包装箱
【課題】開封後、物品を収容したままでも物品がはみ出さず、情報量が多く一覧性も高く、抜落ちなく取出し物品に括り付け可能な情報カードが得られる包装箱を提供する。
【解決手段】側板1a〜1dがなす角筒状体の一方の開口端面3aを閉じる端板4aが、同開口端面を閉じる端板主部4a1と、そこから延出する端板延出部4αとからなる。同端板延出部は、基部4a2、切離し部4a3及び先端部4a4からなり、正面側板1c表面に重ねられ、同表面に先端部4a4において固定される。端板延出部4αの切離し部4a3と、基部4a2,先端部4a4との境目には第1切取線5a,5bが形成され、両第1切取線中、1本の破断により包装箱開封がなされ、2本の破断により包装箱開封及び切離し部4a3の切り離しがなされ、同切離し部を情報カードとして利用可能である。
【解決手段】側板1a〜1dがなす角筒状体の一方の開口端面3aを閉じる端板4aが、同開口端面を閉じる端板主部4a1と、そこから延出する端板延出部4αとからなる。同端板延出部は、基部4a2、切離し部4a3及び先端部4a4からなり、正面側板1c表面に重ねられ、同表面に先端部4a4において固定される。端板延出部4αの切離し部4a3と、基部4a2,先端部4a4との境目には第1切取線5a,5bが形成され、両第1切取線中、1本の破断により包装箱開封がなされ、2本の破断により包装箱開封及び切離し部4a3の切り離しがなされ、同切離し部を情報カードとして利用可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に収容される物品(被包装物)に係わる情報が記される包装箱であって、特に複数の医薬品が包装されたカートン商品の包装に好適な包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、内部に収容される物品に係わる情報が記される包装箱としては、特許文献1に記載のものがある。これは、物品を包装する箱体の周壁を周回し、その箱体を上下に分割するように細長い帯状の切取片を有する箱体であって、その切取片の外面に物品に係わる情報(品質保証書等の収納位置を示す情報)の表示部を設けるという包装箱である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭61−7139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来技術では、次のような問題点があった。
すなわち、物品に係わる情報は、箱体を上下に分割するように箱体周壁を周回する細長い帯状の切取片に記されるが、このような細長い帯状の切取片ではこれに記す情報量に限界がある上に、行数が少なく横に細長い情報表示となり、一覧性が低く全情報を得にくい(記された文字の全体が一目で把握しにくい)。しかも、切取片を切除した場合に、箱体が上下方向に大きく分断されてしまう。このため、開封はしたが物品をそのまま箱体内に入れておきたい場合に、物品が箱体から大きくはみ出てしまう。
また、この細長い帯状の切取片は、切除後は用済みになって廃棄されるが、これに表示される情報によっては、物品と共に取り置きたい場合がある。しかし、このような場合に、細長い帯状の切取片では扱い難い。例えば、情報表示箇所を除く部分を適宜箇所で切断し除去して情報表示部分のみを残し、この部分を取り置いて使用することにすれば比較的扱い易くはなる。しかし、これでは作業が面倒になる上に見栄えが劣り、また、矢張り細長い形態になりやすい。このため、例えば輪ゴムやひも等の括付(くくりつけ)部材を用いて情報表示箇所を物品に括り付けた場合に、表示情報が見づらくなり、また抜落ちや損傷が生じやすい等の問題点があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、開封後、物品を収容したままにする場合に物品が箱体から大きくはみ出ることがなく、しかも、開封と共に得られる切離し部を、情報量が多く一覧性も高い情報カードとして得ることができ、また、内部から取り出した物品に、抜落ちや損傷を生じさせることなく括り付け可能な情報カードとして得ることができる包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、角筒状の周壁を形成する複数の側板と、この複数の側板が形成する角筒状体の一対の開口端面を各別に閉じる、前記側板から延出形成された端板とを備えてなる物品の包装箱であって、前記一対の開口端面のうちの一方の開口端面を閉じる端板は、その一方の開口端面を閉じる端板主部と、この端板主部から延出する端板延出部とからなり、前記端板延出部は、さらに端板延出部基部、端板延出部切離し部及び端板延出部先端部からなると共に、その全体が、端板が延出形成された前記側板に対向する側板である正面側板の表面に重ね合わされ、その正面側板の表面に前記端板延出部先端部において固定されるようになっており、前記端板延出部基部と前記端板延出部切離し部の境目及び該端板延出部切離し部と前記端板延出部先端部の境目にはそれぞれ第1切取線が形成され、前記端板延出部が前記端板延出部先端部で前記正面側板に固定された状態で前記第1切取線のうちの1本の破断がされれば包装箱開封がなされ、2本の破断がされれば包装箱開封がなされると共にその2本の第1切取線で挟まれた前記端板延出部切離し部が切り離され情報カードとして利用可能であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、内部に収容される物品に係わる情報が、前記端板延出部切離し部に予め記されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記端板延出部切離し部が前記端板延出部の延出方向に交差する方向に切り離されることにより複数に分割可能となるように、1本又は複数本の第2切取線が形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3に記載の発明において、前記第1切取線のうち、前記端板延出部基部と前記端板延出部切離し部の境目に形成された第1切取線は、その長さ方向のほぼ中央部への押圧に応じてその押圧箇所から左右各方向に向けて破断されるように、長さ方向のほぼ中央部を基点として左右対象の切込み形状をなすことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記端板延出部基部と前記端板延出部切離し部の境目に形成された第1切取線は、その長さ方向のほぼ中央部の切込みを他の箇所の切込みよりも長く形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の発明において、前記端板延出部切離し部と前記端板延出部先端部の境目に形成された第1切取線は、ミシン目状に形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の発明において、前記正面側板の下方に、両端が同正面側板下端の左右両隅部に至る弧状切取線が形成されていることを特徴とする
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明(包装箱)によれば、第1切取線の破断による開封箇所が包装箱最上部となるので、開封後、物品を収容したままにしても、物品が包装箱から大きくはみ出すことがない上、物品を再度包装箱に封緘することができる。また、2本の第1切取線の破断によって包装箱開封がなされると共に端板延出部切離し部が得られる。この端板延出部切離し部は、2本の第1切取線について任意に定められた間隔に相当する寸法を有し、したがって、細長い形態ではない情報カードとして利用可能である。すなわち、開封と共に得られる端板延出部切離し部を、情報量が多く一覧性も高い情報カードとして得ることができ、また、内部から取り出した物品に、抜落ちや損傷を生じさせることなく括り付け可能な情報カードが得られる等の効果を発揮できる。
