医用画像生成装置、医用画像保管装置、医用画像表示装置及び医用画像表示システム
【課題】使用される表示装置の性能の如何を問わず簡易な操作でデータ量の大きな画像データを表示させることのできる画像表示システムを提供する。
【解決手段】被検体を撮影することにより取得された画像情報を用いて、それぞれが時間軸における順番を示す情報を持つ複数の3次元画像データからなる4次元画像データを生成する4次元画像データ生成部1mと、4次元画像データを構成する3次元画像データから生成される複数の2次元画像データからなる動画データを生成し、動画データを構成する各2次元画像データと基となった3次元画像データを関連付ける関連情報を生成する画像生成部10とを備える。
【解決手段】被検体を撮影することにより取得された画像情報を用いて、それぞれが時間軸における順番を示す情報を持つ複数の3次元画像データからなる4次元画像データを生成する4次元画像データ生成部1mと、4次元画像データを構成する3次元画像データから生成される複数の2次元画像データからなる動画データを生成し、動画データを構成する各2次元画像データと基となった3次元画像データを関連付ける関連情報を生成する画像生成部10とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成装置で撮影された被検体内部の画像を加工し、操作者の求める医用画像を医用画像表示装置の性能を問わずに表示することができるようにされた医用画像生成装置、医用画像保管装置、医用画像表示装置及び医用画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、被検体内部の情報を収集し、この収集された情報に基づいて被検体内部を画像化して医用画像を生成する医用画像診断装置が用いられるようになっている。この医用画像診断装置としては、例えば、X線CT装置(computed tomography:コンピュータ断層撮影装置)や、磁気共鳴診断装置(MRI:magnetic resonance imaging)等が該当する。生成された医用画像は例えば、医用画像診断装置とネットワークを介して接続された医用画像表示装置上に表示される。
【0003】
これらの医用画像については、医用画像表示装置によって、例えば、時系列に複数の3次元(以下、適宜「3D(3 dimensional)」と表わす。)データを読み込んでMPR(Multi-Planar Reconstruction)処理やボリュームレンダリング処理が施される。そして、そのMPR画像の表示や3Dデータの表示、或いはそれらの4D(以下、適宜「4D(4 dimensional)」と表わす。)データの表示が行われてきた。
【0004】
但し、このうち3Dデータに含まれる一部分(注目部位)の時間的な変化を簡便に把握することが困難な場合もあった。そこで、以下の特許文献1に開示される発明では、特定部分に係る注目部位の時間的な変位を一画面上で把握することができる医用画像診断装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−148849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1において開示されている発明では、次の点について配慮がなされていない。
【0007】
すなわち、上述したような医用画像診断装置によって撮影されたデータを基に例えば、4Dの画像データを生成しても、ネットワークに接続された医用画像表示装置において閲覧することができないといった弊害を生ぜしめる可能性があった。
【0008】
通常4Dの画像データは、そのデータ量が非常に大きくなる。そのため、例えば、診察医が診察の際に医用画像表示装置に4Dの画像を表示させようとしても、表示させる医用画像表示装置のメモリ容量不足等、医用画像表示装置の性能が足らず表示させることができないということも起こり得る。
【0009】
このようにせっかく生成した4Dの画像を利用しない、或いは、利用できないのは無駄であるばかりでなく、4Dの画像の処理能力や4Dの画像を再生することができるソフトウェアを備えるか否かといった表示装置の性能によって閲覧できる場所が限られることにもなる。そのため診察医が患者に対して症状を理解させる有効な機会を損なうことにもなりかねない。
【0010】
一方、4Dの画像データを表示できない替わりに時間軸における3Dの画像データのみを読み込んで表示するということも可能である。この場合は数ある時間軸上に並ぶ複数の3D画像データの中から操作者が必要とする注目する3D画像データを特定して表示させることが必要となる。但し、この特定は非常に煩雑であり簡易に特定することができないことも多い。
【0011】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、使用される表示装置の性能の如何を問わず簡易な操作でデータ量の大きな画像データを表示させることのできる医用画像生成装置、医用画像保管装置、医用画像表示装置及び医用画像表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明の特徴は、医用画像生成装置において、被検体を撮影することにより取得された画像情報を用いて、それぞれが時間軸における順番を示す情報を持つ複数の3次元画像データからなる4次元画像データを生成する4次元画像データ生成部と、4次元画像データを構成する3次元画像データから生成される複数の2次元画像データからなる動画データを生成し、動画データを構成する各2次元画像データと基となった3次元画像データを関連付ける関連情報を生成する画像生成部とを備える。
【0013】
請求項4に記載の発明の特徴は、医用画像保管装置において、それぞれが時間軸における順番を示す情報を持つ複数の3次元画像データからなる4次元画像データを記憶する記憶部と、4次元画像データを構成する3次元画像データから生成される複数の2次元画像データからなる動画データを生成し、動画データを構成する各2次元画像データと基となった3次元画像データを関連付ける関連情報を生成する画像生成部とを備える。
【0014】
請求項8に記載の発明の特徴は、医用画像表示装置において、画像を表示する表示部と、動画データを表示部に表示させる表示制御部と、表示部に表示された動画データを構成する2次元画像データを指定するための指定部と、指定部により指定された2次元画像データの生成の基となった3次元画像データを読み出すための関連情報に基づいて3次元画像データを取得する処理部とを備える。
【0015】
請求項12に記載の発明の特徴は、医用画像表示システムにおいて、被検体を撮影することにより取得された画像情報を用いて、それぞれが時間軸における順番を示す情報を持つ複数の3次元画像データからなる4次元画像データを生成する4次元画像データ生成部と、4次元画像データを構成する3次元画像データから生成される複数の2次元画像データからなる動画データを生成し、動画データを構成する各2次元画像データと基となった3次元画像データを関連付ける関連情報を生成する画像生成部と、画像を表示する表示部と、動画データを前記表示部に表示させる表示制御部と、表示部に表示された動画データを構成する2次元画像データを指定するための指定部と、関連情報に基づいて3次元画像データを取得する処理部とを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、使用される表示装置の性能の如何を問わず簡易な操作でデータ量の大きな画像データを表示させることのできる医用画像生成装置、医用画像保管装置、医用画像表示装置及び医用画像表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態における画像表示システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における医用画像生成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】医用画像生成装置内の画像生成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】医用画像生成装置において撮影されたスキャンデータを基にした4D画像データの生成及び、4D画像データから2Dの動画データが生成される流れを医用画像生成装置における各機能の働きとともに示すシーケンス図である。
【図5】2D動画データの生成の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態における動画データと関連する3Dデータとの関連づけの概念を説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施の形態における医用画像表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図8】医用画像表示装置における画像表示の流れを医用画像表示装置における各機能の働きとともに示すシーケンス図である。
【図9】表示部上に表示された動画データを示す画面例である。
【図10】本発明の実施の形態において操作者が動画データから関連づけられる3D画像データを取得する際の概念を説明するための説明図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における画像表示システムの全体構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における医用画像発生装置の内部構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における医用画像保管装置の内部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における画像表示システムS1の全体構成を示すブロック図である。画像表示システムS1は、被検体を撮影することにより取得された画像情報を用いて時系列な複数の3次元画像データを生成するとともに、時系列な複数の3次元画像データから2次元の動画データを生成する医用画像生成装置1と、医用画像生成装置1によって生成された画像データ及び動画データを保管する医用画像保管装置2と、医用画像生成装置1によって生成された動画データの閲覧が可能な医用画像表示装置3がそれぞれネットワーク4に接続されることによって成立している。時系列的な複数の3次元画像データそれぞれは、時間軸における順番を示す情報、例えば、撮影時刻等を付帯情報として持っている。なお、時刻情報ではなく、単に順番を示す数字であっても良い。
【0020】
なお、図1に示す画像表示システムS1では、ネットワーク4に3つの医用画像表示装置3Aないし3C(以下、適宜これら複数の医用画像表示装置をまとめて「医用画像表示装置3」と表わす。)が接続されているが、ネットワーク4に接続される医用画像表示装置の数は単数、或いは複数のいずれでも良く、その数は任意である。また、医用画像表示装置3については、最低限3次元の画像データを表示できるだけの性能があれば良く、時系列な複数の3次元画像データ、すなわち4次元の画像データの再生処理が可能な性能を有している必要はない。
【0021】
さらに、本発明の第1の実施の形態における医用画像生成装置1は、被検体を撮影することにより被検体内部の情報を収集する機能と、併せてその収集された被検体の内部情報を基に医用画像表示装置3において閲覧するための画像データ、動画データを生成する機能とを備えている。但し、これらの機能が分離して別の医用画像生成装置に付与されており、それら別々の医用画像生成装置で撮影、データの生成が行われるようにされていても構わない。
【0022】
[医用画像生成装置の構成及び機能]
次に、画像表示システムS1を構成する装置のうちまず医用画像生成装置1の構成及び機能について説明を行う。
【0023】
図2は、本発明の第1の実施の形態における医用画像生成装置1の内部構成を示すブロック図である。医用画像生成装置としては、上述したMRIのように様々な装置があるが、本発明の実施の形態においては、医用画像生成装置1としてX線CT装置を例に挙げて以下説明を行う。
