化学的に規則化されたFePtまたはCoPt記録層を有する、パターニングされた垂直磁気記録ディスクの作製方法
【課題】製造工程中にFePtまたはCoPt層の表面が粗くならないような、化学的に規則化されたFePtまたはCoPt記録層を有する、パターニングされた垂直磁気記録ディスクの作製方法を提供する。
【解決手段】FePt(またはCoPt)合金の記録層250を堆積させるステップと、その後、FePt層250の上にシーリング層を堆積させてから、高温アニーリングを実行するステップを含む。高温アニーリングにより、FePtはLI0相で実質的に化学的に規則化される。アニーリングの後、シーリング層を除去する。シーリング層によって、FePt層250とシーリング層の表面におけるFePt材料のナノクラスタ化と凝集が防止され、FePtの表面粗さが好ましくない大きさとなることを抑制する。
【解決手段】FePt(またはCoPt)合金の記録層250を堆積させるステップと、その後、FePt層250の上にシーリング層を堆積させてから、高温アニーリングを実行するステップを含む。高温アニーリングにより、FePtはLI0相で実質的に化学的に規則化される。アニーリングの後、シーリング層を除去する。シーリング層によって、FePt層250とシーリング層の表面におけるFePt材料のナノクラスタ化と凝集が防止され、FePtの表面粗さが好ましくない大きさとなることを抑制する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、パターニングされた垂直磁気記録媒体、たとえば磁気記録ハードディスクドライブに使用されるディスクに関し、より具体的には、化学的に規則化されたFePtまたはCoPt記録層を有する、パターニングされたディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
パターニングされた磁気記録媒体を使用する磁気記録ハードディスクドライブが、データ高密度化のために提案されてきた。従来の連続的磁気記録媒体では、磁記録層はディスク全面にわたる連続的な層である。パターンドメディアの場合、ビットパターンドメディア(BPM)とも呼ばれ、ディスク上の磁気記録層が、同心円状のデータトラック内に配置された、小さな孤立化されたデータアイランドにバターンニングされている。BPMディスクは、磁化方向が記録層の平面に平行、すなわちその平面内にある水平磁気記録ディスクでもよいが、磁化方向が記録層に垂直、すなわちその平面から出る方向にある垂直磁気記録ディスクが、垂直記録媒体のデータ高密度化の可能性から、BPM用の候補として有力である。パターニングされたデータアイランドを磁気的に孤立化させるために、アイランド間のスペースの磁気モーメントを消滅させるか、実質的に低減させることにより、これらのスペーを基本的に非磁性化する。あるいは、アイランド間のスペースに磁性材料が存在しないように媒体を作製してもよい。
【0003】
BPMディスク上への所望のパターンのアイランドを形成するために、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)が提案されている。NILは、ナノスケールの所望のパターンを有するマスタテンプレートまたはモールドによってインプリントレジスト層を変形させことに基づく。マスタテンプレートは、電子ビームツール等、高分解能のリソグラフィツールによって作製される。パターニング対象となる基板は、エッチング可能な材料、たとえば石英、ガラスまたはシリコンで形成されるディスク用ブランク材や、磁気記録層および必要な下地層が連続層としてその上に形成されているディスク用ブランク材であってもよい。次に、基板にインプリントレジスト、たとえばポリメチルメタクリレート(PMMA)等の熱可塑性重合体をスピンコートする。この重合体を、そのガラス転移温度以上まで加熱する。その温度で、熱可塑性レジストは粘性を帯び、比較的高圧でテンプレートからインプリントすることによって、インプリントレジスト上にナノスケールパターンが再現される。重合体を冷却したら、テンプレートをインプリントレジストから除去すると、インプリントレジスト上に陥凹部とスペースの反転ナノスケールパターンが残る。熱可塑性重合体の加熱硬化の代わりに、Molecular Imprints,Inc.から入手可能なMonoMat等、紫外線(UV)光によって硬化可能な重合体をインプリントレジストとして使用できる。その後、パターニングされたインプリントレジスト層をエッチングマスクとして使用して、基本となる基板中に所望のパターンのアイランドを形成する。
【0004】
BPM内のアイランドは、十分に小さく、また高いビット面密度(たとえば、500Gb/in2以上)をサポートするのに十分な磁性品質のものである必要がある。たとえば、1Tb/in2のビット面密度を実現するためには、データアイランドの直径は約15から20nmとなり、アイランド間の非磁性スペースの幅は約10から15nmとなる。それゆえ、アイランドの大きさを縮小してもアイランドの熱安定性を保持することが重要である。
【0005】
BPMの開発にとっての別の重要な問題は、反転磁界分散(SFD)(すなわち、保磁場のアイランド間のばらつき)を十分に狭くして、個々のアイランドのアドレス指定が、隣接アイランドに上書きすることなく、正確にできるようにする必要がある、という点である。SFDの幅はゼロであることが理想であり、これは、すべてのビットが同じ書込み磁界強度で反転されることを意味する。SFDには多くの原因があり、たとえばパターニングされたアイランドの大きさ、形状および間隔のばらつき、使用する磁性材料の固有の磁気異方性分布、および隣接アイランド間の双極相互作用である。これに加えて、磁性アイランドの大きさの縮小に伴ってSFDが拡大する(すなわち、保磁場のビット間のばらつきが増大する)ことがわかっており、これによってBPMで実現できるビット面密度が制限される。
【0006】
高い異方性磁界(Hk)と垂直磁気異方性を有する、化学的に規則化されたFePtとCoPt合金が、BPM用磁気記録層として提案されている。化学的に規則化されたFePtとCoPtのL10型規則合金が、高密度磁気記録材料に求められるその高い結晶磁気異方性および磁化特性により知られている。化学的に規則化されたFePt合金は、そのバルク形態で、面心正方格子(FCT)のL10規則相材料(CuAu材料とも呼ばれる)として知られている。L10相のc軸は磁化容易軸であり、ディスク基板に垂直に配向される。FePtおよびCoPt合金は、所望の通りにL10相で化学的に規則化するために、高温でのアニーリングが必要である。しかしながら、アニーリングによって、FePtを個別アイランドへとパターニングすることが困難な表面粗さとなり、SFDの数値が高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
製造工程中にFePtまたはCoPt層の表面が粗くならないような、化学的に規則化された高HkのFePtまたはCoPt合金記録層を有するBPMディスクの作製方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、化学的に規則化された高HkのFePtまたはCoPt合金記録層を有するBPMディスクの作製方法である。FePt(またはCoPt)層をシード層構造上にスパッタ法で堆積させ、その間、ディスク基板は室温とするか、約400℃未満の高温に保持する。この温度範囲では、FePt合金は十分に化学的に規則化されない。次に、シーリング層をFePt層の上に堆積させる。シーリング層は、FePtと実質的な化学反応を起こさず、FeおよびPtと混和せず、好ましくは、反応性イオンエッチング(RIE)により容易に除去できる、どのような材料であってもよい。シーリング層の堆積後、この構造に、好ましくは400℃から800℃の範囲の温度で約1〜30分間アニーリングを行う。高温アニーリングにより、FePtはL10相で実質的に化学的に規則化され、高い異方性磁場Hkが確実に実現される。アニーリングの後、シーリング層を好ましくはRIEによって、あるいはイオンミリングによって除去する。シーリング層は、FePt層とシーリング層の表面におけるFePt材料のナノクラスタ化と凝集を防止することがわかっており、これらはFePtの好ましくない大きさの表面粗さの原因であり、またSFD値が高い原因でもある。FePt層は、シーリング層の堆積前またはシーリング層の堆積と除去の後のいずれにおいても、BPMディスク用の個別アイランドへとパターニングできる。シーリング層をパターニングし、除去した後、個別データアイランドの上にディスク保護膜を堆積させる。本発明の重要な態様は、高温アニーリングの後に、保護膜を堆積させる前にシーリング層を除去しなければならないことである。
【0009】
本発明の本質と利点を十分に理解するために、添付の図面と共に以下の詳細な説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ビットパターンドメディア(BPM)を用いる垂直磁気記録ディスクドライブの上面図であり、先行技術による同心円状の円形データトラック内に配列された、パターニングされたデータアイランドを示す。
【図2】先行技術のBPMディスクの拡大部分の上面図であり、データアイランドの詳細な配列を示す。
【図3A】先行技術によるディスクのエッチングと分極のさまざまな段階におけるBPMディスクの断面図である。
【図3B】先行技術によるディスクのエッチングと分極のさまざまな段階におけるBPMディスクの断面図である。
【図3C】先行技術によるディスクのエッチングと分極のさまざまな段階におけるBPMディスクの断面図である。
【図4A】本発明の方法のさまざまな段階におけるディスクの一部の断面図である。
【図4B】本発明の方法のさまざまな段階におけるディスクの一部の断面図である。
【図4C】本発明の方法のさまざまな段階におけるディスクの一部の断面図である。
【図5A】シーリング層を設けずに高温アニーリングを行った後の、化学的に規則化されたFePt層の表面の原子間力顕微鏡(AFM)画像である。
【図5B】シーリング層を設けてアニーリングを行い、シーリング層を除去した後の、化学的に規則化されたFePt層の表面のAFM画像である。
【図6A】本発明の方法の他の実施形態のさまざまな段階におけるディスク構造の一部の断面図である。
【図6B】本発明の方法の他の実施形態のさまざまな段階におけるディスク構造の一部の断面図である。
