動的型ツール
本発明は、剛性発泡ポリマーエンブリオ体を製造するために、本質的に互いに平行なプレス面を有するプレス機内に配置される型ツールに関する。型ツールは、プレス面に対して垂直な方向に互いに対して相対移動可能な第1の型部材20及び第2の型部材30と、相対移動の少なくとも一部の間、第1の型部材20と第2の型部材30との間の本質的に気密なシールを構成する密封手段40を有する。密封手段40は、可変容積の閉鎖した型キャビティ50を構成する。第1の型部材20は、型キャビティの容積の少なくとも一部を定めると共に、外周縁90を有する。第2の型部材30は、第1の型部材20の外周縁90に近接してそれを包囲するリム100を有する。密封手段40は、リム100と外周縁90との間に形成される隙間に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型ツールに関し、より詳細には、本発明は、剛性発泡ポリマーエンブリオ体を製造するために、本質的に互いに平行なプレス面を有するプレス機内に配置される型ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、PVCを主成分とする剛性発泡ポリマー材料が、主として海軍又は空軍分野におけるサンドイッチ構造内のコア材料として、又は、建築分野における断熱材/防音材として広く用いられている。サンドイッチ構造では、コアは、構造的により剛性である2つの材料、例えば繊維強化プラスチック(FRP)、金属等を分離する。かかるサンドイッチ構造は、従来の単層構造と比較して、多くの利点を有し、かかる利点は、例えば、軽量であること、断熱/防音特性が優れていることである。他の剛性発泡ポリマー材料、例えば発泡ポリウレタン等は、能率的な連続押出し法を使用することによって製造されるけれども、PVCを主成分とする剛性発泡ポリマー材料の製造は、部分的に発泡した不連続の物体(以下、エンブリオ体(embryo body)という)をプレス機内において高圧下で成形することを含む。引き続いて、エンブリオ体を化学的物理的に処理して、剛性発泡ポリマー材料を得る。
【0003】
より詳細には、PVCを主成分とする剛性発泡ポリマー材料の製造プロセスは、粉末(PVC及びその他の化合物)と液体物質(特に、イソシアネート)の混合物からなるプラスチゾルペーストを形成することを最初に含む。ペーストを、閉鎖した型キャビティ内に充填し、高圧下で加熱プロセス及びそれに引き続く冷却プロセスを行い、部分的に膨張(発泡)したエンブリオ体を生じさせる。次に、エンブリオ体を、水及び/又はスチームオーブン内で追加の熱処理によって更に膨張(発泡)。最終の剛性発泡材料の形成は、材料中に存在するイソシアネート基の加水分解反応の結果であり、引き続いて、化学構造を架橋するポリマーが生じる。
【0004】
現在、エンブリオ体を製造する方法は、各型に、最終製品中のポリマー含有量よりも過剰な量のペーストを充填することを含む。このため、過剰な量のペーストは、成形プロセス中、型から漏れ出ることが可能である。成形プロセスは、プラスチゾルを、閉鎖した型内で加熱することを含み、それにより、プラスチゾルの熱膨張(発泡)及びその中に溶解している発泡剤の活性化によって、高圧を生じさせる。この膨張(発泡)工程中、過剰な量のペーストは、漏れ出ることが可能である。プラスチゾルは、予め定められた時間、高温に保たれ、それにより、エンブリオ体を型から取出すのに十分に低い温度まで型キャビティを冷却させた後で、プラスチゾルがゼラチン化することが可能である。過剰な量のペーストは、型から離れる製品の約8%の重量に等しい。
【0005】
過剰なペーストは、型の一番上の縁から出る。PVCがゼラチン化し、いくらかの発泡剤物質が高温で劣化するので、結果的に、回収できない無駄な材料がある。
【0006】
米国特許第6,352,421号(オリバー・ジアコーマ(Olivier Giacoma);2000年2月15日出願)は、加熱工程中、ペーストが型から逃げる問題を解決し、かかる問題は、加熱工程中に過剰なペーストが供給される2次的な型コンパートメントを設け、少量の過剰なペーストが2次的な型コンパートメントから周囲の無駄材料収集溝内に逃げることを可能にすることによって解決される。この開示された方法によれば、ペーストが1次的な型ツールコンパートメント内の一番上まで充填され、加熱工程中、ペーストが約8%膨張し、過剰なペーストが連結溝によって2次的なコンパートメントに供給される。2次的なコンパートメントは、1次的なコンパートメントの容積の8%よりも僅かに小さい容積を有する。そのため、無駄なペーストの量は、2次的なコンパートメントの容積の約8%まで減少し、これは、1次的なコンパートメントの容積の約0.64%に等しい。
【0007】
米国特許第2,768,407号(リンデマン(Lindemann);1950年12月5日出願)は、独立気泡セル体を熱可塑性マスから製造することに関する。従来技術の問題は、加熱段階中、発泡剤を含有したマスで充たされた型を完全に密封された状態に保つことが事実上不可能であることであるといわれている。この問題の解決策が提案されており、それは、ガスを圧力下でマスの中に溶解させ、マスを完全にゼラチン化した後、型の容量を元の容量の1/5〜2/5だけ拡張させることによる。移動可能なダイを有する型の使用が提案され、発泡剤の分解を遅らせると共にガスを溶解させるために、高い圧力、例えば150〜300気圧(バール)(0.015〜0.03MPa)を付与することが必要であるといわれている。また、適当な熱可塑性樹脂は、ポリ塩化ビニルを含むということがいわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6352421号明細書
【特許文献2】米国特許第2768407号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、従来技術の欠点を解決する剛性発泡ポリマーエンブリオ体を製造するための新しい型ツールを提供することにある。これは、特許請求の範囲の独立請求項に記載された型ツールによって達成される。
【0010】
全ての材料製造プロセスの場合と同様、剛性発泡ポリマー材料を製造する際にエンブリオ体を成形する重要な要素は、例えば、材料消費量、エネルギー消費量、作業の流れ、及びスループット時間である。提案された型ツールは、これら要素のうちの少なくとも1つに関して、従来技術よりも優れている。
【0011】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲の従属請求項に定められている。
【0012】
以下の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による型ツールの第1の実施形態の概略的な斜視図である。
【図2a】エンブリオ体を成形する種々の段階の1つにおける、図1の型ツールの線A−Aにおける概略的な断面図である。
【図2b】エンブリオ体を成形する種々の段階の1つにおける、図1の型ツールの線A−Aにおける概略的な断面図である。
【図2c】エンブリオ体を成形する種々の段階の1つにおける、図1の型ツールの線A−Aにおける概略的な断面図である。
【図2d】エンブリオ体を成形する種々の段階の1つにおける、図1の型ツールの線A−Aにおける概略的な断面図である。
