説明

勤務管理帳票、勤務状況管理システム、勤務状況管理装置、及び勤務状況入出力装置

【課題】 労働者を管理する立場にある管理者にとって使い勝手の良い勤務管理帳票、及び勤務状況管理システムを提供する。
【解決手段】 労働者の勤務状況を把握して管理するための勤務状況管理システムであって、労働者の勤務状況の入出力を行う勤務状況入出力装置4と、労働者の勤務時間を入力する勤務時間入力装置3と、労働者の勤務状況を把握して管理する勤務状況管理装置2とから構成され、勤務状況管理装置2は、勤務状況入出力装置4により入力される労働者の勤務申請情報と勤務時間入力装置3からの勤務時間情報とに基づいて、労働者の時間外労働時間と有給休暇の管理を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、労働者の勤務状況を管理するのに好適な勤務管理帳票、勤務状況管理システム、勤務状況管理装置、及び勤務状況入出力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、労働時間等の適正な管理は、企業の社会責任、リスク管理の面から以前にも増して重要になっている。企業における時間外労働の管理は、通常、担当部署が作成した時間外労働管理簿を用いて行われている。
図8は従来の時間外労働時間簿の一例を示した図であり、この図8に示す従来の時間外労働管理簿100には、労働者の所属・氏名を記入する領域101、時間外労働を行う日付や曜日を記入する領域102、時間外労働時間(始業時刻と終業時刻)や業務内容を事前に記入する事前要請または事前申請領域103、時間外労働を行った後に実際の労働時間や業務内容を記入する実施結果領域104等が設けられている。
なお、先行文献としては、フレックスタイム採用下での労働時間管理を行うために前日までの労働時間の累計と有給休暇の残日数、及び有給休暇取得の可否を表示することができる労働時間管理装置がある(特許文献1)。
【特許文献1】特開平6−52384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、労働者(部下)を管理する立場にある管理者が、部下の勤務状況を管理する上で重要な判断材料としては、部下の時間外労働時間と有給休暇の取得状況を挙げることができるが、通常、有給休暇等の管理は上記したような時間外労働管理簿100とは別になされているため、管理者は部下から有給休暇の申請があるたびに、部下の有給休暇の残日数を確認する等の作業が必要になるという欠点があった。このため、管理者は、正規の管理とは別にノートや手帳、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)を利用して部下の有給休暇の管理を行っているのが実情であった。
また特許文献1に開示されている労働時間管理装置では、前日までの労働時間の累計と有給休暇の残日数と共に有給休暇取得の可否を表示しているため、管理者は有給休暇取得の許否については容易に判断することができるようになる。
しかしながら、特許文献1の労働時間管理装置は、前日までの労働時間の累計、有給休暇の残日数、及び有給休暇取得の可否以外の表示がないため、管理者にとっては使い勝手のよいものでなかった。
例えば、有給休暇といっても、通常の有給休暇の以外に、結婚、忌引き等により発生する特別休暇、或いは企業ごとに定めた有給休暇(永年勤続休暇やライフサポート休暇等)があり、管理者からすれば、単に有給休暇取得の許否だけを表示するのではなく、部下が取得可能な有給休暇の種別や日数等を把握できることが望ましい。また予め有給休暇を取得することが分かっている場合には、その旨等も把握できることが望ましい。
また労働時間についても、前日までの労働時間の累計を表示するだけでなく、限度時間が定められている1日の時間外労働時間(限度4時間)や、一ヶ月間の時間外労働時間(限度45時間)、一年間の時間外労働時間(限度360時間)を把握できることが望ましい。さらに、管理者としては部下の体調管理等の観点から日々の時間外労働の実績状況なども把握できることが望ましい。
