説明

包装箱

【課題】 包装箱の本体部と箱内部の仕切部材とが一体的に作られており折り畳み状態から完成状態にワンタッチで組み上げることができる包装箱を提供すること
【解決手段】 展開した状態において、正面板部と、前記正面板部の左右側方設けられた左右側面板部と、前記左側面板部または前記右側面板部のいずれか一方の側方に設けられた背面板部と、前記背面板部の上側方に設けられた蓋板部と、前記正面板部の下側方に設けられた前側底板部と、前記背面板部の下側方に設けられた後側底板部と、前記左側面板部の下側方に設けられた左側面底板部と、前記右側面板部の下側方に設けられた右側面底板部と、前記前側底板部または前記右側面底板部のいずれか一方に設けられ両底板部を連結する右側連結タブと、前記後側底板部または前記左側面底板部のいずれか一方に設けられ両底板部を連結する左側連結タブと、前記背面板部の左側方部分に設けられた右側面結合部とを備えたワンタッチで組み立て可能な包装箱とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装箱に関し、特に箱の筐体と箱内部の仕切部材とが一体的に作られており折り畳み状態から完成状態にワンタッチで組み上げることができる包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス容器に収納された薬品(アンプル剤など)や食品を収容する包装箱として、複数の収納物品を安全に防護するために個々の容器の間に仕切部材を設け、容器と容器が直接当接しないようにしたものがある。このような要望に応える技術としては、例えば特許文献1に示すようなものがある。
【0003】
特許文献1に示された例では、包装箱の蓋体に被収納物と係合して該被収納物品を保持する係合部(切込み)を設け、1 枚の基材を裁断し、折り込んで、上記係合部を有する蓋体と容器本体とが一体的に組立てられるようにしている。その上で、上記係合部は、上記蓋体が折り込まれて前記容器本体の開口部を閉蓋するとともに、さらに内側に向けて少なくとも1 回折り込まれた上記蓋体の先端部に形成されており、上記係合部を有する蓋体を仕切部材として使用可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−031064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、蓋体に係合部(切込み)を設け、上記係合部を有する蓋体を仕切部材として使用する方法では、上記蓋体の高さ位置、すなわち、包装箱の天頂に近い部位においてのみ仕切り効果があり、包装箱の中間高さや底部に近い部位においては仕切り効果が発揮されず、包装箱に収納物品を入れた状態で運搬する場合など、複数の収納物品の間で接触や衝突が起こるという不具合があった。
【0006】
また、多くの包装箱においては、当該包装箱と別体となった仕切部材を用意し、この仕切部材を包装箱の中にセットしてから収納物品を収容するというやり方を採用しており、包装箱の組立てが煩雑になる上、部品点数が増大するという不具合もあった。
【0007】
本発明は、上記した問題に鑑みなされたもので、その目的は、包装箱の本体部と箱内部の仕切部材とが一体的に作られており折り畳み状態から完成状態にワンタッチで組み上げることができる包装箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、展開した状態において、包装箱の正面を形成する矩形状の正面板部と、前記正面板部の左右側方に連続して設けられ、包装箱の左右側面を形成する一対の矩形状の左右側面板部と、前記左側面板部または前記右側面板部のいずれか一方の側方に連続して設けられ、包装箱の背面を形成する矩形状の背面板部と、前記背面板部の上側方に連続して設けられ、包装箱の蓋体を形成する蓋板部と、前記正面板部の下側方に連続して設けられ、包装箱の前側底板を形成する前側底板部と、前記背面板部の下側方に連続して設けられ、包装箱の後側底板を形成する後側底板部と、前記左側面板部の上側方に連続して設けられ、包装箱の左側面蓋部を形成する左側面蓋板部と、前記右側面板部の上側方に連続して設けられ、包装箱の右側面蓋部を形成する右側面蓋板部と、前記左側面板部の下側方に連続して設けられ、包装箱の左側面底板を形成する左側面底板部と、前記右側面板部の下側方に連続して設けられ、包装箱の右側面底板を形成する右側面底板部と、前記前側底板部または前記右側面底板部のいずれか一方に設けられ、これら前側底板部および右側面底板部を連結する右側連結タブと、前記後側底板部または前記左側面底板部のいずれか一方に設けられ、これら後側底板部および右側面底板部を連結する左側連結タブと、前記背面板部の左側方部分に設けられ、前記右側面板部の裏面に固定される右側面結合部と、を備えた包装箱とした。
【0009】
この包装箱において、前記前側底板部は前記正面板部の裏側に重なるように折り曲げられる一方、前記右側面底板部は前記右側面板部の裏側に重なるように折り曲げられ、且つ前記右側面板部は前記折り曲げられた前側底板部に重なるように折り曲げられてこれら前側底板部と右側面底板部は前記右側連結タブを介して結合され、前記後側底板部は前記背面板部の裏側に重なるように折り曲げられる一方、前記左側面底板部は前記左側面板部の裏側に重なるように折り曲げられ、且つ前記折り曲げられた後側底板部は、前記背面板部とともに前記折り曲げられた左側面底板部に重なるように折り曲げられてこれら後側底板部と左側面底板部は前記左側連結タブを介して結合され、さらに、前記背面板部の左側方部分に設けられた右側面結合部を右側面板部の裏面に結合して箱全体が折りたたみ構造体をなしている。
