説明

化粧品組成物における植物抽出物の使用

【課題】皮下脂肪の減少を伴うエイジングの徴候例えば顔面の脂肪の減少および皮膚のたるみを治療、予防、縮小、阻害および/または改善する組成物の安全、有効かつ新しい成分を含む組成物の提供。
【解決手段】脂質の生成、アジポネクチンの生成、脂肪細胞の分化、PPAR−ガンマの誘導、および/またはこれらの任意の組み合わせを刺激するのに十分な化粧品上、皮膚科学上または製薬上有効な量の少なくとも1つの植物抽出物、並びに化粧品上、皮膚科学上または製薬上許容できる媒体からなる局所組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔面および身体用の化粧品における天然の植物材料またはそれらから由来する抽出物の新規な使用に関する。さらに特に、本発明は、皮膚における脂質の生成(「脂質生成」)を刺激する天然の植物材料または抽出物を有する局所組成物の使用に関する。これらの組成物は、皮下脂肪の減少そして特に顔面の脂肪の減少、皮膚のたるみ、しわ、ドライスキンなどの治療および予防に特に適している。本発明は、さらに、活性成分が目的領域により容易に浸透しそして皮膚科学的エイジングの徴候を治療(予防、減少、改善および/または排除を含む)させ、さらに皮膚の審美的外観を改善させるようにこれらの組成物を伝達する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の外観を向上させる化粧品の需要は、増加し続けている。消費者は、暦年齢またはホルモンにより年をとる皮膚の徴候を小さくするかまたは遅らせることに興味があり、さらに現在利用できる、コストが高く、しかもときにはリスクのある医学的な方法に代わるものを求めている。皮膚科学的なエイジングにより生ずる種々の変化のなかで、皮膚の脂肪が次第に減少することがある。脂肪の減少そして特に顔面の脂肪は、種々の望ましくない症状または徴候を生じ、それらは、例えば、皮膚のたるみ、彫りの深いしわ、ドライスキン、皮膚の色調、硬さまたは柔らかさの欠乏および薄くなった皮膚を含む。新規な材料による脂肪の生成の刺激が、これらの問題を解決する化粧品の望ましい利点である。
【0003】
植物および植物の種子から由来する活性成分は、通常、膨大な医学上、治療上および化粧品上の目的で局所組成物に使用されている。これらの活性成分は、植物の種々の部分例えば種子、針状葉、葉、根、樹皮、球果、茎、根茎、カルス細胞、プロトプラスト、器官および器官系並びに分裂組織から得ることができる。活性成分は、種々の形でこれら組成物中に配合される。これらの形は、精製または半精製の成分、固体または液体の抽出物、或いは誘導体、或いは固体の植物材料を含む。植物材料は、組成物中への配合のために、切り刻まれ、砕かれ、粉砕されまたはそれ以外に物理的に改変される。脂質形成を刺激するためのこれらの材料の機能的な使用は、化粧品業界にとり新規かつ有用である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
皮下脂肪の減少を伴うエイジングの徴候を治療、予防、縮小、阻害および/または改善する組成物の安全、有効かつ新しい成分は、皮膚のための治療の処方および製品にとり有用であろう。本明細書で記述するとき、顔面の脂肪の減少および皮膚のたるみなどの治療のためそして皮膚のパーソナルケア製品のための新規かつ有用な方法および組成物並びにそれらの作用の態様は、本発明により提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、皮膚の皮膚科学的エイジング特に皮下脂肪の減少に伴うエイジングの徴候および結果を、予防を含む治療、縮小、改善および/または排除するのに有効でありさらに皮膚の審美的外観を改善するのに有効なことが新しく分かった、植物材料またはそれから由来する抽出物を含む組成物および方法を提供する。
【0006】
少なくとも1つの植物、または植物のブレンドからの1つの抽出物、または複数の抽出物好ましくは1つの天然の植物抽出物を有する局所組成物を提供するのが本発明の1つの側面である。特に、本発明は、以下の植物、すなわちリナカンサス・ナスタス、フムラス・スカンデンス、セスバニア・グランジフロラ、アモルフォファラス・キャンパヌラツ、ポウゾルジア・ペンタンドラおよびパイパー・ベテルの少なくとも1つから由来する抽出物に関する。これらの植物材料は、皮膚の脂質生成を刺激することにより、皮下脂肪の減少、および皮膚科学的エイジングの他の徴候の治療を提供することが新しく分かった。
【0007】
化粧品上または皮膚科学上許容できる媒体中で脂質生成を刺激する植物由来の活性成分または植物由来の成分のブレンドを有する局所組成物を提供するのが本発明の他の側面である。
【0008】
有効なレベルの化粧品上、皮膚科学上または製薬上活性な成分とともに、植物由来の活性成分または植物由来の活性成分のブレンドを伝達する局所組成物を提供するのが本発明のなお他の側面である。
【0009】
皮下脂肪の減少に関係する徴候を治療する局所組成物も提供される。これらの組成物は、脂質生成、アジポネクチン生成、脂肪細胞分化、および/またはPPAR−ガンマ誘導、および/またはこれらの任意の組み合わせを刺激するのに十分な化粧品上、皮膚科学上または製薬上有効な量の少なくとも1つの植物材料、またはそれらから由来する抽出物、並びに化粧品上、皮膚科学上または製薬上許容できる媒体を有する。
【0010】
これらの組成物を局所的に付与する方法を提供するのが本発明のさらなる側面である。
皮膚へ本発明の組成物を局所的に付与することにより、エイジングの作用を治療しそして皮膚の脂質生成を刺激することを含む皮膚の外観を改善する方法を提供するのが、本発明の他の側面である。
【0011】
本明細書で使用されるとき、用語「治療する」および「治療」は、エイジング特に皮下脂肪の減少さらに特に顔面の脂肪の減少および皮膚のたるみなどの皮膚科学的作用を予防、縮小、改善、改良、軽減および/または排除することを含みかつ包含する。本発明の組成物および方法は、また、顔面、前頭、唇、頚、腕、手、脚、膝、足、胸、背中、腿、臀などを含むがこれらに限定されない身体の多数の部分で皮膚の皮膚科学的症状を前記のように治療するのに使用して好適である。好ましい態様では、組成物は顔面に付与される。
【0012】
本発明の組成物は、皮下脂肪の減少、顔面脂肪の減少、皮膚のたるみ、しわ、ドライスキン、皮膚の色調、硬さまたは柔軟性の欠乏および/または薄くなった皮膚を含むがこれらに限定されない症状または徴候を軽減する。
【0013】
本発明によれば、抽出物は、局所に付与されるサンスクリーン、抗酸化剤、抗炎症剤、化粧品(メーキャップを含む)、抗エイジング処方例えば細かいすじおよび/またはしわに対するクリーム、局所剤(topical)、皮膚浸透剤などを含むがこれらに限定されない組成物を含む。また、本発明によれば、種々の製品の形態例えばパッチのような経皮剤などにこれらの組成物中に処方される成分または化合物は、特に局所投与について包含される。
【0014】
本発明の他の側面は、顕著な刺激を誘導することなく、好ましくは局所投与のための抽出物を含む組成物を提供する。さらに、これらの組成物は、好ましくは、例えばリポソーム、ミクロスフェアー、経皮パッチなどのような目標伝達システムの使用(これらに限定されない)により、伝達されて、活性成分は、付与の領域の皮膚層、例えば顔面または頚または皮膚の皮下層(脂肪細胞が位置する)に一層容易に浸透できる。リポソーム処方を含む植物成分を含む組成物は、好ましくは、局所的に投与される。
【0015】
