説明

化学電池および電位差の発生方法

【課題】生体と接触させた場合に所望の電位差を長期にわたって安定的に与えることが可能な化学電池およびそれを用いた電位差の発生方法を提供すること。
【解決手段】(1)マグネシウム等の導体を含有する第1の層と、シート状繊維等を含有する第2の層とを有する接合素子、(2)粉状または繊維状の炭素材料及び結合材を含有する第3の層と、シート状繊維等を含有する第4の層とを有する第2の接合素子、あるいは、(3)粉状または繊維状の炭素材料及び結合材を含有する第5の層、のいずれかの素子または層を有し、該素子の一方面において所定の層が露出しており、該露出面が生体と接触したときに、素子の他方の面と生体との間に10〜1500mVの電位差を発生させる化学電池。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学電池および電位差の発生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学電池は、金属および金属化合物を酸化することにより発生する電子を電気として利用する電源機器である。その基本構成は、正負両電極と電解質および活物質などで、電極は金属や炭素が、電解質および活物質などは無機塩や無機酸などが主として使われている(例えば、下記特許文献1を参照)。この化学電池は広く日常生活の中に取り入れられており、生体との関連する分野では医療機器の電源や、機能の低下した生体各機関に電気刺激を与えたり、電圧を印可したりして機能の維持や改善のための電源としても使われている。
【特許文献1】特開平3−268768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1に記載されているような従来の化学電池は、所望の電位差を安定的に与えるものとしては必ずしも十分とはいえない。例えば、従来の化学電池は未使用時にも放電するものであるため、その分寿命が短くなる。また、従来の化学電池はその出力が比較的大きく、生体に接触させるという観点からは出力の最適化が望ましい。その一方で、従来の化学電池の場合、使用中または保管中の乾燥により電解質の劣化が起こると、出力が著しく低下してしまう。なお、劣化した電解質を再生することも可能ではあるが、解体等の煩雑な作業が必要となる。
【0004】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、生体と接触させた場合に所望の電位差を長期にわたって安定的に発生させることが可能な化学電池およびそれを用いた電位差の発生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、チタン、ニッケル、錫、クローム、銅、銀、白金および金から選択される1種類の金属ならびにそれらの2種以上の金属から選択される1種または2種以上の導体を含有する第1の層と、該第1の層と隣接して設けられた、シート状繊維、シート状合成樹脂気孔体、イオン透過性高分子膜、イオン透過性セラミック、粘土、親水性の天然樹脂および合成樹脂、高分子ゲルならびに保湿保水性乳化混合物から選択される1種または2種以上を含有する第2の層と、を有する接合素子を備え、該接合素子の一方面において第1の層または第2の層が露出しており、該露出面が生体と接触したときに、接合素子の他方の面と生体との間に10〜1500mVの電位差を発生させることを特徴とする化学電池(以下、便宜的に「第1の化学電池」という。)を提供する。
【0006】
上記第1の化学電池においては、第2の層が電解質をさらに含有することが好ましい。
【0007】
また、上記第1の化学電池は、接合素子の生体と接触しない側の面に保護層をさらに備えることが好ましい。
【0008】
また、本発明は、粉状または繊維状の炭素材料ならびに天然樹脂または合成樹脂から選ばれる結合材を含有する第3の層と、該第3の層と隣接して設けられた、シート状繊維、シート状合成樹脂気孔体、イオン透過性高分子膜、イオン透過性セラミック、粘土、親水性の天然樹脂および合成樹脂、高分子ゲルならびに保湿保水性乳化混合物から選択される1種または2種以上を含有する第4の層と、を有する接合素子を備え、該接合素子の一方面において第3の層または第4の層が露出しており、該露出面が生体と接触したときに、接合素子の他方の面と生体との間に10〜1500mVの電位差を発生させることを特徴とする化学電池(以下、便宜的に「第2の化学電池」という。)。
【0009】
上記第2の化学電池においては、第3の層が、厚さ0.01〜5mm、見掛け密度0.1〜1.5g/cmのシート状に成形されていることが好ましい。
【0010】
また、上記第2の化学電池は、第3の層および/または第4の層が電解質をさらに含有することが好ましい。
【0011】
