説明

包装袋

【課題】通常の熱シール条件で製造が可能な、形状保持性プラスチック線材を用いた包装袋を提供すること。
【解決手段】基材とシーラント層を少なくとも有する2枚の積層体を、シーラント層を内側にして対向させて、表面材2および裏面材3とし、一方、基材とシーラント層を少なくとも有する1枚の積層体をシーラント層を外側にして折り曲げて底材4とし、該底材4を前記表面材2と裏面材3の間に挿入して、底シール部26、サイドシール部25およびトップシール部24を形成してなる自立袋であって、トップシール部24下部に設けた開封予定線22に平行し、かつ左右両端のサイドシール部25を一部ないし全部含む矩形領域に、少なくとも表裏面材のシーラント層に接する面に、シーラント層と同系の熱可塑性樹脂層が積層されている多層構造の形状保持性プラスチック線材5を、表面材2および裏面材3のそれぞれのシーラント層との熱融着により配置した袋である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菓子、粉末状食品等の内容物を収納するための包装袋に関し、特に開口部の開口形状を保持できることにより、内容物を取り出しやすい機能を有する包装袋、もしくは本体容器に挿入して使用する付け替え容器としての機能を有する包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軟包装材料を成形してなる包装袋には、さまざまな材料構成、形状、構造のものが知られている。一般的な包装袋においては、一旦開いた開口部を開いた状態に保持する機能がなく、常に閉じようとする性質があるので、特に内容物が粉末状であり、スプーンなどを用いて取り出す必要があるような場合には、不便なものであった。
【0003】
特許文献1に記載された出願人の出願になるカップ機能を持つ包装容器は、プラスチックフィルムあるいはプラスチックとその他の基材複合フィルムをヒートシールして形成される包装容器の開口側に切込部を設け、該切込部から開封される開封部に沿って下側に塑性変形性の口金を設けてなるカップ機能を持つ包装容器である。
【0004】
特許文献1に記載された包装容器は、開口部に塑性変形性の口金を有するので、開口部を開いたままの状態に保持することが可能であり、包装容器に直接口を付けて内容物を摂取するような場合にカップとしての機能を発揮するものである。
【0005】
特許文献1には、塑性変形性の口金の材質として、硬質アルミ等の金属薄板あるいは合成樹脂等の塑性変形性の材料を用いると記載されているが、一般的にこれらの材料を包装袋を構成する軟包装材料に固着することは、容易ではなく、特殊な接着手段を用いる必要があるため、製造工程が煩雑であり、従って包装容器は高価なものとなり、実用上の観点からは、問題があった。また口金の材質として金属を用いた場合には、廃棄処理段階において、分別の手間がかかるという問題もあった。
【0006】
特許文献2に記載された同じく出願人の出願になる包装袋は、少なくとも、基材層、シーラント層を有する積層材料からなり、袋本体部の一辺に未シール部を有する包装袋の片側内面又は両側内面の未シール部に近接する位置に、所定形状の形状保持性プラスチック線材を未シール部と平行に熱融着したものからなることを特徴とする包装袋である。
【0007】
この包装袋は、形状保持性プラスチック線材を袋の巾方向の全面ではなく一部分に配置するものであるため、製袋工程において、線材を配置するのに困難性があった。また線材が巾方向全長に亘っていないため、開口部を大きく開くことができず、開口部の形状に制約が発生し、付け替え容器に用いようとした場合、本体容器の形状が限定されるという問題があった。
【0008】
また特許文献3に記載された同じく出願人の出願になるチャック付きパウチは、外側面から少なくとも、フィルム基材層とシーラント層とを積層してなる積層材料からなり、該シーラント層同士を対向させて重ね合わせた2枚の積層材料の左右の端縁部および上下の端縁部がパウチ状に熱融着され、且つ該パウチの開口部となる上下の端縁部の一方の端縁部のシール部の内側近傍に、該パウチの開封手段として、切り取り線とその両端にノッチ部が設けられ、さらに該切り取り線の内側近傍の内面に開閉自在なチャックが設けられているチャック付きパウチにおいて、前記チャックが形状記憶性能を有する線状樹脂からなることを特徴とするチャック付きパウチである。
【0009】
特許文献2に記載された包装袋も、特許文献3に記載されたチャック付きパウチも目的とするところは、開封部の開口状態を保持することであり、その目的は、ある程度達成されており、内容物の取り出し性が向上している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実開昭56-75144号公報
【特許文献2】特開2008-105679号公報
【特許文献3】特開2008-222287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に記載された塑性変形性の合成樹脂や、特許文献2に記載された形状保持性プラスチック線材、あるいは特許文献3に記載された形状記憶性能を有する線状樹脂は、いずれも溶融温度が高いものであるため、一般的な軟包装材料のシーラント層として用いられる熱可塑性樹脂層と熱溶融によって溶着しようとすると、軟包装材料に皺が入ったり、極端な場合には、包装材料が溶融して破断してしまうという問題が生じ易く、極めて作業性が悪かった。
【0012】
