説明

化学的及びキラル的に純粋なソリフェナシン塩基及びその塩を調製する方法

本発明は、化学的及びキラル的に純粋なソリフェナシン塩基を製造するための改良されたプロセスを提供する。また、本発明は、少なくとも98%純度を有するソリフェナシンの塩を含む組成物を提供する。本発明はまた、ある種の新規なソリフェナシンの塩、並びに純粋な形態のソリフェナシン塩酸塩及びソリフェナシンシュウ酸塩の新規な多形形態を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学的及びキラル的に純粋なソリフェナシン(Solifenacin)塩基及びその塩を調製するための改良された方法を開示する。具体的には、本発明はまた、ゲンチシン酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルタル酸塩、ニコチン酸塩、リンゴ酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、及びアスコルビン酸塩から選択されるソリフェナシンの新規な多形を記載する。また、本発明は、ソリフェナシン塩酸塩及びソリフェナシンシュウ酸塩の新規な多形を記載する。好ましい態様では、本発明の塩は、純度が少なくとも98%である。さらに、本発明は、塩の中間体形成を介して、化学的及びキラル的に純粋なソリフェナシン塩基を得るための方法を記載する。
【背景技術】
【0002】
ソリフェナシン{1(S)−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボン酸3(R)−キヌクリジニルエステル又は[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル−(1S)−1−フェニル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2−(1H)−カルボキシレート]}は、YM−905(その遊離塩基形態で)としても知られ、以下の構造を有する。
【0003】
【化1】

【0004】
ソリフェナシンの分子式はC232622であり、分子量は362.5である。ソリフェナシン及びその塩は、過活動ぼうこうに起因する頻尿症及び尿失禁の治療薬として使用されるが、過活動ぼうこうそれ自体を治癒するための薬物ではないが、その症状を抑制するための薬物である。
【0005】
薬物ソリフェナシンは、米国特許第6,017,927号及び第6,174,896号(US6017927のCIP)(山之内製薬)に開示された。そこに開示されているのは、以下の一般式:
【0006】
【化2】

【0007】
を有する化合物である。
【0008】
また、ソリフェナシン又はそのHCl塩を製造するための具体的な方法は、以下のスキーム(スキーム1)に示されるように開示されている。
【0009】
【化3】

【0010】
上記で引用された文献では、水素化ナトリウムを用いたソリフェナシン塩基の調製、及びその塩基のHCl塩の転換の方法が記載されるが、ソリフェナシン塩基又はその塩の純度に関するデータは与えられていない。ソリフェナシン塩酸塩は、その特許の実施例8に具体的に開示され、結晶化がアセトニトリル及びジエチルエーテルの混合物において行われる。報告された融点は212〜214℃である。また、この特許は、ラセミ化合物のシュウ酸塩である3−キヌクリジニル−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート・一シュウ酸塩(実施例1)(M.P.122〜124℃)を開示する。このラセミ化合物のシュウ酸塩の結晶化は、イソプロパノール及びイソプロピルエーテルの混合物において行われる。
【0011】
多形、異なる固体状態の発生は、多くの分子及び分子複合体の特性である。単一分子の実体は、区別される結晶構造及び物理的特性、例えば、融点、粉末X線、回折パターン、赤外線(IR)吸収フィンガープリント、及び種々の物理化学的特性を有する様々な固体状態を生じる場合がある。1つの固体状態は、全ての上記した特性において互いに異なるいくつかの多形を生じさせる場合がある。
【0012】
その後、ソリフェナシン塩基及びその塩を調製する方法がAstellas PharmによるEP1714965に記載され、この方法では、コハク酸塩が医薬用途に対して高い光学純度で得られた。本書面は、ソリフェナシンの遊離塩基が下記の不純物を有することを記載する。
【0013】
【化4】

【0014】
この塩基に存在する不純物の濃度は以下の通りであった。
【0015】
【表1】

【0016】
この書面は、ソリフェナシン塩酸塩及びシュウ酸塩を含む組成物の製造をそれぞれ参照実施例2及び4に開示している。また、その塩酸塩及びシュウ酸塩は純粋な形態で調製することができないが、コハク酸塩だけは純粋な形態でえることができること記載する。また、塩酸塩及びシュウ酸塩を含む組成物は、塩の形成及び結晶化工程後でされ、上記の不純物A及びB(A及びBはともにキラル不純物である)を、ソリフェナシンと比較して、それぞれ0.85%以上又は0.50%以上で含むことも記載する。このようにして、化学的及びキラル的に純粋であり、固体であり、工業的規模で操作可能である形態で、HCl塩及びシュウ酸、並びに塩ソリフェナシンの医薬として許容される塩を調製する必要性がある。また、化学的に純粋なソリフェナシン塩基を調製する必要もある。
【0017】
EP1726304は、より具体的に、その方法を商業的に実用可能なものにする、アルコキシド塩基を用いたソリフェナシンの調製法を開示する。US6,017,927に開示される方法と比較して、燃焼の危険性及び鉱油の汚染のような欠点を有する水素化ナトリウムを使う代わりに、この方法はアルコキシド塩基を使用し、これらの障害を克服する。この文献は、最大1%濃度のソリフェナシン塩基及び塩で存在してもよい、ある種のアルキル化不純物の存在を開示する。
【0018】
EP1757604は、ソリフェナシン塩基及びコハク酸塩を調製するための4つの異なる方法を開示する。
【0019】
WO2008011462は、水素化ナトリウムを用いたソリフェナシン塩基を調製する方法を開示し、さらに、ソリフェナシン塩基の結晶形態及びソリフェナシン塩酸塩の結晶形態を開示する。塩は、化学的に純粋な形態であるソリフェナシンのコハク酸塩を得るための中間工程として調製される(HPLCによる純度:99.74%)。この方法を通じて得られたコハク酸塩又はHCl塩の純度については、何も記載されていない。
【0020】
WO2008062282は、ソリフェナシンの調製法を開示し、以下に示される(スキーム6)。
【0021】
【化5】

【0022】
WO2008077357出願は、非求核性塩基を用いたソリフェナシンの調製法をカバーする。粗製ソリフェナシン塩基とL−酒石酸の反応は、結晶性ソリフェナシン水素酒石酸塩を与え、次に、光学的に純粋な塩基及び他の塩(コハク酸塩)に変換される。
【0023】
WO2008019055出願は、ソリフェナシンの主要な中間体の1つである1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの光学的分解についての方法を開示する。
【0024】
WO2008019103は、ソリフェナシン塩基の非晶質及び結晶形態、並びにそれらの調製法を開示する。この文献では、EIPE溶媒中で非晶質なソリフェナシン塩基をスラリーにすることによって調製されるソリフェナシン塩基の形態B1を開示している。
【0025】
WO2008013851は、ソリフェナシンコハク酸の非晶質及び結晶の形態I及びII、並びにそれらの調製法を開示する。
【0026】
WO2008120080は、3(R)−キヌクリジノールがビス[1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]−メタノンとの反応によって活性化され、得られる溶液を1(S)−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンと反応させ、ソリフェナシンを得る方法を開示した。
【0027】
US20080114029は、ソリフェナシン塩基を調製するための主要な中間体である1(S)−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの新規な多形を開示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0028】
ソリフェナシン塩基並びに塩酸塩及びシュウ酸塩を調製するいくつかの方法は知られているが、それらのいずれかの化学的純度に言及しているのはほとんどない。これらの方法の大部分は、化学的純度を開示するために、コハク酸塩の形成の必要性を記載する。したがって、より良好な収率及び改善された純度を与える、ソリフェナシン(遊離塩基)を調製するための安全に修飾された方法を開発する必要がある。また、化学的及びキラル的に純粋であるだけでなく、ソリフェナシンの既知の塩の1以上と比較して優れた医薬的特性も有する、ソリフェナシンのこのような他の新規な塩を調製することが必要である。本出願人は、純粋な形態(化学的及びキラル的)のソリフェナシン塩基、また化学的に純粋な、ソリフェナシンの塩酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、ゲンチシン酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルタル酸塩、ニコチン酸塩、リンゴ酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、及びアスコルビン酸塩を調製するための改善された方法を本明細書に開示する。好ましい態様では、これらの塩は、少なくとも98%純度を有し、これらの塩のいずれかの中間体形成を通じて、純粋でない塩基から純粋なソリフェナシン塩基を調製するために使用されてもよい。あるいは、これらの塩のいくつかは、ソリフェナシンの1以上の既知の塩と比較して、優れた医薬的特性を有する。
【0029】
本出願人は、本明細書において、純粋な形態でソリフェナシン塩酸塩及びソリフェナシンシュウ酸塩の新規な多形を開示する。これらの形態は、さらに驚くべきことには、コハク酸塩とさえ比較して、ある種の優れた医薬的特性を示す。
【0030】
全てのこれらの塩は、実質的に結晶形態若しくは非晶質形態で存在することができ、又は部分的な結晶形態として存在することができる。
【0031】
ソリフェナシンの新規な塩は、化学的及びキラル的に純粋な形態のソリフェナシン塩基の合成の実施を改善するための新しい機会を与える。これらの新規な塩のいくつかは固体状態で製造され、安定性、流動性、したがって、工業的規模で操作するための容易性などの改善された特徴を有する。また、これらの塩のいくつかは、ソリフェナシンの既知の塩の1以上と比較して、優れた生物学的特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による結晶ソリフェナシン塩酸塩の粉末X線回折(XRPD)パターンである。
【図2】本発明による結晶ソリフェナシン塩酸塩の示差走査熱量測定曲線である。
【図3】本発明による結晶性ソリフェナシン塩酸塩のFTIRスペクトルである。
【図4】本発明による結晶ソリフェナシンシュウ酸塩の粉末X線回折(XRPD)パターンである。
【図5】本発明による結晶ソリフェナシンシュウ酸塩の示差走査熱量測定曲線である。
【0033】
【図6】本発明による結晶性ソリフェナシンシュウ酸塩のFTIRスペクトルである。
【図7】本発明による結晶ソリフェナシンゲンチシン酸塩の粉末X線回折(XRPD)パターンである。
【図8】本発明による結晶ソリフェナシンゲンチシン酸塩の示差走査熱量測定曲線である。
【図9】本発明による結晶性ソリフェナシンゲンチシン酸塩のFTIRスペクトルである。
【図10】ソリフェナシンの結晶ジ−パラトルオイル−L−酒石酸塩の粉末X線回折(XRPD)パターンである。
【0034】
【図11】本発明による結晶ソリフェナシンベシル酸塩の粉末X線回折(XRPD)パターンである。
【図12】本発明による結晶ソリフェナシンリン酸塩の粉末X線回折(XRPD)パターンである。
【図13】本発明による結晶ソリフェナシン臭化水素酸塩の粉末X線回折(XRPD)パターンである。
【図14】本発明による結晶ソリフェナシン1,5−ナフタレンジスルホン酸塩の粉末X線回折(XRPD)パターンである。
【図15】本発明による非晶質ソリフェナシンシュウ酸塩の粉末X線回折(XRPD)パターンである。
【図16】本発明による非晶質ソリフェナシンゲンチシン酸塩の粉末X線回折(XRPD)パターンである。
【図17】本発明による非晶質ソリフェナシン塩酸塩の粉末X線回折(XRPD)パターンである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の目的
本発明の主目的は、少なくとも98%純度を有するソリフェナシンの塩を含む組成物を提供することである。
【0036】
ソリフェナシンの塩からなる組成物は、以下を含む方法によって得られる:
(a)3(R)−キヌクリジノールのアルカリ金属塩とアルキル(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートとを反応させ、ソリフェナシンの塩基を含む組成物を得て、及び
(b)ソリフェナシンの塩基を含む組成物を適切な酸との反応によって塩に転換し、それにより塩の組成物を得て、ここで、組成物は組成物の重量を基準にして、少なくとも98%の純度を有する。
【0037】
一態様では、ソリフェナシンの塩の組成物が提供され、ここで、その塩は、塩酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、ゲンチシン酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルタル酸塩、ニコチン酸塩、リンゴ酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、及びアスコルビン酸塩から選択される。
【0038】
一態様では、化学的に及び/又はキラル的に純粋なソリフェナシン塩基を調製するための改善された方法が提供される。
【0039】
一態様では、光学的分解なしに≧95%のキラル純度を有するソリフェナシン塩基を調製する方法が提供される。
【0040】
別の態様では、ジアステレオマー塩を形成させることによって、ソリフェナシン塩基を約≧99.5%の光学純度までにさらにキラル的に濃縮する方法が提供される。
【0041】
別の態様では、対応する塩を作らずに、適切な溶媒において、結晶及び再結晶の工程を介して、ソリフェナシン塩基を約≧99.0%の化学的及びキラル的な純度まで精製する方法が提供される。
【0042】
別の態様では、ソリフェナシン塩基の(−)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩が提供される。
【0043】
なお更なる態様では、ソリフェナシンのある種の医薬として許容される塩が提供される。好ましい態様では、塩は、少なくとも98%の純度を有する。
【0044】
ある態様では、少なくとも99%純度を有する化学的及びキラル的に純粋なソリフェナシンに、ソリフェナシンの対応する塩を変換することによって、ソリフェナシン塩基を精製する方法が提供される。
【0045】
なお更なる態様では、実質的に図1に示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、純粋なソリフェナシン塩酸塩が提供される。
【0046】
別の態様では、本発明はまた、実質的に図4に示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、純粋なソリフェナシンシュウ酸塩を開示する。
【0047】
なお更なる態様では、ゲンチシン酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルタル酸塩、ニコチン酸塩、リンゴ酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、及びアスコルビン酸塩から選択されるソリフェナシンの新規な塩が提供される。
【0048】
別の態様では、本発明はまた、実質的に図7に示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、ソリフェナシンゲンチシン酸塩を開示する。
【0049】
別の態様では、本発明はまた、実質的に図11に示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、ソリフェナシンベシル酸塩を開示する。
【0050】
別の態様では、本発明はまた、実質的に図12に示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、ソリフェナシンリン酸塩を開示する。
【0051】
別の態様では、本発明はまた、実質的に図13に示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、ソリフェナシン臭化水素酸塩を開示する。
【0052】
別の態様では、本発明はまた、実質的に図14に示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、ソリフェナシン1,5−ナフタレンジスルホン酸塩を開示する。
【0053】
別の態様では、本発明はまた、実質的に図15、16及び17にそれぞれ示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、非晶質ソリフェナシンシュウ酸塩、非晶質ソリフェナシンゲンチシン酸塩、及び非晶質ソリフェナシン塩酸塩を開示する。
【0054】
別の態様では、本発明はまた、ソリフェナシンの純粋な塩酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、ゲンチシン酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルタル酸塩、ニコチン酸塩、リンゴ酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、及びアスコルビン酸塩を調製する方法を開示する。
【0055】
なお更なる態様では、純粋でない塩基を上述される1以上の塩に変換し、塩から純粋な形態の塩基を得ることによって、化学的及びキラル的に純粋な形態のソリフェナシン塩基を調製する方法が提供される。
【0056】
なお更なる態様では、本発明の方法のいずれかにおいて得られるソリフェナシン塩基又はソリフェナシンの塩を変換することによって、化学的及びキラル的に純粋な形態のスルファターゼコハク酸塩を調製する方法が提供される。
【0057】
上記態様及び他の態様は、以下の段落にさらに説明される。
【0058】
詳細な説明
本明細書で使用するとき、用語「還流温度」は、溶媒の沸点を指す。本明細書で使用するとき、用語「PXRD」は粉末X線回折を指す。
【0059】
本明細書で使用するとき、用語「THF」はテトラヒドロフランを指し、用語「DCM」はジクロロメタンを指し、用語「DMF」はジメチルホルムアミドを指し、用語「DIPE」はジイソプロピルエーテルを指し、用語「MIBK」はメチルイソブチルケトンを指し、用語「MTBE」はメチルt−ブチルエーテルを指し、用語「MEK」はメチルエチルケトンを指す。
【0060】
本発明は、スキーム3に概要されるように、化学的及びキラル的に純粋なソリフェナシンを調製するための改善された方法を提供する。また、本発明は、少なくとも98%純度を有するソリフェナシンの塩を含む組成物を提供する。ソリフェナシンの塩を含む組成物は以下を含む方法によって得られる:
(a)3(R)−キヌクリジノールのアルカリ金属塩とアルキル(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートとを反応させ、ソリフェナシンの塩基を含む組成物を得て、及び
(b)ソリフェナシンの塩基を含む組成物を適切な酸との反応によって塩に転換し、それにより塩の組成物を得て、ここで、組成物は組成物の重量を基準にして、少なくとも98%の純度を有する。
【0061】
本方法は、スキーム3に詳細にさらに記載される。また、本発明は、ソリフェナシンのある種の新規な塩、並びにソリフェナシン塩酸塩及びソリフェナシンシュウ酸塩の純粋な形態の新規な多形を開示する。
【0062】
【化6】

