説明

包装体および使い捨ておむつ

【課題】テープタイプの使い捨ておむつにおいて、着用者に適した接続部の止着位置を容易に把握する。
【解決手段】包装体50では、包装袋5が脆弱線517に沿って破断されて包装袋5の一部が周囲の部位から切り離されることにより、当該包装袋5の一部が、着用者の胴囲測定用の測定テープ53となる。測定テープ53には、複数の胴囲を示す複数の第1目印が設けられる。包装袋5に収容されるテープタイプの使い捨ておむつでは、着用者の背側の肌に接する後方部の左右両側に一対の接続部が設けられ、接続部は、着用者の腹側の肌に接する前方部の外面の被止着部に止着される。被止着部には、複数の第1目印にそれぞれ対応して接続部の止着位置を指示する第2目印が設けられる。測定テープ53の第1目印および被止着部の第2目印により、着用者に適した接続部の止着位置を容易に把握することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつが包装袋に収容された包装体、および、使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、使い捨ておむつや使い捨ておむつの内側に取り付けられる補助吸収具(例えば、尿取りパッド)等の吸収性物品では、着用者の様々な体型に対応できるように、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ等、複数のサイズが用意されている。これらの吸収性物品は、通常、多数個(例えば、数十個)が積層された状態で包装袋に収容されて販売されており、包装袋には、吸収性物品のサイズ、および、当該サイズの吸収性物品が適合する着用者の体重等が表示されている。
【0003】
特許文献1の吸収性物品用の包装袋では、ミシン目により周囲部分から切り離し可能なサイズ確認部が設けられる。サイズ確認部には、吸収性物品が適合する着用者のウエスト周りや脚周りの寸法範囲が実寸にて表示される。吸収性物品の使用者は、サイズ確認部を着用者のウエスト周り等にあてがうことにより、着用者に適合する吸収性物品のサイズを確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−269622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、吸収性物品の1つとして、いわゆるテープタイプの使い捨ておむつが使用されている。テープタイプの使い捨ておむつが着用者に装着される際には、着用者の背側に接する後方部の左右両側に設けられた一対の止着テープが、着用者の腹側に接する前方部の外面に止着される。
【0006】
テープタイプの使い捨ておむつでは、止着テープを止着する位置により、使い捨ておむつの胴部開口の大きさが変化する。このため、着用者に適合するサイズの吸収性物品を装着する場合であっても、止着テープが適切な位置よりも左右方向の外側に止着されると、使い捨ておむつの胴部開口近傍の部位が着用者に密着せず、使い捨ておむつがずれてしまったり、胴部開口から排泄物が漏れるおそれがある。また、止着テープが適切な位置よりも内側に止着されると、着用者の胴部がきつく締め付けられてしまう。テープタイプの使い捨ておむつは、認知症の着用者や自力歩行が困難な着用者に使用されることが多く、このような着用者の中には、介護者等に止着テープの位置が不適切である旨の意思表示ができない人も存在する。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、テープタイプの使い捨ておむつにおいて、着用者に適した接続部の止着位置を容易に把握することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、使い捨ておむつが包装袋に収容された包装体であって、包装シート部材にて形成された包装袋と、前記包装袋に収容された複数の使い捨ておむつとを備え、前記複数の使い捨ておむつがそれぞれ、前方部、股下部および後方部を長手方向に順に有する略シート状の本体部と、前記後方部の両側部に取り付けられ、前記前方部の外面に止着される一対の接続部とを備え、前記包装袋が脆弱線に沿って破断されて前記包装袋の一部が周囲の部位から切り離されることにより、前記包装袋の前記一部が、着用者の胴囲測定用の測定テープとなり、前記測定テープに、複数の胴囲をそれぞれ示す複数の第1目印が設けられ、前記前方部の前記外面、または、前記一対の接続部に、前記複数の第1目印にそれぞれ対応して前記一対の接続部の止着位置を指示する複数対の第2目印が設けられる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の包装体であって、前記複数対の第2目印が、前記前方部の前記外面に設けられる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の包装体であって、前記測定テープが前記周囲の部位から切り離されることにより、前記包装袋に、前記複数の使い捨ておむつの取り出し用の開口が形成される。