医用画像表示装置
【課題】読影医が必要とする医用画像を医用画像表示装置に表示させること。
【解決手段】本実施形態に係る医用画像表示装置104は、被検体に関する第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第1画像群を記憶する画像記憶部3と、前記第1画像群から第2画像群を発生する画像群発生部9と、前記第2画像群に含まれる医用画像を表示する表示部11とを具備し、前記第2画像群は、前記第1画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、前記第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と前記第1スライス厚よりも厚い第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とを含むこと、を特徴とする。
【解決手段】本実施形態に係る医用画像表示装置104は、被検体に関する第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第1画像群を記憶する画像記憶部3と、前記第1画像群から第2画像群を発生する画像群発生部9と、前記第2画像群に含まれる医用画像を表示する表示部11とを具備し、前記第2画像群は、前記第1画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、前記第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と前記第1スライス厚よりも厚い第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とを含むこと、を特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用画像を表示する医用画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線コンピュータ断層撮影(Computed Tomography)装置(以下、X線CT装置と呼ぶ)、および核磁気イメージング(Magnetic Resonance Imaging)装置(以下、MRI装置と呼ぶ)などの医用画像撮影装置により発生された複数の医用画像は、医用画像表示装置の表示画面にシリーズ単位で表示される。読影医等は、シリーズ単位で表示された医用画像全てに目を通す。読影医等は、シリーズに含まれる特定の医用画像に基づいて、病症および所見の位置などの所見情報を医用画像表示装置に入力する。読影医等は、上記特定の医用画像および所見情報に基づいて、医用レポートを作成する。医用レポートの作成および所見情報の入力の際に参照された医用画像(以下、所見画像と呼ぶ)が読影医等により再検討されるとき、読影医等は、シリーズに含まれる所見画像が表示されるまで、上記シリーズに含まれる医用画像に対して画像めくりの操作を行う。
【0003】
しかしながら、シリーズに含まれる医用画像が多い場合、読影医等は、所見画像が表示されるまで、複数回にわたって画像めくりの操作を実行しなければならない。この操作は、読影医等にとって、作業負担の増大および読影効率の低下を招くことがある。一方、所見画像以外の画像を削除すれば、画像めくりの操作は不要となる。しかしながら、読影医等がシリーズに含まれる医用画像全体を把握することは困難となる。加えて、一つのスライスに対応する所見画像を参照画像として、同一患者、同一撮影範囲、同一撮影方法で取得された複数の医用画像と比較する場合、読影医等が病症全体の様子および病症の拡大を把握することは困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−83830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、読影医が必要とする医用画像を医用画像表示装置に表示させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る医用画像表示装置は、被検体に関する第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第1画像群を記憶する画像記憶部と、前記第1画像群から第2画像群を発生する画像群発生部と、前記第2画像群に含まれる医用画像を表示する表示部とを具備し、前記第2画像群は、前記第1画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、前記第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と前記第1スライス厚よりも厚い第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とを含むこと、を特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る医用画像表示装置を含むシステム構成の一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る医用画像表示装置の構成の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態の画像群発生部において、ひとつのシリーズに含まれる第1スライス厚を有する医用画像に基づいて、所見画像と所見周辺画像と第2スライス厚画像とからなる第2画像群を発生させる手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の対応表記憶部に記憶された、病症と病症が拡大する範囲との対応表の一例を示す図である。
【図5】図4における症例Bに関する所見画像を、病症Bが拡大する可能性のある範囲とともに示す図である。
【図6】第1の実施形態に係り、ひとつのシリーズに含まれる複数の医用画像のうち、所見画像を、所見との関連の薄い画像のスライスと所見周辺画像のスライスとともに示す図である。
【図7】第1の実施形態の画像記憶部に記憶された第1画像群に基づいて発生された第2画像群の一例を示す図である。
【図8】第1の実施形態の画像記憶部に記憶された第1画像群に基づいて発生された図7とは異なる第2画像群の一例を示す図である。
【図9】第1の実施形態の画像記憶部に記憶された第1画像群に含まれる所見との関連の薄い画像におけるスライス厚に関するタグ情報と、第2画像群に含まれる所見との関連の薄い画像に関するスライス厚に関するタグ情報との一例を示す図である。
