説明

動画表示制御プログラム、動画表示制御方法、及び、動画表示制御装置

【課題】 本発明の課題は、音声付動画によるコンテンツ提供において、音声の有無に応じて違和感の無い動画表示を可能とする表示制御に係るコンピュータ実行可能なプログラムを提供すことを目的とする。
【解決手段】 本発明の課題は、動画に係る表示制御をコンピュータに実行させるコンピュータ実行可能なプログラムにおいて、該コンピュータに、前記動画に連動して再生可能な音声の再生をするか否かを示す情報を取得し、前記動画に連動して再生可能な音声の再生をしないことを示す情報を取得した場合に、前記動画に係るフレームの表示に関するデータが格納された格納手段を参照して、前記フレームの各々について、アニメーションファイルへのポインタが設定されているか否かを判断し、前記アニメーションファイルへのポインタが設定されていると判断したフレームを表示ユニットに表示する処理により達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声付動画によるコンテンツ提供において、音声の有無に応じて違和感の無い動画表示を可能とする表示制御に係るコンピュータ実行可能なプログラム、動画表示制御方法、及び、動画表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、音声付動画による学習用コンテンツを提供する分野では、ハードウェアとして音の再生機能がない、或いは、職場での就業時間中の学習であり周りに迷惑がかけられないといった利用者のコンピュータ端末の環境に合わせて、音声の有無を選択できる機能を提供していた。
【0003】
音声無しによる画像を提供する装置として、例えば、英会話教材の会話パートの音声出力を停止しても、音声ファイルを再生しないと画像も再生できないという制約を有するMP3を用いて、画像を同期して表示可能とする音声表示出力制御装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、画面を制御する装置として、視聴者の状況に合わせてプレゼンテーション速度を適合可能とする映像又は音声プレゼンテーションの動的制御システムが提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−205782号公報
【特許文献2】特開平7−13537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記提案されている装置及びシステムは、音声無しでコンテンツを鑑賞した場合、静止画面の表示時間が長すぎると感じる、或いは、静止画面を飛ばして動画画面を表示させた場合では画面の動きが不自然で違和感を感じる等の問題を解決することができない。
【0007】
よって、本発明の目的は、音声付動画によるコンテンツ提供において、音声の有無に応じて違和感の無い動画表示を可能とする表示制御に係るコンピュータ実行可能なプログラム、動画表示制御方法、及び、動画表示制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、動画に係る表示制御をコンピュータに実行させるコンピュータ実行可能なプログラムにおいて、該コンピュータに、前記動画に連動して再生可能な音声の再生をするか否かを示す情報を取得し、前記動画に連動して再生可能な音声の再生をしないことを示す情報を取得した場合に、前記動画に係るフレームの表示に関するデータが格納された格納手段を参照して、前記フレームの各々について、アニメーションファイルへのポインタが設定されているか否かを判断し、前記アニメーションファイルへのポインタが設定されていると判断したフレームを表示ユニットに表示する処理を実行させることによって達成される。
【0009】
このようなプログラムをインストールし実行したコンピュータは、自動的に変化のない画面(フレーム)を判断し、変化のある画面を表示すると共に、暫く変化の無い画面をも表示するため、画面の流れに違和感のない表示制御を実現することが可能となる。
【0010】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、コンピュータによって実行される動画表示制御方法、上記プログラムを実行することによって実現される動画表示制御装置、上記プログラムを記憶した記憶媒体とすることもできる。
【発明の効果】
【0011】
本願発明は、一つのコンテンツで、自動的に変化のない画面を判断し、その画面の表示を飛ばすことによって、受講者に違和感のない表示を可能とする。また、このような表示制御を可能とすることによって、音声の有無に応じた個別のコンテンツ作成を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツ提供システムの構成を示す図である。
【図2】コンテンツの構成を示す図である。
【図3】エンジンとデータファイルのローディング手順を説明するための図である。