【0024】
医用画像生成装置1は、CPU(Central Processing Unit)1aと、ROM(Read Only Memory)1bと、RAM(Random Access Memory)1c及び入出力インターフェイス1dがバス1eを介して接続されている。入出力インターフェイス1dには、入力部1fと、表示部1gと、通信制御部1hと、記憶部1iと、リムーバブルディスク1jと、駆動部制御部1kとが接続されている。この駆動部1lには、例えば、X線CT装置を構成するX線管やX線を受光するX線検出器等が含まれ、駆動部制御部1kによって制御される。さらに、入出力インターフェイス1dを介して4次元画像データ生成部1m及び画像生成部10も接続されている。
【0025】
CPU1aは、入力部1fからの入力信号に基づいてROM1bから医用画像生成装置1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶部1iに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。またCPU1aは、入力部1fや入出力インターフェイス1dを介して、図1において図示していないその他の外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行う。さらにCPU1aは、RAM1cや記憶部1i等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAM1cにロードするとともに、RAM1cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、画像生成のための処理やデータの計算、加工等、一連の処理を実現する処理装置である。
【0026】
入力部1fは、医用画像生成装置1の操作者(例えば、医師や検査技師)が各種の操作を入力するキーボード、ダイヤル等の入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成しバス1eを介してCPU1aに送信される。また、医用画像生成装置1には、キーボード等だけでなく専用の操作パネルが設けられており、その操作パネル上の入力デバイスを介して操作画面に対する操作を行うこともできる。
【0027】
表示部1gは、例えば液晶ディスプレイである。この表示部1gは、CPU1aからバス1eを介して出力信号を受信し、例えば撮影の際や画像処理を行う際の諸条件の設定を行うにあたって必要な画像等、或いはCPU1aの処理結果等を表示する。
【0028】
通信制御部1hは、LANカードやモデム等であり、医用画像生成装置1をインターネットやLAN等の通信ネットワークに接続することを可能とする。通信制御部1hを介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス1d及びバス1eを介してCPU1aに送受信される。
【0029】
記憶部1iは、半導体や磁気ディスクで構成されており、CPU1aで実行されるプログラムやデータが記憶されている。
【0030】
リムーバブルディスク1jは、光ディスクやフレキシブルディスクのことであり、ディスクドライブによって読み書きされた信号は、入出力インターフェイス1d及びバス1eを介してCPU1aに送受信される。
【0031】
4次元画像データ生成部1mは、X線管から被検体に照射され、被検体を透過したX線を検出するX線検出器によって生成される電気信号から被検体の内部情報に関するボリュームデータを収集する。そして、このボリュームデータを基に3D画像データを生成し、この3D画像データを時系列に並べこれら複数の3D画像データを基に4D画像データを生成する。
【0032】
画像生成部10は入出力インターフェイス1dに接続され、4次元画像データ生成部1mによって生成された4D画像データを基に、2Dの動画データを生成する。なお、「2D画像データ」とは、2次元空間に対応する画素を配置した画像データをいい、「3D画像データ」とは、3次元空間に対応する画素(空間的な3軸方向に対応する画素)を配置した画像データをいう。
【0033】
なお、本発明の第1の実施の形態では、画像生成部10を医用画像生成装置1に搭載した例を挙げて以下、説明を行う。但し、この画像生成部10は、医用画像生成装置1から独立して存在し、ネットワーク4を介して医用画像生成装置1と接続されるようにされていても良い。この場合には、さらに画像生成部10が例えば、病院情報管理システム(HIS:Hospital Information System)、放射線部門情報管理システム(RIS:Radiological Information System)、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving Communication System)といった医療機関内に構築された各種管理システムと組み合わされて用いられても良い。
【0034】
このネットワーク4の例としては、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを挙げることができる。また、このネットワーク4で使用される通信規格は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)等、いずれの規格であっても良い。
【0035】
また、本発明の実施の形態においては画像生成部10が画像処理を行うが、その処理は画像生成部10によってではなく、記憶部1i、或いはリムーバブルディスク1jに格納されている画像生成プログラムを利用することで行うこともできる。この場合は、これらに格納されているプログラムがCPU1aに読み込まれ実行されることにより、画像生成部が医用画像生成装置1に実装されることになる。
【0036】
図3は、本発明の実施の形態における画像生成部10の内部の全体構成を示すブロック図である。画像生成部10は、4次元画像データ生成部1mにおいて生成された4D画像データから2Dの動画データを生成する装置である。画像生成部10は、受信部11と、条件設定部12と、確認部13と、2Dデータ作成部14と、判断部15と、カウンタ16と、保存部17と、動画作成部18と、送信部19とから構成されている。
【0037】
条件設定部12は、4D画像データを用いて、この4D画像データをどのように見せるか、すなわち、医用画像表示装置3においてどのように表示させるかの条件を設定する手段である。この4D画像データは、上述したように、医用画像生成装置1において撮影されたX線CT画像を基に4次元画像データ生成部1mにおいて生成されたデータである。
【0038】
確認部13は、生成する2D動画データの基となる4D画像データを構成するいずれの3D画像データであるかを確認する。2Dデータ作成部14は、動画データを生成する前段階となる2D画像データを生成する。
【0039】
2Dデータ作成部14において2Dの画像データが生成されると、判断部15が全ての3D画像データから2Dの画像データが生成されたか否かを判断する。カウンタ16は、3D画像データの時間軸における順番をカウントする。生成された2Dの画像データは、保存部17に保存されるとともに、動画作成部18は判断部15からの指示に基づいてこの2D画像データから2Dの動画データを生成する。
【0040】
次に、医用画像生成装置1において撮影されたボリュームデータを基にした4D画像データの生成及び、4D画像データから2Dの動画データが生成される流れを説明する。図4は、医用画像生成装置1における各機能の働きを示すシーケンス図であり、図5は2D動画データの生成の流れを示すフローチャートである。
【0041】
まず、操作者が被検体の内部情報を収集するべく、医用画像生成装置1における入力部1fから撮影の指示が出される(ST1)。この指示を受信したCPU1aは、駆動部制御部1kを介してX線管やX線を受光するX線検出器等の駆動部1lを駆動して被検体の撮影を行う(ST2)。ここで図4におけるシーケンス図では、駆動部制御部1kの制御によって被検体を撮影する駆動部1lをまとめて画像撮影部と表わす。また、図4のシーケンス図では画像生成部10を代表させて表わしているが、この画像生成部10が行う作用には、実際には例えば医用画像生成装置1におけるCPU1aが行う処理も含まれ、併せて示している。
【0042】
画像撮影部において被検体の撮影が行われ被検体の内部情報の収集が終了すると(ST3)、CPU1aに撮影が終了した旨を表わす信号が送られ、CPU1aは撮影されたスキャンデータを記憶部1iに記憶させる(ST4)。
【0043】
次に、生成され記憶部1iに記憶されたスキャンデータを基に4次元画像データ生成部1mによって4D画像データが生成される(ST5)。この4D画像データの生成は、スキャンデータからまず3D画像データを生成する。
【0044】
ここで、スキャンデータは、診察対象となる部位を複数回又は所定の時間連続的に撮影することによって得られる。従って、収集されたスキャンデータには複数の異なる時間において得られたスキャンデータが存在することになる。すなわち、撮影される時間ごとにあるまとまったスキャンデータが得られるが、このまとまりを1つの撮影単位と把握することができる。これら複数の異なる時間において得られたスキャンデータそれぞれを用いて時間ごとに3Dの画像データを生成する。その後、この生成された複数の3D画像データを基に4D画像データを生成する。すなわち、3D画像データを時系列に並べることにより4D画像データが得られる。
【0045】
なお、時間としては、各撮影単位の始点から何秒後というように時間で把握してもよい。また、時間以外に、例えば心臓であれば収縮期、拡張期といった時相ごとに3D画像データを生成し、これらに基づいて時系列に配置することで4D画像データを生成しても良い。以下、これら「時間」或いは「時相」を適宜まとめて「撮影単位」と表わす。
【0046】
4次元画像データ生成部1mによって4D画像データが生成された後、次に2Dの動画データが画像生成部10において生成される(ST6)。後述するように操作者はこの2Dの動画データを医用画像表示装置3において閲覧することになる。そこで2Dの動画データの生成に当たっては、まず、操作者が対象となる部位(患部)を閲覧するに適切な位置等を特定するための条件が条件設定部12によって設定される。
【0047】
すなわち、ステップ5において生成された4D画像データのうち、例えば、最初に表示される4D画像データを利用して条件設定が行われる。但し、4D画像データは3D画像データを時間軸に沿って並べた画像データであることから、実際には4D画像データを構成するある撮影単位の3D画像データを利用して条件設定が行なわれることになる。
【0048】
この条件としては、例えば、部位(患部)の疾患が明瞭に現われるように表示されるための4D画像データの回転、切断、視点の変更等が挙げられる。この条件設定は予め設定されており記憶部1iに記憶されている。従って、4D画像データが生成されると、画像生成部10における条件設定部12が記憶部1iから設定条件を引き出し、設定されている条件に基づいて4D画像データ(3D画像データ)が加工される。なお、この条件設定は操作者が行う設定としてあっても良い。
【0049】
4D画像データの加工が終了すると、実際に動画データの生成が開始される。図5のフローチャートに示されるように、まず、確認部13が対象となる4D画像データの撮影単位Nを1に設定する(ST61)。これは、最初に表示される加工済み4D画像データの撮影単位の3D画像データから順次2Dの画像データを生成するためである。そこで、上述したように撮影単位は「時間」でも「時相」でも構わないが、2Dデータ作成部14が、N番目に該当する3D画像データを利用して撮影単位がN番目の2D画像データを生成する(ST62)。
【0050】