【0063】
ある態様では、光学的分解なしに≧95%のキラル純度、より好ましくは光学的分解なし≧98%のキラル純度を有するソリフェナシン塩基を調製する方法が提供される。この方法は、1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンが、J.Med.Chem.32,1242−1248,(1989)に開示されるのと同じ方法により調製され、1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンが、J.Med.Chem.48,6597−6606,(2005)及びMonatsh..Chem.53−54,956−962(1929)に開示されるのと同じ方法により実行される工程を含む。
【0064】
(S)−(+)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンは、場合により、適切な溶媒中で適切な塩基の存在下で、クロロギ酸アルキル又は炭酸アルキルと反応され、立体構造を保持したまま、エチル(S)−(+)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートを得た。
【0065】
上記工程における適切な塩基は、求核攻撃を実行するために、(S)−(+)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンのアミノ基を促進する適切な有機又は無機塩基であってもよい。適切な有機塩基は、C(1-5)アルキルアミン、C(1-5)置換アルキルアミン、例えば、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、複素環式飽和又は不飽和アミン、好ましくはモルホリン、ピペリジン、ピロリジン及びピリジンから選択される;使用可能な適切な無機塩基は、水酸化物、例えば、NaOH、KOHなど、炭酸塩、例えば、NaHCO3、Na2CO3、K2CO3など、水素化物、例えば、NaH、n−Buli、LDA及びKHMDSなど、又はそれらの混合物から選択される。
【0066】
上記工程の反応混合物は、使用される溶媒の還流温度まで−5で維持される。好ましくは、温度は−5〜30℃である。
【0067】
上記で使用される適切な溶媒は、適切な炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼンなど、又はそれらの混合物、エーテル、例えば、テトラヒドロフラン、ハロゲン化炭化水素溶媒、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンなど、又はそれらの混合物、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、t−ブタノールなど、又はそれらの混合物、ケトン、例えば、アセトン、非プロトン性極性溶媒、例えば、DMF、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン及び水、又はそれらの混合物から選択されてもよい。好ましくは、ハロゲン化炭化水素、炭化水素、ケトン及び水からなる群から選択される1以上の溶媒である。より好ましくは、ハロゲン化炭化水素及びケトン;具体的には、ジクロロメタン、アセトン及びトルエンである。
【0068】
適切なクロロギ酸アルキルは、低級クロロギ酸アルキル、例えば、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロピル、又は炭酸アルキル、例えば、炭酸ジエチル、炭酸t−ブチルから選択されてもよい。好ましくは、クロロギ酸エチルである。
【0069】
反応時間は、15分〜5時間、より具体的には1〜3時間であってもよい。
【0070】
式(II)で表される化合物エチル(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートが、立体構造を保持したまま純粋な形態で得られた。
【0071】
ある態様では、エチル(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(II)を調製する方法が提供され、ここで、使用される適切な溶媒はケトン、好ましくはアセトンである。
【0072】
単独で、(R)−3−キヌクリジノールは、当業者によって容易に決定することができる、適切な溶媒(単数又は複数)中、適切な温度で適切なアルカリ金属又は金属アルコキシド又は金属水素化物と反応させることによって対応する金属塩に変換され、また、使用される適切な溶媒(単数又は複数)中、最小のラセミ化がおこり得る温度で金属又は金属アルコキシド又は金属水素化物の用改正などのパラメータに依存する。
【0073】
適切なアルカリ金属は、ナトリウム、カリウム及びリチウムから選択することができ、好ましくはナトリウムである。
【0074】
適切な金属アルコキシドは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムアミロキシド、カリウムtertブトキシドから選択することができ、好ましくはナトリウムメトキシドである。
【0075】
適切な溶媒(単数又は複数)は、適切な炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン及びテトラヒドロフラン、ハロゲン化炭化水素溶媒、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンなど、又はそれらの混合物、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、t−ブタノールなど、又はそれらの混合物、ケトン、例えば、アセトン、非プロトン性溶媒、例えば、DMF、ジメチルアセトアミド、又はそれらの混合物から選択されてもよい。好ましくは、非プロトン性溶媒、炭化水素、テトラヒドロフラン及びケトンからなる群から選択される1以上の溶媒である。より好ましくは、適切な溶媒は、炭化水素又は非プロトン性極性溶媒であってもよい;具体的には、トルエン及びDMFが好ましい。
【0076】
反応混合物は、使用される溶媒の還流温度まで80℃で維持される。
【0077】
反応時間は、3時間〜24時間、より具体的には、3〜12時間であってもよい。
【0078】
(R)−3−キヌクリジノールの金属塩は、減圧で溶媒除去後に固体として、又はろ過によって単離された。その後、微量の水は、トルエン中での還流によって、Dean Stark装置で除去された。水の完全な除去を注意深く確認しなければならない。
【0079】
ある態様では、上記スキーム3の工程(a)で概要されるように、したがって、得られた金属塩(I)は、無水条件下、適切な溶媒中で、アルキル(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(II)と反応させ、ソリフェナシン塩基の組成物を得た。
【0080】
あるいは、(R)−3−キヌクリジノールは、適切なアルカリ金属又は金属アルコキシド又は金属水素化物と適切な溶媒中で反応させることによって対応する金属に変換された。得られた金属塩(I)は、インサイチューで、無水条件下、適切な溶媒中でエチル(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートと反応させ、ソリフェナシン塩基の組成物を得た。
【0081】
工程(a)で使用される適切な溶媒は、適切な炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど、又はそれらの混合物、エーテル、例えば、テトラヒドロフランなど、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、t−ブタノールなど、又はそれらの混合物、ケトン、例えば、MIBK、非プロトン性極性溶媒、例えば、DMF、ジメチルアセトアミド、又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、非プロトン性溶媒、炭化水素、エーテル及びケトンからなる群から選択される1以上の溶媒である。具体的には、トルエン及びDMFが好ましい。
【0082】
好ましい態様では、式(II)で表されるエチル(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート、及び上述される(R)−3−キヌクリジノールのキラル純度は、約>99%、好ましくは約>99.5%、より好ましくは100%である。上記で得られる生成物は、適切な方法によって反応混合物から単離されるか、又は別にさらに反応させた。化合物(+)−(1S,3’R)−キノリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン塩基)が得られ、キラル純度は>98%であった。
【0083】
態様の1つでは、得られるソリフェナシン塩基は、場合により、医薬として許容されるソリフェナシンの塩に直接変換される。好ましくは、塩は、少なくとも98%の純度である。医薬として許容される塩には、塩酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、ゲンチシン酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルタル酸塩、ニコチン酸塩、リンゴ酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、及びアスコルビン酸塩が含まれる。
【0084】
あるいは、ソリフェナシン塩基は、上記のスキーム3の工程(b)で概要されるように、その対応するジアステレオ異性体塩に変換され、ソリフェナシン塩基のキラル純度を高めた。キラル純度が>98%である、工程(a)より得られたソリフェナシン塩基は、適切な溶媒中で適切なキラル酸を用いて処理され、キラル純度を高めた。
【0085】
工程(b)で使用される適切なキラル酸は、(−)−ジ−p−トルオイルL−酒石酸、ジ−ベンゾイル−L−酒石酸、D−(−)−マンデル酸、L−ピログルタミン酸、及び(1S)−カンファースルホン酸から選択されてもよい。
【0086】
工程(b)で使用される適切な溶媒は、適切なアルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、1,2−ジメトキシエタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、およびエチレングリコール、エステル、例えば、酢酸エチル、及び酢酸イソプロピル、塩素化溶媒、クロロホルム、ジクロメタン、ニトリル、例えば、アセトニトリル、炭化水素例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ケトン、アセトン、メチルエチルケトン、エーテル、例えば、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、DIPE、MTBE、THF、非プロトン性極性、例えば、DMF、DMSO、DMA、水、並びにそれらの適切な混合物から選択されてもよい。
【0087】
ジアステレオ異性体は、限定されないが、低級アルキル鎖アルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エステル、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ニトリル、例えば、アセトニトリル、ケトン、例えば、アセトン、炭化水素、例えば、トルエン、キシレン又はそれらの適切な混合物から選択される適切な溶媒を用いて精製される。
【0088】
本発明の好ましい態様の1つには、ソリフェナシン塩基のジアステレオ異性体の塩は、ソリフェナシン塩基の溶液に固体として、又は懸濁液を形成させるための適切な溶媒に酸を溶解させた後に、(−)−ジ−p−トルオイルL−酒石酸(DTTA)を添加し、−10℃で適切な溶媒中のソリフェナシン塩基を添加し、使用される溶媒の還流温度にすることによって調製された。より完全な塩を形成させるのに必要とされる時間、撹拌されるか又は維持される。完全な塩の形成に必要な正確な時間は、当業者によって容易に決定することができる。塩をろ過し、適切な溶媒で洗浄する。
【0089】
本発明の更なる態様では、工程(b)で得られるジアステレオ異性体の塩は、上記のスキーム3の工程(c)で概要されるように、非常に高いキラル純度を有するソリフェナシン塩基に変換される。この方法は、適切な溶媒にジアステレオ異性体の塩を溶解させることを伴い、次に、塩の適切な水溶液を用いて塩基性にする。生成物の遊離塩基を適切な有機溶媒で抽出する。有機溶媒を分別する。水による洗浄及び乾燥後、溶媒を蒸発させて純粋なソリフェナシン塩基を得る。キラル純度は≧99.5%、化学純度は約97である。
【0090】
溶媒の撹拌時間及び体積は、当業者によって容易に決定することができ、また、塩の所望の立体異性体及び望ましくない立体異性体の安定性などのパラメータに依存する。
【0091】
工程(c)で使用される適切な溶媒は、限定されないが、エステル、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなど、炭化水素、例えば、トルエン、キシレンなど、エーテル、例えば、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、DIPE、MTBEなど、ハロゲン化溶媒、例えば、クロロメタン、ジクロロエタンなど、又はそれらの適切な混合物から選択される。
【0092】
工程(c)で使用される適切な溶媒は、適切な水酸化物、例えば、NaOH、KOHなど、適切なカーボネート、NaHCO3、Na2CO3、K2CO3から選択される。
【0093】
好ましい態様の発明の1つでは、ソリフェナシンのDTTA塩が開示され、その後、変換されてソリフェナシン塩基を得た。キラル純度は>99.5%、化学純度は約97であった。
【0094】
このようにして、本発明は、ソリフェナシンのジ−パラトルオイルL−酒石酸塩、及びキラル的に純粋なソリフェナシン塩基を調製するためのその使用を記載する。
【0095】
本発明の方法に従って得られるジ−パラトルオイルL−酒石酸は、パターン図10に実質的に従うXPRDパターンによって特徴付けられる。
【0096】
また、約5.67、11.49、12.82、13.49、13.97、15.01、5.68、16.00、17.80、18.28、19.10、20.38、22.36、23.08、23.94、24.50、24.94°±2°2θのXPRDピークによって特徴付けられる。
【0097】
このようにして得られたキラル的に純粋なソリフェナシンは、スキーム3の工程(d)において概要される、適切なアルコール溶媒中の対応する酸と反応させることによって、その対応する酸付加塩に変換される。
【0098】
工程(d)で使用される適切な溶媒は、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、1,2−ジメトキシエタノール、2−メトキシエタノール、エチレングリコールなど、エステル、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなど、塩素化溶媒、例えば、クロロホルム、ジクロロエタンなど、ニトリル、例えば、アセトニトリルなど、炭化水素、例えば、トルエン、キシレンなど、ケトン、例えば、アセトンなど、エーテル、例えば、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、DIPE、MTBE、THFなど、非プロトン性極性溶媒、例えば、DMF、DMSO、DMAなど、水、並びに上述される1以上の溶媒の適切な混合物から選択される。
【0099】
本発明の1つの好ましい態様では、ある種の医薬として許容されるソリフェナシンの塩が開示される。好ましい態様では、溶媒は、少なくとも98%の純度である。ある態様では、塩は、上述の方法に従って調製される。医薬として許容される塩には、塩酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、ゲンチシン酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルタル酸塩、ニコチン酸塩、リンゴ酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、及びアスコルビン酸塩が含まれる。
【0100】
更なる態様では、工程(d)で得られるソリフェナシンの塩は、上述のスキーム3の工程(e)で概要される適切な溶媒中の適切な塩基を用いることによって、少なくとも98%の純度を有する化学的及びキラル的に純粋なソリフェナシン塩基に変換される。
【0101】
工程(e)で使用される適切な溶媒は、限定されないが、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなど、炭化水素、例えば、トルエン、キシレンなど、エーテル、例えば、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、DIPE、MTBEなど、ハロゲン化溶媒、例えば、クロロホルム、ジクロロエタンなど、又はそれらの適切な混合物から選択される。
【0102】
工程(e)で使用される適切な塩基は、水酸化物、例えば、NaOH、KOHなど、適切なカーボネート、NaHCO3、Na2CO3、K2CO3、又はそれらの適切な混合物から選択される。
【0103】
さらに、化学的及びキラル的に純粋なソリフェナシン(化学的度が少なくとも99%、キラル純度が少なくとも99.5%である)塩基は、スキーム3の工程(f)におけるように、適切な溶媒中の対応する酸と反応させることによって、医薬として許容されるソリフェナシンの塩に変換されてもよい。
【0104】
工程(f)において使用される適切な溶媒は、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、1,2−ジメトキシエタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、及びエチレングリコールなど、エステル、例えば、酢酸エチル及び酢酸イソプロピルなど、塩素化溶媒、例えば、クロロホルム、ジクロメタンなど、ニトリル、例えば、アセトニトリルなど、炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなど、ケトン、アセトンなど、エーテル、例えば、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、DIPE、MTBE、THFなど、非プロトン性極性溶媒、例えば、DMF、DMSO、DMAなど、水、並びに上述される1以上の溶媒の適切な混合物から選択される。
【0105】
本発明に従って調製される医薬として許容されるソリフェナシンの塩は、好ましくは、純度が少なくとも98%であり、より好ましくは、少なくとも99%であり、塩酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、ゲンチシン酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルタル酸塩、ニコチン酸塩、リンゴ酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、及びアスコルビン酸塩から選択される。
【0106】
工程(a)又は(c)の後、上述のように得られるソリフェナシン塩基は、スキーム3に概要されるように精製されてもよく、化学的及びキラル的に純粋なソリフェナシン塩基を得る。工程(a)又は(c)により、上記で得られる(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン塩基)は、適切な溶媒中で結晶化又は精製された。結晶化について、溶液は、所望により所望の濃度に達成させるために、高温で調製することができる。化合物の透明な溶液が得られ、化学的又は物理的に化合物に有害でない限り、任意の温度は溶解に許容される。必要とされる正確な温度は、当業者によって容易に決定することができ、濃度などのパラメータに依存もする。溶液は、必要に応じて、更なる処理/沈殿のために−10℃〜30℃に下げることができ、そうでなければ、高温が使用され、生成物のより完全な単離に必要とされる時間、撹拌又は維持されてもよい。完全な単離に必要とされる正確な冷却温度及び時間は、当業者によって容易に決定することができ、溶液又はスラリーの濃度及び温度などのパラメータに依存する。
【0107】
スラリー又は滴定温度について、溶媒の時間及び体積は、当業者によって容易に決定することができ、また、適切な溶媒における化合物の溶解性、及び不純物の溶解性などのパラメータに依存する。
【0108】
工程(g)において使用される適切な溶媒は、C(1-6)アルキルアルコール、2−メチル1,2−ジメトキシエタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、エチレングリコールなど、エステル、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、ギ酸エチルなど、ニトリル、例えば、アセトニトリルなど、ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど、炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼン、テトラリン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルクロロヘキサンなど、水、エーテル、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、フェニルメチルエーテル、時フェニルエーテル、テトラヒドロフランなど、ホルムアミド、N−メチルピロリドン、ハロゲン化溶媒、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエテン、1,1,1−トリクロロエタンなど、又はそれらの適切な混合物から選択され、化学的及びキラル的に純粋な固体のソリフェナシン塩基を得る。
【0109】
工程gで得られる化学的及びキラル的に純粋なソリフェナシン塩基は、その後、上述される適切な溶媒中の対応する酸と反応させることによって、対応する化学的及びキラル的に純粋な医薬として許容される塩に変換されてもよい。
【0110】
スキーム3の工程(i)において概要されるような方法によって、上記の工程d又はhで得られるソリフェナシンの酸付加塩の結晶化は、化学的(>99%)及びキラル的(>99%)に純粋なソリフェナシンの塩を提供する。
【0111】
結晶化は、適切な溶媒、例えば、アルコール、エステル、塩素化溶媒、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ニトリル、例えば、アセトニトリル、炭化水素、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ケトン、例えば、アセトン、エーテル、例えば、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、DIPE、MTBE、THF及びDMF、DMSO、DMA、ホルムアミド、NMP、1,2−ジメトキシエタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、エチレングリコール、水、又はそれらの適切な溶媒において実行され、その語、上記にいずれかから選択される適切な溶媒から再結晶される。
【0112】
驚くべきことに、本発明によれば、得られた医薬として許容されるソリフェナシンの塩のいくつかは、99.9%純度であることが分かり、例えば、ソリフェナシンのシュウ酸塩、塩酸塩、ゲンチシン酸塩、リン酸塩、ベシル酸塩、及び臭化水素酸塩であった。
【0113】
また、本発明の方法によって、医薬として許容されるソリフェナシンの塩が調製され、ソリフェナシンの残留溶媒(医薬として許容される塩の重量含量として測定される)は、表1に示されるように、GC−FIDによって、1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.05%以下である。
【0114】
【表2】

