説明

包装用積層フィルム

【課題】遮光性と美粧性の双方に優れ、例えば冷凍食品用ピロー包装袋に用いた場合、内容物保護、利便性(電子レンジ適性)を実現できる白色系の包装用積層フィルム等を提供する。
【解決手段】少なくとも着色層と白色層が積層されてなる包装用積層フィルムであって、前記着色層および前記白色層が、高圧法低密度ポリエチレンとエチレン−α・オレフィン共重合体の混合樹脂からなるベース樹脂を含んでなり、そのエチレン−α・オレフィン共重合体の含有量が、前記ベース樹脂の10.0重量%〜50.0重量%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装用積層フィルムに関し、特に、軟包装分野で主に食品、冷凍食品等で電子レンジに直接加温される包装用の積層フィルムおよびその積層フィルムを用いた包装用積層シートであって、遮光性に優れ、且つ外観を損ねることなく、消費者の購買意欲を喚起し、美粧性と内容物保護が両立した白色系の包装用積層フィルムないしシートに関するものである。また電子レンジ使用時に簡便性の高い自動開封機構(電子レンジで温められた内容物から蒸発してくる水蒸気により、包材内の圧力が高くなり、定められた部位から蒸気が抜ける機構)において、確実に内圧をリークさせることで、安全性の面からも信頼できる仕様であることを特徴とした包装用積層シートに関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
食品、冷凍食品等を包装する電子レンジ対応ピロー包装袋には、油脂酸化、褪色の防止等、内容物保護のために「紫外領域から可視領域までの遮光性」、また、密封包装袋のままの状態で加熱調理を可能にし、簡便さをアップさせるために「自動開封性」が要求される。
【0003】
まず、遮光性に関しては、従来の包装袋(電子レンジ非対応)では、その遮光機能をアルミニウム蒸着や、アルミニウムのラミネート等から補完し、銀色ベースの食品包材が主流となっていた。しかし、アルミニウムの使用により、加温調理における電子レンジの使用が不可能であり、さらに、プラスチックとアルミニウムの分別廃棄が困難であり、またアルミ蒸着フィルムを使用した場合、金属検知器の感度が制限される。そこで、アルミレスでかつ遮光性を保持する包装袋用フィルム(ないしシート)として、例えば本発明者らにより、積層フィルムのいずれかの層に、チタンホワイトまたはカーボンブラック、もしくはその両方の顔料を添加した積層フィルムが提案されている(特許文献1:特開2003−305811号公報、遮光シーラントに関するもの、出願人:大日本印刷株式会社)。
【0004】
一方、「自動開封性」に関しては、例えば本発明者らにより、耐熱性基材層とヒートシール性樹脂層の間に、室温以下の温度環境では所定の接着強度を有するが、高温の温度環境では上記の所定の接着強度が低下する接着層を少なくとも一領域に設けたことを特徴とする電子レンジ対応包装材料およびそれを使用して製袋した包装用袋が提案されている(特許文献2:特開2000−190912号公報、レンジ自動開封機構に関するもの、出願人:大日本印刷株式会社)。
【0005】
さらに、本発明者らは、「遮光性」と「自動開封性」を併せ持つ電子レンジ対応包装用積層フィルム(ないしシート)およびそれを使用した包装用袋を提案している(特許文献3:特開2004−195757号公報、遮光シーラントを使用したレンジ自動開封袋(ホットタック性付与)に関するもの、出願人:大日本印刷株式会社)。しかしながら、特許文献3において、ヒートシール性樹脂層の部分的な破壊が起こって空気抜けを生じさせる特許文献2の自動開封機構を採用した場合に、ヒートシール性樹脂層のうち、白色樹脂層、灰色樹脂層などの着色層(顔料添加層)同士の層間接着強度が顔料無添加層同士の層間接着強度と比較して著しく低く、このために、この積層フィルムから製造した包装袋では、レンジ開封時、顔料添加層の層間剥離から意図しない箇所での蒸気抜けが発生し、不安定な開封が発生する場合があることが、問題点となっていた。
【特許文献1】特開2003−305811号公報
【特許文献2】特開2000−190912号公報
【特許文献3】特開2004−195757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、遮光性と美粧性の双方に優れ、例えば、冷凍食品用ピロー包装袋の製造に用いた場合、内容物保護、利便性(電子レンジ適性)を実現できる白色系の包装用積層フィルムおよびそれを用いた包装用積層シート並びに電子レンジ対応包装用袋において、より開封安定性の高い、利便性に優れた仕様を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の様な問題点を解決すべく種々検討の結果、非アルミの遮光層として設けられた顔料添加の着色層、および、意匠層として設けられた白色層のベース樹脂をLDPEとL-LDPEのブレンド仕様とすることで、自動開封性を妨げない程度に顔料添加層間の接着強度向上を図ることができることを見出し本発明を完成させた。
【0008】
ここに本発明の包装用積層フィルムは、少なくとも着色層と白色層が積層されてなる包装用積層フィルムであって、前記着色層および前記白色層が、高圧法低密度ポリエチレンとエチレン−α・オレフィン共重合体の混合樹脂からなるベース樹脂を含んでなり、そのエチレン−α・オレフィン共重合体の含有量が、前記ベース樹脂の10.0重量%〜50.0重量%であることを特徴とする。
【0009】
本発明の包装用積層フィルムの好適態様は、前記包装用積層フィルムの少なくとも片側の表面に、さらに無色透明層が積層されてなり、前記無色透明層が、高圧法低密度ポリエチレンからなる層とする。
【0010】
本発明の包装用積層フィルムの他の好適態様は、前記包装用積層フィルムの少なくとも片側の表面に、さらに無色透明層が積層されてなり、前記無色透明層が、高圧法低密度ポリエチレンとエチレン−α・オレフィン共重合体の混合樹脂からなるベース樹脂からなり、前記エチレン−α・オレフィン共重合体の含有量が、前記ベース樹脂の10.0重量%〜50.0重量%であるものとする。
【0011】
本発明の包装用積層フィルムの他の好適態様は、前記着色層が黒色顔料と白色顔料を含んでなり、前記黒色顔料の含有量が前記着色層の1.0重量%〜2.0重量%、前記白色顔料の含有量が前記黒色顔料の含有量の5倍〜30倍であるものとする。
【0012】
本発明の包装用積層フィルムの他の好適態様は、 前記白色層が白色顔料を含んでなり、前記白色顔料の含有量が前記白色層の5.0重量%〜30.0重量%であるものとする。
【0013】
本発明の包装用積層フィルムの他の好適態様は、前記包装用積層フィルムの総厚が40μm〜70μmであるものとする。
【0014】
本発明の包装用積層フィルムの他の好適態様は、前記包装用積層フィルムの前記着色層の厚みが5μm〜20μmであるものとする。
【0015】
本発明の包装用積層フィルムの他の好適態様は、前記包装用積層フィルムの前記白色層の厚みが5μm〜30μmであるものとする。
【0016】
本発明の包装用積層フィルムの他の好適態様は、 前記包装用積層フィルムの前記無色透明層の厚みが5μm〜20μmであるものとする。
【0017】
本発明の包装用積層シートは、少なくとも、上記の包装用積層フィルムと基材フィルムとを有し、更に、前記包装用積層フィルムと基材フィルムとの間に、室温以下の温度環境では所定の接着強度を有するが、高温の温度環境では接着強度が低下する接着剤層を設けてなるものとする。
【0018】
本発明の電子レンジ対応包装用袋は、上記包装用積層シートを用いたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
<包装用積層フィルム>