【図6C】本発明の方法の他の実施形態のさまざまな段階におけるディスク構造の一部の断面図である。
【図7】本発明の方法により作製された熱アシスト磁気記録(TAR)ディスクの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、パターンドメディア磁気記録ディスク200を使用するパターンドメディア磁気記録ディスクドライブ100の上面図である。ドライブ100は、アクチュエータ130を支持する筐体またはベース112と、磁気記録ディスク200を回転させるドライブモータを有する。アクチュエータ130は、ボイスコイルモータ(VCM)回転アクチュエータであってもよく、これは剛性のアーム131を有し、旋回軸132の周囲で、矢印133によって示されるように回転する。ヘッドサスペンションアセンブリには、一端がアクチュエータアーム131の端に取り付けられたサスペンション135と、サスペンション135のもう一端に取り付けられたヘッドキャリア、たとえばエアベアリングスライダ120が含まれる。サスペンション135により、スライダ120はディスク200の表面から非常に近い位置に保持されて、ディスク200が矢印20の方向に回転すると、それによって発生されたエアベアリング上で「上下方向」および「回転方向」に動揺することが可能である。磁気抵抗読取ヘッド(図示せず)とインダクティブ書込みヘッド(図示せず)は一般に、スライダ120の終端に一連の薄膜および構造としてパターニングされた一体の読取/書込みヘッドとして形成され、これは当業界において周知のとおりである。スライダ120は一般に、複合材料、たとえばアルミナ/チタン−カーバイド(Al2O3/TiC)等の複合材料で形成される。関連するスライダと読取/書込みヘッドとともに1つのディスク面だけが図1に示されているが、一般には、スピンドルモータによって回転されるハブの上に積み重ねられた複数のディスクがあり、各ディスクの各面に別々のスライダと読取/書込みヘッドが関連付けられている。
【0012】
パターンドメディア磁気記録ディスク200は、硬い、すなわち剛性のディスク基板と、基板上の磁化可能材料の個別データアイランド30を含む。データアイランド30は、半径方向に離間された円形トラック118内に配列され、図1には、数個のアイランド30と、ディスク200の内径と外径付近の代表的なトラック118だけが示されている。アイランド30は円形の形状を有するように描かれているが、アイランドは他の形状、たとえば略長方形、長円形または楕円形であってもよい。ディスク200が矢印20の方向に回転すると、アクチュエータ130の運動によって、スライダ120の終端の読取/書込みヘッドはディスク200上の異なるデータトラック118にアクセスできる。
【0013】
図2は、ディスク200の拡大部分の上面図であり、先行技術による1つのタイプのパターンでのディスク基板表面上のデータアイランド30の詳細な配列を示している。アイランド30は、磁化可能な記録材料を含み、トラック118a〜118eとして示されるような、半径方向、すなわちクロストラック方向に離間された円形トラック内に配列される。トラックは一般に、一定のトラック間隔TSで均等に離間される。1つのトラック内のデータアイランド間の間隔が、トラック118a内のデータアイランド30aと30bの間の距離ISで示されており、隣接するトラックは、トラック118aと118bにより示されているように、相互に距離IS/2だけずれる。各アイランドは、ディスク200の平面に平行な横方向の寸法Wを有し、Wは、アイランドが円形であれば、直径である。アイランドは他の形状、たとえば略長方形、長円形または楕円形であってもよく、この場合、寸法Wは非円形のアイランドの最も小さい寸法、たとえば長方形のアイランドの短辺と考えてもよい。隣接するアイランドは、非磁性領域またはスペースによって分離され、このスペースは横方向の寸法Dを有する。Dの数値はWの数値より大きくてもよい。
【0014】
図2に示されるようなBPMディスクは、磁化方向がそのアイランド内の記録層に垂直、すなわちその平面から出る方向にある垂直磁気記録ディスクであってもよい。パターンニングされたデータアイランド30に求められる磁性的孤立化を実現するためには、アイランド30間の領域またはスペースの磁気モーメントを消滅させるか、実質的に低減させて、これらのスペースを基本的に非磁性としなければならない。「非磁性」という用語は、アイランド30間のスペースが非磁性材料、たとえば誘電材料または、磁界が印加されなければ実質的な残留モーメントを持たない材料、または読み取りまたは書込みに不利な影響を与えないように、アイランド30より十分に低い位置まで掘り下げた溝の中の磁性材料で形成されることを意味する。非磁性スペースはまた、磁性材料のないこと、たとえば磁気記録層またはディスク基板内の溝または陥凹部であってもよい。
【0015】
図3Aは、リソグラフィによるパターニングとエッチングによってBPMディスクを形成する前の、先行技術によるディスク200を示す断面図である。ディスク200は略平坦な面202を有する基板201であり、その表面上に代表的な層が、一般にスパッタ法で堆積されている。ディスク200は垂直磁気記録ディスクとして描かれており、垂直な(すなわち、基板表面202に略垂直な)磁気異方性を持つ記録層(RL)と、RLの下の任意選択的な軟磁性下地層(SUL)を有する。任意選択的なSULは、ディスクドライブヘッドからの書込み磁界のための磁束帰還路としての役割を果たす。
【0016】
ハードディスク基板201はどのような市販のガラス基板であってもよいが、NiP表面コーティングを有する従来のアルミニウム合金または、シリコン、カナサイトまたはシリコンカーバイド等の別の基板であってもよい。SUL成長のための接着層またはオンセット層(OL)は、厚さ約2〜10nmのAlTi合金または同様の材料であってもよく、基板表面202上に堆積させる。
【0017】
SULは透磁性材料、たとえばCoNiFe、FeCoB、CoCuFe、NiFe、FeAlSi、FeTaN、FeN、FeTaC、CoTaZr、CoFeTaZr、CoFeB、CoZrNbの合金等で形成してもよい。SULはまた、複数の軟磁性膜で形成してもよく、これらはAlまたはCoCrの導電膜等の非磁性膜により分離される。SULはまた、複数の軟磁性膜で形成してもよく、これらは反強磁性結合を仲介する層間膜、たとえばRu、IrまたはCrまたはこれらの合金等によって分離される。SULの厚さは、約5から50nの範囲であってもよい。
【0018】
交換ブレーク層(EBL)は一般に、SULの上に配置される。これは、SULとRLの透磁性膜間の磁気交換結合を妨げるように作用し、また、RLのエピタキシャル成長を促進する役割も果たす。EBLは不要としてもよいが、使用するのであれば、非磁性チタン(Ti)層、非導電性材料、たとえばSi、GeおよびSiGe合金、金属、たとえばCr、Ru、W、Zr、Nb、Mo、V、Ta、Al、金属合金、たとえばNiW、NiTa、CrTi、NiP、非晶質炭素、たとえばCNx、CHx、Cまたは、Si、Al、Zr、Ti、Bからなる群から選択される元素の酸化物、窒化物または炭化物とすることができる。EBLの厚さは約1から40nmの範囲であってもよい。
【0019】
図3Aのディスクは、たとえばナノインプリント法によりリソグラフィ方式でパターニングする。ナノインプリント法では、マスタテンプレートを、たとえば直接電子ビーム書込みによって、所望のパターンのデータアイランドと非磁性領域を有するように作製する。インプリントレジスト(すなわち、熱可塑性重合体)の薄膜をディスクにスピンコートする。その後、その所定のパターンを有するマスタテンプレートをインプリントレジスト膜と接触させ、テンプレートとディスクを一体でプレスして、熱を加える。インプリントレジスト重合体をそのガラス転移温度以上に加熱すると、テンプレート上のパターンがレジスト膜に転写される。冷却後、マスタテンプレートをディスクから分離すると、パターニングされたレジストがRLの上に残る。その後、パターニングされたインプリントレジストをエッチングマスクとして使用する。反応性イオンエッチング(RIE)またはイオンミリングを利用して、インプリントレジストのパターンを下のディスクに転写し、データアイランドと非磁性領域を形成できる。
【0020】
図3Bは、リソグラフィによるパターニングとエッチングを行った後のディスク200の断面図である。エッチングの後、RL材料の高いランド30と溝または陥凹部32が基板表面202の上に形成される。陥凹部32の一般的な深さは基本的にランド30の高さでもあり、約4から50nmの範囲で、陥凹部の一般的な幅は約4から50nmの範囲である。図3Bに示される例では、エッチングが、RL材料の全部とEBL材料の一部が陥凹部32の領域から除去される深さまで行われている。しかしながら、あるいは、RL材料の一部だけが除去される深さまでエッチングを行うこともできる。その場合、RL材料の層は陥凹部32の下面より下にもあることになる。
【0021】
図3Cは、図3Bのエッチング後のディスク200の、保護層34を陥凹部32の中とランド30の上に堆積させ、陥凹部32の充填材料36を堆積させて、化学機械研磨(CMP)した後の断面図である。保護層34は、好ましくは非晶質炭素、たとえばダイヤモンドライクカーボン(DLC)の層である。非晶質炭素、すなわちDLCはまた、水素添加および/または窒素化してもよく、これは当業界で周知のとおりである。あるいは、保護層34は窒化珪素、たとえばSi3N4またはSiNxであってもよい。充填材料36は、SiO2、非酸化物材料、たとえばCまたはSiNx、または重合体材料であってもよい。CMPにより、基本的に平坦化されたディスク表面が得られる。その後、平坦化された表面上に、任意選択的な追加の層としての保護層(図示せず)と、続いて従来の液状潤滑剤の層(図示せず)を堆積させてもよい。
【0022】