2D画像データは、例えば、4D画像データを構成する各撮影単位の3D画像データから1枚ずつ、VR(volume rendering)処理やMPR処理を行って生成される。生成された2D画像データは保存部17にN番目の2D画像データとして保存される一方、判断部15によって生成された4D画像データに付与されている撮影単位の番号分2D画像データが生成されたか、すなわちN番目の撮影単位が最後の撮影単位であるか否かが判断される(ST63)。生成される2D画像データの基となる3D画像データが最後の撮影単位ではないと判断部15が判断した場合には(ST63のNo)、カウンタに順序を表わす「N」に1を加えるように指示を出し次に、「N+1」番目の3D画像データを利用して2D画像データを生成する(ST62)。
【0051】
判断部15が「N番目の撮影単位が最後の撮影単位である」と判断した場合には(ST63のYes)、全ての3D画像データを利用して2D画像データが生成されたと判断することができる。従って、判断部15は動画作成部18に対して動画を作成するように指示を出す(ST65)。動画データは、例えば、DICOMのマルチフレーム画像やWindows(登録商標)標準のAVIといった形式によって作成される。動画作成部18は、生成された2D画像データを1コマとして動画を作成する。すなわちN番目までの2D画像データを生成していることから、Nコマの2D画像データを連続して並べることにより動画データが作成される。操作者はこの作成された動画データを医用画像表示装置3において再生して見ることになる。
【0052】
なお、後述する動画データを保管する医用画像保管装置2によっては医用画像生成装置1から送信される動画データのプロトコルが異なる場合もある。そのためには、動画データを作成する際に各医用画像保管装置2において受信可能プロトコルを考慮に入れておく必要がある。また、この医用画像保管装置2はネットワーク4に複数接続されるようにしても良い。また、例えば、動画データのみを保管する医用画像保管装置2、4D画像データ及び動画データのいずれも保管する医用画像保管装置2というように、それぞれの医用画像保管装置2で保管する医用画像の対象を分けることも可能である。
【0053】
さらに動画作成部18は、作成した動画データと、動画データの基となった3D画像データとの関連づけを行う(ST66)。
【0054】
具体的には、例えば、動画データがDICOMのマルチフレーム画像で作成された場合には、画像に関する付帯情報が格納されるDICOMのタグ(領域)内に関連する3D画像データへのリンク、すなわち関連情報を格納する。また、Windows(登録商標)標準のAVI形式を利用して動画データを作成した場合には、新たにオブジェクトファイルを作成し、そのような外部オブジェクトファイルに関連する3D画像データへのリンク情報を格納する。これによって、動画の各コマが関連する3D画像データを特定することができる。リンク情報としては、例えば、SOPインスタンスUIDやシリーズインタンスUID(Unique Identifier)(DICOMを利用した場合)等、関連する3D画像データを特定できる情報であればよい。なお、格納場所としてはこのように2つの場合を挙げて説明したが、動画データとその関連する3D画像データとが確実に関連づけられていればその他の場所に格納されるように設定されていても良い。
【0055】
図6は、上述した動画データと3D画像データとの関連づけの概念を説明するための説明図である。左側には、1個からN個の各撮影単位における3D画像データが概念的に示されている。図6においてはこれら複数の3D画像データを時系列に並べることにより4D画像データが得られる。一方右側には、2D画像データを時系列に並べることにより作成された動画データが概念的に示されている。この動画データを構成する2D画像データそれぞれと関連する3D画像データへのリンクが設定される。図6では、この両者の関連性を示すために、動画データから各関連する3D画像データへと破線で示す矢印が伸びている。
【0056】
なお、動画データを構成する2D画像データに関連づけられる3D画像データは、4D画像データを生成する際に用いられる撮影収集されたスキャンデータに基づいて生成された元々の3D画像データである。上述したように4D画像データを加工するステップにおいて実際に加工される画像データは3D画像データであり、2D画像データを生成する際に用いられる3D画像データは元々の3D画像データではなく、加工後の3D画像データである。従って、この加工後の3D画像データに関連づけを行うことも可能である。
【0057】
作成された動画データ、この動画データを構成する各2D画像データと関連づけられる3D画像データに関する情報及び4D画像データは、記憶部1iに記憶される(ST67及びST7)なお、4D画像データについては、この段階で記憶部1iに記憶しているが、例えば、上述した4D画像データの生成後、動画データ作成前に一旦記憶部1iに記憶させるようにしても良い。さらに、動画データ及び4D画像データは、送信部19及び通信制御部1hを介して、ネットワーク4に接続される医用画像保管装置2に送信されるようにしても構わない(ST8及びST9)。医用画像保管装置2では、4D画像データ及びこの4D画像データの基となる3D画像データに関連づけられた動画データを併せて保管する。
【0058】
[医用画像表示装置の構成及び機能]
次に、画像表示システムS1を構成する医用画像表示装置3の構成及び機能について説明する。
【0059】
図7は、本発明の実施の形態における医用画像表示装置3の内部構成を示すブロック図である。医用画像表示装置としては、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)といった情報端末を利用することができる。この医用画像表示装置3は、4D画像データを表示することは要求されず、3D画像データを表示することができるだけの性能が備えられていれば足りる。
【0060】
医用画像表示装置3は、CPU(Central Processing Unit)3aと、ROM(Read Only Memory)3bと、RAM(Random Access Memory)3c及び入出力インターフェイス3dがバス3eを介して接続されている。入出力インターフェイス3dには、入力部3fと、表示部3gと、通信制御部3hと、記憶部3iと、リムーバブルディスク3jと、駆動部制御部3kとが接続されている。この駆動部制御部3kは、例えば、CDドライブを駆動する駆動部3lを制御する。
【0061】
CPU3aは、入力部3fからの入力信号に基づいてROM3bから医用画像表示装置3を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶部3iに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。またCPU3aは、入力部3fや入出力インターフェイス3dを介して、図7において図示していないその他の外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行う。さらにCPU3aは、RAM3cや記憶部3i等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAM3cにロードするとともに、RAM3cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、画像表示のための処理やデータの計算、加工等、一連の処理を実現する処理装置である。また、後述する表示部に動画データを表示させる表示制御部としての役割も果たす。
【0062】
入力部3fは、医用画像表示装置3の操作者が各種の操作を入力するキーボード、マウス等の入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成しバス3eを介してCPU3aに送信される。また、表示部に表示される動画データを構成する2次元画像データを指定する際も入力部3fを介して行われ、この場合、入力部3fは2次元画像データを指定する指定部として機能する。
【0063】
表示部3gは、例えば液晶ディスプレイである。この表示部3gは、CPU3aからバス3eを介して出力信号を受信し、例えば動画データやこの動画データに関連づけられた3D画像データを表示することやCPU3aの処理結果等を表示する。
【0064】
通信制御部3hは、LANカードやモデム等であり、医用画像表示装置3をインターネットやLAN等の通信ネットワークに接続することを可能とする。通信制御部3hを介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス3d及びバス3eを介してCPU3aに送受信される。
【0065】
記憶部3iは、半導体や磁気ディスクで構成されており、CPU3aで実行されるプログラムやデータが記憶されている。
【0066】
リムーバブルディスク3jは、光ディスクやフレキシブルディスクのことであり、ディスクドライブによって読み書きされた信号は、入出力インターフェイス3d及びバス3eを介してCPU3aに送受信される。
【0067】
医用画像表示装置3において上述したように動画データや3D画像データの表示を行うが、その表示は記憶部3i、或いはリムーバブルディスク3jに格納されている画像表示プログラムを利用することで行われる。この場合これらに格納されているプログラムがCPU3aに読み込まれ実行されることにより、画像表示部が医用画像表示装置3に実装されることになる。
【0068】
図8は、医用画像表示装置3における画像表示の流れを示すシーケンス図である。なお、図8では、CPU3a、ROM3b、RAM3cを医用画像表示装置3において画像を表示する処理を行う部としてまとめて「処理部」と表わしている。操作者は入力部3fを用いて被検体の撮影画像の表示を求める(ST21)。ここで操作者が表示要求を出す対象となる画像データは、4D画像データ、3D画像データ、或いは動画データのいずれであっても構わない。
【0069】
但し、上述したように4D画像データを表示するのに、本発明の実施の形態における医用画像表示装置3の性能は、十分ではない。また、3D画像データについては、1つの撮影検査において生成される複数の3D画像データは膨大な量にのぼる。そのため、これら膨大な3D画像データを表示させてこの中から操作者にとって適切な3D画像データを選択させることは困難である。
【0070】
そこで、4D画像データの表示指示を受けた処理部は、記憶部3iに対して表示指示された4D画像データに関する動画データを表示するために利用する表示プログラムの読み出しを指示する(ST22)。また、処理部は、併せて通信制御部3hを介して医用画像保管装置2に対して動画データの読み出しを要求する(ST23)。指示を受けた記憶部1iからは表示プログラムが読み出され、医用画像保管装置2からは表示対象となる動画データを取得する。処理部は、取得した動画データを表示部3g上に表示させる(ST24)。
【0071】
図9は、表示部3g上に表示された動画データを示す画面例である。この画面例では、表示部3g上に動画データが表示され、その動画データの下部に動画データの再生を指示することのできるボタンが設けられている。操作者は適宜このボタンを操作することによって動画データを再生することが可能とされている。また、必要とする撮影単位の画像を検索する際には一時停止のボタンを操作することによって動画データの再生を止めることができる。
【0072】
なお、図9に示すように、本発明の実施の形態においては表示部3g上にて操作可能な状態にされているが、例えば、入力部3fを用いて上述した操作を行う設定とすることも可能である。また、図9に示す画面例はあくまでも例であって、その画面デザインや動画再生方法等は任意に設定することができる。
【0073】
操作者が再生される動画データの中で必要とする撮影単位の2D画像を見つけた場合は、一時停止ボタンを押して動画データの再生を中止する。すなわち、これによってある撮影単位が特定されることになる。そして操作者が、例えば図9に示す表示部3g上の動画データをクリックするとその撮影単位における3D画像データを表示させることが可能となる。3D画像データの表示要求は、例えば、別途設けられたボタンをクリックすることによって行えるように設定されていても良い。