本発明の包装用積層フィルムは、少なくとも着色層と白色層が積層されてなるものである。好ましくは、この包装用積層フィルムの少なくとも片側の表面(さらに好ましくは両面)にさらに無色透明層が積層されていてもよい。
【0020】
本発明の包装用積層フィルムの総厚は、好ましくは40μm〜70μmとする。この厚みの範囲外では、物理強度の変化と自動開封性の変化の問題が発生する可能性がある。具体的には、薄すぎると、シール強度・材料強度が低下し、意図しない箇所からの開封につながる可能性が高まり、厚すぎると、シール強度・材料強度が高くなり、自動開封機構による一部分のシーラント層の破壊が起こりにくくなることから、内圧の増加による破裂の可能性が生じる。また、厚すぎると、廃棄の際に環境保護の観点から好ましくなく、経済的に見てもメリットが少ない。
【0021】
(ベース樹脂)
本発明の包装用積層フィルムにおけるベース樹脂は、顔料を加えて、着色層や白色層を構成する樹脂材料を調製するために用いるものである。顔料を加えずに、無色透明層を構成する樹脂材料とすることもできる(もっとも、無色透明層に関しては、ベース樹脂以外の材料を用いることもできる)。
【0022】
このベース樹脂は、高圧法低密度ポリエチレンとエチレン−α・オレフィン共重合体(シングルサイト直鎖状低密度ポリエチレン、マルチサイト直鎖状低密度ポリエチレン等)の混合樹脂からなるベース樹脂を含んでなり、そのエチレン−α・オレフィン共重合体の含有量が、前記ベース樹脂の10.0重量%〜50.0重量%、好ましくは20.0重量%〜40.0重量%とする。このような含有量にすると、包装袋として電子レンジにかけた際、自動開封の安定化がみられた。
【0023】
(着色層(遮光層))
本発明の包装用積層フィルムにおける着色層は、上記ベース樹脂に黒色顔料と白色顔料とを添加し灰色層とすることがのぞましい。この場合、黒色顔料の含有量が微添加でも構わないが、遮光層の薄膜化を考慮して、好ましくは着色層の1.0重量%〜2.0重量%、白色顔料の含有量が黒色顔料の含有量の5倍〜30倍とする。このような灰色層は、外観美粧性と、高い遮光性が得られる点で、黒色顔料のみの場合に比べ好ましい。
【0024】
着色層(遮光層)に添加する黒色顔料としては、少なくとも、主に近紫外から可視領域を吸収する黒色系の顔料を用いる。具体的には、カーボンブラックの他に、黒鉛、鉄黒、電気伝導性材料(ポリアニリン、ポリピロール)も使用可能である。白色顔料としては、後述する白色層用の顔料を用いることができる。
【0025】
本発明の包装用積層フィルムの着色層の厚みは、好ましくは5μm〜20μmとする。着色層(遮光層)が、この厚みより薄い場合、包装用積層フィルムの遮光性が低下する恐れがあり(なお、遮光性を維持するため、シーラント層内の顔料の比率を高くした場合、層間での接着強度が低下し、意図しない箇所からの開封の可能性が高くなる)、また、外観が変化する恐れがある。また、各層を上記の厚みより薄くした場合、フィルム作製時の製膜安定性が低下する傾向がある。
【0026】
(白色層(意匠層))
本発明の包装用積層フィルムにおける白色層は、上記ベース樹脂に白色顔料を添加してなることができる。白色顔料の含有量は、微添加でも構わないが、美粧性の観点からは多いことが望ましく、コスト面とフィルム強度面の両方から、好ましくは白色層の5.0重量%〜30.0重量%とする。
【0027】
白色層(意匠層)に添加する白色顔料としては、主に外観意匠性を考慮した美麗でデザインの設定しやすい白色系の顔料を添加する。具体的には、酸化チタンの他に、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等を用いることができる。
【0028】
前記包装用積層フィルムの前記白色層の厚みは好ましくは5μm〜30μmとする。白色層(意匠層)が、この厚みより薄い場合、外観が変化する恐れがあると共に、遮光性が低下する恐れがある(遮光性を維持するため、シーラント層内の顔料の比率を高くした場合、層間での接着強度が低下し、意図しない箇所からの開封の可能性が高くなる)。また、各層を上記の厚みより薄くした場合、フィルム作製時の製膜安定性が低下する傾向がある。
【0029】
(無色透明層)
本発明の包装用積層フィルムの片側表面または両側表面に設けてもよい無色透明層は、着色層や白色層との良好な接着性を保つため、着色層や白色層で使用した樹脂を使用するのが望ましい。アイオノマーやメタクリル酸共重合体等の金属接着を起こす樹脂は不向きである。また、フィッシュ・アイやピンホールを作りやすい樹脂は回避する。具体的には、無色透明層は、高圧法低密度ポリエチレンからなる層とすることができる。あるいは、上記ベース樹脂、すなわち、高圧法低密度ポリエチレンとエチレン−α・オレフィン共重合体の混合樹脂からなるベース樹脂からなり、前記エチレン−α・オレフィン共重合体の含有量が、前記ベース樹脂の10.0重量%〜50.0重量%とすることができる。このうち、無色透明層がシール層となる等の理由で、無色透明層ホットタック性を必要とする場合には、高圧法低密度ポリエチレンとエチレン−α・オレフィン共重合体の混合樹脂を用いることが好ましい。
無色透明層の厚みは、好ましくは5μm〜20μmとする。
【0030】
<包装用積層フィルムの製膜方法>
本発明の包装用積層フィルムの製膜方法は特に限定されないが、典型的には、インフレーション製膜法や、Tダイ製膜法が用いられ、積層においては共押出による積層手法を使用することが好ましい。特に好ましくは、樹脂換えの容易なインフレーション製膜法を活用することで、製膜機内の顔料が容易に除去でき、層構成の異なる種々積層フィルムを迅速に製造することができる。
【0031】
<包装用積層シート>
本発明の包装用積層シートは、上記本発明の包装用積層フィルムと基材フィルムを有し、更に、本発明の包装用積層フィルムと基材フィルムとの間に、室温以下の温度環境では所定の接着強度を有するが、高温の温度環境では接着強度が低下する接着剤層を設けてなるものとすることができる。
【0032】
(基材フィルム)
基材フィルムとしては、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた強度、剛性等を有し、例えば、耐熱性、耐水性、耐光性、耐候性、耐薬品性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性、透明性、その他等の諸堅牢性に優れた樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。具体的には、例えば、一般に電子レンジで加熱又は加熱調理される冷凍食品やチルド食品用の包装材料として使用されているものであれば特に限定されず、具体的には、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、シリカ蒸着延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミナ蒸着延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ナイロンフィルム、シリカ蒸着延伸ナイロンフィルム、アルミナ蒸着延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム、ポリビニルアルコールコート延伸ポリプロピレンフィルム、ナイロン6/MXDナイロン6/ナイロン6共押出共延伸フィルム、ポリプロピレン/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリプロピレン共押出共延伸フィルム等のうち、何れかのフィルムを使用することができる。
【0033】
