説明

医用情報処理装置、医用情報処理方法及びプログラム

【課題】文字集合が異なる装置間の連携を図る。
【解決手段】モダリティでは、医用画像の画像データに、文字情報をヘッダ情報として付帯させ、DICOM画像ファイルを生成する(ステップS3)。次に、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から第1の文字情報を抽出し、第1の文字情報に基づいて、オーバーレイ用のピクセルデータを生成する(ステップS4)。そして、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から画像サーバが対応不可能な文字集合で記述された第2の文字情報を削除し(ステップS5)、オーバーレイ用のピクセルデータをDICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込み(ステップS6)、編集後のDICOM画像ファイルを画像サーバに送信する(ステップS7)。画像ビューア端末では、医用画像を表示するとともに、第1の文字情報をオーバーレイ表示する(ステップS10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用情報処理装置、医用情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療施設内の各装置のマルチベンダ化が進んでおり、装置毎に使用可能な文字の範囲(文字集合)が定められている。文字集合とは、国際標準や工業規格で定められている、文字の集まりである。文字集合の種類として、ISO_IR 6(英数字)、ISO_IR 100(ラテン1(西ヨーロッパ))、ISO_IR 101(ラテン2(東ヨーロッパ))、ISO 2022 IR 87(ひらがな、カタカナ、第一水準漢字、第二水準漢字)、GB18030(簡体字中国語他)、ISO_IR 192(繁体字中国語他)等が挙げられる。
【0003】
グローバルな機器であれば、各国の文字に対応していることが理想であるが、欧米の機器の多くは、ISO_IR 6とISO_IR 100の対応に留まっている。中国、台湾、韓国、タイ等の国では、医療装置を欧米からの輸入に頼っており、自国文字に未対応の装置を使用せざるをえない。医療装置を自国で製造している日本でも、一部の漢字が使えない等、不十分なシステムが多い。
【0004】
DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に則ったDICOM画像ファイルは、医用画像の画像データと、文字情報からなるヘッダ情報と、を併せた形式のファイルである。多くの画像ビューア端末では、ヘッダ情報(文字情報)を解釈し、医用画像上に文字情報をオーバーレイとして表示することが実現されている。
【0005】
例えば、撮影画像に文字情報を併せて出力する画像処理装置において、出力先に従って画像の拡大縮小率を算定し、最適なフォントサイズ、フォントタイプにより文字情報を出力するものが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−190937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、画像ビューア端末が解釈できない文字情報を含むDICOM画像ファイルの場合、ファイル内の画像データを読み出すこともできなかったり、文字化けが発生したりするという問題があった。
画像ビューア端末が対応可能な文字集合によらずDICOM画像ファイルを扱うために、DICOM画像ファイルに含まれる文字情報を英数字(ASCII)に限定する等、文字情報を絞り込めば、DICOM画像ファイル内の文字情報を解釈できないために画像の表示すらできないという問題は解消されるが、本来DICOM画像ファイルが有していた文字情報を失うことになる。
このように、文字集合が異なる装置間では、一方の装置が有する全ての情報を他方の装置に伝えることができず、情報の連携を図ることが困難であった。
【0008】
本発明は上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、文字集合が異なる装置間の連携を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、医用画像の画像データとヘッダ情報とを含むDICOM画像ファイルの前記ヘッダ情報から予め定められた第1の文字情報を抽出し、当該抽出された第1の文字情報に基づいて、オーバーレイ用のピクセルデータを生成する生成手段と、前記ヘッダ情報から送信先機器が対応不可能な文字集合で記述された第2の文字情報を削除する削除手段と、前記オーバーレイ用のピクセルデータを、前記ヘッダ情報から前記第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付けて前記送信先機器に送信する制御手段と、を備え、前記第1の文字情報は、少なくとも前記第2の文字情報の一部を含む医用情報処理装置である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用情報処理装置において、前記第1の文字情報は、英数字以外の文字情報を含む。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用情報処理装置において、前記制御手段は、前記オーバーレイ用のピクセルデータを、前記ヘッダ情報から前記第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込むことにより、前記オーバーレイ用のピクセルデータを、前記ヘッダ情報から前記第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付ける。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用情報処理装置において、前記制御手段は、前記オーバーレイ用のピクセルデータと、前記ヘッダ情報から前記第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルを特定するための情報と、を含むGSPSファイルを生成することにより、前記オーバーレイ用のピクセルデータを、前記ヘッダ情報から前記第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付ける。
【0013】
請求項5に記載の発明は、医用画像の画像データとヘッダ情報とを含むDICOM画像ファイルを取得する取得手段と、入力手段から入力された文字情報に基づいて、オーバーレイ用のピクセルデータを生成する生成手段と、前記オーバーレイ用のピクセルデータを前記DICOM画像ファイルと対応付けて送信先機器に送信する制御手段と、を備え、前記入力手段から入力された文字情報は、前記送信先機器が対応不可能な文字集合で記述された文字情報を含む医用情報処理装置である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の医用情報処理装置において、前記入力手段から入力された文字情報は、英数字以外の文字情報を含む。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の医用情報処理装置において、前記制御手段は、前記オーバーレイ用のピクセルデータを前記DICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込むことにより、前記オーバーレイ用のピクセルデータを前記DICOM画像ファイルと対応付ける。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項5又は6に記載の医用情報処理装置において、前記制御手段は、前記オーバーレイ用のピクセルデータと、前記DICOM画像ファイルを特定するための情報と、を含むGSPSファイルを生成することにより、前記オーバーレイ用のピクセルデータを前記DICOM画像ファイルと対応付ける。