【図10】第1の実施形態における第1の変形例において、第2画像群と、第1画像群が撮影された時刻と異なる第3画像群とに基づいて、同一所見画像と同一所見周辺画像と同一第2スライス厚画像とからなる第4画像群を発生させる手順を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態の画像群発生部において、第1スライス厚を有する医用画像からなる第1画像群と第2スライス厚を有する医用画像からなる第2画像群とに基づいて、第1スライス厚を有する所見画像および所見周辺画像と、第2スライス厚を有する医用画像とを含む第3画像群を発生する手順を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施形態に係り、第3画像群に含まれる複数の医用画像のスライスを、第1画像群に含まれる第1スライス厚の複数の医用画像のスライスと第2画像群に含まれる第2スライス厚の複数の医用画像のスライスととともに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる医用画像表示装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0009】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、第1の実施形態を説明する。
【0010】
図1は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置を含むシステム構成の一例を示す図である。
【0011】
医用画像表示装置104は、医用画像撮影装置101および医用画像保管装置102に対して電子的通信回線、典型的にはローカルエリアネットワーク(Local Area Network:以下LANと呼ぶ)を介して接続される。なお、医用画像表示装置104には、図示していない画像処理装置が接続されてよい。画像処理装置は、医用画像撮影装置101で発生された複数の医用画像のデ−タに対してレンダリング処理などの画像処理を施すことで、3次元画像のデータや断面変換された画像のデータなどを発生する。
【0012】
医用画像撮影装置101は、被検体に対して異なる位置における複数の断層像からなる画像群を発生する。複数の断層像は、同じスライス厚を有し、例えばマルチスライスCTにより得られる。マルチスライスとは、1回転で複数のスライスそれぞれに対応する複数の医用画像(断層像)が得られることを意味している。医用画像撮影装置101は、例えば、X線CT装置およびMRI装置などである。医用画像撮影装置101は、通信機能を有し、LANを介してデータ通信可能となっている。医用画像撮影装置101は、予め設定された撮影範囲および撮影方法とに基づいて、被検体を撮影する。医用画像撮影装置101は、撮影された医用画像の付帯情報を付帯した医用画像のデータを、医用画像保管装置102に出力する。付帯情報は、DICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)規格に従って、検査日時情報、患者ID(IDentifier)、検査ID、シリーズID、医用画像固有の番号であるイメージID、および画像属性情報などで構成されている。患者ID、検査ID、シリーズID、イメージID、および画像属性情報などの情報は、DICOM規格に従って規格化されている。患者IDは、撮影された被検体を特定するための情報である。検査IDは、検査内容を特定するための情報である。シリーズIDは、撮影された被検体の部位ごと、画像発生時刻、スライス厚、画像生成方法、被検体を撮影した画像の画像撮影条件や撮影位置、または造影剤の有無などで、発生された複数の医用画像を分類するために用いられる情報である。画像生成方法とは、例えば、医用画像撮影装置101により取得された投影データまたは信号データに基づいて、医用画像を再構成する方法である。ひとつのシリーズにおける複数の医用画像は、等しいスライス厚を有する。以下、一つのシリーズに含まれる複数の医用画像を画像群と呼ぶ。画像属性情報は、医用画像の種別を特定するための情報である。画像属性情報は、例えば、モダリティ名、モダリティの製造者、装置シリアル番号、および検査対象の被検体の部位を特定するための情報などである。
【0013】
被検体に対して複数の検査が実施されている場合、それぞれの検査で発生された複数の医用画像のデータは、それぞれの検査を示す検査IDを付加されて、検査ごとに分類される。また、複数の部位を撮影するなどして検査に複数のシリーズが含まれている場合、それぞれのシリーズについて発生された複数の医用画像のデータは、それぞれのシリーズを示すシリーズIDを付加されて、シリーズごとに分類される。すなわち、ある患者IDが付帯された複数の医用画像のデータは、検査IDによって検査ごとに分類される。さらにそれぞれの検査は、シリーズIDによって、シリーズごとに分類される。なお、上記付帯情報は、DICOM規格に基づいて説明をしたが、他の標準規格を適用してもよい。
【0014】
医用画像保管装置102は、複数の医用画像を保管するための複数のハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:以下HDDと呼ぶ)やNAS(Network Attached Storage)などを有する。医用画像保管装置102は、医用画像撮影装置101により発生された医用画像のデータを、LANを介して受信し、保管する。医用画像保管装置102は、医用画像表示装置104によりアノテーション(Anotation)が付加された医用画像を、LANを介して受信し、保管する。アノテーションとは、例えば、医用画像において着目されている位置につけられるマーカ、医用画像の所見を示す文字列、および医用画像に付けられたコメントなどの医用画像に付加する付加情報である。
【0015】
図2は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置104のブロック構成の一例を示す図である。医用画像表示装置104は、インターフェース部1、画像記憶部3、対応表記憶部4、入力部5、制御部7、画像群発生部9、表示部11を有している。なお、本実施形態における医用画像表示装置104は、画像記憶部3を具備しない装置としても動作可能である。このとき、医用画像画像撮影装置101および医用画像保管装置102から受信された医用画像のデータは、以下で説明する制御部7による制御のもとで、表示部11の表示画面に表示される。
【0016】
インターフェース部1は、入力部5、ネットワーク、図示していない外部記憶装置などに関するインターフェースである。医用画像撮影装置101で発生された医用画像のデータ、または医用画像保管装置102で保管された複数の医用画像のデータは、インターフェース部1を介して、画像記憶部3に記憶される。また、本医用画像表示装置104で発生された複数の医用画像のデータは、ネットワークを介して医用画像保管装置102などの他の装置に転送可能である。
【0017】
画像記憶部3および対応表記憶部4は、半導体集積回路で構成されたRAM(Random Access Memory)、半導体記憶素子であるFlash SSD(Solid State Disk)などの半導体記憶装置、HDDなどである。画像記憶部3は、後述する画像群発生部9で発生された医用画像のデータ、一つのシリーズに含まれる複数の医用画像(以下、第1画像群と呼ぶ)のデータ、後述する画像群発生部9で発生された第2画像群のデータなどを記憶する。
【0018】
