説明

包材により結合する経口医薬の組み合わせ

少なくとも2つの医薬を含有する経口医薬剤型であって、ここで、一方で、当該医薬は、リークプルーフ及びインビボ水溶性包装に集積され、他方で、当該医薬は、組み合わせ医薬の活性成分が互いに接触することができないように分離され、当該医薬の少なくとも1つは、以下の治療分類から選択される医薬剤型:非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)、プロトンポンプ阻害剤(PPI)、ベータ−ブロッカー、スタチン、変換酵素阻害剤(CEI)、ビグアニド、筋弛緩剤、カルシウム阻害剤、コルチコイド、抗鬱剤、ベンゾジアゼピン、非アトロピン様腸管輸送遅延剤及び腸管抗細菌剤、並びに治療用分子である以下の、スピロノラクトン、プロプラノロール、クラリスロマイシン、アモキシシリン、低用量アセチルサリチル酸、カリウム及びクロピドグレル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な経口医薬剤型、及び当該新規な医薬剤型として提示される経口医薬の組み合わせに関し、そして新規な治療法を提案することをその目的とする。
【背景技術】
【0002】
専売医薬の大半は、単一の活性成分を含んでなる。したがって、患者への複数の活性成分の投与には、多数の専売医薬としての投与が必要となる。
【0003】
患者の視点から、これはいわゆるコンプライアンスの問題を生じ、そしてこの問題は、特に高齢者において、同時処方(coprescription)の増加に伴い、さらにより解決が難しくなっている。
【0004】
医師による同時処方が、特に集団、薬量及び投薬量に関していくらか実験的に行われる限り、医師自身は、有効且つ安全な最良の条件下での同時処方の困難に直面する。
【0005】
同じ生薬形態(galenical form)での多数の活性成分の組み合わせが考えられている。2つの別々の区画を有するゼラチンカプセルや、一方を、他方の内部に入れ子にするカプセルが提案されているが(FR2524311、US2005/053648)、これらの解決策は実現されていない。これは間違いなく、操作性に関する予想された困難、特に充填、分離キャップの操作性、充填のための戻し、及び区画の閉鎖が原因である。
【0006】
溶接により閉じ込められる、相互接続手段で提供される集合体について記載する、WO01/08666のように、さらにより複雑且つ特異的な形態が考えられている。
【0007】
特に、医薬を、紙製及び/又はポリマー物質製の連続した食用片上に、(噴霧又は静電的に)堆積させる医薬剤型を記載する、FR2335206において、他の技術が記載されている。当該生薬形態は、1又は複数の活性成分を保持できる、複数層の食用シートを含んでなり、当該層又はシートは、この生薬形態の外表面を構成するための表面上に活性成分が出ないよう整え、そして(1又は複数の)活性成分を内部に捕捉するようこれらを封止する。
【0008】
US5,897,910は、フィルム被覆錠剤の製造をより単純且つ経済的にすることを目的とする。これは、フィルム被覆錠剤の製造のための方法について記載し、ここで、錠剤及びそのフィルム被覆の形成は、1シートの物質を用いて同時に行うことができる。
【0009】
錠剤に関しては、例えばWO97/25064において、多層構造、特に二層構造が提示されている。しかしながら、多層構造の技術も、各医薬の投薬量が非常に正確に遵守されるべき場合、医薬の安定性及び消滅の問題があるため、実施が困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、2以上の医薬を集積し、且つ製造が単純である新規な経口医薬剤型を提示することにより、これらの不利益な点を改善することである。
【0011】
本発明の別の目的は、製造が単純である新規な医薬剤型における医薬の組み合わせを提示することにより、上記の不利益点を改善することである。
【0012】
本発明の別の目的は、医薬のように登録工程を単純化する可能性のある、医薬剤型を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、非常に正確な投薬量、薬量及び患者に対応し、そして医師のために処方作業を単純化するように、特に設計される形態を提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、組み合わせ医薬の各々の投薬量を確実するための解決策を提示することである、
【0015】
本発明のさらに別の目的は、組み合わせ医薬のバイオアベイラビリティを変更しないことを可能とする解決策を提示することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、様々な生薬形態、又は様々な重量もしくは容量を有する生薬形態を組み合わせることができる、多目的な解決策を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
これらの目的は、少なくとも2つの医薬を含有し、一方では、当該医薬を、リークプルーフ(leakproof)インビボ(in vivo)水溶性包材に集積し、他方では、組合わせ医薬の活性成分が互いに接触することができないように当該医薬を分離する、経口医薬剤型に関する本発明により達成される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、端を封止する前の、製薬材料のシートを用いる本発明の医薬剤型の、図式による断面図を示す。
【図2】図2は、端を封止する前の、製薬材料のシートを用いる本発明の医薬剤型の、図式による断面図を示す。
【図3】図3は、端を封止する前の、製薬材料のシートを用いる本発明の医薬剤型の、図式による断面図を示す。
【図4】図4は、ライスペーパーのマトリクスを用いる実施態様の、図式による断面図である。
【図5】図5は、ライスペーパーのマトリクスを用いる実施態様の、図式による断面図である。
【図6】図6は、図式による、水溶性マトリクス中封入体による実施態様を示す。
【図7】図7は、図式による、被覆を用いる2つ関連する錠剤の実施態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の範囲において、水溶性とは、包材が可溶性であり、且つ、例えば、そこで組み合わせ医薬の吸収が所望される消化系の腔(cavity)内で溶解されることを意味し、ここで前記腔としては口、胃又は腸の可能性がある。この腔は、胃であってもよく、当該医薬は、胃又は腸において、例えば少なくとも胃で1つ及び少なくとも腸で1つ吸収されることが可能性がある。特定の実施態様によれば、包材は急速に溶解し、特に水又は唾液中で瞬時に溶解する。包材は、インビボにおいて水溶性であると言われる。
【0020】
包材は、周囲媒質から医薬を隔離するため、リークプルーフと呼ばれる。特に、当該包材は、環境湿度から医薬を隔離する。隔離は、当該医薬剤型の包材により、それ自身は既知の手法で向上させることができ、例えば、ブリスター又は任意の他の既知の手法がある。包材は、患者によって服用されるまで、医薬剤型を保護する。
【0021】
