮影装置(例えば、ビデオカメラ)10−1〜10−nが設置されている。各ビデオカメラ10−1〜10−nは、動く被写体を撮影してコンポジット映像信号(コンポーネント映像信号でも可能。)S10−1〜S10−nをそれぞれ出力する装置であり、これらの出力側に、映像選択手段(例えば、映像選択器)20が接続されている。映像選択器20は、カメラ選択信号(例えば、シリアル通信データ)S30bにより、複数のコンポジット映像信号S10−1〜S10−n中の所望の信号を選択し、これを増幅したコンポジット映像信号S20を出力するものであり、この出力側に、1つの携帯電話用エンコーダ30が接続されている。
【0019】
エンコーダ30は、動画・音声高能率符号化方式(例えば、MPEG-4(Moving Picture Experts Group Phase 4)等)により、入力されるコンポジット映像信号S20を圧縮してローカル・エリア・ネットワーク(LAN)データ(例えば、シンプルプロファイルのイーサーネットデータ)S30aを伝送路40へ出力すると共に、伝送路40から送られてくるシリアル通信データ(例えば、シリアル通信イーサーネットデータ)S50bを入力して、シリアル通信データS30bを映像選択器20へ出力するものである。エンコーダ30で使用される多重化フォーマットは、例えば、3GPP又は3GPP2等である。
【0020】
伝送路40は、エンコーダ30と電話局50とを接続する通信網(例えば、インターネット)であり、エンコーダ30から出力されたイーサーネットデータS30aを電話局50へ伝送したり、電話局50から出力されるシリアル通信イーサーネットデータS50bをエンコーダ30へ伝送する等の機能を有している。電話局50は、伝送路40から送られてくるイーサーネットデータS30aを電話回線信号S50aに変換して無線中継所60へ送信したり、無線中継所60から送られてくる電話回線データS60bをシリアル通信イーサーネットデータS50bに変換して伝送路40へ送信する等の機能を有している。
【0021】
無線中継所60は、電話局50と動画像再生機能付き携帯電話機70等との送受信を中継する設備であり、電話局50から送られてくる電話回線信号S50aを、携帯電話機等が受信可能なファイルデータS60aに変換して無線送信したり、動画像再生機能付き携帯電話機70等から無線送信されるデータ(例えば、ボタンデータ)S70等を受信して電話回線データS60bに変換し、電話局50へ送信する等の機能を有している。ファイルデータS60aとしては、例えば、WWW(World Wide Web)サーバとWWWブラウザがファイル等の情報を送受するのに使うプロトコルであるHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)ファイルデータ等がある。
【0022】
動画像再生機能付き携帯電話機70は、通常の携帯電話機に、動画像の再生・表示機能を付加した携帯情報端末であり、無線中継所60から無線送信されるHTTPファイルデータS60a等を受信したり、映像選択器20を遠隔制御により切り換えるためのカメラ選択信号(例えば、ボタンデータ)S70等を無線送信する機能を有している。
【0023】
図2は、図1中の映像選択器20及びエンコーダ30を示す概略の構成図である。
映像選択器20は、複数のビデオカメラ10−1〜10−nからそれぞれ出力される複数のコンポジット映像信号S10−1〜S10−nを選択するために切り換える複数のスイッチ21−1〜21−nからなるスイッチ部21を有し、このスイッチ部21に、映像増幅器22及びスイッチ制御手段(例えば、スイッチ制御器)23が接続されている。映像増幅器22は、スイッチ部21で選択されたコンポジット映像信号を増幅し、この増幅されたアナログのコンポジット映像信号S20をエンコーダ30へ出力する回路である。スイッチ制御器23は、エンコーダ30から与えられるシリアル通信データS30bにより、スイッチ21−1〜21−nを切り換え制御する回路である。
【0024】
エンコーダ30は、映像増幅器22から出力されるアナログのコンポジット映像信号S20をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器(以下「A/D変換器」という。)31を有し、この出力側に、圧縮器32を介してネットワーク伝送器33が接続され、更に、そのネットワーク伝送器33に、シリアルデータ通信路34が接続されている。
【0025】
圧縮器32は、A/D変換器31から出力されるディジタル信号をMPEG-4等により圧縮してイーサーネットデータS30aを生成し、これをネットワーク伝送器33へ出力する回路である。ネットワーク伝送器33は、圧縮器32から出力されるイーサーネットデータS30aを伝送路40へ送信したり、伝送路40から送られてくるシリアル通信イーサーネットデータS50bを受信してシリアルデータ通信路34へ送る等の機能を有している。シリアルデータ通信路34は、ネットワーク伝送器33からのシリアル通信イーサーネットデータS50bをシリアル通信データS30bに変換してスイッチ制御器23へ出力する等の機能を有している。
