説明

化粧料組成物

【課題】短時間で小じわをのばし、顔にハリ感を与え、小じわを目立たなくさせることができる化粧料組成物を提供すること。
【解決手段】ヒアルロン酸ナトリウム、変性コーンスターチおよびプルランを含有することを特徴とする水性ゲル状の化粧料組成物であり、特に、ヒアルロン酸ナトリウムを0.1〜1.0重量%、変性コーンスターチを0.5〜5.0重量%およびプルランを0.1〜3.0重量%の割合で含有する。さらに、分散剤を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料組成物に関し、より具体的には、顔における小じわをのばし、顔にハリ感を与える水性ゲル状の化粧料組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヒアルロン酸またはその塩(ナトリウム塩)もしくは誘導体を含む目元用化粧料は、種々提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2を参照)。これら従来の化粧料は、ヒアルロン酸ナトリウムの皮膚への浸透性を高め、それにより皮膚のしわの形成を抑制するものであるか、あるいは目元における皮膚のハリを減少させ、また皮膚のしわ、たるみの発生等を予防・改善するものである。
【特許文献1】特開2007−70330公報
【特許文献2】特開2005−68073公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の化粧料は、短時間で小じわをのばし、顔にハリ感を与え、小じわを目立たなくさせるという要望には十分に応えることができない。
従って、本発明は、短時間で小じわをのばし、顔にハリ感を与え、小じわを目立たなくさせることができる化粧料組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によると、ヒアルロン酸ナトリウム、変性コーンスターチおよびプルランを含有することを特徴とする水性ゲル状の化粧料組成物が提供される。
【発明の効果】
【0005】
本発明の化粧料組成物は、短時間で小じわをのばし、顔にハリ感を与え、小じわを目立たなくさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の化粧料組成物は、ヒアルロン酸ナトリウム、変性コーンスターチおよびプルランを含有する。本発明の化粧料組成物は、これら3成分を含むことにより、以後の実施例で確認されているように、各成分を単独で使用した場合には得られない顕著な効果を奏する。
【0007】
本発明の化粧料組成物は、好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウムを0.1〜1.0重量%、変性コーンスターチを0.5〜5.0重量%およびプルランを0.1〜3.0重量%の割合で含有する。
【0008】
本発明の化粧料組成物は、上記3成分をこれらの割合で含有することにより、初期の目的をより一層効果的に達成することができる。本発明の化粧料組成物は、最も好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウムを0.5重量%、変性コーンスターチを2.5重量%およびプルランを0.5重量%含有する
【0009】
本発明の化粧料組成物は、通常、上記3種の成分を水に十分に分散させるために、分散剤を含有することができる。そのような分散剤には、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコールおよびジプロピレングリコールが含まれ、これら分散剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の化粧料組成物は、かかる分散剤を1.0〜30.0重量%の割合で含有することができる。
【0010】
本発明の化粧料組成物は、ヒアルロン酸ナトリウム(粉末)を分散剤に十分に分散させ、その分散体に変性コーンスターチおよびプルランを添加して混合、攪拌し、得られた分散体に、加温した水(例えば、40°C〜80°C)を添加し、混合機で十分に攪拌した後冷却することにより調整することができる。冷却後、ゲル状の組成物が得られる。
【0011】
本発明の化粧料組成物は、目元に塗布すると、数分後には塗布部分にハリ感を実感できる。また、本発明の化粧料組成物を継続して使用すると、顔の小じわを減少させることができる。すなわち、本発明の化粧料組成物は、目元用化粧料として特に適している。
【実施例1】
【0012】
次に、本発明を実施例により説明するが、本発明がこれら実施例により限定されるものではない。
比較例1
ヒアルロン酸ナトリウム粉末を、分散剤(1,3−ブチレングリコール)に添加して攪拌し、その分散体を、予め60°Cに加温した水に添加し、混合機で約30分攪拌した後、室温まで冷却して化粧料組成物を得た。この化粧料組成物の組成を表1に示す。
【0013】
比較例2
ヒアルロン酸ナトリウム粉末の代わりに、変性コーンスターチを用いた以外は、比較例1と同様にして、化粧料組成物を得た。この化粧料組成物の組成を表1に示す。
【0014】
比較例3
ヒアルロン酸ナトリウム粉末の代わりに、プルランを用いた以外は、比較例1と同様にして、化粧料組成物を得た。この化粧料組成物の組成を表1に示す。
【0015】
実施例1
ヒアルロン酸ナトリウム(粉末)を分散剤(1,3−ブチレングリコール)に十分に分散させ、それに変性コーンスターチおよびプルランを添加して混合、攪拌し、分散体を得た。この分散体を、予め60°Cに加温した水に添加し、混合機で十分に攪拌した後、室温まで冷却して、ゲル状の化粧料組成物を得た。この化粧料組成物の組成を表1に示す。
【0016】
【表1】

【0017】
<ハリ感の評価>
比較例1〜3および実施例1で調整した化粧料組成物を、目元に小じわがあると自ら主張する15名の女性パネラーに、その目元に塗布してもらい、30分後に。そのハリ感について。(1)ハリ感がない、(2)ハリ感がややない、(3)ハリ感がややある、(4)ハリ感がある、の4段階で評価してもらった。各評価を下したパネラーの人数を表2に示す。
【0018】
【表2】

【0019】
<小じわの評価>
比較例1〜3および実施例1で調整した化粧料組成物を、目元に小じわがあると自ら主張する15名の女性パネラーに、その目元に、毎日1回、1ケ月継続して塗布してもらい、小じわについて、(1)しわが増えた、(2)変化なし、(3)しわがやや薄くなった、(4)しわが薄くなった、の4段階で評価してもらった。各評価を下したパネラーの人数を表3に示す。
【0020】
【表3】

【0021】
以上の結果から分かるように、ヒアルロン酸ナトリウム、変性コーンスターチおよびプルランの3成分を同時に含有する本発明の化粧料組成物は、3成分のうち1成分のみを含有する化粧料組成物に比べて顕著に優れた効果を奏するものである。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、化粧品業界において広く利用できるものであり、かつ、化学製品の分野においても利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒアルロン酸ナトリウム、変性コーンスターチおよびプルランを含有することを特徴とする水性ゲル状の化粧料組成物。
【請求項2】
ヒアルロン酸ナトリウムを0.1〜1.0重量%、変性コーンスターチを0.5〜5.0重量%およびプルランを0.1〜3.0重量%の割合で含有することを特徴とする請求項1に記載する化粧料組成物。
【請求項3】
分散剤をさらに含有することを特徴とする請求項1または2に記載する化粧料組成物。
【請求項4】
分散剤を1.0〜30.0重量%の割合でさらに含有することを特徴とする請求項3に記載する化粧料組成物。
【請求項5】
前記分散剤が、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングルコールおよびジプロピレングリコールからなる群の中から選ばれることを特徴とする請求項4に記載する化粧料組成物。

【公開番号】特開2009−40697(P2009−40697A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−205030(P2007−205030)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(500036129)株式会社アスカコーポレーション (16)
【Fターム(参考)】