【図3】プレス機内で互いに積み重ねられた図2による4つの型ツール10を、各型ツールの両側に温度制御プレートを設けた状態で概略的に示す図である。
【図4a】型ツールの別の実施形態を示す図である。
【図4b】型ツールの別の実施形態を示す図である。
【図4c】型ツールの別の実施形態を示す図である。
【図5】型ツールの更に別の実施形態を示す図である。
【図6a】充填位置に位置決めされた型ツールを示す図である。
【図6b】充填位置に位置決めされた型ツールを示す図である。
【図7】本発明によるプレスシステムの1つの実施形態の概略的な断面図である。
【図8】本発明によるプレスシステムの1つの実施形態の概略的な断面図である。
【図9】本発明によるプレスシステムの1つの実施形態の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
開示する型ツールは、製造プロセスの加熱及び冷却工程中、必要な圧力を型ツールに付与するための本質的に互いに平行なプレス面を有するプレス機内で使用されることが意図されている。プレス機は、在来の大規模設備用プレス機であってもよいし、所望の材料特性を達成するために型キャビティ内に必要とされる圧力を供給することができる任意適当なプレスシステムであってもよい。1つの実施形態によれば、プレス機は、製造プロセス中に型ツールを加熱したり冷却したりする温度制御手段を有する。変形例として、型ツールは、適当な温度制御手段を有していてもよい。
【0015】
図1は、本発明による型ツール10の第1の実施形態の概略的な斜視図である。型ツール10は、第1の型部材20及び第2の型部材30を有している。図1では、型ツール10は、開放状態で示されており、第2の型部材30が第1の型部材20から持ち上げられて上下逆さまにされている。第1の型部材20の凹部50が、型キャビティ容積(以下、これも50として参照する)の一部分を構成し、密封手段40が、第1の型部材20の外周縁に沿って取付けられている。図2a〜図2cは、エンブリオ体を成形する種々の段階における、図1のA−Aに沿った図1の型ツール10の概略的な断面図である。図2a及び図2bから分かるように、第1の型部材20及び第2の型部材30は、プレスシステムのプレス面(図3参照)と垂直な方向に互いに対して相対移動可能であり、密封手段40は、所望の圧力を型キャビティの内側に保つために、相対移動の少なくとも一部分の間、本質的に気密のシールを第1の型部材20と第2の型部材30との間に構成するように配置されている。第1の型部材20と第2の型部材30は一緒に、可変容積の閉鎖した型キャビティ50を包囲し、それを構成する(図2a及び図2bでは、プラスチゾルで充填された型キャビティ50を示す)。
【0016】
開示する例では、型キャビティ50は、平らな矩形パネル形状のエンブリオ体を製造するように形成され、エンブリオ体は、それを形成した後のプロセスの段階において、更に膨張(発泡)させられると共に硬化させられて、優れた機械的性質を有する剛性ポリマーフォーム材料のパネルを形成する。仕上げられる剛性フォーム材料の適用例に応じて、型キャビティは、種々の形状のものであり、かかる形状は、例えば球形、管状、円筒形である。
【0017】
開示する実施形態によれば、第1の型部材20及び第2の型部材30はそれぞれ、それぞれのプレス面(図3参照)と平行であり且つそれに隣接して配置される主壁60,70を有している。第1の型部材20は、主壁60を包囲し且つそれと本質的に垂直である側壁80を有し、側壁80の外周90は、密封手段40が取付けられる第1の型部材20の外周縁を含んでいる。
【0018】
第2の型部材30は、第1の型部材の外周縁90に近接し且つそれを包囲するリム100を有し、密封手段40は、リム100と外周縁90との間に形成される隙間を密封するように配置されている。
【0019】
上述したように、図2aでは、型キャビティ50にプラスチゾルが充填される。型キャビティ50にプラスチゾルを充填したときに第1の型部材20と第2の型部材30の間に捕捉された空気の排出を達成するために、開示する実施形態において上に位置する第2の型部材30は、小さい排気開口部180を有している。排気開口部180は、空気を通すことが可能であるが、プラスチゾルが型キャビティ50から逃げることを阻止するように形成されている。1つの実施形態によれば、排気開口部180が非常に小さいので、プラスチゾル自体が、その高い粘度により、排気開口部を閉鎖し、それにより、少量のプラスチゾルが型ツールから漏れることが可能であるに過ぎない。しかしながら、その他の種類の自動閉鎖式の排気開口部、例えば弁形式の開口部を用いてもよく、この場合、プラスチゾルは、開口部を閉鎖するように弁体に作用する。エンブリオ体110を型部材20,30から取出すことを容易にするために、排気開口部は、ゼラチン化したエンブリオ体が型部材の中で動けなくなることを回避するように形成される。エンブリオ体が動けなくなることを回避する1つの仕方は、型ツールチャンバに開口する広い端部と型ツールの外部に開口する小さい頂部開口とを有する円錐形の排気開口部を作ることである。後で示すように、型ツール10は、互いに平行なプレス平面を有するプレスシステムに使用されるように構成され、それにより、小さい頂部開口は、開口面積を更に減少させるようにプレス平面によって覆われる。上述したように、成形プロセスは、閉鎖した型ツール内でプラスチゾルを加熱する工程を有し、それにより、プラスチゾルの熱膨張(発泡)及びその中に溶解している発泡剤の活性化によって、高圧を生じさせる。プラスチゾルを高い温度に所定の時間にわたって保ち、それにより、プラスチゾルがゼラチン化させ、その後、型ツールからのエンブリオ体110の取出しを可能にするのに十分に低い温度まで型ツール10を冷却する。図2bは、製造プロセスの加熱工程後における型ツール10を示し、この図において、型キャビティ容積は、プラスチゾル混合物の種類及び使用されるプロセスパラメータに応じて、充填容積よりも5〜20パーセント増大させられる。図2cは、第2の型部材を第1の部材から持ち上げたときの型ツールを示し、この図において、圧縮されたエンブリオ体110は、内部膨張力により型ツール10から飛び出し始め、また、図2dは、エンブリオ体が第1の型部材20から飛び出した後の弛緩したエンブリオ体を示す。図2b〜図2dでは、第1の型部材20と第2の型部材30との間に生じる相対移動は、図示の目的で誇張され、このため、側壁80の上面と第2の型部材の主壁70との間に形成された過剰の材料120は、除去されなければならない相当な量の無駄な材料を表している。しかしながら、生産規模の型ツール10では、過剰な材料120は、従来許容されていた漏れ容量である8%よりも少ない。排気開口部180は、ゼラチン化エンブリオ体の上に、ニップル又は突起190を形成し、ニップル190は、過剰な材料120と一緒に除去される。
【0020】
可変容積キャビティを備えた従来のプランジャ式の型ツールと比較すると、開示している実施形態は、全ての主壁60,70が薄く作られ、結果的に得られる型ツールの高さができるだけ低く保たれ、それにより、多数の型ツール10を所定寸法(高さ)の1台のプレス機で処理することができる。さらに、薄い主壁60,70により、型キャビティ50内のより正確な温度制御を促進し、このことは、非常に重要である。従って、生じた過剰な材料120を補償する。さらに、エンブリオ体110の少なくとも一部分が上方に延び、しかも、それが側壁80の上面を越える事実により、エンブリオ体110はそれ自体、型ツールを開くやいなや、型ツールから自動的に飛び出る傾向があり、これは、従来のプランジャ式の型ツールで常に起こるわけではない。
