説明

医用画像管理システム

【課題】複合検査にかかる個々の検査情報等について、複合検査にかかるものであることを明確に関連付ける技術の提供を目的とする。
【解決手段】医用画像管理システム1は、PET装置26にX線CT装置27を特定する付帯情報を付加したオーダ情報を送信し、X線CT装置27にPET装置26を特定する付帯情報を付加したオーダ情報を送信する構成となっている。画像生成部28a・28bによって画像が生成されると、生成された画像データと付帯情報が結合されて、画像サーバ30の記憶部32に記憶される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用診断に用いられる医用画像を取得する医用画像管理システムに関する。具体的には、複数のモダリティを用いた複合検査における画像情報を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年コンピュータの処理速度が向上し、医用画像の分野において、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography:X線コンピュータトモグラフィ)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴イメージング)装置、超音波診断装置(Ultrasonic diagnostic equipment)、NM(Nuclear Medicine:核医学)等さまざまな医用画像診断のモダリティが出現するに至った。
【0003】
このように、さまざまなモダリティが出現するに至ったことに伴い、形成される医用画像および動画も多様化している。生成された医用画像等はそれぞれを比較して診断が行われるものであるため、病院等医療機関内で共通に管理されるようになった。
【0004】
この医療機関内で取扱われるデータを、各機器や各装置間でやりとりするネットワークとして、例えば、HIS(Hospital Information System:病院内情報システム)やRIS(Radiology Information System:放射線科情報システム)やPACS(Picture Archiving and Communication System:医用画像保管通信システム)等が形成されるようになった。
【0005】
HISは、多数の患者の受付(総合受付)を行うとともに、内科や外科などの担当診療科への受付の処理、患者の個人情報(氏名、年齢、住所、来院 履歴、治療状況)の管理、診療費の会計処理を行っている。
【0006】
RISは、HISやPACSなどとオンラインで連携して、放射線科における医用画像診断装置等の医療機器による診療の予約、検査受付、検査データの読影、保管、医療日の会計処理までを一貫して行うサポートシステムである。
【0007】
PACSは、画像サーバを有し、前述のようにHISやRIS等と連携して各種の画像診断機器によって得られる画像をデジタルで保管・通信・表示・読影できるシステムである。大容量保管媒体高速通信網、薄型多画面ディスプレイ、アプリケーションソフトなどを利用し、PACSと連携することにより、膨大なデータ量となる医用画像データの画質を劣化させずに効率よく処理することが可能となる。
【0008】
ところで、前述のように医用画像診断手法が多様化している中にあっては、ある特定の医用画像診断装置を用いるとともに、別個の医用画像診断装置を組み合わせて用いることによって、各医用画像診断装置それぞれの特性を活かして患者(被検体)の特定部位について診療を実施する複合検査が行われるようになってきている。このように、医用画像診断の分野において、既存のモダリティを組み合わせて診療を行うことは、各モダリティの特性を活かしつつ、各モダリティにおいて不足していた性能を補うことを可能とし、医用画像診断の精度の向上につながるものである。
【0009】
例えば従来、循環器の造影検査において、患者の血流状態などを造影する際、X線診断装置を用いて2次元画像を形成する血管造影検査法等が用いられていたが、複雑で立体的な血流を造影するためにIVR−CT(InterVentionalRadiology−Computed Tomography)/Angioシステムなどが用いられるようになったこともその一例である。
【0010】
IVR−CT/Angioシステムは、X線診断装置による血管造影検査システムとCTシステムを、同一の検査室において組み合わせ、血管造影検査下でCT検査を行い、診療が行われるものである。CTを使用することにより、血管と病変の位置関係などを3次元的に把握可能とし、被検体を移送することにより実施していたCT−Angio検査が1つの撮影室で実施出来るようになった。また、短時間に各医用画像診断装置の優れた画像情報を繰り返し得ることが可能となり、複雑繊細な血管を正確に描出して高度なIVR技術(患者にとって負担を少なくするため医用画像診断の技術を駆使して治療を行う技術)を支援するシステムである。
【0011】
その他、単光子放出断層撮影を行うSPECTとX線CT装置とを組み合わせたSPECT−CTや、陽電子放出断層撮影を行うPET装置とX線CT装置とを組み合わせたPET−CT、PET装置とMRI装置を組み合わせたPET−MRIなど、複数のモダリティを組み合わせて診療を実施する複合検査などもある。これらは核医学装置によって生成される画像からでは形態情報や位置情報が正確に得られないおそれがあることから、それを補うためにX線CT装置やMRI装置と組み合わされたものである。
【0012】
これらの複合検査によって複数のモダリティから医用画像データが生成されるが、これら複数のモダリティから生成される医用画像データは複合検査として利用されるものであるから、診断に利用する際は、モダリティごとに参照されるのではなく、1つの複合検査として利用されるものである。
【0013】
また、複合検査のスケジュール情報を含む管理システムについて、複数のモダリティごとに個々に独立して管理するのではなく、同一の複合検査にかかるスケジュール情報を統合的に管理する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0014】
【特許文献1】特開2005−261952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、医用画像診断装置によって生成された医用画像データは、複合検査であるか否かに関わらず、何らかの形で保管、表示、管理等されるものである。ここでは、HISやRISを利用して医用画像データを管理している例を挙げる。
【0016】
