説明

包装飯塊及びその包装を解く方法

【課題】より簡単な方法で飯塊の包装を解くことのできる包装飯塊及びその包装を解く方法を明らかにする。
【解決手段】飯塊6を包装シート1で包んでなる包装飯塊であって、包装シート1は、展開状態にて、長方形の外フィルム2と該外フィルム2の裏面側に配備された内フィルム3との間にシート状食品4を挟んで構成され、外フィルム2は、長さ方向の略中央に幅方向に延びる分断可能部21を有し、内フィルム3は、2枚のフィルム片31,31を外フィルム2の長さ方向の略中央部で重ね合わせ、シート状食品4の周縁にて外フィルム2と溶着して構成され、飯塊6は扁平形状に形成され、前記包装シート1の内フィルム3上に飯塊6を載せ、飯塊6の周面が内フィルム3及びシート状食品4を介して外フィルム2の分断可能部21と対向するように、包装シート1で飯塊6を包み、包装シート1の端部を止着手段5により封止してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内フィルムと外フィルムとの間にシート状食品を挟んで形成した包装シートによって飯塊を包装した包装飯塊及びその包装を解く方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
三角おにぎり飯等の飯塊を包装シートで包装した所謂包装飯塊がコンビニエンスストア等で販売されている。
包装シートは、外フィルムと内フィルムとの間にシート状海苔を挟んで形成した、三重構造の包装シートが広く知られている。
例えば、特許文献1では、包装シートを、幅方向の中央部に長手方向に分断するための分断可能部を有する外フィルムに、2枚の縦長のフィルム片からなる内フィルムを夫々外フィルムの幅方向の各端部に熱溶着し、フィルム片の内端どうしを外フィルムの分断可能部上で重ねて構成している。
【0003】
上記構成の包装シートで三角形の飯塊を包むには、包装シートの長手方向の中央に飯塊を載せ、包装シートの一端側が飯塊を覆うように飯塊に被せて、被せた包装シートの角部を三角おにぎり飯の両三角面に沿うように折り曲げ、その上から包装シートの他端側の角部を一端側の外フィルム上で交差するように被せて、重なった外フィルムの端部を接着や溶着等により封止している。
【0004】
上記包装飯塊を食するには、三角形の飯塊の頂部に位置する外フィルムの分断可能部を摘んで長手方向に外フィルムを2分し、左右に分断された包装シートの一方を外側に引っ張る。これにより、外フィルムの半体と内フィルムのフィルム片が一緒に引っ張り出される。
次に、残りの外フィルムの半体と内フィルムの他方のフィルム片を反対側の外側に引っ張ることで、飯塊にシート状海苔が直に被さった状態で残り、これを食することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−159271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の包装飯塊は、上記のように、包装を解く際に、分断可能部による外フィルムの分断するステップ、一方の外フィルムの半体と内フィルムのフィルム片を引っ張り出すステップ、他方の外フィルムの半体と内フィルムのフィルム片を引っ張り出すステップの3ステップが必要となる。
【0007】
特に、子どもや年配の方には、上記3ステップを順序よくスムーズに行なうことが困難であり、より簡単に包装を解くことのできる包装飯塊への要請がある。
【0008】
本発明は、より簡単な方法で飯塊の包装を解くことのできる包装飯塊及びその包装を解く方法を明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の包装飯塊は、
飯塊(6)を包装シート(1)で包んでなる包装飯塊であって、
包装シート(1)は、展開状態にて、長方形の外フィルム(2)と該外フィルム(2)の裏面側に配備された内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟んで構成され、外フィルム(2)は、長さ方向の略中央に幅方向に延びる分断可能部(21)を有し、内フィルム(3)は、2枚のフィルム片(31)(31)を外フィルム(2)の長さ方向の略中央部で重ね合わせ、シート状食品(4)の周縁にて外フィルム(2)と溶着して構成され、
飯塊(6)は、扁平形状に形成され、
前記包装シート(1)の内フィルム(3)上に飯塊(6)を載せ、飯塊(6)の周面が内フィルム(3)及びシート状食品(4)を介して外フィルム(2)の分断可能部(21)と対向するように、包装シート(1)で飯塊(6)を包み、包装シート(1)の端部を止着手段(5)により封止してなる。
