医用情報管理システム及び医用情報管理方法
【課題】識別子情報を使った医用情報の管理システムにおいて、任意の時間や場所で医用情報を照会要求するユーザの視点で医用情報を取得すること。
【解決手段】医用情報管理装置に、各種別が関連付けられる共通の識別子項目をもつ種別毎の識別子項目情報を記憶する記憶装置と、所要種別に関する識別子項目を受け付ける識別子項目提供部と、該所要種別に対応する識別子項目を取得する識別子項目取得部とを有し、医用情報生成装置に、識別子項目を要求する識別子項目要求部と、取得した識別子項目に応じて生成した識別子情報を基に識別子情報/医用情報を生成する識別子情報/医用情報生成部と、識別子情報又は識別子情報/医用情報を送信する送信部とを有し、医用情報管理装置に、識別子情報又は識別子情報/医用情報を受信する受信部と、受信した識別子情報又は識別子情報/医用情報を通過管理情報DBとして記録する通過管理情報記録部とを有する。
【解決手段】医用情報管理装置に、各種別が関連付けられる共通の識別子項目をもつ種別毎の識別子項目情報を記憶する記憶装置と、所要種別に関する識別子項目を受け付ける識別子項目提供部と、該所要種別に対応する識別子項目を取得する識別子項目取得部とを有し、医用情報生成装置に、識別子項目を要求する識別子項目要求部と、取得した識別子項目に応じて生成した識別子情報を基に識別子情報/医用情報を生成する識別子情報/医用情報生成部と、識別子情報又は識別子情報/医用情報を送信する送信部とを有し、医用情報管理装置に、識別子情報又は識別子情報/医用情報を受信する受信部と、受信した識別子情報又は識別子情報/医用情報を通過管理情報DBとして記録する通過管理情報記録部とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の医用情報を管理する技術に係り、特に、ユーザの視点で医用情報を照会する医用情報管理システム及び医用情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各医療機関では医用情報は時系列的に管理されており、他の医療機関で管理されている医用情報は、診療情報提供書により張り付けられた医用情報を照会することしかできなかった。このため、複数の医療機関では医用情報の共有ができない問題があり、また、医用情報の所在(受診履歴)が患者個人の記憶等に頼らざるを得ない等の問題点があった。
【0003】
そこで、患者の医用情報を管理するためのシステムとして、患者識別子情報を利用してデータを管理するデータセンタを構築する技術がある(例えば、特許文献1及び2参照。)。データセンタでは、患者毎に定められた識別子情報としての患者ID(IDentification)情報を基に医用情報の管理を行なっている。
【0004】
その他に、患者の医用情報を管理するためのシステムとして、個別のID情報を使いながら個別に管理されている情報を統合する方法として金融機関で行なわれる、いわゆる「名寄せ」処理を利用した技術がある(例えば、特許文献3参照。)。名寄せでは、個人の属性情報を用いて情報の統合を行なっている。この技術では、所属支所、組合員コード、性別、生年月日、電話番号及び住所が個人属性情報として使用されている。これらのシステムは、比較的短期間、例えば、1年に発生したデータの統合を目的としたものであり、個人属性情報が一定である。あるいは、その変更を管理できるという前提に立ったシステムである。
【特許文献1】特開2004−152213号公報
【特許文献2】特開2003−337861号公報
【特許文献3】特開2004−78336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
患者の医用情報を管理するためにデータセンタを構成する技術によると、そのデータセンタでは患者ID情報を基に医用情報を管理しているため、患者ID情報を全ての関連する医療機関で利用できる必要があった。それを実現するためには、各医療機関のシステムの改変が必要になるので、従来のデータセンタによる医用情報の管理は効率的な方法とはいえなかった。
【0006】
また、名寄せ処理を応用する技術によると、患者の医用情報の管理を実現するためには、個人属性情報の変化を管理する必要があるので、効率的な方法とはいえなかった。
【0007】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、ローカルの識別子情報を使った医用情報の管理システムを構成することができ、任意の時間や場所で医用情報を照会要求するユーザの視点で医用情報を照会することができる医用情報管理システム及び医用情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る医用情報管理システムは、上述した課題を解決するために請求項1に記載したように、医用情報を生成する医用情報生成装置と、この医用情報生成装置で生成した医用情報を管理する医用情報管理装置とを備え、前記医用情報生成装置及び前記医用情報管理装置を、ネットワーク網を介して相互接続するシステムにおいて、前記医用情報生成装置に、各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目をもつように、種別毎の識別子項目情報を識別子項目情報DB(Data Base)として記憶する記憶装置と、所要種別を基に前記識別子項目情報DBを検索し、前記所要種別に対応する所要の識別子項目を取得する識別子項目取得部と、前記識別子項目取得部で取得した前記所要の識別子項目に応じて識別子情報を生成する識別子情報生成部と、医用情報が発生する種別の場合、前記医用情報を前記識別子情報と対応付けた識別子情報/医用情報を生成する識別子情報/医用情報生成部と、前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を前記ネットワーク網に送信する送信部とを有し、前記医用情報管理装置に、前記ネットワーク網から前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を受信する受信部と、前記受信部で受信した前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を通過管理情報DBとして記録したり、予め記憶された前記通過管理情報DBに含まれる識別子情報に前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報を関連付けて前記通過管理情報DBに追加記録したりする通過管理情報記録部とを有する。
【0009】
本発明に係る医用情報管理システムは、上述した課題を解決するために請求項2に記載したように、医用情報を生成する医用情報生成装置と、この医用情報生成装置で生成した医用情報を管理する医用情報管理装置とを備え、前記医用情報生成装置及び前記医用情報管理装置を、ネットワーク網を介して相互接続するシステムにおいて、前記医用情報管理装置に、各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目をもつように、種別毎の識別子項目情報を識別子項目情報DBとして記憶する記憶装置と、前記医用情報生成装置から所要種別に関する識別子項目の提供を受け付ける識別子項目提供部と、前記識別子項目提供部で受け付けた前記所要種別を基に前記識別子項目情報DBを検索し、前記所要種別に対応する所要の識別子項目を取得する識別子項目取得部とを有し、前記医用情報生成装置に、前記所要の識別子項目を要求する識別子項目要求部と、前記識別子項目取得部で取得した前記所要の識別子項目に応じて識別子情報を生成する識別子情報生成部と、医用情報が発生する種別の場合、前記医用情報を前記識別子情報と対応付けた識別子情報/医用情報を生成する識別子情報/医用情報生成部と、前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を前記ネットワーク網に送信する送信部とを有し、前記医用情報管理装置に、前記ネットワーク網から前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を受信する受信部と、前記受信部で受信した前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を通過管理情報DBとして記録したり、予め記憶された前記通過管理情報DBに含まれる識別子情報に前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報を関連付けて前記通過管理情報DBに追加記録したりする通過管理情報記録部とを有する。
【0010】
本発明に係る医用情報管理方法は、上述した課題を解決するために請求項7に記載したように、各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目をもつように、種別毎の識別子項目情報が識別子項目情報DBとして記憶される識別子項目情報記憶工程と、所要種別を基に前記識別子項目情報DBを検索し、前記所要種別に対応する所要の識別子項目が取得される識別子項目取得工程と、前記識別子項目取得工程で取得した前記識別子項目に応じて識別子情報が生成される識別子情報生成工程と、医用情報が発生する種別の場合、前記医用情報を前記識別子情報と対応付けた識別子情報/医用情報が生成される識別子情報/医用情報生成工程と、前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報が通過管理情報DBとして記録されたり、予め記憶された前記通過管理情報DBに含まれる識別子情報に前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報が関連付けられて前記通過管理情報DBに追加記録されたりする通過管理情報記録工程とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る医用情報管理システム及び医用情報管理方法によると、ローカルの識別子情報を使った医用情報の管理システムを構成することができ、任意の時間や場所で医用情報を照会要求するユーザの視点で医用情報を照会することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る医用情報管理システム及び医用情報管理方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る医用情報管理システムの全体構成を示す概要図である。
【0014】
図1は、医用情報管理システム10を示し、この医用情報管理システム10は、医用情報を生成する医用情報生成装置11(11a,11b,11c,…)と、この医用情報生成装置11で生成した医用情報を管理する医用情報管理装置(データセンタ)12と、この医用情報管理装置12に医用情報を照会する医用情報照会装置13(13a,…)とが備えられ、医用情報生成装置11、医用情報管理装置12及び医用情報照会装置13はネットワークNを介して相互接続される。ネットワークNは、公衆回線(ISDN(Integrated Services Digital Network)を含む)や専用回線のような回線接続であっても、また、インターネットのような開かれたネットワークであってもよい。
【0015】
また、医用情報生成装置11は、種別毎に予め設定された識別子項目に識別子情報を付加したり、その識別子情報を分析結果等の医用情報に対応付けたりする。医用情報管理装置12は、医用情報生成装置11で付加した識別子情報を基に医用情報を管理する。なお、図1に示した医用情報生成装置11は3つの医用情報生成装置11a,11b,11cから構成されるように図示したが、3つに限定されるものではない。また、医用情報照会装置13は1つの医用情報照会装置13aから構成されるように図示したが、1つに限定されるものではない。
【0016】
医用情報生成装置11及び医用情報照会装置13は、病院、検診センタ及び検体分析センタ等の医療機関の単位で設置されるものとする。なお、医用情報生成装置11及び医用情報照会装置13は単一の医療機関の単位で設置されるものとするが、その場合に限定されるものではなく、システム提携された複数の医療機関の単位で設置される場合もある。さらに、医用情報生成装置11は、医療機関以外の機関、例えば検体検査の際に検体を収容するビンを製造するビン製造工場等に設置される場合もある。また、医用情報照会装置13は、患者が住居等に所有するPC(Personal Computer)であってもよい。
【0017】
医用情報生成装置11、医用情報管理装置12及び医用情報照会装置13はコンピュータをベースとして構成されている。
【0018】
図2は、医用情報生成装置11の構成を示すブロック図である。
【0019】
図2に示した医用情報生成装置11は、CPU(Central Processing Unit)21、メモリ22、HD(Hard Disk)24及び通信制御装置25等の基本的なハードウェアから構成され、CPU21は、共通信号伝送路としてのバスB1を介して、コンピュータを構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。また、医用情報生成装置11には、キーボード26a、ICタグリーダ26b及びバーコードリーダ等の周辺機器としての入力装置26が相互接続される。なお、コンピュータは、モニタ等の表示装置27やドライブ28を具備する場合もある。
【0020】
CPU21はメモリ22に記憶しているプログラムを実行する。また、CPU21は、HD24に記憶しているプログラム、ネットワークNから転送され通信制御装置25で受信されてHD24にインストールされたプログラム、又はドライブ28に装着されたフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto OptICal)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク及び半導体メモリ等の可搬型の記録媒体29から読み出されてHD24にインストールされたプログラムをメモリ22にロードして実行する。プログラムの実行によってコンピュータは医用情報生成装置11として機能する。
【0021】
メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)として機能し、CPU21のワークメモリやデータの一時的あるいは永続的な記憶に用いられる記憶装置である。
【0022】
HD24は、コンピュータにインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他にOS(Operating System)等を含む)や、CPU21が処理を行なう上で必要なデータを記憶する記憶装置である。
【0023】
通信制御装置25は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394ポートや、USB(Universal Serial Bus)ポート、LAN(Local Area Network)接続用のNIC(Network Interface Card)等で構成された通信I/F(Inter Face)であり、各規格に応じた通信制御を行なう。また、通信制御装置25は、アナログモデムや、TA(Terminal Adapter)及びDSU(Digital Service Unit)、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム等の電話回線を通じてネットワークNに接続することができる機能を有しており、これにより、コンピュータは、通信制御装置25からネットワークNに接続することができる。
【0024】
ドライブ28は、記録媒体29の着脱が可能となっており、記録媒体29と一体となって記憶装置として機能する。ドライブ28は、記録媒体29に記録されたデータ(プログラムを含む)を読み出して、バスB1上に出力する一方、バスB1を介して供給されるデータを記録媒体29に書き込む。ここで、CPU21が実行するプログラムは、記録媒体29に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このような記録媒体29は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0025】