【0017】
請求項9に記載の発明は、医用画像の画像データとヘッダ情報とを含むDICOM画像ファイルの前記ヘッダ情報から予め定められた第1の文字情報を抽出し、当該抽出された第1の文字情報に基づいて、オーバーレイ用のピクセルデータを生成する工程と、前記ヘッダ情報から送信先機器が対応不可能な文字集合で記述された第2の文字情報を削除する工程と、前記オーバーレイ用のピクセルデータを、前記ヘッダ情報から前記第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付けて前記送信先機器に送信する工程と、を含み、前記第1の文字情報は、少なくとも前記第2の文字情報の一部を含む医用情報処理方法である。
【0018】
請求項10に記載の発明は、医用画像の画像データとヘッダ情報とを含むDICOM画像ファイルを取得する工程と、入力手段から入力された文字情報に基づいて、オーバーレイ用のピクセルデータを生成する工程と、前記オーバーレイ用のピクセルデータを前記DICOM画像ファイルと対応付けて送信先機器に送信する工程と、を含み、前記入力手段から入力された文字情報は、前記送信先機器が対応不可能な文字集合で記述された文字情報を含む医用情報処理方法である。
【0019】
請求項11に記載の発明は、コンピュータを、医用画像の画像データとヘッダ情報とを含むDICOM画像ファイルの前記ヘッダ情報から予め定められた第1の文字情報を抽出し、当該抽出された第1の文字情報に基づいて、オーバーレイ用のピクセルデータを生成する生成手段、前記ヘッダ情報から送信先機器が対応不可能な文字集合で記述された第2の文字情報を削除する削除手段、前記オーバーレイ用のピクセルデータを、前記ヘッダ情報から前記第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付けて前記送信先機器に送信する制御手段、として機能させるためのプログラムであって、前記第1の文字情報は、少なくとも前記第2の文字情報の一部を含むプログラムである。
【0020】
請求項12に記載の発明は、コンピュータを、医用画像の画像データとヘッダ情報とを含むDICOM画像ファイルを取得する取得手段、入力手段から入力された文字情報に基づいて、オーバーレイ用のピクセルデータを生成する生成手段、前記オーバーレイ用のピクセルデータを前記DICOM画像ファイルと対応付けて送信先機器に送信する制御手段、として機能させるためのプログラムであって、前記入力手段から入力された文字情報は、前記送信先機器が対応不可能な文字集合で記述された文字情報を含むプログラムである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、文字集合が異なる装置間の連携を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】医用画像システムのシステム構成図である。
【図2】モダリティの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は、DICOM画像ファイルの構成を示す図である。(b)は、編集後のDICOM画像ファイルのデータ構成を示す図である。
【図4】画像サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図5】画像ビューア端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】第1の実施の形態における処理を示すラダーチャートである。
【図7】DICOM画像ファイルのヘッダ情報の例を示す図である。
【図8】DICOMタグ(0008,0005)に記述される内容と、その意味する特定文字集合との対応関係を示す図である。
【図9】第2の文字情報が削除された後のヘッダ情報の例を示す図である。
【図10】(a)は、医用画像の画像データの例である。(b)は、オーバーレイ用のピクセルデータの例である。(c)は、医用画像上に文字情報がオーバーレイ表示された状態の例である。
【図11】GSPSファイルにより、DICOM画像ファイルとオーバーレイ用のピクセルデータとを対応付ける場合の例である。
【図12】第2の実施の形態における処理を示すラダーチャートである。
【図13】第3の実施の形態における処理を示すラダーチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1に、医用画像システム100のシステム構成を示す。図1に示すように、医用画像システム100は、RIS(Radiological Information System:放射線情報システム)10と、モダリティ20と、画像サーバ30と、画像ビューア端末40と、図示しないその他の装置とから構成されており、各装置は通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0024】
第1の実施の形態は、RIS10及びモダリティ20については中国語が対応可能であり、画像サーバ30及び画像ビューア端末40については英数字のみ対応可能である場合等、モダリティ20が対応可能な文字集合と画像サーバ30が対応可能な文字集合とが異なる場合の例である。
第1の実施の形態においては、モダリティ20が本発明に係る医用情報処理装置である。すなわち、モダリティ20において、オーバーレイ用のピクセルデータが生成される。
【0025】
RIS10は、放射線科部門内における診療予約、診断結果のレポート、実績管理、材料在庫管理等の情報管理を行う。RIS10は、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)等により構成される制御部、ハードディスク等の記憶部、外部機器とのデータ通信を行う通信部等を備える。RIS10は、モダリティ20における検査を依頼するための検査依頼情報を作成する。本実施の形態では、検査依頼情報として、DICOM規格に準拠したモダリティワークリスト(Modality WorkList:MWL)を作成する場合について説明する。RIS10は、モダリティ20からモダリティワークリストの取得要求(DICOM規格に則ったC−FIND要求)を受信すると、取得要求に含まれるAEタイトルに基づいて、当該AEタイトルに対応するモダリティワークリストをモダリティ20に送信する。
【0026】
モダリティワークリストには、特定文字集合、AE(Application Entity)タイトル、モダリティ種、撮影条件情報(部位、方向、左右、管電圧、管電流、機材等)、検査情報(検査インスタンスUID、検査日付、検査記述、検査コメント等)、患者情報(患者ID、患者名、生年月日、性別、患者コメント等)等が含まれる。
【0027】
モダリティ20は、患者を撮影する画像撮影装置である。モダリティ20としては、CR(Computed Radiography)装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等が用いられる。
【0028】
図2に、モダリティ20の機能的構成を示す。図2に示すように、モダリティ20は、制御部21、操作部22、表示部23、通信部24、ROM(Read Only Memory)25、記憶部26、撮影部27を備えて構成され、各部はバス28により接続されている。
【0029】
制御部21は、CPU、RAM等から構成され、モダリティ20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部22から入力される操作信号又は通信部24により受信される指示信号に応じて、ROM25に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0030】