医薬は、好ましくは、包材の内部に広がるシート又は壁により分離される。当該包材及びシート又は壁は(最後のものは存在する場合は)、当然、製薬材料(医薬的に許容される物質)から作製される。包材及びシート又は壁は、分離及び保護の連続性を提供するため、接触する。
【0022】
本発明の範囲内で、医薬は、活性成分の生薬形態又はガレン製剤(galenic formulation)(又は剤型)であると解され、これはつまり、固形の経口生薬形態での、活性成分と、1又は複数の賦形剤、アジュバント、担体、基質の混合物である。この医薬又は生薬形態は、予備的に構成される。固形の経口生薬形態は、固形の経口投与形態であると解され、これはつまり、経口経路による等の、投与に利便的に適する形態である。これには、特に錠剤、被覆状態、ゼラチンカプセル又は軟カプセルの形態がある。これは、固形の経口生薬形態に含まれないはずである、粉末又は液体組成物を除外する。包材の解体後、様々な生薬形態又は医薬が、その本来の形態で体腔内に放出され、これはあたかも、各医薬が(1又は複数の)他のものから別々に投与されているかのようである。
【0023】
本発明の特性によれば、そのように組み合わされた医薬の投薬量は調和する。これは、関連医薬の投薬が、単一投与における最適な治療有効性により最適化されることを意味する。
【0024】
本発明の経口医薬剤型は、限定するものではないが、特に2つ、3つ又は4つの医薬を含むことができる。
【0025】
本発明の医薬剤型は、以下の1つ、複数、又は全ての特性を有することができる:
−医薬は、市販の生薬形態である;
−医薬は、市販の生薬形態と同じ質及び量の組成物を有するが、幾何学的形態が異なる生薬形態である;
−少なくとも1つの市販の生薬形態と、少なくとも1つの類似の生薬形態との組み合わせ;
−包材、及び任意の分離シート又は壁が、規定の吸収部位(口、胃又は腸)のpH条件下で水溶性である物質から作製され;包材と異なり、分離シート又は壁は、必ずしも水溶性物質から作製される必要はなく;ただし、それは、包材の物質と適合する製薬材料から作製されなければならず;したがってそれは、同じ物質を使用することがより便利である;
−水溶性物質は、口(唾液)のpH、それはつまり、7〜8のオーダーのpHで水溶性である;
−水溶性物質は、胃のpH(非常に酸性のpH、一般的に約1)で水溶性である;
−水溶性物質は腸のpH、それはつまり、アルカリ性のpH(約8〜9)で水溶性である;
−組み合わせ医薬は、消化系の同じ腔で吸収されるか、異なる腔で吸収される;
−医薬剤型は、医薬の総重量が、1500mg以下、好ましくは1000mg以下、特に800、700又は600mg以下、特に500又は400mg以下である;
−医薬剤型は、口中で分解するもの以外の形態で、容易な嚥下に適する総容量を有する;
−組み合わせ医薬の生薬形態は同じ性質を有し;例えば、錠剤、被覆錠剤、ゼラチンカプセル又は軟カプセルから選択される;
−組み合わせ医薬の生薬形態は、異なる性質を有し、例えば2つの医薬の組み合わせの生薬形態:錠剤及び被覆錠剤、被覆錠剤及び軟カプセル、軟カプセル及びゼラチンカプセルがある;
−特に、少なくとも1つの医薬がカプセル又はゼラチンカプセルである場合、分離シート又は壁を省くことができ、この場合の物理的分離は、ゼラチンカプセル又はカプセルの壁によって確保される;
−組み合わせ医薬の重量は、実質的に同一であるか又は異なる;
−組み合わせ医薬の容量は、実質的に同一であるか又は異なる。
【0026】
第一の実施態様によれば、包材は軟カプセルタイプであり、ゼラチン又は類似物質の2つの半カプセルから得られ、組み合わせ医薬の周囲を、好ましくは1つの(又は、医薬の数により依存してそれ以上の)分離シート又は壁による分離を有した状態で共に封止し、好ましくは後者はカプセルと同じ物質、例えばゼラチン等から作製される。ツーインワン(two−in−one)形態のための作製プロセスは、従来的手法である蜂の巣状ローラーを2つ使用することを含むことができる。二重反転ローラーは、それ自身が既知である手法で並置される。当該ローラーに、3片(2つは包材のため、1つの中心は分離のため)のゼラチン等、及び2つの医薬を供給する。このゼラチン等の片の封止は、2つのローラー間に発生した圧力により行われる。
【0027】
第二の実施態様によれば、包材は、ライスペーパー又は類似物質のマトリクスであり、特に、例えば、少なくとも2つの区画を有しその各々が医薬を受ける、例えば楕円形の(oblong)の1部分と、被覆を形成する1部分により形成されるマトリクスである。閉鎖は、単純な入れ子、又は結合、例えば物質を結合するための従来方法によるウェット結合(wet bonding)により達成できる。
【0028】
第三の実施態様によれば、包材は封入マトリクスであり、医薬は当該マトリクスに含まれる。この方法は、型への医薬の集積からなり、当該型の中に液体結合剤を、任意に2段階で、適切な手順で注ぐ。ここで当該結合剤は、硬化後に適切なpH条件下で水溶性であるマトリクスを形成することになる。当該マトリクスは、特にゼラチン等、又はポリエチレングリコール、例えばPEG6000等のポリマーマトリクスの代替物から作製されてもよい。
【0029】
第四の実施態様によれば、好ましくは、包材は、組み合わせ医薬を囲むように適用される、水溶性物質の2つのシートにより形成される。その後、これらは互いに封止される。
【0030】
この実施態様によれば、包材の内部で、医薬を互いに分離するため、1又は複数のシート、好ましくは同じ物質からなるシートの使用が好ましい。当該1又は複数のシートを、その端が互いに封止されるように同時に、包材のシートの端で有利に封止することができる。
【0031】
したがって、本実施態様の好ましい形態において、医薬剤型は、少なくとも2つの、例えば2つの医薬、2シートの製薬材料から作製される包材、及び少なくとも1つの(これは2つの医薬が存在する場合であり、あるいは3つの医薬が存在する場合には1つもしくは2つ、等)製薬材料から作製される分離シートを含んでなり、当該3つのシートは共に、医薬剤型の周囲全体にわたって封止される。
【0032】
包材、及び任意に分離シート又は壁を形成するための製薬材料のシートは、以下の1つ、複数、又は全ての特性を有することができる:
−これらは、分離シート及び包材のシートについて同じ性質である
−これらは、その端で封止される;
−これらは、規定の吸収部位のpHで水溶性である;
−これらは、口(唾液)のpH、それはつまり、7〜8のオーダーのpHで水溶性である;
−これらは、胃のpH(非常に酸性のpH、一般的に約1)で水溶性である;
−これらは、腸のpH、それはつまり、アルカリ性のpH(pHが約8〜9)で水溶性である;
−これらは、経口服用のための製薬材料から作製される;
−これらは、以下の物質の1つから形成されるか、それを含んでなる:生体材料、特に藻類由来もしくは藻類に基づく生体材料、セルロースポリマーもしくはコポリマー、ポリビニルアルコール、乳酸及び/もしくはグリコール酸誘導体、特にPLGA及びPLA、ポリカプロラクトン(PCL);
−当該物質は、最良な可能性ある手順で錠剤に包み込まれた錠剤の形状とするため、封止後、わずかに収縮してもよい;
−物質の厚みは、特に30〜300μmである。
【0033】
シートの端は、周辺全体にわたって共に封止され、封止された端は、好ましくは、快適な服用(口)又は容易な嚥下(胃、腸)に対して弊害となるリリーフ(relief)を、可能な限り作らないような形態に近づけるよう折り曲げる。必要ならば、端を折り曲げる前に、これらを切断により小さくさせることができる。
