説明

医用画像確認装置及び医用画像確認方法

【課題】 医用画像の確認済の状態を確実にすることで画像確認の質を向上する医用画像確認装置及び医用画像確認方法を提供する。
【解決手段】 この医用画像確認方法は、医用画像を表示部に表示し医用画像の確認を行う際に、医用画像が確認済みとみなされる条件を満たしているか否かを判定し、条件が満たされたと判定されたとき医用画像を確認済みと判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発生した医用画像について診断に適したものか否かを確認する医用画像確認装置及び医用画像確認方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、医療用画像診断装置として、例えば、US(ultrasound)装置、MRI(magnetic resonance imaging)装置、CT(Computerized Tomography)装置、CR(Computed Radiography)装置等が知られており、これらの画像診断装置はモダリティ装置と呼ばれるが、これらの各種モダリティ装置によって撮影された画像は、プリンタによってフィルムにプリントアウトされたり、画像ビューワのディスプレイに表示されたり、あるいは画像保存装置(画像サーバ装置)において磁気ディスク、光磁気ディスク等の記憶手段に格納されてデータ保管される等の様々な態様で処理がなされる。
【0003】
上記各種のモダリティ装置で得られた患者の診断画像は、放射線技師によって様々な処理を受けて読影済や確認済とされてから、上述のように画像保存装置等に送られる。例えば、下記特許文献1では、画像ファイルに「生成済み」、「確認済み」、「読影済み」などさまざまな属性を持たせることによるアクセス権限を管理することが開示されている。このような従来の「読影済」、「確認済」とは、一連の処理の中で、特定の処理が完了しているとの意味であり、画像を本当に確認したかは保証できない。
【0004】
同一検査には、複数画像で構成されるケースが多く、決められた方式ですべての画像を技師か医師の目に通して(「検像」、「読影」等と呼ばれる)確認することになる。頻繁に大量の画像を診ているうちに、画像を本当に確認したかを忘れてしまうことが往々にして起こり、念のためもう一回を診ることもしばしばある。このため、確認作業の効率が低下することになる。また、偶に画像を確認することが漏れたり、忘れたり、ミスしたりことも考えられる。例えば、全然診ていないなのに、「確認済」にしてしまったり、診ていない画像が残っているのに、そのまま「確認済」にしてしまうことが起こり得る。
【特許文献1】特開2002−140685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、医用画像の確認済の状態を確実にすることで画像確認の質を向上する医用画像確認装置及び医用画像確認方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明による医用画像確認装置は、医用画像を表示部に表示し医用画像の確認を行う医用画像確認装置であって、前記医用画像が確認済みとみなされる条件を設定する手段と、前記医用画像が前記条件を満たしているか否かを判定する手段と、を具備し、前記条件が満たされたと判定されたとき前記医用画像を確認済みと判断することを特徴とする。
【0007】
この医用画像確認装置によれば、医用画像が確認済みとみなされる条件を満たしているか否かを判定し、その条件が満たされたと判定されたとき医用画像を確認済みと判断するので、医用画像の確認済の状態を確実にすることができ、画像確認の質を向上できる。
【0008】
上記医用画像確認装置において確認対象の医用画像を確認したときに操作する操作手段を具備し、前記操作手段が操作されたことを前記確認済みとみなされる条件とすることができる。例えば、表示部に確認ボタンを設け、その確認ボタンの押し下げで確認済みとみなすようにできる。
【0009】
また、確認対象の医用画像を前記表示部に表示した時間を計測する計測手段を具備し、前記計測した時間が所定時間を経過したことを前記確認済みとみなされる条件とすることができる。また、この時間経過と上述の操作手段の操作の両方を確認済みとみなされる条件とすることができる。
【0010】
また、前記医用画像を前記表示部に表示する際の表示方式を指定する手段を具備することで、表示方式を例えば、全体表示・等倍表示・出力形態での表示・フルスクリーン表示等とすることができる。また、確認専用の高精細な表示方式で確認対象の医用画像を表示することができる。
【0011】
また、確認対象の医用画像を前記表示部の確認用表示エリアに表示するように構成できる。例えば、確認用表示エリアに確認対象の医用画像を表示した時間を上述の経過時間とすることができる。