また、上記第2の化学電池は、接合素子の生体と接触しない側の面に保護層をさらに備えることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、粉状または繊維状の炭素材料ならびに天然樹脂または合成樹脂から選ばれる結合材を含有する第5の層を備え、少なくとも一側に前記第5の層が露出しており、該露出面が生体と接触したときに、第5の層の他方の面と生体との間に10〜1500mVの電位差を発生させることを特徴とする化学電池(以下、便宜的に「第3の化学電池」という。)を提供する。
【0013】
上記第3の化学電池においては、第5の層が、厚さ0.01〜5mm、見掛け密度0.1〜1.5g/cmのシート状に成形されていることが好ましい。
【0014】
また、上記第3の化学電池においては、第5の層が電解質をさらに含有することが好ましい。
【0015】
また、上記第3の化学電池は、第5の層の生体と接触しない側の面に保護層をさらに備えることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、
マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、チタン、ニッケル、錫、クローム、銅、銀、白金および金から選択される1種類の金属ならびにそれらの2種以上の金属から選択される1種または2種以上の導体を含有する第1の層と、該第1の層と隣接して設けられた、シート状繊維、シート状合成樹脂気孔体、イオン透過性高分子膜、イオン透過性セラミック、粘土、親水性の天然樹脂および合成樹脂、高分子ゲルならびに保湿保水性乳化混合物から選択される1種または2種以上を含有する第2の層と、を有する第1の接合素子、
粉状または繊維状の炭素材料ならびに天然樹脂または合成樹脂から選ばれる結合材を含有する第3の層と、該第3の層と隣接して設けられた、シート状繊維、シート状合成樹脂気孔体、イオン透過性高分子膜、イオン透過性セラミック、粘土、親水性の天然樹脂および合成樹脂、高分子ゲルならびに保湿保水性乳化混合物から選択される1種または2種以上を含有する第4の層と、を有する第2の接合素子、ならびに、
粉状または繊維状の炭素材料ならびに天然樹脂または合成樹脂から選ばれる結合材を含有する第5の層
から選ばれる2以上が、直接または間接的に、互いに重ね合わされて多層化されていることを特徴とする化学電池(以下、便宜的に「第4の化学電池」という。)を提供する。
【0017】
上記第4の化学電池は、上記第1の化学電池における接合素子に相当する第1の接合素子、上記第2の化学電池における接合素子に相当する第2の接合素子、および、上記第3の化学電池における第5の層に相当する第5の層から選ばれる2以上を、直接または間接的に、互いに重ね合わされて多層化したものである。第3の化学電池において、第1の接合素子、第2の接合素子及び第5の層は、それぞれ上記第1、第2又は第3の化学電池の場合と同様の好ましい態様をとることができる。
【0018】
また、本発明は、上記第1〜第4の化学電池のいずれかを生体と接触させ、生体と化学電池の所定位置との間に10〜1500mVの電位差を発生させることを特徴とする電位差の発生方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の化学電池および電位差の発生方法によれば、生体と接触させた場合に所望の電位差を長期にわたって安定的に発生させることが可能となる。本発明の化学電池は、いわゆる「半電池」であり、従来の化学電池に比べて、構造の簡略化および薄型化の点で有用であり、さらには装着性の点でも優れている。また、半電池は生体と接触させることによって機能するものであるため、未使用時も放電する従来の化学電池に比べて長い寿命を達成することができる。また、本発明の化学電池の出力は、従来の化学電池と比較して十分に低いものであり、生体に接触させるという観点から好適である。さらに、本発明の化学電池においては、接合素子の生体と接触させる側の面に所定の層が露出しているため、仮に電解質が劣化したとしても、その場合の再生を容易に行うことができる。
【0020】
また、本発明の化学電池は、導体を含む層と生体とを電極として瞬間最大値で1500mVの電位差を得ることができる。これによって、腕時計や信号発信機などの小型電気、電子機器の電源として十分な出力を出すことが可能となる。また、生体内の電位差分布異常によって起こる生体の機能不全を改善することが可能となる。本発明者の研究結果では、この化学電池によって、水虫、痛風、関節痛、筋肉痛、浮腫み、手の震え、脱毛、しみ、逆流性食道炎、結石、不安定な精神の鎮静化などの症状が改善される事が少数例ではあるが分かってきた。これら以外の分野でも効果が期待される。
【0021】
この他、生体機能のセンサーとして、或いは所在確認用の信号発信機など緊急用途にも用いる事が期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0023】
