説明

化学物質を所定の進入温度及び排出温度でヒーター中で段階的に温度制御するための方法及び該方法を実施するための装置

本発明は、化学物質を、所定の進入温度及び排出温度でヒーター中で段階的な温度制御するための方法であって、該化学物質は、ヒーターを導通する際に特定の所定の圧力範囲に保持される方法、並びに、該方法を実施するための装置に関する。本発明は、特に装置の始動プロセスの際に、経済的に有利で、安全でかつ環境に配慮した運転を可能にする、好適な方法並びに該方法の実施に好適な装置を提供することを課題としている。本発明によれば、前記課題は、請求項1;11及び19;22に記載された本発明による特徴により解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学物質を、所定の進入温度及び排出温度でヒーター中で段階的に温度制御するための方法であって、該化学物質は、ヒーターを導通する際に特定の所定の圧力範囲に保持される方法及び該方法を実施するための装置に関する。
【0002】
種々の組成の化学物質を、工業プロセスにおいて電気運転式ヒーターをベースとして加熱することは公知である。この種の化学物質(この場合、該化学物質は水であってもよい)の温度制御は、化学物質の量が大規模でない場合にのみ実施可能である。かかる方法を用いた加熱は極めてコストがかかり、かつ経済的な観点から完全に不適当である。物質の量が大規模である場合、一般に水の蒸発ないし過熱の際に慣用であるように、点火されたヒーター中で加熱を行うことが必要である。最後に記載した方法の場合、始動プロセスを比較的長期間にわたって高いエネルギーコストで行わなければならないことが不利である。始動プロセスの際には、最終段階の達成のために、経済的な有効性なしに、著量のエネルギーがヒーターないし装置全体に供給され、利用されずに周囲に排出される。
【0003】
本発明の課題は、特に装置の始動プロセスの際に、経済的に有利で、安全でかつ環境に配慮した運転を可能にする、化学物質を段階的に温度制御するための方法であって、その際、該化学物質は、ヒーターによって所定の進入温度及び排出温度及び所定の圧力段階に保持される方法、及び、該方法を実施するための装置を創作することであった。
【0004】
本発明によれば、前記課題は、化学物質を、所定の進入温度及び排出温度でヒーター中で段階的に温度制御するための方法であって、該化学物質は、ヒーターを導通する際に特定の所定の圧力範囲に保持される方法において、段階的な温度制御を、始動プロセスにおいて、ヒーターの導入管と導出管との間に接続された始動ユニットで行い、その際、ヒーター並びにユニットの度重なる貫流により、化学物質の段階的な温度制御を、所定の温度及び所定の圧力が達成されるまで導入管及び導出管を遮断して行い、かつ、所定の圧力−及び温度状態に調節された際に始動プロセスを停止し、かつ、始動ユニットの遮断により、導入管から導出管までのヒーターの直接の貫流を行うことを特徴とする方法により解決される。本発明の一実施態様において、始動ユニットは、ヒーターの前の導入管とヒーターの後の導出管との間の架橋として、機能ユニット、例えば、均衡容器、水冷却器又は空気冷却器及び循環ポンプを伴って、装置に組み込まれている。本発明による有利な解決法において、化学物質を所定の進入温度及び排出温度で段階的に温度制御するための装置はヒーターを有し、該ヒーターにおいて装置中の媒体は超臨界温度範囲にされ、ヒーターからの出口まで、後続の作業工程のための所定の温度範囲へとシフトされ、かつ、媒体は、始動ユニットを用いてヒーターを介して温度及び充填量が増加した循環状の閉じた始動プロセスへとシフトされ、この温度及び充填量が、所定の圧力の保持下にヒーターを去るまで調節され、かつ保持される。本発明の実施態様に関する有利な概要は、以下の方法工程:
− ヒーターを充填する工程
− 必要なプロセス圧を達成するために、始動ユニットの均衡容器中でガスクッションを作製する工程
− 装置の導入管及び導出管中の弁を閉める工程
− 連続循環プロセスにおいて装置の始動ユニットの接続下に化学物質を処理するために循環させ、ヒーターにより熱導入を開始させる工程
− 始動プロセス及びこれに属する本発明による始動ユニットを停止して、後続の運転範囲へと化学物質を供給する工程
− 装置の化学物質槽からの化学物質をヒーターを介して後続の作業範囲へと供給することにより、装置の連続的な運転を保持する工程
を用いて実施される段階的な温度制御に関する特徴を提供する。
【0005】
本発明の有利な一実施態様において、ヒーター並びに始動ユニットにガスが充填され、前記ガスは、充填導入された化学物質によって始動ユニットの膨張容器に達し、かつ前記ガスはヒーターまで加圧下にあり、かつ装置は完全に充填されている。もう1つの実施態様において、ヒーターを有する装置において、装置のために必要な充填状態の保持下に化学物質を繰り返し循環することによって運転準備がなされ、かつ化学物質槽の後に配置された装置の供給ポンプが停止され、その際、本発明の有利な実施態様において、不活性ガスを用いた圧力クッションの作製により、装置内の化学物質が臨界圧の範囲内に導かれ、調節され、かつ保持される。