説明

化粧パネル

【課題】 心材と化粧板との間の寸法誤差による歩留まりの発生を抑制することができ、生産効率の良い化粧パネルを実現する。
【解決手段】 化粧パネル1を、直線状に延びる角部を有する心材であって、硬質の材料から成る少なくとも2つの硬質部分10,11と、前記硬質部分10,11間に設けられ前記硬質部分10,11よりも伸縮性の高い材料から成るクッション材12部分とを有する心材2と、前記角部に外方から対向する折曲溝部20a〜20h、および折曲溝部21a〜21cが形成される化粧板3とを含んで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚板、扉などに用いられる化粧パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
下駄箱やクローゼットの棚板および扉などには、矩形板状の木質心材に、一表面にシート状の化粧材が貼付された化粧板を接着して構成される化粧パネルが用いられている。
【0003】
図10は、従来技術に係る化粧パネル100の断面構造を示す図である。この従来技術では、化粧パネル100は、角部110a,110b,110c,110dを有する木質心材101と、木質心材101の表面に接着され、V字状の折曲溝部112a,112b,112c,112dが形成される第1化粧板102aと、木質心材101の表面に接着され板状の第2化粧板102bとによって構成される。
【0004】
従来技術では、第1化粧板102aの折曲溝部112a〜112dが形成される一表面部および第2化粧板102bの一表面部に木工用接着剤を塗布し、折曲溝部112bと折曲溝部112cとの間に、木質心材101を配置して、折曲溝部112bと折曲溝部112cとの間の表面部と木質心材101の一表面部とを接着し、折曲溝部112bおよび折曲溝部112cを折り曲げて、折曲溝部112aと折曲溝部112bとの間の表面部、および折曲溝部112dと折曲溝部112cとの間の表面部を木質心材101の側面部と接着し、折曲溝部112aおよび折曲溝部112dを折り曲げて、第1化粧板102aの幅方向両端部の表面部を木質心材101の他表面部と接着し、該他表面部の残余の部分と、第2化粧板102bとを接着することによってパネル状の化粧パネルを形成している(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−272177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術では、先ず大盤の木質心材を裁断して木質心材101を形成するとともに、予め木質心材101の寸法に対応するように、第1化粧板102aに折曲溝部112a〜112dを形成している。
【0007】
木質心材101は、大板の合板、単板積層材(Laminated Veneer Lumber 略称:LVL)、中密度繊維板(Medium Dencity Fiber Board 略称:MDF)、パーチクルボードなどを裁断して形成されるが、第1および第2化粧板102a,102bと比較して寸法誤差が大きい。このことから、木質心材101と第1化粧板102aとの間に寸法誤差が生じ、第1化粧板102aと第2化粧板102bとの間に隙間が発生したり、折曲溝部112aと112bとの間隔および折曲溝部112cと112dとの間隔と、木質心材101の厚み寸法との間の寸法誤差によって、第1化粧板102aの端部が浮き上がるなどして、化粧パネルの歩留まりが低下するという問題がある。
【0008】
この歩留まりの発生を抑制するためには、裁断後の木質心材101に合せて、個々に化粧板の折曲溝部形成加工を行うことが考えられるが、このような方法では、化粧パネルの生産効率が極めて悪い。
【0009】
したがって、本発明の目的は、歩留まりの低下を抑制することができ、生産効率の良い化粧パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、角部を有する心材であって、硬質の材料から成る少なくとも2つの硬質部分と、前記硬質部分間に設けられ前記硬質部分よりも伸縮性の高い材料から成るクッション材部分とを有する心材と、
前記角部に臨んで配置される折曲部を有し、前記心材に接合される化粧板とを含むことを特徴とする化粧パネルである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、心材は硬質部分間に硬質部分よりも伸縮性の高い材料から成るクッション材部分を有するので、伸縮することができる。これによって、心材と化粧板との間に寸法誤差があっても、心材の伸縮によって、心材と化粧板との間の該寸法誤差を許容することができる。
【0012】