医用画像診断装置は、通常RISとネットワークを通じて通信可能となっており、外科や内科、その他の科の端末などからHISを通してRISにオーダ(予約)が入り、そのオーダに基づいて検査や撮影等を行う。生成された医用画像データは、画像サーバ、PACSなどに記録や保管などの処理がなされ、閲覧する場合は、記録等された医用画像データに基づいて医用画像や動画を呼び出して表示される。
【0017】
これらの医用画像データはその管理のため、患者を特定する患者情報(患者氏名やID等)や、検査を特定する検査情報(検査日付、検査モダリティ等)が付され、一覧表示して管理されている。例えば、図8に示すような、行方向に配列されたモダリティごとのリストの表示などから、ユーザがいずれか1つの行の検査項目を選択することによって、選択に応じた医用画像が表示されるようになっている。
【0018】
このように、複数のモダリティにかかる検査情報が、モダリティごとに個別のものとして独立にリスト表示されていた。したがって、ユーザが前述の複合検査に係る医用画像データを閲覧しようとする場合、所望の医用画像が複合検査であるかについて、ユーザ自身が患者情報や検査情報等によって判断しなければならなかった。
【0019】
しかしながら、医師等が複合検査であるか否かの判断をするに際し、リスト表示された患者情報や検査情報によって判断していかなければならないのは、煩雑である。また、同一の患者に対して同日に複合検査と他の検査が実施されたときは、各モダリティごとの検査であるのか、複合検査であるのかを明確に区別することが困難である。このような場合、誤って一方の検査を見落としてしまうおそれがあった。
【0020】
また、複合検査であることをあらかじめ認識していても、個々の検査の患者情報や検査情報から複合検査であることを判断しなければならない上に、同一の複合検査に係る各モダリティごとに所望の医用画像を選択していかなければならず、煩雑であった。
【0021】
したがって複合検査を行った場合、従来のように複合検査にかかる検査情報等をモダリティごとの個別の検査として表示するのではなく、複合検査である旨を明確に表示してほしいとの要望があった。
【0022】
また、検査のためのオーダは、さまざまな診療科からHIS、RISを通じて各モダリティに入るまでのいずれかの段階において複合検査かその他の検査かという区別がなされているものである。しかし、あるオーダ情報が複合検査にかかるものであるという情報は、医用画像データが生成された後においては有効に利用されていなかった。なお、オーダ情報とは、所望のモダリティで検査を行うための患者の情報、検査対象部位および検査条件を含む情報であり、オーダはこのオーダ情報に基づく検査実行指示である。
【0023】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、前述の複合検査にかかる個々の検査情報等について、複合検査にかかるものであることを明確に関連付ける技術の提供を目的とする。さらには、この関連付けられた情報を表示することにより、医用画像等の閲覧をするユーザの判断を介することなく複合検査であることを認識可能として、煩雑さを回避し、ユーザが複合検査である旨を見落とすことを防止する医用画像管理システムを提供することにある。
【0024】
また、本発明の他の目的は、同一の複合検査にかかる医用画像をモダリティごとに検索して表示することなく、検査のオーダ時に生じた情報を有効に利用し、煩雑な作業を回避することができる医用画像管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上述の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1のオーダ情報を基に第1の検査をする第1の検査装置と、第2のオーダ情報を基に第2の検査をする第2の検査装置と、それぞれの検査で取得された各医用画像とそれを特定する各検査情報とを記憶する記憶手段とを備えた医用画像管理システムであって、前記第1の検査装置と第2の検査装置とによる一連の複合検査のオーダを受けた場合は、前記第1のオーダ情報に前記第2の検査を特定する第1の付帯情報を付加して第1の検査装置へと送るとともに、前記第2のオーダ情報に前記第1の検査を特定する第2の付帯情報を付加して第2の検査装置へ送る情報付加手段を備え、前記記憶手段は、前記第1及び第2の付帯情報のそれぞれを前記第1及び2の検査のそれぞれの前記検査情報に関連づけて記憶することを特徴とする医用画像管理システムである。
【0026】
また、請求項2に記載の発明は、表示手段と、前記記憶手段に記憶されている前記各検査情報及び前記第1及び第2の付帯情報を含み、検査の種類で行分けされたリストであって、第1の検査に第1の付帯情報がある場合または第2の検査に第2の付帯情報がある場合は、いずれも複合検査で1検査として表示するリストを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、操作手段と、をさらに備え、表示されている前記リストから前記第1または第2の付帯情報が付加された検査情報が前記操作手段によって選択されたときは、選択された検査情報および検査情報に付加された付帯情報で特定される第1の検査による医用画像および第2の検査による医用画像の双方を前記記憶手段から読み出して、前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の医用画像管理システムである。
【0027】
また、請求項3に記載の発明は、第1のオーダ情報を基に第1の検査をする第1の検査装置と、第2のオーダ情報を基に第2の検査をする第2の検査装置と、それぞれの検査で取得された各医用画像とそれを特定する各検査情報とを記憶する記憶手段とを備えた、医用画像管理システムであって、前記第1の検査装置と第2の検査装置とによる一連の複合検査のオーダを受けた場合は、前記第1のオーダ情報に複合検査であることを示す共通の情報を付加して第1の検査装置に送るとともに、前記第2のオーダ情報に前記共通の情報を付加して第2の検査装置に送る共通の情報付加手段と、を備え、前記記憶手段は、第1及び第2のオーダ情報に付加された前記共通の情報のそれぞれを、前記第1及び2の検査のそれぞれの前記検査情報に関連づけて記憶することを特徴とする医用画像管理システムである。
【0028】
