説明

動画情報配信システム

【課題】複数の動画を組み合わせて同期出力させる共演動画において、統一感のある表示制御を実現する動画情報配信システムを提供する。
【解決手段】予め定められた複数の映像効果のうちから選択される少なくとも1つの映像効果を動画情報それぞれに対応して設定する映像効果設定手段170等と、動画出力制御手段160等による1対の動画情報の同期出力に際して、映像効果設定手段170等により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、その動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報にその映像効果を反映する同一又は他の映像効果を適用する映像効果制御手段174とを、備えたものであることから、共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力に際して、一方の動画情報に適用された映像効果を他方の動画情報に反映させることで、統一感のある表示制御を実現する動画情報配信システム10を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の通信回線を介して複数の通信端末装置に対する動画情報の配信を行う動画情報配信システムに関し、特に、複数の動画を組み合わせて同期出力させる共演動画において、統一感のある表示制御を実現するための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の通信回線を介して複数の通信端末装置に対する動画情報の配信を行う動画情報配信システムが知られており、近年における通信技術の向上に伴いコンテンツビジネスの中核として更なる発展が期待されている。そのような動画情報配信システムにおいては、通常、所謂動画投稿サイトにおいて所定の通信端末装置から投稿(アップロード)された複数の動画情報が所定のデータベースに記憶され、任意の通信端末装置によりその動画投稿サイトを介してのアクセスが可能とされる。それにより、上記所定の通信端末装置により投稿された動画情報が、任意の通信端末装置により閲覧可能とされる。
【0003】
前記動画情報配信システムでは、撮像装置により撮影されて投稿された動画情報がそのまま配信される態様も考えられるが、その動画情報に所定の画像処理が施されたり、コメントやエフェクト等の各種映像効果が適用される態様のシステムが実用化されており、更なる表示技術の可能性が模索されている。斯かる技術に関連して、撮像装置により撮影された画像に演出画像を合成する編集を行う技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された画像処理装置がそれである。この技術によれば、複数の表示手段それぞれに対応して編集を受け付けると共に、1つの表示手段に対応して入力された編集情報を他の表示手段に適用することで、複数の利用者が相互に妨害、協力、或いは干渉し合いながら画像の編集を行う処理を実現でき、画像編集操作の興趣性を高めることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−151265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、本出願人は、カラオケ装置を通信端末装置として前記動画情報配信システムに組み込み、そのカラオケ装置による所定の演奏曲の出力に際して撮像装置により撮影された映像情報及び音声入力装置により入力された音声情報の投稿を受け付けて閲覧可能とする技術を発案し、実用化している。また、この技術に関して、共通の演奏曲に関連付けられた複数の動画情報を組み合わせて共演動画情報を編集し、前記カラオケ装置のみならずパーソナルコンピュータ等の通信端末装置により閲覧可能とする共演動画(コラボ動画)のサービスを展開している。
【0006】
ここで、前記共演動画情報の出力に際してその共演動画情報の組み合わせに係る各動画情報に映像効果を適用することを考えた場合、従来の技術では、前記共演動画情報の組み合わせに係る一方の動画情報に適用された映像効果が必ずしも他方の動画情報に適用されないため、統一感がなく偏った印象を視聴者に与えがちであるという不具合があった。更に、本出願人が管理運営する動画情報配信システムでは、先に投稿された1つの動画情報に対して後に投稿された複数の動画情報がそれぞれ前記共演動画情報を構成し得るが、斯かる態様において共演動画情報の組み合わせが決定される毎に映像効果を設定するのは先の投稿者にとって煩雑であり、実用に適さないものであった。しかし、前記従来の画像処理技術は、複数の動画情報の同期配信に関するものではなく、その技術によっては斯かる不具合を解消することができなかった。すなわち、複数の動画を組み合わせて同期出力させる共演動画において、統一感のある表示制御を実現する動画情報配信システムは、未だ開発されていないのが現状である。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、複数の動画を組み合わせて同期出力させる共演動画において、統一感のある表示制御を実現する動画情報配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、所定の通信回線を介して複数の通信端末装置に対する動画情報の配信を行う動画情報配信システムであって、前記通信端末装置から投稿された情報を記憶する動画データベースと、前記通信回線を介して前記通信端末装置から、予め定められた複数の楽曲データの何れかに対応する動画情報の投稿を受け付け、その投稿された動画情報を対応する楽曲データと関連付けて前記動画データベースに記憶させる投稿受付制御手段と、その投稿受付制御手段により受け付けられる、共通の楽曲データに関連付けられた1対の動画情報を組み合わせて共演動画情報を編集し、その編集された共演動画情報をその共通の楽曲データと関連付けて前記動画データベースに記憶させる共演動画編集制御手段と、前記通信回線を介しての前記通信端末装置からの配信要求に応じて、前記動画データベースに記憶されたその配信要求に係る動画情報及び共演動画情報をその通信端末装置に配信する動画配信制御手段と、その動画配信制御手段により配信される共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報を同期して出力させる動画出力制御手段と、予め定められた複数の映像効果のうちから選択される少なくとも1つの映像効果を前記動画情報それぞれに対応して設定する映像効果設定手段と、前記動画出力制御手段による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、その動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報にその映像効果を反映する同一又は他の映像効果を適用する映像効果制御手段とを、備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
このようにすれば、前記通信端末装置から投稿された情報を記憶する動画データベースと、前記通信回線を介して前記通信端末装置から、予め定められた複数の楽曲データの何れかに対応する動画情報の投稿を受け付け、その投稿された動画情報を対応する楽曲データと関連付けて前記動画データベースに記憶させる投稿受付制御手段と、その投稿受付制御手段により受け付けられる、共通の楽曲データに関連付けられた1対の動画情報を組み合わせて共演動画情報を編集し、その編集された共演動画情報をその共通の楽曲データと関連付けて前記動画データベースに記憶させる共演動画編集制御手段と、前記通信回線を介しての前記通信端末装置からの配信要求に応じて、前記動画データベースに記憶されたその配信要求に係る動画情報及び共演動画情報をその通信端末装置に配信する動画配信制御手段と、その動画配信制御手段により配信される共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報を同期して出力させる動画出力制御手段と、予め定められた複数の映像効果のうちから選択される少なくとも1つの映像効果を前記動画情報それぞれに対応して設定する映像効果設定手段と、前記動画出力制御手段による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、その動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報にその映像効果を反映する同一又は他の映像効果を適用する映像効果制御手段とを、備えたものであることから、共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力に際して、煩雑な操作を要することなく一方の動画情報に適用された映像効果を他方の動画情報に反映させることができる。すなわち、複数の動画を組み合わせて同期出力させる共演動画において、統一感のある表示制御を実現する動画情報配信システムを提供することができる。
【0010】
ここで、好適には、前記共演動画編集制御手段は、前記投稿受付制御手段により先に投稿された第1の動画情報に対して、後に投稿された第2の動画情報を組み合わせて前記共演動画情報を編集するものであり、前記映像効果制御手段は、前記動画出力制御手段による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段により前記第1の動画情報に対応して設定された映像効果をその第1の動画情報に適用すると共に、その第1の動画情報との組み合わせに係る前記第2の動画情報にその映像効果を反映する同一又は他の映像効果を適用するものである。このようにすれば、共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力に際して、先に投稿された動画情報に適用された映像効果を後に投稿された動画情報に反映させることができ、特に、先に投稿された1つの動画情報に対して後に投稿された複数の動画情報がそれぞれ前記共演動画情報を構成する態様において、共演動画情報の組み合わせが決定される毎に映像効果を設定する必要なく、統一感ある表示制御を実現することができる。また、共演動画に係る映像効果が先に投稿された動画情報に対応して決定付けられるため、ベースとなる動画情報の投稿を促進することができるという副次的な効果も期待できる。
【0011】
また、好適には、前記動画情報の投稿主体である利用者の属性情報をその利用者と関連付けて記憶する利用者データベースを備えたものであり、前記映像効果制御手段は、前記動画出力制御手段による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、その動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報にその映像効果を反映し且つその他方の動画情報の投稿主体である利用者の属性情報に基づいて決定される映像効果を適用するものである。このようにすれば、共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力に際して、一方の動画情報に適用された映像効果を、投稿主体である利用者の性別等の属性情報を踏まえて他方の動画情報に反映させることができ、男女の別を視覚的に意識させつつ統一感ある表示制御を実現することができる。
【0012】
また、好適には、音声入力装置及び撮像装置を有し、多数の楽曲データのうちから選択される楽曲データに対応する演奏曲を出力させるのに併行して前記音声入力装置により入力される音声を増幅して出力させるカラオケ装置を前記通信端末装置として備え、前記動画配信制御手段は、前記カラオケ装置からの配信要求に応じて、前記動画データベースに記憶されたその配信要求に係る動画情報をそのカラオケ装置に配信するものであり、前記カラオケ装置は、前記動画配信制御手段により配信された動画情報の出力を制御する動画出力制御手段と、その動画出力制御手段による前記動画情報の出力と同期してその動画情報と関連付けられた楽曲データに対応する演奏曲を出力させる同期演奏制御手段と、その同期演奏制御手段による演奏曲の出力に際して前記撮像装置により撮影された映像情報及び前記音声入力装置により入力された音声情報を記録する演奏記録制御手段とを、備えたものであり、前記投稿受付制御手段は、その演奏記録制御手段により記録された映像情報及び音声情報の投稿を受け付け、前記同期演奏制御手段により出力された演奏曲に対応する楽曲データの識別情報と関連付けて前記動画データベースに記憶させるものであり、前記共演動画編集制御手段は、前記投稿受付制御手段により受け付けられる、共通の楽曲データに関連付けられた複数の動画情報を組み合わせて共演動画情報を編集し、その編集された共演動画情報をその楽曲データの識別情報と関連付けて前記動画データベースに記憶させるものである。このようにすれば、カラオケ装置により記録乃至投稿される複数の動画を組み合わせて同期出力させる共演動画において、統一感のある表示制御を実現することができる。
【0013】
また、好適には、前記動画情報の投稿主体である利用者が前記カラオケ装置により過去に演奏を行った楽曲データをその利用者と関連付けて記憶する利用者データベースを備えたものであり、前記映像効果制御手段は、前記動画出力制御手段による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、その動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報にその映像効果を反映し且つその他方の動画情報の投稿主体である利用者が過去に前記カラオケ装置により演奏を行った楽曲データに基づいて決定される映像効果を適用するものである。このようにすれば、共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力に際して、一方の動画情報に適用された映像効果を、投稿主体である利用者が過去に演奏した演奏曲を踏まえて他方の動画情報に反映させることができ、カラオケ装置による利用者の過去の演奏結果を視覚的に意識させつつ統一感ある表示制御を実現することができる。
【0014】
また、好適には、前記楽曲データは、それぞれ少なくとも1つのジャンルに予め関連付けられたものであり、前記映像効果制御手段は、前記動画出力制御手段による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、その動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報にその映像効果を反映し且つその他方の動画情報の投稿主体である利用者が過去に前記カラオケ装置により演奏を行った楽曲データのジャンルに基づいて決定される映像効果を適用するものである。このようにすれば、共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力に際して、一方の動画情報に適用された映像効果を、投稿主体である利用者が過去に演奏した演奏曲を踏まえて他方の動画情報に反映させることができ、カラオケ装置による利用者の演奏傾向を視覚的に意識させつつ統一感ある表示制御を実現することができる。
【0015】