本発明による方法は、更に、化学物質の循環流を装置に付属しかつ接続された始動ユニットを介して保持する際に、ヒーターのバーナーを始動させ、化学物質を温度制御し、かつ、冷却器と化学物質との間で、冷却器と全ヒーター出力とが温度均衡に達するまで連続的に熱交換することによって調節し、かつ、均衡容器を介して化学物質の増大した体積を受容し、ガスクッションの調節によって所定の圧力の均衡を保ち、かつ装置の運転状態を保持する場合に有利である。本発明による解決法のもう1つの有利な実施態様において、ヒーター内で必要な温度及び圧力に達した際に、加熱された化学物質は、低度に温度制御された化学物質の意図的な充填により排除され、かつ、ヒーターからの接合部に供給され、その際、出口温度は化学物質への噴射冷却を用いて精確に調節され、かつ、その温度突出は標準のレジームに戻され、かつ化学物質の連続的な搬送流は、単調な流れのために、始動ユニットの停止によって調節される。本発明はさらに、全負荷運転において、化学物質の排出量を、必要な運転圧力に対して所定の比へとシフトし、かつ、熱導入の調節によって、装置の温度及び圧力を一定に保持し、かつ全負荷まで導き、その際、温度変動を低度に温度制御された化学物質の供給により均衡化するというように構成される。本発明は、全装置への化学物質の進入温度として、10〜30℃、有利に20℃が予定されているという態様を有し、かつ本発明の他の実施態様において、610℃まで、有利に550〜600℃の化学物質の排出温度が予定されている。本発明のもう1つの実施態様において、装置の圧力は超臨界パラメータでも調節される。装置の運転圧力を、例えば35〜40バールの超臨界圧に調節する場合に、本発明は更に有利である。装置の始動ユニットにおける所定の圧力の調節のために、始動ユニットの膨張容器内のガスクッションを、不活性ガスの供給によって達成する場合に、本発明は有利である。本発明による解決は、全装置の始動プロセスを、供給導管と排出導管との間に配置された始動ユニットとしての架橋導管を介して、環状の繰り返しの循環中でヒーターを通じて行い、所定の温度並びに装置の運転圧に達した際に該始動プロセスを終了することによって有利に満たされる。本発明による解決の有利な一実施態様において、始動ユニットは、ヒーターの前の導入管とヒーターの後の導出管との間の架橋として、機能ユニット、例えば、均衡容器、冷却器及び循環ポンプを伴って装置に組み込まれる。冷却器が種々の媒体、例えば、選択的に水又は空気で運転される場合にも本発明は満足のいくものであることは、当業者には自明である。
【0006】
本発明による解決のもう1つの実施態様において、段階的な温度制御は、始動プロセスにおいて、ヒーターの導入管と導出管との間に接続された始動ユニット内で行われ、その際、ヒーター並びに設備の度重なる貫流により、化学物質の段階的な温度制御は、導入管及び導出管を遮断して行われ、かつ、化学物質は、始動プロセスの流動方向で、ヒーターから冷却器に供給され、該冷却器中で冷却して温度制御され、遮断アーマチャーを通過させ、膨張容器に流入させ、該膨張容器に、物質を体積−及び圧力均衡のために導入され、主要導管への連結と協働して始動ユニット内で膨張容器とヒーターの後の主要導管との間で化学物質の体積均衡が確立され、かつ同時に、化学物質は、始動プロセスにおいてヒーターの前の供給主要導管に流入される。化学物質は、冷却された状態で遮断アーマチャーに流入され、かつ、循環ポンプによって、ヒーターに向かう主要導管と膨張容器との間で、反対方向に流動するように保持され、その際、温度制御された化学物質はヒーターから直接冷却器に供給されて冷却され、膨張容器に供給されて体積−及び圧力均衡が確立され、始動プロセスの循環に再度供給されることは、本発明による解決の有利な一実施態様である。温度制御すべき物質流を、蒸発可能な特性を有する化学物質から形成することは、本発明による解決の有利な一実施態様である。
【0007】
本発明のもう1つの実施態様は、温度制御すべき物質流を、蒸発可能な特性を有する化学物質及び該化学物質からなる物質混合物から形成することである。
【0008】
本発明による方法において、特に、化学プロセスのための出発材料である、蒸発可能な化学物質又は該化学物質からの相応する混合物(保護混合物を含む)を使用することは、本発明による解決の有利な一実施態様である。ここで例示的に以下のものが挙げられる:水素、酸素、オゾン、窒素、ハロゲン、希ガス、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、ハロゲン化水素、例えば、HCl、水、アンモニア、合成ガス、天然ガス、炭化水素、例えば、C1〜C16−アルカン、例えば、メタン、プロパン、ブタン、イソオクタン、特に、石油精製からの炭化水素フラクション、ハロゲン化炭化水素、例えば、塩化メチル、二塩化メチル、塩化ビニル、四塩化炭素、オレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、アルキン、例えば、アセチレン、芳香族化合物、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−及びi−プロパノール、n−、i−及びt−ブタノール、ポリアルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、酸アミド、アミノ酸、アミン、エーテル、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、エチル−