【0021】
図3は、図2による4つの型ツール10を概略的に示しており、型ツールは、プレス機130内で互いに積み重ねられ、温度制御プレート140が、各型ツール10の両方の側に配置されている。プレス機130は、所望の圧力を型ツールの積み重ね体に加えることができる任意の形式のプレス機であるのがよい。温度制御プレート140は、加熱/冷却媒体のための導管150を有する。この図から、温度制御と型ツールの全高の両面に関し、薄い主壁60,70の利点が明らかである。1つのプレス機130内に同時に積み重ねることができる型ツール10の数は、膨張(発泡)プロセス後に型ツールをプレス機から取出すのに必要な高さに対するプレス機の開放高さによって制限される。1つの実施形態では、エンブリオ体110は、それがプレス機130内に依然として位置しているときに型ツール10から取出され、これは、図2dから分かるように、かなりの量の空間を第1の型部材20の上方に必要とする。別の実施形態では、型ツール10をプレス機130から取出した後、型ツール10を開放し、エンブリオ体110を飛び出させる。
【0022】
型部材20,30は、適当な熱伝導率を有する任意適当な剛性材料で構成されるのがよい。かかる材料は、例えば、金属で構成され、かかる金属は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼である。変形例又は組合せ例として、かかる材料は、繊維強化プラスチック複合材料で構成されてもよい。
【0023】
図4a〜図4cは、更に別の実施形態を示しており、この実施形態でも、第2の型部材30は、初期充填容積50の一部分を構成し、かくして、第1の型部材20と同じ仕方で主壁70を包囲する側壁150を有している。第2の型部材30のリム100は、側壁150の延長部として形成されている。上述した実施形態と比べると、この型ツール10は、閉鎖位置で充填されなければならないが、後で説明するように、型ツールを閉鎖状態で充填することは、第1の型部材を開放状態で充填した後で第2の型部材を第1の型部材の上に置くこととよりも、幾つかの側面において有利である。
【0024】
成形プロセス中における型ツール内の高圧、即ち、200気圧(200atm;0.02MPa)までの圧力及びそれを超える圧力のため、型部材20,30の側壁80,150は、好ましくは、外周縁90とリム100との間の隙間の寸法を保つよう設計される。1つの実施形態によれば、側壁80、150は、外周縁90とリム100との間の隙間の減少が200気圧(200atm;0.02MPa)の内圧において25%未満、好ましくは20%未満、最も好ましくは15%未満であるように寸法決めされる。
【0025】
図5は、型ツールの一例を示しており、側壁80の下側部分は、それに働く高圧に対して著しい変形無しに耐えるために大きい断面幅を有しているが、側壁80の上側部分85は、生じる過剰な材料120を最小にするために下側部分よりも薄い。
【0026】
成形中、プラスチゾルは、隙間内の密封手段40に接触してそれに高圧を付与する。密封手段40を適所に保持するために、外周縁90は、密封手段40を保持するように形成されている。プラスチゾルと密封手段40の幾つかの組合せに関し、密封手段40の材料特性及び/又は物理的形状により、プラスチゾルは、密封手段40に強力に接着する。幾つかの実施形態では、エンブリオ体110への密封手段40の接着及び/又は高圧に起因する密封手段40の劣化等により、密封手段40を各成形サイクル後に交換しなければならないことがある。図2bに示すように、密封手段40が成形後のエンブリオ体110と一緒に型部材20から分離されるように、外周縁90及び密封手段40を形成することによって、密封手段を取外す工程が省略される。開示している型ツール10で製造されるエンブリオ体110は、成形後に過剰な材料120を取除く必要があるので、エンブリオ体に付着している密封手段40は、過剰な材料を取除くプロセスで取外される。
【0027】
1つの実施形態によれば、密封手段40は、エラストマー密封部材を含み、エラストマー密封部材は、例えば、ゴム、シリコーンで構成される。図面に示すよう、エラストマー密封材料は、円形断面形状を有していてもよいし、変形例として、所望の密封効果を達成するよう1つ又は2つ以上の隆起部を有してもよい。
【0028】
エンブリオ体の表面欠陥を回避するために、成形サイクルを開始する前、本質的に全ての空気を型ツール10から排気することが非常に重要である。型ツール10内への空気の取り込みを回避するために、排気出口160が、型ツールを充填位置に位置決めしているときに型キャビティ50の最高点のところに又はその近くに配置されるのがよい。図6aは、プラスチゾル入口170及び排気出口160を有する型ツール10を示す。図6aでは、型ツール10は、充填位置に位置決めされ、充填位置の型ツール10は、排気出口160が型キャビティ50の最高点のところに位置するよう傾けられる。プラスチゾル入口170は、型キャビティ50の下側領域に配置されるのがよいけれども、プラスチゾルの粘度に応じて、型キャビティ50の中間位置に配置されてもよいし、上側位置にさえ配置されてもよい。図6bは、矩形の型キャビティ50の概略図であり、矩形の型キャビティは、プラスチゾルの粘度と無関係に型キャビティの完全な排気を確保するために、排気出口160が最も上のコーナーのところに位置し且つプラスチゾル入口170が最も下のコーナーのところに位置するように位置決めされている。型キャビティを完全に充填したと、プラスチゾル入口170及び排気出口160は、気密に閉じられる。
【0029】
上述したように、成形プロセス中のプラスチゾルの膨張は、5%〜20%であり、この成形プロセス中、高圧が型ツール内に保たれることが重要である。しかしながら、或る環境下では、型ツール内に生じる圧力が、不適当なプラスチゾルの混合又は過剰充填により、極端なレベルに達することがある。1つの実施形態によれば、型ツールは、移動可能な型部材が予め決められた値の型キャビティ50容積を充填容積に対して6%〜20%増加したときに本質的に気密の効果を発揮するように設計され、その後、気密効果は、型キャビティ内の過剰圧力を回避するために低下されるように構成される。変形実施形態によれば、気密効果は、徐々に低下される。更に、型部材のうちの一方は、調節可能な膨張限度を付与するように設計されるのがよい。
【0030】