対応表記憶部4は、病症の種類と病症が拡大する可能性のある範囲(以下、拡大範囲と呼ぶ)との対応表、第1画像群に関するスライス厚(以下、第1スライス厚とよぶ)、後述する関連の薄い画像に基づいて発生される医用画像に関する第1のスライス厚より厚いスライス厚(以下、第2スライス厚と呼ぶ)、後述する束ねられる医用画像を特定するための複数のルールなどを記憶する。束ねられる医用画像を特定するためのルールとは、例えば第1のルールは、第1画像群に含まれる医用画像に関する第1スライス厚と予め設定された第2スライス厚とに基づいて、束ねられる医用画像が特定されるルールである。第2のルールは、第1画像群に属する医用画像の総数から後述する第2画像群に属する医用画像の総数を減算した数と、後述する第1画像群の範囲外スライスに関する医用画像の枚数とに基づいて、束ねられる医用画像が特定されるルールである。第3のルールは、所見画像からの距離に応じて設定された第1スライス厚より厚い複数のスライス厚と第1スライス厚とに基づいて、束ねられる医用画像を特定するルールである。
【0019】
なお、対応表記憶部4は、第1スライス厚より厚いスライス厚を複数記憶してもよい。第1スライス厚より厚い複数のスライス厚は、例えば、所見画像からの距離に応じたスライス厚の厚さである。また、対応表記憶部4は、以下で説明する範囲外スライスに含まれるスライスを間引く間隔(以下、間引き間隔と呼ぶ)を記憶してもよい。さらに対応表記憶部4は、第1画像群に属する医用画像の総数と後述する第2画像群に属する医用画像の総数とを記憶してもよい。なお、画像記憶部3と対応表記憶部4とは、一つの記憶装置に組み込まれてもよい。
【0020】
入力部5は、読影医等からの各種指示・命令・情報・選択・設定を制御部7に入力する。具体的には、入力部5は、シリーズ内の医用画像を選択するための画像めくりに関する指示、選択された医用画像へのアノテーションの入力、選択された医用画像に対する医用レポートの作成、読影医等により選択された特定の医用画像に対する病症、第2画像群に属する医用画像の総数の入力、および第2スライス厚の入力などを行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の入力デバイスを有する。なお、入力デバイスは、表示画面を覆うように設けられたタッチパネルでもよい。
【0021】
制御部7は、図示しない中央処理装置(Central Processing Unit:以下CPUと呼ぶ)を備える。制御部7は、入力部5を介して入力された所見情報などのアノテーションを、読影医等により選択された第1画像群の特定の医用画像に付加する。なお、制御部7は、入力部5を介した読影医等の指示に従って、第1画像群に含まれる特定の医用画像に関する医用レポートの作成の制御をしてもよい。制御部7は、入力された所見情報または作成された医用レポートに基づいて、被検体の病症を決定する。なお、被検体の病症は、入力部5を介した読影医等の指示により決定されてもよい。
【0022】
画像群発生部9は、対応表記憶部4に記憶された病症と拡大範囲との対応表と、決定された病症とに基づいて、アノテーションが付加された所見画像を基準として、スライス方向に沿った拡大範囲を特定する。すなわち、拡大範囲は、所見画像を中心としてスライス方向の沿って設定される。なお、拡大範囲は、所見画像を中心とせずに、入力部5を介した読影医等の指示に従って、スライス方向に沿って任意に調整可能である。所見画像を除いた拡大範囲に含まれる複数のスライスに関する医用画像を、以下所見周辺画像と呼ぶ。所見周辺画像は、所見との関連が強いことを意味する。画像群発生部9は、特定された拡大範囲と対応表記憶部4に記憶された第1スライス厚とに基づいて、特定された拡大範囲の外に含まれるスライス(以下、範囲外スライスと呼ぶ)を特定する。範囲外スライスは、拡大範囲の外に関するスライスであるため、所見との関連が薄いスライスである。なお、第1スライス厚は、所見画像を有するシリーズに関するDICOM規格の付帯情報から読み出してもよい。
【0023】
画像群発生部9は、第1画像群の範囲外スライスに関する複数の医用画像(所見との関連が薄い画像であり、以下、第1の関連の薄い画像と呼ぶ)のうち、スライス方向に沿って束ねられる医用画像を特定する。具体的には、画像群発生部9は、対応表記憶部4に記憶された第1のルールに従って束ねられる医用画像を特定する。例えば、第1スライス厚が3mm、第2スライス厚が9mmであるとする。第1のルールによれば、束ねられる医用画像は3枚に特定される。第1のルールは、束ねられる医用画像の枚数を固定するときなどに使用される。
【0024】
画像群発生部9は、対応表記憶部4に記憶された第2のルールに従って束ねられる医用画像を特定してもよい。第2のルールは、第1画像群に含まれる医用画像の総数を100枚、後述する第2画像群に含まれる医用画像の総数を60枚とする。また、拡大範囲に含まれる医用画像を20枚とする。束ねられる医用画像の総数は、100−20で80枚となる。一方、束ねられた医用画像の総数は、60−20で、40枚となる。束ねられる医用画像の総数と束ねられた医用画像の総数とに基づいて、束ねられる医用画像が特定される。第2のルールは、後述する第2画像群に含まれる医用画像の総数を一定値に固定するときなどに使用される。なお、画像群発生部9は、対応表記憶部4に記憶された第3のルールに従って束ねられる医用画像を特定してもよい。第3のルールは、所見画像からの距離に応じて設定された第1スライス厚より厚い複数のスライス厚と第1スライス厚とに基づいて、束ねられる医用画像を特定するルールである。第1乃至第3のルールは、適宜組み合わせることも可能である。また、第1乃至第3のルールは、入力部5を介した読影医等の指示に従って、選択されてもよい。なお、第2画像群に属する医用画像の総数は、第1画像群に属する医用画像の総数より少なく設定される。
【0025】
画像群発生部9は、特定された医用画像を束ねることにより、第1スライス厚より厚いスライス厚を有する医用画像を発生する。以下、説明を簡単にするため、画像群発生部9は、第1のルールに従って、第2スライス厚を有する医用画像(以下第2スライス厚画像と呼ぶ)を発生するものとする。なお、画像群発生部9は、第1の関連の薄い画像と入力部5を介して読影医等により入力された第2スライス厚とに基づいて、第2スライス厚画像を発生してもよい。また、画像群発生部9は、第2および第3のルールに従って、所見画像からの距離に応じて厚みの異なるスライス厚と第1の関連の薄い画像とに基づいて、第1スライス厚より厚い医用画像を発生してもよい。
【0026】
具体的には、画像群発生部9は、まず、束ねられる医用画像の枚数(以下、束ねる枚数と呼ぶ)を決定する。画像群発生部9は、束ねる枚数と束ねられる医用画像の濃淡とを用いて、平均処理を実行する。平均処理は、例えば、束ねられる医用画像における各画素からスライス方向に沿った複数の画素の画素値に対する加算平均などである。なお、画素値の替わりにCT値などを用いてもよい。なお、範囲外スライスにおけるスライス厚が所見画像からスライス方向に沿った距離に応じて厚くなる場合、画像群発生部9は、複数のスライス厚それぞれに含まれる束ねる枚数を、複数のスライス厚それぞれに対して決定する。画像群発生部9は、決定された束ねる枚数と束ねられる医用画像の濃淡に対して、平均処理を実行する。