【図4】音声有無に応じたコンテンツ表示制御に関するデータ構成を示す図である。
【図5】音声の有無を利用者に選択可能とする画面例を示す図である。
【図6】コンテンツ表示制御処理の全体概要を説明するためのフローチャート図である。
【図7】表示フレーム判断処理において変化のあるフレームの表示開始前の所定フレーム数を表示する処理を説明するためのフローチャート図である。
【図8】変化のあるフレームの表示及び変化のあるフレームの表示後の所定フレーム数を表示する処理を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ提供システムの構成を示す図である。図1において、コンテンツを提供するコンテンツ提供サーバ200と、コンテンツを利用する利用者のクライアント300とがネットワーク11を介して接続され、コンテンツ提供サーバ200は、クライアント300からの要求に応じて、コンテンツを提供する。ここで、コンテンツとは、例えば、学習用コンテンツであって、動画による表示と音声(ナレーション)による説明とを含むコンテンツである。
【0015】
クライアント300は、CPU(中央処理装置)によって制御されるコンピュータであって、各処理部は、コンピュータによって実行可能なプログラムによって構成され、それを実行することによって実現される。また、このようなクライアント300にて必要とされるプログラムは、予め記憶された記憶媒体310からインストーラ309によってインストールされる。或いは、コンテンツ提供サーバ200などからプログラム全体をネットワーク11を介してダウンロードしてインストールしても良い。
【0016】
このようなプログラムをインストールすると、コンテンツ表示制御部320がクライアント300内に構成される。コンテンツ表示制御部320は、目次を表示する目次表示部322と、音声(ナレーション)の有無に応じたコンテンツの表示を制御するエンジン330と、章又は節単位で構成される動画と音声とシナリオとして示すシナリオ340と、利用者が目次から選択した項目に応じて必要となる動画を格納するアニメーションファイル351と、その動画に応じた音声を格納する音声ファイル352とを有する。
【0017】
エンジン330は、更に、利用者による音声の有無選択を可能とする音声モード入力部331と、音声の有無に応じて表示すべきフレームを判断して表示させる表示フレーム判断部332とを有する。フレームの表示は、例えば、Webブラウザなどを用いて表示する。
【0018】
その他、クライアント300は、標準的に備えられる、マウスやキーボード等の入力ユニット、情報を表示する表示ユニット、ネットワーク及びインターネットへ接続するための通信ユニット、必要な情報を格納するためのメモリユニット及び補助記憶装置、記憶媒体310を制御するドライブユニット等を有している。
【0019】
コンテンツ提供サーバ200は、クライアント300からの要求に応じて要求されたコンテンツに関する情報を送出するコンテンツ送出部210、コンテンツ送出部210によってクライアント300へ提供される情報として、表示すべき目次データを管理する目次データ221と、クライアント300で実行されるエンジン部222と、章毎にシナリオを管理するシナリオファイル223と、シナリオ223で要求される動画データを管理するアニメーションファイル224と、シナリオ223で要求される音声データを管理する音声ファイル225とを有する。
【0020】
コンテンツ提供サーバ200は、コンテンツ送出部210によって、クライアント300が要求するコンテンツの目次データを目次データ221から読み出してネットワーク11を介して送出し、また、コンテンツの表示を制御するエンジン部をエンジン部222から読み出してネットワーク11を介して送出する。
【0021】
そして、利用者がクライアント300に表示される目次から所望の章を選択すると、コンテンツ提供サーバ200は、その章に相当するシナリオをシナリオファイル223から読み出してネットワーク11を介して送出する。
【0022】
以後、クライアント300からのシナリオ340に従った動画データ及び音声データの要求にしたがって、コンテンツ提供サーバ200は、コンテンツ送出部210によって、1ページ単位毎にアニメーションファイル224と音声ファイル225とをネットワーク11を介して転送する。
【0023】
図2は、コンテンツの構成を示す図である。図2において、1つのコンテンツは、複数の章で構成される。章毎はHTML(HyperText Markup Language)ファイルで構成される、例えば、第1章.HTML、第2章.HTML、・・・、第n章.HTMLのように構成され、目次データ221にて管理される。
【0024】
エンジン部222(例えば、エンジン.swfファイル)は、各章のHTMLファイルから与えられる変数によって、どの章のシナリオを読み込むべきかを判断するための処理部である。
【0025】
