説明

動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統

【課題】帯域の浪費と不均衡負荷の軽減が可能な動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統を提供する。
【解決手段】無線アクセスポイントAP6、AP7が有線ネットワークに接続したとき、自動的にルート無線アクセスポイントに収束する。各ルート無線アクセスポイントAP6、AP7は動的に、それぞれの唯一性を持った派生グループ同定番号を自動的に形成する。各ルート無線アクセスポイントAP6、AP7を検出した後、それぞれのチャンネルで稼働し、有線ネットワークの初期無線アクセスポイントに節得する前に、ルート無線アクセスポイントAP6、AP7に接続されたとき、自動的にピュア無線アクセスポイントに収束し、接続されたルート無線アクセスポイントAP6、AP7と同様な派生グループ同定番号を形成し、接続されたルート無線アクセスポイントAP6、AP7と合わせて、同じチャンネルで稼働する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の無線ネットワークトポロジイ系統、特に一種の無線ネットワークトポロジイ系統により、動的に高効率、低負荷、かつ、トポロジイが簡単な一つ以上の付属無線ネットワークトポロジイ系統に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワークは有線ネットワークの欠点を補完することが多いため、近年、IEEE802.11無線ネットワーク協定をベースとしてネットワークトポロジイ系統は、もはや今日の無線ネットワーク発展の主な方向となりつつある。
しかしながら、発展趨勢ははっきりしたものの、いかに無線アクセスポイント(Access Point、AP)間の接続構造に基づいた無線ネットワークトポロジイ系統を展開するかが課題である。一方、IEEEは該プロトコールを制定するとき、IEEE802.11が発展の速さを予期しなかったため、IEEE802.11無線ネットワークをベースとしたネットワークトポロジイについて、IEEEはいまだに標準協定が設けられていないばかりでなく、草案のひな型でさえも設けられていない。よって、多くのネットワーク業者は独自の無線ネットワークトポロジイ系統の開発を手がけている。
【0003】
無線ネットワークは有線ネットワークの物理特性との差異が大きい。無線ネットワークが提供可能なサービスは有線ネットワークに異なるほか、有線ネットワークとの整合性について、潜在的な問題が存在しているため、各ネットワーク業者が独自に開発した無線ネットワークトポロジイ系統のほとんどは、利用者のニーズに応えることができない。無線ネットワーク系統に比べて、柔軟性に欠けるほか、ネットワークの構築、トポロジイの形成、保守ないしネットワーク管理面まで、緊急に解決すべき課題は若干残っている。それらの課題は、無線分散式系統(Wireless Distribution System、WDS)で無線ネットワークトポロジイ系統を構築するときに、克服しなければならない問題点でもある。
【0004】
このほか、無線ネットワーク系統の効率は、無線ネットワークトポロジイと密接な関係がある。主な理由として無線媒体は限られた共用資源であり、キャリア検知多重アクセス衝突回避(Carrier sense multiple access with collision avoidance、CSMA/CA)の構造に依存するため、いかに無線帯域の資源を効率的に共用するかが極めて重要である。このほか、干渉及びノイズ問題が無線接続の伝送効率に影響を与えることは、多くの無線ネットワークの関連記載文献から分かるように、一つの無線接続を追加することによって、伝送効率を半減させる。また、無線ネットワークはトポロジイの増大に伴い、最適化がなくなり、ネットワークが長時間ビジー状態でありながら、全体の効率は余りよくない。
【0005】
前記した問題点について、本発明人は特許文献1、特許文献2、及び特許文献3において、無線アクセスポイントにおいて、グループの同定番号をあらかじめ設定すれば、無線ネットワークトポロジイ系統を自動的に形成し、すでに接続された有線ネットワークのルート(root)無線アクセスポイントをハンドシェークすることにより、バックエンドのピュア(pure)無線アクセスポイントを提供できることを開示している。有線ネットワークに接続された他のバックエンドサービスのバックアップ(backup)無線アクセスポイントは、バックアップに備える。これにより、同一グループのピュア無線アクセスポイントは、接続されたルート無線アクセスポイントが継続的に存在するか否かを随時に検出し、ピュア無線アクセスポイントにより、接続されたルート無線アクセスポイントが存在しないことを検出したとき、同一グループで有線ネットワークに接続されたバックアップ無線アクセスポイントのいずれかは、無線ネットワークトポロジイ系統が再度ハンドシェークした後、バックエンドサービスのルート無線アクセスポイントに選択し、前記した課題を解決している。
【0006】
しかしながら、本発明人が前記した特許文献2の実施例3は、無線アクセスポイントAP6と無線アクセスポイントAP7とを同一の有線ネットワークに接続する。そのうち、無線アクセスポイントAP6はルート無線アクセスポイントの役割とし、無線アクセスポイントAP7はバックアップ無線アクセスポイントの役割としてそれぞれ存在する。このとき、無線アクセスポイントAP7は事実上、無線アクセスポイントAP6と同時にバックエンドのピュア無線アクセスポイントの接続を提供しなくても、ループ(loop)の発生を回避できる。ただし、無線アクセスポイントAP6はバックエンドの5つのピュア無線アクセスポイントの流量を負担しなければならない。このため、前記した無線ネットワークトポロジイ系統に以下の解決必要な課題がある。
【0007】
1.有線ネットワークに接続したルート無線アクセスポイントは、バックエンドのピュア無線アクセスポイントにサービスを提供できないため、有線ネットワークに直結したルート無線アクセスポイントはその効率を十分に発揮できないがため、無線ネットワーク全体の効率を低下させる。
2.動的無線ネットワークトポロジイ系統のリンク数は適切な調整がなされていない。つまり、動的無線ネットワークトポロジイ系統の複雑度が高ければ、動的無線ネットワークトポロジイ系統全体の負荷は効率がもっとも良い方法で軽減することができない。
【0008】
3.パケットは無線伝送に必要な無線リンク数が減少されていない。パケットが無線伝送過程に一定程度の相互干渉を受けるため、無線ネットワーク全体の効率を低下する。
4.有線ネットワークに接続された無線アクセスポイント(注:ルート無線アクセスポイントは伝送障害となる装置である)の負荷は有効に軽減できない。動的無線ネットワークトポロジイ系統すべての流量は同じルート無線アクセスポイントを介して、有線ネットワークに伝送するため、動的無線ネットワークトポロジイ系統の負荷の平均化(均衡化)ができない。よって、動的無線ネットワークトポロジイ系統の負荷が重くなる。