【0010】
そして、この折りたたみ構造体を左右側方から横方向中心へ向かって押圧することにより包装箱が組み立てられる。
【0011】
上記包装箱の変更例として、展開した状態において、前記前側底板部の下側方に連続し且つ当該前側底板部に対して折り曲げ可能に設けられ、包装箱の前側中仕切を形成する前側中仕切板部と、前記後側底板部の下側方に連続し且つ当該後側底板部に対して折り曲げ可能に設けられ、包装箱の後側中仕切を形成する後側中仕切板部と、をさらに備えた包装箱とした。
【0012】
この包装箱において、折りたたみ構造体を左右側方から横方向中心へ向かって押圧することにより、正面板部と背面板部との中間部に底板部から垂直に立ち上がった中仕切が位置し、内部が2室に区切られた箱が組み立てられる。
【0013】
上記包装箱のさらに別の変更例として、展開した状態において、前記正面板部の上側方に連続して設けられ、当該正面板部の裏側に重ねられて正面裏板を形成する矩形状の正面裏板部と、前記正面裏板部の上側方に連続して設けられ、包装箱の前側仕切部を形成する前側仕切板部と、前記背面板部の左側方に連続して設けられ、包装箱の後側仕切部を形成する後側仕切板部と、をさらに備ええた包装箱とした。
【0014】
この包装箱において、前記前側仕切板部は、正面裏板部との境界線近辺において横方向に延びる下部水平切込部と、当該下部切込部とは横方向及び縦方向にずれた位置に形成され横方向に延びる上部水平切込部と、前記下部水平切込部から上部水平切込部まで両者を繋ぐように斜めに延びる傾斜切込部とからなり且つ横方向に所定の間隔をおいて形成された複数の第1の切込み線、および当該第1の切込み線の下部水平切込部の端末部と、上部水平切込部の端末部と、傾斜切込部の中間部に対応するそれぞれの部位に縦方向に伸びる第2の切込み線を有している。
【0015】
また、前記後側仕切板部は、当該後側仕切板部の下縁近辺において横方向に延びる下部水平切込部と、当該下部切込部とは横方向及び縦方向にずれた位置に形成され横方向に延びる上部水平切込部と、前記下部水平切込部から上部水平切込部まで両者を繋ぐように斜めに延びる傾斜切込部とからなり且つ横方向に所定の間隔をおいて形成された複数の第3の切込み線、および当該第3の切込み線の下部水平切込部の端末部と、上部水平切込部の端末部と、傾斜切込部の中間部に対応するそれぞれの部位に縦方向に伸びる第4の切込み線を有し、また前記背面板部に隣接した部分に前記右側面板部の裏面に固定される右側面結合部を有している。
【0016】
そして、前記正面裏板部は前記正面板部の裏側に重なるように折り曲げられて当該正面板部の後面に結合され、さらに前記前側仕切板部は前記正面裏板部の後側に重なるように折り返され、また正面裏板部との境界線近辺で且つ前記第1及び第2の切込み線によって切り離されていない領域において前記正面裏板部の対接面に結合され、前記後側仕切板部は前記背面板部の後側に重なるように折り曲げられ、また当該後側仕切板部の下縁近辺で且つ前記第3及び第4の切込み線によって切り離されていない領域において前記裏面板部の対接面に結合され、また、前記前側仕切板部と前記後側仕切板部とは、前記前側中仕切板部と後側中仕切板部とを間に挟んだ状態で対接面が結合され、さらに前記後側仕切板部に設けられた右側面結合部を右側面板部の裏面に結合して箱全体が折りたたみ構造体をなしている。
【0017】
この折りたたみ構造体を左右側方から横方向中心へ向かって押圧することにより、正面板部と背面板部との間に横方向に2列に延び、且つ各列に複数の物品収容部が仕切り区分けされた箱が組み立てられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、包装箱の前後側の底板部と左右側面の底板部との間の一方に連結タブを設け、前後側の底板部の一方及び他方と左右側面の底板部の一方及び他方とをそれぞれ結合させて箱全体を折りたたみ構造体としたため、この折りたたみ構造体を左右側方から横方向中心へ向かって押圧することにより、結合された前後側の底板部の一方及び他方と左右側面の底板部の一方及び他方との間で相対運動が行われて、ワンタッチで包装箱が組み立てられる。したがって、包装箱の収納時は折り畳まれて小スペースに収まり、使用時には所期の使用目的に適応する包装箱が実現される。
【0019】
