説明

包装袋および包装体

【課題】収容物を包装袋に収容する際に、包装体を小型化する。
【解決手段】包装体では、包装袋3から新しい吸収性物品が取り出され、使用済みの吸収性物品が包装袋3に収容される際に、閉塞部358が袋部31の通気孔314近傍から剥離される。続いて、使用済みの吸収性物品が開口312から袋部31に入れられ、線ファスナ33により開口312が密閉されて収容空間313が形成される。次に、袋部31を押圧して収容空間313内の空気を通気孔314を介して押しだし、閉塞部358を袋部31に貼付して通気孔314を閉塞する。これにより、開口312を介して空気を押し出す場合に比べて、収容空間313内の空気を容易に抜くことができる。また、包装袋3および包装体を小型化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排泄物を受ける吸収性物品、または、吸収性物品を着用する際に当該吸収性物品の外側を覆う外装物品を、収容物として収容する包装袋、および、当該収容物が包装袋に収容された包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、使い捨ておむつや使い捨ておむつの内側に取り付けられる補助吸収具(例えば、尿取りパッド)等の吸収性物品は、多数個(例えば、数十個)が積層された状態で包装袋に収容されて販売されている。一方、特許文献1では、少枚数の紙おむつを包装した携帯用紙おむつ包装体が提案されている。当該携帯用紙おむつ包装体では、自立姿勢を維持するために必要な所定の底面積を有する底部が設けられ、店頭の陳列棚等に自立姿勢にて陳列可能とされている。また、包装袋の開口部に再封止できるジッパーを設けることにより、使用済みの紙おむつを包装袋内に密封収容した状態で持ち帰ることができるようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−8164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の携帯用紙おむつ包装体では、使用済みの紙おむつを収容した包装袋の開口部をジッパーにて封止する際、包装袋内の空気を抜くために、包装袋の底部から開口部に向けて包装袋を押さえながらジッパーを封止する必要がある。
【0005】
しかしながら、一方の手で包装袋を押さえて空気を抜きつつ、他方の手でジッパーを封止することは容易ではない。また、自立姿勢を維持するために、ある程度の剛性を有する底部が包装袋に設けられているため、包装袋の底部近傍から空気を押し出すことが難しい。さらに、使用済みの紙おむつには排泄物が包まれているため、開口部に向けて包装袋を強く押さえると、包装袋と共に押さえられる紙おむつから、排泄物が開口部に向けて漏出してしまうおそれもある。したがって、包装体を小型化することが困難であった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、収容物を包装袋に収容する際に、包装体を小型化することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、排泄物を受ける吸収性物品、または、吸収性物品を着用する際に前記吸収性物品の外側を覆う外装物品を、収容物として収容する包装袋であって、包装シート部材にて形成された袋状であり、通気孔と、破断されることにより収容物の出し入れに利用される開口が形成される脆弱線とを有する袋部と、前記開口を密閉することにより、前記通気孔を介して外部と連通可能な収容空間を形成する線ファスナと、前記袋部の外面に着脱自在に貼付されて前記通気孔を閉塞する閉塞部とを備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の包装袋であって、前記包装シート部材により、前記袋部と連続する持ち手部が形成され、前記持ち手部の一部が、前記閉塞部である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の包装袋であって、前記包装シート部材において前記袋部の端部から広がる持ち手形成部が、所定の折り返し位置にて前記袋部に向かって折り返されて積層されることにより前記持ち手部が形成され、前記通気孔を閉塞する際に、前記折り返し位置と前記袋部の前記端部との間の他の折り返し位置にて前記持ち手形成部が折り返され、前記持ち手形成部の先端と前記他の折り返し位置との間の部位により前記通気孔が閉塞される。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の包装袋であって、前記持ち手形成部が、破断されることにより前記持ち手形成部の前記先端側の部位を分離する他の脆弱線を有する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の包装袋であって、前記脆弱線と前記通気孔が、前記袋部の前記外面の同じ側に配置される。