また、請求項4に記載の発明は、表示手段と、前記記憶手段に記憶されている前記各検査情報及び前記共通の複合検査情報を含み、検査の種類で行分けされたリストであって、前記第1の検査または第2の検査にかかる検査情報に前記共通の情報が結合している場合は、いずれも複合検査で1検査として表示するリストを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、操作手段と、をさらに備え、表示されている前記リストから、前記共通の情報が付加された検査情報が前記操作手段によって選択されたときは、選択された共通の情報で特定される第1の検査による医用画像及び第2の検査による医用画像の双方を前記記憶手段から読み出して、前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3に記載の医用画像管理システムである。
【発明の効果】
【0029】
請求項1にかかる本発明によれば、関連付けられた複数のモダリティを組み合わせて患者の検査を行う複合検査を実施する場合でも、オーダ情報に付加された各モダリティを特定する各検査情報と、同一の複合検査にかかる他のモダリティを特定する各付帯情報とを関連付けて、医用画像データとともに記憶する構成となっているから、複合検査にかかる検査情報や付帯情報についてリストに表示するときであっても、複合検査にかかるものであることを明確に表示することができ、医用画像等の閲覧をするユーザがリスト表示されている情報から判断しなくても複合検査であることを認識可能であり、煩雑さを回避することができる。さらに、ユーザが複合検査である旨を見落とすという事態を防止することができる。
【0030】
また、請求項2に記載の本発明によれば、医用画像データに検査情報と付帯情報が付加されて記憶されているから、複合検査にかかる医用画像を表示したときは、当該医用画像にかかる医用画像データに付加された付帯情報に基づき同一の複合検査にかかる他の医用画像を自動的に表示することが可能となり、検査のオーダ時に生じた情報を有効に利用し、煩雑な作業を回避することができる。
【0031】
また、請求項3に記載の本発明によれば、複合検査を実施する場合でも、オーダ情報に付加された各モダリティを特定する各検査情報と、同一の複合検査にかかるオーダ情報のそれぞれに付加された共通の情報とを関連付けて、医用画像データとともに記憶する構成となっているから、複合検査にかかる検査情報ついてリストに表示するとともに、その検査情報と関連付けて記憶されている共通の情報によって、同一の複合検査にかかる他の検査情報をも明確に表示することができ、医用画像等の閲覧をするユーザがリスト表示されている情報から特に意識しなくても複合検査であることを認識することができ、煩雑さを回避することができる。さらに、ユーザが複合検査である旨を見落とすという事態を防止することができる。
【0032】
また、請求項4に記載の本発明によれば、医用画像データに検査情報と共通の情報が付加されて記憶されているから、複合検査にかかる医用画像を表示したときは、当該医用画像にかかる医用画像データに付加された共通の情報に基づき、その共通の情報が付加されている他の医用画像データを検索し、同一の複合検査にかかる他の医用画像を自動的に表示することが可能となり、検査のオーダ時に生じた情報を有効に利用し、煩雑な作業を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態に係る医用画像管理システムにつき、図面を参照して説明する。
【0034】
[システム構成]
(医用画像管理システム1の構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる医用画像管理システム1の概略構成を説明するための図面である。図1に示すように、医用画像管理システム1は、HIS10と、RIS20Aと、複合検査制御部20Bと、検査装置部20C、画像サーバ30とがネットワークを通じて接続されて構成される。図1における、画像表示装置40は、医用画像管理システム1によって生成された医用画像等の情報がどのように表示され、診断に用いられるかを示す装置の一例を示すものである。なお、この実施形態にかかる医用画像管理システム1のネットワーク規格として、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)を用いてもよい。
【0035】
(HIS10の構成)
HIS10は、医師端末11や、図示しないHIS端末、受付端末、HISサーバなどを備えて構成される。このHIS10は、病院内情報システムであり、患者のID・氏名・性別・血液型等の患者に関する患者情報や、診療費等の会計情報や、X線検査のオーダ発行等、病院内の情報を統括的に管理するシステムである。なお、医師端末11は医用画像管理システム1に検査のオーダをする装置の一例である(内科・外科・小児科等の医師端末など)。
【0036】
例えば図1に示すように、HIS10は、ユーザ(医師等)によって医師端末(図1の医師端末11等)から、検査情報(患者ID、患者氏名、検査日付、モダリティを特定する情報等)などが特定された検査のオーダ情報を受けると、RIS20Aに当該オーダ情報を送信する。
【0037】
ユーザが同一の患者に対し検査情報を特定するとき、例えば患者ID、患者氏名、検査日付などはPET装置26やX線CT装置27などのモダリティの違いに関わらず共通に特定されるものである。しかし一方では、検査種類(モダリティ)の特定も行われるが、この場合、同一の患者に対してであっても、この検査種類は検査の方法が変わればそれに応じて特定されるものであり、モダリティの違いによってそれぞれ適した検査種類が特定される。
【0038】
ここで、ユーザがオーダ情報の詳細を特定する際、実施しようとする検査がPET−CT検査のような複合検査である場合は、検査のオーダ情報の特定時にユーザは、HIS10において複合検査である旨を決定する。複合検査である旨が決定されると、当該オーダ情報は複合検査についてのオーダ情報としてRIS20Aに送信される。
【0039】
(RIS20Aの構成)
RIS20Aは、放射線科情報管理システムであり、RIS制御部21や、付帯情報付加部22を備えて構成される。このRIS20Aは、CR(Computed Radiography)装置、SPECT−CT装置等を有して構成される検査装置部20Cによる検査の予約情報、検査の受付情報、医用画像診断装置により生成された医用画像データ等、放射線科内の情報を統括的に管理するシステムである。
【0040】
RIS20Aは図1に示すように、その動作の一例として、HIS10から検査装置部20Cによる検査のオーダ情報を受けて、そのオーダ情報に対応する検査装置部20Cにおける医用画像診断装置(例えば、図1におけるPET装置26やX線CT装置27など)による検査をするために、RIS制御部21に当該オーダ情報を送信する。
【0041】