これらの基材フィルムは、融点が通常150℃以上であり、厚さは通常10〜50μmである。本発明において、基材フィルムとしては、具体的には、厚さ15μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、または、厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフィルム等を使用することが好ましい。
【0034】
(接着剤層)
接着剤層は、基材フィルムと包装用積層フィルムとの層間に、その全面ないし一部の領域に設けることができる層である。この接着剤層は、好ましくは室温以下の温度環境では所定の接着強度を有するが、高温の温度環境ではその接着強度が低下する性質を有するものである。
【0035】
ここで、所定の接着強度を保持する室温以下の温度とは、通常、本発明にかかる電子レンジ対応包装用積層フィルムを用いて食品等の内容物を包装する工程時の環境温度や、内容物を密封包装した後の包装用袋の冷凍工程時の環境温度や、冷凍食品を輸送、保管する際の環境温度を意味するものである。したがって、上記の接着剤層は、こうした温度環境では、所定の接着強度が保持されることとなる。一方、上記の所定の接着強度が低下する高温の温度環境とは、食品等の内容物を密封包装し、更に、冷凍ないし冷蔵処理した包装用袋を、そのまま電子レンジで加熱又は加熱調理する際に加わる温度であり、こうした高い温度で接着剤層の接着強度が低下することとなる。
【0036】
接着剤層は、電子レンジで加熱あるいは加熱調理等の処理が行われると、包装用袋内の空気の膨張や内容物に含まれる水蒸気によって内圧が上昇し、シール部近傍の無色透明層の任意の個所を起点として、無色透明層が破壊されると共に接着剤層の接着強度も低下して、その接着剤層が破壊され、その結果、無色透明層、接着剤層等をとおして、包装用袋の内側から外側に向かって空気抜け孔が生じ、これにより、その空気抜け孔から包装用袋内の水蒸気等が逃げ、その内圧を低下させることができ、いわゆる、自動開封機構を有し、更に、破壊が部分的に起こるので、包装用袋の内圧が一気に低下することがなく、包装用袋の破袋等を防止すると共にそれに伴う内容物の飛散、周囲の汚染等も防止し、更には、不測の事故等の発生等も防止し得るものである。
【0037】
上記のような性質を有する接着剤層として、例えば、60〜90℃の融点を有する材料、具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、または、ポリアミド系樹脂、硝化綿及びポリエチレンワックス等をビヒクルの主成分とし、これらを含有するホットメルト型の接着剤等を挙げることができる。また、融点が60〜90℃のビヒクルを用いることによって、電子レンジで加熱した際に、接着剤層と無色透明層の一部に部分的な破壊を起こりやすくさせることができる。
【0038】
上記の接着剤層の形成は、従来公知のコーティング法を用いることができ、その厚さは、1〜5μmであることが好ましい。接着剤層の厚さが1μm未満では、電子レンジで加熱した際に、接着剤層と無色透明層の破壊が起きにくいという不都合があり、また、接着剤層の厚さが5μmを越えると、接着剤層のパターンによっては、得られたフィルム状の電子レンジ対応包装用積層フィルムをロール状に巻いたときに、一部に盛り上がりが生じ、その部分の電子レンジ対応包装用積層フィルムが伸びてしまうという不都合がある。
【0039】
また、接着剤層を設けた領域のシール強度が、室温以下の温度領域では、700(g/15mm)以上であり、80℃以上の高温の温度領域では、300(g/15mm)以下であることが好ましい。上記の接着剤層を設けた領域のシール強度が、室温以下の温度領域では、700(g/15mm)以上であるので、室温時又は冷凍時の取扱、輸送、保管等によってはシール部において剥がれて開くことがなく、80℃以上の高温の温度領域では、300(g/15mm)以下であるので、電子レンジで加熱した際に、接着剤層と無色透明層の一部が部分的に破壊する程度の強度まで低下する。
【0040】
<電子レンジ対応包装用袋>
本発明の電子レンジ対応包装用袋は、包装用積層シートを用いて形成したものである。
【0041】
製袋法としては、例えば、上記の本発明にかかる包装用積層フィルムを使用し、その内層の無色透明層の面を対向させて、それを折り重ねるか、或いは、その二枚を重ね合わせ、更に、その周辺端部をヒートシールしてシール部を設けて包装用袋を製造することができる。具体的には、包装用積層フィルムを、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、その他等のヒートシール形態によりヒートシールして、本発明にかかる種々の形態の包装用袋を製造することができる。その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能である。上記において、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
【0042】
この電子レンジ対応包装用袋によれば、包装用袋のシール部には、前記の接着剤層がシール部を横断するように設けられていることが好ましく、その結果、電子レンジで加熱された冷凍食品を包む包装用袋のシール部が部分的に破壊されて、その内圧を低下させることができる。本発明の包装用袋は、従来型の包装用袋とは異なり、接着剤層の形成位置や形成の精度がある程度許容されるので、包装用袋の作製が簡易である。また、包装用袋の内圧を低下させるために有効に作用する接着剤層が、無色透明層と基材フィルムの間に設けられているので、直接内容物に接触することもない。さらに、常温以下、すなわち食品等の包装工程時や包装後の冷凍時の環境温度領域において、得られた包装用袋のシール強度が十分であるので、輸送や保管中にシール面からの剥離等による包装袋の密封状態の解放が起こり難い。
【0043】
電子レンジ対応包装用袋に要求される性能としては、後述するような遮光性、自動開封性、ホットタック性などが求められる。本発明の電子レンジ対応包装用袋はこれらの要求性能を充足するものである。
【0044】
(遮光性)
食品、特に油脂を含む食品の内容物保護を達成するためには、油脂の酸化防止を図る必要がある。食品のうち、冷凍食品は、スーパーのような量販店で扱われることが多く、蛍光灯の光を多く受ける陳列棚に置かれている。このような環境下で、油脂は、500nm以下の波長の光線による影響を大きく受け、550nm前後の黄色帯域に可視光の吸収極大を持っていることから、この波長範囲の光は、油脂の酸化反応を促進してしまう。そこで、包装用積層シートは、酸化防止のため、550nm以下の可視光と紫外光の遮断を図る必要がある。また、光増感剤であるクロロフィル類(クロロフィル、フェオフィチン:植物性油には多く含まれる)は、油脂の光線による酸化で極めて重要な物質であり、650nm付近の波長に吸収極大を持っている。包装用積層シートによって、この波長を遮断することで酸化促進性の抑制を図ることが望まれる。
【0045】
(自動開封性)
包装用積層シートは種々状況下での使用が考えられる。中でも冷凍食品としての遮光性を保つ目的で使用される場合は、電子レンジ適性、冷凍物充填時のシール適性を考慮する必要がある。例えば、自動開封部のシール強度・材料破壊強度が低すぎる場合には、意図しない箇所からの開封が発生する。逆にシール強度・材料破壊強度が高すぎる場合には、開封が起こらず、包装袋の破裂のおそれがある。安定した自動開封性を得るためには、適度なシール強度、材料破壊強度を持つフィルムが必要となる。
【0046】
(ホットタック性)