平らなパネルを製造するとき、成形中、移動可能な型部材20,30が互いに平行に保たれることが望ましい。互いに平行でない表面の場合、成形されたパネルを、主要な表面が互いに平行になるよう機械加工しなければならず、それにより、追加の無駄な材料が生じる。図7〜図9に開示する1つの実施形態によれば、上述した可変容積の多数の型ツール10を用いて剛性発泡ポリマーエンブリオ体を製造するプレスシステム130が提供される。プレスシステム130は、本質的に互いに平行な主プレス面130a,130bと、複数の中間温度制御プレート140とを有している。プレスシステム130は、型ツール10を温度制御プレート140の間に交互に受入れるように構成され、また、プレスシステム130は、全ての型ツール10について互いに平行なプレス面を構成するために、成形プロセス中、温度制御プレート140を互いに平行に保つように構成された平行化手段200を有している。平行化手段200は、プレスシステム130内の全ての型ツールについて互いに平行なプレス面が達成される限り、様々な種類のものであってよい。図7に開示する実施形態によれば、平行化手段は、対称に配置された3つ又は4つ以上の圧縮ばね部材210を有し、圧縮ばね部材210は、温度制御プレート140の各対の間に位置する。圧縮ばね部材210は、平均化された反力が達成されるように、且つ、全ての温度制御プレート140が互いに平行に保たれるように、選択され且つ配置され、従って、圧縮ばね部材は、文字通り、対称に配置される。図8に開示する実施形態によれば、平行化手段は、温度制御プレート140に設けられた細長いガイド220及びそれに係合したガイドブロック230を有している。図9に開示する実施形態は、対称に配置された3つ又は4つ以上の移動制限部材240を有し、移動制限部材240は、温度制御プレート140の各対の間に設けられている。移動制限部材240は、各移動制限部材240における局所移動によって増大する反力の付与によって予め決められた箇所を越える温度制御プレートの連続移動を阻止するように形成されている。図9に開示する実施形態によれば、各移動制限部材240は、温度制御プレート140の頂面に取付けられたねじ山付きボルト250と、隣接した温度制御プレート140の底面に上向きに取付けられたスリーブ260とによって構成されている。ねじ山付きボルト250は、その上端部にフランジ270を有し、スリーブは、その下端部に内側フランジ280を有している。スリーブ260は、それがボルト250の上端部を包囲するように配置され、圧縮ばね290が、ボルトのフランジ270とスリーブの内側フランジ280との間に配置されている。圧縮ばね290は、温度制御プレートを互いに平行に保つことが必要とされる反力を提供するように選択される。ボルトをねじ込むことにより、制限特性を調節することが可能であり、最終の型ツール容積を変化させることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、型ツールに関し、より詳細には、本発明は、剛性発泡ポリマーエンブリオ体を製造するために、本質的に互いに平行なプレス面を有するプレス機内に配置される型ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、PVCを主成分とする剛性発泡ポリマー材料が、主として海軍又は空軍分野におけるサンドイッチ構造内のコア材料として、又は、建築分野における断熱材/防音材として広く用いられている。サンドイッチ構造では、コアは、構造的により剛性である2つの材料、例えば繊維強化プラスチック(FRP)、金属等を分離する。かかるサンドイッチ構造は、従来の単層構造と比較して、多くの利点を有し、かかる利点は、例えば、軽量であること、断熱/防音特性が優れていることである。他の剛性発泡ポリマー材料、例えば発泡ポリウレタン等は、能率的な連続押出し法を使用することによって製造されるけれども、PVCを主成分とする剛性発泡ポリマー材料の製造は、部分的に発泡した不連続の物体(以下、エンブリオ体(embryo body)という)をプレス機内において高圧下で成形することを含む。引き続いて、エンブリオ体を化学的物理的に処理して、剛性発泡ポリマー材料を得る。
【0003】
より詳細には、PVCを主成分とする剛性発泡ポリマー材料の製造プロセスは、粉末(PVC及びその他の化合物)と液体物質(特に、イソシアネート)の混合物からなるプラスチゾルペーストを形成することを最初に含む。ペーストを、閉鎖した型キャビティ内に充填し、高圧下で加熱プロセス及びそれに引き続く冷却プロセスを行い、部分的に膨張(発泡)したエンブリオ体を生じさせる。次に、エンブリオ体を、水及び/又はスチームオーブン内で追加の熱処理によって更に膨張(発泡)。最終の剛性発泡材料の形成は、材料中に存在するイソシアネート基の加水分解反応の結果であり、引き続いて、化学構造を架橋するポリマーが生じる。
【0004】
現在、エンブリオ体を製造する方法は、各型に、最終製品中のポリマー含有量よりも過剰な量のペーストを充填することを含む。このため、過剰な量のペーストは、成形プロセス中、型から漏れ出ることが可能である。成形プロセスは、プラスチゾルを、閉鎖した型内で加熱することを含み、それにより、プラスチゾルの熱膨張(発泡)及びその中に溶解している発泡剤の活性化によって、高圧を生じさせる。この膨張(発泡)工程中、過剰な量のペーストは、漏れ出ることが可能である。プラスチゾルは、予め定められた時間、高温に保たれ、それにより、エンブリオ体を型から取出すのに十分に低い温度まで型キャビティを冷却させた後で、プラスチゾルがゼラチン化することが可能である。過剰な量のペーストは、型から離れる製品の約8%の重量に等しい。
【0005】
過剰なペーストは、型の一番上の縁から出る。PVCがゼラチン化し、いくらかの発泡剤物質が高温で劣化するので、結果的に、回収できない無駄な材料がある。
【0006】
米国特許第6,352,421号(オリバー・ジアコーマ(Olivier Giacoma);2000年2月15日出願)は、加熱工程中、ペーストが型から逃げる問題を解決し、かかる問題は、加熱工程中に過剰なペーストが供給される2次的な型コンパートメントを設け、少量の過剰なペーストが2次的な型コンパートメントから周囲の無駄材料収集溝内に逃げることを可能にすることによって解決される。この開示された方法によれば、ペーストが1次的な型ツールコンパートメント内の一番上まで充填され、加熱工程中、ペーストが約8%膨張し、過剰なペーストが連結溝によって2次的なコンパートメントに供給される。2次的なコンパートメントは、1次的なコンパートメントの容積の8%よりも僅かに小さい容積を有する。そのため、無駄なペーストの量は、2次的なコンパートメントの容積の約8%まで減少し、これは、1次的なコンパートメントの容積の約0.64%に等しい。
【0007】
米国特許第2,768,407号(リンデマン(Lindemann);1950年12月5日出願)は、独立気泡セル体を熱可塑性マスから製造することに関する。従来技術の問題は、加熱段階中、発泡剤を含有したマスで充たされた型を完全に密封された状態に保つことが事実上不可能であることであるといわれている。この問題の解決策が提案されており、それは、ガスを圧力下でマスの中に溶解させ、マスを完全にゼラチン化した後、型の容量を元の容量の1/5〜2/5だけ拡張させることによる。移動可能なダイを有する型の使用が提案され、発泡剤の分解を遅らせると共にガスを溶解させるために、高い圧力、例えば150〜300気圧(バール)(0.015〜0.03MPa)を付与することが必要であるといわれている。また、適当な熱可塑性樹脂は、ポリ塩化ビニルを含むということがいわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6352421号明細書
【特許文献2】米国特許第2768407号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、従来技術の欠点を解決する剛性発泡ポリマーエンブリオ体を製造するための新しい型ツールを提供することにある。これは、特許請求の範囲の独立請求項に記載された型ツールによって達成される。