本発明の他の側面は、皮膚の皮下脂肪の減少を縮小、予防、治療または改善する方法を提供し、それは、脂質生成を刺激するのに有効な量で抽出物を含む組成物を皮膚に付与し、それにより皮下脂肪の減少を治療、予防、縮小、改善または排除することを含む。
本発明のさらなる側面、特徴および利点は、本発明の詳細な記述を読むことにより、一層理解されるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、暦年齢および/またはホルモンによるエイジングおよび/または光エイジングによる皮膚の皮膚科学的エイジングに関連する徴候および結果を治療(予防を含む)、減少、改善、阻止、軽減および/または排除し、および/または皮膚の審美的外観を改善するのに有効なことが新しく分かった成分を含む新規な組成物および方法を提供する。
【0017】
さらに詳細に、本発明の天然の植物材料またはそれらから由来する抽出物(また本明細書において、成分、構成成分、活性剤、試薬、物質または化合物ともよばれる)は、以下の植物の少なくとも1つから得られる。リナカンサス・ナスタス、フムラス・スカンデンス、セスバニア・グランジフロラ、アモルフォファラス・キャンパヌラツ、ポウゾルジア・ペンタンドラおよびパイパー・ベテル。これらの植物材料は、皮膚における脂質の生成を刺激することにより、脂質特に皮下脂肪の減少および皮膚科学的エイジングの他の徴候のための治療を提供することが新しく分かった。これらの植物材料は、治療のために、組成物および方法における有効な剤であることが新しく決定された。
【0018】
新規な材料による脂質の生成の刺激は、顔面の脂肪の減少、皮膚のたるみ、ドライスキン、しわなどのような問題を解決するために、化粧品において望ましい利点である。脂肪の生成は、脂質生成(または脂質合成)として知られている方法により刺激される。脂質生成を刺激するこれらの材料の機能的使用は、化粧品業界にとり新規かつ有用である。
【0019】
本発明によれば、そして理論により束縛されるのを望まないが、本発明の抽出物は、脂質生成および脂肪細胞の成熟に関連する化学的経路を好ましくは刺激することによって、それらの有効性を働かせる。さらに詳細には、抽出物は、正常のヒトの脂肪細胞における脂質生成(例えば全トリグリセリド生成)を刺激し、アジポネクチンの生成を増大させ、脂肪細胞の分化および成熟を誘導し、そして脂肪細胞における分化およびエネルギー貯蔵の原因であるPPAR−ガンマ遺伝子を活性化する(実施例2参照)。これらの経路を刺激する結果は、脂質特に皮下脂肪の生成であり、それにより脂肪の減少のエイジング効果特に顔面の脂肪の減少、皮膚のたるみなどを治療する。
【0020】
本発明は、その最も広い意味で、脂質の生成、アジポネクチンの生成、脂肪細胞の分化および/またはPPAR−ガンマ誘導を刺激して皮膚の脂肪の減少により生ずるすべての可視または自覚的な作用を軽減または治療する任意の好都合な植物抽出物または成分のすべての局所的な化粧品、皮膚科学または製薬組成物における使用を包含する。
【0021】
本発明は、また、エイジングの作用を軽減または治療することを含む、皮膚の審美的な外観を改善する組成物を提供する。これらの利点は、以下の1つ以上により明らかになる。皮膚の色調、輝き、清澄さおよび/または張りの改善;皮膚の堅固さ、ふくらみ、しなやかさおよび/または柔らかさの改善;皮膚のテキスチャーおよび/または皮膚のテキスチャーの回復の促進の改善;皮膚の輪郭の外観、へこんだ頬、くぼんだ眼、皮膚のつやおよび/または輝きの保存の改善;エイジングおよび/または閉経により低下した皮膚の必須栄養素および/または成分の補充;細胞の増殖および/または繁殖の増加;エイジングおよび/または閉経により低下した細胞の代謝の増大;皮膚のモイスチャリゼーションの改善;皮膚の厚さの増加;皮膚の感受性の低下;および皮膚の弾性および/または回復力の拡大。皮下脂肪の量を増やすことにより、抽出物は、また、エイジングから生ずる審美的に喜ばしくないしわ、眉間のしわ、細かいすじ、ひだ、深いしわまたは首筋のしわなどを治療、予防、減少、軽減および/または排除することができる。
【0022】
本発明の目的のために、天然の植物抽出物は、水性の抽出物、溶媒に基づく抽出物、乾燥した抽出物またはこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の形状である。
【0023】
好ましい態様では、本発明組成物は、好ましくは、組成物の全重量に基づいて、約0.0001−約50重量%、好ましくは約0.001−約20重量%、より好ましくは0.01−約2重量%そして一層好ましくは約0.05−1重量%の濃度の植物抽出物を有する。当業者は、望ましい特定の応用または効果に基づいて使用される抽出物の量を調節することができるだろう。
【0024】
他の態様では、植物抽出物は、本発明で使用されるとき、また、「合成」抽出物、すなわち天然起源の植物抽出物の組成および/または活性を実質的に真似るように組み合わされる周知の植物成分および/または構成成分の種々の組み合わせを含む。これらの合成抽出物は、用語「植物抽出物」に含まれる。合成抽出物は、植物に共通な2つ以上、3つ以上または4つ以上の活性成分を有するだろう。最も好ましくは、合成抽出物は、天然の抽出物と同じ数の活性成分を実質的に有するだろう。合成抽出物と植物または天然の抽出物との間の活性成分の対応を数字で示したものを、「共通性%」という表現で記載することもできる。好ましくは、合成抽出物は、植物または天然の抽出物の化学成分の約50%以上の共通性を有する。換言すれば、合成抽出物は、植物または天然の抽出物に見いだされる活性成分の約50%以上を有する。さらに好ましくは、合成抽出物の化学的組成は、植物または天然の抽出物の化学的組成に対して約70%以上の共通性を有する。好適には、合成抽出物は、植物または天然の抽出物の化学的組成に対して約90%以上の共通性を有する。比較のための植物または天然の抽出物は、最も好ましくは、以下の植物の少なくとも1つから由来する。リナカンサス・ナスタス、フムラス・スカンデンス、セスバニア・グランジフロラ、アモルフォファラス・キャンパヌラツ、ポウゾルジア・ペンタンドラおよびパイパー・ベテル。
【0025】
本発明の組成物に使用されるには、植物または成分および/または活性構成成分は、好ましくは、植物から直接由来する。成分は、精製された形、半精製の形または未精製の形である。好ましい態様では、成分は、有機溶媒抽出により得られた抽出物の形である(実施例1)。
【0026】
簡単には、有機溶媒抽出法は、有機溶媒を使用して植物材料を洗いそして抽出することを含む。有機溶媒の例は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジクロロメタン、クロロホルム、ヘキサン、キシレンおよび石油エーテルを含むが、これらに限定されない。抽出機械は、当業者に周知である有機溶媒抽出に使用できる。
【0027】
有機溶媒抽出は、望ましい構成成分を含む植物からの原料、例えば種子、針状葉、葉、根、樹皮、球果、茎、根茎、カルス細胞、プロトプラスト、器官および器官系および分裂組織を集めることを含む。これらの植物材料は、小さい粒子サイズに砕かれ、次に測定可能な装入機械により原料用の入口を通って抽出機械に入る。植物の原料は、推進器により抽出機械中に押し込められそして徐々に植物原料を前方に移動する。有機溶媒(例えばエタノール)は、廃物放出出口の頂部で溶媒入口を通って機械に添加される。重力および平衡の差によって、原料の入口に向かって流れ、材料を浸漬しそして溶媒入口の反対の側から流れ出る。植物材料および溶媒はそれぞれ反対の方向に流れるので、植物材料は、低濃度の抽出物を含む溶液と常に浸漬される。平衡の結果として、高収量の植物構成成分が、低濃度の溶液に対して植物材料を連続的に抽出することにより達成される。