図3は、医用情報管理装置12の構成を示すブロック図である。
【0026】
図3に示した医用情報管理装置12は、CPU31、メモリ32、HD34及び通信制御装置35等の基本的なハードウェアから構成され、CPU31は、共通信号伝送路としてのバスB2を介して、コンピュータを構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。なお、コンピュータはドライブ38を具備する場合もある。
【0027】
CPU31はメモリ32に記憶しているプログラムを実行する。また、CPU31は、HD34に記憶しているプログラム、ネットワークNから転送され通信制御装置35で受信されてHD34にインストールされたプログラム、又はドライブ38に装着された記録媒体39から読み出されてHD34にインストールされたプログラムをメモリ32にロードして実行する。プログラムの実行によってコンピュータは医用情報管理装置12として機能する。
【0028】
メモリ32は、例えば、ROMやRAMとして機能し、CPU31のワークメモリやデータの一時的あるいは永続的な記憶に用いられる記憶装置である。
【0029】
HD34は、コンピュータにインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他にOS等を含む)や、CPU31が処理を行なう上で必要なデータを記憶する記憶装置である。
【0030】
通信制御装置35は通信I/Fであり、各規格に応じた通信制御を行なう。また、通信制御装置35は、電話回線を通じてネットワークNに接続することができる機能を有しており、これにより、コンピュータは、通信制御装置35からネットワークNに接続することができる。
【0031】
ドライブ38は、記録媒体39の着脱が可能となっており、記録媒体39と一体となって記憶装置として機能する。ドライブ38は、記録媒体39に記録されたデータ(プログラムを含む)を読み出して、バスB2上に出力する一方、バスB2を介して供給されるデータを記録媒体39に書き込む。ここで、CPU31が実行するプログラムは、記録媒体39に、一時的あるいは永続的に格納しておくことができる。このような記録媒体39は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0032】
ここで、HD34等の記憶装置には、種別毎に予め設定された単数又は複数の識別子項目を記憶しており、各種別同士は、共通の識別子項目を介して関連付けられる。例えば、第1の種別に識別子項目(A)を設定している場合、第2の種別に識別子項目(A)及び識別子項目(B)を設定させ、また、第3の種別に識別子項目(B)、識別子項目(C)及び識別子項目(D)を設定させる。このように、第1の種別と第2の種別とが識別子項目(A)を介して関連付けられ、第2の種別と第3の種別とが識別子項目(B)を介して関連付けられることになる。
【0033】
また、図1に示した医用情報照会装置13のハードウェア構成も図2に示した医用情報生成装置11の構成に準ずるものとする。
【0034】
図4は、本発明に係る医用情報管理システム10の第1実施の形態を示すブロック図である。
【0035】
図4は、医用情報管理システム10を示し、この医用情報管理システム10は、医用情報生成装置11a、医用情報管理装置12及び医用情報提供要求装置13がネットワークN(図1に示す)を介して相互接続される。本実施の形態では、医用情報生成装置11aを第1病院H1に、医用情報提供要求装置13を第2病院H2に配置するものとする。
【0036】
医用情報生成装置11aは、コンピュータのCPU21(図2に示す)がプログラムを実行することによって、識別子項目要求部41(41a)、識別子情報生成部42(42a)、識別子情報/医用情報生成部43(43a)及び送信部44(44a)として機能する。
【0037】
識別子項目要求部41aは、医用情報管理装置12から、入力装置26(図2に示す)の入力信号に従って所要種別に対応する識別子項目を要求する機能を有する。
【0038】
識別子情報生成部42aは、識別子項目要求部41aの要求に従って取得した識別子項目毎に識別子情報を生成すると共に、その識別子情報に関する付帯情報を付帯させる機能を有する。
【0039】
第1病院H1で分析結果等の医用情報が発生する種別の場合、医用情報に、識別子情報生成部42aで生成した識別子情報と対応付けた識別子情報/医用情報を生成する機能を有する。
【0040】
送信部44aは、識別子情報生成部42aで生成した識別子情報、又は、識別子情報/医用情報生成部43aで生成した識別子情報/医用情報を、通信制御装置25(図2に示す)を介して医用情報管理装置12に送信する機能を有する。
【0041】
医用情報管理装置12は、コンピュータのCPU31(図3に示す)がプログラムを実行することによって、識別子項目取得部51、識別子項目提供部52、受信部53、通過管理情報生成・記録部54、医用情報照会要求受付部55、医用情報取得部56及び医用情報提供部57として機能する。
【0042】
HD34(図3に示す)等の記憶装置は、種別毎の識別子項目を識別子項目情報DBとして記憶しており、識別子項目取得部51は、医用情報生成装置11aから要求された所要種別を基に、記憶装置に記憶した識別子項目情報DBを検索し、所要種別に対応する識別子項目を取得する機能を有する。
【0043】
識別子項目提供部52は、医用情報生成装置11aの識別子項目要求部41aからの識別子項目の要求に従って識別子項目取得部51に、所要種別に対応する識別子項目を検索させると共に、識別子項目取得部51が取得した識別子項目を通信制御装置35(図3に示す)を介して識別子項目要求部41に提供する機能を有する。
【0044】
受信部53は、医用情報生成装置11aの送信部44aから送信された識別子情報又は識別子情報/医用情報を、通信制御装置35を介して受信する機能を有する。
【0045】
通過管理情報生成・記録部54は、受信部53で受信した識別子情報又は識別子情報/医用情報を通過管理情報DBとして記憶装置に記録したり、受信部53で受信した識別子情報又は識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報を、記憶装置に記憶した通過管理情報DBに含まれる識別子情報に関連付けて、通過管理情報DBに追加記録したりする機能を有する。
【0046】
医用情報照会要求受付部55は、医用情報照会装置13から通信制御装置35を介して所要の識別子情報に関する医用情報の照会要求を受け付ける機能を有する。
【0047】
医用情報取得部56は、医用情報照会要求受付部55で受け付けた所要の識別子情報を基に、記憶装置に記憶された通過管理情報DBを検索し、所要の識別子情報に関する医用情報を取得する機能を有する。
【0048】
医用情報提供部57は医用情報取得部56で取得した医用情報を、通信制御部35を介して医用情報照会装置13に提供する機能を有する。また、記憶装置にユーザ管理情報DBが格納されている場合、そのユーザ管理情報DBに従って医用情報を加工して提供する。
【0049】
医用情報照会装置13は、コンピュータのCPU(図示しない)がプログラムを実行することによって、医用情報管理装置12に、所要の識別子情報に関する医用情報を照会要求する医用情報照会要求部61として機能する。
【0050】
なお、医用情報生成装置11aには便宜上、医用情報照会要求部61を配置せず、また、医用情報照会装置13には便宜上、識別子項目要求部41、識別子情報生成部42、識別子情報/医用情報生成部43及び送信部44を配置しない構成とした。しかし、第1病院H1に医用情報生成装置11aを、第2病院H2に医用情報照会装置13を配置する場合、双方の装置に識別子項目要求部41、識別子情報生成部42、識別子情報/医用情報生成部43、送信部44及び医用情報照会要求部61の機能を併せもつ構成としてもよい。一方、医用情報照会装置13が患者個人のPCである場合、そのPCには医用情報照会要求部61のみを有するものとする。
【0051】
続いて、本実施の形態に係る医用情報管理方法について、主に図4を参照しながら図5に示したフローチャートを用いて説明する。ここでは、種別を放射線検査で行なわれる各工程(進捗状況)とする場合を説明する。また、放射線検査は、大きくは、図6に示すようにオーダ生成工程、検体分析工程及びレポート作成工程の3工程に分けられるが、そのうち、依頼科で実施されるオーダ生成工程の場合を説明する。
【0052】
まず、医用情報管理システム10の医用情報管理装置12を構成するHD34(図3に示す)等の記憶装置に、各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目が設定され、識別子項目DBとして記憶される(ステップS1)。具体的には、記憶装置に、放射線検査で行なわれる各工程同士が関連付けられる共通の識別子項目が設定され、識別子項目DBとして記憶される。なお、同様に、医用情報生成装置11aを構成するHD24(図2に示す)等の記憶装置に、各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目が設定され、識別子項目DBとして記憶されてもよい。
【0053】
図7は、識別子項目DBの一例をテーブルとして示す図である。
【0054】
放射線検査は、大きくは、オーダ生成工程、検査実施工程及びレポート作成工程の3工程に分けられる。放射線検査内のオーダ生成工程に対応する識別子項目を、全ての医療機関(広域)で有効となる固有の広域患者識別子、医療機関識別子(第1病院H1の固有の識別子)及びオーダ識別子と設定する。また、放射線検査内の検査実施工程に対応する識別子項目を、オーダ識別子及び検査識別子と設定する。さらに、放射線検査内のレポート作成工程に対応する識別子項目を、検査識別子及びレポート識別子と設定する。よって、図7に示したテーブルでは、オーダ生成工程と検査実施工程との共通の識別子項目をオーダ識別子とし、検査実施工程とレポート作成工程との共通の識別子項目は検査識別子としている。
【0055】
ここで、広域患者識別子として、例えば、IC(Integrated Circuit)カードに記録された住民票コード、健康保険証番号、住民票コード、納税者番号及び基礎年金番号のように、国民固有の識別子を用いることができる。
【0056】
図4に示した医用情報生成装置11aの識別子項目要求部41aでは、入力装置26(図2に示す)からの入力信号に従って、第1病院H1で実際に行なっている所要種別が判断され、所要種別をキーとして、その所要種別に対応する識別子項目が要求される。
【0057】
医用情報管理装置12の識別子項目提供部52では、識別子項目要求部41aからの識別子項目の要求に従って識別子項目取得部51に、要求に従った識別子項目を検索させる。識別子項目取得部51では、所要種別を基に、ステップS1で記憶装置に記憶した識別子項目情報DBが検索され、所要種別に対応する識別子項目が取得される(ステップS2)。具体的には、図7に示したテーブルから、放射線検査内のオーダ生成工程に対応する識別子項目として広域患者識別子、医療機関識別子及びオーダ識別子が取得される。放射線検査内のオーダ生成工程に対応する識別子項目としての広域患者識別子、医療機関識別子及びオーダ識別子は、識別子項目提供部52から医用情報生成装置11aの識別子項目要求部41aに提供される。
【0058】
次いで、識別子情報生成部42aでは、入力装置26であるキーボード26aからの入力信号を基に、ステップS1で取得した識別子項目に識別子情報が入力され、識別子情報が生成される(ステップS3)。また、識別子情報に対して付帯情報、例えば識別子情報区分、流通範囲及び流通場所が付帯されてもよい。
【0059】
図8は、識別子情報及びその付帯情報の一例をテーブルとして示す図である。
【0060】
図8は、放射線検査内のオーダ生成工程の場合における識別子情報を示し、識別子項目の広域患者識別子として識別子情報「123456」が付され、また、付帯情報として、識別子情報区分「広域患者ID(IDentification)」、流通範囲「全国」及び流通場所「全国」が付帯される。また、識別子項目の医療機関識別子として識別子情報「HP12−12」が付され、また、付帯情報として、識別子情報区分「医療機関ID(第1病院H1の固有のID)」、流通範囲「全国」及び流通場所「全国」が付帯される。さらに、識別子項目のオーダ識別子として識別子情報として「ORD0123」が付され、また、付帯情報として、識別子情報区分「オーダ番号」、流通範囲「第1病院H1内」及び流通場所「第1病院H1」が付帯される。
【0061】
図4に示した識別子情報/医用情報生成部43aでは、分析結果等の医用情報が発生する場合、識別子情報生成部42aで付加した識別子情報が医用情報と対応付けられた識別子情報/医用情報が生成される(ステップS4)。
【0062】
ステップS3にて識別子情報生成部42aで生成された識別子情報、又は、ステップS4にて識別子情報/医用情報生成部43aで生成された識別子情報/医用情報は、送信部44から医用情報管理装置12に送信される。
【0063】
医用情報管理装置12の受信部53では、送信部44から識別子情報又は識別子情報/医用情報が受信される。次いで、通過管理情報生成・記録部54では、受信部53で受信した識別子情報又は識別子情報/医用情報の識別子情報が、記憶装置に記憶した通過管理情報DBに含まれる識別子情報に関連付けられるか否かが判断される(ステップS5)。ステップS5の判断にてYes、すなわち、受信部53で受信した識別子情報又は識別子情報/医用情報の識別子情報が、通過管理情報DBに含まれる識別子情報に関連付けられる場合、識別子情報の関連付けが行なわれ(ステップS6)、通過管理情報DBに追加記録される(ステップS7)。
【0064】
一方、ステップS5の判断にてNo、すなわち、受信部53で受信した識別子情報又は識別子情報/医用情報の識別子情報が、通過管理情報DBに含まれる識別子情報に関連付けられない場合、受信部53で受信した識別子情報又は識別子情報/医用情報が通過管理情報DBとして記憶装置に記録される(ステップS8)。
【0065】
図9は、通過管理情報DBの一例をテーブルとして示す図である。
【0066】
図9は、受信部53で受信した識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報と、通過管理情報DBに含まれる識別子情報とを関連付けてテーブルとして示した図である。
【0067】
例えば、図7に示したように放射線検査の検査実施工程には識別子項目としてのオーダ識別子及び検査識別子が設定されているので、検査実施工程のオーダ識別子に相当するオーダ番号は、図9に示したオーダ生成工程のオーダ識別子に相当するオーダ番号「ORD0123」と関連付けられる。
【0068】
次いで、図4に示した医用情報照会装置13の表示装置(図示しない)上に表示されるログイン画面を用いて、ユーザ(医者、技師、看護士又は患者等)によって医用情報照会装置13がログインされる。ログイン画面上でログインが行なわれると、ログインユーザの属性情報が、医用情報照会要求部61から医用情報照会要求受付部55に送信される。医用情報照会要求受付部55は、ログインユーザの属性情報に合った医用情報照会画面を医用情報照会装置13に呈示する。
【0069】
医用情報照会装置13の医用情報照会要求部61では、ユーザによって、医用情報管理装置12に所要の識別子情報に関する医用情報の照会が要求される(ステップS9)。具体的には、医用情報照会装置13に対して、広域患者識別子の識別子情報である広域患者識別子情報(広域患者ID)として「123456」をユーザが指定する。ユーザが医用情報照会装置13の入力装置(図示しない)を用いて広域患者識別子情報を指定入力することで、医用情報照会装置13の医用情報照会要求部61では、医用情報管理装置12に、広域患者識別子情報に関する医用情報の照会が要求される。
【0070】