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載の包装体であって、前記脆弱線が、前記包装袋の持ち手部に設けられる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の包装体であって、前記測定テープが、前記周囲の部位よりも厚い。
【0013】
請求項6に記載の発明は、使い捨ておむつであって、前方部、股下部および後方部を長手方向に順に有する略シート状の本体部と、前記後方部の両側部に取り付けられ、前記前方部の外面に止着される一対の接続部とを備え、前記前方部の前記外面において、複数の胴囲にそれぞれ対応する前記一対の接続部の止着位置に、前記複数の胴囲の値を示す数値が設けられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、テープタイプの使い捨ておむつにおいて、着用者に適した接続部の止着位置を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施の形態に係る包装体の斜視図である。
【図2】使い捨ておむつの平面図である。
【図3】使い捨ておむつの断面図である。
【図4】使い捨ておむつの斜視図である。
【図5】測定テープを示す図である。
【図6】測定テープを示す図である。
【図7】被止着部の拡大図である。
【図8】使い捨ておむつの斜視図である。
【図9】第2の実施の形態に係る包装体の斜視図である。
【図10】第3の実施の形態に係る使い捨ておむつの斜視図である。
【図11】第4の実施の形態に係る使い捨ておむつの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る包装体50を示す斜視図である。図1に示すように、包装体50は、複数の使い捨ておむつ1が包装袋5に収容されたものであり、略直方体である。包装袋5は、非通気性の包装シート部材にて形成される。複数の使い捨ておむつ1は、折り畳まれた上で所定の積層方向(本実施の形態では、図1中のX方向)に積層され、当該積層方向に圧縮された状態で包装袋5に収容される。
【0017】
包装袋5は、複数の使い捨ておむつ1を収容する袋状の部位である袋部51、および、袋部51と連続する持ち手部52を備える。持ち手部52は、袋部51の上側(すなわち、(+Z)側)に位置する帯状の部位であり、持ち手部52の左右方向(すなわち、X方向)のおよそ中央には持ち手開口521が形成されている。包装体50の購入者等が持ち手部52を持つ際には、購入者等の指が持ち手開口521に挿入され、持ち手開口521の上側の部位が把持される。
【0018】
以下の説明では、袋部51において、複数の使い捨ておむつ1の図1中における(+Z)側および(−Z)側をそれぞれ覆う面を、上面511および下面512と呼ぶ。また、上面511と下面512とを接続する4つの側面のうち、複数の使い捨ておむつ1の(−Y)側および(+Y)側をそれぞれ覆う面を、前面513および後面514と呼び、複数の使い捨ておむつ1の(+X)側および(−X)側をそれぞれ覆う面を、第1側面515および第2側面516と呼ぶ。
【0019】
包装袋5では、脆弱線517が、袋部51の上部において前面513、第1側面515および後面514に亘って設けられる。本実施の形態では、脆弱線517は、断続的に形成された直線状の切れ目により形成されるミシン目である。脆弱線517は、包装袋5を形成する包装シート部材を貫通しておらず、包装シート部材は脆弱線517においても非通気性である。
【0020】
脆弱線517は、略水平方向に延びる(すなわち、XY平面に略平行に延びる)2本の平行部、および、2本の平行部の両端部を接続する2つの接続部を有し、脆弱線517により囲まれる部位53は、略水平方向に延びる帯状である。包装体50では、包装袋5が脆弱線517に沿って破断され、包装袋5の一部である帯状の部位53が周囲の部位から切り離される。これにより、包装袋5に複数の使い捨ておむつ1の取り出し用の開口が形成される。また、周囲の部位から切り離された帯状の部位53は、後述するように、着用者の胴囲測定用の測定テープとなる。以下、帯状の部位53を、「測定テープ53」と呼ぶ。包装袋5では、測定テープ53となる部位の内面に補強材が接合されており、測定テープ53が周囲の部位よりも厚い。このため、測定テープ53を周囲の部位から容易に切り離すことができる。