【0027】
画像群発生部9は、画像記憶部3に記憶された所見画像と所見周辺画像と発生された第2スライス厚画像とから構成される第2画像群を発生する。画像群発生部9は、発生された第2画像群を画像記憶部3に記憶させる。画像群発生部9は、第2画像群に含まれる医用画像に対して、スライス方向に沿った並び順を決定する。以下、画像群発生部9で決定される並び順の具体例を説明する。画像群発生部9は、所見画像と所見周辺画像との画像番号に対して、第1画像群における所見画像と所見周辺画像との画像番号を使用する。画像群発生部9は、第2スライス厚画像の発生に寄与した第1の関連の薄い画像(以下寄与画像と呼ぶ)の画像番号のうち最も小さい画像番号を、発生された第2スライス厚画像の画像番号として決定する。なお、画像群発生部9は、寄与画像の画像番号のうち最も大きい画像番号を、この第2スライス厚画像の画像番号として決定してもよい。
【0028】
画像群発生部9は、所見画像と所見周辺画像と第2スライス厚画像とを画像番号順に並べることで、所見画像と所見周辺画像と第2スライス厚画像とに対するスライス方向に沿った並び順を決定する。画像群発生部9は、第2画像群に対して新たなシリーズ番号を付与する。画像群発生部9は、第2画像群とこの第2画像群に含まれる画像の並び順とを画像記憶部3に記憶させる。
【0029】
なお、画像群発生部9は、第1画像群における第1の関連の薄い画像を、対応表記憶部4に記憶された間引き間隔に従って、間引いてもよい。この間引き後、画像群発生部9は、間引かれた後に残った医用画像と所見画像と所見周辺画像とからなる間引き第2画像群を発生する。画像群発生部9は、間引き第2画像群に含まれる医用画像にスライス方向に沿った画像番号を付与する。画像群発生部9は、間引かれた後に残った医用画像と所見画像と所見周辺画像とを画像番号順に並べることで、間引かれた後に残った医用画像と所見画像と所見周辺画像とに対するスライス方向に沿った並び順を決定する。画像群発生部9は、間引き第2画像群に対して新たなシリーズ番号を付与する。画像群発生部9は、間引き第2画像群とこの間引き第2画像群に含まれる医用画像の並び順とを画像記憶部3に記憶させる。
【0030】
なお、画像群発生部9は、医用画像保管装置102または医用画像撮影装置101から、入力部5を介した読影医等の指示に従って医用画像を取り込み、上記処理を実行してもよい。画像群発生部9は、第2画像群または間引き第2画像群が画像記憶部3に記憶されるとき、第1画像群に含まれる医用画像を画像記憶部3から削除してもよい。この時画像群発生部9は、第1画像群が有するシリーズ番号を第2画像群または間引き第2画像群に付与してもよい。
【0031】
表示部11は、画像記憶部3から読み出された第1画像群と第2画像群とのうち少なくとも一方に含まれる医用画像を表示画面に表示する。なお、表示部11は、複数の表示画面を有していてもよい。
【0032】
(動作)
次に、本医用画像表示装置104において、図3に示すフローチャートを参照しながら、所見画像と所見周辺画像と第2スライス厚画像とからなる第2画像群を発生させる動作について説明する。
【0033】
入力部5を介した読影医等の指示に従って、第1画像群に含まれる特定の医用画像に対して、アノテーションなどの所見情報が入力される(ステップSa1)。なお、ステップSa1は、入力部5を介した読影医等の指示に従って、第1画像群に含まれる特定の医用画像に対する医用レポートを作成させる処理でもよい。入力された所見情報または作成された医用レポートに基づいて、被検体の病症が決定される。決定された病症と対応表記憶部4に記憶された対応表とに基づいて、決定された病症に関連付けられている拡大範囲が特定される(ステップSa2)。
【0034】
図4は、病症と拡大範囲との対応表の一例を示す図である。図4における対応表は、所見情報が入力された医用画像または医用レポート作成時に参照された画像である所見画像を中心として、病症Aが拡大する可能性のある範囲(拡大範囲)が8cm、病症Bが拡大する可能性のある範囲(拡大範囲)が3cmであることを示している。
【0035】
特定された拡大範囲と所見画像とに基づいて、第1画像群に含まれる複数のスライスのうち、範囲外スライスが特定される(ステップSa3)。図5は、図4の対応表における症例Bに関する所見画像を、病症Bが拡大する可能性のある範囲(図5中の3cm)とともに示す図である。なお、拡大範囲は、入力部5を介して読影医等により適宜変更可能である。
【0036】
特定された範囲外スライスに関する医用画像のうち、第1スライス厚より厚いスライス厚で束ねられる医用画像が、第1のルール乃至第3のルールに従って特定される(ステップSa4)。図6は、ひとつのシリーズに含まれる複数の医用画像のうち、所見画像を、所見周辺画像(図6中の病症が拡大する可能性のある範囲に位置する医用画像に対応)のスライスと第1の関連の薄い画像(図6中の拡大範囲外に含まれる医用画像に対応)のスライスとともに示す図である。例えば、第1スライス厚を3mm、拡大範囲を3cmとすると、所見画像を中心としてスライス方向に沿った3cm÷3mm=10枚の医用画像は、第2スライス厚画像の発生には使用されない。なお、第1の関連の薄い画像が対応表記憶部3に記憶された間引き間隔に従って第1画像群から間引かれる処理は、上記ステップSa3の処理後に実行される。
【0037】
特定された医用画像により、束ねる枚数が特定される。例えば、第1画像群に属する医用画像の第1スライス厚が3mm、第2スライス厚が9mmの場合、束ねる枚数は3枚である。なお、第1画像群に属する医用画像の総数と予め設定された第2画像群における医用画像の総数とに基づいて、束ねる枚数が特定されてもよい(第2のルール)。なお、所見画像からスライス方向に沿った距離に応じて厚くなるスライス厚に基づいて(第3のルール)、複数のスライス厚それぞれに対する束ねる枚数が、それぞれ特定されてもよい。特定された医用画像を束ねることにより、第1スライス厚より厚いスライス厚を有する医用画像が発生される。具体的には、束ねる枚数と束ねられる医用画像の濃淡に対して、平均処理が実行される。平均処理により第1スライス厚より厚い第2スライス厚を有する第2スライス厚画像が発生される(ステップSa5)。なお、第1スライスより厚い複数のスライス厚それぞれに対応して束ねる枚数が決定された場合、決定された束ねる枚数と特定された第1の関連の薄い画像に対して、平均処理が実行される。実行された平均処理に基づいて、第1のスライス厚より厚い複数のスライス厚それぞれに対応する医用画像が発生される。
【0038】
所見画像と所見周辺画像と第2スライス厚画像とからなる第2画像群が発生される(ステップSa6)。なお、第1スライス厚より厚い複数のスライス厚が設定された場合、複数のスライス厚それぞれに対応する医用画像と所見画像と所見周辺画像とからなる第2画像群が発生される。また、第1画像群から第1の関連の薄い画像を間引き間隔に従って間引かれる場合、間引かれた後に残った医用画像と所見画像と所見周辺画像とからなる間引き第2画像群が発生されてもよい。
【0039】