t−ブチルエーテル、エステル、硫黄化合物、例えば、硫化水素、硫黄有機化合物、リン有機化合物、金属有機化合物、ゲルマン、シラン、特にオルガノシランないしクロロシラン及びシロキサン、例えば、これに限定されるものではないが、ヘキサメチルジシロキサン、テトラメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、クロロメチルトリクロロシラン、2−クロロエチルトリクロロシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、3−クロロ−2−メチル−プロピルトリクロロシラン、ポリクロロシラン、ポリシラン、モノシラン、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン(これらは若干の例を挙げたに過ぎない)又は2以上の上記物質からの混合物。
【0009】
本発明による解決は、さらに、化学物質を、所定の進入温度及び排出温度でヒーターを用いて温度制御するための装置において、前記ヒーターは、供給のための第一の導管を介して化学物質槽と連結されており、かつ、物質の排出のための第二の主要導管を介して後続のプロセスへと連結されており、かつ、第二の導管から第一の主要導管へと、装置の始動のための始動ユニットが設置されており、この始動ユニットによって、段階的な温度制御を、第二の主要導管のアーマチャーが閉じた状態でのヒーターを通じて循環する化学物質と、始動ユニットの開いたアーマチャーを介した化学物質の流入とによって行い、この後に冷却器が配置されており、前記冷却器の後に遮断弁が続き、前記遮断弁は化学物質をポンプに供給し、前記ポンプは化学物質をアーマチャーに供給し、開いた状態の前記アーマチャーを介して、化学物質は第一の導管の部分に達し、再度ヒーターへと流入し、前記ヒーター中で化学物質は温度の上昇に曝され、主要導管に繰り返し循環して流入し、かつ、所定の排出温度に調節された場合に、並びに、設定された所定の圧力で、主要プロセスの導管のアーマチャーを開け、かつ始動ユニットのアーマチャーを閉じた状態で、始動ユニットの遮断下に第二の主要導管を介して接合部に導かれる装置において満たされる。
【0010】
さらに、本発明は、始動プロセスにおけり段階的な温度制御のための始動ユニットが接続されており、かつ、第二の主要導管の範囲に導入アーマチャーを有し、前記導入アーマチャーは膨張容器に接続されており、前記膨張容器は冷却器と協動して化学物質を循環ポンプへと導き、前記循環ポンプはこの化学物質をアーマチャーを介してヒーターと連結された第一の主要導管の管状導管の部分へと導き、かつユニット内の循環が、装置の所定の運転パラメータが達成されるまで進行することにより構成される。
【0011】
本発明の特別な一実施態様は、始動ユニット内の化学物質が、開いたアーマチャーを介して、不活性ガスで充填された膨張容器へと流入し、前記膨張容器中で、ガスクッションを介して、化学物質の所定の圧力が連続的に徐々に調節され、かつその後、空気冷却器に到達し、前記空気冷却器は、装置へと段階的にわずかに熱導入した状態で、慣性状態及び均衡状態が生じるまで運転され、その際、循環ポンプは、化学物質を開いたアーマチャーを介してヒーターへと導く導管に供給することである。本発明の範囲内で有利な一実施態様において、装置の始動のための始動ユニット内で、段階的な温度制御がヒーターを通じた物質流の循環により行われる。始動プロセスは、供給導管及び排出導管のアーマチャーを閉じて行われる。この場合、化学物質は、ヒーターから、供給導管を介して、ヒーターの直後に配置されている冷却器に直接流入する。遮断弁を介して、物質流はポンプに達し、このポンプは物質流を第一の主要導管のもう1つの導管部分に供給し、かつ、上昇導管部分を介して膨張容器に流入させ、この膨張容器によって始動ユニットの圧力−及び体積均衡が確立される。膨張容器と排出主要導管部分との間にはもう1つの導管が設けられており、この導管によって、膨張容器と主要導管の排出部分との間の圧力均衡が確立される。膨張容器と主要導管部分との間に配置された導管は、主要導管との遮断可能な結合を形成する。不活性ガスを膨張容器中に導くために、アーマチャーを有するもう1つの導管が設けられている。本発明のもう1つの実施態様において、始動プロセスの循環において、ヒーターからの化学物質は、冷却器及び後続のアーマチャーに達し、かつ、もう1つの導管を介して、循環ポンプによって、主要導管の供給部分に達する。
【0012】
本発明による解決は、化学物質が、始動ユニットのための装置コストをより低くし、かつその機能安全性を高めるという方法的な利点を有し、それというのも、化学物質が今や冷却されて循環ポンプを介して均衡容器に供給され、かつその機能安全性が保証されるためである。
【0013】
本発明のもう1つの実施態様において、ヒーターは密閉式の耐圧体から構成されており、該耐圧体の火炎室へとバーナーの火炎が突出しており、その際、火炎室の壁部は、軸及び半径方向に多段階に配置されたヒーター管で充填されており、該ヒーター管は、一緒になって結束して化学物質によって貫流されており、かつ、方向が繰り返し変化する排煙流で加熱され、その際、半径方向で外側に位置しているヒーター管中で、それぞれ最も高い温度レベルが達成されている。
【0014】
