説明

包装容器のガスバリア試験用ユニバーサル型測定治具

【課題】ガス導入出管をサンプル設置用平板に溶接固着して一体化した従来の容器測定治具では、使い捨て方式での測定は使用上困難で、サンプル容器と平板を接着剤から脱離する作業の危険性と作業時間を解決するため、平板とガス導入出管を圧着組立式にする治具を提供する。
【解決手段】サンプル設置用平板3と箱型ガス導入出部1を別個に切り離し独立させ、サンプル設置用平板3を箱型ガス導入出部1と押え上蓋2をビスにて圧着しサンプル設置用平板3を組立密着装着し、使い捨て方式での測定をできるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あらゆる形状の包装容器のガスバリア試験の接着剤剥離作業による不測の事故発生と相当の作業時間を解決するため、サンプルセット用金属平板とガス導入出ツールを組立式にし、金属平板の取り外しを可能にして使い捨て方式にして包装容器と金属平板の接着剤の剥離作業を省略し、安全かつ時間短縮での測定作業をできるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来の包装容器のガスバリア試験用測定治具は金属平板に2ケ所の穴を開け金属製ガス導入管と金属製ガス排出管を溶接固着して一体化施したものがある。2ケ所の穴から突起しているガス導入管とガス排出管の回りに試験容器の口径に対応した箇所にエポキシ樹脂を塗布する。塗布されたエポキシ樹脂上に樹脂が固化する前に試験容器の口部を当て、容器を手で支えながら金属平板と試験容器がやや固着するまで保持する。固着作業から数時間後ガスバリア試験用測定治具をガスバリア試験装置に取り付け、試験容器内にキャリアガスを流し、試験容器から透過してきた大気を酸素検出器や水蒸気検出器等でその透過量を測定する。透過量の測定が終了したら、ガスバリア試験用測定治具をガスバリア試験装置から取り外す。そして次の試験容器をガスバリア試験用測定治具に取り付けるには、測定終了容器と金属平板を接着剤から脱離させなければならない。よって従来は、あらゆる形状の包装容器を測定するための平板とガス導入出管隔離型使い切りガスバリア装置治具はなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
次回の試験容器をガスバリア試験用測定治具に取り付けるには、従来の溶接一体型平板アダプターでは、測定終了容器と金属平板を接着剤から脱離させなければならない。金属平板に塗布されたエポキシ樹脂接着剤と容器に固着したエポキシ樹脂接着剤を切り離す必要があり、ドライヤー等を使用してエポキシ樹脂接着剤に熱を与え、柔らかくし、ナイフ等で剥離させる。このような従来法の一体化型包装容器のガスバリア試験用測定治具では金属平板に固着された試験容器を脱離するには常に不測の事故発生懸念と相当の作業時間が必要であった。本発明はこのような課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
試験用測定治具として構成している金属平板と金属製ガス導入管および金属製ガス排出管を最初から別個に切り離し独立させ、サンプルセット用金属平板と箱型ガス導入出部を圧着し密閉した組立式にし、金属平板の取り外しを可能にして使い捨て方式にしたものであり、試験容器はアルミ箔の金属平板の中心に開けられた小穴に接触せず、さらに小さな径のキャリアガス導入管を試験容器内に挿入し、ガス排出口はそのガス導入管とアルミ箔の金属平板の中心に開けられた小穴の空間周囲を利用する。箱型ガス導入出部に水平に圧着設置されたアルミ箔平板の中心に開けられた小穴より、やや大きめの容器の口径に対応した箇所にエポキシ樹脂接着剤を塗布し、試験容器の口部を当て試験容器の底部に重しをのせて、アルミ金属平板に接着する。箱型ガス導入出管部とサンプル設置用金属平板を独立させ、互いを圧着装置組立式にした当発明ガスバリア試験用測定治具により、試験容器取り付け用平板を付け替え用とすることで、使い捨て方式にした。
【発明の効果】
【0005】
アルミ箔等の試験容器サンプル設置用金属平板は、接着剤で接着された測定終了容器サンプルから脱離させる必要がなく、次の試験容器は別のアルミ箔等の金属平板を使用することができるので、接着剤からの脱離作業が不要となり、脱離作業そのものが省くことができる。よって不測の事故発生も減り、脱離作業時間が省略されるので、安全性の高い容器試験ができるようになる。また人手作業時間の短縮と装置稼働時間の改善も大幅に向上できる。つまり安全衛生面、装置稼働時間面に絶大な効果がある。また付け替え用のため常に新品の平板を使用でき、再利用による平板表面の傷からのガスリークの防止、平板とガス導入出管を隔離したことにより、溶接された突起状のガス導入管とガス排出管は不要となり、水平に設置されたアルミ箔板上で試験容器を固着できるので、作業性もよく、エポキシ接着剤の偏った溜まりもなく、個人差の小さい安定した接着強度が得ることができる。よって安定した試験測定結果が提供でき信頼性の高いデータを検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の使用状態を示す断面図である。
【図2】本発明の上面図である。