したがって、心材と化粧板との間の寸法誤差による歩留まりの低下を抑制することができ、生産効率の良い化粧パネルを実現することができる。
【0013】
また本発明によれば、化粧板は、前記折曲部が形成される面とは反対側の表面に、合成樹脂製の化粧シートが接着されるので、化粧パネルの美観を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の一形態に係る化粧パネル1を示す断面図である。
【図2】化粧パネル1を模式的に示す斜視図である。
【図3】化粧パネル1の分解斜視図である。
【図4】副心材11の製造手順を示す図である。図4(a)は、副心材11の原板にクッション材12が積層される状態を示す図であり、図4(b)は、副心材11の原板を裁断する状態を示す図である。
【図5】化粧パネル1Aを示す断面図である。
【図6】化粧パネル1Bを示す断面図である。
【図7】化粧パネル1Cを示す断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る化粧パネル30の心材40を示す平面図である。
【図9】化粧パネル30の断面図である。
【図10】従来技術に係る化粧パネル100の断面構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の実施の一形態に係る化粧パネル1を示す断面図であり、図2は、化粧パネル1を模式的に示す斜視図であり、図3は、化粧パネル1の分解斜視図である。
【0016】
化粧パネル1は、心材2と、化粧板3とを含んで構成される。心材2は、長手方向に垂直な断面が略矩形状に形成される心材本体10と、心材本体10に沿って設けられ、長手方向に垂直な断面が略凹状の副心材11と、心材本体10と副心材11との間に設けられるクッション材12とを含んで構成される。
【0017】
心材本体10は、ランバーコア合板、ラワン合板、針葉樹合板、平行合板などの各種合板、集成材、単板積層材(Laminated Veneer Lumber 略称:LVL)およびパーティクルボードなどによって実現される木質材である。本実施形態では、心材本体10は合板によって実現される。心材本体10の一表面部には、長手方向に延びる凹溝13が形成される。
【0018】
副心材11は、ランバーコア合板、ラワン合板、針葉樹合板、平行合板などの各種合板、集成材、LVLおよびパーティクルボードなどによって実現される木質材である。本実施形態では、副心材11は合板によって実現される。副心材11の一表面部には、長手方向に延びる凹溝14が形成される。
【0019】
クッション材12は、板状に形成される。図3に示すように、クッション材12は心材本体10と副心材11との間に設けられる。クッション材12は、心材本体10および副心材11よりも伸縮性の高い材料、たとえば発泡ウレタン、発泡ポリエチレン、または発泡ポリエチレン酢酸ビニルなどによって形成される。本実施形態では、クッション材12は、発泡倍率5倍〜20倍の板状の発泡ポリエチレンによって実現される。
【0020】
化粧板3は、心材2の一表面および他表面側の側縁部に接着される第1化粧板15と、心材2の前記他表面の残余の部分に接着される第2化粧板16とから構成される。第1および第2化粧板15,16は板状に形成され、合板、MDFなどによって実現される木質材である。本実施形態では、第1および第2化粧板15,16はMDFによって実現される。
【0021】
第1化粧板15には、V字状の折曲溝部20a,20b,20c,20d,20e,20f,20g,20hが形成される。第1化粧板15の折曲溝部20a〜20hが形成される一表面部とは反対側の裏面部には、合成樹脂製の化粧シート23が貼着される。
【0022】
化粧シート23としては、紙製の化粧シート、合成樹脂製の化粧シート、薄単板、およびシート状のMDFなどを用いることができる。また化粧シート23と第1および第2化粧板15,16との間に樹脂フィルムを介在させてもよい。これによって、化粧板3を折り曲げることにより、化粧シート23に割れが生じることを抑制することができる。
【0023】
第2化粧板16には、V字状の折曲溝部21a,21b,21cが形成される。第2化粧板16の折曲溝部21a〜21cが形成される一表面部とは反対側の裏面部には、第1化粧板15と同様に、合成樹脂製の化粧シート23が貼着される。
【0024】
凹溝13の溝幅は、第1化粧板15の厚み寸法に、第2化粧板16の厚み寸法を加えた値よりも僅かに大きい値に選ばれる。凹溝13の溝深さは、第1化粧板15の折曲溝部20aから先端部までの長さ以上の値に選ばれる。また凹溝14の溝幅および溝深さは、凹溝13と同一の値に選ばれる。
【0025】