本発明に係る第1実施形態は、シート状のマグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、チタン、ニッケル、錫、クローム、銅、銀、白金および金から選択される1種類の金属またはマグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、チタン、ニッケル、錫、クローム、銅、銀、白金および金から選択される2種以上の金属を含む合金またはマグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、チタン、ニッケル、錫、クローム、銅、銀、白金および金から選択される金属を含む被膜を有する導体(A)を含有する層(A層)と、シート状合成樹脂気孔体、イオン透過性高分子膜、イオン透過性セラミック、粘土、親水性天然樹脂および合成樹脂、高分子ゲル、および保湿保水性乳化混合物、から選択された材料の単独または混成配合物である物質(B)を含有する層(B層)が、互いに接して片面または両面で複合化された素子(AB接合素子)が、A層側の面またはB層側の面で生体と接触したときに、生体と接していないB層側の面またはA層側の面と生体との間に10〜1500mVの電位差を発生する化学電池である。
【0024】
また、本発明に係る第2実施形態は、粉状または繊維状の炭素材料が天然樹脂または合成樹脂を結合材とし、厚さ0.01〜5mm、見掛け密度0.1〜1.5g/cmのシート状に成形された導体(C)を含有する層(C層)、またはC層が上記の物質(B)を含む層(B層)と互いに接して片面または両面で複合化されたCB接合素子が、生体と接触したときに接していない導体(C)面または物質(B)面と生体との間に10〜1500mVの電位差を発生する化学電池である。
【0025】
また、本発明に係る第3実施形態は、生体と化学電池を形成しているAB接合素子、C層およびCB接合素子の生体と接触していない面が、直接または間接的に、異種の接合素子またはC層と重ね合わされて多層化された化学電池である。
【0026】
本発明の化学電池は、生体の上皮、中皮、内皮、血管、関節、筋肉その他の器官に分布している電位差と導電性を利用し、身につける小電子機器、例えば腕時計や信号発信器の電源とするほか、生体内の電位差を適性化し生体機能を改善することを目的とするものであって、導体層であるA層またはC層を一方の電極、生体をもう一方の電極とし、導体の表面に電解質が透過または移動可能なB層を設け、両電極を近接または接触させた時に、生体から分泌された体液や、予め含ませておいた電解質が作用して、両電極間に絶対値で10〜1500mVの電位差が発生することを特徴とするものである。導体層であるC層は、B層との複合化が無い場合でも、C層内の空隙や粉末状炭素材料の結合材として使われた樹脂内を電解質が透過し移動して生体との間に電位差を生じさせる事が出来る。
【0027】
A層に含まれる導体(A)は、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、チタン、ニッケル、錫、クローム、銅、銀、白金および金から選択されるものである。マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、チタン、ニッケル、錫、クローム、銅、銀、白金および金を含む合金や、これらの金属材料で被覆した物も使用出来る。A層の形状は、生体と相対する面が有孔または無孔の板状あるいは網状のものが使用される。炭素材料は、黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、木炭、活性炭などが使用できる。これらの炭素材料は、主として粉状や繊維状の物を天然樹脂や合成樹脂および各種添加剤を配合し混練した粘稠な液状ないしペースト状とした物を布や紙、プラスチックフィルムあるいは上記導体(A)より選択される金属箔や薄板などのシート状材料に塗布乾燥硬化させた塗膜を用いる。この塗膜は、必要とする時には発泡剤を配合し、見掛け密度が0.5〜1.5g/cmの範囲で低密度とし、塗膜内部の有孔度を高めて電解質の移動を容易にする。発泡剤は、無機系または有機系の既存のものでよい。
【0028】
C層の構成材料としては、炭素繊維やパッキングなどに使われる黒鉛シートが挙げられる。いずれも生体表面の起伏に追従して近接または接触可能な形状または柔軟性を持つものとする。その形状は厚さ0.01から5mmで柔軟性のあるシート状をしたものが好ましい。長さおよび幅は、設置する生体の部分に適当な大きさに加工して使用する。C層(例えば布や紙に塗布乾燥して作られた炭素塗膜)は、B層と複合化することなく使用することも出来る。さらに炭素塗膜は単独でも生体と化学電池を形成可能である。これは結合材として用いた樹脂に親水性があることによって電解質の移動が可能となること、炭素塗膜の見掛け密度は比較的低密度であり、塗膜内に無数の空隙が存在することによりB層が無くても電解質が移動可能なためと推測される。
【0029】