【0115】
医薬として許容されるソリフェナシンの塩は、実質的に結晶形態若しくは実質的に非晶質形態で存在してもよく、あるいはPXRDによって特徴付けられた結晶及び非晶質形態の混合物で存在していてもよい。
【0116】
さらに、所望の、特に、ソリフェナシンの塩の結晶形態は容易に調製され、医薬製剤にさらに加工するのに適した形態で調製され得る。
【0117】
これらの塩は、さらに、PXRDピーク及びDSC値によって特徴付けられた。
【0118】
分析方法:
完全なX線粉末スペクトルは、銅放射線を用いた、Rigaku D/Max 2200 VPC X線粉末回折計モデルを用いて記録された。X線解析パターンは、以下のように装置パラメータを保持することによって記録された:
X線:Cu/40kv/30mA、発散シルト:1°、スキャッタリングシルト:1°、リシービングシルト:0.15mm、単色光分光器RS:0.8mm、カウンター:シンチレーションカウンター
【0119】
スキャンモード:連続、スキャンスピード:3.000°/分、サンプリング幅:0.020°、スキャン軸:2シータ対CPS、スキャン範囲:2°〜40.0°、シータオフセット:0.000
【0120】
示差走査熱量計解析は、以下のパラメータを保持することによって、DSC−60モデル(Shimadzu社製)(S/W)TA−60WS Aquisitionバージョン2.1.0.0)で実行された。試料サイズ:約1〜2mg、試料皿:Hermetic/Crimping Pans、開始温度:50℃、終了温度:300℃、加熱速度:10℃/分、パージガス:窒素、流速:20ml/分。
【0121】
赤外線(IR)スペクトルあ、Shimadzu FTIR−8400モデル分光光度計で記録し、450cm-1〜4000cm-1であり、KBrペレット中で4cm-1の解像度であった。
【0122】
ソリフェナシン塩基及びその塩は、λmax220nm、カラムJ’shere−ODS、150mm×4.6mm×4μ又はその同等物を用いて、AGILENT1100シリーズ上で、以下の条件で分析用HPLCによって純度について解析された。検出器:UV吸収光度計、波長:220nm、カラム温度:30℃、流速:1.0mL/分、注入体積:5μL。移動相(勾配溶出):水:アセトニトリル中の0.05 TFAバッファー。
【0123】
ソリフェナシン塩基及びその塩は、λmax220nm、カラムChiral−Cel OD、250mm×4.6mm×5μ又はその同等物を用いて、Shimadzu LCVPモデル上で、以下の条件で分析用HPLCによってキラル純度について解析された。検出器:UV吸収光度計、波長:220nm、カラム温度:30℃、流速:0.8mL/分、注入体積:5μL。移動相(勾配溶出):n−ヘキサン:IPA:ジエチルアミン(90:10:0.1)。融点は、VEEGOメイクモデルVMP−D融点装置で測定され、補正されない。
【0124】
本方法に従って得られ、本発明のソリフェナシン塩酸塩の新規な多形は、パターン図1に実質的に従うXPRDパターンによって特徴付けられる。また、ソリフェナシン塩酸塩は、約9.61、13.18、14.02、14.39、15.58、15.89、17.0、18.94、19.18、19.78、20.98、21.61、及び26.12°±0.2°2θのXPRDピークによって特徴付けられ、融点は260〜263℃の範囲である。
【0125】
また、本発明は、パターン図17に実質的に従うXPRDパターンによって特徴付けられるソリフェナシン塩酸塩の非晶質形態を開示する。
【0126】
本発明の方法に従って得アレルソリフェナシンシュウ酸塩の新規な多形は、パターン図4に実質的に従うXPRDピークによって特徴付けられる。また、ソリフェナシンシュウ酸塩は、約9.78、12.23、12.68、13.42、15.44、18.18、19.56、20.58、21.45及び25.24°±0.2°2θのXPRDパターンによって特徴付けられ、融点は169〜174℃の範囲である。
【0127】
また、本発明は、パターン図15に実質的に従うXPRDパターンによって特徴付けられるソリフェナシンシュウ酸塩の非晶質形態を開示する。
【0128】
好ましい態様の1つでは、本発明はまた、ゲンチシン酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルタル酸塩、ニコチン酸塩、リンゴ酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、及びアスコルビン酸塩から選択される、ソリフェナシンの新規な塩を開示する。
【0129】
本発明の方法に従って得られるソリフェナシンゲンチシン酸塩は、さらに、パターン図7に実質的に従うXPRDパターンによって特徴付けられる。
【0130】
また、ソリフェナシンゲンチシン酸塩は、約5.56、7.06、7.70、10.15、14.63、15.54、17.63、19.4、19.7、20.08、20.68、21.58、25.48°±0.2°2θのXPRDピークによって特徴付けられ、融点は164〜174℃の範囲である。
【0131】
また、本発明は、パターン図18に実質的に従うXPRDパターンによって特徴付けられる、ソリフェナシンゲンチシン酸塩の非晶質形態を開示する。
【0132】
本発明の方法に従って得られるソリフェナシンベシル酸塩は、パターン図11に実質的に従うXPRDパターンによって特徴付けられる。
【0133】
また、ソリフェナシンベシル酸塩は、約5.14、7.69、10.27、12.58、14.76、16.05、16.66、17.08、17.46、18.92、20.46、20.93、21.74、22.02、23.22、24.13、24.39、27.28、28.18°±0.2°2θのXPRDピークによって特徴付けられ、融点は191〜194℃の範囲である。
【0134】
本発明の方法に従って得られるソリフェナシンリン酸塩は、パターン図12に実質的に従うXPRDパターンによって特徴付けられる。
【0135】
また、ソリフェナシンリン酸塩は、約3.99、11.22、12.07、13.96、14.96、16.15、16.42、17.51、17.96、18.43、19.2、19.58、20.2、21.31、22.53、23.83、24.94、25.29、26.10、26.46、26.82、28.43、29.74°±0.2°(2θ)のXPRDピークによって特徴付けられ、融点は225〜245℃の範囲である。
【0136】
本発明の方法に従って得られるソリフェナシン臭化水素酸塩は、パターン図13に実質的に従うXPRDパターンによって特徴付けられる。
【0137】
また、ソリフェナシン臭化水素酸塩は、約8.2、9.4、11.98、13.68、14.3、15.27、15.69、16.49、16.77、18.93、19.29、19.62、19.91、21.04、21.58、22.46、23.14、24.64、25.44、25.78、27.94、28.98、29.43、30.88、31.24、32.38、33.48、34.16、34.43°±0.2°(2θ)のXPRDピークによって特徴付けられ、融点は235〜240℃の範囲である。
【0138】
本発明の方法に従って得られるソリフェナシン1,5−ナフタリンジスルホン酸塩は、パターン図14に実質的に従うXPRDパターンによって特徴付けられる。
【0139】
また、ソリフェナシン臭化水素酸塩は、約5.22、9.33、10.28、11.84、14.16、14.84、15.42、15.78、17.18、17.65、18.16、19.06、19.96、21.12、21.63、21.92、23.55、23.80、26.02、28.4、30.35°±0.2°2θのXPRDピークによって特徴付けられ、融点は153〜160℃の範囲である。
【0140】
本発明に従って調製されるソリフェナシンシュウ酸塩の結晶形態は、「ソリフェナシンシュウ酸塩の結晶形態II」として以下示される。
【0141】
本発明に従って調製されるソリフェナシン塩酸塩の結晶形態は、「ソリフェナシン塩酸塩の結晶形態II」として以下示される。
【0142】
本発明に従って調製されるソリフェナシン塩のいくつかは、保存中に化学的及び多形的に安定性を有する。ソリフェナシン塩酸塩、ソリフェナシンシュウ酸塩、及びソリフェナシンゲンチシン酸塩の安定性の結果を表2に示す。
【0143】
【表3】