ピラフ、チャーハン等の冷凍食品を充填する場合、電子レンジ対応包装用袋は縦ピロータイプとして充填されることが多く、上方からの冷凍物落下に耐え得るシール性、ホットタック性が必要とされる。ホットタック性を向上させると、その粘りのあるシール物性上、電子レンジ加温時の蒸気内圧による自動開封が上手に作動しない可能性がある。そのため、冷凍食品用途においては上記のホットタック性と、自動開封適性を併せ持つ包装用積層シートが必要である。
【実施例1】
【0047】
まず、下記の(1)〜(3)の樹脂組成物を調製した。
【0048】
(1)(第1層:白色層用組成物)高圧重合法を使用して重合した低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製ノバテックLC522:密度=0.923g/cm、MFR=4.0g/10分)(以下、「低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)」と略称する)68.0重量部、シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学(株)製エボリューSP2020:密度=0.916g/cm、MFR=1.5g/10分)(以下、「エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)」と略称する)17.0重量部、白色顔料として酸化チタン15.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0049】
(2)(第2層:着色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)58.8重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)14.7重量部、黒色顔料としてカーボンブラック1.5重量部、白色顔料として酸化チタン25.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0050】
(3)(第3層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)100.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0051】
3種3層のインフレーション共押出製膜機を用いて(1)の樹脂組成物層が20μm、(2)の樹脂組成物層が10μm、(3)の樹脂組成物層が20μmの3層からなる包装用積層フィルムを製造した。
【0052】
上記で製造した包装用積層フィルムは、外層(第1層側)から視認すると乳白色で美観性に優れていた。さらに遮光性は十分で、油脂の酸化に寄与する各波長の光をほとんど透過させず、極めて良好であった。
【実施例2】
【0053】
まず、下記の(1)〜(3)の樹脂組成物を調製した。
【0054】
(1)(第1層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)51.0重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)34.0重量部、白色顔料として酸化チタン15.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0055】
(2)(第2層:着色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)44.1重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)29.4重量部、黒色顔料としてカーボンブラック1.5重量部、白色顔料として酸化チタン25.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0056】
(3)(第3層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)100.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0057】
3種3層のインフレーション共押出製膜機を用いて(1)の樹脂組成物層が20μm、(2)の樹脂組成物層が10μm、(3)の樹脂組成物層が20μmの3層からなる包装用積層フィルムを製造した。
【0058】
上記で製造した包装用積層フィルムは、外層(第1層側)から視認すると乳白色で美観性に優れていた。さらに遮光性は十分で、油脂の酸化に寄与する各波長の光をほとんど透過させず、極めて良好であった。
【実施例3】
【0059】
まず、下記の(1)〜(4)の樹脂組成物を調製した。
【0060】
(1)(第1層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)100.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0061】
(2)(第2層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)68.0重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)17.0重量部、白色顔料として酸化チタン15.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0062】
(3)(第3層:着色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)58.8重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)14.7重量部、黒色顔料としてカーボンブラック1.5重量部、白色顔料として酸化チタン25.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0063】
(4)(第4層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)100.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0064】
4層のインフレーション共押出製膜機を用いて(1)の樹脂組成物層が10μm、(2)の樹脂組成物層が20μm、(3)の樹脂組成物層が10μm、(4)の樹脂組成物層が10μmの4層からなる包装用積層フィルムを製造した。
【0065】
上記で製造した包装用積層フィルムは、外層(第1層側)から視認すると乳白色で美観性に優れていた。さらに遮光性は十分で、油脂の酸化に寄与する各波長の光をほとんど透過させず、極めて良好であった。
【実施例4】
【0066】
まず、下記の(1)〜(4)の樹脂組成物を調製した。
【0067】
(1)(第1層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)100.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0068】
(2)(第2層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)51.0重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)34.0重量部、白色顔料として酸化チタン15.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0069】
(3)(第3層:着色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)58.8重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)14.7重量部、黒色顔料としてカーボンブラック1.5重量部、白色顔料として酸化チタン25.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0070】