B層は、電解質が透過または移動可能な材質および形状を有するもので、シート状のA層およびC層(以下両者を「導体層」と総称する)の片面または両面に接触させ貼り合わせて複合化する。このB層は、生体と導体が電極として働く時に、電解質の存在する場所となる。このB層が、導体の片面または両面に層状に積層して複合化したものがAB接合素子およびCB接合素子である。B層に使用可能な材料としては、布や紙、脱脂綿あるいはガラス短繊維製マットのようなシート状繊維製品、合成樹脂連続気孔体、イオン透過性高分子膜、イオン透過性セラミック、粘土、天然樹脂配合物、合成樹脂配合物、高分子ゲル或いは保湿保水性を発揮させるために、ヒアルロン酸やコラーゲンその他の保湿剤が加えられてペースト状や粘着性のシート状にされたもの、例えば歯磨きペースト、膏薬あるいは化粧水や飲料、粘着剤付き布などが使用可能である。非吸湿性の合成樹脂でも、その厚さが0.02mm以下の薄膜であれば電解質は透過することが可能で、B層の構成材料として使う事が出来る。B層の厚さは0.001〜5mm、大きさは導体が生体と接する部分の寸法があればよい。
【0030】
AB接合素子およびCB接合素子のA層側の面、C層側の面またはB層側の面、あるいはC層の一方面を生体に接触させる方法は、粘着テープやサポーター、靴下、包帯などで素子と生体を固定するほか、頭部などは帽子、足裏は靴の中に素子を装着して生体に近接または接触させる。その方法は、特に制限されるものではなく、任意に考慮されてよい。靴の場合には、素子と足裏との間に靴下が介在しても、体液が靴下の網目を通じて移動可能なので、素子が直接生体と接触する必要はない。これによって生体との間に化学電池の作用が起こり、電位差が生じてくる。発電に必要な電解質は、生体より分泌される体液や、B層に予め含有させておいた水、無機塩の水溶液、イオン液体などによって担われる。水分が使用中に蒸発して無くなった時は、スプレーなどで補給することも可能である。電解質は、特別な物質は必要ではなく、現在広く知られている電離してイオン化可能な物質は全て使用可能である。その物質の毒性や使い易さなどを勘案して選択すればよい。塩化ナトリウム、酢、重曹や砂糖など食品添加物が生体に対し毒性が少なく適している。その時発生する電位差は、導体の種類や電解質の種類、生体の部位によって異なり、絶対値で10〜1500mVの間で絶えず変化しており、通常は10〜300mVの値を示す。
【0031】
AB接合素子及びCB接合素子並びにC層の生体と接していない面は、B層または導体層で構成される。この面は、使用中に損傷を受けたり、放電して電位差の変動を起こしやすく、また電解質が蒸発して電位差低下を招く事がある。生体に固定するために粘着テープを使用する時は、テープが、これらを防止する役目を果たすが、これ以外の固定法の時は、図1に示したようにプラスチックフィルム(例えばナミックス社ADFLEMA、東セロ社ADMER)などで被覆する。体内の器官に固定する時などは、感染や電解質の洩れ防止の役割にもこの保護層が役立つことになる。
【0032】
AB接合素子、導体(C)あるいはCB接合素子と生体間の電位差は、通常10〜300mV、瞬間的に最大値で1,500mV程度となる。300mV以上の大きな電位差を必要とする時や電位差の変動を少なくする為には、AB接合素子、CB複合素子あるいはC層の生体接触面と反対側に、異種のAB接合素子やCB接合素子を積層する。この二層に積層された接合素子を単位構成として、更に階層を増やして電気的に直列に連結した形にすると、電位差は更に増幅可能である。その方法は、図5に示したように、この単位構成となっている接合素子を1単位ごとに絶縁膜で隔離し直列に連結する。絶縁膜は、前述の保護層用に用いた粘着性あるいは接着性のオレフィン系のフィルムやPETフィルムがよい。増設されるAB接合素子およびCB接合素子のB層には予め電解質を含ませておく。このように接合素子の階層を増設することによって、電気出力をより大きく且つ安定して得ることが出来る。
【0033】
通常の化学電池は、異種金属が電解質の中に浸漬されたときに、両金属間に電位差を生じる。本発明の場合は、生体が一方の電極の役割を果たして電位差を生じており、新しい形の化学電池となっている。これによって生体内の正電位の主な担い手である活性酸素や負電位の電子の異常分布を修正し、生体機能の改善を図る事が出来る。
【0034】
本発明は、生体を一方の電極とし、導体(A)であるマグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、チタン、ニッケル、錫、クローム、銅、銀、白金および金ならびにこれらの金属の合金または被覆物または炭素材料導体(C)を含む導体層をもう一方の電極とし、両電極間に電解質を介在させて電気を得る化学電池である。この方法は、導体と電解質の含有層となるB層を複合化したAB接合素子またはCB接合素子を生体に接触させて行う。生体との接触面は、導体面でもB層面でもよい。(C)以外の導体単独では、殆ど電位差は生じない。
【0035】