【0021】
図2は、使い捨ておむつ1を広げた状態にて示す平面図である。図3は、使い捨ておむつ1を図2中に示すA−Aの位置で長手方向(すなわち、図2中における上下方向)に垂直な面で切断した断面図である。図2では、装着時に着用者に接する側(すなわち、着用者側)の面を手前にして使い捨ておむつ1を描いている。
【0022】
図2および図3に示すように、使い捨ておむつ1は、略シート状の本体部2、および、本体部2の両側部(すなわち、長手方向に垂直な左右方向の両側)上に配置されて本体部2の長手方向のおよそ全長に亘る一対のサイドシート3を備える。本体部2の図2中における上側の部位201および下側の部位203はそれぞれ、着用者の腹側および背側の肌に接する部位であり、以下の説明では、「前方部201」および「後方部203」と呼ぶ。また、前方部201と後方部203との間において前方部201および後方部203から連続するとともに着用者の股間部に対向する部位202を「股下部202」と呼ぶ。使い捨ておむつ1では、本体部2が前方部201、股下部202および後方部203を長手方向に順に有し、前方部201および後方部203の幅が、股下部202の幅よりも大きい。換言すれば、本体部2は、いわゆる砂時計型である。
【0023】
使い捨ておむつ1は、後方部203の両側部に取り付けられた一対の接続部4をさらに備える。使い捨ておむつ1が着用者に装着される際には、本体部2の前方部201および後方部203をそれぞれ着用者の腹側および背側に当接させた状態で、一対の接続部4が、図4に示すように、前方部201の外面(すなわち、着用者に接する面とは反対側の面)の被止着部26に止着されることにより、後方部203の両側部が前方部201の両側部に接続される。
【0024】
図2および図3に示すように、本体部2は、透液性のトップシート21、撥水性または不透液性のバックシート23、および、トップシート21とバックシート23との間に配置された吸収コア22を備える。図3では、図示の都合上、使い捨ておむつ1の各構成を厚さ方向に離して描いている。また、図2では、図の理解を容易にするために、吸収コア22の輪郭を太破線にて描いている。図2に示すように、前方部201および後方部203における吸収コア22の幅は、股下部202における吸収コア22の幅よりも大きい。換言すれば、吸収コア22は、いわゆる砂時計型である。
【0025】
図4に示す被止着部26は、バックシート23の外面(すなわち、吸収コア22(図2および図3参照)と対向する面とは反対側の面)上に、平面視において吸収コア22と重なるように接合される。被止着部26は、バックシート23上にホットメルト接着剤等により接合される面ファスナのループ部材であり、樹脂等により形成されたベースシート、および、ベースシートのバックシート23に接合される面とは反対側の面に設けられる微細ループ構造を有する。微細ループ構造とは、多数の微細なループ要素の集合を意味する。
【0026】
図3に示すように、トップシート21は、吸収コア22の周りにおいてホットメルト接着剤を介してバックシート23に接合される。また、サイドシート3の左右方向の外側の部位は、バックシート23のトップシート21から露出する部位、および、トップシート21の左右方向のエッジ近傍の部位に、長手方向の全長に亘ってホットメルト接着剤を介して接合される。サイドシート3は、サイドシート本体31、および、サイドシート本体31の左右方向の内縁部である自由端にホットメルト接着剤により接合されて長手方向に伸びる弾性部材32aを備える。
【0027】
図2に示す本体部2の長手方向の両端部では、各サイドシート3の左右方向の内側の部位(すなわち、本体部2の左右方向の中心軸側の部位)が、トップシート21の着用者側の面にホットメルト接着剤を介して接合される。また、図2および図3に示すように、本体部2の股下部202では、サイドシート3の左右方向の外縁近傍の部位において、長手方向に伸びる2本の弾性部材32bが、サイドシート3とバックシート23とに挟まれてホットメルト接着剤により接合されている。これらのホットメルト接着剤としては、ポリオレフィン系、ゴム系、酢酸ビニル系等のものが利用される。なお、トップシート21とバックシート23との接合やサイドシート3とトップシート21との接合は、熱融着接合や超音波接合等により行われてもよい。
【0028】