【0012】
請求項6に記載の発明は、包装体であって、排泄物を受ける吸収性物品、または、吸収性物品を着用する際に前記吸収性物品の外側を覆う外装物品である収容物と、前記収容物を収容する請求項1ないし5のいずれかに記載の包装袋とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、収容物を包装袋に収容する際に、包装体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態に係る包装体の斜視図である。
【図2】包装体の斜視図である。
【図3】包装体の斜視図である。
【図4】包装袋の部分断面図である。
【図5】包装袋の部分断面図である。
【図6】包装袋の部分断面図である。
【図7】包装体の部分断面図である。
【図8】第2の実施の形態に係る包装体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態に係る包装体1を示す斜視図である。図2は、図1とは反対側から包装体1を見た図である。包装体1は、薄型のパッケージであり、以下の説明では、図1の手前側に示す主面11を「前面11」と呼び、図2の手前側に示す主面12を「後面12」と呼ぶ。
【0016】
図1および図2に示すように、包装体1は、吸収性物品9、および、吸収性物品9を収容物として収容する薄いシート状の包装袋3を備える。包装袋3の内部には、1個または複数(例えば、2〜5個のように少数)の吸収性物品9が収容される。複数の吸収性物品9が包装袋3に収容される場合、これらの吸収性物品9は、包装袋3内において包装体1の前後方向に積み重ねられる。吸収性物品9は、軽失禁パッド等の補助吸収具、または、テープタイプやパンツタイプの使い捨ておむつ等であり、着用者に装着されて着用者からの排泄物を受ける。以下の説明では、補助吸収具である1個の吸収性物品9が包装袋3の内部に収容されているものとして説明する。吸収性物品9は、平面視において略矩形のシート状であり、長手方向の中央部にて2つ折りにされた状態で包装袋3に収容される。
【0017】
包装袋3は、非通気性の包装シート部材(後述する第1包装シート部材35および第2包装シート部材36)にて形成された袋状の部位である袋部31、および、当該包装シート部材にて袋部31と連続して形成された持ち手部32を備える。持ち手部32は、袋部31の上側に位置する帯状の部位であり、持ち手部32の左右方向のおよそ中央には持ち手開口321が形成されている。包装体1の購入者等が持ち手部32を持つ際には、購入者等の指が持ち手開口321に挿入され、持ち手開口321の上側の部位が把持される。
【0018】
図1に示すように、袋部31は、前面11において持ち手部32の近傍(すなわち、袋部31の上部)にて左右方向に略直線状に延びる脆弱線311を有する。本実施の形態では、脆弱線311は、断続的に形成された直線状の切れ目により形成されるミシン目である。脆弱線311は、包装袋3を形成する包装シート部材を貫通しておらず、包装シート部材は脆弱線311においても非通気性である。包装袋3では、脆弱線311が破断されることにより、図3に示すように、吸収性物品9の出し入れに利用される開口312が、袋部31の上部に形成される。包装袋3は、図1および図3に示すように、脆弱線311よりも下方(すなわち、開口312よりも下方)において左右方向に略直線状に延びる線ファスナ33を備える。線ファスナ33は、脆弱線311近傍(すなわち、開口312近傍)にて袋部31の内面に配置される。
【0019】