【0010】
全ての材料製造プロセスの場合と同様、剛性発泡ポリマー材料を製造する際にエンブリオ体を成形する重要な要素は、例えば、材料消費量、エネルギー消費量、作業の流れ、及びスループット時間である。提案された型ツールは、これら要素のうちの少なくとも1つに関して、従来技術よりも優れている。
【0011】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲の従属請求項に定められている。
【0012】
以下の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による型ツールの第1の実施形態の概略的な斜視図である。
【図2a】エンブリオ体を成形する種々の段階の1つにおける、図1の型ツールの線A−Aにおける概略的な断面図である。
【図2b】エンブリオ体を成形する種々の段階の1つにおける、図1の型ツールの線A−Aにおける概略的な断面図である。
【図2c】エンブリオ体を成形する種々の段階の1つにおける、図1の型ツールの線A−Aにおける概略的な断面図である。
【図2d】エンブリオ体を成形する種々の段階の1つにおける、図1の型ツールの線A−Aにおける概略的な断面図である。
【図3】プレス機内で互いに積み重ねられた図2による4つの型ツール10を、各型ツールの両側に温度制御プレートを設けた状態で概略的に示す図である。
【図4a】型ツールの別の実施形態を示す図である。
【図4b】型ツールの別の実施形態を示す図である。
【図4c】型ツールの別の実施形態を示す図である。
【図5】型ツールの更に別の実施形態を示す図である。
【図6a】充填位置に位置決めされた型ツールを示す図である。
【図6b】充填位置に位置決めされた型ツールを示す図である。
【図7】本発明によるプレスシステムの1つの実施形態の概略的な断面図である。
【図8】本発明によるプレスシステムの1つの実施形態の概略的な断面図である。
【図9】本発明によるプレスシステムの1つの実施形態の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
開示する型ツールは、製造プロセスの加熱及び冷却工程中、必要な圧力を型ツールに付与するための本質的に互いに平行なプレス面を有するプレス機内で使用されることが意図されている。プレス機は、在来の大規模設備用プレス機であってもよいし、所望の材料特性を達成するために型キャビティ内に必要とされる圧力を供給することができる任意適当なプレスシステムであってもよい。1つの実施形態によれば、プレス機は、製造プロセス中に型ツールを加熱したり冷却したりする温度制御手段を有する。変形例として、型ツールは、適当な温度制御手段を有していてもよい。
【0015】
図1は、本発明による型ツール10の第1の実施形態の概略的な斜視図である。型ツール10は、第1の型部材20及び第2の型部材30を有している。図1では、型ツール10は、開放状態で示されており、第2の型部材30が第1の型部材20から持ち上げられて上下逆さまにされている。第1の型部材20の凹部50が、型キャビティ容積(以下、これも50として参照する)の一部分を構成し、密封手段40が、第1の型部材20の外周縁に沿って取付けられている。図2a〜図2cは、エンブリオ体を成形する種々の段階における、図1のA−Aに沿った図1の型ツール10の概略的な断面図である。図2a及び図2bから分かるように、第1の型部材20及び第2の型部材30は、プレスシステムのプレス面(図3参照)と垂直な方向に互いに対して相対移動可能であり、密封手段40は、所望の圧力を型キャビティの内側に保つために、相対移動の少なくとも一部分の間、本質的に気密のシールを第1の型部材20と第2の型部材30との間に構成するように配置されている。第1の型部材20と第2の型部材30は一緒に、可変容積の閉鎖した型キャビティ50を包囲し、それを構成する(図2a及び図2bでは、プラスチゾルで充填された型キャビティ50を示す)。
【0016】
開示する例では、型キャビティ50は、平らな矩形パネル形状のエンブリオ体を製造するように形成され、エンブリオ体は、それを形成した後のプロセスの段階において、更に膨張(発泡)させられると共に硬化させられて、優れた機械的性質を有する剛性ポリマーフォーム材料のパネルを形成する。仕上げられる剛性フォーム材料の適用例に応じて、型キャビティは、種々の形状のものであり、かかる形状は、例えば球形、管状、円筒形である。
【0017】
開示する実施形態によれば、第1の型部材20及び第2の型部材30はそれぞれ、それぞれのプレス面(図3参照)と平行であり且つそれに隣接して配置される主壁60,70を有している。第1の型部材20は、主壁60を包囲し且つそれと本質的に垂直である側壁80を有し、側壁80の外周90は、密封手段40が取付けられる第1の型部材20の外周縁を含んでいる。
【0018】
第2の型部材30は、第1の型部材の外周縁90に近接し且つそれを包囲するリム100を有し、密封手段40は、リム100と外周縁90との間に形成される隙間を密封するように配置されている。
【0019】
上述したように、図2aでは、型キャビティ50にプラスチゾルが充填される。型キャビティ50にプラスチゾルを充填したときに第1の型部材20と第2の型部材30の間に捕捉された空気の排出を達成するために、開示する実施形態において上に位置する第2の型部材30は、小さい排気開口部180を有している。排気開口部180は、空気を通すことが可能であるが、プラスチゾルが型キャビティ50から逃げることを阻止するように形成されている。1つの実施形態によれば、排気開口部180が非常に小さいので、プラスチゾル自体が、その高い粘度により、排気開口部を閉鎖し、それにより、少量のプラスチゾルが型ツールから漏れることが可能であるに過ぎない。しかしながら、その他の種類の自動閉鎖式の排気開口部、例えば弁形式の開口部を用いてもよく、この場合、プラスチゾルは、開口部を閉鎖するように弁体に作用する。エンブリオ体110を型部材20,30から取出すことを容易にするために、排気開口部は、ゼラチン化したエンブリオ体が型部材の中で動けなくなることを回避するように形成される。エンブリオ体が動けなくなることを回避する1つの仕方は、型ツールチャンバに開口する広い端部と型ツールの外部に開口する小さい頂部開口とを有する円錐形の排気開口部を作ることである。後で示すように、型ツール10は、互いに平行なプレス平面を有するプレスシステムに使用されるように構成され、それにより、小さい頂部開口は、開口面積を更に減少させるようにプレス平面によって覆われる。上述したように、成形プロセスは、閉鎖した型ツール内でプラスチゾルを加熱する工程を有し、それにより、プラスチゾルの熱膨張(発泡)及びその中に溶解している発泡剤の活性化によって、高圧を生じさせる。プラスチゾルを高い温度に所定の時間にわたって保ち、それにより、プラスチゾルがゼラチン化させ、その後、型ツールからのエンブリオ体110の取出しを可能にするのに十分に低い温度まで型ツール10を冷却する。図2bは、製造プロセスの加熱工程後における型ツール10を示し、この図において、型キャビティ容積は、プラスチゾル混合物の種類及び使用されるプロセスパラメータに応じて、充填容積よりも5〜20パーセント増大させられる。図2cは、第2の型部材を第1の部材から持ち上げたときの型ツールを示し、この図において、圧縮されたエンブリオ体110は、内部膨張力により型ツール10から飛び出し始め、また、図2dは、エンブリオ体が第1の型部材20から飛び出した後の弛緩したエンブリオ体を示す。図2b〜図2dでは、第1の型部材20と第2の型部材30との間に生じる相対移動は、図示の目的で誇張され、このため、側壁80の上面と第2の型部材の主壁70との間に形成された過剰の材料120は、除去されなければならない相当な量の無駄な材料を表している。しかしながら、生産規模の型ツール10では、過剰な材料120は、従来許容されていた漏れ容量である8%よりも少ない。排気開口部180は、ゼラチン化エンブリオ体の上に、ニップル又は突起190を形成し、ニップル190は、過剰な材料120と一緒に除去される。