章毎にシナリオが構成され、例えば、第1章シナリオ、第2章シナリオ、・・・、第n章シナリオのようにシナリオファイル223が構成される。各シナリオファイル223には、実行すべき順にページが指定され、そのページ番号によってアニメーションファイルと音声ファイルとが指定される。1ページには、動画を実現する複数のフレームが含まれる。
【0026】
このようなコンテンツの構成における、コンテンツ提供サーバ200とクライアント300とのエンジンとデータファイルのローディング手順について説明する。
【0027】
図3は、エンジンとデータファイルのローディング手順を説明するための図である。図3において、第n章のHTMLが表示されると(0)、クライアント300は、コンテンツ提供サーバ200からエンジンを読み込んでブラウザ上に表示する(1)。つまり、クライアント300内に構成されたエンジン部330によって利用者によって操作可能なエンジン画面が表示される。
【0028】
次に、第n章のHTMLから与えられる変数によって指定される第n章シナリオをコンテンツ提供サーバ200から読み込み、シナリオ340として記憶領域に格納する(2)。読み込んだ第n章シナリオに沿って、順に指定されるページ単位でアニメーションをローディングして、アニメーションファイル351として記憶領域に格納する(3)。続けて、アニメーションに対応する音声ファイルをローディングする(4)。
【0029】
そして、利用者が音声有りモードを指定の場合、全ての音声ファイルがロードされた時点でアニメーションと音声の再生を開始する(5)。
【0030】
ここで、クライアント300に表示されるエンジン画面では、利用者によるアニメーションの操作を可能とするため、次のページへ進むための次へボタンと、前のページへ戻るための戻るボタンと、現在表示されているページのアニメーションの再生状態を示すスライダーなどが含まれている。
【0031】
本実施例において、動画とは、フレームという単位を一定時間間隔で複数フレームを表示することにより成り立っている。更に、動画の変化は、1つのフレームにアニメーションデータを付加することにより行われる。上述において、コンテンツ提供サーバ200からクライアント300へ送出されるアニメーションファイルにはこのアニメーションデータが含まれている。
【0032】
したがって、音声を不要とする場合には、アニメーションデータの無いフレームを表示せず、アニメーションデータの有るフレームを表示するように表示制御する。或いは、アニメーションデータの有無による判断の代わりに、前のフレームと現在のフレームとの表示情報の差を判断することによって、現在のフレームを表示しないように表示制御しても良い。
【0033】
更に、変化のないフレームを単に表示しない制御だと、画面の変化が不自然に感じる場合があるため、或いは、変化がなくても表示させたい画面が有る場合、コンテンツの作成時に予め強制表示させるフラグを設けておくことによって、変化のないフレームに対して、表示制御を細かく行なうことができる。
【0034】
また、変化のあるフレームの表示の前後に所定フレーム数の変化のないフレームを表示させ、動画の表示開始と終了とが自然な表示とすることができる。
【0035】
本発明に係るこのような表示制御を実現する方法について、以下に詳述する。
【0036】
まず、本発明に係る音声有無に応じたコンテンツ表示制御に関するデータ構成について説明する。
【0037】
図4は、音声有無に応じたコンテンツ表示制御に関するデータ構成を示す図である。図4において、音声フラグ領域1は、利用者によって選択された音声の有無を格納する。例えば、音声有りが選択された場合「1」が設定され、音声無しが選択された場合「2」が設定される。
【0038】
フレーム領域2は、ページ毎にダウンロードした複数のフレームが格納される。フレーム領域2では、フレームを特定するフレーム番号と、利用者が音声無しを選択した場合にフレームに変化がなくても必ず表示すべきフレームであることを示す強制表示フラグと、フレームの表示に関するデータを格納する表示データ部とで構成される。表示データ部には、例えば、テキストのみのデータ、音声ファイル352へのポインタ、アニメーションファイル351へのポインタ等が設定される。
【0039】
現フレーム3a(以下のフローチャート内では、frame_0で示される)は、読み込んだばかりのフレームを一時的に格納する領域である。
【0040】
前フレーム3b(以下のフローチャート内では、frame_pで示される)は、一つ前に読み込んだフレームを一時的に格納する領域である。
【0041】
フレーム蓄積バッファ4は、変化のあるフレームまでの最大の所定フレーム数(例えば、Lで示される)分を蓄積しておく領域である。
【0042】
図5は、音声の有無を利用者に選択可能とする画面例を示す図である。図5において、コンテンツが学習教材である場合、音声モード入力部331によって、例えば、画面50が表示される。画面50において、例えば、「音声を聞きながら学習しますか?」のメッセージに応じて、利用者は、「はい」又は「いいえ」をマウス等を用いて選択(クリック)する。利用者によって「はい」がクリックされると、音声モード入力部331によって、音声フラグ領域1に「1」が設定される。一方、利用者によって「いいえ」がクリックされると、音声モード入力部331によって、音声フラグ領域1に「0」が設定される。
