説明

動的リソース割当てのための技術

WPANなどの無線通信ネットワークにおいて通信リソースを動的に割り当てる技術が開示される。例えば、無線通信装置は、リソース割当てを取得する。このリソース割当ては、無線通信媒体内のタイムスロット(TDMAタイムスロットなど)を含む。装置は、データを送信することを意図するタイムスロットの第1部分を決定する。また、無線通信装置は、タイムスロットの第1部分の後に出現するタイムスロットの第2部分を放棄する。この放棄に基づき、中央コントローラ装置は、タイムスロットの第2部分を再割り当てする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
無線通信機能が、ラップトップコンピュータ、携帯装置(PDA(Personal Digital Assistant))及び携帯電話を含む携帯装置に一体化されることが増えている。このような機能の一体化は、任意の場所と時間での情報リソースへの接続をユーザに提供できる。
【0002】
多くの通信システムは、利用可能なネットワーク帯域幅を関する中央コントローラ装置を有する。例えば、WPAN(Wireless Personal Area Network)は、複数の無線通信装置(DEV)にリソースを割り当てるピコネットコントローラ装置(PNC)を有する。このようなWPANは、各種周波数において動作可能である。例えば、Wireless Gigabit Alliance(WiGig)などの組織は、各装置が60ギガヘルツ(GHz)の周波数範囲においてミリ波信号をやりとりするWPANの開発を推進している。このような信号は、極めて高いレートによりデータを伝送する。従って、これらのネットワークは、高品位テレビ(HDTV)などのハイデータレート(HDR)アプリケーションをサポートする。
【0003】
TDMA(Time Division Multiple Access)は、共有されている媒体ネットワークのためのリソース割当て技術である。TDMAは、複数の装置が時間期間(スーパーフレームなど)を複数のタイムスロットに分割することによって周波数チャネルを共有することを可能にする。例えば、複数の装置には、データを送信するための対応する(重複しない)タイムスロットが割り当てられる。この結果、複数の装置は、互いに衝突(干渉)しない送信を送信する。
【0004】
装置は、時間可変的なリソース要求を有する可能性がある。例えば、あるアプリケーション(圧縮されたビデオ、電話など)は、可変的なビットレート(VBR)を有するトラフィックを生成する。従来のリソース割当て技術は、装置の最大リソース要求が常に充足されうるように、装置にリソースを割り当てる。残念ながら、このアプローチは浪費的なものである。これは、時間の大部分において、装置の可変的なリソース要求はそれに割り当てられた量を下回るためである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図面において、同様の参照番号は、一般に同一の、機能的に類似した及び/又は構成的に同様の要素を示す。要素が最初に現れた図面は、参照番号の最左桁により示される。本発明は、以下の添付した図面を参照して説明される。
【図1】図1は、一例となる動作環境の図である。
【図2】図2は、一例となる時間割当ての図である。
【図3】図3は、早期の通知による動的スロット割当て技術を示す図である。
【図4】図4A〜4Dは、複数の装置の間のインタラクションを示す図である。
【図4E】図4Eは、複数の装置の間のインタラクションを示す図である。
【図5】図5は、ロジックフロー図である。
【図6】図6は、一例となる実現形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
各実施例は、無線ネットワークにおける動的リソース割当てのための技術を提供する。例えば、無線通信装置は、リソース割当てを取得する。このリソース割当ては、無線通信媒体内のタイムスロット(TDMAタイムスロットなど)を含む。装置は、データを送信することを意図するタイムスロットの第1部分を決定する。また、無線通信装置は、タイムスロットの第1部分の後に現れるタイムスロットの第2部分を放棄する。この放棄に基づき、中央コントローラ装置は、タイムスロットの第2部分を再割り当てする。
【0007】
本明細書における“一実施例”又は“実施例”という表現は、当該実施例に関して説明される特定の特徴、構成又は特性が少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。従って、本明細書の各所における“一実施例では”又は“実施例では”という表現の出現は、すべてが必ずしも同一の実施例を参照しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構成又は特性は、1以上の実施例において何れか適切な方法により組み合わされてもよい。
【0008】