また、好適には、前記共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報それぞれに含まれる音声情報に対応して、予め定められた関係から前記共通の楽曲データに基づいて各動画情報毎にその音声情報の演奏評価を行う演奏評価制御手段を備え、前記映像効果制御手段は、前記動画出力制御手段による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記演奏評価制御手段によるそれら1対の動画情報それぞれに対応する演奏評価結果に基づいて、各動画情報に適用される映像効果の態様を変更するものである。このようにすれば、共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力に際して、各動画情報に対応する演奏評価結果を踏まえて映像効果を制御することで、カラオケ装置による演奏評価結果を視覚的に意識させつつ統一感ある表示制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例である映像情報配信システムの構成を説明する図である。
【図2】図1の映像情報配信システムに備えられたサーバ装置の構成を例示する図である。
【図3】図1の映像情報配信システムに備えられた通信端末装置であるパーソナルコンピュータの構成を例示する図である。
【図4】図1の映像情報配信システムに備えられた通信端末装置であるカラオケ装置の構成を例示する図である。
【図5】図2のサーバ装置のCPU、図3のパーソナルコンピュータのCPU、乃至図4のカラオケ装置のCPUに備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図6】図4のカラオケ装置による演奏曲の出力に際してビデオカメラにより撮影された映像情報を例示する図である。
【図7】図4のカラオケ装置による共演映像に係る同期演奏制御において、図6の映像情報が背景映像として用いられる様子を説明する図である。
【図8】図3に示すパーソナルコンピュータ等の通信端末装置に表示された共演映像の一例を示す図である。
【図9】図6に示す第1の演奏映像に映像効果の一例である植物の葉を模したフレームを適用した映像を示す図である。
【図10】図8に示す共演映像において、一方の動画情報に対応して設定された映像効果が他方の動画情報に反映される様子を例示する図である。
【図11】図6に示す第1の演奏映像及び他の第3の演奏映像との組み合わせに係る共演映像において、一方の動画情報に対応して設定された映像効果が他方の動画情報に反映される様子を例示する図である。
【図12】図6に示す第1の演奏映像及び他の第3の演奏映像との組み合わせに係る共演映像において、一方の動画情報に対応して設定された映像効果が他方の動画情報に反映される様子の他の一例を示す図である。
【図13】図8に示す共演映像において、一方の動画情報に対応して設定された映像効果が他方の動画情報に反映される様子の他の一例を示す図である。
【図14】図6に示す第1の演奏映像及び他の第3の演奏映像との組み合わせに係る共演映像において、それら1対の動画情報それぞれに対応する演奏評価結果に基づいて、各動画情報に適用される映像効果が連動して動作する様子を例示する図である。
【図15】図14に示す映像効果において、各動画情報内に表示されたハートマークの片割れ映像が演奏評価結果に応じて起きあがってゆく様子を説明する図である。
【図16】図6に示す第1の演奏映像及び他の第3の演奏映像の組み合わせに係る共演映像において、一方の動画情報に対応して設定された映像効果が他方の動画情報に反映される更に別の一例を示す図である。
【図17】図4のカラオケ装置のCPUによる第1の動画投稿制御の要部を説明するフローチャートである。
【図18】図4のカラオケ装置のCPUによる第2の動画投稿制御の要部を説明するフローチャートである。
【図19】図18に示す制御におけるコラボ演奏動画投稿制御の要部を説明するフローチャートである。
【図20】図2のサーバ装置のCPUによる動画投稿受付制御の要部を説明するフローチャートである。
【図21】図4のカラオケ装置のCPU或いは図3のPCのCPUによる映像効果設定制御の要部を説明するフローチャートである。
【図22】図2のサーバ装置のCPUによる動画配信/映像効果制御の要部を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の一実施例である動画情報配信システム10の構成を説明する図である。この図1に示すように、本実施例の動画情報配信システム10は、情報配信サービス提供会社によって運営されるサーバ装置(センタ装置)12と、通信端末装置である複数(図1では2つを例示している)のパーソナルコンピュータ14(以下、PC14と称する)と、同じく通信端末装置である複数(図1では2つを例示している)の携帯電話機16と、所定の通信回線18とを、備えて構成されている。この通信回線18は、例えば公衆電話回線、ADSL回線、或いは光ファイバ回線等から構成されるWWW(World Wide Web)等のインターネットに接続されたものであり、上記サーバ装置12及びPC14は、何れも上記通信回線18に接続されることで、その通信回線18を介して相互に情報の通信が可能とされている。また、上記携帯電話機16は中継基地局20を介して上記通信回線18に接続されており、上記サーバ装置12とその携帯電話機16との間でも相互に情報の通信が可能とされている。
【0019】
また、本実施例の動画情報配信システム10は、カラオケ装置を用いたカラオケシステム30を含んで構成されている。例えば、図1に示すように、カラオケボックス、スナック、旅館等の店舗32における複数の個室34a、34b、34c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に個室34と称する)にそれぞれ1台乃至は複数台ずつ(図1では1台ずつ)カラオケ装置36a、36b、36c、・・・(以下、特に区別しない場合には単にカラオケ装置36と称する)が設置されている。これら複数のカラオケ装置36は、ルータ44を介して上記通信回線18に接続されており、上述のようにその通信回線18に接続されたサーバ装置12等との相互間でその通信回線18を介して情報の通信が可能とされている。すなわち、上記カラオケ装置36は、上記PC14及び携帯電話機16等と同様に、上記通信回線18に接続されて上記サーバ装置12との間で情報の通信を行う通信端末装置に対応する。
【0020】
前記動画情報配信システム10に含まれるカラオケシステム30において、前記サーバ装置12は、カラオケ情報(楽曲データ)、背景映像情報、曲間情報等のデジタルコンテンツ(Digital Contents)の保管や入出力管理の基本的な制御を行うサーバとして機能し、前記通信回線18を介して上記カラオケ装置36に定期的にコンテンツの配信を行うと共に、そのカラオケ装置36からの要求に応じて所定の機能制御プログラムを送信する。また、上記カラオケシステム30は、複数の電子早見本装置38a、38b、38c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に電子早見本装置38と称する)を備えており、上記カラオケ装置36の利用に際して、各利用者(グループ)毎に1台乃至数台ずつの電子早見本装置38が貸与され、各個室34において後述するように上記カラオケ装置36の遠隔操作装置として用いられるようになっている。上記店舗32内には上記複数のカラオケ装置36を相互に接続するLAN40が敷設されており、上記電子早見本装置38からのカラオケ装置36への入力は、所定のアクセスポイント42及びLAN40を介したLAN通信等により行われる。
【0021】
図2は、前記サーバ装置12の構成を例示する図である。このサーバ装置12は、中央演算処理装置であるCPU52により随時書込読出メモリであるRAM56の一時記憶機能を利用しつつ読出専用メモリであるROM54に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂ノイマン式コンピュータであり、ファイルの管理や入出力制御、上記通信回線18を介してのアクセス等の管理、その通信回線18を介しての通信制御等の各種制御を実行するサーバである。また、図2に示すように、例えばTFT(Thin Film Transistor Liquid Crystal)やPDP(Plasma Display Panel)等の映像表示装置58と、その映像表示装置58による映像の表示を制御するための映像表示制御装置であるビデオボード(グラフィックスボード)60と、キーボード等の入力装置62と、その入力装置62による入力を処理するための入力インターフェイス64と、上記CPU52等を前記通信回線18に接続するためのモデム66とを、備えて構成されている。
【0022】
また、前記サーバ装置12は、前記動画情報配信システム10及びカラオケシステム30に係る各種情報を記憶するデータベースとして、動画データベース(映像効果データベース)68、利用者データベース70、及び楽曲データベース72をはじめとする各種データベースを備えている。これら動画データベース68、利用者データベース70、及び楽曲データベース72それぞれの記憶内容については、図5に示す各種制御機能の説明と併せて後述する。なお、図2に示すように、本実施例では上記動画データベース68、利用者データベース70、及び楽曲データベース72がそれぞれ異なる記憶装置に設けられた態様について説明するが、それらデータベースが同一の記憶装置に設けられたものであってもよい。また、後述する映像効果データベースは、上記動画データベース68から分離されて異なる記憶装置に設けられたものであってもよい。また、上記動画データベース68、利用者データベース70、及び楽曲データベース72がそれぞれ個別のサーバ装置に備えられ、それら複数のサーバ装置が相互に連繋して以下に説明する本実施例の制御を実行するものであってもよい。
【0023】
図3は、前記PC14の構成を例示する図である。このPC14は、中央演算処理装置であるCPU74により随時書込読出メモリであるRAM78の一時記憶機能を利用しつつ読出専用メモリであるROM76に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂ノイマン式コンピュータであり、一般にデスクトップパソコンやノートパソコン等と称される家庭用パーソナルコンピュータである。また、図3に示すように、映像表示部として機能するTFTやPDP等の映像表示装置80と、その映像表示装置80による映像の表示を制御するための映像表示制御装置であるビデオボード82と、キーボード84及びマウス86等の入力装置と、それら入力装置による入力を処理するための入力インターフェイス88と、上記CPU74等を前記通信回線18に接続するためのモデム90と、記憶装置であるハードディスク92とを、備えて構成されている。また、このPC14は、所謂WWW(World Wide Web)ウェブサイトの情報を表示させると共にそのウェブサイトに従って各種入力等を行うことができるブラウザ(WWWブラウザ)等の一般的なアプリケーションを機能的に備えたものである。
【0024】
図4は、前記カラオケ装置36の構成を例示するブロック線図である。この図4に示すように、前記カラオケ装置36は、TFTやPDP等の映像表示装置100と、その映像表示装置100による映像の表示を制御するビデオボード等の映像出力制御部102と、映像情報デコーダ104と、ビデオミキサ106と、音源であるシンセサイザ108と、音声入力装置であるマイクロフォン110と、そのマイクロフォン110から入力される音声をディジタル信号に変換するためのA/Dコンバータ112と、アンプミキサ114と、スピーカ116と、操作パネル118と、その操作パネル118等からの入力信号を処理する入出力インターフェイス120と、撮像装置であるビデオカメラ122と、中央演算処理装置であるCPU124と、読出専用メモリであるROM126と、随時書込読出メモリであるRAM128と、記憶装置であるハードディスク130と、モデム132と、LANポート134と、前記電子早見本装置38やリモコン装置98等の入力装置からのリモコン信号を受信するためのリモコン受信部136とを、備えて構成されている。
【0025】
前記映像出力制御部102は、前記CPU124において生成された歌詞文字映像等の文字映像(テロップ)を出力する文字映像出力装置として機能する他、前記映像表示装置100による種々の映像表示を制御する表示制御装置である。また、前記映像情報デコーダ104は、利用者が歌詞を参照しながら歌唱する際に前記ハードディスク130に記憶された背景映像情報に基づいて所定の背景映像を再生(デコード)する背景映像再生装置である。この背景映像情報は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式のデータであり、そのMPEGデータに基づいて前記映像情報デコーダ104により再生された背景映像は、前記ビデオミキサ106へ送られる。また、そのビデオミキサ106は、前記CPU124において生成され且つ前記映像出力制御部102から出力される文字映像と、前記映像情報デコーダ104により再生される背景映像とを合成して前記映像表示装置100に表示させる映像合成装置である。
【0026】
前記シンセサイザ108は、前記ハードディスク130から読み出されて送られて来るカラオケ演奏曲の演奏情報に基づいて楽器の演奏信号等の音楽信号を生成する音源である。この演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式のデータであり、そのMIDIデータに基づいて前記シンセサイザ108により生成された音楽信号は、アナログ信号に変換されて前記アンプミキサ114へ送られる。そのアンプミキサ114では、送られてきた音楽信号と前記マイクロフォン110を介して入力される利用者(演奏者)の歌声とがミキシングされ、それらの信号が電気的に増幅されて前記スピーカ116から出力される。また、前記A/Dコンバータ112は、音声入力装置である前記マイクロフォン110から入力されるアナログ信号としての音声情報をディジタル信号に変換して前記CPU124等へ供給する。
【0027】
前記操作パネル118は、前記カラオケ装置36の利用者が歌いたいカラオケ演奏曲を選択したり、演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記カラオケ装置36には、前記操作パネル118の一部機能を遠隔で実行するための入力装置として機能するリモコン装置98が備えられており、前記リモコン受信部136は、そのリモコン装置98から送信されるリモコン信号を受信して前記CPU124へ供給する。また、前記カラオケ装置36と電子早見本装置38との対応付け(くくりつけ)処理も前記リモコン受信部136を介して行われ、そのようにして前記カラオケ装置36に対応付けられた電子早見本装置38も同様に入力装置として機能する。なお、本実施例においては、前記カラオケ装置36に備えられたリモコン装置98や対応付け処理の行われた電子早見本装置38等の入力装置もそのカラオケ装置36の一部を構成するものであるとして以下の説明を行う。
【0028】