なお、情報カードにおける情報は、端板延出部切離し部に印刷等によって予め記しておいてもよいし、内部から取り出した物品に括り付ける際に手書き等で記してもよく、あるいは、それらの両方によって記すようにしてもよい。
請求項2に記載の発明によれば、包装箱内部に収容される物品に係わる情報が、端板延出部切離し部に予め記されているので、該端板延出部切離し部を物品に係わる情報カードとしてそのまま利用し得るという効果を発揮できる。
請求項3に記載の発明によれば、第2切取線が形成されているので、端板延出部切離し部から複数の情報カードが得られる。したがって、包装箱内に複数個の物品が収容されている場合に、情報カードを複数個の物品について一対一対応で括り付けることができる等の効果を発揮できる。
請求項4に記載の発明によれば、第1切取線が、その長さ方向のほぼ中央部への押圧によって破断されるようにしたので、第1切取線の破断、つまり包装箱開封がし易くなるという効果を発揮できる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明において、第1切取線の長さ方向のほぼ中央部の切込みが他の箇所の切込みよりも長く形成されるので、第1切取線の破断(包装箱開封)が更にし易くなるという効果を発揮できる。
請求項6に記載の発明によれば、端板延出部切離し部と端板延出部先端部の境目の第1切取線をミシン目状に形成したので、同第1切取線の破断を、端板延出部切離し部と端板延出部基部の境目に形成された第1切取線の破断に従属させず、別個に行ない易くし得る。したがって、包装箱開封はするが商品をそのまま包装箱内に入れておき、端板延出部切離し部(情報カード)を端板延出部先端部から切り離したくない場合に役立つという効果を発揮できる。
請求項7に記載の発明によれば、正面側板の下方に弧状切取線を形成したので、包装箱廃棄時において同包装箱を板状に畳むことが容易になるという効果を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態に係る包装箱のブランクを示す図である。
【図2】同上包装箱の封緘状態を示す斜視図である。
【図3】同じく正面図である。
【図4】同じく上面図である。
【図5】同じく背面図である。
【図6】同じく底面図である。
【図7】同上包装箱の開封後の状態の一例を示す斜視図である。
【図8】包装箱から切り離された端板延出部切離し部(情報カード)が同包装箱から取り出された商品に輪ゴムで括り付けた状態の一例を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る包装箱の封緘状態を示す斜視図である。
【図10】同上包装箱の開封後の状態の一例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る包装箱の封緘状態を示す斜視図である。
【図12】同上包装箱の開封後の状態の一例を示す斜視図である。
【図13】第1切取線に他の例が適用された第4実施形態に係る包装箱の正面図である。
【図14】同じく第5実施形態に係る包装箱の正面図である。
【図15】同じく第6実施形態に係る包装箱の正面図である。
【図16】同上第4実施形態に係る包装箱の開封後の状態の一例を示す斜視図である。
【図17】同上第5実施形態に係る包装箱の開封後の状態の一例を示す斜視図である。
【図18】同上第6実施形態に係る包装箱の開封後の状態の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1〜図6は、本発明の第1実施形態に係る包装箱を示す図で、図1はブランクを示す図(包装箱展開図)、図2は封緘状態を示す斜視図、図3は同正面図、図4は同上面図、図5は同背面図、図6は同底面図である。
【0010】
本発明の包装箱の第1実施形態は、図1に示す外形状を有する平板状の段ボールや厚紙等からなる板紙ブランクにより形成される。図1は、展開された包装箱の表面側が示されている。
図1に示す板紙ブランクは、図2〜図6に示す角筒状の周壁を形成する一連の側板1…、図示例では四角筒状(以下、角筒状と略記する。)の周壁を形成する4面一連の側板1a,1b,1c,1dを備える。
この一連の側板1a,1b,1c,1dの両端側に位置する側板1a,1dのうちのいずれか一方の側板、図示例では側板1aの外側端には継ぎしろ片2が連設されている。
また、この一連の側板1a,1b,1c,1dが形成する四角筒状体(以下、角筒状体と略記する。)の上下一対の開口端面3a,3bを各別に閉じる端板4…を備える。
この端板4…は、各々側板1から延出形成されるが、図示例では、上開口端面3a側は角筒状体の開口端の三辺(側板1a,1b,1d上端)から、下開口端面3b側は角筒状体の開口端の全四辺(側板1a,1b,1c,1d上端)から、各々延出形成されている。
各端板4a〜4gのサイズや形状は特に揃えられる必要はないが、板紙ブランクが包装箱として組立てられた際には、上下開口端面3a,3bが上下各別の端板4a〜4c;4d〜4gによって全閉されるように形成される。
【0011】
上下開口端面3a,3bのうちの一方側の端板のいずれか1つの端板、図示例では上開口端面3aを閉じる端板4aは、端板主部4a1と端板延出部4αとを有してなる。この場合、端板主部4a1は上開口端面3aの全面を閉じる端板主要部分である。
前記端板延出部4αは、端板延出部基部4a2、端板延出部切離し部4a3及び端板延出部先端部4a4からなる
この端板延出部4αは、端板主部4a1から延出し、端板4aが延出形成された上記側板1aに対向する側板(包装箱正面をなす側板で、以下正面側板とも記す。)1cの表面に折り重ね合わされ、その正面側板1cの表面に端板延出部先端部4a4が固定、例えば貼り付けにより固定される端板副部分である。
【0012】
前記端板延出部基部4a2と端板延出部切離し部4a3の境目及び端板延出部切離し部4a3と端板延出部先端部4a4の境目にはそれぞれ第1切取線5(5a,5b)が形成されている。この2本の第1切取線5a,5bは、端板延出部4αの延出方向に、詳細を後述する適宜の間隔S1を有し、かつ、端板延出部4αの延出方向に交差する方向に、図示例では直交する方向に形成されている。
2本の第1切取線5a,5bは、図示例では各々鉤状ないしL字状の切れ目(スリット)と繋部とが交互に連続するジッパと称される切取線(ジッパ型の切取線)からなるが、これ以外の、例えば直線状の切れ目(スリット)が断続するミシン目状の切取線であってもよい。2本の第1切取線5a,5bをジッパ型とすれば、後述する情報カードCの抜落ち防止効果がより期待できる。
なお、2本の第1切取線5a,5bの上記切れ目の間隔は均等であっても非均等であってもよい。
【0013】
上記2本の第1切取線5a,5bは、いずれか1本のみの破断によれば、その1本の第1切取線5a又は5bは開封切取線として機能し、2本共の破断によれば、その2本の第1切取線5a,5bは開封兼情報カード分離用切取線として機能する。
すなわち、2本の第1切取線5a,5bにおいて、いずれか1本を破断すれば包装箱開封がなされる。また、2本とも破断すれば包装箱開封がなされると共にその2本の第1切取線5a,5bで挟まれた端板延出部切離し部4a3が端板延出部4αの残余の部分から切り離される。そして、その端板延出部切離し部4a3が、図7に示すように包装箱から独立した情報カード(情報を記したカード)Cとして利用可能となる。
【0014】
図1に示すように、2本の第1切取線5a,5bの間隔S1は、端板延出部切離し部4a3が情報カードCとしての外形状をなすように、端板延出部4αの延出方向に直交する方向の寸法(第1切取線5a,5b長さ寸法)S2との比を考慮した寸法に設定される。好ましくは、包装箱収容物品の、情報カード括付面として想定される面の大きさに相応する寸法に設定される。少なくとも、端板延出部切離し部4a3が細長い帯状にならないように設定される。