本発明は有利な一実施態様において、ヒーター中での所定の温度は、前接続されたプロセスからの廃熱を使用した加熱により調節されている。本発明による解決は、種々の化学物質の温度制御のための装置において、始動ユニットを全装置に組み込むことによって、装置の極めて経済的な始動を保証する。始動ユニットは、装置の温度制御のための始動プロセスを、始動ユニットを含む装置の全てのユニットを満たした後に、始動ユニット及びヒーターを介した化学物質の循環により、レジームのための所定の温度が達成されるまで段階的に行うことを保証する。主要導管の供給導管及び排出導管が遮断されている場合に、化学物質の循環が行われる。従来必要であった、プロセスのために必要な温度が達成されるまでの装置内での不利な段階的な温度上昇は行われない。化学物質がヒーター及び始動ユニットを循環することによって、段階的な温度制御の実施が可能であるばかりでなく、同時に、始動プロセスにおいて、超臨界圧の達成までの所望の各圧力段階を調節することもできる。
【0015】
本発明を実施例に基づき詳説する。
【0016】
付属の図において、
図1は、組み込まれた始動ユニットを有する装置の概略図を示す。
【0017】
図2は、図1からのユニットの個別の図を示す。
【0018】
図3は、始動ユニットの他の一実施態様を示す。
【0019】
図4は、図3による始動ユニットの一実施変形を示す。
【0020】
図5は、図1からのヒーターの側方断面の拡大概略図を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】組み込まれた始動ユニットを有する装置の概略図。
【図2】図1からのユニットの個別の図。
【図3】始動ユニットの他の一実施態様を示す図。
【図4】図3による始動ユニットの一実施変形を示す図。
【図5】図1からのヒーターの側方断面の拡大概略図。
【実施例】
【0022】
図1、2及び5に着目し、方法をその工程毎に実施に従って説明する。
【0023】
工程1:ヒーター4の充填;まず、始動ユニット内に組み込まれた供給導管及び排出導管全体を含むヒーター全体に不活性ガスを充填し、強度にパージする。均衡容器8への排気弁を調節して開き、さらに、抜き出し弁6を閉じたままにする。その後、化学物質をヒーター4並びに冷却器9にポンプ搬送し、その際、不活性ガスを均衡容器8中に排出する。ヒーター4及び冷却器9を、均衡容器8中で必要な充填状態に達するまで充填し、かつ搬送ポンプ2を遮断する。
【0024】
工程2:化学物質の循環;不活性ガスが、装置0のヒーター4を含む全ての管状導管及び部分ユニット及び冷却器9から均衡容器8へと排出されることを保証するために、循環ポンプ10を接続し、化学物質を循環ポンプ搬送する。その後、均衡容器8の排気弁を閉じ、かつ、パージプロセスを弁を閉じた状態で進行させる。方法の過程で均衡容器中の充填状態が著しく低下した場合には、搬送ポンプ2を用いて、欠損量を必要な充填状態にまで追加供給しなければならない。
【0025】
工程3:均衡容器への不活性ガスクッションの導入;化学物質が装置0中に完全に導入されると、装置中の圧力は自動的に増加する。しかしながら、これに伴って達成された圧力は、方法の進行に必要な臨界圧よりもずっと低い。加圧下にある不活性ガスを膨張容器中に導入して圧力クッションを構築することによって、圧力を、ヒーター設備における化学物質の臨界圧を上回って必要な状態となるように調節する。
【0026】
工程4:熱導入の開始;開始プロセスの間、循環ポンプ10を運転したままにする。ヒーター4の火炎室19をパージした後、バーナー5を始動させるか、又は、廃熱を利用する場合には廃熱源を接続する。このプロセスを、ヒーター4の最小熱出力で開始する。低温制御された物質をヒーター4中で連続的かつ恒常的に加熱し、その際、アーマチャー及び冷却器12を含む全ての導入管及び導出管の材料をも連続的に加熱する。化学物質の温度が冷却媒体によって化学物質の進入温度にまで冷却されることはなく、その際、化学物質の温度はヒーター4の入口で上昇する。このプロセスを、熱導入を低く保持して装置内に慣性状態が生じるまで進行させ、その際、冷却器9の冷却出力はヒーター4の設定出力に相応する。循環量を調節することによって、今や、ヒーター4の出口で必要とされる温度を調節することができる。始動プロセスの進行中に、加熱された化学物質は膨張し、かつ均衡容器8は増大した体積を受容する。均衡容器8中の圧力は上昇し、かつその排出弁15を、不活性ガスクッションの圧力が低下しかつ同時に所定の運転圧が保持される限り、開けておく。
【0027】
工程5:加熱された化学物質の、反応器への供給;最小の熱導入で化学物質の温度並びに圧力が一定である場合、十分に温度制御された化学物質を後続のプロセス14へと供給できる限りにおいて、方法を進行させる。装置は今や慣性状態で運転されているため、所定の任意の時点で、温度制御された化学物質を後続のプロセス14に導入することができる。ヒーター4の出口での強度の温度変化を制限するために、搬送ポンプ2は、循環ポンプ10の運転中であっても、当初、少量の低温制御された化学物質を追加搬送する。それに伴って、この導入によりヒーター4内の圧力は上昇し、かつ、運転圧を保持するために排出弁13が自動的に開く。均衡を保って、出口温度の調節のために循環ポンプ10の弁をゆっくりと絞り、かつ供給ポンプ2は要求に応じて低温の化学物質を追加搬送し、この化学物質はヒーター4を所定の出口温度で去る。出口温度を、最小の熱導入で、ヒーター4と並行して設置された噴射冷却器12により、細かい段階で適合させて調節する。この場合、方法の進行において、温度制御すべき化学物質の部分量をヒーター4で分岐させ、より低い温度状態で、再度、主要導管17、17’に加圧して導入する。化学物質槽1からの進入量の増加に伴って、循環ポンプ10の弁をより一層絞り、その後、遮断する。今や、搬送ポンプ2がヒーター4への完全な供給を担うため、連続的な物質流が、ヒーター4による最小の熱的な熱導入で準備される。