各サイドシート3では、サイドシート本体31の長手方向の両端部の間(すなわち、長手方向の中央部)における内側の部位313が、トップシート21(および他の構成)とは非接合とされており、弾性部材32aが収縮することにより、当該部位313が、図3に示すように、着用者に向かって立ち上がり、着用者の脚の付け根近傍に当接する側壁部(いわゆる、立体ギャザー)となる。また、弾性部材32bが収縮することにより、サイドシート3およびバックシート23が着用者側かつ内側に向かって立ち上がってレッグギャザーが形成され、使い捨ておむつ1の着用時に着用者の足の付け根近傍に密着する。
【0029】
図2に示すように、本体部2の長手方向の両端部にはそれぞれ、トップシート21とバックシート23とに挟まれるとともに左右方向に伸びる3本の弾性部材25が設けられる。使い捨ておむつ1では、伸張状態にてトップシート21およびバックシート23に接合された弾性部材25が収縮することによりウエストギャザーが形成され、使い捨ておむつ1の着用時に本体部2が着用者の腰周りに密着する。使い捨ておむつ1では、弾性部材32a,32b、並びに、弾性部材25により本体部2が着用者に密着することにより、脚周りおよび腰周りからの尿等の漏出が防止される。
【0030】
トップシート21は、透液性のシート材料であり、着用者からの排泄物の水分を速やかに捕捉して吸収コア22へと移動させる。トップシート21は、例えば、表面を界面活性剤により親水処理した疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン)にて形成された透液性の不織布であり、当該不織布として、例えば、ポイントボンド不織布やエアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布が利用される。なお、トップシート21として、セルロースやレーヨン、コットン等の親水性繊維により形成された不織布が利用されてもよい。
【0031】
吸収コア22は、粉砕したパルプ繊維やセルロース繊維等の親水性繊維に粒状の高吸収性ポリマー(SAP(Super Absorbent Polymer))や高吸収性ファイバー等の高吸収性材料を混合したものをティッシュペーパーや透液性不織布等により包み込んで形成され、トップシート21を透過した水分を吸収して迅速に固定する。親水性繊維を包むティッシュペーパーや透液性不織布等は、親水性繊維および吸水性材料とホットメルト接着剤により接合されて、親水性繊維の型崩れ、および、吸水性材料の脱落(特に、吸水後における脱落)を防止する。本実施の形態では、吸収コア22はパルプ繊維およびSAPを含む。
【0032】
バックシート23としては、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布(例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布)や、撥水性または不透液性のプラスチックフィルム、あるいは、これらの不織布とプラスチックフィルムとが積層された積層シートが利用され、バックシート23に到達した排泄物の水分等が、本体部2の外側にしみ出すことが防止される。バックシート23にプラスチックフィルムが利用される場合、使い捨ておむつ1のムレを防止して着用者の快適性を向上するという観点からは、透湿性(通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。
【0033】
サイドシート本体31としては、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布(例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、SMS不織布)が利用される。弾性部材32a,32b,25としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状または帯状の天然ゴム等が利用され、本実施の形態では、ポリウレタン糸が各弾性部材として利用される。
【0034】
図2に示すように、一対の接続部4はそれぞれ、本体部2の長手方向に配列されて左右方向に伸びる2つの止着テープ41、および、2つの止着テープ41の左右方向の内側(すなわち、本体部2側)に位置する略矩形の共通基部42を備える。2つの止着テープ41の構造および形状は同様であり、各止着テープ41の左右方向の長さは、共通基部42の本体部2から露出している部位の左右方向の長さよりも長い。
【0035】
各接続部4では、2つの止着テープ41のそれぞれが、左右方向に伸びるテープ状のテープ基部44、および、テープ基部44の一方の主面441(すなわち、図2中における手前側の面)上に設けられる止着部43を備える。図2では、図の理解を容易にするために、止着部43に平行斜線を付す。テープ基部44の主面441は、使い捨ておむつ1を着用者に装着する際に、本体部2の前方部201の被止着部26(図4参照)に対向して着用者側を向く面であり、以下、「テープ内面441」と呼ぶ。また、テープ基部44の他方の主面442を、「テープ外面442」と呼ぶ。