【0074】
すなわち、例えば、動画データをクリックすることによってその撮影単位における3D画像データの表示要求が行われると(ST25)、その要求を受けた処理部は表示されている2D画像データと関連付けられた3D画像データに関する情報に基づいて該当する3D画像データを特定する(ST26)。
【0075】
図10は、操作者が動画データから関連づけられる3D画像データを取得する際の概念を説明するための説明図である。例えば、操作者が図9に示す表示部3g上の動画データを一時停止し、そのとき表示されている画像をクリックすることによって図10の左側に示されている2D画像データの中から例えば2枚目が特定される。これにより、この2D画像データと関連付けられているリンク情報から、指定された撮影単位における3D画像データが特定され、医用画像保管装置2から該当する3D画像データが読み出される。図10の真ん中に示されているのは、4D画像データ、すなわち3D画像データ列である。特定された2D画像データと関連づけられている3D画像データがリンク情報によって読み出される。
【0076】
すなわち、3D画像データが特定されると、次に処理部はこの3D画像データを表示させるための3D画像データ表示プログラムを記憶部3iから読み出す(ST27)。また処理部は、併せて通信制御部3hを介して医用画像保管装置2に対して3D画像データの読み出しを要求する(ST28)。指示を受けた記憶部3iからは3D画像データ表示プログラムが読み出され、医用画像保管装置2からは表示対象となる3D画像データを取得する。処理部は、取得した3D画像データを表示部3g上に表示させる(ST29)(図10の右側の図を参照)。
【0077】
図10では、再生される動画データから特定されたある撮影単位における3D画像データと表示部3g上に表示される3D画像データとの関連をわかりやすく示すため、互いの間には関連を示す破線の矢印が示されている。なお、図10の右側に示される3D画像データを表示する画面例は、あくまでも例に過ぎず、どのようなデザインを採用しても良い。
【0078】
以上説明したように、まず医用画像生成装置1では、生成した3D画像データから4D画像データ及び動画データを生成する。一方、医用画像表示装置3では、4D画像データに比べてデータ量の小さな動画データを再生する。表示された動画データから、操作者が必要する撮影単位を特定する。すなわち、動画データを構成する2D画像データを特定する。特定後その2D動画データに関連づけられている3D画像データを表示させる。このような処理を行うことによって、使用される医用画像表示装置の性能の如何を問わず簡易な操作でデータ量の大きな画像データから必要な画像データを表示させることのできる医用画像生成装置、医用画像表示装置及び医用画像表示システムを提供することができる。
【0079】
すなわち、これまでは多数の3D画像データを例えば一覧表示させてその中から必要な画像データを選択、表示させていたことに起因する選択の煩雑さ、困難さを解消し、再生される動画データを見ながら必要な画像データが表示された時に選択特定することによって簡易に必要な画像データを表示させることが可能となる。また、データ量の大きな4D画像データを2D画像データからなる動画データに加工してデータ量を小さくし、医用画像表示装置ではこの動画データを表示させ、必要な3D画像データのみを選択的に表示させることによって、ネットワークに接続される医用画像表示装置の性能の如何を問わず必要とされる画像データを表示させることを可能にしている。
【0080】
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0081】
上述した第1の実施の形態においては、医用画像生成装置1が3D画像データを基に動画データを作成していたが、第2の実施の形態においては、この動画データ作成を医用画像保管装置20が行うこととしたものである。
【0082】
図11は、本発明の第2の実施の形態における画像表示システムS2の全体構成を示すブロック図である。画像表示システムS2は、被検体を撮影することにより画像情報を取得する医用画像発生装置30と、医用画像発生装置30によって取得された画像情報を保管するとともに、保管する時系列な複数の3次元画像データから2次元の動画データを生成する医用画像保管装置20と、医用画像保管装置20によって生成された動画データの閲覧が可能な医用画像表示装置3がそれぞれネットワーク4に接続されることによって成立している。
【0083】
なお、医用画像保管装置20に保管される画像データは、医用画像発生装置30によって得られたものだけでなく、光ディスク等の記憶メディアから読み取ったものであっても良い。
【0084】
図12は、医用画像発生装置30の内部構成を示すブロック図である。上述した第1の実施の形態における医用画像生成装置1との違いは、第2の実施の形態における医用画像発生装置30では、被検体の内部を示す画像情報を取得するのみで動画データの生成は行わない点である。従って、医用画像生成装置1が備えていた4次元画像データ生成部1m及び画像生成部10は備えておらず、これらは医用画像保管装置20内に設けられている。なお、その他の医用画像保管装置20の構成は全て医用画像生成装置1に該当する構成と同一であるのでその説明を省略する。
【0085】
図13は、医用画像保管装置20の内部構成を示すブロック図である。医用画像保管装置20は、医用画像発生装置30が取得(撮影)した画像情報を保管する記憶部22と、医用画像表示装置3からの指示を受けて記憶部22から必要な動画データ等を抜き出し送信する判断部23と、この判断部23の指示を受けて動画データを作成する4次元画像データ生成部1mと画像生成部10とから構成される。当然のことながら、情報を送受信する受信部21と送信部24も備えている。
【0086】
記憶部22には、医用画像発生装置30から送られてきた画像情報が記憶される。また、画像生成部10において生成された動画データや設定された関連する3D画像データへのリンクの情報も記憶される。
【0087】
判断部23は、医用画像表示装置3の通信制御部3hを介して送信される動画データの読み出しの要求(ST23参照)を受信し、記憶部22から該当する動画データを取得して送信部24を介して要求元である医用画像表示装置3へと送信する。
【0088】
4次元画像データ生成部1m及び画像生成部10に関する機能は第1の実施の形態において説明した通りである。従って、第2の実施の形態においては、医用画像保管装置20が医用画像発生装置30から供給された画像情報に基づいて、4次元画像データ生成部1mが4D画像データを生成するとともに、画像生成部10は動画データの生成及び関連する3D画像データへのリンクを設定する。
【0089】
なお、この動画データに関連する3D画像データへのリンクの設定に当たっては、DICOMのタグ(付帯情報)内への格納する方法が考えられる。或いは、新たなオブジェクトファイルを作成し、そのオブジェクトファイルへ格納する方法が考えられる。その他に、医用画像保管装置20内には、記憶する画像データの付帯情報をデータベースとして記憶部22に記憶しておいてもよい。その場合には、そのデータベースに動画データを構成する2D画像データそれぞれに関連する3D画像データへのリンク情報を格納する方法が考えられる。これにより、動画データの読み出し要求があった場合に、併せて関連する3D画像データへのリンク(関連情報)も読み出すことができる。
【0090】
このように、格納場所としてはこのように3つの場合を挙げて説明したが、動画データを構成する2D画像データとその関連する3D画像データとが確実に関連づけられていればその他の場所に格納されるように設定されていても良い。
【0091】
以上のような構成を採用することによって、特に医用画像発生装置30に動画データを生成できるほど高度な性能を備えなくとも、医用画像保管装置20の機能を拡充するのみで実施例1と同様の効果が得られる。
【0092】
この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 医用画像生成装置
1m 4次元画像データ生成部
2 医用画像保管装置
3 医用画像表示装置
4 ネットワーク
10 画像生成装置
11 受信部
12 条件設定部
13 確認部
14 2Dデータ作成部
15 判断部
16 カウンタ
17 保存部
18 動画作成部
19 送信部
20 医用画像保管装置
30 医用画像発生装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成装置で撮影された被検体内部の画像を加工し、操作者の求める医用画像を医用画像表示装置の性能を問わずに表示することができるようにされた医用画像生成装置、医用画像保管装置、医用画像表示装置及び医用画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、被検体内部の情報を収集し、この収集された情報に基づいて被検体内部を画像化して医用画像を生成する医用画像診断装置が用いられるようになっている。この医用画像診断装置としては、例えば、X線CT装置(computed tomography:コンピュータ断層撮影装置)や、磁気共鳴診断装置(MRI:magnetic resonance imaging)等が該当する。生成された医用画像は例えば、医用画像診断装置とネットワークを介して接続された医用画像表示装置上に表示される。
【0003】
これらの医用画像については、医用画像表示装置によって、例えば、時系列に複数の3次元(以下、適宜「3D(3 dimensional)」と表わす。)データを読み込んでMPR(Multi-Planar Reconstruction)処理やボリュームレンダリング処理が施される。そして、そのMPR画像の表示や3Dデータの表示、或いはそれらの4D(以下、適宜「4D(4 dimensional)」と表わす。)データの表示が行われてきた。
【0004】
但し、このうち3Dデータに含まれる一部分(注目部位)の時間的な変化を簡便に把握することが困難な場合もあった。そこで、以下の特許文献1に開示される発明では、特定部分に係る注目部位の時間的な変位を一画面上で把握することができる医用画像診断装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−148849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1において開示されている発明では、次の点について配慮がなされていない。
【0007】
すなわち、上述したような医用画像診断装置によって撮影されたデータを基に例えば、4Dの画像データを生成しても、ネットワークに接続された医用画像表示装置において閲覧することができないといった弊害を生ぜしめる可能性があった。
【0008】
通常4Dの画像データは、そのデータ量が非常に大きくなる。そのため、例えば、診察医が診察の際に医用画像表示装置に4Dの画像を表示させようとしても、表示させる医用画像表示装置のメモリ容量不足等、医用画像表示装置の性能が足らず表示させることができないということも起こり得る。
【0009】
このようにせっかく生成した4Dの画像を利用しない、或いは、利用できないのは無駄であるばかりでなく、4Dの画像の処理能力や4Dの画像を再生することができるソフトウェアを備えるか否かといった表示装置の性能によって閲覧できる場所が限られることにもなる。そのため診察医が患者に対して症状を理解させる有効な機会を損なうことにもなりかねない。
【0010】
一方、4Dの画像データを表示できない替わりに時間軸における3Dの画像データのみを読み込んで表示するということも可能である。この場合は数ある時間軸上に並ぶ複数の3D画像データの中から操作者が必要とする注目する3D画像データを特定して表示させることが必要となる。但し、この特定は非常に煩雑であり簡易に特定することができないことも多い。