操作部22は、カーソルキー、文字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部21に出力する。
【0031】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部21から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0032】
通信部24は、LAN(Local Area Network)アダプタ、ルータ、TA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNを介して接続されたRIS10、画像サーバ30等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0033】
ROM25は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0034】
記憶部26は、半導体メモリやハードディスク等から構成される記憶装置である。記憶部26には、RIS10から取得したモダリティワークリストや、DICOM画像ファイル等が記憶される。図3(a)に示すように、DICOM画像ファイルは、医用画像の画像データ(以下、医用画像データという。)にヘッダ情報が付帯されている。
【0035】
ヘッダ情報は、患者情報、検査情報、シリーズ情報及び画像情報を含む。患者情報は、患者ID、患者名、性別、生年月日、年齢、身長、体重等の患者に関する情報である。検査情報は、検査を識別する検査インスタンスUID、検査日、検査時刻、受付番号、担当医師名等の検査に関する情報である。シリーズ情報は、シリーズを識別するシリーズインスタンスUID、モダリティ名(検査種)、検査部位、シリーズ番号等の、一つの検査の中で生成されるモダリティ毎の一連の医用画像の単位(シリーズ)に関する情報である。画像情報は、画像を識別するSOPインスタンスUID、画像番号等の医用画像に関する情報である。
【0036】
また、記憶部26には、DICOM画像ファイルのヘッダ情報に含まれる文字情報のうち、オーバーレイ化される抽出項目(第1の文字情報として抽出される項目)が記憶されている。
また、記憶部26には、画像サーバ30が対応可能な文字集合が記憶されている。
【0037】
撮影部27は、患者の診断対象部位を被写体として撮影を行い、撮影した画像をデジタル変換して医用画像データを生成する。
【0038】
制御部21は、モダリティ20のAEタイトルに基づいて、モダリティ20において行われる検査についてのモダリティワークリストの取得要求(DICOM規格に則ったC−FIND要求)を、通信部24を介してRIS10に送信する。制御部21は、通信部24を介してRIS10からモダリティワークリストを取得する。
【0039】
制御部21は、取得されたモダリティワークリストに基づいて、撮影部27を制御し、患者の診断対象部位の撮影を行わせ、撮影により得られた医用画像データを取得する。制御部21は、モダリティワークリストに基づいて、医用画像データにDICOM規格に則ってヘッダ情報を付帯させ、DICOM画像ファイルを生成する。
【0040】
制御部21は、記憶部26に記憶されている抽出項目に基づいて、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から予め定められた第1の文字情報(患者名、患者コメント、検査記述等)を抽出し、抽出された第1の文字情報に基づいて、オーバーレイ用のピクセルデータ(以下、オーバーレイデータという。)を生成する。オーバーレイデータは、モノクロ又はRGBカラーのビットマップとして表現される。第1の文字情報には、少なくとも、送信先機器(画像サーバ30)が対応不可能な文字集合で記述された文字情報(第2の文字情報)の一部が含まれる。また、第1の文字情報には、英数字以外の文字情報(日本語、中国語、韓国語等。ただし、モダリティ20が対応可能な文字集合で記述されたもの。)が含まれる。
【0041】
制御部21は、記憶部26に記憶されている画像サーバ30が対応可能な文字集合に基づいて、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から送信先機器(画像サーバ30)が対応不可能な文字集合で記述された第2の文字情報を削除する。
【0042】
制御部21は、オーバーレイデータを、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付けて送信先機器(画像サーバ30)に送信する。具体的には、制御部21は、オーバーレイデータを、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込むことにより、オーバーレイデータを、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付ける。そして、制御部21は、ヘッダ情報にオーバーレイデータが書き込まれたDICOM画像ファイル(編集後のDICOM画像ファイル)を、通信部24を介して画像サーバ30に送信する。図3(b)に、編集後のDICOM画像ファイルのデータ構成を示す。医用画像データに、ヘッダ情報として、患者情報、検査情報等の文字情報と、オーバーレイデータとが付帯されている。なお、編集後のDICOM画像ファイルのヘッダ情報からは、第2の文字情報が削除されている。
【0043】
画像サーバ30は、PACS(Picture Archiving and Communication System)により構成され、モダリティ20から送信されるDICOM画像ファイル等を記憶し、管理する。画像サーバ30は、外部機器からDICOM画像ファイルの取得要求を受信した場合、当該取得要求に応じたDICOM画像ファイルを当該外部機器に送信する。
【0044】
図4に、画像サーバ30の機能的構成を示す。図4に示すように、画像サーバ30は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、ROM35、記憶部36を備えて構成され、各部はバス37により接続されている。
【0045】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、画像サーバ30の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部32から入力される操作信号又は通信部34により受信される指示信号に応じて、ROM35に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0046】
操作部32は、カーソルキー、文字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部31に出力する。
【0047】
表示部33は、LCDにより構成され、制御部31から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0048】
通信部34は、LANアダプタ、ルータ、TA等を備え、通信ネットワークNを介して接続されたモダリティ20、画像ビューア端末40等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0049】
ROM35は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0050】
記憶部36は、半導体メモリやハードディスク等から構成される記憶装置である。記憶部36には、モダリティ20から取得したDICOM画像ファイル等が記憶される。