このとき、RIS制御部21は受信したオーダ情報を解読する。RIS制御部21の解読の結果、そのオーダ情報が複合検査についてのものであれば、RIS20Aの付帯情報付加部22によってオーダ情報に付帯情報を付加してから複合検査制御部20Bに送信する。なお、オーダ情報を複合検査制御部20Bに送信するときは、当該オーダにかかる画像の生成後、当該画像をDICOM画像として管理・通信するために、検査情報(患者IDや、検査日付、モダリティなどの情報)をタグ情報(DICOM Tag)に付加してもよい。
【0042】
この付帯情報の付加とは、例えばPET−CTのような複合検査における、PET装置26に送信するPETオーダ情報に対して、複合検査にかかる他方のモダリティであるX線CT装置27を特定する情報を付加することをいう。このX線CT装置27を特定する情報とは、例えば、X線CT装置27を示すID情報をいう。なお、同様に、X線CT装置27に送信するCTオーダ情報にも、付帯情報付加部22により、PET装置26を特定する情報(例えば、PET装置26を示すID情報)が付加される。
【0043】
(複合検査制御部20Bの構成)
複合検査制御部20Bは、操作部23、画像装置制御部24を備えて構成され、RIS20Aからオーダ情報を受けて検査装置部20Cに送信する。また、検査装置部20Cから受けた医用画像データの処理をし、検査装置部20Cに送信する。
【0044】
複合検査制御部20Bにおける操作部23は、検査装置部20CにおけるPET装置26やX線CT装置27などの医用画像診断装置の操作を行うためのものである。また、画像装置制御部24は、ユーザによる操作部23の操作に応じてPET装置26に、前述の検査情報や、付帯情報付加部22によりX線CT装置27を特定する付帯情報などが付加されたPETオーダ情報を送信する。同様に、画像装置制御部24により、X線CT装置27には、PET装置26を特定する付帯情報等が付加されたCTオーダ情報が送信される。
【0045】
また、画像装置制御部24は、ユーザによる操作部23の操作等に応じて、検査装置部20Cにおける撮影部25、PET装置26に対応する画像生成部28a、X線CT装置27に対応する画像生成部28bと、その他、検査装置部20Cの各部を統括して制御する。
【0046】
(検査装置部20Cの構成)
検査装置部20Cは、撮影部25と、画像生成部28a・28bと、画像生成部28aに対応する情報結合部29aと、画像生成部28bに対応する情報結合部29bとを備えて構成される。検査装置部20Cは、例えば医用画像診断装置であり、図1においては検査装置部20Cの一例として、PET装置26およびX線CT装置27からなるPET−CTを例示している。ただし、検査装置部20Cとしては、SPECT−CT・IVR−CT・核医学とMRIとを組み合わせて行う検査といったような複合検査にかかる検査装置だけでなく、その他の検査にかかる超音波診断装置、X線CT装置・MRI装置・DF装置など種々の装置がある。
【0047】
検査装置部20Cは、画像装置制御部24を通じて複合検査制御部20Bからオーダ情報を受ける。また、検査装置部20Cは、オーダ情報を受けると、ユーザによるそのオーダに応じた必要な指示を撮影部25の各装置に送信する。必要な指示とは、患者(被検体)の撮影等画像の取得および生成に必要な指示である。図1においては、PET装置26にはPET装置26による撮影等を指示するPETオーダ情報が、X線CT装置27にはX線CT装置27による撮影等を指示するCTオーダ情報が送られる。各装置はそれらのオーダ情報に基づき患者の撮影等を行う。
【0048】
各装置による患者の撮影等から得られた各撮像データは、検査装置部20Cの画像生成部28a、28bに送信される。図1の例において、画像生成部28aは、PET装置26からの撮像データおよびPETオーダ情報の条件等に基づいて医用画像データの生成を行う。同様に画像生成部28bは、X線CT装置27からの撮像データおよびCTオーダ情報の条件に基づいて医用画像データの生成を行う。
【0049】
画像生成部28aにより医用画像データが生成されると、情報結合部29aは、当該生成された医用画像データに検査情報を付加する。同じく、画像生成部28bにより医用画像データが生成されると、情報結合部29bは、当該生成された医用画像データに検査情報を付加する。このようにして付加される検査情報は、当該医用画像データに対応するオーダ情報に付加されていたものである。
【0050】
複合検査制御部20Bにおける画像装置制御部24は、情報結合部29a・29bによって検査情報を付加した後、当該生成された医用画像が複合検査にかかるものであるかを判断する。この判断は、当該生成された医用画像データに対応するオーダ情報に基づいてなされる。例えば、図1のようなPET−CTによる複合検査の場合、PET装置26に送信するPETオーダ情報に、複合検査にかかる他方のX線CT装置27を特定する付帯情報が付加されていれば、画像装置制御部24は生成された医用画像データが複合検査にかかるものであると判断する。
【0051】
画像装置制御部24によって、生成された医用画像データが複合検査にかかるものと判断された場合、情報結合部29aは、当該医用画像データに対応したオーダ情報に付加されていた付帯情報と、当該医用画像データをさらに結合する。図1の場合においては、PET装置26によって得られた医用画像データと、PETオーダ情報に付加されていたX線CT装置27を特定する付帯情報とを結合する。この場合、同様に、情報結合部29bは、X線CT装置27によって得られた医用画像データとPET装置26を特定する付帯情報とをさらに結合する。なお、医用画像データと結合する情報は、付帯情報に代えて、その付帯情報に対応した、他方のモダリティにかかるDICOM Tagを付加してもよい。
【0052】
検査装置部20Cは、画像生成部28aによって医用画像データが生成され、情報結合部29a・29bによって当該医用画像データと検査情報とが結合されると、画像サーバ30へと医用画像データを送信する。生成された医用画像データが複合検査にかかるものである場合は、情報結合部29a・29bによって医用画像データと付帯情報とが結合された後に医用画像データを送信する。
【0053】
(画像サーバ30の構成)
図1に示すように、画像サーバ30は、画像サーバ制御部31と、記憶部32とを備えて構成される。この画像サーバ30は、HIS10、RIS20A、検査装置部20Cや、画像表示装置40等と連携しており、例えば、検査装置部20C(各種の医用画像診断装置など)によって得られる医用画像データを、保管・通信・表示・読影できるシステムである。
【0054】