図1は、ここに開示される技術が利用可能な一例となる動作環境100の図である。図1に示されるように、当該環境は、中央コントローラ装置102と複数の装置(DEV)104a〜bとを含む。これらの要素は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの何れかの組み合わせによりそれぞれ実現されてもよい。
【0009】
中央コントローラ装置102は、DEV104a〜bにモバイル通信機能を提供する。例えば、中央コントローラ装置102は、DEV102a〜bが互いに通信可能なハブとして動作してもよい。また、中央コントローラ装置102は、DEV102a〜bにパケットネットワーク(インターネットなど)へのアクセスを提供する。従って、図1は、このようなパケットネットワーク110に接続される中央コントローラ装置102を示す。
【0010】
さらに、中央コントローラ装置102は、無線通信リソース(1以上の周波数チャネル又は帯域など)へのアクセスを制御する。例えば、中央コントローラ装置102は、TDMA割当て方式に従ってタイムスロットの割当てを制御する。これは、中央コントローラ装置102がDEV104a〜bからリソースリクエストを受信し、TDMAフレームフォーマット内の対応するタイムスロットを付与することに関する。
【0011】
DEV104a〜bはそれぞれ、各種タイプの装置として実現されてもよい。一例となる装置は、携帯電話、スマートフォン、無線PDA、モバイルインターネット装置(MID)、ノートブックコンピュータ、ネットブック、ネットトップなどを含む。各実施例は、これらの具体例に限定されない。
【0012】
DEV104a〜b(中央コントローラ装置102と共に)は、互いに無線通信する。このような通信は、直接的なリンクを介し又は中央コントローラ装置102を介するものであってもよい。従って、図1の装置は、中央コントローラ装置102がPNCとして動作するWPANを形成する。このような通信は、各種周波数範囲の無線信号のやりとりを伴う。例えば、実施例では、これらの信号は、60GHz周波数範囲のミリ波信号である。
【0013】
各装置104a〜bは、中央コントローラ装置102に関連付けされる。さらに、装置104a〜bと中央コントローラ装置102とはそれぞれ、指向性アンテナ(ビームフォーミングなど)機能を有してもよい。従って、図1の装置は、指向性信号送受信を互いに利用するようトレーニングされてもよい。
【0014】
より高い周波数(60GHzなど)が使用されるとき、より大きな信号伝搬損失が発生する。従って、このような指向性アンテナ機能は、これらの損失を効果的に処理し、極めて高いデータレート(毎秒1ギガビットより高いレートなど)によるデータの送信のための実質的な無線通信範囲を達成する。従って、各実施例は、未圧縮HDTV(他のアプリケーションと共に)などの高データレートアプリケーションに対応するデータを交換する。
【0015】
実施例では、図1の装置による送信はそれぞれ、スーパーフレームと呼ばれる繰り返しのパターンに基づく。図2は、一例となるスーパーフレームを示す図である。特に、図2は、連続するスーパーフレーム202と202n+1とを含むフレームフォーマットを示す。
【0016】
このスーパーフレームフォーマットは、各自の送信対象を送信するためのタイムスロットを装置に割り当てるTDMAリソース割当て方式に従って無線送信を提供する。これらのタイムスロットは、個別の装置のリクエストに応答して割り当てられてもよい。例えば、図2は、時間割当てリクエスト204がスーパーフレーム202により送信されることを示す。このリクエストは、装置から中央コントローラ装置に送信される。例えば、図1に関して、リクエスト204は、DEV104a又はDEV104bから中央コントローラ装置102に送信されてもよい。
【0017】
当該リクエストを受信すると、中央コントローラ装置は、要求元の装置に対応するタイムスロットを割り当てる。特に、図2は、スーパーフレーム202n+1における割り当てられたタイムスロット206を示す。このタイムスロット中、要求元の装置はそれの送信対象を送信してもよい。実施例では、この割当ては中央コントローラ装置により送信されるビーコンに示されてもよい。しかしながら、各実施例は他の指示技術を利用してもよい。
【0018】
TDMAの問題点は、それがタイムスロットの割当てにおいて低速であることである。より詳細には、割当てを要求した(又は既存の割当てを変更する)装置は、ほぼ1スーパーフレームを待機する必要がある。例えば、図2は、リクエスト206と対応する割当て208との間の遅延208が発生することを示す。従って、TDMA割当ては非効率的なものとなりうる。
【0019】
従来のTDMAはコンスタントビットレート(CBR)データ伝送を要求する装置にとって満足なものであるが、可変的ビットレート(VBR)アプリケーションにとってはしばしば不適切である。例えば、圧縮されたビットストリームを利用するものなどのVBRアプリケーションは、割り当てられたタイムスロットのそれぞれについてどの程度のデータが利用可能であるかに関する事前の知識を送信装置に提供しない。