【0144】
ソリフェナシンの新規な塩の薬物速度論的特性:
本発明に従って調製されるソリフェナシンの新規な塩のいくつかの薬物速度論的プロフィールの結果を表3a及び3bに示す。
【0145】
【表4】

【0146】
【表5】

【0147】
ソリフェナシンシュウ酸塩は、急速な吸収を示し、ソリフェナシンコハク酸塩と比較して、約10倍高い血漿濃度(生物学的利用性、Cmax)、5倍高い血漿曝露を示した。また、シュウ酸塩は、コハク酸塩と比較して、より高いT1/2値を示した。
【0148】
また、HCl塩は、コハク酸塩と比較して、良好なPKプロフィールを示し、約3倍高い血漿曝露を示した。
【0149】
ソリフェナシンリン酸塩、臭化物、及び塩酸塩は、ソリフェナシンコハク酸と比較して、より速い吸収(Tmax:約1.0〜1.3hr)を示した。
【0150】
ソリフェナシンベシル酸塩、クエン酸塩、トシル酸塩、シュウ酸塩及びゲンチシン酸塩は、ソリフェナシンコハク酸塩(Tmax:6.67hr)と比較して、中程度に速い吸収(Tmax:1.6〜2.0hr)を示した。
【0151】
ゲンチシン酸塩は、ソリフェナシンコハク酸塩に匹敵する薬物動態プロフィールを有し、ゲンチシン酸塩及びトシル酸塩のピーク血漿濃度は、ソリフェナシンコハク酸塩の比較生物学的利用能と匹敵していた。
【0152】
ソリフェナシンアスコルビン酸塩は、20%良好な吸収を示し、吸収の速度はコハク酸塩より速かった。
【0153】
ソリフェナシンの種々の塩の固有の溶解速度試験:
新規な塩のいくつかは、ソリフェナシンのコハク酸塩よりも良好な固有の溶解速度を示した。結果を表4に示す。
【0154】
【表6】