例えば、図1に示すように、検査装置部20Cから、PET装置26またはX線CT装置27の撮像データを基に生成された医用画像データを受けると、画像サーバ制御部31は、記憶部32に当該データをそれぞれ独立して記憶させる。この医用画像データは、検査装置部20Cによって当該医用画像データに結合された検査情報を含んで記憶される。つまり、医用画像データは、検査情報に含まれる患者ID、患者の氏名、検査日付やモダリティを特定する情報ごとに体系づけて記憶される。このとき画像サーバ制御部31は、医用画像データに付帯情報が結合されていれば、記憶部32に、医用画像データを付帯情報とともに関連付けて記憶させる。
【0055】
画像サーバ制御部31は、画像表示装置40や各端末(例えば、HIS10や医師端末11)から特定の事項(検査種類や検査日付等の検査項目)についてのリスト表示の要求(例えば、検査日付「2005/12/10」についてのリスト表示の要求)を受けたときは、その特定事項に関連する検査情報を記憶部32のから読み出して、あらかじめ記憶していた所定形式でリストを生成(例えば、図2、図3)する。
【0056】
当該所望のリストが生成されると、リスト表示の要求側へ表示可能なリスト表示データとして送信する。そのとき、表示された検査情報のいずれかを指定することにより、指定された検査情報による画像データを記憶部32から読み出し可能にするため、検査情報と医用画像データのアドレスを関連付けておく。
【0057】
また、画像サーバ制御部31は、記憶部32に記憶されている医用画像データにかかる患者情報ごとに、検査情報および付帯情報と体系づけたリスト(例えば、図2、図3)を記憶しておいてもよい。さらに画像サーバ制御部31は、記憶部32に、当該リストを構成する個々の情報に複合検査にかかる検査情報等が含まれている場合、複合検査にかかる検査情報と付帯情報とを関連させて読み出せるようにデータを記憶させる。
【0058】
また、画像表示装置40や各端末(例えば、HIS10や医師端末11)から、表示されたリスト上で指定されて特定の項目にかかる医用画像データの要求(パラメータ)を受けたときは、画像サーバ制御部31は記憶部32から要求に応じた医用画像データを読み出して、所望のリスト表示手段側へ表示可能なデータとして送信する。このとき要求された医用画像データが複合検査にかかるものである場合、画像サーバ制御部31は記憶部32から、当該要求されたデータに結合された付帯情報に基づき、その付帯情報にかかる医用画像データも読み出して送信する。
【0059】
ここで上記リストの例を、図2および図3に示す。
【0060】
図2は、検査日付ごとの検査情報の一覧である「検査日List」を示す図である。この「検査日List」は、例えば、画像表示装置40から日付「2005/12/10」を指定して検索要求およびリスト要求がなされ、画像サーバ制御部31が記憶部32にアクセスし、日付検索を行って作成したリストの例である。このリストは検査日付ごとにまとめられており、各患者ごとのID、患者の氏名、検査日付、検査種類、付帯情報が1行(横方向)ごとに表わされている。そして、このリストにおける列(縦方向)は検査種類(使用したモダリティの種類)ごとに整理されている。
【0061】
また、図2における最前列の、患者ID「0000001」にかかる検査情報欄(最右欄)には「SPECT」「CT」が表わされている。これは、患者ID「0000001」の患者が、「SPECT−CT」による検査すなわち、複合検査を受けたことを示している。この場合においては、「SPECT−CT」の「SPECT」と「CT」という検査を特定する情報も示されている。つまり、複合検査もこの1検査として表されている。
【0062】
また、この患者ID「0000001」の患者が受けた「SPECT−CT」検査の情報を表示する列の1段下の列には、同じ患者ID「0000001」の患者が受けた「CR」検査の情報が表示されている。この列の検査情報欄には、「CR」とだけ表示されているが、これは、この行に表示されている検査種類について、複合検査でない検査を実施した旨を示している。
【0063】
図3は、X線CT装置を用いた検査ごとの検査情報の一覧である「CT List」を示す図である。この「CT List」は、例えば、画像表示装置40から検査種類「CT検査」を指定して検索要求およびリスト要求がなされ、画像サーバ制御部31が記憶部32にアクセスし、モダリティ検索を行って作成したリストの例である。このリストも、各患者ごとのID、患者の氏名、検査日付、検査種類、付帯情報が横一列に表示されている。この図3における「CT List」はモダリティごとにまとめられている他、患者の特定情報(氏名、ID等)ごとにまとめられている。その他は図2の「検査日List」と同様である。
【0064】
これら図2または図3からも分かるように、複合検査を実施した場合であっても、CT検査とともに複合検査を行った他方のPET検査が合わせて表示されるので、複合検査であることを見落とすおそれがない。
【0065】
(画像表示装置40の構成)
画像表示装置40は、画像表示部41、制御部43、操作部42などを備えて構成される。この画像表示装置40は、診断を行うために、画像サーバ30にアクセスして記憶部32に記憶された検査情報に基づくリスト(例えば、図2、図3のリスト)や医用画像を要求してこれらを表示する。この制御部43は画像表示部41の表示制御や、操作部43の制御、情報の出入力等の制御を行う。
【0066】
ユーザによる操作部42の操作などによって、画像サーバ30に対し、この画像表示装置40にリスト(例えば、図2の「検査日List」)を表示する要求がなされた場合、制御部43は、画像サーバ30に当該要求を送信する。前述のように、当該要求に応じ、画像サーバ制御部31によって、検査情報等を含む当該リストのリスト表示データが送信されると、画像表示装置40が受信し、制御部43が受信したデータを画像表示部41に表示させる。このとき、複合検査にかかる検査情報のデータが含まれている場合は、検査情報とともに、付帯情報を表示する(例えば図2)。
【0067】
また、操作部42の操作などによって、例えば、図2を表示中に、患者ID「0000001」の「検査」項目を、ポインティングデバイス等により、ダブルクリック等で指定して、画像表示装置40に所望の医用画像を表示する要求がなされた場合、制御部43が画像サーバ30に当該要求をする。前述のように画像サーバ制御部31は当該要求に応じ所望の医用画像データを送信し、リストの場合と同様に、制御部43が要求に応じた医用画像を画像表示部41に表示させる。このとき、要求した医用画像が複合検査にかかるものである場合、画像サーバ制御部31があわせて読み出した医用画像についても表示可能となるよう構成されている。なお、この医用画像とは、静止画、動画の双方を含む。
【0068】
[ハードウェア構成]