【0020】
上述されたように、装置に十分な送信キャパシティを保証するアプローチは、中央コントローラ装置(PNCなど)が最大割当てを提供することに関する。特に、この最大割当ては、装置が可能な最大数のビットを送信するのに十分なタイムスロットを装置に提供する。残念なことに、装置は、典型的には、このような最大割り当てされたスロットの一部しか(1/2又は1/10など)利用しない。このため、当該アプローチは、他の装置により利用可能な帯域幅を浪費する。このような他の装置は、タイムスロットを予め割り当てず、経時的にデータを伝送するのに必要な装置を含むものであってもよい。
【0021】
装置に十分な送信キャパシティを保証する他のアプローチは、最大割り当てされたスロットを複数のより小さなミニスロットに分割することに関する。このアプローチでは、VBR装置は、各ミニスロットのエンドにおいてストップし、中央コントローラ装置に次のミニスロットを使用し続けるよう求める。この処理は、装置の利用可能なデータのすべて(例えば、それにバッファされているデータのすべて)が送信されるまで実行されてもよい。しかしながら、このアプローチによると、関係する装置(PNC、VBR装置、他の何れかの割当てを要求する装置など)は、残念なことにかなりのハンドシェイクを伴う。さらに、このようなハンドシェイクは、相対的に短い時間で決定される必要がある。このため、当該アプローチは、携帯装置にとっては複雑で、電力を消費し、高額なものとなる。
【0022】
各実施例は、早期の通知による動的な割当てを伴うアプローチを介し十分な送信キャパシティを提供する。図3は、当該アプローチの一例を示す図である。特に、この図は、第1無線通信装置(DEV1)に割り当てられるタイムスロット302を示す。このタイムスロットは、中央コントローラ装置(PNCなど)により割り当てられたものである。
【0023】
タイムスロット302内には各種インターバル(又は部分)が存在する。例えば、図3は、DEV1により送信される通知304を示す。通知304は、DEV1が送信することを意図するタイムスロット302の部分と共に、DEV1が放棄したタイムスロット302の部分とを示す。
【0024】
実施例では、通知304は各種情報を有してもよい。例えば、通知304は、DEV1がデータを送信することを意図する時間インターバルの期間(通知304のエンドからスタートする)を含むものであってもよい。図3において、ブロック305は、中央コントローラ装置による通知部分304の受信を示す。
【0025】
ここに開示されるように、無線通信装置は、それの利用可能なデータを送信するためのタイムスロットの一部を保持する。例えば、図3は、DEV1がデータを送信するのに利用する第1送信部分306を示す。
【0026】
図3は、グラント308が第1送信部分306に続くことを示す。グラント308(中央コントローラ装置により送信される)は、タイムスロット302の残りがどのように割り当てられるべきかを示す。例えば、図3では、グラント308は、第2無線通信装置(DEV2)にタイムスロット302の残りが割り当てられたことを示す。従って、図3は、DEV2がデータを送信するのに利用する第2送信部分310(タイムスロット302の残りなど)を示す。
【0027】
あるいは、グラント308は、より早期に送信されてもよい。例えば、指向性アンテナパターン(ビームフォーミングパターンなど)が利用されるとき、中央コントローラ装置は、DEV1が第1送信部分306を送信している間に、グラント308をDEV2に送信してもよい。これは、このようなビームフォーミングパターンはグラント308が第1送信部分306と干渉しないことを可能にするためである。これは、効果的に中央コントローラ装置による電力セービングを可能にする。
【0028】
図4A〜4Eは、複数の装置の間の一例となるインタラクションシーケンスを示す図である。これらの装置は、PNCと4つの他の無線通信装置(DEV1〜DEV4など)とを含む。また、これらの図は、一例となる指向性アンテナパターンを示す。
【0029】
図4Aは、関係しない装置DEV1,DEV2がPNCを聴取している安定状態を示す。また、図4Aは、これらの装置により使用される指向性アンテナパターンを示す。例えば、DEV1,DEV2はそれぞれ、受信アンテナパターン402,404を有する。これらのパターンは、PNCに対して指向される。また、PNCは、DEV1,DEV2から他の装置(図示せず)に向けられた受信アンテナパターン406を有する。
【0030】
図4B〜4Eは、DEV1に割り当てられたタイムスロット中の異なるインタラクションを示す。例えば、図4Bは、PNVに指向された送受信アンテナパターン408を有するDEV1を示す。同様に、PNCは、DEV1に指向された送受信アンテナパターン410を有する。これらのパターンを介し、DEV1は通知450をPNCに送信する。ここに開示されるように、当該通知は、DEV1がデータ送信に利用することを意図する割り当てられたタイムスロットの部分を示す。また、図4Bは、PNCに指向された受信アンテナパターン412を有するDEV2を示す。