【0015】
上記端板延出部切離し部4a3(情報カードC)には、組み立てられた包装箱内に収容される物品に係わる情報I(図7,図8参照)が予め印刷等によって記されている。図示例において、上記物品に係わる情報Iは、その具体的内容が省略され、また図7,図8のみに示したが、各図における端板延出部切離し部4a3に同様に記されている。
なお、上記物品に係わる情報Iとしては、物品の名前(商品名等)、特徴、個数(1つの物品が複数の物品からなる場合はその物品の個数や量)、使用法の説明、使用期限、製造番号、注意書き、バーコード等の各種コード、製造会社名等のうち、所望の情報を文字、記号等で表わした情報が挙げられる。
物品が医薬品である場合には、その調剤管理に有用な情報、特に医薬品の取り違えによる医療事故の防止に有用な各種情報が挙げられる。
これらの情報Iは、通常、包装箱表面側となる面に記されるが、裏面側となる面、あるいは表裏両面側に記してもよい。また、前記の情報Iは前記端板延出部切離し部4a3(情報カードC)に記すと同時に、同じ情報を包装箱の任意の箇所に記してもよい。物品に係わる情報以外の情報を上記端板延出部切離し部4a3(情報カードC)に印刷してもよい。
【0016】
説明を図1に戻すと、このような板紙ブランク上の、一連の側板1a,1b,1c,1d中の隣接する側板相互の境目、側板1aと継ぎしろ片2との境目、及び端板4a〜4gが延出形成された側板1a〜1dと同端板4a〜4gとの境目には、折曲線L1〜L11が形成されている。また端板4aの、端板主部4a1と端板延出部4αとの境目には、折曲線L12が形成されている。
各折曲線L1〜L12は、例えば板紙ブランクの肉厚を上記の各境目にて直線状に圧縮して形成される。
【0017】
上記のようなブランクを組み立てて物品、例えば商品を包装するには、図2に示すように、4面一連の側板1a〜1dを上記折曲線L1〜L4にて角筒状に折り曲げ、継ぎしろ片2を、これが連設された側板1aとは反対側の側板1dの内面に貼り付けて角筒状体の周壁を形成し、下方の端板4d〜4gを折曲線L8〜L11にて内側(上記角筒状体の内側)へ折り曲げる。
そして、端板同士、図示例では端板4d,4fを重ね合わせて貼り付けることにより、角筒状体の下開口端面(底面)3bを閉止する。この場合、小サイズの一対の端板4e,4gを先に内側へ折り曲げた後、大サイズの一対の端板4d,4fを内側に折り曲げ、同一対の端板4d,4fを重ね合わせて貼り付ける。本実施形態では、図6に示すように端板4dが端板4fを覆うように端板4d,4fを重ね合わせて貼り付ける。
【0018】
その後、未封緘の包装箱(上下開口端面3a,3bのうち下開口端面3bのみが閉止された角筒状体)内に商品を収納し、上方の端板4a〜4cを折曲線L5〜L7にて内側へ折り曲げる。この場合、小サイズの一対の端板4b,4cを先に内側へ折り曲げた後、端板主部4a1と端板延出部4αとを有してなる大サイズの端板4aを内側へ折り曲げる。
大サイズの端板4aについては、更に折曲線L12にて下方側(上記角筒状体の下方側)にほぼ直角に折り込む。そして、その折り込んだ端板4aの端板延出部4αを、端板4aが延出形成された側板1aに対向する正面側板1cの表面に重ね合わせる。そして、その正面側板1cの表面に端板延出部先端部4a4を重ねて貼り付け、固定することによって角筒状体の上開口端面(上面)3aを閉止、封緘する。
【0019】
上記のように封緘した包装箱(図2〜図6参照)においては、その封緘状態において端板延出部先端部4a4を除く部分は、正面側板1cに重ね合わされているが貼り付けられてはいない。したがって、この封緘状態の包装箱は、開封に当たって端板延出部先端部4a4を除く部分において2本の第1切取線5a,5bを一端から他端にかけて破断しながら切り離すと、図7に示すように、開封と同時に端板延出部切離し部4a3が得られる。
【0020】
この端板延出部切離し部4a3は、従来技術におけるような扱いにくい細長い帯状ではなく、カード状に設定されており、この端板延出部切離し部4a3には、従来技術における細長い帯状体のものに比べてその商品に係わる情報が多く記されている。
したがって、開封して商品が取り出されて無用になった包装箱が廃棄される際に、上記端板延出部切離し部4a3を容易に取り置き、従来技術における細長い帯状体のものに比べて情報量が多く、かつ一覧性の高い情報カードCとして利用できる。しかもこの情報カードCを、図8に示すように包装箱から取り出された商品6に、輪ゴムやひも等の括付部材7によって容易に、かつ見栄えよく、また見やすく括り付けることができる。更に、商品6に輪ゴム等の括付部材7で括り付けた場合に、従来技術における細長い帯状体のものに比べて抜落ちや損傷が生じ難い。
【0021】
なお図8は、3個の商品6…が収容された包装箱内から取り出された1個の商品6に1枚の情報カードC(端板延出部切離し部4a3)を1本の輪ゴム7で括り付けた状態を示しているが、3個の商品6…を纏めて1本の輪ゴム7で括り付けてもよいことは勿論である。1個の商品6としては、複数の商品が纏まって1個(1パック)の商品を構成している場合を含むことも勿論である。
また、1つの端板延出部切離し部4a3から複数枚の情報カードCが得られるようにして、包装箱内に収容された複数の商品6に対して、より多く一対一対応で情報カードCを括り付け可能にしてもよく、その具体例は後述する。
【0022】
図7及び図8から分かるように、端板延出部切離し部4a3(情報カードC)の対向する2辺には、第1切取線5a,5b(ジッパ)破断時の痕跡として凹凸が残るが、これが輪ゴム等の括付部材7の滑り止めとなるので、情報カードCの抜落ち防止に役立つ。この抜落ち防止効果は、情報カードCが、包装箱から取り出された商品6の大きさに相応する寸法(商品6の情報カード括付面サイズ程度の寸法、特にそれより僅かに大きい寸法)に設定されている場合に顕著である。商品6に係わる情報が記された端板延出部切離し部4a3部分を鋏やカッターナイフで切り取って情報カードCに代用する方法では、手間がかかる上に上記の抜落ち防止効果を得にくい。
【0023】
商品6が医薬品である場合には、この商品6に一体に情報カードCを括り付ければ、特に医薬品の取り違えによる医療事故の防止に有効な各種情報を、包装箱の廃棄後においてもその医薬品に継続して付随させ得る。換言すれば、上記のような医療事故の防止に役立つ。この情報カードCは、従来技術における細長い帯状体のものに比べてその商品(医薬品)6に係わる情報を多く記すことができ、かつ一覧性を高くし得る。
【0024】
また、2本の第1切取線5a,5bのうち、いずれか1本のみの、あるいは2本共の破断で包装箱を開封できるが、いずれによっても開封箇所は包装箱最上部である。したがって、開封によって箱体が上下方向に大きく分断されてしまう従来技術の包装箱のように、開封はしたが商品6をそのまま箱体内に入れておきたい場合に生じた問題、すなわち商品が箱体から大きくはみ出てしまうという問題を解消し得る上、端板延出部基部4a2を正面側板1cの内側に挿入することにより商品6を再度封緘して保存し得る。
【0025】
なお、正面側板1cの上端部には、図1,図7に示すように上側が開口するほぼ半円状の切欠き8が形成されており、包装箱開封時における商品6の取り出しを容易にしている。
また、図1〜図3に示すように、包装箱正面側の正面側板1cの下方には、両端が同正面側板1c下端の左右両隅部に至る弧状切取線9が形成されており、包装箱廃棄時において同包装箱を板状に畳むことを容易にしている。すなわち、弧状切取線9の中央部の直下を指等で押圧することにより正面側板1cの下部を弧状切取線9に沿って破断させ、図7に示すように正面側板1cの下端部分を端板4fと共に開披させ、包装箱を板状に畳むことを容易にしている。