【0020】
可変容積キャビティを備えた従来のプランジャ式の型ツールと比較すると、開示している実施形態は、全ての主壁60,70が薄く作られ、結果的に得られる型ツールの高さができるだけ低く保たれ、それにより、多数の型ツール10を所定寸法(高さ)の1台のプレス機で処理することができる。さらに、薄い主壁60,70により、型キャビティ50内のより正確な温度制御を促進し、このことは、非常に重要である。従って、生じた過剰な材料120を補償する。さらに、エンブリオ体110の少なくとも一部分が上方に延び、しかも、それが側壁80の上面を越える事実により、エンブリオ体110はそれ自体、型ツールを開くやいなや、型ツールから自動的に飛び出る傾向があり、これは、従来のプランジャ式の型ツールで常に起こるわけではない。
【0021】
図3は、図2による4つの型ツール10を概略的に示しており、型ツールは、プレス機130内で互いに積み重ねられ、温度制御プレート140が、各型ツール10の両方の側に配置されている。プレス機130は、所望の圧力を型ツールの積み重ね体に加えることができる任意の形式のプレス機であるのがよい。温度制御プレート140は、加熱/冷却媒体のための導管150を有する。この図から、温度制御と型ツールの全高の両面に関し、薄い主壁60,70の利点が明らかである。1つのプレス機130内に同時に積み重ねることができる型ツール10の数は、膨張(発泡)プロセス後に型ツールをプレス機から取出すのに必要な高さに対するプレス機の開放高さによって制限される。1つの実施形態では、エンブリオ体110は、それがプレス機130内に依然として位置しているときに型ツール10から取出され、これは、図2dから分かるように、かなりの量の空間を第1の型部材20の上方に必要とする。別の実施形態では、型ツール10をプレス機130から取出した後、型ツール10を開放し、エンブリオ体110を飛び出させる。
【0022】
型部材20,30は、適当な熱伝導率を有する任意適当な剛性材料で構成されるのがよい。かかる材料は、例えば、金属で構成され、かかる金属は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼である。変形例又は組合せ例として、かかる材料は、繊維強化プラスチック複合材料で構成されてもよい。
【0023】
図4a〜図4cは、更に別の実施形態を示しており、この実施形態でも、第2の型部材30は、初期充填容積50の一部分を構成し、かくして、第1の型部材20と同じ仕方で主壁70を包囲する側壁150を有している。第2の型部材30のリム100は、側壁150の延長部として形成されている。上述した実施形態と比べると、この型ツール10は、閉鎖位置で充填されなければならないが、後で説明するように、型ツールを閉鎖状態で充填することは、第1の型部材を開放状態で充填した後で第2の型部材を第1の型部材の上に置くこととよりも、幾つかの側面において有利である。
【0024】
成形プロセス中における型ツール内の高圧、即ち、200気圧(200atm;0.02MPa)までの圧力及びそれを超える圧力のため、型部材20,30の側壁80,150は、好ましくは、外周縁90とリム100との間の隙間の寸法を保つよう設計される。1つの実施形態によれば、側壁80、150は、外周縁90とリム100との間の隙間の減少が200気圧(200atm;0.02MPa)の内圧において25%未満、好ましくは20%未満、最も好ましくは15%未満であるように寸法決めされる。
【0025】
図5は、型ツールの一例を示しており、側壁80の下側部分は、それに働く高圧に対して著しい変形無しに耐えるために大きい断面幅を有しているが、側壁80の上側部分85は、生じる過剰な材料120を最小にするために下側部分よりも薄い。
【0026】
成形中、プラスチゾルは、隙間内の密封手段40に接触してそれに高圧を付与する。密封手段40を適所に保持するために、外周縁90は、密封手段40を保持するように形成されている。プラスチゾルと密封手段40の幾つかの組合せに関し、密封手段40の材料特性及び/又は物理的形状により、プラスチゾルは、密封手段40に強力に接着する。幾つかの実施形態では、エンブリオ体110への密封手段40の接着及び/又は高圧に起因する密封手段40の劣化等により、密封手段40を各成形サイクル後に交換しなければならないことがある。図2bに示すように、密封手段40が成形後のエンブリオ体110と一緒に型部材20から分離されるように、外周縁90及び密封手段40を形成することによって、密封手段を取外す工程が省略される。開示している型ツール10で製造されるエンブリオ体110は、成形後に過剰な材料120を取除く必要があるので、エンブリオ体に付着している密封手段40は、過剰な材料を取除くプロセスで取外される。
【0027】
1つの実施形態によれば、密封手段40は、エラストマー密封部材を含み、エラストマー密封部材は、例えば、ゴム、シリコーンで構成される。図面に示すよう、エラストマー密封材料は、円形断面形状を有していてもよいし、変形例として、所望の密封効果を達成するよう1つ又は2つ以上の隆起部を有してもよい。
【0028】
エンブリオ体の表面欠陥を回避するために、成形サイクルを開始する前、本質的に全ての空気を型ツール10から排気することが非常に重要である。型ツール10内への空気の取り込みを回避するために、排気出口160が、型ツールを充填位置に位置決めしているときに型キャビティ50の最高点のところに又はその近くに配置されるのがよい。図6aは、プラスチゾル入口170及び排気出口160を有する型ツール10を示す。図6aでは、型ツール10は、充填位置に位置決めされ、充填位置の型ツール10は、排気出口160が型キャビティ50の最高点のところに位置するよう傾けられる。プラスチゾル入口170は、型キャビティ50の下側領域に配置されるのがよいけれども、プラスチゾルの粘度に応じて、型キャビティ50の中間位置に配置されてもよいし、上側位置にさえ配置されてもよい。図6bは、矩形の型キャビティ50の概略図であり、矩形の型キャビティは、プラスチゾルの粘度と無関係に型キャビティの完全な排気を確保するために、排気出口160が最も上のコーナーのところに位置し且つプラスチゾル入口170が最も下のコーナーのところに位置するように位置決めされている。型キャビティを完全に充填したと、プラスチゾル入口170及び排気出口160は、気密に閉じられる。
【0029】