導体としては、炭素材料およびアルミニウムが最も使い易く効果的である。炭素材料は、黒鉛またはカーボンブラックが好ましい。これらの炭素材料は、粉末とし膠やカゼイン、澱粉、セルロース、生ゴム、ロジンのような天然樹脂や酢酸ビニル系樹脂あるいはアクリル樹脂系のような合成樹脂で混練し、塗膜の形でシート状にして使う。塗膜にする時は、基材として導体(A)の金属箔や布、紙、プラスチックフィルム上に塗布乾燥して作るほか、押出し式の混練機で混練物をシート状に押出して作る。合成樹脂としては、フェノール樹脂、α−オレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、水性イソシアネート樹脂、合成ゴム、ポリウレタン、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂またはこれらの変性樹脂を用いる事が出来る。アクリル樹脂または酢酸ビニル樹脂、などの合成樹脂や高分子ゲルが吸湿性も有り好ましい。溶剤としては、好ましくは、水、または水とメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、エステル系溶剤との混合溶剤が良い。樹脂と炭素粉末の混合比率は、固形分で樹脂40〜50%、炭素粉60〜50%が適当である。炭素塗膜の導電性を出来るだけ確保する為に、樹脂は少ないほど良い。炭素塗膜は、B層を複合化しないでも、上記樹脂配合物は電解質を透過移動が可能で生体と単独で発電し電位差を生じる事が可能である。
【0036】
A層に金属を用いる場合は、アルミニウムが使い易く電位差も生じ易い。ステンレス鋼や真鍮も電位差を生じ易いが、端面が鋭利な為に生体を傷付け易い欠点がある。マグネシウムは、高い電位差を得ることができるので電子機器の電源として有利である。アルミニウムは、箔状のものが良い。厚さは、0.05〜0.1mmの物が使い易い。真鍮は、0.1〜0.2mmの物が入手し易いが、アルミニウム箔と同程度の厚さのものが好ましい。銀、白金、金などは100mV以上の電位差を得難い欠点がある。アルミニウムや亜鉛は負電位を示す事が多く、銅よりイオン化傾向の小さい金属は、正電位を示す事が多い。これは、生体の電位差との相対的な関係によって決まるものと推定される。
【0037】
B層としては、11号帆布を一層かガーゼ布を一〜二層重ねて導体に貼り合わせて使うのが最も簡単で有効な方法である。調理用紙タオルも強度が有り、吸湿性にも優れているので布と同じ様にして使う事が出来る。この他、保水性、保湿性のよい化粧クリームや歯磨きペーストのような粘稠な混練された各種混合物も導体の表面に塗布して使える。塗布量は、15〜30g/cm2が良い。この上に、上記の調理用の紙タオルを保護のために上貼りしておくと良い。この場合には接着剤は不要である。布や紙は、導体の片面または両面に接着剤または粘着剤で貼り合わせる。この接着剤または粘着剤は、天然または合成ゴム系、ビニル系、アクリルゴム系などが適している。塗布量は、10〜15g/cmで良い。布または紙の上面まで接着剤や粘着剤が上がってこない様に注意する。電解質の透過や移動の妨げとなるからである。この他、吸水性に優れた高分子ゲルやヒアルロン酸のような保水力に優れた材料も、コストは高いが優れた電解質の移動媒体となる。高分子ゲルはシート状のものを担体で、ヒアルロン酸やコラーゲンは化粧クリームのような混練されたペースト状混合物に含ませて用いる。このようにして導体層とB層が複合化されてAB接合素子またはCB接合素子となる。
【0038】
このAB接合素子およびCB接合素子やC層は、導体が一層で構成されたものであるが、これらの接合素子または導体層と異種の導体を用いた接合素子を生体と反対側にもう一層以上積み重ねて、生体との電位差を安定させる事が出来る。更に、この二つの接合素子または導体の組合せを単位として、直列に連結した化学電池を形成させて電位差を高くする事も出来る。この時には、各単位の間にオレフィン系フィルムやPETフィルムを挿入して部分的に絶縁する事になる。これらの構成は図4及び図5に例示した。
【0039】
AB接合素子およびCB接合素子の生体との非接触面は、導体層またはB層が露出した形となっている。このために取り扱い中に傷をつけたり、剥れ落ちたりして損傷の機会が多くなる。体内に設置した時には、周辺との隔離、絶縁の必要も出てくる。このような事から、この露出面に保護層を設ける事がある。保護層は、オレフィン系またはPET系のプラスチックフィルムを素子全体に被せて粘着剤などで固定すればよい。図1にその構成を例示した。
【0040】
このAB接合素子、CB接合素子およびC層を生体に取りつける方法は、夫々の背面から粘着剤付きテープで所望の生体部に貼り付けて固定する。包帯などで固定しても良い。
【実施例】
【0041】
以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0042】
[実施例1]