(4)(第4層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)100.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0071】
4層のインフレーション共押出製膜機を用いて(1)の樹脂組成物層が10μm、(2)の樹脂組成物層が20μm、(3)の樹脂組成物層が10μm、(4)の樹脂組成物層が10μmの4層からなる包装用積層フィルムを製造した。
【0072】
上記で製造した包装用積層フィルムは、外層(第1層側)から視認すると乳白色で美観性に優れていた。さらに遮光性は十分で、油脂の酸化に寄与する各波長の光をほとんど透過させず、極めて良好であった。
【実施例5】
【0073】
まず、下記の(1)〜(5)の樹脂組成物を調製した。
【0074】
(1)(第1層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)100.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0075】
(2)(第2層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)63.2重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)15.8重量部、白色顔料として酸化チタン21.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0076】
(3)(第3層:着色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)58.8重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)14.7重量部、黒色顔料としてカーボンブラック1.5重量部、白色顔料として酸化チタン25.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0077】
(4)(第4層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)63.2重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)15.8重量部、白色顔料として酸化チタン21.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0078】
(5)(第5層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)100.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0079】
5種5層のインフレーション共押出製膜機を用いて(1)の樹脂組成物層が5μm、(2)の樹脂組成物層が17μm、(3)の樹脂組成物層が7μm、(4)の樹脂組成物層が5μm、(5)の樹脂組成物層が6μmの5層からなる包装用積層フィルムを製造した。
【0080】
上記で製造した包装用積層フィルムは、外層(第1層側)から視認すると乳白色で美観性に優れていた。さらに遮光性は十分で、油脂の酸化に寄与する各波長の光をほとんど透過させず、極めて良好であった。
【実施例6】
【0081】
まず、下記の(1)〜(5)の樹脂組成物を調製した。
【0082】
(1)(第1層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)100.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0083】
(2)(第2層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)47.4重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)31.6重量部と、白色顔料として酸化チタン21.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0084】
(3)(第3層:着色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)44.1重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)29.4重量部、黒色顔料としてカーボンブラック1.5重量部、白色顔料として酸化チタン25.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0085】
(4)(第4層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)47.4重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)31.6重量部、白色顔料として酸化チタン21.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0086】
(5)(第5層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)100.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0087】
5種5層のインフレーション共押出製膜機を用いて(1)の樹脂組成物層が5μm、(2)の樹脂組成物層が17μm、(3)の樹脂組成物層が7μm、(4)の樹脂組成物層が5μm、(5)の樹脂組成物層が6μmの5層からなる包装用積層フィルムを製造した。
【0088】
上記で製造した包装用積層フィルムは、外層(第1層側)から視認すると乳白色で美観性に優れていた。さらに遮光性は十分で、油脂の酸化に寄与する各波長の光をほとんど透過させず、極めて良好であった。
【実施例7】
【0089】
まず、下記の(1)〜(3)の樹脂組成物を調製した。
【0090】
(1)(第1層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)68.0重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)17.0重量部、白色顔料として酸化チタン15.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0091】
(2)(第2層:着色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)58.8重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)14.7重量部、黒色顔料としてカーボンブラック1.5重量部、白色顔料として酸化チタン25.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0092】
(3)(第3層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)80.0重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)20.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0093】