前記ビデオカメラ122は、例えばCCD(charge coupled device)等の撮像素子及びレンズを備え、そのレンズから入射される映像をCCDにより検知し、その映像を電子情報(映像データ)として取得する所謂デジタルビデオカメラであり、少なくとも動画(時間の経過に従い変化する動きのある映像)を撮影し得るものであるが、必要に応じて静止画(スチル写真)を撮影できるように構成されたものであってもよい。このビデオカメラ122により撮影された映像情報は、図示しないビデオ端子等のインターフェイスを介して前記CPU124等へ供給され、例えばAVI(Audio-Video Interleaved)形式、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式、FLV(Flash Video)形式等の映像ファイルとして前記RAM54等に記憶される。なお、このビデオカメラ112は、必ずしも前記カラオケ装置36の一部として備えられたものでなくともよく、例えば前記個室34における所定位置に固設された別体のビデオカメラ乃至前記携帯電話機16に備えられた撮像装置等により撮影された映像が所定のインターフェイスを介して前記カラオケ装置36に入力される態様も考えられる。
【0029】
前記CPU124は、前記RAM128の一時記憶機能を利用しつつ前記ROM126に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂マイクロコンピュータであり、前記カラオケ装置36に係る各種制御を実行する。すなわち、前記電子早見本装置38やリモコン装置98等により所定のカラオケ演奏曲が選曲された場合、その選曲されたカラオケ演奏曲を前記RAM128に設けられた予約曲テーブルに登録する選曲予約制御、その予約曲テーブルの演奏順に従って前記ハードディスク130から前記RAM128に選曲されたカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報(楽曲データ)を読み出す楽曲データ読出制御、カラオケ演奏曲の演奏が進行するのに応じてそのRAM128から前記シンセサイザ108へ演奏情報を送信する演奏出力制御、その演奏出力制御に際して前記RAM128に展開された歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して前記映像出力制御部102へ送信する歌詞文字映像出力制御、上記演奏出力制御に際して前記映像情報デコーダ104を制御して所定の背景映像を再生させる背景映像出力制御、カラオケ演奏が行われていない間すなわち曲間において、新譜情報、選曲ランキング、店舗広告等の曲間情報を出力させる曲間情報出力制御、及び前記通信回線18を介した前記サーバ装置12との間の情報通信制御等の基本的な制御に加えて、後述する本実施例の同期演奏制御や演奏記録制御等の各種制御を実行する。
【0030】
前記モデム132は、前記カラオケ装置36を前記通信回線18に接続するための装置であり、前記CPU124から出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換して前記通信回線18に送り出すと共に、その通信回線18を介して伝送されるアナログ信号をディジタル信号に変換して前記CPU124に供給する処理を行う。なお、前記店舗32に備えられた複数のカラオケ装置36のうち何れかのカラオケ装置36が前記ルータ44の機能を備えてマスターコマンダとして前記通信回線18に接続される態様も考えられ、その場合、前記モデム132はそのマスターコマンダとして機能するカラオケ装置36には必要とされるが、そのマスターコマンダを介して前記サーバ装置12との間で情報の通信を行う他のカラオケ装置36には必ずしも設けられなくともよい。
【0031】
前記LANポート134は、前記カラオケ装置36をLAN40を介して他のカラオケ装置36や電子早見本装置38等の他の機器に接続するための接続器であり、前記カラオケ装置36は、そのようにLAN40を介して接続されることで、他のカラオケ装置36や電子早見本装置38等の他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。例えば、前記アクセスポイント42を介して受信される前記電子早見本装置38からの選曲入力を受け付けて前記RAM128に設けられた予約曲テーブルに記憶したり、そのアクセスポイント42を介して前記カラオケ装置36から電子早見本装置38へ所定の情報を送信したりというように、電波を介して前記カラオケ装置36と電子早見本装置38との間における相互の情報のやりとりが実行される。
【0032】
前記ハードディスク130には、カラオケ演奏曲を出力させるための多数の楽曲データ(カラオケデータ)を記憶する楽曲データベース138(図5を参照)をはじめとする各種データベースが設けられている。この楽曲データベース138は、前記カラオケ装置36により出力可能な演奏曲にそれぞれ対応する多数(例えば、数万曲分)の楽曲データ(カラオケデータ)を記憶する。この楽曲データは、前記シンセサイザ108により所定の楽器の演奏音を生成するためのMIDIデータ等の演奏情報と、歌詞文字映像(歌詞テロップ)を生成するための歌詞情報と、その歌詞情報に基づいて生成された歌詞文字映像を演奏の進行に合わせて順次色替わりさせてゆくための歌詞色替情報とを、含むものであり、コンテンツIDである各演奏曲に固有の選曲番号により識別される。また、上記楽曲データには、その演奏曲の曲名、アーティスト名(歌手名)、発表年月日、アルバム情報(販売時に入曲されていたアルバム)、主題歌情報(アニメやドラマの主題歌等として用いられていた場合にはそのアニメやドラマ等に関する情報)、動画データベース68において記憶された対応する動画情報の数、キー情報、ジャンル、AメロやBメロ等の曲フラグ情報、作詞・作曲者情報、デュエット曲であるか否かを示す情報、及び曲調等の情報が関連づけられて記憶されている。
【0033】
前記サーバ装置12に備えられた前記楽曲データベース72は、前記カラオケシステム30に備えられた前記カラオケ装置36に配信するための楽曲データを記憶するものであり、新しく作成された楽曲データはこの楽曲データベース72に蓄積される。カラオケボックス等の店舗32にそれぞれ備えられた複数のカラオケ装置36のうち所定のカラオケ装置36例えば前記カラオケ装置36aは、前記モデム132を介して前記通信回線18に接続されており、前記複数のカラオケ装置36によって常に新しい曲が演奏可能とされるように、随時新たな楽曲データ等が前記サーバ装置12の楽曲データベース72から前記通信回線18を介して配信され、前記ハードディスク130の楽曲データベース138等に記憶される。また、そのようにして前記サーバ装置12から情報を取得したカラオケ装置36aとその他のカラオケ装置36との間で前記LAN40を介した通信が行われることにより、各カラオケ装置36のハードディスク130に記憶される情報が共有され、上記楽曲データベース138等の内容が等価なものとされる。
【0034】
前記サーバ装置12に備えられた動画データベース68は、通信端末装置としての前記カラオケ装置36、或いは前記PC14や携帯電話機16等から投稿すなわち前記通信回線18を介してアップロードされた複数の動画情報(映像情報)を記憶する。この動画情報は、例えばAVI(Audio-Video Interleaved)形式、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式、FLV(Flash Video)形式等の動画ファイル(映像ファイル)であり、例えば投稿順に定められた所定の識別番号(コンテンツID)をインデックスとして前記動画データベース68に記憶される。なお、この動画情報は、複数枚の静止画像が所定の時間間隔で切替表示される所謂パラパラアニメーションや、映像が一時的に停止する静止画部分を含むものであってもよい。また、その動画データベース68には、投稿者の識別情報(ユーザID)、投稿者の名前(ニックネーム)、投稿時(投稿日時)、投稿に相前後して投稿者により設定(入力)された映像のタイトル、投稿者のコメント、削除用のパスワード、再生回数、投稿コメント数、閲覧者からの投票結果(得票数)、対応する演奏曲の識別情報(選曲番号)、曲名、アーティスト名、及び演奏評価結果(採点結果)等の情報が各動画情報毎にその動画情報と関連づけられて記憶されるようになっている。
【0035】
また、前記動画データベース68は、好適には、その動画データベース68に記憶された複数の動画情報それぞれの出力(再生)に際して、その動画情報に所定の映像効果(エフェクト)を適用するための複数の映像効果情報を記憶する映像効果データベースを含むものである。この映像効果は、例えば、適用対象となる動画の外枠として表示されるフレームに相当する静止画乃至動画、適用対象となる動画上に星マークやハートマーク等を飛び交わせる映像効果を実現するための静止画乃至動画、適用対象となる動画をセピア色やモノクロ(白黒)に変化させたりコントラストや輝度を変化させたりといった映像効果を実現するためのフィルタ、適用対象となる動画をイラスト風に変化させたり線描風やモザイク様に変化させたりといった映像効果を実現するためのフィルタ、適用対象となる動画上に雪や花を降らせたり風を吹かせたり雨を降らせたりといった映像効果を実現するための動画乃至フィルタ、適用対象となる動画上にスタンプや吹き出しを配置するための静止画乃至動画、適用対象となる動画上にペンやエアブラシで任意の描画を可能とするための描画手段、適用対象となる動画を魚眼レンズ或いは広角レンズで観たように変形させる映像効果を実現するためのフィルタ、適用対象となる動画をインスタントカメラで撮影したような映像効果を実現するためのフィルタ、適用対象となる動画の背景を任意の静止画乃至動画に変更可能とする映像効果を実現するためのフィルタ等、種々の態様が考えられる。
【0036】
また、前記サーバ装置12に備えられた前記利用者データベース70は、本実施例の動画情報配信システム10の利用者の情報を記憶する。例えば、各利用者の識別情報(ユーザID)をインデックスとして、前記動画情報配信システム10を利用するためのパスワード、投稿者の名前(ニックネーム)、生年月日、性別、住所、メールアドレス、電話番号、血液型、星座、アバタ(利用者に対応する人型映像)に関する情報、パスワードを忘れたときのための質問及び解答、動画情報の閲覧履歴、動画情報のブックマーク、過去に投稿した動画情報の投稿履歴、過去に投稿した共演動画情報の投稿履歴、及び歌年齢等の属性情報が各利用者毎にその利用者と関連づけられて記憶されるようになっている。この歌年齢とは、利用者の演奏曲の好みの傾向がどの程度の年代(何歳)に相当するものかを示す仮想的な年齢情報であり、対象となる利用者が前記カラオケ装置16において過去に選曲(演奏)した演奏曲に基づいて判断される値であり、好適には、対象となる利用者が過去に選曲(演奏)した演奏曲を算出の基準として、その利用者のカラオケ演奏の傾向がどの程度の年齢に相当するかという観点から導出される値である。なお、本実施例においては、前記動画データベース68と利用者データベース70とを個別のデータベースとして備えた態様について説明するが、それらは単一のデータベースとして構成されたものであってもよく、例えば、前記利用者データベース70に記憶された各利用者に対応する情報として、その利用者が投稿した動画情報乃至後述する共演動画情報等が記憶されるものであってもよい。
【0037】
また、前記利用者データベース70には、各利用者の前記カラオケシステム30に係る情報が記憶される。例えば、各利用者が過去に利用したカラオケ装置36に対応する店舗32(そのカラオケ装置36が設置された店舗32)に関する情報である来店履歴、各利用者が前記カラオケ装置36によるカラオケ演奏において十八番曲として登録した演奏曲(簡易な操作により選曲入力を行い得るように設定された演奏曲)に関する情報、各利用者が過去に前記カラオケ装置36によるカラオケ演奏において選曲した選曲履歴(カラオケ装置36において過去に選曲された演奏曲の履歴)としての演奏曲に関する情報、各利用者が前記カラオケ装置36によるカラオケ演奏において過去に行った演奏評価の評価結果に関する情報、各利用者が前記カラオケ装置36(カラオケシステム30)における新規入力曲のリクエスト投票(入曲リクエスト)を行った対象となる演奏曲に関する情報、各利用者がフレンドとして登録した他の利用者に関する情報、各利用者の顔写真をはじめとする画像情報、各利用者が所定の演奏曲等に関して記載(入力)したレビュー、及び各利用者に対して付与された前記カラオケシステム30におけるポイント等が、各利用者毎にその利用者の識別情報(ユーザID)と関連付けられて記憶されるようになっている。また、好適には、各利用者が過去に前記カラオケ装置36によるカラオケ演奏において選曲した選曲履歴において、演奏した曲数に基づいてジャンルを分類(その利用者がどのジャンルの演奏曲をよく歌っているのかをジャンルで順位付け)した分類結果等が、各利用者毎に前記利用者データベース70に記憶される。なお、本実施例においては、前記動画情報配信システム10とカラオケシステム30とで共通の識別情報及びパスワードを用い、それら動画情報配信システム10及びカラオケシステム30に関する各利用者の情報を共通の利用者データベース70に蓄積する態様について説明するが、前記動画情報配信システム10及びカラオケシステム30それぞれに対応して個別の利用者データベース(顧客データベース)が設けられたものであってもよく、また、それら動画情報配信システム10及びカラオケシステム30それぞれに対応して個別の識別情報及びパスワードが設定されるものであってもよい。
【0038】
図5は、前記サーバ装置12のCPU52、前記PC14のCPU74、乃至前記カラオケ装置36のCPU124に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図5に示す例において、投稿受付制御手段152、動画配信制御手段158、共演動画編集制御手段164、及び映像効果制御手段174(演奏評価制御手段176)は前記サーバ装置12のCPU52に、演奏記録制御手段150、検索制御手段154、配信要求制御手段156、動画出力制御手段160、同期演奏制御手段162、及び映像効果設定手段170は前記カラオケ装置36のCPU124に、配信要求制御手段166、動画出力制御手段168、及び映像効果設定手段172は前記PC14のCPU74に、それぞれ機能的に備えられたものである。なお、上記配信要求制御手段166、動画出力制御手段168、及び映像効果設定手段172は前記携帯電話機16のCPUにも好適に備えられるものである。また、上記検索制御手段154、配信要求制御手段156、及び動画出力制御手段160等は、前記カラオケ装置36に備えられて(対応付けられて)その一部を構成する前記電子早見本装置38のCPUに備えられたものであってもよい。
【0039】
本実施例の動画情報配信システム10は、図5に示す各種制御機能により各利用者からの動画情報の投稿を受け付けると共に、投稿された動画情報を前記通信回線18を介して配信する投稿受付制御及び映像配信制御を実行する。また、この投稿受付制御に関して、それぞれ態様の異なる第1の投稿受付制御(第1の動画投稿制御)及び第2の投稿受付制御(第2の動画投稿制御)を選択的に実行するように構成されている。すなわち、第1の投稿受付制御において、前記通信回線18を介して前記カラオケ装置36等の通信端末装置からの動画情報の投稿(アップロード)を受け付け、その投稿された動画情報を前記動画データベース68に蓄積する処理を行う。一方、第2の投稿受付制御において、既に前記動画データベース68に蓄積されている動画情報に対して、共演動画(コラボ動画)に係る組み合わせ対象となる動画情報の投稿を受け付け、その投稿された動画情報を前記動画データベース68に蓄積すると共に共演動画情報として組み合わせる編集処理を行う。以下、これら第1の投稿受付制御及び第2の投稿受付制御それぞれにおける各制御機能の動作を個別に説明する。