HIS10、RIS20A、複合検査制御部20B、画像サーバ30や画像表示装置40や、医師端末11のハードウェア構成は、それぞれがCPU、RAM,ROM、HDD、ユーザインターフェイス、通信インターフェイスなどを備えたコンピュータなどで構成される。また、医師端末11も同様のコンピュータで構成される。ここでは、これらのハードウェア構成についは、その他の説明を省略する。
【0069】
[動作]
以上のような本実施形態の医用画像管理システム1の動作について説明する。図4〜7は、医師等のユーザが特定の患者(被検体)の検査等を指示し、当該指示に基づいて医用画像データが生成され、当該医用画像データを保管、医用画像を閲覧する作業を説明するための医用画像管理システム1の一連の動作を表すフローチャートである。これらの図に基づいて医用画像管理システム1の動作の一例を説明する。
【0070】
(ステップ1)
まず、ユーザ(医師等)は、検査装置部20Cを用いて検査を行うために、医師端末11(例えば、外科システムの医師端末など)から検査情報(モダリティ、患者情報など)を特定する。この検査情報の特定は患者を診断した結果などに応じてなされる。例えば、ユーザがPET−CT等の複合検査としてオーダ情報を特定すると、そのオーダ情報には複合検査を示す情報が含まれる。また、ユーザによってオーダ情報の特定すべき項目がすべて特定され、ユーザが医師端末11に対して、オーダ情報の送信指示をすると、オーダ情報はHIS10に送信される。
【0071】
(ステップ2)
HIS10は、医師端末11等から検査のオーダ情報を受けると、そのオーダ情報が複合検査にかかるものであるかについて、受信したオーダ情報を解読し、判断する。この判断は、当該オーダ情報に複合検査を示す情報が含まれるか否かに基づいてなされる。
【0072】
(ステップ3)
HIS10がオーダ情報を複合検査にかかるものであると判断した場合は(ステップ2;Yes)、HIS10は、当該オーダ情報を複合検査にかかるオーダ情報として、RIS20Aに送信する。
【0073】
(ステップ4)
HIS10が受信したオーダ情報を解読し、当該オーダ情報にかかる検査は複合検査でないと判断すると(ステップ2;No)、HIS10は、当該オーダ情報を複合検査でないオーダ情報として、RIS20Aに送信する。
【0074】
(ステップ5)
HIS10からRIS20Aにオーダ情報が送信されると、RIS制御部21は、当該オーダ情報にかかる検査が複合検査であるかについて判断する。このRIS制御部21の判断は、RIS制御部21が、受信したオーダ情報を解読することにより行う。RIS制御部21による解読の結果、ステップ3おいてHIS10が当該オーダ情報を複合検査にかかるオーダ情報として送信しているときは、RIS制御部21がそのオーダ情報を複合検査にかかるものとして判断し、または、ステップ4においてオーダ情報を複合検査でないオーダ情報として送信しているときは、そのオーダ情報を複合検査でないオーダ情報として判断する。
【0075】
(ステップ6)
RIS20Aが受信したオーダ情報を、RIS制御部21が複合検査にかかるものとして判断した場合(ステップ5;Yes)、RIS制御部21はそのオーダ情報について付帯情報付加部22により、そのオーダ情報に対して、同一の複合検査にかかる他方のモダリティを特定する情報を付加する。例えば、PET−CTによる複合検査の場合はPET装置26に対するオーダ情報にX線CT装置(検査)を特定する情報を付加する。同様に付帯情報付加部22は、X線CT装置27に対するオーダ情報にはPET装置(検査)を特定する情報を付加する。
【0076】
(ステップ7)
ステップ5においてRIS制御部21がオーダ情報を複合検査でないオーダ情報として判断したとき(ステップ5;No)、または、ステップ6においてオーダ情報に付帯情報が付加されたときは、RIS制御部21は複合検査制御部20Bにオーダ情報を送信する。複合検査制御部20Bの画像装置制御部24は、ユーザが操作部23により操作指示等すると、検査装置部20Cにオーダ情報を送信する。
【0077】
(ステップ8)
検査装置部20Cが複合検査制御部20Bからオーダ情報を受信すると、画像装置制御部24は、オーダ情報に対応する検査装置(図1においては、PET装置26またはX線CT装置27)を撮影等可能な状態とする。撮影等が可能な状態となり、ユーザ(放射線技師等)により、患者が撮影等されると、各検査装置から、画像生成部28a・28bに撮像データが送信される。画像生成部28a・28bが当該撮像データを受信すると、画像生成部28a・28bは医用画像データを生成する。
【0078】
(ステップ9)
画像装置制御部24は、画像生成部28aにより医用画像データが生成されたとき、その医用画像データにかかるオーダ情報に付加されていた検査情報と、その医用画像データを情報結合部29aにより結合する。同様に、情報結合部29bは、画像生成部28bによる医用画像データと、検査情報とを結合する。
【0079】
(ステップ10)
画像装置制御部24は、情報結合部29a・29bにより医用画像データと検査情報が結合されたとき、その医用画像データに対応するオーダ情報に基づいて、そのオーダ情報に付帯情報が付加されていたかどうかを判断する。
【0080】
(ステップ11)
画像装置制御部24は、生成された医用画像データに対応するオーダ情報に基づいて、付帯情報が付加されていたと判断した場合は(ステップ10;Yes)、情報結合部29a・29bにより、その医用画像データに当該付帯情報を結合する。
【0081】
(ステップ12)
画像装置制御部24は、ステップ10において生成された医用画像データに対応するオーダ情報に付帯情報が付加されていないと判断したとき(ステップ10;No)、または、ステップ11において医用画像データに付帯情報が結合されたときは、画像サーバ30に必要な情報が結合された医用画像データを送信する。
【0082】
(ステップ13)
画像サーバ30が検査装置部20Cから医用画像データを受信すると、画像サーバ制御部31は、その医用画像データとともに、結合された検査情報や付帯情報を記憶する。
【0083】
(ステップ14)
ユーザが画像表示装置40の操作部42等により、特定項目を指定して医師端末11や画像表示装置40などに対して検査情報のリスト表示を要求する操作をすると、画像表示装置40等の制御部43等は、画像サーバ30に対して、検査情報のリスト表示に必要な情報を要求する。
【0084】
(ステップ15)
画像サーバ30がリスト表示に必要な情報の要求を受けると、画像サーバ制御部31は記憶部32に、記憶されている検査情報および付帯情報から指定された検査項目に関する情報を検索して、要求に応じた所定のリストを生成する。
【0085】
(ステップ16)