本発明の解決しようとする課題は、形状保持性プラスチック材料を用いた包装袋における従来の問題を解決し、通常の熱シール条件で製造が可能な、形状保持性プラスチック線材を用いた包装袋を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、基材とシーラント層を少なくとも有する2枚の積層体を、それぞれのシーラント層を内側にして対向させて、表面材および裏面材とし、一方、基材とシーラント層を少なくとも有する1枚の積層体をシーラント層を外側にして折り曲げて底材とし、該底材を前記表面材と裏面材の間に挿入して、底シール部、サイドシール部およびトップシール部を形成してなる自立袋であって、トップシール部下部に設けた開封予定線に沿って切り取ることにより、開口部を形成し、該開封予定線に平行し、かつ表面材および裏面材の、左右両端のサイドシール部を一部ないし全部含む矩形領域に、少なくとも表裏面材のシーラント層に接する面に、シーラント層と同系の熱可塑性樹脂層が積層されている多層構造の形状保持性プラスチック線材を、表面材および裏面材のそれぞれのシーラント層との熱融着により配置したことを特徴とする包装袋である。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、前記表面材のシーラント層に配置された形状保持性プラスチック線材と、前記裏面材のシーラント層に配置された形状保持性プラスチック線材とは、重なり合わない位置に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の包装袋である。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、包装袋の開口部の開口を保持した状態で本体容器に挿入して使用する付け替え容器であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る包装袋は、基材とシーラント層を少なくとも有する積層体からなる自立袋において、開封予定線に平行し、かつ表面材および裏面材の、左右両端のサイドシール部を一部ないし全部含む矩形領域に、形状保持性プラスチック線材を配置したので、開封後に開口部を開いた状態で保持することが可能であり、内容物の取り出し時の操作性が良好
である。
【0017】
また形状保持性プラスチック線材は、表面材および裏面材のそれぞれのシーラント層との熱融着により配置したものであるから、接着剤を用いた従来の方法に比較して、生産性が良く、製造コストを低く抑えることができる。
【0018】
また、形状保持性プラスチック線材は多層構造体であり、少なくとも表裏面材のシーラント層に接する面に、シーラント層と同系の熱可塑性樹脂層が積層されているものであるから、形状保持性プラスチック線材を表裏面材に取り付けるに当って、包装袋のシール部をシールする通常のシール条件と大きく異なることのないシール条件で熱融着することが可能であり、製造工程上極めて有利である。
【0019】
また、表面材のシーラント層に配置された形状保持性プラスチック線材と、裏面材のシーラント層に配置された形状保持性プラスチック線材とが、重なり合わない位置に配置されている場合には、表裏面材に取り付けられた形状保持性プラスチック線材が重なり合って包装袋の厚さが極端に厚くなることが避けられるため、未充填の包装袋を運搬するような場合の梱包のし易さ、輸送効率の良さといった面で、利点がある。
【0020】
また本発明に係る包装袋は、包装袋の開口部の開口を保持した状態で本体容器に挿入して使用することができるので、付け替え容器として使用する用途に対して好適に使用できる。
【0021】
使用後の包装袋は、金属線材を使用していないことから、分別廃棄する必要もなく、折り畳んで減容化して廃棄することができ、環境適合性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明に係る包装袋の一実施態様を示した模式図である。
【図2】図2は、図1のA−A’断面を示した断面模式図である。
【図3】図3は、本発明に係る包装袋における形状保持性プラスチック線材の配置を示した断面説明図である。
【図4】図4は、本発明に係る包装袋の他の実施態様を示した模式図である。
【図5】図5は、図4のB−B’断面を示した断面模式図である。
【図6】図6は、本発明に係る包装袋を用いた付け替え容器の例を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下図面に従って、本発明に係る包装袋について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る包装袋1の一実施態様を示した模式図であり、図2は、図1のA−A’断面を示した断面模式図である。また図3は、本発明に係る包装袋1における形状保持性プラスチック線材5の配置を示した断面説明図である。
【0024】
本発明に係る包装袋1は、基材11とシーラント層12を少なくとも有する2枚の積層体10を、それぞれのシーラント層12を内側にして対向させて、表面材2および裏面材3とし、一方、基材とシーラント層を少なくとも有する1枚の積層体をシーラント層を外側にして折り曲げて底材4とし、底材4を表面材2と裏面材3の間に挿入して、底シール
部26、サイドシール部25およびトップシール部24を形成してなる自立袋である。
【0025】