【0040】
先ず、上記第1の投稿受付制御及び第2の投稿受付制御において共通の前記演奏記録制御手段150、投稿受付制御手段152、配信要求制御手段156、166、及び動画配信制御手段158それぞれの動作について説明する。前記演奏記録制御手段150は、前記カラオケ装置36による演奏曲の出力に際して、撮像装置である前記ビデオカメラ122により撮影された映像情報及び音声入力装置であるマイクロフォン110により入力された音声情報を記録する。好適には、前記ビデオカメラ122により撮影された映像情報と、音声入力装置であるマイクロフォン110により入力されて前記A/Dコンバータ112によりディジタル信号に変換された音声情報とを、例えばAVI形式、MPEG形式、FLV形式等のファイル形式にて統合し、映像情報及び音声情報を含む動画情報(動画ファイル)として記録する。図6は、前記演奏記録制御手段150により記録された、前記カラオケ装置36による演奏曲の出力に際して前記ビデオカメラ122により撮影された動画情報である第1の演奏映像180を例示している。なお、図5に示す各制御手段は、映像情報及び音声情報をそれぞれ個別の情報(ファイル)として記録、送受信、乃至蓄積等するものであってもよいが、本実施例においてはそれらを統合して動画ファイルとして記録、送受信、乃至蓄積等する態様について説明する。すなわち、以下の説明において特に言及しない場合には、本実施例における動画情報は、映像情報及びその再生に際して出力される音声に対応する音声情報を含むものである。
【0041】
前記投稿受付制御手段152は、前記通信回線18を介して前記カラオケ装置36等の通信端末装置からの動画情報の投稿を受け付け、その投稿された動画情報を前記動画データベース68に記憶させる。好適には、前記カラオケ装置36による所定の演奏曲の出力に際して前記演奏記録制御手段150により記録された映像情報及び音声情報に対応する動画情報(動画ファイル)の投稿を受け付け、対象となる演奏曲(映像情報及び音声情報の記録に際して出力された演奏曲)の識別情報である選曲番号及び投稿の主体となる利用者の識別情報(ユーザID)等と関連付けて前記動画データベース68に記憶させる。
【0042】
前記配信要求制御手段156、166は、前記動画データベース68に記憶された所定の動画情報の配信要求を、前記通信回線18を介して前記サーバ装置12へ送信する。斯かる配信要求制御手段156、166による配信要求は、例えば、前記動画情報配信システム10を運営する情報配信サービス提供会社により管理されるWWWウェブサイト(所謂動画投稿サイト)にアクセスして動画情報を選択乃至識別情報(コンテンツID)を入力すること等によって行われる。すなわち、前記配信要求制御手段156、166は、好適には、前記通信回線18を介して閲覧可能とされたWWWウェブサイトの情報を表示させると共にそのWWWウェブサイトに従って各種入力等を行うことができるWWWブラウザにおける一機能に対応する。
【0043】
前記動画配信制御手段158は、前記PC14、携帯電話機16、或いはカラオケ装置36等の通信端末装置から前記配信要求制御手段156、166等による配信要求があった場合には、その配信要求に応じて前記動画データベース68に記憶されたその配信要求に係る動画情報を要求元である通信端末装置に前記通信回線18を介して配信する。この動画配信制御手段158により各通信端末装置に配信された動画情報は、後述する動画出力制御手段160、168等によりその通信端末装置の表示部(映像表示装置)に表示される。
【0044】
次に、第2の投稿受付制御における前記演奏記録制御手段150、投稿受付制御手段152、検索制御手段154、配信要求制御手段156、動画配信制御手段158、動画出力制御手段160、同期演奏制御手段162、及び共演動画編集制御手段164それぞれの動作について説明する。前記検索制御手段154は、前記カラオケ装置36により出力可能な前記多数の演奏曲から所定の条件を満たす単数乃至複数の演奏曲を検索する。例えば、前記楽曲データベース138に記憶された多数の演奏曲(楽曲データ)のうち、前記電子早見本装置38やリモコン装置98等を介して入力される文字乃至は文字列によって示される条件に基づいて、単数乃至は複数の演奏曲を検索する曲名検索処理を実行する。例えば、入力された文字乃至文字列に少なくとも一部が一致する曲名の演奏曲(楽曲データ)を前記楽曲データベース138に記憶された多数の演奏曲から抽出する。また、好適には、前記楽曲データベース138に記憶された多数の演奏曲に係るアーティスト名(歌手名)に関して、前記電子早見本装置38やリモコン装置98等を介して入力される文字乃至は文字列によって示される条件に基づいて、単数乃至は複数のアーティスト名を検索する歌手名検索処理を実行する。例えば、入力された文字乃至文字列に少なくとも一部が一致するアーティスト名を、前記楽曲データベース138に記憶された多数の演奏曲の属性情報としてのアーティスト名から抽出する。
【0045】
また、前記検索制御手段154は、前記動画データベース68に記憶された複数の動画情報から所定の条件を満たす単数乃至複数の動画情報を検索する。好適には、上記曲名検索処理により検索された演奏曲に関連付けられた単数乃至複数の動画情報を前記動画データベース68に記憶された複数の動画情報から抽出する。また、好適には、上記歌手名検索処理により検索されたアーティスト名を属性情報とする演奏曲に関連付けられた単数乃至複数の動画情報を前記動画データベース68に記憶された複数の動画情報から抽出する。また、好適には、前記電子早見本装置38やリモコン装置98等を介して入力される文字乃至は文字列によって示される条件に基づいて、単数乃至は複数の動画情報を検索する。例えば、入力された文字乃至文字列に少なくとも一部が一致する投稿者の名前(ニックネーム)に関連付けられた単数乃至複数の動画情報を前記動画データベース68に記憶された複数の動画情報から抽出する。
【0046】
前記動画出力制御手段160は、前記動画配信制御手段158により配信された動画情報の出力を制御する。すなわち、前記サーバ12から前記通信回線18を介してダウンロードされた動画情報を再生して前記映像表示装置100に表示させる。ここで、前記カラオケ装置36においては、前記映像情報デコーダ104が斯かる動画出力制御手段160として機能するものであってもよい。また、前記同期演奏制御手段162は、前記動画出力制御手段160による動画情報の出力と同期してその動画情報と関連付けられた演奏曲を出力させる。例えば、前記動画出力制御手段160により対象となる動画情報の出力(再生)が行われる際に、その動画情報と関連付けられた演奏曲(動画データベース68において関連付けられていた選曲番号に対応する演奏曲)の楽曲データを前記楽曲データベース138から読み出し、動画情報の出力が開始されるのと同期して(同時に)その楽曲データに対応するカラオケ演奏制御を開始する。所定の演奏曲と関連付けられた動画情報は、前記演奏記録制御手段150によりその演奏曲の出力に際して前記ビデオカメラ122により撮影された動画情報を記録したものであるため、その動画情報の出力と同期して対応する演奏曲のカラオケ演奏制御を行うことで、あたかもその動画情報の歌い手と同時に歌っているような共演演奏(コラボ演奏)を実現できる。
【0047】
前記動画出力制御手段160は、好適には、前記同期演奏制御手段162による演奏曲の出力と同期してその演奏曲と関連付けられた動画情報を出力させる際に、その動画情報に含まれる音声情報は非出力すなわちミュートとする。換言すれば、音声情報を含む映像情報においてその映像情報のみを出力させる。なお、必ずしも音声情報を非出力としなくともよく、対応する映像情報の音声情報を出力させてもよい。また、前記同期演奏制御手段162は、好適には、前記動画出力制御手段160による動画情報の出力と同期してその動画情報と関連付けられた演奏曲を出力させる際に、同期再生されるその動画情報をカラオケ演奏における背景映像として前記映像表示装置100に表示させる。例えば、前述した図6に示す第1の演奏映像180の出力と同期してその第1の演奏映像180と関連付けられた演奏曲(第1の演奏映像180の記録に際して出力された演奏曲)を出力させる場合、図7に示すように、前記動画出力制御手段160により再生される第1の演奏映像180の前面側に、出力される演奏曲の歌詞情報に基づいて生成される歌詞文字映像182を前記ビデオミキサ106により合成して前記映像表示装置100に表示させる。なお、前記同期演奏制御手段162は、前記動画出力制御手段160による動画情報の出力と同期してその動画情報と関連付けられた演奏曲を出力させる際に、その演奏曲の歌詞文字映像は表示させずその動画情報のみを前記映像表示装置100に表示させるものであってもよい。
【0048】
前記演奏記録制御手段150は、前記動画出力制御手段160による動画情報の出力と同期して前記同期演奏制御手段162によりその動画情報と関連付けられた演奏曲を出力させる同期演奏制御に際して、撮像装置である前記ビデオカメラ122により撮影された映像情報及び音声入力装置であるマイクロフォン110により入力された音声情報を記録する。好適には、前記ビデオカメラ122により撮影された動画情報と、音声入力装置であるマイクロフォン110により入力されて前記A/Dコンバータ112によりディジタル信号に変換された音声情報とを、例えばAVI形式、MPEG形式、FLV形式等のファイル形式にて統合し、映像情報及び音声情報を含む動画情報(動画ファイル)として記録する。
【0049】
前記投稿受付制御手段152は、前記同期演奏制御手段162による所定の演奏曲の出力に際して前記演奏記録制御手段150により記録された映像情報及び音声情報に対応する動画情報の投稿を受け付け、対象となる演奏曲(同期演奏制御手段162により出力された演奏曲)の識別情報、投稿の主体となる利用者の識別情報(ユーザID)、及び共演演奏に係る動画情報の識別情報(コンテンツID)と関連付けて前記動画データベース68に記憶させる。
【0050】
前記共演動画編集制御手段164は、前記投稿受付制御手段152により受け付けられる複数の動画情報を組み合わせて共演動画情報を編集し、その編集された共演動画情報を前記動画データベース68に記憶させる。好適には、前記投稿受付制御手段152により受け付けられる、共通の演奏曲に関連付けられた複数の動画情報を組み合わせて共演動画情報を編集し、その編集された共演動画情報をその演奏曲の識別情報(コンテンツID)と関連付けて前記動画データベース68に記憶させる。この共演動画情報とは、上記組み合わせに係る複数(好適には1対)の動画情報を同期して(同時に)出力させるための情報であり、好適には、前記動画データベース68にそれぞれ個別に(独立した動画ファイルとして)記憶された組み合わせに係る複数の動画情報を読み出し、それら動画情報を共演映像として同期出力させるための組み合わせ情報に相当する。また、好適には、その共演動画情報の属性情報として、対象となる演奏曲の識別情報(選曲番号)、その演奏曲の曲名、アーティスト名、演奏時間、組み合わせに係る各動画情報の投稿者の識別情報(ユーザID)、各投稿者の名前(ニックネーム)、各投稿者のコメント、共演映像のタイトル、及び各動画情報に対応する演奏評価結果(採点結果)等が対象となる共演動画情報と関連付けられて前記動画データベース68に記憶される。すなわち、前記共演動画編集制御手段164は、好適には、前記投稿受付制御手段152により先に投稿された第1の動画情報である第1の演奏映像180に対して、後に投稿された第2の動画情報である第2の演奏映像184(図8等を参照)を組み合わせて前記共演動画情報を編集するものである。
【0051】
前記動画配信制御手段158は、前記通信回線18を介しての前記PC14や携帯電話機16等の通信端末装置からの配信要求に応じて、前記動画データベース68に記憶されたその配信要求に係る共演動画情報をその通信端末装置に配信する。好適には、共演動画情報の配信と相前後してその共演動画情報に係る組み合わせの対象となる複数の動画情報を前記動画データベース68から読み出し、その共演動画情報と共に上記配信要求元である通信端末装置に配信する。この動画配信制御手段158により配信された共演動画情報に係る複数の動画情報は、各通信端末装置に備えられた動画出力制御手段160、168等によりその通信端末装置の表示部(映像表示装置)に表示される。
【0052】
前記動画出力制御手段168は、前記動画配信制御手段158により配信された動画情報の出力を制御する。すなわち、前記サーバ12から前記通信回線18を介してダウンロードされた動画情報を再生して前記映像表示装置80に表示させる。ここで、前記PC14のCPU74に備えられた動画出力制御手段168は、好適には、前記動画配信制御手段158により配信された動画情報をWWWブラウザ上で出力(再生)可能とするものであり、例えばMPEGデコーダやフラッシュプレイヤ等、動画ファイルの形式に応じて種々の動画再生ソフトウェア(プラグイン)が適宜用いられる。
【0053】
図8は、前記PC14や携帯電話機16等の通信端末装置に表示された共演映像186の一例を示す図である。この共演映像186においては、前述した図6に示す第1の演奏映像180と、前記動画出力制御手段160及び同期演奏制御手段162によりその第1の演奏映像180の出力と同期して実行されたカラオケ演奏の出力に際して前記演奏記録制御手段150により記録された第2の演奏映像184とが、所定のWWWウェブサイト上において同期して(同時に)出力される例を示している。この図8に示すWWWウェブサイトは、例えば、前記動画情報配信システム10を運営する情報配信サービス提供会社により管理される所謂動画投稿サイトに相当するものであり、一般的なWWWブラウザにより前記PC14や携帯電話機16等の通信端末装置において閲覧可能とされる。このWWWウェブサイト上においては、出力される共演映像に係る共通の演奏曲の曲名及びアーティスト名が表示されると共に、再生/停止ボタン188、頭出しボタン190、再生位置決定つまみ192、音量設定つまみ194、及び表示画面の全画面表示乃至等倍表示を切り替える表示切替ボタン196等が表示され、各ボタン乃至つまみにより共演映像の出力に係る各種操作が可能とされている。また、各動画情報に対応して非表示ボタン198が表示され、その非表示ボタン198が押されることで共演映像に係る2つの動画情報の何れか一方を非表示とすることができるようになっている。
【0054】