また仕切板部を取り付けることにより、包装箱のワンタッチ組み立て動作に際して、箱内部に仕切り収容部を画成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る包装箱の展開図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る包装箱の展開図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における前側仕切板部の部分を表す拡大図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における前側仕切板部の部分を表す拡大図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における前側仕切板部と後側仕切板部の組立て動作の説明のために、折りたたみ構造体を少し開いた状態にある包装箱の平面構造をモデル化して示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る包装箱の蓋を開いた状態を上方斜めから見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る包装箱の展開図である。
【0022】
図1において、符号1は包装箱の全体を示す。この包装箱1はボール紙、クラフト紙、或いは段ボールのような比較的厚さがあり直立性がある材質から作られている。2は正面板部である。この正面板部2は、矩形状をしており包装箱1の正面を形成する。3は右側面板部である。この右側面板部3は正面板部2と同じ高さ寸法を有する矩形状をしており、正面板部2の右側方に連続して設けられて包装箱1の右側面を形成する。正面板部2と右側面板部3は境界線4の部分で折り曲げ可能である。5は左側面板部である。この左側面板部5は正面板部2と同じ高さ寸法を有する矩形状をしており、正面板部2の左側方に連続して設けられて包装箱1の左側面を形成する。正面板部2と左側面板部5は境界線6の部分で折り曲げ可能である。7は背面板部である。この背面板部7は左側面板部5と同じ高さ寸法を有する矩形状をしており、左側面板部5の左側方に連続して設けられて包装箱1の背面を形成する。背面板部7と左側面板部5は境界線8の部分で折り曲げ可能である。また背面板部7の左側部分には右側面結合部9が設けられている。この右側面結合部9は背面板部7に対して境界線29の部分で折り曲げ可能であり、各板部2,3,5,7が各境界線4,6,8で折り曲げられたときに前記右側面板部3の裏面に当接し、この当接部分に固定される。なお、背面板部7は図1において右側面板部3の右側方に連続して設けられていてもよい。
【0023】
10は蓋板部である。この蓋板部10は背面板部7と同じ幅寸法を有する矩形状をしており、背面板部7の上側方に連続して設けられ、包装箱1の蓋体を形成する。蓋板部10と背面板部7は境界線11の部分で折り曲げ可能である。また蓋板部10の上側部分には折込部12が設けられており、包装箱1の本体部と蓋体とを固定する。13は前側底板部である。この前側底板部13は正面板部2の下側方に連続して設けられ、包装箱1の前側底板を形成する。正面板部2と前側底板部13は境界線14の部分で折り曲げ可能である。また、前側底板部13は概略、下方へ向けて幅狭になった台形形状をしており、その右側縁部には右側連結タブ15が設けられている。16は後側底板部である。この前側底板部16は背面板部7の下側方に連続して設けられ、包装箱1の後側底板を形成する。背面板部7と後側底板部16は境界線17の部分で折り曲げ可能である。また、後側底板部16は概略、下方へ向けて幅狭になった台形形状をしており、その右側縁部には左側連結タブ18が設けられている。
【0024】
19は右側面蓋板部である。この右側面蓋板部19は右側面板部3の上側方に連続して設けられ、包装箱1を右側面から塞ぐ蓋部を形成する。右側面蓋板部19と右側面板部3は境界線20の部分で折り曲げ可能である。21は左側面蓋板部である。この左側面蓋板部21は左側面板部5の上側方に連続して設けられ、包装箱1を左側面から塞ぐ蓋部を形成する。左側面蓋板部21と左側面板部5は境界線22の部分で折り曲げ可能である。23は右側面底板部である。この右側面底板部23は右側面板部3の下側方に連続して設けられ、包装箱1を右側面下側から支える底部を形成する。右側面底板部23と右側面板部3は境界線24の部分で折り曲げ可能である。25は左側面底板部である。この左側面底板部25は左側面板部5の下側方に連続して設けられ、包装箱1を左側面下側から支える底部を形成する。左側面底板部25と左側面板部5は境界線26の部分で折り曲げ可能である。
【0025】
なお、図1の例では右側連結タブ15は前側底板部13の右側縁部に設けられているが、この右側連結タブ15は右側面底板部23の左側縁部に設けられていてもよい。また、図1の例では左側連結タブ18は後側底板部16の右側縁部に設けられているが、この左側連結タブ18は左側面底板部25の左側縁部に設けられていてもよい。要するにこれらの連結タブ15または18は、それぞれ前側底板部13と右側面底板部23または後側底板部16と左側面底板部25を接着、貼り付け、その他適切な方法で結合するものである。以下において各部位の「結合」とは上記手法を意味する。この結合操作を行うために右側連結タブ15と前側底板部13は境界線27の部分で折り曲げ可能であり、また、左側連結タブ18と後側底板部16は境界線28の部分で折り曲げ可能である。
【0026】
このような各部の構成を有する包装箱1において、展開状態から折り畳まれた状態の包装箱1の作製(各部位の折り曲げ、結合)について説明する。なお、以下の説明では、図1に表れている面を表面(化粧面)とする。したがって、折り曲げ操作は、基本的には表面が常に外側に来るように、図1の紙面に対して裏側方向へ折り曲げる(これを「外折り」と称する)ものとし、反対方向に折る場合は「内折り」または「逆折り」という。