黒鉛粉(日立粉末冶金製、ヒタゾルGP−60S)100g及び酢酸ビニル系接着剤(ヤロイ化学製、ルーアマイルド)90gをステンレス鋼板上に採り、箆で混練し粘稠で均一な餅状の組成物を得た。この組成物をキャンバス(木下資材製、#250D白)の一方の面に1m2当り固形分換算で30g箆とロールを用いて塗布し常温で5時間放置し乾燥硬化させて、黒鉛の塗膜を作った。黒鉛層は、キャンバスの裏面までは浸透する事はなかった。次にキャンバス面に3%濃度の食塩水を滴下し、キャンバス面を湿らせた。この状態でキャンバスを足の甲に接触させて皮膚と密着している事を確認し、黒鉛と皮膚の間の電位差を測ったところ10〜300mV、瞬間最大値700mVの値が観測された。黒鉛側が正電位であった。測定は、市販の黒鉛端子を用いたテスター(エーアンドデイ社製、AP−5526)を用いた。また黒鉛塗膜の見掛け密度は1.30g/cm2であった。
【0043】
[実施例2]
実施例1で、食塩水を使わずに電位差を測定したところ、皮膚と密着後、1分では電位差は5mV、1時間後には、10〜250mV、瞬間最大値950mVの電位差を観測した。黒鉛側が正極を示した。皮膚から分泌された体液が電解質の役割を果たしたものと推測される。
【0044】
[実施例3]
実施例1で黒鉛層に代わり、厚さ0.03mmのマグネシウム箔(日本金属製AZ31)を用いてキャンバスとAB接合素子を作りキャンバス面に3%の食塩水を滴下させて、これを足の甲に当てて電位差を測定した。その結果、1時間後、200〜600mV、瞬間最大値1350mVの電位差を観測した。マグネシウム側が負電位であった。マグネシウム単独では、10mVの電位差であった。
【0045】
[実施例4]
実施例1で、食塩水の代わりに水道水を用いて電位差を測定したところ、10〜250mV、瞬間最大値700mVの電位差を観測した。黒鉛側が正極を示した。
【0046】
[実施例5]
実施例1でキャンバスの代わりに、調理用紙タオル(トカノ社製インクリーズ21)を用いて黒鉛塗布膜を作り、電位差を測定したところ、10〜300mV、瞬間最大値900mVの電位差を観測した。比較として、紙タオルを剥がした黒鉛層だけで足の甲に接触させない状態では電位差は10mVであった。足の甲に接触した場合は、10〜300mV、瞬間最大値750mVであった。図3に示すように、紙タオルを黒鉛層の両面に貼り電位差を測定したところ30mV以下の電位差を得た。生体に接していない時は、電位差は観測されなかった。いずれの場合も黒鉛側が正極を示した。
【0047】
[実施例6]
実施例1でキャンバスの代わりに厚さ0.05mmのPETフィルム(旭化成製)を用いて厚さ0.1mmの黒鉛塗布膜を作り、常温で5時間乾燥硬化した後、PETフィルムを剥がし、黒鉛膜を作成した。この片面に化粧用の水溶性クリーム0.1mm塗布し、足の甲にクリーム塗布面を固定し、皮膚と黒鉛膜の間の電位差を測定したところ10〜200mV、瞬間最大値は750mVであった。黒鉛膜単独で足の甲に接触していない時の電位差は観測されなかった。黒鉛側が正極を示した。
【0048】
[実施例7]
実施例5で黒鉛膜の代わりに、厚さ0.01mmのアルミニウム箔(日本製箔製)を用いて足の甲に紙タオルを接触させて1時間後、電位差を測定したところ10〜310mV、瞬間最大値は800mVであった。アルミニウム箔側が負電位であった。アルミニウム箔だけでは、電位差は約5mVであった。
【0049】
[実施例8]
実施例7で、紙タオルに濃度1%の重曹水を含ませて実験したところ、足の甲に接触後、1分で10〜200mVの電位差が観測された。瞬間最大値は550mVであった。アルミニウム箔側が負電位であった。アルミニウム箔単独で足の甲に接触していない時は、電位差は発生しなかった。
【0050】
[実施例9]
実施例8で紙タオルに代わり、厚さ0.014mmのPVAフィルム(日本合成化学製ポブロン)を使い電位差を測定した。足の甲に接触して1時間後50〜250mV、瞬間最大値900mVの電位差を観測した。アルミニウム箔側が負電位であった。
【0051】
[実施例10]
実施例7でアルミニウム箔を厚さ0.002mmの金箔(恩地金箔製)に代えて実験したところ、20〜70mVの電位差が観測された。瞬間最大値は200mV、金箔が正電位であった。金箔だけで足の甲に接触していない時は、電位差は観測されなかった。
【0052】
[実施例11]
実施例7でアルミニウム箔に代えてステンレス鋼箔(厚さ0.1mm日本金属製SUS303)を用い実験したところ10〜300mVの電位差が観測された。瞬間最大値は1000mVであった。ステンレス鋼箔が正電位を示した。ステンレス鋼箔単独では、電位差は観測されなかった。
【0053】
[実施例12]
実施例5で黒鉛塗布膜に代わり実施例11で用いたステンレス鋼箔を用い、ヒアルロン酸水溶液(キューピー社 ヒアロモイスチャーの濃度5%水溶液)を塗布し足の甲に当てて電位差を観測し10〜300mV、瞬間最大値850mVの値を得た。ステンレス鋼箔が正電位を示した。ステンレス鋼箔だけでは、電位差は観測されなかった。