【0043】
本発明に係るコンテンツ表示制御処理について図6、図7及び図8で説明する。
【0044】
図6は、コンテンツ表示制御処理の全体概要を説明するためのフローチャート図である。図6において、コンテンツ表示制御部320は、コンテンツ(学習)の開始に際して、音声モード入力部331によって、音声選択画面(図5に示す画面50)がクライアント300に表示する(ステップS101)。利用者は、音声の有無をマウス等によって選択する(ステップS102)。例えば、利用者が職場で学習する際には、周りの作業者に迷惑がかからないように音声を消去して学習をしたい場合、音声無しを選択する。
【0045】
音声モードが設定されると、目次表示部322が目次を表示する(ステップS103)。ここで、利用者が終了を指定した場合、このコンテンツ表示制御処理を終了する。
【0046】
一方、利用者が目次から所望する章又は節を選択すると(ステップS104)、対応するHTMLファイルが表示されると同時に、コンテンツ表示制御部320は、エンジン部330によってエンジンをロードする(ステップS105)。ブラウザ上でフレームの操作を利用者に可能とするエンジン画面が表示される。そして、エンジン部330は、利用者が選択した章又は節に対応するシナリオをロードする(ステップS106)。
【0047】
クライアント300内に格納されたシナリオ340に基づいて、コンテンツ表示制御部320は、コンテンツ提供サーバ200からページ単位でアニメーションファイルを取得してアニメーションファイル351に格納する。
【0048】
コンテンツ表示制御部320は、ページが終了したか否かを判断する(ステップS108)。つまり、ステップS107で取得すべきページがあったか否かを判断する。全ページが終了している場合、ステップS103へ戻って、再度目次を表示する。
【0049】
一方、全ページが終了していない場合、コンテンツ表示制御部320は、音声フラグ領域1を参照して、利用者が音声無しを選択したか否かを判断する(ステップS109)。音声無しの場合、表示フレーム判断処理へ進む(ステップS200)。
【0050】
音声有りが選択されている場合、コンテンツ表示制御部320は、ページに相当する音声ファイルをコンテンツ提供サーバ200から取得して、音声ファイル352へ格納する(ステップS110)。
【0051】
そして、コンテンツ表示制御部320は、音声ファイル352から音声データを再生すると共に(ステップS111)、アニメーションファイル351からフレーム単位で順にフレームに対応するアニメーションデータを読み込む(ステップS112)。コンテンツ表示制御部320は、全フレームが終了したか否かを判断する(ステップS113)。つまり、ステップS112でフレームが読み込まれたか否かを判断する。フレームが読み込まれなかった場合、全フレームの表示を終了したと判断して、ステップS107へ戻り、次のページの処理を行う。一方、フレームが読み込まれた場合、そのフレームを表示してステップS112へ戻り、次のフレームを読み込む。
【0052】
上述したステップS110からS114までの処理は、コンテンツ(学習教材)が音声(ナレーション)付きで動画で表示される場合に実行される。
【0053】
以下、コンテンツ(学習教材)が音声(ナレーション)無しで、自然な流れで動画で表示する表示フレーム判断処理(ステップS200)について図7及び図8で詳述する。
【0054】
図7は、表示フレーム判断処理において変化のあるフレームの表示開始前の所定フレーム数を表示する処理を説明するためのフローチャート図である。図8は、変化のあるフレームの表示及び変化のあるフレームの表示後の所定フレーム数を表示する処理を説明するためのフローチャート図である。
【0055】
図7において、コンテンツ表示制御部320の表示フレーム判断部332は、フレーム蓄積バッファ4における蓄積されているフレーム数を示すバッファ内フレーム数bをゼロクリアする(ステップS201)。バッファ内フレーム数bは、フレーム変化開始前にフレーム蓄積バッファ4に蓄積されているフレーム数を示すと共に、フレーム蓄積バッファ4内の格納位置に対応する。
【0056】
表示フレーム判断部332は、ページ内の最初のフレームを現フレーム3aにframe_0として読み込み(ステップS203)、frame_0をクライアント300に表示する(ステップS203)。その後、frame_0をframe_pにコピーする(ステップS204)。
【0057】
そして、表示フレーム判断部332は、次のフレームをframe_0に読み込み(ステップS205)、フレームが終了していたか否かを判断する(ステップS206)。つまり、次のフレームを読み込むことができなかった場合、全フレームを終了したと判断して、ステップS221へ進む。