そこで、本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、部下を管理する立場にある管理者にとって使い勝手の良い勤務管理帳票を提供することを目的とする。また部下の勤務状況を容易に把握することができる勤務状況管理システム、勤務状況管理装置、及び勤務状況入出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、労働者の勤務状況を把握して管理するための勤務管理帳票であって、少なくとも、有給休暇の繰り越し日数を記載する繰越休暇記載領域と、所定期間内における前記労働者の時間外労働時間の累計を記載する時間外労働累計記載領域と、前記労働者が有給休暇を取得した際の休暇種別を記載する休暇種別記載領域と、前記労働者が時間外労働に従事した時間を記載する時間外労働時間記載領域と、前記時間外労働の累計時間を記載する時間外労働累計記載領域と、を備えていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、労働者の勤務状況を把握して管理するための勤務状況管理システムであって、労働者の勤務状況の入出力を行う勤務状況入出力装置と、前記労働者の勤務時間を入力する勤務時間入力装置と、前記労働者の勤務状況を把握して管理する勤務状況管理装置とから構成され、前記勤務状況管理装置は、前記勤務状況入出力装置により入力される労働者の勤務申請情報と前記勤務時間入力装置からの勤務時間情報とに基づいて、前記労働者の時間外労働時間と有給休暇の管理を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の勤務状況管理システムにおいて、前記勤務状況入出力装置は、前記労働者が申請した時間外労働情報の入力と、前記労働者が申請した有給休暇情報の入力が可能であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の勤務状況管理システムにおいて、前記勤務状況入出力装置は、前記労働者の勤務状況を記載した勤務管理帳票を出力可能であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の勤務状況管理システムにおいて、前記勤務管理帳票には、少なくとも、有給休暇の繰り越し日数を記載する繰越休暇記載領域と、所定期間内における前記労働者の時間外労働時間の累計を記載する時間外労働累計記載領域と、前記労働者が有給休暇を取得した際の休暇種別を記載する休暇種別記載領域と、前記労働者が時間外労働に従事した時間を記載する時間外労働時間記載領域と、前記時間外労働の累計時間を記載する時間外労働累計記載領域と、を備えていることを特徴とする。
【0005】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の勤務状況管理システムにおいて、前記勤務状況管理装置は、前記労働者の勤務を管理する管理者が所有する電子メール受信装置に対して電子メールを送信するメール送信手段を備え、前記労働者の時間外労働時間が限度時間以上となった場合、或いは限度時間以内で予め設定した所定時間に達した場合にその旨を表示した電子メールを前記電子メール受信装置に対して送信することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、労働者の勤務状況を把握して管理するための勤務状況管理装置であって、入力される労働者の勤務申請情報と勤務時間情報とに基づいて、前記労働者の時間外労働時間と有給休暇の管理を行うことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の勤務状況管理装置において、前記労働者を管理する管理者が所有する電子メール受信装置に対して電子メールを送信するメール送信手段を備え、前記労働者の時間外労働時間が限度時間以上となった場合、或いは限度時間以内で予め設定した所定時間に達した場合にその旨を表示した電子メールを前記電子メール受信装置に対して送信することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、労働者の勤務状況の入出力を行う勤務状況入出力装置であって、前記労働者が申請した時間外労働情報の入力と、前記労働者が申請した有給休暇情報の入力が可能であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の勤務状況入出力装置において、前記労働者の勤務状況を記載した勤務管理帳票を出力可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、労働者が取得可能な有給休暇の種別や日数、及び有給休暇の取得予定などを記載できると共に、時間外労働時間の申請状況や実績状況などを記載することができるため、管理者にとって使い勝手の良い勤務管理帳票を実現することができる。