【0010】
なお、望ましくは、分断可能部は(21)は、飯塊(6)の幅と略同じ間隔で2列形成する。
【0011】
また、本発明の包装飯塊の包装を解く方法は、上記包装飯塊について、分断可能部(21)を引っ張って外フィルム(2)を幅方向に分断し、分断により外フィルム(2)に形成された切り口(25)を下向きとすることにより、自重によって飯塊(6)がシート状食品(4)を外フィルム(2)と内フィルム(3)の間から引き出しつつ、シート状食品(4)に飯塊(6)が包まれた状態で落下するようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の包装飯塊は、上記の如く、分断可能部(21)を引っ張って外フィルム(2)を幅方向に分断し、形成された切り口(25)を下向きとするだけで、自重によってシート状食品(4)に包まれた飯塊(6)を取り出すことができる。
従って、従来のように複雑なステップを必要とせず、極めて容易に包装飯塊の包装を解くことができる。
上記のように、包装を解く方法がわかり易いから、子どもや年配の方も容易に包装飯塊の包装を解いて食すことができる。
【0013】
特に、分断可能部(21)を飯塊(6)の幅と略同じ間隔で2列形成することにより、分断可能部(21)を取り去った後の切り口(25)を大きくすることができるから、飯塊(6)をよりスムーズに落下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の飯塊を包装する包装シートの分解斜視図である。
【図2】包装シートに飯塊を載せた状態を示す斜視図である。
【図3】図2の線A−Aに沿う包装シートの断面図である。
【図4】包装シートで飯塊を包装する手順を示す斜視図である。
【図5】包装シートで飯塊を包装する手順を示す斜視図である。
【図6】包装シートで飯塊を包装した包装飯塊の斜視図である。
【図7】図6の線B−Bに沿う包装飯塊の断面図である。
【図8】本発明の包装飯塊の包装を解く手順を示す斜視図であって、分断可能部を取り去った状態を示している。
【図9】包装シートからシート状食品に包まれた飯塊が落下している状態を示す斜視図である。
【図10】包装が解かれて直にシート状食品が飯塊に被さった状態の斜視図である。
【図11】カットテープの端部を上側に折り込んで、止着手段で封止した包装飯塊の斜視図である。
【図12】本発明の包装シートを用いて、飯塊を袋状に包装した包装飯塊の斜視図である。
【図13】本発明の異なる実施例であって、分断可能部を2列にした包装シートの斜視図である。
【図14】図13の包装シートにより飯塊を包装した包装飯塊を示す斜視図である。
【図15】図14に示した包装飯塊の包装を解く手順を示す斜視図であって、分断可能部を取り去った状態を示している。
【図16】分断可能部を2列形成した包装シートの切込みの異なる実施例を示す分解斜視図である。
【図17】図13に示す包装シートを用いて、飯塊を袋状に包装した包装飯塊の斜視図である。
【図18】図12及び図17に示した袋状に包装した包装飯塊に用いられる飯塊の他の事例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について、図面を参照しながら説明を行なう。
図1乃至図3に示すように、包装シート(1)は、長方形で透明な外フィルム(2)と、外フィルム(2)の長手方向となる長辺の略半分の長さのフィルム片(31)(31)からなる内フィルム(3)との間に、略長方形のシート状食品(4)を挟んで形成される。
【0016】
外フィルム(2)は、本実施例では縦長のフィルムであって、長手方向の長さが約24cm、幅方向の長さ約14cmである。外フィルム(2)には、長手方向の中央部に、外フィルム(2)を全長に亘って幅方向に分断することのできる分断可能部(21)を有している。
【0017】
実施例の分断可能部(21)は、カットテープ(22)を外フィルム(2)の幅方向の全長に亘って接着したものである。カットテープ(22)の一端を引っ張ると外フィルム(2)をテープ方向に沿って裂くことができる。
【0018】
外フィルム(2)の一端又は両端には、カットテープ(22)の外側に、カットテープ(22)に接近してカットテープ(22)と平行に短く平行に切込み(23)(23)を施すことが望ましい。これにより、切込み(23)(23)間を摘んでカットテープ(22)を引っ張ることで、外フィルム(2)を分断することができる。
【0019】
内フィルム(3)は、同形の2枚のフィルム片(31)(31)で構成され、互いの内側縁を前記外フィルム(2)の分断可能部(21)上で、約1cmの重なり幅で重ねている。