端の封止の方法は、シートの物質に適合させる。
【0034】
錠剤に適する第五の実施態様によれば、包材は、結合により集積される錠剤の外表面全体にわたって存在するフィルム被覆である。錠剤は、複数の表面を有し、好ましくは、関連する錠剤のものと相補的である。3つの錠剤を組み合わせる場合、中間の錠剤は、2つの平面状の表面を有する。
【0035】
この場合、医薬剤型は、分離フィルム被覆又は結合により、及び包み込むフィルム被覆により集積される2つの錠剤を含んでなり、ここで当該2つのフィルム被覆は、連続的な物質であることが有利である。当該2つのフィルム被覆は、同一の物質か、又は異なるが物質の連続性を確保するために有利に適合する物質があり得る。従来のフィルム被覆組成物及び方法は、それらを作製するために使用できる。
【0036】
第一の形態によれば、錠剤は、全体的にフィルム被覆され、且つ当該フィルム被覆錠剤は、体腔で溶解するまで、単一の形状を確保するのに十分な表面により、互いに結合する。
【0037】
第二の形態によれば、錠剤は、最初に共に結合し、その後、全体的にフィルム被覆される。
【0038】
好ましくは、方法は、例えば、フィルム形成溶液の噴霧による、2つの錠剤のフィルム被覆の分離を含んでなる。当該溶液は、ポリビニルアルコール及びポリエチレングリコールのコポリマーを含むことができる。有利なことには、包材、及び特に前記コポリマーから得たものは、剤型が分解すると同時に、水性環境に、急速もしくは瞬時に可溶化する。好ましくは、フィルム形成溶液は、本来の錠剤の溶解パラメータを変更しない。各錠剤は、異なる錠剤の存在が肉眼で見えるような、それ自身の色付の溶液を活用して、うまくフィルム被覆できる。
【0039】
その後、好適な結合溶液を活用して、結合を行うことができる。当該溶液は、フィルム形成溶液と同じ性質、希釈物、又は任意に異なる粘度であってもよい。溶液は、異なる性質でよく、且つ他の好適なモノマー又はポリマーを含むことができる。結合溶液は、水溶液、又は超臨界液体状態で維持される気体、例えば二酸化炭素を用いて得られる溶液であってよい。結合それ自身は、例えば、単純な接触、又は圧縮による融合、又は別の既知の方法により得られる。
【0040】
結合は、錠剤間に置かれる粉状物質を利用し、その後、圧縮による融合をすることによっても達成できる。
【0041】
同じ形態で組み合わされた錠剤又は被覆錠剤は、以下の1つ、複数又は全ての特性を有することができる:
−これらが錠剤及び/又は被覆錠剤の場合、これらの各々は、形態の点で他方の面と相補的である面を有し、当該2つの面は、最終医薬剤型において互いに向かい合わせるようにし;これらの2つの面は、好ましくは平面又は実質的に平面である;
−錠剤及び/又は被覆錠剤の各々は、平面又は実質的に平面を有し、当該2つの面は、同じ形状である;
−前記2つの相補的面は、円形又は楕円形の形状である;
−前記最終医薬剤型は、球形又は伸びた球形(楕円形)を形成する;
−錠剤/被覆錠剤は、実質的に同一重量である;
−錠剤/被覆錠剤は、異なる重量である。
【0042】
本発明の特性によれば、医薬の幾何学的形態を、本発明の要請に適合させる。現存の医薬(参照専売医薬)が使用される場合、この適合は、本来の医薬の組成物の質及び量を変化させることなくなされる(「類似の生薬形態」)。したがって、特に、参照専売医薬の活性成分及び(1又は複数の)賦形剤から出発し、所望の形態を有する錠剤を作製する。組み合わされる2つの錠剤は、それらが本明細書において記載される最適に相補的幾何学的形態を有するように作製される。
【0043】
本発明は、本発明による医薬剤型で提示され、医薬(特に、2つ、3つ又は4つの医薬)のジョイント(joint)投与をさせる療法を提案することを目的とする経口医薬組み合わせに関し、ここで本発明による経口医薬剤型は、それを必要とする患者に投与される。上記の様々な医薬剤型は、当該方法の対象であり得る。
【0044】
本発明の特性によれば、そのように組み合わされた医薬の投薬量は調和する。これは、様々な組み合わせ医薬の投薬が、単回投与において最適な治療有効性のための各々の医薬のそれぞれの用量を規定する医薬処方に対応することを意味する。
【0045】
より具体的には、本発明は、少なくとも2つの医薬を含有する経口医薬剤型に関し、この形態において、当該医薬を、水溶性包材に集積し、他方では、活性成分が互いに接触することができないように当該医薬を分離し、当該医薬の少なくとも1つは以下の治療分類から選択される:
−非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)、プロトンポンプ阻害剤(PPI)、ベータ−ブロッカー、スタチン、変換酵素阻害剤(CEI)、ビグアニド、筋弛緩剤、カルシウム阻害剤、コルチコイド、抗鬱剤、ベンゾジアゼピン、非アトロピン様腸管輸送遅延剤及び腸管抗細菌剤、並びに治療用分子である以下の、スピロノラクトン、アルダクトン、プロプラノロール、クラリスロマイシン、アモキシシリン、低用量アセチルサリチル酸(アスピリン)、カルベジロール、カリウム及びクロピドグレル。
【0046】
本発明は、特に2つ、3つ又は4つの医薬の組み合わせに関する。
【0047】
医薬は、以下の好ましい組み合わせを構成するよう選択できる:
−プロトンポンプ阻害剤(PPI)と組み合わせる非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS);
−スタチンと組み合わせるベータ−ブロッカー;
−スタチンと組み合わせる変換酵素阻害剤(CEI);
−ビグアニドと組み合わせるスタチン;
−筋弛緩剤と組み合わせるNSAID;
−CEIと組み合わせるカルシウム阻害剤;
−プロパノロールと組み合わせるスピロノラクトン;
−クラリスロマイシン及びアモキシシリンと組み合わせるPPI;
−クロピドグレルと組み合わせる、低用量アセチルサリチル酸(「幼児用」用量、これは、成人患者における血液流動化効果を有し、高血圧の問題を扱うため心臓学において一般に使用され;用量は75mg、例えば、75〜160mg用量である);
−CEI、スタチン及びベータ−ブロッカーと組み合わせる低用量アセチルサリチル酸;
−カリウムと組み合わせるコルチコイド(用量は、特に20〜100mgで変化する);
−(精神安定剤)ベンゾジアゼピンと組み合わせる抗鬱剤;
−腸抗細菌剤と組み合わせる非アトロピン様腸管輸送遅延剤。
【0048】
本発明は、NSAIDを含む医薬及びPPIを含む違約を含有する経口医薬剤型に関する。
【0049】
適応症は、胃十二指腸病変の危険性のある患者の抗炎症治療である。
【0050】
本発明は、胃十二指腸病変の危険性のある患者への抗炎症剤として、本発明のツーインワン経口医薬剤型の調製における、NSAIDを含んでなる医薬及びPPIを含んでなる医薬の使用にも関する。
【0051】
NSAIDとしては、限定するものではないが、ナプロキセン、ケトプロフェン、ジクロフェナク、イブプロフェンを特記できる。
【0052】
PPIとしては、限定するものではないが、オメプラゾール、エソメプラゾール及びランソプラゾールを特記できる。
【0053】