【0027】
上述の展開状態から包装箱を構成するには、前側底板部13は境界線14において正面板部2の裏側に重なるように折り曲げられる。このとき右側連結タブ15は境界線27において内折りされる。また、右側面底板部23は境界線24において右側面板部3の裏側に重なるように折り曲げられる。右側面板部3は境界線4において正面板部2の裏面方向に、且つ、上記折り曲げられた前側底板部13の上に重なるように折り曲げられる。これにより、前側底板部13と右側面底板部23は前記右側連結タブ15を挟んで対面するから、この右側連結タブ15と右側面底板部23(特にその左半分の区域)が結合される。結合は接着その他適切な方法により行われる。
【0028】
後側底板部16は境界線17において背面板部7の裏側に重なるように折り曲げられる。このとき左側連結タブ118は境界線28において内折りされる。また、左側面底板部25は境界線26において左側面板部5の裏側に重なるように折り曲げられる。左側面板部5は境界線8において背面板部7の裏面方向に、且つ、上記折り曲げられた後側底板部16の上に重なるように折り曲げられる。これにより、後側底板部16と左側面底板部25は前記左側連結タブ18を挟んで対面するから、この左側連結タブ18と左側面底板部25(特にその左半分の区域)が結合される。この段階までで、正面板部2、右側面板部3、左側面板部5、背面板部7(これらの板部により包装箱1の本体部が構成される)の間では境界線4と境界線8のみで折り曲げがされているから、全体としてはボックス構造とはなっておらず、重ね合わせ構造となっている。また、上述のように左側面板部5は境界線8において背面板部7の裏面方向に折り曲げられていることにより、背面板部7の左側方部分に設けられた右側面結合部9は右側面板部3の裏面に対面し、この部分で結合する。これにより包装箱1は全体として折りたたみ構造体の状態で完成する。
【0029】
包装箱1を組み立てるためには、上記折りたたみ構造体を左右側方から横方向中心へ向かって押圧する。これにより、正面板部2、右側面板部3、左側面板部5、背面板部7の間では境界線4と境界線8の部分で折りたたみ状態から起き上がり動作が行われる一方、境界線6と境界線29の部分では外折り方向へ折り曲げ作用が生じボックス構造が形成される。他方、底板部分では、前側底板部13と右側面底板部23が結合され、また後側底板部16と左側面底板部25が結合されていることにより、それぞれにおいて折りたたみ状態から起き上がり動作が行われて、各底板部13,23,16,25が下方へ引き下げられるとともに水平面状態となって正規の位置をとる。これにより包装箱1が組み立てられる。
【0030】
(第2の実施の形態)
図2は本発明の第2の実施の形態に係る包装箱の展開図である。図2に示された展開構造は図1に示された展開構造を基本とし、これに本発明特有のさらなる構成部材(構成要素)が付加えられている。したがって、図1と同じ部分には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0031】
図2において、符号30は包装箱の全体を示す。この包装箱30は、上記基本構造に加えて、前側中仕切板部31と、後側中仕切板部32と、正面裏板部33と、前側仕切板部34と、後側仕切板部35とを有する。
【0032】
前側中仕切板部31は、前側底板部13の下側方に連続して設けられる。この前側中仕切板部31と前側底板部13は境界線36の部分で折り曲げ可能である。後側中仕切板部32は、後側底板部16の下側方に連続して設けられる。この後側中仕切板部32と後側底板部16は境界線37の部分で折り曲げ可能である。
【0033】
正面裏板部33は正面板部2と同じ幅寸法を有する矩形状をしており、正面板部の上側方に連続して設けられる。この正面裏板部33と正面板部2は境界線38の部分で折り曲げ可能である。この正面裏板部33は境界線38の部分での折り曲げ操作により正面板部2に重ねられて正面裏板となるが、主たる役割は前側仕切板部34の支持部材となることである。
【0034】
前側仕切板部34は、正面裏板部33の上側方に連続して設けられ、包装箱30の前側仕切部を形成する。この前側仕切板部34と正面裏板部33は境界線39の部分で折り曲げ可能である。後側仕切板部35は、背面板部7の左側方に連続して設けられ、包装箱30の後側仕切部を形成する。なお後側仕切板部35の、背面板部7との接合部分(隣接部分)には右側面板部3の裏面に固定される右側面結合部40が設けられている。この右側面結合部40は上記第1の実施の形態における右側面結合部9に相当する。この後側仕切板部35と右側面結合部40は境界線41の部分で折り曲げ可能である。また、右側面結合部40の幅寸法は右側面板部3の幅寸法のおおよそ半分である。
【0035】