【0155】
本発明の一態様では、ソリフェナシン又はその医薬として許容される塩、及び脂質若しくは固体担体、当該技術分野において知られている賦形剤の医薬組成物が開示され、ここで、ソリフェナシンは、上記で開示された方法のいずれか1つによって生成され、医薬として許容される塩は、塩酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、ゲンチシン酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルタル酸塩、ニコチン酸塩、リンゴ酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、及びアスコルビン酸塩から選択される。
【0156】
本発明は、以下の非制限的な実施例によってさらに例示され、それらは、本発明の実施の好ましい態様を表すように例証される。本発明の範囲は、これらの特定の態様にのみ限定されないが、本発明の他のいずれかに開示されたもの、並びに、当業者によって容易に決定することができの一般的な理解の範囲内にある情報及び知識と併せて読まれるべきである。
【実施例】
【0157】
実施例1
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)の調製
新たに調製されたナトリウムエトキシド(1.8g)の冷却溶液に、(R)−3−キヌクリジノールHCl(6.4g)をN2雰囲気下で添加した。5〜30℃で30分〜1時間撹拌した。還流圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加した。反応混合物を還流温度に貫徹し、1〜3時間撹拌した。この処置中、微量の水及びメタノールは、Dean−Stark装置によって共沸させて除去し、60〜70℃に冷却した。乾燥トルエン及び乾燥DMF中に溶解させた(S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(10g)を添加した。再度、還流温度に加熱し、エタノールを除去するために溶媒を留去しながら5〜25時間撹拌し、間隔をおいて、新たな量の乾燥溶媒を添加した。室温まで冷却した。
【0158】
精査:
反応混合物に水及びトルエンを添加した。10〜15分間撹拌し、分液漏斗に移した。有機層を回収した。生成物を20%水性HCl溶液で抽出した。40%水性K2CO3溶液を用いて、15〜20℃で塩基性にした。生成物を酢酸エチルで抽出した。両方の抽出物を併せ、ブライン溶液で洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧にして溶媒を留去した。
【0159】
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)(6.6g、51%収率)を得た。
%化学純度−96.87%
HPLCによる%化学純度%−98.83%
【0160】
実施例2
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル−1フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)の調製
(R)−3−キヌクリジノール(8.6g)のナトリウム塩、トルエン(70ml)及びDMF(11mL)をN2雰囲気下で乾燥させた3口丸底フラスコに入れた。混合物を5〜10分間撹拌した。この混合物にナトリウムメトキシド(1.8g)を添加した。混合物を25〜30℃で15〜30分間撹拌した。反応混合物を還流温度に加熱し、1時間撹拌した。この処理中、微量の水に及びメタノールは、Dean−Starkを用いることによって、共沸させて除去された。70〜75℃に冷却した、乾燥トルエンに溶解させた(S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(8.6g)を混合物に添加した。再度、還流温度に加熱し、エタノールを除去するために溶媒を留去しながら、8時間撹拌し、間隔をおいて、新たな量の乾燥溶媒を添加した。室温に冷却した。実施例1に記載される適切な精査語、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)(5.3g、50%収率)を得た。%化学純度−97.67%、HPLCによる%キラル純度−99.15%。
【0161】
実施例3
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)の調製
新たに調製されたナトリウムメトキシド(4.2g)の冷却溶液に、(R)−3−キヌクリジノール(10g)をN2雰囲気下で添加した。5〜30℃で30分間撹拌し、減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加し、反応混合物を還流温度に加熱し、1〜2時間撹拌した。処理中に、微量の水及びメタノールを添加し、Dean−Stark装置を用いることによって共沸させて除去し、混合物を60〜70℃に冷却した。乾燥トルエン(160mL)及び乾燥DMF(25mL)に溶解させた(S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(20g)を添加した。再度、還流温度に加熱し、15分後毎に、エタノールを除去するために、トルエンを留去しながら、10〜12時間撹拌し、間隔をおいて、新鮮な量の乾燥トルエンを添加した。室温に冷却した。実施例1に記載されるのと同じ適切な精査後、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)(18.2g、72%収率)を得た。
%化学純度−97.37%、HPLCによる%キラル純度−99%。
SOR(エタノール中1%、25℃):123.2°
【0162】
実施例4
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)の調製
調製されたナトリウムメトキシド(4.2g)の冷却溶液に、(R)−3−キヌクリジノール(10g)をN2雰囲気下で添加した。5〜30°で30分間撹拌し、減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加した。反応混合物を還流温度に加熱し、1〜2時間撹拌した。処理中、微量の水及びメタノールをDean−Stark装置を使用することによって、共沸させて除去した。60〜70°に冷却した。乾燥トルエン(160mL)及び乾燥DMF(25mL)に溶解させた(S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(20g)を添加し、再度、還流温度に加熱し、エタノールを除去するために、新たな乾燥トルエンの添加の15分毎の間隔後、トルエンに留去しながら、10〜12時間撹拌した。室温まで冷却した。実施例1に記載されたものと同じ適切な精査後、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)(21g、81.7%収率)を得た。
%化学純度−96.76%、HPLCによる%化学純度−95.27%。
SOR(EtOH中1%、25℃):118.5°
【0163】
実施例5
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)の調製
ナトリウムメトキシド(2.1g)の冷却されたメタノール溶液に、(R)−3−キヌクリジノール(5g)をN2雰囲気下で添加した。5〜30℃で30分〜1時間撹拌し、減圧で溶媒を留去し、半固体塊を得た。半固体塊に乾燥トルエンを添加し、反応混合物を還流温度に加熱し、1〜3時間撹拌した。処理中、微量の水及びメタノールは、Dean−Stark装置を使用することによって、共沸させて除去された。60〜70℃に冷却された。乾燥トルエン及び乾燥DMFに溶解させた(S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(10g)を添加した。再度、還流温度に加熱し、間隔をおいて、新たな量の乾燥溶媒を添加して、エタノールを除去するために溶媒を留去しながら12〜13時間撹拌した。室温まで冷却した。実施例1に記載されたのと同じ適切な精査後、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)(9.3g、72%収率)を得た。
%化学純度−95.79%;HPLCによる%キラル純度−96.0%
SOR(EtOH中1%、25℃):123.1°
【0164】
実施例6
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)の調製
新たに調製されたナトリウムエトキシド(0.9g)の冷却溶液に、(R)−3−キヌクリジノール(5g)をN2雰囲気下で添加した。5〜30℃で30分〜1時間撹拌し、減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加した。反応混合物を還流温度に加熱し、1〜3時間撹拌した。その最中に、微量の水及びエタノールは、Dean−Stark装置を使用することによって、共沸させて除去された。60〜70℃に冷却した。乾燥トルエン及び乾燥DMFに溶解させた(S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(10g)を添加した。再度、還流温度に加熱し、新たな乾燥溶媒を添加しながら間隔をあけてエタノールを除去するために溶媒を留去した。室温に冷却した。実施例1に記載されるのと同じ適切な精査後、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)(6.3g、50%収率)を得た。%化学純度−95.68%、HPLCによる%キラル純度−97.19%。
【0165】
実施例7
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)の調製
新たに調製されたナトリウムメトキシド(0.45g)の冷却溶液に、(R)−3−キヌクリジノール(2.5g)をN2雰囲気下で添加した。5〜30℃で30分〜1時間撹拌し、減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加した。反応混合物を還流温度に加熱し、1〜3時間撹拌した。処理中、微量の水及びメタノールは、Dean−Stark装置を使用することによって、共沸させて除去された。60〜70℃に冷却した。乾燥トルエン(40mL)及び乾燥N,N’−ジメチルアセトアミド(6.2mL)に溶解された(S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(5g)を添加した。再度、還流温度に加熱し、間隔をおいて新たな乾燥溶媒を添加して、エタノールを除去するために溶媒を留去しながら9〜10時間撹拌した。室温に冷却した。実施例1に記載されるように適切な精査後、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)(4.2g、65%収率)を得た。%化学純度−93.38%、HPLCによる%キラル純度−92.72%。
【0166】
実施例8
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)の調製
新たに調製されたナトリウムメトキシド(2.1g)の冷却溶液に、(R)−3−キヌクリジノール(5g)をN2雰囲気下で添加した。5〜30℃で30分〜1時間撹拌し、減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加した。反応混合物を還流温度に加熱し、1〜3時間撹拌した。その最中、微量の水及びメタノールは、Dean−Stark装置を使用することによって、共沸させて除去させた。60〜70℃に冷却した。乾燥トルエン(80mL)及び乾燥MIBK(12.5mL)に溶解させた(S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(10g)を添加した。再度、還流温度に加熱し、間隔をおいて新たな乾燥溶媒を添加して、エタノールを除去するために溶媒を留去しながら9〜10時間撹拌した。室温に冷却した。実施例1に記載されるように適切な精査後、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)(2.0g、16%収率)を得た。%化学純度−66.7%。
【0167】
実施例9
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)の調製
新たに調製されたナトリウムメトキシド(2.1g)の冷却溶液に、(R)−3−キヌクリジノール(2.5g)をN2雰囲気下で添加した。5〜30℃で15〜30分撹拌した。減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加し、反応混合物を還流温度に加熱し、1〜3時間撹拌した。操作中、微量の水及びメタノールは、Dean−Stark装置を使用することによって、共沸させて除去された。50〜60℃に冷却した。乾燥トルエン(20mL)及び乾燥THF(6.0mL)に溶解させた(S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(5)を添加した。再度、還流温度に加熱し、間隔をおいてトルエン−THFの新たな混合物を添加して、エタノールを除去するために溶媒を除去しながら9〜10時間撹拌した。混合物を室温に冷却した。実施例1に記載されるように適切な精査後、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)(3g、46.5%収率)を得た。%化学純度−92.1%。
【0168】
実施例10
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)の調製
乾燥させた3口丸底フラスコに、(R)−3−キヌクリジノール(5.0g)、トルエン(80mL)及びDMF(12.5mL)をN2雰囲気下で添加した。5〜10分撹拌した。この混合物にナトリウムメトキシド(3.2g)を添加した。25〜30℃で15〜30分撹拌した。反応混合物を還流温度に加熱し、1〜2時間撹拌した。処理中、微量の水及びメタノールは、Dean−Stark装置を使用することによって、共沸させて除去された。70〜75℃に冷却した。乾燥トルエンに溶解させた(S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(10g)を加えた。再度、還流温度に加熱し、間隔をおいて新たに乾燥させた溶解を添加して、エタノールを除去するために溶媒留去しながら8〜9時間撹拌した。室温に冷却した。実施例1に記載されるように適切な精査後、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)(5g、40%収率)を得た。%化学純度−92.75%、HPLCによる%キラル純度−96.4%。
【0169】
実施例11
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)の調製
乾燥トルエン(80mL)及び乾燥DMF(12.5mL)中の(R)−3−キヌクリジノール(10g)の冷却溶液に、NaH(1.7g)をN2雰囲気下で添加した。5〜30℃で30分間撹拌した。(S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(10g)を乾燥トルエンに溶解し、反応混合物を還流温度に加熱し、間隔をおいて新たな乾燥溶媒を添加して、エタノールを除去するために溶媒を留去しながら9〜10時間撹拌した。混合物を室温に冷却した。実施例1に記載されるように適切な精査後、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)(8.2g、65%収率)を得た。%化学純度−97.59%、HPLCによる%キラル純度−97%。
【0170】
実施例12
(1S,3’R)、(1R,3’R)及び(1S,3’S)、(1R,3’S)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートの調製
20mLトルエン中の(3R/S)−キヌクリジノール(0.5g)の溶液を還流温度に加熱し、1〜3時間撹拌した。その最中、微量の水及びメタノールは、Dean−Stark装置を使用することによって、共沸させて除去された。40〜50℃に冷却し、乾燥DMF中の55%NaH(0.2g)を添加した。反応混合物を100℃で撹拌した。1〜2時間後、50℃に冷却し、乾燥トルエンに溶解させた(1R/S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(1g)を添加した。再度、還流温度に加熱し、間隔をおいて新たな乾燥溶解を添加して、エタノールを除去するために溶媒を留去しながら5〜25時間撹拌した。室温に冷却した。反応混合物にブラインを添加した。10〜15分撹拌し、分液漏斗に移した。酢酸エチルで抽出した。有機層を回収した。生成物を20%HCl水溶液で抽出した。水層を回収し、15〜20℃で1MのNaOH水溶液で塩基性にした。生成物を酢酸エチルで抽出した。全ての抽出物を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧で留去した。キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(0.6g、50%収率)のジアステレオマー混合物を得た。
%化学純度−92.32%。
【0171】
実施例13
(1R,3’R)及び(1R,3’S)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートの調製
20mL中の(3R/S)−キヌクリジノール(2.3g)の溶液を還流温度に加熱し、1〜3時間撹拌した。処理中、微量の水は、Dean−Stark装置を使用することによって、共沸させた除去した。40〜50℃に冷却し、乾燥DMF中の55%NaH(0.2g)を添加した。反応混合物を100℃で撹拌した。1時間後、50℃に冷却し、乾燥トルエンに溶解させた(1R/S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(1.54g)を添加した。再度、還流温度に加熱し、間隔をおいて新たな乾燥溶解を添加して、エタノールを除去するために溶媒を留去しながら5〜25時間撹拌した。室温に冷却した。実施例12に記載されるように適切な精査後、キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(1.1g、55%収率)のジアステレオマー混合物を得た。%化学純度−95.39%。
【0172】
実施例14
(−)−(1R,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートの調製
新たに調製されたナトリウムメトキシド(0.56g)の冷却溶液に、(R)−3−キヌクリジノール.HCl(3.1g)をN2雰囲気下で添加した。5〜30℃で30分撹拌した。溶解を減圧で留去した。半固体塊に乾燥トルエン(30mL)を添加した。反応混合物を還流温度に加熱し、1〜3時間撹拌した。処理中、微量の水は、Dean−Stark装置を使用することによって、共沸させて除去された。60〜70℃に冷却した。乾燥トルエン及び乾燥DMFに溶解させた(1R)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(2g)を添加した。再度、還流温度に加熱し、間隔をおいて新たな乾燥溶媒を添加して、エタノールを除去するために溶媒を留去しながら5〜25時間撹拌した。室温に冷却した。実施例12に記載されるように適切な精査後、(−)−(1R,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(2.5g、62%収率)を得た。%化学純度−93.43%、HPLCによる%キラル純度−97%。
【0173】
実施例15
(S)−1フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンから(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)の調製
3口丸底フラスコに、トルエン(80mL)、(S)1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(16.2g)及び水に溶解させた炭酸カリウムを添加した。反応混合物を0〜5℃に冷却して、撹拌した。この溶液に、クロロギ酸エチル(7.8mL)を15分かけて、5〜10℃で滴下しながら添加した。添加の完了後、混合物を25〜30℃に温め、3〜4時間撹拌し、その後、水で希釈し、分液漏斗に移した。有機層を回収し、水及びブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。(S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートを含むこの溶液を次の反応に使用した。
【0174】
乾燥させて3口丸底フラスコに、(R)−3−キヌクリジノール(10.0g)、トルエン(160mL)及びDMF(25.0mL)をN2雰囲気下で添加した。5〜10分撹拌した。この混合物にナトリウムメトキシド(4.3g)を添加した。25〜30℃で15〜30分撹拌した。反応混合物を還流温度に加熱し、1〜2時間撹拌した。処理中、微量の水及びメタノールは、Dean−Stark装置を使用することによって、共沸させて除去された。50〜60℃に冷却した。乾燥トルエン中の(S)−エチル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートの溶液を添加した(上記で調製された)。再度、還流温度に加熱し、間隔をおいて新たな乾燥溶解を添加して、エタノールを除去するために溶媒を留去しながら9〜10時間撹拌した。室温に冷却した。実施例1に記載されるように適切な精査後、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン)(19.5g、2工程で69.5%収率)を得た。%キメラ純度−97.2%、HPLCによる%キメラ純度−96.8%。
【0175】
実施例16
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン塩基)の結晶化
乾燥させた25mLの丸底フラスコに、アセトニトリル(1.5mL)、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(3.0g、%純度−96.9、及び%キラル純度−98.8%)を入れた。加温した。透明な溶液に、ジイソプロピルエーテル(6.0mL)を添加し、0〜5℃で24時間撹拌した。固体を沈殿させ、ろ過し、冷却ジイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥させて、固体塩基を得た(重量−0.350g、%純度−99.0%及び%キラル純度−99.8%)。融点:89±2℃。
【0176】
実施例17
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン塩基)の結晶化
乾燥させた25mLの丸底フラスコに、アセトニトリル(1.5mL)、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(3.0g、%純度−93.6%及び%キラル純度−97.4%)を入れた。加温した。透明な溶液に、ジイソプロピルエーテル(6.0mL))を添加し、0〜5℃で24時間撹拌したが、固体は沈殿しなかった。さらに−40〜−30℃に冷却した。固体が沈殿した。−30℃でろ過し、冷却(−40〜−30℃)ジイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥させて、固体塩基を得た(重量−0.850g、%純度−98.5%及び%キラル純度−99.5%)。融点:89±2℃。
【0177】
実施例18
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン塩基)の結晶化
乾燥させた50mLの丸底フラスコに、DIPE(25.0mL))及び(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(5.0g、%純度−95.9%及び%キラル純度−97.9%)を入れた。加温して材料を溶解させた。hyfloベッドを介して加熱しながらろ過し、透明な溶液を得た。透明なローリング液を1口フラスコに入れ、最大約20mL体積に濃縮した。その後、撹拌しながら0〜5℃に冷却した。1時間後、固体が沈殿した。厚いスラリーに、別のバッチのDIPE(5mL)を添加し、30〜60分間、0〜5℃で撹拌した。ろ過し、冷ジイソプロピルエーテル(10mL)で洗浄し、乾燥させて、固体塩基を得た(重量−2.8g、%純度−98.56%及び%キラル純度−99.9%)。融点:89±2℃。
【0178】
ソリフェナシン塩基の結晶形態は、約7.52、13.0、14.68、15.15、16.02、18.16、19.6、20.36、20.76、22.68、24.45、26.62、26.92°±2°2θのPXRDピークによって特徴付けられた。
【0179】
実施例19
(−)ジ−p−トルオイルL−酒石酸を用いた(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン塩基)の調製
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(5.0g、%キラル純度−98.1)のエタノール溶解に、(−)ジ−p−トルオイルL−酒石酸(5.53g)を添加した。加温し、60〜120分間撹拌した。減圧で溶媒を留去した。半固体塊に、乾燥トルエンを添加し、留去した。固体塩を得た(重量−10.3g)。
【0180】
塩(2.0g)を酢酸イソプロピルとともに撹拌し、30〜60分間加熱した。室温に冷却した。ろ過し、酢酸イソプロピルで洗浄し、乾燥させて、固体塩を得た。(重量−1.46g、%純度−97%及び%キラル純度−99.7%)。融点:145−147℃。
【0181】
実施例20
(−)ジ−p−トルオイルL−酒石酸を用いた(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン塩基)の塩の調製
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(5.0g、%キラル純度−98.1)のエタノール溶解に、(−)ジ−p−トルオイルL−酒石酸(5.33g)を添加した。加温し、60〜120分間撹拌した。減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加し、留去した。固体塩を得た(重量−10.3g)。
【0182】
塩(1.0g)をアセトニトリルに70〜82℃で溶解した。0〜5℃に冷却し、固体が沈殿するまで撹拌した。懸濁液に、アセトニトリルを添加し、25〜30℃で撹拌した。ろ過し、冷アセトニトリルで洗浄し、乾燥させて、固体塩を得た(重量−0.2g、%純度−97%及び%キラル純度−99.6%)。
【0183】
実施例21
(−)ジ−p−トルオイルL−酒石酸塩を介した(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン塩基)の調製
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(5.0g、%キラル純度−99.5)のエタノール溶解に、(−)ジ−p−トルオイルL−酒石酸(5.33g)を添加した。加温し、60〜120分撹拌した。減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加し、留去した。固体塩を得た(重量−10.3g)。
【0184】
塩(7.2g)をアセトニトリルとともに、25〜30℃で30〜60分間撹拌した。ろ過し、冷アセトニトリルで洗浄し、乾燥させて、固体塩を得た(重量−5.0g)。
【0185】
ジ−p−p−トルオイルL−酒石酸塩(5.0g)を酢酸エチルに添加し、0〜5℃に冷却した。混合物に、水に溶解させた重炭酸ナトリウム(0.6g)を0〜5℃で添加した。30〜60分間、25〜30℃で撹拌した。有機層を分別した。さらに、水層を酢酸エチルで抽出した。これらの抽出物を合わせ、水及びブライン溶液で洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。減圧で濃縮し、ソリフェナシン塩基を得た(重量−2.4g、%純度−97%及び%キラル純度−100%)。
【0186】
実施例22
(−)ジ−p−トルオイルL−酒石酸塩を介した(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(ソリフェナシン塩基)の調製
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(5.0g、%キラル純度−96.0%)のエタノール溶解に、(−)ジ−p−トルオイルL−酒石酸(5.33g)添加した。加温し、60〜120分間撹拌した。減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加し、留去した。固体塩を得た(重量−10.3g)。
【0187】
塩(5.0g)をアセトニトリルとともに25〜30℃で30〜60分撹拌した。ろ過し、冷アセトニトリルで洗浄し、乾燥させて、固体塩を得た(重量−4.0g)。
【0188】
ソリフェナシンのジ−パラトルオイル−L−酒石酸は、約5.67、11.49、12.82、13.49、13.97、15.01、15.68、16.00、17.80、18.28、19.10、20.38、22.36、23.08、23.94、24.50、24.94°±2°2θ(図10)でのピークを有するPXRDパターンによって特徴付けられる。
【0189】
ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩(3.75g)を酢酸エチルに添加し、0〜5℃に冷却した。混合物に、水に溶解させた重炭酸ナトリウム(0.8g)を0〜5℃で添加した。30〜60分間、25〜30℃で撹拌した。有機層を分別した。再度、水に溶解させた重炭酸ナトリウム(0.8g)の溶解とともに30〜60分間、25〜30℃で撹拌した。有機層を分別した。水及びブライン溶液で洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。減圧で濃縮し、ソリフェナシン塩基を得た(重量−1.75g、%純度−98.95%及び%キラル純度−100%)。
【0190】
実施例23
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートゲンチシン酸塩の調製
乾燥させた25mLの丸底フラスコに、エタノール(45ml)、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(5.0g、%キラル純度−97.5%)を入れた。透明な溶液にゲンチシン酸(2.13g)を添加した。加温し、60〜120分間撹拌した。溶媒を減圧で溶媒を留去し、半固体塊を得た。トルエンを添加し、留去した。上記工程は、固体塩が得られるまで繰り返された(重量−6.8g)。
【0191】
塩(6.8g)を還流温度で酢酸エチルに溶解させた。25〜30℃に冷却した。2〜3時間撹拌した。固体塩が沈殿した。ろ過し、冷酢酸エチルで洗浄し、乾燥させて、固体塩を得た(重量−5.5g、%キラル純度−100%)。融点:172−174℃、SOR(MeOH中1%、25℃):65.7°。
【0192】
実施例24
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートゲンチシン酸塩の調製
乾燥させた25mLの丸底フラスコに、エタノール(160mL)、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(17.5g、%キラル純度−97.5%)を入れた。透明な溶液にゲンチシン酸(7.45g)を添加した。加温し、60〜120分間撹拌した。溶媒を減圧で溶媒を留去し、半固体塊を得た。トルエンを添加し、留去した。上記工程は、固体塩が得られるまで繰り返された(重量−24.7g)。
【0193】
塩(24.7g)を還流温度で酢酸エチルに溶解させた。25〜30℃に冷却した。2〜3時間撹拌した。固体塩が沈殿した。ろ過し、冷酢酸エチルで洗浄し、乾燥させて、固体塩を得た(重量−19.5g、%キラル純度−100%)。融点:170−172℃、SOR(MeOH中1%、25℃):68.4°。
【0194】
ソリフェナシンゲンチシン酸塩の結晶形態はPXRDによって特徴付けられた。試料は、粉末X線解析によって結晶について調べられ、結晶性の程度が87.4%であることが分かった。試料を試験して、残留溶媒のレベルを調べた。エタノールは、0.33重量%であり、ジメチルホルムアミドは0.040重量%であることが分かった。
【0195】
実施例25
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートゲンチシン酸塩の調製
乾燥させた500mLの丸底フラスコに、エタノール(154ml)、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(15.4g、%キラル純度−99.8%)を入れた。透明な溶液にゲンチシン酸(6.5g)を添加した。加温し、60〜120分間撹拌した。溶媒を減圧で留去し、半固体塊を得た。トルエンを添加し、留去した。容器工程は、固体塩が得られるまで繰り返された(重量−21.0g)。
【0196】
塩(21.0g)を還流温度で酢酸エチルに溶解させた。0〜5℃に冷却した。1〜2時間撹拌した。固体塩が沈殿した。ろ過し、冷酢酸エチルで洗浄し、乾燥させて、固体塩を得た(重量−17.0g、%キラル純度−100%)。融点:171−174℃、SOR(MeOH中1%、25℃):71.0°。
【0197】
ソリフェナシンゲンチシン酸塩の結晶形態は、約5.56、7.06、7.70、10.15、14.63、15.54、17.63、19.4、19.7、20.08、20.68、21.58、25.48°±0.2°のピークを有するPXRDによって特徴付けられた(図7)。試料は、粉末X線回折によって結晶性について調べられ、結晶程度が98.3%であることが分かった。
【0198】
実施例26
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートゲンチシン酸塩の調製
乾燥させた25mLの丸底フラスコに、エタノール(30mL)、ジアステレオマー混合物の(1S,3’R)及び(1R,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(3.0g)を入れた。透明な溶解に、ゲンチシン酸(1.18g)を添加した。加温し、60〜90分間撹拌した。減圧で溶媒を留去し、半固体塊を得た。トルエンを添加し、留去した。ゲンチシン酸塩を還流温度で酢酸エチルに溶解させた。0〜5°に冷却し、60〜90分間撹拌した。シーディング(seeding)を添加した。0〜5℃で一晩保持した。この溶液にジイソプロピルエーテルを添加した。半固体塊を分別し、10日間、0〜5℃で保持した。溶媒をデカウントし、半固体塊を酢酸エチルとともに2〜3時間、0〜5℃で撹拌した。固体を分別した。ろ過し、冷酢酸エチルで洗浄した。固体のゲンチシン酸塩を得た(重量−0.800g、%収率−19%、HPLCによる%純度−99.6%、%キラル純度−100%)。融点:164−165℃、SOR(MeOH中1%、25℃):68.4°。
【0199】
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートゲンチシン酸塩の結晶化
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートのゲンチシン酸塩は以下の溶媒中で結晶化した。結果を以下に示す表5に概要する。
【0200】
【表7】

