説明

化学反応を実行するための金属集積植物の使用

本発明は、化学反応を行うための金属集積植物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学反応を実行するための金属集積植物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
金属、メタロイド、工業および農業の有機廃棄物ならびに廃水または放射性同位体で汚染された土壌の生物学的除染は、大きな関心がある問題である。なぜなら、土壌は、食品生産および水質をもっぱら決定する必須の機能を行うからである。
【0003】
種々の汚染物質のうち、重金属は最も有害な化合物に属する。なぜなら、これらは生分解性でなく、土壌中に濃縮されるからである。サン・ローラン・ル・ミニエ(ガール)の付近の例は、問題の大きさを明確に示している。ローマ時代から1992年までのガンジェ近くの鉱物堆積物の利用(Rolley J.P.、la petite histoire du plomb et du zinc en Cevennes、www.ensm-ales.fr/~jprolley/Geologie/Pb-Zn.html、2002)により、土壌には、亜鉛、鉛、カドミウムが著しく混入している(EMETERレポート、Elements rares metalliques (ETM) dans le continuum sol-plante, especes tolerantes et restauration des sites industriels、Contrat Ademe、Coordinator J. Escarre、2008)。
同様の状況が、最も近い地域だけを述べてもベルギー、ルクセンブルグ、ジュラ、スイスアルプス南部またはピレネーで知られている。
【0004】
土壌を除染する技術は開発するのが難しい。なぜなら、これは、汚染物質の緩衝剤および処理剤として重要な役割を有する不均質、複雑で動的な媒体であるからである。
【0005】
種々のファイトレメディエーション技術(植物抽出(phytoextraction)、植物分解(phytodegradation)、植物安定化(phytostabilization)、植物促進(phytostimulation)、植物変換(phytotransformation)、植物揮発(phytovolatilization)および根圏ろ過(rhizofiltration))が現在開発されている(Terry, N.およびBanuelos G.編、Phytoremediation of contaminated soil in water、Lewis Publishers、Boca Raton、Fl.2000)。
【0006】
The Centre d'Ecologie Fonctionnelle et Evolutive (CEFE)、より具体的にはEscarre博士のチームは、重金属の存在下で成長できる植物を汚染土壌上で定着させることからなる植物安定化の技術を研究している(用語「耐性」が用いられる) (Frerotら、Specific interactions between local metallicolous plants improve the phytostabilization of mine soils、Plant and Soil、286、53〜65、2006)。用いられたこれらの植物種のいくつかは、それらの液胞中に大量の金属を集積する特徴を有する(用語「超集積植物」が用いられる)。
このチームは、特に2つの植物について研究している。アブラナ科に属するそのうちの1つ、スラスピー・ケルレセンス(Thlaspi caerulescens)は、亜鉛、カドミウムおよびニッケルの耐性および超集積について顕著な特性を有する。これは、これらを地上部分(葉および茎)に濃縮する。
この植物は、標準的な植物の100倍大きい濃度で亜鉛を貯蔵できる。さらに、亜鉛およびカドミウムを、これらの2つの金属の濃度が低い土壌であっても、地上組織に抽出して濃縮できる。
大量の亜鉛を集積できるサン・ローラン・ル・ミニエの採鉱地域に存在するその他の植物はアンティリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)であり、これは金属に耐性があり、金属を集積する温帯の植物相の非常に希なマメ科植物(legume)の1つである。この種は、サン・ローラン・ル・ミニエのアヴィニエール(Avinieres)現場の植物安定化に既にうまく用いられている(Frerotら、Specific interactions between local metallicolous plants improve the phytostabilization of mine soils、Plant and Soil、286、53〜65、2006)。
【0007】
さらに、アンティリス・ブルネラリアがその地上部分でも重金属を濃縮できるならば、その他の植物種の定着を容易にすることにより汚染現場の植物安定化において主要な役割も有することが示されている。このことは、アンティリス・ブルネラリアが、窒素固定メソリゾビウム(Mesorhizobium)属に属する好金属性(metallicolous)細菌と組み合わさる能力による(Vidalら、Mesorhizobium metallidurans sp. nov., a novel metal-resistant symbiont of Anthyllis vulneraria, growing on metallicolous soil in Languedoc, France. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology、印刷中、2009)。
【0008】
自然環境、より具体的には汚染された環境の復旧における窒素の生物学的結合の重要性に鑑みて、マメ科植物の使用は、土壌を迅速に窒素で富化するために不可欠である。
アンティリス・ブルネラリアの存在により、耐性があるが重金属を集積しないその他の種であるフェストゥカ・アルベルネンシス(Festuca arvernensis)などの草本のようなその他の非固定性の種がこれらの現場に早く群生することが可能になる。
【0009】
Zn2+およびCd2+に対するそれらの通常でない耐性を超えて、超集積植物は、金属を抽出し、それらを地上部分に移動させることができ、ここで金属は濃縮される。よって、根は、非集積植物種とは異なって、非常に少量の重金属を含有する。採集可能部分におけるこの耐性/集積/濃縮の3重の特性により、これらは、適切なファイトレメディエーションツールとなる。
【0010】
しかし、汚染堆積物の単純な安定化の範囲を超え、大規模な植物抽出を開発することを望むために、いくつかの問題がまだ解決されていない。重金属に富むバイオマスの価格安定化(valorization) をなお展開しなければならない。なぜなら、現在では、土壌から植物への金属の移動だけが行われているからである。金属は、現場から除去されない。
さらに、重金属は、著しい活性化エネルギーを要求する化学変換を行うために不可欠な触媒として有機化学で通常用いられる。触媒の役割は、すなわち、エネルギーバリアを低くすることである。
【0011】
それらの操作方法は、それらのルイス酸の特性に頻繁に基づく。塩化亜鉛がそのうちでも最もよく用いられ、多数の工業的および実験室での反応に不可欠である。これは、多数の求電子芳香族置換を触媒するために複素環有機化学においても頻繁に用いられる。
これは、ルーカス試薬を用いる第1級アルコールの水素化、アセタール化、アルドール化反応またはディールス-アルダー型環付加反応などを行うために選択される触媒でもある。
これらは、分析電気化学、電気冶金および固液抽出においても非常に有用であり、ここでの応用分野は多数であり、異なる領域の経済生活に直接関わる(電池、燃料電池および蓄電池、分光学的装置の検出器、冶金、溶接など)。
【0012】
これらの生成は、鉱物から出発する生産冶金プロセスに基づく。
【0013】
2つのプロセスが可能である(Darcy M.、Metallurgie du zinc、1988、editions techniques de l'ingenieur; Philibert J.ら、Metallurgie du minerai au materiau、Editions Dunod、第2版、2002):
- 1000℃を超え得る連続的熱処理を必要とする高温冶金、
- 強酸処理とその後の高い電気エネルギーが消費される電気分解とに基づく湿式冶金。これは、汚染された廃水を排出することによる環境への影響も有する。
鉱物の多様性により、単一のプロセスが可能にならない。これらのかなりの数のものが、中間の液-液抽出段階を必要とし、これは、環境にとって有害であって高い抽出費用を要する有機溶剤の使用を必然的にもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のある態様は、環境に有害な有機溶剤の使用と汚染廃水の排出とを回避し、重金属で汚染された現場からの重金属の除去と重金属を含有するバイオマスの価格安定化とを可能にする、重金属集積植物に由来する金属触媒の使用に関する。
別の態様は、上記の触媒を生成する方法を提供することからなる。
別の態様は、このような触媒を利用する化学プロセスを提供することからなる。
最後の態様は、上記の触媒を含有する組成物を提供することからなる。
本発明は、特に亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)または銅(Cu)から選択される少なくとも1つの金属を集積した植物または植物部分の、金属が上記の金属の1つである少なくとも1つの金属触媒を含有し、上記の触媒が関与する有機合成反応の実行を可能にする組成物を調製するための使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
「少なくとも1つの金属を集積した植物または植物部分」との表現は、まず、金属が混入した土壌中に以前に存在していた金属を、特に植物の液胞中に、例えば金属カルボン酸塩、特に主に金属リンゴ酸塩(しかし、クエン酸塩、コハク酸塩およびシュウ酸塩でもあり得る)の形で集積した、すなわち貯蔵した植物の全ての地上部分(葉、茎など)のことをいう。これらは、キレート化タンパク質、ファイトケラチンまたはメタロチオネインのアミノ酸と組み合わせて貯蔵することもできる。
【0016】
残りの記載において、植物または植物部分は、植物性物質またはバイオマスとも称し、同じ意味を有する。
これは、しかし、根のような植物の地下部分のことをいうこともできる。
【0017】
「金属触媒」との表現により、対イオンと組み合わされた金属を、好ましくはM(II)形で含む化合物を意味し、これは、有機合成反応で利用した後に、それを反応させたときと同じ形で回収され、よって、同じ有機合成反応または異なる有機合成反応のために再利用できる。
触媒は、異なる酸化数を有することもできる。
【0018】
「上記の触媒が関与する有機合成反応の実行」との表現により、該触媒と、所望により1つ以上のその他の生成物とを用いる生成物Xから生成物Yへの変換を意味する。
金属は、好ましくは亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)または銅(Cu)であるが、これは、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)、ヒ素(As)、コバルト(Co)もしくはクロム(Cr)、マンガン(Mn)またはタリウム(Tl)でもあり得る。
【0019】
本発明のある利点は、よって、有機合成反応のための金属の供給源を提供し、エネルギーと環境に有害な有機溶剤との消費が高く、汚染廃水を排出するプロセスの使用を回避しながら、汚染現場に存在する重金属を除去し、上記の重金属を含有するバイオマスの価格を安定化することである。
別の利点は、工業的環境での反応のための触媒を含有する組成物を用いることの可能性である。
【0020】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定されるように特に亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)または銅(Cu)から選択される少なくとも1つの金属を集積した植物または植物部分の使用であって、上記の植物が、アブラナ科、特にスラスピー属の種、特にティー・ケルレセンス、ティー・ゲシンゲンス(T. goesingense)、ティー・タトレンス(T. tatrense)、ティー・ロトゥンジフォリウム(T. rotundifolium)、ティー・プレコックス(T. praecox)、アラビドプシス(Arabidopsis)属の種、特にアラビドプシス・ハレリー(Arabidopsis hallerii)およびアリッサム(Alyssum)属の種、特にエー・ベルトロニー(A. bertolonii)、エー・セルピリフォリウム(A. serpyllifolium)、マメ科(Fabaceae)、特にアンティリス・ブルネラリア、アカテツ科(Sapotaceae)、特にセベルティア・アクミナタ(Sebertia acuminata)、プランコネラ・オキシエドゥラ(Planchonella oxyedra)の種、ヒルガオ科(Convolvulaceae)、特にイポメア・アルピナ(Ipomea alpina)、プランコネラ・オキシエドゥラ(Planchonella oxyedra)の種、またはアカネ科(Rubiaceae)、特にサイコトリア・ドウアレイ(Psychotria douarrei)の種、特にピー・コスチベニア(P. costivenia)、ピー・クレメンティス(P. clementis)、ピー・ヴァンヘルマニー(P. vanhermanii)から選択される使用に関する。
【0021】
アブラナ科、マメ科、アカテツ科、ヒルガオ科またはアカネ科に属する全ての植物が、重金属を含有する土壌で成長でき、地上部分に上記の重金属を集積できるわけではない。
結果として、アブラナ科では、スラスピー、アラビドプシスおよびアリッサムの属が好ましい属であるが、それらに限定されない。
マメ科では、アンティリス・ブルネラリアが好ましいが、それに限定されない。
アカテツ科では、セベルティア・アクミナタ、プランコネラ・オキシエドゥラの種が好ましい種であるが、それらに限定されない。
ヒルガオ科では、イポメア・アルピナ、プランコネラ・オキシエドゥラの種が好ましい種であるが、それらに限定されない。
最後に、アカネ科では、サイコトリア・ドウアレイの種、特にピー・コスチベニア、ピー・クレメンティス、ピー・ヴァンヘルマニーが好ましいが、それらに限定されない。
【0022】
以下の表Iは、ニッケル、亜鉛、コバルトおよび銅、鉛、クロム、マンガンまたはタリウムのような金属を集積できる種々の属(それらに限定されない)を示す。
それぞれの属は、上記の金属および所望により1つ以上のその他のものを明らかに集積できる。
【0023】
【表1−1】