5.図1に示す無線ネットワークトポロジイ系統は同じチャンネルで稼働するため、個別のチャンネルは有効に利用できない。
6.無線アクセスポイントにグループ同定番号をあらかじめ設定しなければ、トポロジイ系統を自動形成できない。
【0009】
【特許文献1】中華民国特許第094109930号公報
【特許文献2】中華民国特許第094120743号公報
【特許文献3】中華民国特許第094133467号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
よって、有線ネットワークは同時に複数のルート無線アクセスポイントに接続したとき、無線ネットワークトポロジイ系統を構築するときに、バックエンドのピュア無線アクセスポイントを信号の伝送形態に応じて、それぞれのルート無線アクセスポイントを選択し、簡単な無線ネットワークトポロジイ系統を構築し、無線アクセスポイントのリンク数を簡素化させ、最適な無線ネットワーク伝送効率を実現し、系統負荷と発生しうる干渉を降下することにより、無線ネットワークリンクの最適化を行い、帯域の浪費と不均衡負荷の課題を確実に解決することは、業界が重視し、解決が期待された重要テーマである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記した従来構造の無線アクセスポイントの無線ネットワークトポロジイ系統を追加した後の効率が劣る、帯域の浪費、負荷の不均衡問題に鑑みて、本発明人は長年におけるネットワーク装置と系統開発技術の経験、及び蓄積された専門知識に基づいて、無線アクセスポイントの特性に対し、各種の解決方策を絶えず研究、実験及び改良を重ねた結果、本発明の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統を発明した。それぞれの無線アクセスポイントは、無線分散式系統の稼働モードにおける無線ネットワークメディアの特性に対し、迅速、かつ、自動的に最適化された無線ネットワークトポロジイ系統を構築できるほか、系統の無線アクセスポイントは最適なルートにて、有線ネットワークに接続する。最小の無線接続数を有線ネットワークに接続することで、より良いネットワーク効率のネットワークトポロジイを構築し、負荷の均衡化と流量管理の目的を実現し、高効率、低負荷、トポロジイが簡単な無線ネットワークトポロジイ系統を構築できる。
【0012】
無線ネットワークトポロジイ系統において、すべての無線アクセスポイントはあらかじめ同定番号を振り分ける。すべての無線アクセスポイントは接続されていない、又は接続途中に断ち切られたとき、自動に初期無線アクセスポイント(Init AP)に収束する。これに対して、無線アクセスポイントが有線ネットワークに接続したとき、自動的にルート無線アクセスポイントに収束する。各ルート無線アクセスポイントは動的に、それぞれの唯一性を持った派生グループ同定番号を自動的に形成する。各該ルート無線アクセスポイントを検出した後、それぞれのチャンネルで稼働し、当該無線ネットワークトポロジイ系統は有線ネットワークの初期無線アクセスポイントに節得する前に、ルート無線アクセスポイントに直接又は間接的に接続されたとき、自動的にピュア無線アクセスポイント又はエスケープ無線アクセスポイントに収束し、該ピュア無線アクセスポイント又はエスケープ無線アクセスポイントにより、接続されたルート無線アクセスポイントと同様な派生グループ同定番号を形成し、接続されたルート無線アクセスポイントと合わせて、同じチャンネルで稼働する。これにより、それぞれのルート無線アクセスポイントとそのバックエンドのピュア無線アクセスポイントは、互いに干渉しない付属の無線ネットワークトポロジイ系統を形成し提供することを本発明の主な目的とする。
【0013】
該無線ネットワークトポロジイ系統のうち、有線ネットワークの無線アクセスポイントの初期無線アクセスポイントに接続しないものは、該無線ネットワークトポロジイ系統の現時点における役割の無線アクセスポイントの存在状態により、該存在状態の負荷・流量が最小の無線アクセスポイントを選択し接続する。該初期無線アクセスポイントがルート無線アクセスポイントに直接又は間接的に接続されたとき、グループの同定番号が割りつけられた場合、接続された無線アクセスポイントであらかじめ割りつけた同定番号と同じのとき、自動に該ピュア無線アクセスポイントに収束する。そうでないとき、自動にエスケープ無線アクセスポイントに収束し、各ピュア無線アクセスポイント又はエスケープ無線アクセスポイントのパケットは、同一の派生グループ同定番号を持ったルート無線アクセスポイントのルート無線アクセスポイントのみを介して、有線ネットワークに伝送して、負荷均衡及び流量管理を提供することを本発明のもう一つの目的とする。
(発明の効果)
【0014】
本発明の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統は、無線ネットワークトポロジイ系統のうち、すべての無線アクセスポイントはあらかじめグループの同定番号を振り分け、すべての無線アクセスポイントが接続されていない、又は接続途中に断ち切られたとき、自動に初期無線アクセスポイントに収束する。その後、いずれの初期無線アクセスポイントも有線ネットワークに接続されたとき、該初期無線アクセスポイントは自動にルート無線アクセスポイント(root AP)に収束する。該ルート無線アクセスポイントは自動で、動的に唯一性を持った派生グループ同定番号を形成し、該ルート無線アクセスポイントの派生グループ同定番号と他のルート無線アクセスポイントの派生グループ同定番号と異なる。さらに、該ルート無線アクセスポイントは検出された後、該ルート無線アクセスポイントが稼働するチャンネルと他のルート無線アクセスポイントと異なるほか、周期的に送信(broadcast)し、検出要求(probe request)に従い、パケットの存在状態を報告させる。
【0015】
該無線ネットワークトポロジイ系統のうち該有線ネットワークに接続されていないとき、接続していた他の無線アクセスポイントの検出要求パケットの初期無線アクセスポイント存在のみを受信できる。つまり、受信したすべての検出要求パケットの存在状態に基づいて、そのうち一つの最少負荷・流量の存在状態で構築する無線アクセスポイントを選択し接続を行い、該初期無線アクセスポイントは接続した後に、該初期無線アクセスポイントに割りつけたグループ同定番号と接続された無線アクセスポイントと同じのとき、自動的にピュア無線アクセスポイントに収束し、そうでないとき、自動的にエスケープ無線アクセスポイントに収束する。該ピュア無線アクセスポイント又はエスケープ無線アクセスポイントより自動に生成する派生グループ同定番号は、接続された無線アクセスポイントの派生グループ同定番号に一致し、直接又は間接的に接続されたルート無線アクセスポイントのチャンネルにて稼働する。このほか、該ピュア無線アクセスポイント又はエスケープ無線アクセスポイントは周期的な送信検出要求パケットの存在状態を表明するほか、該ピュア無線アクセスポイント又はエスケープ無線アクセスポイントより検出要求のパケットを発信する。
【0016】