図4は、前後方向および上下方向に平行、かつ、後述する通気孔314を通る面にて、包装袋3の上部を切断した部分断面図である。図3および図4に示すように、線ファスナ33は、互いに係脱自在に咬合する雄部331および雌部332を備える。雄部331は、前面11の内面に配置され、雌部332は、後面12の内面に配置される。包装袋3では、雄部331と雌部332とが咬合することにより、図3に示す開口312が密閉され、吸収性物品9を収容する収容空間313が線ファスナ33の下方に形成される。換言すれば、線ファスナ33により、収容空間313と開口312との連通が断たれて収容空間313が密閉される。
【0020】
図2および図4に示すように、袋部31は、後面12において線ファスナ33よりも下方に位置する(すなわち、上下方向において線ファスナ33の脆弱線311とは反対側に位置する)通気孔314を有する。本実施の形態では、3つの通気孔314が左右方向に並んでおり、各通気孔314は略円形である。通気孔314は、開口312(図3参照)に比べて小さく、吸収性物品9の出し入れに利用できる程度の大きさは有していない。本実施の形態では、各通気孔314の直径は、線ファスナ33の上下方向の幅以下である。収容空間313は、これらの通気孔314を介して外部と連通可能である。
【0021】
図3および図4に示すように、包装袋3は、略矩形の第1包装シート部材35、および、上下方向の長さが第1包装シート部材35よりも短い略矩形の第2包装シート部材36が接合されることにより形成される。具体的には、第1包装シート部材35と第2包装シート部材36との間に吸収性物品9を挟み、第1包装シート部材35の下端と第2包装シート部材36の下端とを合わせた状態で、第2包装シート部材36の外縁部が全周に亘って第1包装シート部材35に接合される。第2包装シート部材36の接合は、ホットメルト接着剤による接着、熱圧着、超音波接合等、様々な方法により行われてよい。なお、図1ないし図3では、包装袋3の左右の接合部の図示を省略している(図8においても同様)。第2包装シート部材36の外縁部よりも内側の部位は、第1包装シート部材35には接合されず、吸収性物品9を介して第1包装シート部材35から離間する。袋部31は柔らかく、第1包装シート部材35と第2包装シート部材36との接合部を除き、全体の剛性がおよそ等しい。
【0022】
図4に示す第1包装シート部材35のうち、第2包装シート部材36の上端から突出している部位は、持ち手部32を形成する部位であり、以下の説明では、「持ち手形成部351」と呼ぶ。換言すれば、持ち手形成部351は、包装シート部材において袋部31の上端部315から上方に(すなわち、脆弱線311や線ファスナ33とは反対側に)広がる部位である。包装袋3では、持ち手形成部351が、袋部31の上端部315から上方に離間した所定の折り返し位置352にて、袋部31に向かって折り返されて積層されることにより、持ち手部32が形成される。折り返し位置352は、包装袋3および持ち手部32の上縁となる。
【0023】
以下の説明では、持ち手形成部351において、折り返し位置352の両側の部位のうち、折り返し位置352と袋部31の上端部315との間の部位を「第1持ち手形成部353」と呼び、折り返し位置352と持ち手形成部351の先端355との間の部位を「第2持ち手形成部354」と呼ぶ。第2持ち手形成部354の第1持ち手形成部353および袋部31と対向する面には粘着処理が施されており、以下、「粘着処理面356」と呼ぶ。また、粘着処理面356と対向する第1持ち手形成部353および袋部31の外面には易剥離処理(例えば、シリコンコート処理)が施されており、以下、「易剥離処理面357」と呼ぶ。易剥離処理面357は、袋部31の上端部315から通気孔314よりも下側まで広がっている。
【0024】
包装袋3では、第2持ち手形成部354の先端355が、複数の通気孔314の下方に位置し、第2持ち手形成部354の粘着処理面356が、第1持ち手形成部353および袋部31の易剥離処理面357に着脱自在に貼付されることにより、第2持ち手形成部354の先端355近傍の部位358により複数の通気孔314が閉塞される。換言すれば、持ち手部32の一部である第2持ち手形成部354の先端355近傍の部位358は、通気孔314を閉塞する閉塞部358である。
【0025】
包装体1の吸収性物品9が使用される際には、包装袋3の脆弱線311が上述のように破断され、図3に示すように開口312が形成される。この状態では、線ファスナ33の雄部331と雌部332とは咬合しておらず、開口312は線ファスナ33により密閉されていない。包装袋3内の吸収性物品9は、開口312から取り出される。着用者からは、使用済みの吸収性物品が取り外され、包装袋3から取り出された新しい吸収性物品9が着用者に装着される。使用済みの吸収性物品は、空になった包装袋3に折り畳まれて収容される。