【0026】
図3は、図1中の電話局50付近を示す概略の構成図である。
電話局50内には、蓄積サーバ51、及びストリーミングサーバ52等が設けられている。蓄積サーバ51は、伝送路40を通して送られてきたエンコーダ30からのイーサーネットデータS30a等を一時的に蓄積し、ストリーミングサーバ52の要求に応じて蓄積データを送り出す装置である。ストリーミングサーバ52は、蓄積サーバ51から送られたデータを電話回線信号S50aに変換し、この電話回線信号S50aを、受信先の携帯電話機70の接続している無線中継所60に必要数だけ送り出す装置である。
【0027】
図4は、図1中の動画像再生機能付き携帯電話機70を示す概略の構成図である。
動画像再生機能付き携帯電話機70は、特許文献1等に記載された通常の携帯電話機に動画像再生機能を付加したものであり、携帯電話機全体を制御する制御部71を有している。制御部71は、中央処理装置(以下「CPU」という。)等で構成され、これにはデータ格納用のメモリ72、複数の操作ボタン等を有する操作部73、データ表示等を行う表示部74、無線通信部75、及び電池等の電源部76が接続されている。
【0028】
無線通信部75は、無線によるシリアル通信を行うための送受信用の無線部75a、音声等を発生するスピーカ75b、及び音声等を入力するマイクロホン(以下「マイク」という。)75c等を有している。
【0029】
(実施例1の動作)
例えば、ビデオカメラ10−1で撮影された被写体の映像を、使用者が動画像再生機能付き携帯電話機70で見る場合、使用者は、携帯電話機70に設けられた操作部73のボタンを操作し、送信側のIPアドレス、及びビデオカメラ10−1のカメラ番号等を入力する。すると、携帯電話機70内の制御部71の制御により、無線部75aから無線でボタンデータS70が送信される。送信されたボタンデータS70は、近くの無線中継所60で受信されて電話回線データS60bに変換されて電話局50へ送信され、この電話局50でシリアル通信イーサーネットデータS50bに変換されて伝送路40へ送信される。
【0030】
伝送路40から送られてきたシリアル通信イーサーネットデータS50bは、エンコーダ30内のネットワーク伝送器33に入力され、シリアルデータ通信路34でシリアル通信データS30bに変換される。変換されたシリアル通信データS30bは、映像選択器20内のスイッチ制御器23に入力され、このスイッチ制御器23の制御により、スイッチ部21内のスイッチ21−1がオン状態になってビデオカメラ10−1が選択される。
【0031】
ビデオカメラ10−1で撮影された被写体の映像(動画像)は、コンポジット映像信号S10−1の形でこのビデオカメラ10−1から出力される。出力されたコンポジット映像信号S10−1は、映像選択器20内のスイッチ21−1を通り、映像増幅器22で増幅され、増幅されたアナログのコンポジット映像信号S20が出力される。アナログのコンポジット映像信号S20は、エンコーダ30内のA/D変換器31でディジタル信号に変換され、電話局50の指定する動画像データに信号フォーマットを変換するために、圧縮器32によってMPEG-4等の符号化方式で圧縮されて符号化され、ネットワーク伝送路33でイーサーネットデータS30aに変換される。
【0032】
変換されたイーサーネットデータS30aは、伝送路40を通して電話局50へ送信され、この電話局50内の蓄積サーバ51に蓄積された後、ストリームサーバ52から電話回線信号S50aの形で出力される。この電話回線信号S50aは、携帯電話機70の近傍に位置する無線中継所60へ送信され、ここでHTTP等のファイルデータS60aに変換され、無線で携帯電話機70へ配信される。配信されたファイルデータS60aは、携帯電話機70内の無線部75aで受信され、制御部71で復調されて表示部74に動画像が表示される。
【0033】
使用者が他のビデオカメラ(例えば、10−3)の映像(動画像)を見る場合は、送信側のIPアドレスを切り換えることなく、携帯電話機70の操作部73を用いたボタン操作でビデオカメラ10−3のカメラ番号を選択する。すると、上記と同様に、携帯電話機70からボタンデータS70が無線送信され、シリアル通信により無線中継所60、電話局50、伝送路40、及びエンコーダ30を経由して、映像選択器20でビデオカメラ10−3の映像(動画像)が選択される。選択された映像(動画像)は、上記と同様に、エンコーダ30、伝送路40、電話局50、及び無線中継所60を経由して携帯電話機70へ配信され、この携帯電話機70でビデオカメラ10−3の動画像を見ることができる。
【0034】
なお、ビデオカメラ10−1〜10−nの近傍にマイクを設けておいて、このマイクから出力される音声信号を映像信号と共に携帯電話機70へ送信することも可能である。
【0035】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、次の(a)、(b)のような効果がある。