前記した通り、該無線ネットワークトポロジイ系統は、接続された有線ネットワークのルート無線アクセスポイントの数に従い、相対数の付属無線ネットワークトポロジイ系統を構成し、各ルート無線アクセスポイントとそのバックエンドに連結された無線アクセスポイント(ピュア無線アクセスポイントとエスケープ無線アクセスポイントとを含む)とは、それぞれのチャンネルで稼働するため、各付属無線ネットワークトポロジイ系統同士は緩衝しない。各ルート無線アクセスポイントバックエンドに接続された無線アクセスポイントのパケットは、同じ派生グループ同定番号のルート無線アクセスポイントより有線ネットワークに伝送を行ない、均衡負荷と流量管理の目的を実現する。ここに、同じの付属無線ネットワークトポロジイ系統におけるすべての無線アクセスポイント(ルート無線アクセスポイント及びエスケープ無線アクセスポイントを含む)は、同一チャンネルで稼働する。これに対して、初期無線アクセスポイントは全チャンネルを走査し、接続された他の無線アクセスポイント検出要求パケットを取得する。これにより、同一付属無線ネットワークトポロジイ系統におけるすべての無線アクセスポイントは、稼働中のチャンネルより検出要求パケットを発信することにより、該初期無線アクセスポイントが各検出要求パケットを受信できる。
【0017】
本発明において、各付属無線ネットワークトポロジイ系統上すべての無線アクセスポイントはそれぞれに稼働グループ同定番号を有する。そのうち、各該ルート無線アクセスポイントはあらかじめ割りつけたグループ同定番号を該稼働グループ同定番号とし、該ピュア無線アクセスポイント又はエスケープ無線アクセスポイントの稼働グループ同定番号は、接続されたルート無線アクセスポイントの稼働グループ同定番号と同じである。
【0018】
なお、各種のネットワーク装置とも媒体アクセス制御アドレス(medium access control address、MAC adress)を有し、該媒体アクセス制御アドレスは、一種のユニークな識別可能単元である。このため、該派生グループ同定番号は該ルート無線アクセスポイントの媒体アクセス制御アドレス、及び稼働グループ同定番号と共同に形成する。一例として、「MAC adress_稼働グループ同定番号」又は「割り付けのグループ同定番号_MAC adress」がある。
【0019】
また、該ルート無線アクセスポイントに備える媒体アクセス制御アドレスと稼働グループ同定番号とをパラメータとし演算を行ない、変換するための該派生グループ同定番号を形成する。一方、該ピュア無線アクセスポイント又はエスケープ無線アクセスポイントは、接続されたルート無線アクセスポイントの媒体アクセス制御アドレスと稼働グループ同定番号とをパラメータとして、変換により形成する。本発明において、該識別可能単元はMAC adressを例示している。ただし、本発明は媒体アクセス制御アドレスに限らず、重複不可、かつ、無線アクセスポイントによって読み取り可能な識別可能単元は、その標示形態に拘ることなく、本発明の請求範疇に含まれるものとする。
【0020】
前記した通り、各付属無線ネットワークトポロジイ系統におけるすべての無線アクセスポイントの稼働グループ同定番号は同じだが、各付属無線ネットワークトポロジイ系統の派生グループ同定番号は異なる。よって、各該付属無線ネットワークトポロジイ系統すべての無線アクセスポイントは、派生グループ同定番号を識別及びハンドシェークの符号として、継続的に維持し、各付属無線ネットワークトポロジイ系統はそれぞれのチャンネルで稼働することにより、各付属無線ネットワークトポロジイ系統同士に干渉を発生しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1実施例)
本発明の技術特徴及び達成する効果の理解を図るため、以下の通り図式と実施例を合わせて詳細説明する。
図2に示す通り、本発明の第1実施例に係る無線ネットワークトポロジイ系統において、無線アクセスポイントAP1〜AP5は有線ネットワークに接続されていない。無線アクセスポイントAP6と無線アクセスポイントAP7とは同一の有線ネットワークに接続する。該無線アクセスポイントAP6はルート無線アクセスポイントの役割として、該無線ネットワークトポロジイ系統に存在し、無線アクセスポイントAP7は自動に収束し、ルート無線アクセスポイントの役割として、該無線ネットワークトポロジイ系統に存在する。そのうち、ルート無線アクセスポイントAP6はバックエンドの3つのピュア無線アクセスポイントAP1〜AP3の流量を負担し、もう一つのルート無線アクセスポイントAP7はバックエンドの2つのピュア無線アクセスポイントAP4〜AP5の流量を負担する。これにより、もう一つのルート無線アクセスポイントAP7とルート無線アクセスポイントAP6とはそれぞれ図1よりも簡単な2つの付属無線ネットワークトポロジイ系統を形成する。つまり、図2の無線ネットワークトポロジイ系統のうち、もう一つのルート無線アクセスポイントAP7とルート無線アクセスポイントAP6とはその付属無線ネットワークトポロジイ系統のルート無線アクセスポイントとなる。そのうち、ルート無線アクセスポイントAP6は、図1に示す無線ネットワークトポロジイ系統のルート無線アクセスポイントAP6に比べて、負荷はかなり軽減されている。
【0022】
本実施例は管理フレーム(management frame)機能により、その特性を異なる無線アクセス点へ運用し、2台の無線アクセス点のハードリンクを行い、無線アクセス点の無線接続の初歩根拠とする。管理フレームは主に含まれた情報要素(information element、IE)により交信を実現するため、無線アクセス点は自らの設定と状態とにより、情報要素を維持し、情報要素は適宜に管理フレームを介して送信する。よって、本実施例において、無線アクセス点は一つの情報要素を追加し、無線分散システム(wireless distribution sytem、WDS)において、いずれの無線アクセス点においても受信した情報要素に従い、無線接続するか否かを決定できる。なお、該情報要素のフィルド(field)内容をそれぞれに定義し、以下のとおり説明する。
【0023】
a)情報要素同定(element ID)フィルドはIEEEで規定された必要なフィルドである。情報要素の起始フィルドであり、長さを1バイトとし、情報要素の同定番号(ID)を保存する。ただし、その内容は使用されたもの以外の同定番号を使用する。
b)長さ(length)フィルドは、IEEEで規定された必要なフィルドである。情報要素の二つ目のフィルドであり、長さを1バイトとし、情報要素の合計長さを保存する。情報要素の第3バイトから最終フィルドのビットの合計数を記録する。
【0024】