【0024】
【表1−2】

【0025】
【表1−3】

【0026】
【表1−4】

【0027】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定されるように特に亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)または銅(Cu)から選択される少なくとも1つの金属を集積した植物または植物部分の使用であって、上記の植物が、アブラナ科、特にスラスピー・ケルレセンスまたはアラビドプシス・ハレリーに属し、上記の植物により集積される金属がZnである使用に関する。
この実施形態では、植物は、有利にはスラスピー・ケルレセンスまたはアラビドプシス・ハレリーであり、これらは全て、主に亜鉛、特にカルボン酸亜鉛(特にリンゴ酸塩)の形、すなわちZn2+形の亜鉛、およびより低い割合でその他の金属を集積する。
亜鉛触媒を、例えば、実施例1に従って得ることができる。この場合、得られる触媒は、二塩化亜鉛に相当するルイス酸である。
【0028】
本発明のある利点は、よって、完全な精製を必要としない触媒が提供されることである。実際に、その他の金属塩(例えばCdCl2など)の存在は、実行される有機反応に干渉せず、よって、標準的なプロセスにおけるのと同様に、存在する金属種の完全で困難な分離を行う必要がない。
【0029】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定されるように特に亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)または銅(Cu)から選択される少なくとも1つの金属、特に亜鉛を集積した植物または植物部分の使用であって、Zn濃度が、植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ2700 mg/kg〜およそ43700 mg/kg、好ましくは植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ2700 mg/kg〜およそ13600 mg/kg、より好ましくは植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ6000 mg/kg〜およそ9000 mg/kg、特に植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ7000 mg/kg〜およそ8000 mg/kgを含む使用に関する。
2700 mg/kg未満では、亜鉛の割合が低すぎて、妥当な費用にて亜鉛を含有するバイオマスの価格を安定化できない。
43700 mg/kgを超えると、亜鉛の割合が高すぎて、植物はそのように多くの金属を貯蔵できない。
【0030】
植物に存在する濃度は、基体の性質と、土壌中の金属の量に広く依存して異なることができる。
精密には、採鉱現場で採集された24のスラスピー植物から得られた結果は、次のとおりである:平均は7300 mg/kgであり、標準偏差は3163、最大値13600および最小値2700であった。
【0031】
植物を、中性で不活性の基体(例えば砂、ポゾラン、クレイビーズ、栄養分溶液など)で成長させる水耕栽培では、値は、より高く、30000 mg/kg程度(BrooksおよびReeves によると43710 mg/kgまで)であることが可能である。
Reeves, R. D.およびBrooks, R. R., 1983. European species of Thlaspi L. (Cruciferae) as indicators of nickel and zinc. J. Geochem. Explor. 18:275〜283. Reeves, R. D. and Brooks, R. R., 1983. Hyperaccumulation of lead and zinc by two metallophytes from a mining area in Central Europe. Environ. Pollut. 31:277〜287。
【0032】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定されるように少なくとも1つの金属、特に亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)または銅(Cu)を集積した植物または植物部分の使用であって、上記の有機合成反応が、特にアルコールのハロゲン化、求電子芳香族反応、特に置換から選択される使用に関する。
この実施形態において、触媒は主に亜鉛を含有し、これは、いくつかの型の有機反応を行うことを可能にする。
【0033】
アルコールのハロゲン化により、第1級、第2級または第3級のいずれかのアルコール(R-OH)が、対応するハロゲン化誘導体(R-Hal)、特にR-Clに変換されることを意味する。
「求電子芳香族置換」により、芳香環と結合した原子、一般的には水素が、求電子基に置換される:ArH + EX→ArE + HX反応を意味する。(例えば実施例11を参照)
求電子付加反応を行うこともでき、ここでは、ZnCl2は、塩化p−メトキシベンジルとアルケンとの反応を触媒して、対応する1:1付加生成物を生成する(Bauml, E.、Tscheschlok, K.、Pock, R.およびMayr, H.、1978. Synthesis of γ-lactones from alkenes employing p-methoxybenzyl chloride as +CH2---CO-2 equivalent, Tetrahedron Lett. 29: 6925〜6926)。
【0034】
有利な実施形態において、本発明は、特に亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)および銅(Cu)から選択される少なくとも1つの金属を集積した植物または植物部分の使用であって、上記の植物が、アカテツ科、特にセベルティア・アクミナタ、アカネ科またはアブラナ科、特にスラスピー・ゲシンゲンスもしくはスラスピー・ケルレセンスであり、上記の植物により集積される金属が、Niである使用に関する。
この実施形態において、用いる植物は、有利にはセベルティア・アクミナタ、スラスピー・ケルレセンスまたはスラスピー・ゲシンゲンスおよびアカネ科であり、これらは全て、主にニッケル、特にカルボン酸ニッケルの形、すなわちNi2+形のニッケル、およびより低い割合でその他の金属を集積する。
ニッケル触媒を、例えば、実施例5に従って得ることができる。この場合、得られる触媒は、塩化ニッケルに相当するルイス酸である。
【0035】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定されるように特に亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)または銅(Cu)から選択される少なくとも1つの金属、特にニッケルを集積した植物または植物部分の使用であって、Ni濃度が、植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ1000 mg/kg〜およそ36000 mg/kg、好ましくは植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ2500 mg/kg〜およそ25000 mg/kg、より好ましくは植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ2500 mg/kg〜およそ19900 mg/kg、特に植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ15000 mg/kg〜およそ18000 mg/kgを含む使用に関する。
1000 mg/kg未満では、ニッケルの割合が低すぎて、妥当な費用にてニッケルを含有するバイオマスの価格を安定化できない。
36000 mg/kgを超えると、ニッケルの割合が高すぎて、植物はそのように多くの金属を貯蔵できない。
【0036】
植物に存在する濃度は、基体の性質と、土壌中の金属の量に広く依存して異なることができる。
植物を、中性で不活性の基体(例えば砂、ポゾラン、クレイビーズ、栄養分溶液など)で成長させる水耕栽培では、値は、より高く、36000 mg/kg程度であることが可能である。
【0037】
有利な実施形態において、NiCl2に基づく触媒は、NiCl2のようなルイス酸を用いる反応、例えばアルキル化求電子置換反応を行うために用いられる(実施例11を参照)。
【0038】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定されるように特に亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)または銅(Cu)から選択される少なくとも1つの金属、特にニッケルを集積した植物または植物部分の使用であって、上記の有機反応が、Ni(II)からNi0への還元の後のカップリングまたは水素化反応のための触媒合成反応から選択される使用に関する。
この実施形態において、上記で得られたニッケル触媒、例えばNiCl2は、当業者に公知の標準的な技術により、例えば実施例7に従ってNi0に前もって還元される。
【0039】
そのようにして還元されたリン含有リガンドと組み合わせた上記の触媒(実施例6を参照)は、次いで、ビアリールの合成、あるいは例えばアルケンおよび/もしくはラネーニッケルを用いるニトロ基(例えば実施例8を参照)、またはカルボニル化誘導体、アルキンおよび芳香族化合物の水素化反応のようなカップリング反応を行うために用いることができる。
【0040】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定されるように特に亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)または銅(Cu)から選択される少なくとも1つの金属を集積した植物または植物部分の使用であって、上記の植物が、ヒルガオ科、特にイポメア・アルピナであり、上記の植物により集積される金属がCuである使用に関する。
この実施形態では、用いる植物は、有利にはイポメア・アルピナであり、これらは全て、主に銅、すなわちCu2+形の銅、およびより低い割合でその他の金属を集積する。
銅触媒を、例えば、実施例9に従って得ることができる。この場合、得られる触媒は、塩化第2銅に相当するルイス酸である。
【0041】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定されるように特に亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)または銅(Cu)から選択される少なくとも1つの金属、特に銅を集積した植物または植物部分の使用であって、Cu濃度が、植物または植物部分の乾燥重量のおよそ1000 mg/kgからおよそ13700 mg/kgまでに含まれる使用に関する。
1000 mg/kg未満では、銅の割合が低すぎて、妥当な費用にてニッケルを含有するバイオマスの価格を安定化できない。
13700 mg/kgを超えると、銅の割合が高すぎて、植物はそのように多くの金属を貯蔵できない。
【0042】
植物に存在する濃度は、基体の性質と、土壌中の金属の量に広く依存して異なることができる。
植物を、中性で不活性の基体(例えば砂、ポゾラン、クレイビーズ、栄養分溶液など)で成長させる水耕栽培では、値は、より高く、36000 mg/kg程度であることが可能である。