なお、医用情報管理システム10が、同一病院(システム)内に医用情報生成装置11aと医用情報照会装置13とを配置する構成の場合、医用情報照会装置13を操作するユーザは、広域患者識別子情報の他、医療機関識別子の識別子情報である医療機関識別子情報(医療機関ID)やオーダ識別子の識別子情報であるオーダ識別子情報(オーダ番号)を指定してもよい。また、医用情報管理システム10が、患者所有のPCを医用情報照会装置13とする構成の場合、医用情報照会装置13を操作する患者は、広域患者識別子情報の他、医療機関識別子情報やオーダ識別子情報を指定してもよい。よって、医用情報照会装置13を操作するユーザは、必ずしも広域患者識別子情報を指定するものではない。
【0071】
図10は、ログイン画面の一例を示す図である。
【0072】
ログイン画面上では、ユーザIDとパスワードを入力する形式のログイン画面を示した。さらにセキュリティを高めるためには、ICカードの利用や、指紋等の生体情報を使ったログイン形式にしてもよい。
【0073】
ここで、図4に示した医用情報照会要求部61でログインが成功した場合、医用情報の検索条件・表示条件を指定できるようにしてもよい。その場合、医用情報照会装置13の表示装置上に検索条件・表示条件の指定画面を表示する。
【0074】
図11は、検索条件の指定画面の一例を示す図である。
【0075】
図11には、検索条件として、検査実施期間、検査依頼科、検査依頼医師及び検査センタを例示した。これらの検索条件以外には、工程等がある。ユーザが入力装置を用いて検査実施期間、検査依頼科、検査依頼医師及び検査センタのテキストボックスのうち少なくとも1つに所望の検索条件を入力して「指定」ボタンをクリックすると、検索条件が指定される。また、「表示条件変更」ボタンをクリックすると、表示条件の指定画面に切り替わる形態となっている。
【0076】
図12は、表示条件の指定画面の一例を示す図である。
【0077】
表示条件として、表示データ、参照形式、ファイル書式及び画像形式を指定できる場合を示す。表示データとして、検査結果又は検査過程をプルダウンメニューによって選択できるようになっている。表示データとして参照形式として、一覧ツリー又は個別検査を選択できるようになっている。ファイル書式として、HTML(Hyper Text Markup Language)、RTF(Rich Text Format)又はPDF(Portable Document Format)を選択できるようになっている。画像形式として、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)又はTIFF(Tagged Image File Format)を選択できるようになっている。なお、表示条件はこれらに限定されるわけではない。
【0078】
ユーザが入力装置を用いて表示データ、参照形式、ファイル書式及び画像形式のプルダウンメニューのうち少なくとも1つメニューから所望の検索条件を選択して「指定」ボタンをクリックすると、表示条件が指定される。また、「検索条件変更」ボタンをクリックすると、検索条件の指定画面に切り替わる形態となっている。
【0079】
図4に示した医用情報照会要求部61からの所要の識別子情報に関する医用情報の照会要求は、医用情報管理装置12の医用情報照会要求受付部55で受け付けられる。
【0080】
医用情報取得部56では、医用情報照会要求受付部55で受け付けた所要の識別子情報を基に記憶装置に記憶された通過管理情報DBが検索され、所要の識別子情報に関する医用情報が取得される(ステップS10)。例えば、医用情報照会装置13の医用情報照会要求部61で広域患者識別子情報として「123456」を指定して、広域患者識別子情報に関する医用情報の照会が要求された場合には、医用情報取得部56では、記憶装置に記憶された通過管理情報DBから広域患者識別子情報「123456」を含む医用情報が取得されることになる。
【0081】
医用情報提供部57では、ステップS10で取得した医用情報を一覧表とし、その一覧表が医用情報提供部57からネットワークNを介して医用情報照会装置13の医用情報照会要求部61に提供される(ステップS11)。一覧表のデータ書式は、ユーザの利便性を考慮して、原則としてHTML形式とすることが好適であるが、HTML形式に限定されるわけではなく、その他にXML(eXtensible Markup Language)形式及びCSV(Comma Separated Values)形式等であってもよい。また、図12の指定画面にてユーザによって表示条件の指定が行なわれた場合には、その指定に従った一覧表が医用情報照会要求部61に提供される。
【0082】
なお、検査結果等の医用情報として、医用情報の生データを医用情報管理装置12で管理してもよいし、医用情報の参照先データを管理するようにしてもよい。
【0083】
ここで、予め、医用情報管理装置12の記憶装置にユーザ管理情報をユーザ管理情報DBとして格納させてもよい。ユーザ管理情報DBでは、ユーザ種別情報毎又はユーザ識別子情報(医用情報照会装置13をログインしたユーザID情報)毎に表示データの形式(表示形式)を管理する。ただし、ユーザ識別子情報に該当する表示形式が管理されていない場合には、ユーザ種別情報毎に管理されている表示形式が用いられる一方、ユーザ識別子情報に該当する表示形式が管理されている場合には、ユーザ種別情報毎に管理されている表示形式よりも優先される。
【0084】
また、図13は、ユーザ種別情報毎の表示形式の一例を、図14は、ユーザ識別子情報毎の表示形式の一例をそれぞれ示している。
【0085】
表示データとして、検査結果及び検査過程を用いている。参照形式として、一覧ツリー及び個別検査を用いている。ファイル書式として、HTML、RTF及びPDFを用いている。画像形式として、JPEG、DICOM及びTIFFを用いている。ただし、図10及び図11で示したもの以外にも、例えば、表示データの並び順、異常値の表示方法、異常値の判断基準及び表示配色等を管理してもよい。ここで、図12の指定画面で表示条件が指定された場合には、その指定が、ユーザ管理情報DBによる表示形式の設定よりも優先されるものとする。
【0086】
なお、図4に示したブロック図では、医用情報生成装置11aから医用情報管理装置12に所要の識別子項目を要求する場合を想定しているが、その場合に限定されるものではなく、医用情報生成装置11aのHD24(図2に図示)等の記憶装置に予め識別子項目DBを記憶させ、医用情報生成装置11aに識別子項目取得部51を有するように構成してもよい。
【0087】
さらに、ネットワークN上のデータの暗号化については触れていないが、ネットワークN上のデータは暗号化されることが好ましい。暗号化は、汎用的な暗号技術、例えばSSL(Secure Socket Layer)による暗号化を行なえばよい。
【0088】
本発明に係る医用情報管理システム10の第1実施の形態及び医用情報管理方法によると、広域でユニークとなる広域患者識別子情報を軸として、ローカルにそれぞれ発番される識別子情報との関連を時間的空間的な移動時に通過管理情報DBとして適宜記録する。よって、ローカルの識別子情報を使った医用情報の管理システムを構成することができ、任意の時間や場所で医用情報を照会要求するユーザの視点で医用情報を照会することができる。
【0089】
図15は、本発明に係る医用情報管理システムの第2実施の形態を示すブロック図である。なお、図15に示した医用情報管理システム10Aにおいて、図4に示した医用情報管理システム10と同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。また、医用情報管理システム10Aの識別子項目要求部41b,41cは識別子項目要求部41aと、識別子情報生成部42b,42cは識別子情報生成部42aと、識別子情報/医用情報生成部43b,43cは識別子情報/医用情報生成部43aと、送信部44b,44cは送信部44aとそれぞれ同一の機能を有するものとする。
【0090】
第1実施の形態では、複数の種別が1つの医療機関で完結する場合の例として、複数の工程が1つの医療機関で完結する放射線検査の場合について説明した。しかし、複数の種別は、1つの医療機関内で完結する場合に限定されず、例えば検体検査のように、工程の一部を他の機関が行なう場合がある。本実施の形態では、医用情報生成装置11aをビンの製造工場Pに、医用情報生成装置11bを第1病院H1に、医用情報生成装置11cを検体分析センタAに、医用情報提供要求装置13を第2病院H2に配置するものとし、複数の種別を多種の機関にて行なう検査の場合を説明する。
【0091】
複数の種別を多種の医療機関にて行なう検体検査では、尿及び血液等の検体(標本)を患者から取得し、それを分析装置で分析する。検体検査は、大きくは、図16に示すように、ビン製造工程、ビン納品工程、検体収容工程、検体分析工程及び検体廃棄工程の5工程に分けられる。
【0092】
ビン製造工程は一般的には検体を収容するビンを製造する製造業者等で行なわれるもので、ビンの識別子情報を発行(製造番号を発番)し、その識別子情報をビンに記録する工程である。ビンへの識別子情報の記録は、識別子情報をバーコード化したラベルを貼付することで行なわれてもよいし、識別子情報を記録したICタグをICタグシールとして貼付することで行なわれてもよい。
【0093】
ビン納品工程は一般的には病院又は健診センタ等の医療機関(第1病院H1)で行なわれるもので、ビン製造工程で識別子情報が記録されたビンを納品する工程である。
【0094】
検体収容工程は一般的にはビン納品工程と同様に第1病院H1で行なわれるもので、被検体である患者から検体の採取を行ない、ビン納品工程で納品したビンに検体を収容する工程である。
【0095】
検体分析工程は一般的には検体分析センタAで行なわれるもので、検体収容工程でビンに収容した検体を、その医療機関内の検査部門又は施設外の検査分析受託機関に送付してそこで分析を実施する工程である。ここで、同一検体に対して複数回の分析が行われる場合もある。
【0096】
検体廃棄工程は一般的には検体分析工程を行なった検体分析センタAで行なわれるもので、検体分析工程後、ビンに残存する検体を破棄する工程である。検体廃棄工程にて検体検査は終了する。
【0097】
続いて、本実施の形態に係る医用情報管理方法について、主に図15を参照しながら図5に示したフローチャートを用いて説明する。
【0098】
まず、医用情報管理システム10Aの医用情報管理装置12を構成するHD34(図3に示す)等の記憶装置に、各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目が設定され、識別子項目DBとして記憶される(ステップS1)。
【0099】
図17は、識別子項目DBの一例をテーブルとして示す図である。
【0100】
検体検査は、大きくは、ビン製造工程、ビン納品工程、検体収容工程、検体分析工程及び検体廃棄工程の5工程に分けられる。検体検査内のビン製造工程に対応する識別子項目を、ビンの識別子と設定する。また、検体検査内のビン納品工程に対応する識別子項目を、ビンの識別子、医療機関識別子(第1病院H1の固有の識別子)及びオーダ識別子と設定する。さらに、検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目を、ビンの識別子、広域患者識別子及びオーダ識別子と設定する。また、検体検査内の検体分析工程に対応する識別子項目を、ビンの識別子、医療機関識別子(検体分析センタAの固有の識別子)及び検体検査結果識別子と設定する。さらに、検体検査内の検体廃棄工程に対応する識別子項目を、ビンの識別子と設定する。
【0101】
1.検体検査のビン製造工程におけるステップS2及びS3
図15に示したビンの製造工場Pにて検体を収容するビンが製造され、製造時点で識別子情報が発行(製造番号が発番)される。発行された識別子情報は、製造業者又は委託業者によってビンに記録される。ビンへの識別子情報の記録は、識別子情報をバーコード化したラベルをビンに貼付することによって行なってもよいし、識別子情報を記録したICタグを具備したICタグシールを貼付することによって行なってもよい。以下の説明では、特に断らない限り、識別子情報が記録されたICタグシールをビンに貼付する場合を例にとって説明する。なお、識別子情報は、ビンの製造業者の識別子情報と、各製造事業者内で識別可能な製造番号との組み合わせとしてもよい。
【0102】
医用情報生成装置11aの識別子項目要求部41aでは、入力装置26としてのキーボード26a(図2に示す)からの入力信号に従って、製造工場Pで実際に行なっている種別が判断され、その種別をキーとして、医用情報管理装置12に識別子項目が要求される。
【0103】
医用情報管理装置12の識別子項目提供部52では、識別子項目要求部41aからの識別子項目の要求に従って識別子項目取得部51に、要求に従った識別子項目を検索させる。ステップS2において識別子項目取得部51では、検体検査内のビン製造工程を基に記憶装置に記憶した識別子項目DBが検索され、検体検査内のビン製造工程に対応する識別子項目が取得される。具体的には、図17に示したテーブルから、検体検査内のビン製造工程に対応する識別子項目としてビンの識別子が取得される。検体検査内のビン製造工程に対応する識別子項目としてのビンの識別子は、識別子項目提供部52から医用情報生成装置11aの識別子項目要求部41aに提供される。
【0104】
ステップS3において識別子情報生成部42aでは、入力装置26であるICタグリーダ26bからの入力信号を基に、ステップS2で取得したビンの識別子が入力され、ビンの識別子情報が生成される。
【0105】
2.検体検査のビン納品工程におけるステップS2及びS3
第1病院H1に、製造工場Pで製造されICタグシールが貼付されたビンが納品される。医用情報生成装置11bの識別子項目要求部41bでは、入力装置26としてのキーボード26a(図2に示す)からの入力信号に従って、第1病院H1で実際に行なっている種別が判断され、その種別をキーとして、医用情報管理装置12に識別子項目が要求される。
【0106】
医用情報管理装置12の識別子項目提供部52では、識別子項目要求部41bからの識別子項目の要求に従って識別子項目取得部51に、要求に従った識別子項目を検索させる。ステップS2において識別子項目取得部51では、検体検査内のビン納品工程を基に記憶装置に記憶した識別子項目DBが検索され、検体検査内のビン納品工程に対応する識別子項目が取得される。具体的には、図17に示したテーブルから、検体検査内のビン納品工程に対応する識別子項目としてビンの識別子、医療機関識別子及びオーダ識別子が取得される。検体検査内のビン納品工程に対応する識別子項目としてのビンの識別子、医療機関識別子及びオーダ識別子は、識別子項目提供部52から医用情報生成装置11bの識別子項目要求部41bに提供される。
【0107】
ステップS3において識別子情報生成部42bでは、入力装置26であるキーボード26a及びICタグリーダ26bからの入力信号を基に、ステップS2で取得したビンの識別子、医療機関識別子及びオーダ識別子にそれぞれ該当する識別子情報が入力され、ビンの識別子情報、医療機関識別子情報及びオーダ識別子情報が生成される。
【0108】
3.検体検査の検体収容工程におけるステップS2及びS3
第1病院H1では、患者から検体(標本)の採取が実施され、ビン納品工程で納品したビンに、採取した検体が収容される。医用情報生成装置11bの識別子項目要求部41bでは、入力装置26としてのキーボード26a(図2に示す)からの入力信号に従って、第1病院H1で実際に行なっている所要種別が判断され、その所要種別をキーとして、医用情報管理装置12に識別子項目が要求される。
【0109】
医用情報管理装置12の識別子項目提供部52では、識別子項目要求部41bからの識別子項目の要求に従って識別子項目取得部51に、要求に従った識別子項目を検索させる。ステップS2において識別子項目取得部51では、検体検査内の検体収容工程を基に記憶装置に記憶した識別子項目が検索され、検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目が取得される。具体的には、図17に示したテーブルから、検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目としてビンの識別子、広域患者識別子及びオーダ識別子が取得される。検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目としてのビンの識別子、広域患者識別子及びオーダ識別子は、識別子項目提供部52から医用情報生成装置11bの識別子項目要求部41bに提供される。