図8に示すWWWウェブサイトが前記PC14、携帯電話機16、及びカラオケ装置36等の通信端末装置におけるWWWブラウザに表示された状態において、各通信端末装置の操作部により上記WWWウェブサイトにおける再生/停止ボタン188が押される等の操作が行われた場合、上記共演映像186の出力すなわち前記第1の演奏映像180及び第2の演奏映像184の同期出力が開始される。この共演映像186の出力においては、前記第1の演奏映像180及び第2の演奏映像184が同期して再生されると共に、それら第1の演奏映像180及び第2の演奏映像184それぞれに含まれる音声情報も同期して出力される。この音声情報の出力に関して、前記第1の演奏映像180に対応する音声情報が左のスピーカから出力される一方、前記第2の演奏映像184に対応する音声情報が右のスピーカから出力されるといった制御を行うものであってもよいし、それらの音声情報を合成してステレオ出力させるものであってもよい。このように、共演動画情報の組み合わせに係る複数の動画情報及びその音声情報が同期して出力されることで、あたかも各動画情報の演奏者が同時に演奏を行っているような共演映像(コラボ動画)の出力が可能とされる。
【0055】
図5に示す映像効果設定手段170、172は、前記動画データベース68に含まれる映像効果データベースに予め定められた複数の映像効果のうちから選択される少なくとも1つの映像効果を、その動画データベース68に記憶された動画情報それぞれに対応して設定する。また、映像効果制御手段174は、前記動画出力制御手段160、168による前記動画情報の出力(再生)に際して、その動画情報に対応して設定された映像効果を適用する制御を行う。すなわち、適用対象となる動画情報に対応する動画の一部に、その映像効果を付加的に表示させたり、適用対象となる動画情報に所定のフィルタをかけたりといった表示制御を行う。なお、以下に詳述する映像効果の相互適用制御は、好適には、共演動画の配信に際して、その共演動画が前記PC14等において出力される際に実行されるものであるが、前記第2の投稿受付制御において、第1投稿者の動画情報を前記カラオケ装置36において出力させ、その動画情報を視聴しながら第2の動画情報に係る演奏乃至録音等を行う際に、その第1投稿者の動画情報がリアルタイムで第2の動画情報に反映されるといった態様で実行されるものであってもよい。また、上記映像効果制御手段174は、この表示制御に関して、前記共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報それぞれに含まれる音声情報の演奏評価を行う演奏評価制御手段176を含んでいる。以下、図9〜図16等を参照して上記映像効果設定手段170、172及び映像効果制御手段174(演奏評価制御手段176)の制御について説明する。
【0056】
上記映像効果設定手段170、172は、好適には、前記動画データベース68に記憶された動画情報の前記動画出力制御手段160、168による出力に際して、その出力に係る動画情報を対象として映像効果を設定する。例えば、対象となる動画情報のWWWブラウザ等における出力(再生)に相前後して、そのWWWブラウザ等を介しての所定の入力操作により、前記映像効果データベースに予め定められた複数の映像効果のうちから選択される少なくとも1つの映像効果をその対象となる動画情報に対応して設定する。ここで、前記映像効果データベースに定められた映像効果は、対象となる動画情報の出力開始から出力終了まで継続して適用されるように定められるものであってもよいが、対象となる動画情報の再生時間内において適用開始タイミング乃至適用終了タイミングが設定できるものであってもよい。斯かる態様において、上記映像効果設定手段170、172は、好適には、前記WWWブラウザ等を介しての所定の入力操作により、対象となる動画情報の再生時間内における映像効果の適用開始タイミング乃至適用終了タイミングを設定する。また、映像効果が吹き出しである場合には、対象となる動画情報全体(動画に対応する画面全体)におけるその吹き出しの相対的な位置を設定したり、その吹き出し内にテキスト情報或いはフリードロー(自由描線)による書き込みを受け付けたりといった制御を行うものであってもよい。斯かる映像効果設定手段170、172による映像効果の設定は、対象となる動画情報の投稿者のみ実行可能とされるものであってもよいし、任意の利用者(例えば、前記PC14による動画の閲覧者)により実行可能とされるものであってもよい。更には、前記第1の動画投稿制御乃至第2の動画投稿制御において、前記カラオケ装置16から動画情報の投稿(サーバ装置12へのアップロード)を行う時点に限定して上記映像効果の設定を可能とするものであってもよい。
【0057】
前記映像効果制御手段174は、前記動画出力制御手段160、168による前記動画情報の出力(再生)に際して、前記動画データベース68においてその動画情報に対応して設定された映像効果を適用する。例えば、映像効果が静止画乃至動画である場合には、適用対象となる動画情報の前面側レイヤにその静止画乃至動画を合成する表示制御を行う。また、映像効果が所定のフィルタである場合には、出力に係る動画情報にそのフィルタをかける画像処理を行う。また、映像効果の適用開始タイミング乃至適用終了タイミングが設定されている場合には、適用対象となる動画情報の再生時間内における適用開始タイミングにおいてその映像効果の適用を開始すると共に、適用終了タイミングにおいてその映像効果の適用を終了させる。また、適用対象となる動画情報全体における映像効果の相対位置が設定されている場合には、斯かる相対位置にその映像効果を適用する。更に、フリードロー等が付加的に記憶されている場合には、適用された映像効果に付随してそのフリードロー等も表示させる。図9は、図6に示す第1の演奏映像180に映像効果の一例である植物の葉を模したフレーム200を適用した映像を示す図である。この図9に示すように、前記映像効果制御手段174は、例えば、前記映像効果データベースに記憶された映像効果に対応する静止画すなわち図9に示す例では植物の葉を模した部分映像が矩形状(枠状)に設けられると共に余の部分が透明とされた画像情報を読み出して、対象となる動画情報(映像表示装置に表示される動画)の前面側に合成することでその映像効果を適用する。
【0058】
前記映像効果制御手段174は、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力すなわち共演映像の出力に際して、前記映像効果設定手段170、172により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、その動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報にその映像効果を反映する同一又は他の映像効果を適用する。図10は、図8に示す共演映像186において、一方の動画情報に対応して設定された映像効果が他方の動画情報に反映される様子を例示する図である。この図10に示す例においては、前記共演映像186の組み合わせに係る前記第1の演奏映像180に対応して図9を用いて例示したフレーム200が適用されている場合において、そのフレーム200を反映する映像効果であるフレーム202が第2の演奏映像184に適用された様子を示している。このフレーム202は、前記第1の演奏映像180に適用されるフレーム200と同一の映像効果であってもよく、或いはそのフレーム202と色違いのフレーム等の他の映像効果であってもよい。すなわち、前記映像効果制御手段174は、前記動画データベース68において前記第2の演奏映像184に対応して何らの映像効果が設定されていなくとも、前記第1の演奏映像180との組み合わせにおいて共演映像186として出力される際には、その第1の演奏映像180に対応して設定された映像効果である前記フレーム200を反映するフレーム202を前記第2の演奏映像184に適用する。また、斯かる第2の演奏映像184に何らかの映像効果が設定されている場合においても、前記第1の演奏映像180との組み合わせにおいて共演映像186として出力される際には、その第1の演奏映像180に対応して設定された映像効果であるフレーム200を反映するフレーム202を前記第2の演奏映像184に優先的(代替的)に適用するものであってもよい。なお、図10に示すように、映像効果が適用された共演映像186において、好適には、映像効果が適用されない共演映像186において表示されていた非表示ボタン198等が消去される(以下の説明において同じ)。
【0059】
前記映像効果制御手段174は、好適には、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力すなわち共演映像の出力に際して、それら1対の動画情報のうち先に投稿された動画情報に対応して前記映像効果設定手段170、172により設定された映像効果を反映する同一又は他の映像効果を、後に投稿された動画情報に反映させる。すなわち、前述した図8に示す共演映像186においては、前記第1の演奏映像180が先に投稿された動画情報すなわち第1の動画情報に対応し、前記第2の演奏映像184が後に投稿された動画情報すなわち第2の動画情報に対応するため、図10を用いて上述したように、前記動画データベース68において前記第2の演奏映像184に対応して何らの映像効果が設定されていなくとも、前記第1の演奏映像180との組み合わせにおいて共演映像186として出力される際には、その第1の演奏映像180に対応して設定された映像効果である前記フレーム200を反映するフレーム202を前記第2の演奏映像184に適用する。
【0060】
また、前記映像効果制御手段174は、好適には、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力すなわち共演映像の出力に際して、前記映像効果設定手段170、172により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、その動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報にその映像効果を反映し且つその他方の動画情報の投稿主体である利用者の性別に基づいて決定される映像効果を適用する。図11は、前記第1の演奏映像180及び第3の演奏映像204の組み合わせに係る共演映像206において、一方の動画情報に対応して設定された映像効果が他方の動画情報に反映される様子を例示する図である。ここで、上記第3の演奏映像204は、前記第1の演奏映像180よりも後に投稿された動画情報であり、第2の動画情報に相当する。また、前記第1の演奏映像180の投稿者が男性であり、上記第3の演奏映像204の投稿者が女性である場合について説明する。図11に示す例においては、前記第1の演奏映像180に対応するフレーム200を反映し且つ上記第3の演奏映像204の投稿者の性別である女性に基づいて決定される映像効果として、花柄を模した部分映像が矩形状(枠状)に設けられると共に余の部分が透明とされたフレーム208がその第3の演奏映像204に適用されている。前記映像効果制御手段174は、例えば前記共演映像186のように組み合わせに係る前記第2の演奏映像184の投稿者が男性である場合には、図10に示すように、前記第1の演奏映像180に適用されるフレーム200と同一或いは色違いの、同じく植物の葉を模したフレーム202を前記第2の演奏映像184に適用する一方、上記共演映像206のように組み合わせに係る上記第3の演奏映像204の投稿者が女性である場合には、図11に示すように、前記第1の演奏映像180に適用されるフレーム200と同様に(同じ種類の映像効果である)フレームに相当する映像効果であり、植物という概念において共通する花柄を模したフレーム208を前記第3の演奏映像204に適用する。
【0061】
図12は、前記第1の演奏映像180及び第3の演奏映像204の組み合わせに係る共演映像206において、一方の動画情報に対応して設定された映像効果が他方の動画情報に反映される他の一例を示す図である。この図12に示す例においては、前記第1の演奏映像180に対応して紅葉が舞い落ちる映像効果210が設定されており、前記映像効果制御手段174によりその映像効果210が斯かる第1の演奏映像180に適用されている。また、上記第3の演奏映像204に対応して、その映像効果210を反映し且つ上記第3の演奏映像204の投稿者の性別である女性に基づいて決定される、ハートが舞い踊る映像効果212がその第3の演奏映像204に適用されている。これら紅葉が舞い落ちる映像効果210及びハートが舞い踊る映像効果212は、動画内を相対的に移動する部分映像が紅葉とハートで異なる一方、適用対象となる動画内を部分映像が相対的に移動する映像効果である点において共通する。以上、図11及び図12を用いて説明したように、前記映像効果制御手段174は、換言すれば、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力に際して、一方の動画情報に適用された映像効果を他方の動画情報に適用する際に、その他方の動画情報の投稿主体である利用者の性別に基づいてその他方の動画情報に適用する映像効果を変更(男性乃至女性でそれぞれ異なる映像効果を選択)する。
【0062】
上述のような制御を実現するために、前記動画データベース68に含まれる映像効果データベースにおいて、好適には、各映像効果に対応して男女の別(映像効果そのものの便宜的な性別)が定められている。また、好適には、前記映像効果データベースに記憶された複数の映像効果に関して、男女で対となる映像効果が予め規定されており、一方の動画情報に適用された映像効果を反映し且つ性別に基づいて決定される映像効果が一律に定められるようになっている。例えば、前記フレーム200(男性に対応)とフレーム208(女性に対応)とが男女で対となる映像効果とされ、前記映像効果210(男性に対応)と映像効果212(女性に対応)とが男女で対とされて前記映像効果データベースに記憶されている。或いは、前記映像効果データベースに記憶された映像効果それぞれに対応して男女の別が規定されると共に、例えばフレームグループや落下映像グループ等というように各映像効果の種別毎にグループ分けされている態様において、前記映像効果制御手段174は、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力に際して、一方の動画情報に適用された映像効果を他方の動画情報に適用する際に、その他方の動画情報の投稿主体である利用者の性別に対応する映像効果であり且つ同一のグループに属する映像効果のうちからランダムに決定された映像効果を上記他方の動画情報に適用するものであってもよい。
【0063】
また、前記映像効果制御手段174は、好適には、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段170、172により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、その動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報にその映像効果を反映し且つその他方の動画情報の投稿主体である利用者が過去に前記カラオケ装置36により演奏を行った楽曲データに基づいて決定される映像効果を適用する。この適用に関して、更に好適には、その他方の動画情報の投稿主体である利用者が過去に前記カラオケ装置36により演奏を行った楽曲データのジャンルに基づいて決定される映像効果を適用する。
【0064】