即ち、本実施例では、各フィルム片(31)(31)は、外フィルム(2)の長手方向に約12.5cm、幅方向は外フィルム(2)と同じ約14cmである。
【0020】
内フィルム(3)は、飯粒が付着し難い材料のフィルムを用いることが望ましい。例えば、内フィルム(3)(フィルム片(31)(31))は、凹部と凸部が均一に分布したエンボスフィルムを用いることができる。エンボスフィルムを用いることにより、飯塊(6)からの乖離性を高めることができ、内フィルム(3)等に飯粒が付着することを防止できる。
【0021】
シート状食品(4)は、実施例ではシート状海苔である。なお、シート状食品(4)は、おぼろ昆布をシート状に形成したもの、鯣を薄く伸したもの等、薄手の食品であれば特に限定されるものではない。
【0022】
シート状食品(4)は、長手方向の長さ約19cm、幅方向の長さ約9cmとすることができる。
シート状食品(4)は、略長方形のものを用いることができるが、図示の如く、長方形の角部が面取りされた形状のものを用いたり、長手方向の端部が丸く面取りされた形状のものを用いることで、後述するとおり、飯塊(6)を包装シート(1)から落下させ易くすることができる。
【0023】
図1乃至図3に示す如く、外フィルム(2)の略中央に海苔(41)が載せられ、その上から、内フィルム(3)を構成するフィルム片(31)(31)が分断可能部(21)にて少し重なるように載せられ、シート状食品(4)を囲むように外フィルム(2)の周縁近傍に沿って外フィルム(2)と内フィルム(3)を線状に溶着(11)(11)することにより、包装シート(1)が形成されている。なお、フィルム片(31)(31)の重なり部には溶着は施さない。
【0024】
また、シート状食品(4)の長手方向の一端又は両端の近傍に、溶着(12)を施して、シート状食品(4)のズレを防止することが望ましい。
【0025】
上記構成の包装シート(1)に飯塊(6)が包装される。
図2に示すように、包装シート(1)に包装される飯塊(6)は、白米やかやくご飯などを固めて、扁平形状とした固まりである。望ましくは、両側面が略平行となり、該両側面どうしを平面上又は曲面状の周面にて繋いだ形状とする。
飯塊(6)には、部分的或いは全体に胡麻等の振掛け食品を振り掛けたり、具材を載せたり、具材を内部に挟むようにしてもよい。
【0026】
図示の飯塊(6)は、高さ約7cm、幅約4cmの三角形のおにぎりであるが、丸形のおにぎりや、四角形のおにぎりとすることもできる。飯塊(6)を内フィルム(3)から上手く滑らせて落下させるために、飯塊(6)の辺及び角は面取りされた形状とすることが望ましい。面取りは、丸み面取りを例示でき、Rを5mm以上とすることが好適であり、略8mmとすることがより望ましい。
【0027】
上記構成の飯塊(6)は、図2に示すように、内フィルム(3)側を上向きとした包装シート(1)に載せられる。飯塊(6)は、三角形おにぎりの場合、その周面の内の一面(底面と称する)が、包装シート(1)を折り曲げたときに、分断可能部(21)と対向するように載せる。
【0028】
なお、予め包装シート(1)を分断可能部(21)を挟んでコ字状に折り曲げておき、飯塊(6)を挟むようにしてもよい。
【0029】
図2に示すように包装シート(1)に飯塊(6)を載せた後、図中矢印Cで示すように、飯塊(6)を包むように包装シート(1)の一端を飯塊(6)に被せる。このとき、飯塊(6)の底面と包装シート(1)の分断可能部(21)が内フィルム(3)及びシート状食品(4)を介して対向するように包装シート(1)を被せる。
【0030】
次に、図4に示すように、包装シート(1)の端部を矢印Dで示す如く、飯塊(6)の周面に沿わせる(なお、図4乃至図6において、内フィルム(3)及びシート状食品(4)は図示省略している)。続いて、図5の矢印Eで示す如く、包装シート(1)の他端の一方の角を飯塊(6)を包み込むように被せ、さらに、図6中矢印Fで示すように、他方の角を飯塊(6)に被せる。
【0031】
最後に、交差した包装シート(1)の端部を図6に示すように、止着手段(5)により封止することで、包装飯塊を得ることができる。図示の止着手段(5)はテープであるが、製造年月日や内容物等を記載したラベルを用いたり、溶着により封止することもできる。
【0032】
図7は、図6の線B−Bに沿う断面図である。図に示すように、飯塊(6)には、内側から内フィルム(3)を構成するフィルム片(31)(31)、シート状食品(4)、外フィルム(2)が被さっており、飯塊(6)の底面はフィルム片(31)(31)の重なり部及び分断可能部(21)であるカットテープ(22)と対向している。
【0033】
上記構成の包装飯塊は、以下の要領で包装を解くことができる。