【0028】
植物構成成分を除くように適合された抽出時間は、典型的に約1−8時間、より好ましくは約2−6時間、そして最も好ましくは約3−5時間が好適である。抽出の温度は、約30−90℃、好ましくは約40−70℃、そして一層好ましくは約50−60℃である。採集された抽出物は、次に、濾過されて屑を除きそして直接使用されるかまたは濃縮(例えば、溶媒を蒸留することによりまたは他の従来の処理により)され、そして抽出物はまた粉末の形で提供できる。
【0029】
同様に、水・有機溶媒抽出は、最初に、望ましいアルカロイドの1つ以上を含む植物からの原料、例えば植物の種子、針状葉、葉、根、樹皮、球果、茎、根茎、カルス細胞、プロトプラスト、器官および器官系および分裂組織(小さい粒子サイズに砕かれた)を集めることを含む。砕かれた植物材料は、酸性またはアルカリ性(塩基性)の条件下で望ましい抽出物の溶解度および安定性に応じて酸性またはアルカリ性の水溶液で浸漬される。酸性の条件下の抽出では、酸例えば塩酸または硫酸が、例えば約3%(w/v)の濃度で、水に添加される。アルカリ性条件下の抽出では、アルカリ例えば水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムが水に添加される。抽出時間および抽出の温度は、典型的に、上記の有機溶媒抽出法で使用されたのと同じである。
【0030】
抽出物は、次に集められそして濾過されて屑を除く。アルカリ性剤(例えばアンモニア)または酸性剤(例えば硫酸)を抽出物に加えて、集められた抽出物の酸性またはアルカリ性に応じてpHを調節することによって溶液を中和する。水性抽出物は、直接使用されるか、濃縮されるかまたは乾燥される。別の方法として、有機溶媒は、次に中和された溶液に加えて、水性相から有機相に抽出活性分を移動させる。これら有機溶媒の例は、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールおよびキシレンを含むが、これらに限定されない。有機溶媒中に溶解した移動した抽出活性分を含む抽出物は、直接使用されるか、濃縮物として使用されるか、または乾燥される。
【0031】
異なる構成成分を含む異なる植物は、混合されそしてともに抽出される。混合した抽出のこの方法は、好ましくは、エタノールのような抽出に使用される溶媒中で同様な溶解度を有する構成成分を含むこれらの植物を抽出するのに使用できる。抽出物の混合物は、濃縮されそして適切な溶媒中に貯蔵される。
【0032】
本発明によれば、植物からの成分は、局所的に適用される処方、抗酸化剤、抗炎症剤、サンスクリーン、化粧品(メーキャップを含む)、抗エイジング処方例えば細かいすじおよび/またはしわのためのクリーム、局所剤、皮膚浸透増加剤、スプレーなどを含むがこれらに限定されない組成物を含む。また、本発明によれば、これら組成物を含む植物の成分および追加の成分は、いろいろな製品の形態で処方できる。好ましくは、組成物は、特に局所投与のための目標伝達システム例えばクリーム、ローション、ゲル、美容液、経皮パッチなどの形で製造される。目標伝達および/または浸透増加は、また、イオン導入によって達成できる。
【0033】
本発明は、さらに、顕著な刺激を誘導させることなく、好ましくは局所投与または目標伝達のための植物成分を含む組成物を提供する。従って、本発明の組成物は、特に鋭敏な皮膚に好適である。組成物は、皮膚の審美的な外観を改善するのに十分な時間皮膚に付与される。組成物は、好ましくは、局所的に1日あたり1回、2回またはそれ以上、好ましくは1日1回付与される。毎日の付与は、好ましくは、1週間、2週間、4週間またはそれ以上である。組成物は、他の添加物または物質を含む、および/または投与後部位に一層特定して到達または維持されるように改変できるリポソーム中に処方できる。
【0034】
本発明は、ユーザーにほとんど有害な生理学的作用なしに、ヒトの組織を含む生きた動物の組織と接触するのに好適な化粧品上または皮膚科学上許容できる処方を含む組成物を包含する。本発明により含まれる組成物は、任意の化粧品および/または皮膚科学的に好適な形好ましくはローションまたはクリームで提供できるばかりか、無水または水性のベースおよびスプレー可能な形で提供される。本発明の組成物のための他の好適な化粧品の形は、例えば、エマルション、リップバーム、リップグロス、ローション、マスク、軟膏、ムース、パッチ、ポマード、溶液、スプレー、ワックス性スティックまたは湿ったティッシュペーパーを含む。さらに、本発明に含まれる組成物は、当業者により通常使用されそして知られている1つ以上の共に使用できる化粧品として許容できる助剤、例えば着色剤、香料、エモリエント、湿潤剤、保存料、ビタミン、キレート剤、増粘剤、麻酔剤、抗アレルギー剤、抗かび剤、抗菌剤、他の抗炎症剤、抗酸化剤、防腐剤、色素脱失剤、フィルム形成剤、昆虫忌避剤、製薬剤、光安定剤、サンスクリーン、安定剤、界面活性剤、増粘剤、粘度改変剤など、並びに他の植物例えばアロエ、カモミールなどおよび以下に記述されるものを含むが、これらに限定されない。
【0035】
本発明の局所組成物で使用できる化粧品上または皮膚科学上許容できる媒体は、1つ以上の水性系、グリセリン、C1−4アルコール、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル、脂肪族エステル、ポリオール、グリコール、植物油、鉱油、リポソーム、薄層脂質材料、シリコーン油、水またはこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0036】
本発明では、媒体は、水性相、油相、ゲル、水中ワックスエマルション、水中シリコーンエマルション、シリコーン中水、水中油エマルション、または油中水エマルションの形である。水性相は、室温(25℃)で液体、半固体または固体である1つ以上の水溶性または水分散性の成分の混合物である。媒体は、増粘剤またはゲル化剤を含んでもよい水または水性アルコール媒体中の懸濁物、分散物または溶液の形を含むか、またはこれらの形をとることができる。当業者は、彼らが有する知識に基づいて、適切な製品の形、それらに含まれる成分並びにそれを製造する方法を選ぶことができる。
【0037】
組成物は、水または水と少なくとも1つの親水性有機溶媒例えばアルコール特に2−5炭素原子を含む直鎖または分枝鎖の低級モノアルコール例えばエタノールまたはプロパノール;ポリオール例えばプロピレングリコール、ソルビトール、グリセロール、ジグリセロール、パンテノールまたはポリエチレングリコールおよびこれらの混合物との混合物を含む水性相を含むことができる。この水性相は、組成物の重量の0.5−99.99重量%を占める。
【0038】
本発明の組成物がエマルションの形であるとき、それは、また随意に、好ましくは組成物の重量の0.1−30重量%そして特に1−20重量%の量の界面活性剤を含む。
【0039】
組成物は、また、増粘剤、例えば両性ポリウレタン、ポリアクリルホモポリマーまたはコポリマー、ポリエステルおよび/または炭化水素系樹脂を含むことができる。ポリマーは、化粧品上許容できる媒体に溶解または分散させ、そして随意に可塑剤と組み合わされる。
【0040】
本発明の組成物は、また、室温(25℃)で液体である油溶性または油分散性の成分および/または室温で固体の油状またはワックス状の物質例えばワックス、半固体、ガムおよびこれらの混合物を含む油相を含む。油相は、また有機溶媒を含むことができる。
