説明

包装袋の製造方法、及び、包装袋

【課題】包装袋を形成するに際し、ガセットシートが本体シートの折り曲げ位置と重なることがなく、容易に包装袋を形成することができると共に、本体部とガセットシートとの間の密着性に優れた包装袋を得ることができる包装袋の製造方法を提供すること。
【解決手段】前記ガセット部を形成すべく一方向に沿って折り曲げられたガセットシート31の一方向と前記本体シート21の一方向とが略直交するように本体シート上にガセットシートを配置し、本体シートの折曲げ線がガセットシートから側方に離間するように本体シートを折り曲げてガセットシートを内包する本体部2を形成し、ガセットシートと本体部とをシールして前記ガセット部を形成すると共に、本体部における本体シートが折り曲げられて形成された端部とガセットシートとの間の領域の本体部の内面同士をシールすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状に形成された本体部の開口部を閉塞するようにガセット部が形成された包装袋の製造方法、及び、かかる製造方法によって形成された包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プラスチックフィルム等のシート体を袋状に形成した包装袋が知られている。例えば、液体や粉体のように定形性を有さない内容物を収容する包装袋として、自立性を有するものが広く用いられている。かかる包装袋は、一般的に、筒状に形成された本体部と、包装袋の底部を形成すると共に本体部の内側に折り込み可能に構成されたガセット部とを備えるものである。このような包装袋は、内容物が収容された際に、内容物の重量によって前記ガセット部が展開し、底部が形成されるように構成されている。
【0003】
上記のような包装袋を製造する方法としては、面状に形成された本体シート上に、前記ガセット部を形成するべく一方向に沿って折り曲げられたガセットシートを配置し、ガセットシートの一方向の両端部に本体シートが密着するように、本体シートを折り曲げて重なり合う端部同士をヒートシールして筒状の本体部を形成し、本体部とガセットシートとをヒートシールして前記ガセット部を形成する方法が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−161288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような包装袋は、ガセットシートの一方向の両端部に本体シートが密着するように本体シートを折り曲げて本体部を形成することで、本体シートの折り曲げ部分とガセットシートとの間から内容物が漏れ出すのを防止している。しかしながら、ガセットシートを本体シート上に配置する際に、配置する位置にズレが生じたり、ガセットシートのサイズにズレが生じていたりした場合には、ガセットシートが本体シートの折り曲げ位置と重なってしまう虞がある。このような場合には、本体シートの折り曲げを適切に行うことができず、本体部を形成することができなかったり、本体部とガセットシートとの間に隙間が生じてしまったりする虞がある。このため、上記のような包装袋を製造する際には、ガセットシートの配置位置やガセットシートのサイズを細かな精度で制御する必要があり、製造工程が煩雑なものとなると共に不良品が発生し易くなっている。
【0006】
そこで、本発明は、包装袋を形成するに際し、ガセットシートが本体シートの折り曲げ位置と重なることがなく、確実に包装袋を形成することができると共に、本体部とガセットシートとの間の密着性に優れた包装袋を得ることができる包装袋の製造方法を提供することを課題とする。また、かかる方法で製造された包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る包装袋の製造方法は、面状に形成された本体シートを一方向に沿って折り曲げて端部同士を直接的又は間接的に連結して筒状に形成した本体部と、該本体部の端部に形成された開口部を閉塞すると共に本体部の内側に向かって折り込み可能に構成されたガセット部とを備える包装袋の製造方法において、前記ガセット部を形成すべく一方向に沿って折り曲げられたガセットシートの一方向と前記本体シートの一方向とが略直交するように本体シート上にガセットシートを配置し、本体シートの折曲げ線がガセットシートから側方に離間するように本体シートを折り曲げてガセットシートを内包する本体部を形成し、ガセットシートと本体部とをシールして前記ガセット部を形成すると共に、本体部における本体シートが折り曲げられて形成された端部とガセットシートとの間の領域の本体部の内面同士をシールすることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、本体シートの折曲げ線がガセットシートから側方に離間するように本体シートを折り曲げてガセットシートを内包する本体部が形成されるため、ガセットシートを本体シート上に配置する際に位置ズレ等が生じた場合であっても、本体シートの折り曲げ位置にガセットシートが重なることがなく、本体シートの折り曲げを適切に行うことができる。このため、ガセットシートの位置ズレ等の影響を受けることなく本体部を形成することができる。なお、側方とは、本体シートにおける一方向に直交する他方向の中心位置から他方向の端部へ向かう方向をいう。
