説明

包装装置

【課題】包装装置におけるフォーマの被包装物挿入口への被包装物の挿入が円滑に行われる包装装置の提供。
【解決手段】フォーマの挿入口7の両側に左挿入ガイド2と右挿入ガイド3を配置する。各挿入ガイド2,3は後方壁4、側方壁5、前方壁6とからなり、側方壁5は上に行くにつれて外側に間隔が広くなる逆ハの字状に傾斜させ、前方壁6は後方壁4より低くしてその上端部は手前側に傾斜させ、前方からの被包装物の挿入を容易にする。左右の挿入ガイド2,3はガイド取付け部材12によって後方に固定されている水平部材10に取付けつまみのねじとナットによって取り付ける。取付け穴は長穴11として水平方向の移動調節ができるようにして、被包装物の幅に合わせられるようにする。水平部材10は支柱8に取り外し可能に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールから連続供給された樹脂フィルムシートが両側から折りたたみに形成されたその中へ被包装物を挿入し被包装物の前後で樹脂フィルムシートを熱溶着して包装する包装装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
このような包装装置としては図3に示されるようなフォーマに、図4に示されるように樹脂フィルムシート15を掛け渡して折り合わせシート18を形成し、その挿入口7から被包装物を挿入し、被包装物の前後の位置でフィルムシートを熱溶着し包装する包装装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図3のフォーマは(a)のような金属板17を点線に沿って手前側に180度折り曲げたもので、(b)は折り曲げた後の上から見た図、(c)は前面から見た図、(d)は下から見た図である。(c)の中央逆三角形の部分が被包装物の挿入口7となる。このようなフォーマに、図4の(a)に示すように背面下方から(b)に示す一枚物の樹脂フィルムシート15を挿入口7へ掛け渡して挿入口7へ入れ下方へ引き込むと断面が(c)に示すような折り合わせシート18となる。
【0004】
従って、このように樹脂フィルムシート15が掛け渡された状態で挿入口7から被包装物を挿入すると、丁度、樹脂フィルムシート15に両側からくるまれたようになる。この状態で折り合わせシート18の、被包装物の上側部分と下側部分を熱溶着すると被包装物は折り合わせシート18で包装されることになる。
そして、挿入口7の幅は、包装した後包装フィルムシートの幅が被包装物の幅より大きくてだぶつくことにならないように、被包装物の幅よりわずか大きめに設定されている。挿入口7への被包装物の挿入は手作業で行われる。
【特許文献1】特願2005−115621号(図1,図6,図8,図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のようにフォーマの挿入口は被包装物の幅に対して余裕が少ないから、被包装物を挿入しようとした場合、挿入口の縁に当ったり、また、挿入はしたとしても斜めになっていたりすると被包装物の角が樹脂フィルムシートに引っ掛るなどして被包装物を挿入しにくいという問題がある。
【0006】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点に鑑みて、フォーマの挿入口部分に挿入ガイドを設けることにより、挿入作業が円滑になる包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の各手段構成を有する。
本発明の第1の構成(基本構成)は、被包装物を挿入する挿入口の後ろ外側下方から連続供給されるフィルムシートが挿入口内側へ引き込まれフィルムシートの幅方向の両側から被包装物を包むようにフィルムシートを折り返し両側縁を重ね合わせるフォーマを有し、包まれた被包装物の上側と下側でフィルムシートを熱溶着部により溶着する包装装置において、フォーマの挿入口部分の幅方向で互いに向き合い高くなるにつれて間隔が広くなるように幅方向外側へ傾斜している挿入ガイドを有することを特徴とする包装装置である。
【0008】
本発明の第2の構成は前記第1の構成において、各挿入ガイドが後方壁と前方壁とを有し、前方壁が後方壁より低いことを特徴とする包装装置である。
【0009】
本発明の第3の構成は前記第2の構成において、各挿入ガイドの前方壁の上部が前側に傾斜していることを特徴とする包装装置である。
【0010】