【0012】
また、同一検査に複数の医用画像があるとき、前記各医用画像について確認が行われ、前記判断手段は、すべての医用画像が確認済になったとき、確認済みと判断することが好ましい。
【0013】
また、前記判断手段が確認済みと判断していないとき、次の操作に移ることを禁止するかまたは警告を出すことが好ましく、未確認の医用画像が外部に出力することを防止できる。
【0014】
本発明による医用画像確認方法は、医用画像を表示部に表示し医用画像の確認を行う医用画像確認方法であって、前記医用画像が確認済みとみなされる条件を満たしているか否かを判定するステップと、前記条件が満たされたと判定されたとき前記医用画像を確認済みと判断するステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
この医用画像確認方法によれば、医用画像が確認済みとみなされる条件を満たしているか否かを判定し、その条件が満たされたと判定されたとき医用画像を確認済みと判断するので、医用画像の確認済の状態を確実にすることができ、画像確認の質を向上できる。
【0016】
上記医用画像確認方法において確認対象の医用画像を確認したときに操作部が操作されたことを第1条件とし、前記確認対象の医用画像を前記表示部に表示した時間が所定時間を経過したことを第2条件とし、前記確認済みとみなされる条件を前記第1条件及び前記第2条件の少なくともいずれか一方とすることが好ましい。
【0017】
また、前記医用画像を前記表示部に表示する際の表示方式を指定することで、表示方式を例えば、全体表示・等倍表示・出力形態での表示・フルスクリーン表示等とすることができる。また、確認専用の高精細な表示方式で確認対象の医用画像を表示することができる。
【0018】
また、確認対象の医用画像を前記表示部の確認用表示エリアに表示するようにできる。例えば、確認用表示エリアに確認対象の医用画像を表示した時間を上述の経過時間とすることができる。
【0019】
また、同一検査に複数の医用画像があるとき、前記各医用画像について確認が行われ、前記判断ステップにおいて、すべての医用画像が確認済になったとき、確認済みと判断することが好ましい。
【0020】
また、前記判断ステップにおいて確認済みと判断していないとき、次の操作に移ることを禁止するかまたは警告を出すことが好ましく、未確認の医用画像が外部に出力することを防止できる。
【0021】
本発明による医用画像保存システムは、医用画像を発生する医用画像発生装置と、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の医用画像確認装置と、前記医用画像確認装置で確認済みとされた医用画像を保存する画像保存装置と、を接続したものである。
【0022】
この医用画像保存システムによれば、医用画像発生装置で発生した医用画像を医用画像確認装置で確実に確認してから画像保存装置に出力できるので、診断に適することを確認された医用画像を画像保存装置に保存できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の医用画像確認装置及び医用画像確認方法によれば、医用画像の確認済の状態を確実にすることで画像確認の質を向上できる。また、本発明の医用画像保存システムによれば、診断に適することを確認された医用画像を画像保存装置に保存できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態による医用画像確認装置を含む医用画像保存システムを示すブロック図である。図2は、図1の医用画像確認装置の構成を示すブロック図である。
【0025】
図1に示す医用画像保存システムは、CT、MRI、CR等の各種のモダリテイ機器の少なくとも1種からなりかつ撮影により医用画像を発生させる複数の医用画像発生装置1,2,3と、医用画像発生装置1〜3からの医用画像を表示し診断に適するものかを確認可能である医用画像確認装置4と、医用画像確認装置4から出力された医用画像を保存し登録することで管理する画像保存装置5と、画像保存装置5で保存された画像をディスプレイに表示する画像参照装置6と、を含む。
【0026】
なお、画像保存装置5は、保存し管理している画像を画像参照装置6に提供する画像提供機能を有し、画像サーバ装置ともいわれる。また、画像参照装置6は、医師が診断のときに医用画像を参照するもので、画像ビューワともいわれる。
【0027】
図1における各装置間の接続手段は、特に制限はなく、専用線にて接続されていてもよいし、ネットワークによる接続でもかまわない。装置1,2,3と装置4の間、装置4と装置5の間、装置5と装置6の間の各接続手段は同じ手段であってもよいし、それぞれ異なった手段であってもよい。ネットワークは、例えば単一の病院内に敷設されたLAN(Local Area Network)であったり、LANは、単一のLANセグメントで構成されても、ルータ(またはゲートウェイ)経由で相互接続された複数のLANセグメントで構成されてもよい。更に、ネットワークは、専用線等を介して遠隔の病院のLANどうしを接続して構成されるWAN(Wide Area Network)やインターネットのような広域ネットワークであってもよい。