本発明は、RLが垂直磁気異方性を有する高Hkの化学的に規則化されたFePt合金(またはCoPt合金)を含む、パターニングされた垂直媒体の作製方法に関する。化学的に規則化されたFePt(およびCoPt)L10型規則合金は、高密度磁気記録材料に求められる、その高い磁気異方性と磁化で知られている。化学的に規則化されたFePt合金は、そのバルク形態において、面心正方格子(FCT)のL10型規則相材料(いわゆるCuAu材料)として知られる。L10相のc軸は磁化容易軸であり、ディスク基板に垂直に配向される。化学的に規則化されたFePt合金はまた、FePtのL10相に基づく擬二元合金、たとえば(Fe(y)Pt(100−y))−Xであってもよく、yは約45から55原子パーセントの間で、元素XはNi、Au、Cu、PdまたはAgであってもよく、原子パーセントで約0%から約20%の範囲で存在する。擬二元合金は一般に、二元合金FePtと同様に高い異方性を有するが、それによって、RLの磁気およびその他の特性をより一層制御することが可能となる。たとえば、Cuの添加によってキュリー温度は約100〜150K下がる。この方法は、FePtのRLを有する媒体に関して説明するが、CoPt(またはCoPtのL10相に基づく擬二元CoPt−X合金)のRLを有する媒体にもこの方法は十分に適用できる。
【0023】
図4A〜4Cは、この方法の第一段階の断面図であり、基板の一部とその上のSULとEBLを示している。シード層構造240がEBLの上に堆積されて、FePt層250の成長を促進し、垂直磁気異方性を助長する。シード層構造240は、下側のCrRu層と、CrRu層の上の、上側のPt層の二重層であってもよい。MgO、TiN、TiCもまた、適当なシード層として機能するかもしれない。EBLとシード層構造240の厚さ全体は、好ましくは1nmから25nmの範囲である。FePt層250をシード層構造240の上に、約3から10nmの範囲の厚さに堆積させる。FePt層250は最終的に、L10相に基づく、硬い(高Hkの)、化学的に規則化された、ほぼ等しい原子比の二元FePt合金となり、これがRLとして機能することになる。
【0024】
本発明の方法においては、FePt層250をシード層構造240の上にスパッタ法で堆積させ、その間、ディスク基板を室温(約20℃)とするか、または約400℃未満の高温に保持する。この温度範囲内では、FePt合金は完全には化学的に規則化されず、その後、高温アニーリングを行う必要がある。FePtは、ほぼ等しい原子量のFeとPtを有する単独の複合ターゲットからスパッタ法で堆積させるか、または別々のターゲットから共スパッタしてもよい。FePt層250の別の形成方法として、連続するFeとPtの交互の層を別々のFeとPtのターゲットから、FeとPtのターゲットを交互に覆うためのシャッタを用いてスパッタ堆積法で堆積させることができ、FeとPt層の各々の厚さは約0.15nmから0.25nmの範囲として、層250全体の厚さが約3から10nmとなる。
【0025】
次に、シーリング層260を一般的にはスパッタ法によってFePt層250の上に堆積させる。シーリング層の目的は、FePt層の表面が粗くなるのを防止することであり、これは後の高温アニーリングの後で発生することがわかっている。シーリング層は、FePtと実質的に化学反応を起こさず、FeとPtと混和しないどのような材料であってもよい。特定の材料、たとえばタングステン(W)はシーリング層として利用できないことがわかっており、これは、アニーリング中にWがFeおよびPtと混和するからである。シーリング層260のための材料はまた、好ましくは反応性イオンエッチング(RIE)によって容易に除去できる材料であるべきである。好ましい材料としては、アルミナ(Al2O3)、二酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(SiNx)、窒化チタン(TiN)、ダイアモンドライクカーボン(DLC)がある。シーリング層260は、好ましくは約1.5から15nmの間の厚さに堆積させる。
【0026】
シーリング層260の堆積後、この構造に、好ましくは400℃から800℃の間の温度でアニーリングを行う。アニーリング時間は、約1〜30分またはそれ以上とすることができる。アニーリング時間がごく短く(約2から60秒)、温度が急上昇する高速熱アニーリング(RTA)も使用してよい。アニーリングにより、FePtはL10相で実質的に化学的に規則化され、その結果、確実に高い異方性磁界Hkが実現できる。異方性磁界は好ましくは、約30から150kOeの間である。シーリング層は、FePt層250とシーリング層260の表面におけるFePt材料のナノクラタス化と凝集を防止することがわかっており、これらはRLの好ましくない大きさの表面粗さの原因である。これにより、RLのその後のパターニングが困難となり、また、SFDの数値が高くなる。
【0027】
アニーリング後、シーリング層260を、好ましくはRIE、あるいはイオンミリングによって除去する。シーリング層260をSiO2またはSiNxで形成する場合、これはフッ素化学を用いて、従来のRIEで除去できる。シーリング層260をアルミナで形成する場合、これは塩素化学を用いて、従来のRIEで除去できる。シーリング層260をDLCで形成する場合、これは酸素化学を用いて、従来のRIEで除去できる。シーリング層260を除去すると、非常に平滑な表面を有するFePtのRLが残る。FePt層250の上面は、後に個別データアイランドをパターニングするために、そのピーク・トゥ・ピークの二乗平均平方根(RMS)表面粗さが2未満であるべきである。これは、横方向の層の厚さにばらつきのある粗い表面は、パターニングが難しいからである。また、平滑な表面が好ましいのは、FePtアイランドの表面が粗いほど、SFDが大きくなるからでもある。アイランドごとのFePt材料の体積のばらつきをできるだけ小さくして、SFDの数値を確実に低くするべきである。
【0028】
図5A〜5Bは、本発明の方法で得られる実質的な改善を説明するAFM画像である。Rpという用語は、AFM走査の平均高さと1ミクロン四方のAFM走査面積内の最高点の間の距離である。図5Aは、シーリング層を用いずに高温アニーリングを行った後のFePt層の表面を示す。Rpの測定値は10.4nmであった。図5Bは、厚さ10nmのSiO2のシーリング層を用いて高温アニーリングし、その後、これをRIEにより除去した後のFePt層の表面を示す。Rpの測定値は1.4nmであった。
【0029】
高温アニーリングとシーリング層除去の後、FePtのRLが露出したディスク構造を個別データアイランドにパターニングする。工程のこの段階におけるディスク構造が図4Bに示されている。FePtアイランドが格子模様で描かれ、FePt層250がその前の高温アニーリングによってL10相で実質的に化学的に規則化されていることを表している。次に、図4Cに示されているように、保護層234をFePtアイランドの上およびエッチングによるアイランド間の陥凹部の中に堆積させ、充填材料236を陥凹部に堆積させて、一般にCMPにより平坦化する。保護層234は、好ましくは非結晶炭素、たとえばダイアモンドライクカーボン(DLC)の層である。非結晶炭素、すなわちDLCはまた、水素添加および/または窒素化してもよく、これは当業界で周知のとおりである。あるいは、保護層234は窒化珪素、たとえばSi3N4またはSiNxであってもよい。充填材料36は、SiO2または重合体材料であってもよい。CMPにより、基本的に平坦化されたディスク表面が得られる。その後、平坦化された表面の上に任意選択的な追加の層としての保護層(図示せず)と、続いて従来の液状潤滑剤の層(図示せず)を堆積させてもよい。
【0030】
方法の他の実施形態が図6A〜6Cに示されている。シード層240とFePt層250を前述のようにEBL上に堆積させるが、シーリング層は堆積させないため、図6Aに示されるようなディスク構造が得られる。このディスク構造をFePt材料の個別アイランドへとパターニングするが、図6Bに示されているように、まだL10相での化学的規則化は起こっていない。次に、シーリング層260をFePtアイランドの上、およびアイランド間の陥凹部内に堆積させ、前述のように高温アニーリングを行うと、図6Cに示されるとおりとなる。その結果、FePtがL10相で化学的に規則化され、これは層250の格子模様により示されている。次にシーリング層260を除去した後、保護層と充填材料を堆積させると、実質的に図4Cに示されているような構造が得られる。
【0031】
本発明の重要な点は、高温アニーリングの後に、保護層を堆積させる前にシーリング層を除去しなければならないことである。これは、保護層をシーリング層と同じ材料、たとえばDLCまたはSiNxで形成する場合にも当てはまる。保護層に必要な特性、たとえば耐擦傷性、潤滑剤との結合、非常に高い平滑さは、400℃以上での保護層の加熱と両立しない。たとえば、温度が400℃より高いと、DLCは少なくとも部分的にグラファイト化し、SiNxは分解することがわかっている。これに加えて、シーリング層は一般に保護層より厚く、これは、起こりうるFePtの表面拡散を抑えるために必要なかぎり厚くするべきであり、その一方で保護層は、RLと読取/書込みヘッドとの間隔を最小限にするためにできるだけ薄くするべきであるからである。
【0032】
FePt層だけでRLとして機能させてもよいが、軟磁性(より低いHk)層を化学的に規則化されたFePt層に直接堆積させてから、パターニングを行ってもよい。軟磁性材料は、スプリングスイッチングメカニズムを通じて、下のFePt層の書込み容易性を改善する。交換スプリング媒体は、交換結合複合(ECC)媒体とも呼ばれ、垂直磁気記録用としてよく知られている。ECC垂直記録媒体は、異方性磁界(Hk)が実質的に異なる2つまたはそれ以上の強磁性交換結合された磁性層の複合体である。均一な書込み磁界がある場合、より低Hkの軟磁性層の磁化がまず回転し、より高HkのFePt層の磁化反転を助ける。本願と同じ譲受人に譲渡されている係属中の米国特許出願第11/751,823号明細書、米国特許出願第12/412,403号明細書、および米国特許出願第12/964,643号明細書は、ECC材料で形成されたデータアイランドを有する各種の垂直BPMを開示している。軟磁性層は一連のCo/X二重層の多層構造であってもよく、XはPt、PdまたはNiである。この多層構造は好ましくは、2から10のCo/X二重層を有する。Co/X多層構造のHkは、厚さの範囲が0.1〜0.4nmの薄いCo層について最も高い。また、Co/Ni二重層では一般に、HkがCo/PdとCo/Ptの二重層より低くなる。Co/X多層構造の異方性磁界HkはFePt層の場合のHkより低く、好ましくは約1から40kOeの間である。軟磁性層はまた、厚さが0.5から10nmで、高い飽和磁化(Msが約600emu/cm3より大きい)のCo、CoPtCr合金またはCoPtCr酸化物の軟磁性材料(保磁力が約2000Oe未満)でもよい。Pt、Pd、Ru、Ni、TaまたはCoRuの薄い層等、任意選択的な中間結合層をより高HkのFePt層とより低Hkの軟磁性層の間に配置して、交換結合を調整してもよい。