本発明に係る包装袋1は、トップシール部24の下部に設けた開封予定線22に沿って切り取ることにより、開口部21を形成し、開封予定線22に平行し、かつ表面材2および裏面材3の、左右両端のサイドシール部25を一部ないし全部含む矩形領域に、少なくとも表裏面材のシーラント層12に接する面に、シーラント層12と同系の熱可塑性樹脂層14が積層されている多層構造の形状保持性プラスチック線材5を、表面材2および裏面材3のそれぞれのシーラント層12との熱融着により配置したことを特徴とする。
【0026】
図3に示したように、本発明に係る包装袋に用いる形状保持性プラスチック線材5は、形状保持性プラスチック13に、シーラント層12と同系の熱可塑性樹脂層14を貼り合わせた多層構造を有する。このため、包装袋を形成する積層体10のシーラント層12と、この熱可塑性樹脂層14とは、通常の熱融着条件で容易に熱融着可能であり、特別に高温、高圧の条件をとる必要がないため、積層体10に皺が入ったり、積層体10が溶融して変形したりする怖れがない。
【0027】
本発明に係る包装袋1は、開口部21の直近に形状保持性プラスチック線材5を配置したことにより、開口部21を大きく開いた状態に保持することが容易に可能となる。また形状保持性プラスチック線材5を左右両端のサイドシール部25を一部ないし全部含む矩形領域に、配置したことにより、サイドシール部25を含まない中央部のみに配置した場合に比較して、開口部21の開口性が高まった。
【0028】
形状保持性を有する形状保持性プラスチック13としては、高度に延伸した高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)が知られており、三井化学社製延伸HDPE(商品名)テクノロートや、積水成形工業社製(商品名)フォルテなどが上市されている。
【0029】
形状保持性プラスチック13に、熱可塑性樹脂層14を貼り合わせる方法としては、公知のドライラミネート接着法を用いることができる。貼り合わせた材料は、所定の巾にスリットしてテープ状に加工し、包装袋を成形する製袋工程において、積層体10と貼り合わせることができる。
【0030】
開封予定線22は、開封ノッチ23を延長した仮想的な線であって特に具体的な形がない場合もあるし、印刷によって表示がなされる場合もある。また物理的に浅い傷を付けたり、レーザーによるハーフカット加工を施すこともできる。
【0031】
本発明に係る包装袋1に用いる積層体10としては、一般的に軟包装袋に使用される材料を使用することができる。基材11としては、1層ないしは数層からなる紙や金属箔や合成樹脂フィルムを使用する。一例を挙げれば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリオレフィン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル系樹脂、セロハン、三酢酸セルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂(EVA)、アイオノマー樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂等の合成樹脂フィルムおよび紙、金属箔等が単体または、複合して使用される。基材11には、必要に応じて印刷層や接着剤層が含まれる。
【0032】
紙としては、上質紙、片アート紙、コート紙、キャストコート紙、模造紙などを用いることができる。環境配慮の点からも、紙を用いることは有効である。
【0033】
基材11には、ガスバリア性を付与するために、前述の金属箔の他、公知のガスバリア性フィルムや、無機物蒸着フィルム等を付加してもよい。
【0034】
シーラント層12としては、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂などが使用される。またこれらの樹脂を複合した多層フィルムが使用されることもある。
【0035】
積層体の具体的な構成例としては、PET/印刷層/接着剤層/延伸ポリアミド樹脂フィルム(以下ONYと略す)/接着剤層/LLDPEからなる構成のフィルムや、ONY/接着剤層/LLDPE、ONY/接着剤層/ONY/接着剤層/LLDPE、紙/LDPE/アルミニウム箔/LDPE、紙/LDPEなどが挙げられる。
【0036】
図4は、本発明に係る包装袋の他の実施態様を示した模式図である。また図5は、図4のB−B’断面を示した断面模式図である。図4、5に示した実施態様においては、表面材2のシーラント層12に配置された形状保持性プラスチック線材5と、裏面材3のシーラント層12に配置された形状保持性プラスチック線材5とが、重なり合わない位置に配置されたことを特徴とする。このようにすることにより、形状保持性プラスチック線材5同士が重なり合うことがなく、包装袋1が嵩張らなくて済むという特徴がある。このため、内容物を充填する前の包装袋1を輸送する場合や、充填機にセットする場合に、輸送効率やスペース効率の点で利点が生じる。
【0037】
図6は、本発明に係る包装袋1を用いた付け替え容器の例を示した模式図である。この例は、乳幼児用の粉ミルクの容器であり、金属製の本体容器30と蓋31を有し、内部に付け替え容器として本発明に係る包装袋1を収納できるようになっている。包装袋1は、開口部21の直近に形状保持性プラスチック線材5が配置されているので、開封後に開口部21を本体容器30の開口部に合わせて大きく開いた状態に保持することができ、内容物32を取り出しやすい特徴がある。
以下実施例に従って、本発明に係る包装袋について、さらに具体的に説明する。
【実施例1】
【0038】
包装袋1を構成する積層体10として、以下の構成の積層フィルムを作成した。