【0036】
2つの止着テープ41のテープ基部44、および、共通基部42は不織布やプラスチックフィルム等により形成された1つの接続部シートの一部であり、2つのテープ基部44はそれぞれ、共通基部42から左右方向の外側(すなわち、本体部2とは反対側)に向かって突出する。また、共通基部42の内端部(接続部シートの内端部でもある。)は、本体部2の後方部203においてサイドシート3とバックシート23との間に挟まれて接合され、共通基部42の内端部以外の部位は、本体部2から左右方向の外側に向かって突出する。
【0037】
換言すれば、2つのテープ基部44は、本体部2側にて連続する1つの接続部シートの一部であり、接続部シートにおける2つのテープ基部44の接続部分である共通基部42は、本体部2の側方のエッジから側方へとはみ出している。なお、トップシート21(図2参照)の外縁がバックシート23の外縁に比較的近い位置に位置している場合には、共通基部42の内端部は、トップシート21とバックシート23との間に接合されてもよい。
【0038】
止着部43は、上述の被止着部26に対して止着可能な面ファスナのフック部材であり、テープ基部44のテープ内面441上にホットメルト接着剤等により接合される。止着部43は、樹脂等により形成されたベースシート、および、ベースシートのテープ基部44に接合される面とは反対側の面に設けられる微細フック構造を有する。微細フック構造は、多数の微細なフック要素の集合であり、被止着部26の微細ループ構造と互いに係合する(すなわち、被止着部26に対して接離自在に止着可能である。)。止着部43は、テープ基部44の幅方向(すなわち、本体部2の長手方向に一致する方向)の全体に亘って、テープ基部44のテープ内面441上に設けられる。換言すれば、止着部43は、テープ基部44のテープ内面441を横断するように設けられる。
【0039】
図5は、包装袋5において周囲の部位から切り離された測定テープ53を示す図である。図5では、測定テープ53の両端近傍の部位を示す。図5に示すように、測定テープ53の一方の端部(図5中の左側の端部)には、複数の第1目印531が設けられ、他方の端部には、矢印532が設けられる。本実施の形態では、「太陽」「星」「月」の3種類の図形である第1目印531が設けられる。また、第1目印531および矢印532は、包装シート部材に印刷される。
【0040】
使い捨ておむつ1を装着する際には、測定テープ53が着用者の胴部に巻き付けられ、図6に示すように、矢印532が指し示す第1目印531が確認される。本実施の形態では、3つの第1目印531のうち、中央の「星」マークが矢印532により指し示される。複数の第1目印531は、複数の胴囲をそれぞれ示す。「星」マークは、図1に示す包装袋5内の使い捨ておむつ1が適合サイズである着用者の標準的な胴囲に対応する。したがって、図6のように矢印532により「星」マークが指し示された場合、着用者の胴周りは標準的な値であることが分かる。3つの第1目印531のうち、測定テープ53の端部に最も近い「月」マークは、標準的な胴囲よりも大きい胴囲を示す。また、3つの第1目印531のうち、測定テープ53の端部から最も離れた「太陽」マークは、標準的な胴囲よりも小さい胴囲を示す。
【0041】
図7は、被止着部26を拡大して示す図である。図7に示すように、被止着部26には、複数の第1目印531にそれぞれ対応する複数対の第2目印261が設けられる。本実施の形態では、3種類の第1目印531にそれぞれ対応する3対の第2目印261が設けられる。各第2目印261は、上下方向に略平行に延びる直線、並びに、当該直線の上側および下側に配置される2つの図形要素を有する。当該2つの図形要素はそれぞれ、各第2目印261が対応する第1目印531と同形状である。第2目印261は、インクジェット印刷により、被止着部26に印刷される。
【0042】
複数の第2目印261はそれぞれ、一対の接続部4(図4参照)の被止着部26に対する止着位置を指示する。図6に示すように、測定テープ53による着用者の胴囲測定の結果、複数の第1目印531のうち「星」マークが指し示された場合、図8に示すように、一対の接続部4の各止着テープ41が、被止着部26上の複数対の第2目印261のうち「星」マークにより指示される止着位置に止着される。具体的には、各止着テープ41の先端が、上下2つの「星」マークに挟まれた直線におよそ一致するように、止着テープ41の止着部43(図2参照)が被止着部26に止着される。これにより、使い捨ておむつ1の胴部開口11が、着用者の胴囲に合う適切な大きさとなる。