【0033】
BPMを利用した垂直磁気記録ディスクは主として、インダクティブ書込みヘッドだけがアイランドにデータを書き込む従来の磁気記録用として提案されている。しかしながら、垂直BPMディスクはまた、熱アシスト記録(heat−assisted recordingまたは熱アシスト記録(thermally−assisted recording)(TAR))用としても提案されている。TARシステムでは、近接場トランスデューサ(NFT)を備える光導波管によってレーザ等の放熱源からの熱が誘導され、ディスク上の磁気記録層の局所的領域が加熱される。放射される熱は磁性材料を局所的にそのキュリー温度付近またはそれ以上まで加熱し、保磁力を、インダクティブ書込みヘッドによる書込みが行われる程度まで十分に低下させる。本発明の方法は、TARディスクドライブ用の垂直BPMディスクを作製するためにも利用できる。図7は、本発明の方法によって作製されたTARディスクの断面図を示す。その結果として得られるディスクは、図4Cに示されているディスクと実質的に同じであるが、相違点は、ヒートシンク層270を層250の中のFePtアイランドの下およびアイランド間の陥凹部の下に配置し、任意選択的な熱レジスト層280をヒートシンク層270とFePtアイランドとの間およびアイランド間の陥凹部との間に配置してもよい点である。ヒートシンク層270は、熱伝導性に優れた材料、たとえばCu、Au、Agまたはその他の適当な金属または金属合金で形成される。任意選択的な熱レジスト層280、たとえばMgOまたはSiO2の層は、熱の流れを制御して、熱がヒートシンク層270の中へとあまり迅速に分散しすぎないようにするのを助ける。TARディスクにはまた、任意選択的なSULを含めてもよく、これを設ける場合はヒートシンク層270の下に配置することになる。SULがない場合はEBLも不要となる。
【0034】
本発明を、好ましい実施形態に関して具体的に示し、説明したが、当業者にとっては当然のことながら、本発明の真の主旨と範囲から逸脱することなく、形態や詳細部分に各種の変更を加えることができる。したがって、開示した発明は例示的にすぎないとみなし、範囲においては、付属の特許請求の範囲に明記されているようにのみ限定される。
【符号の説明】
【0035】
30 個別データアイランド
200 磁気記録ディスク
201 基板
236 充填材料
234 保護層
240 シード層構造
250 FePt層
260 シーリング層
270 ヒートシンク層
280 熱レジスト層
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、パターニングされた垂直磁気記録媒体、たとえば磁気記録ハードディスクドライブに使用されるディスクに関し、より具体的には、化学的に規則化されたFePtまたはCoPt記録層を有する、パターニングされたディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
パターニングされた磁気記録媒体を使用する磁気記録ハードディスクドライブが、データ高密度化のために提案されてきた。従来の連続的磁気記録媒体では、磁記録層はディスク全面にわたる連続的な層である。パターンドメディアの場合、ビットパターンドメディア(BPM)とも呼ばれ、ディスク上の磁気記録層が、同心円状のデータトラック内に配置された、小さな孤立化されたデータアイランドにバターンニングされている。BPMディスクは、磁化方向が記録層の平面に平行、すなわちその平面内にある水平磁気記録ディスクでもよいが、磁化方向が記録層に垂直、すなわちその平面から出る方向にある垂直磁気記録ディスクが、垂直記録媒体のデータ高密度化の可能性から、BPM用の候補として有力である。パターニングされたデータアイランドを磁気的に孤立化させるために、アイランド間のスペースの磁気モーメントを消滅させるか、実質的に低減させることにより、これらのスペーを基本的に非磁性化する。あるいは、アイランド間のスペースに磁性材料が存在しないように媒体を作製してもよい。
【0003】
BPMディスク上への所望のパターンのアイランドを形成するために、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)が提案されている。NILは、ナノスケールの所望のパターンを有するマスタテンプレートまたはモールドによってインプリントレジスト層を変形させことに基づく。マスタテンプレートは、電子ビームツール等、高分解能のリソグラフィツールによって作製される。パターニング対象となる基板は、エッチング可能な材料、たとえば石英、ガラスまたはシリコンで形成されるディスク用ブランク材や、磁気記録層および必要な下地層が連続層としてその上に形成されているディスク用ブランク材であってもよい。次に、基板にインプリントレジスト、たとえばポリメチルメタクリレート(PMMA)等の熱可塑性重合体をスピンコートする。この重合体を、そのガラス転移温度以上まで加熱する。その温度で、熱可塑性レジストは粘性を帯び、比較的高圧でテンプレートからインプリントすることによって、インプリントレジスト上にナノスケールパターンが再現される。重合体を冷却したら、テンプレートをインプリントレジストから除去すると、インプリントレジスト上に陥凹部とスペースの反転ナノスケールパターンが残る。熱可塑性重合体の加熱硬化の代わりに、Molecular Imprints,Inc.から入手可能なMonoMat等、紫外線(UV)光によって硬化可能な重合体をインプリントレジストとして使用できる。その後、パターニングされたインプリントレジスト層をエッチングマスクとして使用して、基本となる基板中に所望のパターンのアイランドを形成する。
【0004】
BPM内のアイランドは、十分に小さく、また高いビット面密度(たとえば、500Gb/in2以上)をサポートするのに十分な磁性品質のものである必要がある。たとえば、1Tb/in2のビット面密度を実現するためには、データアイランドの直径は約15から20nmとなり、アイランド間の非磁性スペースの幅は約10から15nmとなる。それゆえ、アイランドの大きさを縮小してもアイランドの熱安定性を保持することが重要である。
【0005】
BPMの開発にとっての別の重要な問題は、反転磁界分散(SFD)(すなわち、保磁場のアイランド間のばらつき)を十分に狭くして、個々のアイランドのアドレス指定が、隣接アイランドに上書きすることなく、正確にできるようにする必要がある、という点である。SFDの幅はゼロであることが理想であり、これは、すべてのビットが同じ書込み磁界強度で反転されることを意味する。SFDには多くの原因があり、たとえばパターニングされたアイランドの大きさ、形状および間隔のばらつき、使用する磁性材料の固有の磁気異方性分布、および隣接アイランド間の双極相互作用である。これに加えて、磁性アイランドの大きさの縮小に伴ってSFDが拡大する(すなわち、保磁場のビット間のばらつきが増大する)ことがわかっており、これによってBPMで実現できるビット面密度が制限される。
【0006】
高い異方性磁界(Hk)と垂直磁気異方性を有する、化学的に規則化されたFePtとCoPt合金が、BPM用磁気記録層として提案されている。化学的に規則化されたFePtとCoPtのL10型規則合金が、高密度磁気記録材料に求められるその高い結晶磁気異方性および磁化特性により知られている。化学的に規則化されたFePt合金は、そのバルク形態で、面心正方格子(FCT)のL10規則相材料(CuAu材料とも呼ばれる)として知られている。L10相のc軸は磁化容易軸であり、ディスク基板に垂直に配向される。FePtおよびCoPt合金は、所望の通りにL10相で化学的に規則化するために、高温でのアニーリングが必要である。しかしながら、アニーリングによって、FePtを個別アイランドへとパターニングすることが困難な表面粗さとなり、SFDの数値が高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
製造工程中にFePtまたはCoPt層の表面が粗くならないような、化学的に規則化された高HkのFePtまたはCoPt合金記録層を有するBPMディスクの作製方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、化学的に規則化された高HkのFePtまたはCoPt合金記録層を有するBPMディスクの作製方法である。FePt(またはCoPt)層をシード層構造上にスパッタ法で堆積させ、その間、ディスク基板は室温とするか、約400℃未満の高温に保持する。この温度範囲では、FePt合金は十分に化学的に規則化されない。次に、シーリング層をFePt層の上に堆積させる。シーリング層は、FePtと実質的な化学反応を起こさず、FeおよびPtと混和せず、好ましくは、反応性イオンエッチング(RIE)により容易に除去できる、どのような材料であってもよい。シーリング層の堆積後、この構造に、好ましくは400℃から800℃の範囲の温度で約1〜30分間アニーリングを行う。高温アニーリングにより、FePtはL10相で実質的に化学的に規則化され、高い異方性磁場Hkが確実に実現される。アニーリングの後、シーリング層を好ましくはRIEによって、あるいはイオンミリングによって除去する。シーリング層は、FePt層とシーリング層の表面におけるFePt材料のナノクラスタ化と凝集を防止することがわかっており、これらはFePtの好ましくない大きさの表面粗さの原因であり、またSFD値が高い原因でもある。FePt層は、シーリング層の堆積前またはシーリング層の堆積と除去の後のいずれにおいても、BPMディスク用の個別アイランドへとパターニングできる。シーリング層をパターニングし、除去した後、個別データアイランドの上にディスク保護膜を堆積させる。本発明の重要な態様は、高温アニーリングの後に、保護膜を堆積させる前にシーリング層を除去しなければならないことである。
【0009】
本発明の本質と利点を十分に理解するために、添付の図面と共に以下の詳細な説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ビットパターンドメディア(BPM)を用いる垂直磁気記録ディスクドライブの上面図であり、先行技術による同心円状の円形データトラック内に配列された、パターニングされたデータアイランドを示す。