【0026】
使用済みの吸収性物品が収容される際には、まず、図4に示す持ち手形成部351の第2持ち手形成部354の先端355近傍が把持され、第2持ち手形成部354が袋部31の第2包装シート部材36から離れる方向に引っ張られることにより、図5に示すように、第2持ち手形成部354の粘着処理面356が、袋部31および第1持ち手形成部353の易剥離処理面357から剥離される。これにより、閉塞部358が複数の通気孔314から離間し、通気孔314を介して袋部31内の空間(すなわち、収容空間313になる予定の空間)と外部とが連通する。図5では、包装袋3内の吸収性物品の図示を省略する(図6および図7においても同様)。
【0027】
包装袋3では、袋部31の通気孔314近傍に易剥離処理が施されることにより、閉塞部358を通気孔314近傍から容易に剥離することができる。なお、第2持ち手形成部354は、通気孔314が露出するように、通気孔314近傍を覆う閉塞部358のみが袋部31から剥離されてもよい。
【0028】
続いて、使用済みの吸収性物品が、開口312を介して袋部31の中に入れられた後、線ファスナ33の雄部331と雌部332とを咬合させることにより、開口312が密閉されて収容空間313が形成される。収容空間313は、上述のように、通気孔314を介して外部と連通している。次に、机等の平らな面上に、包装袋3の前面11が当該面に当接するように包装袋3が載置され、包装袋3の後面12が前面11に向かって押圧される。これにより、収容空間313内の空気が、通気孔314を介して外部へと押し出される。なお、収容空間313内からの空気の押し出しは、包装袋3を両手に挟んで、前面11および後面12を互いに向けて押圧することにより行われてもよい。
【0029】
そして、包装袋3が押圧された状態(すなわち、収容空間313内の空気の大部分が外部へと押し出された状態)で、持ち手形成部351の第2持ち手形成部354の粘着処理面356が、第1持ち手形成部353および袋部31の易剥離処理面357に貼付され、複数の通気孔314が閉塞部358により閉塞される。これにより、収容空間313と外部との連通が断たれ、使用済みの吸収性物品が収容空間313内に密閉される。包装体1では、収容空間313が密閉されることにより、使用済みの吸収性物品から包装袋3の外部に、排泄物の臭い等が漏出することを防止することができる。
【0030】
なお、最初に閉塞部358を袋部31から剥離することなく、使用済みの吸収性物品が袋部31に入れられた後、閉塞部358の袋部31からの剥離、および、線ファスナ33による開口312の密閉が順不同にて行われ、その後、閉塞部358による通気孔314の閉塞が行われて包装袋3が密閉されてもよい。また、使用済みの吸収性物品ではなく、他の新しい吸収性物品等が包装袋3に収容された後、上述と同様の手順にて包装袋3が密閉されてもよい。
【0031】
以上に説明したように、使用済みの吸収性物品等の収容物を開封した包装袋3に収容する際に、通気孔314を介して収容空間313内の空気を押し出すことにより、開口312を介して空気を押し出す場合に比べて、収容空間313内の空気を外部に容易に押し出すことができ、包装袋3および包装体1を小型化することができる。そして、閉塞部358により通気孔314を閉塞することにより、小型化された包装袋3および包装体1の形状を維持することができる。
【0032】
また、閉塞部358が、袋部31と連続する持ち手部32の一部であるため、閉塞部が袋部から独立した他の部材である場合に比べて、包装袋3の構造を簡素化することができる。その結果、包装袋3の製造コストを低減することができる。さらに、袋部31は柔らかく、第1包装シート部材35と第2包装シート部材36との接合部を除き、全体の剛性がおよそ等しいため、収容空間313において、袋部31のいずれの部位からも通気孔314に向けて空気を容易に押し出すことができる。
【0033】
