説明

化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置及び診断方法

【課題】化学蒸着工程のうち、容器内に残存する前駆体の水位を正確でリアルタイムで安全に測定できる手段を提供する。
【解決手段】本発明は化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量診断装置及び診断方法に関し、より詳細には化学蒸着工程のうち、容器内に残存する前駆体の水位を超音波の送/受信を通じて発生する信号を分析して正確に測定できる化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置及び診断方法に関するものである。従って、本発明によれば、前駆体が保管されている容器に超音波を使用する水位診断機を設け、前駆体の水位をリアルタイムで測定して前駆体の枯渇による被害を事前に防止し、製品不良率を著しく減少させることができ、上記の測定結果に基づいて前駆体の正確な交替時期が分かるので、前駆体の使用期間を最大に延長できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置及び診断方法に関し、より詳細には化学蒸着工程のうち、容器内に残存する前駆体の水位を超音波の送/受信を通じて発生される信号を分析して正確に測定できる化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置及び診断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般のコーティング技術だけでなく、半導体工程における化学蒸着工程の重要性は益々増大している。特に、線幅が減少することによって既存の物理的な蒸着工程の限界で段差被覆性(step coverage)が優れた化学前駆体を使用する化学蒸着工程に対する関心が増大されている。また、化学蒸着工程と共に段差被覆性が更に優れた原子層蒸着(atomic layer deposition)工程も多く使用されている。
【0003】
一般的に化学蒸着工程は容器内の液体状態の化学前駆体を様々な方法で気化させ、気化された化学気体を反応炉内に注入、基板に蒸着できるようにする。
【0004】
特に、半導体ラインでは前記反応炉内で化学前駆体を用い、普通数十枚以上のウエハが連続に蒸着されるが、途中で化学前駆体が枯渇する場合、深刻な問題が発生する。最近では、半導体工程分野において前駆体として有機金属化合物を使用する有機金属化学蒸着(MOCVD)工程にもその研究開発が拡張されている。
【0005】
従って、蒸着工程以後に、ウエハに蒸着された化学前駆体の状態を確認するなどの事後診断方式を取っており、前駆体の残っている量を工程進行中にリアルタイムで診断できるような診断構造が提供されていないという問題点がある。
【0006】
このような問題点の改善のためにウエハの蒸着枚数を計算して前駆体が容器で消耗される以前に交替する方法が提示されているが、前駆体の特性上、使用時間当りの消耗量に対する正確なデータを得るのが困難なので、このような方法は実効性が落ちる。
【0007】
また、浮力センサーが一般的に使用されるが、前駆体内に挿入されたセンサーでは腐食や汚染のような問題が発生し、複雑な構造によるガス漏れ、及び毒性のあるCVD工程時に安全を保障できない問題も起こる。
【0008】
また、前駆体の交替時期を正確に診断して決定できるような適切な方法がなく、前駆体が相当量残っているにもかかわらず、これを交替するようになると、その経済的な損失は相当であるといえる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明は前記のような従来の問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の第1の目的は、前駆体が保管されている容器の下部に超音波を使用する水位診断機を設け、前駆体の水位をリアルタイムで測定して前駆体の枯渇による被害を事前に防止し、製品不良率を著しく減少させることができる化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置及び診断方法を提供することである。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、上記の測定結果に基づいて前駆体の正確な交替時期が分かるので、前駆体の使用期間を最大に延長できる化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置及び診断方法を提供することである。
【0011】