【図2】先行技術のBPMディスクの拡大部分の上面図であり、データアイランドの詳細な配列を示す。
【図3A】先行技術によるディスクのエッチングと分極のさまざまな段階におけるBPMディスクの断面図である。
【図3B】先行技術によるディスクのエッチングと分極のさまざまな段階におけるBPMディスクの断面図である。
【図3C】先行技術によるディスクのエッチングと分極のさまざまな段階におけるBPMディスクの断面図である。
【図4A】本発明の方法のさまざまな段階におけるディスクの一部の断面図である。
【図4B】本発明の方法のさまざまな段階におけるディスクの一部の断面図である。
【図4C】本発明の方法のさまざまな段階におけるディスクの一部の断面図である。
【図5A】シーリング層を設けずに高温アニーリングを行った後の、化学的に規則化されたFePt層の表面の原子間力顕微鏡(AFM)画像である。
【図5B】シーリング層を設けてアニーリングを行い、シーリング層を除去した後の、化学的に規則化されたFePt層の表面のAFM画像である。
【図6A】本発明の方法の他の実施形態のさまざまな段階におけるディスク構造の一部の断面図である。
【図6B】本発明の方法の他の実施形態のさまざまな段階におけるディスク構造の一部の断面図である。
【図6C】本発明の方法の他の実施形態のさまざまな段階におけるディスク構造の一部の断面図である。
【図7】本発明の方法により作製された熱アシスト磁気記録(TAR)ディスクの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、パターンドメディア磁気記録ディスク200を使用するパターンドメディア磁気記録ディスクドライブ100の上面図である。ドライブ100は、アクチュエータ130を支持する筐体またはベース112と、磁気記録ディスク200を回転させるドライブモータを有する。アクチュエータ130は、ボイスコイルモータ(VCM)回転アクチュエータであってもよく、これは剛性のアーム131を有し、旋回軸132の周囲で、矢印133によって示されるように回転する。ヘッドサスペンションアセンブリには、一端がアクチュエータアーム131の端に取り付けられたサスペンション135と、サスペンション135のもう一端に取り付けられたヘッドキャリア、たとえばエアベアリングスライダ120が含まれる。サスペンション135により、スライダ120はディスク200の表面から非常に近い位置に保持されて、ディスク200が矢印20の方向に回転すると、それによって発生されたエアベアリング上で「上下方向」および「回転方向」に動揺することが可能である。磁気抵抗読取ヘッド(図示せず)とインダクティブ書込みヘッド(図示せず)は一般に、スライダ120の終端に一連の薄膜および構造としてパターニングされた一体の読取/書込みヘッドとして形成され、これは当業界において周知のとおりである。スライダ120は一般に、複合材料、たとえばアルミナ/チタン−カーバイド(Al2O3/TiC)等の複合材料で形成される。関連するスライダと読取/書込みヘッドとともに1つのディスク面だけが図1に示されているが、一般には、スピンドルモータによって回転されるハブの上に積み重ねられた複数のディスクがあり、各ディスクの各面に別々のスライダと読取/書込みヘッドが関連付けられている。
【0012】
パターンドメディア磁気記録ディスク200は、硬い、すなわち剛性のディスク基板と、基板上の磁化可能材料の個別データアイランド30を含む。データアイランド30は、半径方向に離間された円形トラック118内に配列され、図1には、数個のアイランド30と、ディスク200の内径と外径付近の代表的なトラック118だけが示されている。アイランド30は円形の形状を有するように描かれているが、アイランドは他の形状、たとえば略長方形、長円形または楕円形であってもよい。ディスク200が矢印20の方向に回転すると、アクチュエータ130の運動によって、スライダ120の終端の読取/書込みヘッドはディスク200上の異なるデータトラック118にアクセスできる。
【0013】
図2は、ディスク200の拡大部分の上面図であり、先行技術による1つのタイプのパターンでのディスク基板表面上のデータアイランド30の詳細な配列を示している。アイランド30は、磁化可能な記録材料を含み、トラック118a〜118eとして示されるような、半径方向、すなわちクロストラック方向に離間された円形トラック内に配列される。トラックは一般に、一定のトラック間隔TSで均等に離間される。1つのトラック内のデータアイランド間の間隔が、トラック118a内のデータアイランド30aと30bの間の距離ISで示されており、隣接するトラックは、トラック118aと118bにより示されているように、相互に距離IS/2だけずれる。各アイランドは、ディスク200の平面に平行な横方向の寸法Wを有し、Wは、アイランドが円形であれば、直径である。アイランドは他の形状、たとえば略長方形、長円形または楕円形であってもよく、この場合、寸法Wは非円形のアイランドの最も小さい寸法、たとえば長方形のアイランドの短辺と考えてもよい。隣接するアイランドは、非磁性領域またはスペースによって分離され、このスペースは横方向の寸法Dを有する。Dの数値はWの数値より大きくてもよい。
【0014】
図2に示されるようなBPMディスクは、磁化方向がそのアイランド内の記録層に垂直、すなわちその平面から出る方向にある垂直磁気記録ディスクであってもよい。パターンニングされたデータアイランド30に求められる磁性的孤立化を実現するためには、アイランド30間の領域またはスペースの磁気モーメントを消滅させるか、実質的に低減させて、これらのスペースを基本的に非磁性としなければならない。「非磁性」という用語は、アイランド30間のスペースが非磁性材料、たとえば誘電材料または、磁界が印加されなければ実質的な残留モーメントを持たない材料、または読み取りまたは書込みに不利な影響を与えないように、アイランド30より十分に低い位置まで掘り下げた溝の中の磁性材料で形成されることを意味する。非磁性スペースはまた、磁性材料のないこと、たとえば磁気記録層またはディスク基板内の溝または陥凹部であってもよい。
【0015】
図3Aは、リソグラフィによるパターニングとエッチングによってBPMディスクを形成する前の、先行技術によるディスク200を示す断面図である。ディスク200は略平坦な面202を有する基板201であり、その表面上に代表的な層が、一般にスパッタ法で堆積されている。ディスク200は垂直磁気記録ディスクとして描かれており、垂直な(すなわち、基板表面202に略垂直な)磁気異方性を持つ記録層(RL)と、RLの下の任意選択的な軟磁性下地層(SUL)を有する。任意選択的なSULは、ディスクドライブヘッドからの書込み磁界のための磁束帰還路としての役割を果たす。
【0016】
ハードディスク基板201はどのような市販のガラス基板であってもよいが、NiP表面コーティングを有する従来のアルミニウム合金または、シリコン、カナサイトまたはシリコンカーバイド等の別の基板であってもよい。SUL成長のための接着層またはオンセット層(OL)は、厚さ約2〜10nmのAlTi合金または同様の材料であってもよく、基板表面202上に堆積させる。
【0017】
SULは透磁性材料、たとえばCoNiFe、FeCoB、CoCuFe、NiFe、FeAlSi、FeTaN、FeN、FeTaC、CoTaZr、CoFeTaZr、CoFeB、CoZrNbの合金等で形成してもよい。SULはまた、複数の軟磁性膜で形成してもよく、これらはAlまたはCoCrの導電膜等の非磁性膜により分離される。SULはまた、複数の軟磁性膜で形成してもよく、これらは反強磁性結合を仲介する層間膜、たとえばRu、IrまたはCrまたはこれらの合金等によって分離される。SULの厚さは、約5から50nの範囲であってもよい。
【0018】
交換ブレーク層(EBL)は一般に、SULの上に配置される。これは、SULとRLの透磁性膜間の磁気交換結合を妨げるように作用し、また、RLのエピタキシャル成長を促進する役割も果たす。EBLは不要としてもよいが、使用するのであれば、非磁性チタン(Ti)層、非導電性材料、たとえばSi、GeおよびSiGe合金、金属、たとえばCr、Ru、W、Zr、Nb、Mo、V、Ta、Al、金属合金、たとえばNiW、NiTa、CrTi、NiP、非晶質炭素、たとえばCNx、CHx、Cまたは、Si、Al、Zr、Ti、Bからなる群から選択される元素の酸化物、窒化物または炭化物とすることができる。EBLの厚さは約1から40nmの範囲であってもよい。
【0019】
図3Aのディスクは、たとえばナノインプリント法によりリソグラフィ方式でパターニングする。ナノインプリント法では、マスタテンプレートを、たとえば直接電子ビーム書込みによって、所望のパターンのデータアイランドと非磁性領域を有するように作製する。インプリントレジスト(すなわち、熱可塑性重合体)の薄膜をディスクにスピンコートする。その後、その所定のパターンを有するマスタテンプレートをインプリントレジスト膜と接触させ、テンプレートとディスクを一体でプレスして、熱を加える。インプリントレジスト重合体をそのガラス転移温度以上に加熱すると、テンプレート上のパターンがレジスト膜に転写される。冷却後、マスタテンプレートをディスクから分離すると、パターニングされたレジストがRLの上に残る。その後、パターニングされたインプリントレジストをエッチングマスクとして使用する。反応性イオンエッチング(RIE)またはイオンミリングを利用して、インプリントレジストのパターンを下のディスクに転写し、データアイランドと非磁性領域を形成できる。
【0020】
図3Bは、リソグラフィによるパターニングとエッチングを行った後のディスク200の断面図である。エッチングの後、RL材料の高いランド30と溝または陥凹部32が基板表面202の上に形成される。陥凹部32の一般的な深さは基本的にランド30の高さでもあり、約4から50nmの範囲で、陥凹部の一般的な幅は約4から50nmの範囲である。図3Bに示される例では、エッチングが、RL材料の全部とEBL材料の一部が陥凹部32の領域から除去される深さまで行われている。しかしながら、あるいは、RL材料の一部だけが除去される深さまでエッチングを行うこともできる。その場合、RL材料の層は陥凹部32の下面より下にもあることになる。
【0021】