【0026】
図9及び図10は、本発明の第2実施形態に係る包装箱を示す斜視図で、図9は封緘状態を示し、図10は開封後の状態の一例を示す。
この図9及び図10は、端板延出部切離し部4a3を、端板延出部4αの延出方向に交差する方向で複数枚、等分割可能に、図示例では直交する方向で3枚、等分割可能に、第2切取線(カード分割用切取線)10を2本形成した包装箱を例示する。
この第2実施形態によれば、情報カードCが複数枚、図示例では3枚得られるので、1個の包装箱内に複数個、例えば3個の商品6が収容されている場合に、その3個の商品6…の全てについて一対一対応で等寸法の情報カードCを括り付けることができる。
【0027】
図11及び図12は、本発明の第3実施形態に係る包装箱を示す斜視図で、図11は封緘状態を示し、図12は開封後の状態の一例を示す。
この図11及び図12は、端板延出部切離し部4a3を、端板延出部4αの延出方向に直交する方向で2枚、異なる長さ寸法で分割可能に、第2切取線10を1本形成した包装箱を例示する。
この第3実施形態によれば、情報カードCが2枚、異なる長さ寸法で得られるので、1個の包装箱内に2個の異なる寸法の商品6,6が収容されている場合に、その2個の商品6,6共、それらの寸法に応じた異なる寸法の情報カードCを一対一対応で括り付けることができる。
上記第2切取線10は、図9〜図12に示す第2,第3実施形態共に、ミシン目状の切取線としたが、これのみに限られないことは勿論である。
【0028】
図13は、第1切取線に他の例が適用された第4実施形態に係る包装箱、図14は、同じく第5実施形態に係る包装箱、図15は、同じく第6実施形態に係る包装箱、を各々例示する。図13〜図15はいずれも正面図である。
これら図13〜図15に示す包装箱の第1切取線5は、端板延出部4αの延出方向に直交する方向に2本形成されていることは第1〜第3実施形態(図2,図9,図11)と同様であるが、次の点で異なる。
すなわち、図13〜図15に示す包装箱の第1切取線5は、その2本のうちの図中、上方側の1本(第1切取線5c)は、おおよそジッパ型ではある。しかし、その長さ方向のほぼ中央部の切込み(切れ目)が他の箇所の切込みよりも長く形成されると共に、左右対称の形状、例えば台形状又は逆台形状、図示例では台形状5c1に形成されている。また、第1切取線5c全体も、長さ方向のほぼ中央の台形状5c1部分を基点として左右対称に形成されている。
これによれば、第1切取線5cの長さ方向ほぼ中央の台形状5c1の直上部分や直下部分を指等で押圧することにより、その押圧箇所から左右各方向に向けて第1切取線5cが破断され、第1切取線5cの破断が容易になる。正面側板1cの上端部に形成された半円状の切欠き8は、上記台形状5c1の直上部分の押圧を容易にし、第1切取線5cの破断をし易くする。
【0029】
この第4〜第6実施形態(図13〜図15)では、2本の第1切取線5のうちの図中、下方側の1本(第1切取線5d)も上記第1〜第3実施形態とは異なり、ミシン目状の切取線とされている。一般に、ジッパ型の切取線(第1切取線5cを含む)は、ミシン目状の切取線よりも容易に破断し易い。そこで、ジッパ型の第1切取線5cを包装箱上方側に形成して包装箱開封を容易にする一方で、それより下方側の第1切取線5dをミシン目状の切取線とすることにより、その第1切取線5dの破断を第1切取線5cの破断に従属させず、別個に行ない易くし得る。 これによれば、差し当たり包装箱開封はするが商品をそのまま包装箱内に入れておき、その後の所望時に商品を取り出し、残る第1切取線5dの破断をその時に行なう。そして、得られた端板延出部切離し部4a3(情報カードC)を、取り出した商品に括り付ける、という場合に極めて役立つ。
この第4〜第6実施形態によっても、開封箇所は包装箱最上部である。したがって、開封によって箱体が上下方向に大きく分断されてしまう従来技術の包装箱のように、開封はしたが商品6をそのまま箱体内に入れておきたい場合に生じた問題、すなわち商品が箱体から大きくはみ出てしまうという問題を解消し得る上、端板延出部基部4a2を正面側板1cの内側に挿入することにより商品6を再度封緘して保存し得る。
なお、この第4〜第6実施形態では、上記第1〜第3実施形態(図2,図9,図11)における弧状切取線9が形成されていないが、第4〜第6実施形態においても弧状切取線9を形成してよいことはいうまでもない。
第4〜第6実施形態に係る各包装箱の開封後の状態の一例を示せば、図16〜図18の通りである。図16〜図18はいずれも斜視図であり、第1切取線5dの破断前の状態を示している。図16〜図18については、図13〜図15と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【符号の説明】
【0030】
1a,1b,1c,1d:側板(1c:正面側板)、3a,3b:上下開口端面、4a〜4g:端板、4a1:端板主部、4α:端板延出部、4a2:端板延出部基部、4a3:端板延出部切離し部、4a4:端板延出部先端部、5(5a〜5d):第1切取線、6:商品(物品)、7:輪ゴム等の括付部材、10:第2切取線、C:情報カード、I:収容物品に係わる情報。
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に収容される物品(被包装物)に係わる情報が記される包装箱であって、特に複数の医薬品が包装されたカートン商品の包装に好適な包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、内部に収容される物品に係わる情報が記される包装箱としては、特許文献1に記載のものがある。これは、物品を包装する箱体の周壁を周回し、その箱体を上下に分割するように細長い帯状の切取片を有する箱体であって、その切取片の外面に物品に係わる情報(品質保証書等の収納位置を示す情報)の表示部を設けるという包装箱である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭61−7139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来技術では、次のような問題点があった。
すなわち、物品に係わる情報は、箱体を上下に分割するように箱体周壁を周回する細長い帯状の切取片に記されるが、このような細長い帯状の切取片ではこれに記す情報量に限界がある上に、行数が少なく横に細長い情報表示となり、一覧性が低く全情報を得にくい(記された文字の全体が一目で把握しにくい)。しかも、切取片を切除した場合に、箱体が上下方向に大きく分断されてしまう。このため、開封はしたが物品をそのまま箱体内に入れておきたい場合に、物品が箱体から大きくはみ出てしまう。