【0051】
画像ビューア端末40は、PC(Personal Computer)により構成され、画像サーバ30にDICOM画像ファイルの取得要求を送信し、当該取得要求に応じたDICOM画像ファイルを取得する。そして、画像ビューア端末40は、取得されたDICOM画像ファイルに基づいて、医用画像等を表示する。
【0052】
図5に、画像ビューア端末40の機能的構成を示す。図5に示すように、画像ビューア端末40は、制御部41、操作部42、表示部43、通信部44、ROM45、記憶部46を備えて構成され、各部はバス47により接続されている。
【0053】
制御部41は、CPU、RAM等から構成され、画像ビューア端末40の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部42から入力される操作信号又は通信部44により受信される指示信号に応じて、ROM45に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0054】
操作部42は、カーソルキー、文字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部41に出力する。
【0055】
表示部43は、LCDにより構成され、制御部41から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0056】
通信部44は、LANアダプタ、ルータ、TA等を備え、通信ネットワークNを介して接続された画像サーバ30等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0057】
ROM45は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0058】
記憶部46は、半導体メモリやハードディスク等から構成される記憶装置である。
【0059】
次に、医用画像システム100の各装置における動作について説明する。
図6は、RIS10、モダリティ20、画像サーバ30及び画像ビューア端末40において実行される処理を示すラダーチャートである。モダリティ20における処理は、制御部21と、ROM25に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0060】
まず、RIS10では、ユーザの操作により、患者リストの中から検査対象患者が選択され、患者情報、撮影条件情報等を含むモダリティワークリストが作成される(ステップS1)。
【0061】
モダリティ20では、制御部21により、モダリティ20のAEタイトルに基づいて、モダリティ20において行われる検査についてのモダリティワークリストの取得要求が、通信部24を介してRIS10に送信される。そして、制御部21により、通信部24を介してRIS10からモダリティワークリストが取得される(ステップS2)。
【0062】
次に、制御部21により、取得されたモダリティワークリストに基づいて、撮影部27が制御されて、患者の診断対象部位の撮影が実施され、医用画像データが取得される。そして、制御部21により、モダリティワークリストに含まれる文字情報が医用画像データにヘッダ情報として付帯され、DICOM画像ファイルが生成される(ステップS3)。
【0063】
図7に、ステップS3で生成されたDICOM画像ファイルのヘッダ情報50の例を示す。
図8に、DICOMタグ(0008,0005)に記述される内容(ISO_IR 100等)と、その意味する特定文字集合(ラテン1(西ヨーロッパ)等)との対応関係を示す。
図7に示すDICOMタグ(0008,0005)に記述されているように、特定文字集合51は「GB18030」であるから、このヘッダ情報50は「簡体字中国語他」で記述されていることがわかる。
【0064】
次に、制御部21により、記憶部26に記憶されている抽出項目に基づいて、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から第1の文字情報が抽出され、抽出された第1の文字情報に基づいて、オーバーレイデータが生成される(ステップS4)。
例えば、図7に示すヘッダ情報50から、患者名の漢字表記部分52、患者コメント53、検査記述54が抽出され、抽出された文字情報に基づいて、オーバーレイデータが生成される(図10(b)参照)。なお、患者コメント53は、「感染症の疑いがあります」という意味であり、検査記述54は、「胸部の撮影をお願いします」という意味である。
【0065】
次に、制御部21により、記憶部26に記憶されている画像サーバ30が対応可能な文字集合に基づいて、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から画像サーバ30が対応不可能な文字集合で記述された第2の文字情報が削除される(ステップS5)。
例えば、画像サーバ30が対応可能な文字集合が「空欄(英数字)」である場合に、図7に示すヘッダ情報50から、患者名の漢字表記部分52、患者コメント53、検査記述54が削除される。図9に、第2の文字情報が削除された後のヘッダ情報60を示す。ヘッダ情報60において、特定文字集合61は、画像サーバ30が対応可能な文字集合である「空欄(英数字)」に変更されている。また、ヘッダ情報60において、画像サーバ30が対応不可能な文字集合で記述されていた、患者名の漢字表記部分62、患者コメント63、検査記述64が削除されている(null化)。
【0066】
次に、制御部21により、図3(b)に示すように、オーバーレイデータが、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込まれる(ステップS6)。
次に、制御部21により、ヘッダ情報にオーバーレイデータが書き込まれたDICOM画像ファイル(編集後のDICOM画像ファイル)が、通信部24を介して画像サーバ30に送信される(ステップS7)。このようにして、オーバーレイデータが、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付けられて、画像サーバ30に送信される。
【0067】
画像サーバ30では、制御部31により、通信部34を介してモダリティ20から編集後のDICOM画像ファイルが取得され、取得された編集後のDICOM画像ファイルが記憶部36に保存される(ステップS8)。
次に、画像ビューア端末40から画像サーバ30にDICOM画像ファイルの取得要求が送信されると、画像サーバ30の制御部31により、通信部34を介して編集後のDICOM画像ファイルが画像ビューア端末40に送信される(ステップS9)。
【0068】
画像ビューア端末40では、制御部41により、通信部44を介して画像サーバ30から編集後のDICOM画像ファイルが取得される。そして、制御部41により、取得された編集後のDICOM画像ファイルに含まれる医用画像データに基づいて、表示部43に医用画像が表示されるとともに、編集後のDICOM画像ファイルに含まれるオーバーレイデータに基づいて、第1の文字情報が(画像として)オーバーレイ表示される(ステップS10)。すなわち、医用画像データ(ピクセルデータ)の上層に、オーバーレイデータ(別のピクセルデータ)が重ねられて表示される。
【0069】
図10(a)は、DICOM画像ファイルに含まれる医用画像データの例であり、図10(b)は、編集後のDICOM画像ファイルに含まれるオーバーレイデータの例であり、図10(c)は、医用画像上に第1の文字情報がオーバーレイ表示された状態の例である。なお、オーバーレイデータは非表示とすることもできるので、画像ビューア端末40において、第1の文字情報をオーバーレイ表示させない状態で画像を診断することもできる。