図3は前側仕切板部34の部分を表す拡大図である。図3において、前側仕切板部34には、正面裏板部33との境界線39近辺において横方向に延びる下部水平切込部42と、当該下部水平切込部42とは横方向及び縦方向にずれた位置に形成され横方向に延びる上部水平切込部43と、上記下部水平切込部42から上部水平切込部43まで両者を繋ぐように概略斜め方向(図2および図3では左上がり傾斜である)に延びる傾斜切込部44とからなり、且つ横方向に所定の間隔をおいて形成された複数の第1の切込み線45が形成されている。第1の切込み線45は前側仕切板部34を構成する板材を表側から裏側へ突き抜けて形成された抜き穴である。この実施の形態では、第1の切込み線45は合計で3本形成されている。第1の切込み線45の下部水平切込部42の端末部46と、上部水平切込部の端末部47と、傾斜切込部44の中間部48に対応するそれぞれの部位には縦方向に伸びる第2の切込み線49が複数本(49a〜49h)形成されている。これらの第2の切込み線49もまた抜き穴からできている。第1の切込み線45と第2の切込み線49は、互いに交わらないように両切込み線45、49の交差点手前で終端となっており、間にごく小さな陸部である極小陸部50が複数個所に形成されている。第2の切込み線49は包装箱30が立体的に組み立てられるときの折れ線に沿っており、その末端近辺に設けられた極小陸部50は、包装箱30を折りたたみ状態から立体状態に組み立てるとき折り曲げ部となる。なお符号70で示す線も切込み線である。
【0036】
図4は後側仕切板部35の部分を表す拡大図である。後側仕切板部35もまた前側仕切板部34と同様の構造を有する。すなわち、図4において、後側仕切板部35には、当該後側仕切板部35の下縁近辺において横方向に延びる下部水平切込部52と、当該下部切込部52とは横方向及び縦方向にずれた位置に形成され横方向に延びる上部水平切込部53と、上記下部水平切込部52から上部水平切込部53まで両者を繋ぐように概略斜め方向(図2および図4では右上がり傾斜である)に延びる傾斜切込部54とからなり、且つ横方向に所定の間隔をおいて形成された複数の第3の切込み線55が形成されている。第3の切込み線55もまた抜き穴である。この実施の形態では、第3の切込み線55は合計で3本形成されている。第3の切込み線55の下部水平切込部52の端末部56と、上部水平切込部53の端末部57と、傾斜切込部の中間部58に対応するそれぞれの部位には縦方向に伸びる第4の切込み線59が複数本(59a〜59h)形成されている。これらの第4の切込み線59もまた抜き穴からできている。第3の切込み線55と第4の切込み線59は、互いに交わらないように両切込み線55、59の交差点手前で終端となっており、間に極小陸部60が複数個所に形成されている。第4の切込み線59は包装箱30が立体的に組み立てられるときの折れ線に沿っており、その末端近辺に設けられたこれらの極小陸部60もまた、包装箱30を折りたたみ状態から立体状態に組み立てるとき折り曲げ部となる。なお符号71で示す線も切込み線である。
【0037】
なお上の説明で、前側仕切板部34では傾斜切込部44は図2および図3に示すように左上がり傾斜であり、下部水平切込部42は右下、上部水平切込部43は左上に位置するのに対して、後側仕切板部35では傾斜切込部54は図2および図4に示すように右上がり傾斜であり、下部水平切込部52は左下、上部水平切込部53は右上に位置するというように、彼此逆の関係になっている。しかしながら、展開状態における前側仕切板部34と後側仕切板部35の間における左右方向の食い違いは究極的には問題を生じない。
【0038】
このような各部の構成を有する包装箱30において、展開状態から折りたたまれた状態の包装箱30の作製(各部位の折り曲げ、結合)について説明する。なお、表面(化粧面)の意味、外折り、内折り(逆折り)の意味については上記第1の実施の形態の説明の場合と同じである。さらに、上記第1の実施の形態の説明で述べた包装箱1の本体部の各部位の折り曲げ、結合については同じであるので省略する。
【0039】
上述の展開状態から折りたたまれた状態へ包装箱を構成するに際して、正面裏板部33は前記正面板部2の裏側に重なるように折り曲げられて当該正面板部2の後面に結合される。さらに前側仕切板部34は前記正面裏板部33の後側に重なるように折り返され(内折り)、また正面裏板部33との境界線39近辺で且つ前記第1及び第2の切込み線45,49によって切り離されていない領域(図3で見て右斜め上がりの斜線でハッチ表示する領域、ここを「下部領域51」とする)において正面裏板部33の対接面領域62に結合される。
【0040】
後側仕切板部35は境界線41において背面板部7の裏側に重なるように折り曲げられ、また当該後側仕切板部35の下縁近辺で且つ前記第3及び第4の切込み線55,59によって切り離されていない領域(図4で見て右斜め上がりの斜線でハッチ表示する領域、ここを「下部領域61」とする)において裏面板部7の裏側の対接面領域63に結合される。さらに、上述のように後側仕切板部35を背面板部7の裏側に重ならせた状態で背面板部7を境界線8で折り曲げると、前側仕切板部34と後側仕切板部35は、間に前側中仕切板部31と後側中仕切板部32を介在させた状態で前後位置関係にほぼ整合した状態になる。
【0041】
このときの前側仕切板部34と後側仕切板部35の向きはそれぞれ図3、図4に示された向きとなっている(後側仕切板部35は2回折り返されたから)。この整合状態にある前側仕切板部34および後側仕切板部35はそれぞれの上部領域(前側仕切板部34については図3で見て右斜め下がりの斜線でハッチ表示する領域68、後側仕切板部35については図4で見て右斜め下がりの斜線でハッチ表示する領域69とする)の両隅に設けられた結合部64,65および66,67において結合される。ここで、結合部64と結合部66が相互に結合され、結合部65と結合部67が相互に結合される。