本発明は、ベータ−ブロッカーを含んでなる医薬及びスタチンを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型にも関する。
【0054】
適応疾患は、動脈性高血圧に罹患する患者における高コレステロール血症である。
【0055】
本発明は、動脈性高血圧に罹患する患者における高コレステロール血症の治療のための、本発明のツーインワン経口医薬剤型の調製における、ベータ−ブロッカーを含んでなる医薬及びスタチンを含んでなる医薬の使用にも関する。
【0056】
ベータ−ブロッカーとしては、限定するものではないが、ビソプロロール、アテノロール、アセブトロールを特記できる。
【0057】
スタチンとしては、限定するものではないが、プラバスタチン、シンバスタチンが特記できる。
【0058】
本発明は、CEIを含んでなる医薬及びスタチンを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型にも関する。
【0059】
適応症は、潜在的対象における心臓血管疾患、特に高コレステロール血症に関連する動脈性高血圧の予防である。
【0060】
本発明は、潜在的対象における心臓血管疾患、特に高コレステロール血症に関連する動脈性高血圧の予防のための、本発明のツーインワン経口医薬剤型の調製における、CEIを含んでなる医薬及びスタチンを含んでなる医薬の使用にも関する。
【0061】
スタチンとしては、限定するものではないが、プラバスタチン、シンバスタチンを特記できる。
【0062】
CEIとしては、限定するものではないが、ラミプリル、カプトプリル、エナラプリル及びホシノプリルを特記できる。
【0063】
本発明は、ビグアニドを含んでなる医薬及びスタチンを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型にも関する。
【0064】
適応症は、2型糖尿病に罹患する患者における心臓血管の危険の予防である。
【0065】
本発明は、2型糖尿病に罹患する患者における心臓血管の危険の予防のための、本発明のツーインワン経口医薬剤型の調製における、ビグアニドを含んでなる医薬及びスタチンを含んでなる医薬の使用にも関する。
【0066】
スタチンとしては、限定するものではないが、プラバスタチン、シンバスタチンを特記できる。
【0067】
ビグアニドとしては、限定するものではないが、メトホルミン、グリクラジド、カルブタミド及びグリベンクラミドを特記できる。
【0068】
本発明は、NSAIDを含んでなる医薬及び筋弛緩剤を含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型にも関する。
【0069】
適応症は、一般的な急性腰痛の治療である。
【0070】
本発明は、一般的な急性腰痛の治療のための、本発明のツーインワン経口医薬剤型の調製における、NSAIDを含んでなる医薬及び筋弛緩剤を含んでなる医薬の使用にも関する。
【0071】
筋弛緩剤としては、限定するものではないが、チオコルチコシドを特記できる。
【0072】
NSAIDとしては、限定するものではないが、ナプロキセン、ケトプロフェン、ジクロフェナク、イブプロフェンを特記できる。
【0073】
本発明は、カルシウム阻害剤を含んでなる医薬及びCEIを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型にも関する。
【0074】
適応症は、単回療法に対して耐性である動脈性高血圧の治療である。
【0075】
本発明は、単回療法に対して耐性である動脈性高血圧の治療のための、本発明のツーインワン経口医薬剤型の調製における、カルシウム阻害剤を含んでなる医薬及びCEIを含んでなる医薬の使用にも関する。
【0076】
CEIとしては、限定するものではないが、カプトプリル、エナラプリル及びホシノプリルを特記できる。
【0077】
カルシウム阻害剤としては、限定するものではないが、ニフェジピン、フェロジピン及びニカルジピンを特記できる。
【0078】
本発明は、スピロノラクトンを含んでなる医薬及びプロプラノロールを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型にも関する。
【0079】
適応症は、肺性動脈性高血圧に罹患する患者における硬変の治療である。
【0080】
本発明は、肺性動脈性高血圧に罹患する患者における硬変の治療のための、本発明のツーインワン経口医薬剤型の調製における、スピロノラクトンを含んでなる医薬及びプロプラノロールを含んでなる医薬の使用にも関する。
【0081】
本発明は、PPIを含んでなる医薬、クラリスロマイシンを含んでなる医薬、及びアモキシシリンを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型にも関する。
【0082】
適応症は、成人における胃十二指腸潰瘍疾患の場合、特に通常内視鏡検査により提供される病変及び感染の証拠である、細菌ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)の根絶治療である。
【0083】
本発明は、成人における胃十二指腸潰瘍疾患の場合、細菌ヘリコバクター・ピロリの根絶治療のための、本発明のツーインワン経口医薬剤型の調製における、PPIを含んでなる医薬、クラリスロマイシンを含んでなる医薬、及びアモキシシリンを含んでなる医薬の使用にも関する。
【0084】
PPIとしては、限定するものではないが、オメプラゾール、エソメプラゾール及びランソプラゾールを特記できる。
【0085】
本発明は、低用量アセチルサリチル酸を含んでなる医薬、CEIを含んでなる医薬、スタチンを含んでなる医薬、及びベータ−ブロッカーを含んでなる医薬を含有する、経口医薬剤型にも関する。
【0086】
適応症は、(心不全への罹患が有るか又は無い)梗塞後の治療である。
【0087】
本発明は、梗塞後の治療のための、本発明のツーインワン経口医薬剤型の調製における、低用量アセチルサリチル酸を含んでなる医薬、CEIを含んでなる医薬、スタチンを含んでなる医薬、及びベータ−ブロッカーを含んでなる医薬の使用にも関する。
【0088】
ベータ−ブロッカーとしては、限定するものではないが、ビソプロロール、アテノロール、アセブトロール、カルベジロールを特記できる。
【0089】
スタチンとしては、限定するものではないが、プラバスタチン、シンバスタチンが特記できる。
【0090】
CEIとしては、限定するものではないが、ラミプリル、カプトプリル、エナラプリル及びホシノプリルを特記できる。
【0091】
本発明は、低用量アセチルサリチル酸を含んでなる医薬及びクロピドグレルを含んでなる医薬を含有する、経口医薬剤型にも関する。
【0092】
適応症は、高血圧患者及び血管形成術を受けている患者における、血栓塞栓症の危険性の予防である。
【0093】
本発明は、高血圧患者及び血管形成術を受けている患者における、血栓塞栓症の危険性の予防のための、本発明のツーインワン経口医薬剤型の調製における、低用量アセチルサリチル酸を含んでなる医薬及びクロピドグレルを含んでなる医薬の使用にも関する。
【0094】
本発明は、コルチコイドを含んでなる医薬及びカリウムを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型にも関する。