【0028】
医用画像確認装置4は、パーソナルコンピュータから構成可能であり、図2のように、各医用画像発生装置1〜3から送信された医用画像を受信し一時的に蓄え保存する受信・保存部11と、その受信した医用画像を確認等のために表示する液晶パネルやCRT等から構成される表示部12と、ユーザが必要な動作を選択し入力するための操作部13と、画像保存装置5へ確認済みの医用画像をその医用画像についての付帯情報とともに出力する出力部14と、を備え、表示部12に表示された医用画像について適宜必要な画像処理や修正の調整を行うことができる。
【0029】
図2の医用画像確認装置4は、更に、確認対象の医用画像が確認済みとみなされる条件を設定する設定部15と、確認対象の医用画像が表示部12の確認用表示エリアに表示されている時間を計測する計測部16と、確認対象の医用画像が確認済みとみなされる条件を満たしているか否かを判定する判定部17と、を備える。
【0030】
医用画像確認装置4の表示部12には、確認用表示エリアがあり、この確認用表示エリアに医用画像を表示し確認を行うようになっている。確認用表示エリアは、特定のモニタ、例えば画像観察専用高精細モニタ、または、あるモニタの特定のエリアを指す。この確認用表示エリアの大きさ等の物理特性は、医用画像の確認にとって重要であり、確認作業に適したものに設定されている。
【0031】
また、表示部12の確認用表示エリアには、確認済みボタン(図3,図4参照)が表示され、そのボタンを操作部13の操作で押し下げることで、その医用画像が確認済とみなされるようになっている。
【0032】
医用画像確認装置4は、医用画像を表示部12に次の表示方式により表示でき、操作部13での操作によりいずれかの表示方式を選択可能である。
(1)全体表示・・・画像を確認用表示エリアのサイズに合わせて全体表示する。
(2)等倍表示・・・画像を実際のサイズで表示する。確認用表示エリアより大きい場合は確認用表示エリアの隣にスクロールバーを表示される。
(3)出力形態での表示・・・画像保存装置5への出力形態で表示する。医用画像以外の患者情報やコメント等が付加されることがある。
(4)フルスクリーン表示・・・表示エリアの内容をスクリーン全体まで拡大する。
【0033】
上述の医用画像確認装置4において医用画像を確認済とみなすための方式(条件)には次の4種類がある。
【0034】
(a)表示部12の確認用表示エリアに医用画像を所定時間以上表示すると、確認済とみなす方式である。即ち、図2の計測部16でその表示時間を計測し、所定時間を経過すると、判定部17で確認済とみなす。
【0035】
(b)表示部12の確認用表示エリアに表示された確認ボタン25(図3)を押し下げると、判定部17で確認済とみなす方式である。
【0036】
(c)上記(a)と(b)の併用方式であり、両方の条件が満たされると確認済とみなす方式である。即ち、医用画像を表示部12の確認用表示エリアに所定時間以上表示してから、確認ボタン25(図3)を押し下げると、判定部17で確認済とみなす。
【0037】
(d)上記(a)と(b)の併用方式であるが、いずれか一方の条件が満たされると確認済とみなす方式である。即ち、医用画像を表示部12の確認用表示エリアに所定時間以上表示すること、及び、確認用表示エリアに表示された確認ボタン25(図3)を押し下げたこと、のいずれか一方の条件が満たされると、判定部17で確認済とみなす。
【0038】
上記方式(a)〜(d)を図2の設定部15に予め設定しておき、画像確認を行うとき、いずれかを選択することができ、また、上記方式(b)〜(d)における所定時間を設定部15に設定しておくことができる。
【0039】
次に、図2の医用画像確認装置4の表示部12における表示例について図3乃至図6を参照して説明する。
【0040】
図3は図2の表示部12を通常モニタと高精細モニタで構成した例を模式的に示す図である。図4は図2の表示部12を通常モニタで構成した例を模式的に示す図である。図5は図4の通常モニタをフルスクリーン表示に変えた様子を模式的に示す図である。図6は図3,図4の通常モニタに表示される処理完了パレットの例を模式的に示す拡大図である。
【0041】
図3に示すように、図2の表示部12は、通常モニタと高精細モニタで構成され、通常モニタは、医用画像発生装置1〜3から受信した医用画像を順次サムネールで表示する受信パレット21と、医用画像の患者情報・検査情報をリストにて表示する患者検査情報リスト22と、同一検査の複数の医用画像をサムネールで表示する検査画像パレット23と、処理完了パレット26と、を備える。