【0043】
有利な実施形態において、CuCl2に基づく触媒は、CuCl2のようなルイス酸が用いられる反応、例えばアルキル化求電子置換反応(実施例11を参照)を実行するために用いられる。
【0044】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定されるように亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)または銅(Cu)から選択される少なくとも1つの金属、特に銅を集積した植物または植物部分の使用であって、上記の有機反応が、アミノ酸またはオキシムの顕色剤(revelateurs)の合成から選択される使用に関する。
上記の還元された触媒は、アミノ酸またはオキシムのような化学化合物を顕色するために用いることができる(例えば実施例10を参照)。
【0045】
別の態様によると、本発明は、金属が特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属触媒を含有する上記で規定される組成物を調製する方法であって、以下の:
a. 特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属を集積した植物または植物部分をか焼して、か焼植物またはか焼植物部分を得るステップと、
b. 上記のか焼植物またはか焼植物部分を、酸、特に塩化水素酸または硫酸中に撹拌して、か焼植物またはか焼植物部分を分解し、分解か焼植物または植物部分と、金属が特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属触媒とを含有する混合物を得るステップと、
c. か焼植物または分解か焼植物部分と、少なくとも1つの金属触媒とを含有する上記の混合物を濃縮して、分解か焼植物または植物部分と、特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属触媒とを、bで得られたものよりも大きい割合で含有する濃縮混合物を得るステップと、
d. 上記の濃縮混合物をろ過して、ろ液と沈降物とを得るステップであって、上記のろ液が、その金属が特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属触媒を含有する粗組成物に相当し、上記のろ液のpHが、組成物のpHがZnについて≦2であり、Niについておよそ7に等しく、Cuについて2から7の間に含まれるような条件下で、金属に応じて調整されるステップと
を含む方法に関する。
【0046】
最初のか焼ステップaは、高温で加熱することにより行われ、存在する水を除去し、バイオマスを大部分破壊することを可能にする。
これは、植物または植物部分、すなわちバイオマスを加熱することにより脱水し、次いで、脱水バイオマスを粉砕することにより行うこともできる。
このステップは、触媒を得るために決定的に重要である。なぜなら、これは、酸媒体中でのその後の完全な分解を容易にするために、植物性物質の著しい破壊を多少は導くからである。
か焼は、脱水よりも、最終的により大きい割合の触媒を得ることを可能にする。
【0047】
第2ステップbの酸処理は、植物または植物部分を分解、すなわちある生体膜、特に液胞のものを破壊することを可能にして、金属カルボン酸塩、特に亜鉛および/もしくはニッケルおよび/もしくは銅ならびに/またはその他の金属カルボン酸塩を遊離させ、HClを用いる場合に金属塩化物または硫酸を用いる場合に金属硫酸塩を形成する。
この処理は、クロロフィルの脂肪鎖とピロール環との間のエステル結合の完全な加水分解も可能にする。
【0048】
標準的な方法において、クロロフィルは、ヘキサンを用いる抽出により除去される。酸処理の代わりに本発明においてこの方法を用いる場合、金属が植物性物質の液胞内に残存し、触媒を得るために回収できない。
よって、反応媒体は、金属塩化物または硫酸塩と、か焼および酸処理の後のバイオマスの分解に起因するその他の化合物と、特にセルロースおよびクロロフィル分解生成物との混合物を含有する。
【0049】
ステップcで行われる濃縮は、媒体中の金属触媒の濃度と、酸濃度とを増加させて、有機反応の実行中の触媒の最適な効果を得ることを可能にする。よって、pHは、金属水酸化物の形成および沈降を防ぐために、酸性でなければならない。
【0050】
最後のステップdも、触媒の利用のために必須である。
実際に、これは、ろ過システム、特にフリット上に残存したクロロフィル残渣を完全に除去することを可能にし、これは、金属触媒を含有し、よってクロロフィルまたはクロロフィル残渣をもはや含有しない無色のろ液が得られることを導く。
ステップdを、遠心分離または凍結乾燥により行い、よってろ過を行わないならば、有機反応の後続の実行が不可能である。なぜなら、クロロフィルまたはクロロフィル残渣が、反応を強く妨げ、強く着色された媒体を導くからである。
【0051】
よって、実施例12は、ろ過を行って得られた実施例3の組成物(3時間の反応の後に40%の収率でハロゲン化誘導体を導く)とは異なって、ろ過を行わずに得られた亜鉛触媒を含有する組成物を用いて行った第2級アルコールに対する反応が、所望のハロゲン化誘導体を導かない(5時間の反応後に痕跡だけ)ことを示す。
ろ過は、少なくとも18%に等しい収率の有機反応を得ることを可能にする。
【0052】
有利な実施形態において、上記で規定する方法は、少なくとも18%より大きい収率の有機反応を得ることを可能にする。
【0053】
有利な実施形態において、上記で規定する方法は、少なくとも35%より大きい収率で有機反応を得ることを可能にする(第1級アルコール:ヘキサノール-1の場合を除く)。
pHは、例えばZnについて≦2、Niについておよそ7に等しく、Cuについて2から7の間に含まれるpHを有する組成物を生成して、有機反応をその後実行できるようにするために、ろ過の後に、用いる金属に応じた値に制御されなければならない。実際に、このpHにて金属触媒は、溶液のままであり、沈降しない。
亜鉛または酸性pHを要求する金属の場合にpHが2より大きい場合、これは、酸、特に濃もしくは希HCl、すなわち0.1Nもしくは1N〜12N HCl、または通気することによる気体状HClの添加により2以下の値に修正しなければならない。
【0054】
よって、得られる組成物は、少なくとも1つの金属触媒と、完全もしくは部分的なセルロース分解生成物、例えばセルロースの解重合を起源とし、それ自体がグルコース(これは、それ自体が5-ヒドロキシメチルフルフラールもしくはギ酸のような生成物に完全にまたは部分的に分解され得る)に完全にまたは部分的に分解され得るセロビオースのような植物性原材料の分解に起因する化合物とを含有する。
【0055】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定される組成物を調製する方法であって、
ステップaを、およそ200℃からおよそ800℃までに含まれる、特に300℃の温度にて、およそ1時間から3時間、特に2時間行い、次いで25℃に冷却し、
ステップbを、水性の希もしくは濃塩化水素酸、特に濃塩化水素酸を用いて、およそ30分からおよそ2時間、特に1時間にわたって行い、
ステップcを:
-部分的蒸発または
-およそ1〜およそ3時間にわたる音波処理、および希釈もしくは濃縮塩化水素酸の添加
により行う方法に関する。
【0056】
ステップaのか焼は、か焼のために十分に高い温度で行われなければならず、すなわち、バイオマスの完全な燃焼を得るが、工業的環境でプロセスを用いるのが困難になるほど高すぎないようにする。
200℃未満では、温度は完全な燃焼を可能にしない。
800℃を超えると、温度が高すぎて、工業的環境で用いるのが容易でない。
【0057】
用いる酸は、塩化水素酸であることが好ましく、希釈または濃縮でき、すなわち0.1Nまたは1N〜12N HClである。しかし、有機反応のその後の実行について最良の結果は、濃HCl、すなわち12Nを用いて得られる。
【0058】
音波処理により、より多くのクロロフィルを破壊することが可能になり、媒体の濃縮を導く加熱を引き起こす。これは、しかし、pHを制御するために、濃(12N)塩化水素酸を加えることを必要とする。
音波処理は、よって、音波処理を行わない方法の場合よりも大きい収率を有する金属触媒が得られることを導く。
【0059】
1時間未満では、引き起こされる加熱は、十分に濃縮するために十分でない。3時間を超えると、濃度が高くなりすぎる。
音波処理を行わない場合、酸濃度を増加するために、部分的蒸発が必要である。
【0060】
組成物は、よって、大部分の割合での二塩化亜鉛および/もしくは二塩化ニッケルおよび/もしくは塩化第2銅のような少なくとも1つの金属触媒、ならびに/またはか焼前の植物に存在する金属の割合に応じて鉛、カドミウム、ヒ素、コバルト、クロム、マンガンもしくはタリウムのようなその他の金属で構成される金属塩化物と、方法の種々のステップの後の植物性原材料の分解に起因する化合物とを含有する。
【0061】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定される組成物を調製する方法であって、ステップdで得られる組成物中の水分が完全に蒸発されて、上記の触媒を含有する脱水組成物が得られる方法に関する。
あるいくつかの有機反応を実行するために、非常に少ない水分を含有するかまたは水分を含有しない触媒が必要とされる。
結果として、蒸発により、高度に吸湿性の触媒だけが、限定された数の水分子と組み合わされて残存できる脱水媒体を得ることが可能になる(NiCl2は例えば6水和される)。
【0062】
別の態様によると、本発明は、有機合成反応を実行するための方法であって、上記で規定されるように、その金属が特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属触媒を含有する組成物を、上記の組成物と反応できる少なくとも1つの化学化合物と接触させるステップを含む方法に関する。
本発明のある利点は、上記のようにして得られた触媒を含有する組成物を、水性の酸性の形、または脱水された形で、その後の精製を行うことなく直接使用でき、化学反応を行うために1つ以上の化学反応物と一緒にできることである。
【0063】
別の態様によると、本発明は、上記で規定される有機合成反応を実行するための方法であって、上記の有機合成反応が、アルコールのハロゲン化である方法に関する。
【0064】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定される有機合成の反応を実行するための方法であって、以下の:
a. アルコールを、上記で規定されるような、その金属がZnであり、2以下のpHを有する上記の金属触媒を含有する組成物と接触させて、アルコール-触媒複合体を形成するステップと、
b. 上記の複合体を、周囲温度またはおよそ30から60℃まで、好ましくはおよそ40から50℃までに含まれる、特におよそ40℃の温度にて、およそ1〜およそ24時間、好ましくはおよそ1〜およそ12時間、より好ましくはおよそ1〜およそ6時間、特におよそ3時間にわたって撹拌して、上記のハロゲン化アルコールを含有する反応混合物を得るステップと、
c. 上記の反応混合物を、有機溶剤、特に石油エーテルを用いて抽出して、上記のハロゲン化アルコールを回収するステップと
を含む方法に関する。
【0065】
「アルコール-触媒」複合体により、例えば、アルコールとZnCl2との間のルイス酸-塩基型複合体の形成を意味する:
【化1】