包装袋3では、図6に示すように、通気孔314を閉塞する際に、上述の折り返し位置352(図6中において二点鎖線にて描く。)と袋部31の上端部315との間の他の折り返し位置359にて、持ち手形成部351が折り返されてもよい。この場合、複数の通気孔314は、持ち手形成部351の先端355と折り返し位置359との間の部位、詳細には、第2持ち手形成部354の元の閉塞部358(すなわち、開封前の包装体1における閉塞部)と折り返し位置359との間の部位により閉塞される。これにより、線ファスナ33により開口312が密閉された包装袋3および包装体1を、より小型化することができる。
【0034】
持ち手形成部351が、上記折り返し位置359にて折り返される場合、包装袋3では、図7に示すように、持ち手形成部351に他の脆弱線3511が設けられてもよい。脆弱線3511は、持ち手形成部351の先端355と通気孔314を覆う部位との間にて左右方向に略平行に配置される直線状であり、破断されることにより、持ち手形成部351の先端355側の部位が分離される。これにより、持ち手形成部351の折り返し位置359にて折り返された部位の長さを短くすることができ、持ち手形成部351の袋部31に重なる部位の長さを短くすることができる。その結果、袋部31に重ねられた持ち手形成部351の一部が引っかかって剥離すること等が抑制され、包装袋3および包装体1の取り扱いを容易とすることができる。
【0035】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る包装体1aについて説明する。図8は、包装体1aを示す斜視図である。図8に示すように、包装体1aでは、複数の通気孔314が、包装袋3aの袋部31の前面11において、線ファスナ33の下方に配置される。包装体1aでは、袋部31および持ち手部32から独立した他のシート部材である閉塞部358aが、袋部31の前面11に着脱自在に貼付されることにより、複数の通気孔314が閉塞される。持ち手形成部351の先端355は、袋部31の上端部315とおよそ同じ位置に位置する。
【0036】
包装袋3aに、使用済みの吸収性物品等が収容される際には、第1の実施の形態と同様に、閉塞部358aが袋部31から剥離され、脆弱線311が破断されることにより形成された開口312(図3参照)から吸収性物品等が袋部31に入れられる。そして、線ファスナ33により開口312を密閉した後に、袋部31を押圧して収容空間313内の空気を押し出した状態で、閉塞部358aを袋部31に貼付して通気孔314を閉塞する。
【0037】
なお、最初に閉塞部358aを袋部31から剥離することなく、使用済みの吸収性物品が袋部31に入れられた後、閉塞部358aの袋部31からの剥離、および、線ファスナ33による開口312の密閉が順不同にて行われ、その後、閉塞部358aによる通気孔314の閉塞が行われて包装袋3aが密閉されてもよい。また、使用済みの吸収性物品ではなく、他の新しい吸収性物品等が包装袋3aに収容された後、上述と同様の手順にて包装袋3aが密閉されてもよい。
【0038】
以上に説明したように、使用済みの吸収性物品等の収容物を、脆弱線311を破断して開封した包装袋3aに収容する際には、第1の実施の形態と同様に、収容空間313内の空気を通気孔314を介して容易に抜くことができ、包装袋3aおよび包装体1aを小型化することができる。そして、閉塞部358aにより通気孔314を閉塞することにより、小型化された包装袋3aおよび包装体1aの形状を維持することができる。
【0039】
また、包装袋3aでは、開口312を形成するための脆弱線311と通気孔314とが、袋部31の外面の同じ側に配置されることにより、使用済みの吸収性物品等を袋部31に入れる際と、通気孔314を閉塞部358aにより閉塞する際とで、包装袋3aの姿勢を変更する必要がない。このため、包装袋3aに使用済みの吸収性物品等を入れて密封する作業を、より容易とすることができる。
【0040】
包装袋3aでは、包装袋3と同程度の長さの持ち手形成部351が設けられ、持ち手形成部351が袋部31の前面11側に折り返されて前面11に着脱自在に貼付されることにより、複数の通気孔314が持ち手形成部351により閉塞されてもよい。この場合、脆弱線311を破断する際や吸収性物品等の収容物を袋部31に対して出し入れする際等、持ち手形成部351は袋部31から剥離される。
【0041】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0042】