【0043】
図5に示す測定テープ53による胴囲測定の結果、複数の第1目印531のうち「太陽」マークが矢印532により指し示された場合、図8に示す各止着テープ41は、複数対の第2目印261のうち「太陽」マークにより指示される止着位置に止着される。また、矢印532により「月」マークが指し示された場合、各止着テープ41は、複数対の第2目印261のうち「月」マークにより指示される止着位置に止着される。矢印532により、複数の第1目印531の間等のように第1目印531からずれた位置が指し示された場合には、矢印532が指し示す位置の両側に位置する2つの第1目印531を基準として矢印532のおよその位置を記憶し、対応する2つの第2目印261を基準として各止着テープ41の先端の位置決めが行われた上で、一対の接続部4が被止着部26に止着される。
【0044】
以上に説明したように、包装体50では、包装袋5が脆弱線517に沿って破断されて包装袋5の一部が周囲の部位から切り離されることにより、着用者の胴囲測定用の測定テープ53を容易に入手することができる。また、測定テープ53に、複数の胴囲を示す複数の第1目印531が設けられ、使い捨ておむつ1の被止着部26に、複数の第1目印531にそれぞれ対応して一対の接続部4の止着位置を指示する複数対の第2目印261が設けられることにより、着用者に適した接続部4の止着位置を容易に把握することができる。
【0045】
包装体50では、前方部201の外面に位置する被止着部26に、複数対の第2目印261が設けられることにより、接続部4を止着する際に、第2目印261の視認を容易とすることができる。また、包装袋5において、測定テープ53を周囲の部位から切り離すことにより、使い捨ておむつ1の取り出し用の開口の形成と測定テープ53の入手とを同時に行うことができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る包装体について説明する。図9は、第2の実施の形態に係る包装体50aを示す斜視図である。包装体50aは、脆弱線517の位置が異なる点を除き、図1に示す包装体50と同様の構成を有し、以下の説明では、対応する構成に同符号を付す。
【0047】
包装体50aでは、脆弱線517が包装袋5の持ち手部52の上端部に設けられる。脆弱線517は、持ち手部52の(−X)側のエッジから(+X)側のエッジ近傍まで持ち手部52の上縁に略平行に延びる第1直線部、および、第1直線部の下側において持ち手部52の(−X)側のエッジから(+X)側のエッジまで(すなわち、X方向の全長に亘って)第1直線部に略平行に延びる第2直線部を有する。
【0048】
包装体50aでは、包装袋5が脆弱線517の第2直線部に沿って破断され、持ち手部52の上端部が周囲の部位から切り離される。そして、当該上端部が、脆弱線517の第1直線部に沿って(+X)側の端部近傍まで破断され、(+X)側の端部がつながった状態で(−X)側の上下に位置する2つの端部が離間するように広げられる。これにより、当該上端部が測定テープ53となる。包装袋5では、持ち手部52は袋部51に比べて厚いため、測定テープ53となる予定の持ち手部52の上端部を、周囲の部位から容易に切り離すことができる。
【0049】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る包装体に収容される使い捨ておむつについて説明する。図10は、第3の実施の形態に係る使い捨ておむつ1aを示す斜視図である。図10では、図4と同様に、接続部4が被止着部26に止着された状態の使い捨ておむつ1aを示す(図11においても同様)。使い捨ておむつ1aは、第2目印261の配置が異なる点を除き、図2ないし図4に示す使い捨ておむつ1とおよそ同様の構成を有し、以下の説明では、対応する構成に同符号を付す。
【0050】
使い捨ておむつ1aでは、一対の接続部4において、上側の左右一対の止着テープ41のテープ外面442に、測定テープ53の複数の第1目印531(図5参照)に対応する複数対の第2目印261が設けられ、下側の左右一対の止着テープ41のテープ外面442にも、複数の第1目印531に対応する複数対の第2目印261が設けられる。また、被止着部26には、左右一対の第3目印262が設けられる。本実施の形態では、各止着テープ41のテープ外面442に、「太陽」「星」「月」の3種類の第2目印261が設けられる。第2主面516は、止着テープ41の先端側から「月」「星」「太陽」の順に配列される。また、各第3目印262は、上下方向に略平行に延びる直線である。第2目印261は、インクジェット印刷により止着テープ41に印刷され、第3目印262は、インクジェット印刷により被止着部26に印刷される。