第2画像群に含まれる複数の医用画像の並び順が決定される(ステップSa7)。図7は、第1画像群と第1のルールとに基づいて発生された第2画像群の一例を示す図である。例えば、図7における第2スライス厚は、第1スライス厚2枚分の厚みを有する。図8は、第1画像群と第3のルールとに基づいて発生された図7とは異なる第2画像群の一例を示す図である。図8と図7との相違は、図7における第2スライス厚は一定であるのに対し、図8における第1スライス厚より厚いスライス厚は所見画像からの距離に応じて厚みが変わることである。
【0040】
第2画像群は、決定された並び順とともに画像記憶部3に記憶される。なお、第2画像群または間引き第2画像群が決定された並び順とともに画像記憶部3に記憶されるとき、画像記憶部3に記憶された第1画像群は、削除されてもよい。図9は、第1画像群に含まれる第1の関連の薄い画像におけるスライス厚に関するタグ情報と、第2画像群に含まれる第2スライス厚画像におけるスライス厚に関するタグ情報との一例を示す図である。図9の第2スライス厚画像における厚みに関するタグ情報(3mm)は、第1画像群における第1の関連の薄い画像に関するスライス厚のタグ情報(厚さ1mm)とは異なる。
【0041】
(第1の変形例)
第1の実施形態との相違は、第1の実施形態で発生された第2画像群に基づいて、第1画像群が撮影された時刻と異なる第3画像群から、第3画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、スライス厚の異なる画像を有する第4画像群を発生させる点である。
【0042】
第1の変形例に係る医用画像表示装置の構成は、第1の実施形態と同様である。
以下、第1の変形例と第1の実施形態との構成要素において、異なる動作を行う構成要素ついて説明する。また、説明を簡便にするため、第2画像群に含まれる複数の医用画像は、所見画像と所見周辺画像と第2スライス厚画像とから構成されるものとする。なお、第2画像群に含まれる複数の医用画像は、所見画像と所見周辺画像と第1スライス厚より厚い複数のスライス厚を有する医用画像とから構成されてもよい。また、第2画像群の替わりに間引き第2画像群であってもよい。
【0043】
画像記憶部3は、第1画像群における医用画像の撮影時刻と異なる第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第3画像群を記憶する。具体的には、第3画像群は、第1画像群における被検体と同じ被検体、第1画像群における撮影範囲と同じ撮影範囲、第1画像群における撮影方法と同じ撮影方法で、医用画像撮影装置101により取得された第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる。画像記憶部3は、第2画像群に含まれる所見画像に対応するスライス(以下、所見スライスと呼ぶ)と、第2画像群に含まれる所見周辺画像に対応するスライス(以下、所見周辺スライスと呼ぶ)と、第1画像群における範囲外スライスとを記憶する。これらのスライスは、被検体に対する医用画像の位置を示す。なお、これらスライスは、DICOM規格の医用画像の付帯情報であってもよい。
【0044】
画像群発生部9は、所見スライスと同じスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像を特定する。なお、所見スライスと同じスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像が存在しない場合、画像群発生部9は、所見スライスに最も近いスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像を特定してもよい。以下、所見スライスと同じもしくは最も近いスライスに関する特定された医用画像を、同一所見画像と呼ぶ。画像群発生部9は、所見周辺スライスと同じスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像を特定する。なお、所見周辺スライスと同じスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像が存在しない場合、画像群発生部9は、所見周辺スライスに最も近いスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像を特定してもよい。以下、所見周辺スライスと同じもしくは最も近いスライスに関する特定された医用画像を、同一所見周辺画像と呼ぶ。画像群発生部9は、第1画像群における範囲外スライスと同じスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像を特定する。なお、第1画像群における範囲外スライスと同じスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像が存在しない場合、画像群発生部9は、第1画像群における範囲外スライスに最も近いスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像を特定してもよい。以下、第1画像群における範囲外スライスと同じもしくは最も近いスライスに関する特定された医用画像を、第2の関連の薄い画像と呼ぶ。
【0045】
画像群発生部9は、第3画像群の範囲外スライスに関する第2の関連の薄い画像のうち、スライス方向に沿って束ねられる医用画像を特定する。具体的には、画像群発生部9は、第2画像群に属する第2スライス厚画像の発生に寄与した第1の関連の薄い画像に対応した複数のスライスおよびその枚数(束ねる枚数)を特定する。画像群発生部9は、特定された複数のスライスそれぞれに対応した第2の関連の薄い画像(束ねられる医用画像)を特定する。画像群発生部9は、束ねられる医用画像を束ねる枚数で束ねることにより、第2画像群の第2スライス厚画像の第2スライス厚と同じスライス厚を有する医用画像(以下同一第2スライス厚画像と呼ぶ)を発生する。
【0046】
具体的には、画像群発生部9は、特定された束ねられる医用画像と束ねる枚数とを用いて、平均処理を実行する。画像群発生部9は、第2画像群の第2スライス厚画像を発生させた平均処理と同じ処理を実行する。なお、範囲外スライスにおけるスライス厚が所見画像からスライス方向に沿った距離に応じて厚くなる場合、画像群発生部9は、複数のスライス厚それぞれに対する束ねる枚数を、複数のスライス厚それぞれに対して決定する。画像群発生部9は、特定された束ねる枚数と束ねられる医用画像とを用いて、平均処理を実行する。画像群発生部9は、同一所見画像と同一所見周辺画像と同一第2スライス厚画像とから構成される第4画像群を発生する。画像群発生部9は、発生された第4画像群を画像記憶部3に記憶させる。
【0047】
画像群発生部9は、第4画像群に含まれる画像に対して、スライス方向に沿った並び順を、第2画像群と対応付けて決定する。具体的には、画像群発生部9は、第2画像群の所見画像と第4画像群の同一所見画像、第2画像群の所見周辺画像と第4画像群の同一所見周辺画像、第2画像群の第2スライス厚画像と第4画像群の同一第2スライス厚画像について、それぞれ対応つけて並び順を決定する。画像群発生部9は、第4画像群とこの第4画像群に含まれる医用画像の並び順とを画像記憶部3に記憶させる。なお、画像群発生部9は、医用画像撮影装置101または医用画像保管装置102から、入力部5を介した読影医等の指示に従って医用画像を取り込み、上記処理を実行してもよい。