【0031】
図4Cにおいて、DEV2にデータ送信対象452を送信するDEV1が示される。図4Cは、DEV2に指向された送受信アンテナパターン414を有するDEV1を示す。同様に、図4Cは、DEV1に指向された受信アンテナパターン416を有するDEV2を示す。
【0032】
このデータ送信の後、図4Dは、グラントメッセージ454をDEV3に送信するPNCを示す。このグラントメッセージは、DEV1のタイムスロットの残りをDEV3に割り当てる。従って、図4Dはまた、DEV3に指向される送信アンテナパターン418を有するPNCと、PNCに指向される受信アンテナパターン420を有するDEV3とを示す。
【0033】
グラントメッセージ454に基づき、図4Eは、データ送信対象456をDEV4に送信するDEV3を示す。さらに、図4Eは、DEV4に指向される送信アンテナパターン422を有するDEV3と、DEV3に指向される受信アンテナパターン424を有するDEV4とを示す。
【0034】
これらの実施例の処理がさらに、以下の図面と付随する具体例とを参照して説明される。図面の一部はロジックフローを含む。ここに提供される図面は特定のロジックフローを含むが、当該ロジックフローはここに開示される一般的な機能がどのように実現可能であるかの具体例を提供するにすぎないことが理解できる。さらに、与えられたロジックフローは、特段の指摘がない場合、提供された順序により必ずしも実行される必要はない。さらに、所与のロジックフローは、ハードウェア要素、プロセッサにより実行されるソフトウェア要素、又はこれらの何れかの組み合わせにより実現されてもよい。これらの実施例はこれに限定されるものでない。
【0035】
図5は、ここに開示される1以上の実施例により実行される処理を表す一例となるロジックフロー500を示す。図5のロジックフローは、無線通信装置(DEVなど)と中央コントローラ装置(PNCなど)とに関して説明される。このため、このフローは、図1〜4Eに関して利用されてもよい。しかしながら、各実施例はこれに限定されるものでない。また、図5は特定のシーケンスを示すが、他のシーケンスが利用されてもよい。さらに、図示された処理は、各種パラレル及び/又はシーケンシャルな組み合わせにより実行されてもよい。
【0036】
ブロック502において、無線通信装置は、中央コントローラ装置からリソース割当てを取得する。このリソース割当ては、無線通信媒体内のタイムスロット(TDMAスロットなど)を含むものであってもよい。実施例では、ブロック502は、リクエストメッセージを中央コントローラ装置(PNC)に送信することによって、無線通信装置がリソース割当てを取得する(DEV1など)ことを有してもよい。これに応答して、中央コントローラ装置は、VBRトラフィックにより利用可能なすべての装置(DEV1&DEV2など)のリソース割当てスロットと、他の装置(DEV3&DEV4など)が残りの未使用部分を利用する候補とを含むブロードキャスト送信対象を送信する。この送信対象は、ビーコンであってもよい。しかしながら、各実施例は、他の形態のブロードキャスト及び/又はポイント・ツー・ポイント送信を利用してもよい。
【0037】
このような候補となる割当てられるタイムスロット(302)が到来すると、各装置(DEV3&DEV4など)の指向性アンテナは、スロットの残り時間の利用又はスロットの何れかの部分の再利用を可能にするグラントを取得する準備ができるように、PNCに指向される。
【0038】
ブロック504において、スロットのスタートにおいて、PNCの指向性アンテナが、スロットのオーナーである装置(DEV1)に指向される(図4B)。その後、装置(DEV1)は、それのアンテナをPNCに指向し、当該装置が現在のスロットにおいて利用する期間を含む通知をPNCに送信する。これは、例えば、無線通信装置が送信バッファ(エンコーダ出力バッファなど)において有するデータ量を決定することに関する。
【0039】
ブロック508において、無線通信装置は、それのリソース割当ての第2部分(残り部分)を放棄する。タイムスロットの第2部分は、タイムスロットの第1部分の後に出現する。
【0040】
放棄(通知メッセージなど)を受信すると、中央コントローラ装置は、ブロック510において、リソース割当ての第2部分を再割り当てする。これは、1以上の他の無線通信装置(他のDEVなど)に第2部分を付与することに関する。あるいは、これは、中央コントローラ装置が自らの利用のため(自らのデータ送信のためなど)にリソース割当ての第2部分を保持することに関する。
【0041】
中央コントローラ装置は、第2部分を再割り当てするための各種技術を利用してもよい。例えば、実施例では、中央コントローラ装置は、他の無線通信装置が送信すべきデータを有しているかリクエストするポーリング機構を利用する。そうである場合、中央コントローラ装置は、当該装置にグラントを送信する。このグラントを受信すると、無線通信装置は、タイムスロットの第2部分内でそれのデータを送信してもよい。