【0058】
一方、次のフレームをframe_0に読み込むことができた場合、表示フレーム判断部332は、フレーム領域2の強制表示フラグを参照することによって、frame_0に読み込んだフレームの強制表示有りか否かを判断する(ステップS207)。強制表示有りの場合、表示フレーム判断部332は、バッファ内フレーム数bをゼロクリアして(ステップS208)、ステップS223へと進む。
【0059】
このステップS207及びS208は、所定フレーム数Lを充分な枚数とすることによって、省略することが可能である。
【0060】
一方、強制表示無しの場合、表示フレーム判断部332は、前のフレーム3bにframe_pとして格納されている1つ前のフレームとframe_0とを比較することによって変化のあるフレームであるか否かを判断する(ステップS209)。フレームの内容データが一致しない場合、変化のあるフレームであると判断する。アニメーション有無による判断の場合は、フレーム領域2の表示データ部を参照してアニメーションファイル351へのポインタが設定されているか否かを確認することによって、アニメーションであるか否かを判断する。以下同様の変化のあるフレームであるか否かを判断する処理でもアニメーション有無による判断による場合は、同様である。
【0061】
変化のあるフレームである場合、或いは、アニメーションの開始であると判断した場合、表示フレーム判断部332は、ステップS222へと進み変化のあるフレームを表示、或いは、アニメーションを開始させる。
【0062】
以下、変化の有無にアニメーションの有無を含むものとする。変化のあるフレームにアニメーションを含むフレームを含めるものとし、変化のないフレームにアニメーションを含まないフレームを含めることとして説明する。また、変化のあるフレームを表示する場合、アニメーションを開始することを含むものとし、最初の変化のないフレームにアニメーションの終了の意味を含めるものとして説明する。
【0063】
一方、変化がないフレームであると判断した場合、表示フレーム判断部332は、バッファ内フレーム数bを1インクリメントして(ステップS210)、バッファ内フレーム数bが変化前の所定数Lより1少ない「L−1」より大きいか否かを判断する(ステップS211)。「L−1」以下である場合、表示フレーム判断部332は、ステップS214へと進む。
【0064】
一方、「L−1」より大きい場合、表示フレーム判断部332は、フレーム蓄積バッファ4に格納されている各フレームのデータを1アドレス前にシフトさせる(ステップS212)。ここで、バッファ内フレーム数b=1に対応するアドレスに格納されているフレームのデータは消去されることになる。また、ステップS212でのシフトに合わせ、バッファ内フレーム数bに「L−1」の値をセットする。
【0065】
そして、表示フレーム判断部332は、frame_pをフレーム蓄積バッファ4のb番目に保存し(ステップS214)、frame_0をframe_pにコピーして(ステップS215)、次のフレームを読み込むためにステップS205へ戻る。
【0066】
上記ステップS205からS215までが、フレーム領域2からの先読みによって、変化のあるフレームの前の所定フレーム数を表示するためにフレーム蓄積バッファ4に格納するための処理である。
【0067】
ステップS206において、表示フレーム判断部332は、ページの全フレームが終了したと判断すると、バッファ内フレーム数bがゼロであるか否かを判断する(ステップS221)。バッファ内フレーム数bがゼロである場合、表示フレーム判断処理から復帰して図6のステップS107へ進み、次のページの読み込みを行う。
【0068】
一方、バッファ内フレーム数bがゼロでないと判断すると、表示フレーム判断部332は、フレーム蓄積バッファ4の1番目よりb番目(最大でL番目)までのフレームを連続して表示する(ステップS222)。そして、表示フレーム判断部332は、ステップS205と同様に、全フレームを終了したか否かを判断する(ステップS223)。全フレームが終了している場合、表示フレーム判断処理から復帰して図6のステップS107へと進む。
【0069】
一方、全フレームが終了していない場合、表示フレーム判断部332は、frame_0を表示する(ステップS224)。表示されるframe_0は、変化があるフレーム、或いは強制表示有りのフレームである。
【0070】
そして、表示フレーム判断部332は、frame_0をframe_pにコピーして、図8のステップS301へと進む。
【0071】
上述したステップS222からS224までが、変化のあるフレームの前の所定フレーム数(最大L数のフレーム)とその変化のあるフレームとを表示する処理である。
【0072】