図4は、副心材11の製造手順を示す図である。図4(a)は、副心材11の原板にクッション材12が積層される状態を示す図であり、図4(b)は、副心材11の原板を裁断する状態を示す図である。本実施形態では、心材2は合板によって実現されるので、以下においては心材2を合板によって製造する手順について説明する。
【0026】
先ず、予め定める心材本体10の幅寸法を満たすように、複数の合板10aを積層して、各合板10a同士を木工用接着剤で固着して心材本体10の原板を作製する。そして、当該原板を予め定める幅寸法で裁断して、心材本体10を作製する。
【0027】
次に、副心材11であるが、図4(a)に示すように、心材本体10と同様に、複数の合板10aを積層して、各合板10a同士を木工用接着剤で固着して副心材11の積層体部分を作製する。そして、前記積層体部分上にクッション材12の原板を積層して固着することにより副心材11の原板を作製する。最後に、前記副心材11の原板を予め定める厚み寸法で裁断して、副心材11を作製する。
【0028】
このように、心材本体10と副心材11とを別々に作製し、作製した心材本体10と副心材11とを組み合わせて心材2が作製される。
【0029】
再び図1および図3を参照して、化粧パネル1の製造方法について説明する。第1化粧板15を各折曲溝部20a〜20hが上面となるように設置し、各折曲溝部20a〜20hおよび平坦部分にロールコータ機によって木工用接着剤を塗布する。
【0030】
この状態で、心材2の凹溝13が形成される面(以下、「一方表面」という。)とは反対側の面(以下、「他方表面」という。)を、折曲溝部20eと折曲溝部20fとの間の平坦部分と対向するように配置し、前記他方表面と前記平坦部分とを接着する。
【0031】
次に、各折曲溝部20a〜20hを形成する傾斜面同士をそれぞれ接着して、第1化粧板15を折り曲げていく。そして、第1化粧板15の一方端部を凹溝13の内部に差込み、他方端部を凹溝14の内部に差込んで、両端部の平坦部分と凹溝13,14の側壁とを接着する。
【0032】
次に、第2化粧板16の平坦部分に第1化粧板15と同様にして木工用接着剤を塗布する。
【0033】
次に、各折曲溝部21a〜21cを形成する傾斜面同士をそれぞれ接着して、第2化粧板16を略凹状に折曲げる。そして、心材2の一方表面と折曲溝部21bと21cとの間の平坦部分とを対向するように配置して、前記一方表面と前記平坦部分とを接合し、第2化粧板16の一端部を凹溝13の内部に差込むとともに、他端部を凹溝14の内部に差込み、第2化粧板16の両端部の平坦部分と凹溝13,14の側壁とを接合する。
【0034】
この状態で、第2化粧板16の他表面部側(図1において上側)から重錘などの押圧手段によって第2化粧板16の一表面部側に向けて押圧力を付与し、第1および第2化粧板15,15の長手方向両端部を凹溝13,14の内部に確実に差込む。
【0035】
このように第1化粧板15の各折曲溝部20a〜20h、および第2化粧板16の各折曲溝部21a〜21cを折り曲げて接着することによって、心材2の角部に臨んで配置される第1および第2化粧板15,16に折曲部が形成される。また第1および第2化粧板15,16の幅方向両端部である側縁部は、後述する差込部として用いられる。このようにして化粧パネル1が完成する。
【0036】
本実施形態によれば、化粧パネル1の心材2はクッション材12を含んで構成されるので、心材2の幅方向寸法が、第1化粧板15の折曲溝部20eと折曲溝部20fとの間の平坦部分の幅方向寸法よりも大きい場合、心材2は、クッション材12が圧縮されて幅方向一方(図1において矢符A1で示す方向)に伸縮し、心材2と第1化粧板15との間の寸法誤差を許容することができる。
【0037】
したがって、心材2と化粧板3との間の寸法誤差による歩留まりの低下を抑制することができ、生産効率の良い化粧パネル1を実現することができる。
【0038】
また心材2は、クッション材12の復元力によって幅方向他方(図1において矢符A2で示す方向)に伸長し、側面部が第1化粧板15に当接した状態で、外方に向けて押圧力を付与することができる。
【0039】
これによって、心材2の側部と化粧板3、および、第1化粧板15の各差込部と凹溝13,14の側壁とを確実に当接させることができるので、化粧パネル1の製造工程において、心材2の側部と化粧板3とを接着させるために、化粧パネル1の側部側から心材2側へ押圧力を付与する側部側の押圧手段を用いることなく、化粧パネル1を製造することができる。
【0040】
また心材2の凹溝13,14の内部に第1および第2化粧板15,16の各差込部を差し込むことによって、第1および第2化粧板15,16は、心材2に強固に嵌合するので、木工用接着剤が固化するまで、継続して化粧パネル1の表面部側から心材2側へ押圧力を付与する必要がない。したがって、化粧パネル1の製造に要する時間を短縮することができ、化粧パネル1の製造効率を向上することができる。