【0011】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、使用される表示装置の性能の如何を問わず簡易な操作でデータ量の大きな画像データを表示させることのできる医用画像生成装置、医用画像保管装置、医用画像表示装置及び医用画像表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明の特徴は、医用画像生成装置において、被検体を撮影することにより取得された画像情報を用いて、それぞれが時間軸における順番を示す情報を持つ複数の3次元画像データからなる4次元画像データを生成する4次元画像データ生成部と、4次元画像データを構成する3次元画像データから生成される複数の2次元画像データからなる動画データを生成し、動画データを構成する各2次元画像データと基となった3次元画像データを関連付ける関連情報を生成する画像生成部とを備える。
【0013】
請求項4に記載の発明の特徴は、医用画像保管装置において、それぞれが時間軸における順番を示す情報を持つ複数の3次元画像データからなる4次元画像データを記憶する記憶部と、4次元画像データを構成する3次元画像データから生成される複数の2次元画像データからなる動画データを生成し、動画データを構成する各2次元画像データと基となった3次元画像データを関連付ける関連情報を生成する画像生成部とを備える。
【0014】
請求項8に記載の発明の特徴は、医用画像表示装置において、画像を表示する表示部と、動画データを表示部に表示させる表示制御部と、表示部に表示された動画データを構成する2次元画像データを指定するための指定部と、指定部により指定された2次元画像データの生成の基となった3次元画像データを読み出すための関連情報に基づいて3次元画像データを取得する処理部とを備える。
【0015】
請求項12に記載の発明の特徴は、医用画像表示システムにおいて、被検体を撮影することにより取得された画像情報を用いて、それぞれが時間軸における順番を示す情報を持つ複数の3次元画像データからなる4次元画像データを生成する4次元画像データ生成部と、4次元画像データを構成する3次元画像データから生成される複数の2次元画像データからなる動画データを生成し、動画データを構成する各2次元画像データと基となった3次元画像データを関連付ける関連情報を生成する画像生成部と、画像を表示する表示部と、動画データを前記表示部に表示させる表示制御部と、表示部に表示された動画データを構成する2次元画像データを指定するための指定部と、関連情報に基づいて3次元画像データを取得する処理部とを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、使用される表示装置の性能の如何を問わず簡易な操作でデータ量の大きな画像データを表示させることのできる医用画像生成装置、医用画像保管装置、医用画像表示装置及び医用画像表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態における画像表示システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における医用画像生成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】医用画像生成装置内の画像生成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】医用画像生成装置において撮影されたスキャンデータを基にした4D画像データの生成及び、4D画像データから2Dの動画データが生成される流れを医用画像生成装置における各機能の働きとともに示すシーケンス図である。
【図5】2D動画データの生成の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態における動画データと関連する3Dデータとの関連づけの概念を説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施の形態における医用画像表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図8】医用画像表示装置における画像表示の流れを医用画像表示装置における各機能の働きとともに示すシーケンス図である。
【図9】表示部上に表示された動画データを示す画面例である。
【図10】本発明の実施の形態において操作者が動画データから関連づけられる3D画像データを取得する際の概念を説明するための説明図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における画像表示システムの全体構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における医用画像発生装置の内部構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における医用画像保管装置の内部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における画像表示システムS1の全体構成を示すブロック図である。画像表示システムS1は、被検体を撮影することにより取得された画像情報を用いて時系列な複数の3次元画像データを生成するとともに、時系列な複数の3次元画像データから2次元の動画データを生成する医用画像生成装置1と、医用画像生成装置1によって生成された画像データ及び動画データを保管する医用画像保管装置2と、医用画像生成装置1によって生成された動画データの閲覧が可能な医用画像表示装置3がそれぞれネットワーク4に接続されることによって成立している。時系列的な複数の3次元画像データそれぞれは、時間軸における順番を示す情報、例えば、撮影時刻等を付帯情報として持っている。なお、時刻情報ではなく、単に順番を示す数字であっても良い。
【0020】
なお、図1に示す画像表示システムS1では、ネットワーク4に3つの医用画像表示装置3Aないし3C(以下、適宜これら複数の医用画像表示装置をまとめて「医用画像表示装置3」と表わす。)が接続されているが、ネットワーク4に接続される医用画像表示装置の数は単数、或いは複数のいずれでも良く、その数は任意である。また、医用画像表示装置3については、最低限3次元の画像データを表示できるだけの性能があれば良く、時系列な複数の3次元画像データ、すなわち4次元の画像データの再生処理が可能な性能を有している必要はない。
【0021】
さらに、本発明の第1の実施の形態における医用画像生成装置1は、被検体を撮影することにより被検体内部の情報を収集する機能と、併せてその収集された被検体の内部情報を基に医用画像表示装置3において閲覧するための画像データ、動画データを生成する機能とを備えている。但し、これらの機能が分離して別の医用画像生成装置に付与されており、それら別々の医用画像生成装置で撮影、データの生成が行われるようにされていても構わない。
【0022】
[医用画像生成装置の構成及び機能]
次に、画像表示システムS1を構成する装置のうちまず医用画像生成装置1の構成及び機能について説明を行う。
【0023】
図2は、本発明の第1の実施の形態における医用画像生成装置1の内部構成を示すブロック図である。医用画像生成装置としては、上述したMRIのように様々な装置があるが、本発明の実施の形態においては、医用画像生成装置1としてX線CT装置を例に挙げて以下説明を行う。
【0024】
医用画像生成装置1は、CPU(Central Processing Unit)1aと、ROM(Read Only Memory)1bと、RAM(Random Access Memory)1c及び入出力インターフェイス1dがバス1eを介して接続されている。入出力インターフェイス1dには、入力部1fと、表示部1gと、通信制御部1hと、記憶部1iと、リムーバブルディスク1jと、駆動部制御部1kとが接続されている。この駆動部1lには、例えば、X線CT装置を構成するX線管やX線を受光するX線検出器等が含まれ、駆動部制御部1kによって制御される。さらに、入出力インターフェイス1dを介して4次元画像データ生成部1m及び画像生成部10も接続されている。
【0025】
CPU1aは、入力部1fからの入力信号に基づいてROM1bから医用画像生成装置1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶部1iに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。またCPU1aは、入力部1fや入出力インターフェイス1dを介して、図1において図示していないその他の外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行う。さらにCPU1aは、RAM1cや記憶部1i等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAM1cにロードするとともに、RAM1cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、画像生成のための処理やデータの計算、加工等、一連の処理を実現する処理装置である。
【0026】
入力部1fは、医用画像生成装置1の操作者(例えば、医師や検査技師)が各種の操作を入力するキーボード、ダイヤル等の入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成しバス1eを介してCPU1aに送信される。また、医用画像生成装置1には、キーボード等だけでなく専用の操作パネルが設けられており、その操作パネル上の入力デバイスを介して操作画面に対する操作を行うこともできる。
【0027】
表示部1gは、例えば液晶ディスプレイである。この表示部1gは、CPU1aからバス1eを介して出力信号を受信し、例えば撮影の際や画像処理を行う際の諸条件の設定を行うにあたって必要な画像等、或いはCPU1aの処理結果等を表示する。
【0028】
通信制御部1hは、LANカードやモデム等であり、医用画像生成装置1をインターネットやLAN等の通信ネットワークに接続することを可能とする。通信制御部1hを介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス1d及びバス1eを介してCPU1aに送受信される。
【0029】
記憶部1iは、半導体や磁気ディスクで構成されており、CPU1aで実行されるプログラムやデータが記憶されている。
【0030】
リムーバブルディスク1jは、光ディスクやフレキシブルディスクのことであり、ディスクドライブによって読み書きされた信号は、入出力インターフェイス1d及びバス1eを介してCPU1aに送受信される。
【0031】
4次元画像データ生成部1mは、X線管から被検体に照射され、被検体を透過したX線を検出するX線検出器によって生成される電気信号から被検体の内部情報に関するボリュームデータを収集する。そして、このボリュームデータを基に3D画像データを生成し、この3D画像データを時系列に並べこれら複数の3D画像データを基に4D画像データを生成する。
【0032】
画像生成部10は入出力インターフェイス1dに接続され、4次元画像データ生成部1mによって生成された4D画像データを基に、2Dの動画データを生成する。なお、「2D画像データ」とは、2次元空間に対応する画素を配置した画像データをいい、「3D画像データ」とは、3次元空間に対応する画素(空間的な3軸方向に対応する画素)を配置した画像データをいう。
【0033】
なお、本発明の第1の実施の形態では、画像生成部10を医用画像生成装置1に搭載した例を挙げて以下、説明を行う。但し、この画像生成部10は、医用画像生成装置1から独立して存在し、ネットワーク4を介して医用画像生成装置1と接続されるようにされていても良い。この場合には、さらに画像生成部10が例えば、病院情報管理システム(HIS:Hospital Information System)、放射線部門情報管理システム(RIS:Radiological Information System)、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving Communication System)といった医療機関内に構築された各種管理システムと組み合わされて用いられても良い。