図8のステップS301において、表示フレーム判断部332は、フレーム領域2から次のフレームをframe_0に読み込み(ステップS301)、フレームが終了していたか否かを判断する(ステップS302)。つまり、次のフレームを読み込むことができなかった場合、表示フレーム判断部332は、全フレームを終了したと判断して、表示フレーム判断処理から復帰して図6のステップS107へと進む。
【0073】
一方、次のフレームをframe_0に読み込むことができた場合、表示フレーム判断部332は、frame_pとframe_0とを比較することによって変化のあるフレームであるか否かを判断する(ステップS303)。変化がないフレームである場合、表示フレーム判断部332は、変化のあるフレームの表示終了後にも所定数のフレームを表示するために、ステップS311へと進む。
【0074】
一方、変化のあるフレームが連続していると判断すると、表示フレーム判断部332は、frame_0を表示し(ステップS304)、frame_0をframe_pにコピーして(ステップS305)、次のフレームを読み込むためにステップS301へと戻る。
【0075】
上述したステップS301からS305までが、変化のあるフレームが連続している場合にフレームを表示する処理である。
【0076】
一方、ステップS303において、変化のあるフレームが終了したと判断した場合、表示フレーム判断部332は、ステップS311からステップS318を行う。
【0077】
表示フレーム判断部332は、変化のあるフレームの表示終了後のフレーム数aを用いて、フレーム数aをゼロクリアする(ステップS311)。フレーム数aは、変化のあるフレームの表示終了後に連続して表示したフレーム数を示す。
【0078】
表示フレーム判断部332は、フレーム数aを1インクリメントして(ステップS312)、フレーム数aが所定フレーム数Lより大きいか否かを判断する(ステップS313)。所定フレーム数Lは、変化のあるフレームの表示開始前の所定フレーム数と同一であっても、異なる数であっても良い。所定フレーム数Lより大きい場合、図7のステップS205へと戻る。
【0079】
一方、フレーム数aが所定フレーム数L以下である場合、表示フレーム判断部332は、frame_0を表示して(ステップS314)、frame_0をframe_pにコピーする(ステップS315)。
【0080】
そして、表示フレーム判断部332は、次のフレームをframe_0に読み込んで(ステップS316)、フレームが終了していたか否かを判断する(ステップS317)。つまり、次のフレームを読み込むことができなかった場合、表示フレーム判断部332は、全フレームを終了したと判断して、表示フレーム判断処理から復帰して図6のステップS107へと進む。
【0081】
一方、次のフレームをframe_0に読み込むことができた場合、表示フレーム判断部332は、frame_pとframe_0とを比較することによって変化のあるフレームであるか否かを判断する(ステップS318)。変化がないフレームである場合、表示フレーム判断部332は、変化のあるフレームの表示終了後の所定フレーム数を表示するため、ステップS312へ戻る。一方、変化のあるフレームの表示が再開されたと判断した場合、表示フレーム判断部332は、変化のあるフレームの表示の処理をするためステップS304へ戻る。
【0082】
上述したステップS311からS318が、変化のあるフレームの表示終了後に変化のないフレームであっても所定フレーム数を表示する処理である。
【0083】
このように、単に、変化のあるフレーム部分だけを表示させるのではなく、変化のあるフレームの表示の前後において、たとえ変化のないフレームであっても所定数表示させることによって、自然な表示制御とすることができる。また、必要に応じて、予め設定された表示すべきフレームをも表示させるように制御することが可能である。
【0084】
したがって、本願によれば、一つのコンテンツで、自動的に変化のない画面を判断し、その画面の表示を飛ばすことによって、受講者に違和感のない表示を可能とする。また、このような表示制御を可能とすることによって、音声の有無に応じた個別のコンテンツ作成を不要とすることができる。
【0085】
更に、利用者は、音声無しを選択しても、動画の動きの切り替わりに違和感なくコンテンツを参照することができる。また、音声がある場合より、短い時間でコンテンツを一通り参照することができる。例えば、学習コンテンツを職場などで参照する場合に特に効果的である。また、音声の有無に関係なく、短時間でコンテンツを参照したい場合に本願を適用しても良い。
【0086】
また、コンテンツ提供サーバ200によって管理される目次データ221、エンジン部222、シナリオファイル223、アニメーションファイル224、及び音声ファイル225は、それらを予め記憶した記憶媒体によって、ネットワーク11を介することなくクライアント300へ提供するようにしても良い。
【0087】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
動画に係る表示制御をコンピュータに実行させるコンピュータ実行可能なプログラムにおいて、該コンピュータに、