3種3層のインフレーション共押出製膜機を用いて(1)の樹脂組成物層が20μm、(2)の樹脂組成物層が10μm、(3)の樹脂組成物層が20μmの3層からなる包装用積層フィルムを製造した。
【0094】
上記で製造した包装用積層フィルムは、外層(第1層側)から視認すると乳白色で美観性に優れていた。さらに遮光性は十分で、油脂の酸化に寄与する各波長の光をほとんど透過させず、極めて良好であった。
【実施例8】
【0095】
まず、下記の(1)〜(3)の樹脂組成物を調製した。
【0096】
(1)(第1層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)51.0重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)34.0重量部、白色顔料として酸化チタン15.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0097】
(2)(第2層:着色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)44.1重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)29.4重量部、黒色顔料としてカーボンブラック1.5重量部、白色顔料として酸化チタン25.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0098】
(3)(第3層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)60.0重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)40.0重量部と、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0099】
3種3層のインフレーション共押出製膜機を用いて(1)の樹脂組成物層が20μm、(2)の樹脂組成物層が10μm、(3)の樹脂組成物層が20μmの3層からなる包装用積層フィルムを製造した。
【0100】
上記で製造した包装用積層フィルムは、外層(第1層側)から視認すると乳白色で美観性に優れていた。さらに遮光性は十分で、油脂の酸化に寄与する各波長の光をほとんど透過させず、極めて良好であった。
【実施例9】
【0101】
まず、下記の(1)〜(4)の樹脂組成物を調製した。
【0102】
(1)(第1層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)100.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0103】
(2)(第2層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)68.0重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)17.0重量部、白色顔料として酸化チタン15.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0104】
(3)(第3層:着色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)58.8重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)14.7重量部、黒色顔料としてカーボンブラック1.5重量部、白色顔料として酸化チタン25.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0105】
(4)(第4層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)80.0重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)20.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0106】
4層のインフレーション共押出製膜機を用いて(1)の樹脂組成物層が10μm、(2)の樹脂組成物層が20μm、(3)の樹脂組成物層が10μm、(4)の樹脂組成物層が10μmの4層からなる包装用積層フィルムを製造した。
【0107】
上記で製造した包装用積層フィルムは、外層(第1層側)から視認すると乳白色で美観性に優れていた。さらに遮光性は十分で、油脂の酸化に寄与する各波長の光をほとんど透過させず、極めて良好であった。
【実施例10】
【0108】
まず、下記の(1)〜(4)の樹脂組成物を調製した。
【0109】
(1)(第1層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)100.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0110】
(2)(第2層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)51.0重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)34.0重量部、白色顔料として酸化チタン15.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0111】
(3)(第3層:着色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)58.8重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)14.7重量部、黒色顔料としてカーボンブラック1.5重量部、白色顔料として酸化チタン25.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0112】
(4)(第4層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)60.0重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)40.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0113】
4層のインフレーション共押出製膜機を用いて(1)の樹脂組成物層が10μm、(2)の樹脂組成物層が20μm、(3)の樹脂組成物層が10μm、(4)の樹脂組成物層が10μmの4層からなる包装用積層フィルムを製造した。
【0114】
上記で製造した包装用積層フィルムは、外層(第1層側)から視認すると乳白色で美観性に優れていた。さらに遮光性は十分で、油脂の酸化に寄与する各波長の光をほとんど透過させず、極めて良好であった。
【実施例11】
【0115】
まず、下記の(1)〜(5)の樹脂組成物を調製した。
【0116】
(1)(第1層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)100.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0117】
(2)(第2層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)63.2重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)15.8重量部、白色顔料として酸化チタン21.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0118】