【0041】
室温で液体でありしばしば油とよばれる好適な油状の材料は、動物起源の炭化水素系油、例えばペルハイドロスクワレン;炭化水素系植物油例えば4−10炭素原子の脂肪酸の液体トリグリセリド例えばヘプタノン酸またはオクタノン酸のトリグリセリド、または油例えばひまわり油、とうもろこし油、大豆油、ブドウ種子油、カスター油、アボカド油、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、ホホバ油;鉱物または合成起源の直鎖または分枝鎖の炭化水素例えば液体パラフィンおよびその誘導体、石油ゼリー;合成エステルおよびエーテル特に脂肪族アルコールのエステルすなわち例えばイソプロピルミリステート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルステアレート、イソステアリルイソステアレート;ヒドロキシル化エステル例えばイソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、オクチルドデシルヒドロキシステアレート、脂肪族アルコールヘプタノエート類、脂肪族アルコールオクタノエート類および脂肪族アルコールデカノエート類;ポリオールエステル例えばプロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、ジエチレングリコールジイソノナノエートおよびペンタエリスリトールエステル;12−26炭素原子を含む脂肪族アルコール例えばオクチルドデカノール、2−ブチロオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール;一部炭化水素系フッ素油および/またはフルオロシリコーン油;シリコーン油例えば室温で液体または半固体である揮発性または非揮発性の直鎖または環状のポリメチルシロキサン(PDMS)例えばシクロメチコーンおよびジメチコーン、随意にフェニル基を含むもの例えばフェニルトリメチコーン、シロキサンおよびこれらの混合物を含む。これらの油は、通常、油相の重量の0−約90重量%好ましくは約1−80重量%の量で存在する。
【0042】
本発明の組成物の油相は、また、1つ以上の化粧品上許容できる有機溶媒を含むことができる。これらの溶媒は、組成物の重量の0−約60重量%、好ましくは約1−30重量%の量で存在し、そして親油性有機溶媒、両性有機溶媒およびこれらの混合物からなる群から選ぶことができる。本発明の組成物で使用できる好適な溶媒は、酢酸エステル例えば酢酸のメチル、エチル、ブチル、アミルまたは2−メトキシエチルエステル;酢酸イソプロピル;炭化水素例えばトルエン、キシレン、p−キシレン、ヘキサンまたはヘプタン;少なくとも3炭素原子を含むエーテルおよびこれらの混合物を含む。
【0043】
本発明の組成物は、さらに、化粧品の分野で従来使用されている任意の成分を含むことができる。これらの成分は、保存剤、水性相増粘剤(多糖類のバイオポリマー、合成ポリマー)および脂肪相増粘剤、香料、親水性および親油性の活性剤、およびこれらの混合物を含む。これらの種々の成分の量は、それらの目的を達成するために化粧品分野で従来使用されているものであり、典型的に、組成物の重量の約0.01−20重量%に及ぶ。これら成分の性質およびそれらの量は、本発明の組成物の生成と相容れるものでなければならない。
【0044】
本発明の組成物は、また、追加の粒子相を含むことができ、それは、典型的に、組成物の重量の0−約30重量%、好ましくは約0.05−20重量%の量で存在し、そして化粧品組成物において使用される顔料および/または真珠光沢剤および/または増量剤を含み得る。好適な無機顔料は、酸化チタン、酸化ジルコニウムおよび酸化セリウム、並びに酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロムおよびフェリックブルーを含む。好適な有機顔料は、バリウム、ストロンチウム、カルシウムおよびアルミニウムのレーキおよびカーボンブラックを含む。好適な真珠光沢剤は、酸化チタン、酸化鉄または天然の顔料により被覆された雲母を含む。増量剤は、通常、組成物の重量の0−約20重量%、好ましくは約0.1−10重量%の量で存在する。好適な増量剤は、タルク、シリカ、ステアリン酸亜鉛、雲母、カオリン、ナイロン(特にORGASOL)粉末、ポリエチレン粉末、テフロン(登録商標)、澱粉、窒化硼素、コポリマーミクロスフェアー例えばExpancel(Nobel Industrie)、Polytrap(Dow Corning)およびシリコーン樹脂ミクロビーズ(東芝からのTospearl)を含む。
【0045】
本発明の組成物の油相は、1つ以上のワックス、ガムまたはこれらの混合物を含む。ワックスは、炭化水素系ワックス、フッ素系ワックスおよび/またはシリコーン系ワックスを含み、そして植物、鉱物、動物および/または合成の起源のものであり得る。特に、ワックスは、25℃より高い好ましくは45℃より高い融点を有する。本発明の組成物は、組成物の重量の0−約20重量%のワックスを含むことができる。ガムは、一般に、高分子量PDMSまたはセルロースガムまたは多糖類であり、そして半固体材料は、一般に炭化水素系化合物例えばラノリンおよびその誘導体であり、その他ではPDMSである。本発明の組成物は、組成物の重量の0−約20重量%、典型的には約0.1−10重量%のガムを含むことができる。
【0046】
本発明の組成物は、皮膚科学的エイジング特に暦年齢、化学線またはホルモンによるエイジングを治療することにより皮膚の審美的外観への改善を生ずる。特に、皮膚の審美的外観への改善は、以下の少なくとも1つを含む。皮膚の色調、輝き、清澄さおよび/または張りの改善;皮膚の堅固さ、ふくらみ、しなやかさおよび/または柔らかさの改善;皮膚のテキスチャーおよび/または皮膚のテキスチャーの回復の促進の改善;皮膚の輪郭の外観、へこんだ頬、くぼんだ眼、皮膚のつやおよび/または輝きの保存の改善;エイジングおよび/または閉経により低下した皮膚の必須栄養素および/または成分の補充;細胞の増殖および/または繁殖の増加;エイジングおよび/または閉経により低下した細胞の代謝の増大;皮膚のモイスチャリゼーションの改善;皮膚の厚さの増加;皮膚の感受性の低下;および皮膚の弾性および/または回復力の拡大。皮下脂肪の量を増やすことにより、本発明の抽出物は、また、エイジングから生ずる審美的に望ましくないしわ、眉間のしわ、へこんだ頬、くぼんだ眼、細かいすじ、ひだ、深いしわまたは首筋のしわなどを治療、予防、減少、軽減および/または排除することができる。
【0047】
また、本発明に含まれるのは、経皮的な様式の伝達、例えば好適な浸透増強剤の有無の下のパッチなどである。本発明により具現される方法および組成物は、その手段により成分が経皮系に有効に投与される手段を提供する。従って、皮膚への組成物または処方(しばしば浸透増強組成物とともに)を伝達する経皮手段は、経皮パッチまたは当分野において周知かつ記述されている同様な道具からなるものである。こうした道具の例は、米国特許5146646、5223262、4820724、4379454および4956171に記載されているが、これらの記述により本発明を制限するものではない。
【0048】
経皮的様式で行われる皮膚上への組成物の貯蔵および伝達並びに活性組成物の形成は、本発明の態様の目的にうまくしかも十分に適している。好ましい方法では、付与は、徐放性媒体を介して行われ、例えば局所的に付与される徐放性のパッチを介して行われる。好ましくは、局所パッチが使用されるとき、パッチは長時間望まれる領域に付与される。好ましくは、その長時間は、1時間より長く、最も好ましくは長時間は1晩すなわちユーザーが睡眠している時間である。