【0036】
(a) 送信側のエンコーダ30の前段に映像選択器20を設け、受信側の携帯電話機70からシリアル通信を用いて、該携帯電話機70のボタン操作により、送信側にある映像選択器20を遠隔制御により切り換えてカメラ映像を選択する構成になっている。そのため、システムの構成が簡単で、送信側のIPアドレスを切り換えることなく、携帯電話機70のボタン操作でカメラ番号を簡単に選択できる。従って、携帯電話機70を用いた簡単な操作で、所望の動画像を見ることができ、使い勝手が良い。
【0037】
(b) 送信側に映像選択器20及び1つのエンコーダ30を設けてカメラ映像を選択可能な構成にしたので、例えば、電話会社とは1つの動画像配信契約でn個の異なる動画像を選択して見ることができ、運営費を大幅に削減でき、大きな経済的効果が期待できる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施例1に限定されず、種々の変形や利用形態が可能である。この変形や利用形態としては、例えば、次の(1)、(2)のようなものがある。
【0039】
(1) 動画像を見るために携帯電話機70を使用しているが、この携帯電話機70は図示以外の回路構成に変更しても良い。又、携帯電話機70に代えて、PHS(Personal Handyphon System)、携帯型情報処理装置(Personal Digital Assistants;PDA)等の種々のシリアル通信可能な携帯情報端末を使用できる。
【0040】
(2) 映像選択器20やエンコーダ30は、図示以外の他の回路構成に変更しても良い。又、無線中継所60は、無線基地局であっても良く、更に、電話局50及び無線中継所60等は、他の構成の配信経路に置き換えることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例1を示す動画像配信システムの概略の構成図である。
【図2】図1中の映像選択器20及びエンコーダ30を示す概略の構成図である。
【図3】図1中の電話局50付近を示す概略の構成図である。
【図4】図1中の動画像再生機能付き携帯電話機70を示す概略の構成図である。
【図5】従来の動画像配信システムを示す概略の構成図である。
【符号の説明】
【0042】
10−1〜10−n ビデオカメラ
20 映像選択器
21 スイッチ部
23 スイッチ制御器
30 エンコーダ
32 圧縮器
40 伝送路
50 電話局
60 無線中継所
70 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影して動画像の映像信号をそれぞれ出力する複数の撮影装置と、
前記複数の撮影装置から出力される複数の前記映像信号から所望の映像信号を選択して出力する映像選択手段と、
前記映像選択手段から出力された前記映像信号を符号化するエンコーダと、
前記エンコーダで符号化された前記映像信号をシリアルな無線信号に変換して配信し、且つ、無線により送られてくるシリアルなカメラ選択信号を前記映像選択手段へ送信して前記映像選択手段を選択動作させるシリアルな通信経路と、
前記通信経路から配信される前記シリアルな無線信号を受信して動画像を画面に表示し、且つ、シリアルな前記カメラ選択信号を無線により送信して前記通信経路を介して前記映像選択手段を遠隔制御する制御機能を有する携帯情報端末と、
を備えたことを特徴とする動画像配信システム。
【請求項2】
前記撮影装置は、ビデオカメラであることを特徴とする請求項1記載の動画像配信システム。
【請求項3】
前記映像選択手段は、前記複数の撮影装置からそれぞれ出力される前記映像信号の導通/遮断を切り換える複数のスイッチと、前記カメラ選択信号に基づき前記複数のスイッチの導通/遮断を制御するスイッチ制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の動画像配信システム。
【請求項4】
前記配信経路には、伝送路及び無線基地局を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の動画像配信システム。
【請求項5】
前記携帯情報端末は、ボタン操作により前記シリアルなカメラ選択信号を出力する構成の動画像再生機能付き携帯電話機であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の動画像配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−208888(P2007−208888A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28204(P2006−28204)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(591140271)株式会社セル・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】