(3)(第3層:着色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)58.8重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)14.7重量部、黒色顔料としてカーボンブラック1.5重量部、白色顔料として酸化チタン25.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0119】
(4)(第4層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)63.2重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)15.8重量部、白色顔料として酸化チタン21.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0120】
(5)(第5層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)80.0重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)20.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0121】
5種5層のインフレーション共押出製膜機を用いて(1)の樹脂組成物層が5μm、(2)の樹脂組成物層が17μm、(3)の樹脂組成物層が7μm、(4)の樹脂組成物層が5μm、(5)の樹脂組成物層が6μmの5層からなる包装用積層フィルムを製造した。
【0122】
上記で製造した包装用積層フィルムは、外層(第1層側)から視認すると乳白色で美観性に優れていた。さらに遮光性は十分で、油脂の酸化に寄与する各波長の光をほとんど透過させず、極めて良好であった。
【実施例12】
【0123】
まず、下記の(1)〜(5)の樹脂組成物を調製した。
【0124】
(1)(第1層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)100.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0125】
(2)(第2層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)47.4重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)31.6重量部、白色顔料として酸化チタン21.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0126】
(3)(第3層:着色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)44.1重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)29.4重量部、黒色顔料としてカーボンブラック1.5重量部、白色顔料として酸化チタン25.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0127】
(4)(第4層:白色層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)47.4重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)31.6重量部、白色顔料として酸化チタン21.0重量部、エルカ酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0128】
(5)(第5層:無色透明層用組成物)低密度ポリエチレン(ノバテックLC522)60.0重量部、エチレン−α・オレフィン共重合体(エボリューSP2020)40.0重量部、合成シリカ0.5重量部、エルカ酸アミド0.05重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部を十分に混錬して樹脂組成物を調製した。
【0129】
5種5層のインフレーション共押出製膜機を用いて(1)の樹脂組成物層が5μm、(2)の樹脂組成物層が17μm、(3)の樹脂組成物層が7μm、(4)の樹脂組成物層が5μm、(5)の樹脂組成物層が6μmの5層からなる包装用積層フィルムを製造した。
【0130】
上記で製造した包装用積層フィルムは、外層(第1層側)から視認すると乳白色で美観性に優れていた。さらに遮光性は十分で、油脂の酸化に寄与する各波長の光をほとんど透過させず、極めて良好であった。
【0131】
<包装用積層シートの製造>
厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムのコロナ処理面に、通常の絵柄グラビア印刷を行い、更にポリアミド系樹脂、硝化綿およびポリエチレンワックスを含有するホットメルト系接着剤(融点83.8℃、商品名EOPワニス:ザ・インクテック株式会社)をパートコートした。その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を介して上記各実施例1〜12で製造した多層積層フィルムを、積層フィルムの第1層側と重ね合わせ積層体とし、包装用積層シートを製造した。
【0132】
<製袋品充填適性の評価>
上記で製造した包装用積層シートのうち実施例1〜6に関し、無色透明層(実施例1、2における第3層、実施例3における第4層、実施例5、6における第5層)をヒートシール層として重ね合わせ、上記接着剤をパートコートした部分がエンドシール部(長方形の袋の2つの短辺を形成する部位のシール部)になるようにピロー包装袋を製造した。
【0133】
そのピロー包装袋の開口部から冷凍枝豆を手詰め充填し、その開口部の端部をヒートシールして、冷凍食品包装袋を製造した。
【0134】
上記で製造した冷凍食品包装袋を、電子レンジへ掛けて加温したところ、センターシール部(長方形の袋の2つの短辺の中央を結んだ位置に形成するシール部)の後退が少なく、自動開封機構を設けた部分から、蒸気の内圧により破袋し、爆発音、内容物の飛び出し等が全く無かった。
【0135】
<横ピローインライン充填適性の評価>
上記で製造した包装用積層シートのうち実施例1〜6に関し、その透明シール層側を重ね合わせ、高温軟化樹脂をパートコートした部分がエンドシール部になるようにピロー包装袋を製造した。ピロー包装袋の開口部から急速冷凍した餃子を包装充填し、その開口部の端部をヒートシールして、冷凍食品包装袋を製造した。
【0136】
上記で製造した冷凍食品包装袋を、電子レンジへ掛けて加温したところ、センターシール部の後退が少なく、自動開封機構を設けた部分から、蒸気の内圧により破袋し、爆発音、内容物の飛び出し等が全く無かった。
【0137】
<縦ピローインライン充填適性の評価>
上記で製造した包装用積層シートのうち実施例7〜12に関し、その透明シール層側を重ね合わせ、高温軟化樹脂をパートコートした部分がエンドシール部になるようにピロー包装袋を製造した。ピロー包装袋の開口部から急速冷凍した炒飯を包装充填し、その開口部の端部をヒートシールして、冷凍食品包装袋を製造した。
【0138】
上記で製造した冷凍食品包装袋は、ホットタック性を有しており、縦ピロー充填時も破袋が発生しなかった。また、この冷凍食品包装袋を電子レンジへ掛けて加温したところ、センターシール部の後退が少なく、自動開封機構を設けた部分から、蒸気の内圧により破袋し、爆発音、内容物の飛び散り等が全く無かった。
【0139】