【0042】
また、図3の高精細モニタは、医用画像発生装置1〜3からの医用画像を確認するために高精細に表示する確認用表示エリア24と、確認用表示エリア24に表示された医用画像を確認した後に押し下げることで、その医用画像を確認済とみなす確認ボタン25と、を備える。
【0043】
なお、確認用表示エリア24における画像の表示方式の設定や変更等は、図2の設定部15で操作部13の操作により適宜行うことができる。また、医用画像の確認とは、画像が指示どおりに撮影されているが、医師の診断に適する品質であるか等を放射線技師が判断するものである。
【0044】
図3において、同一検査には複数の医用画像があり、通常モニタの検査画像パレット23にサムネール表示され、高精細モニタで一枚ずつ表示され確認を行い、医用画像の確認及び調整をすることができる。かかる確認が済み、確認ボタン25を操作部13の操作で押し下げると、その医用画像を確認済とみなすことができる。
【0045】
また、表示部12は、図4のように、通常モニタのみで構成されてもよい。即ち、図4の通常モニタは、図3と同様の受信パレット21と、患者検査情報リスト22と、検査画像パレット23と、処理完了パレット26と、を備え、更に、確認用表示エリア24と確認ボタン25とをモニタ全体の一部として備える。
【0046】
図4の場合、図5のように、確認用表示エリアをフルスクリーン表示にも変えることが可能であり、フルスクリーン表示とした確認用表示エリア24aと確認ボタン25bが表示されるようにしてもよい。
【0047】
また、図3,図4の処理完了パレット26は、図6のように、画像OKボタン26aと、検査OKボタン26bとを備える。確認対象の医用画像が確認済となり、画像OKボタン26aを操作部13の操作で押し下げると、その医用画像は処理済となる。
【0048】
また、同一検査の複数の医用画像すべてが確認済となり、図6の検査OKボタン26bを操作部13の操作で押し下げると、同一検査のすべての医用画像が処理済となる。また、同一検査で確認済となっていない医用画像がある場合には、検査OKボタン26bを押し下げることができない。この場合、検査OKボタン26bを押し下げると、警告手段から警告が出るようにしてもよい。この警告手段は、例えば、表示部12内の特定エリアに設けた発光部が点滅して発光するように構成できる。
【0049】
次に、図1、図2の医用画像確認装置4の動作(ステップS01乃至S15)について図7のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
図7のように、図3または図4の確認用表示エリア24に確認対象の医用画像が表示されている場合(S01)、確認用表示方式の指定があれば(S02)、その確認用表示方式で表示されているとき(S03)、または、ステップS02で確認用表示方式の指定がないとき、医用画像の確認済みをどう判定するかを図2の設定部15に設定する。即ち、次のように、上記医用画像を確認済とみなすための4種類の方式(a)〜(d)の内のいずれか1つを設定する(S04、S07)。
【0051】
方式(a)を設定した場合(S04)、図3または図4の確認用表示エリア24に医用画像を表示している間、図2の計測部16で表示時間を計測し、その表示時間が設定時間以上となると(S05)、判定部17で確認済とみなす(S12)。
【0052】
また、方式(b)を設定した場合(S04)、ユーザが図3、図4の確認用表示エリア24に表示された医用画像の確認を行い、確認ボタン25を押し下げると(S06)、判定部17で確認済とみなす(S12)。
【0053】
また、上記(a)と(b)の併用方式(c)を設定した場合(S07)、図3または図4の確認用表示エリア24に医用画像を表示している間、図2の計測部16で表示時間を計測し、その表示時間が設定時間以上となり(S08)、医用画像の確認を行い、確認ボタン25(図3,図4)を押し下げると(S09)、判定部17で確認済とみなす(S12)。
【0054】
また、上記併用方式(d)を設定した場合(S07)、図3または図4の確認用表示エリア24に医用画像を表示している間、図2の計測部16で表示時間を計測し、その表示時間が設定時間以上となると(S10)、判定部17で確認済とみなす(S12)。また、その表示時間が設定時間に達する前に(S10)、医用画像の確認を行い、確認ボタン25(図3,図4)を押し下げると(S11)、判定部17で確認済とみなす(S12)。
【0055】
上述のようにして、確認対象の医用画像が確認済とみなされ(S12)、図3,図4の処理完了パレット26の画像OKボタン26a(図6)を押し下げると、その医用画像が処理済みと判断される(S13)。
【0056】