また、この細長い帯状の切取片は、切除後は用済みになって廃棄されるが、これに表示される情報によっては、物品と共に取り置きたい場合がある。しかし、このような場合に、細長い帯状の切取片では扱い難い。例えば、情報表示箇所を除く部分を適宜箇所で切断し除去して情報表示部分のみを残し、この部分を取り置いて使用することにすれば比較的扱い易くはなる。しかし、これでは作業が面倒になる上に見栄えが劣り、また、矢張り細長い形態になりやすい。このため、例えば輪ゴムやひも等の括付(くくりつけ)部材を用いて情報表示箇所を物品に括り付けた場合に、表示情報が見づらくなり、また抜落ちや損傷が生じやすい等の問題点があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、開封後、物品を収容したままにする場合に物品が箱体から大きくはみ出ることがなく、しかも、開封と共に得られる切離し部を、情報量が多く一覧性も高い情報カードとして得ることができ、また、内部から取り出した物品に、抜落ちや損傷を生じさせることなく括り付け可能な情報カードとして得ることができる包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、角筒状の周壁を形成する複数の側板と、この複数の側板が形成する角筒状体の一対の開口端面を各別に閉じる、前記側板から延出形成された端板とを備えてなる物品の包装箱であって、前記一対の開口端面のうちの一方の開口端面を閉じる端板は、その一方の開口端面を閉じる端板主部と、この端板主部から延出する端板延出部とからなり、前記端板延出部は、さらに端板延出部基部、端板延出部切離し部及び端板延出部先端部からなると共に、その全体が、端板が延出形成された前記側板に対向する側板である正面側板の表面に重ね合わされ、その正面側板の表面に前記端板延出部先端部において固定されるようになっており、前記端板延出部基部と前記端板延出部切離し部の境目及び該端板延出部切離し部と前記端板延出部先端部の境目にはそれぞれ第1切取線が形成され、前記端板延出部が前記端板延出部先端部で前記正面側板に固定された状態で前記第1切取線のうちの1本の破断がされれば包装箱開封がなされ、2本の破断がされれば包装箱開封がなされると共にその2本の第1切取線で挟まれた前記端板延出部切離し部が切り離され情報カードとして利用可能であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、内部に収容される物品に係わる情報が、前記端板延出部切離し部に予め記されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記端板延出部切離し部が前記端板延出部の延出方向に交差する方向に切り離されることにより複数に分割可能となるように、1本又は複数本の第2切取線が形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3に記載の発明において、前記第1切取線のうち、前記端板延出部基部と前記端板延出部切離し部の境目に形成された第1切取線は、その長さ方向のほぼ中央部への押圧に応じてその押圧箇所から左右各方向に向けて破断されるように、長さ方向のほぼ中央部を基点として左右対象の切込み形状をなすことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記端板延出部基部と前記端板延出部切離し部の境目に形成された第1切取線は、その長さ方向のほぼ中央部の切込みを他の箇所の切込みよりも長く形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の発明において、前記端板延出部切離し部と前記端板延出部先端部の境目に形成された第1切取線は、ミシン目状に形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の発明において、前記正面側板の下方に、両端が同正面側板下端の左右両隅部に至る弧状切取線が形成されていることを特徴とする
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明(包装箱)によれば、第1切取線の破断による開封箇所が包装箱最上部となるので、開封後、物品を収容したままにしても、物品が包装箱から大きくはみ出すことがない上、物品を再度包装箱に封緘することができる。また、2本の第1切取線の破断によって包装箱開封がなされると共に端板延出部切離し部が得られる。この端板延出部切離し部は、2本の第1切取線について任意に定められた間隔に相当する寸法を有し、したがって、細長い形態ではない情報カードとして利用可能である。すなわち、開封と共に得られる端板延出部切離し部を、情報量が多く一覧性も高い情報カードとして得ることができ、また、内部から取り出した物品に、抜落ちや損傷を生じさせることなく括り付け可能な情報カードが得られる等の効果を発揮できる。
なお、情報カードにおける情報は、端板延出部切離し部に印刷等によって予め記しておいてもよいし、内部から取り出した物品に括り付ける際に手書き等で記してもよく、あるいは、それらの両方によって記すようにしてもよい。
請求項2に記載の発明によれば、包装箱内部に収容される物品に係わる情報が、端板延出部切離し部に予め記されているので、該端板延出部切離し部を物品に係わる情報カードとしてそのまま利用し得るという効果を発揮できる。
請求項3に記載の発明によれば、第2切取線が形成されているので、端板延出部切離し部から複数の情報カードが得られる。したがって、包装箱内に複数個の物品が収容されている場合に、情報カードを複数個の物品について一対一対応で括り付けることができる等の効果を発揮できる。
請求項4に記載の発明によれば、第1切取線が、その長さ方向のほぼ中央部への押圧によって破断されるようにしたので、第1切取線の破断、つまり包装箱開封がし易くなるという効果を発揮できる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明において、第1切取線の長さ方向のほぼ中央部の切込みが他の箇所の切込みよりも長く形成されるので、第1切取線の破断(包装箱開封)が更にし易くなるという効果を発揮できる。
請求項6に記載の発明によれば、端板延出部切離し部と端板延出部先端部の境目の第1切取線をミシン目状に形成したので、同第1切取線の破断を、端板延出部切離し部と端板延出部基部の境目に形成された第1切取線の破断に従属させず、別個に行ない易くし得る。したがって、包装箱開封はするが商品をそのまま包装箱内に入れておき、端板延出部切離し部(情報カード)を端板延出部先端部から切り離したくない場合に役立つという効果を発揮できる。
請求項7に記載の発明によれば、正面側板の下方に弧状切取線を形成したので、包装箱廃棄時において同包装箱を板状に畳むことが容易になるという効果を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態に係る包装箱のブランクを示す図である。
【図2】同上包装箱の封緘状態を示す斜視図である。
【図3】同じく正面図である。
【図4】同じく上面図である。
【図5】同じく背面図である。
【図6】同じく底面図である。
【図7】同上包装箱の開封後の状態の一例を示す斜視図である。
【図8】包装箱から切り離された端板延出部切離し部(情報カード)が同包装箱から取り出された商品に輪ゴムで括り付けた状態の一例を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る包装箱の封緘状態を示す斜視図である。
【図10】同上包装箱の開封後の状態の一例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る包装箱の封緘状態を示す斜視図である。
【図12】同上包装箱の開封後の状態の一例を示す斜視図である。
【図13】第1切取線に他の例が適用された第4実施形態に係る包装箱の正面図である。
【図14】同じく第5実施形態に係る包装箱の正面図である。
【図15】同じく第6実施形態に係る包装箱の正面図である。
【図16】同上第4実施形態に係る包装箱の開封後の状態の一例を示す斜視図である。
【図17】同上第5実施形態に係る包装箱の開封後の状態の一例を示す斜視図である。
【図18】同上第6実施形態に係る包装箱の開封後の状態の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1〜図6は、本発明の第1実施形態に係る包装箱を示す図で、図1はブランクを示す図(包装箱展開図)、図2は封緘状態を示す斜視図、図3は同正面図、図4は同上面図、図5は同背面図、図6は同底面図である。
【0010】
本発明の包装箱の第1実施形態は、図1に示す外形状を有する平板状の段ボールや厚紙等からなる板紙ブランクにより形成される。図1は、展開された包装箱の表面側が示されている。