基材11:ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム(厚さ12μm)/印刷インキ/ドライラミネート接着剤/アルミニウム箔(厚さ7μm)
シーラント層12:線状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂(厚さ70μm)
基材とシーラント層の貼り合わせ:ドライラミネート接着剤
形状保持性プラスチック線材5として、以下の構成の材料を作成した。
形状保持性プラスチック:超延伸高密度ポリエチレン樹脂(積水成型工業社製フォルテ、厚さ400μm)
熱可塑性樹脂:LLDPE(厚さ30μm)
貼り合わせ:ドライラミネート接着剤
<製造工程>
1、PETフィルムの処理面に絵柄印刷加工を行った。
2、ドライラミネーション法で1のPETフィルムの印刷面とアルミニウム箔をラミネート加工し、更にアルミニウム箔とシーラント層のコロナ処理面をドライラミネート加工し
た。
3、形状保持性プラスチックシートとLLDPEをドライラミネートした後、巾6mmにスリット加工して、形状保持性プラスチック線材5を得た。
4、2で得られた積層体を表面材2、裏面材3、底材4とし、底材およびチャック挿入が可能な3方シール製袋機にて表裏面材2、3の間に底材4と形状保持性プラスチック線材5を挿入し、熱接着しながら実施例1のスタンディングパウチを得た。
【0039】
<比較例1>
製袋工程において形状保持性プラスチック線材を挿入しない以外は、実施例1と同様にしてスタンディングパウチを作成した。
【0040】
<比較例2>
製袋工程において、形状保持性プラスチック線材を挿入する際、サイドシール部を含まない領域に線材を挿入した以外は、実施例1と同様にしてスタンディングパウチを作成した。
【0041】
以上によって得られた各包装袋に下記内容物を充填し、実使用適性を評価した。
(a)スナック菓子を充填して密封。これを密封シール部を切り取り開封し、内容物の取り出しやすさを評価した。
(b)幼児用粉ミルクを充填して密封。これを密封シール部を切り取り開封し、図6に示したように本体容器30である金属缶に袋ごと挿入。計量スプーンで袋の中からミルクをすくい取る際の取り出しやすさを評価した。
【0042】
【表1】

【0043】
表1の結果から分かるように、本発明に係る包装袋は、開封部の開口性を保持できることから、中身の取出し適性を付与することができ、スナック菓子、粉末状食品等の食品を主としたあらゆる内容物の包装袋として、またカップ容器の代替容器として、優れている。また使用途中で再封したい場合は再び開封部を閉じて保存容器として使用することができる。
【0044】
また本体容器への付け替え容器として、本体容器の中に本包装袋を挿入する場合、開封部を本体容器の内壁に密着させることにより、内容物の取り出し適性を付与することができる。これにより、本体容器に内容物を直接詰め替えることが衛生性の面から懸念される幼児用粉ミルクや、その他粉末状清涼飲料等の付け替え容器化が可能となり、本体容器からの減容化、ハンドリング適性の向上を付与することができる。
【符号の説明】
【0045】
1・・・包装袋
2・・・表面材
3・・・裏面材
4・・・底材
5・・・形状保持性プラスチック線材
10・・・積層体
11・・・基材
12・・・シーラント層
13・・・形状保持性プラスチック
14・・・熱可塑性樹脂層
21・・・開口部
22・・・開封予定線
23・・・開封ノッチ
24・・・トップシール部
25・・・サイドシール部
26・・・底シール部
30・・・本体容器
31・・・蓋
32・・・内容物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材とシーラント層を少なくとも有する2枚の積層体を、それぞれのシーラント層を内側にして対向させて、表面材および裏面材とし、一方、基材とシーラント層を少なくとも有する1枚の積層体をシーラント層を外側にして折り曲げて底材とし、該底材を前記表面材と裏面材の間に挿入して、底シール部、サイドシール部およびトップシール部を形成してなる自立袋であって、トップシール部下部に設けた開封予定線に沿って切り取ることにより、開口部を形成し、該開封予定線に平行し、かつ表面材および裏面材の、左右両端のサイドシール部を一部ないし全部含む矩形領域に、少なくとも表裏面材のシーラント層に接する面に、シーラント層と同系の熱可塑性樹脂層が積層されている多層構造の形状保持性プラスチック線材を、表面材および裏面材のそれぞれのシーラント層との熱融着により配置したことを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記表面材のシーラント層に配置された形状保持性プラスチック線材と、前記裏面材のシーラント層に配置された形状保持性プラスチック線材とは、重なり合わない位置に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
包装袋の開口部の開口を保持した状態で本体容器に挿入して使用する付け替え容器であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−25453(P2012−25453A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−167167(P2010−167167)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】