【0009】
また、ガセットシートを内包する本体部を形成した状態で、ガセットシートと本体部とをシールして前記ガセット部を形成すると共に、本体部における本体シートが折り曲げられて形成された端部とガセットシートとの間の領域の本体部の内面同士をシールすることで、本体部とガセットシートとの間の密着性を高めることができる。
【0010】
具体的には、本体シートの折曲げ線がガセットシートから側方に離間するように本体シートを折り曲げて本体部が形成されるため、本体部における本体シートが折り曲げられて形成された端部とガセットシートとの間の領域は、本体シートのみが積層された状態(本体部の内面同士が対峙した状態)となっている。このため、かかる領域における本体部の内面同士をシールすることで、この領域の本体部がガセットシートの端部に密着した状態となり、本体部とガセットシートとの間の密着性を向上させることができる。また、かかる領域の剛性が向上するため、包装袋に内容物が収容された際にガセットシート近傍の形状を良好に維持することができる。
【0011】
また、前記本体シートは、一方向に沿って2カ所で折り曲げられて前記本体部を形成するように構成されており、前記ガセットシートは、本体シートが折り曲げられた際に2カ所の折曲げ線の間に位置するように本体シート上に配置されることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る包装袋は、上記に記載の包装袋の製造方法を用いて形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、包装袋を形成するに際し、ガセットシートが本体シートの折り曲げ位置と重なることがなく、確実に包装袋を形成することができると共に、本体部とガセットシートとの間の密着性に優れた包装袋を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る包装袋の製造方法を用いて形成される包装袋を示した図。
【図2】同製造方法を用いて包装袋が形成されるまでの流れを示した図と、その一部拡大図。
【図3】図2のX−X断面図。
【図4】同製造方法を用いて形成される包装袋に内容物を収容した際の状態を示す斜視図。
【図5】他の実施形態に係る包装袋の製造方法を用いて形成される包装袋の幅方向の断面図。
【図6】更に、他の実施形態に係る包装袋の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図1〜4を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態に係る包装袋の製造方法は、図1に示すように、液体や粉体等の定形性を有さない内容物などを収容する際に用いられる包装袋1を形成する方法である。よって、まず始めに、包装袋1の構成について説明する。包装袋1は、筒状に形成された本体部2と、該本体部2の端部に形成された開口部2dを閉塞すると共に本体部2の内側に向かって折り込み可能に構成されたガセット部3とから構成されている。また、包装袋1は、柔軟性を有するシート体(後述する本体シート21及びガセットシート31)から形成されるものである。
【0017】
包装袋1を構成するシート体の素材としては、特に限定されるものではなく、内容物の性状等に応じて適宜選択されるものである。例えば、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートその他の軟質プラスチックのフィルム、ならびにアルミニウムその他の金属のフィルムなどを用いることができ、これらのフィルムから任意に選択して積層させたものを用いることもできる。
【0018】
また、シート体は、一方の面にシール性を有するもの、具体的には、加熱された領域のみにシール性(ヒートシール性)が生じるものが用いられる。例えば、加熱によって軟化することでシール性を発現する樹脂等のシール成分が一方の面に塗布されたシート体を用いることができる。このようなシート体を用いることで、シール性を有する面同士が重なり合った領域を加熱して容易にシート体同士をシールすることができる。なお、本実施形態における「シール」とは、「ヒートシール」を意味するものである。
【0019】
本体部2は、面状に形成された本体シート21が一方向に沿って折り曲げられて(具体的には、シール性を有する面が内側面となるように折り曲げられて)形成されている。本実施形態では、本体部2は、四角形状に形成された本体シート21が端辺に沿って折り曲げられることで形成されている。つまり、本体部2には、本体シート21が折り曲げられて形成された端部(本体折曲端部)2aが一方向(本体シート21の一方向に相当する方向)に沿って形成されている。本実施形態では、本体部2は、本体シート21が一方向に沿って2カ所で折り曲げられて形成されており、2つの本体折曲端部2aが間隔を空けて対向するように形成されている。つまり、本実施形態では、本体部2は、内容物が収容されていない状態で、平面視四角形状に形成されている。