c)既定アドレスグループの同定番号(default adress group ID、DAGID)フィルドは、新規追加フィルドであり、フィルドの長さは固定しても良い。無線アクセス点に追加されるグループ同定番号(group ID)を表示する。つまり、最高の追加優先権を有するグループを意味する。しかしながら、実務運用において、既定グループは必ずしも最後に追加されるグループではなく、あくまでも優先順位の参考に過ぎない。言い換えれば、同じ既定グループの同定番号を持つ異なる無線アクセス点同士は、より高い優先権を持たせて、相互間の無線接続を確立し、グループの基本概念を実現する。この特性は、各無線アクセス点とも最優先(highest priority)に、特定の無線アクセス点グループ(group)に加わるチャンスがあることを意味する。ただし、一部の特定モードにおいて、異なる既定グループの同定番号の異なる無線アクセス点同士も無線接続を確立することができる。また、該既定グループの同定番号は、あらかじめすべての無線アクセス点に設けることができる。すべての無線アクセス点の既定グループの同定番号は後で変更することができる。かつ、いずれの付属の無線ネットワークトポロジイ系統の無線アクセス点とも、独特の派生グループ同定番号を有する。この特性により、いずれも設定の必要がなく、無線アクセス点は無線ネットワークトポロジイ系統を維持動に構築できる。ただし、既定グループの同定番号は排他性が有するため、実務上は存在の必要性がある。
【0025】
d)現行グループの同定番号(current group ID、CGID)フィルドは、追加フィルドであり、フィルドの長さは固定である。無線アクセス点が稼働するときのグループ同定番号を表し、他の無線アクセス点に対し、特定のグループの存在並びに稼働を特定する。よって、このフィルドは必須フィルドである。
e)アクセス点の役割(role of AP)フィルドは、追加可能なフィルドであり、フィルドの長さは固定である。無線アクセス点が稼働のときの役割を表す。稼働ときの無線アクセス点は役割を自動的に収束するため、あらかじめ設定の必要がない。該フィルドと情報フィルド(halloフィルド)とのいずれか一つを必要なフィルドに選択する必要がある。
【0026】
(1)ルート無線アクセス点は、無線アクセス点が現在有線ネットワークに接続された状態を示し、バックエンドの未接続の無線アクセス点に接続サービスを提供し、無線接続を確立する。
(2)ピュア無線アクセス点は、無線アクセス点が現在有線ネットワークに接続しない状態を示す。ルート無線アクセス点、ピュア無線アクセス点、エスケープ無線アクセス点など他の無線アクセス点を介して、サービスを提供し、有線ネットワークに接続する。図2に示す通り、無線アクセス点AP1の信号は無線アクセス点AP6及びもう一つの無線アクセス点AP7に届かないため、間接的な接続方式により、有線ネットワークに連結されたピュア無線アクセス点、エスケープ無線アクセス点などを介して、有線ネットワークに連結する。
【0027】
(3)エスケープピュア(escape pure、escape)無線アクセス点は、無線アクセス点が現在、異なる既設グループ同定番号の無線アクセス点を介して、有線ネットワークに連結している。この部分は、ピュア無線アクセス点に含まれているため、図3に示していない。
(4)初期ピュア(initial pure、initial)無線アクセス点は、無線アクセス点が役割不安定な過度性状態を指す。このとき、無線アクセス点は無線アクセス未接続又は確立された無線接続を切断した状態にある。
【0028】
本実施例は図3に示す通り、無線アクセス点の現時点の役割状態は、各無線アクセス点のリンク状態に従い変化する。よって、無線アクセス点の役割状態の変化について、以下のとおり説明する。
“0”:無線アクセス点始動後(無線アクセス点に電源接続後)の無線アクセス点役割設定フィルドは、初期無線アクセス点の状態である。
【0029】
“1”:初期無線アクセス点の状態において、無線アクセス点は各チャンネルにおいて、無線ネットワークトポロジイ系統の存在を検出する。他の無線アクセス点の存在を検出できず、かつ、自らも有線ネットワークに接続していないとき、該無線アクセス点は、各チャンネル上のルート無線アクセス点の存在を周期的に検出する。
“2”:該無線アクセス点はいったん有線ネットワークに接続された後、その状態はルート無線アクセス点に切り替わり、検出されたその他のルート無線アクセス点の使用チャンネルに従い、干渉の少ないチャンネルを選択し稼働する。
【0030】
“3”:ルート無線アクセス点は有線ネットワークに接続する条件を備える必要があるため、周期的に該有線ネットワークの存在を確認必要がある。
“4”:有線ネットワークの断線が検出されると、該無線アクセス点は引き続きバックエンドのピュア無線アクセス点にサービスを提供できなくなり、初期無線アクセス点の状態に戻る。
“5”:無線アクセス点は有線ネットワークに接続していないときに、他のルート無線アクセス点の存在が検出されたとき、無線アクセス点は受信した情報要素に従い、その状態をピュア無線アクセス点又はエスケープ無線アクセス点に変更する。その過程を以下の通り説明する。
【0031】
“5−1”:無線アクセス点は既設グループの同定番号の有無に拘らず、無線アクセス点は検出されたルート無線アクセス点から、既設グループの同定番号と同じ無線アクセス点とを選択し、負荷状態に応じて、負荷状態の良い無線アクセス点に直接又は間接的に接続する。
“5−2”:無線アクセス点は、既設グループの同定番号が同じルート無線アクセス点が検出できない状態が継続すると、エスケープ無線アクセス点モードに入り、検出されたルート無線アクセス点を介して、無線ネットワークトポロジイ系統に直接又は間接的に接続する。
【0032】
“6”:ピュア無線アクセス点になった後、無線ネットワークトポロジイ系統のルート無線アクセス点が正常に稼働しているか否かを確認し、検出されたルート無線アクセス点が正常に稼働されていることが検出される間に、その状態を改変しない。このほか、この状態において、ピュア無線アクセス点は無線ネットワークトポロジイ系統に存在することを表示し、他の無線アクセス点に接続を提供し、無線ネットワークトポロジイ系統を拡張する。
【0033】
“7”:前記に対して、無線ネットワークトポロジイ系統のルート無線アクセス点が存在しないとき、その状態を無線アクセス点に戻す。
“8”:もし、該無線アクセス点は有線ネットワークに直接接続された場合、他の無線アクセス点にサービスを提供する条件を有する。無線アクセス点効率の向上並びに干渉を軽減するため、無線アクセス点は初期無線アクセス点の状態に戻し、各チャンネルの使用状況を検出し、適切なチャンネルを選択して、ルート無線アクセス点の稼働に備える。
【0034】
f)情報方式(hello)フィルドは、追加可能なフィルドであり、フィルドの長さは固定である。無線アクセス点は情報要素を伝送するときの役割を示す。該フィルドは一つを必要なフィルドとして、選択の必要がある。
g)無線接続(run out of Vport)フィルドは、追加可能なフィルドであり、フィルドの長さは固定である。無線アクセス点の新しい無線接続可能か否かを表示する。より多くの物理的ワイヤレスリンク(physical wireless links)能力を有するかを意味する。新しい無線接続が可能か否かは接続の数によるものであり、負荷のバランスを提供することが目的のため、該フィルドは必須的ではなく、付加可能なフィルドである。このほか、無線アクセス点はさらなる接続能力があるとき、該フィルドはリアルタイムのネットワーク流量に従い、該無線アクセス点の現在の負荷度合いを区分し、他の無線アクセス点の接続根拠とする。無線接続の確立パターンは以下の種類がある。