画像サーバ制御部31によって所定のリストが生成されると、画像サーバ制御部31は画像表示装置40等にそのリストのデータを送信し、画像表示装置40はそのリストのデータを取得する。
【0086】
(ステップ17)
画像表示装置等の制御部43等は、画像サーバ30から表示要求に応じた所定のリストのデータを取得すると、リスト表示データを画像表示部41に送信し、画像表示部41はそれを受けて所定のリストを表示する。このとき画像サーバ30から取得したリスト表示データに付帯情報が含まれている場合は、画像表示部41は、検査種類の項目に、付帯情報に応じた検査種類も表示する(例えば、図2または図3)。
【0087】
(ステップ18)
ユーザが所望の医用画像を閲覧するときは、例えば、まず操作部42等により、画像表示装置40の画像表示部41(または、医師端末11の画像表示部等)に表示された検査情報のリストからいずれかの検査情報等を選択して、医用画像を表示するための医用画像データを要求する。例えば、図2に示される検査項目をマウスなどによってクリックすることにより検査情報を選択する。
【0088】
(ステップ19)
ユーザが画像表示部41等に表示された検査情報のリストから所望の医用画像データを要求する操作をすると、画像表示装置40等の制御部43等は、その選択した検査情報に付帯情報が結合されているかを判断する。
【0089】
(ステップ20)
画像表示装置40等の制御部43等は、ユーザが選択した検査情報に付帯情報が含まれていると判断した場合(ステップ22;Yes)、画像サーバ30に対して、ユーザの選択した検査情報に対応する医用画像データを要求するとともに、当該検査情報に含まれている付帯情報に対応する医用画像データも要求する。
【0090】
(ステップ21)
制御部43等は、ユーザが選択した検査情報に付帯情報が含まれていないと判断した場合(ステップ22;No)、画像サーバ30に対して、ユーザの選択した検査情報に対応する医用画像データのみを要求する。
【0091】
(ステップ22)
画像サーバ30が医用画像データの要求を受けると、画像サーバ制御部31は記憶部32から、要求に応じた医用画像データを読出し、画像表示装置40に送信する。
【0092】
(ステップ23)
画像表示装置40の制御部43(または、医師端末11の画像表示部等)は、画像サーバ30から表示要求に応じた医用画像データを取得すると、その医用画像データを画像表示部41に表示させる。このときステップ21においてユーザが選択した検査情報に付帯情報が含まれている場合は、選択した検査情報に対応する医用画像と、含まれている付帯情報に対応する医用画像とをともに表示されることになる。
【0093】
[作用・効果]
以上説明した本実施形態にかかる医用画像管理システム1の作用及び効果について説明する。
【0094】
本実施形態にかかる医用画像管理システム1は、検査装置部20Cに検査のオーダ情報を送信するに際して、当該オーダ情報が複合検査にかかるものかを判断する手段を備え、その判断に基づき、複合検査にかかる一方のオーダ情報に、他方のオーダ情報にかかる検査種類(モダリティ)を特定する情報を付帯情報として付加して送信するように構成されている。
【0095】
したがって、検査装置部20Cが患者(被検体)を撮影し、その撮像データから医用画像データが生成されたとき、この医用画像データと複合検査にかかる付帯情報を関連付けることが可能となるので、医用画像データの保管、閲覧などに際して、ユーザ(医師等)が医用画像データに含まれる検査情報(患者IDや検査日付等)を参照して、複合検査であるかを判断する必要がなく、また、複合検査であることが明確に表示されるので、煩雑な作業を回避し、ユーザの判断を介さなければならないことによって複合検査であることを見落とすという事態を防止することができる。
【0096】
また、本実施形態にかかる医用画像管理システム1は、複合検査にかかる医用画像データと付帯情報とを関連付けて記憶させるように構成されている。したがって、ユーザが医用画像データを検索するために、画像表示部等に表示された検査情報のリストを閲覧するときも、当該検査情報のリストに、所望の医用画像データに対応する検査情報に付帯情報が関連づけて表示されているので、複合検査である旨を容易に把握することができる。
【0097】
また、複合検査にかかる医用画像データと付帯情報が関連付けて記憶されており、複合検査にかかる所望の医用画像の表示要求をした場合、表示要求にかかる医用画像データとともに付帯情報に対応する医用画像データが表示されるように構成されているので、表示要求にかかる医用画像データが複合検査かどうかを意識しなくても、医用画像管理システムにより自動的に管理することができる。
【0098】
[変形例]
以上において説明した本実施形態にかかる医用画像管理システム1の構成は、本発明を実施するための一構成例に過ぎないものである。したがって、本発明の要旨の範囲内において適宜、変形を施すことが可能である。
【0099】
上記の本実施形態においては、複合検査にかかる一方のオーダ情報に対し、RISサーバが付帯情報付加部により、同一の複合検査にかかる他方の検査を特定する付帯情報を付加する構成となっているが、同一の複合検査にかかるオーダ情報のすべてに対し、共通の情報を付帯情報として付加してもよい。この変形例であっても、前述の医用画像管理システム1と同様の効果を得ることが可能である。
【0100】
例えば、検査のオーダ情報に基づき、医用画像診断装置が患者(被検体)を撮影等し、医用画像データを生成した後、付帯情報としてオーダ情報に付加されていた共通の情報を情報結合部により生成された医用画像データに結合することで、画像サーバが医用画像データを記憶するときに、その医用画像データと、医用画像データに結合された当該共通の情報を関連付けて記憶することが可能となる。
【0101】
したがって、この変形例においても、ユーザが画像表示装置に所望の医用画像データを検索するために検査情報のリストを閲覧した場合、複合検査にかかる各検査情報のそれぞれには、共通の情報が関連付けて記憶されているから、同一の複合検査にかかる検査情報はすべて関連づけられてリストに表示されるので、複合検査である旨を明確に表示することができる。
【0102】
また、このリストから複合検査にかかる医用画像データの表示要求をした場合、画像サーバが、表示要求にかかる医用画像データと、同一の複合検査にかかるその他の医用画像データを当該共通の情報に基づいて読み出し、画像表示装置に送信することが可能であるから、複合検査である旨を見落とす事態を防止することができる。
【0103】