【0054】
[実施例13]
実施例11でステンレス鋼箔の代わりに厚さ0.2mmの真鍮板(志摩工業製C2801 H−1/4)を使い足の甲に当てて電位差を測ったところ10〜80mV、瞬間最大値150mVとなった。真鍮箔が正電位を示した。真鍮板だけでは電位差は観測できなかった。
【0055】
[実施例14]
実施例12でステンレス鋼箔の代わりに厚さ0.03mmの電解銅箔(日本電解製FR−4用)を用い足の甲に当てて電位差を測ったところ10〜290mV、瞬間最大値は500mVであった。銅箔が正電位を示した。銅箔だけでは電位差は観測されなかった。
【0056】
[実施例15]
実施例6でクリームに代わりカオリン(中国景徳鎮産)100gと水60gの混練物を厚さ0.1mm黒鉛層に塗布しCB接合素子電極を作り、未乾燥のまま足の甲に当てて電位差を測定したところ、10〜250mV、瞬間最大値800mVであった。黒鉛側が正電位であった。黒鉛層だけの導体(C)の場合でも足の甲に当ててから1時間後に10〜250mV、瞬間最大値800mVの電位差が観測された。
【0057】
[実施例16]
実施例4のキャンバスに代わって、厚さ0.5mmのポリエチレン発泡体(ソフトブレン社製オプセルLC−150密度0.047スライス品)を用い足の甲に当てて電位差を測ったところ10〜260mV、瞬間最大値は、950mVであった。
【0058】
[実施例17]
実施例4のキャンバスに代わって、吸水性高分子膜テクノゲル(積水化学製CRA8AZ10−06M、厚さ0.6mm)を用い足の甲に当てて電位差を測ったところ30〜300mV、瞬間最大値は、1200mVであった。
【0059】
[実施例18]
実施例5の黒鉛塗布膜と紙タオルを貼り合わせたCB接合素子の黒鉛面に実施例7のアルミニウムと紙タオルを貼り合わせたAB接合素子を積み重ねた。このアルミニウムAB接合素子の上に実施例5の黒鉛と紙タオルを貼りあわせたCB接合素子を積み重ねた。このようにして、図4に示すように上から黒鉛〜紙タオル素子、アルミニウム〜紙タオル素子、黒鉛〜紙タオル素子の三素子の積層された素子を準備した。これを水道水に浸漬し三層の紙タオルに水を染み込ませた。この三素子積層品を足の甲に最下層の紙タオルが皮膚と接触するように置き、皮膚と最上層の黒鉛層の電位差を測定したところ70〜360mV、瞬間最大値は、800mVであった。黒鉛層が正電位であった。
【0060】
[実施例19]
実施例5の黒鉛塗布膜と紙タオルを貼り合わせたCB接合素子を生体側に、その上に実施例7のアルミニウムと紙タオルを貼りあわせたAB接合素子、更にその上に前記CB接合素子という具合に、図5に図示したように5層の接合素子を積層した。1層と2層の間、3層と4層の間に厚さ0.025mmのPETフィルムを挿入し、さらに接合素子を直列に連結(各素子間の連結はアルミニウム箔を上下の導体に挿入して行った)した集積体を作り、水道水に浸漬し紙タオルに水を染み込ませた。この直列連結素子を足の甲に当てて電位差を測定したところ50〜900mV、瞬間最大値1500mVの値が得られた。黒鉛が正電位であった。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の生体を電極の一つとして利用した化学電池は、生体の内部に分布している異常電位差を中和し、生体の機能を調節する事が出来る。また、この化学電池は身につける小型電気電子機器の電源にも使えるので、新しい市場と産業を創出可能と考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の化学電池で物質(B)が生体面に接した場合の例を示す模式図である。2の電位差出力端子および6の保護層は、図1にのみ示し図2以下では省略した。
【図2】本発明の化学電池で物質(B)が生体面と接していない場合の例を示す模式図である。この構成でも生体からの分泌物が導体(A)と生体間に電解質として介在し電位差を生じる。
【図3】本発明の化学電池で物質(B)が導体(A)のの両面にある場合の例を示す模式図である。
【図4】本発明の化学電池で接合素子が3層になった場合の例を示す模式図である。
【図5】本発明の化学電池で接合素子が直列に5層連結された場合の例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0063】
1…生体表面、2…電位差出力端子位置、3…B層、4…導体層(A層またはC層)、5…導体層4と異種の導体層、6…保護層、7…各階層の電極を直列に連結するための導体層、8…絶縁層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、チタン、ニッケル、錫、クローム、銅、銀、白金および金から選択される1種類の金属ならびにそれらの2種以上の金属から選択される1種または2種以上の導体を含有する第1の層と、該第1の層と隣接して設けられた、シート状繊維、シート状合成樹脂気孔体、イオン透過性高分子膜、イオン透過性セラミック、粘土、親水性の天然樹脂および合成樹脂、高分子ゲルならびに保湿保水性乳化混合物から選択される1種または2種以上を含有する第2の層と、を有する接合素子を備え、