【0041】
また本実施形態によれば、心材2は伸縮することができるので、心材2の寸法精度が低くても、心材2に凹溝13,14を形成し、凹溝13,14内に第1および第2化粧板15,16の各差込部を差込んで、心材2に化粧板3を嵌合させる構造(以下、「嵌合構造」という。)を化粧パネル1に採用することができる。
【0042】
このような嵌合構造を採用することができるので、第1化粧板15に貼付される化粧シート23の材質および/または色彩と、第2化粧板16に貼付される化粧シート23の材質および/または色彩とを、異なるものとした化粧パネル1を、第1化粧板15と第2化粧板16との間に隙間を発生させることなく、実現することができる。
【0043】
また本実施形態によれば、心材2は伸縮することができ、化粧板3は嵌合構造を用いて心材2に設けられる。これによって、化粧パネル1の心材2が湿度の変化によって膨張あるいは収縮しても、この変化をクッション材12の伸縮によって許容することができる。したがって、化粧パネル1に反りが発生することを防ぐことができる。
【0044】
また本実施形態によれば、第1および第2化粧板15,16の幅方向両側部である差込部が、凹溝13,14に差し込まれて接着されるので、各差込部は、心材2の長手方向に沿って延びるリブ状の補強材としての機能を発揮することができる。
【0045】
このような差込部によって、化粧パネル1は、その長手方向をスパンとする梁としたときの曲げ剛性を向上することができる。
【0046】
化粧パネル1の変形例について説明する。図5は、化粧パネル1Aを示す断面図であり、図6は化粧パネル1Bを示す断面図である。なお、前述の実施形態と対応する部分には同一の参照符を付し、説明は省略する。
【0047】
化粧パネル1では、心材本体10と副心材11とは同一の材料で構成されていたがこれに限られるものではない。化粧パネル1Aは、心材本体10は合板の積層体から成り、副心材11Aは、板状のMDFによって構成される。
【0048】
また化粧パネル1Bでは、心材本体10は合板の積層体から成り、副心材11Bは、パーチクルボードによって構成される。
【0049】
このように、心材本体10を構成する材料と副心材11を構成する材料とを異なる材料にすることによって、化粧パネル1のヒンジ部材や取手部材が取付けられる部分である側部の強度を向上することができる。
【0050】
また心材本体10を構成する材料と副心材11を構成する材料とを異なる材料にすることによって、化粧パネル1の製造コストを低減することができる。
【0051】
化粧パネル1の更なる変形例について説明する。図7は、化粧パネル1Cを示す断面図である。
【0052】
化粧パネル1では、クッション材12は1つであったが、これに限られるものではない。化粧パネル1Cの心材本体10Cには、さらにクッション材12aが設けられる。この場合、クッション材12aは、心材本体10Cの原板作製時に積層しておけばよい。これによって、幅方向両端部において、心材2は伸縮することができるので、心材2と第1化粧板15との間の寸法誤差を滑らかに埋めることができる。
【0053】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る化粧パネル30の心材40を示す平面図であり、図9は、化粧パネル30の断面図である。化粧パネル1と化粧パネル30とは、心材の構成において相違し、他の部分は共通するので、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0054】
化粧パネル30は、互いに間隔をあけて平行に延びる一対の縦枠部材31a,31bと、縦枠部材31a,31b間に設けられる横枠部材32a,32b,32c,32d,32e,32f,32g,32h,32iと、縦枠部材31a,31b間に設けられ縦枠部材31a,31bと平行に延びる補強部材33と、縦枠部材31bと補強部材33との間に設けられるクッション材34とを含んで構成される。
【0055】
縦枠部材31aは、断面が略凹状の長尺材であり、合板、LVL、MDF、パーチクルボードなどの木質材料によって構成される。本実施形態では、縦枠部材31aはパーチクルボードによって実現される。縦枠部材31aの一表面部には、長手方向に延びる凹溝35が形成される。
【0056】
縦枠部材31bは、断面が略凹状の長尺材であり、合板、LVL、MDF、パーチクルボードなどの木質材料によって構成される。本実施形態では、縦枠部材31bはパーチクルボードによって実現される。縦枠部材31bの一表面部には、長手方向に延びる凹溝36が形成される。縦枠部材31bは、縦枠部材31aと同一の部材を用いればよい。
【0057】