【0201】
実施例33
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートシュウ酸塩の調製
乾燥させた25mLの丸底フラスコに、エタノール(5mL)、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(1.0g、%キラル純度−97.5%)を入れた。透明な溶液に、シュウ酸塩・二水和物(0.348g)を添加した。加温し、60〜120分間撹拌した。減圧で溶媒を留去した。半固体塊にトルエンを添加し、エタノール−酢酸エチルの混合物から結晶化する固体塩が得られた場合、留去して、%キラル純度−99.0%(重量−1.20g、%)である塩を得た。融点169−171℃。
【0202】
実施例34
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートシュウ酸塩の新規な多形の調製
乾燥させた1Lの丸底フラスコに、エタノール(190mL)、及び(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(19.0g、%キラル純度−97.5)を入れた。透明な溶液に、シュウ酸塩・二水和物(6.28g)を添加した。70℃に加熱し、60分間撹拌した。減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加し、その後、留去した。再度、乾燥トルエンを添加し、留去して、固体塩を得た(重量−25.0g)。
【0203】
塩(25g)を酢酸エチルとエタノールの混合物に70〜75℃で溶解させた。25〜30℃にゆっくり冷却した。さらに0〜2℃に冷却し、30〜60分間撹拌した。0〜2℃でろ過し、冷酢酸エチルで洗浄した。白色の結晶生成物を得た(重量−18.8g、%キラル純度>99.0%)。融点169−171℃。SOR(水中1%、25℃):42.35°。
【0204】
ソリフェナシンのシュウ酸塩(16g)をさらに酢酸エチルとともに15分間、還流温度で撹拌した。0〜2°に冷却した。0〜2℃でろ過し、冷酢酸エチルで洗浄した。乾燥させた。白色の結晶生成物を得た(重量−15.0g、%キラル純度>99.0%)。
【0205】
ソリフェナシンシュウ酸塩の結晶形態は、約9.78、12.23、12.68、13.42、15.44、18.18、19.56、20.58、21.45及び25.24°±0.2°(2θ)のPXRDピークによって特徴付けられる(図4)。試料は、粉末X線解析によって結晶性について試験され、結晶性の程度が87.7%であることが分かった。融点:171−174℃;SOR(水中1%、25℃):43.2°。
【0206】
実施例35
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートシュウ酸塩の調製
乾燥させた50mLの丸底フラスコに、エタノール(15mL)、及び(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(1.4g、%キラル純度−100%)を入れた。透明な溶液に、シュウ酸塩・二水和物(0.5g)を添加した。70℃に加熱し、60分間撹拌した。減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加し、その後、留去した。再度、乾燥トルエンを添加し、留去して、固体塩(重量−1.85g)を得た。
【0207】
塩 (1.85g)をアセトニトリルとジイソプロピルエーテルの混合物中で還流温度で15分間撹拌した。25〜30℃に徐々に冷却した。さらに0〜2℃に冷却し、30〜60分間撹拌した。0〜2℃でろ過し、冷ジイソプロピルエーテルで洗浄した。乾燥室で60℃で乾燥させた。白色の結晶生成物を得た(重量−1.5g、%キラル純度−100.0%)。融点:173−174℃。
【0208】
実施例36
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートシュウ酸塩の調製
乾燥させた25mLの丸底フラスコに、エタノール(20mL)、及び(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(2.0g、%キラル純度−98.8)を入れた。透明な溶液にシュウ酸塩・二水和物(0.51g)を添加した。70℃に加熱し、60分間撹拌した。減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加し、その後、留去した。再度、乾燥トルエンを添加し、留去して、固体エラスターゼ(重量−2.5g)を得た。
【0209】
塩(2.5g)をIPAとジイソプロピルエーテルの混合物中で還流温度で15〜45分間撹拌した。25〜30℃に徐々に冷却し、1〜2時間撹拌した。ろ過し、冷ジイソプロピルエーテルで洗浄した。乾燥室で60℃で乾燥させた。白色の結晶生成物を得た(重量−2.0g、%キラル純度−99.9%)。融点:164−170℃。
【0210】
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートシュウ酸塩の結晶化
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートのシュウ酸塩を以下の溶媒中で結晶化した。結果を以下に示される表に概要される。
【0211】
【表8】