図1に示す板紙ブランクは、図2〜図6に示す角筒状の周壁を形成する一連の側板1…、図示例では四角筒状(以下、角筒状と略記する。)の周壁を形成する4面一連の側板1a,1b,1c,1dを備える。
この一連の側板1a,1b,1c,1dの両端側に位置する側板1a,1dのうちのいずれか一方の側板、図示例では側板1aの外側端には継ぎしろ片2が連設されている。
また、この一連の側板1a,1b,1c,1dが形成する四角筒状体(以下、角筒状体と略記する。)の上下一対の開口端面3a,3bを各別に閉じる端板4…を備える。
この端板4…は、各々側板1から延出形成されるが、図示例では、上開口端面3a側は角筒状体の開口端の三辺(側板1a,1b,1d上端)から、下開口端面3b側は角筒状体の開口端の全四辺(側板1a,1b,1c,1d上端)から、各々延出形成されている。
各端板4a〜4gのサイズや形状は特に揃えられる必要はないが、板紙ブランクが包装箱として組立てられた際には、上下開口端面3a,3bが上下各別の端板4a〜4c;4d〜4gによって全閉されるように形成される。
【0011】
上下開口端面3a,3bのうちの一方側の端板のいずれか1つの端板、図示例では上開口端面3aを閉じる端板4aは、端板主部4a1と端板延出部4αとを有してなる。この場合、端板主部4a1は上開口端面3aの全面を閉じる端板主要部分である。
前記端板延出部4αは、端板延出部基部4a2、端板延出部切離し部4a3及び端板延出部先端部4a4からなる
この端板延出部4αは、端板主部4a1から延出し、端板4aが延出形成された上記側板1aに対向する側板(包装箱正面をなす側板で、以下正面側板とも記す。)1cの表面に折り重ね合わされ、その正面側板1cの表面に端板延出部先端部4a4が固定、例えば貼り付けにより固定される端板副部分である。
【0012】
前記端板延出部基部4a2と端板延出部切離し部4a3の境目及び端板延出部切離し部4a3と端板延出部先端部4a4の境目にはそれぞれ第1切取線5(5a,5b)が形成されている。この2本の第1切取線5a,5bは、端板延出部4αの延出方向に、詳細を後述する適宜の間隔S1を有し、かつ、端板延出部4αの延出方向に交差する方向に、図示例では直交する方向に形成されている。
2本の第1切取線5a,5bは、図示例では各々鉤状ないしL字状の切れ目(スリット)と繋部とが交互に連続するジッパと称される切取線(ジッパ型の切取線)からなるが、これ以外の、例えば直線状の切れ目(スリット)が断続するミシン目状の切取線であってもよい。2本の第1切取線5a,5bをジッパ型とすれば、後述する情報カードCの抜落ち防止効果がより期待できる。
なお、2本の第1切取線5a,5bの上記切れ目の間隔は均等であっても非均等であってもよい。
【0013】
上記2本の第1切取線5a,5bは、いずれか1本のみの破断によれば、その1本の第1切取線5a又は5bは開封切取線として機能し、2本共の破断によれば、その2本の第1切取線5a,5bは開封兼情報カード分離用切取線として機能する。
すなわち、2本の第1切取線5a,5bにおいて、いずれか1本を破断すれば包装箱開封がなされる。また、2本とも破断すれば包装箱開封がなされると共にその2本の第1切取線5a,5bで挟まれた端板延出部切離し部4a3が端板延出部4αの残余の部分から切り離される。そして、その端板延出部切離し部4a3が、図7に示すように包装箱から独立した情報カード(情報を記したカード)Cとして利用可能となる。
【0014】
図1に示すように、2本の第1切取線5a,5bの間隔S1は、端板延出部切離し部4a3が情報カードCとしての外形状をなすように、端板延出部4αの延出方向に直交する方向の寸法(第1切取線5a,5b長さ寸法)S2との比を考慮した寸法に設定される。好ましくは、包装箱収容物品の、情報カード括付面として想定される面の大きさに相応する寸法に設定される。少なくとも、端板延出部切離し部4a3が細長い帯状にならないように設定される。
【0015】
上記端板延出部切離し部4a3(情報カードC)には、組み立てられた包装箱内に収容される物品に係わる情報I(図7,図8参照)が予め印刷等によって記されている。図示例において、上記物品に係わる情報Iは、その具体的内容が省略され、また図7,図8のみに示したが、各図における端板延出部切離し部4a3に同様に記されている。
なお、上記物品に係わる情報Iとしては、物品の名前(商品名等)、特徴、個数(1つの物品が複数の物品からなる場合はその物品の個数や量)、使用法の説明、使用期限、製造番号、注意書き、バーコード等の各種コード、製造会社名等のうち、所望の情報を文字、記号等で表わした情報が挙げられる。
物品が医薬品である場合には、その調剤管理に有用な情報、特に医薬品の取り違えによる医療事故の防止に有用な各種情報が挙げられる。
これらの情報Iは、通常、包装箱表面側となる面に記されるが、裏面側となる面、あるいは表裏両面側に記してもよい。また、前記の情報Iは前記端板延出部切離し部4a3(情報カードC)に記すと同時に、同じ情報を包装箱の任意の箇所に記してもよい。物品に係わる情報以外の情報を上記端板延出部切離し部4a3(情報カードC)に印刷してもよい。
【0016】
説明を図1に戻すと、このような板紙ブランク上の、一連の側板1a,1b,1c,1d中の隣接する側板相互の境目、側板1aと継ぎしろ片2との境目、及び端板4a〜4gが延出形成された側板1a〜1dと同端板4a〜4gとの境目には、折曲線L1〜L11が形成されている。また端板4aの、端板主部4a1と端板延出部4αとの境目には、折曲線L12が形成されている。
各折曲線L1〜L12は、例えば板紙ブランクの肉厚を上記の各境目にて直線状に圧縮して形成される。
【0017】
上記のようなブランクを組み立てて物品、例えば商品を包装するには、図2に示すように、4面一連の側板1a〜1dを上記折曲線L1〜L4にて角筒状に折り曲げ、継ぎしろ片2を、これが連設された側板1aとは反対側の側板1dの内面に貼り付けて角筒状体の周壁を形成し、下方の端板4d〜4gを折曲線L8〜L11にて内側(上記角筒状体の内側)へ折り曲げる。
そして、端板同士、図示例では端板4d,4fを重ね合わせて貼り付けることにより、角筒状体の下開口端面(底面)3bを閉止する。この場合、小サイズの一対の端板4e,4gを先に内側へ折り曲げた後、大サイズの一対の端板4d,4fを内側に折り曲げ、同一対の端板4d,4fを重ね合わせて貼り付ける。本実施形態では、図6に示すように端板4dが端板4fを覆うように端板4d,4fを重ね合わせて貼り付ける。
【0018】
その後、未封緘の包装箱(上下開口端面3a,3bのうち下開口端面3bのみが閉止された角筒状体)内に商品を収納し、上方の端板4a〜4cを折曲線L5〜L7にて内側へ折り曲げる。この場合、小サイズの一対の端板4b,4cを先に内側へ折り曲げた後、端板主部4a1と端板延出部4αとを有してなる大サイズの端板4aを内側へ折り曲げる。
大サイズの端板4aについては、更に折曲線L12にて下方側(上記角筒状体の下方側)にほぼ直角に折り込む。そして、その折り込んだ端板4aの端板延出部4αを、端板4aが延出形成された側板1aに対向する正面側板1cの表面に重ね合わせる。そして、その正面側板1cの表面に端板延出部先端部4a4を重ねて貼り付け、固定することによって角筒状体の上開口端面(上面)3aを閉止、封緘する。
【0019】
上記のように封緘した包装箱(図2〜図6参照)においては、その封緘状態において端板延出部先端部4a4を除く部分は、正面側板1cに重ね合わされているが貼り付けられてはいない。したがって、この封緘状態の包装箱は、開封に当たって端板延出部先端部4a4を除く部分において2本の第1切取線5a,5bを一端から他端にかけて破断しながら切り離すと、図7に示すように、開封と同時に端板延出部切離し部4a3が得られる。
【0020】