【0049】
本発明の他の特別な態様は、組成物および/または活性構成成分が付与の領域例えば顔面または頚または皮膚の他の領域の皮下層に一層容易に到達し影響を与えるような、目標伝達システム、例えばリポソーム、ミクロスフェアー(例えば米国特許5770222参照)などの使用による本発明の組成物の伝達に関している。
【0050】
他の好ましい態様では、本発明の局所組成物は、また、以下の少なくとも1つを含む。
皮膚浸透増強剤、表面平滑剤、皮膚柔軟剤、光分散剤、サンスクリーン、皮膚剥離促進剤、および抗酸化剤。これらおよび他の好適な化粧品成分に関する詳細は、Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association(CTFA)から発行されているInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,10th Edition(2004)の2177−2299ページに見いだされ、それらはその全部を本明細書において参考文献として引用する。
【0051】
表面平滑剤は、皮膚の滑らかさを増しそして細かいすじおよび粗いしわの外観を減らす機能的な利点をもたらす。その例は、イソプロピルミリステート、ワセリン、イソプロピルラノレート、シリコーン(例えば、メチコーン、ジメチコーン)、またはこれらの任意の混合物を含む。表面平滑剤は、好ましくは、組成物の全重量の約0.1−約50重量%で存在する。
【0052】
皮膚柔軟剤は、皮膚へのコラーゲン増強剤として働く。好適かつ好ましい皮膚柔軟剤の例は、パルミトイルオリゴペプチドである。他の皮膚柔軟剤は、コラーゲンおよび/またはグリコサミノグリカン(GAG)増強剤である。皮膚柔軟剤は、好ましくは、組成物の全重量の約0.1−約20重量%で存在する。
【0053】
光分散剤は、皮膚の表面のオプトメトリックスを変化させる粒子であり、例えばすじおよびしわの肉眼によるぼかしおよび軟らかさを生ずる。本発明で使用できる光分散剤の例は、窒化硼素、雲母、ナイロン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリウレタン粉末、セリサイト、シリカ、シリコーン粉末、タルク、テフロン(登録商標)、二酸化チタン、酸化亜鉛またはこれらの任意の混合物を含むが、これらに限定されない。光分散剤は、好ましくは、組成物の全重量の約0.01−約20重量%で存在する。
【0054】
サンスクリーンは、損傷する紫外線から皮膚を保護する。本発明の態様では、サンスクリーンは、単一のサンスクリーンまたはサンスクリーンの組み合わせの何れかを使用することによりUVAおよびUVBの両者の保護をもたらす。本発明で使用できるサンスクリーンのなかで、アボベンゾン、桂皮酸誘導体(例えばオクチルメトキシシンナメート)、オクチルサリチレート、オキシベンゾン、二酸化チタン、酸化亜鉛またはこれらの任意の混合物がある。サンスクリーンは、組成物の全重量の約1−約30重量%である。サンスクリーンの添加は、包装中の組成物の光劣化を予防/減少させ、そして紫外線照射から皮膚を保護するのに働く。
【0055】
サンスクリーンを有する本発明の組成物は、以下の少なくとも1つを含む皮膚の審美的外観に追加の改善をもたらす。ひどい日焼けの最低、日焼けによる色黒化の最低および赤みの減少。
【0056】
本発明の組成物は、また、1つ以上の剥離促進剤を有することができる。本発明で使用できる剥離促進剤の好適な例は、アルファヒドロキシ酸(AHA);過酸化ベンゾイル;ベータヒドロキシ酸;ケト酸例えばピルビン酸、2−オキソプロパン酸、2−オキソブタン酸および2−オキソペンタン酸;米国特許5847003および5834513(これらの記述は本明細書に参考として引用される)に開示されたオキサ酸;サリチル酸;尿素;またはこれらの任意の混合物を含む。好ましい剥離促進剤は、3,6,9−トリオキサウンデカン二酸、グリコール酸、乳酸またはこれらの任意の混合物である。
【0057】
本発明が剥離促進剤を含むとき、組成物は、組成物の全重量に基づいて、約0.5−30重量%、好ましくは約1−約15重量%、さらに好ましくは約4−約10重量%そして最も好ましくは約4重量%の剥離促進剤を有する。
【0058】
抗酸化剤は、とりわけ、皮膚からフリーラジカルをスカベンジして環境の侵入物から皮膚を保護するように機能する。本発明で使用できる抗酸化剤の例は、フェノール性ヒドロキシ官能基を有する化合物例えばアスコルビン酸およびその誘導体/エステル;ベータカロテン;カテキン;クルクミン;フェルラ酸誘導体(例えばエチルフェルレート、ナトリウムフェルレート);没食子酸誘導体(例えばプロピルガレート);リコペン;レダクチン酸;ローズマリン酸;タンニン酸;テトラヒドロクルクミン;トコフェロールおよびその誘導体;尿酸;またはこれらの任意の混合物を含む。他の好適な抗酸化剤は、還元型または非還元型の何れかで1つ以上のチオール官能基(−SH)を有するもの、例えばグルタチオン、リポ酸、チオグリコール酸および他のスルフヒドリル化合物である。抗酸化剤は、硫黄を含む無機物、例えば重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、亜硫酸塩または他の無機の塩および酸である。本発明の組成物は、抗酸化剤を、好ましくは組成物の全重量の約0.001−約10重量%そしてさらに好ましくは約0.001−約5重量%有する。
【0059】
本発明の組成物は、また、以下の活性剤、成分または助剤の1つ以上を有することができる。麻酔剤、抗アレルギー剤、抗かび剤、防腐剤、キレート剤、着色剤、粘滑剤、エモリエント、乳化剤、香料、湿潤剤、潤滑剤、モイスチャライザー、pH調節剤、顔料変質剤、保存剤、安定剤、界面活性剤、増粘剤、粘度改変剤、ビタミンまたはこれらの任意の混合物。これらの種々の物質の量は、化粧品または製薬業界で従来使用されているものであり、例えば、それらは組成物の全重量の約0.01−20%を構成する。
【0060】
本発明の組成物中に処方される活性剤の例は、上述した天然の植物活性剤に加えてしわおよび/またはすじの治療に有効な試薬、例えばケラチン分解剤すなわち表皮落屑、剥離またはこすり洗い性を有する活性剤、または皮膚の角化した層を柔らかくする活性剤を含むが、これらに限定されない。抗しわまたは抗すじの活性剤の他の例は、ヒドロキシ酸およびレチノイドを含む。これらの剤は、例えば、組成物の全重量に関して約0.0001−5重量%の量で処方される。
【0061】
好適なヒドロキシ酸は、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、2−ヒドロキシアルカン酸、マンデリン酸、サリチル酸およびそのアルキル誘導体(5−n−オクタノイルサリチル酸、5−n−ドデカノイルサリチル酸、5−n−デカノイルサリチル酸、5−n−オクチルサリチル酸、5−n−ヘプチルオキシサリチル酸、4−n−ヘプチルオキシサリチル酸を含む)、2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸またはそのアルコキシ誘導体例えば2−ヒドロキシ−3−メチルオキシ安息香酸を含む。
【0062】
レチノイドの例は、レチノン酸(例えば、全トランスまたは13−シス)およびその誘導体、レチノール(ビタミンA)およびそのエステル例えばレチノールパルミテート、レチノールアセテートおよびレチノールプロピオネートおよびそれらの塩を含むが、これらに限定されない。