【0048】
(動作)
次に、医用画像表示装置104において、図10に示すフローチャートを参照しながら、第1の実施形態で発生された第2画像群とに基づいて、第1画像群が撮影された時刻と異なる第3画像群から、第3画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、スライス厚の異なる画像を有する第4画像群を発生させる動作について説明する。
【0049】
画像記憶部3に記憶された第3画像群と、所見スライスと、所見周辺スライスと、第1画像群における範囲外スライスとが、画像記憶部3から読み出される(ステップSb1)。所見スライスと同じスライスに関する第3画像群の医用画像(同一所見画像)が特定される(ステップSb2)。第2画像群に含まれる所見周辺スライスと同じスライスに関する第3画像群の医用画像(同一所見周辺画像)が特定される(ステップSb3)。第3画像群に含まれる複数のスライスのうち、所見スライスと所見周辺スライスとに基づいて、範囲外スライスが特定される(ステップSb4)。特定された範囲外スライスに関する医用画像のうち、第1乃至第3のルールに基づいて、スライス方向に沿って束ねられる医用画像が特定される(ステップSa4)。特定された医用画像を束ねることにより、第2スライス厚を有する同一第2スライス厚画像が発生される(ステップSa5)。同一所見画像と同一所見周辺画像と同一第2スライス厚画像とからなる第4画像群が発生される(ステップSb7)。
【0050】
第2画像群における画像の並び順が、画像記憶部3から読み出される(ステップSb8)。発生された第4画像群に含まれるスライス方向に沿った画像の並び順が、所見画像と同一所見画像、所見周辺画像と同一所見画像、および第2スライス厚画像と同一第2スライス厚画像とをそれぞれ対応付けることで決定される(ステップSb9)。第4画像群は、決定された並び順とともに画像記憶部3に記憶される(ステップSb10)。なお、第4画像群が画像記憶部3に決定された並び順とともに記憶されるとき、画像記憶部3に記憶された第3画像群は、削除されてもよい。
【0051】
第1の実施形態及び第1の変形例の効果をまとめると以下の通りである。
本医用画像表示装置104によれば、第1画像群の所見画像に基づく病症の決定と、病症と拡大範囲との対応表と、第1スライス厚を有する医用画像からなる第1画像群と第1乃至第3のルールとに基づいて、第1スライス厚より厚い第2スライス厚を有する第2スライス厚画像が発生される。発生された第2スライス厚画像と所見画像と所見周辺画像とからなる第2画像群が発生される。発生された第2画像群に含まれる医用画像の総数は、第1画像群に含まれる医用画像の総数に比べて減少させることができる。これにより、読影医等が再度第1画像群の所見画像を表示させるとき、第2画像群を使用することで、シリーズ全体の画像の構成を把握でき、かつ画像めくりの操作を減らすことが可能となる。従って、読影医等にとって、作業負担が減少し、読影効率が向上する。なお、第2画像群が並び順とともに画像記憶部3に記憶されるとき、画像記憶部3に記憶された第1画像群が削除されると、画像記憶部3における記憶容量の節約が可能となる。
【0052】
加えて、本医用画像表示装置104によれば、撮影時刻が異なる第3画像群に対して、第2画像群と同様な処理を実行させることで、第4画像群を発生させることができる。これにより、同じ被検体、同じ撮影範囲、同じ撮影条件を有する医用画像に対して再度所見画像と所見周辺画像と第2スライス厚などの設定を再度実行する必要がなくなる。結果として、入力部5を介した読影医等の作業負担が減少する。さらに、読影医等にとって、被検体の病症の経時変化に対する詳細な観察が可能となり、病症経過の読影効率が向上する。なお、第4画像群が並び順とともに画像記憶部3に記憶されるとき、画像記憶部3に記憶された第3画像群が削除されると、画像記憶部3における記憶容量の節約が可能となる。
【0053】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して、第2の実施形態を説明する。
第1の実施形態との相違は、第1画像群と同じ被検体に関する第1スライス厚より厚い第2スライス厚を有する複数の医用画像のデータと、第1画像群とに基づいて、第1スライス厚を有する画像と第2スライス厚を有する画像とからなる複数の医用画像のデータを発生することである。
【0054】
以下、第2の実施形態と第1の実施形態との構成要素において、異なる動作を行う構成要素について説明する。
【0055】
画像記憶部3は、第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータ(第1画像群)と第1スライス厚より厚い第2スライス厚を有する複数の医用画像のデータ(以下、第2画像群と呼ぶが、第1の実施形態における第2画像群とは関係がない)とを記憶する。例えば、第1画像群と第2画像群とは、被検体に関する一つの検査における医用画像撮影装置101の画像再構成により発生される。なお、画像記憶部3は、第1スライス厚より厚い複数のスライス厚それぞれから構成される複数の画像群を記憶してもよい。第2画像群に含まれる医用画像の総数は、第1画像群に含まれる医用画像の総数より少ない。なお、第1画像群と第2画像群とは、インターフェース部1を介して、医用画像撮影装置101から取得してもよい。
【0056】
制御部7は、入力部5を介して入力された所見情報などのアノテーションを、読影医等により選択された第1画像群の特定の医用画像(所見画像)に付加する。なお、制御部7は、入力部5を介した読影医等の指示に従って、第1画像群に含まれる所見画像に関する医用レポートを作成してもよい。制御部7は、入力された所見情報または作成された医用レポートに基づいて、被検体の病症を決定する。なお、被検体の病症は、入力部5を介した読影医等の指示により決定されてもよい。
【0057】
画像群発生部9は、第1画像群に含まれる複数の医用画像から、所見画像を特定する。画像群発生部9は、対応表記憶部4に記憶された病症と拡大範囲との対応表と、決定された病症とに基づいて、所見画像を基準としてスライス方向に沿った拡大範囲を特定する。画像群発生部9は、特定された拡大範囲と対応表記憶部4に記憶された第1スライス厚とに基づいて、特定された拡大範囲に含まれる医用画像(所見周辺画像)を特定する。なお、第1スライス厚は、所見画像を有するシリーズに関するDICOM規格の付帯情報から読み出してもよい。画像群発生部9は、所見画像と特定された拡大範囲とに基づいて、第2画像群に含まれる複数のスライスのうち、拡大範囲の外に位置する範囲外スライスを特定する。画像群発生部9は、第2画像群から範囲外スライスに関する医用画像(以下、抽出画像と呼ぶ)を抽出する。
【0058】