図13は、図8に示す共演映像186において、一方の動画情報に対応して設定された映像効果が他方の動画情報に反映される様子の他の一例を示す図である。この図13に示す例においては、前記共演映像186の組み合わせに係る前記第1の演奏映像180に対応して図9を用いて例示したフレーム200が適用されている場合において、そのフレーム200を反映する映像効果であるフレーム214が第2の演奏映像184に適用された様子を示している。このフレーム214は、ジャンル「テクノ」に対応する映像効果である一方、種別がフレームである点においては前記フレーム200と共通する。前記第2の演奏映像184の投稿者が過去に前記カラオケ装置36により演奏を行った楽曲データのジャンルにおいて最も多いものが「テクノ」である場合、すなわちその投稿者に対応して前記利用者データベース70に記憶された過去に最も選曲回数が多いジャンルが「テクノ」である場合であって、前記共演映像186の組み合わせに係る前記第1の演奏映像180に図9を用いて例示したフレーム200が適用される場合、そのフレーム200を反映し且つジャンル「テクノ」に基づいて決定される上記フレーム214が前記第2の演奏映像184に適用される。上述のような制御を実現するために、前記動画データベース68に含まれる映像効果データベースにおいて、好適には、各映像効果に対応して少なくとも1つのジャンル(映像効果そのものの便宜的なジャンル)が定められている。すなわち、一方の映像効果を反映し且つジャンルに基づいて決定される映像効果が選択可能とされている。
【0065】
図5に示す演奏評価制御手段176は、前記共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報それぞれに含まれる音声情報に対応して、予め定められた関係から前記共通の楽曲データに基づいて各動画情報毎にその音声情報の演奏評価を行う。例えば、各動画情報に含まれる音声情報と、前記楽曲データベース138から読み出される前記共通の楽曲データすなわちその音声情報(歌唱)に対応する演奏曲の演奏情報(MIDIデータ)とを時系列で比較し、メロディなどの基本音程と各動画情報に含まれる音声情報から抽出される音程との相対的なずれやその音声の絶対的な声量などを基準として採点を行う。この採点は、好適には、対象となる演奏曲の演奏開始から演奏終了までの間、予め定められた所定区間毎(例えば、一定の時間が経過する毎)に定期的に実行される。また、この採点の態様としては、例えば、千点満点中何点というように数値的に採点を行うものであってもよいし、可(評価が予め定められた閾値以上)乃至不可(評価が予め定められた閾値未満)の何れに当てはまるかを判定するというように簡易なものであってもよい。なお、斯かる演奏評価制御手段176による演奏評価は、必ずしも前記映像効果制御手段174による映像効果の適用乃至表示制御に際してリアルタイムで行われるものでなくともよく、斯かる制御に先立って行われた演奏評価結果を記憶しておき、その映像効果の適用乃至表示制御に際してその演奏評価結果を読み出して用いるものであっても構わない。
【0066】
また、前記映像効果制御手段174は、好適には、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記演奏評価制御手段176によるそれら1対の動画情報それぞれに対応する演奏評価結果に基づいて、各動画情報に適用される映像効果の態様を変更する。更に好適には、適用対象となる動画情報に対して相対的に動作する形態の映像効果に関して、前記演奏評価制御手段176によるそれら1対の動画情報それぞれに対応する演奏評価結果に基づいて各映像効果の動作を制御する。例えば、前述した図12に示すような共演映像206において、各動画情報それぞれに対応する演奏評価結果に基づいて、各動画情報に適用される映像効果210、212それぞれにおける部分映像の数(映像効果210においては紅葉の、映像効果212においてはハートマークの数)を増減させる。好適には、演奏評価結果が高いほど部分映像の数を増加させる。或いは、適用対象となる動画情報内に雪が降る映像効果に関して、演奏評価結果が低いほど吹雪かせる一方、演奏評価結果が所定の閾値以上である場合には雪を降らせるのをやめて晴れさせる等の態様も考えられる。
【0067】
また、前記映像効果制御手段174は、好適には、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記演奏評価制御手段176によるそれら1対の動画情報それぞれに対応する演奏評価結果に基づいて、各動画情報に適用される映像効果が連動して動作するように制御する。図14及び図15は、前記第1の演奏映像180及び第3の演奏映像204の組み合わせに係る共演映像206において、それら1対の動画情報それぞれに対応する演奏評価結果に基づいて、各動画情報に適用される映像効果が連動して動作する様子を例示する図である。斯かる例においては、図14に示すように、前記第1の演奏映像180及び第3の演奏映像204にハートマークの片割れ映像216a、216b(以下、特に区別しない場合には単に片割れ映像216という)がそれぞれ表示されると共に、各動画情報に対応する演奏評価結果に基づいてそれら片割れ映像216が中央(対となる動画情報側)に向かい起き上がっていき、両方の動画情報に対応する片割れ映像216が完全に起き上がることでハートマークが完成する映像効果を例示している。図15は、前記第1の演奏映像180に対応する片割れ映像216aが完全に起き上がる一方、前記第3の演奏映像204に対応する片割れ映像216bは完全には起き上がっていない状態を示している。斯かる制御により、前記共演映像206の組み合わせに係る1対の動画情報である前記第1の演奏映像180及び第3の演奏映像204それぞれに対応する演奏評価結果に基づいて、あたかもそれらの動画情報が協力し合ってひとつの像を形作るような映像効果を実現することができる。
【0068】
また、前記映像効果制御手段174は、好適には、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力に際して、適用対象となる動画における部分的な映像をよく知られた輝度等に基づく画像解析方法により解析し、その解析結果に基づいて映像効果を追従動作させるモーションエフェクト(空想エフェクト)を前記1対の動画情報に連動して表示させる。図16は、前記第1の演奏映像180及び第3の演奏映像204の組み合わせに係る共演映像206において、一方の動画情報に対応して設定された映像効果が他方の動画情報に反映される更に別の一例を示す図である。この図16に示す例においては、前記第1の演奏映像180に対応して、動画内における利用者が手を振る(腕部を相対移動させる)動作に追従して星マークが撒き散らされる映像効果218が適用された場合に、その映像効果218を前記共演映像206の組み合わせに係る前記第3の演奏映像204側へも波及させる態様を示している。斯かる制御により、前記共演映像206の同期出力制御に際して、その共演映像206の組み合わせに係る前記第1の演奏映像180及び第3の演奏映像204に有機的な統一感を付与することができる。
【0069】
図17は、前記カラオケ装置36のCPU124による第1の動画投稿制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0070】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、演奏動画撮影すなわち前記カラオケ装置36による演奏曲の出力に際しての前記ビデオカメラ122により撮影された映像情報及びマイクロフォン110により入力された音声情報の記録が開始されたか否かが判断される。このSA1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA1の判断が肯定される場合には、SA2において、演奏動画撮影の対象となる楽曲データが前記楽曲データベース138から読み出され、その楽曲データに基づくカラオケ演奏制御が開始される。次に、SA3において、前記ビデオカメラ122により撮影された映像情報及び前記マイクロフォン110により入力された音声情報の記録処理が実行される。
【0071】
次に、SA4において、カラオケ演奏終了であるか否かが判断される。このSA4の判断が否定される場合には、SA3以下の処理が再び実行されるが、SA4の判断が肯定される場合には、SA5において、SA3にて記録された映像情報及び音声情報に対応する動画の視聴が行われるか否かが判断される。このSA5の判断が否定される場合には、SA8以下の処理が実行されるが、SA5の判断が肯定される場合には、SA6において、SA3にて記録された映像情報及び音声情報に対応する動画が前記映像情報デコーダ104等により再生されて前記映像表示装置100に表示される。
【0072】
次に、SA7において、SA3にて記録された映像情報及び音声情報に対応する動画の再生終了であるか否かが判断される。このSA7の判断が否定される場合には、SA6以下の処理が再び実行されるが、SA7の判断が肯定される場合には、SA8において、SA3にて記録された映像情報及び音声情報に対応する動画情報の投稿が行われるか否かが判断される。このSA8の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA8の判断が肯定される場合には、SA9において、SA3にて記録された映像情報及び音声情報に対応する動画情報が、投稿主体である利用者の識別情報(ユーザID)及びSA2にて出力された演奏曲の識別情報(選曲番号)等と関連付けられてホスト装置すなわち前記サーバ装置12へアップロードされ、それをもって本ルーチンが終了させられる。
【0073】
図18は、前記カラオケ装置36のCPU124による第2の動画投稿制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0074】
先ず、SB1において、コラボ動画検索すなわち共演動画情報の投稿に係る検索処理が開始されるか否かが判断される。このSB1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SB1の判断が肯定される場合には、SB2において、共演演奏の対象となる演奏曲の曲名、歌手名、及び共演相手となる利用者の名前(ニックネーム)等に基づいて、前記動画データベース68に記憶された複数の動画情報から条件を満たす単数乃至複数の動画情報(コラボ相手の候補)が検索される。次に、SB3において、SB2にて検索された動画情報に対応して、共演演奏の相手(コラボ相手)を募集している利用者(動画情報)のサムネイルが前記映像表示装置100に選択可能に表示される。
【0075】
次に、SB4において、SB3にて表示されたサムネイルの何れかを選択する操作が前記電子早見本装置38等により行われたか否かが判断される。このSB4の判断が否定される場合には、SB3以下の処理が再び実行されるが、SB4の判断が肯定される場合には、SB5において、選択されたサムネイルに対応する動画情報(演奏映像)が前記サーバ装置12からダウンロードされる。次に、SB6において、SB5にてダウンロードされた動画の視聴が行われるか否かが判断される。このSB6の判断が否定される場合には、SB9以下の処理が実行されるが、SB6の判断が肯定される場合には、SB7において、SB5にてダウンロードされた共演演奏相手の動画が前記映像情報デコーダ104等により再生されて前記映像表示装置100に表示される。次に、SB8において、共演演奏相手の動画の再生終了であるか否かが判断される。このSB8の判断が否定される場合には、SB7以下の処理が再び実行されるが、SB8の判断が肯定される場合には、SB9において、コラボ演奏動画すなわち共演動画情報に係る動画の記録(撮影)が開始されるか否かが判断される。このSB9の判断が否定される場合には、SB6以下の処理が再び実行されるが、SB9の判断が肯定される場合には、SBSにおいて、図19に示すコラボ演奏動画投稿処理が実行された後、本ルーチンが終了させられる。
【0076】
図19は、図18に示す制御におけるコラボ演奏動画投稿制御の要部を説明するフローチャートである。先ず、SBS1において、前記映像情報デコーダ104等により共演演奏の相手(コラボ相手)の動画の再生が開始されると共に、その動画と関連付けられた演奏曲すなわち共演動画情報に係る共通の演奏曲のカラオケ演奏が開始される。次に、SBS2において、前記ビデオカメラ122により撮影された映像情報及び前記マイクロフォン110により入力された音声情報の記録処理が実行される。次に、SBS3において、カラオケ演奏終了であるか否かが判断される。このSBS3の判断が否定される場合には、SBS2以下の処理が再び実行されるが、SBS3の判断が肯定される場合には、SBS4において、コラボ映像すなわち共演演奏相手の動画とSBS2にて記録された動画との同期出力映像の視聴が行われるか否かが判断される。このSBS4の判断が否定される場合には、SBS7以下の処理が実行されるが、SBS4の判断が肯定される場合には、SBS5において、コラボ動画すなわち共演演奏相手の動画とSBS2にて記録された動画との同期出力映像が前記映像情報デコーダ104等により再生されて前記映像表示装置100に表示される。
【0077】
次に、SBS6において、コラボ動画のの再生終了であるか否かが判断される。このSBS6の判断が否定される場合には、SBS5以下の処理が再び実行されるが、SBS6の判断が肯定される場合には、SBS7において、SBS2にて記録(撮影)された動画が投稿されるか否かが判断される。このSBS7の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SBS7の判断が肯定される場合には、SBS8において、SBS2にて記録された映像情報及び音声情報に対応する動画が、投稿主体である利用者の識別情報(ユーザID)、共演相手である動画情報の識別情報、及びSBS1にて出力された演奏曲の識別情報(選曲番号)等と関連付けられて前記サーバ装置12へアップロードされ、それをもって図18に示すメインルーチンへ復帰させられる。
【0078】
図20は、前記サーバ装置12のCPU52による動画投稿受付制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0079】
先ず、SC1において、前記カラオケ装置36等の通信端末装置から前記通信回線18を介して所定の動画情報(動画ファイル)のアップロードがあったか否かが判断される。このSC1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SC1の判断が肯定される場合には、SC2において、アップロードされた動画情報が投稿主体である利用者の識別情報(ユーザID)及び演奏曲の識別情報(選曲番号)等と関連付けられて前記動画データベース68に記憶される。次に、SC3において、アップロードされた動画情報はコラボ動画すなわち共演動画情報に係る組み合わせの対象となる動画情報であるか否かが判断される。このSC3の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SC3の判断が肯定される場合には、SC4において、アップロードされた動画情報及びその共演相手である動画情報に基づいてコラボ動画すなわちそれらの動画を同期して出力させるための組み合わせ情報としての共演動画情報が編集され、その組み合わせに係る各動画情報の識別情報、各動画情報の投稿主体である利用者の識別情報(ユーザID)、及び共通の演奏曲の識別情報(選曲番号)等と関連付けられて前記動画データベース68に記憶された後、本ルーチンが終了させられる。
【0080】