【0066】
上記の複合体は、次いで、塩素イオンにより攻撃され、これが、Sn2型求核置換により、アルコールの反応性に応じての多少著しい期間の多少厳しい加熱により、ハロゲン化誘導体を導く:
【化2】

【0067】
触媒は、次いで、酸性媒体により再生されて、ZnCl2を再形成する:
【化3】

【0068】
用いるアルコールは、第1級、第2級または第3級アルコールであり得、実施例3は、それに対して反応が行われたいくつかのアルコールを示す。
実施例4は、金属集積植物(metallophyte)種において行われるハロゲン化反応のモデルを示す。
リンゴ酸亜鉛は、市販のリンゴ酸から調製して、HClと接触させてZnCl2触媒を形成し、これを、溶剤および反応物として作用する4-メチル-ペンタン-2-オールと反応させた。
アルコールを、次いで、亜鉛を集積する植物を起源とする金属と同じ方式でハロゲン化(塩素化)する。
【0069】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定されるように有機合成の反応を実行するための方法であって、ステップaの触媒/アルコールのモル比が、およそ0.01からおよそ5まで、好ましくはおよそ0.1からおよそ5まで、より好ましくはおよそ1からおよそ4まで、特におよそ2から4までに含まれる方法に関する。
触媒とアルコールとの間のモル比は、用いるアルコールに依存する。
【0070】
本発明のある利点は、触媒を、触媒量で、すなわちアルコールにより必要とされる化学量論量より著しく少ない量、例えばアルコールに対して0.01%の割合で用いることができることである。
この限界未満では、反応は、遅すぎて行うことができない。
しかし、反応は、化学量論的割合より大きい割合を用いてより迅速であり、有利に用いられる触媒の値(モルで)は、アルコールのモル数の2から4倍の間である。
5を超えると、触媒の割合の費用が高すぎるようになる。
【0071】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定されるように有機合成反応を実行するための方法であって、上記の有機合成反応が、2つの反応物AおよびBを伴う求電子芳香族置換反応である方法に関する。
本発明の別の利点は、アルコールのハロゲン化以外の有機合成反応、特に例えば実施例11の反応のような例えばフリーデル-クラフツ反応のような求電子置換反応を行うことができることである。
【0072】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定される有機合成反応、特に求電子置換反応を実行するための方法であって、以下の:
a. 反応物AおよびBを、上記で規定され、その金属がZnである上記の金属触媒を含有する脱水組成物と、トルエン中で接触させて、反応物A,B-触媒複合体を得るステップと、
b. 上記の反応物A,B-触媒複合体を、周囲温度またはおよそ20から80℃まで、好ましくはおよそ20から40℃までに含まれる、特におよそ30℃の温度にて、およそ15分からおよそ5時間、好ましくはおよそ30分からおよそ2時間、特におよそ1時間にわたって撹拌して、求電子置換生成物を得るステップと、
c. ろ過および蒸発を行って、上記の置換生成物を回収するステップと
を含む方法に関する。
【0073】
ステップaのトルエンは、溶剤および反応物として等しく作用する。
アルコールのハロゲン化と同じ方法で、反応物と触媒との複合体が形成される。上記の複合体は、しかし、アルコールについて得られたものと同じではない。
【0074】
反応は、多少迅速に起こり、用いる反応物に応じて、多少加熱を必要とする。20℃未満では反応は生じない。80℃を超えると、反応物が分解する危険性がある。
【0075】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定される有機合成反応、特に求電子置換反応を実行するための方法であって、ステップaの触媒/Aのモル比が、およそ0.01からおよそ5まで、好ましくはおよそ0.1からおよそ5まで、より好ましくはおよそ1からおよそ4まで、特におよそ2から4までに含まれ、ステップaの触媒/Bのモル比が、およそ0.01からおよそ5まで、好ましくはおよそ0.1からおよそ5まで、より好ましくはおよそ1からおよそ4まで、特におよそ2から4に含まれる方法に関する。
【0076】
本発明のある利点は、触媒を、触媒量で、すなわちハロゲン化誘導体(実施例における塩化ベンジル)に対して、要求される化学量論量より著しく少ない量、例えば反応物AおよびBに対して0.01%の割合で用いることができることである。この限界未満では、反応は、遅すぎて行うことができない。
しかし、反応は、化学量論より大きい割合を用いて、より迅速であり、有利に用いられる触媒の比は、反応物のモル数の2から4倍の間のモルに含まれる。
5を超えると、触媒の割合の費用が高すぎるようになる。
【0077】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定される有機合成反応を実行するための方法であって、上記の有機合成反応が、2つの反応物CおよびDを伴う求電子付加反応である方法に関する。
【0078】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定される有機合成反応、特に求電子付加反応を実行するための方法であって、以下の:
a. 反応の反応物CおよびDを、上記で規定される無水組成物と接触させて、反応物C,D-触媒複合体を得るステップと、
b. 上記のC,D-触媒複合体を、周囲温度またはおよそ20から100℃までに含まれる温度にて撹拌して、求電子付加生成物を得るステップと、
c. 有機溶剤を用いて抽出して、上記の求電子付加生成物を回収するステップと
を含む方法に関する。
抽出のために用いることができる溶剤は、当業者に公知である。
【0079】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定される有機合成反応を実行するための方法であって、触媒/Cのモル比が、およそ0.01からおよそ5まで、好ましくはおよそ0.1からおよそ5まで、より好ましくはおよそ1からおよそ4まで、特におよそ2から4までに含まれ、触媒/Dのモル比が、およそ0.01からおよそ5まで、好ましくはおよそ0.1からおよそ5まで、より好ましくはおよそ1からおよそ4まで、特におよそ2から4までに含まれる方法に関する。
【0080】
本発明のある利点は、触媒を、触媒量で、すなわちアルコールにより必要とされる化学量論量より著しく少ない量、例えば反応物CおよびDに対して0.01%で用いることができることである。
この限界未満では、反応は、遅すぎて行うことができない。
しかし、反応は、化学量論的割合より大きい割合を用いて、より迅速であり、有利に用いられる触媒の値(モルで)は、反応物のモル数の2から4倍の間である。
5を超えると、触媒の割合の費用が高すぎるようになる。
【0081】
別の態様によると、本発明は、上記で規定されるように、金属が特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属触媒を含有する組成物であって、塩化物または硫酸塩の形の上記の金属の少なくとも1つと、セルロース分解フラグメント、例えばセロビオースおよび/もしくはグルコース、ならびに/またはグルコース分解生成物、例えば5-ヒドロキシメチルフルフラールおよびギ酸とを含む組成物に関する。
【0082】
よって、組成物は、上記の組成物の調製方法のために塩化水素酸を用いた場合に、植物、それが成長する土壌および結果として、それが吸収できる金属に依存して1つ以上の金属塩化物に相当する。
これは、硫酸を用いた場合に、1つ以上の金属硫酸塩を含む。
【0083】
組成物が何であっても(塩化物または硫酸塩)、これは、上記のセルロース分解生成物も含むが、これは、満足のいく結果を妨げない。
【0084】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定されるように、金属が特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属触媒を、酸性化溶液、特に水性の塩化水素酸または硫酸中に含有する組成物に関する。
この実施形態では、上記で規定されるろ過の後に得られる組成物は、酸、特に水性の塩化水素酸または硫酸中に溶解して得られ、有機反応での利用のために、後続の精製または処理を行うことなく、そのままで用いることができる。
【0085】
有利な実施形態において、本発明は、上記で規定されるように、金属が特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属触媒を含有する、脱水された形の組成物に関する。
実行されるある種の有機反応のために、水の存在なしで利用可能な触媒を用いることが必要であり、その結果として、組成物は、本発明の方法またはその他の方法により得られた後で、使用の前に、非常に少量の水分を含有するかもしくは水分を含有しない組成物を得るように蒸発または凍結乾燥により脱水しなければならず、ここでは、高度に吸湿性の触媒だけが、限定された数の水分子と組み合わされて残存できる(二塩化ニッケルは、例えば6水和される)。
【0086】
別の態様によると、本発明は、上記で規定される方法の実行により得られる組成物に関する。
【実施例】
【0087】
実施例1:金属がZnである金属触媒を含有する組成物の調製
1.1:粗触媒の生成
アヴニエール(Avnieres)の鉱山の土壌を起源とするスラスピー・ケルレセンスの脱水して粉末にした葉30.03gを、Escarre法(ジンコンアッセイ)によりアッセイして、乾燥物質中に存在する亜鉛のレベルを測定する(用いたか焼試料において:420 mgまたは2mmole:平均レベル、葉が回収された現場に依存する)。乾燥物質を、次いで、20 mLの1N塩化水素酸に入れる。
注:脱水は、か焼(およそ300℃にて2時間:次いで灰を得る)、または100℃にて真空下で4〜5時間、その後に乳鉢で粉砕のいずれかである。乾燥物質の質量は、よって、異なる(より多くの有機生成物がか焼により分解され、失われる)。
【0088】
溶液を1時間撹拌し、次いで、2時間音波処理する。媒体を、反応媒体を加熱することにより濃縮する。1〜2mLの12N HClを加えて、媒体の満足のいく撹拌を可能にする。
注:音波処理が必要でないならば、反応媒体の濃縮を行った後に、12N HClを加えなければならない。
【0089】
溶液を、4の多孔度を有するフリットでろ過する。固体の残渣を2mLの12N HClで洗浄する。ろ液は完全に透明でなければならない。pHを確認し、所望により、必要であれば12N HClを加えることにより2未満の値に調整する。原子吸光分光分析(Spectra Varian AA 220FS分光光度計)による溶液中の亜鉛の迅速な測定(Thraspi caerulescens, un indicateur de la pollution d'un sol? Une reflexion partagee entre etudiants et chercheurs autour d'un probleme environnemental C. GRISON, J. ESCARRE, M.L. BERTHOMME, J. COUHET-GUICHOT, C. GRISON, F. HOSY, 2009, 21/09/2009に受諾、印刷中)により、回収された亜鉛のレベル(ZnCl2の形で)を確認できる。記載された条件下で、最初に導入した亜鉛の平均70%が回収され、この場合、1.4 mmoleである。
【0090】
実施例2:UV-可視分光分析による脱水後の植物の葉における亜鉛のアッセイ(CEFE: centre d'ecologie fonctionnelle et evolutive、Helene FrerotおよびBruno Buatoisによるジンコンを用いるアッセイ)
主題
金属を酸に溶解し、比色剤を加え、試料中の亜鉛の量に依存する着色の強度をUV-可視分光分析により分析した後の、植物試料における亜鉛濃度の測定。
【0091】
定義:
ジンコン=[アルファ-(ヒドロキシ-2-スルホ-5-フェニルアゾ)ベンジリデン]ヒドラジノ-2-安息香酸、一ナトリウム塩
【化4】

【0092】
ジンコンは、金属(Cu、Zn、Pb、Cd、Fe、Mn、Ni、Co、Alなど)のキレート化剤である。亜鉛のキレート化は、pH 8.5〜9.5で生じる。これらのpHでは、ジンコン水溶液はオレンジ色であり、亜鉛の存在下で青色に変化する。606 nmでは、ジンコンを含有する亜鉛溶液の吸光度の値は、溶液中の亜鉛濃度を与える。
【0093】
吸光度
光吸収は、試料に進入するよりも試料から出るときにより低い光子の数(光強度)により示される。
【化5】