また、本発明の第3の目的は、前記水位診断機が前駆体保管容器の下部に設けられることによって、腐食や汚染、または複雑な構造によるガス漏れのおそれがなく、毒性のあるCVD工程時にも安全に使用できる化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置及び診断方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような本発明の目的は、運搬気体が収容されたボンベ;前記運搬気体が流れるように一端が前記ボンベに配管された第1のパイプ;液状の前駆体が収容され、前記運搬気体が前記前駆体をバブリングして気化するように前記第1のパイプの他端が前記前駆体に浸漬されて配管される容器;一端が前記前駆体の液面の上に配置されるように前記容器に配管されて前記前駆体及び運搬気体が移送される第2のパイプ;前記第2のパイプの他端が配管され、内包されたウエハに対して前記前駆体で化学蒸着工程が遂行される反応器;超音波を放出し、前記前駆体の液面から反射される前記超音波を受信するように前記容器の下部に設けられる水位診断機;前記水位診断機に連結され、アナログの前記超音波信号をデジタル信号に変換するA/D変換器;及び前記A/D変換器に連結され、前記送/受信されたデジタルデータを通じて前記前駆体の当該水位が相対的に低いかを判別する判別装置;を含んで構成されることを特徴とする化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置によって達成される。
【0013】
ここで、前記水位診断機は、前記前駆体の液面に向けてパルス状超音波を送信し、前記液面から反射された前記超音波を感知するように前記容器の下部に取り付けられる超音波センサー;及び前記感知された超音波を受信し、送/受信された各超音波に関するアナログ信号を検出するように前記超音波センサーに電気的に連結されるパルスレシーバー;を含んで構成されるのが望ましい。
【0014】
また、本発明の他の実施形態は、前記判別装置に連結され、前記基準水位より低い当該前駆体の水位比較結果が導出される場合、これを警告する出力手段を更に含むことを特徴とする。
【0015】
また、前記警告出力手段は警告音響が発生するアラーム発生機、または警告音響と共に警告表示がコンピューターのモニターを通じて画像で出力されるように設定された出力手段であるのが望ましい。
【0016】
また、前記容器は、制御装置を通じて、別に設けられた前駆体が収容されたタンクに連結され、前記制御装置は前記判別装置にも連結され、前記容器内の前駆体の量が一定に維持されるようにすることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の目的は、液状の前駆体をバブリングして気化するステップ(S1000);前記前駆体でウエハを化学蒸着するステップ(S2000);容器の下部に取り付けられた超音波センサーからパルス状の超音波を前駆体の液面に向けて放出するステップ(S3000);前記液面から反射された前記超音波を感知するステップ(S4000);前記超音波を受信して送/受信された各超音波に関するアナログ信号を検出するステップ(S5000);前記アナログ信号をデジタル信号に変換するステップ(S6000);前記送/受信された各超音波の発生時間差に関する前記デジタルデータを通じて前記前駆体の水位を演算し、前記前駆体に関して設定された基準水位データと比較処理するステップ(S7000);及び前記基準水位より低い当該前駆体の水位比較結果が導出されることによって警告音響を放出するステップ(S8000);を含むことを特徴とする化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断方法によって達成される。
【0018】
また、前記前駆体200aの水位が前記基準水位より高ければ、前記ウエハ300aに対する蒸着工程を続けて進行し、前記超音波センサー410は再び超音波を前記前駆体200aの液面に向けて放出し、上記のコンピューター600による判別までのステップを繰り返すことを特徴とする化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断方法によって達成される。
【0019】
また、前記基準水位より低い当該前駆体の水位比較結果が導出された時、容器内に前駆体を供給して一定水位を維持するように制御するステップ(S8000−1);を更に含むことを特徴とする化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断方法によって達成される。
【発明の効果】
【0020】
上述した化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置及び診断方法によれば、半導体製造工程のうち、ウエハの化学蒸着工程において超音波を用い、前駆体の水位をリアルタイムで測定して前駆体の枯渇による被害を事前に防止することにより、製品不良率を著しく減少させることができる効果がある。
【0021】