【0020】
また、本体部2は、本体シート21が折り曲げられて端部同士が直接的又は間接的に連結されることで筒状に形成されている。本実施形態では、本体部2は、重なり合う端部同士がシールされることで(即ち、端部同士が直接的に連結されることで)筒状に形成されている。そして、本体部2は、本体シート21の重なり合う端部同士がシールされて形成された本体シール部S1を有している。該本体シール部S1は、本体シート21の重なり合う端部のシール性を有する面同士が対峙した状態でシールされる(背貼りされる)ことで形成されている。つまり、本体部2は、背貼り部となる本体シール部S1を備えている。該本体シール部S1は、本体部2の一方向に沿って(帯状に)形成されている。また、本体シール部S1は、本体折曲端部2a,2a間の領域、具体的には、本体折曲端部2a,2a間の略中央部に形成されている。また、本体部2は、本体折曲端部2a,2a間に、本体シール部S1を有さないシート壁(以下、前側シート壁2bと記す)と、本体シール部S1を有するシート壁(以下、後側シート壁2cと記す)とが対向するように形成されており、一方向の両端部に開口部2dが形成されている。
【0021】
なお、以下では、本体部2の一方向(即ち、本体シート21の一方向)を上下方向とも記載する。また、本体部2のうち、本体シール部S1が形成されていない側を前側、本体シール部S1が形成されている側を後側とも記載する。また、本体部2においては、本体折曲端部2a,2a間の中心位置から本体折曲端部2aへ向かう方向を側方といい、本体シート21においては、一方向に直交する他方向(幅方向)の中心位置から幅方向の端部へ向かう方向を側方といい、ガセットシート31においては、一方向の中心位置から一方向の端部へ向かう方向を側方という。
【0022】
ガセット部3は、本体部2の端部に形成された開口部2d(具体的には、下端側の開口部2d)を閉塞するように構成されている。また、ガセット部3は、一方向に沿って折り曲げられたガセットシート31が本体部2とシールされることで形成されている。本実施形態では、ガセットシート31は、四角形状に形成されたシート体がシール性を有する面が外側面となるように、端辺に沿って2つに折り曲げられて形成されている。
【0023】
また、ガセットシート31は、折り曲げられて形成された端部が本体部2の内側(具体的には、上端側)に位置するように、開口部2dの内側に配置されており、ガセットシート31の端部(折り曲げられて形成された端部以外の端部)と本体部2の内面とが所定の領域でシールされることで、開口部2dが閉塞されている。これにより、本体部2の内側に向かって折り込み可能なガセット部3が形成され、包装袋1の内側に内容物を収容した際に、折り込まれた状態のガセット部3が展開して包装袋1に底部3が形成される。そして、包装袋1の下端部には、本体部2とガセットシート31とがシールされることで形成されたガセットシール部S2が形成されている。ガセットシール部S2が形成されることで、内容物を収容した包装袋1を平面上に載置した際に、底部3(即ち、ガセット部3)が載置面に接することなく、ガセットシール部S2によって包装袋1の起立状態が維持される(即ち、ガセットシール部S2が脚部として機能する)。
【0024】
また、包装袋1における本体部2のガセットシート31よりも側方側の領域には、本体部2の対峙する内面同士がシールされた側方側シール部S3が形成されている。該側方側シール部S3は、ガセットシート31の一方向の端部よりも側方位置に上下方向に沿って形成されている。また、側方側シール部S3は、ガセットシート31の一方向の端部に沿って、具体的には、該端部の全域に沿って帯状に形成されている。
【0025】
なお、本体部2の上端側の開口部2dは、包装袋1内に内容物が収容された後、種々の方法(図示せず)で密閉される。例えば、該開口部2dを密閉するジッパー部材を開口部2dに取り付けてもよく、又は、該開口部2dをヒートシールすることによって密閉するようにしてもよい。
【0026】
次に、本実施形態に係る包装袋の製造方法を用いて、上記のような包装袋1を形成する流れについて説明する。本実施形態の製造方法では、図2に示すように、一方向が長手となるように長尺状に形成された本体シート21が使用される。また、本実施形態の製造方法では、該本体シート21が長手方向に沿って搬送されつつ包装袋1が形成される。
【0027】
また、本実施形態の製造方法では、一方向に沿って折り曲げられたガセットシート31が用いられる。具体的には、四角形状に形成されたシート体が端辺(一方向に沿った端辺)に沿って2つに折り曲げられたものや、折り曲げられた際に重なり合う端部同士を連結して筒状に形成したものが用いられる。2つ折りや筒状のガセットシート31を形成する際には、本体シート21と接する面(外側面)がシール性を有する面となるように形成される。なお、本実施形態では、筒状に形成されたガセットシート31が用いられる。かかるガセットシート31を用いることで、本体シート21上でのガセットシート31の折り曲げ状態を良好に維持することができる。
【0028】