本発明の第4の構成は、前記第2の構成又は第3の構成において、各挿入ガイドの下部が、熱溶着部に達しない範囲で挿入口から下方へ延びていることを特徴とする包装装置である。
【0011】
本発明の第5の構成は、前記第1の構成ないし第4の構成のいずれか1つの構成において、向い合った挿入ガイドが水平移動することによりその間隔が調節できるように水平部材に取り付けられていることを特徴とする包装装置である。
【0012】
本発明の第6の構成は前記第5の構成において、水平部材が取り外し可能であるように取り付けられていることを特徴とする包装装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の構成(基本構成)では、フォーマの挿入口部分に幅方向で互いに向き合い上に行くにつれて間隔が広くなるように幅方向外側へ傾斜している挿入ガイドを有しているので、被包装物を挿入口へ挿入する際、挿入口の縁に当ったり、挿入しても斜めになって被包装物の角が樹脂フィルムシートに引っ掛ったりすることがなくなり挿入がし易くなるという利点がある。
【0014】
第2の構成においては、挿入ガイドの前方壁が後方壁より低くなっているので挿入口前側からの挿入が同じ高さの場合よりも行い易いという利点がある。
【0015】
第3の構成は、前方壁の上部が前側に傾斜しているので傾斜していない場合よりも一層挿入し易くなる。
【0016】
第4の構成においては、挿入ガイドの下部が挿入口から下方へ延びているので、被包装物が薄い紙1枚のような場合でも、樹脂フィルムシートに付着したり引っ掛ったりすることなく樹脂フィルムシートの中へ挿入することができるという利点がある。
【0017】
第5の構成は、向い合っている各挿入ガイドが、水平部材に水平移動可能なように取り付けられているので、被包装物の幅に合わせて挿入ガイドの間隔を調整することができるという利点がある。
【0018】
第6の構成は、水平部材が取り外し可能なように取り付けられているので、樹脂フィルムシートを最初にフォーマに掛け渡しセットするときに挿入ガイドを外した状態ででき掛け渡しが行い易くなるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明においては、左右の挿入ガイドそれぞれが側方壁、後方壁および前方壁を有し、前方壁と後方壁とでは高さは前者の方が低く、幅は後者の方が広く、後方壁と側方壁の高さは同じ位にするのが最良である。
【0020】
また、挿入ガイドの水平部材への取り付けはつまみ等の付いたねじ止めとし、水平部材のねじ貫通孔は水平方向に長穴とし、ねじを緩めると水平方向に移動可能なようにするのが最良である。
更に、水平部材の取り付けは、嵌め込み式或いは簡単なねじ止めとし、挿入ガイドが取り付けられたまま取り付け取り外しができるようにするのが最良である。
挿入ガイドの各壁の内面は被包装物が滑り易い材質或いは表面処理したものが望ましい。
【実施例】
【0021】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は、包装装置のフォーマの挿入口部分に挿入ガイドを装着した状態の前面側斜視図である。
図2は、図1の背面斜視図である。
図1におけるフォーマ1の中央部の逆三角部分が被包装物の挿入口7となる。この挿入口7の左寄りに左挿入ガイド2が設けられ、右寄りに右挿入ガイド3が設けられている。両者は向き合うように配置されている。いずれの挿入ガイドも後方壁4、側方壁5、前方壁6から構成されている。
【0022】
側方壁5は外側へ傾斜しており逆ハの字状になっている。従って、側方壁5の上辺同士の間隔は挿入口7の幅よりも広くなっており、被包装物の挿入が行い易くなっている。
被包装物の挿入は前面側から手作業で行われる。その挿入が行い易くなるように前方壁6を後方壁4よりも低くし、前方壁の上端部分を前側に傾斜させている。後方壁4は垂直のままである。
【0023】
このような構造にすることにより前面側から被包装物を挿入口7へ挿入する作業が非常に行い易くなる。
被包装物を挿入口7へガイドするだけならば、挿入ガイドの下方の長さは、挿入口の上部で重なる程度で、挿入の容易性は充分得られる。しかし、被包装物が紙1枚であるとか、1枚でなくともピンとしていない腰の弱いものである場合には、挿入口7に対する位置関係のみをガイドしても、フォーマ1に掛って折り合わさっている樹脂フィルムシートの中へ自重だけでは下がっていかないし、それを手作業で押し込もうとしてもシートに付着したり引っ掛ったりして中へ入りにくい場合が起る。