【0042】
前側仕切板部34および後側仕切板部35は結合部64,65および66,67以外の部分では結合されておらず、長手方向中間部分には隙間が形成される。その隙間内に上記前側中仕切板部31と後側中仕切板部32とが介在する。
【0043】
上述のように後側仕切板部35を背面板部7の裏側に重ならせた状態で背面板部7を境界線8で折り曲げたとき、後側仕切板部35と背面板部との間に設けられた右側面結合部40は右側面板部3の裏面に対面するから、この右側面結合部40と右側面板部3を結合する。これにより、前側仕切板部34と後側仕切板部35は、双方の上部領域68,69が一体となっている上、その上部領域68,69が右側面板部3に結合された構成となる。また、右側面結合部40の幅寸法は右側面板部3の幅寸法のおおよそ半分であるから、前側仕切板部34と後側仕切板部35は右側面板部3の幅寸法のおおよそ半分の位置、すなわち、包装箱30の前後方向ほぼ中心位置に配置されていることになる。以上で包装箱30は全体として折りたたみ構造体の状態で完成する。
【0044】
包装箱30を組み立てるに当って、上記折りたたみ構造体を左右側方から横方向中心へ向かって押圧すると、正面板部2、右側面板部3、左側面板部5、背面板部7の間では境界線4と境界線8の部分で折りたたみ状態から起き上がり動作が行われる一方、境界線6と境界線29の部分では外折り方向へ折り曲げ作用が生じボックス構造が形成される。他方、底板部分では、前側底板部13と右側面底板部23が結合され、また後側底板部16と左側面底板部25が結合されていることにより、それぞれにおいて折りたたみ状態から起き上がり動作が行われて、各底板部13,23,16,25が下方へ引き下げられるとともに水平面状態となって正規の位置をとる。これにより包装箱30の本体部が組み立てられる。このときの前側仕切板部34と後側仕切板部35の組立て動作について説明する。
【0045】
図5は上記前側仕切板部34と後側仕切板部35の組立て動作の説明のために、折りたたみ構造体を少し開いた状態にある包装箱30の平面構造をモデル化して示す図である。図5において平行四辺形の枠体は包装箱30の本体部を表し、上辺は背面板部7、下辺は正面板部2、右辺は右側面板部3、左辺は左側面板部5である。31は前側中仕切板部であり前側底板部13と一体である。32は後側中仕切板部であり後側底板部16と一体である。34は前側仕切板部であり、その下部領域51では正面板部2と一体である一方、上部領域68では後側仕切板部35を介して右側面板部3の中間位置に結合している。35は後側仕切板部であり、その下部領域61では背面板部7と一体である一方、上部領域69では右側面板部3の中間位置に直接結合している。64,66は右側面板部3近辺における前側仕切板部34と後側仕切板部35の結合部であり、65,67は左側面板部5近辺における前側仕切板部34と後側仕切板部35の結合部である。符号72は、上述した、内部に前側中仕切板部31と後側中仕切板部32とが介在する隙間である。
【0046】
折りたたみ構造体を左右側方から横方向中心へ向かって押圧する外力をF1、F2とすると、F1とF2の大きさは
F1 = F2
であり、外力が加わる方向は、F1については左から右、F2については右から左の方向である。この外力の作用により、前側仕切板部34の下部領域51、後側仕切板部35の下部領域61および一体となっている前側仕切板部34と後側仕切板部35の上部領域68,69の3つの部位の間では次の運動が生じる。すなわち、前側仕切板部34の下部領域51(正面板部2と一体である)は外力F2と同じ右から左の方向へ相対的に移動する。他方、後側仕切板部35の下部領域61(背面板部7と一体である)は外力F1と同じ左から右の方向へ相対的に移動する。さらに、一体となっている前側仕切板部34と後側仕切板部35の上部領域68,69(右側面板部3の幅方向中心部で当該右側面板部3と一体である)は左右方向へ移動しない。
【0047】
したがって、前側仕切板部34についてみると、下部領域51と上部領域68間で相対的な移動が起こり、図5中矢印S2で示されるように下部領域51が上部領域68の前側へせり出すようにして中間領域(図3で白抜きの領域)にある複数の仕切片73が起き上がる。仕切片73の起き上がりは、図3中、第2の切込み線49に沿って、且つ極小陸部50が折れ曲がりながら行われ、第2の切込み線49bが第2の切込み線49aの前方位置に来るように移動し、以下同様に、第2の切込み線49c、49d、49eがそれぞれ第2の切込み線49f、49g、49hの前方位置に来るように移動する。これにより、組み立てられた包装箱30の内部には前側半分のスペースに前側仕切板部34によって仕切片73(4枚ある)により画成された5個の物品収容部が形成される。
【0048】