横枠部材32a〜32iは、断面が矩形状の板状部材である。横枠部材32a〜32iは、合板、LVL、MDF、パーチクルボードなどの木質材料によって構成される。本実施形態では、横枠部材32a〜32iはパーチクルボードによって実現される。
【0058】
横枠部材32a〜32iは、縦枠部材31aと縦枠部材31bとの間に、その長手方向が縦枠部材31a,31bの長手方向に垂直な方向となるように設けられる。横枠部材32a〜32iの長手方向の寸法はいずれも等しい。横枠部材32a〜32iは、長手方向一方側の端面が縦枠部材31aの側面に当接して設けられ、タッカ41によって縦枠部材31aに固定される。
【0059】
補強部材33は、板状の長尺材であり、合板、LVL、MDF、パーチクルボードなどの木質材料によって構成される。本実施形態では、補強部材33はパーチクルボードによって実現される。補強部材33は、縦枠部材31bに沿って設けられる。補強部材33は、一方側面が各横枠部材32a〜32iの他方側の端面に当接して設けられ、タッカ41によって各横枠部材32a〜32iに固定される。
【0060】
クッション材34は、板状に形成される。図8に示すように、クッション材34は縦枠部材31bと補強部材33との間に設けられる。クッション材34は、縦枠部材31a,31bおよび補強部材33よりも伸縮性の高い材料、たとえば発泡ウレタン、発泡ポリエチレン、または発泡ポリエチレン酢酸ビニルなどによって形成される。本実施形態では、クッション材34は、板状の発泡ポリエチレンによって実現される。
【0061】
クッション材34は、一方表面が補強部材33の側面に接着され、他方表面が縦枠部材31bの側面に接着される。このようにして、補強部材33と縦枠部材31bとの間にクッション材34が設けられる。またクッション材34は、板状のクッション材を分割した分割片によって実現されてもよい。この場合、クッション材34は、縦枠部材31bの側面部に長手方向に関して間隔をあけて貼付すればよい。
【0062】
心材40には、化粧パネル1と同様に、第1および第2化粧板15,16が接着される。このようにして、化粧パネル30が形成される。
【0063】
本実施形態によれば、心材40は、縦枠部材31a,31bと、横枠部材32a〜32iと、補強部材33と、クッション材34とを枠組みした構成からなり、補強部材33と、縦枠部材31bとの間には、クッション材34が設けられる。
【0064】
このような構成を採用することによって、心材40の寸法形状と化粧板3との間に寸法誤差があっても、心材40が伸縮することによって、該寸法誤差を埋めることができる。したがって、心材40と化粧板3との間の寸法誤差による歩留まりの低下を抑制することができ、生産効率の良い化粧パネル30を実現することができる。その他、化粧パネル1と同じ効果を発揮することができる。
【0065】
また本実施形態によれば、心材40の縦枠部材31a,31bには、同一の部材を用いることができるので、心材40の構成が複雑化することはない。
【0066】
また心材40は、各縦枠部材31a,31b、複数の横枠部材32a〜32iおよび補強部材33を枠組みしてなる、いわゆるフラッシュ構造によって実現されるので、心材2と比較して心材に要する材料コストを低減することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 化粧パネル
2 心材
3 化粧板
10 心材本体
11 副心材
12 クッション材
13 凹溝
14 凹溝
15 第1化粧板
16 第2化粧板
20 折曲溝部
21 折曲溝部
23 化粧シート
30 化粧パネル
34 クッション材
40 心材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角部を有する心材であって、硬質の材料から成る少なくとも2つの硬質部分と、前記硬質部分間に設けられ前記硬質部分よりも伸縮性の高い材料から成るクッション材部分とを有する心材と、
前記角部に臨んで配置される折曲部を有し、前記心材に接合される化粧板とを含むことを特徴とする化粧パネル。
【請求項2】
前記化粧板は、前記折曲部を有する面とは反対側の表面に、合成樹脂製の化粧シートが接着されることを特徴とする請求項1記載の化粧パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−162040(P2012−162040A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25495(P2011−25495)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(390005418)株式会社クトクコーポレーション (2)
【Fターム(参考)】