【0095】
適応症は、コルチコ療法(corticotherapy)により治療される患者における、低カリウム血症の予防である。
【0096】
本発明は、コルチコ療法により治療される患者における、低カリウム血症の予防のための、本発明のツーインワン経口医薬剤型の調製における、コルチコイドを含んでなる医薬及びカリウムを含んでなる医薬の使用にも関する。
【0097】
コルチコイドは、20〜100mgの用量範囲で使用できる。
【0098】
コルチコイドとしては、限定するものではないが、プレドニソロン、プレドニゾンを特記できる。
【0099】
カリウムは、一般的にカリウム塩の形態である。カリウム塩としては、塩化カリウムを特記できる。
【0100】
本発明は、抗鬱剤を含んでなる医薬、ベンゾジアゼピンを含んでなる医薬を含有する、経口医薬剤型にも関する。
【0101】
適応症は、鬱の治療である。
【0102】
本発明は、鬱の治療のための、本発明のツーインワン経口医薬剤型の調製における、抗鬱剤を含んでなる医薬、ベンゾジアゼピンを含んでなる医薬の使用にも関する。
【0103】
抗鬱剤は、特に三環式抗鬱剤、例えば、クロミプラミン、又は選択的セロトニン再取込み阻害剤、例えばフルオキセチン又はベンラファキシンがあり得る。
【0104】
ベンゾジアゼピン(精神安定剤)は、限定するものではないが、アルプラゾラムがあり得る。
【0105】
本発明は、非アトロピン様腸管輸送遅延剤を含んでなる医薬及び腸管抗細菌剤を含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型にも関する。
【0106】
適応症は、腸管輸送の回復及び細菌性下痢の治療である。
【0107】
本発明は、腸管輸送の回復及び細菌性下痢の治療のための、本発明のツーインワン経口医薬剤型の調製における、非アトロピン様腸管輸送遅延剤を含んでなる医薬及び腸管抗細菌剤を含んでなる医薬の使用にも関する。
【0108】
非アトロピン様腸管輸送遅延剤としては、例えば、ロペラミドを特記できる。
【0109】
抗細菌剤としては、例えば、ニフロキサジドを特記できる。
【0110】
ここで記載した正確な組み合わせの各々について、医薬は、好ましくは、水溶性包材に集積され、且つそれらの活性成分が互いに接触できないよう分離される。
【0111】
様々な組み合わせの関係で記述された医薬は、上記の様々な製剤であり得る。
【0112】
本発明の医薬は、本発明の実施のために使用できる市販形態の物質であるか、当該物質であることが可能である。
【0113】
使用できる市販形態又は参照特殊品(reference specialities)としては、例えば、以下のものに言及できる:
−スタチンとして(クラスC10A1)、Elisor(登録商標)(プラバスタチン)、Zocor(登録商標)(シンバスタチン;
−プロトンポンプ阻害剤(クラスA2B2)として、Mopral(登録商標)(オメプラゾール);
−非ステロイド性抗炎症薬(M1A1)として、Naprosyne(登録商標)(ナプロキセン)、Nurofen(登録商標)(イブプロフェン)、Ketum(登録商標)(ケトプロフェン)及びVoltaren(登録商標)(ジクロフェナク);
−ベータ−ブロッカー(クラスC7A)として、Detensiel(登録商標)又はSoprol(登録商標)(ビソプロロール)、Tenormine(登録商標)(アトノロール)、Sectral(登録商標)(アセブトロール);Kredex(登録商標)(カルベジロール);
−変換酵素阻害剤(CEI、クラスC9A)として、Triatec(登録商標)(ラミプリル)、Lopril(登録商標)(カプトプリル)、Renitec(登録商標)(エナラプリル)、Fositec(登録商標)(ホシノプリル);
−ビグアニド(クラスA10B2)として、Glucophage(登録商標)(メトホルミン)及びDiamicron(登録商標)(グリクラジド);
−Solupred(登録商標)、Cortancyl(登録商標)、Medrol(登録商標)(コルチコイド);
−Kaleorid(登録商標)、Difuca(登録商標)(カルシウム塩);
−Zeclar(登録商標)又はNaxy(登録商標)(クラリスロマイシン)、Clamoxyl(登録商標)又はAgram(登録商標)(アモキシシリン);
−Aldactone(登録商標)50(スピロノラクトン)、Avlocardyl(登録商標)40(プロプラノロール);
−Adalat(登録商標)LD(ニフェジピン)、Flodil(登録商標)(フェロジピン)、Loxen(登録商標)(ニカルジピン);
−Imossel(登録商標)及びImodium(登録商標)(ロペラミド)、Ercefuryl(登録商標)(ニフロキソジド);
−Plavix(登録商標)(クロピドグレル);
−Anafranil(登録商標)(クロミプラミン)、Prozac(登録商標)(フルオキセチン)、Effexor(登録商標)(ベンラファキシン);
−Lexomil(登録商標)(ブロマゼパム)、Xanax(登録商標)(アルプラゾラム)(登録商標);
−又はそのジェネリック専売医薬。
【0114】
しかしながら、本発明の1つの特性によれば、医薬の生薬形態を、本発明の要請に適合させることができる。現存の医薬(参照ジェネリック専売医薬)が使用される場合、この適合は、本来の医薬の組成物の質及び量を変化させることなくなされる(「類似の生薬形態」)。したがって、特に、参照専売医薬の活性成分及び(1又は複数の)賦形剤から出発し、所望の形態を有する錠剤を作製する。組み合わされる2つの錠剤は、それらが本明細書において記載される最適に相補的幾何学的形態を有するように作製される。
【0115】
本発明は、医薬(特に、2つ、3つ又は4つの医薬)のジョイント(joint)投与をさせる療法にも関し、ここで本発明による経口医薬剤型は、それを必要とする患者に、指示される治療適応症のために、投与される。上記の様々な医薬剤型及び本明細書に提示される治療適応症は、当該方法の対象であり得る。
【0116】
本発明の1つの特性によれば、医薬は調和する治療投薬量を有する。これは、単一の投与において最適な治療有効性について最適化される関連医薬の投薬量を意味する。
【0117】
したがって、第一の実施態様は、NSAIDを含んでなる医薬及びPPIを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型の投与することにある。適応症は、胃十二指腸病変の危険性のある患者の抗炎症治療である。使用できる医薬及び組み合わせは、上記の通りである。
【0118】
第二の実施態様は、ベータ−ブロッカーを含んでなる医薬及びスタチンを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型の投与することにある。適応症は、動脈性高血圧に罹患する患者における高コレステロール血症の治療である。使用できる医薬及び組み合わせは、上記の通りである。
【0119】
第三の実施態様は、CEIを含んでなる医薬及びスタチンを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型の投与することにある。適応症は、潜在的対象における心臓血管疾患、特に高コレステロール血症に関連する動脈性高血圧の予防である。使用できる医薬及び組み合わせは、上記の通りである。