例えば、線ファスナ33は、開口312を密閉することができるものであれば、上記実施の形態とは異なる様々な構造のものが利用されてよい。脆弱線311,3511は、必ずしもミシン目である必要はなく、例えば、周囲の部位に比べて強度が小さい溝(すなわち、包装シート部材を貫通しない切り込み)であってもよい。通気孔314の形状や個数、配置位置等は様々に変更されてよい。ただし、通気孔314が持ち手形成部351により閉塞される場合、通気孔314は、袋部31の上部において左右方向に並べて設けられることが好ましい。
【0043】
包装袋3,3aに収容される収容物は、必ずしも、吸収性物品には限定されず、吸収性物品を着用する際に当該吸収性物品の外側を覆う外装物品(例えば、おむつカバーやショーツ)であってもよい。外装物品が包装袋3,3aに収容される場合も、上記実施の形態と同様に、収容空間313内の空気を通気孔314を介して容易に抜くことができる。また、包装袋3,3aおよび包装体1,1aを小型化し、その形状を維持することができる。なお、包装体1,1aを自立させて陳列する必要がある場合等、包装袋3,3aの底部の剛性は、必要に応じて、底部以外の他の部位の剛性よりも高くてもよい。
【0044】
上記実施形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0045】
1,1a 包装体
3,3a 包装袋
9 吸収性物品
31 袋部
32 持ち手部
33 線ファスナ
35 第1包装シート部材
36 第2包装シート部材
311 脆弱線
312 開口
313 収容空間
314 通気孔
315 上端部
351 持ち手形成部
352 折り返し位置
355 先端
358,358a 閉塞部
359 折り返し位置
3511 脆弱線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排泄物を受ける吸収性物品、または、吸収性物品を着用する際に前記吸収性物品の外側を覆う外装物品を、収容物として収容する包装袋であって、
包装シート部材にて形成された袋状であり、通気孔と、破断されることにより収容物の出し入れに利用される開口が形成される脆弱線と、を有する袋部と、
前記開口を密閉することにより、前記通気孔を介して外部と連通可能な収容空間を形成する線ファスナと、
前記袋部の外面に着脱自在に貼付されて前記通気孔を閉塞する閉塞部と、
を備えることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
請求項1に記載の包装袋であって、
前記包装シート部材により、前記袋部と連続する持ち手部が形成され、
前記持ち手部の一部が、前記閉塞部であることを特徴とする包装袋。
【請求項3】
請求項2に記載の包装袋であって、
前記包装シート部材において前記袋部の端部から広がる持ち手形成部が、所定の折り返し位置にて前記袋部に向かって折り返されて積層されることにより前記持ち手部が形成され、
前記通気孔を閉塞する際に、前記折り返し位置と前記袋部の前記端部との間の他の折り返し位置にて前記持ち手形成部が折り返され、前記持ち手形成部の先端と前記他の折り返し位置との間の部位により前記通気孔が閉塞されることを特徴とする包装袋。
【請求項4】
請求項3に記載の包装袋であって、
前記持ち手形成部が、破断されることにより前記持ち手形成部の前記先端側の部位を分離する他の脆弱線を有することを特徴とする包装袋。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の包装袋であって、
前記脆弱線と前記通気孔が、前記袋部の前記外面の同じ側に配置されることを特徴とする包装袋。
【請求項6】
包装体であって、
排泄物を受ける吸収性物品、または、吸収性物品を着用する際に前記吸収性物品の外側を覆う外装物品である収容物と、
前記収容物を収容する請求項1ないし5のいずれかに記載の包装袋と、
を備えることを特徴とする包装体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−231975(P2012−231975A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102820(P2011−102820)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000110044)株式会社リブドゥコーポレーション (390)
【Fターム(参考)】