また、本実施形態においてはHIS、RIS、画像サーバなどのシステムを用いた構成となっているが、本発明は、さらに当該医用画像管理システムを細分化したものであってもよいし、または、各システムを統合して単純化してもよい。例えば、RISと画像サーバを統合したシステムもしくはHISとRISと画像サーバを統合したシステムとして構成してもよい。このように医用画像管理システムを複雑化または単純化したときであっても、本発明によれば、医用画像診断装置から生成される医用画像データと、複合検査であることを示す付帯情報を結合することで、煩雑さを回避するとともに、複合検査であることを正確に把握することが可能な医用画像管理システムを提供することができる。
【0104】
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の一実施形態である医用画像管理システムの全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態である医用画像管理システムにかかる検査情報のリストのうち、検査日付ごとの検査情報の一覧を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態である医用画像管理システムにかかる検査情報のリストのうち、X線CT検査ごとの検査情報の一覧を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態である医用画像管理システムにかかる使用形態の一例を表すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態である医用画像管理システムにかかる使用形態の一例を表すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態である医用画像管理システムにかかる使用形態の一例を表すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態である医用画像管理システムにかかる使用形態の一例を表すフローチャートである。
【図8】従来の技術による医用画像管理システムにかかる検査情報のリストの示す図である。
【符号の説明】
【0106】
1 医用画像管理システム
10 HIS
11 医師端末
20A RIS
20B 複合検査制御部
20C 検査装置部
21 RIS制御部
22 付帯情報付加部
23 操作部
24 画像装置制御部
25 撮影部
26 PET装置
27 X線CT装置
28a,28b 画像生成部
29a,29b 情報結合部
30 画像サーバ
31 画像サーバ制御部
32 記憶部
40 画像表示装置
41 画像表示部
42 操作部
43 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のオーダ情報を基に第1の検査をする第1の検査装置と、第2のオーダ情報を基に第2の検査をする第2の検査装置と、それぞれの検査で取得された各医用画像とそれを特定する各検査情報とを記憶する記憶手段とを備えた、病院内情報システムであって、
前記第1の検査装置と第2の検査装置とによる一連の複合検査のオーダを受けた場合は、前記第1のオーダ情報に前記第2の検査を特定する第1の付帯情報を付加して第1の検査装置へと送るとともに、前記第2のオーダ情報に前記第1の検査を特定する第2の付帯情報を付加して第2の検査装置へ送る情報付加手段を備え、
前記記憶手段は、前記第1及び第2の付帯情報のそれぞれを前記第1及び2の検査のそれぞれの前記検査情報に関連づけて記憶することを特徴とする医用診断画像管理システム。
【請求項2】
表示手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記各検査情報及び前記第1及び第2の付帯情報を含み、検査の種類で行分けされたリストであって、第1の検査に第1の付帯情報がある場合または第2の検査に第2の付帯情報がある場合は、いずれも複合検査で1検査として表示するリストを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
操作手段と、をさらに備え、
表示されている前記リストから前記第1または第2の付帯情報が付加された検査情報が前記操作手段によって選択されたときは、選択された検査情報および検査情報に付加された付帯情報で特定される第1の検査による医用画像および第2の検査による医用画像の双方を前記記憶手段から読み出して、前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の医用診断画像管理システム。
【請求項3】
第1のオーダ情報を基に第1の検査をする第1の検査装置と、第2のオーダ情報を基に第2の検査をする第2の検査装置と、それぞれの検査で取得された各医用画像とそれを特定する各検査情報とを記憶する記憶手段とを備えた、病院内情報システムであって、
前記第1の検査装置と第2の検査装置とによる一連の複合検査のオーダを受けた場合は、前記第1のオーダ情報に複合検査であることを示す共通の情報を付加して第1の検査装置に送るとともに、前記第2のオーダ情報に前記共通の情報を付加して第2の検査装置に送る共通の情報付加手段と、
を備え、
前記記憶手段は、第1及び第2のオーダ情報に付加された前記共通の情報のそれぞれを前記第1及び2の検査のそれぞれの前記検査情報に関連づけて記憶することを特徴とする医用診断画像管理システム。
【請求項4】
表示手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記各検査情報及び前記共通の複合検査情報を含み、検査の種類で行分けされたリストであって、前記第1の検査または第2の検査にかかる検査情報に前記共通の情報が結合している場合は、いずれも複合検査で1検査として表示するリストを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
操作手段と、をさらに備え、
表示されている前記リストから、前記共通の情報が付加された検査情報が前記操作手段によって選択されたときは、選択された共通の情報で特定される第1の検査による医用画像及び第2の検査による医用画像の双方を前記記憶手段から読み出して、前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3に記載の医用診断画像管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−3783(P2008−3783A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−171595(P2006−171595)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】