【0120】
第四の実施態様は、ビグアニドを含んでなる医薬及びスタチンを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型の投与することにある。適応症は、2型糖尿病に罹患する患者における心臓血管の危険の予防である。使用できる医薬及び組み合わせは、上記の通りである。
【0121】
第五の実施態様は、NSAIDを含んでなる医薬及び筋弛緩剤を含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型の投与することにある。適応症は、一般的な急性腰痛の治療である。使用できる医薬及び組み合わせは、上記の通りである。
【0122】
第六の実施態様は、カルシウム阻害剤を含んでなる医薬及びCEIを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型の投与することにある。適応症は、単回療法に対して耐性である動脈性高血圧の治療である。使用できる医薬及び組み合わせは、上記の通りである。
【0123】
第七の実施態様は、スピロノラクトンを含んでなる医薬及びプロプラノロールを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型の投与することにある。適応症は、肺性動脈性高血圧に罹患する患者における硬変の治療である。使用できる医薬及び組み合わせは、上記の通りである。
【0124】
第八の実施態様は、PPIを含んでなる医薬、クラリスロマイシンを含んでなる医薬、及びアモキシシリンを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型の投与することにある。適応症は、成人における胃十二指腸潰瘍疾患の場合、その病変及び感染の証拠は、通常内視鏡検査によって提供される、細菌ヘリコバクター・ピロリの根絶治療である。使用できる医薬及び組み合わせは、上記の通りである。
【0125】
第九の実施態様は、低用量アセチルサリチル酸を含んでなる医薬、CEIを含んでなる医薬、スタチンを含んでなる医薬、及びベータ−ブロッカーを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型の投与することにある。適応症は、(心不全への罹患が有るか又は無い)梗塞後の治療である。使用できる医薬及び組み合わせは、上記の通りである。
【0126】
第十の実施態様は、低用量アセチルサリチル酸を含んでなる医薬及びクロピドグレルを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型の投与することにある。適応症は、高血圧患者及び血管形成術を受けている患者における、血栓塞栓症の危険性の予防である。使用できる医薬及び組み合わせは、上記の通りである。
【0127】
第十一の実施態様は、コルチコイドを含んでなる医薬及びカリウムを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型の投与することにある。適応症は、コルチコ療法による治療を必要とする患者における、低カリウム血症の予防である。使用できる医薬及び組み合わせは、上記の通りである。
【0128】
第十二の実施態様は、抗鬱剤を含んでなる医薬、ベンゾジアゼピンを含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型の投与することにある。適応症は、鬱の治療である。使用できる医薬及び組み合わせは、上記の通りである。
【0129】
第十三の実施態様は、非アトロピン様腸管輸送遅延剤を含んでなる医薬及び腸管抗細菌剤を含んでなる医薬を含有する経口医薬剤型の投与することにある。適応症は、腸管輸送の回復及び細菌性下痢の治療である。使用できる医薬及び組み合わせは、上記の通りである。
【0130】
本発明は、本発明の経口医薬剤型を作製するためのプロセスにも関する。当該プロセスは、2以上の医薬を、リークプルーフ水溶性包材に集積するステップ、及び任意に、シート又は壁を間に入れることにより当該医薬を分離するステップ(当該ステップは、集積ステップより先に、又はそれと同時に行われる)を含んでなる。
【0131】
本発明の医薬剤型の、各実施態様の作製に関する詳細を、以下の記載で提供する。
【0132】
プロセスの特性は、2以上の予備的に構成された、特に現存するか又は市販の、医薬又は生薬形態の集積である。
【0133】
別の特性によれば、少なくとも1つの医薬の形式は、それをできる限り小型であり服用が容易な医薬剤型を作製するために、他の構成にそれを適合させるよう修正される。特に、2以上の医薬の構成を適合させる。
【0134】
例えば、錠剤は、互いに向かい合わせの平面表面を有するように選択されるか、又は整えられる。これらはまた、類似するか、又はさらに良好で同一であるサイズ及び形態の平面表面を有するように選択されるか、又は整えられる。
【0135】
ここで、本発明を、非限定的な例により提供される実施態様を利用し、且つ添付の図面を参照して記載する。
【0136】
図1は、同じ半球形態、及び同じ、例えば各々200mgの容量を有する2つの錠剤1及び2を含んでなる、医薬剤型を示す。実質的に球形の単一医薬剤型を提供する組み合わせは、参照数字3、4及び5により示される3シートのセルロースコポリマーの医薬フィルムを用いることにより得られ、参照数字5は、錠剤1及び2の平面表面間の分離シートを示す。示される3つの実施態様について、3つのシートの端は、周辺全体にわたって共に封止され、当該封止された端を、容易な嚥下に対して弊害となるリリーフ(relief)を、可能な限り作らないような形態に近づけるよう折り曲げる。必要ならば、端を、折り曲げる前に切断することにより小さくさせることができる。
【0137】
変形としては、2つの市販の錠剤を、その形態を修正することなく使用する。
【0138】
図2は、異なる容量、例えばそれぞれ400mg及び200mgを有する2つの錠剤6及び7を含んでなる医薬剤型を示す。実質的に球形の単一医薬剤型を提供する組み合わせは、参照数字8、9及び10により示される3つのポリマーシート、例えばポリビニルアルコールを用いて得られ、参照数字10は、錠剤6及び7の平面表面間の分離シートを示す。
【0139】
変形としては、2つの市販の錠剤を、その形態を修正することなく使用する。
【0140】
図3は、同じ形状、及び同じ、例えば各300mgの容量を有する、2つの錠剤11及び12を含んでなる医薬剤型を示す。単一医薬剤型を提供する組み合わせは、参照番号13、14及び15により示される3つのポリカプロラクトンシートを用いて得られ、参照番号15は、錠剤11及び12の平面表面間の分離シートを示す。
【0141】
図4は、外包材16及び分離壁17、全体的に区切る2つの区画18及び19を含んでなるライスペーパーのマトリクスのボディを示す。ボディの各区画は、生薬形態20、21を含有することが示されている。マトリクスは、平らな基材(示していない)及び被覆(示していない)を含んでなる。
【0142】