【0063】
本発明の1つ以上の植物成分は、好ましくは、化粧品上または皮膚科学上許容できる媒体、希釈物または担体に含まれる。
局所組成物を含む態様では、本発明の組成物は、ヒトの皮膚に害を与えない媒体(希釈物または担体)を含む。組成物は、水、アルコールまたは水/アルコール系溶液、軟膏、ローション、ゲル、クリームまたはゲルの外観を有する油中水エマルション、水中油エマルションまたは水−油−水トリプルエマルション、ミクロエマルションまたはエロゾルとして処方できる。さらに、組成物は、上記のようなイオン性および/または非イオン性の脂質を含む小胞性分散物の形にもできる。このような組成物に適した投与単位は、当業界で使用される従来の知識および技術に従って処方される。
【0064】
さらに特に、局所付与用の組成物は、皮膚好ましくは顔面、頚、手、足または身体の他の領域のための保護的ケア組成物の形にできる。それらの例は、昼間用クリームまたはローション、ナイトクリームまたはローション、サンスクリーンクリーム、ローションまたはオイル、ボディーミルク、メーキャップ(ファンデーション)、人工日焼け組成物、脱毛剤およびパッチを含むが、これらに限定されない。
乳化剤は、典型的に、組成物の全重量に関して約0.1−30重量%、好ましくは約0.5−30重量%の量で本発明のエマルション組成物に存在する。しかし、すべての組成物が乳化剤を含む必要はない。
【0065】
植物由来の構成成分は、付与の部位例えば顔面、頚、腕、足、手または胸、特に脂肪細胞が存在している皮膚の皮下層で好ましくは働くことにより、本発明に従って有効性を発揮する。本発明によれば、構成成分は、一般に、以下の植物の少なくとも1つから由来する植物材料または抽出物を含む。リナカンサス・ナスタス、フムラス・スカンデンス、セスバニア・グランジフロラ、アモルフォファラス・キャンパヌラツ、ポウゾルジア・ペンタンドラおよびパイパー・ベテル。本発明より前には、これらの材料が、脂質生成を刺激し、それにより暦年齢および/またはホルモンによるエイジングによるエイジングから生ずる顔面の脂肪の審美的に不快な減少並びにたるんだ皮膚およびしわ等に伴う脂質の減少を補充することは知られておらずまたは認識されていなかった。
【0066】
一般に、本発明の目的のために、本発明の組成物の植物構成成分のような物質は、皮下脂肪の増加した生成を誘発し、および/または脂質生成(トリグリセリド生成)、アジポネクチン生成、脂肪細胞分化および/またはPPAR−ガンマ誘導に対する刺激作用を示すとき、脂質生成を刺激するものとして認識されている。皮下脂肪の生成は、皮膚の表面または微細な凹凸を平滑にし、それにより脂肪の減少により生ずるたるんだ皮膚などの予防、改善、縮小および/または補正を行うのに役立つ。
【0067】
1つの態様では、本発明は、皮膚の脂質生成を刺激するために、少なくとも1つの天然の植物構成成分またはそれを含む組成物を有効量投与することに関する。
他の態様では、本発明は、皮下脂肪の減少、たるんだ皮膚および/またはエイジングの他の皮膚科学上の作用を治療する方法を含み、それは、化粧品上および/または皮膚科学上許容できる媒体中で皮下脂肪の減少、たるんだ皮膚および/または皮膚のエイジングの他の皮膚科学上の作用を治療、縮小、予防および/または改善するのに有効な量で、天然の植物抽出物を含む組成物を皮膚に付与することを包含する。この方法において、天然の植物は、好ましくは、以下のものの1つである。リナカンサス・ナスタス、フムラス・スカンデンス、セスバニア・グランジフロラ、アモルフォファラス・キャンパヌラツ、ポウゾルジア・ペンタンドラおよびパイパー・ベテルまたはこれらの組み合わせ。植物含有組成物の付与は、好ましくは、局所である。さらに、組成物は、好ましくは、例えば水性組成物または経皮パッチの局所付与によって、直接的な様式の伝達を介して付与される。
【0068】
本発明の他の態様は、皮膚の審美的外観を改善する方法に関し、そして皮膚の審美的な外観を改善するのに有効な量で、1つ以上の構成成分を含む組成物を、皮膚に付与するかまたは直接的な様式の伝達を介して導入することを含む。この態様によれば、審美的な外観の改善は、少なくとも1つの症状、例えば皮膚科学的エイジングの徴候の治療を含む。皮膚科学的エイジングは、暦年齢によるエイジング、化学線によるエイジング、ホルモンによるエイジングまたはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0069】
当業者により理解されるように、本発明の構成成分を含む組成物を含む化粧法は、例えば、このような組成物を投与するための従来の技術に従って、本明細書に記述したように化粧品組成物を局所的に付与することにより、実施できる。従来そして普通に行われている技術は、皮膚へのクリーム、ローション、ゲル、美容液、軟膏、発汗防止剤またはデオドラントの付与を含み、付与の1つの形態としての噴霧も考えられる。
【0070】
(実施例)
以下の実施例は、当業者に本発明を説明し本発明の方法の詳細を提供するために、本発明の特定の側面を記述している。実施例は、本発明およびその種々の側面の理解および実施に有用な特定のやり方を単に提供するものであるから、実施例は、本発明を制限するものと考えてはならない。
【0071】
(実施例1)
本発明の植物は、以下に記載されたような方法を使用することによって、天然の原料から抽出される。
粉末の形で得られた抽出物は、30分間72℃で80%エタノールにより抽出された。
抽出物は、45μmフィルターにより濾過滅菌されて粒状物を除いた。濾液を生体外分析に使用した。
【0072】
(材料)
植物名 使用した植物の部分 抽出のタイプ
リナカンサス・ナスタス 植物全体 エタノール
フラムス・スカンデス 植物全体 エタノール
セスバニア・グランジフロラ 花 エタノール
アモルフォファラス・キャンパヌラツ 根茎または地下茎 エタノール
パイパー・ベテル 茎および葉 エタノール
【0073】
(実施例2)
本発明の種々の天然の植物抽出物は、トリグリセリド生成、アジポネクチン生成、脂肪細胞分化の誘導およびPPAR−ガンマ誘導の刺激について評価された。
【0074】
(脂質生成(全トリグリセリド生成))
この目的は、女性の吸引脂肪除去をした患者(ロットSL0024、年齢39.8およびBMI 28.69)から由来するヒトの皮下の前脂肪細胞の分化に対する、それぞれ1つまたは2つの濃度での化合物の効果を測定することにあった。未分化前脂肪細胞は、96穴プレートで培養された。接種1日後、化合物を、分化誘導剤なしに成長培地に添加した。化合物を含有する成長培地を2日おきに再供給しながら細胞を7日間処理した。細胞は、SDSを含むバッファーにより溶解した。トリグリセリドは、グリセロールおよび遊離の脂肪酸に転換され、グリセロール濃度は微生物リパーゼを含む検出試薬の添加により測定された。光学密度は、500nMで読み取られた。処理の最後で、100μL/穴の調整培地を、グリセロール分析試薬によるインキュベーションのために分析プレートから取り出した。新しいプレートの各穴の光学密度は、540nmで測定された。分化は、全トリグリセリドにより測定される脂質の蓄積の量によって決定された。
【0075】
(アジポネクチン生成)