【0070】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、モダリティ20において、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から第1の文字情報を抽出してオーバーレイデータを生成し、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から第2の文字情報を削除し、オーバーレイデータを、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込むことができる。そのため、後に編集後のDICOM画像ファイルに基づいて医用画像を表示する際に、第1の文字情報を文字として解釈することができない装置においても、オーバーレイデータを医用画像データに重ねて表示することにより、第1の文字情報を提供することができる。したがって、文字集合が異なる装置間の連携を図ることができる。
【0071】
また、モダリティ20において、第1の文字情報を直接医用画像データに埋め込むのではなく、オーバーレイデータとして生成するので、必要に応じて非表示とすることができる。すなわち、オーバーレイ表示を適用しない場合には、下層の医用画像データのみを表示することができる。
また、モダリティ20において、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から第2の文字情報を削除するので、画像サーバ30や画像ビューア端末40でのエラーの発生を防ぐことができる。
【0072】
[変形例]
第1の実施の形態では、オーバーレイデータを、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込むことにより、オーバーレイデータを、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付ける場合について説明したが、DICOM規格のGSPS(Grayscale Softcopy Presentation State)を用いることもできる。
【0073】
第1の文字情報に基づいてオーバーレイデータを生成する処理、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から第2の文字情報を削除する処理については、図6のステップS4,S5と同様である。
モダリティ20の制御部21は、オーバーレイデータと、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルを特定するための情報と、を含むGSPSファイルを生成することにより、オーバーレイデータを、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付ける。
【0074】
図11に示すように、GSPSファイルは、オーバーレイデータと、対応するDICOM画像ファイルを特定するための情報(患者情報、検査情報、参照画像情報等)と、を含み、対応するDICOM画像ファイルに含まれる医用画像データに重ねて表示されることが設定されている。
【0075】
モダリティ20の制御部21は、共通の患者情報、検査情報等により対応付けられたDICOM画像ファイル及びGSPSファイルを、通信部24を介して画像サーバ30に送信する。
【0076】
画像サーバ30では、共通の患者情報、検査情報等により対応付けられたDICOM画像ファイル及びGSPSファイルが記憶部36に保存される。
画像ビューア端末40において、医用画像を参照する場合には、共通の患者情報、検査情報等により対応付けられたDICOM画像ファイル及びGSPSファイルが画像サーバ30から取得される。そして、制御部41により、DICOM画像ファイルに含まれる医用画像データに基づいて、表示部43に医用画像が表示されるとともに、GSPSファイルに含まれるオーバーレイデータに基づいて、第1の文字情報が(画像として)オーバーレイ表示される。
【0077】
GSPSファイルによってオーバーレイデータを保存する場合には、一つのDICOM画像ファイルに対して、複数のGSPSファイルを生成することができる。例えば、異なる文字集合により記述された内容を、それぞれ別のオーバーレイデータとして、同一のDICOM画像ファイルと対応付けておき、医用画像に重ねて表示させるオーバーレイデータを切り替えることにより、異なる文字集合で記述された文字情報を表示することができる。また、表示させる項目(患者名、患者コメント、検査記述等)を変えて、複数のオーバーレイデータを生成することにより、表示内容を切り替えることができる。
【0078】
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態における医用画像システムは、第1の実施の形態に示した医用画像システム100と同様の構成によってなるため、図1、図2、図4及び図5を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0079】
第2の実施の形態は、RIS10、モダリティ20及び画像サーバ30については中国語が対応可能であり、画像ビューア端末40については英数字のみ対応可能である場合等、画像サーバ30が対応可能な文字集合と画像ビューア端末40が対応可能な文字集合とが異なる場合の例である。
第2の実施の形態においては、画像サーバ30が本発明に係る医用情報処理装置である。すなわち、画像サーバ30において、オーバーレイデータが生成される。したがって、モダリティ20では、図6のステップS4〜S6に示したDICOM画像ファイルの編集は行われない。
【0080】
画像サーバ30の記憶部36には、DICOM画像ファイルのヘッダ情報に含まれる文字情報のうち、オーバーレイ化される抽出項目(第1の文字情報として抽出される項目)が記憶されている。
また、記憶部36には、画像ビューア端末40が対応可能な文字集合が記憶されている。
【0081】
画像サーバ30の制御部31は、通信部34を介してモダリティ20からDICOM画像ファイルを取得し、取得したDICOM画像ファイルを記憶部36に保存する。
【0082】
制御部31は、記憶部36に記憶されている抽出項目に基づいて、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から予め定められた第1の文字情報(患者名、患者コメント、検査記述等)を抽出し、抽出された第1の文字情報に基づいて、オーバーレイデータを生成する。第1の文字情報には、少なくとも、送信先機器(画像ビューア端末40)が対応不可能な文字集合で記述された文字情報(第2の文字情報)の一部が含まれる。また、第1の文字情報には、英数字以外の文字情報(日本語、中国語、韓国語等。ただし、画像サーバ30が対応可能な文字集合で記述されたもの。)が含まれる。
【0083】
制御部31は、記憶部36に記憶されている画像ビューア端末40が対応可能な文字集合に基づいて、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から送信先機器(画像ビューア端末40)が対応不可能な文字集合で記述された第2の文字情報を削除する。
【0084】
制御部31は、オーバーレイデータを、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付けて送信先機器(画像ビューア端末40)に送信する。具体的には、制御部31は、オーバーレイデータを、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込むことにより、オーバーレイデータを、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付ける。そして、制御部31は、ヘッダ情報にオーバーレイデータが書き込まれたDICOM画像ファイル(編集後のDICOM画像ファイル)を、通信部34を介して画像ビューア端末40に送信する。