現フレーム格納領域に格納されている現フレームと、前フレーム格納領域から格納されている前フレームとを比較することによって互いの内容データの不一致を判断する不一致判断手順と、
前記不一致判断手順によって前記内容データが不一致であると判断した場合、前記現フレームを表示ユニットに表示させる不一致フレーム表示手順と、
前記現フレーム表示後に前記現フレームを前記前フレーム格納領域に格納し、次フレームを前記現フレーム格納領域に格納して前記不一致判断手順を実行する手順と、
前記不一致判断手順によって前記内容データが一致すると判断した場合、連続して一致したフレーム数が第一の所定数を超えない範囲で、該内容データが一致する前記現フレームを表示ユニットに表示させる一致フレーム表示手順とを実行させることを特徴とするコンピュータ実行可能なプログラム。
(付記2)
前記コンピュータに、
先読みによって現フレーム格納領域に格納されている現フレームと、前フレーム格納領域から格納されている前フレームとを比較することによって互いの内容データの不一致を判断する先読み不一致判断手順と、
前記先読み不一致判断手順によって前記内容データが一致すると判断した場合、連続して一致したフレーム数が第二の所定数を超えない範囲で、該内容データが一致する該第二の所定数分のフレームをバッファに順次蓄積するフレーム蓄積手順と、
前記不一致判断手順によって前記内容データが不一致であると判断した場合、前記フレーム蓄積手順によって前記バッファに蓄積されている前記フレームと、前記内容データが不一致となった現フレームとを表示ユニットに表示させる不一致前フレーム表示手順とを実行させることを特徴とする付記1記載のコンピュータ実行可能なプログラム。
(付記3)
前記コンピュータに、
利用者から音声の有無の選択を取得する音声有無選択手順を実行させ、
音声有無選択手順によって取得した前記利用者による選択が音声無しを示す場合、前記複数の手順を有効とすることを特徴とする付記1又は2記載のコンピュータ実行可能なプログラム。
(付記4)
前記不一致フレーム表示手順は、前記内容データの不一致をアニメーションデータを含むか含まないかによって判断することを特徴とする付記1記載のコンピュータ実行可能なプログラム。
(付記5)
前記先読み不一致判断手順は、前記内容データの不一致をアニメーションデータを含むか含まないかによって判断することを特徴とする付記2記載のコンピュータ実行可能なプログラム。
(付記6)
動画に係る表示制御をコンピュータに実行させるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体において、該コンピュータに、
現フレーム格納領域に格納されている現フレームと、前フレーム格納領域から格納されている前フレームとを比較することによって互いの内容データの不一致を判断する不一致判断手順と、
前記不一致判断手順によって前記内容データが不一致であると判断した場合、前記現フレームを表示ユニットに表示させる不一致フレーム表示手順と、
前記現フレーム表示後に前記現フレームを前記前フレーム格納領域に格納し、次フレームを前記現フレーム格納領域に格納して前記不一致判断手順を実行する手順と、
前記不一致判断手順によって前記内容データが一致すると判断した場合、連続して一致したフレーム数が第一の所定数を超えない範囲で、該内容データが一致する前記現フレームを表示ユニットに表示させる一致フレーム表示手順と、
先読みによって現フレーム格納領域に格納されている現フレームと、前フレーム格納領域から格納されている前フレームとを比較することによって互いの内容データの不一致を判断する先読み不一致判断手順と、
前記先読み不一致判断手順によって前記内容データが一致すると判断した場合、連続して一致したフレーム数が第二の所定数を超えない範囲で、該内容データが一致する該第二の所定数分のフレームをバッファに順次蓄積するフレーム蓄積手順と、
前記不一致判断手順によって前記内容データが不一致であると判断した場合、前記フレーム蓄積手順によって前記バッファに蓄積されている前記フレームと、前記内容データが不一致となった現フレームとを表示ユニットに表示させる不一致前フレーム表示手順とを実行させることを特徴とするプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
(付記7)
動画に係る表示制御を行なう動画表示制御装置であって、
現フレーム格納領域に格納されている現フレームと、前フレーム格納領域から格納されている前フレームとを比較することによって互いの内容データの不一致を判断する不一致判断手段と、
前記不一致判断手段によって前記内容データが不一致であると判断した場合、前記現フレームを表示ユニットに表示させる不一致フレーム表示手段と、
前記現フレーム表示後に前記現フレームを前記前フレーム格納領域に格納し、次フレームを前記現フレーム格納領域に格納して前記不一致判断手段を実行する手段と、