脂肪細胞は、脂肪細胞補体関連蛋白(Acrp30)として知られている30kDa蛋白またはアジポサイトカインであるアジポネクチンを含むグルコースのホメオスタッチクコントロールおよび脂質代謝において機能する種々の蛋白を発現する。脂肪細胞によるアジポネクチンの分泌はインスリン刺激により高められ、一方発現の低下はインスリン抵抗性と相関し、II型糖尿病と肥満との間の関連に関する支持をもたらす。非インスリン依存(タイプ2)糖尿病の進行は、アジポネクチン分泌の統御不全を含むことを示唆している。肥満とタイプ2糖尿病との関連の支持には、循環するアジポネクチンのレベルの低下がインスリン抵抗性と相関し、さらにアジポネクチンが脂肪の組織および身体全体のグルコース代謝を結びつける潜在的なインスリン増強剤であると思われることが示されている。
【0076】
目的は、アジポネクチン分泌に対する化合物の効果を測定することであった。ヒトの皮下脂肪細胞を処理のために使用した(ロットSL0024、年齢39.8およびBMI 28.69)。2つの濃度のテスト化合物を細胞に加え、そして1組のヒトアジポネクチンに対して指向する特定の抗体(1つは、テストサンプルでアジポネクチンを捕捉するための穴上で不動化されたもの、そして他のものは、検出のために捕捉されたアジポネクチンに付着するもの)を含むヒトアジポネクチンELISAを使用して、アジポネクチンの分泌を処理3日後に測定した。テストサンプルに存在するアジポネクチンは、不動化抗体と二次抗体との間に挟まれ、そして先ずセイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)に付着した抗−IgG抗体を加え、次に色彩の変化によりマークされるHRPの酵素反応を生じさせる基質を添加することにより検出される。アジポネクチンの濃度は、450nmで測定される色強度に正比例する。リストされたサンプルの濃度は、同時に分析されたアジポネクチン標準溶液の吸収値を使用して計算される。
【0077】
(脂肪細胞の分化(aP2)の誘導)
分化の分析の誘導は、前脂肪細胞から脂肪細胞への分化を阻害する化合物の能力を調べる。培養された前脂肪細胞は、インスリン(100nM)、デキサメタゾン(1.0μM)、イソブチルメチルキサンチン(0.25mM)、PPARガンマアゴニスト(10μM)およびテスト化合物の存在下インキュベートする。これらの培養条件およびテスト化合物の存在下、脂肪細胞へ分化する前脂肪細胞の数の実質的な増加があるべきである。
【0078】
aP2は、脂肪細胞において特異的に発現する脂肪酸結合蛋白である。その発現は、脂肪細胞の分化に重大な役割をはたす転写因子ペルオキシソーム増殖物活性化受容体ガンマ(PPARガンマ)により、厳密にコントロールされる。aP2発現は、PPARガンマアゴニストによる処理24時間以内に誘導される。細胞には、72時間テスト化合物またはコントロールを処理してaP2 mRNAの顕著な誘導を得る。aP2 mRNAの量を、細胞に存在するmRNAの量を測定するのに使用されるツールであるQuantigene(商標)分枝DNA分析により測定される。この定量分析は、標的増幅よりむしろシグナル増幅によって作業され、非常に少ない標的mRNAが存在するとき使用でき、そして標的分子を改変せず、RNAの精製を要しない。
【0079】
(PPAR−ガンマの誘導)
ペルオキシソーム増殖物活性化受容体ガンマ(PPARガンマ)は、構造上、核転写因子のスーパーファミリーに属し、そしてこの受容体の活性化は、生理学的および病理学的の両者で重要であり、特に脂質の代謝および炎症反応のコントロールにおいて重要である。核ホルモン受容体は、適切なリガンドによる活性化を伴う特定のDNA配列への結合によって特定の遺伝子の転写を刺激するリガンド依存細胞内蛋白である。PPARガンマ活性は、PPAR−ガンマによりしばしばコントロールされる栄養または代謝の経路から由来する小さい親油性リガンド主に脂肪酸の結合により支配される。PPARガンマは、脂肪細胞による分化およびエネルギー貯蔵を好むフィードフォワード経路の最重要物であることを意味する。この研究の目的は、この受容体により制御される遺伝子の活性化に対するハーブ製品の作用を決定することであった。同時トランスフェクション分析は、PPARガンマ発現コンストラクトおよびPPARガンマ応答要素(PPARE)を含むホタルルシフェラーゼリポーターにより行われた。ルシフェラーゼ活性は、Dual−Luciferase Reporter Assayシステムにより決定された。蛍光発光信号は、バックグラウンドコントロール発光信号、そしてコントロールからのそれに対するハーブ処理穴の比に基づいて標準化された。正のコントロールとして、トランスフェクションされた細胞は、シチグリゾン(10μM)により処理された。これらの研究の結果は、表1に示される。
【0080】
(表1)
サンプルの名称 誘導された脂質形成 誘導されたPPAR−γ
リナカンサス 43.2%inc >65%inc
(CMU111−1)
アマルフォファラス 83.6%inc
(CMU115−1)
フムラス・スカンデス 64.6%inc 15−30%inc
(CMU213−1)
セスバニア・グランジフロラ 38.3%inc 15−30%inc
(CMU123−1)
ポウゾルジア・ペンタンドラ 41.1%inc
(CMU124−1)
パイパー・ベテル 139.6%inc
(CMU126−2)
【0081】
サンプルの名称 誘導ステアロイルCoAデサチュラーゼ 誘導aP2(脂肪細胞分化)
リナカンサス 166.4%inc
(CMU111−1)
アマルフォファラス >65%inc 98.7%inc
(CMU115−1)
フムラス・スカンデス 323.9%inc
セスバニア・グランジフロア 30−50%inc 93.7%inc
(CMU213−1)
ポウゾルジア・ペンタンドラ 50−65%inc
(CMU124−1)
【0082】
サンプルの名称 全トリグリセリド−グルココルチコイド
アマルフォファラス 53.41%inc
(CMU115−1)
フムラス・スカンデス 177.5%inc
セスバニア・グランジフロア 169.8%inc
(CMU213−1)
【0083】
本明細書で引用されたすべての特許、特許出願、発表された論文、アブストラクツ、書籍、参考マニュアルおよびアブストラクツの内容は、本発明が関係する技術の状態をさらに十分に記載するために、それらの全体を参考として本明細書に挿入される。
【0084】
本発明の範囲および趣旨から離れることなく、上記の主題について種々の変化を行うことができるため、上記に含まれるかまたは請求の範囲に限定されたすべての主題を、本発明の記述および例示として解釈されることを目的とする。本発明の多くの改変および変化は、上記の教示に基づいて可能である。
【0085】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
[付記1]
脂質の生成、アジポネクチンの生成、脂肪細胞の分化、PPAR−ガンマの誘導、および/またはこれらの任意の組み合わせを刺激するのに十分な化粧品上、皮膚科学上または製薬上有効な量の少なくとも1つの植物抽出物、並びに化粧品上、皮膚科学上または製薬上許容できる媒体からなることを特徴とする局所組成物。
[付記2]
該少なくとも1つの植物抽出物が、リナカンサス・ナスタス(Rhinacanthus nasutus)、フムラス・スカンデンス(Humulus scandens)、セスバニア・グランジフロラ(Sesbania grandiflora)、アモルフォファラス・キャンパヌラツ(Amorphophallus campanulatu)、ポウゾルジア・ペンタンドラ(Pouzolzia pentandra)およびパイパー・ベテル(Piper betel)並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる付記1の組成物。
[付記3]