請求項2に記載の発明によれば、労働者の実働時間等は勤務時間入力装置から自動的に入力することができるので、管理者は労働者の有給休暇や時間外労働の申請を行うだけで労働者の有給休暇と時間外労働の管理を行うことができる。
また請求項3に記載の発明によれば、管理者は勤務状況入出力装置により労働者が申請した時間外労働情報と有給休暇情報とを簡単に入力することができる。
請求項4に記載の発明によれば、労働者の勤務状況を記載した勤務管理帳票を勤務状況入出力装置から出力することができるので、管理者は労働者の勤務状況を容易に把握することができる。
請求項5に記載の発明によれば、勤務管理帳票には、労働者が取得可能な有給休暇の種別や日数、及び有給休暇の取得予定などが記載されていると共に、時間外労働時間の申請状況や実績状況などを記載されているため、管理者は労働者の勤務状況を容易に把握することができる。
【0007】
請求項6に記載の発明によれば、勤務状況管理装置に管理者が所有する電子メール受信装置に対して電子メールを送信するメール送信手段を備え、労働者の時間外労働時間が限度時間以上となった場合、或いは限度時間以内で予め設定した所定時間に達した場合に、その旨を表示した電子メールを前記電子メール受信装置に対して送信することで、管理者は労働者の時間外労働について的確な管理が可能になる。
請求項7に記載の発明によれば、入力される労働者の勤務申請情報と勤務時間情報とに基づいて労働者の時間外労働時間と有給休暇の管理を的確に行うことができる勤務状況管理装置を実現することができる。
請求項8に記載の発明によれば、管理者が所有する電子メール受信装置に対して電子メールを送信するメール送信手段を備え、労働者の時間外労働時間が限度時間以上となった場合、或いは限度時間以内で予め設定した所定時間に達した場合に、その旨を表示した電子メールを電子メール受信装置に対して送信することで、管理者は労働者の時間外労働について的確な管理が可能になる。
請求項9に記載の発明によれば、労働者が申請した時間外労働情報と、有給休暇情報を容易に入力できる勤務状況入出力装置を実現することができる。
請求項10に記載の発明によれば、労働者の勤務状況を記載した勤務管理帳票を出力することができる勤務状況入出力装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態としての勤務状況管理システムの構成を示した図である。
この図1に示す本実施形態の勤務状況管理システム1は、勤務状況管理サーバ2と、勤務時間入力装置3と、複数の勤務状況入出力装置4,4・・・と、により構成される。また各勤務状況入出力装置4,4・・には夫々プリンタ5,5・・が接続されている。
勤務状況管理サーバ2は、例えばパソコン等の情報処理装置により構成され、勤務時間入力装置3から入力される勤務時間情報や勤務状況入出力装置4から入力される勤務申請情報に基づいて労働者の勤務状況を把握し、時間外労働時間や有給休暇等の管理を行う。なお、勤務状況管理サーバ2と勤務時間入力装置3との間、及び勤務状況管理サーバ2と複数の勤務状況入出力装置4,4,・・との間はローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)などを介して接続されている。
勤務時間入力装置3は、労働者の労働開始時間から労働終了時間までを検出して勤務状況管理サーバ2に入力する。勤務時間入力装置3における労働時間の検出方法は、例えばタイムレコーダを利用したり、或いは労働者が個人認証のためのICカードなどを携帯している場合には、会社に設置したICカードリーダ等によりICカードを読み取り、その読み取った時刻から勤務時間を検出したりすることが考えられる。また労働者が常時パソコンを使用して仕事を行っている場合にはパソコンの使用状況から労働間を検出することも可能である。
勤務状況入出力装置4もまた、上記勤務状況管理サーバ2と同様、パソコン等の情報処理装置により構成され、勤務状況管理サーバ2に対して労働者の勤務状況、例えば時間外労働時間や有給休暇の申請等の入力を行ったり、勤務状況管理サーバ2から送られてくる各労働者の勤務管理帳票を表示して出力したり、その勤務管理帳票をプリンタ5により印刷して出力したりする。