吸光度(A)は、好ましくは、A = log (I/Io) = -ε.c.L (ベール-ランベルトの法則)に従って定義され、ここで、εはモル吸光係数(M-1.cm-1)である。時に、透過T=I/Ioも用いる。
0<T<1および0<A<∞であり、吸光度は付加的(additive)であるが、透過はそうでないことに注意されたい。
【0094】
方法の原理:
方法は、アラビドプシス・ハレリ(Arabidopsis halleri)およびミムルス・グッタタス(Mimulus guttatus)のためにMacnairおよびSmirnoff (Commun. Soil Sci. Plant Anal. 1999、30、1127〜1136)により開発された。これを、その後、スラスピー・ケルレセンスのために用いた。測定は、平均(植物全体:地上部分および/または地下部分について)または1回限りの測定(葉または根の一片について)であり得る。植物試料をスルホサリチル酸で消化し、この中に亜鉛が緩慢に溶解する。pH 9.6での緩衝液により、試料のpHを、ジンコンによる亜鉛のキレート化に適合する値に調整できる。ジンコン溶液を、次いで、設定した量で加える。サンプリングは、スルホサリチル酸および硫酸亜鉛で作られた標準溶液を用いて行う。ジンコンの量は、試料中の亜鉛の量よりも多いままでなければならない。この方法で、キレート化剤は飽和されず、試料中の全ての亜鉛含量を測定でき、吸光度の値は標準的な範囲内になる。ジンコンを加えた後の試料の青色の着色はその飽和を示し、よって、測定前に希釈を必要とする。
【0095】
試薬
スルホサリチル酸の2%溶液(C7H6O6S、2H2O; M=254.21 g.mol-1;目および皮膚に対して刺激性;目に入った場合は大量の水ですぐに洗浄し、医療的な助言を受ける)
・ 20 gの粉末スルホサリチル酸を250 mLビーカー中で秤量する
・ 純水を加え、完全に溶解するまで磁気撹拌の下に置く
・ 1L(または500 mL)メスフラスコに注ぎ、純水を1Lまで足す
・ 最終溶液を手で撹拌する。
【0096】
緩衝液pH=9.6
・ pH計を校正する(pH計の使用についてプロトコールを参照)
・ 7.5 gの塩化カリウム(KCl; 74.55 g.mol-1)を250 mLビーカー中で秤量する
・ 6.2 gのオルトホウ酸(H3BO3; M=61.83 g.mol-1)を250 mLビーカー中で秤量する
・ 純水を各ビーカーに加え、完全に溶解するまで磁気撹拌の下に置く
・ 両方のビーカーの内容物を1つの1Lビーカーに注ぎ、純水を800 mLまで足す
・ 磁気撹拌の下に置き、溶液中にpH計の電極を入れる
・ 100 mLの2M水酸化カリウム溶液を調製する、すなわち100 mLの純水中に11.22 g (KOH; M=56.11 g.mol-1; R22-35:嚥下すると有害、重篤な熱傷を引き起こす; S26-36/37/39-45: 目に入った場合は大量の水ですぐに洗浄し、医療的な助言を受ける、適切な防護衣類を着用する)。
・ KOH溶液を用いて、pHを徐々に9.6にする(加える容量はおよそ50 mL)
・ 1L(または500 mL)のメスフラスコに注ぎ、純水を1Lまで足す
・ 最終溶液を手で撹拌する。
【0097】
25mM 硫酸亜鉛 (ZnSO4、7H2O; M = 287.54 g/mol; R36/38-50/53: 目および皮膚に対して刺激性、水生生物に対して非常に毒性、水生生物に対して有害な長期の影響を導き得る; S22-25-60-61:粉塵を吸引しない、目に入らないようにする、製品およびその容器は危険物として廃棄する、環境への放出を防ぐ)
・ 0.719gのZnSO4、7H2Oを100 mLビーカー中で秤量する
・ 100 mL未満の2%スルホサリチル酸を加え、完全に溶解するまで磁気撹拌の下に置く
・ ビーカーの内容物を100 mLのメスフラスコに注ぎ、100 mLまでスルホサリチル酸を足す(または7.19gを秤量し、10 mLを100 mL中に入れる)
【0098】
使用直前に調製する0.03%ジンコン溶液
・ 100 mLの水溶液あたり0.03gの粉末ジンコン(デシケータ中で真空下に保つ)をビーカー中で秤量する。必要な容量の純水を加え、デシケータ中の真空の下で完全に溶解するまで磁気撹拌の下に置く
・ 各使用前に穏やかに手で撹拌する(溶解していない粉末が残っていることがある)
【0099】
装置:
用いたデバイスは、Heliosγ分光光度計である。特別の1mLセルを円形コンベヤ上に置く。所定の波長の光線が、セルの磨いた表面を通過する。円形コンベヤは7つの位置を含む。第1番の位置には、ゼロ吸光度(試料中の亜鉛0nmol)を与えるように働く参照試料が入る。他の6つの位置には、アッセイされる亜鉛を含有する試料が入る。吸光度の値を読むために、光線に対向するセルを連続的に配置するために円形コンベヤを手動で回転させれば十分である。
【0100】
校正:
標準溶液(1mL容量)
・ 6つのエッペンドルフチューブを、20μL (試料の容量)の標準溶液中のモル数を記載することにより準備する
・ 20〜200μLピペットを用い、各チューブについて異なるチップを用いて、異なる容量の25 mMストック溶液をチューブ中に分配する
・ 100〜1000μLピペットを用いて、2%スルホサリチル酸を1mLの容量まで足す
【0101】
検量線の作成
1. デバイスの背部のボタンを用いて分光光度計のスイッチを入れる。
2. デバイスが全てのテストを行うまで待つ。
3. λmに対応するボタンを押すことにより波長を調整し、波長+ENTERを入力する。
4. デバイスが吸光度モードであることを確認する(MODEにおいてABSを選択)。
5. 100〜1000μLピペットを用いて、780μLの緩衝液を各1mLセルに入れる。
6. 20〜200μLピペットを用いて、200μLのジンコンを加える;混合物の色は、オレンジから青まで変動する(青=キレート化剤の飽和)。
7. 20〜200μLピペットを用いて、20μLの標準溶液を加える。
8. 20〜200μLピペットとサンプリングおよび標準溶液のために用いたチップとを用いて、各セル中の混合物を均質化する。
9. セルを、分光光度計の円形コンベヤ上に置いて(光線に対する向きについて注意する)、「0nmol」セルが第1番の位置に、「10 nmol」が第2番の位置に、などにする。
10. 「ゼロベース」を押すと、デバイスは、第1番のセルの吸光度をゼロにする。
11. 円形コンベヤを反時計回りに1つの位置回転させ、次いで、吸光度が第2番のセルについて表示されるなどを第7番のセルまで行う。
12. 標準溶液の濃度に応じた吸光度が直線の関係に従う(ベール-ランベルトの法則)ことを確認し、直線の勾配を書きとめる。
13. 所望により、反復を行う。分光分析のための10 mLの混合物のpHを、0、40および80 nmolについて確認する。
14. この直線の勾配を、試料の亜鉛濃度を計算するために用いる。勾配は、分母である。
【0102】
サンプリング:
平均亜鉛濃度を見積もるための試料の調製:
・ 分析用の植物の部分(葉または根)を小断片(新鮮な物質)に切断するか、または各個別の植物について乳鉢で粉砕して乾燥させる(乾燥物質)
・ 断片を混合し、いくつかのエッペンドルフチューブ(個別の植物あたり少なくとも4つ)に、エッペンドルフチューブあたり50〜100 mgの物質(およそ半分が埋まる)の割合で分配する。試料の質量を、試料を秤量する前に各エッペンドルフチューブについて秤をゼロに設定することにより正確に測定する
・ 植物物質が新鮮であるならば、エッペンドルフチューブのストッパーに小さい穴を開けた後にそれらを30分間液体窒素に浸す(蓋を閉じてポリスチレン容器中で浮かべる)
・ 1000〜1500μLの2%スルホサリチル酸を加える。組織の質量が低く、予測される亜鉛濃度が低い場合は、より低い容量を用いる
・ 酸による組織の消化を1晩行う
・ 希釈:100マイクロリットルの試料をとり、それを別のエッペンドルフチューブに注ぐ。次いで、300マイクロリットルのスルホサリチル酸を加えて×4希釈を得る。×8希釈のために700マイクロリットルを加えなければならない。
【0103】
1回限りの測定のための試料の調製
・ 分析用の植物の部分(葉または根)を小断片(新鮮な物質)に切断するか、または各個別の植物について乳鉢で粉砕して乾燥させる(乾燥物質)
・ 断片を、エッペンドルフチューブに、エッペンドルフチューブあたり5〜50 mgの物質の割合で入れる。試料の質量を、試料を秤量する前に各エッペンドルフチューブについて秤をゼロに設定することにより正確に測定する
・ 植物物質が新鮮であるならば、エッペンドルフチューブのストッパーに小さい穴を開けた後にそれらを30分間液体窒素に浸す(ポリスチレン容器中で浮かべる)
・ 1000〜1500μLの2%スルホサリチル酸を加える。組織の質量が低く、予測される亜鉛濃度が低い場合は、より低い容量を用いる
・ 酸による組織の消化を1晩行う
・ 希釈:100マイクロリットルの試料をとり、それを別のエッペンドルフチューブに注ぐ。次いで、300マイクロリットルのスルホサリチル酸を加えて×4希釈を得る。×8希釈のために700マイクロリットルを加えなければならない。
【0104】
操作方法:
1. 分光光度計のスイッチを入れる
2. 各1mLセル中に:
3. 100〜1000μLピペットを用いて、780μLの緩衝液を入れる
4. 20〜200μLピペットを用いて、200μLの新しく調製したジンコンを加える
5. 20〜200μLピペットを用いて、20μLの試料をとる。必要であれば、より清澄な液体をサンプリングするために、エッペンドルフチューブを10000 rpmにておよそ8分間遠心分離する
6. 各セル中の混合物を、20〜200μLピペットと試料を採取するために用いたチップとを用いて均質化する。
7. 試料の色を書きとめる。必要であれば、(青色の溶液=キレート化剤の飽和)試料を希釈中にできるだけ多く採取するようにして、試料を希釈する
8. 606 nmにて分光光度計により吸光度を測定し、それから試料の亜鉛濃度(nmolで)を、検量線により導きだす
【0105】
重要な注意点:
ジンコンは酸化に感受性であるので、空気から保護して粉末を貯蔵し(真空ベルジャー中で)、使用前の溶液を保護し、1日以上保存しない。
【0106】
実施例3:実施例1の亜鉛触媒を用いる反応
3.1:金属がZnである触媒を用いるアルコールのハロゲン化
第2級アルコールの例(一般的な手順):
2mmoleのアルコールを、実施例1の反応混合物に、25℃にて加える。
平均の撹拌時間は、40℃にて3時間である。塩素化誘導体は、石油エーテルの添加、抽出、炭酸水素ナトリウム溶液での洗浄、塩化カルシウムでの乾燥、石油エーテルの除去により単離できる。
バイルシュタイン試験およびCPV (CarloErbaGC 6000 vegaシリーズ2、colonne OV1 5% sw分析により、塩素化誘導体の形成が確認される。
【0107】
第3級および第2級ベンジルアルコールへの方法の拡張:
これらのアルコールを、同じ条件下で試験した。反応は、迅速であり(30分)、加熱は必要でない。
【0108】
第1級アルコールへの方法の拡張:
方法は同等であるが、塩素化反応はより難しい。高温での加熱(反応媒体の還流)を2〜3時間行った。
以下の表IIは、用いたアルコールを示す:
【0109】
【表2】