【0034】
このネットワーク4の例としては、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを挙げることができる。また、このネットワーク4で使用される通信規格は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)等、いずれの規格であっても良い。
【0035】
また、本発明の実施の形態においては画像生成部10が画像処理を行うが、その処理は画像生成部10によってではなく、記憶部1i、或いはリムーバブルディスク1jに格納されている画像生成プログラムを利用することで行うこともできる。この場合は、これらに格納されているプログラムがCPU1aに読み込まれ実行されることにより、画像生成部が医用画像生成装置1に実装されることになる。
【0036】
図3は、本発明の実施の形態における画像生成部10の内部の全体構成を示すブロック図である。画像生成部10は、4次元画像データ生成部1mにおいて生成された4D画像データから2Dの動画データを生成する装置である。画像生成部10は、受信部11と、条件設定部12と、確認部13と、2Dデータ作成部14と、判断部15と、カウンタ16と、保存部17と、動画作成部18と、送信部19とから構成されている。
【0037】
条件設定部12は、4D画像データを用いて、この4D画像データをどのように見せるか、すなわち、医用画像表示装置3においてどのように表示させるかの条件を設定する手段である。この4D画像データは、上述したように、医用画像生成装置1において撮影されたX線CT画像を基に4次元画像データ生成部1mにおいて生成されたデータである。
【0038】
確認部13は、生成する2D動画データの基となる4D画像データを構成するいずれの3D画像データであるかを確認する。2Dデータ作成部14は、動画データを生成する前段階となる2D画像データを生成する。
【0039】
2Dデータ作成部14において2Dの画像データが生成されると、判断部15が全ての3D画像データから2Dの画像データが生成されたか否かを判断する。カウンタ16は、3D画像データの時間軸における順番をカウントする。生成された2Dの画像データは、保存部17に保存されるとともに、動画作成部18は判断部15からの指示に基づいてこの2D画像データから2Dの動画データを生成する。
【0040】
次に、医用画像生成装置1において撮影されたボリュームデータを基にした4D画像データの生成及び、4D画像データから2Dの動画データが生成される流れを説明する。図4は、医用画像生成装置1における各機能の働きを示すシーケンス図であり、図5は2D動画データの生成の流れを示すフローチャートである。
【0041】
まず、操作者が被検体の内部情報を収集するべく、医用画像生成装置1における入力部1fから撮影の指示が出される(ST1)。この指示を受信したCPU1aは、駆動部制御部1kを介してX線管やX線を受光するX線検出器等の駆動部1lを駆動して被検体の撮影を行う(ST2)。ここで図4におけるシーケンス図では、駆動部制御部1kの制御によって被検体を撮影する駆動部1lをまとめて画像撮影部と表わす。また、図4のシーケンス図では画像生成部10を代表させて表わしているが、この画像生成部10が行う作用には、実際には例えば医用画像生成装置1におけるCPU1aが行う処理も含まれ、併せて示している。
【0042】
画像撮影部において被検体の撮影が行われ被検体の内部情報の収集が終了すると(ST3)、CPU1aに撮影が終了した旨を表わす信号が送られ、CPU1aは撮影されたスキャンデータを記憶部1iに記憶させる(ST4)。
【0043】
次に、生成され記憶部1iに記憶されたスキャンデータを基に4次元画像データ生成部1mによって4D画像データが生成される(ST5)。この4D画像データの生成は、スキャンデータからまず3D画像データを生成する。
【0044】
ここで、スキャンデータは、診察対象となる部位を複数回又は所定の時間連続的に撮影することによって得られる。従って、収集されたスキャンデータには複数の異なる時間において得られたスキャンデータが存在することになる。すなわち、撮影される時間ごとにあるまとまったスキャンデータが得られるが、このまとまりを1つの撮影単位と把握することができる。これら複数の異なる時間において得られたスキャンデータそれぞれを用いて時間ごとに3Dの画像データを生成する。その後、この生成された複数の3D画像データを基に4D画像データを生成する。すなわち、3D画像データを時系列に並べることにより4D画像データが得られる。
【0045】
なお、時間としては、各撮影単位の始点から何秒後というように時間で把握してもよい。また、時間以外に、例えば心臓であれば収縮期、拡張期といった時相ごとに3D画像データを生成し、これらに基づいて時系列に配置することで4D画像データを生成しても良い。以下、これら「時間」或いは「時相」を適宜まとめて「撮影単位」と表わす。
【0046】
4次元画像データ生成部1mによって4D画像データが生成された後、次に2Dの動画データが画像生成部10において生成される(ST6)。後述するように操作者はこの2Dの動画データを医用画像表示装置3において閲覧することになる。そこで2Dの動画データの生成に当たっては、まず、操作者が対象となる部位(患部)を閲覧するに適切な位置等を特定するための条件が条件設定部12によって設定される。
【0047】
すなわち、ステップ5において生成された4D画像データのうち、例えば、最初に表示される4D画像データを利用して条件設定が行われる。但し、4D画像データは3D画像データを時間軸に沿って並べた画像データであることから、実際には4D画像データを構成するある撮影単位の3D画像データを利用して条件設定が行なわれることになる。
【0048】
この条件としては、例えば、部位(患部)の疾患が明瞭に現われるように表示されるための4D画像データの回転、切断、視点の変更等が挙げられる。この条件設定は予め設定されており記憶部1iに記憶されている。従って、4D画像データが生成されると、画像生成部10における条件設定部12が記憶部1iから設定条件を引き出し、設定されている条件に基づいて4D画像データ(3D画像データ)が加工される。なお、この条件設定は操作者が行う設定としてあっても良い。
【0049】
4D画像データの加工が終了すると、実際に動画データの生成が開始される。図5のフローチャートに示されるように、まず、確認部13が対象となる4D画像データの撮影単位Nを1に設定する(ST61)。これは、最初に表示される加工済み4D画像データの撮影単位の3D画像データから順次2Dの画像データを生成するためである。そこで、上述したように撮影単位は「時間」でも「時相」でも構わないが、2Dデータ作成部14が、N番目に該当する3D画像データを利用して撮影単位がN番目の2D画像データを生成する(ST62)。
【0050】
2D画像データは、例えば、4D画像データを構成する各撮影単位の3D画像データから1枚ずつ、VR(volume rendering)処理やMPR処理を行って生成される。生成された2D画像データは保存部17にN番目の2D画像データとして保存される一方、判断部15によって生成された4D画像データに付与されている撮影単位の番号分2D画像データが生成されたか、すなわちN番目の撮影単位が最後の撮影単位であるか否かが判断される(ST63)。生成される2D画像データの基となる3D画像データが最後の撮影単位ではないと判断部15が判断した場合には(ST63のNo)、カウンタに順序を表わす「N」に1を加えるように指示を出し次に、「N+1」番目の3D画像データを利用して2D画像データを生成する(ST62)。
【0051】
判断部15が「N番目の撮影単位が最後の撮影単位である」と判断した場合には(ST63のYes)、全ての3D画像データを利用して2D画像データが生成されたと判断することができる。従って、判断部15は動画作成部18に対して動画を作成するように指示を出す(ST65)。動画データは、例えば、DICOMのマルチフレーム画像やWindows(登録商標)標準のAVIといった形式によって作成される。動画作成部18は、生成された2D画像データを1コマとして動画を作成する。すなわちN番目までの2D画像データを生成していることから、Nコマの2D画像データを連続して並べることにより動画データが作成される。操作者はこの作成された動画データを医用画像表示装置3において再生して見ることになる。
【0052】
なお、後述する動画データを保管する医用画像保管装置2によっては医用画像生成装置1から送信される動画データのプロトコルが異なる場合もある。そのためには、動画データを作成する際に各医用画像保管装置2において受信可能プロトコルを考慮に入れておく必要がある。また、この医用画像保管装置2はネットワーク4に複数接続されるようにしても良い。また、例えば、動画データのみを保管する医用画像保管装置2、4D画像データ及び動画データのいずれも保管する医用画像保管装置2というように、それぞれの医用画像保管装置2で保管する医用画像の対象を分けることも可能である。
【0053】
さらに動画作成部18は、作成した動画データと、動画データの基となった3D画像データとの関連づけを行う(ST66)。
【0054】
具体的には、例えば、動画データがDICOMのマルチフレーム画像で作成された場合には、画像に関する付帯情報が格納されるDICOMのタグ(領域)内に関連する3D画像データへのリンク、すなわち関連情報を格納する。また、Windows(登録商標)標準のAVI形式を利用して動画データを作成した場合には、新たにオブジェクトファイルを作成し、そのような外部オブジェクトファイルに関連する3D画像データへのリンク情報を格納する。これによって、動画の各コマが関連する3D画像データを特定することができる。リンク情報としては、例えば、SOPインスタンスUIDやシリーズインタンスUID(Unique Identifier)(DICOMを利用した場合)等、関連する3D画像データを特定できる情報であればよい。なお、格納場所としてはこのように2つの場合を挙げて説明したが、動画データとその関連する3D画像データとが確実に関連づけられていればその他の場所に格納されるように設定されていても良い。
【0055】
図6は、上述した動画データと3D画像データとの関連づけの概念を説明するための説明図である。左側には、1個からN個の各撮影単位における3D画像データが概念的に示されている。図6においてはこれら複数の3D画像データを時系列に並べることにより4D画像データが得られる。一方右側には、2D画像データを時系列に並べることにより作成された動画データが概念的に示されている。この動画データを構成する2D画像データそれぞれと関連する3D画像データへのリンクが設定される。図6では、この両者の関連性を示すために、動画データから各関連する3D画像データへと破線で示す矢印が伸びている。
【0056】
なお、動画データを構成する2D画像データに関連づけられる3D画像データは、4D画像データを生成する際に用いられる撮影収集されたスキャンデータに基づいて生成された元々の3D画像データである。上述したように4D画像データを加工するステップにおいて実際に加工される画像データは3D画像データであり、2D画像データを生成する際に用いられる3D画像データは元々の3D画像データではなく、加工後の3D画像データである。従って、この加工後の3D画像データに関連づけを行うことも可能である。
【0057】