【0028】
工程6:標準運転における装置の運転;始動運転の最小の出力から完全負荷運転へと移行する際に、装置の調節は変化する。ヒーター設備4の出口での必要な圧力段階を、主要なプロセスのための遮断アーマチャー13の排出弁の開閉によって、後続のプロセス14へと保持する。温度を、循環ポンプ10の遮断の後に、必要な温度で第一の段階で熱導入を調節することによって保持する。熱導入及び相応する搬送ポンプ2の搬送量の増加に伴い、ヒーター出力は完全負荷まで増加する。熱導入の調節に伴って温度変動が標準の程度を超えた場合、温度を、設置された噴射冷却器12により、すなわち、化学物質を出口温度よりも明らかに低い温度で圧入することによって、精確に調節する。
【0029】
工程7:ヒーターの停止;搬送ポンプ2の弁を絞ることによって、自動的に、熱導入を温度センサによりヒーター4の出口で調節する。最小負荷に達した際に、循環ポンプ10を作動させ、かつ温度を循環量の調節によって保持する。搬送ポンプ2を遮断し、かつ主要プロセスのための遮断アーマチャー13は、所定の圧力を下回った場合に自動的に閉じる。中断が短時間である場合には、温度は、循環量の調節によってヒーター4において最小の出力で保持され得る。接合部14で後続のプロセスを比較的長く遮断する場合には、ヒーター4を同様に完全に停止しなければならない。それに伴い、熱導入を停止する。冷却器9によって化学物質が静止温度に冷却されるまで、循環ポンプ10をさらに運転させる。
【0030】
方法の実施のために、装置0は以下の構成を有する。装置0は、中に化学物質が収容されている化学物質槽1を有しており、かつ、装置全体に確実な装入を行うのに満足のいくように寸法設計されている。化学物質槽1に接続された搬送ポンプ2は、圧力をプロセス圧に高め、かつ化学物質をヒーター4へと搬送するのに用いられる。このプロセスにおいて、化学物質は、主要プロセスのための、及び始動循環のための遮断アーマチャー3を通過しなければならないが、この遮断アーマチャー3は、始動プロセスのためのユニット18を使用する際に装置0を完全に遮断するためにも用いられる。設備の構成は主に設備サイズに依存し、その際、巻回式でかつ横方向又は縦方向に流れる加熱面を有する水平式−及び垂直式釜を使用することができる。化学物質を種々のバーナー系を用いてバーナー4中で加熱することができ、その際、火炎噴射及び/又は排煙の対流は特に重要である。方法レジームにおいて、バーナー5に対しては、広い規定範囲を許容することができる。バーナーを配置する代わりに、廃熱プロセスを介した熱、すなわち対流熱伝達も許容され得ることは、当業者に自明である。図3に示す通り、バーナーの排煙はヒーター管20の周囲を流動し、その一方で化学物質はヒーター管20を貫流する。化学物質が温度制御されてヒーター4から排出された際、遮断アーマチャー6によって、後続のプロセス14への化学物質の到達が阻止される。始動プロセスの間、予熱された物質は、始動ユニット18の遮断アーマチャー7を経て流入する。アーマチャー7は始動プロセスの間にのみ開き、かつ標準運転の間は閉じている。膨張容器8はヒーター設備の始動にのみ利用され、かつ、方法の開始時には完全に不活性ガスで充填されており、このガスは化学物質の充填時に装置内へ一緒に排出され、かつその圧力が高められる。すでに詳細に示したように、既存の圧力は、必要な臨界圧をはるかに下回る。ガスの付加的な供給により、必要な圧力が装置内の臨界圧を上回って調節される。始動プロセスの間、化学物質は膨張し、その際、均衡容器8は化学物質の増大した体積を受容する。不活性ガスクッションの圧力は膨張容器8中で上昇し、かつ設置された排出弁15が、圧力調節のために相応して開けられる。化学物質のための後続の冷却器9は、後続の循環ポンプ10の機能に適合した物質の温度低下のために利用される。化学物質の冷却は、種々の熱媒体、例えば空気又は水を用いて行うことができる。始動プロセスのためのユニット18内に設置された循環ポンプ10は、絶対的に無滴でかつ密閉して運転されねばならない。破損を防ぐために、相応する遮断アーマチャー11が設けられている。必要な温度に達した際に、主要循環中の遮断アーマチャー3、6を閉じるか、又は調節して開ける。それにより、始動プロセスのためのユニットを標準運転から遮断する。主要導管17、17’上で、遮断アーマチャー6の後に噴射冷却器12が続き、この噴射冷却器12は、負荷変動によって主要な質量流中で温度のずれが生じた際、存在する物質の冷却に対して同種の化学物質を噴射し、それによって必要な出口温度が生じる。噴射すべき物質は、噴射アーマチャーの熱負荷性に相応して選択される。装置における過圧低下を阻止するために、噴射冷却器12の後に、安全装置及び調節アーマチャーの設置を自由選択的な構成態様で行う。