【0110】
実施例4:金属集積植物種で行われるハロゲン化反応のモデリング
1)実験室で亜鉛が存在する種、ティー・ケルレセンスを栽培するためのリンゴ酸亜鉛の調製;
2)リンゴ酸亜鉛からの塩化亜鉛の調製;
3)以前に調製された塩化亜鉛を用いる第2級アルコールのハロゲン化。
【0111】
これらの変換の実行は、次のようにして行う:
1)リンゴ酸亜鉛は、リンゴ酸(Aldrich 088K0026)に対する活性化粉末亜鉛(Me3SiClにより予め活性化)の作用により調製する。リンゴ酸は固体であるので、部分的溶解および媒体の均質化を、4-メチル-ペンタン-2-オールを用いて行う。このアルコールは、方法全体にわたって溶媒として、およびハロゲン化反応において試料アルコールとして作用する。水素の放出およびその後の亜鉛の完全な溶解により、反応の進行を追跡できる。
反応は、亜鉛全体の消費を確実にするために、50℃への加熱を必要とし、反応順序が重要なように条件が必要である(そうでなければ亜鉛が次のステップでHClと反応し、ZnCl2が直接形成される)。
【化6】

【0112】
2)過剰の塩化水素酸をリンゴ酸亜鉛に加えることにより、二塩化亜鉛が、単純な酸-塩基反応により形成でき、ルーカス試薬のin situ調製がもたらされる。
【化7】

【0113】
3) ZnCl2/HCl混合物が4-メチル-ペンタン-2-オールの存在下で形成されるので、ハロゲン化反応は、HClを加えるとすぐに開始する。
【化8】