後側仕切板部35についてみても同様であり、下部領域61と上部領域69間で相対的な移動が起こり、図5中矢印S1で示されるように下部領域61が上部領域69の後側へ回り込むようにして中間領域(図4で白抜きの領域)にある複数の仕切片74が起き上がる。仕切片74の起き上がりは、図4中、第4の切込み線59に沿って、且つ極小陸部60が折れ曲がりながら行われ、第4の切込み線59bが第4の切込み線59aの後方位置に来るように移動し、以下同様に、第4の切込み線59c、59d、59eがそれぞれ第4の切込み線59f、59g、59hの後方位置に来るように移動する。これにより、組み立てられた包装箱30の内部にはあと側半分のスペースに後側仕切板部35によって仕切片74(4枚ある)により画成された5個の物品収容部が形成される。
【0049】
以上の、前側仕切板部34と後側仕切板部35の組立て動作の間における前側中仕切板部31と後側中仕切板部32の組立て動作について説明する。先の説明における包装箱30の本体部の組み立て動作において、底板部分では、前側底板部13と右側面底板部23が結合され、また後側底板部16と左側面底板部25が結合されていることにより、それぞれにおいて折りたたみ状態から起き上がり動作が行われて、各底板部13,23,16,25が下方へ引き下げられるとともに水平面状態となって正規の位置をとることを説明した。このとき、前側中仕切板部31は前側底板部13に連続して設けられているから当該前側底板部13と一緒に下方へ移動しつつ右から左へ移動するが、移動の最終段階では、前側底板部13は上記組立て動作において水平面状態となるのに対して前側中仕切板部31は前側仕切板部34と後側仕切板部35の間に挟まれて垂直状態を維持しようとする。そのため、前側中仕切板部31と前側底板部13との間では、境界線36の部分において折れ曲がり作用が働き、前側中仕切板部31は包装箱30の前後方向中心部で収容空間を前後に区分けする仕切となる。
【0050】
後側中仕切板部32は後側底板部16に連続して設けられているから当該後側底板部16と一緒に下方へ移動しつつ左から右へ移動するが、移動の最終段階では、後側底板部16は上記組立て動作において水平面状態となるのに対して後側中仕切板部32は前側仕切板部34と後側仕切板部35の間に挟まれて垂直状態を維持しようとする。そのため、後側中仕切板部32と後側底板部16との間では、境界線37の部分において折れ曲がり作用が働き、後側中仕切板部32は包装箱30の前後方向中心部で収容空間を前後に区分けする仕切となる。これにより包装箱30が組み立てられる。
【0051】
図6は組み立てられた後の包装箱30の蓋を開いた状態を上方斜めから見た斜視図である。この図に示されているように、包装箱30の内部では前列及び後列に長手方向に一定の間隔を開けられた仕切片73及び74が平行に並んだ収容室が形成されている。これにより、ガラス容器に収納された薬品や食品を安全に収容することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明では、包装箱の前後側の底板部と左右側面の底板部との間の一方に連結タブを設け、前後側の底板部の一方及び他方と左右側面の底板部の一方及び他方とをそれぞれ結合させて箱全体を折りたたみ構造体としたため、この折りたたみ構造体を左右側方から横方向中心へ向かって押圧することにより、結合された前後側の底板部の一方及び他方と左右側面の底板部の一方及び他方との間で相対運動が行われて、ワンタッチで包装箱が組み立てられる。これにより、包装箱の組み立てが楽になり、また、迅速な組み立て作業が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1、30 包装箱
2 正面板部
3 右側面板部
5 左側面板部
7 背面板部
9 右側面結合部
10 蓋板部
13 前側底板部
15 右側連結タブ
16 後側底板部
18 左側連結タブ
19 右側面蓋板部
21 左側面蓋板部
23 右側面底板部
25 左側面底板部
31 前側中仕切板部
32 後側中仕切板部
33 正面裏板部
34 前側仕切板部
35 後側仕切板部
40 右側面結合部
42、52 下部水平切込部
43、53 上部水平切込部
44、54 傾斜切込部
45 第1の切込み線
49 第2の切込み線
50、60 極小陸部
51、61 下部領域
55 第3の切込み線
59 第4の切込み線
68,69 上部領域
70、71 切込み線
72 隙間
73 仕切片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開した状態において、
包装箱の正面を形成する矩形状の正面板部と、
前記正面板部の左右側方に連続して設けられ、包装箱の左右側面を形成する一対の矩形状の左右側面板部と、
前記左側面板部または前記右側面板部のいずれか一方の側方に連続して設けられ、包装箱の背面を形成する矩形状の背面板部と、
前記背面板部の上側方に連続して設けられ、包装箱の蓋体を形成する蓋板部と、
前記正面板部の下側方に連続して設けられ、包装箱の前側底板を形成する前側底板部と、
前記背面板部の下側方に連続して設けられ、包装箱の後側底板を形成する後側底板部と、
前記左側面板部の上側方に連続して設けられ、包装箱の左側面蓋部を形成する左側面蓋板部と、
前記右側面板部の上側方に連続して設けられ、包装箱の右側面蓋部を形成する右側面蓋板部と、
前記左側面板部の下側方に連続して設けられ、包装箱の左側面底板を形成する左側面底板部と、
前記右側面板部の下側方に連続して設けられ、包装箱の右側面底板を形成する右側面底板部と、