主要導管17、17’における遮断アーマチャー13によって、接合部14で、後続のプロセスと加熱循環との確実な分離がなされる。図3は、始動ユニット18の変形を表しており、この変形は、上記の方法工程に準拠して本発明により適用することができ、これに相応して、化学物質は供給導管16;16’の導管16を介して矢印28の方向でヒーター4に流入し、ヒーター4内でバーナー5を介して相応して温度制御される。化学物質はヒーターから流出し、主要導管17、17’の導管17を介して、アーマチャー6が閉じた状態で導管22に流入し、その後、冷却器9に達する。化学物質の予測されない逆流を阻止するために、導管17’中にアーマチャー6が配置されていることは、当業者には自明である。始動ユニットの変形の基本的な機能に関して、アーマチャー6の配置は必須ではなく、かつユニット18の機能様式を妨害しない。導管22’上に配置されたアーマチャー11を介して、物質は、導管27;27’の導管27を介して循環ポンプ10へと移動し、再度、主要導管16;16’の導管16’に流入し、かつそこから、始動プロセスの循環において、温度制御のために再度ヒーター4に達する。導管27;27’の上昇部分27’は膨張容器8に連結されており、導管15を通じて窒素を装入することができ、導管25を介して、排出のための導管部分17に達することができる。冷却された化学物質を膨張容器8に供給することによって、一方では、膨張容器8の熱応力が緩和され、さらに、その機能特性が改善され、かつ、体積−及び圧力均衡のために必要な不活性ガスの供給及び排出が作用と関連して改善される。矢印28は、始動ユニット18の循環内での化学物質のそれぞれの流れ方向を示す。
【0031】
図4は、始動プロセスのためのユニットの一実施態様を示す。この場合、循環ポンプ10が導管22’上でアーマチャー11の直後に配置されており、かつ、化学物質を分配された一様の圧力で同時に、始動循環の導管部分27’及び排出導管部分27に導き、ここから、化学物質は導管16’を介して再度ヒーター4に達することができる。
【0032】
使用した参照符号の一覧
0 装置
1 化学物質槽
2 搬送ポンプ
3;6;13 主要プロセスのための遮断アーマチャー
4 ヒーター
5 バーナー
7;11;11’ 始動循環のための遮断アーマチャー
8 膨張容器
9 化学物質のための冷却器
10 循環ポンプ
12 調節アーマチャーを有する噴射冷却器
14 接合部
15 膨張容器のための弁
16;16’ 導管
17;17’ 主要導管
18 始動プロセスのためのユニット
19 火炎室
20 ヒーター管
21 排煙流
22;22’;27;27’ 導管
23;26 アーマチャー
24 冷却器のための冷却媒体
25 導管
28 流動方向のための方向矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学物質の物質流を、所定の進入温度及び排出温度でヒーター中で段階的に温度制御するための方法であって、該化学物質は、ヒーターを導通する際に特定の所定の圧力範囲に保持される方法において、段階的な温度制御を、始動プロセスにおいて、ヒーターの導入管と導出管との間に接続された始動ユニット内で行い、その際、ヒーター並びにユニットの度重なる貫流により、化学物質の段階的な温度制御を、所定の温度及び所定の圧力が達成されるまで導入管及び導出管を遮断して行い、かつ、所定の圧力−及び温度状態に調節された際に始動プロセスを停止し、かつ、始動ユニットの遮断により、導入管から導出管までのヒーターの直接の貫流を行うことを特徴とする方法。
【請求項2】
始動ユニットを、ヒーターの前の導入管とヒーターの後の導出管との間の架橋として、機能ユニット、例えば、均衡容器、空気冷却器及び循環ポンプを伴って装置に組み込む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
化学物質の物質流を、所定の進入温度及び排出温度で段階的に温度制御するために、ヒーターを有する装置を設置し、かつ、該装置中の化学物質を超臨界圧範囲にし、ヒーターからの出口まで、後続の作業工程のための所定の温度範囲へとシフトさせ、かつ、化学物質を、始動ユニットを用いてヒーターを介して、温度及び充填量が増加した循環始動プロセスへとシフトさせ、この温度及び充填量を、一定の圧力を保持して調節し、かつヒーターを去るまで保持する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
以下の方法工程:
− ヒーターを充填する工程
− 必要なプロセス圧を達成するために、始動ユニットの均衡容器中でガスクッションを作製する工程
− 導入管及び導出管中の弁を閉める工程
− 連続プロセスにおいて始動ユニットの接続下に化学物質を処理するために循環させ、かつ熱導入を開始及び進行させる工程
− 始動プロセスを停止して後続の運転範囲へと化学物質を供給する工程
− 化学物質槽からの物質流を、ヒーターを介して後続の作業範囲へと供給することにより、連続的な運転を保持する工程
を有する段階的な温度制御を実施する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
ヒーター並びに始動ユニットにガスを充填し、前記ガスが、充填導入された物質流によって膨張容器に達し、かつ前記ガスがヒーターまで加圧下にあり、かつ装置が完全に充填されている、請求項4記載の方法。