(1)パターン1:該無線アクセス点と他の無線アクセス点と新しい無線接続を不許可する。
(2)パターン2:該無線アクセス点の無線接続を許可する。このフィルドの有効運用を行い、実際の流量状況を提供するため、パターン2のとき、このフィルドは該無線アクセス点にリアルタイムのネットワーク流量状態を提供し、他の無線アクセス点の接続するための判断根拠とする。
【0035】
h)シーケンス(sequence)フィルドは、追加可能なフィルドであり、フィルドの長さは固定である。グループの存在を特定するため、現時点最新の既知の情報要素のシーケンスを表示する。つまり、ルート無線アクセス点は情報要素を含んだ管理フレームを発送するたびに、該フィルドに一つの数値を追加し、同じグループの他の無線アクセス点はその環境に受信した該フィルドの最大値を伝送内容とする。このフィルドは、必須フィルドである。
【0036】
i)ルート無線アクセス点メディア・アクセスアドレス(MAC of root AP)フィルドは、追加可能なフィルドであり、フィルドの長さは固定である。該無線アクセス点のルート無線アクセス点のメディア・アクセス制御アドレスを表す。メディア・アクセス制御アドレスは重複しない特性と固定制を有するため、その特性から、このフィルドは必須フィルドである。本実施例において、各ルート無線アクセス点は自らのメディア・アクセス制御アドレスを該MAC of root APフィルドに書込み、各ルート無線アクセス点のバックエンドの無線アクセス点(ピュア無線アクセス点又はエスケープ無線アクセス点を含む)は、リンクされたルート無線アクセス点のメディア・アクセス制御アドレスを該MAC of root APフィルドに書込む。ただし、無線アクセス点はルート無線アクセス点メディア・アクセス制御アドレスフィルドよりメディア・アクセスアドレスの取得に限らず、その他メディア・アクセス制御アドレスを有するフィルドであれば、それを抽出して、グループ同定番号と組み合わせて、派生グループ同定番号に形成することができる。
【0037】
j)チャンネル(channel)フィルドは、追加可能なフィルドであり、フィルドの長さは固定である。グループの稼働チャンネルを表す。他の管理フレームにも類似のチャンネル情報があるため、必須的なフィルドではない。
k)名称(AP management name)フィルドは、追加可能なフィルドであり、フィルドの長さは設定名称の長さに合わせておき、ネットワーク管理者の管理に備える。ただし、このフィルドは必須的なフィルドではない。
【0038】
l)エスケープモード(escape無線アクセス点)フィルドは、追加可能なフィルドであり、フィルドの長さは固定である。ネットワーク管理者の管理のため、無線アクセス点は異なる既設グループの同定番号の無線アクセス点との接続を許可する根拠とする。このフィルドは付加可能なフィルドであり、以下のモードを有する。
(1)パターン1:無線アクセス点はエスケープモードを受け入れる。
(2)パターン2:無線アクセス点はエスケープモードを受け入れない。
(3)パターン3:同一無線アクセス点ともエスケープモードを受け入れない。該パターンは同一グループ上すべての無線アクセス点に対し、それぞれ設定の必要がなく、ルート無線アクセス点経由に、該情報要素を介して、他の無線アクセス点に通知する。該パターンの優先権は他のパターンよりも高い。
【0039】
m)リンク数(hop count)フィルドは、追加可能な固定長さのフィルドである。1台の無線ネットワークトポロジイ系統の無線アクセス点を有線ネットワークに接続する状態を示す。経由必要な無線接続と有線接続の接続合計数のうち、一つは有線ネットワークに接続し、残りはすべて無線ネットワークに接続する。以下のパターンを有する。
(1)パターン1:該無線アクセス点の接続が確立されていない過度性状態のとき、該フィルドに記載した最適化リンク数(optimal hop count)は、特定の無線アクセス点の信号の受信範囲において、受信されたパケットリンク数の最小値を指す。これにより、他の無線アクセス点は該無線アクセス点の確立できる最適なリンク数を知ることができる。
(2)パターン2:該無線アクセス点が接続を確立し安定状態のとき、該フィルドに現在のリンク数を表す。すなわち、該無線アクセス点が有線ネットワーク接続するまでに経由したリンク合計数である。そのうち、一つは有線ネットワークに接続し、残りはすべて無線ネットワークに接続する。
【0040】
n)サービスリンク数(service hop count)フィルドは、追加可能な固定長さのフィルドである。有線ネットワークに直接接続された無線アクセス点を表す。すべては特定の無線アクセス点を経由しなければ、有線ネットワークに接続できない。該有線ネットワークに直接接続されていない無線アクセス点の数は、該特定の無線アクセス点のサービスリンク数となる。以下のパターンを有する。
(1)パターン1:該無線アクセス点は接続されていない過度性状態のとき、該フィルドに最適化リンク数のうち、すべての無線アクセス点のサービスリンク数の最適値を表す。これにより、他の無線アクセス点は該無線アクセス点の接続可能な最適サービスリンク数を知ることができる。
(2)パターン2:該無線アクセス点は接続を確立し安定状態のとき、該フィルドに該無線アクセス点現在のサービスリンク数を書き込む。
o)独自選択リンク(unique selection link)フィルドは、特定無線アクセス点の信号届く範囲の無線アクセス点において、リンク数フィルドを持つ最小の無線アクセス点が存在することを表す。
【0041】
特に注意すべきなことは、前記した定義のうち、各フィルドは情報要素同定番号フィルド及び長さフィルドに順位性を有し、他のフィルド間は固定式の順位とする。各該フィルドの長さは、情報要素同定番号のフィルドと長さフィルドとは規定の長さに従うほか、他のフィルドは必要に応じて、その長さを設定することができる。このほか、本実施例で定義された情報要素は各該フィルドより組成される。ただし、本実施例において、必要又は利便性により、それぞれの情報要素が一つ又は複数フィルドの情報を形成しても良い。このほか、該派生グループ同定番号はメディア・アクセス制御アドレスと稼働グループの同定番号より形成する。該メディア・アクセス制御アドレスと稼働グループの同定番号とは、該ルート無線アクセス点メディア・アクセス制御アドレスのフィルドと稼働グループ同定番号のフィルドとにそれぞれ存在する。よって、本実施例において、すべての無線アクセス点に共通の組合せ又は演算機能を持たせることにより、自動かつ動的に該派生グループ同定番号を派生する。これにより、該情報要素は該派生グループ同定番号を保存するための新しいフィルドを追加する必要はない。
【0042】
さらに、本実施例により、定義された該派生グループ同定番号と稼働グループ同定番号(CGID)フィルドとから、本実施例は無線迂回伝送機能にグループ概念が導入されている。その目的は、異なる無線アクセス点同士は、管理フレームに含まれた情報要素を介して、無線アクセス点の属性を判断した上、その属性の協調性に従い、ハードリンク確立のもう一つ根拠とする。グループ上の無線アクセス点は属性の協調特質があるため、この判断は無線ネットワークトポロジイ系統の恣意的な拡張を抑制し、無線ネットワークトポロジイ系統の複雑性を大幅に減少したほか、無線ネットワークトポロジイ系統の恣意的な拡張による伝送機能の低下を防止できる。