図3Cは、図3Bのエッチング後のディスク200の、保護層34を陥凹部32の中とランド30の上に堆積させ、陥凹部32の充填材料36を堆積させて、化学機械研磨(CMP)した後の断面図である。保護層34は、好ましくは非晶質炭素、たとえばダイヤモンドライクカーボン(DLC)の層である。非晶質炭素、すなわちDLCはまた、水素添加および/または窒素化してもよく、これは当業界で周知のとおりである。あるいは、保護層34は窒化珪素、たとえばSi3N4またはSiNxであってもよい。充填材料36は、SiO2、非酸化物材料、たとえばCまたはSiNx、または重合体材料であってもよい。CMPにより、基本的に平坦化されたディスク表面が得られる。その後、平坦化された表面上に、任意選択的な追加の層としての保護層(図示せず)と、続いて従来の液状潤滑剤の層(図示せず)を堆積させてもよい。
【0022】
本発明は、RLが垂直磁気異方性を有する高Hkの化学的に規則化されたFePt合金(またはCoPt合金)を含む、パターニングされた垂直媒体の作製方法に関する。化学的に規則化されたFePt(およびCoPt)L10型規則合金は、高密度磁気記録材料に求められる、その高い磁気異方性と磁化で知られている。化学的に規則化されたFePt合金は、そのバルク形態において、面心正方格子(FCT)のL10型規則相材料(いわゆるCuAu材料)として知られる。L10相のc軸は磁化容易軸であり、ディスク基板に垂直に配向される。化学的に規則化されたFePt合金はまた、FePtのL10相に基づく擬二元合金、たとえば(Fe(y)Pt(100−y))−Xであってもよく、yは約45から55原子パーセントの間で、元素XはNi、Au、Cu、PdまたはAgであってもよく、原子パーセントで約0%から約20%の範囲で存在する。擬二元合金は一般に、二元合金FePtと同様に高い異方性を有するが、それによって、RLの磁気およびその他の特性をより一層制御することが可能となる。たとえば、Cuの添加によってキュリー温度は約100〜150K下がる。この方法は、FePtのRLを有する媒体に関して説明するが、CoPt(またはCoPtのL10相に基づく擬二元CoPt−X合金)のRLを有する媒体にもこの方法は十分に適用できる。
【0023】
図4A〜4Cは、この方法の第一段階の断面図であり、基板の一部とその上のSULとEBLを示している。シード層構造240がEBLの上に堆積されて、FePt層250の成長を促進し、垂直磁気異方性を助長する。シード層構造240は、下側のCrRu層と、CrRu層の上の、上側のPt層の二重層であってもよい。MgO、TiN、TiCもまた、適当なシード層として機能するかもしれない。EBLとシード層構造240の厚さ全体は、好ましくは1nmから25nmの範囲である。FePt層250をシード層構造240の上に、約3から10nmの範囲の厚さに堆積させる。FePt層250は最終的に、L10相に基づく、硬い(高Hkの)、化学的に規則化された、ほぼ等しい原子比の二元FePt合金となり、これがRLとして機能することになる。
【0024】
本発明の方法においては、FePt層250をシード層構造240の上にスパッタ法で堆積させ、その間、ディスク基板を室温(約20℃)とするか、または約400℃未満の高温に保持する。この温度範囲内では、FePt合金は完全には化学的に規則化されず、その後、高温アニーリングを行う必要がある。FePtは、ほぼ等しい原子量のFeとPtを有する単独の複合ターゲットからスパッタ法で堆積させるか、または別々のターゲットから共スパッタしてもよい。FePt層250の別の形成方法として、連続するFeとPtの交互の層を別々のFeとPtのターゲットから、FeとPtのターゲットを交互に覆うためのシャッタを用いてスパッタ堆積法で堆積させることができ、FeとPt層の各々の厚さは約0.15nmから0.25nmの範囲として、層250全体の厚さが約3から10nmとなる。
【0025】
次に、シーリング層260を一般的にはスパッタ法によってFePt層250の上に堆積させる。シーリング層の目的は、FePt層の表面が粗くなるのを防止することであり、これは後の高温アニーリングの後で発生することがわかっている。シーリング層は、FePtと実質的に化学反応を起こさず、FeとPtと混和しないどのような材料であってもよい。特定の材料、たとえばタングステン(W)はシーリング層として利用できないことがわかっており、これは、アニーリング中にWがFeおよびPtと混和するからである。シーリング層260のための材料はまた、好ましくは反応性イオンエッチング(RIE)によって容易に除去できる材料であるべきである。好ましい材料としては、アルミナ(Al2O3)、二酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(SiNx)、窒化チタン(TiN)、ダイアモンドライクカーボン(DLC)がある。シーリング層260は、好ましくは約1.5から15nmの間の厚さに堆積させる。
【0026】
シーリング層260の堆積後、この構造に、好ましくは400℃から800℃の間の温度でアニーリングを行う。アニーリング時間は、約1〜30分またはそれ以上とすることができる。アニーリング時間がごく短く(約2から60秒)、温度が急上昇する高速熱アニーリング(RTA)も使用してよい。アニーリングにより、FePtはL10相で実質的に化学的に規則化され、その結果、確実に高い異方性磁界Hkが実現できる。異方性磁界は好ましくは、約30から150kOeの間である。シーリング層は、FePt層250とシーリング層260の表面におけるFePt材料のナノクラタス化と凝集を防止することがわかっており、これらはRLの好ましくない大きさの表面粗さの原因である。これにより、RLのその後のパターニングが困難となり、また、SFDの数値が高くなる。
【0027】
アニーリング後、シーリング層260を、好ましくはRIE、あるいはイオンミリングによって除去する。シーリング層260をSiO2またはSiNxで形成する場合、これはフッ素化学を用いて、従来のRIEで除去できる。シーリング層260をアルミナで形成する場合、これは塩素化学を用いて、従来のRIEで除去できる。シーリング層260をDLCで形成する場合、これは酸素化学を用いて、従来のRIEで除去できる。シーリング層260を除去すると、非常に平滑な表面を有するFePtのRLが残る。FePt層250の上面は、後に個別データアイランドをパターニングするために、そのピーク・トゥ・ピークの二乗平均平方根(RMS)表面粗さが2未満であるべきである。これは、横方向の層の厚さにばらつきのある粗い表面は、パターニングが難しいからである。また、平滑な表面が好ましいのは、FePtアイランドの表面が粗いほど、SFDが大きくなるからでもある。アイランドごとのFePt材料の体積のばらつきをできるだけ小さくして、SFDの数値を確実に低くするべきである。
【0028】
図5A〜5Bは、本発明の方法で得られる実質的な改善を説明するAFM画像である。Rpという用語は、AFM走査の平均高さと1ミクロン四方のAFM走査面積内の最高点の間の距離である。図5Aは、シーリング層を用いずに高温アニーリングを行った後のFePt層の表面を示す。Rpの測定値は10.4nmであった。図5Bは、厚さ10nmのSiO2のシーリング層を用いて高温アニーリングし、その後、これをRIEにより除去した後のFePt層の表面を示す。Rpの測定値は1.4nmであった。
【0029】
高温アニーリングとシーリング層除去の後、FePtのRLが露出したディスク構造を個別データアイランドにパターニングする。工程のこの段階におけるディスク構造が図4Bに示されている。FePtアイランドが格子模様で描かれ、FePt層250がその前の高温アニーリングによってL10相で実質的に化学的に規則化されていることを表している。次に、図4Cに示されているように、保護層234をFePtアイランドの上およびエッチングによるアイランド間の陥凹部の中に堆積させ、充填材料236を陥凹部に堆積させて、一般にCMPにより平坦化する。保護層234は、好ましくは非結晶炭素、たとえばダイアモンドライクカーボン(DLC)の層である。非結晶炭素、すなわちDLCはまた、水素添加および/または窒素化してもよく、これは当業界で周知のとおりである。あるいは、保護層234は窒化珪素、たとえばSi3N4またはSiNxであってもよい。充填材料36は、SiO2または重合体材料であってもよい。CMPにより、基本的に平坦化されたディスク表面が得られる。その後、平坦化された表面の上に任意選択的な追加の層としての保護層(図示せず)と、続いて従来の液状潤滑剤の層(図示せず)を堆積させてもよい。
【0030】
方法の他の実施形態が図6A〜6Cに示されている。シード層240とFePt層250を前述のようにEBL上に堆積させるが、シーリング層は堆積させないため、図6Aに示されるようなディスク構造が得られる。このディスク構造をFePt材料の個別アイランドへとパターニングするが、図6Bに示されているように、まだL10相での化学的規則化は起こっていない。次に、シーリング層260をFePtアイランドの上、およびアイランド間の陥凹部内に堆積させ、前述のように高温アニーリングを行うと、図6Cに示されるとおりとなる。その結果、FePtがL10相で化学的に規則化され、これは層250の格子模様により示されている。次にシーリング層260を除去した後、保護層と充填材料を堆積させると、実質的に図4Cに示されているような構造が得られる。
【0031】
本発明の重要な点は、高温アニーリングの後に、保護層を堆積させる前にシーリング層を除去しなければならないことである。これは、保護層をシーリング層と同じ材料、たとえばDLCまたはSiNxで形成する場合にも当てはまる。保護層に必要な特性、たとえば耐擦傷性、潤滑剤との結合、非常に高い平滑さは、400℃以上での保護層の加熱と両立しない。たとえば、温度が400℃より高いと、DLCは少なくとも部分的にグラファイト化し、SiNxは分解することがわかっている。これに加えて、シーリング層は一般に保護層より厚く、これは、起こりうるFePtの表面拡散を抑えるために必要なかぎり厚くするべきであり、その一方で保護層は、RLと読取/書込みヘッドとの間隔を最小限にするためにできるだけ薄くするべきであるからである。
【0032】