【0212】
実施例44
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート塩酸塩の調製
乾燥させた1.0Lの丸底フラスコに、エタノール(175mL)、及び(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートの(20.5g、%キラル純度−95.8%)を入れた。5〜10℃に冷却した。透明な溶液に24%IPA−HCl(8.7mL)を5〜10℃で添加した。25〜30℃に加温し、1時間撹拌した。減圧で溶媒を留去した。半固体塊にトルエンを添加し、留去した。固体塩を得た(重量−22.4%)。
【0213】
塩(22.4g)をエタノールと酢酸エチルの混合物に70〜75℃で溶解させ、30分間撹拌した。0〜2℃にゆっくり冷却し、90〜120分間撹拌した。混合物を0〜2℃でろ過し、冷酢酸エチルで洗浄した。乾燥室で65℃で乾燥させた。白色の結晶生成物を得た(重量−13.0g、%キラル純度−100.0%)。融点:262〜266℃。SOR(エタノール中1%、25℃):99.39°。
【0214】
ソリフェナシン塩酸塩の結晶化は、約9.61、13.18、14.02、14.39、15.58、15.89、17.0、18.94、19.18、19.78、20.98、21.61及び26.12°±0.2°(2θ)(図1)のPXRDピークによって特徴付けられる。
【0215】
試料を粉末X線解析によって結晶性について試験し、結晶性の程度が96.2%であることが分かった。
【0216】
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート塩酸塩の結晶化
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート塩酸塩は、以下の溶媒中で結晶化した。結果は、以下に示される表に概要される。
【0217】
【表9】

【0218】
実施例48
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートコハク酸塩の調製
ソリフェナシン塩酸塩(5g)を酢酸エチル(50mL)に添加し、0〜5℃に冷却した。混合物に、水(20mL)に溶解させた重炭酸ナトリウム(2g)を0〜5℃で添加した。30〜60分間、25〜30℃で撹拌した。有機層を分別した。水及びブライン溶で洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。減圧で濃縮し、ソリフェナシン塩基(重量−4.5g、%純度−99.2%、%キラル純度−100%)。
【0219】
ソリフェナシン塩基(4.3g)をエタノール(43mL)に溶解した。この溶液にコハク酸(1.4g)を添加した。70〜75℃に加熱し、30〜60分間撹拌した。25〜30℃に冷却した。Buchiロタベーパー上、減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加し、その後、留去した。再度、乾燥トルエンを添加し、留去して、固体塩を得た。
【0220】
塩を得た(9mL)及び酢酸エチル(45mL)の混合物中で30〜60分、75〜80℃で撹拌した。25〜30℃に徐々に冷却し、1〜2時間撹拌した。ろ過し、冷酢酸エチルで洗浄した。乾燥室で60℃で乾燥させた。白色の結晶生成物を得た(重量−3.3g、%化学純度−99.66%、キラル純度−100%)。融点:149−152℃、SOR(エタノール中1%、25℃):87.2°。
【0221】
ソリフェナシンシュウ酸塩からのソリフェナシンコハク酸塩の調製:
同様に、ソリフェナシンシュウ酸塩(5g)を上述されるのと類似した手法に従ってソリフェナシンコハク酸塩に変換した。
【0222】
ソリフェナシンシュウ酸塩から得られたソリフェナシン塩基は%純度−99.01%、%キラル純度−99.8%であった。
【0223】
得られたソリフェナシンコハク酸塩は以下の特徴を有していた:重量−3.2g、%化学純度−99.3%、キラル純度−100%;融点:147−149℃、SOR(エタノール中1%、25℃):91.6°。
【0224】
同様に、ソリフェナシンの他の塩は、高い化学純度及びキラル純度のソリフェナシン塩基に変換され、次に、上述したのと同じ方法によってソリフェナシンコハク酸塩に変換された。
【0225】
実施例49
(R)−3−キヌクリジノールのナトリウム塩の調製
新たに調製されたナトリウムメトキシド(2.1g)の冷却溶液に、(R)−3−キヌクリジノール(5g)をN2雰囲気下で添加した。5〜30℃で30〜60分間撹拌した。減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加し、その後、留去した。再度、乾燥トルエンを添加し、留去して、固体塩を得た。固体塩をジイソプロピルエーテルとともに25〜30℃で20〜30分間撹拌した。ろ過し、ジイソプロピルエーテルで洗浄した。白色の固体粉末を得た(重量−5.6g)。
【0226】
実施例50
(S)−エチル1フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートの調製
乾燥させた25mLの丸底フラスコに(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(1g)及びアセトン(6mL)を室温(RT)で入れた。5〜10℃に冷却し、クロロギ酸エチル(0.52g)を反応混合物にゆっくり添加した。還流温度に加熱し、反応が完了するまで撹拌した。減圧で溶媒を留去した。残留物に希釈HCl水溶液及びジクロロメタンを添加した。分液漏斗に移した。有機層を回収した。飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。減圧で濃縮し、エチル(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(1.2g、%収率−89.0%)、HPLCによる%純度−97.7%及び%キラル純度−99.1%)。
【0227】
実施例51
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートゲンチシン酸塩の調製
乾燥させた25mLの丸底フラスコにエタノール(45mL)、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート(5.0g、%キラル純度≧97.5%)を入れた。透明な溶液にゲンチシン酸(2.13g)を添加した。加温し、60〜120分間撹拌した。減圧で溶媒を留去し、半固体塊を得た。
【0228】
トルエンを添加し、留去した。上記の工程は、固体塩が得られるまで繰り返された(重量−6.8g)。
【0229】
同様に、以下の酸を用いてソリフェナシン酸塩を調製した。ソリフェナシンの塩のいくつかは液体として得られ、塩のいくつかは固体として得られた。結果は、以下の表に概要される:
【0230】
【表10】