【請求項6】
ヒーターを有する装置において、装置のために必要な充填状態の保持下に化学物質を繰り返し循環することによって運転準備をし、かつ化学物質槽の後に配置された供給ポンプを停止する、請求項4記載の方法。
【請求項7】
不活性ガスを用いた圧力クッションの作製により、化学物質の圧力を臨界圧の範囲内に調節し、かつ保持する、請求項4記載の方法。
【請求項8】
温度制御すべき物質流を、蒸発可能な特性を有する化学物質から形成する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
温度制御すべき物質流を、蒸発可能な特性を有する化学物質及び該化学物質からなる物質混合物から形成する、請求項1又は3記載の方法。
【請求項10】
媒体の循環流を装置に付属する始動ユニットを介して保持する際に、ヒータのバーナーを始動させ、物質流を温度制御し、かつ、冷却器と化学物質との間で、冷却器とヒーター出力とが温度均衡に達するまで連続的に熱交換することによって調節し、かつ、均衡容器を介して増大した体積を受容し、ガスクッションの調節によって所定の圧力の均衡を保ち、かつ装置の運転状態を調節する、請求項4記載の方法。
【請求項11】
ヒーター内で必要な温度及び圧力に達した際に、加熱された化学物質を、低度に温度制御された化学物質の意図的な充填により排出し、かつ、ヒーターから接合部に供給し、その際、出口温度を物質流への噴射冷却を用いて精確に調節し、かつ、その温度突出を標準のレジームに戻し、かつ物質の連続的な搬送流を、単調な流れのために、始動ユニットの停止によって調節する、請求項4記載の方法。
【請求項12】
全負荷運転において、物質の排出量を、必要な運転圧力に対して所定の比へとシフトし、かつ、熱導入の調節によって、装置の温度及び圧力を一定に保持し、かつ全負荷まで導き、その際、温度変動を低度に温度制御された化学物質の供給により均衡化する、請求項4記載の方法。
【請求項13】
化学物質の物質流を、所定の進入温度及び排出温度でヒーター中で段階的に温度制御するための方法であって、該化学物質は、ヒーターを導通する際に特定の圧力範囲に保持される、請求項1記載の方法において、段階的な温度制御を、始動プロセスにおいて、ヒーターの導入管と導出管との間に接続された始動ユニット内で行い、その際、ヒーター並びにユニットの度重なる貫流により、化学物質の段階的な温度制御を、導入管及び導出管を遮断して行い、その際、化学物質を、始動プロセスの流動方向で、ヒーターから冷却器に供給し、該冷却器中で冷却して温度制御し、遮断アーマチャーを通過させ、膨張容器に流入させ、該膨張容器に、物質を始動ユニットの体積−及び圧力均衡のために導入し、主要導管への連結と協働して始動ユニット内で化学物質を均衡させて始動プロセスを進行させる方法。
【請求項14】
ヒーターから来る化学物質を直接冷却器に供給して冷却し、体積−及び圧力均衡のために膨張容器に供給し、かつ同時に始動プロセスの循環に供給する、請求項11記載の方法。
【請求項15】
装置の系中への化学物質の進入温度として、20℃が予定されている、請求項1又は3記載の方法。
【請求項16】
装置からの化学物質の排出温度として、600℃が予定されている、請求項1又は3記載の方法。
【請求項17】
装置内の圧力範囲を超臨界パラメータで調節する、請求項3、13又は14のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
ヒーターを含めた装置の運転圧力を、40バールに調節する、請求項1又は3記載の方法。
【請求項19】
装置の始動ユニットにおける所定の圧力の調節を、不活性ガスの供給による始動ユニットの膨張容器内のガスクッションを介して行う、請求項1、3及び7のいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
始動プロセスを、架橋導管の形で供給導管と排出導管との間に配置された始動ユニットを介して、環状循環中でヒーターを通じて行い、所定の温度並びに装置の必要な運転圧に達した際に該始動プロセスを終了する、請求項1又は3記載の方法。
【請求項21】
化学物質を、所定の進入温度及び排出温度でヒーター(4)を用いて段階的に温度制御するための装置(0)において、前記ヒーター(4)は、供給のための導管(16;16’)を介して化学物質槽(1)と連結されており、かつ、物質の排出のための主要導管(17;17’)を介して後続のプロセス(14)へと連結されており、かつ、導管(16)と主要導管(17;17’)との間には、装置(0)の始動のための始動ユニット(18)が設置されており、この始動ユニット(18)によって、アーマチャー(6)を閉じた状態でのヒーター(4)を通じた物質流の循環と、開いたアーマチャー(7)を介した化学物質の流入とによって段階的な温度制御を行い、この開いたアーマチャー(7)の後に冷却器(9)が配置されており、前記冷却器(9)の後に遮断弁(11’)が続き、前記遮断弁(11’)は流動する物質流をポンプ(10)に供給し、前記ポンプ(10)は化学物質をアーマチャー(11)に供給し、開いた状態の前記アーマチャー(11)を介して、物質流は導管(16;16’)の部分(16’)に達し、再度ヒーター(4)へと流入し、前記ヒーター(4)中で物質流は温度の上昇に曝され、主要導管(17;17’)に繰り返し循環して流入し、かつ、所定の排出温度及び設定された所定の圧力に調節された場合に、アーマチャー(6;3)を開き、かつアーマチャー(7;11)を閉じて、始動ユニット(18)を遮断し、主要導管(17;17’)を介して接合部(14)に流入する、装置(0)。