【0110】
ステップS3において識別子情報生成部42bでは、入力装置26であるキーボード26a及びICタグリーダ26bからの入力信号を基に、ステップS2で取得したビンの識別子、広域患者識別子及びオーダ識別子に識別子情報が入力され、ビンの識別子情報、広域患者識別子情報及びオーダ識別子情報が生成される。
【0111】
4.検体検査の検体分析工程におけるステップS2及びS3
第1病院H1から検体分析センタAに、検体が収容された送付され、検体分析センタAで分析が実施される。同一検体に対して数回の分析が行われる場合もある。その場合には、検体分析工程が、複数回繰り返されることになる。ここでは、検体分析工程内部をさらに、識別子情報を生成する分析実施工程と識別子情報/医用情報を生成する分析結果登録工程との2工程に分けて説明する。なお、分析実施工程で生成される識別子情報と分析結果登録工程で生成される識別子情報/医用情報とを個別に送信してもよいものとする。
【0112】
4−1.分析実施工程
医用情報生成装置11cの識別子項目要求部41cでは、入力装置26としてのキーボード26a(図2に示す)からの入力信号に従って、検体分析センタAで実際に行なっている所要種別が判断され、その所要種別をキーとして、医用情報管理装置12に識別子項目が要求される。
【0113】
医用情報管理装置12の識別子項目提供部52では、識別子項目要求部41cからの識別子項目の要求に従って識別子項目取得部51に、要求に従った識別子項目を検索させる。ステップS2において識別子項目取得部51では、検体検査内の分析実施工程を基に記憶装置に記憶した識別子項目DBが検索され、検体検査内の分析実施工程に対応する識別子項目が取得される。具体的には、図17に示したテーブルから、検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目としてビンの識別子、医療機関識別子及び検体検査結果識別子が取得される。検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目としてのビンの識別子、広域患者識別子及びオーダ識別子は、識別子項目提供部52から医用情報生成装置11cの識別子項目要求部41cに提供される。
【0114】
ステップS3において識別子情報生成部42cでは、入力装置26であるキーボード26a及びICタグリーダ26bからの入力信号を基に、ステップS2で取得したビンの識別子、医療機関識別子及び検体検査結果識別子にそれぞれ該当する識別子情報が入力され、ビンの識別子情報、医療機関識別子情報及び検体検査結果識別子情報が生成される。
【0115】
4−2.分析結果記録工程
分析結果記録工程では、医用情報に広域患者識別子情報及びオーダ識別子情報が対応付けられた識別子情報/医用情報が生成される。
【0116】
ステップS3において識別子情報生成部42cでは、入力装置26であるキーボード26a及びICタグリーダ26bからの入力信号を基に、ステップS2で取得したビンの識別子、医療機関識別子及び検体検査結果識別子にそれぞれ該当する識別子情報が入力され、ビンの識別子情報、医療機関識別子情報及び検体検査結果識別子情報が生成される。
【0117】
また、分析結果記録工程では医用情報が発生するので、ステップS4において識別子情報/医用情報生成部43cでは、医用情報に、ステップS3で生成したビンの識別子情報、医療機関識別子情報及び検体検査結果識別子情報が対応付けた識別子情報/医用情報が生成される。
【0118】
ここで、ステップS4で識別子情報/医用情報を生成する場合、識別子情報/医用情報生成部43cは、医用情報の参照先データに、ステップS3で生成したビンの識別子情報、医療機関識別子情報及び検体検査結果識別子情報を対応付けた識別子情報/参照先データを生成してもよい。その場合、参照先データに該当する参照先に医用情報が送信され、その参照先にて医用情報が管理される。
【0119】
図18は、識別子情報/参照先データの一例をテーブルとして示す図である。
【0120】
検体分析センタAで発生した医用情報は、参照先データとしてのURL(Uniform Resource Locator)「www.jsa.x …」に該当する参照先に送られると共に、その参照先データ「www.jsa.x …」が医用情報に対応付けられる。
【0121】
5.検体廃棄工程におけるステップS2及びS3
検体分析センタAでは、識別子情報生成工程の終了後、検体が廃棄される。医用情報生成装置11cの識別子項目要求部41cでは、入力装置26としてのキーボード26a(図2に示す)からの入力信号に従って、検体分析センタAで実際に行なっている種別が判断され、その種別をキーとして、医用情報管理装置12に識別子項目が要求される。
【0122】
医用情報管理装置12の識別子項目提供部52では、識別子項目要求部41cからの識別子項目の要求に従って識別子項目取得部51に、要求に従った識別子項目を検索させる。ステップS2において識別子項目取得部51では、検体検査内の検体収容工程を基に記憶装置に記憶した識別子項目DBが検索され、検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目が取得される。具体的には、図17に示したテーブルから、検体検査内の検体廃棄工程に対応する識別子項目としてビンの識別子が取得される。検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目としてのビンの識別子は、識別子項目提供部52から医用情報生成装置11cの識別子項目要求部41cに提供される。
【0123】
ステップS3において識別子情報生成部42cでは、入力装置26であるICタグリーダ26bからの入力信号を基に、ステップS2で取得したビンの識別子に識別子情報が入力され、ビンの識別子情報が生成される。
【0124】
なお、医用情報管理装置12への識別子情報又は識別子情報/医用情報の送信は、全工程終了後に一括して行なってもよい。その場合は、識別子情報生成部42及び識別子情報/医用情報生成部43で生成した識別子情報及び識別子情報/医用情報は、ICタグに書き込まれるか、その識別子情報又は識別子情報/医用情報が書き込まれたICタグを新たに貼付することとする。例えば、最終の工程である検体検査内の廃棄工程で、ICタグに記録された識別子情報及び識別子情報/医用情報を一括して読み込む。
【0125】
本発明に係る医用情報管理システム10Aの第2実施の形態及び医用情報管理方法によると、広域でユニークとなる広域患者識別子情報を軸として、ローカルにそれぞれ発番される識別子情報との関連を時間的空間的な移動時に通過管理情報DBとして適宜記録する。よって、ローカルの識別子情報を使った医用情報の管理システムを構成することができ、任意の時間や場所で医用情報を照会要求するユーザの視点で医用情報を照会することができる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明に係る医用情報管理システムの全体構成を示す概要図。
【図2】医用情報生成装置の構成を示すブロック図。
【図3】医用情報管理装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明に係る医用情報管理システムの第1実施の形態を示すブロック図。
【図5】第2実施の形態に係る医用情報管理方法を示したフローチャート。
【図6】放射線検査内の各工程を示す図。
【図7】識別子項目DBの一例をテーブルとして示す図。
【図8】識別子情報及びその付帯情報の一例をテーブルとして示す図。
【図9】通過管理情報DBの一例をテーブルとして示す図。
【図10】ログイン画面の一例を示す図。
【図11】検索条件の指定画面の一例を示す図。
【図12】表示条件の指定画面の一例を示す図。
【図13】ユーザ種別情報毎の表示形式の一例を示す図。
【図14】ユーザ識別子情報毎の表示形式の一例を示す図。
【図15】本発明に係る医用情報管理システムの第2実施の形態を示すブロック図。
【図16】検体検査内の各工程を示す図。
【図17】識別子項目DBの一例をテーブルとして示す図。
【図18】識別子情報/参照先データの一例をテーブルとして示す図。
【符号の説明】
【0127】
10,10A 医用情報管理システム
11,11a,11b,11c 医用情報生成装置
12 医用情報管理装置
13,13a 医用情報照会装置
41,41a,41b,41c 識別子項目要求部
42,42a,42b,42c 識別子情報生成部
43,43a,43b,43c 識別子情報/医用情報生成部
44,44a,44b,44c 送信部
51 識別子項目取得部
52 識別子項目提供部
53 受信部
54 通過管理情報生成・記録部
55 医用情報照会要求受付部
56 医用情報取得部
57 医用情報提供部
61 医用情報照会要求部
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の医用情報を管理する技術に係り、特に、ユーザの視点で医用情報を照会する医用情報管理システム及び医用情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各医療機関では医用情報は時系列的に管理されており、他の医療機関で管理されている医用情報は、診療情報提供書により張り付けられた医用情報を照会することしかできなかった。このため、複数の医療機関では医用情報の共有ができない問題があり、また、医用情報の所在(受診履歴)が患者個人の記憶等に頼らざるを得ない等の問題点があった。
【0003】
そこで、患者の医用情報を管理するためのシステムとして、患者識別子情報を利用してデータを管理するデータセンタを構築する技術がある(例えば、特許文献1及び2参照。)。データセンタでは、患者毎に定められた識別子情報としての患者ID(IDentification)情報を基に医用情報の管理を行なっている。
【0004】
その他に、患者の医用情報を管理するためのシステムとして、個別のID情報を使いながら個別に管理されている情報を統合する方法として金融機関で行なわれる、いわゆる「名寄せ」処理を利用した技術がある(例えば、特許文献3参照。)。名寄せでは、個人の属性情報を用いて情報の統合を行なっている。この技術では、所属支所、組合員コード、性別、生年月日、電話番号及び住所が個人属性情報として使用されている。これらのシステムは、比較的短期間、例えば、1年に発生したデータの統合を目的としたものであり、個人属性情報が一定である。あるいは、その変更を管理できるという前提に立ったシステムである。
【特許文献1】特開2004−152213号公報
【特許文献2】特開2003−337861号公報
【特許文献3】特開2004−78336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
患者の医用情報を管理するためにデータセンタを構成する技術によると、そのデータセンタでは患者ID情報を基に医用情報を管理しているため、患者ID情報を全ての関連する医療機関で利用できる必要があった。それを実現するためには、各医療機関のシステムの改変が必要になるので、従来のデータセンタによる医用情報の管理は効率的な方法とはいえなかった。
【0006】
また、名寄せ処理を応用する技術によると、患者の医用情報の管理を実現するためには、個人属性情報の変化を管理する必要があるので、効率的な方法とはいえなかった。
【0007】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、ローカルの識別子情報を使った医用情報の管理システムを構成することができ、任意の時間や場所で医用情報を照会要求するユーザの視点で医用情報を照会することができる医用情報管理システム及び医用情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る医用情報管理システムは、上述した課題を解決するために請求項1に記載したように、医用情報を生成する医用情報生成装置と、この医用情報生成装置で生成した医用情報を管理する医用情報管理装置とを備え、前記医用情報生成装置及び前記医用情報管理装置を、ネットワーク網を介して相互接続するシステムにおいて、前記医用情報生成装置に、各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目をもつように、種別毎の識別子項目情報を識別子項目情報DB(Data Base)として記憶する記憶装置と、所要種別を基に前記識別子項目情報DBを検索し、前記所要種別に対応する所要の識別子項目を取得する識別子項目取得部と、前記識別子項目取得部で取得した前記所要の識別子項目に応じて識別子情報を生成する識別子情報生成部と、医用情報が発生する種別の場合、前記医用情報を前記識別子情報と対応付けた識別子情報/医用情報を生成する識別子情報/医用情報生成部と、前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を前記ネットワーク網に送信する送信部とを有し、前記医用情報管理装置に、前記ネットワーク網から前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を受信する受信部と、前記受信部で受信した前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を通過管理情報DBとして記録したり、予め記憶された前記通過管理情報DBに含まれる識別子情報に前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報を関連付けて前記通過管理情報DBに追加記録したりする通過管理情報記録部とを有する。
【0009】
本発明に係る医用情報管理システムは、上述した課題を解決するために請求項2に記載したように、医用情報を生成する医用情報生成装置と、この医用情報生成装置で生成した医用情報を管理する医用情報管理装置とを備え、前記医用情報生成装置及び前記医用情報管理装置を、ネットワーク網を介して相互接続するシステムにおいて、前記医用情報管理装置に、各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目をもつように、種別毎の識別子項目情報を識別子項目情報DBとして記憶する記憶装置と、前記医用情報生成装置から所要種別に関する識別子項目の提供を受け付ける識別子項目提供部と、前記識別子項目提供部で受け付けた前記所要種別を基に前記識別子項目情報DBを検索し、前記所要種別に対応する所要の識別子項目を取得する識別子項目取得部とを有し、前記医用情報生成装置に、前記所要の識別子項目を要求する識別子項目要求部と、前記識別子項目取得部で取得した前記所要の識別子項目に応じて識別子情報を生成する識別子情報生成部と、医用情報が発生する種別の場合、前記医用情報を前記識別子情報と対応付けた識別子情報/医用情報を生成する識別子情報/医用情報生成部と、前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を前記ネットワーク網に送信する送信部とを有し、前記医用情報管理装置に、前記ネットワーク網から前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を受信する受信部と、前記受信部で受信した前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を通過管理情報DBとして記録したり、予め記憶された前記通過管理情報DBに含まれる識別子情報に前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報を関連付けて前記通過管理情報DBに追加記録したりする通過管理情報記録部とを有する。
【0010】