該少なくとも1つの植物抽出物が、組成物の全重量に基づいて約0.0001重量%から約50重量%の量で存在する付記1の組成物。
[付記4]
該少なくとも1つの植物抽出物が、組成物の全重量に基づいて約0.001重量%から約20重量%の量で存在する付記1の組成物。
[付記5]
組成物が、エロゾルスプレー、クリーム、エマルション、固体、液体、分散物、フォーム、ゲル、ローション、ムース、軟膏、粉末、パッチ、ポマード、溶液、ポンプスプレー、スティックおよび小さなペーパータオルからなる群から選ばれる製品の形である付記1の組成物。
[付記6]
皮下脂肪の生成を刺激するのに化粧品上、皮膚科学上または製薬上有効な量の少なくとも1つの植物抽出物、および化粧品上、皮膚科学上または製薬上許容できる媒体からなることを特徴とする局所組成物。
[付記7]
該少なくとも1つの植物抽出物が、脂質の生成、アジポネクチンの生成、脂肪細胞の分化、PPAR−ガンマの誘導、および/またはこれらの任意の組み合わせを刺激する付記6の組成物。
[付記8]
該少なくとも1つの植物抽出物が、リナカンサス・ナスタス、フムラス・スカンデンス、セスバニア・グランジフロラ、アモルフォファラス・キャンパヌラツ、ポウゾルジア・ペンタンドラおよびパイパー・ベテル並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる付記6の組成物。
[付記9]
該少なくとも1つの植物抽出物が、組成物の全重量に基づいて約0.0001重量%から約50重量%の量で存在する付記6の組成物。
[付記10]
該少なくとも1つの植物抽出物が、組成物の全重量に基づいて約0.01重量%から約5重量%の量で存在する付記6の組成物。
[付記11]
治療の必要のある患者に、皮下脂肪の減少を予防、改善、縮小および/または排除するのに有効な量で付記1の組成物を投与することを特徴とする皮下脂肪の減少を治療する方法。
[付記12]
組成物が局所組成物である付記11の方法。
[付記13]
該組成物が、皮下脂肪の減少を予防、改善、縮小および/または排除するのに有効な期間付与される付記11の方法。
[付記14]
組成物が、リナカンサス・ナスタス、フムラス・スカンデンス、セスバニア・グランジフロラ、アモルフォファラス・キャンパヌラツ、ポウゾルジア・ペンタンドラおよびパイパー・ベテル並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる少なくとも1つの植物抽出物を含む付記11の方法。
[付記15]
組成物が、少なくとも1週間1日あたり少なくとも1回付与される付記11の方法。
[付記16]
該少なくとも1つの植物抽出物が、組成物の全重量に基づいて約0.0001重量%から約20重量%の量で存在する付記15の方法。
[付記17]
該少なくとも1つの植物抽出物が、組成物の全重量に基づいて約0.001重量%から約20重量%の量で存在する付記15の方法。
[付記18]
組成物が、化粧品上または皮膚科学上許容できる媒体、担体または希釈剤を含む付記12の方法。
[付記19]
組成物が顔面に付与され、そして植物抽出物が、皮膚の皮下層の脂質生成を刺激し、それにより暦年齢またはホルモンのエイジングによる脂肪の減少を置換する付記12の方法。
[付記20]
皮膚の審美的外観を改善するのに有効な量で付記1の組成物を皮膚に局所的に付与することを特徴とする皮膚の審美的外観を改善する方法。
[付記21]
審美的外観の改善が、皮膚の色調、輝き、清澄さおよび/または張りの改善;皮膚の堅固さ、ふくらみ、しなやかさおよび/または柔らかさの改善;皮膚のテキスチャーの改善および/または皮膚のテキスチャーの回復の促進;皮膚の輪郭の外観、へこんだ頬、ぼんだ眼、皮膚のつやおよび/または輝きの保存の改善;エイジングおよび/または閉経により低下した皮膚の必須栄養素および/または構成成分の補充;細胞の増殖および/または繁殖の増加;エイジングおよび/または閉経により低下した細胞の代謝の増大;皮膚のモイスチャリゼーションの改善;皮膚の厚さの増加;皮膚の過敏さの低下;および皮膚の弾性および/または回復力の拡大並びにこれらの組み合わせからなる群から選ばれる付記20の方法。
[付記22]
皮膚が過敏な肌である付記20の方法。
[付記23]
組成物が、少なくとも1週間1日あたり少なくとも1回付与される付記20の方法。
[付記24]
該少なくとも1つの植物抽出物が、組成物の全重量に基づいて約0.001重量%から約20重量%の量で存在する付記20の方法。
[付記25]
該少なくとも1つの植物抽出物が、組成物の全重量に基づいて約0.005重量%から約5重量%の量で存在する付記20の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮下脂肪の減少を治療するための組成物であって、
脂質の生成、アジポネクチンの生成、脂肪細胞の分化、PPAR−ガンマの誘導、および/またはこれらの任意の組み合わせを刺激するのに十分な化粧品上、皮膚科学上または製薬上有効な量で、且つ、皮下脂肪の減少を予防、改善、縮小および/または排除するのに有効な量の少なくとも1つの植物抽出物を含み、
前記少なくとも1つの植物抽出物が、リナカンサス・ナスタス(Rhinacanthus nasutus)、フムラス・スカンデンス(Humulus scandens)、セスバニア・グランジフロラ(Sesbania grandiflora)、及びポウゾルジア・ペンタンドラ(Pouzolzia pentandra)並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする組成物。
【請求項2】
皮下脂肪の減少を予防、改善、縮小および/または排除するのに有効な期間付与される請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1週間1日あたり少なくとも1回付与される請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つの植物抽出物が、組成物の全重量に基づいて0.001重量%から20重量%の量で存在する請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つの植物抽出物が、組成物の全重量に基づいて0.005重量%から5重量%の量で存在する請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
化粧品上または皮膚科学上許容できる媒体、担体または希釈剤を含む請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が顔面に付与され、そして植物抽出物が、皮膚の皮下層の脂質生成を刺激し、それにより経年老化またはホルモンの老化による脂肪の減少を置換する請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物。

【公開番号】特開2013−32409(P2013−32409A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−256408(P2012−256408)
【出願日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【分割の表示】特願2007−548241(P2007−548241)の分割
【原出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(399130393)エイボン プロダクツ インコーポレーテッド (75)
【Fターム(参考)】