【0009】
図2は勤務状況管理サーバ2のハードウェア構成を示した図である。
この図2において、CPU(Central Processing Unit)11は、当該勤務状況管理サーバ2全体の制御処理を司る。
ROM(Read Only Memory)12は、プログラムデータ等が記憶されており、必要に応じてバス10を介してCPU11が読み出しを行うことで、ここに格納されたプログラムに従った処理を実行する。
RAM(Random Access Memory)13には、CPU11が各種処理を実行するのに必要なデータやプログラム等が適宜保持される。
ハードディスクドライブ(HDD)14は、記憶媒体としてハードディスク(HD)15を備えており、CPU11がHD15に対してデータやプログラム等の記録又は読み出しを行う。この場合、CPU11は、HDD14のHD15に記憶されているアプリケーションプログラムを読み出し、RAM13に展開することで、そのアプリケーションプログラムに従った各種処理を実行する。
また内部バス10にはディスプレイ16が接続されると共に、入力手段であるキーボード17とマウス18が接続されている。また内部バス10はローカルエリアネットワークインターフェース(LANI/F)19が接続されており、このLANI/F19を介してLANに接続される。
電子メール送信部20は、例えば管理者などが所有する電子メール受信装置に対して電子メールを送信する送信部であり、その詳細については後述する。
このように構成される勤務状況管理サーバ2は、CPU11がROM12またはHDD14のHD15に記憶されているプログラムをRAM13のワーク領域に展開して処理を実行することで勤務状況管理サーバ2として機能することになる。
【0010】
図3は、勤務状況入出力装置4のハードウェア構成を示した図である。なお、図2と同一ブロックには同一符号を付して説明は省略する。
この図3に示す勤務状況入出力装置4は、上記同様、CPU11、ROM12、RAM13、HDD14、HD15、ディスプレイ16、キーボード17、マウス18、LANI/F19を有し、これらが内部バス10により接続されている。また内部バス10にはプリンタI/F21が接続されており、このプリンタI/F21を介してプリンタ6が接続されている。
このように構成される勤務状況入出力装置4は、CPU11がROM12またはHDD14のHD15に記憶されているプログラムをRAM13のワーク領域に展開して処理を実行することで勤務状況入出力装置4として機能することになる。
【0011】
図4は本実施形態の勤務状況入出力装置4に表示される申請入力画面の一例を示した図であり、(a)には時間外労働申請入力画面の一例が、(b)には休暇申請入力画面の一例がそれぞれ示されている。なお、この図4(a)(b)に示す申請入力画面は、管理者が勤務状況入出力装置4のキーボード17やマウス18等の入力手段を用いて所定の操作を行うことにより勤務状況入出力装置4のディスプレイ16上に表示されるものである。
この図4(a)に示す時間外労働申請入力画面30には、時間外労働を行う日付を入力する日付領域31、曜日を入力する曜日領域32、時間外労働の始業時刻、終業時刻、休憩時間を入力する時間外労働時間入力領域33、実働時間を入力する実働時間入力領域34、時間外労働における業務内容を入力する業務内容入力領域35、及び入力が完了したときにクリックする確定キー36等が設けられている。この場合は、管理者が各領域31〜35の入力を行った後、確定キー36をクリックすると、各領域31〜35に入力した時間外労働に関する情報が勤務申請情報として勤務状況管理サーバ2へ伝送される。
また図4(b)に示す休暇申請入力画面40には、休暇の種類を選択してチェックするチェックボックス41、休暇理由を入力する休暇理由入力領域42、及び入力が完了したときにクリックする確定キー43等が設けられている。この場合は、管理者がチェックボックス41のチェックと休暇理由入力領域42の入力を行った後、確定キー43をクリックすることで、入力した有給休暇に関する情報が勤務申請情報として勤務状況管理サーバ2へ伝送される。
【0012】
また、本実施形態の勤務状況管理システム1においては、勤務時間入力装置3から労働者の勤務時間情報を勤務状況管理サーバ2へ自動的に入力される。