本発明に係る医用情報管理方法は、上述した課題を解決するために請求項7に記載したように、各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目をもつように、種別毎の識別子項目情報が識別子項目情報DBとして記憶される識別子項目情報記憶工程と、所要種別を基に前記識別子項目情報DBを検索し、前記所要種別に対応する所要の識別子項目が取得される識別子項目取得工程と、前記識別子項目取得工程で取得した前記識別子項目に応じて識別子情報が生成される識別子情報生成工程と、医用情報が発生する種別の場合、前記医用情報を前記識別子情報と対応付けた識別子情報/医用情報が生成される識別子情報/医用情報生成工程と、前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報が通過管理情報DBとして記録されたり、予め記憶された前記通過管理情報DBに含まれる識別子情報に前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報が関連付けられて前記通過管理情報DBに追加記録されたりする通過管理情報記録工程とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る医用情報管理システム及び医用情報管理方法によると、ローカルの識別子情報を使った医用情報の管理システムを構成することができ、任意の時間や場所で医用情報を照会要求するユーザの視点で医用情報を照会することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る医用情報管理システム及び医用情報管理方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る医用情報管理システムの全体構成を示す概要図である。
【0014】
図1は、医用情報管理システム10を示し、この医用情報管理システム10は、医用情報を生成する医用情報生成装置11(11a,11b,11c,…)と、この医用情報生成装置11で生成した医用情報を管理する医用情報管理装置(データセンタ)12と、この医用情報管理装置12に医用情報を照会する医用情報照会装置13(13a,…)とが備えられ、医用情報生成装置11、医用情報管理装置12及び医用情報照会装置13はネットワークNを介して相互接続される。ネットワークNは、公衆回線(ISDN(Integrated Services Digital Network)を含む)や専用回線のような回線接続であっても、また、インターネットのような開かれたネットワークであってもよい。
【0015】
また、医用情報生成装置11は、種別毎に予め設定された識別子項目に識別子情報を付加したり、その識別子情報を分析結果等の医用情報に対応付けたりする。医用情報管理装置12は、医用情報生成装置11で付加した識別子情報を基に医用情報を管理する。なお、図1に示した医用情報生成装置11は3つの医用情報生成装置11a,11b,11cから構成されるように図示したが、3つに限定されるものではない。また、医用情報照会装置13は1つの医用情報照会装置13aから構成されるように図示したが、1つに限定されるものではない。
【0016】
医用情報生成装置11及び医用情報照会装置13は、病院、検診センタ及び検体分析センタ等の医療機関の単位で設置されるものとする。なお、医用情報生成装置11及び医用情報照会装置13は単一の医療機関の単位で設置されるものとするが、その場合に限定されるものではなく、システム提携された複数の医療機関の単位で設置される場合もある。さらに、医用情報生成装置11は、医療機関以外の機関、例えば検体検査の際に検体を収容するビンを製造するビン製造工場等に設置される場合もある。また、医用情報照会装置13は、患者が住居等に所有するPC(Personal Computer)であってもよい。
【0017】
医用情報生成装置11、医用情報管理装置12及び医用情報照会装置13はコンピュータをベースとして構成されている。
【0018】
図2は、医用情報生成装置11の構成を示すブロック図である。
【0019】
図2に示した医用情報生成装置11は、CPU(Central Processing Unit)21、メモリ22、HD(Hard Disk)24及び通信制御装置25等の基本的なハードウェアから構成され、CPU21は、共通信号伝送路としてのバスB1を介して、コンピュータを構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。また、医用情報生成装置11には、キーボード26a、ICタグリーダ26b及びバーコードリーダ等の周辺機器としての入力装置26が相互接続される。なお、コンピュータは、モニタ等の表示装置27やドライブ28を具備する場合もある。
【0020】
CPU21はメモリ22に記憶しているプログラムを実行する。また、CPU21は、HD24に記憶しているプログラム、ネットワークNから転送され通信制御装置25で受信されてHD24にインストールされたプログラム、又はドライブ28に装着されたフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto OptICal)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク及び半導体メモリ等の可搬型の記録媒体29から読み出されてHD24にインストールされたプログラムをメモリ22にロードして実行する。プログラムの実行によってコンピュータは医用情報生成装置11として機能する。
【0021】
メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)として機能し、CPU21のワークメモリやデータの一時的あるいは永続的な記憶に用いられる記憶装置である。
【0022】
HD24は、コンピュータにインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他にOS(Operating System)等を含む)や、CPU21が処理を行なう上で必要なデータを記憶する記憶装置である。
【0023】
通信制御装置25は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394ポートや、USB(Universal Serial Bus)ポート、LAN(Local Area Network)接続用のNIC(Network Interface Card)等で構成された通信I/F(Inter Face)であり、各規格に応じた通信制御を行なう。また、通信制御装置25は、アナログモデムや、TA(Terminal Adapter)及びDSU(Digital Service Unit)、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム等の電話回線を通じてネットワークNに接続することができる機能を有しており、これにより、コンピュータは、通信制御装置25からネットワークNに接続することができる。
【0024】
ドライブ28は、記録媒体29の着脱が可能となっており、記録媒体29と一体となって記憶装置として機能する。ドライブ28は、記録媒体29に記録されたデータ(プログラムを含む)を読み出して、バスB1上に出力する一方、バスB1を介して供給されるデータを記録媒体29に書き込む。ここで、CPU21が実行するプログラムは、記録媒体29に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このような記録媒体29は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0025】
図3は、医用情報管理装置12の構成を示すブロック図である。
【0026】
図3に示した医用情報管理装置12は、CPU31、メモリ32、HD34及び通信制御装置35等の基本的なハードウェアから構成され、CPU31は、共通信号伝送路としてのバスB2を介して、コンピュータを構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。なお、コンピュータはドライブ38を具備する場合もある。
【0027】
CPU31はメモリ32に記憶しているプログラムを実行する。また、CPU31は、HD34に記憶しているプログラム、ネットワークNから転送され通信制御装置35で受信されてHD34にインストールされたプログラム、又はドライブ38に装着された記録媒体39から読み出されてHD34にインストールされたプログラムをメモリ32にロードして実行する。プログラムの実行によってコンピュータは医用情報管理装置12として機能する。
【0028】
メモリ32は、例えば、ROMやRAMとして機能し、CPU31のワークメモリやデータの一時的あるいは永続的な記憶に用いられる記憶装置である。
【0029】
HD34は、コンピュータにインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他にOS等を含む)や、CPU31が処理を行なう上で必要なデータを記憶する記憶装置である。
【0030】
通信制御装置35は通信I/Fであり、各規格に応じた通信制御を行なう。また、通信制御装置35は、電話回線を通じてネットワークNに接続することができる機能を有しており、これにより、コンピュータは、通信制御装置35からネットワークNに接続することができる。
【0031】
ドライブ38は、記録媒体39の着脱が可能となっており、記録媒体39と一体となって記憶装置として機能する。ドライブ38は、記録媒体39に記録されたデータ(プログラムを含む)を読み出して、バスB2上に出力する一方、バスB2を介して供給されるデータを記録媒体39に書き込む。ここで、CPU31が実行するプログラムは、記録媒体39に、一時的あるいは永続的に格納しておくことができる。このような記録媒体39は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0032】
ここで、HD34等の記憶装置には、種別毎に予め設定された単数又は複数の識別子項目を記憶しており、各種別同士は、共通の識別子項目を介して関連付けられる。例えば、第1の種別に識別子項目(A)を設定している場合、第2の種別に識別子項目(A)及び識別子項目(B)を設定させ、また、第3の種別に識別子項目(B)、識別子項目(C)及び識別子項目(D)を設定させる。このように、第1の種別と第2の種別とが識別子項目(A)を介して関連付けられ、第2の種別と第3の種別とが識別子項目(B)を介して関連付けられることになる。
【0033】
また、図1に示した医用情報照会装置13のハードウェア構成も図2に示した医用情報生成装置11の構成に準ずるものとする。
【0034】
図4は、本発明に係る医用情報管理システム10の第1実施の形態を示すブロック図である。
【0035】
図4は、医用情報管理システム10を示し、この医用情報管理システム10は、医用情報生成装置11a、医用情報管理装置12及び医用情報提供要求装置13がネットワークN(図1に示す)を介して相互接続される。本実施の形態では、医用情報生成装置11aを第1病院H1に、医用情報提供要求装置13を第2病院H2に配置するものとする。
【0036】
医用情報生成装置11aは、コンピュータのCPU21(図2に示す)がプログラムを実行することによって、識別子項目要求部41(41a)、識別子情報生成部42(42a)、識別子情報/医用情報生成部43(43a)及び送信部44(44a)として機能する。
【0037】
識別子項目要求部41aは、医用情報管理装置12から、入力装置26(図2に示す)の入力信号に従って所要種別に対応する識別子項目を要求する機能を有する。
【0038】
識別子情報生成部42aは、識別子項目要求部41aの要求に従って取得した識別子項目毎に識別子情報を生成すると共に、その識別子情報に関する付帯情報を付帯させる機能を有する。
【0039】
第1病院H1で分析結果等の医用情報が発生する種別の場合、医用情報に、識別子情報生成部42aで生成した識別子情報と対応付けた識別子情報/医用情報を生成する機能を有する。
【0040】
送信部44aは、識別子情報生成部42aで生成した識別子情報、又は、識別子情報/医用情報生成部43aで生成した識別子情報/医用情報を、通信制御装置25(図2に示す)を介して医用情報管理装置12に送信する機能を有する。
【0041】
医用情報管理装置12は、コンピュータのCPU31(図3に示す)がプログラムを実行することによって、識別子項目取得部51、識別子項目提供部52、受信部53、通過管理情報生成・記録部54、医用情報照会要求受付部55、医用情報取得部56及び医用情報提供部57として機能する。
【0042】
HD34(図3に示す)等の記憶装置は、種別毎の識別子項目を識別子項目情報DBとして記憶しており、識別子項目取得部51は、医用情報生成装置11aから要求された所要種別を基に、記憶装置に記憶した識別子項目情報DBを検索し、所要種別に対応する識別子項目を取得する機能を有する。
【0043】
識別子項目提供部52は、医用情報生成装置11aの識別子項目要求部41aからの識別子項目の要求に従って識別子項目取得部51に、所要種別に対応する識別子項目を検索させると共に、識別子項目取得部51が取得した識別子項目を通信制御装置35(図3に示す)を介して識別子項目要求部41に提供する機能を有する。
【0044】
受信部53は、医用情報生成装置11aの送信部44aから送信された識別子情報又は識別子情報/医用情報を、通信制御装置35を介して受信する機能を有する。
【0045】
通過管理情報生成・記録部54は、受信部53で受信した識別子情報又は識別子情報/医用情報を通過管理情報DBとして記憶装置に記録したり、受信部53で受信した識別子情報又は識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報を、記憶装置に記憶した通過管理情報DBに含まれる識別子情報に関連付けて、通過管理情報DBに追加記録したりする機能を有する。
【0046】
医用情報照会要求受付部55は、医用情報照会装置13から通信制御装置35を介して所要の識別子情報に関する医用情報の照会要求を受け付ける機能を有する。
【0047】
医用情報取得部56は、医用情報照会要求受付部55で受け付けた所要の識別子情報を基に、記憶装置に記憶された通過管理情報DBを検索し、所要の識別子情報に関する医用情報を取得する機能を有する。
【0048】
医用情報提供部57は医用情報取得部56で取得した医用情報を、通信制御部35を介して医用情報照会装置13に提供する機能を有する。また、記憶装置にユーザ管理情報DBが格納されている場合、そのユーザ管理情報DBに従って医用情報を加工して提供する。
【0049】
医用情報照会装置13は、コンピュータのCPU(図示しない)がプログラムを実行することによって、医用情報管理装置12に、所要の識別子情報に関する医用情報を照会要求する医用情報照会要求部61として機能する。
【0050】
なお、医用情報生成装置11aには便宜上、医用情報照会要求部61を配置せず、また、医用情報照会装置13には便宜上、識別子項目要求部41、識別子情報生成部42、識別子情報/医用情報生成部43及び送信部44を配置しない構成とした。しかし、第1病院H1に医用情報生成装置11aを、第2病院H2に医用情報照会装置13を配置する場合、双方の装置に識別子項目要求部41、識別子情報生成部42、識別子情報/医用情報生成部43、送信部44及び医用情報照会要求部61の機能を併せもつ構成としてもよい。一方、医用情報照会装置13が患者個人のPCである場合、そのPCには医用情報照会要求部61のみを有するものとする。
【0051】
続いて、本実施の形態に係る医用情報管理方法について、主に図4を参照しながら図5に示したフローチャートを用いて説明する。ここでは、種別を放射線検査で行なわれる各工程(進捗状況)とする場合を説明する。また、放射線検査は、大きくは、図6に示すようにオーダ生成工程、検体分析工程及びレポート作成工程の3工程に分けられるが、そのうち、依頼科で実施されるオーダ生成工程の場合を説明する。
【0052】