そして、その処理済みの医用画像をその患者情報や検査情報等の付帯情報とともに図2の医用画像確認装置4の出力部14から図1の画像保存装置5に出力させ(S14)、画像保存装置5に保存する(S15)。
【0057】
以上の図7で説明した動作における医用画像は単数の場合であるが、確認対象が同一検査の複数の医用画像である場合の動作(ステップS21乃至S25)について図8のフローチャートを参照して説明する。なお、同一検査とは、同一患者についての検査を意味する。
【0058】
図7のステップS12のように同一検査の複数の医用画像の内の一医用画像が確認済とみなされ、図3,図4の処理完了パレット26の画像OKボタン26a(図6)を押し下げると、同一検査の未確認の医用画像があるとき、その未確認の医用画像が確認用表示エリア24に表示され同様にして確認を行うようにして、すべての医用画像について確認済みとなるまで処理を続ける。
【0059】
そして、同一検査のすべての医用画像が確認済みとなると(S21)、図2の判定部17で同一検査のすべての医用画像を確認済とする(S22)。次に、図3,図4の処理完了パレット26の検査OKボタン26b(図6)を押し下げると、その同一検査が処理済みと判断され(S23)、その処理済みの同一検査の複数の医用画像をその患者情報や検査情報等の付帯情報とともに図2の医用画像確認装置4の出力部14から図1の画像保存装置5に出力させ(S24)、同一検査の複数の医用画像を画像保存装置5に保存する(S25)。
【0060】
また、ステップS21で同一検査のすべての医用画像が確認済みとなる前に、図3,図4の処理完了パレット26の検査OKボタン26b(図6)を押し下げようとしても押し下げることができないので、未確認の画像が残っていることが分かる。この場合、例えば発光による警告手段を設け、検査OKボタン26bを押し下げると、発光部が点滅して発光するので、未確認の画像が残っていることが分かる。
【0061】
上述のようにして画像保存装置5に保存され登録された医用画像は医師の診断のために画像参照装置6に表示可能となる。
【0062】
上述の図7,図8における医用画像確認装置4の各動作は、医用画像確認装置4の記憶装置等に格納されて起動したプログラムに従って医用画像確認装置4の各部11乃至17が制御され、必要な情報処理が実行される。
【0063】
以上のように、本実施の形態の医用画像確認装置によれば、確認対象の医用画像が条件を満たすと確認済みと判定され、その医用画像を確認済みと判断することで、医用画像の確認済の状態を確実にすることができ、確認漏れや確認忘れを確実に防止できるので、画像確認の質を向上できる。これにより、検査画像の内容確保を担保でき、医療ミスの減少や患者サービスの向上等のメリットにつながり好ましい。
【0064】
また、図1の医用画像保存システムによれば、医用画像発生装置1〜3で発生した医用画像を医用画像確認装置4で確実に確認してから画像保存装置5に出力できるので、診断に適することを確認された医用画像を画像保存装置5に保存可能となる。
【0065】
以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図1では、医用画像発生装置1〜3と医用画像確認装置4とを分けて構成しているが、装置によっては、両方の機能を備える構成としてもよい。この場合は、医用画像発生装置まで含めて本発明の医用画像確認装置といえる。
【0066】
また、図1の医用画像発生装置1〜3のモダリテイ機器は、CR(computed radiography)やCT(computed tomography:コンピュータ断層撮影装置) やMRI(magnetic resonance imaging:核磁気共鳴映像装置)以外であってもよく、DR(digital radiography:デジタルラジオグラフィー)やUS(ultrasound:超音波診断装置)などの医用画像発生装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施の形態による医用画像確認装置を含む医用画像保存システムを示すブロック図である。
【図2】図1の医用画像確認装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の表示部12を通常モニタと高精細モニタで構成した例を模式的に示す図である。
【図4】図2の表示部12を通常モニタで構成した例を模式的に示す図である。
【図5】図4の通常モニタをフルスクリーン表示に変えた様子を模式的に示す図である。
【図6】図3,図4の通常モニタに表示される処理完了パレットの例を模式的に示す拡大図である。
【図7】図1、図2の医用画像確認装置及び医用画像保存システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】確認対象が同一検査の複数の医用画像である場合の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1,2,3 医用画像発生装置