上述したように、成形プロセス中のプラスチゾルの膨張は、5%〜20%であり、この成形プロセス中、高圧が型ツール内に保たれることが重要である。しかしながら、或る環境下では、型ツール内に生じる圧力が、不適当なプラスチゾルの混合又は過剰充填により、極端なレベルに達することがある。1つの実施形態によれば、型ツールは、移動可能な型部材が予め決められた値の型キャビティ50容積を充填容積に対して6%〜20%増加したときに本質的に気密の効果を発揮するように設計され、その後、気密効果は、型キャビティ内の過剰圧力を回避するために低下されるように構成される。変形実施形態によれば、気密効果は、徐々に低下される。更に、型部材のうちの一方は、調節可能な膨張限度を付与するように設計されるのがよい。
【0030】
平らなパネルを製造するとき、成形中、移動可能な型部材20,30が互いに平行に保たれることが望ましい。互いに平行でない表面の場合、成形されたパネルを、主要な表面が互いに平行になるよう機械加工しなければならず、それにより、追加の無駄な材料が生じる。図7〜図9に開示する1つの実施形態によれば、上述した可変容積の多数の型ツール10を用いて剛性発泡ポリマーエンブリオ体を製造するプレスシステム130が提供される。プレスシステム130は、本質的に互いに平行な主プレス面130a,130bと、複数の中間温度制御プレート140とを有している。プレスシステム130は、型ツール10を温度制御プレート140の間に交互に受入れるように構成され、また、プレスシステム130は、全ての型ツール10について互いに平行なプレス面を構成するために、成形プロセス中、温度制御プレート140を互いに平行に保つように構成された平行化手段200を有している。平行化手段200は、プレスシステム130内の全ての型ツールについて互いに平行なプレス面が達成される限り、様々な種類のものであってよい。図7に開示する実施形態によれば、平行化手段は、対称に配置された3つ又は4つ以上の圧縮ばね部材210を有し、圧縮ばね部材210は、温度制御プレート140の各対の間に位置する。圧縮ばね部材210は、平均化された反力が達成されるように、且つ、全ての温度制御プレート140が互いに平行に保たれるように、選択され且つ配置され、従って、圧縮ばね部材は、文字通り、対称に配置される。図8に開示する実施形態によれば、平行化手段は、温度制御プレート140に設けられた細長いガイド220及びそれに係合したガイドブロック230を有している。図9に開示する実施形態は、対称に配置された3つ又は4つ以上の移動制限部材240を有し、移動制限部材240は、温度制御プレート140の各対の間に設けられている。移動制限部材240は、各移動制限部材240における局所移動によって増大する反力の付与によって予め決められた箇所を越える温度制御プレートの連続移動を阻止するように形成されている。図9に開示する実施形態によれば、各移動制限部材240は、温度制御プレート140の頂面に取付けられたねじ山付きボルト250と、隣接した温度制御プレート140の底面に上向きに取付けられたスリーブ260とによって構成されている。ねじ山付きボルト250は、その上端部にフランジ270を有し、スリーブは、その下端部に内側フランジ280を有している。スリーブ260は、それがボルト250の上端部を包囲するように配置され、圧縮ばね290が、ボルトのフランジ270とスリーブの内側フランジ280との間に配置されている。圧縮ばね290は、温度制御プレートを互いに平行に保つことが必要とされる反力を提供するように選択される。ボルトをねじ込むことにより、制限特性を調節することが可能であり、最終の型ツール容積を変化させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛性発泡ポリマーエンブリオ体を製造するために、本質的に互いに平行なプレス面を備有するプレス機内に配置される型ツールであって、
前記プレス面に対して垂直な方向に互いに対して相対移動可能な第1の型部材及び第2の型部材と、
前記相対移動の少なくとも一部分の間、前記第1の型部材と前記第2の型部材との間の本質的に気密なシールを構成する密封手段と、を有し、前記密封手段は、可変容積の閉鎖した型キャビティを構成し、
前記第1の型部材は、前記型キャビティの容積の少なくとも一部を定めると共に、外周縁を有し、前記第2の型部材は、前記第1の型部材の前記外周縁に近接してそれを包囲するリムを有し、前記密封手段は、前記リムと前記外周縁との間に形成される隙間に配置される、型ツール。
【請求項2】
成形すべき前記エンブリオ体は、平らなパネルとして形成され、
前記第1の型部材及び前記第2の型部材の各々は、前記プレス面と平行であり且つそれぞれの前記プレス面に隣接して配置される主壁を有し、
前記第1の型部材は、本質的に垂直であり且つ前記第1の型部材の主壁を包囲する側壁を有し、前記側壁の外周は、前記外周縁を含む、請求項1に記載の型ツール。
【請求項3】
前記第1の型部材及び前記第2の型部材の主壁は、互いに本質的に同一の熱特性を有する、請求項2に記載の型ツール。
【請求項4】
前記第1の型部材及び前記第2の型部材の主壁は、同じ材料で作られ、本質的に同じ厚さのものである、請求項3に記載の型ツール。
【請求項5】
前記第1の型部材及び前記第2の型部材の主壁は、金属、例えばアルミニウム、ステンレス鋼等で作られる、請求項2〜4の何れか1項に記載の型ツール。
【請求項6】
前記第2の型部材は、前記第2の型部材の主壁を包囲する側壁を有し、前記リムは、前記第2の型部材の側壁の延長部として形成される、請求項2〜5の何れか1項に記載の型ツール。
【請求項7】
前記第1の型部材及び前記第2の型部材の側壁の一方又は両方は、前記外周縁と前記リムとの間の隙間の減少が200気圧の内圧において25%未満、好ましくは20%未満、最も好ましくは15%未満であるように寸法決めされる、請求項2〜6の何れか1項に記載の型ツール。
【請求項8】
前記外周縁は、前記密封手段を保持するよう形成される、請求項1〜7の何れか1項に記載の型ツール。
【請求項9】
前記外周縁は、成形圧力に晒されたときに前記密封手段を支持するように形成されると共に、成形後の前記エンブリオ体に前記密封手段が取付けられ且つ前記密封手段と成形後の前記エンブリオ体とが一緒に取外されることを可能にするように形成される、請求項8に記載の型ツール。
【請求項10】
前記密封手段は、エラストマー密封部材を含む、請求項1〜9の何れか1項に記載の型ツール。
【請求項11】
前記エラストマー密封部材は、ゴム製Oリングである、請求項10に記載の型ツール。
【請求項12】
前記型ツールが充填位置に位置決めされているとき、排気出口が、前記型キャビティの最高点のところに又はその近くに配置される、請求項1〜11の何れか1項に記載の型ツール。
【請求項13】
剛性発泡ポリマー製エンブリオ体を製造するために、可変容積の閉鎖した型キャビティを有する型ツールであって、
少なくとも1つの静止部材と、少なくとも1つの移動可能な部材と、を有し、前記少なくとも1つの移動可能な部材は、成形中、前記型キャビティの容積を変化させることが可能であり、
更に、密封手段を有し、前記密封手段は、予め決められた値の前記型キャビティの容積が充填容積に対して6%〜20%増加したときに前記静止部材と前記移動可能な部材との間の本質的に気密のシールを構成し、その後、気密の効果が、前記型キャビティ内の過剰圧力を回避するために低下されるように構成される、型ツール。