また、前記の測定結果に基づいて前駆体の正確な交替時期が分かるので、前駆体の使用期間を最大に延長できるという長所がある。
【0022】
また、前記の測定結果に基づいて容器内の前駆体の量を一定に維持することもできるので、前駆体の枯渇による被害を事前に防止することができる。
【0023】
本発明のその他の目的、特定の長所および新規の特徴は添付した図面と関連する以下の詳細な説明と、望ましい実施例とから更に明らかになるはずである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下では本発明による化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置及び方法に関して添付した図面と共に説明する。
【0025】
図1は本発明による容器内の前駆体残存量の診断装置の構成図である。図1に図示されたように、前記診断装置は、前駆体200aをウエハ300aに化学蒸着する工程において、前駆体200aがウエハ300aに蒸着されることによって減少する前駆体200aの水位を連続的に測定するように超音波センサー410を取り付けて前駆体200aの量を診断する構造である。そして、診断の結果、液状の前駆体200aの水位が設定された基準水位より低くなった場合、アラーム音響及び/または警告画面を出力するようにして蒸着工程の中断を誘導することができる。
【0026】
このために、診断装置は、運搬気体100aが収容されたボンベ100、一端が前記ボンベ100に配管された第1のパイプ110、液状の前駆体200aが収容され、第1のパイプ110の他端が前駆体200aに浸漬されて配管される容器200、一端が前駆体200aの液面の上に配置されるように容器200に配管される第2のパイプ210、及び第2のパイプ210の他端が配管され、ウエハ300aが内包された反応器300から構成される化学蒸着のための装置に、容器200の下部に設けられて超音波を送/受信する水位診断機400、受信された超音波信号をデジタル信号に変換するA/D変換器500、前記デジタル信号を通じて前駆体200aの水位を演算し、基準水位との相対的な高低を判別するコンピューター600とが順次に連結されて構成され、前記コンピューター600には前記の判別結果によって前駆体200aの水位が基準水位より低い場合、警告音響を発生するアラーム発生器700が更に連結されている。
【0027】
ボンベ100には高圧の運搬気体100aが収容されており、容器200に第1のパイプ110が配管されている。第1のパイプ110は一端がボンベ100に配管され、他端は容器200内に流入され、液状の前駆体200a内に浸漬されている。従って、運搬気体100aは第1のパイプ110を通じて前駆体200aに注入され、これにより前駆体200aはバブリングされる。
【0028】
また、容器200には第2のパイプ210が配管され、第2のパイプ210は一端が容器200内に流入されて前駆体200aの液面上に配置されている。先に言及したバブリングによって気化された前駆体200aは第2のパイプ210を通じて排出される。
【0029】
そして、第2のパイプ210の他端は反応器300に連結される。従って、気化された前駆体200aが反応器300へ流入し、内包されたウエハ300aに対して化学蒸着を遂行する。
【0030】
このような化学蒸着工程が進行することによって容器200に収容された前駆体200aの量はますます減るようになり、ある時点からはこれ以上前記工程を遂行できない程度に至るようになる。従って、前駆体200aの不足による不良品の発生を最小化し、前駆体200aの正確な交替時期が分かるように前駆体200aの残っている量、即ち、前駆体200aの水位をリアルタイムで把握することが必要である。
【0031】
本発明による水位診断機400を用いた診断装置では、超音波を前駆体200aの下端から前駆体200aの液面に放出し、液面から反射されて戻る前記超音波を受信し、現在、残っている前駆体200aの水位を判定した後、これを予め設定された基準になる水位と比較して前駆体200aの不足可否を判定するように構成している。
【0032】
より詳細に説明すると、水位診断機400は超音波センサー410と、パルスレシーバー420とから構成されるが、前記容器200の下部に取り付けられる超音波センサー410から前駆体200aの液面に向けて前記超音波を送信して前記液面から反射された超音波を感知し、パルスレシーバー420で前記感知された超音波を受信して送/受信された各超音波に関するアナログ信号を検出する。
【0033】
このようなアナログ信号はコンピューター600による判別のためにA/D変換器500によってデジタル信号に変換される。この時、コンピューター600は前記送/受信された各超音波の発生時間の間隔に関する前記デジタルデータを通じて前記前駆体200aの水位を演算し、前記前駆体200aに関して設定された基準水位データと比較処理して前記前駆体200aの当該水位が相対的に低いかを判別する。