【0043】
一方、異なる地域の無線アクセス点にはそれぞれの媒体属性と伝送品質特性を有するため、属性の差が極めて大きい無線アクセス点の直接なハードリンクを不能にすることは、無線ネットワークの帯域の有効運用を確保できる。一例として、同じビルの異なる階層にある無線アクセス点は、同じ階のすべての無線アクセス点が類似する媒体属性と伝送品質とを有し、となり階にある無線アクセス点の媒体属性と伝送品質との差異が大きい。同じ階の無線アクセス点は同じ階の無線アクセス点と簡単に接続できるため、無線ネットワークの帯域の有効運用を実現できる。
【0044】
本発明の実施例では、図4に示すように、無線アクセス点を無線ネットワークトポロジイ系統に追加する。そのうち、無線アクセス点AP8と無線アクセス点AP9とはそれぞれピュア無線アクセス点であり、無線アクセス点AP8のリンク数(hop count)は2、サービスリンク数(hop count service)は3である。一方、無線アクセス点AP9のリンク数は3、サービスリンク数は3、かつ、その信号範囲は無線アクセス点AP10を有する。
【0045】
無線アクセス点AP8と無線アクセス点AP9とは無線ネットワークトポロジイ系統に投入しているため、無線アクセス点AP8と無線アクセス点AP9とは周期的にパケット伝送検出要求の送信を行い、情報要素の各フィルドの内容を検出要求パケットに含ませて、無線アクセス点AP10の無線アクセス点AP8と無線アクセス点AP9との検出要求パケットの受信により、各フィルドの内容を取得し自らのデータベース(データベースの使用方法及びその過程は情報工学の熟知技術であるため、ロジック運用のみを説明する。)に書込み、無線アクセス点AP10はデータベースの内容により、殿無線アクセス点とのリンクを判断する。図4より、無線アクセス点AP10はマーカーAのタイミングにより、無線アクセス点AP8的のリンクサービス数は無線アクセス点AP9のリンクサービス数に比べてはるかに少ないことが分かる。すなわち、無線アクセス点AP8の負荷が軽い。このとき、無線アクセス点AP10は無線アクセス点AP8を選択及び接続を行い、リンク数とサービスリンク数フィルドに無線アクセス点AP8より受信した同じパラメータとを書込み、単一照会(unicast)の方法により、検出要求パケットを無線アクセス点AP8に伝送する。一方、無線アクセス点AP8は該パケットを受信し、リンク数フィルドとサービスリンク数フィルドとの比較を行い、リンクが提供されているか否かを確認する(注:他のフィルドの照合も必要)。一致のとき、無線アクセス点AP8はふたたび単一照会の検出要求パケットを無線アクセス点AP10に伝送し、無線アクセス点AP10はこの検出要求パケットを受信すると同時に、検出要求パケットを回送する(図のマーカーBのタイミング)。これにより、無線アクセス点AP8と無線アクセス点AP10と双方向の無線リンクは確立される。無線アクセス点AP10と無線アクセス点AP8とのリンクが確立された後、無線アクセス点AP10のリンク数フィルドのパラメータ「2+1 =3」(無線アクセス点AP8より一つのリンク数多い)及びサービスリンク数フィルドのパラメータを「0」に修正し、無線アクセス点AP8のリンク数フィルドのパラメータは「2」を維持する。サービスリンク数フィルドは「3」からパラメータ「4」に増やす。図4は、無線アクセス点AP8のリンク数とサービスリンク数とを無線アクセス点AP10に投入する前の状態である。
【0046】
(第2実施例)
本発明の第2実施例は、図5に示す通り各無線アクセス点が順番起動され、無線アクセス点AP11と無線アクセス点AP12とも有線ネットワークに接続し、無線アクセス点AP13は有線ネットワークに接続されていない。
まず、無線アクセス点AP11を起動させ、無線アクセス点AP12は起動されていないとき、他のルート無線アクセス点を検出できないため、無線アクセス点AP11はそのチャンネルにおいて、状態をルート無線アクセス点に起動し、検出要求パケットを周期的に送信し、検出要求パケットを送出し、自らの状態を通知する。
【0047】
その後、無線アクセス点AP12は起動された後(図5マーカーC)、全てのチャンネルに対して、無線ネットワークトポロジイ系統の検出を行い、無線アクセス点AP12に無線アクセス点AP11の存在と稼働チャンネルとを知らせる。なお、無線アクセス点AP12も有線ネットワークに接続するため、無線アクセス点AP12は干渉の少ないチャンネルに切り換えて、ルート無線アクセス点の状態にて稼働し、無線アクセス点AP11のように、検出要求パケットの送信パケットを周期的に送出する。
【0048】
無線アクセス点AP13は起動された後、各チャンネルの状況を検出した後、無線アクセス点AP11と無線アクセス点AP12との存在を知ることができる。さらに、前記した図4の凡例により、特定のルート無線アクセス点を選択し接続を確立する(図5マーカーD)。本実施例の派生グループ同定番号の独自性により、無線アクセス点AP13と無線アクセス点AP11が接続を確立した後、無線アクセス点AP13は無線アクセス点AP11と同じ派生グループ同定番号を有するとき、無線アクセス点AP12の派生グループ同定番号と無線アクセス点AP13がサービス提供する無線ネットワークトポロジイ系統の派生グループ同定番号とが異なるため、無線アクセス点AP13はふたたび無線アクセス点AP12との接続を行わない。これにより、図5は図2に示す二つの無線ネットワークトポロジイ系統を形成し、互いに干渉されないチャンネルに稼働する。
【0049】
前記した説明の通り、いずれの無線アクセス点はそれぞれの設定と状態に従い、情報要素(IE)のうち各フィルドの情報を維持し、管理フレーム(management frame)を介して送信し、他の無線アクセス点より送信された管理フレームを受信したとき、その情報要素のフィルドに含まれる情報により、他の無線アクセス点の稼働状態を判断し、他の無線アクセス点とのハードリンクを決定し、確立されたハードリンクに対して、リアルタイムの保守を行い、以下の機能及び効果を実現する。
【0050】
1.有線ネットワーク接続されたすべての無線アクセス点は、バックエンドの無線アクセス点にサービスを提供できる。有線ネットワーク接続されたすべての無線アクセス点は、その効率を十分に発揮し、無線ネットワーク全体の効率を提供できる。
2.無線ネットワークトポロジイ系統の付属無線ネットワークトポロジイ系統の数が減少し、無線ネットワーク系統の複雑性は軽減され、無線ネットワークトポロジイ系統の負荷も相対的に軽減された。
【0051】
3.パケットは無線伝送過程に必要な無線リンク数が減少したため、途中に仲介する無線リンク数が減少し、途中の相互干渉も少なくなり、ネットワーク全体の効率を向上できる。
4.有線ネットワークに接続する無線アクセス点(注:該点は通信隘路が一番形成しやすい設備である)の負荷も相対的に軽減される。ネットワークの流量は異なる無線トポロジイ系統経由で有線ネットワークに接続できるため、相対的に負荷は均衡化され、単一系統の負荷も軽減される。