FePt層だけでRLとして機能させてもよいが、軟磁性(より低いHk)層を化学的に規則化されたFePt層に直接堆積させてから、パターニングを行ってもよい。軟磁性材料は、スプリングスイッチングメカニズムを通じて、下のFePt層の書込み容易性を改善する。交換スプリング媒体は、交換結合複合(ECC)媒体とも呼ばれ、垂直磁気記録用としてよく知られている。ECC垂直記録媒体は、異方性磁界(Hk)が実質的に異なる2つまたはそれ以上の強磁性交換結合された磁性層の複合体である。均一な書込み磁界がある場合、より低Hkの軟磁性層の磁化がまず回転し、より高HkのFePt層の磁化反転を助ける。本願と同じ譲受人に譲渡されている係属中の米国特許出願第11/751,823号明細書、米国特許出願第12/412,403号明細書、および米国特許出願第12/964,643号明細書は、ECC材料で形成されたデータアイランドを有する各種の垂直BPMを開示している。軟磁性層は一連のCo/X二重層の多層構造であってもよく、XはPt、PdまたはNiである。この多層構造は好ましくは、2から10のCo/X二重層を有する。Co/X多層構造のHkは、厚さの範囲が0.1〜0.4nmの薄いCo層について最も高い。また、Co/Ni二重層では一般に、HkがCo/PdとCo/Ptの二重層より低くなる。Co/X多層構造の異方性磁界HkはFePt層の場合のHkより低く、好ましくは約1から40kOeの間である。軟磁性層はまた、厚さが0.5から10nmで、高い飽和磁化(Msが約600emu/cm3より大きい)のCo、CoPtCr合金またはCoPtCr酸化物の軟磁性材料(保磁力が約2000Oe未満)でもよい。Pt、Pd、Ru、Ni、TaまたはCoRuの薄い層等、任意選択的な中間結合層をより高HkのFePt層とより低Hkの軟磁性層の間に配置して、交換結合を調整してもよい。
【0033】
BPMを利用した垂直磁気記録ディスクは主として、インダクティブ書込みヘッドだけがアイランドにデータを書き込む従来の磁気記録用として提案されている。しかしながら、垂直BPMディスクはまた、熱アシスト記録(heat−assisted recordingまたは熱アシスト記録(thermally−assisted recording)(TAR))用としても提案されている。TARシステムでは、近接場トランスデューサ(NFT)を備える光導波管によってレーザ等の放熱源からの熱が誘導され、ディスク上の磁気記録層の局所的領域が加熱される。放射される熱は磁性材料を局所的にそのキュリー温度付近またはそれ以上まで加熱し、保磁力を、インダクティブ書込みヘッドによる書込みが行われる程度まで十分に低下させる。本発明の方法は、TARディスクドライブ用の垂直BPMディスクを作製するためにも利用できる。図7は、本発明の方法によって作製されたTARディスクの断面図を示す。その結果として得られるディスクは、図4Cに示されているディスクと実質的に同じであるが、相違点は、ヒートシンク層270を層250の中のFePtアイランドの下およびアイランド間の陥凹部の下に配置し、任意選択的な熱レジスト層280をヒートシンク層270とFePtアイランドとの間およびアイランド間の陥凹部との間に配置してもよい点である。ヒートシンク層270は、熱伝導性に優れた材料、たとえばCu、Au、Agまたはその他の適当な金属または金属合金で形成される。任意選択的な熱レジスト層280、たとえばMgOまたはSiO2の層は、熱の流れを制御して、熱がヒートシンク層270の中へとあまり迅速に分散しすぎないようにするのを助ける。TARディスクにはまた、任意選択的なSULを含めてもよく、これを設ける場合はヒートシンク層270の下に配置することになる。SULがない場合はEBLも不要となる。
【0034】
本発明を、好ましい実施形態に関して具体的に示し、説明したが、当業者にとっては当然のことながら、本発明の真の主旨と範囲から逸脱することなく、形態や詳細部分に各種の変更を加えることができる。したがって、開示した発明は例示的にすぎないとみなし、範囲においては、付属の特許請求の範囲に明記されているようにのみ限定される。
【符号の説明】
【0035】
30 個別データアイランド
200 磁気記録ディスク
201 基板
236 充填材料
234 保護層
240 シード層構造
250 FePt層
260 シーリング層
270 ヒートシンク層
280 熱レジスト層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターニングされた垂直磁気記録媒体の作製方法において、
基板を提供するステップと、
前記基板上に、Ptおよび、FeとCoから選択された元素を含む記録層を堆積させるステップと、
前記記録層の上に、前記記録層との化学反応性を実質的に持たないシーリング層を堆積させるステップと、
前記記録層にアニーリングを実行し、垂直磁気異方性を有する、実質的に化学的に規則化された合金の記録層を形成するステップと、
アニーリングの後に前記シーリング層を除去するステップと、
前記記録媒体を個別アイランドへとパターニングするステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記パターニングステップが、前記シーリング層の前記除去ステップの後に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターニングされたアイランドの上に保護膜を堆積させるステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記パターニングステップが、前記記録層の前記堆積ステップの後および前記シーリング層の前記堆積ステップの前に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記シーリング層を除去するステップの後に、前記パターニングされたアイランドの上に保護層を堆積させるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記記録層の前記堆積ステップ中に400℃より低い温度まで前記基板を加熱するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アニーリングステップが400℃より高く、800℃より低い温度で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記シーリング層を堆積させるステップが、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化チタンおよびダイアモンドライクカーボンから選択されるシーリング層を堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記シーリング層を除去するステップが、前記シーリング層を反応性イオンエッチング(RIE)によって除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記記録層を堆積させるステップが、基本的にPtおよび前記選択された元素からなる単独のターゲットからスパッタ法で堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記記録層を堆積させるステップが、Ptおよび前記選択された元素の層を交互にスパッタ法で堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記記録層を堆積させるステップが、PtとFeをほぼ等しい原子量だけ堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記記録層を堆積させるステップが、Ni、Au、Cu、PdおよびAgから選択される元素Xを、Pt、FeおよびXの総量の20原子パーセントより少ない量だけ堆積させるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記記録層を個別のアイランドにパターニングするステップの前に、前記記録層の上に、前記記録層の異方性磁界より小さい異方性磁界を有する軟磁性材料の層を堆積させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記軟磁性材料の層を堆積させるステップが、Co/Ptを含む多層構造、Co/Pdを含む多層構造およびCo/Niを含む多層構造からなる群から選択された多層構造を堆積させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記軟磁性材料の層を堆積させるステップの前に、前記記録層の上に中間結合層を堆積させるステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
パターニングされた垂直磁気記録ディスクの作製方法において、
基板を提供するステップと、
前記基板の上に、その後堆積される記録層の成長を促進して、前記その後堆積される記録層の垂直磁気異方性を助長するためにシード層を堆積させるステップと、
前記基板を400℃より低い温度まで加熱するステップと、
前記シード層の上に、ほぼ等しい原子量のFeとPtを含む材料の記録層を堆積させるステップと、
前記記録層の上に、前記記録層の前記材料との化学反応性を実質的に持たないシーリング層を堆積させるステップと、
前記記録層に400℃より高く、800℃より低い温度でアニーリングを実行し、実質的に化学的に規則化されたL10相FePt合金の記録層を形成するステップと、
アニーリングを実行するステップの後に前記シーリング層を除去するステップと、
前記記録層を個別アイランドへとパターニングするステップと、
を含む方法。
【請求項18】