【0034】
ここで、基準水位は前駆体200aの水位が前記水位以下になると、蒸着工程を続けて遂行できない程度の水位であり、前記前駆体200aの交替が必要な時点を表わす基準点である。
【0035】
判別の結果、もし、前記前駆体200aの当該水位が前記基準水位より低いと、コンピューター600は電気的に連結されている警告出力手段であるアラーム発生器700に信号を送って警告音響が発生するようにする。
【0036】
前記警告出力手段は、警告音響と共に警告表示がコンピューター600上のモニターを通じて画像で出力できるように設定することもできる。
【0037】
また、他の実施例として、容器200には液状の前駆体が収容されているタンク(図示せず)が制御装置(図示せず)と共に連結されて構成されていてもよい。前記制御装置はコンピューターにも連結される。これは容器200内の前駆体200aの量を予め設定された水位に一定に維持できるようにするためである。
【0038】
従って、水位診断機400のデータを分析したコンピューターでの判別の結果、前記前駆体200aの当該水位が予め設定された水位より低いと、コンピューター600は制御装置(図示せず)を通じてタンク(図示せず)内の液状前駆体が容器200に流入されるようにする。そうすることによって容器200内の前駆体200aの量は蒸着工程を続けて遂行できる程度の予め設定された水位に一定に維持される。
【0039】
図2は本発明による化学蒸着工程時、容器200内の前駆体200a残存量の診断方法に対する手順図である。図2に図示されたように、ボンベ100内の運搬気体100aは容器200内の液状前駆体200aをバブリングし、気化させて反応器300へ運搬する(S1000)。
【0040】
反応器300へ運搬された前駆体200aは反応器300に内包されたウエハ300aに化学蒸着する(S2000)。
【0041】
このようなステップが連続的に遂行される時、容器200内の前駆体200aの水位を測定するために容器200の下部に取り付けられている超音波センサー410から前記前駆体200aの液面に向けてパルス状の超音波を放出する(S3000)。前記超音波は前記前駆体200aの液面から反射されて再び超音波センサー410へ戻るが、これを超音波センサー410が感知し(S4000)、前記センサー410に電気的に連結されているパルスレシーバー420が受信するようになる(S5000)。
【0042】
このように受信された超音波信号はパルス状になったアナログ信号である。従って、コンピューター600による分析のために前記アナログ信号はA/D変換器500によってデジタル信号に変換される(S6000)。
【0043】
コンピューター600では前記デジタル信号が有しているデータを分析して前記前駆体200aの水位を演算する。演算の原理は特定物体に超音波を放出し、その超音波が到逹するまでの時間を測定すれば、“距離=速度×経過時間”の関係を有するので、超音波の速度及びデジタル化された超音波信号の発生時間の間隔で経過時間を把握すると、距離、即ち、前駆体200aの水位を測定できる。
【0044】
このような演算の結果に基づいて、前駆体200aの水位と、予め設定されている基準水位とを比較する(S7000)。
【0045】
この時、もし、前駆体200aの水位が前記基準水位より低いと、蒸着工程を続けて進行できない状態であるので、コンピューター600は警告音響を発生するように信号を出力するようになる。前記信号はコンピューター600に電気的に連結されているアラーム発生器700へ入力され、警告音響を発生するようになる(S8000)。
【0046】
本発明では警告状態に対する出力手段として音響を放出するアラーム発生器700を例示したが、これに限るものではなく、使用者へ警告できる他の手段、例えば警告画面を画像で出力するモニター、または一定の色の光を放出するランプなども可能であろう。
【0047】
しかし、もし、前駆体200aの水位が前記基準水位より高いと、蒸着工程を続けて進行できる状態であるので、ウエハ300aに対する蒸着工程を続けて進行させ、超音波センサー410は再び超音波を前記前駆体200aの液面に向けて放出し、前記のコンピューター600による判別までのステップを繰り返す。
【0048】
また、前記他の実施例による蒸着工程によれば、前記演算の結果に基づいて、コンピューター600は前駆体200aの水位と、予め設定されている水位とを比較する。
【0049】
予め設定された水位より低い当該前駆体の水位の比較結果が導出された場合、コンピューター600は制御装置を通じてタンクから前駆体が容器200内に流入されるようにする(S8000−1)。そうすることによって容器200内の前駆体200aの水位は一定に維持され、化学蒸着が連続的に進行する。
【0050】