まず、分断可能部(21)であるカットテープ(22)(切込み(23)(23)を形成している場合はその間)を摘んで、図8に示すように、分断可能部(21)を引っ張り、外フィルム(2)を分断可能部(21)に沿って幅方向に分断する。これにより、外フィルム(2)には、切り口(25)が開口して形成される。
【0034】
次に、包装飯塊の切り口(25)を下に向けることで、図9に示すように、飯塊(6)の自重により、飯塊(6)がシート状食品(4)を外フィルム(2)と内フィルム(3)の間から引き出しつつ落下する。飯塊(6)の落下に伴って、内フィルム(3)は、フィルム片(31)(31)の重なりが解かれて開口する。
【0035】
このとき、上述したとおり、飯塊(6)の辺及び角に面取りを施しておくことで、内フィルム(3)との接触抵抗を小さくすることができ、飯塊(6)を型崩れさせることなく、スムーズに落下させることができる。
【0036】
また、上述したとおり、シート状食品(4)の角部を面取り又は端部を丸く面取りを施しておくことで、シート状食品(4)が外フィルム(2)と内フィルム(3)の屈曲した部分(例えば、図4中、符号(15)で示す)に挟まれることはないので、シート状食品(4)は、破れることなく、スムーズに外フィルム(2)と内フィルム(3)の間から引き出すことができる。
【0037】
図10は、飯塊(6)が包装シート(1)から完全に離脱した状態を示しており、図に示すように、飯塊(6)は、シート状食品(4)が直に被さった状態で包装シート(1)から取り出される。
【0038】
包装が解かれ、シート状食品(4)が被さった飯塊(6)は、シート状食品(4)の端部を飯塊(6)に巻き付けることで、食すことができる。
【0039】
即ち、本発明の包装飯塊は、分断可能部(21)で外フィルム(2)を分断させ、切り口(25)を下方に向けるだけで、シート状食品(4)の被さった飯塊(6)を得ることができるから、従来の包装飯塊に比して、可及的に単純な要領で包装飯塊の包装を解くことができる。
【0040】
なお、包装シート(1)から上手く飯塊(6)が落下しない場合には、下向きに軽く振れば、飯塊(6)を落下させやすくすることができる。
【0041】
上記した包装飯塊について、図11に示すように、分断可能部(21)となるカットテープ(22)の両端を上方に折り曲げて、テープやシール等の止着手段(51)により封止することができる。これにより、包装を解く際に、止着手段(51)を掴んで、止着手段(51)を外フィルム(2)から剥がして下方に引くことで、止着手段(51)と一体にカットテープ(22)を引き出すことができ、さらに分断可能部(21)に沿ってさらに止着手段(51)を引っ張るだけで、外フィルム(2)を開口させることができる。
【0042】
分断可能部(21)となるカットテープ(22)の両端を上方に折り曲げることで、外観を損ねることもなく、また、分断可能部(21)の形成された底面を下側に向けて店頭で陳列等する際に、包装飯塊の座りをよくすることができる。
【0043】
上記説明において、説明をわかりやすくするために、適宜寸法や望ましい形状を例示しているが、本発明は上記寸法や形状に限定されるものではないことは明らかである。例えば、包装シート(1)の大きさは、飯塊(6)の大きさに合わせて作製すればよい。
又、分断可能部(21)は、カットテープ(22)に限るものではなく、例えば、分断方向に裂け易い方向性フィルムによって外フィルム(2)を形成し、該外フィルム(2)の一端に中央部に前記した短い平行切込み(23)(23)を施すことによって、外フィルム(2)を2分できる分断可能部(21)を形成することができる。
【0044】
図12は、図1乃至図3に示した包装シート(1)を袋状に形成した実施例である。この場合も、分断可能部(21)にて外フィルム(2)を分断し、形成された切り口を下方に向けることで、飯塊(6)が自重により落下し、上記と同様に、シート状食品(4)で直に包まれた飯塊(6)を得ることができる。
【0045】
図12に示した袋状の包装飯塊についても、カットテープ(22)の両端を上方に折り曲げて、テープやシール等の止着手段(51)により封止することが望ましい。これにより、包装を解く際に、止着手段(51)を掴んで、止着手段(51)を外フィルム(2)から剥がして下方に引くことで、止着手段(51)と一体にカットテープ(22)を引き出すことができ、さらに分断可能部(21)に沿ってさらに止着手段(51)を引っ張るだけで、外フィルム(2)を開口させることができる。
【0046】
分断可能部(21)となるカットテープ(22)の両端を上方に折り曲げることで、外観を損ねることもなく、また、分断可能部(21)の形成された底面を下側に向けて店頭で陳列等する際に、包装飯塊の座りをよくすることができる。