【0051】
一対の接続部4に設けられた複数対の第2目印261はそれぞれ、第1の実施の形態と同様に、一対の接続部4の被止着部26に対する止着位置を指示する。具体的には、測定テープ53による胴囲測定の結果、複数の第1目印531のうち一の第1目印531が矢印532(図5参照)により指し示された場合、当該第1目印531に対応する第2目印261が、被止着部26上の第3目印262に重なるように、各止着テープ41が被止着部26に止着される。また、矢印532により、複数の第1目印531の間等のように第1目印531からずれた位置が指し示された場合には、矢印532が指し示す位置の両側に位置する2つの第1目印531を基準として矢印532のおよその位置を記憶し、対応する2つの第2目印261を基準として各止着テープ41の位置決めが行われた上で、一対の接続部4が被止着部26に止着される。
【0052】
このように、使い捨ておむつ1aでは、複数対の第2目印261が一対の止着部43に設けられることにより、第1の実施の形態と同様に、着用者に適した接続部4の止着位置を容易に把握することができる。なお、使い捨ておむつ1aでは、上側または下側の一対の止着テープ41のみに第2目印261が設けられてもよい。使い捨ておむつ1aが着用者に装着される際には、第2目印261が設けられた止着テープ41が、第2目印261および第3目印262を基準として止着部43に止着された後、第2目印261が設けられない止着テープ41が、被止着部26に止着される。上側または下側の一対の止着テープ41のみに第2目印261が設けられる場合であっても、上記と同様に、着用者に適した接続部4の止着位置を容易に把握することができる。
【0053】
次に、本発明の第4の実施の形態に係る使い捨ておむつについて説明する。図11は、第4の実施の形態に係る使い捨ておむつ1bを示す斜視図である。使い捨ておむつ1bでは、被止着部26において、図4に示す使い捨ておむつ1の第2目印261に代えて、複数の胴囲の値をそれぞれ示す数値を含む複数の第4目印263が設けられる。その他の構造は、図2ないし図4に示す使い捨ておむつ1とおよそ同様であり、以下の説明では、対応する構成に同符号を付す。
【0054】
各第4目印263は、上下方向に略平行に延びる直線、並びに、当該直線の上側および下側に配置される数値を有し、当該数値は、各第4目印263に対応する胴囲を示す。各第4目印263は、当該第4目印263が示す胴囲に対応する止着テープ41の止着位置に設けられる。換言すれば、複数対の第4目印263は、複数の胴囲にそれぞれ対応する一対の接続部4の止着位置に設けられる。本実施の形態では、「70cm」「75cm」「80cm」の3種類の数値が、第4目印263の一部として、インクジェット印刷により被止着部26に印刷される。
【0055】
使い捨ておむつ1bが着用者に装着される際には、着用者の胴囲がメジャー等により予め測定され、一対の接続部4の各止着テープ41の先端が、着用者の胴囲に対応する位置に一致するように、複数対の第4目印263を基準として、被止着部26に止着される。例えば、着用者の胴囲が75cmである場合には、図11に示すように、各止着テープ41の先端が、「75cm」という数値を含む第4目印263の直線に一致するように、一対の接続部4が被止着部26に止着される。また、着用者の胴囲が、複数の第4目印263に含まれる複数の数値のいずれにも一致しない場合には、複数対の第4目印263を基準として、各止着テープ41の先端が、着用者の胴囲に対応する位置に位置するように(すなわち、第4目印263の直線部から左右方向にずれた位置に位置するように)、一対の接続部4が被止着部26に止着される。
【0056】
このように、使い捨ておむつ1bでは、被止着部26に設けられた複数対の第4目印263がそれぞれ、胴囲の値を示す数値を含むことにより、第1の実施の形態と同様に、着用者に適した接続部4の止着位置を容易に把握することができる。使い捨ておむつ1bは、第1の実施の形態に係る包装体50と同様に、複数積層された状態で包装袋に収容されて包装体となる。使い捨ておむつ1bの被止着部26に対する止着位置は、上述のように、測定テープ53(図5参照)を用いることなく容易に把握されるため、使い捨ておむつ1bが収容される包装袋は、一部が測定テープ53となるものである必要はない。
【0057】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0058】