この端板延出部切離し部4a3は、従来技術におけるような扱いにくい細長い帯状ではなく、カード状に設定されており、この端板延出部切離し部4a3には、従来技術における細長い帯状体のものに比べてその商品に係わる情報が多く記されている。
したがって、開封して商品が取り出されて無用になった包装箱が廃棄される際に、上記端板延出部切離し部4a3を容易に取り置き、従来技術における細長い帯状体のものに比べて情報量が多く、かつ一覧性の高い情報カードCとして利用できる。しかもこの情報カードCを、図8に示すように包装箱から取り出された商品6に、輪ゴムやひも等の括付部材7によって容易に、かつ見栄えよく、また見やすく括り付けることができる。更に、商品6に輪ゴム等の括付部材7で括り付けた場合に、従来技術における細長い帯状体のものに比べて抜落ちや損傷が生じ難い。
【0021】
なお図8は、3個の商品6…が収容された包装箱内から取り出された1個の商品6に1枚の情報カードC(端板延出部切離し部4a3)を1本の輪ゴム7で括り付けた状態を示しているが、3個の商品6…を纏めて1本の輪ゴム7で括り付けてもよいことは勿論である。1個の商品6としては、複数の商品が纏まって1個(1パック)の商品を構成している場合を含むことも勿論である。
また、1つの端板延出部切離し部4a3から複数枚の情報カードCが得られるようにして、包装箱内に収容された複数の商品6に対して、より多く一対一対応で情報カードCを括り付け可能にしてもよく、その具体例は後述する。
【0022】
図7及び図8から分かるように、端板延出部切離し部4a3(情報カードC)の対向する2辺には、第1切取線5a,5b(ジッパ)破断時の痕跡として凹凸が残るが、これが輪ゴム等の括付部材7の滑り止めとなるので、情報カードCの抜落ち防止に役立つ。この抜落ち防止効果は、情報カードCが、包装箱から取り出された商品6の大きさに相応する寸法(商品6の情報カード括付面サイズ程度の寸法、特にそれより僅かに大きい寸法)に設定されている場合に顕著である。商品6に係わる情報が記された端板延出部切離し部4a3部分を鋏やカッターナイフで切り取って情報カードCに代用する方法では、手間がかかる上に上記の抜落ち防止効果を得にくい。
【0023】
商品6が医薬品である場合には、この商品6に一体に情報カードCを括り付ければ、特に医薬品の取り違えによる医療事故の防止に有効な各種情報を、包装箱の廃棄後においてもその医薬品に継続して付随させ得る。換言すれば、上記のような医療事故の防止に役立つ。この情報カードCは、従来技術における細長い帯状体のものに比べてその商品(医薬品)6に係わる情報を多く記すことができ、かつ一覧性を高くし得る。
【0024】
また、2本の第1切取線5a,5bのうち、いずれか1本のみの、あるいは2本共の破断で包装箱を開封できるが、いずれによっても開封箇所は包装箱最上部である。したがって、開封によって箱体が上下方向に大きく分断されてしまう従来技術の包装箱のように、開封はしたが商品6をそのまま箱体内に入れておきたい場合に生じた問題、すなわち商品が箱体から大きくはみ出てしまうという問題を解消し得る上、端板延出部基部4a2を正面側板1cの内側に挿入することにより商品6を再度封緘して保存し得る。
【0025】
なお、正面側板1cの上端部には、図1,図7に示すように上側が開口するほぼ半円状の切欠き8が形成されており、包装箱開封時における商品6の取り出しを容易にしている。
また、図1〜図3に示すように、包装箱正面側の正面側板1cの下方には、両端が同正面側板1c下端の左右両隅部に至る弧状切取線9が形成されており、包装箱廃棄時において同包装箱を板状に畳むことを容易にしている。すなわち、弧状切取線9の中央部の直下を指等で押圧することにより正面側板1cの下部を弧状切取線9に沿って破断させ、図7に示すように正面側板1cの下端部分を端板4fと共に開披させ、包装箱を板状に畳むことを容易にしている。
【0026】
図9及び図10は、本発明の第2実施形態に係る包装箱を示す斜視図で、図9は封緘状態を示し、図10は開封後の状態の一例を示す。
この図9及び図10は、端板延出部切離し部4a3を、端板延出部4αの延出方向に交差する方向で複数枚、等分割可能に、図示例では直交する方向で3枚、等分割可能に、第2切取線(カード分割用切取線)10を2本形成した包装箱を例示する。
この第2実施形態によれば、情報カードCが複数枚、図示例では3枚得られるので、1個の包装箱内に複数個、例えば3個の商品6が収容されている場合に、その3個の商品6…の全てについて一対一対応で等寸法の情報カードCを括り付けることができる。
【0027】
図11及び図12は、本発明の第3実施形態に係る包装箱を示す斜視図で、図11は封緘状態を示し、図12は開封後の状態の一例を示す。
この図11及び図12は、端板延出部切離し部4a3を、端板延出部4αの延出方向に直交する方向で2枚、異なる長さ寸法で分割可能に、第2切取線10を1本形成した包装箱を例示する。
この第3実施形態によれば、情報カードCが2枚、異なる長さ寸法で得られるので、1個の包装箱内に2個の異なる寸法の商品6,6が収容されている場合に、その2個の商品6,6共、それらの寸法に応じた異なる寸法の情報カードCを一対一対応で括り付けることができる。
上記第2切取線10は、図9〜図12に示す第2,第3実施形態共に、ミシン目状の切取線としたが、これのみに限られないことは勿論である。
【0028】
図13は、第1切取線に他の例が適用された第4実施形態に係る包装箱、図14は、同じく第5実施形態に係る包装箱、図15は、同じく第6実施形態に係る包装箱、を各々例示する。図13〜図15はいずれも正面図である。
これら図13〜図15に示す包装箱の第1切取線5は、端板延出部4αの延出方向に直交する方向に2本形成されていることは第1〜第3実施形態(図2,図9,図11)と同様であるが、次の点で異なる。
すなわち、図13〜図15に示す包装箱の第1切取線5は、その2本のうちの図中、上方側の1本(第1切取線5c)は、おおよそジッパ型ではある。しかし、その長さ方向のほぼ中央部の切込み(切れ目)が他の箇所の切込みよりも長く形成されると共に、左右対称の形状、例えば台形状又は逆台形状、図示例では台形状5c1に形成されている。また、第1切取線5c全体も、長さ方向のほぼ中央の台形状5c1部分を基点として左右対称に形成されている。
これによれば、第1切取線5cの長さ方向ほぼ中央の台形状5c1の直上部分や直下部分を指等で押圧することにより、その押圧箇所から左右各方向に向けて第1切取線5cが破断され、第1切取線5cの破断が容易になる。正面側板1cの上端部に形成された半円状の切欠き8は、上記台形状5c1の直上部分の押圧を容易にし、第1切取線5cの破断をし易くする。
【0029】
この第4〜第6実施形態(図13〜図15)では、2本の第1切取線5のうちの図中、下方側の1本(第1切取線5d)も上記第1〜第3実施形態とは異なり、ミシン目状の切取線とされている。一般に、ジッパ型の切取線(第1切取線5cを含む)は、ミシン目状の切取線よりも容易に破断し易い。そこで、ジッパ型の第1切取線5cを包装箱上方側に形成して包装箱開封を容易にする一方で、それより下方側の第1切取線5dをミシン目状の切取線とすることにより、その第1切取線5dの破断を第1切取線5cの破断に従属させず、別個に行ない易くし得る。 これによれば、差し当たり包装箱開封はするが商品をそのまま包装箱内に入れておき、その後の所望時に商品を取り出し、残る第1切取線5dの破断をその時に行なう。そして、得られた端板延出部切離し部4a3(情報カードC)を、取り出した商品に括り付ける、という場合に極めて役立つ。
この第4〜第6実施形態によっても、開封箇所は包装箱最上部である。したがって、開封によって箱体が上下方向に大きく分断されてしまう従来技術の包装箱のように、開封はしたが商品6をそのまま箱体内に入れておきたい場合に生じた問題、すなわち商品が箱体から大きくはみ出てしまうという問題を解消し得る上、端板延出部基部4a2を正面側板1cの内側に挿入することにより商品6を再度封緘して保存し得る。