そして、本体シート21上(具体的には、シール性を有する面上)にガセットシート31を配置する。本体シート21上にガセットシート31を配置する際には、本体シート21の一方向とガセットシート31の一方向とが略直交するように配置する。これにより、ガセットシート31を一方向に沿って折り曲げることで直線状に形成されたガセット折曲端部31aが本体シート21の一方向と略直交した状態となる。
【0029】
また、本体シート21上にガセットシート31を配置する際には、本体シート21の中央領域に配置する。該中央領域は、本体シート21を一方向に沿って折り曲げた際の折曲げ線(仮想線)L1,L1間の領域であり、包装袋1が形成された際に前側シート壁2bとなる領域である。折曲げ線L1,L1は、本体シート21上にガセットシート31が配置された状態で本体シート21が折り曲げられることによって、ガセットシート31から側方に離間した位置に形成される。また、本体シート21上にガセットシート31を配置する際には、ガセット折曲端部31aが搬送方向の上流側に位置するように配置する。
【0030】
そして、本体シート21上に配置されたガセットシート31は、本体シート21と接する面が本体シート21にシールされる。具体的には、ガセットシート31は、本体シート21と接する面の端部(ガセット折曲端部31a以外の端部)が本体シート21にシールされる。より詳しくは、ガセットシート31は、ガセット折曲端部31aに対向する一方向に沿った端部の全域と、側方の両端部の全域とが本体シート21(具体的には、前側シート壁2bとなる領域)にシールされる。そして、かかるシールを行うことで、包装袋1が形成された際の前側のガセットシール部S2が形成される。また、かかるシールを行うことで、本体シート21の搬送時にガセットシート31が本体シート21から浮き上がってしまうのを防止することができると共に、ガセットシート31を配置した際の位置決めを確実に行うことができる。
【0031】
ガセットシート31が配置された本体シート21は、折曲げ線L1,L1がガセットシート31から側方に離間するように折り曲げられて筒状に形成される。具体的には、ガセットシート31が配置された本体シート21は、搬送方向に搬送されながら、折曲げ線L1,L1の位置で折り曲げられる。そして、該本体シート21は、重なり合う端部21a,21a同士がシールされて本体シール部S1(即ち、背貼り部)が形成されることで筒状(詳しくは、扁平な筒状)に形成される。これにより、本体折曲端部2a,2a、前側シート壁2b及び後側シート壁2cが形成されてガセットシート31を内包した本体部2が形成される。
【0032】
また、折曲げ線L1,L1がガセットシート31から側方に離間するように本体シート21が折り曲げられることで、本体部2が形成された際に、本体折曲端部2aとガセットシート31(具体的には、ガセットシート31の一方向の端部)との間には、本体部2の内面同士が対峙した領域(内面対峙領域)Rが形成される。つまり、内面対峙領域Rは、本体部2の前側を形成する本体シート21と後側を形成する本体シート21との間にガセットシート31が介在していない領域である。本実施形態では、内面対峙領域Rは、本体部2の一方向に沿って、即ち、包装袋1が形成された際の上下方向に沿って帯状に形成される。また、内面対峙領域Rは、ガセットシート31の一方向の端部、本実施形態では、両端部に沿って形成される。
【0033】
ガセットシート31が内包された本体部2は、内面がガセットシート31とシールされる。具体的には、本体部2は、後側シート壁2cの内面とガセットシート31の端部(ガセット折曲端部31a以外の端部)とが所定の領域でシールされる。より詳しくは、ガセットシート31のガセット折曲端部31aに対向する位置の端部の全域と、一方向の両端部の全域とが本体シート21(具体的には、後側シート壁2cとなる領域)にシールされる。これにより、包装袋1が形成された際の後側のガセットシール部S2が形成される。
【0034】
また、後側のガセットシール部S2の形成と共に、本体折曲端部2aとガセットシート31との間の領域の本体部2の内面同士がシールされる。言い換えれば、図3に示すように、内面対峙領域Rを形成する本体部2の内面同士がシールされる。そして、このように内面対峙領域Rがシールされることによって、包装袋1が形成された際の側方側シール部S3が形成される。本実施形態では、ガセットシート31の端部と後側シート壁2cとのシール、及び、内面対峙領域Rの全域のシールとが一体的に行われることで、ガセットシール部S2及び側方側シール部S3が同時に形成される。更に、ガセットシート31におけるガセット折曲端部31aに対向する位置の端部(搬送方向下流側の端部)近傍の本体部2の内面同士が該端部に沿ってシールされる。つまり、ガセットシート31のガセット折曲端部31a以外の端部の全域に沿って本体部2の内面同士がシールされている。
【0035】