なお、縦ピロー充填とは、ピロー包装袋が縦の状態で作製され、エンドシール部(底シール部)がシールされた直後に内容物(例えば冷凍チャーハン(固形バラモノ)、粉、液体など、包装袋を縦の状態にしない場合、内容物がこぼれてしまうもの)が充填される包装方式であり、一般には一台の機械のラインで包装袋の作製と内容物の充填が同時におこなわれる。この場合、エンドシール部が完全に冷却されない状態で内容物の充填による負荷がかかり、破袋する可能性があるため、シーラントにホットタック性(溶融状態でのシール強度)が求められる。
【0140】
これに対し、横ピロー充填では、ピロー包装袋を寝かした状態(横にした状態)で作製され、一般にある程度の大きさを有する固体の内容物が充填される。
【0141】
<遮光性の評価>
上記実施例1〜12の包装用積層シートを用いて製造された冷凍食品包装袋は、いずれも、光線透過率が全波長において、400Åのアルミ蒸着仕様品を下回っていた。
【0142】
また、上記で製造した冷凍食品包装袋は、金属探知機による異物検査も可能であった。
【比較例1】
【0143】
実施例にかかる包装用積層フィルムの代わりに、出光ユニテック(株)製ユニクレストMS−250CG(50μm)[低密度ポリエチレンベース]を使用したこと意外は、実施例と全く同様にして、積層シートおよび、積層シートを用いたピロー包装袋を作製した。この積層シートは目視による美観性は優れていたが、実施例1と比較して遮光性が劣ると判明した。
【0144】
また、比較例1で作製したピロー包装袋では、電子レンジ開封時に、センターシール部が著しく後退し、蒸気抜けが発生し開封してしまうものもあった。さらに、内容物の縦ピロー充填時にシール部のホットタック性が低い為、破袋してしまうという問題が発生した。
【比較例2】
【0145】
実施例5において、着色層および白色層のベース樹脂となるLDPEとL-LDPEのブレンド比を、LDPE:L-LDPE=10:0としたこと以外、全く同様の方法で多層積層フィルム、積層材および包装袋の製造を行った。
【0146】
この包装袋を用い比較評価を行ったところ、実施例と同等の美観性、遮光性を有していたが、比較例1と同様、電子レンジ開封時に、センターシール部の著しい後退から蒸気抜けが発生する問題が発生した。
【比較例3】
【0147】
実施例5において、着色層および白色層のベース樹脂となるLDPEとL-LDPEのブレンド比を、LDPE:L-LDPE=3:7としたこと以外、全く同様の方法で多層積層フィルム、積層材および包装袋の製造を行った。
【0148】
この包装袋を用い比較評価を行ったところ、実施例と同等の美観性、遮光性を有していた。しかし、材料破壊強度・シール強度が過剰に高くなり、電子レンジ開封時に自動開封機構を設けた部分から開封が起こらない問題が発生した。また、添加したL-LDPEの性質から、センターシールに平行な方向(MD方向)の引裂き強度が低くなるため、包装袋の内圧が増加時にセンターシール方向に引裂けやすくなり、自動開封の不安定性が増す結果となった。
【0149】
<各種性能評価>
上記の実施例1〜12と、比較例1〜3の積層フィルムにおける各性能評価は下記の様に実施した。
【0150】
(1)膜厚:SONY(株)製μ−メータを用いて測定した。
【0151】
(2)全光線透過:スガ試験機(株)製ヘーズメータ(SM−C)から全光線における透過率を測定した。
【0152】
(3)遮光性:島津製作所製UV−2400PC分光光度計から220[nm]〜800[nm]領域の光線透過率を測定した。
【0153】
(4)電子レンジ自動開封性:A5サイズのピロー袋を作成し、その中へ100mlの水を入れ封をしたものと、実内容物(実施例1〜6は枝豆・冷凍餃子、実施例7〜12は冷凍炒飯)。家庭用500Wの電子レンジで約2分間温めて、水蒸気内圧による破袋・開封状態・破袋音・センターシール部の後退を確認した。
【0154】
(5)ホットタック性:実用例7〜12、比較例1に対し、H.W.Theller.Inc製ホットタックシーラーから80[℃]→120[℃]の375mS後のホットタック強度を測定した。低温シール性として、強度1N到達温度を比較評価した。
【0155】
(6)シール強度:製造したピロー包装袋のエンドシール部,センターシール部について15mm幅試験片を作成し、テンシロン引張試験機から300mm/min.で引張試験を行った。
【表1】

【表2】

【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも着色層と白色層が積層されてなる包装用積層フィルムであって、
前記着色層および前記白色層が、高圧法低密度ポリエチレンとエチレン−α・オレフィン共重合体の混合樹脂からなるベース樹脂を含んでなり、そのエチレン−α・オレフィン共重合体の含有量が、前記ベース樹脂の10.0重量%〜50.0重量%であることを特徴とする、包装用積層フィルム。
【請求項2】
前記包装用積層フィルムの少なくとも片側の表面に、さらに無色透明層が積層されてなり、前記無色透明層が、高圧法低密度ポリエチレンからなる層である、請求項1に記載の包装用積層フィルム。
【請求項3】
前記包装用積層フィルムの少なくとも片側の表面に、さらに無色透明層が積層されてなり、前記無色透明層が、高圧法低密度ポリエチレンとエチレン−α・オレフィン共重合体の混合樹脂からなるベース樹脂からなり、前記エチレン−α・オレフィン共重合体の含有量が、前記ベース樹脂の10.0重量%〜50.0重量%である、請求項1に記載の包装用積層フィルム。
【請求項4】
前記着色層が黒色顔料と白色顔料を含んでなり、前記黒色顔料の含有量が前記着色層の1.0重量%〜2.0重量%、前記白色顔料の含有量が前記黒色顔料の含有量の5倍〜30倍である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装用積層フィルム。
【請求項5】
前記白色層が白色顔料を含んでなり、前記白色顔料の含有量が前記白色層の5.0重量%〜30.0重量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装用積層フィルム。
【請求項6】
前記包装用積層フィルムの総厚が40μm〜70μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装用積層フィルム。
【請求項7】
前記包装用積層フィルムの前記着色層の厚みが5μm〜20μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の包装用積層フィルム。
【請求項8】
前記包装用積層フィルムの前記白色層の厚みが5μm〜30μmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の包装用積層フィルム。
【請求項9】
前記包装用積層フィルムの前記無色透明層の厚みが5μm〜20μmである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の包装用積層フィルム。
【請求項10】
少なくとも、請求項1〜9のいずれか1項に記載の包装用積層フィルムと基材フィルムとを有し、更に、前記包装用積層フィルムと基材フィルムとの間に、室温以下の温度環境では所定の接着強度を有するが、高温の温度環境では接着強度が低下する接着剤層を設けてなる、包装用積層シート。
【請求項11】
請求項10に記載の包装用積層シートを用いた、電子レンジ対応包装用袋。

【公開番号】特開2010−76795(P2010−76795A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246358(P2008−246358)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】