【0024】
そのため本実施例では、左右の挿入ガイド2,3を図示されていない熱溶着部に達しない範囲で下方へ延ばしている。これにより、腰の弱い被包装物であっても、1つ前の包装工程で熱溶着されたフィルムシートの溶着部分まで達することができることになる。
このような左右の挿入ガイド2,3はガイド取付け部材12によって、後方に設けられている水平部材10に取り付けられている。その取り付け構造が図2に示されている。
【0025】
ガイド取付け部材12は、左右の挿入ガイド2,3に固着されて後に延びて水平に折れ曲がった部分に取付けつまみ14が設けられており、このつまみのねじが水平部材10の長穴11を貫通して下方でナット締めになるようになっていることにより、左右の挿入ガイド2,3が固定されるようになっている。取付けつまみ14を緩めると長穴11の範囲で水平方向に移動させることができる。
従って、被包装物の幅が変わった場合にはその幅に合わせて左右の挿入ガイド2,3の間隔を調整することができる。丁度合ったところで取付けつまみ14を締め付けることによりそこで固定することができる。
【0026】
そして、水平部材10は、その両端位置で包装装置の筐体に立設された支柱8,8につまみねじ9,9で固定されている。このつまみねじ9,9を外すと水平部材10は左右の挿入ガイド2,3を付けたまま外すことができる。
これは、シートロール13から樹脂フィルムシート15を引き出してコロ16を経由してフォーマ1に掛け渡す際に水平部材10や左右の挿入ガイド2,3が実装されたままだと作業が行いにくいので、水平部材10、左右の挿入ガイド2,3を外せるようにして置くことは利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明包装装置のフォーマの挿入口部分に挿入ガイドを装着した状態の前面側斜視図である。
【図2】図1の背面側斜視図である。
【図3】包装装置のフォーマの展開図および構造図である。
【図4】帯状の樹脂フィルムシートが図3のフォーマで折り合わせシートになる状況を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
1 フォーマ
2 左挿入ガイド
3 右挿入ガイド
4 後方壁
5 側方壁
6 前方壁
7 挿入口
8 支柱
9 つまみねじ
10 水平部材
11 長穴
12 ガイド取付け部材
13 シートロール
14 取付けつまみ
15 樹脂フィルムシート
16 コロ
17 金属板
18 折り合わせシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を挿入する挿入口の後ろ外側下方から連続供給されるフィルムシートが挿入口内側へ引き込まれフィルムシートの幅方向の両側から被包装物を包むようにフィルムシートを折り返し両側縁を重ね合わせるフォーマを有し、包まれた被包装物の上側と下側でフィルムシートを熱溶着部により溶着する包装装置において、フォーマの挿入口部分の幅方向で互いに向き合い高くなるにつれて間隔が広くなるように幅方向外側へ傾斜している挿入ガイドを有することを特徴とする包装装置。
【請求項2】
各挿入ガイドが後方壁と前方壁とを有し、前方壁が後方壁より低いことを特徴とする請求項1記載の包装装置。
【請求項3】
各挿入ガイドの前方壁の上部が前側に傾斜していることを特徴とする請求項2記載の包装装置。
【請求項4】
各挿入ガイドの下部が、熱溶着部に達しない範囲で挿入口から下方へ延びていることを特徴とする請求項2又は3に記載の包装装置。
【請求項5】
向い合った挿入ガイドが水平移動することによりその間隔が調節できるように水平部材に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の包装装置。
【請求項6】
水平部材が取り外し可能であるように取り付けられていることを特徴とする請求項5記載の包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−284101(P2007−284101A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−113003(P2006−113003)
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【出願人】(000109727)株式会社デュプロ (195)
【出願人】(504025918)株式会社ユウコス (11)
【Fターム(参考)】