勤務状況管理サーバ2では、勤務状況入出力装置4からの勤務申請情報と、勤務時間入力装置3からの勤務時間情報とに基づいて、各労働者の時間外労働時間と有給休暇の管理を行うようにしている。具体的には、有給休暇の種別ごとの繰り越し日数や、1日の時間外労働時間、一ヶ月単位或いは1年単位の時間外労働の累計時間等の管理を行うようにしている。
従って、このような本実施形態の勤務状況管理システム1によれば、管理者は労働者の有給休暇や時間外労働の申請を行うだけで労働者の有給休暇と時間外労働の管理を行うことができる。
また、管理者は、勤務状況入出力装置4に表示される申請入力画面に従って部下(労働者)から申請のあった時間外労働や有給休暇に関する入力を簡単に行うことができる。
さらに本実施形態の勤務状況管理システム1においては、勤務状況管理サーバ2において各労働者の勤務状況を、その労働者を管理する管理者が使い勝手の良い勤務管理帳票50の形態で勤務状況入出力装置4に接続されたプリンタ5から出力できるようにしている。
【0013】
図5は勤務管理帳票の一例を示した図である。
この図5に示す勤務管理帳票50は、各労働者の勤務状況を一ヶ月単位で記載する帳票であり、この勤務管理帳票50には、少なくとも、2有給休暇である普通有給休暇とライフサポート(LS)休暇という2つ種別の有給休暇の繰り越し日数が記載される繰越休暇記載領域51と、労働者の所定期間内(例えば一年間)における時間外労働時間の累計時間が記載される累計時間記載領域52と、労働者が申請した有給休暇の種別等が記載される休暇種別記載領域53と、労働者が申請、或いは上司が要請した時間外労働時間と、実際に従事した時間外労働の実績時間が記載される時間外労働時間記載領域54と、時間外労働の累計時間が日単位と月単位で記載される累計時間記載領域55とを備えている。なお、休暇種別記載領域53、時間外労働時間記載領域54、及び累計時間記載領域55は日単位で設けられている。なお、休暇種別記載領域53に部下が申請した外出情報等を記載することも可能である。
【0014】
この図5に示す例では、繰越休暇記載領域51に普通休暇とLS休暇の繰越に数が夫々25日と18日であることが記載されている。また累計時間記載領域52には当該年度の時間外労働時間(超過労働時間)の累計が75時間(年360時間限度)であることが記載されている。また休暇種別記載領域53には、2日に普通休暇を取得し、6日に結婚を理由とした特別休暇を取得したことが記載されている。
また時間外労働時間記載領域54には、3日は19:30まで、4日は21:00まで時間外労働の申請があったことと、実際には3日は20:00まで、4日は21:00まで時間外労働が行われたことが夫々記載されている。
また累計時間記載領域55には、3日と4日における時間外労働の日単位の累積時間が夫々2時間40分と3時間40分で月単位の累計時間が夫々2時間40分、6時間20分であることが記載されている。
このような勤務管理帳票50には、各労働者の有給休暇の種別毎の繰り越し日数や、有給休暇の取得状況、時間外労働時間の申請・実績状況、並びに時間外労働の累計時間等が併せて記載されているので、部下(労働者)を管理する立場にある管理者にとって使い勝手の良い勤務管理帳票を実現することができる。
また、時間外労働時間の申請・実績状況とが記載されているので、時間外労働の申請と実際の時間外労働とに大幅な違いがないか容易にチェックすることができる。
また、例えば管理者は図5に示したような勤務管理帳票50を、例えば月はじめにプリンアウトして自身のシステム手帳などの綴じておき、部下から有給休暇や時間外労働の申請があったときに、管理者自身で保管している勤務管理帳票にその旨をメモしておくツールとして利用することも可能である。その場合は、管理者自身が部下の申告に基づいて勤務管理帳票に記載したメモを見ながら勤務状況入出力装置4により入力を行うことが可能になる。
【0015】
このように本実施形態の勤務管理帳票は、部下が取得可能な有給休暇の種別や日数、及び有給休暇の取得予定や、時間外労働時間の申請状況や実績状況などを記載することもできるため、管理者にとって使い勝手の良い勤務管理帳票となる。
また、このような勤務管理帳票50を管理者が携帯している場合は、例えば交通機関等にトラブルが発生したときに、管理者は自身が携帯している勤務管理帳票を見れば、例えば有給休暇の取得状況等から部下からの連絡がなくても交通機関等のトラブルの影響により出社が遅れているのか否か素早く把握することができる。また時間外に緊急事態等が発生した場合等においても、時間外労働の申請状況をみれば、部下の勤務状況を素早く把握することができるようになる。