まず、医用情報管理システム10の医用情報管理装置12を構成するHD34(図3に示す)等の記憶装置に、各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目が設定され、識別子項目DBとして記憶される(ステップS1)。具体的には、記憶装置に、放射線検査で行なわれる各工程同士が関連付けられる共通の識別子項目が設定され、識別子項目DBとして記憶される。なお、同様に、医用情報生成装置11aを構成するHD24(図2に示す)等の記憶装置に、各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目が設定され、識別子項目DBとして記憶されてもよい。
【0053】
図7は、識別子項目DBの一例をテーブルとして示す図である。
【0054】
放射線検査は、大きくは、オーダ生成工程、検査実施工程及びレポート作成工程の3工程に分けられる。放射線検査内のオーダ生成工程に対応する識別子項目を、全ての医療機関(広域)で有効となる固有の広域患者識別子、医療機関識別子(第1病院H1の固有の識別子)及びオーダ識別子と設定する。また、放射線検査内の検査実施工程に対応する識別子項目を、オーダ識別子及び検査識別子と設定する。さらに、放射線検査内のレポート作成工程に対応する識別子項目を、検査識別子及びレポート識別子と設定する。よって、図7に示したテーブルでは、オーダ生成工程と検査実施工程との共通の識別子項目をオーダ識別子とし、検査実施工程とレポート作成工程との共通の識別子項目は検査識別子としている。
【0055】
ここで、広域患者識別子として、例えば、IC(Integrated Circuit)カードに記録された住民票コード、健康保険証番号、住民票コード、納税者番号及び基礎年金番号のように、国民固有の識別子を用いることができる。
【0056】
図4に示した医用情報生成装置11aの識別子項目要求部41aでは、入力装置26(図2に示す)からの入力信号に従って、第1病院H1で実際に行なっている所要種別が判断され、所要種別をキーとして、その所要種別に対応する識別子項目が要求される。
【0057】
医用情報管理装置12の識別子項目提供部52では、識別子項目要求部41aからの識別子項目の要求に従って識別子項目取得部51に、要求に従った識別子項目を検索させる。識別子項目取得部51では、所要種別を基に、ステップS1で記憶装置に記憶した識別子項目情報DBが検索され、所要種別に対応する識別子項目が取得される(ステップS2)。具体的には、図7に示したテーブルから、放射線検査内のオーダ生成工程に対応する識別子項目として広域患者識別子、医療機関識別子及びオーダ識別子が取得される。放射線検査内のオーダ生成工程に対応する識別子項目としての広域患者識別子、医療機関識別子及びオーダ識別子は、識別子項目提供部52から医用情報生成装置11aの識別子項目要求部41aに提供される。
【0058】
次いで、識別子情報生成部42aでは、入力装置26であるキーボード26aからの入力信号を基に、ステップS1で取得した識別子項目に識別子情報が入力され、識別子情報が生成される(ステップS3)。また、識別子情報に対して付帯情報、例えば識別子情報区分、流通範囲及び流通場所が付帯されてもよい。
【0059】
図8は、識別子情報及びその付帯情報の一例をテーブルとして示す図である。
【0060】
図8は、放射線検査内のオーダ生成工程の場合における識別子情報を示し、識別子項目の広域患者識別子として識別子情報「123456」が付され、また、付帯情報として、識別子情報区分「広域患者ID(IDentification)」、流通範囲「全国」及び流通場所「全国」が付帯される。また、識別子項目の医療機関識別子として識別子情報「HP12−12」が付され、また、付帯情報として、識別子情報区分「医療機関ID(第1病院H1の固有のID)」、流通範囲「全国」及び流通場所「全国」が付帯される。さらに、識別子項目のオーダ識別子として識別子情報として「ORD0123」が付され、また、付帯情報として、識別子情報区分「オーダ番号」、流通範囲「第1病院H1内」及び流通場所「第1病院H1」が付帯される。
【0061】
図4に示した識別子情報/医用情報生成部43aでは、分析結果等の医用情報が発生する場合、識別子情報生成部42aで付加した識別子情報が医用情報と対応付けられた識別子情報/医用情報が生成される(ステップS4)。
【0062】
ステップS3にて識別子情報生成部42aで生成された識別子情報、又は、ステップS4にて識別子情報/医用情報生成部43aで生成された識別子情報/医用情報は、送信部44から医用情報管理装置12に送信される。
【0063】
医用情報管理装置12の受信部53では、送信部44から識別子情報又は識別子情報/医用情報が受信される。次いで、通過管理情報生成・記録部54では、受信部53で受信した識別子情報又は識別子情報/医用情報の識別子情報が、記憶装置に記憶した通過管理情報DBに含まれる識別子情報に関連付けられるか否かが判断される(ステップS5)。ステップS5の判断にてYes、すなわち、受信部53で受信した識別子情報又は識別子情報/医用情報の識別子情報が、通過管理情報DBに含まれる識別子情報に関連付けられる場合、識別子情報の関連付けが行なわれ(ステップS6)、通過管理情報DBに追加記録される(ステップS7)。
【0064】
一方、ステップS5の判断にてNo、すなわち、受信部53で受信した識別子情報又は識別子情報/医用情報の識別子情報が、通過管理情報DBに含まれる識別子情報に関連付けられない場合、受信部53で受信した識別子情報又は識別子情報/医用情報が通過管理情報DBとして記憶装置に記録される(ステップS8)。
【0065】
図9は、通過管理情報DBの一例をテーブルとして示す図である。
【0066】
図9は、受信部53で受信した識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報と、通過管理情報DBに含まれる識別子情報とを関連付けてテーブルとして示した図である。
【0067】
例えば、図7に示したように放射線検査の検査実施工程には識別子項目としてのオーダ識別子及び検査識別子が設定されているので、検査実施工程のオーダ識別子に相当するオーダ番号は、図9に示したオーダ生成工程のオーダ識別子に相当するオーダ番号「ORD0123」と関連付けられる。
【0068】
次いで、図4に示した医用情報照会装置13の表示装置(図示しない)上に表示されるログイン画面を用いて、ユーザ(医者、技師、看護士又は患者等)によって医用情報照会装置13がログインされる。ログイン画面上でログインが行なわれると、ログインユーザの属性情報が、医用情報照会要求部61から医用情報照会要求受付部55に送信される。医用情報照会要求受付部55は、ログインユーザの属性情報に合った医用情報照会画面を医用情報照会装置13に呈示する。
【0069】
医用情報照会装置13の医用情報照会要求部61では、ユーザによって、医用情報管理装置12に所要の識別子情報に関する医用情報の照会が要求される(ステップS9)。具体的には、医用情報照会装置13に対して、広域患者識別子の識別子情報である広域患者識別子情報(広域患者ID)として「123456」をユーザが指定する。ユーザが医用情報照会装置13の入力装置(図示しない)を用いて広域患者識別子情報を指定入力することで、医用情報照会装置13の医用情報照会要求部61では、医用情報管理装置12に、広域患者識別子情報に関する医用情報の照会が要求される。
【0070】
なお、医用情報管理システム10が、同一病院(システム)内に医用情報生成装置11aと医用情報照会装置13とを配置する構成の場合、医用情報照会装置13を操作するユーザは、広域患者識別子情報の他、医療機関識別子の識別子情報である医療機関識別子情報(医療機関ID)やオーダ識別子の識別子情報であるオーダ識別子情報(オーダ番号)を指定してもよい。また、医用情報管理システム10が、患者所有のPCを医用情報照会装置13とする構成の場合、医用情報照会装置13を操作する患者は、広域患者識別子情報の他、医療機関識別子情報やオーダ識別子情報を指定してもよい。よって、医用情報照会装置13を操作するユーザは、必ずしも広域患者識別子情報を指定するものではない。
【0071】
図10は、ログイン画面の一例を示す図である。
【0072】
ログイン画面上では、ユーザIDとパスワードを入力する形式のログイン画面を示した。さらにセキュリティを高めるためには、ICカードの利用や、指紋等の生体情報を使ったログイン形式にしてもよい。
【0073】
ここで、図4に示した医用情報照会要求部61でログインが成功した場合、医用情報の検索条件・表示条件を指定できるようにしてもよい。その場合、医用情報照会装置13の表示装置上に検索条件・表示条件の指定画面を表示する。
【0074】
図11は、検索条件の指定画面の一例を示す図である。
【0075】
図11には、検索条件として、検査実施期間、検査依頼科、検査依頼医師及び検査センタを例示した。これらの検索条件以外には、工程等がある。ユーザが入力装置を用いて検査実施期間、検査依頼科、検査依頼医師及び検査センタのテキストボックスのうち少なくとも1つに所望の検索条件を入力して「指定」ボタンをクリックすると、検索条件が指定される。また、「表示条件変更」ボタンをクリックすると、表示条件の指定画面に切り替わる形態となっている。
【0076】
図12は、表示条件の指定画面の一例を示す図である。
【0077】
表示条件として、表示データ、参照形式、ファイル書式及び画像形式を指定できる場合を示す。表示データとして、検査結果又は検査過程をプルダウンメニューによって選択できるようになっている。表示データとして参照形式として、一覧ツリー又は個別検査を選択できるようになっている。ファイル書式として、HTML(Hyper Text Markup Language)、RTF(Rich Text Format)又はPDF(Portable Document Format)を選択できるようになっている。画像形式として、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)又はTIFF(Tagged Image File Format)を選択できるようになっている。なお、表示条件はこれらに限定されるわけではない。
【0078】
ユーザが入力装置を用いて表示データ、参照形式、ファイル書式及び画像形式のプルダウンメニューのうち少なくとも1つメニューから所望の検索条件を選択して「指定」ボタンをクリックすると、表示条件が指定される。また、「検索条件変更」ボタンをクリックすると、検索条件の指定画面に切り替わる形態となっている。
【0079】
図4に示した医用情報照会要求部61からの所要の識別子情報に関する医用情報の照会要求は、医用情報管理装置12の医用情報照会要求受付部55で受け付けられる。
【0080】
医用情報取得部56では、医用情報照会要求受付部55で受け付けた所要の識別子情報を基に記憶装置に記憶された通過管理情報DBが検索され、所要の識別子情報に関する医用情報が取得される(ステップS10)。例えば、医用情報照会装置13の医用情報照会要求部61で広域患者識別子情報として「123456」を指定して、広域患者識別子情報に関する医用情報の照会が要求された場合には、医用情報取得部56では、記憶装置に記憶された通過管理情報DBから広域患者識別子情報「123456」を含む医用情報が取得されることになる。
【0081】
医用情報提供部57では、ステップS10で取得した医用情報を一覧表とし、その一覧表が医用情報提供部57からネットワークNを介して医用情報照会装置13の医用情報照会要求部61に提供される(ステップS11)。一覧表のデータ書式は、ユーザの利便性を考慮して、原則としてHTML形式とすることが好適であるが、HTML形式に限定されるわけではなく、その他にXML(eXtensible Markup Language)形式及びCSV(Comma Separated Values)形式等であってもよい。また、図12の指定画面にてユーザによって表示条件の指定が行なわれた場合には、その指定に従った一覧表が医用情報照会要求部61に提供される。
【0082】
なお、検査結果等の医用情報として、医用情報の生データを医用情報管理装置12で管理してもよいし、医用情報の参照先データを管理するようにしてもよい。
【0083】
ここで、予め、医用情報管理装置12の記憶装置にユーザ管理情報をユーザ管理情報DBとして格納させてもよい。ユーザ管理情報DBでは、ユーザ種別情報毎又はユーザ識別子情報(医用情報照会装置13をログインしたユーザID情報)毎に表示データの形式(表示形式)を管理する。ただし、ユーザ識別子情報に該当する表示形式が管理されていない場合には、ユーザ種別情報毎に管理されている表示形式が用いられる一方、ユーザ識別子情報に該当する表示形式が管理されている場合には、ユーザ種別情報毎に管理されている表示形式よりも優先される。
【0084】
また、図13は、ユーザ種別情報毎の表示形式の一例を、図14は、ユーザ識別子情報毎の表示形式の一例をそれぞれ示している。
【0085】
表示データとして、検査結果及び検査過程を用いている。参照形式として、一覧ツリー及び個別検査を用いている。ファイル書式として、HTML、RTF及びPDFを用いている。画像形式として、JPEG、DICOM及びTIFFを用いている。ただし、図10及び図11で示したもの以外にも、例えば、表示データの並び順、異常値の表示方法、異常値の判断基準及び表示配色等を管理してもよい。ここで、図12の指定画面で表示条件が指定された場合には、その指定が、ユーザ管理情報DBによる表示形式の設定よりも優先されるものとする。
【0086】
なお、図4に示したブロック図では、医用情報生成装置11aから医用情報管理装置12に所要の識別子項目を要求する場合を想定しているが、その場合に限定されるものではなく、医用情報生成装置11aのHD24(図2に図示)等の記憶装置に予め識別子項目DBを記憶させ、医用情報生成装置11aに識別子項目取得部51を有するように構成してもよい。
【0087】
さらに、ネットワークN上のデータの暗号化については触れていないが、ネットワークN上のデータは暗号化されることが好ましい。暗号化は、汎用的な暗号技術、例えばSSL(Secure Socket Layer)による暗号化を行なえばよい。
【0088】
本発明に係る医用情報管理システム10の第1実施の形態及び医用情報管理方法によると、広域でユニークとなる広域患者識別子情報を軸として、ローカルにそれぞれ発番される識別子情報との関連を時間的空間的な移動時に通過管理情報DBとして適宜記録する。よって、ローカルの識別子情報を使った医用情報の管理システムを構成することができ、任意の時間や場所で医用情報を照会要求するユーザの視点で医用情報を照会することができる。
【0089】
図15は、本発明に係る医用情報管理システムの第2実施の形態を示すブロック図である。なお、図15に示した医用情報管理システム10Aにおいて、図4に示した医用情報管理システム10と同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。また、医用情報管理システム10Aの識別子項目要求部41b,41cは識別子項目要求部41aと、識別子情報生成部42b,42cは識別子情報生成部42aと、識別子情報/医用情報生成部43b,43cは識別子情報/医用情報生成部43aと、送信部44b,44cは送信部44aとそれぞれ同一の機能を有するものとする。
【0090】
第1実施の形態では、複数の種別が1つの医療機関で完結する場合の例として、複数の工程が1つの医療機関で完結する放射線検査の場合について説明した。しかし、複数の種別は、1つの医療機関内で完結する場合に限定されず、例えば検体検査のように、工程の一部を他の機関が行なう場合がある。本実施の形態では、医用情報生成装置11aをビンの製造工場Pに、医用情報生成装置11bを第1病院H1に、医用情報生成装置11cを検体分析センタAに、医用情報提供要求装置13を第2病院H2に配置するものとし、複数の種別を多種の機関にて行なう検査の場合を説明する。
【0091】
複数の種別を多種の医療機関にて行なう検体検査では、尿及び血液等の検体(標本)を患者から取得し、それを分析装置で分析する。検体検査は、大きくは、図16に示すように、ビン製造工程、ビン納品工程、検体収容工程、検体分析工程及び検体廃棄工程の5工程に分けられる。