前記前側底板部または前記右側面底板部のいずれか一方に設けられ、これら前側底板部および右側面底板部を連結する右側連結タブと、
前記後側底板部または前記左側面底板部のいずれか一方に設けられ、これら後側底板部および右側面底板部を連結する左側連結タブと、
前記背面板部の左側方部分に設けられ、前記右側面板部の裏面に固定される右側面結合部と、
を備え、
前記前側底板部は前記正面板部の裏側に重なるように折り曲げられる一方、前記右側面底板部は前記右側面板部の裏側に重なるように折り曲げられ、且つ前記右側面板部は前記折り曲げられた前側底板部に重なるように折り曲げられてこれら前側底板部と右側面底板部は前記右側連結タブを介して結合され、
前記後側底板部は前記背面板部の裏側に重なるように折り曲げられる一方、前記左側面底板部は前記左側面板部の裏側に重なるように折り曲げられ、且つ前記折り曲げられた後側底板部は、前記背面板部とともに前記折り曲げられた左側面底板部に重なるように折り曲げられてこれら後側底板部と左側面底板部は前記左側連結タブを介して結合され、さらに
前記背面板部の左側方部分に設けられた右側面結合部を右側面板部の裏面に結合して折りたたみ構造体となし、
この折りたたみ構造体を左右側方から横方向中心へ向かって押圧することにより箱が組み立てられることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
請求項1記載の包装箱において、展開した状態において、
前記前側底板部の下側方に連続し且つ当該前側底板部に対して折り曲げ可能に設けられ、包装箱の前側中仕切を形成する前側中仕切板部と、
前記後側底板部の下側方に連続し且つ当該後側底板部に対して折り曲げ可能に設けられ、包装箱の後側中仕切を形成する後側中仕切板部と、
をさらに備え、
折りたたみ構造体を左右側方から横方向中心へ向かって押圧することにより、正面板部と背面板部との中間部に底板部から垂直に立ち上がった中仕切が位置し、内部が2室に区切られた箱が組み立てられることを特徴とする包装箱。
【請求項3】
請求項1又は2記載の包装箱において、展開した状態において、
前記正面板部の上側方に連続して設けられ、当該正面板部の裏側に重ねられて正面裏板を形成する矩形状の正面裏板部と、
前記正面裏板部の上側方に連続して設けられ、包装箱の前側仕切部を形成する前側仕切板部と、
前記背面板部の左側方に連続して設けられ、包装箱の後側仕切部を形成する後側仕切板部と、
をさらに備え、
前記前側仕切板部は、正面裏板部との境界線近辺において横方向に延びる下部水平切込部と、当該下部切込部とは横方向及び縦方向にずれた位置に形成され横方向に延びる上部水平切込部と、前記下部水平切込部から上部水平切込部まで両者を繋ぐように斜めに延びる傾斜切込部とからなり且つ横方向に所定の間隔をおいて形成された複数の第1の切込み線、および当該第1の切込み線の下部水平切込部の端末部と、上部水平切込部の端末部と、傾斜切込部の中間部に対応するそれぞれの部位に縦方向に伸びる第2の切込み線を有し、
前記後側仕切板部は、当該後側仕切板部の下縁近辺において横方向に延びる下部水平切込部と、当該下部切込部とは横方向及び縦方向にずれた位置に形成され横方向に延びる上部水平切込部と、前記下部水平切込部から上部水平切込部まで両者を繋ぐように斜めに延びる傾斜切込部とからなり且つ横方向に所定の間隔をおいて形成された複数の第3の切込み線、および当該第3の切込み線の下部水平切込部の端末部と、上部水平切込部の端末部と、傾斜切込部の中間部に対応するそれぞれの部位に縦方向に伸びる第4の切込み線を有し、また前記背面板部に隣接した部分に前記右側面板部の裏面に固定される右側面結合部を有し、
前記正面裏板部は前記正面板部の裏側に重なるように折り曲げられて当該正面板部の後面に結合され、さらに前記前側仕切板部は前記正面裏板部の後側に重なるように折り返され、また正面裏板部との境界線近辺で且つ前記第1及び第2の切込み線によって切り離されていない下部領域において前記正面裏板部の対接面に結合され、
前記後側仕切板部は前記背面板部の後側に重なるように折り曲げられ、また当該後側仕切板部の下縁近辺で且つ前記第3及び第4の切込み線によって切り離されていない下部領域において前記裏面板部の対接面に結合され、また、
前記前側仕切板部と前記後側仕切板部とは、前記前側中仕切板部と後側中仕切板部とを間に挟んだ状態で上部領域における対接面が結合され、
さらに
前記後側仕切板部に設けられた右側面結合部を右側面板部の裏面に結合して折りたたみ構造体となし、
この折りたたみ構造体を左右側方から横方向中心へ向かって押圧することにより、正面板部と背面板部との間に横方向に2列に延び、且つ各列に複数の物品収容部が仕切り区分けされた箱が組み立てられることを特徴とする包装箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−126555(P2011−126555A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284886(P2009−284886)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(390008707)丸金印刷株式会社 (8)
【Fターム(参考)】