さらに、本実施形態の勤務状況管理サーバ2には、電子メール送信部20が備えられており、例えば管理者が管理する労働者の時間外労働時間が限度時間近くに達した場合、或いは時間外労働時間が限度時間を超えた場合に、図6に示すように通信網60を介して管理者が所有する携帯電話等の電子メール受信装置61に対してその旨を知らせるようにしている。
【0016】
図7は、勤務状況管理サーバ2において管理者への電子メール送信処理の一例を示した図である。なお、以下に説明する処理は、勤務状況管理サーバ2のCPU11がHD15に予め記録されているプログラムを実行することにより実現されるものである。
この場合、まず、時間外労働限度時間Lを「40」に設定する(S1)。次に今月の時間外労働時間の累計時間Wを算出し(S2)、時間外労働時間の累計時間Wが時間外労働限度時間L以上となったか否かの判別を行う。
ここで、時間外労働時間の累計時間Wが時間外労働限度時間L以上と判別した場合(S3でY)は、1ヶ月当たりの時間外労働時間が限度時間をオーバーしたことを知らせるメールを管理者の電子メール受信装置に送信して(S4)処理を終えるようにする。
これに対して、時間外労働時間の累計時間Wが時間外労働限度時間L以上になっていないと判別した場合(S3でN)はステップS5に進み、例えば時間外労働時間の累計時間Wが限度時間以内で予め設定した時間、例えば時間外労働限度時間Lの90%を越えているか否かの判別を行う。ここで、時間外労働時間の累計時間Wが時間外労働限度時間Lの90%を越えていると判別した場合(S5でY)は、時間外労働時間が限度時間の間近であることを知らせるメールを管理者の電子メール受信装置に送信して(S6)処理を終えるようにする。一方、時間外労働時間の累計時間Wが時間外労働限度時間Lの90%に達していないと判別した場合(S5でN)は、そのまま処理を終えるようにする。
このようにすれば、労働者の時間外労働時間が限度時間の間近であることや、限度時間以上を超えてしまったことなどを、管理者に確実に知らせることができるので、労働組合に対して時間外労働に対する必要な手続きを速やかに行うことができる。
【0017】
なお、本実施形態では、時間外労働時間が限度時間の間近であるか否か判別するための所定時間を時間外労働限度時間の90%に設定する場合を例に挙げて説明したが、これはあくまでも一例であり、時間外労働時間が限度時間の間近であるか否かの判別に利用する所定時間は任意に設定可能であることはいうまでもない。
また、本実施形態においては、月単位の時間外労働の限度時間を基準にして電子メールの送信する場合を例に挙げて説明したが、年単位の時間外労働の限度時間に基づいて電子メールを送信することももちろん可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態としての勤務状況管理システムの構成を示した図である。
【図2】勤務状況管理サーバのハードウェア構成を示した図である。
【図3】勤務状況入出力装置のハードウェア構成を示した図である。
【図4】勤務状況入出力装置に表示される申請入力画面の一例を示した図である。
【図5】勤務管理帳票の一例を示した図である。
【図6】勤務状況管理サーバと電子メール受信装置との通信経路を示した図である。
【図7】勤務状況管理サーバにおける電子メール送信処理の一例を示した図である。
【図8】従来の時間外労働時間簿の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0019】
1…勤務状況管理システム、2…勤務状況管理サーバ、3…勤務時間入力装置、4…勤務状況入出力装置、5…プリンタ、6…プリンタ、10…内部バス、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…HDD、15…HD、16…ディスプレイ、17…キーボード、18…マウス、19…LAN I/F、20…電子メール送信部、30…時間外労働申請入力画面、40…休暇申請入力画面、50…勤務管理帳票、51…繰越休暇記載領域、52…累計時間記載領域、53…休暇種別記載領域、54…時間外労働時間記載領域、55…累計時間記載領域、60…通信網、61…電子メール受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