前記パターニングステップが、前記シーリング層の前記除去ステップの後に実行される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記パターニングされたアイランドの上に保護層を堆積させるステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記パターニングステップが、前記記録層の前記堆積ステップの後で、前記シーリング層の前記堆積ステップの前に実行される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記シーリング層を除去するステップの後に、前記パターニングされたアイランドの上に保護層を堆積させるステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記シーリング層を堆積させるステップが、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化チタンおよびダイアモンドライクカーボンから選択されるシーリング層を堆積させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記記録層を堆積させるステップが、ほぼ等しい原子量のFeとPtを含む単独のターゲットからスパッタ法で堆積させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記記録層を堆積させるステップが、FeとPtの層を交互にスパッタ法で堆積させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記記録層を堆積させるステップが、Ni、Au、Cu、PdおよびAgから選択される元素Xを、Fe、PtおよびXの総量の20原子パーセントより少ない量だけ堆積させるステップをさらに含み、前記記録層にアニーリングを実行するステップにより、実質的に化学的に規則化されたL10相擬二元FePtX合金の記録層が形成される、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記記録層を個別アイランドへとパターニングするステップの前に、前記記録層の上に中間結合層を、また前記結合層の上に前記記録層の異方性磁界より低い異方性磁界を有する軟磁性材料の層を堆積させるステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
軟磁性材料の層を堆積させるステップが、Co/Ptを含む多層構造、Co/Pdを含む多層構造およびCo/Niを含む多層構造からなる群から選択された多層構造を堆積させるステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項1】
パターニングされた垂直磁気記録媒体の作製方法において、
基板を提供するステップと、
前記基板上に、Ptおよび、FeとCoから選択された元素を含む記録層を堆積させるステップと、
前記記録層の上に、前記記録層との化学反応性を実質的に持たないシーリング層を堆積させるステップと、
前記記録層にアニーリングを実行し、垂直磁気異方性を有する、実質的に化学的に規則化された合金の記録層を形成するステップと、
アニーリングの後に前記シーリング層を除去するステップと、
前記記録媒体を個別アイランドへとパターニングするステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記パターニングステップが、前記シーリング層の前記除去ステップの後に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターニングされたアイランドの上に保護膜を堆積させるステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記パターニングステップが、前記記録層の前記堆積ステップの後および前記シーリング層の前記堆積ステップの前に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記シーリング層を除去するステップの後に、前記パターニングされたアイランドの上に保護層を堆積させるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記記録層の前記堆積ステップ中に400℃より低い温度まで前記基板を加熱するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アニーリングステップが400℃より高く、800℃より低い温度で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記シーリング層を堆積させるステップが、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化チタンおよびダイアモンドライクカーボンから選択されるシーリング層を堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記シーリング層を除去するステップが、前記シーリング層を反応性イオンエッチング(RIE)によって除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記記録層を堆積させるステップが、基本的にPtおよび前記選択された元素からなる単独のターゲットからスパッタ法で堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記記録層を堆積させるステップが、Ptおよび前記選択された元素の層を交互にスパッタ法で堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記記録層を堆積させるステップが、PtとFeをほぼ等しい原子量だけ堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記記録層を堆積させるステップが、Ni、Au、Cu、PdおよびAgから選択される元素Xを、Pt、FeおよびXの総量の20原子パーセントより少ない量だけ堆積させるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記記録層を個別のアイランドにパターニングするステップの前に、前記記録層の上に、前記記録層の異方性磁界より小さい異方性磁界を有する軟磁性材料の層を堆積させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記軟磁性材料の層を堆積させるステップが、Co/Ptを含む多層構造、Co/Pdを含む多層構造およびCo/Niを含む多層構造からなる群から選択された多層構造を堆積させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記軟磁性材料の層を堆積させるステップの前に、前記記録層の上に中間結合層を堆積させるステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
パターニングされた垂直磁気記録ディスクの作製方法において、
基板を提供するステップと、
前記基板の上に、その後堆積される記録層の成長を促進して、前記その後堆積される記録層の垂直磁気異方性を助長するためにシード層を堆積させるステップと、
前記基板を400℃より低い温度まで加熱するステップと、
前記シード層の上に、ほぼ等しい原子量のFeとPtを含む材料の記録層を堆積させるステップと、
前記記録層の上に、前記記録層の前記材料との化学反応性を実質的に持たないシーリング層を堆積させるステップと、
前記記録層に400℃より高く、800℃より低い温度でアニーリングを実行し、実質的に化学的に規則化されたL10相FePt合金の記録層を形成するステップと、
アニーリングを実行するステップの後に前記シーリング層を除去するステップと、
前記記録層を個別アイランドへとパターニングするステップと、
を含む方法。
【請求項18】
前記パターニングステップが、前記シーリング層の前記除去ステップの後に実行される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記パターニングされたアイランドの上に保護層を堆積させるステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記パターニングステップが、前記記録層の前記堆積ステップの後で、前記シーリング層の前記堆積ステップの前に実行される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記シーリング層を除去するステップの後に、前記パターニングされたアイランドの上に保護層を堆積させるステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記シーリング層を堆積させるステップが、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化チタンおよびダイアモンドライクカーボンから選択されるシーリング層を堆積させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記記録層を堆積させるステップが、ほぼ等しい原子量のFeとPtを含む単独のターゲットからスパッタ法で堆積させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記記録層を堆積させるステップが、FeとPtの層を交互にスパッタ法で堆積させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記記録層を堆積させるステップが、Ni、Au、Cu、PdおよびAgから選択される元素Xを、Fe、PtおよびXの総量の20原子パーセントより少ない量だけ堆積させるステップをさらに含み、前記記録層にアニーリングを実行するステップにより、実質的に化学的に規則化されたL10相擬二元FePtX合金の記録層が形成される、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記記録層を個別アイランドへとパターニングするステップの前に、前記記録層の上に中間結合層を、また前記結合層の上に前記記録層の異方性磁界より低い異方性磁界を有する軟磁性材料の層を堆積させるステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
軟磁性材料の層を堆積させるステップが、Co/Ptを含む多層構造、Co/Pdを含む多層構造およびCo/Niを含む多層構造からなる群から選択された多層構造を堆積させるステップを含む、請求項26に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【公開番号】特開2013−77370(P2013−77370A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−215565(P2012−215565)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(503116280)エイチジーエスティーネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(503116280)エイチジーエスティーネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】
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