【0085】
次に、第2の実施の形態における医用画像システムの各装置における動作について説明する。
図12は、RIS10、モダリティ20、画像サーバ30及び画像ビューア端末40において実行される処理を示すラダーチャートである。画像サーバ30における処理は、制御部31と、ROM35に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0086】
ステップS11〜S13の処理は、図6のステップS1〜S3の処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、モダリティ20では、制御部21により、DICOM画像ファイルが、通信部24を介して画像サーバ30に送信される(ステップS14)。
【0087】
画像サーバ30では、制御部31により、通信部34を介してモダリティ20からDICOM画像ファイルが取得され、取得されたDICOM画像ファイルが記憶部36に保存される(ステップS15)。
【0088】
次に、制御部31により、記憶部36に記憶されている抽出項目に基づいて、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から第1の文字情報が抽出され、抽出された第1の文字情報に基づいて、オーバーレイデータが生成される(ステップS16)。
【0089】
次に、制御部31により、記憶部36に記憶されている画像ビューア端末40が対応可能な文字集合に基づいて、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から画像ビューア端末40が対応不可能な文字集合で記述された第2の文字情報が削除される(ステップS17)。
例えば、画像サーバ30が対応可能な文字集合が「GB18030(簡体字中国語他)」であって、画像ビューア端末40が対応可能な文字集合が「空欄(英数字)」である場合に、図7に示すヘッダ情報50から第2の文字情報として患者名の漢字表記部分52、患者コメント53、検査記述54が削除され、図9に示すようなヘッダ情報60に変更される。
【0090】
次に、制御部31により、オーバーレイデータが、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込まれる(ステップS18)。そして、制御部31により、ヘッダ情報にオーバーレイデータが書き込まれたDICOM画像ファイル(編集後のDICOM画像ファイル)が記憶部36に保存される(ステップS19)。なお、編集後のDICOM画像ファイルは、ステップS15において保存された編集前のDICOM画像ファイルとは別のファイルとして保存される。
【0091】
次に、画像ビューア端末40から画像サーバ30にDICOM画像ファイルの取得要求が送信されると、画像サーバ30の制御部31により、通信部34を介して編集後のDICOM画像ファイルが画像ビューア端末40に送信される(ステップS20)。
【0092】
画像ビューア端末40では、制御部41により、通信部44を介して画像サーバ30から編集後のDICOM画像ファイルが取得される。そして、制御部41により、取得された編集後のDICOM画像ファイルに含まれる医用画像データに基づいて、表示部43に医用画像が表示されるとともに、編集後のDICOM画像ファイルに含まれるオーバーレイデータに基づいて、第1の文字情報が(画像として)オーバーレイ表示される(ステップS21)。
【0093】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、画像サーバ30において、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から第1の文字情報を抽出してオーバーレイデータを生成し、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から第2の文字情報を削除し、オーバーレイデータを、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込むことができる。そのため、後に編集後のDICOM画像ファイルに基づいて医用画像を表示する際に、第1の文字情報を文字として解釈することができない装置においても、オーバーレイデータを医用画像データに重ねて表示することにより、第1の文字情報を提供することができる。したがって、文字集合が異なる装置間の連携を図ることができる。
【0094】
また、画像サーバ30において、第1の文字情報を直接医用画像データに埋め込むのではなく、オーバーレイデータとして生成するので、必要に応じて非表示とすることができる。
また、画像サーバ30において、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から第2の文字情報を削除するので、画像ビューア端末40において、エラーにならずに医用画像を表示することができる。
【0095】
なお、第2の実施の形態における画像サーバ30においても、上記変形例(図11参照)のように、オーバーレイデータと、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルを特定するための情報と、を含むGSPSファイルを生成することにより、オーバーレイデータを、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付けることとしてもよい。
【0096】
第1の文字情報に基づいてオーバーレイデータを生成する処理、DICOM画像ファイルのヘッダ情報から第2の文字情報を削除する処理については、図12のステップS16,S17と同様である。
画像サーバ30の制御部31は、オーバーレイデータと、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルを特定するための情報(患者情報、検査情報、参照画像情報等)と、を含むGSPSファイルを生成することにより、オーバーレイデータを、ヘッダ情報から第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付ける。そして、制御部31は、共通の患者情報、検査情報等により対応付けられたDICOM画像ファイル及びGSPSファイルを、通信部34を介して画像ビューア端末40に送信する。
【0097】
画像ビューア端末40において、医用画像を参照する場合には、共通の患者情報、検査情報等により対応付けられたDICOM画像ファイル及びGSPSファイルが画像サーバ30から取得される。そして、制御部41により、DICOM画像ファイルに含まれる医用画像データに基づいて、表示部43に医用画像が表示されるとともに、GSPSファイルに含まれるオーバーレイデータに基づいて、第1の文字情報が(画像として)オーバーレイ表示される。
【0098】
[第3の実施の形態]
次に、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態における医用画像システムは、第1の実施の形態に示した医用画像システム100と同様の構成によってなるため、図1、図2、図4及び図5を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第3の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0099】