前記不一致判断手段によって前記内容データが一致すると判断した場合、連続して一致したフレーム数が第一の所定数を超えない範囲で、該内容データが一致する前記現フレームを表示ユニットに表示させる一致フレーム表示手段と、
先読みによって現フレーム格納領域に格納されている現フレームと、前フレーム格納領域から格納されている前フレームとを比較することによって互いの内容データの不一致を判断する先読み不一致判断手段と、
前記先読み不一致判断手段によって前記内容データが一致すると判断した場合、連続して一致したフレーム数が第二の所定数を超えない範囲で、該内容データが一致する該第二の所定数分のフレームをバッファに順次蓄積するフレーム蓄積手段と、
前記不一致判断手段によって前記内容データが不一致であると判断した場合、前記フレーム蓄積手段によって前記バッファに蓄積されている前記フレームと、前記内容データが不一致となった現フレームとを表示ユニットに表示させる不一致前フレーム表示手段と有することを特徴とする動画表示制御装置。
【0088】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 音声フラグ領域
2 フレーム領域
3a 現フレーム(frame_0)
3b 前フレーム(frame_p)
4 フレーム蓄積バッファ
11 ネットワーク
100 コンテンツ提供システム
200 コンテンツ提供サーバ
210 コンテンツ送出部
221 目次データ
222 エンジン部
223 シナリオファイル
224 アニメーションファイル
225 音声ファイル
300 クライアント
209 インストーラ
210 記憶媒体
320 コンテンツ表示制御部
322 目次表示部
330 エンジン部
331 音声モード入力部
332 表示フレーム判断部
340 シナリオ
351 アニメーションファイル
352 音声ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画に係る表示制御をコンピュータに実行させるコンピュータ実行可能なプログラムにおいて、該コンピュータに、
前記動画に連動して再生可能な音声の再生をするか否かを示す情報を取得し、
前記動画に連動して再生可能な音声の再生をしないことを示す情報を取得した場合に、前記動画に係るフレームの表示に関するデータが格納された格納手段を参照して、前記フレームの各々について、アニメーションファイルへのポインタが設定されているか否かを判断し、
前記アニメーションファイルへのポインタが設定されていると判断したフレームを表示ユニットに表示する
処理を実行させることを特徴とするコンピュータ実行可能なプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータは、前記アニメーションファイルへのポインタが設定されていると判断したフレームに加えてさらに、前記アニメーションファイルへのポインタが設定されていると判断したフレームからのフレーム数が所定数以下になる範囲のフレームを前記表示ユニットに出力する
処理を実行させることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータに実行可能なプログラム。
【請求項3】
コンピュータによって実行される動画表示制御方法であって、
前記動画に連動して再生可能な音声の再生をするか否かを示す情報を取得し、
前記動画に連動して再生可能な音声の再生をしないことを示す情報を取得した場合に、前記動画に係るフレームの表示に関するデータが格納された格納手段を参照して、前記フレームの各々について、アニメーションファイルへのポインタが設定されているか否かを判断し、
前記アニメーションファイルへのポインタが設定されていると判断したフレームを表示ユニットに表示する
ことを特徴とする動画表示制御方法。
【請求項4】
コンピュータによって実行される動画表示制御装置であって、
前記動画に連動して再生可能な音声の再生をするか否かを示す情報を取得する取得部と、
前記動画に連動して再生可能な音声の再生をしないことを示す情報を取得した場合に、前記動画に係るフレームの表示に関するデータが格納された格納手段を参照して、前記フレームの各々について、アニメーションファイルへのポインタが設定されているか否かを判断する判断部と、
前記アニメーションファイルへのポインタが設定されていると判断したフレームを表示ユニットに表示する表示部と
を有することを特徴とする動画表示制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−128433(P2012−128433A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−11179(P2012−11179)
【出願日】平成24年1月23日(2012.1.23)
【分割の表示】特願2005−73978(P2005−73978)の分割
【原出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】