図21は、前記カラオケ装置36のCPU124或いは前記PC14のCPU74等による映像効果設定制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0081】
先ず、SD1において、前記動画データベース68に記憶された動画情報を閲覧するためのWWWウェブサイト(動画投稿サイト)にて前記電子早見本装置38やマウス86等により所定の動画乃至共演動画の配信を要求するための操作が行われたか否かが判断される。このSD1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SD1の判断が肯定される場合には、SD2において、操作に係る動画乃至共演動画の配信要求が前記通信回線18を介して前記サーバ装置12へ送信される。次に、SD3において、前記通信回線18を介して前記サーバ装置12から配信された、配信要求に係る動画情報乃至共演動画情報に基づいて、前記映像情報デコーダ104を介して前記映像表示装置100に、或いは前記ビデオボード82等を介して前記映像表示装置80に動画乃至共演動画が表示される。次に、SD4において、前記動画データベース68に記憶された動画情報を閲覧するためのWWWウェブサイトにて前記電子早見本装置38やマウス86等により所定の映像効果を設定するための操作が行われたか否かが判断される。このSD4の判断が否定される場合には、SD6以下の処理が実行されるが、SD4の判断が肯定される場合には、SD5において、出力されている動画に対応して操作に係る映像効果を設定するための情報が、その動画情報と関連付けられて前記通信回線18を介して前記サーバ装置12へ送信された後、SD6において、動画乃至共演動画の出力終了(再生終了)であるか否かが判断される。このSD6の判断が否定される場合には、SD4以下の処理が再び実行されるが、SD6の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。
【0082】
図22は、前記サーバ装置12のCPU52による動画配信/映像効果制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0083】
先ず、SE1において、前記PC14、携帯電話機16、及びカラオケ装置36等の通信端末装置から前記通信回線18を介して所定の動画情報(動画ファイル)乃至共演動画情報の配信要求があったか否かが判断される。このSE1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SE1の判断が肯定される場合には、SE2において、配信要求された動画情報はコラボ動画すなわち共演動画情報に係る組み合わせの対象となる動画情報であるか否かが判断される。このSE2の判断が否定される場合には、SE3において、前記通信回線18を介しての前記通信端末装置からの配信要求に応じて、前記動画データベース68に記憶されたその配信要求に係る動画情報が要求元である通信端末装置へ配信された後、本ルーチンが終了させられるが、SE2の判断が肯定される場合には、SE4以下の処理が実行される。
【0084】
SE4においては、エフェクト相互適用モードすなわち共演動画の出力に際して、一方の動画に対応して設定された映像効果(エフェクト)を他方の動画に反映させるモードであるか否かが判断される。このSE4の判断が否定される場合には、SE5において、前記通信回線18を介しての前記通信端末装置からの配信要求に応じて、前記動画データベース68に記憶されたその配信要求に係る動画情報及び共演動画情報が要求元である通信端末装置へ配信された後、本ルーチンが終了させられるが、SE4の判断が肯定される場合には、SE6において、前記通信回線18を介しての前記通信端末装置からの配信要求に応じて、前記動画データベース68に記憶されたその配信要求に係る動画情報及び共演動画情報が要求元である通信端末装置へ配信され、その共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力が開始される。
【0085】
次に、SE7において、出力に係る共演動画における1対の動画それぞれにおける特徴部分すなわち予め定められた部分映像が、よく知られた輝度等に基づく画像解析方法により解析される。次に、SE8において、予め定められた所定区間に対応する演奏評価タイミングであるか否かが判断される。このSE8の判断が否定される場合には、SE7以下の処理が再び実行されるが、SE8の判断が肯定される場合には、SE9において、前記共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報それぞれに含まれる音声情報に対応して、予め定められた関係から共通の楽曲データに基づいて各動画情報毎にその音声情報の演奏評価が実行される。次に、SE10において、前記共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報のうち先に投稿された動画情報に対応して設定された映像効果をその動画情報に適用すると共に、その映像効果を反映し且つ後に投稿された動画情報の投稿者に係る性別、過去に選曲した演奏曲のジャンル等に基づいて決定される同一又は他の映像効果をその後に投稿された動画情報に適用する処理が行われ、それら映像効果の表示を行うための情報が前記通信回線18を介して前記通信端末装置へ配信される。また、適用される映像効果がモーションエフェクトである場合には、SE7の解析結果に基づいて斯かる映像効果の動作等が制御される。
【0086】
次に、SE11において、SE9にて行われた前記1対の動画情報それぞれに対応する演奏評価結果に基づいて、各動画情報に適用される映像効果の態様を変更する処理が行われ、それら映像効果の表示を行うための情報が前記通信回線18を介して前記通信端末装置へ配信される。次に、SE12において、演奏終了すなわち前記共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力終了であるか否かが判断される。このSE12の判断が否定される場合には、SE7以下の処理が再び実行されるが、SE12の判断が肯定される場合には、SE13において、前記共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力が終了させられ、それをもって本ルーチンが終了させられる。
【0087】
以上、図17〜図22に示す制御において、SA3及びSBS2が前記演奏記録制御手段150の動作に、SC1〜SC4が前記投稿受付制御手段152の動作に、SB2が前記検索制御手段154の動作に、SB5が前記配信要求制御手段156の動作に、SE3、SE5、及びSE6が前記動画配信制御手段158の動作に、SA6、SB7、SBS1、及びSBS5が前記動画出力制御手段160の動作に、SBS1が前記同期演奏制御手段162の動作に、SC4が前記共演動画編集制御手段164の動作に、SD1が前記配信要求制御手段156、166の動作に、SD3が前記動画出力制御手段160、168の動作に、SD4及びSD5が前記映像効果設定手段170、172の動作に、SE7〜SE12が前記映像効果制御手段174の動作に、SE9が前記演奏評価制御手段176の動作に、それぞれ対応する。
【0088】
このように、本実施例によれば、前記カラオケ装置36等の通信端末装置から投稿された情報を記憶する動画データベース68と、前記通信回線18を介して前記通信端末装置から、予め定められた複数の楽曲データの何れかに対応する動画情報の投稿を受け付け、その投稿された動画情報を対応する楽曲データと関連付けて前記動画データベース68に記憶させる投稿受付制御手段152(SC1〜SC4)と、その投稿受付制御手段152により受け付けられる、共通の楽曲データに関連付けられた1対の動画情報を組み合わせて共演動画情報を編集し、その編集された共演動画情報をその共通の楽曲データと関連付けて前記動画データベース68に記憶させる共演動画編集制御手段164(SC4)と、前記通信回線18を介しての前記通信端末装置からの配信要求に応じて、前記動画データベース68に記憶されたその配信要求に係る動画情報及び共演動画情報をその通信端末装置に配信する動画配信制御手段158(SE3、SE5、及びSE6)と、その動画配信制御手段158により配信される共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報を同期して出力させる動画出力制御手段160、168(SA6、SB7、SBS1、SBS5、及びSD3)と、予め定められた複数の映像効果のうちから選択される少なくとも1つの映像効果を前記動画情報それぞれに対応して設定する映像効果設定手段170、172(SD4及びSD5)と、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段170、172により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、その動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報にその映像効果を反映する同一又は他の映像効果を適用する映像効果制御手段174(SE7〜SE12)とを、備えたものであることから、共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力に際して、一方の動画情報に適用された映像効果を他方の動画情報に反映させることができる。すなわち、複数の動画を組み合わせて同期出力させる共演動画において、統一感のある表示制御を実現する動画情報配信システム10を提供することができる。
【0089】
また、前記共演動画編集制御手段164は、前記投稿受付制御手段152により先に投稿された第1の動画情報に対して、後に投稿された第2の動画情報を組み合わせて前記共演動画情報を編集するものであり、前記映像効果制御手段174は、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段170、172により前記第1の動画情報に対応して設定された映像効果をその第1の動画情報に適用すると共に、その第1の動画情報との組み合わせに係る前記第2の動画情報にその映像効果を反映する同一又は他の映像効果を適用するものであるため、共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力に際して、先に投稿された動画情報に適用された映像効果を後に投稿された動画情報に反映させることができ、特に、先に投稿された1つの動画情報に対して後に投稿された複数の動画情報がそれぞれ前記共演動画情報を構成する態様において、共演動画情報の組み合わせが決定される毎に映像効果を設定する必要なく、統一感ある表示制御を実現することができる。
【0090】
また、前記動画情報の投稿主体である利用者の性別をその利用者と関連付けて記憶する利用者データベース70を備えたものであり、前記映像効果制御手段174は、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段172により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、その動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報にその映像効果を反映し且つその他方の動画情報の投稿主体である利用者の性別に基づいて決定される映像効果を適用するものであるため、共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力に際して、一方の動画情報に適用された映像効果を、投稿主体である利用者の性別を踏まえて他方の動画情報に反映させることができ、男女の別を視覚的に意識させつつ統一感ある表示制御を実現することができる。
【0091】
また、音声入力装置であるマイクロフォン110及び撮像装置であるビデオカメラ122を有し、多数の楽曲データのうちから選択される楽曲データに対応する演奏曲を出力させるのに併行して前記マイクロフォン110により入力される音声を増幅して出力させるカラオケ装置36を前記通信端末装置として備え、前記動画配信制御手段158は、前記カラオケ装置36からの配信要求に応じて、前記動画データベース68に記憶されたその配信要求に係る動画情報をそのカラオケ装置36に配信するものであり、前記カラオケ装置36は、前記動画配信制御手段158により配信された動画情報の出力を制御する動画出力制御手段160(SA6、SB7、SBS1、及びSBS5)と、その動画出力制御手段160による前記動画情報の出力と同期してその動画情報と関連付けられた楽曲データに対応する演奏曲を出力させる同期演奏制御手段162(SBS1)と、その同期演奏制御手段162による演奏曲の出力に際して前記ビデオカメラ122により撮影された映像情報及び前記マイクロフォン110により入力された音声情報を記録する演奏記録制御手段150(SA3及びSBS2)とを、備えたものであり、前記投稿受付制御手段152は、その演奏記録制御手段150により記録された映像情報及び音声情報の投稿を受け付け、前記同期演奏制御手段162により出力された演奏曲に対応する楽曲データの識別情報と関連付けて前記動画データベース68に記憶させるものであり、前記共演動画編集制御手段164は、前記投稿受付制御手段152により受け付けられる、共通の楽曲データに関連付けられた複数の動画情報を組み合わせて共演動画情報を編集し、その編集された共演動画情報をその楽曲データの識別情報と関連付けて前記動画データベース68に記憶させるものであるため、カラオケ装置36により記録乃至投稿される複数の動画を組み合わせて同期出力させる共演動画において、統一感のある表示制御を実現することができる。
【0092】
また、前記動画情報の投稿主体である利用者が前記カラオケ装置36により過去に演奏を行った楽曲データをその利用者と関連付けて記憶する利用者データベース70を備えたものであり、前記映像効果制御手段174は、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段170、172により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、その動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報にその映像効果を反映し且つその他方の動画情報の投稿主体である利用者が過去に前記カラオケ装置36により演奏を行った楽曲データに基づいて決定される映像効果を適用するものであるため、共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力に際して、一方の動画情報に適用された映像効果を、投稿主体である利用者が過去に演奏した演奏曲を踏まえて他方の動画情報に反映させることができ、カラオケ装置36による利用者の過去の演奏結果を視覚的に意識させつつ統一感ある表示制御を実現することができる。
【0093】