図5は、図4のAAでの断面図を示し、ここではマトリクスのボディだけでなく、その被覆22もある。被覆22は、マトリクスのボディ上で合わさっている。マトリクスボディ、及び被覆は、ライスペーパー溶液を型に入れ且つ硬化させることによる、従来的手法で作製できることに留意されたい。
【0143】
図6は、スチール型23、PVC又はPVC−PVDC、又はブリスターセルを形成するのに適する任意の他の食物プラスティック物質のブリスターセル24を示す。このセルは、1又は複数の保護フィルムで被覆されていても、そうでなくてもよい。それは型23において単純に熱成形することができる。2つの医薬25及び26をセル中に置き、その後、封入マトリクス27を形成する結合剤をそこに注ぐ。その後、マトリクスを冷却により硬化させる。マトリクスをゼラチンで作製する場合、乾燥も行われる。マトリクスをPEG、例えばPEG6000で作製する場合、硬化は、単に冷却を行うだけである。その後、セルを封入シートで閉じ、これは従来的には、アルミニウム錯体(示していない)の熱封止による。
【0144】
図7は、フィルム被覆及び結合のプロセスにより得られる医薬剤型を示す。錠剤A及びBの各々は、例えばポリビニルアルコール及びポリエチレングリコールのコポリマーから得られるフィルム形成溶液の噴霧により、回転ドラム中で個別にフィルム被覆される。噴霧溶液は、各々の錠剤について異なる色を有する。
【0145】
その後、フィルム形成物質と共に、得られた溶液の堆積により結合を行う。必要ならば、結合溶液の濃度を、好適な粘度を有するように調整する。結合は、単純な接触が、又は圧縮融合により行うことができる。
【0146】
本明細書は、実質的には2つの医薬の組み合わせに焦点を当てる。当業者は、当該医薬剤型を、2以上の医薬、特に3又は4つの医薬が存在する場合に、必要な限り多くの分離シート又は壁を組み込むことにより、容易に適合できるはずである。記載されるもの以外の医薬剤型を予想することは、当業者にとって可能なはずである。例えば、彼は、本発明の範囲内の医薬、つまり固形経口生薬形態を、各区画に置くことによって、当該技術分野において直面する充填及び操作の困難に関連する不利益点が無い状態で、特にマルチ区画ゼラチンカプセルにおいて、ゼラチンカプセルを使用できるはずである。その後、例えば、それを水平面上で、且つ工業的に許容される条件下で、ゼラチンカプセルの各部分を集合させることができる。したがって、かかるゼラチンカプセルは本発明の医薬を各々含有し、分離壁により互いに分離される、少なくとも2つの区画を含んでなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの医薬を含有し、一方では、当該医薬を、リークプルーフ(leakproof)インビボ(in vivo)水溶性包材に集積し、他方では、組み合わせ医薬中の活性成分が互いに接触することができないように当該医薬を分離する、経口医薬剤型。
【請求項2】
前記医薬が、市販の生薬形態(galenical form)及び/又は市販の生薬形態と同じ質及び量の組成物を有するが、幾何学的形態が異なる生薬形態である、請求項1に記載の医薬剤型。
【請求項3】
前記医薬が、前記包材の内部に広がるシート又は壁により分離される、請求項1又は2に記載の医薬剤型。
【請求項4】
前記包材、及び任意に、前記分離シート又は壁が、口のpH、胃のpH、又は腸のpHで水溶性である物質から作製される、請求項3に記載の医薬剤型。
【請求項5】
2つ、3つ又は4つの医薬を含んでなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項6】
前記医薬の総重量が1500mg以下、好ましくは1000mg以下、特に500mg以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項7】
前記組み合わせ医薬の生薬形態が、同じ性質又は異なる性質であり、且つ錠剤、被覆錠剤、ゼラチンカプセル及び軟カプセルから選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項8】
前記組み合わせ医薬、製薬材料の2つのシートから作製される包材、及び製薬材料から作製される少なくとも1つの分離シートを含んでなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項9】
前記組み合わせ医薬、封止される軟カプセルにより形成される包材、及び製薬材料から作製される少なくとも1つの分離シートを含んでなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項10】
前記組み合わせ医薬、各々が医薬を受ける少なくとも2つの区画を有するライスペーパーのマトリクス、及び覆いを形成する部分を含んでなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項11】
封入マトリクスに包み込まれる前記組み合わせ医薬を含んでなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項12】
前記包材が、以下の材料:生体材料、特に藻類由来もしくは藻類に基づく生体材料、セルロースポリマーもしくはコポリマー、ポリビニルアルコール、乳酸及び/もしくはグリコール酸誘導体、特にPLGA及びPLA、ポリカプロラクトン(PCL)のうちの1つから形成されるか、それを含んでなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項13】
前記包材が、結合により集積される前記錠剤の外表面全体にわたり存在する、フィルム被覆である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項14】
前記異なる錠剤のフィルム被覆用のフィルム形成溶液が、同一であるか異なる、請求項13に記載の医薬剤型。
【請求項15】
前記錠剤が、初めにフィルム被覆されてから結合するか、又は結合してからフィルム被覆される、請求項13又は14に記載の医薬剤型。
【請求項16】
前記フィルム形成溶液が、ポリビニルアルコールとポリエチレングリコールのコポリマーを含むことができる、請求項13〜15のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項17】
前記結合溶液とフィルム形成溶液が、同一であるか異なる、請求項13〜16のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項18】
前記組み合わせ医薬が、同一であるか異なる消化系の腔(cavity)において吸収される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項19】
前記医薬の少なくとも1つのが、以下の治療分類:非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)、プロトンポンプ阻害剤(PPI)、ベータ−ブロッカー、スタチン、変換酵素阻害剤(CEI)、ビグアニド、筋弛緩剤、カルシウム阻害剤、コルチコイド、抗鬱剤、ベンゾジアゼピン、非アトロピン様腸管輸送遅延剤及び腸管抗細菌剤、並びに以下の治療用分子:スピロノラクトン、プロプラノロール、クラリスロマイシン、アモキシシリン、低用量アセチルサリチル酸、カリウム及びクロピドグレルから選択される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の経口医薬剤型。