包装袋5の脆弱線517は、必ずしもミシン目である必要はなく、例えば、周囲の部位に比べて強度が小さい溝(すなわち、包装シート部材を貫通しない連続する切り込み)であってもよい。測定テープ53は、必要に応じて、包装袋5の様々な位置に設けられてよい。また、複数の測定テープ53が、包装袋5に設けられてもよい。
【0059】
複数の第1目印531は、上述のように、互いに形状が異なる複数の図形であってもよいが、例えば、互いに異なる複数の数字や文字であってもよく、あるいは、形状が同一、かつ、互いに色が異なる複数の図形等であってもよい(第2目印261および第3目印262においても同様)。
【0060】
図4に示す使い捨ておむつ1では、各止着テープ41の先端が、被止着部26上の第2目印261に一致するように、一対の接続部4が被止着部26に止着されるが、例えば、止着テープ41のテープ基部44が透明または半透明である場合、各止着テープ41の止着部43の左右方向のエッジをテープ基部44を介して視認しつつ、当該エッジが第2目印261に一致するように、一対の接続部4が被止着部26に止着されてもよい。テープ基部44を介して止着部43が視認できるのであれば、テープ基部44が白色の樹脂材料等により形成され、止着部43が白色以外の有色の樹脂材料等により形成されてもよい。
【0061】
被止着部26および接続部4の止着部43は、必ずしも、面ファスナのループ部材およびフック部材である必要はなく、例えば、止着部43が粘着層であり、被止着部26が、止着部43が接離自在に粘着可能なプラスチックフィルム等であってもよい。
【0062】
上記実施形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0063】
1,1a,1b 使い捨ておむつ
2 本体部
4 接続部
5 包装袋
26 被止着部
50,50a 包装体
52 持ち手部
53 測定テープ
201 前方部
202 股下部
203 後方部
261 第2目印
263 第4目印
517 脆弱線
531 第1目印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨ておむつが包装袋に収容された包装体であって、
包装シート部材にて形成された包装袋と、
前記包装袋に収容された複数の使い捨ておむつと、
を備え、
前記複数の使い捨ておむつがそれぞれ、
前方部、股下部および後方部を長手方向に順に有する略シート状の本体部と、
前記後方部の両側部に取り付けられ、前記前方部の外面に止着される一対の接続部と、
を備え、
前記包装袋が脆弱線に沿って破断されて前記包装袋の一部が周囲の部位から切り離されることにより、前記包装袋の前記一部が、着用者の胴囲測定用の測定テープとなり、
前記測定テープに、複数の胴囲をそれぞれ示す複数の第1目印が設けられ、
前記前方部の前記外面、または、前記一対の接続部に、前記複数の第1目印にそれぞれ対応して前記一対の接続部の止着位置を指示する複数対の第2目印が設けられることを特徴とする包装体。
【請求項2】
請求項1に記載の包装体であって、
前記複数対の第2目印が、前記前方部の前記外面に設けられることを特徴とする包装体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の包装体であって、
前記測定テープが前記周囲の部位から切り離されることにより、前記包装袋に、前記複数の使い捨ておむつの取り出し用の開口が形成されることを特徴とする包装体。
【請求項4】
請求項1または2のいずれかに記載の包装体であって、
前記脆弱線が、前記包装袋の持ち手部に設けられることを特徴とする包装体。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の包装体であって、
前記測定テープが、前記周囲の部位よりも厚いことを特徴とする包装体。
【請求項6】
使い捨ておむつであって、
前方部、股下部および後方部を長手方向に順に有する略シート状の本体部と、
前記後方部の両側部に取り付けられ、前記前方部の外面に止着される一対の接続部と、
を備え、
前記前方部の前記外面において、複数の胴囲にそれぞれ対応する前記一対の接続部の止着位置に、前記複数の胴囲の値を示す数値が設けられることを特徴とする使い捨ておむつ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−240683(P2012−240683A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109159(P2011−109159)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000110044)株式会社リブドゥコーポレーション (390)
【Fターム(参考)】