そして、上記のようにガセットシート31を内包した状態でシールされた本体部2が所定の位置で切断されることで、包装袋1が形成される。具体的には、該本体部2の一方向に直交する他方向に沿って切断されることで、包装袋1が形成される。より詳しくは、搬送方向下流側に位置するガセットシート31の端部よりも搬送方向上流側の位置と、ガセットシート31よりも搬送方向下流側の本体部2がシールされていない位置(非シール領域)との間の領域Cが他方向に沿って切除される。これにより、本体部2の一方向の一端部(搬送方向下流側の端部)にガセット部3が形成され、一方向の他端部(搬送方向上流側の端部)に開口部2dが形成された包装袋1となる。
【0036】
上記のように形成された包装袋1は、図4に示すように、内容物(図示せず)を収容した際の下端部の形状が平面視(上方から包装袋1を見た状態)において略四角形状に形成される。具体的には、包装袋1に内容物を収容することで、ガセット部3の中央領域が略四角形状の角底部32となると共に、ガセット部3の中央領域よりも本体折曲端部2a,2a側の領域が包装袋1の内側に略三角形状に折り込まれた折込部33,33となる。つまり、角底部32の対向する一対の端部(本体折曲端部2a,2aが形成された側の両端部)から起立するように折込部33,33が一対形成される。
【0037】
以上のように、本発明にかかる包装袋の製造方法によれば、包装袋を形成するに際し、ガセットシートが本体シートの折り曲げ位置と重なることがなく、確実に包装袋を形成することができると共に、本体部とガセットシートとの間の密着性に優れた包装袋を得ることができる。
【0038】
即ち、折曲げ線L1,L1がガセットシート31から側方に離間するように本体シート21を折り曲げてガセットシート31を内包する本体部2が形成されるため、ガセットシート31を本体シート21上に配置する際に位置ズレ等が生じた場合であっても、本体シート21の折り曲げ位置(即ち、折曲げ線L1,L1)にガセットシート31が重なることがなく、本体シート21の折り曲げを適切に行うことができる。このため、ガセットシート31の位置ズレ等の影響を受けることなく本体部2を確実に形成することができる。
【0039】
また、折曲げ線L1,L1がガセットシート31から側方に離間するように本体シート21が折り曲げられて本体部2が形成されるため、内面対峙領域Rは、本体シート21のみが積層された状態となっている。このため、内面対峙領域Rにおける本体部2の内面同士をシールすることで、図3に示すように、ガセットシート31の端部に内面対峙領域Rの本体部2が密着した状態となり、本体部2とガセットシート31との間の密着性を高めることができる。また、内面対峙領域Rとガセットシート31との間に空間が形成された場合には、加熱されて軟化したシール成分が空間Dに入り込んで固化するため、かかる空間Dが閉塞された状態となり、本体部2とガセットシート31との間の密着性をより高めることができる。また、内面対峙領域Rの剛性が向上するため、包装袋1に内容物が収容された際にガセットシート31近傍の形状を良好に維持することができる。
【0040】
なお、本発明に係る包装袋の製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0041】
例えば、上記実施形態では、側方側シール部S3がガセットシート31の端部に沿ってのみ形成されているが、これに限定されるものではなく、側方側シール部S3がガセット折曲端部31aよりも上端開口部2dが形成される側(搬送方向上流側)に延長されてもよい。例えば、側方側シール部S3が、本体折曲端部2aに沿って上端開口部2dに至るまで延長されてもよい。このように側方側シール部S3が形成されることで、包装袋1に内容物を収容した際に、本体折曲端部2aに沿って柱状の側方側シール部S3が形成されるため、本体部2の剛性及び強度が向上し、包装袋1を起立した状態に良好に維持することができる。
【0042】
また、ガセットシール部S2及び側方側シール部S3が形成される際に、ガセットシート31よりも搬送方向上流側であってガセットシート31の一方向の端部に隣接する領域から本体折曲端部2aに至る領域の本体部2の内面同士がガセットシール部S2及び側方側シール部S3と連続的にシールされてもよい。つまり、ガセットシール部S2におけるガセットシート31の一方向の端部に沿った領域および側方側シール部S3が本体部2の上端側の開口部2d側へ延長されてもよい。かかる領域がシールされることで、ガセットシート31と側方側シール部S3との境界部分が閉塞され、本体部2とガセットシート31との密閉性をより向上させることができる。
【0043】
また、上記実施形態では、長尺状に形成された本体シート21が用いられているが、これに限定されるものではなく、所定サイズの枚葉体状に形成された本体シートを用いてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、本体シート21が2カ所で折り曲げられて本体部2が形成されているが、これに限定されるものではなく、図5に示すように、本体シート21が1カ所で折り曲げられて(2つ折りにされて)本体部2’が形成されてもよい。具体的には、該本体部2’は、ガセットシート31を本体シート21上に配置した後、折曲げ線L1がガセットシートから側方に離間するように本体シート21を2つ折りにし、ガセットシート31よりも側方に位置する本体シート21の重なり合う端部21a,21a同士をシールすることで、本体シール部S1’が形成されて筒状に構成される。これにより、本体部2’では、本体折曲端部2aが形成された側の内面対峙領域Rと、本体シート21の重なり合う端部21a,21aによって形成された内面対峙領域R’とが形成される。また、本体部2’では、本体折曲端部2a(具体的には、内面対峙領域R)と本体シール部S1’との間にガセットシート31が位置している。