周囲温度にて15分間撹拌した後に、反応混合物を処理する。CPVにより評価される変換率は、60%である。
【0114】
結論
植物媒体中で行われる反応順序は、よって、標準的な合成条件下で完全にモデル化される。
【0115】
実験部
2.534 gの固体の形のリンゴ酸(0.0189 mol)および2.472 gの粉末の形の金属亜鉛(0.018 mol)を、水冷凝縮器を備えた100 mLの1つ口フラスコに逐次的に導入し、4-メチル-ペンタン-2-オール(7mL)を加えて固体を分散し、リンゴ酸が部分的に可溶化している反応媒体の撹拌を容易にする。
混合物を50℃にて4時間還流し、次いで、これを、全ての金属亜鉛が消費されるまで12時間撹拌して周囲温度に戻す。
12N塩化水素酸(6eq.)を、次いで、混合物に加えてZnCl2を生成する。
最後に、過剰の4-メチル-ペンタン-2-オールは、再生されたリンゴ酸と反応して、2-クロロ-4-メチル-ペンタンを生成する。15 mLのエーテルを加えて、塩素化誘導体を抽出する。デカンテーションならびに水相および有機相の分離の後に、エーテル相を10 mLの水で2回洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで乾燥する。溶液をろ過し、次いで濃縮する。粗混合物を蒸留する(bp=131〜134℃)。単離される60%の2-クロロ-4-メチルペンタン(1.285 g)は、純粋である。
溶液を、バイルシュタイン試験に供して、ZnCl2の存在を間接的に確認する。試験は陽性である。塩素化誘導体の形成は、質量分析により容易に確認される(m/z: 135および137)。
【0116】
実施例5:金属がNiである金属触媒を含有する組成物の調製
実施例5.1:セベルティア・アクミナタ植物
10 gのセベルティア・アクミナタの茎および小枝をか焼する(ここでは、ニッケル塩の大部分が、セベルティア・アクミナタの乳樹脂中にある)。ニッケルの量(dosage)は、酸化性媒体中のジメチルグリオキシム(DMG)を用いて、分光分析により行う。4.5〜5gのニッケルが得られる。灰を、30 mLの1N HClを含有するビーカーに入れる。混合物を3時間、超音波タンク中で激しく撹拌する。媒体が濃厚になりすぎる場合に、数mLのHCl 6Nを加える。
混合物をろ過し、次いで、ろ液を凍結乾燥して、NiCl2触媒を含有する脱水組成物を得る。
【0117】
実施例6:アリーンカップリング(couplage arynique)の触媒であるジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)の調製:
実施例5の組成物(NiCl2、6H2O)を、50 mLの乾燥エタノールにとり、80℃に加熱する。
トリフェニルホスフィン(11g)を、100 mLの乾燥イソプロパノールに、窒素雰囲気下で溶解する。混合物を、還流下で、トリフェニルホスフィンが完全に溶解するまで撹拌する。これを、次いで、上記のようにして調製した熱二塩化ニッケル溶液(NiCl2)に加える。溶液を、還流下で30分間撹拌し、次いで、周囲温度にする。
混合物をろ過し、次いで、残存固体を冷エタノール(40 mL)、次いでエーテル(20 mL)で洗浄する。固体のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)を、窒素流の下で乾燥する。
【0118】
実施例7:セベルティア・アクミナタから単離された実施例5.1のNiCl2触媒からのニッケル(0)の調製
2gの凍結乾燥により得られたNiCl2 (実施例5)を、50 mLの95%エタノールに入れ、80℃まで、塩の最大限の溶解が得られるまで加熱する。1mLの6N塩化水素酸溶液を加える。2.5 gのアルミニウム粒(100ミクロン)を、二水素の放出を維持できる速度で少量ずつ(1度に0.5グラム)加える。緑色のニッケル塩が、全てのアルミニウムを加えた後に完全に消費されないならば、追加の粒をいくつか加える。混合物を、フリットで直ちにろ過する。固体(Ni(0))を、ソーダ溶液(50 mLの20% NaOH)に迅速に注ぐ。撹拌を、60℃にて30分間維持する。過剰のソーダを除去し、触媒固体を50 mLの蒸留水で5回洗浄する。
【0119】
実施例8:1-フェニル 2-アミノプロパン中での1-フェニル 2-ニトロプレンの還元
本方法は、C=C二重結合およびニトロ基の二重還元における方法の応用を示す。
2.5 gの1-フェニル 2-ニトロプロペンを25 mLのエタノールに入れ、次いで、エタノール性ニッケル溶液(50 mlのEtOH中の2g NiCl2)に加える。
1.5 mLの塩化水素酸をゆっくりと加え、次いで、10.5グラムのアルミニウムをゆっくりと導入する。アルミニウムの溶解の後に、4 mLのHCl、次いで0.8gのアルミニウムを交互に加える。
このHClとアルミニウムの逐次添加を2回繰り返す。
【0120】
アルミニウムの消費は緩慢であり、5〜6時間の反応を必要とする。媒体を、次いで、ソーダ水溶液を用いて注意しながら中和する。反応は、高度に発熱性である。
30分後に、有機相はオレンジ色になり、このことは、予期されるアミンの形成を示す。デカンテーションおよび濃縮の後に、得られた粗シロップをアセトンに採取する。
硫酸を加えることにより、1-フェニル 2-アミノプロパンに由来する硫酸アンモニウムが沈降し、これは、ろ過により単離される。
【0121】
実施例9:金属がCuである金属触媒を含有する組成物の調製
9.1:イポメア・アルピナを起源とする触媒
触媒は、ZnまたはNiと同じ方法でイポメア・アルピナから調製する。
【0122】
実施例10:オキシムの顕色(revelation)
実施例10.1
0.5% CuCl2水溶液(実施例9.1)を調製し、シリカ被覆薄層クロマトグラフィープレート上に予め沈着させたオキシム上に気化させる。
緑色または緑-茶色のマークが容易に出現する。これは、オキシム-Cu2+錯体の特徴である。
【0123】
実施例11:Zn、CuまたはNiのような金属を集積した植物から単離された金属触媒による求電子芳香族置換反応
実施例1(ZnCl2)、実施例5(凍結乾燥前のNiCl2)または実施例9(CuCl2)で得られた触媒を、凍結乾燥し、水/エタノール混液(1/1、v:v)に分散し、次いで、モンモリロナイトに含浸する(二ハロゲン化金属化合物1mmoleあたり1gのモンモリロナイト)。混合物を20℃にて24時間撹拌する。
得られた固体を、次いで、少量のNH4Cl (0.2 g/20 ml EtOH)を含有するエタノールと80℃にて2時間混合する(1gの固体/20 ml EtOH)。固体をろ過し、EtOHで3または4回洗浄する。得られた固体を150℃のオーブンで1晩乾燥する。乾燥後、固体を粉砕し、500℃にて5時間か焼する。ZnCl2-モンモリロナイト触媒複合体を、トルエンおよび塩化ベンジルの混合物に加える。
超音波活性化により、1時間撹拌した後に、異性体求電子置換生成物である4-および2-メチルジフェニルメタンが得られる。
【0124】
実施例12:ろ過(ステップd.)を行わずに得られた触媒を含有する組成物を用いて行う第2級アルコールのハロゲン化反応の比較例
アヴィニエールの鉱山の土壌を起源とするスラスピー・ケルレセンスの脱水して粉末にした葉30.03 gを、ジンコン法によりアッセイする。得られた乾燥物質中に存在する亜鉛のレベルは、420 mgまたは2mmoleである。乾燥物質を、次いで、20 mLの1N塩化水素酸に入れる。
溶液を1時間撹拌し、次いで、2時間音波処理する。1〜2mLの12N HClを加えて、媒体の満足のいく撹拌を可能にする。
2mmoleの4-メチルペンタン-2-オールを直接、ろ過せずに、以前の反応混合物に25℃にて加える。非常に不均質な暗緑色の溶液を40℃にて5時間撹拌し、反応媒体の試料を、数mLの石油エーテルに入れ、CPVにより分析する。痕跡量の塩素化誘導体だけが観察される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)または銅(Cu)から選択される少なくとも1つの金属を集積した植物または植物部分の、金属が前記金属の1つである少なくとも1つの金属触媒を含有し、前記触媒が関与する有機合成反応の実行を可能にする組成物を調製するための使用。
【請求項2】
前記植物が、アブラナ科、特にスラスピー属の種、特にティー・ケルレセンス、ティー・ゲシンゲンス、ティー・タトレンス、ティー・ロトゥンジフォリウム、ティー・プレコックス、アラビドプシス属の種、特にアラビドプシス・ハレリー、およびアリッサム属、特にエー・ベルトロニー、エー・セルピリフォリウム、マメ科、特にアンティリス・ブルネラリア、アカテツ科、特にセベルティア・アクミナタ、プランコネラ・オキシエドゥラの種、ヒルガオ科、特にイポメア・アルピナ、プランコネラ・オキシエドゥラの種、またはアカネ科、特にサイコトリア・ドウアレイ、特にピー・コスチベニア、ピー・クレメンティス、ピー・ヴァンヘルマニーの種から選択される請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記植物が、アブラナ科、特にスラスピー・ケルレセンスまたはアラビドプシス・ハレリーに属し、前記植物により集積される金属が、Znである請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
植物におけるZn濃度が、植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ2700 mg/kg〜およそ43700 mg/kg、好ましくは植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ2700 mg/kg〜およそ13600 mg/kg、より好ましくは植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ6000 mg/kg〜およそ9000 mg/kg、特に植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ7000 mg/kg〜およそ8000 mg/kgに含まれる請求項3に記載の使用。