【0042】
図6は、DEV(DEV104a,104bなど)及び/又は中央コントローラ装置(中央コントローラ装置102など)などの無線通信装置に含まれうる実現形態600の図である。実現形態600は、各種要素を含む。例えば、図6は、複数のアンテナ602a〜c、送受信モジュール604、ホストモジュール606、制御モジュール608及び送信バッファ611を含む実現形態600を示す。これらの要素は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの何れかの組み合わせにより実現されてもよい。
【0043】
アンテナ602a〜cは、リモート装置と無線信号をやりとりする。3つのアンテナが示されているが、何れかの個数のアンテナが利用されてもよい。また、各実施例は、1以上の送信アンテナと1以上の受信アンテナとを利用してもよい。このような複数アンテナの構成は、リモート装置による複数の空間ストリームのビームフォーミング及び/又は展開のために利用されてもよい。
【0044】
送受信モジュール604は、他の装置と情報をやりとりする。図6に示されるように、送受信モジュール604は、送信部610と受信部612とを有する。動作中、送受信モジュール604は、ホストモジュール606、制御モジュール608、送信バッファ611などの他の要素とアンテナ602a〜cとの間のインタフェースを提供する。例えば、送信部610は、このような要素からシンボルを受信し、1以上のアンテナ602a〜cによる無線送信のため対応する信号を生成する。これは、変調、増幅及び/又はフィルタリングなどの処理を伴うものであってもよい。しかしながら、他の処理が利用されてもよい。
【0045】
他方、受信部612は、1以上のアンテナ602a〜cにより受信された信号を取得し、対応するシンボルを生成する。次に、これらのシンボルは、ホストモジュール606と制御モジュール608などの要素に提供される。このシンボル生成は、(限定することなく)復調、増幅及び/又はフィルタリングを含む処理を伴うものであってもよい。
【0046】
送受信モジュール604により生成及び受信される信号は、各種フォーマットによるものであってもよい。例えば、これらの信号は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)スキームに従って変調されてもよい。しかしながら、他のスキーム及びフォーマット(QPSK、BPSK、FSKなど)が利用されてもよい。
【0047】
このような特徴を提供するため、送信部610と受信部612とはそれぞれ、変調手段、復調手段、増幅手段、フィルタ、アップコンバータ及び/又はダウンコンバータなどの各種コンポーネントを有する。このようなコンポーネントは、ハードウェア(電子など)、ソフトウェア又はこれらの何れかの組み合わせにより実現されてもよい。
【0048】
送受信モジュール604と他の要素との間でやりとりされるシンボルは、1以上のプロトコル及び/又は1以上のユーザアプリケーションに関連するメッセージ又は情報を構成する。このため、これらの要素は、このようなプロトコル及び/又はユーザアプリケーションに対応する処理を実行する。一例となるプロトコルは、(限定することなく)各種のメディアアクセス制御及び検出プロトコルを含む。一例となるユーザアプリケーションは、電話、メッセージング、電子メール、ウェブブラウジング、コンテンツ(ビデオ及びオーディオなど)配信/受信などを含む。
【0049】
さらに、信号の送信において、送受信モジュール604は、各種アクセス技術を利用する。例えば、送受信モジュール604は、TDMA技術に従って動作してもよい。しかしながら、各実施例はこのような技術に限定されるものでない。
【0050】
実施例では、制御モジュール608は、ここに開示される各種処理を実行する。例えば、制御モジュール608は、ここに開示されるような各種リソース割当てメッセージを生成、受信及び処理するようにしてもよい。このようなメッセージは、リソース割当てリクエスト、割当て指示(ビーコンにより伝送されるなど)、通知メッセージ及びグラントメッセージを含むものであってもよい。さらに、制御モジュール608は、送信バッファ611における利用可能なデータ量を決定する。
【0051】
送信バッファ611は、無線送信の準備ができたデータを格納する。このようなデータは、1以上のアプリケーション(VBRアプリケーションなど)に関連する符号化及び/又は圧縮されたデータであってもよい。実施例では、送信バッファ611は、記憶媒体(メモリなど)を有する。また、送信バッファ611は、FIFO(First−In First−Out)バッファとして構成されてもよい。
【0052】