【請求項20】
以下の組み合わせ、
−プロトンポンプ阻害剤(PPI)と組み合わせる非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS);
−スタチンと組み合わせるベータ−ブロッカー;
−スタチンと組み合わせる変換酵素阻害剤(CEI);
−ビグアニドと組み合わせるスタチン;
−鎮痛剤及び/又は筋弛緩剤と組み合わせるNSAID;
−CEIと組み合わせるカルシウム阻害剤;
−プロプラノロールと組み合わせるスピロノラクトン;
−クラリスロマイシン及びアモキシシリンと組み合わせるPPI;
−CEI、スタチン及びベータ−ブロッカーと組み合わせる低用量アセチルサリチル酸;
−クロピドグレルと組み合わせる低用量アセチルサリチル酸;
−カリウムと組み合わせるコルチコイド;
−ベンゾジアゼピンと組み合わせる抗鬱剤;
−腸管抗細菌剤と組み合わせる非アトロピン様腸管輸送遅延剤;
を構成するために選択される医薬を含む、請求項19に記載の経口医薬剤型。
【請求項21】
胃十二指腸病変の危険性のある患者の抗炎症治療のための、NSAIDを含んでなる医薬及びPPIを含んでなる医薬を含有する、請求項19又は20に記載の医薬剤型。
【請求項22】
動脈性高血圧に罹患する患者における高コレステロール血症の治療のための、ベータ−ブロッカーを含んでなる医薬及びスタチンを含んでなる医薬を含有する、請求項19又は20に記載の医薬剤型。
【請求項23】
潜在的対象における心臓血管疾患、特に高コレステロール血症に関連する動脈性高血圧である疾患の予防のための、CEIを含んでなる医薬及びスタチンを含んでなる医薬を含有する、請求項19又は20に記載の医薬剤型。
【請求項24】
2型糖尿病に罹患する患者における心臓血管の危険の予防のための、ビグアニドを含んでなる医薬及びスタチンを含んでなる医薬を含有する、請求項19又は20に記載の医薬剤型。
【請求項25】
前記ビグアニドが、メトホルミン、グリクラジド、カルブタミド及びグリベンクラミドから選択される、請求項24に記載の医薬剤型。
【請求項26】
一般的な急性腰痛の治療のための、NSAIDを含んでなる医薬及び筋弛緩剤を含んでなる医薬を含有する、請求項19又は20に記載の医薬剤型。
【請求項27】
前記筋弛緩剤がチオコルチコシドである、請求項26に記載の医薬剤型。
【請求項28】
単回療法に対して耐性である動脈性高血圧の治療のための、カルシウム阻害剤を含んでなる医薬及びCEIを含んでなる医薬を含有する、請求項19又は20に記載の医薬剤型。
【請求項29】
前記カルシウム阻害剤が、ニフェジピン、フェロジピン及びニカルジピンから選択される、請求項28に記載の医薬剤型。
【請求項30】
肺性動脈性高血圧に罹患する患者における硬変の治療のための、スピロノラクトンを含んでなる医薬及びプロプラノロールを含んでなる医薬を含有する、請求項19又は20に記載の医薬剤型。
【請求項31】
成人における胃十二指腸潰瘍疾患の場合、特に病変及び疾患の内視鏡検査による、細菌ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)の根絶治療のための、PPIを含んでなる医薬、クラリスロマイシンを含んでなる医薬、及びアモキシシリンを含んでなる医薬を含有する、請求項19又は20に記載の医薬剤型。
【請求項32】
梗塞後の治療のための、低用量アセチルサリチル酸を含んでなる医薬、CEIを含んでなる医薬、スタチンを含んでなる医薬、及びベータ−ブロッカーを含んでなる医薬を含有する、請求項19又は20に記載の医薬剤型。
【請求項33】
高血圧患者及び血管形成術を受けている患者における、血栓塞栓症の危険性の予防のための、低用量アセチルサリチル酸を含んでなる医薬及びクロピドグレルを含んでなる医薬を含有する、請求項19又は20に記載の医薬剤型。
【請求項34】
コルチコ療法(corticotherapy)による治療を必要とする患者における、低カリウム血症の予防のための、コルチコイドを含んでなる医薬及びカリウムを含んでなる医薬を含有する、請求項19又は20に記載の医薬剤型。
【請求項35】
カリウムがカリウム塩である、請求項34に記載の医薬剤型。
【請求項36】
前記コルチコイドが、プレドニソロン及びプレドニゾンから選択される、請求項34に記載の医薬剤型。
【請求項37】
鬱の治療のための、抗鬱剤を含んでなる医薬、ベンゾジアゼピンを含んでなる医薬を含有する、請求項19又は20に記載の医薬剤型。
【請求項38】
腸管輸送の回復及び細菌性下痢の治療のための、非アトロピン様腸管輸送遅延剤を含んでなる医薬及び腸管抗細菌剤を含んでなる医薬を含有する、請求項19又は20に記載の医薬剤型。
【請求項39】
前記非アトロピン様腸管輸送遅延剤がロペラミドである、請求項38に記載の医薬剤型。
【請求項40】
前記抗細菌剤がニフロキサジドである、請求項38に記載の医薬剤型。
【請求項41】
前記NSAIDが、ナプロキセン、ケトプロフェン、ジクロフェナク及びイブプロフェンから選択される、請求項19、20、21及び26のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項42】
前記CEIが、ラミプリル、カプトプリル、エナラプリル及びホシノプリルから選択される、請求項19、20、23、28及び32のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項43】
前記PPIが、オメプラゾール、エソメプラゾール及びランソプラゾールから選択される、請求項19、20、21及び31のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項44】
前記スタチンが、プラバスタチン、シンバスタチンから選択される、請求項19、20、22、23、24、32及び33のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項45】
前記ベータ−ブロッカーが、ビソプロロール、アテノロール、アセブトロール、カルベジロールから選択される、請求項19、20、22及び32のいずれか1項に記載の医薬剤型。
【請求項46】
前記抗鬱剤が、三環式抗鬱剤、例えば、クロミプラミン、又は選択的セロトニン再取込み阻害剤、例えばフルオキセチン又はベンラファキシンである、請求項37に記載の医薬剤型。
【請求項47】
前記ベンゾジアゼピンが、ブロマゼパン及びアルプラゾラムから選択される、請求項37に記載の医薬剤型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−510049(P2011−510049A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543522(P2010−543522)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050858
【国際公開番号】WO2009/092819
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(510202020)
【Fターム(参考)】