【請求項14】
前記気密の効果は、徐々に低下する、請求項13に記載の型ツール。
【請求項15】
剛性発泡ポリマーエンブリオ体を製造するプレスシステムであって、
本質的に互いに平行なプレス面と、
前記プレス面の間に配置された複数の温度制御プレートと、を有し、
前記プレスシステムは、請求項1〜14の何れか1項に記載の型ツールが前記温度制御プレートの間に交互に受入れるように構成され、
更に、成形プロセス中、前記温度制御プレートを互いに平行に保つように構成された平行化手段を有する、プレスシステム。
【請求項16】
前記平行化手段は、前記温度制御プレートに設けられた細長いガイド及びそれに係合するガイドブロックを含む、請求項15に記載のプレスシステム。
【請求項17】
前記平行化手段は、3つ又は4つ以上の圧縮ばね部材を含み、前記圧縮ばね部材は、前記温度制御プレートの各対の間に対称に配置される、請求項15に記載のプレスシステム。
【請求項18】
前記平行化手段は、3つ又は4つ以上の移動制限部材を含み、前記移動制限部材は、前記温度制御プレートの各対の間に対称に配置される、請求項15に記載のプレスシステム。
【請求項1】
剛性発泡ポリマーエンブリオ体を製造するために、本質的に互いに平行なプレス面を備有するプレス機内に配置される型ツールであって、
前記プレス面に対して垂直な方向に互いに対して相対移動可能な第1の型部材及び第2の型部材と、
前記相対移動の少なくとも一部分の間、前記第1の型部材と前記第2の型部材との間の本質的に気密なシールを構成する密封手段と、を有し、前記密封手段は、可変容積の閉鎖した型キャビティを構成し、
前記第1の型部材は、前記型キャビティの容積の少なくとも一部を定めると共に、外周縁を有し、前記第2の型部材は、前記第1の型部材の前記外周縁に近接してそれを包囲するリムを有し、前記密封手段は、前記リムと前記外周縁との間に形成される隙間に配置される、型ツール。
【請求項2】
成形すべき前記エンブリオ体は、平らなパネルとして形成され、
前記第1の型部材及び前記第2の型部材の各々は、前記プレス面と平行であり且つそれぞれの前記プレス面に隣接して配置される主壁を有し、
前記第1の型部材は、本質的に垂直であり且つ前記第1の型部材の主壁を包囲する側壁を有し、前記側壁の外周は、前記外周縁を含む、請求項1に記載の型ツール。
【請求項3】
前記第1の型部材及び前記第2の型部材の主壁は、互いに本質的に同一の熱特性を有する、請求項2に記載の型ツール。
【請求項4】
前記第1の型部材及び前記第2の型部材の主壁は、同じ材料で作られ、本質的に同じ厚さのものである、請求項3に記載の型ツール。
【請求項5】
前記第1の型部材及び前記第2の型部材の主壁は、金属、例えばアルミニウム、ステンレス鋼等で作られる、請求項2〜4の何れか1項に記載の型ツール。
【請求項6】
前記第2の型部材は、前記第2の型部材の主壁を包囲する側壁を有し、前記リムは、前記第2の型部材の側壁の延長部として形成される、請求項2〜5の何れか1項に記載の型ツール。
【請求項7】
前記第1の型部材及び前記第2の型部材の側壁の一方又は両方は、前記外周縁と前記リムとの間の隙間の減少が200気圧の内圧において25%未満、好ましくは20%未満、最も好ましくは15%未満であるように寸法決めされる、請求項2〜6の何れか1項に記載の型ツール。
【請求項8】
前記外周縁は、前記密封手段を保持するよう形成される、請求項1〜7の何れか1項に記載の型ツール。
【請求項9】
前記外周縁は、成形圧力に晒されたときに前記密封手段を支持するように形成されると共に、成形後の前記エンブリオ体に前記密封手段が取付けられ且つ前記密封手段と成形後の前記エンブリオ体とが一緒に取外されることを可能にするように形成される、請求項8に記載の型ツール。
【請求項10】
前記密封手段は、エラストマー密封部材を含む、請求項1〜9の何れか1項に記載の型ツール。
【請求項11】
前記エラストマー密封部材は、ゴム製Oリングである、請求項10に記載の型ツール。
【請求項12】
前記型ツールが充填位置に位置決めされているとき、排気出口が、前記型キャビティの最高点のところに又はその近くに配置される、請求項1〜11の何れか1項に記載の型ツール。
【請求項13】
剛性発泡ポリマー製エンブリオ体を製造するために、可変容積の閉鎖した型キャビティを有する型ツールであって、
少なくとも1つの静止部材と、少なくとも1つの移動可能な部材と、を有し、前記少なくとも1つの移動可能な部材は、成形中、前記型キャビティの容積を変化させることが可能であり、
更に、密封手段を有し、前記密封手段は、予め決められた値の前記型キャビティの容積が充填容積に対して6%〜20%増加したときに前記静止部材と前記移動可能な部材との間の本質的に気密のシールを構成し、その後、気密の効果が、前記型キャビティ内の過剰圧力を回避するために低下されるように構成される、型ツール。
【請求項14】
前記気密の効果は、徐々に低下する、請求項13に記載の型ツール。
【請求項15】
剛性発泡ポリマーエンブリオ体を製造するプレスシステムであって、
本質的に互いに平行なプレス面と、
前記プレス面の間に配置された複数の温度制御プレートと、を有し、
前記プレスシステムは、請求項1〜14の何れか1項に記載の型ツールが前記温度制御プレートの間に交互に受入れるように構成され、
更に、成形プロセス中、前記温度制御プレートを互いに平行に保つように構成された平行化手段を有する、プレスシステム。
【請求項16】
前記平行化手段は、前記温度制御プレートに設けられた細長いガイド及びそれに係合するガイドブロックを含む、請求項15に記載のプレスシステム。
【請求項17】
前記平行化手段は、3つ又は4つ以上の圧縮ばね部材を含み、前記圧縮ばね部材は、前記温度制御プレートの各対の間に対称に配置される、請求項15に記載のプレスシステム。
【請求項18】
前記平行化手段は、3つ又は4つ以上の移動制限部材を含み、前記移動制限部材は、前記温度制御プレートの各対の間に対称に配置される、請求項15に記載のプレスシステム。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2010−519064(P2010−519064A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549551(P2009−549551)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【国際出願番号】PCT/SE2007/050408
【国際公開番号】WO2008/103093
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(509233460)ディアブ インターナショナル アクチボラゲット (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【国際出願番号】PCT/SE2007/050408
【国際公開番号】WO2008/103093
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(509233460)ディアブ インターナショナル アクチボラゲット (2)
【Fターム(参考)】
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