ホストモジュール606は、リモート装置とやりとりされる無線信号に対応するシンボルを(送信バッファ611などを介し)送受信モジュール604とやりとりする。これらのシンボルは、1以上のプロトコル及び/又は1以上のユーザアプリケーションに関連するメッセージ又は情報を構成する。このため、ホストモジュール606は、このようなプロトコル及び/又はユーザアプリケーションに対応する処理を実行する。一例となるプロトコルは、各種メディアアクセス、ネットワーク、トランスポート及び/又はセッションレイヤプロトコルを含む。一例となるユーザアプリケーションは、電話、メッセージング、電子メール、ウェブブラウジング、コンテンツ(ビデオ及びオーディオなど)配信/受信などを含む。
【0053】
ここに開示されるように、各種実施例は、ハードウェア要素、ソフトウェア要素又はこれらの何れかの組み合わせを用いて実現されてもよい。ハードウェア要素の具体例として、プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路、回路要素(トランジスタ、レジスタ、キャパシタ、インダクタなど)、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブルロジック装置(PLD)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ロジックゲート、レジスタ、半導体装置、チップ、マイクロチップ、チップセットなどがあげられる。
【0054】
ソフトウェアの具体例は、ソフトウェアコンポーネント、プログラム、アプリケーション、コンピュータプログラム、アプリケーションプログラム、システムプログラム、マシーンプログラム、オペレーティングシステムソフトウェア、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーチン、サブルーチン、ファンクション、メソッド、プロシージャ、ソフトウェアインタフェース、API(Application Program Interface)、命令セット、計算コード、コンピュータコード、コードセグメント、コンピュータコードセグメント、ワード、値、シンボル又はこれらの何れかの組み合わせを含むものであってもよい。
【0055】
いくつかの実施例は、マシーン可読な記憶媒体又は物を用いるなどによって実現されてもよい。記憶媒体は、マシーンにより実行された場合、マシーンに実施例による方法及び/又は処理を実行させる命令又は命令セットを格納してもよい。このようなマシーンは、例えば、何れか適切な処理プラットフォーム、計算プラットフォーム、計算装置、処理装置、計算システム、処理システム、コンピュータ、プロセッサなどを含むものであってもよく、ハードウェア及び/又はソフトウェアの何れか適切な組み合わせを用いて実現されてもよい。
【0056】
記憶媒体又は物は、例えば、メモリ、着脱可能又は着脱不可なメディア、消去可能又は消去不可なメディア、書き込み可能又は書き換え可能なメディア、デジタル又はアナログメディア、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、CD−R(Compact Disk Recordable)、CD−RW(Compact Disk Rewritable)、光ディスク、磁気媒体、光磁気媒体、着脱可能なメモリカード又はディスク、各種DVD(Digital Versatile Disk)、テープ、カセットなどの何れか適切なタイプのメモリユニット、記憶装置、記憶物、記憶媒体、格納装置、格納物、格納媒体及び/又は格納ユニットを含むものであってもよい。命令は、何れか適切なハイレベル、ローレベル、オブジェクト指向、ビジュアル、コンパイルされた及び/又はインタープリットされたプログラミング言語を用いて実現されるソースコード、コンパイルされたコード、インタープリットされたコード、実行可能コード、静的コード、動的コード、暗号化されたコードなどを含むものであってもよい。
【0057】
本発明の各種実施例が上述されたが、それらは単なる具体例として提供されたものであり、限定するものでないことが理解されるべきである。例えば、ここに開示された技術はWPANに限定されるものでない。
【0058】
従って、形態及び詳細の各種変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能であることが、当業者には明らかであろう。従って、本発明の範囲は、上述した実施例に限定されるものでなく、以下の請求項とその均等に従ってのみ規定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信媒体内のタイムスロットを有するリソース割当てを無線通信装置について取得するステップと、
前記無線通信装置がデータを送信する前記タイムスロットの第1部分を決定するステップと、
前記タイムスロットの第1部分の後に発生する前記タイムスロットの第2部分を放棄するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記タイムスロットの第1部分を決定するステップは、前記無線通信装置により格納される利用可能な送信データ量を決定することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記タイムスロットの残りを放棄するステップは、通知メッセージをリモート装置に送信することを含み、