第3の実施の形態は、RIS10、モダリティ20及び画像サーバ30については英数字のみ対応可能であり、画像ビューア端末40については中国語が対応可能である場合等、画像サーバ30が対応可能な文字集合と画像ビューア端末40が対応可能な文字集合とが異なる場合の例である。
第3の実施の形態においては、画像ビューア端末40が本発明に係る医用情報処理装置である。すなわち、画像ビューア端末40において、オーバーレイデータが生成される。したがって、モダリティ20では、図6のステップS4〜S6に示したDICOM画像ファイルの編集は行われず、画像サーバ30では、図12のステップS16〜S18に示したDICOM画像ファイルの編集は行われない。
【0100】
画像ビューア端末40の記憶部46には、画像サーバ30が対応可能な文字集合が記憶されている。
【0101】
画像ビューア端末40の制御部41は、通信部44を介して画像サーバ30からDICOM画像ファイルを取得し、取得したDICOM画像ファイルを記憶部46に保存する。
【0102】
制御部41は、操作部42から入力された文字情報(画像コメント等)に基づいて、オーバーレイデータを生成する。操作部42から入力された文字情報には、送信先機器(画像サーバ30)が対応不可能な文字集合で記述された文字情報が含まれる。また、操作部42から入力された文字情報には、英数字以外の文字情報(日本語、中国語、韓国語等。ただし、画像ビューア端末40が対応可能な文字集合で記述されたもの。)が含まれる。
【0103】
制御部41は、オーバーレイデータをDICOM画像ファイルと対応付けて送信先機器(画像サーバ30)に送信する。具体的には、制御部41は、オーバーレイデータをDICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込むことにより、オーバーレイデータをDICOM画像ファイルと対応付ける。そして、制御部41は、ヘッダ情報にオーバーレイデータが書き込まれたDICOM画像ファイル(編集後のDICOM画像ファイル)を、通信部44を介して画像サーバ30に送信する。
【0104】
次に、第3の実施の形態における医用画像システムの各装置における動作について説明する。
図13は、RIS10、モダリティ20、画像サーバ30及び画像ビューア端末40において実行される処理を示すラダーチャートである。画像ビューア端末40における処理は、制御部41と、ROM45に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0105】
ステップS31〜S35の処理は、図12のステップS11〜S15の処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、画像ビューア端末40から画像サーバ30にDICOM画像ファイルの取得要求が送信されると、画像サーバ30の制御部31により、通信部34を介してDICOM画像ファイルが画像ビューア端末40に送信される(ステップS36)。
【0106】
画像ビューア端末40では、制御部41により、通信部44を介して画像サーバ30からDICOM画像ファイルが取得され(ステップS37)、取得されたDICOM画像ファイルに基づいて、表示部43に医用画像が表示される(ステップS38)。
【0107】
ここで、医師により医用画像の読影が行われ、操作部42から診断結果等が入力される。例えば、画像コメント(DICOMタグ(0020,4000)Image Commentsに対応する内容)として、画像を見て気になったことが入力される。そして、制御部41により、操作部42から入力された文字情報に基づいて、オーバーレイデータが生成される(ステップS39)。入力された文字情報は、表示部43の医用画像上に表示される。
【0108】
次に、制御部41により、オーバーレイデータがDICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込まれる(ステップS40)。そして、制御部41により、ヘッダ情報にオーバーレイデータが書き込まれたDICOM画像ファイル(編集後のDICOM画像ファイル)が、通信部44を介して画像サーバ30に送信される(ステップS41)。
【0109】
画像サーバ30では、制御部31により、通信部34を介して画像ビューア端末40から編集後のDICOM画像ファイルが取得され、取得された編集後のDICOM画像ファイルが記憶部36に保存される(ステップS42)。なお、編集後のDICOM画像ファイルは、ステップS35において保存された編集前のDICOM画像ファイルとは別のファイルとして保存される。
【0110】
その後、画像ビューア端末40や他の画像ビューア端末から、画像サーバ30に保存されている編集後のDICOM画像ファイルが参照される際には、編集後のDICOM画像ファイルに含まれる医用画像データに基づいて、医用画像が表示されるとともに、編集後のDICOM画像ファイルに含まれるオーバーレイデータに基づいて、画像ビューア端末40において入力された文字情報が(画像として)オーバーレイ表示される。すなわち、画像ビューア端末40の文字集合に対応していない画像ビューア端末からも、画像ビューア端末40において入力された文字情報を参照することができる。
【0111】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、画像ビューア端末40において、操作部42から入力された文字情報に基づいてオーバーレイデータを生成し、オーバーレイデータをDICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込むことができる。そのため、後に編集後のDICOM画像ファイルに基づいて医用画像を表示する際に、画像ビューア端末40において入力された文字情報を文字として解釈することができない装置においても、オーバーレイデータを医用画像データに重ねて表示することにより、画像ビューア端末40において入力された文字情報を提供することができる。したがって、文字集合が異なる装置間の連携を図ることができる。
【0112】
また、画像ビューア端末40において、操作部42から入力された文字情報を直接医用画像データに埋め込むのではなく、オーバーレイデータとして生成するので、必要に応じて非表示とすることができる。
【0113】
なお、第3の実施の形態における画像ビューア端末40においても、上記変形例(図11参照)のように、オーバーレイデータと、DICOM画像ファイルを特定するための情報と、を含むGSPSファイルを生成することにより、オーバーレイデータをDICOM画像ファイルと対応付けることとしてもよい。
【0114】
入力された文字情報に基づいてオーバーレイデータを生成する処理については、図13のステップS39と同様である。
画像ビューア端末40の制御部41は、オーバーレイデータとDICOM画像ファイルを特定するための情報(患者情報、検査情報、参照画像情報等)と、を含むGSPSファイルを生成することにより、オーバーレイデータをDICOM画像ファイルと対応付ける。そして、制御部41は、共通の患者情報、検査情報等により対応付けられたDICOM画像ファイル及びGSPSファイルを、通信部44を介して画像サーバ30に送信する。
【0115】
画像ビューア端末40や他の画像ビューア端末において、医用画像を参照する場合には、共通の患者情報、検査情報等により対応付けられたDICOM画像ファイル及びGSPSファイルが画像サーバ30から取得される。そして、DICOM画像ファイルに含まれる医用画像データに基づいて、医用画像が表示されるとともに、GSPSファイルに含まれるオーバーレイデータに基づいて、画像ビューア端末40において入力された文字情報が(画像として)オーバーレイ表示される。
【0116】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る医用情報処理装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0117】