なお、この第4〜第6実施形態では、上記第1〜第3実施形態(図2,図9,図11)における弧状切取線9が形成されていないが、第4〜第6実施形態においても弧状切取線9を形成してよいことはいうまでもない。
第4〜第6実施形態に係る各包装箱の開封後の状態の一例を示せば、図16〜図18の通りである。図16〜図18はいずれも斜視図であり、第1切取線5dの破断前の状態を示している。図16〜図18については、図13〜図15と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【符号の説明】
【0030】
1a,1b,1c,1d:側板(1c:正面側板)、3a,3b:上下開口端面、4a〜4g:端板、4a1:端板主部、4α:端板延出部、4a2:端板延出部基部、4a3:端板延出部切離し部、4a4:端板延出部先端部、5(5a〜5d):第1切取線、6:商品(物品)、7:輪ゴム等の括付部材、10:第2切取線、C:情報カード、I:収容物品に係わる情報。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角筒状の周壁を形成する複数の側板と、この複数の側板が形成する角筒状体の一対の開口端面を各別に閉じる、前記側板から延出形成された端板とを備えてなる物品の包装箱であって、
前記一対の開口端面のうちの一方の開口端面を閉じる端板は、
その一方の開口端面を閉じる端板主部と、この端板主部から延出する端板延出部とからなり、
前記端板延出部は、さらに端板延出部基部、端板延出部切離し部及び端板延出部先端部からなると共に、その全体が、端板が延出形成された前記側板に対向する側板である正面側板の表面に重ね合わされ、その正面側板の表面に前記端板延出部先端部において固定されるようになっており、
前記端板延出部基部と前記端板延出部切離し部の境目及び該端板延出部切離し部と前記端板延出部先端部の境目にはそれぞれ第1切取線が形成され、
前記端板延出部が前記端板延出部先端部で前記正面側板に固定された状態で前記第1切取線のうちの1本の破断がされれば包装箱開封がなされ、2本の破断がされれば包装箱開封がなされると共にその2本の第1切取線で挟まれた前記端板延出部切離し部が切り離され情報カードとして利用可能であることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
内部に収容される物品に係わる情報が、前記端板延出部切離し部に予め記されていることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記端板延出部切離し部が前記端板延出部の延出方向に交差する方向に切り離されることにより複数に分割可能となるように、1本又は複数本の第2切取線が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記第1切取線のうち、前記端板延出部基部と前記端板延出部切離し部の境目に形成された第1切取線は、その長さ方向のほぼ中央部への押圧に応じてその押圧箇所から左右各方向に向けて破断されるように、長さ方向のほぼ中央部を基点として左右対象の切込み形状をなすことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の包装箱。
【請求項5】
前記端板延出部基部と前記端板延出部切離し部の境目に形成された第1切取線は、その長さ方向のほぼ中央部の切込みを他の箇所の切込みよりも長く形成されていることを特徴とする請求項4に記載の包装箱。
【請求項6】
前記端板延出部切離し部と前記端板延出部先端部の境目に形成された第1切取線は、ミシン目状に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項7】
前記正面側板の下方に、両端が同正面側板下端の左右両隅部に至る弧状切取線が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項1】
角筒状の周壁を形成する複数の側板と、この複数の側板が形成する角筒状体の一対の開口端面を各別に閉じる、前記側板から延出形成された端板とを備えてなる物品の包装箱であって、
前記一対の開口端面のうちの一方の開口端面を閉じる端板は、
その一方の開口端面を閉じる端板主部と、この端板主部から延出する端板延出部とからなり、
前記端板延出部は、さらに端板延出部基部、端板延出部切離し部及び端板延出部先端部からなると共に、その全体が、端板が延出形成された前記側板に対向する側板である正面側板の表面に重ね合わされ、その正面側板の表面に前記端板延出部先端部において固定されるようになっており、
前記端板延出部基部と前記端板延出部切離し部の境目及び該端板延出部切離し部と前記端板延出部先端部の境目にはそれぞれ第1切取線が形成され、
前記端板延出部が前記端板延出部先端部で前記正面側板に固定された状態で前記第1切取線のうちの1本の破断がされれば包装箱開封がなされ、2本の破断がされれば包装箱開封がなされると共にその2本の第1切取線で挟まれた前記端板延出部切離し部が切り離され情報カードとして利用可能であることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
内部に収容される物品に係わる情報が、前記端板延出部切離し部に予め記されていることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記端板延出部切離し部が前記端板延出部の延出方向に交差する方向に切り離されることにより複数に分割可能となるように、1本又は複数本の第2切取線が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記第1切取線のうち、前記端板延出部基部と前記端板延出部切離し部の境目に形成された第1切取線は、その長さ方向のほぼ中央部への押圧に応じてその押圧箇所から左右各方向に向けて破断されるように、長さ方向のほぼ中央部を基点として左右対象の切込み形状をなすことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の包装箱。
【請求項5】
前記端板延出部基部と前記端板延出部切離し部の境目に形成された第1切取線は、その長さ方向のほぼ中央部の切込みを他の箇所の切込みよりも長く形成されていることを特徴とする請求項4に記載の包装箱。
【請求項6】
前記端板延出部切離し部と前記端板延出部先端部の境目に形成された第1切取線は、ミシン目状に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項7】
前記正面側板の下方に、両端が同正面側板下端の左右両隅部に至る弧状切取線が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の包装箱。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−158353(P2012−158353A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18516(P2011−18516)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000231796)日本臓器製薬株式会社 (23)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000231796)日本臓器製薬株式会社 (23)
【Fターム(参考)】
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