4 医用画像確認装置
5 画像保存装置
6 画像参照装置
11 受信・保存部
12 表示部
13 操作部
14 出力部
15 設定部
16 計測部
17 判定部
24 確認用表示エリア
24a 確認用表示エリア
25 確認ボタン
25b 確認ボタン
26 処理完了パレット
26a 画像OKボタン
26b 検査OKボタン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像を表示部に表示し医用画像の確認を行う医用画像確認装置であって、
前記医用画像が確認済みとみなされる条件を設定する手段と、
前記医用画像が前記条件を満たしているか否かを判定する手段と、を具備し、
前記条件が満たされたと判定されたとき前記医用画像を確認済みと判断することを特徴とする医用画像確認装置。
【請求項2】
確認対象の医用画像を確認したときに操作する操作手段を具備し、前記操作手段が操作されたことを前記確認済みとみなされる条件とすることを特徴とする請求項1に記載の医用画像確認装置。
【請求項3】
確認対象の医用画像を前記表示部に表示した時間を計測する計測手段を具備し、前記計測した時間が所定時間を経過したことを前記確認済みとみなされる条件とすることを特徴とする請求項1または2に記載の医用画像確認装置。
【請求項4】
前記医用画像を前記表示部に表示する際の表示方式を指定する手段を具備することを特徴とする請求項1,2または3に記載の医用画像確認装置。
【請求項5】
確認対象の医用画像を前記表示部の確認用表示エリアに表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の医用画像確認装置。
【請求項6】
同一検査に複数の医用画像があるとき、前記各医用画像について確認が行われ、前記判断手段は、すべての医用画像が確認済になったとき、確認済みと判断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の医用画像確認装置。
【請求項7】
前記判断手段が確認済みと判断していないとき、次の操作に移ることを禁止するかまたは警告を出すことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の医用画像確認装置。
【請求項8】
医用画像を表示部に表示し医用画像の確認を行う医用画像確認方法であって、
前記医用画像が確認済みとみなされる条件を満たしているか否かを判定するステップと、
前記条件が満たされたと判定されたとき前記医用画像を確認済みと判断するステップと、を含むことを特徴とする医用画像確認方法。
【請求項9】
確認対象の医用画像を確認したときに操作部が操作されたことを第1条件とし、前記確認対象の医用画像を前記表示部に表示した時間が所定時間を経過したことを第2条件とし、前記確認済みとみなされる条件を前記第1条件及び前記第2条件の少なくともいずれか一方とすることを特徴とする請求項8に記載の医用画像確認方法。
【請求項10】
前記医用画像を前記表示部に表示する際の表示方式を指定することを特徴とする請求項8または9に記載の医用画像確認装置。
【請求項11】
確認対象の医用画像を前記表示部の確認用表示エリアに表示することを特徴とする請求項8,9または10に記載の医用画像確認方法。
【請求項12】
同一検査に複数の医用画像があるとき、前記各医用画像について確認が行われ、前記判断ステップにおいて、すべての医用画像が確認済になったとき、確認済みと判断することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の医用画像確認方法。
【請求項13】
前記判断ステップにおいて確認済みと判断していないとき、次の操作に移ることを禁止するかまたは警告を出すことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の医用画像確認方法。
【請求項14】
医用画像を発生する医用画像発生装置と、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の医用画像確認装置と、前記医用画像確認装置で確認済みとされた医用画像を保存する画像保存装置と、を接続した医用画像保存システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−95054(P2006−95054A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−284304(P2004−284304)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】