【0047】
図13は、本発明の異なる実施例を示す包装シート(1)の斜視図である。上記実施例では、包装シート(1)に形成した分断可能部(21)は1列であるが、本実施例では、分断可能部を飯塊(6)の幅(厚み)に略一致するように間隔(W)を存して2列(21)(21)に形成している。その他、上記実施例と同じ符号は同じ部材を示し、詳細な説明は省略する。
【0048】
分断可能部(21)(21)の分断開始端の側方に形成される切込み(23)(23)は、図13に示すように、分断可能部(21)(21)の外側にのみ形成する。
【0049】
図13に示す包装シート(1)による飯塊(6)の包装方法は、上記実施例と同様であり、図14に示すように、間隔(W)を存して形成された分断可能部(21)(21)が、飯塊(6)の幅方向の両側に沿うようにして、飯塊(6)を包装シート(1)で包装し、分断可能部(21)(21)の両端を上方に折り曲げて、テープやシール等の止着手段(51)により封止する。
【0050】
上記により包装された包装飯塊は、止着手段(51)を掴んで、止着手段(51)を外フィルム(2)から剥がして下方に引くことで包装を解くことができる。
具体的には、図15に示すように、止着手段(51)を引き出すことで、止着手段(51)と接着されている外フィルム(2)が、切込み(23)(23)から分断され、分断可能部(21)(21)及びその間に存する幅(W)の外フィルム(2)が一体に引き出される。この状態で、さらに分断可能部(21)(21)に沿ってさらに止着手段(51)を引っ張るだけで、図8に比して切り口(25)の幅の大きい開口を形成することができる。
【0051】
次に、包装飯塊の大きく形成された切り口(25)を下に向けることで、飯塊(6)は自重により、飯塊(6)がシート状食品(4)を外フィルム(2)と内フィルム(3)の間から引き出しつつ落下する。
【0052】
本実施例では、分断可能部(21)(21)の間に間隔(W)を存し、切り口(25)が大きく開口しているから、分断可能部が1列の場合に比べて、より容易に飯塊(6)を落下させることができる。
【0053】
なお、上記に示した分断可能部(21)(21)を間隔(W)を存して2列に形成する場合、分断可能部(21)(21)の端部となる外フィルム(2)の切込み(23)(23)は、図16に示すように、分断可能部(21)(21)間から分断可能部(21)(21)の外側にまで届くよう大きく切り込むようにしてもよい。この場合、包装シート(1)を形成してから切込み(23)(23)を形成することが望ましく、内フィルム(3)の各フィルム片(31)(31)にも切込み(23)(23)に相当する位置に切込み(23a)(23a)が形成されることとなる。
【0054】
上記のように包装シート(1)に大きな切込み(23)(23)を形成しておくことで、包装シート(1)で飯塊(6)を包装した後、飯塊(6)に沿って上方に折り曲げたときに、折り曲げ部分の嵩張りを抑えることができる。
【0055】
この場合でも、分断可能部(21)(21)間の外フィルム(2)を掴んで引っ張ったときには、分断可能部(21)(21)の外側にまで延びる切込み(23)(23)により、分断可能部(21)(21)に沿って上記と同様に外フィルム(2)の分断を行なうことができる。
【0056】
上記した大きな切込み(23)(23)は、包装シート(1)で飯塊(6)を包装した後、鋏等で形成することもできる。
【0057】
図17は、図13に示した包装シート(1)を袋状に形成した実施例である。この場合も、分断可能部(21)(21)が飯塊(6)の幅に沿うように包装する。包装飯塊は、図15と同様に、分断可能部(21)(21)が間隔(W)を存して設けられているから、分断可能部(21)(21)の外フィルム(2)を引っ張ることで、切り口を大きく形成することができ、より容易に飯塊(6)を自重により落下させて、上記と同様に、シート状食品(4)で直に包まれた飯塊(6)を得ることができる。
【0058】
図17に示した袋状の包装飯塊についても、カットテープ(22)の両端を上方に折り曲げて、テープやシール等の止着手段(51)により封止することが望ましい。これにより、包装を解く際に、止着手段(51)を掴んで、止着手段(51)を外フィルム(2)から剥がして下方に引くことで、止着手段(51)と一体にカットテープ(22)を引き出すことができ、さらに分断可能部(21)(21)に沿ってさらに止着手段(51)を引っ張るだけで、外フィルム(2)を開口させることができる。
【0059】