作成された動画データ、この動画データを構成する各2D画像データと関連づけられる3D画像データに関する情報及び4D画像データは、記憶部1iに記憶される(ST67及びST7)なお、4D画像データについては、この段階で記憶部1iに記憶しているが、例えば、上述した4D画像データの生成後、動画データ作成前に一旦記憶部1iに記憶させるようにしても良い。さらに、動画データ及び4D画像データは、送信部19及び通信制御部1hを介して、ネットワーク4に接続される医用画像保管装置2に送信されるようにしても構わない(ST8及びST9)。医用画像保管装置2では、4D画像データ及びこの4D画像データの基となる3D画像データに関連づけられた動画データを併せて保管する。
【0058】
[医用画像表示装置の構成及び機能]
次に、画像表示システムS1を構成する医用画像表示装置3の構成及び機能について説明する。
【0059】
図7は、本発明の実施の形態における医用画像表示装置3の内部構成を示すブロック図である。医用画像表示装置としては、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)といった情報端末を利用することができる。この医用画像表示装置3は、4D画像データを表示することは要求されず、3D画像データを表示することができるだけの性能が備えられていれば足りる。
【0060】
医用画像表示装置3は、CPU(Central Processing Unit)3aと、ROM(Read Only Memory)3bと、RAM(Random Access Memory)3c及び入出力インターフェイス3dがバス3eを介して接続されている。入出力インターフェイス3dには、入力部3fと、表示部3gと、通信制御部3hと、記憶部3iと、リムーバブルディスク3jと、駆動部制御部3kとが接続されている。この駆動部制御部3kは、例えば、CDドライブを駆動する駆動部3lを制御する。
【0061】
CPU3aは、入力部3fからの入力信号に基づいてROM3bから医用画像表示装置3を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶部3iに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。またCPU3aは、入力部3fや入出力インターフェイス3dを介して、図7において図示していないその他の外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行う。さらにCPU3aは、RAM3cや記憶部3i等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAM3cにロードするとともに、RAM3cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、画像表示のための処理やデータの計算、加工等、一連の処理を実現する処理装置である。また、後述する表示部に動画データを表示させる表示制御部としての役割も果たす。
【0062】
入力部3fは、医用画像表示装置3の操作者が各種の操作を入力するキーボード、マウス等の入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成しバス3eを介してCPU3aに送信される。また、表示部に表示される動画データを構成する2次元画像データを指定する際も入力部3fを介して行われ、この場合、入力部3fは2次元画像データを指定する指定部として機能する。
【0063】
表示部3gは、例えば液晶ディスプレイである。この表示部3gは、CPU3aからバス3eを介して出力信号を受信し、例えば動画データやこの動画データに関連づけられた3D画像データを表示することやCPU3aの処理結果等を表示する。
【0064】
通信制御部3hは、LANカードやモデム等であり、医用画像表示装置3をインターネットやLAN等の通信ネットワークに接続することを可能とする。通信制御部3hを介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス3d及びバス3eを介してCPU3aに送受信される。
【0065】
記憶部3iは、半導体や磁気ディスクで構成されており、CPU3aで実行されるプログラムやデータが記憶されている。
【0066】
リムーバブルディスク3jは、光ディスクやフレキシブルディスクのことであり、ディスクドライブによって読み書きされた信号は、入出力インターフェイス3d及びバス3eを介してCPU3aに送受信される。
【0067】
医用画像表示装置3において上述したように動画データや3D画像データの表示を行うが、その表示は記憶部3i、或いはリムーバブルディスク3jに格納されている画像表示プログラムを利用することで行われる。この場合これらに格納されているプログラムがCPU3aに読み込まれ実行されることにより、画像表示部が医用画像表示装置3に実装されることになる。
【0068】
図8は、医用画像表示装置3における画像表示の流れを示すシーケンス図である。なお、図8では、CPU3a、ROM3b、RAM3cを医用画像表示装置3において画像を表示する処理を行う部としてまとめて「処理部」と表わしている。操作者は入力部3fを用いて被検体の撮影画像の表示を求める(ST21)。ここで操作者が表示要求を出す対象となる画像データは、4D画像データ、3D画像データ、或いは動画データのいずれであっても構わない。
【0069】
但し、上述したように4D画像データを表示するのに、本発明の実施の形態における医用画像表示装置3の性能は、十分ではない。また、3D画像データについては、1つの撮影検査において生成される複数の3D画像データは膨大な量にのぼる。そのため、これら膨大な3D画像データを表示させてこの中から操作者にとって適切な3D画像データを選択させることは困難である。
【0070】
そこで、4D画像データの表示指示を受けた処理部は、記憶部3iに対して表示指示された4D画像データに関する動画データを表示するために利用する表示プログラムの読み出しを指示する(ST22)。また、処理部は、併せて通信制御部3hを介して医用画像保管装置2に対して動画データの読み出しを要求する(ST23)。指示を受けた記憶部1iからは表示プログラムが読み出され、医用画像保管装置2からは表示対象となる動画データを取得する。処理部は、取得した動画データを表示部3g上に表示させる(ST24)。
【0071】
図9は、表示部3g上に表示された動画データを示す画面例である。この画面例では、表示部3g上に動画データが表示され、その動画データの下部に動画データの再生を指示することのできるボタンが設けられている。操作者は適宜このボタンを操作することによって動画データを再生することが可能とされている。また、必要とする撮影単位の画像を検索する際には一時停止のボタンを操作することによって動画データの再生を止めることができる。
【0072】
なお、図9に示すように、本発明の実施の形態においては表示部3g上にて操作可能な状態にされているが、例えば、入力部3fを用いて上述した操作を行う設定とすることも可能である。また、図9に示す画面例はあくまでも例であって、その画面デザインや動画再生方法等は任意に設定することができる。
【0073】
操作者が再生される動画データの中で必要とする撮影単位の2D画像を見つけた場合は、一時停止ボタンを押して動画データの再生を中止する。すなわち、これによってある撮影単位が特定されることになる。そして操作者が、例えば図9に示す表示部3g上の動画データをクリックするとその撮影単位における3D画像データを表示させることが可能となる。3D画像データの表示要求は、例えば、別途設けられたボタンをクリックすることによって行えるように設定されていても良い。
【0074】
すなわち、例えば、動画データをクリックすることによってその撮影単位における3D画像データの表示要求が行われると(ST25)、その要求を受けた処理部は表示されている2D画像データと関連付けられた3D画像データに関する情報に基づいて該当する3D画像データを特定する(ST26)。
【0075】
図10は、操作者が動画データから関連づけられる3D画像データを取得する際の概念を説明するための説明図である。例えば、操作者が図9に示す表示部3g上の動画データを一時停止し、そのとき表示されている画像をクリックすることによって図10の左側に示されている2D画像データの中から例えば2枚目が特定される。これにより、この2D画像データと関連付けられているリンク情報から、指定された撮影単位における3D画像データが特定され、医用画像保管装置2から該当する3D画像データが読み出される。図10の真ん中に示されているのは、4D画像データ、すなわち3D画像データ列である。特定された2D画像データと関連づけられている3D画像データがリンク情報によって読み出される。
【0076】
すなわち、3D画像データが特定されると、次に処理部はこの3D画像データを表示させるための3D画像データ表示プログラムを記憶部3iから読み出す(ST27)。また処理部は、併せて通信制御部3hを介して医用画像保管装置2に対して3D画像データの読み出しを要求する(ST28)。指示を受けた記憶部3iからは3D画像データ表示プログラムが読み出され、医用画像保管装置2からは表示対象となる3D画像データを取得する。処理部は、取得した3D画像データを表示部3g上に表示させる(ST29)(図10の右側の図を参照)。
【0077】
図10では、再生される動画データから特定されたある撮影単位における3D画像データと表示部3g上に表示される3D画像データとの関連をわかりやすく示すため、互いの間には関連を示す破線の矢印が示されている。なお、図10の右側に示される3D画像データを表示する画面例は、あくまでも例に過ぎず、どのようなデザインを採用しても良い。
【0078】
以上説明したように、まず医用画像生成装置1では、生成した3D画像データから4D画像データ及び動画データを生成する。一方、医用画像表示装置3では、4D画像データに比べてデータ量の小さな動画データを再生する。表示された動画データから、操作者が必要する撮影単位を特定する。すなわち、動画データを構成する2D画像データを特定する。特定後その2D動画データに関連づけられている3D画像データを表示させる。このような処理を行うことによって、使用される医用画像表示装置の性能の如何を問わず簡易な操作でデータ量の大きな画像データから必要な画像データを表示させることのできる医用画像生成装置、医用画像表示装置及び医用画像表示システムを提供することができる。
【0079】
すなわち、これまでは多数の3D画像データを例えば一覧表示させてその中から必要な画像データを選択、表示させていたことに起因する選択の煩雑さ、困難さを解消し、再生される動画データを見ながら必要な画像データが表示された時に選択特定することによって簡易に必要な画像データを表示させることが可能となる。また、データ量の大きな4D画像データを2D画像データからなる動画データに加工してデータ量を小さくし、医用画像表示装置ではこの動画データを表示させ、必要な3D画像データのみを選択的に表示させることによって、ネットワークに接続される医用画像表示装置の性能の如何を問わず必要とされる画像データを表示させることを可能にしている。
【0080】
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0081】
上述した第1の実施の形態においては、医用画像生成装置1が3D画像データを基に動画データを作成していたが、第2の実施の形態においては、この動画データ作成を医用画像保管装置20が行うこととしたものである。
【0082】
図11は、本発明の第2の実施の形態における画像表示システムS2の全体構成を示すブロック図である。画像表示システムS2は、被検体を撮影することにより画像情報を取得する医用画像発生装置30と、医用画像発生装置30によって取得された画像情報を保管するとともに、保管する時系列な複数の3次元画像データから2次元の動画データを生成する医用画像保管装置20と、医用画像保管装置20によって生成された動画データの閲覧が可能な医用画像表示装置3がそれぞれネットワーク4に接続されることによって成立している。
【0083】