【請求項5】
前記有機合成反応が、特にアルコールのハロゲン化および求電子芳香族反応、特に置換から選択される請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記植物が、アカテツ科、特にセベルティア・アクミナタ、アカネ科、またはアブラナ科、特にスラスピー・ゲシンゲンスもしくはスラスピー・ケルレセンスであり、前記植物により集積される金属が、Niである請求項1または2に記載の使用。
【請求項7】
植物におけるNi濃度が、植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ1000 mg/kg〜およそ36000 mg/kg、好ましくは植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ2500 mg/kg〜およそ25000 mg/kg、より好ましくは植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ2500 mg/kg〜およそ19900 mg/kg、特に植物もしくは植物部分の乾燥重量のおよそ15000 mg/kg〜およそ18000 mg/kgを含む請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記有機合成反応が、Ni(II)からNi0への還元の後のカップリングまたは水素化反応のための触媒合成反応から選択される請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記植物が、ヒルガオ科、特にイポメア・アルピナであり、前記植物により集積される金属が、Cuである請求項1または2に記載の使用。
【請求項10】
植物におけるCu濃度が、植物または植物部分の乾燥重量のおよそ1000 mg/kg〜およそ13700 mg/kgを含む請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記有機合成反応が、アミノ酸またはオキシムの顕色剤の合成から選択される請求項10に記載の使用。
【請求項12】
金属が特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属触媒を含有する請求項1で定義される組成物を調製する方法であって、以下の:
a. 特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属を集積した植物または植物部分をか焼して、か焼植物またはか焼植物部分を得るステップと、
b. 前記か焼植物またはか焼植物部分を、酸、特に塩化水素酸または硫酸中に撹拌して、植物またはか焼植物部分を分解し、分解か焼植物または植物部分と、金属が特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属触媒とを含有する混合物を得るステップと、
c. 分解か焼植物または植物部分と、少なくとも1つの金属触媒とを含有する前記混合物を濃縮して、分解か焼植物または植物部分と、特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属触媒とを、bで得られたものよりも大きい割合で含有する濃縮混合物を得るステップと、
d. 前記濃縮混合物をろ過して、ろ液と沈降物とを得るステップであって、前記ろ液が、金属が特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属触媒を含有する組成物に相当し、前記ろ液のpHが、組成物のpHがZnについて≦2であり、Niについておよそ7に等しく、Cuについて2から7の間に含まれるような条件下で、金属に応じて調整されるステップと
を含む方法。
【請求項13】
ステップaが、およそ200℃からおよそ400℃までに含まれる、特に300℃の温度にておよそ1時間〜3時間、特に2時間にわたって行われ、次いで25℃に冷却され、
ステップbが、希または濃塩化水素酸、特に濃塩化水素酸を用いて、およそ30分〜およそ2時間、特に1時間にわたって行われ、
ステップcが、
-部分的蒸発または
-およそ1〜およそ3時間にわたる音波処理および希または濃塩化水素酸の添加
により行われる請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ステップdで得られる組成物中の水分が、完全に蒸発されて、前記触媒を含有する脱水組成物が得られる、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1で定義される、金属が特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属触媒を含有する組成物を、前記組成物と反応できる少なくとも1つの化学化合物と接触させるステップを含む、有機合成反応を実行するための方法。
【請求項16】
前記有機合成反応が、アルコールのハロゲン化である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
a. アルコールを、請求項15で定義されるその金属がZnであり、2以下のpHを有する前記金属触媒を含有する組成物と接触させて、アルコール-触媒複合体を形成するステップと、
b. 前記複合体を、周囲温度またはおよそ30から60℃まで、好ましくはおよそ40から50℃までに含まれる、特におよそ40℃の温度にて、およそ1〜およそ24時間、好ましくはおよそ1〜およそ12時間、より好ましくはおよそ1〜およそ6時間、特におよそ3時間にわたって撹拌して、前記ハロゲン化アルコールを含有する反応混合物を得るステップと、
c. 前記反応混合物を、有機溶剤、特に石油エーテルを用いて抽出して、前記ハロゲン化アルコールを回収するステップと
を含む請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
ステップaの触媒/アルコールのモル比が、およそ0.01からおよそ5まで、好ましくはおよそ0.1からおよそ5まで、より好ましくはおよそ1からおよそ4まで、特におよそ2から4までに含まれる請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記有機合成反応が、2つの反応物AおよびBを伴う求電子芳香族置換反応である請求項15に記載の方法。
【請求項20】
a. 反応物AおよびBを、上記で定義され、その金属がZnである前記金属触媒を含有する脱水組成物と、トルエン中で接触させて、反応物A,B-触媒複合体を得るステップと、
b. 前記反応物A,B-触媒複合体を、周囲温度またはおよそ20から80℃まで、好ましくはおよそ20から40℃までに含まれる、特におよそ30℃の温度にて、およそ15分からおよそ5時間、好ましくはおよそ30分からおよそ2時間、特におよそ1時間にわたって撹拌して、求電子置換生成物を得るステップと、
c. ろ過および蒸発を行って、前記置換生成物を回収するステップと
を含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ステップaの触媒/Aのモル比が、およそ0.01からおよそ5まで、好ましくはおよそ0.1からおよそ5まで、より好ましくはおよそ1からおよそ4まで、特におよそ2から4までに含まれ、ステップaの触媒/Bのモル比が、およそ0.01からおよそ5まで、好ましくはおよそ0.1からおよそ5まで、より好ましくはおよそ1からおよそ4まで、特におよそ2から4に含まれる請求項20に記載の方法。
【請求項22】
請求項1で定義される、金属が特にZn、NiまたはCuから選択される少なくとも1つの金属触媒を含有する組成物であって、塩化物または硫酸塩の形での前記金属の少なくとも1つと、分解に起因するセルロース断片、例えばセロビオースおよび/もしくはグルコース、ならびに/またはグルコース分解生成物、例えば5-ヒドロキシメチルフルフラールおよびギ酸とを含む組成物。
【請求項23】
酸性化された溶液、特に水性塩化水素酸または硫酸中の請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
脱水された形の請求項22に記載の組成物。
【請求項25】
請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法を実行することにより得られる組成物。

【公表番号】特表2013−512084(P2013−512084A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540468(P2012−540468)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際出願番号】PCT/FR2009/052312
【国際公開番号】WO2011/064462
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(502205846)サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク (154)
【出願人】(509211099)ユニベルシテ・モンペリエ・2・シアンス・エ・テクニク (8)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE MONTPELLIER 2 SCIENCES ET TECHNIQUES
【Fターム(参考)】