本発明による前駆体残存量の診断装置によって、水位診断機400のパルスレシーバー420で受信された超音波の波形で流体の水位を計算する過程を図3乃至図5により調べる。図3は本発明による水位診断機400をオシロスコープに連結して得た測定結果を図示したグラフであり、図4は前駆体の他の水位の時、往復時間の測定結果を図示したグラフである。図3及び図4に図示されるように、X軸は時間をμs単位で示し、Y軸は振幅を示す。
【0051】
放出されるパルスの大きさは5MHzであり、前駆体はCVD SiO2工程において主に使用されるテトラキス−エトキシーシラン(tetrakisethoxysilane、TEOS)を使用する。
【0052】
容器内の液状前駆体の水位(d)は次の式で計算される。
【0053】
d=r([1/2]t) …(1)
ここで、“r”は液状前駆体内での超音波パルス速度であり、“t”は液面までのパルスの往復時間である。
【0054】
先ず、前記(1)式を用いてTEOSでの超音波パルス速度を決定する。液体水位を2cmに固定して超音波往復時間を測定すれば、図3に図示したように超音波が送信される時間である‘t1’からTEOS液面から反射された超音波のパルス発生時間‘t2’までの時間間隔は約39μsと測定された。これを前記(1)式に代入すれば、TEOSでの超音波パルス速度rは略1024m/secであることが分かる。
【0055】
図4に図示したように、前記液体水位を2cm、4cm、及び6cmにとった時、測定された往復時間は各々41sec、79sec、及び115secである。測定されたパルス速度r及び測定された往復時間(41sec、79sec、及び115sec)を前記式に代入して各々の液体水位を計算すれば、略2.1cm、3.8cm、及び5.9cmである。このような測定値は実際値とほとんど同一であることが分かる。
【0056】
図5は、図4による結果を、実際値と測定値とを比較して図示したグラフである。図5でX軸は測定条件による相対的な区別状態(ポイント)を一連数字で示し、Y軸は前駆体水位をcm単位で示す。図5に図示したように、測定された往復時間、ポイント1(41sec)、ポイント2(79sec)、及びポイント3(115sec)の各々から、該当する前駆体液面水位の実際値と測定値とがほとんど同一であることが分かる。これは、超音波センサーシステムが半導体用の前駆体であるTEOSに対してモニタリング装置として使用できることを表わすものである。
【0057】
このように水位診断機400を用いた本発明による診断装置及び診断方法によれば、どのような液状前駆体200aの水位でも前記のような原理で測定し、前駆体200aの交替時期を正確に判断できるようになる。
【0058】
以上のような本発明による化学蒸着工程時、容器200内の前駆体200a残存量の診断装置及び診断方法において、本発明による前駆体200aはある特定の前駆体200aに限定されるものではなく、超音波を通じた前駆体200aの水位測定は全ての前駆体200aにおいて可能であるので、化学蒸着に使用される無機、有機及び有機金属化合物などの全ての前駆体200aに使用できる。
【0059】
また、本発明は化学蒸着工程だけでなく、液状前駆体200aを使用する他の蒸着工程、例えば原子層蒸着(atomic layer deposition)工程、半導体蒸着工程などにも使用できる。
【0060】
加えて、本発明ではボンベ100に保管された運搬ガスにより容器200に収容された前駆体200aをバブリングして反応器300へ運搬するシステムを例示したが、これに限らず、インジェクションタイプ(injection type)で前駆体200aを反応器300に注入することも可能である。
【0061】
本発明を以上で言及した望ましい実施例と関連して説明したが、発明の要旨と範囲とから脱することなく、多様な修正や変形をすることが可能である。従って、添付された特許請求の範囲は本発明の要旨に属するこのような修正や変形を含む。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明による容器内の前駆体残存量の診断装置の構成図。
【図2】本発明による化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断方法に関する手順図。
【図3】本発明による水位診断機をオシロスコープに連結して得た測定結果を図示したグラフ。
【図4】前駆体の他の水位をとった時、往復時間の測定結果を図示したグラフ。
【図5】図4による結果を実際値と測定値とを比較して図示したグラフ。
【符号の説明】
【0063】
100…ボンベ、100a…運搬気体、110…第1のパイプ、200…容器、200a…前駆体、210…第2のパイプ、300…反応器、300a…ウエハ、400…水位診断機、410…超音波センサー、420…パルスレシーバー、500…A/D変換器、600…コンピューター、700…アラーム発生機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬気体が収容されたボンベ;