【請求項22】
始動プロセスにおける段階的な温度制御のための始動ユニット(18)が接続されており、かつ、主要導管(17)の範囲に導入アーマチャー(7)を有し、前記導入アーマチャー(7)は膨張容器(8)に連結されており、前記膨張容器(8)は冷却器(9)と協動して化学物質を循環ポンプ(10)へと導き、前記循環ポンプ(10)は物質流をアーマチャー(11)を介してヒーター(4)と連結された管状導管(16;16’)の部分(16’)へと導き、かつユニット(18)内の循環が、装置の所定の運転パラメータが達成されるまで進行する、請求項21記載の装置(0)。
【請求項23】
始動ユニット(18)内の物質流が、開いたアーマチャー(7)を介して、不活性ガスで充填された膨張容器(8)へと流入し、前記膨張容器(8)中で、ガスクッションを介して、化学物質の所定の圧力が連続的に徐々に調節され、かつその後、空気冷却器(9)に到達し、前記空気冷却器(9)は、装置へと段階的にわずかに熱導入した状態で、慣性状態及び均衡状態が生じるまで運転され、その際、循環ポンプ(10)は、化学物質を開いたアーマチャー(11)を介して導管(16’)に供給する、請求項21記載の装置(0)。
【請求項24】
化学物質を、所定の進入温度及び排出温度でヒーター中で段階的に温度制御するための装置(0)であって、該化学物質は、ヒーターを導通する際に所定の圧力範囲に保持される装置(0)において、装置(0)の始動のために始動ユニット(18)が設置されており、この始動ユニット(18)によって、段階的な温度制御を、開いたアーマチャー(6)でのヒーター(4)を通じた物質流の循環と、導管(22)を介した化学物質の流入とによって行い、前記導管(22)には冷却器(9)が組み込まれており、前記冷却器(9)の後に遮断弁(11)が続き、前記遮断弁(11)は流動する物質流をポンプ(10)に供給し、前記ポンプ(10)は導管(27;27’)の導管部分(27)に組み込まれており、前記ポンプ(10)は導管(27’)を介して物質流を導管(16;16’)の部分(16)に導き、その際、導管部分(27’)には膨張容器(8)が設置されており、前記膨張容器(8)を用いて、始動ユニット(18)の体積−及び圧力均衡が確立され、かつ導管(25)を介して、膨張容器(8)からの体積−及び圧力均衡のための不活性ガスのために、アーマチャー(26)で遮断可能な主要導管(17)との連結が設けられており、アーマチャー(23)を有する供給導管(15)は、膨張容器(8)及び始動プロセスの系全体における圧力調節のためにガスを供給し、その際、化学物質は調節された圧力及び温度で再度ヒーター(4)に流入し、該ヒーター(4)中で該化学物質は温度の上昇に曝され、主要導管(17;17’)に繰り返し循環して流入し、かつ、所定の排出温度に調節された場合に、並びに、設定された体積及び圧力で、主要導管(16’)のアーマチャー(11)を開けた状態で、始動ユニット(18)の遮断下に主要導管(17;17’)を介して使用体へと流入する装置(0)。
【請求項25】
始動ユニットの循環内で、ヒーター(4)中で温度制御された化学物質が冷却器(9)に流入し、かつ、前記冷却器(9)で冷却されてから、始動循環の冷却された部分で前記冷却器(9)の直後に配置されている膨張容器(8)に導入される、請求項24記載の装置(0)。
【請求項26】
ポンプ(10)が導管(27;27’)の導管部(27)に配置されており、かつ、化学物質が主要導管(16’)に導入する、請求項24記載の装置(0)。
【請求項27】
導管(22’)上のポンプ(10)が、始動循環の流動方向で、冷却器(9)の後に配置されている、請求項24記載の装置(0)。
【請求項28】
ヒーター(4)が密閉式の耐圧体から構成されており、該耐圧体の火炎室(19)へとバーナー(5)の火炎が突出しており、その際、火炎室(19)の壁部は、軸及び半径方向に多段階に配置されたヒーター管(20)で充填されており、該ヒーター管(20)は、一緒になって結束して化学物質によって貫流されており、かつ、方向が繰り返し変化する排煙流(21)で加熱され、その際、半径方向で外側に位置しているヒーター管(20)中で、それぞれ最も高い温度レベルが達成されている、請求項21記載の装置(0)。
【請求項29】
ヒーター(4)中での所定の温度が、前接続されたプロセスからの廃熱の導入により調節されている、請求項21又は24記載の装置(0)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−522635(P2010−522635A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500191(P2010−500191)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053079
【国際公開番号】WO2008/119645
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】