前記接合素子の一方面において前記第1の層または前記第2の層が露出しており、該露出面が生体と接触したときに、前記接合素子の他方の面と生体との間に10〜1500mVの電位差を発生させることを特徴とする化学電池。
【請求項2】
前記第2の層が電解質をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載の化学電池。
【請求項3】
前記接合素子の生体と接触しない側の面に保護層をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の化学電池。
【請求項4】
粉状または繊維状の炭素材料ならびに天然樹脂または合成樹脂から選ばれる結合材を含有する第3の層と、該第3の層と隣接して設けられた、シート状繊維、シート状合成樹脂気孔体、イオン透過性高分子膜、イオン透過性セラミック、粘土、親水性の天然樹脂および合成樹脂、高分子ゲルならびに保湿保水性乳化混合物から選択される1種または2種以上を含有する第4の層と、を有する接合素子を備え、
前記接合素子の一方面において前記第3の層または前記第4の層が露出しており、該露出面が生体と接触したときに、前記接合素子の他方の面と生体との間に10〜1500mVの電位差を発生させることを特徴とする化学電池。
【請求項5】
前記第3の層が、厚さ0.01〜5mm、見掛け密度0.1〜1.5g/cmのシート状に成形されていることを特徴とする、請求項4に記載の化学電池。
【請求項6】
前記第3の層および/または前記第4の層が電解質をさらに含有することを特徴とする、請求項4または5に記載の化学電池。
【請求項7】
前記接合素子の生体と接触しない側の面に保護層をさらに備えることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の化学電池。
【請求項8】
粉状または繊維状の炭素材料ならびに天然樹脂または合成樹脂から選ばれる結合材を含有する第5の層を備え、
少なくとも一側に前記第5の層が露出しており、該露出面が生体と接触したときに、前記第5の層の他方の面と生体との間に10〜1500mVの電位差を発生させることを特徴とする化学電池。
【請求項9】
前記第5の層が、厚さ0.01〜5mm、見掛け密度0.1〜1.5g/cmのシート状に成形されていることを特徴とする、請求項8に記載の化学電池。
【請求項10】
前記第5の層が電解質をさらに含有することを特徴とする、請求項8または9に記載の化学電池。
【請求項11】
前記第5の層の生体と接触しない側の面に保護層をさらに備えることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の化学電池。
【請求項12】
マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、チタン、ニッケル、錫、クローム、銅、銀、白金および金から選択される1種類の金属ならびにそれらの2種以上の金属から選択される1種または2種以上の導体を含有する第1の層と、該第1の層と隣接して設けられた、シート状繊維、シート状合成樹脂気孔体、イオン透過性高分子膜、イオン透過性セラミック、粘土、親水性の天然樹脂および合成樹脂、高分子ゲルならびに保湿保水性乳化混合物から選択される1種または2種以上を含有する第2の層と、を有する第1の接合素子、
粉状または繊維状の炭素材料ならびに天然樹脂または合成樹脂から選ばれる結合材を含有する第3の層と、該第3の層と隣接して設けられた、シート状繊維、シート状合成樹脂気孔体、イオン透過性高分子膜、イオン透過性セラミック、粘土、親水性の天然樹脂および合成樹脂、高分子ゲルならびに保湿保水性乳化混合物から選択される1種または2種以上を含有する第4の層と、を有する第2の接合素子、ならびに、
粉状または繊維状の炭素材料ならびに天然樹脂または合成樹脂から選ばれる結合材を含有する第5の層
から選ばれる2以上が、直接または間接的に、互いに重ね合わされて多層化されていることを特徴とする化学電池。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかの化学電池を生体と接触させ、生体と化学電池の所定位置との間に10〜1500mVの電位差を発生させることを特徴とする電位差の発生方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−226834(P2008−226834A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32261(P2008−32261)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(395012064)
【Fターム(参考)】