【0092】
ビン製造工程は一般的には検体を収容するビンを製造する製造業者等で行なわれるもので、ビンの識別子情報を発行(製造番号を発番)し、その識別子情報をビンに記録する工程である。ビンへの識別子情報の記録は、識別子情報をバーコード化したラベルを貼付することで行なわれてもよいし、識別子情報を記録したICタグをICタグシールとして貼付することで行なわれてもよい。
【0093】
ビン納品工程は一般的には病院又は健診センタ等の医療機関(第1病院H1)で行なわれるもので、ビン製造工程で識別子情報が記録されたビンを納品する工程である。
【0094】
検体収容工程は一般的にはビン納品工程と同様に第1病院H1で行なわれるもので、被検体である患者から検体の採取を行ない、ビン納品工程で納品したビンに検体を収容する工程である。
【0095】
検体分析工程は一般的には検体分析センタAで行なわれるもので、検体収容工程でビンに収容した検体を、その医療機関内の検査部門又は施設外の検査分析受託機関に送付してそこで分析を実施する工程である。ここで、同一検体に対して複数回の分析が行われる場合もある。
【0096】
検体廃棄工程は一般的には検体分析工程を行なった検体分析センタAで行なわれるもので、検体分析工程後、ビンに残存する検体を破棄する工程である。検体廃棄工程にて検体検査は終了する。
【0097】
続いて、本実施の形態に係る医用情報管理方法について、主に図15を参照しながら図5に示したフローチャートを用いて説明する。
【0098】
まず、医用情報管理システム10Aの医用情報管理装置12を構成するHD34(図3に示す)等の記憶装置に、各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目が設定され、識別子項目DBとして記憶される(ステップS1)。
【0099】
図17は、識別子項目DBの一例をテーブルとして示す図である。
【0100】
検体検査は、大きくは、ビン製造工程、ビン納品工程、検体収容工程、検体分析工程及び検体廃棄工程の5工程に分けられる。検体検査内のビン製造工程に対応する識別子項目を、ビンの識別子と設定する。また、検体検査内のビン納品工程に対応する識別子項目を、ビンの識別子、医療機関識別子(第1病院H1の固有の識別子)及びオーダ識別子と設定する。さらに、検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目を、ビンの識別子、広域患者識別子及びオーダ識別子と設定する。また、検体検査内の検体分析工程に対応する識別子項目を、ビンの識別子、医療機関識別子(検体分析センタAの固有の識別子)及び検体検査結果識別子と設定する。さらに、検体検査内の検体廃棄工程に対応する識別子項目を、ビンの識別子と設定する。
【0101】
1.検体検査のビン製造工程におけるステップS2及びS3
図15に示したビンの製造工場Pにて検体を収容するビンが製造され、製造時点で識別子情報が発行(製造番号が発番)される。発行された識別子情報は、製造業者又は委託業者によってビンに記録される。ビンへの識別子情報の記録は、識別子情報をバーコード化したラベルをビンに貼付することによって行なってもよいし、識別子情報を記録したICタグを具備したICタグシールを貼付することによって行なってもよい。以下の説明では、特に断らない限り、識別子情報が記録されたICタグシールをビンに貼付する場合を例にとって説明する。なお、識別子情報は、ビンの製造業者の識別子情報と、各製造事業者内で識別可能な製造番号との組み合わせとしてもよい。
【0102】
医用情報生成装置11aの識別子項目要求部41aでは、入力装置26としてのキーボード26a(図2に示す)からの入力信号に従って、製造工場Pで実際に行なっている種別が判断され、その種別をキーとして、医用情報管理装置12に識別子項目が要求される。
【0103】
医用情報管理装置12の識別子項目提供部52では、識別子項目要求部41aからの識別子項目の要求に従って識別子項目取得部51に、要求に従った識別子項目を検索させる。ステップS2において識別子項目取得部51では、検体検査内のビン製造工程を基に記憶装置に記憶した識別子項目DBが検索され、検体検査内のビン製造工程に対応する識別子項目が取得される。具体的には、図17に示したテーブルから、検体検査内のビン製造工程に対応する識別子項目としてビンの識別子が取得される。検体検査内のビン製造工程に対応する識別子項目としてのビンの識別子は、識別子項目提供部52から医用情報生成装置11aの識別子項目要求部41aに提供される。
【0104】
ステップS3において識別子情報生成部42aでは、入力装置26であるICタグリーダ26bからの入力信号を基に、ステップS2で取得したビンの識別子が入力され、ビンの識別子情報が生成される。
【0105】
2.検体検査のビン納品工程におけるステップS2及びS3
第1病院H1に、製造工場Pで製造されICタグシールが貼付されたビンが納品される。医用情報生成装置11bの識別子項目要求部41bでは、入力装置26としてのキーボード26a(図2に示す)からの入力信号に従って、第1病院H1で実際に行なっている種別が判断され、その種別をキーとして、医用情報管理装置12に識別子項目が要求される。
【0106】
医用情報管理装置12の識別子項目提供部52では、識別子項目要求部41bからの識別子項目の要求に従って識別子項目取得部51に、要求に従った識別子項目を検索させる。ステップS2において識別子項目取得部51では、検体検査内のビン納品工程を基に記憶装置に記憶した識別子項目DBが検索され、検体検査内のビン納品工程に対応する識別子項目が取得される。具体的には、図17に示したテーブルから、検体検査内のビン納品工程に対応する識別子項目としてビンの識別子、医療機関識別子及びオーダ識別子が取得される。検体検査内のビン納品工程に対応する識別子項目としてのビンの識別子、医療機関識別子及びオーダ識別子は、識別子項目提供部52から医用情報生成装置11bの識別子項目要求部41bに提供される。
【0107】
ステップS3において識別子情報生成部42bでは、入力装置26であるキーボード26a及びICタグリーダ26bからの入力信号を基に、ステップS2で取得したビンの識別子、医療機関識別子及びオーダ識別子にそれぞれ該当する識別子情報が入力され、ビンの識別子情報、医療機関識別子情報及びオーダ識別子情報が生成される。
【0108】
3.検体検査の検体収容工程におけるステップS2及びS3
第1病院H1では、患者から検体(標本)の採取が実施され、ビン納品工程で納品したビンに、採取した検体が収容される。医用情報生成装置11bの識別子項目要求部41bでは、入力装置26としてのキーボード26a(図2に示す)からの入力信号に従って、第1病院H1で実際に行なっている所要種別が判断され、その所要種別をキーとして、医用情報管理装置12に識別子項目が要求される。
【0109】
医用情報管理装置12の識別子項目提供部52では、識別子項目要求部41bからの識別子項目の要求に従って識別子項目取得部51に、要求に従った識別子項目を検索させる。ステップS2において識別子項目取得部51では、検体検査内の検体収容工程を基に記憶装置に記憶した識別子項目が検索され、検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目が取得される。具体的には、図17に示したテーブルから、検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目としてビンの識別子、広域患者識別子及びオーダ識別子が取得される。検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目としてのビンの識別子、広域患者識別子及びオーダ識別子は、識別子項目提供部52から医用情報生成装置11bの識別子項目要求部41bに提供される。
【0110】
ステップS3において識別子情報生成部42bでは、入力装置26であるキーボード26a及びICタグリーダ26bからの入力信号を基に、ステップS2で取得したビンの識別子、広域患者識別子及びオーダ識別子に識別子情報が入力され、ビンの識別子情報、広域患者識別子情報及びオーダ識別子情報が生成される。
【0111】
4.検体検査の検体分析工程におけるステップS2及びS3
第1病院H1から検体分析センタAに、検体が収容された送付され、検体分析センタAで分析が実施される。同一検体に対して数回の分析が行われる場合もある。その場合には、検体分析工程が、複数回繰り返されることになる。ここでは、検体分析工程内部をさらに、識別子情報を生成する分析実施工程と識別子情報/医用情報を生成する分析結果登録工程との2工程に分けて説明する。なお、分析実施工程で生成される識別子情報と分析結果登録工程で生成される識別子情報/医用情報とを個別に送信してもよいものとする。
【0112】
4−1.分析実施工程
医用情報生成装置11cの識別子項目要求部41cでは、入力装置26としてのキーボード26a(図2に示す)からの入力信号に従って、検体分析センタAで実際に行なっている所要種別が判断され、その所要種別をキーとして、医用情報管理装置12に識別子項目が要求される。
【0113】
医用情報管理装置12の識別子項目提供部52では、識別子項目要求部41cからの識別子項目の要求に従って識別子項目取得部51に、要求に従った識別子項目を検索させる。ステップS2において識別子項目取得部51では、検体検査内の分析実施工程を基に記憶装置に記憶した識別子項目DBが検索され、検体検査内の分析実施工程に対応する識別子項目が取得される。具体的には、図17に示したテーブルから、検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目としてビンの識別子、医療機関識別子及び検体検査結果識別子が取得される。検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目としてのビンの識別子、広域患者識別子及びオーダ識別子は、識別子項目提供部52から医用情報生成装置11cの識別子項目要求部41cに提供される。
【0114】
ステップS3において識別子情報生成部42cでは、入力装置26であるキーボード26a及びICタグリーダ26bからの入力信号を基に、ステップS2で取得したビンの識別子、医療機関識別子及び検体検査結果識別子にそれぞれ該当する識別子情報が入力され、ビンの識別子情報、医療機関識別子情報及び検体検査結果識別子情報が生成される。
【0115】
4−2.分析結果記録工程
分析結果記録工程では、医用情報に広域患者識別子情報及びオーダ識別子情報が対応付けられた識別子情報/医用情報が生成される。
【0116】
ステップS3において識別子情報生成部42cでは、入力装置26であるキーボード26a及びICタグリーダ26bからの入力信号を基に、ステップS2で取得したビンの識別子、医療機関識別子及び検体検査結果識別子にそれぞれ該当する識別子情報が入力され、ビンの識別子情報、医療機関識別子情報及び検体検査結果識別子情報が生成される。
【0117】
また、分析結果記録工程では医用情報が発生するので、ステップS4において識別子情報/医用情報生成部43cでは、医用情報に、ステップS3で生成したビンの識別子情報、医療機関識別子情報及び検体検査結果識別子情報が対応付けた識別子情報/医用情報が生成される。
【0118】
ここで、ステップS4で識別子情報/医用情報を生成する場合、識別子情報/医用情報生成部43cは、医用情報の参照先データに、ステップS3で生成したビンの識別子情報、医療機関識別子情報及び検体検査結果識別子情報を対応付けた識別子情報/参照先データを生成してもよい。その場合、参照先データに該当する参照先に医用情報が送信され、その参照先にて医用情報が管理される。
【0119】
図18は、識別子情報/参照先データの一例をテーブルとして示す図である。
【0120】
検体分析センタAで発生した医用情報は、参照先データとしてのURL(Uniform Resource Locator)「www.jsa.x …」に該当する参照先に送られると共に、その参照先データ「www.jsa.x …」が医用情報に対応付けられる。
【0121】
5.検体廃棄工程におけるステップS2及びS3
検体分析センタAでは、識別子情報生成工程の終了後、検体が廃棄される。医用情報生成装置11cの識別子項目要求部41cでは、入力装置26としてのキーボード26a(図2に示す)からの入力信号に従って、検体分析センタAで実際に行なっている種別が判断され、その種別をキーとして、医用情報管理装置12に識別子項目が要求される。
【0122】
医用情報管理装置12の識別子項目提供部52では、識別子項目要求部41cからの識別子項目の要求に従って識別子項目取得部51に、要求に従った識別子項目を検索させる。ステップS2において識別子項目取得部51では、検体検査内の検体収容工程を基に記憶装置に記憶した識別子項目DBが検索され、検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目が取得される。具体的には、図17に示したテーブルから、検体検査内の検体廃棄工程に対応する識別子項目としてビンの識別子が取得される。検体検査内の検体収容工程に対応する識別子項目としてのビンの識別子は、識別子項目提供部52から医用情報生成装置11cの識別子項目要求部41cに提供される。
【0123】
ステップS3において識別子情報生成部42cでは、入力装置26であるICタグリーダ26bからの入力信号を基に、ステップS2で取得したビンの識別子に識別子情報が入力され、ビンの識別子情報が生成される。
【0124】
なお、医用情報管理装置12への識別子情報又は識別子情報/医用情報の送信は、全工程終了後に一括して行なってもよい。その場合は、識別子情報生成部42及び識別子情報/医用情報生成部43で生成した識別子情報及び識別子情報/医用情報は、ICタグに書き込まれるか、その識別子情報又は識別子情報/医用情報が書き込まれたICタグを新たに貼付することとする。例えば、最終の工程である検体検査内の廃棄工程で、ICタグに記録された識別子情報及び識別子情報/医用情報を一括して読み込む。
【0125】
本発明に係る医用情報管理システム10Aの第2実施の形態及び医用情報管理方法によると、広域でユニークとなる広域患者識別子情報を軸として、ローカルにそれぞれ発番される識別子情報との関連を時間的空間的な移動時に通過管理情報DBとして適宜記録する。よって、ローカルの識別子情報を使った医用情報の管理システムを構成することができ、任意の時間や場所で医用情報を照会要求するユーザの視点で医用情報を照会することができる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明に係る医用情報管理システムの全体構成を示す概要図。
【図2】医用情報生成装置の構成を示すブロック図。
【図3】医用情報管理装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明に係る医用情報管理システムの第1実施の形態を示すブロック図。
【図5】第2実施の形態に係る医用情報管理方法を示したフローチャート。
【図6】放射線検査内の各工程を示す図。
【図7】識別子項目DBの一例をテーブルとして示す図。
【図8】識別子情報及びその付帯情報の一例をテーブルとして示す図。
【図9】通過管理情報DBの一例をテーブルとして示す図。
【図10】ログイン画面の一例を示す図。
【図11】検索条件の指定画面の一例を示す図。
【図12】表示条件の指定画面の一例を示す図。
【図13】ユーザ種別情報毎の表示形式の一例を示す図。
【図14】ユーザ識別子情報毎の表示形式の一例を示す図。
【図15】本発明に係る医用情報管理システムの第2実施の形態を示すブロック図。
【図16】検体検査内の各工程を示す図。
【図17】識別子項目DBの一例をテーブルとして示す図。
【図18】識別子情報/参照先データの一例をテーブルとして示す図。
【符号の説明】
【0127】
10,10A 医用情報管理システム
11,11a,11b,11c 医用情報生成装置
12 医用情報管理装置
13,13a 医用情報照会装置
41,41a,41b,41c 識別子項目要求部
42,42a,42b,42c 識別子情報生成部