なお、医用画像保管装置20に保管される画像データは、医用画像発生装置30によって得られたものだけでなく、光ディスク等の記憶メディアから読み取ったものであっても良い。
【0084】
図12は、医用画像発生装置30の内部構成を示すブロック図である。上述した第1の実施の形態における医用画像生成装置1との違いは、第2の実施の形態における医用画像発生装置30では、被検体の内部を示す画像情報を取得するのみで動画データの生成は行わない点である。従って、医用画像生成装置1が備えていた4次元画像データ生成部1m及び画像生成部10は備えておらず、これらは医用画像保管装置20内に設けられている。なお、その他の医用画像保管装置20の構成は全て医用画像生成装置1に該当する構成と同一であるのでその説明を省略する。
【0085】
図13は、医用画像保管装置20の内部構成を示すブロック図である。医用画像保管装置20は、医用画像発生装置30が取得(撮影)した画像情報を保管する記憶部22と、医用画像表示装置3からの指示を受けて記憶部22から必要な動画データ等を抜き出し送信する判断部23と、この判断部23の指示を受けて動画データを作成する4次元画像データ生成部1mと画像生成部10とから構成される。当然のことながら、情報を送受信する受信部21と送信部24も備えている。
【0086】
記憶部22には、医用画像発生装置30から送られてきた画像情報が記憶される。また、画像生成部10において生成された動画データや設定された関連する3D画像データへのリンクの情報も記憶される。
【0087】
判断部23は、医用画像表示装置3の通信制御部3hを介して送信される動画データの読み出しの要求(ST23参照)を受信し、記憶部22から該当する動画データを取得して送信部24を介して要求元である医用画像表示装置3へと送信する。
【0088】
4次元画像データ生成部1m及び画像生成部10に関する機能は第1の実施の形態において説明した通りである。従って、第2の実施の形態においては、医用画像保管装置20が医用画像発生装置30から供給された画像情報に基づいて、4次元画像データ生成部1mが4D画像データを生成するとともに、画像生成部10は動画データの生成及び関連する3D画像データへのリンクを設定する。
【0089】
なお、この動画データに関連する3D画像データへのリンクの設定に当たっては、DICOMのタグ(付帯情報)内への格納する方法が考えられる。或いは、新たなオブジェクトファイルを作成し、そのオブジェクトファイルへ格納する方法が考えられる。その他に、医用画像保管装置20内には、記憶する画像データの付帯情報をデータベースとして記憶部22に記憶しておいてもよい。その場合には、そのデータベースに動画データを構成する2D画像データそれぞれに関連する3D画像データへのリンク情報を格納する方法が考えられる。これにより、動画データの読み出し要求があった場合に、併せて関連する3D画像データへのリンク(関連情報)も読み出すことができる。
【0090】
このように、格納場所としてはこのように3つの場合を挙げて説明したが、動画データを構成する2D画像データとその関連する3D画像データとが確実に関連づけられていればその他の場所に格納されるように設定されていても良い。
【0091】
以上のような構成を採用することによって、特に医用画像発生装置30に動画データを生成できるほど高度な性能を備えなくとも、医用画像保管装置20の機能を拡充するのみで実施例1と同様の効果が得られる。
【0092】
この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 医用画像生成装置
1m 4次元画像データ生成部
2 医用画像保管装置
3 医用画像表示装置
4 ネットワーク
10 画像生成装置
11 受信部
12 条件設定部
13 確認部
14 2Dデータ作成部
15 判断部
16 カウンタ
17 保存部
18 動画作成部
19 送信部
20 医用画像保管装置
30 医用画像発生装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を撮影することにより取得された画像情報を用いて、それぞれが時間軸における順番を示す情報を持つ複数の3次元画像データからなる4次元画像データを生成する4次元画像データ生成部と、
前記4次元画像データを構成する前記3次元画像データから生成される複数の2次元画像データからなる動画データを生成し、前記動画データを構成する各2次元画像データと基となった前記3次元画像データを関連付ける関連情報を生成する画像生成部と、
を備えることを特徴とする医用画像生成装置。
【請求項2】
前記関連情報は、前記2次元画像データの付帯情報として格納されることを特徴とする請求項1に記載の医用画像生成装置。
【請求項3】
前記関連情報は、前記2次元画像データと関連付けられたオブジェクトファイルに格納されることを特徴とする請求項1に記載の医用画像生成装置。
【請求項4】
それぞれが時間軸における順番を示す情報を持つ複数の3次元画像データからなる4次元画像データを記憶する記憶部と、
前記4次元画像データを構成する前記3次元画像データから生成される複数の2次元画像データからなる動画データを生成し、前記動画データを構成する各2次元画像データと基となった前記3次元画像データを関連付ける関連情報を生成する画像生成部と、
を備えることを特徴とする医用画像保管装置。
【請求項5】
前記関連情報は、前記2次元画像データの付帯情報として格納されることを特徴とする請求項4に記載の医用画像保管装置。
【請求項6】
前記関連情報は、前記2次元画像データと関連付けられたオブジェクトファイルに格納されることを特徴とする請求項4に記載の医用画像保管装置。
【請求項7】
前記関連情報は、前記記憶部に格納される画像データを検索するためのデータベースに格納されることを特徴とする請求項4に記載の医用画像保管装置。
【請求項8】
画像を表示する表示部と、
動画データを前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示部に表示された前記動画データを構成する2次元画像データを指定するための指定部と、
前記指定部により指定された前記2次元画像データの生成の基となった3次元画像データを読み出すための関連情報に基づいて前記3次元画像データを取得する処理部と、
を備えることを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項9】
前記処理部は、前記2次元画像データの付帯情報から前記関連情報を取得することを特徴とする請求項8の医用画像表示装置。
【請求項10】
前記処理部は、前記2次元画像データに関連付けられたオブジェクトファイルから前記関連情報を取得することを特徴とする請求項8の医用画像表示装置。
【請求項11】
前記処理部は、画像データを検索するデータベースから前記関連情報を取得することを特徴とする請求項8の医用画像表示装置。
【請求項12】
被検体を撮影することにより取得された画像情報を用いて、それぞれが時間軸における順番を示す情報を持つ複数の3次元画像データからなる4次元画像データを生成する4次元画像データ生成部と、
前記4次元画像データを構成する前記3次元画像データから生成される複数の2次元画像データからなる動画データを生成し、前記動画データを構成する各2次元画像データと基となった前記3次元画像データを関連付ける関連情報を生成する画像生成部と、
画像を表示する表示部と、
前記動画データを前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示部に表示された前記動画データを構成する前記2次元画像データを指定するための指定部と、
前記関連情報に基づいて前記3次元画像データを取得する処理部と、
を備えることを特徴とする医用画像表示システム。
【請求項1】
被検体を撮影することにより取得された画像情報を用いて、それぞれが時間軸における順番を示す情報を持つ複数の3次元画像データからなる4次元画像データを生成する4次元画像データ生成部と、
前記4次元画像データを構成する前記3次元画像データから生成される複数の2次元画像データからなる動画データを生成し、前記動画データを構成する各2次元画像データと基となった前記3次元画像データを関連付ける関連情報を生成する画像生成部と、
を備えることを特徴とする医用画像生成装置。
【請求項2】
前記関連情報は、前記2次元画像データの付帯情報として格納されることを特徴とする請求項1に記載の医用画像生成装置。
【請求項3】
前記関連情報は、前記2次元画像データと関連付けられたオブジェクトファイルに格納されることを特徴とする請求項1に記載の医用画像生成装置。
【請求項4】
それぞれが時間軸における順番を示す情報を持つ複数の3次元画像データからなる4次元画像データを記憶する記憶部と、
前記4次元画像データを構成する前記3次元画像データから生成される複数の2次元画像データからなる動画データを生成し、前記動画データを構成する各2次元画像データと基となった前記3次元画像データを関連付ける関連情報を生成する画像生成部と、
を備えることを特徴とする医用画像保管装置。
【請求項5】
前記関連情報は、前記2次元画像データの付帯情報として格納されることを特徴とする請求項4に記載の医用画像保管装置。
【請求項6】
前記関連情報は、前記2次元画像データと関連付けられたオブジェクトファイルに格納されることを特徴とする請求項4に記載の医用画像保管装置。
【請求項7】
前記関連情報は、前記記憶部に格納される画像データを検索するためのデータベースに格納されることを特徴とする請求項4に記載の医用画像保管装置。
【請求項8】
画像を表示する表示部と、
動画データを前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示部に表示された前記動画データを構成する2次元画像データを指定するための指定部と、
前記指定部により指定された前記2次元画像データの生成の基となった3次元画像データを読み出すための関連情報に基づいて前記3次元画像データを取得する処理部と、
を備えることを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項9】
前記処理部は、前記2次元画像データの付帯情報から前記関連情報を取得することを特徴とする請求項8の医用画像表示装置。
【請求項10】
前記処理部は、前記2次元画像データに関連付けられたオブジェクトファイルから前記関連情報を取得することを特徴とする請求項8の医用画像表示装置。
【請求項11】
前記処理部は、画像データを検索するデータベースから前記関連情報を取得することを特徴とする請求項8の医用画像表示装置。
【請求項12】
被検体を撮影することにより取得された画像情報を用いて、それぞれが時間軸における順番を示す情報を持つ複数の3次元画像データからなる4次元画像データを生成する4次元画像データ生成部と、
前記4次元画像データを構成する前記3次元画像データから生成される複数の2次元画像データからなる動画データを生成し、前記動画データを構成する各2次元画像データと基となった前記3次元画像データを関連付ける関連情報を生成する画像生成部と、
画像を表示する表示部と、
前記動画データを前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示部に表示された前記動画データを構成する前記2次元画像データを指定するための指定部と、
前記関連情報に基づいて前記3次元画像データを取得する処理部と、
を備えることを特徴とする医用画像表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−148862(P2010−148862A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257220(P2009−257220)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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