画像群発生部9は、特定された第1画像群の所見画像および所見周辺画像と、抽出画像とからなる第3画像群(第1の変形例における第3画像群とは関係がない)を発生する。画像群発生部9は、発生された第3画像群を画像記憶部3に記憶させる。なお、画像群発生部9は、所見画像からスライス方向に沿った距離に応じてスライス厚が厚くなるように、複数の画像群から範囲外スライスに関する医用画像を抽出してもよい。このとき、画像群発生部9は、所見画像と所見周辺画像と、所見画像からスライス方向に沿った距離に応じてスライス厚が厚くなる複数の医用画像とからなる第3画像群を発生させることも可能である。
【0059】
画像群発生部9は、第3画像群に含まれる複数の医用画像に対して、スライス方向に沿った並び順を決定する。具体的には、画像群発生部9は、第1画像群における所見画像の画像番号と所見周辺画像の画像番号とを、第3画像群における所見画像の画像番号と所見周辺画像の画像番号としてそれぞれ決定する。画像群発生部9は、第2画像群から抽出された抽出画像の画像番号を、スライス方向に沿った番号に変更する。画像群発生部9は、所見画像と所見周辺画像と抽出画像とを画像番号順に並べることで、所見画像と所見周辺画像と抽出画像とに対するスライス方向に沿った並び順を決定する。画像群発生部9は、第3画像群とこの第3画像群に含まれる画像の並び順とを画像記憶部3に記憶させる。なお、画像群発生部9は、第3画像群と第3画像群の画像の並び順とが画像記憶部3に記憶されるとき、画像記憶部3に記憶された第1画像群と第2画像群とを削除してもよい。また、画像群発生部9は、医用画像撮影装置101または医用画像保管装置102から、入力部5を介した読影医等の指示に従って医用画像を取り込み、上記処理を実行してもよい。
【0060】
(動作)
次に、本医用画像表示装置104において、図11に示すフローチャートを参照しながら、第1画像群と同じ被検体に関する第1スライス厚より厚い第2スライス厚を有する複数の医用画像のデータ(第2画像群)と、第1画像群とに基づいて、第1スライス厚を有する画像と第2スライス厚を有する画像とからなる複数の医用画像のデータ(第3画像群)を発生させる動作について説明する。
【0061】
図11におけるステップSa1乃至ステップSa2については、図3の第1の実施形態におけるフローチャートと同じ処理であるので省略する。ステップSa2の後、所見画像と特定された拡大範囲とに基づいて、第2画像群における範囲外スライスが特定される(ステップSc3)。第2画像群から、範囲外スライスに関する医用画像(抽出画像)が抽出される。(ステップSc4)。所見画像と所見周辺画像と抽出画像とからなる第3画像群が発生される(ステップSc5)。発生された第3画像群に含まれる複数の医用画像に関して、スライス方向に沿った画像の並び順が決定される(ステップSc6)。第3画像群に含まれる医用画像と、決定された並び順とが対応づけられて、画像記憶部3に記憶される(ステップSc7)。なお、第3画像群が画像記憶部3に決定された並び順とともに記憶されるとき、画像記憶部3に記憶された第1画像群および第2画像群は、削除されてもよい。
【0062】
図12は、第3画像群に含まれる複数の医用画像のスライスを、第1画像群に含まれる第1スライス厚の複数の医用画像のスライスと第2画像群に含まれる第2スライス厚の複数の医用画像のスライスとともに示す図である。図12におけるAの範囲(拡大範囲)に属する医用画像は、第1画像群における所見画像と所見周辺画像とを示している。図12におけるBおよびCの範囲に属する医用画像は、第2画像群における抽出画像を示している。
【0063】
第2の実施形態の効果をまとめると以下の通りである。
本医用画像表示装置104によれば、第1スライス厚を有する複数の医用画像からなる第1画像群から所見画像と所見周辺画像とを特定する。第1スライス厚より厚い第2スライス厚を有する複数の医用画像からなる第2画像群から、範囲外スライスに関する医用画像が抽出される。第1スライス厚を有する所見画像および所見周辺画像と第2画像群から抽出された医用画像とからなる第3画像群が発生される。これにより、読影医等が再度第1画像群の所見画像を表示させるとき、第3画像群を使用することで、画像めくりの操作の回数を減らすことが可能となる。従って、読影医等の作業負担が減少し、読影効率が向上する。なお、第3画像群が画像記憶部3に決定された並び順とともに記憶されるとき、画像記憶部3に記憶された第1画像群および第2画像群が削除されると、画像記憶部3における記憶容量の節約が可能となる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1…インターフェース部、3…画像記憶部、4…対応表記憶部、5…入力部、7…制御部、9…画像群発生部、11…表示部、101…医用画像撮影装置、102…医用画像保管装置、104…医用画像表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用画像を表示する医用画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線コンピュータ断層撮影(Computed Tomography)装置(以下、X線CT装置と呼ぶ)、および核磁気イメージング(Magnetic Resonance Imaging)装置(以下、MRI装置と呼ぶ)などの医用画像撮影装置により発生された複数の医用画像は、医用画像表示装置の表示画面にシリーズ単位で表示される。読影医等は、シリーズ単位で表示された医用画像全てに目を通す。読影医等は、シリーズに含まれる特定の医用画像に基づいて、病症および所見の位置などの所見情報を医用画像表示装置に入力する。読影医等は、上記特定の医用画像および所見情報に基づいて、医用レポートを作成する。医用レポートの作成および所見情報の入力の際に参照された医用画像(以下、所見画像と呼ぶ)が読影医等により再検討されるとき、読影医等は、シリーズに含まれる所見画像が表示されるまで、上記シリーズに含まれる医用画像に対して画像めくりの操作を行う。
【0003】
しかしながら、シリーズに含まれる医用画像が多い場合、読影医等は、所見画像が表示されるまで、複数回にわたって画像めくりの操作を実行しなければならない。この操作は、読影医等にとって、作業負担の増大および読影効率の低下を招くことがある。一方、所見画像以外の画像を削除すれば、画像めくりの操作は不要となる。しかしながら、読影医等がシリーズに含まれる医用画像全体を把握することは困難となる。