前記通知メッセージは、前記タイムスロットの第1部分に先行する請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記通知メッセージは、前記タイムスロットの第1部分に対応する期間を含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記リソース割当てを取得するステップは、
リモート装置にリクエストを送信するステップと、
前記リモート装置からビーコン送信を受信するステップと、
を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記タイムスロットは、TDMA(Time Division Multiple Access)フレーム内にある、請求項1記載の方法。
【請求項7】
無線通信媒体内のタイムスロットを有するリソース割当てをリモート装置に付与するステップと、
前記リモート装置から、前記タイムスロット内の第1部分を示す通知を受信するステップと、
前記第1部分の後に出現する前記タイムスロットの第2部分を再割り当てするステップと、
を有する方法。
【請求項8】
前記タイムスロットの第2部分を再割り当てするステップは、前記タイムスロットの第2部分をさらなるリモート装置に割り当てることを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記タイムスロットの第2部分は、ポーリングプロトコルに従って前記さらなるリモート装置に割り当てられる、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記タイムスロットの第2部分を再割り当てするステップは、中央コントローラ装置によって前記第2部分を保持することを含む、請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記リモート装置から前記リソース割当てに対するリクエストを受信するステップをさらに有する、請求項7記載の方法。
【請求項12】
前記タイムスロットは、TDMA(Time Division Multiple Access)フレーム内にある、請求項7記載の方法。
【請求項13】
リモート装置と無線信号をやりとりする送受信モジュールと、
前記送受信モジュールによる送信用の利用可能なデータを格納する送信バッファと、
前記利用可能なデータを送信するため割り当てられたタイムスロットの第1部分を決定し、前記タイムスロットの第1部分の後に出現する前記タイムスロットの第2部分を放棄する制御モジュールと、
を有する装置。
【請求項14】
前記制御モジュールは、
前記割り当てられたタイムスロットに対するリクエストを生成し、
リモート中央コントローラ装置により発信された前記割り当てられたタイムスロットの割当てを受信する、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記割り当てられたタイムスロットは、TDMA(Time Division Multiple Access)フレーム内にある、請求項13記載の装置。
【請求項16】
指向性ビームフォーミングを提供する1以上のアンテナをさらに有する、請求項13記載の装置。
【請求項17】
前記無線信号は、ミリ波信号である、請求項13記載の装置。
【請求項18】
前記利用可能なデータは、可変ビットレート(VBR)アプリケーションに関連する、請求項13記載の装置。
【請求項19】
マシーンにより実行されると、
無線通信媒体内のタイムスロットを有するリソース割当てを無線通信装置について取得するステップと、
前記無線通信装置がデータを送信する前記タイムスロットの第1部分を決定するステップと、
前記タイムスロットの第1部分の後に発生する前記タイムスロットの第2部分を放棄するステップと、
を前記マシーンに実行させる命令を格納するマシーンアクセス可能な媒体を有する物。
【請求項20】
前記タイムスロットは、TDMA(Time Division Multiple Access)フレーム内にある、請求項19記載の物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4E】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−515433(P2013−515433A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545948(P2012−545948)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/055473
【国際公開番号】WO2011/084225
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(593096712)インテル コーポレイション (931)
【Fターム(参考)】