労働者の勤務状況を把握して管理するための勤務管理帳票であって、
少なくとも、有給休暇の繰り越し日数を記載する繰越休暇記載領域と、所定期間内における前記労働者の時間外労働時間の累計を記載する時間外労働累計記載領域と、前記労働者が有給休暇を取得した際の休暇種別を記載する休暇種別記載領域と、前記労働者が時間外労働に従事した時間を記載する時間外労働時間記載領域と、前記時間外労働の累計時間を記載する時間外労働累計記載領域と、を備えていることを特徴とする勤務管理帳票。
【請求項2】
労働者の勤務状況を把握して管理するための勤務状況管理システムであって、
労働者の勤務状況の入出力を行う勤務状況入出力装置と、前記労働者の勤務時間を入力する勤務時間入力装置と、前記労働者の勤務状況を把握して管理する勤務状況管理装置と、から構成され、
前記勤務状況管理装置は、前記勤務状況入出力装置により入力される労働者の勤務申請情報と前記勤務時間入力装置からの勤務時間情報とに基づいて、前記労働者の時間外労働時間と有給休暇の管理を行うことを特徴とする勤務状況管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の勤務状況管理システムにおいて、
前記勤務状況入出力装置は、前記労働者が申請した時間外労働情報の入力と、前記労働者が申請した有給休暇情報の入力が可能であることを特徴とする勤務状況管理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の勤務状況管理システムにおいて、
前記勤務状況入出力装置は、前記労働者の勤務状況を記載した勤務管理帳票を出力可能であることを特徴とする勤務状況管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の勤務状況管理システムにおいて、
前記勤務管理帳票には、少なくとも、有給休暇の繰り越し日数を記載する繰越休暇記載領域と、所定期間内における前記労働者の時間外労働時間の累計を記載する時間外労働累計記載領域と、前記労働者が有給休暇を取得した際の休暇種別を記載する休暇種別記載領域と、前記労働者が時間外労働に従事した時間を記載する時間外労働時間記載領域と、前記時間外労働の累計時間を記載する時間外労働累計記載領域と、を備えていることを特徴とする勤務状況管理システム。
【請求項6】
請求項2に記載の勤務状況管理システムにおいて、
前記勤務状況管理装置は、前記労働者の勤務を管理する管理者が所有する電子メール受信装置に対して電子メールを送信するメール送信手段を備え、前記労働者の時間外労働時間が限度時間以上となった場合、或いは限度時間以内で予め設定した所定時間に達した場合にその旨を表示した電子メールを前記電子メール受信装置に対して送信することを特徴とする勤務状況管理システム。
【請求項7】
労働者の勤務状況を把握して管理するための勤務状況管理装置であって、
入力される労働者の勤務申請情報と勤務時間情報とに基づいて、前記労働者の時間外労働時間と有給休暇の管理を行うことを特徴とする勤務状況管理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の勤務状況管理装置において、
前記労働者を管理する管理者が所有する電子メール受信装置に対して電子メールを送信するメール送信手段を備え、前記労働者の時間外労働時間が限度時間以上となった場合、或いは限度時間以内で予め設定した所定時間に達した場合にその旨を表示した電子メールを前記電子メール受信装置に対して送信することを特徴とする勤務状況管理装置。
【請求項9】
労働者の勤務状況の入出力を行う勤務状況入出力装置であって、
前記労働者が申請した時間外労働情報の入力と、前記労働者が申請した有給休暇情報の入力が可能であることを特徴とする勤務状況入出力装置。
【請求項10】
請求項9に記載の勤務状況入出力装置において、
前記労働者の勤務状況を記載した勤務管理帳票を出力可能であることを特徴とする勤務状況入出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−86822(P2007−86822A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−248256(P2005−248256)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】