43,43a,43b,43c 識別子情報/医用情報生成部
44,44a,44b,44c 送信部
51 識別子項目取得部
52 識別子項目提供部
53 受信部
54 通過管理情報生成・記録部
55 医用情報照会要求受付部
56 医用情報取得部
57 医用情報提供部
61 医用情報照会要求部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用情報を生成する医用情報生成装置と、この医用情報生成装置で生成した医用情報を管理する医用情報管理装置とを備え、前記医用情報生成装置及び前記医用情報管理装置を、ネットワーク網を介して相互接続するシステムにおいて、
前記医用情報生成装置に、
各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目をもつように、種別毎の識別子項目情報を識別子項目情報DB(Data Base)として記憶する記憶装置と、
所要種別を基に前記識別子項目情報DBを検索し、前記所要種別に対応する所要の識別子項目を取得する識別子項目取得部と、
前記識別子項目取得部で取得した前記所要の識別子項目に応じた識別子情報を生成する識別子情報生成部と、
医用情報が発生する種別の場合、前記医用情報を前記識別子情報と対応付けた識別子情報/医用情報を生成する識別子情報/医用情報生成部と、
前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を前記ネットワーク網に送信する送信部とを有し、
前記医用情報管理装置に、
前記ネットワーク網から前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を通過管理情報DBとして記録したり、予め記憶された前記通過管理情報DBに含まれる識別子情報に前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報を関連付けて前記通過管理情報DBに追加記録したりする通過管理情報記録部とを有することを特徴とする医用情報管理システム。
【請求項2】
医用情報を生成する医用情報生成装置と、この医用情報生成装置で生成した医用情報を管理する医用情報管理装置とを備え、前記医用情報生成装置及び前記医用情報管理装置を、ネットワーク網を介して相互接続するシステムにおいて、
前記医用情報管理装置に、
各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目をもつように、種別毎の識別子項目情報を識別子項目情報DBとして記憶する記憶装置と、
前記医用情報生成装置から所要種別に関する識別子項目の提供を受け付ける識別子項目提供部と、
前記識別子項目提供部で受け付けた前記所要種別を基に前記識別子項目情報DBを検索し、前記所要種別に対応する所要の識別子項目を取得する識別子項目取得部とを有し、
前記医用情報生成装置に、
前記所要の識別子項目を要求する識別子項目要求部と、
前記識別子項目取得部で取得した前記所要の識別子項目に応じた識別子情報を生成する識別子情報生成部と、
医用情報が発生する種別の場合、前記医用情報を前記識別子情報と対応付けた識別子情報/医用情報を生成する識別子情報/医用情報生成部と、
前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を前記ネットワーク網に送信する送信部とを有し、
前記医用情報管理装置に、
前記ネットワーク網から前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を通過管理情報DBとして記録したり、予め記憶された前記通過管理情報DBに含まれる識別子情報に前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報を関連付けて前記通過管理情報DBに追加記録したりする通過管理情報記録部とを有することを特徴とする医用情報管理システム。
【請求項3】
前記医用情報管理装置に、所要の識別子情報に関する医用情報の照会要求を受け付ける医用情報照会要求受付部と、前記所要の識別子情報を基に前記通過管理情報DBを検索し、前記所要の識別子情報に関する医用情報を取得する医用情報取得部と、前記医用情報取得部で取得した前記所要の識別子情報に関する医用情報を前記医用情報照会要求部に提供する医用情報提供部とを有し、前記所要の識別子情報に関する医用情報を、前記ネットワーク網を介して前記医用情報照会要求受付部に照会要求する医用情報照会要求部を有する医用情報照会装置を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の医用情報管理システム。
【請求項4】
前記医用情報提供部は、前記記憶装置に記憶されているデータ表示条件に従って前記医用情報を加工して前記医用情報照会装置に提供することを特徴とする請求項3に記載の医用情報管理システム。
【請求項5】
前記医用情報照会装置に、前記所要の識別子情報に関する医用情報の検索条件を入力する入力装置と、前記検索条件を指定する検索条件指定画面を表示する表示装置とを有することを特徴とする請求項3に記載の医用情報管理システム。
【請求項6】
前記医用情報照会装置に、前記所要の識別子情報に関する医用情報の表示条件を入力する入力装置と、前記表示条件を指定する表示条件指定画面を表示する表示装置とを有することを特徴とする請求項3に記載の医用情報管理システム。
【請求項7】
各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目をもつように、種別毎の識別子項目情報が識別子項目情報DBとして記憶される識別子項目情報記憶工程と、
所要種別を基に前記識別子項目情報DBを検索し、前記所要種別に対応する所要の識別子項目が取得される識別子項目取得工程と、
前記識別子項目取得工程で取得した前記識別子項目に応じた識別子情報が生成される識別子情報生成工程と、
医用情報が発生する種別の場合、前記医用情報を前記識別子情報と対応付けた識別子情報/医用情報が生成される識別子情報/医用情報生成工程と、
前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報が通過管理情報DBとして記録されたり、予め記憶された前記通過管理情報DBに含まれる識別子情報に前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報が関連付けられて前記通過管理情報DBに追加記録されたりする通過管理情報記録工程とを有することを特徴とする医用情報管理方法。
【請求項8】
前記種別を、検査で行なわれる各工程とすることを特徴とする請求項7に記載の医用情報管理方法。
【請求項9】
前記識別子情報生成工程では、前記識別子情報に付帯情報が付与されることを特徴とする請求項7に記載の医用情報管理方法。
【請求項10】
前記付帯情報を、識別子情報区分、流通範囲及び流通場所とすることを特徴とする請求項9に記載の医用情報管理方法。
【請求項11】
前記医用情報を、その医用情報の生データ又はその生データを保管する照会先データとすることを特徴とする請求項7に記載の医用情報管理方法。
【請求項12】
所要の識別子情報に関する医用情報の照会要求が受け付けられる医用情報照会要求受付工程と、前記所要の識別子情報を基に前記通過管理情報DBを検索し、前記所要の識別子情報に関する医用情報が取得される医用情報取得工程と、前記医用情報取得工程で取得した前記所要の識別子情報に関する医用情報が提供される医用情報提供工程とを有することを特徴とする請求項7に記載の医用情報管理方法。
【請求項13】
前記所要の識別子情報に関する医用情報の照会要求時に、前記所要の識別子情報に関する医用情報の検索条件が入力されることを特徴とする請求項12に記載の医用情報管理方法。
【請求項14】
前記所要の識別子情報に関する医用情報の照会要求時に、前記所要の識別子情報に関する医用情報の表示条件を入力されることを特徴とする請求項12に記載の医用情報管理方法。
【請求項15】
前記医用情報提供工程は、予め記憶したデータ表示条件に従って前記医用情報を加工して提供することを特徴とする請求項12に記載の医用情報管理方法。
【請求項1】
医用情報を生成する医用情報生成装置と、この医用情報生成装置で生成した医用情報を管理する医用情報管理装置とを備え、前記医用情報生成装置及び前記医用情報管理装置を、ネットワーク網を介して相互接続するシステムにおいて、
前記医用情報生成装置に、
各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目をもつように、種別毎の識別子項目情報を識別子項目情報DB(Data Base)として記憶する記憶装置と、
所要種別を基に前記識別子項目情報DBを検索し、前記所要種別に対応する所要の識別子項目を取得する識別子項目取得部と、
前記識別子項目取得部で取得した前記所要の識別子項目に応じた識別子情報を生成する識別子情報生成部と、
医用情報が発生する種別の場合、前記医用情報を前記識別子情報と対応付けた識別子情報/医用情報を生成する識別子情報/医用情報生成部と、
前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を前記ネットワーク網に送信する送信部とを有し、
前記医用情報管理装置に、
前記ネットワーク網から前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を通過管理情報DBとして記録したり、予め記憶された前記通過管理情報DBに含まれる識別子情報に前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報を関連付けて前記通過管理情報DBに追加記録したりする通過管理情報記録部とを有することを特徴とする医用情報管理システム。
【請求項2】
医用情報を生成する医用情報生成装置と、この医用情報生成装置で生成した医用情報を管理する医用情報管理装置とを備え、前記医用情報生成装置及び前記医用情報管理装置を、ネットワーク網を介して相互接続するシステムにおいて、
前記医用情報管理装置に、
各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目をもつように、種別毎の識別子項目情報を識別子項目情報DBとして記憶する記憶装置と、
前記医用情報生成装置から所要種別に関する識別子項目の提供を受け付ける識別子項目提供部と、
前記識別子項目提供部で受け付けた前記所要種別を基に前記識別子項目情報DBを検索し、前記所要種別に対応する所要の識別子項目を取得する識別子項目取得部とを有し、
前記医用情報生成装置に、
前記所要の識別子項目を要求する識別子項目要求部と、
前記識別子項目取得部で取得した前記所要の識別子項目に応じた識別子情報を生成する識別子情報生成部と、
医用情報が発生する種別の場合、前記医用情報を前記識別子情報と対応付けた識別子情報/医用情報を生成する識別子情報/医用情報生成部と、
前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を前記ネットワーク網に送信する送信部とを有し、
前記医用情報管理装置に、
前記ネットワーク網から前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報を通過管理情報DBとして記録したり、予め記憶された前記通過管理情報DBに含まれる識別子情報に前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報を関連付けて前記通過管理情報DBに追加記録したりする通過管理情報記録部とを有することを特徴とする医用情報管理システム。
【請求項3】
前記医用情報管理装置に、所要の識別子情報に関する医用情報の照会要求を受け付ける医用情報照会要求受付部と、前記所要の識別子情報を基に前記通過管理情報DBを検索し、前記所要の識別子情報に関する医用情報を取得する医用情報取得部と、前記医用情報取得部で取得した前記所要の識別子情報に関する医用情報を前記医用情報照会要求部に提供する医用情報提供部とを有し、前記所要の識別子情報に関する医用情報を、前記ネットワーク網を介して前記医用情報照会要求受付部に照会要求する医用情報照会要求部を有する医用情報照会装置を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の医用情報管理システム。
【請求項4】
前記医用情報提供部は、前記記憶装置に記憶されているデータ表示条件に従って前記医用情報を加工して前記医用情報照会装置に提供することを特徴とする請求項3に記載の医用情報管理システム。
【請求項5】
前記医用情報照会装置に、前記所要の識別子情報に関する医用情報の検索条件を入力する入力装置と、前記検索条件を指定する検索条件指定画面を表示する表示装置とを有することを特徴とする請求項3に記載の医用情報管理システム。
【請求項6】
前記医用情報照会装置に、前記所要の識別子情報に関する医用情報の表示条件を入力する入力装置と、前記表示条件を指定する表示条件指定画面を表示する表示装置とを有することを特徴とする請求項3に記載の医用情報管理システム。
【請求項7】
各種別同士が関連付けられる共通の識別子項目をもつように、種別毎の識別子項目情報が識別子項目情報DBとして記憶される識別子項目情報記憶工程と、
所要種別を基に前記識別子項目情報DBを検索し、前記所要種別に対応する所要の識別子項目が取得される識別子項目取得工程と、
前記識別子項目取得工程で取得した前記識別子項目に応じた識別子情報が生成される識別子情報生成工程と、
医用情報が発生する種別の場合、前記医用情報を前記識別子情報と対応付けた識別子情報/医用情報が生成される識別子情報/医用情報生成工程と、
前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報が通過管理情報DBとして記録されたり、予め記憶された前記通過管理情報DBに含まれる識別子情報に前記識別子情報又は前記識別子情報/医用情報に含まれる識別子情報が関連付けられて前記通過管理情報DBに追加記録されたりする通過管理情報記録工程とを有することを特徴とする医用情報管理方法。
【請求項8】
前記種別を、検査で行なわれる各工程とすることを特徴とする請求項7に記載の医用情報管理方法。
【請求項9】
前記識別子情報生成工程では、前記識別子情報に付帯情報が付与されることを特徴とする請求項7に記載の医用情報管理方法。
【請求項10】
前記付帯情報を、識別子情報区分、流通範囲及び流通場所とすることを特徴とする請求項9に記載の医用情報管理方法。
【請求項11】
前記医用情報を、その医用情報の生データ又はその生データを保管する照会先データとすることを特徴とする請求項7に記載の医用情報管理方法。
【請求項12】
所要の識別子情報に関する医用情報の照会要求が受け付けられる医用情報照会要求受付工程と、前記所要の識別子情報を基に前記通過管理情報DBを検索し、前記所要の識別子情報に関する医用情報が取得される医用情報取得工程と、前記医用情報取得工程で取得した前記所要の識別子情報に関する医用情報が提供される医用情報提供工程とを有することを特徴とする請求項7に記載の医用情報管理方法。
【請求項13】
前記所要の識別子情報に関する医用情報の照会要求時に、前記所要の識別子情報に関する医用情報の検索条件が入力されることを特徴とする請求項12に記載の医用情報管理方法。
【請求項14】
前記所要の識別子情報に関する医用情報の照会要求時に、前記所要の識別子情報に関する医用情報の表示条件を入力されることを特徴とする請求項12に記載の医用情報管理方法。
【請求項15】
前記医用情報提供工程は、予め記憶したデータ表示条件に従って前記医用情報を加工して提供することを特徴とする請求項12に記載の医用情報管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−226447(P2007−226447A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−45765(P2006−45765)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]