【0052】
5.図2に示す通り、二つの簡単な付属の無線ネットワークトポロジイ系統を形成しているため、互いに干渉されないチャンネルに稼働させ、付属の無線ネットワークトポロジイ系統同士の相互干渉を避けて、個別チャンネルの有効利用を向上できる。
6.無線アクセス点に対する設定必要がなく、トポロジイ系統を自動形成できる(後述の派生グループ同定番号の効果説明に同様。)。
【0053】
7.特許前案の構造を踏襲し、本発明は従来の負荷均衡化機能を拡張し、いずれの無線アクセス点とも動的に負荷均衡化を実現し、前記構想書の機能と効果を維持できる。
以上に開示したのは本発明の実施例である。ただし、本発明の特徴はこれに限らない。当該技術を熟知するものは、本発明の領域において、容易に変化又は修飾ができるが、なお本発明の特許請求範疇に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】公知技術の無線ネットワークの模式図である。
【図2】本発明の第1実施例よる無線ネットワーク系統の模式図である。
【図3】本発明の第1実施例による無線ネットワーク系統の無線アクセスポイント機能状態変化の模式図である。
【図4】本発明の第1実施例による無線ネットワーク系統の無線アクセスポイントに無線ネットワークトポロジイ系統を追加する模式図である。
【図5】本発明の第2実施例による無線ネットワーク系統の各無線アクセスポイントが順番に起動され、無線ネットワークトポロジイ系統を形成する模式図である。
【符号の説明】
【0055】
AP1、AP2、AP3、AP4、AP5、AP6、AP7、AP8、AP9、AP10、AP11、AP12、AP13:無線アクセスポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークトポロジイ系統において、有線ネットワーク接続された各初期無線アクセス点を収束し構成し、互いに異なり、かつ、独自性を有する派生グループ同定番号を動的に派生し、それぞれ検出された後、異なるチャンネルにおいて稼働し、自らの存在を周期的に通知する一つ以上のルート無線アクセス点と、
該無線ネットワークトポロジイ系統のうち、該有線ネットワークに接続されていない各初期無線アクセス点は、受信された各確立した無線アクセス点の存在状態の負荷・流量に従い、そのうち一つの負荷・流量が最小の無線アクセス点と接続を確立し、無線アクセス点との接続が確立された後、自動に収束し構成し、接続されたルート無線アクセス点と同じ派生グループ同定番号を有し、稼働チャンネルは、接続されたルート無線アクセス点と同じであって、かつ、自らの存在を周期的に通知する一つ以上のピュア無線アクセス点と、
を有し、
該ルート無線アクセス点とそのバックエンドに接続されたピュア無線アクセス点は、それぞれ付属の無線ネットワークトポロジイ系統を形成し、同一の付属の無線ネットワークトポロジイ系統の無線アクセス点は、同じチャンネルにおいて、データ伝送を行い、異なる付属の無線ネットワークトポロジイ系統の稼働チャンネルが異なることにより、各ピュア無線アクセス点のパケットは、同じ派生グループ同定番号のルート無線アクセス点を介して有線ネットワークに伝送することを特徴とする動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項2】
該無線ネットワークトポロジイ系統のすべての無線アクセス点は、既設グループの同定番号を有し、すべての無線アクセス点は接続されていない又は接続後断線し、自動に該初期無線アクセス点に収束することを特徴とする請求項1に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項3】
該無線ネットワークトポロジイ系統はさらに、該無線ネットワークトポロジイ系統のうち有線ネットワークに接続されていない無線アクセス点であり、既定グループ同定番号は、該無線ネットワークトポロジイ系統の各ルート無線アクセス点又はピュア無線アクセス点の既定グループ同定番号と一様ではなく、受信されたルート無線アクセス点又はピュア無線アクセス点の存在状態に従い、そのうち一つの負荷・流量が最小の存在状態のルート無線アクセス点又はピュア無線アクセス点との接続を行い、ルート無線アクセス点又はピュア無線アクセス点との接続が確立された後、自動収束により形成し、接続されたルート無線アクセス点と同じの派生グループ同定番号を形成し、稼働チャンネルは、接続されたルート無線アクセス点と同様のほか、自らの存在を周期的に通知する一つ以上のエスケープ無線アクセス点を有することを特徴とする請求項1に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項4】
該無線アクセス点は検出要求パケットを送信し、該存在状態を該検出要求パケットが有することを特徴とする請求項3に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項5】
各該検出要求パケットはそれぞれに情報要素を増設し、該存在状態を該検出要求パケットが有し、該情報要素はさらに、
情報要素の同定番号を保存し、内容は使用された同定番号以外の同定番号を使用する情報要素同定フィルドと、
情報要素の合計長さを保存し、情報要素の第3バイトから最後のフィルドの終止のバイト合計数を書き込む長さフィルドと、
無線アクセス点に追加するグループ同定番号をあらかじめ書き込む既定グループ同定番号フィルドと、
無線アクセス点が稼働するときに追加するグループ同定番号を表示し、
他の無線アクセス点に対して、特定グループの存在及び稼働状況を知らせ、該特定グループの同定番号は無線アクセス点に投入する付属の無線ネットワークトポロジイ系統の派生グループ同定番号である稼働グループ同定番号のフィルドと、
無線アクセス点の稼働の役割を表す役割フィルドと、
現在最新の既知の情報要素のシーケンス番号を示し、特定グループの存在を示すシーケンスフィルドと、
該無線アクセス点のグループのうち、ルート無線アクセス点のMACアドレスを表すルート無線アクセス点MACフィルドと、
追加可能な固定長さのフィルドであって、1台の無線ネットワークトポロジイ系統の無線アクセス点を有線ネットワークに接続する状態を示し、経由必要な無線接続と有線接続との接続合計数のうち、一つは有線ネットワークに接続し、残りはすべて無線ネットワークに接続するリンク数フィルドと、
有線ネットワークに直接接続されていない無線アクセス点を示し、特定の無線アクセス点のサービスにより、有線ネットワークに接続するサービスリンク数フィルドと、
を有することを特徴とする請求項4に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項6】
該役割フィルドは情報要素フィルドとし、該情報要素フィルドは該無線アクセス点が該情報要素を伝送するときの役割を示すことを特徴とする請求項5に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項7】