例えば、オーバーレイ化される文字情報は、上記の項目に限定されず、患者ID、受付番号、検査コメント、シリーズ記述等であってもよい。
【0118】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0119】
10 RIS
20 モダリティ
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 通信部
25 ROM
26 記憶部
27 撮影部
28 バス
30 画像サーバ
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 通信部
35 ROM
36 記憶部
37 バス
40 画像ビューア端末
41 制御部
42 操作部
43 表示部
44 通信部
45 ROM
46 記憶部
47 バス
100 医用画像システム
N 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像の画像データとヘッダ情報とを含むDICOM画像ファイルの前記ヘッダ情報から予め定められた第1の文字情報を抽出し、当該抽出された第1の文字情報に基づいて、オーバーレイ用のピクセルデータを生成する生成手段と、
前記ヘッダ情報から送信先機器が対応不可能な文字集合で記述された第2の文字情報を削除する削除手段と、
前記オーバーレイ用のピクセルデータを、前記ヘッダ情報から前記第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付けて前記送信先機器に送信する制御手段と、
を備え、
前記第1の文字情報は、少なくとも前記第2の文字情報の一部を含む医用情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の文字情報は、英数字以外の文字情報を含む、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記オーバーレイ用のピクセルデータを、前記ヘッダ情報から前記第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込むことにより、前記オーバーレイ用のピクセルデータを、前記ヘッダ情報から前記第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付ける、
請求項1又は2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記オーバーレイ用のピクセルデータと、前記ヘッダ情報から前記第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルを特定するための情報と、を含むGSPSファイルを生成することにより、前記オーバーレイ用のピクセルデータを、前記ヘッダ情報から前記第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付ける、
請求項1又は2に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
医用画像の画像データとヘッダ情報とを含むDICOM画像ファイルを取得する取得手段と、
入力手段から入力された文字情報に基づいて、オーバーレイ用のピクセルデータを生成する生成手段と、
前記オーバーレイ用のピクセルデータを前記DICOM画像ファイルと対応付けて送信先機器に送信する制御手段と、
を備え、
前記入力手段から入力された文字情報は、前記送信先機器が対応不可能な文字集合で記述された文字情報を含む医用情報処理装置。
【請求項6】
前記入力手段から入力された文字情報は、英数字以外の文字情報を含む、
請求項5に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記オーバーレイ用のピクセルデータを前記DICOM画像ファイルのヘッダ情報に書き込むことにより、前記オーバーレイ用のピクセルデータを前記DICOM画像ファイルと対応付ける、
請求項5又は6に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記オーバーレイ用のピクセルデータと、前記DICOM画像ファイルを特定するための情報と、を含むGSPSファイルを生成することにより、前記オーバーレイ用のピクセルデータを前記DICOM画像ファイルと対応付ける、
請求項5又は6に記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
医用画像の画像データとヘッダ情報とを含むDICOM画像ファイルの前記ヘッダ情報から予め定められた第1の文字情報を抽出し、当該抽出された第1の文字情報に基づいて、オーバーレイ用のピクセルデータを生成する工程と、
前記ヘッダ情報から送信先機器が対応不可能な文字集合で記述された第2の文字情報を削除する工程と、
前記オーバーレイ用のピクセルデータを、前記ヘッダ情報から前記第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付けて前記送信先機器に送信する工程と、
を含み、
前記第1の文字情報は、少なくとも前記第2の文字情報の一部を含む医用情報処理方法。
【請求項10】
医用画像の画像データとヘッダ情報とを含むDICOM画像ファイルを取得する工程と、
入力手段から入力された文字情報に基づいて、オーバーレイ用のピクセルデータを生成する工程と、
前記オーバーレイ用のピクセルデータを前記DICOM画像ファイルと対応付けて送信先機器に送信する工程と、
を含み、
前記入力手段から入力された文字情報は、前記送信先機器が対応不可能な文字集合で記述された文字情報を含む医用情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
医用画像の画像データとヘッダ情報とを含むDICOM画像ファイルの前記ヘッダ情報から予め定められた第1の文字情報を抽出し、当該抽出された第1の文字情報に基づいて、オーバーレイ用のピクセルデータを生成する生成手段、
前記ヘッダ情報から送信先機器が対応不可能な文字集合で記述された第2の文字情報を削除する削除手段、
前記オーバーレイ用のピクセルデータを、前記ヘッダ情報から前記第2の文字情報が削除されたDICOM画像ファイルと対応付けて前記送信先機器に送信する制御手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記第1の文字情報は、少なくとも前記第2の文字情報の一部を含むプログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
医用画像の画像データとヘッダ情報とを含むDICOM画像ファイルを取得する取得手段、
入力手段から入力された文字情報に基づいて、オーバーレイ用のピクセルデータを生成する生成手段、
前記オーバーレイ用のピクセルデータを前記DICOM画像ファイルと対応付けて送信先機器に送信する制御手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記入力手段から入力された文字情報は、前記送信先機器が対応不可能な文字集合で記述された文字情報を含むプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−183203(P2012−183203A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48427(P2011−48427)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】