また、前記楽曲データは、それぞれ少なくとも1つのジャンルに予め関連付けられたものであり、前記映像効果制御手段174は、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段172により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、その動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報にその映像効果を反映し且つその他方の動画情報の投稿主体である利用者が過去に前記カラオケ装置36により演奏を行った楽曲データのジャンルに基づいて決定される映像効果を適用するものであるため、共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力に際して、一方の動画情報に適用された映像効果を、投稿主体である利用者が過去に演奏した演奏曲を踏まえて他方の動画情報に反映させることができ、カラオケ装置36による利用者の演奏傾向を視覚的に意識させつつ統一感ある表示制御を実現することができる。
【0094】
また、前記共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報それぞれに含まれる音声情報に対応して、予め定められた関係から前記共通の楽曲データに基づいて各動画情報毎にその音声情報の演奏評価を行う演奏評価制御手段176(SE9)を備え、前記映像効果制御手段174は、前記動画出力制御手段160、168による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記演奏評価制御手段176によるそれら1対の動画情報それぞれに対応する演奏評価結果に基づいて、各動画情報に適用される映像効果の態様を変更するものであるため、共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報の同期出力に際して、各動画情報に対応する演奏評価結果を踏まえて映像効果を制御することで、カラオケ装置36による演奏評価結果を視覚的に意識させつつ統一感ある表示制御を実現することができる。
【0095】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0096】
例えば、前述の実施例において、前記投稿受付制御手段152、動画配信制御手段158、共演動画編集制御手段164、及び映像効果制御手段174は前記サーバ装置12のCPU52に、前記演奏記録制御手段150、検索制御手段154、配信要求制御手段156、動画出力制御手段160、同期演奏制御手段162、及び映像効果設定手段170は前記カラオケ装置36のCPU124に、前記配信要求制御手段166、動画出力制御手段168、及び映像効果設定手段172は前記PC14のCPU74に、それぞれ機能的に備えられたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記検索制御手段154に係る制御を実質的に前記サーバ装置12側で実行する構成においては、その検索制御手段154は前記サーバ装置12のCPU52に備えられたものであってもよいというように、図5に示す各制御機能を備える装置はシステムの構成に応じて適宜変更され得る。
【0097】
例えば、前述の実施例において、前記共演動画編集制御手段164は、前記サーバ装置12のCPU52に機能的に備えられたものであり、前記カラオケ装置36等の通信端末装置からアップロードされる複数の動画情報を組み合わせて共演動画情報を編集し、その編集された共演動画情報を前記動画データベース68に記憶させるものであったが、例えば前記カラオケ装置36において共演動画情報に係る組み合わせの対象となる動画情報(演奏動画)の記録が完了した段階において、そのカラオケ装置36のCPU124によりその動画情報と共演相手である動画情報とを組み合わせる共演動画情報を編集し、その編集された共演動画情報を前記サーバ装置12へアップロードして前記動画データベース68に記憶させるものであってもよい。すなわち、前記共演動画編集制御手段164は、実質的に前記カラオケ装置36のCPU124に機能的に備えられたものであってもよい。
【0098】
また、前述の実施例において、前記映像効果制御手段174は、前記サーバ装置12のCPU52に機能的に備えられたものであり、通信端末装置による動画乃至共演動画の出力に際して対応する映像効果を生成して対象となる通信端末装置へ配信するものであったが、例えば、前記PC14やカラオケ装置36等の通信端末装置の側において映像効果データベースを備えると共に、前記サーバ装置12側からの指令に応じてそれらPC14やカラオケ装置36等の通信端末装置のCPUにより映像効果を生成する態様も考えられる。すなわち、前記演奏評価制御手段176及び映像効果制御手段174は、前記PC14やカラオケ装置36等の通信端末装置側に備えられたものであってもよい。
【0099】
また、前述の実施例において、前記共演動画編集制御手段164は、前記動画データベース68にそれぞれ独立した動画情報として記憶された組み合わせに係る動画情報を読み出し、それら動画情報を共演動画として同期出力させるための組み合わせ情報としての共演動画情報を編集するものであったが、それら組み合わせに係る複数の動画情報を合成し、単一の動画情報(動画ファイル)としての共演動画情報を作成して前記動画データベース68に記憶するものであってもよい。すなわち、前記共演動画編集制御手段164により編集される共演動画情報は、複数の動画情報を共演動画として同期出力させるための組み合わせ情報であってもよいし、組み合わせに係る複数の動画情報が合成された結果としての動画情報そのものであってもよい。また、組み合わせに係る複数の動画情報を合成し、単一の共演動画情報を作成する態様においては、組み合わせに係る1対の動画情報と等価な動画ファイルの他、各動画情報の投稿者、投稿日時、及び投稿者コメント等の情報を共演動画と共に表示させるためのファイルが形成され、組み合わせを定義する共演動画情報として記録乃至配信される。更に、単一の共演動画情報を作成する態様においては、その作成の基となった複数の動画情報は、共演動画情報が作成された時点で前記動画データベース68から削除されるものであってもよい。
【0100】
また、前述の実施例において、前記共演動画編集制御手段164は、前記カラオケ装置36に備えられた動画出力制御手段160による共演相手である動画情報の出力と同期しての、前記同期演奏制御手段162による演奏曲の出力に際して記録された動画情報を、その共演相手である動画情報と組み合わせる共演動画情報を編集するものであったが、例えば前記PC14からアップロードされた複数の動画情報を組み合わせて共演動画情報を編集するものであってもよい。すなわち、前記カラオケ装置36によるカラオケ演奏に際して記録された動画情報のみならず、前記PC14に備えられたウェブカメラやマイクロフォン等により記録された動画情報(動画ファイル)も本発明の共演動画情報の編集対象となり得るものである。
【0101】
また、前記動画出力制御手段160、168による1対の動画情報の同期出力における、前記映像効果制御手段174による映像効果の相互適用制御の態様としては、前述の実施例において説明したものに限定されないことは言うまでもない。例えば、前記1対の動画情報の同期出力に際して、一方の動画情報に対応する映像効果に適用開始タイミング乃至適用終了タイミングが設定されている場合、その適用開始タイミング乃至適用終了タイミングを他方の動画情報に対応する映像効果に反映する態様も考えられる。すなわち、他方の動画情報においても所定の映像効果がその適用開始タイミング乃至適用終了タイミングで出力されるように制御するものであってもよい。また、3つ以上の動画情報が組み合わされて同期出力される共演動画情報に、前記映像効果制御手段174による映像効果の相互適用制御が適用されてもよく、その共演動画情報の組み合わせに係る3つ以上の動画情報それぞれに映像効果を相互に反映させる態様も考えられる。また、前記1対の動画情報のうち一方の動画情報に対応する映像効果がその動画情報をイラスト風に処理するフィルタである場合には、他方の動画情報にも同様の映像効果をかけたり、前記1対の動画情報のうち一方の動画情報に対応してテキストを含む映像効果が適用された場合には、他方の動画情報にもそのテキストを含む同一又は他の映像効果を適用したりといったように、前述の実施例において説明したもの以外にも種々の態様が考えられる。
【0102】
また、前述の実施例では特に言及していないが、前記動画情報配信システム10には、前記通信回線18を介して前記PC14等の通信端末装置によるコメントの投稿を受け付け、前記動画配信制御手段158による動画情報或いは共演動画情報に係る動画の配信に際して、それら動画情報或いは共演動画情報に対して過去に投稿された複数のコメントを同期して配信する等の制御を行うものであってもよい。すなわち、本発明の動画情報配信システムは、前述の実施例に加えて種々のインタラクティブな機能が追加されて構成されるものである。
【0103】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0104】
10:動画情報配信システム、14:パーソナルコンピュータ(通信端末装置)、16:携帯電話機(通信端末装置)、18:通信回線、36:カラオケ装置(通信端末装置)、68:動画データベース(映像効果データベース)、70:利用者データベース、110:マイクロフォン(音声入力装置)、122:ビデオカメラ(撮像装置)、150:演奏記録制御手段、152:投稿受付制御手段、158:動画配信制御手段、160、168:動画出力制御手段、162:同期演奏制御手段、164:共演動画編集制御手段、170、172:映像効果設定手段、174:映像効果制御手段、176:演奏評価制御手段、180:第1の演奏映像(第1の動画情報)、184:第2の演奏映像(第2の動画情報)、200、202、208、214:フレーム(映像効果)、204:第3の演奏映像(第2の動画情報)、210、212、218:映像効果、216:片割れ映像(映像効果)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信回線を介して複数の通信端末装置に対する動画情報の配信を行う動画情報配信システムであって、
前記通信端末装置から投稿された情報を記憶する動画データベースと、
前記通信回線を介して前記通信端末装置から、予め定められた複数の楽曲データの何れかに対応する動画情報の投稿を受け付け、該投稿された動画情報を対応する楽曲データと関連付けて前記動画データベースに記憶させる投稿受付制御手段と、
該投稿受付制御手段により受け付けられる、共通の楽曲データに関連付けられた1対の動画情報を組み合わせて共演動画情報を編集し、該編集された共演動画情報を該共通の楽曲データと関連付けて前記動画データベースに記憶させる共演動画編集制御手段と、
前記通信回線を介しての前記通信端末装置からの配信要求に応じて、前記動画データベースに記憶された該配信要求に係る動画情報及び共演動画情報を該通信端末装置に配信する動画配信制御手段と、
該動画配信制御手段により配信される共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報を同期して出力させる動画出力制御手段と、
予め定められた複数の映像効果のうちから選択される少なくとも1つの映像効果を前記動画情報それぞれに対応して設定する映像効果設定手段と、
前記動画出力制御手段による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、該動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報に該映像効果を反映する同一又は他の映像効果を適用する映像効果制御手段と
を、備えたものであることを特徴とする動画情報配信システム。
【請求項2】
前記共演動画編集制御手段は、前記投稿受付制御手段により先に投稿された第1の動画情報に対して、後に投稿された第2の動画情報を組み合わせて前記共演動画情報を編集するものであり、
前記映像効果制御手段は、前記動画出力制御手段による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段により前記第1の動画情報に対応して設定された映像効果を該第1の動画情報に適用すると共に、該第1の動画情報との組み合わせに係る前記第2の動画情報に該映像効果を反映する同一又は他の映像効果を適用するものである
請求項1に記載の動画情報配信システム。
【請求項3】
前記動画情報の投稿主体である利用者の属性情報を該利用者と関連付けて記憶する利用者データベースを備えたものであり、
前記映像効果制御手段は、前記動画出力制御手段による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記映像効果設定手段により設定された映像効果を対応する動画情報に適用すると共に、該動画情報との組み合わせに係る他方の動画情報に該映像効果を反映し且つ該他方の動画情報の投稿主体である利用者の属性情報に基づいて決定される映像効果を適用するものである
請求項1又は2に記載の動画情報配信システム。
【請求項4】
音声入力装置及び撮像装置を有し、多数の楽曲データのうちから選択される楽曲データに対応する演奏曲を出力させるのに併行して前記音声入力装置により入力される音声を増幅して出力させるカラオケ装置を前記通信端末装置として備え、
前記動画配信制御手段は、前記カラオケ装置からの配信要求に応じて、前記動画データベースに記憶された該配信要求に係る動画情報を該カラオケ装置に配信するものであり、
前記カラオケ装置は、
前記動画配信制御手段により配信された動画情報の出力を制御する動画出力制御手段と、
該動画出力制御手段による前記動画情報の出力と同期して該動画情報と関連付けられた楽曲データに対応する演奏曲を出力させる同期演奏制御手段と、
該同期演奏制御手段による演奏曲の出力に際して前記撮像装置により撮影された映像情報及び前記音声入力装置により入力された音声情報を記録する演奏記録制御手段と
を、備えたものであり、
前記投稿受付制御手段は、該演奏記録制御手段により記録された映像情報及び音声情報の投稿を受け付け、前記同期演奏制御手段により出力された演奏曲に対応する楽曲データの識別情報と関連付けて前記動画データベースに記憶させるものであり、
前記共演動画編集制御手段は、前記投稿受付制御手段により受け付けられる、共通の楽曲データに関連付けられた複数の動画情報を組み合わせて共演動画情報を編集し、該編集された共演動画情報を該楽曲データの識別情報と関連付けて前記動画データベースに記憶させるものである
請求項1から3の何れか1項に記載の動画情報配信システム。
【請求項5】
前記共演動画情報の組み合わせに係る1対の動画情報それぞれに含まれる音声情報に対応して、予め定められた関係から前記共通の楽曲データに基づいて各動画情報毎に該音声情報の演奏評価を行う演奏評価制御手段を備え、
前記映像効果制御手段は、前記動画出力制御手段による前記1対の動画情報の同期出力に際して、前記演奏評価制御手段によるそれら1対の動画情報それぞれに対応する演奏評価結果に基づいて、各動画情報に適用される映像効果の態様を変更するものである
請求項4に記載の動画情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−209856(P2012−209856A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75428(P2011−75428)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】