該シーケンスフィルドの値は、無線アクセス点より情報要素を有する検出要求パケットを送信するたびに、該フィルドに一つの数値を追加し、同じグループの他の無線アクセス点はその環境に受信した該フィルドの最大値を伝送内容とすることを特徴とする請求項5に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項8】
該ルート無線アクセス点のMACのフィルドは、各ルート無線アクセス点より、自らのMACアドレスを該ルート無線アクセス点のMACフィルドに書き込み、
各ピュア無線アクセス点は、リンクされたルート無線アクセス点のMACアドレスを該ルート無線アクセス点のMACフィルドに書き込むことを特徴とする請求項5に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項9】
該情報要素はさらに無線接続の確立フィルドを有し、該無線アクセス点は新しい無線接続の追加接続可能か否かを表し、ハードリンクの無線接続能力を有するか否かを表示することを特徴とする請求項5に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項10】
該確立された無線接続フィルドはさらに、
該無線アクセス点と他の無線アクセス点と新しい無線接続を不許可するパターンと、
該無線アクセス点と他の無線アクセス点と新しい無線接続を許可するパターンであって、該パターンにおいて、該フィルドは該無線アクセス点リアルタイムのネットワーク流量を提供し、他の無線アクセス点と接続するための判断根拠とするパターンと、
を有することを特徴とする請求項9に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項11】
該情報要素はさらにチャンネルフィルドを有し、グループの稼働チャンネルを表示することを特徴とする請求項5に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項12】
該情報要素はさらにエスケープパターンのフィルドを有し、無線アクセス点はもう一つの異なる既設グループの同定番号の無線アクセス点との接続を受けるか否かを表示することを特徴とする請求項5に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項13】
該エスケープパターンのフィルド値は、無線アクセス点はエスケープパターンの受け入れを許可する、エスケープパターンの受け入れを許可しないパターン、又は同一グループの無線アクセス点ともエスケープパターンを受け入れないようにすることを特徴とする請求項12に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項14】
該情報要素はさらに独自の選択リンクフィルドを有し、特定の無線アクセス点信号の届く範囲にあるすべての無線アクセス点のうち、リンク数フィルド最小の唯一の無線アクセス点を表示することを特徴とする請求項5に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項15】
各該無線アクセス点が該役割フィルドの値に示す役割状態は、該ルート無線アクセス点、該ピュア無線アクセス点、該初期無線アクセス点、及びエスケープ無線アクセス点を有し、該エスケープ無線アクセス点が無線アクセス点が現在異なる既設グループの同定番号フィルドの無線アクセス点を介して、有線ネットワークに接続することを特徴とする請求項5に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項16】
初期無線アクセス点は各チャンネルにおいて、無線ネットワークトポロジイ系統の存在の検出を行い、他の無線アクセス点の存在を検出不可であって、かつ、自らも有線ネットワークに接続していないとき、該無線アクセス点は、各チャンネル上のルート無線アクセス点の存在を周期的に検出することを特徴とする請求項15に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項17】
該無線アクセス点はいったん有線ネットワークに接続された後、その状態はルート無線アクセス点に切り替わり、検出されたその他ルート無線アクセス点の使用チャンネルに従い、干渉の少ないチャンネルを選択し稼働することを特徴とする請求項16に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項18】
該ルート無線アクセス点は該有線ネットワークが依然存在しているか否かを周期的に確認し、有線ネットワークが断線したとき、該無線アクセス点はバックエンドの無線アクセス点サービス提供を中止し、初期無線アクセス点の状態に戻ることを特徴とする請求項17に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項19】
該ピュア無線アクセス点は、無線トポロジイ系統のルート無線アクセス点が正常に稼働しているか否かを確認し、継続して検出可能であるとき、役割フィルドの値に表示するピュア無線アクセス点の状態を改変せず、この状態において無線トポロジイ系統の存在を通知し、他の無線アクセス点に接続を提供して、無線ネットワークトポロジイ系統を拡張することを特徴とする請求項18に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項20】
該ピュア無線アクセス点は有線ネットワークに接続された後、他の無線アクセス点に対し、サービス提供の条件を有し、ピュア無線アクセス点は各チャンネルの使用状態を検出するため、まず初期無線アクセス点の状態に戻し、適切なチャンネルを選択し、ルート無線アクセス点で稼働することを特徴とする請求項19に記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項21】
該リンク数フィルドの値は、さらに、
該無線アクセス点が接続される前の過度性状態のとき、信号受信範囲において、受信されたパケットのうち、リンク数が最小値をもって、最適なリンク数を書込む最適化リンク数と、
該無線アクセス点は接続されて安定状態のとき、現時点のリンク数を書込む現在のリンク数と、
を有することを特徴とする請求項5記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。
【請求項22】
該サービスリンク数フィルドの値は、さらに、
該無線アクセス点が接続される前の過度性状態のとき、最適化リンク数のすべての無線アクセス点のうち、最適のサービスリンク数を書込む最適サービスリンク数と、
該無線アクセス点は接続されて安定状態のとき、現時点のサービスリンク数を書込む現在のサービスリンク数と、
を有することを特徴とする請求項5記載の動的平衡無線ネットワークトポロジイ系統。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−236505(P2008−236505A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−74576(P2007−74576)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(504025778)明泰科技股▲分▼有限公司 (4)
【Fターム(参考)】