【0045】
また、上記実施形態では、ヒートシールを行うことで、各シートがシールされているが、これに限定されるものではなく、接着剤等を用いて各シートをシールするようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、本体部2は、本体シート21の重なり合う端部同士が背貼りされることで筒状に形成されているが、これに限定されるものではなく、本体シート21の重なり合う端部におけるシール性を有する面と有さない面とを対峙させた状態で、かかる面同士を接着剤等を用いて接着して筒状に形成してもよい。即ち、本体部2は、封筒貼りされることで筒状に形成されてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、本体シール部S1は、本体シート21の重なり合う端部同士が連結されて形成されているが、これに限定されるものではなく、本体シール部S1を形成する端部同士が離間した状態、或いは、端縁同士が当接させた状態で、他のシート体を用いて間接的に連結されてもよい。具体的には、一枚の他のシート体を離間した状態、又は、端縁が当接した状態の端部に重ね、該端部と他のシート体とをシールすることで、他のシート体を介して該端部同士を連結するようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、包装袋1は、ガセット部3が展開していない状態(内容物を収容していない状態)において、下端部(ガセット部3側の端部)が略四角形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、図6(a)に示すように、包装袋1の下端部の角部が所定の角度で直線状に切断されて略台形状に形成された包装袋1’としてもよい。具体的には、包装袋1’の下端部には、ガセット折曲端部31aよりも下方位置から包装袋1’の下方に向かって直線状のテーパー部4aが形成されてもよい。
或いは、図6(b)に示すように、包装袋1’のテーパー部4aを直線状に形成するのではなく、所定半径の円弧状に形成した円弧状テーパー部4bとしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1…包装袋、2…本体部、2a…本体折曲端部、2b…前側シート壁、2c…後側シート壁、2d…開口部、3…ガセット部、21…本体シート、31…ガセットシート、L1…折り曲げ位置、R…内面対峙領域、S1…本体シール部、S2…ガセットシール部、S3…側方側シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状に形成された本体シートを一方向に沿って折り曲げて端部同士を直接的又は間接的に連結して筒状に形成した本体部と、該本体部の端部に形成された開口部を閉塞すると共に本体部の内側に向かって折り込み可能に構成されたガセット部とを備える包装袋の製造方法において、
前記ガセット部を形成すべく一方向に沿って折り曲げられたガセットシートの一方向と前記本体シートの一方向とが略直交するように本体シート上にガセットシートを配置し、本体シートの折曲げ線がガセットシートから側方に離間するように本体シートを折り曲げてガセットシートを内包する本体部を形成し、ガセットシートと本体部とをシールして前記ガセット部を形成すると共に、本体部における本体シートが折り曲げられて形成された端部とガセットシートとの間の領域の本体部の内面同士をシールすることを特徴とする包装袋の製造方法。
【請求項2】
前記本体シートは、一方向に沿って2カ所で折り曲げられて前記本体部を形成するように構成されており、前記ガセットシートは、本体シートが折り曲げられた際に2カ所の折曲げ線の間に位置するように本体シート上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の包装袋の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の包装袋の製造方法を用いて形成されたことを特徴とする包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−152901(P2012−152901A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11115(P2011−11115)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(505128898)こだま産業株式会社 (2)
【出願人】(000241186)朋和産業株式会社 (73)
【出願人】(591196784)西部機械株式会社 (9)
【Fターム(参考)】