【実施例】
【0007】
まず初めにサンプル設置用穴付きアルミ平板3と測定用サンプル容器7の淵にエポキシ接着剤10を塗布し隙間なく平板の穴に接触しないように接着し、測定用サンプル容器7の底部に重しをのせ塗布した接着剤10が乾くのを待つ。アルミ平板3にサンプル容器7接着したものを箱型ガス導入出部ツール1とその押え蓋2で挟み、取付けネジ11を均等にねじ込み上下0リング4でアルミシート3の端部を圧着密閉する。ガス導入管口5とガス導出管口6をガスバリア測定装置と接続し、箱型ガス導入出部1の内部へガスを供給し、サンプル容器7内へ効率よくガスを送るためにキャリアガス導入延長管9をアルミシート吸排気穴8に通す。サンプル容器7から透過した外部のガスとの混合ガスがアルミシート吸排気穴8から箱型ガス導入出部1、そしてガス導出管口6へと通過してガスバリア透過率測定装置へと送られる。次のサンプル容器7に交換し測定する場合、先のサンプル容器7をアルミ板3と接着状態のまま取付けネジ11をゆるめ、押え上蓋2を外し、箱型ガス導入出部から取り外し、次のサンプル容器7を上記と同様にガス導入出部分ツールへ設置する。アルミシート3端を挟む上下0リング4には、それぞれにアピエゾンTもしくは、グリースを塗布する。押え上蓋2は、排気穴付サンプル設置用アルミシート平板3の端部を圧着密閉する必要があるため中央部くり抜き型のものとすることとする。
【符号の説明】
【0008】
1 箱型ガス導入出部
2 押え上蓋
3 サンプル設置用アルミシート平板
4 ゴム製0リング
5 ガス導入管口
6 ガス導出管口
7 測定用サンプル容器
8 アルミシート吸排気穴
9 キャリアガス導入延長管
10 エポキシ接着剤
11 圧着用取付けネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験用測定治具として構成している平板とガス導入管およびガス排出管を別個に切り離し独立させ、平板とガス導入出口ツールとを圧着組立式にし、平板を取り外し式にする。試験用容器は、平板に開けた穴に接触せず、ガス導入管を試験用容器内に挿入し、ガス排出は、そのガス導入管と平板に開けられた穴の空間周囲を利用する。ガス導入出ツール部に水平に圧着設置された平板に開けられた穴より、大きめの容器の口径に対応した箇所に接着剤を塗布し、試験用容器の口部を当て、平板に接着する。つまり平板と試験用サンプル容器を接着し、その平板をガス導入管およびガス排出管があるガス導入出口部ツールに圧着組立装着し容器の測定をおこなうことによって、平板を付け替え用とし、測定終了後は、平板と試験用サンプル容器は使い捨て方式とする平板の取り替え方式である。
【請求項2】
あらゆる形状の容器に適用する測定治具として構成しているアルミ金属平板と金属製ガス導入管および金属製ガス排出管を別個に切り離し独立させ、容器サンプルセット用アルミ金属平板とステンレス製箱型ガス導入出部ツールをゴム0リングとビスと押え上蓋を使用してビスをねじ込むことで圧着組立式にし、サンプル設置用穴付きアルミシート平板の取り外しを可能にして測定終了後の使い捨て方式にしたものである。測定用サンプル容器は、アルミ箔の金属平板の中心に開けられた小穴に接触せず、さらに小さな径の窒素ガス導入管を試験容器内に挿入し、ガス排出口はそのガス導入管とアルミ箔の金属平板の中心に開けられた小穴の空間周囲を利用する。ステンレス製箱型ガス導入出部とその圧着用の押え上蓋をネジで締めこむことにより、上下ゴム0リングでアルミシートを挟み、水平に密着圧着設置されたアルミ箔サンプル設置用アルミシート平板の中心に開けた小穴よりやや大きめの容器の口径に対応した箇所にエポキシ樹脂接着剤を塗布し、測定用サンプル容器の口部を当て測定用サンプル容器の底部に重しをのせて、アルミ金属平板に接着する。金属製ステンレス箱型ガス導入出管部とサンプル設置用アルミ金属平板を独立させて金属製ステンレス箱型ガス導入出管部を本体部と圧着用の蓋に分けてその間に中心部に穴のあいたサンプル設置用アルミ金属平板の端をゴム製0リングにアピエゾンTやグリースを塗布し、上下の0リングでネジを締めて互いのステンレス治具の締付により圧着し挟みこみ、サンプル設置用アルミ平板を接着剤なしの圧着方式でステンレス製箱型押え蓋付きアダプターへ組立式にした当治具により、試験用サンプル容器取り付け用アルミ平板を付け替え用とすることで、アルミ板とそれに接着剤で接着された測定用サンプルを使い捨て方式にした。金属製ステンレス箱型ガス導入出管部とそのふたには、ゴム製0リングをはめ込む溝を設ける。アルミシート押えるための上ふたと金属製ステンレス箱型ガス導入出管部には、互いを圧着するための取付けネジ部を均等に8か所以上ねじ切りしたものを設ける。サンプル設置用アルミシートは、表面が水平で傷がないものを使用する。ステンレス製箱型ガス導入出部ツールのガス導入口とガス排出口は、ユニオンジョイントで接続し、ガスバリア測定装置本体へと接続する。押え上蓋2は、中央部くり抜き型のものとする。

【図1】
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【図2】
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