図18は、図12及び図17に示した袋状の包装飯塊に収容することのできる飯塊(6)の他の実施例である。図18に示すように、飯塊(6)は、複数の塊(60)(60)に分断可能(61)となるように成形されている。これにより、飯塊(6)を各塊(60)(60)に割ることができるから、食しやすくすることができる。
なお、図示省略するが、この飯塊(6)を包むシート状食品(4)にも、塊(60)(60)の分割部分(61)に沿ってミシン目等の切れ込みを入れておくことで、塊(60)(60)を割るときに、シート状食品(4)も一体に切断されて、シート状食品(4)によって直に包まれた飯塊とすることができる。
【0060】
なお、各塊(60)(60)に異なる具材(62)(63)(64)を載せたり、入れることで、1つの包装飯塊で複数の味を楽しむこともできる。
【0061】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0062】
(1) 包装シート
(2) 外フィルム
(21) 分断可能部
(22) カットテープ
(3) 内フィルム
(31) フィルム片
(4) シート状食品
(41) シート状海苔
(5) 止着手段
(51) 止着手段
(6) 飯塊

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飯塊(6)を包装シート(1)で包んでなる包装飯塊であって、
包装シート(1)は、展開状態にて、長方形の外フィルム(2)と該外フィルム(2)の裏面側に配備された内フィルム(3)との間にシート状食品(4)を挟んで構成され、外フィルム(2)は、長手方向の略中央に幅方向に延びる分断可能部(21)を有し、内フィルム(3)は、2枚のフィルム片(31)(31)を外フィルム(2)の長手方向の略中央部で重ね合わせ、シート状食品(4)の周縁にて外フィルム(2)と溶着して構成され、
飯塊(6)は、扁平形状に形成され、
前記包装シート(1)の内フィルム(3)上に飯塊(6)を載せ、飯塊(6)の周面が内フィルム(3)及びシート状食品(4)を介して外フィルム(2)の分断可能部(21)と対向するように、包装シート(1)で飯塊(6)を包み、包装シート(1)の端部を止着手段(5)により封止してなることを特徴とする包装飯塊。
【請求項2】
シート状食品(4)は、長方形の角部が面取りされた形状である請求項1に記載の包装飯塊。
【請求項3】
シート状食品(4)は、長手方向の端部が丸く面取りされた形状である請求項1に記載の包装飯塊。
【請求項4】
飯塊(6)は、辺及び角が面取りされた形状である請求項1乃至請求項3の何れかに記載の包装飯塊。
【請求項5】
飯塊(6)の辺及び角には、5mm以上の丸み面取りが施されている請求項4に記載の包装飯塊。
【請求項6】
分断可能部(21)は、カットテープ(22)を外フィルム(2)の内側に幅方向の全長に亘って接着して構成され、外フィルム(2)には、分断可能部(21)の端部の一方又は両方の近傍に、分断可能部(21)の分断を容易に行なうための切込み(23)(23)が形成されている請求項1乃至請求項5の何れかに記載の包装飯塊。
【請求項7】
前記分断可能部は、飯塊(6)の幅と略同一の間隔(W)を存して2列(21)(21)形成される請求項1乃至請求項6の何れかに記載の包装飯塊。
【請求項8】
分断可能部(21)の両端は、上向きに折り曲げられて外フィルム(2)に封止手段(51)により止着される請求項1乃至請求項7の何れかに記載の包装飯塊。
【請求項9】
内フィルム(3)のフィルム片(31)(31)は、均一分布に凹凸が施されたエンボスフィルムである請求項1乃至請求項8の何れかに記載の包装飯塊。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9の何れかに記載の包装飯塊について、分断可能部(21)を引っ張って外フィルム(2)を幅方向に分断し、分断により外フィルム(2)に形成された切り口(25)を下向きとすることにより、自重によって飯塊(6)がシート状食品(4)を外フィルム(2)と内フィルム(3)の間から引き出しつつ、シート状食品(4)に飯塊(6)が包まれた状態で落下することを特徴とする包装飯塊の包装を解く方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−187085(P2012−187085A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63535(P2011−63535)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(591154751)
【出願人】(598157096)
【Fターム(参考)】