前記運搬気体が流れるように一端が前記ボンベに配管された第1のパイプ;
液状の前駆体が収容され、前記運搬気体が前記前駆体をバブリングして気化するように前記第1のパイプの他端が前記前駆体に浸漬されて配管される容器;
一端が前記前駆体の液面の上に配置されるように前記容器に配管されて前記前駆体及び運搬気体が移送される第2のパイプ;
前記第2のパイプの他端が配管され、内包されたウエハに対して前記前駆体で化学蒸着工程が遂行される反応器;
超音波を放出し、前記前駆体の液面から反射される前記超音波を受信するように前記容器の下部に設けられる水位診断機;
前記水位診断機に連結され、アナログの前記超音波信号をデジタル信号に変換するA/D変換器;及び
前記A/D変換器に連結され、前記送/受信されたデジタルデータを通じて前記前駆体の当該水位が相対的に低いかを判別する判別装置;を含んで構成されることを特徴とする化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置。
【請求項2】
前記水位診断機は、前記前駆体の液面に向けてパルス状超音波を送信し、前記液面から反射された前記超音波を感知するように前記容器の下部に取り付けられる超音波センサー;及び
前記感知された超音波を受信し、送/受信された各超音波に関するアナログ信号を検出するように前記超音波センサーに電気的に連結されるパルスレシーバー;を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置。
【請求項3】
前記判別装置に連結され、前記基準水位より低い当該前駆体の水位比較結果が導出される場合、これを警告する出力手段を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置。
【請求項4】
前記警告出力手段は警告音響が発生するアラーム発生機であることを特徴とする請求項3に記載の化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置。
【請求項5】
前記警告出力手段は警告音響と共に警告表示がコンピューターのモニターを通じて画像で出力されるように設定されることを特徴とする請求項3に記載の化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置。
【請求項6】
前記容器は、制御装置を通じて、別に設けられた前駆体が収容されたタンクに連結され、前記制御装置は前記判別装置にも連結され、前記容器内の前駆体の量が一定に維持されるようにすることを特徴とする請求項1に記載の化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断装置。
【請求項7】
化学蒸着工程において、
液状の前駆体をバブリングして気化するステップ(S1000);
前記前駆体でウエハを化学蒸着するステップ(S2000);
容器の下部に取り付けられた超音波センサーからパルス状の超音波を前駆体の液面に向けて放出するステップ(S3000);
前記液面から反射された前記超音波を感知するステップ(S4000);
前記超音波を受信して送/受信された各超音波に関するアナログ信号を検出するステップ(S5000);
前記アナログ信号をデジタル信号に変換するステップ(S6000);
前記送/受信された各超音波の発生時間差に関する前記デジタルデータを通じて前記前駆体の水位を演算し、前記前駆体に関して設定された基準水位データと比較処理するステップ(S7000);及び
前記基準水位より低い当該前駆体の水位比較結果が導出されることによって警告音響を放出するステップ(S8000);を含むことを特徴とする化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断方法。
【請求項8】
前記前駆体200aの水位が前記基準水位より高ければ、前記ウエハ300aに対する蒸着工程を続けて進行し、前記超音波センサー410は再び超音波を前記前駆体200aの液面に向けて放出し、上記のコンピューター600による判別までのステップを繰り返すことを特徴とする請求項7に記載の化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断方法。
【請求項9】
前記基準水位より低い当該前駆体の水位比較結果が導出された時、容器内に前駆体を供給して一定水位を維持するように制御するステップ(S8000−1);を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の化学蒸着工程時、容器内の前駆体残存量の診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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