【0231】
実施例52
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートシュウ酸塩の調製
乾燥させた25mLの1口丸底フラスコにジクロロメタン(5mL)、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートシュウ酸塩(0.5g)を入れた。5〜10分間撹拌し、透明な溶液を得た。減圧、30℃以下で溶媒を留去した。固体のシュウ酸塩を得た(重量−0.49g、HPLCによる%純度−99.3%、%キラル純度−99.8%)。融点:200−225℃。XRDは、化合物が自然に非晶質であることを示す(図15)。
【0232】
実施例53
非晶質(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートゲンチシン酸塩の調製
乾燥させた25mLの1口丸底フラスコにアセトン(5mL)、実施例24で得られた(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートゲンチシン酸塩(0.5g)を入れた。5〜10分間撹拌し、透明な溶液を得た。減圧、30℃以下で溶媒を留去した。固体のゲンチシン酸塩を得た(重量−0.48g、HPLCによる%純度−99.8%、%キラル純度−100%)。XRDは、化合物が自然に非晶質であることを示す(図16)。
【0233】
実施例54
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートゲンチシン酸塩の調製
ソリフェナシンジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩(18g、%純度−99.4、%キラル純度−99.3%)を水(200mL)に添加し、0〜10℃に冷却した。混合物に、水に溶解させた重炭酸ナトリウム(20g)を5〜15℃で30〜60分かけて滴下して添加した。1.5〜2時間撹拌した。トルエンで抽出した。全ての抽出物を併せて、水で洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。減圧で濃縮し、ソリフェナシン塩基を得た(重量−6.2g、%純度−99.2、%キラル純度−99.3%)。
【0234】
ソリフェナシン塩基(1.0g)をエタノール(10mL)に溶解させた。この溶液にゲンチシン酸(0.425g)を添加した。加温し、30〜60分間撹拌した。Buchiロタベーパー上で減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加し、その後、留去した。再度、乾燥トルエンを添加し、留去して、固体塩を得た。
【0235】
塩を酢酸エチルに還流温度で溶解した。25〜30℃に冷却した。2〜3時間撹拌した。固体塩が沈殿した。ろ過し、冷酢酸エチルで洗浄し、乾燥させて、固体塩を得た(重量−0.950g、%純度−99.9%、%キラル純度−100%)。融点:169−172℃。
【0236】
実施例55
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−イソキノリン−2−カルボキシレートベシル酸塩の調製
ソリフェナシンジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩(18g、%純度−99.4、%キラル純度−99.3%)を水に添加し、0〜10℃に冷却した。混合物に、水に溶解させた重炭酸ナトリウム(20g)を5〜15℃で30〜60分かけて滴下して添加した。1.5〜2時間撹拌した。トルエンで抽出した。全ての抽出物を併せて、水で洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。減圧で濃縮し、ソリフェナシン塩基を得た(重量−6.2g、%純度−99.2、%キラル純度−99.3%)。
【0237】
ソリフェナシン塩基(1.0g)をエタノールに溶解させた。この溶液にベシル酸(0.436g)を添加した。加温し、30〜60分間撹拌した。Buchiロタベーパー上で減圧で溶媒を留去した。半固体塊に乾燥トルエンを添加し、その後、留去した。再度、乾燥トルエンを添加し、留去して、固体塩を得た。
【0238】
塩をIPA(1.5mL)に還流温度で溶解した。25〜30℃に冷却した。30〜60分撹拌した。固体塩が沈殿した。ろ過し、冷IPAで洗浄し、乾燥させて、固体塩を得た(重量−0.850g、%純度−99.7%、%キラル純度−100%)。融点:189−191℃。
【0239】
実施例56
非晶質(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート塩酸塩の調製
乾燥させた25mLの1口丸底フラスコにメタノール(4mL)、(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート塩酸塩(0.4g)を入れた。5〜10分間撹拌し、透明な溶液を得た。減圧、30℃以下で溶媒を留去した。固体の塩酸塩を得た(重量−0.4g、HPLCによる%純度−99.1%、%キラル純度−100%)。XRD(図17)は、化合物が自然に非晶質であることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(3R)−キヌクリジノールのアルカリ金属塩がアルキル(S)−1−フェニル−1,2−3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートと反応して、ソリフェナシンの塩基を含む組成物を得て、(b)ソリフェナシンの塩基を含む組成物が、適切な酸との反応によって塩に変換され、それにより塩の組成物を得る、プロセスによって得られるソリフェナシンの塩から本質的になる組成物であって、ここで、組成物が組成物の重量を基準にして少なくとも98%の純度を有する組成物。
【請求項2】
前記プロセスが、ソリフェナシン塩基の組成物とキラル酸を反応させ、ソリフェナシンのジアステレオマーの塩を得る工程をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ソリフェナシンのジアステレオマーの塩が、さらに塩基性化され、ソリフェナシン塩基を得て、ここで、ソリフェナシン塩基が適切な酸と反応して、対応するキラルに純粋なソリフェナシン塩を得る、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ソリフェナシンの塩の組成物が、結晶化及び/又は再結晶化によってさらに精製される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ソリフェナシンの塩が、塩酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、ゲンチシン酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルタル酸塩、ニコチン酸塩、リンゴ酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、及びアスコルビン酸塩から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
ゲンチシン酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルタル酸塩、ニコチン酸塩、リンゴ酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、及びアスコルビン酸塩から選択されるソリフェナシンの塩。
【請求項7】
約5.56、7.06、7.70、10.15、14.63、15.54、17.63、19.4、19.7、20.08、20.68、21.58、25.48°±0.2°(2θ)のピークを有するPXRDパターンによって特徴付けられる、請求項6に記載のソリフェナシンのゲンチシン酸塩。
【請求項8】
図7に示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、請求項6に記載のソリフェナシンのゲンチシン酸塩。
【請求項9】
図16に示されるX線回折パターンによって特徴付けられる、非晶質である請求項6に記載のソリフェナシンのゲンチシン酸塩。
【請求項10】
約5.14、7.69、10.27、12.58、14.76、16.05、16.66、17.08、17.46、18.92、20.46、20.93、21.74、22.02、23.22、24.13、24.39、27.28、28.18°±0.2°(2θ)のピークを有するPXRDパターンによって特徴付けられる、請求項6に記載のソリフェナシンのベシル酸塩。
【請求項11】
図11に示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、請求項6に記載のソリフェナシンのベシル酸塩。
【請求項12】
約3.99、11.22、12.07、13.96、14.96、16.15、16.42、17.51、17.96、18.43、19.2、19.58、20.2、21.31、22.53、23.83、24.94、25.29、26.10、26.46、26.82、28.43、29°±0.2°(2θ)のピークを有するPXRDパターンによって特徴付けられる、請求項6に記載のソリフェナシンのリン酸塩。
【請求項13】
図12に示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、請求項6に記載のソリフェナシンのリン酸塩。
【請求項14】
約8.2、9.4、11.98、13.68、14.3、15.27、15.69、16.49、16.77,18.93、19.29、19.62、19.91、21.04、21.58、22.46、23.14、24.64、25.44、25.78、27.94、28.98、29.43、30.88、31.24、32.38、33.48、34.16、34.43°±0.2°(2θ)のピークを有するPXRDパターンによって特徴付けられる、請求項6に記載のソリフェナシンの臭素水素酸塩。
【請求項15】
図13に示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、請求項6に記載のソリフェナシンの臭素水素酸塩。
【請求項16】
約5.22、9.33、10.28、11.84、14.16、14.84、15.42、15.78、17.18、17.65、18.16、19.06、19.96、21.12、21.63、21.92、23.55、23.80、26.02、28.4、30.35°±0.2°(2θ)のピークを有するPXRDパターンによって特徴付けられる、請求項6に記載のソリフェナシンの1,5−ナフタレンジスルホン酸塩。
【請求項17】
図14に示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、請求項6に記載のソリフェナシンの1,5−ナフタレンジスルホン酸塩。
【請求項18】
(+)−(1S,3’R)−キヌクリジン−3’−イル1フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−カルボキシレートのジ−パラトルオイル−L−酒石酸塩。
【請求項19】
約5.67、11.49、12.82、13.49、13.97、15.01、15.68、16.00、17.80、18.28、19.10、20.38、22.36、23.08、23.94、24.50、24.94°±0.2°(2θ)のピークを有するPXRDパターンによって特徴付けられる、請求項18に記載のソリフェナシンのジ−パラトルオイル−L−酒石酸塩。
【請求項20】
約9.61、13.18、14.02、14.39、15.58、15.89、17.0、18.94、19.18、19.78、20.98、21.61及び26.12°±0.2°(2θ)のピークを有するPXRDパターンによって特徴付けられる、ソリフェナシンの結晶多形。
【請求項21】
図1に示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、請求項20に記載のソリフェナシンの塩酸塩。
【請求項22】
図2に示されるPXRDパターンによって特徴付けられる、請求項20に記載のソリフェナシンの塩酸塩。
【請求項23】
非晶質なソリフェナシン塩酸塩。
【請求項24】
図17に実質的に記載されるX線回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項23に記載の非晶質なソリフェナシン塩酸塩。
【請求項25】
約9.78、12.23、12.68、13.42、15.44、18.18、19.56、20.58、21.45及び25.24°±0.2°(2θ)のピークを有するPXRDパターンによって特徴付けられる、ソリフェナシンのシュウ酸塩の結晶多形。
【請求項26】
図4に実質的に記載されるPXRDパターンによって特徴付けられる、請求項25に記載のソリフェナシンのシュウ酸塩。
【請求項27】
図5に示されるDSCによって特徴付けられる、請求汪26に記載のソリフェナシンのシュウ酸塩。
【請求項28】
非晶質なソリフェナシンのシュウ酸塩。
【請求項29】
図15に実質的に記載されるX線回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項28に記載の非晶質なソリフェナシンのシュウ酸塩。
【請求項30】
医薬として許容されるソリフェナシンの塩、並びに液体又は固体担体、及び適切な賦形剤を含む医薬組成物であって、前記ソリフェナシンの医薬として許容される塩が請求項1〜29のいずれか1項の生成物である医薬組成物。
【請求項31】
前記生成物が、ソリフェナシンの塩酸塩、ソリフェナシンのシュウ酸塩、ソリフェナシンのリン酸塩、ソリフェナシンのベシル酸塩、ソリフェナシンのゲンチシン酸塩、及びソリフェナシンの臭化水素酸塩から選択される、請求項30に記載の医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2011−505416(P2011−505416A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536587(P2010−536587)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【国際出願番号】PCT/IN2008/000797
【国際公開番号】WO2009/087664
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(304023824)カディラ ヘルスケア リミティド (12)
【Fターム(参考)】