加えて、一つのスライスに対応する所見画像を参照画像として、同一患者、同一撮影範囲、同一撮影方法で取得された複数の医用画像と比較する場合、読影医等が病症全体の様子および病症の拡大を把握することは困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−83830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、読影医が必要とする医用画像を医用画像表示装置に表示させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る医用画像表示装置は、被検体に関する第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第1画像群を記憶する画像記憶部と、前記第1画像群から第2画像群を発生する画像群発生部と、前記第2画像群に含まれる医用画像を表示する表示部とを具備し、前記第2画像群は、前記第1画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、前記第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と前記第1スライス厚よりも厚い第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とを含むこと、を特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る医用画像表示装置を含むシステム構成の一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る医用画像表示装置の構成の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態の画像群発生部において、ひとつのシリーズに含まれる第1スライス厚を有する医用画像に基づいて、所見画像と所見周辺画像と第2スライス厚画像とからなる第2画像群を発生させる手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の対応表記憶部に記憶された、病症と病症が拡大する範囲との対応表の一例を示す図である。
【図5】図4における症例Bに関する所見画像を、病症Bが拡大する可能性のある範囲とともに示す図である。
【図6】第1の実施形態に係り、ひとつのシリーズに含まれる複数の医用画像のうち、所見画像を、所見との関連の薄い画像のスライスと所見周辺画像のスライスとともに示す図である。
【図7】第1の実施形態の画像記憶部に記憶された第1画像群に基づいて発生された第2画像群の一例を示す図である。
【図8】第1の実施形態の画像記憶部に記憶された第1画像群に基づいて発生された図7とは異なる第2画像群の一例を示す図である。
【図9】第1の実施形態の画像記憶部に記憶された第1画像群に含まれる所見との関連の薄い画像におけるスライス厚に関するタグ情報と、第2画像群に含まれる所見との関連の薄い画像に関するスライス厚に関するタグ情報との一例を示す図である。
【図10】第1の実施形態における第1の変形例において、第2画像群と、第1画像群が撮影された時刻と異なる第3画像群とに基づいて、同一所見画像と同一所見周辺画像と同一第2スライス厚画像とからなる第4画像群を発生させる手順を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態の画像群発生部において、第1スライス厚を有する医用画像からなる第1画像群と第2スライス厚を有する医用画像からなる第2画像群とに基づいて、第1スライス厚を有する所見画像および所見周辺画像と、第2スライス厚を有する医用画像とを含む第3画像群を発生する手順を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施形態に係り、第3画像群に含まれる複数の医用画像のスライスを、第1画像群に含まれる第1スライス厚の複数の医用画像のスライスと第2画像群に含まれる第2スライス厚の複数の医用画像のスライスととともに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる医用画像表示装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0009】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、第1の実施形態を説明する。
【0010】
図1は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置を含むシステム構成の一例を示す図である。
【0011】
医用画像表示装置104は、医用画像撮影装置101および医用画像保管装置102に対して電子的通信回線、典型的にはローカルエリアネットワーク(Local Area Network:以下LANと呼ぶ)を介して接続される。なお、医用画像表示装置104には、図示していない画像処理装置が接続されてよい。画像処理装置は、医用画像撮影装置101で発生された複数の医用画像のデ−タに対してレンダリング処理などの画像処理を施すことで、3次元画像のデータや断面変換された画像のデータなどを発生する。
【0012】
医用画像撮影装置101は、被検体に対して異なる位置における複数の断層像からなる画像群を発生する。複数の断層像は、同じスライス厚を有し、例えばマルチスライスCTにより得られる。マルチスライスとは、1回転で複数のスライスそれぞれに対応する複数の医用画像(断層像)が得られることを意味している。医用画像撮影装置101は、例えば、X線CT装置およびMRI装置などである。医用画像撮影装置101は、通信機能を有し、LANを介してデータ通信可能となっている。医用画像撮影装置101は、予め設定された撮影範囲および撮影方法とに基づいて、被検体を撮影する。医用画像撮影装置101は、撮影された医用画像の付帯情報を付帯した医用画像のデータを、医用画像保管装置102に出力する。付帯情報は、DICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)規格に従って、検査日時情報、患者ID(IDentifier)、検査ID、シリーズID、医用画像固有の番号であるイメージID、および画像属性情報などで構成されている。患者ID、検査ID、シリーズID、イメージID、および画像属性情報などの情報は、DICOM規格に従って規格化されている。患者IDは、撮影された被検体を特定するための情報である。検査IDは、検査内容を特定するための情報である。シリーズIDは、撮影された被検体の部位ごと、画像発生時刻、スライス厚、画像生成方法、被検体を撮影した画像の画像撮影条件や撮影位置、または造影剤の有無などで、発生された複数の医用画像を分類するために用いられる情報である。画像生成方法とは、例えば、医用画像撮影装置101により取得された投影データまたは信号データに基づいて、医用画像を再構成する方法である。ひとつのシリーズにおける複数の医用画像は、等しいスライス厚を有する。以下、一つのシリーズに含まれる複数の医用画像を画像群と呼ぶ。画像属性情報は、医用画像の種別を特定するための情報である。画像属性情報は、例えば、モダリティ名、モダリティの製造者、装置シリアル番号、および検査対象の被検体の部位を特定するための情報などである。
【0013】
被検体に対して複数の検査が実施されている場合、それぞれの検査で発生された複数の医用画像のデータは、それぞれの検査を示す検査IDを付加されて、検査ごとに分類される。また、複数の部位を撮影するなどして検査に複数のシリーズが含まれている場合、それぞれのシリーズについて発生された複数の医用画像のデータは、それぞれのシリーズを示すシリーズIDを付加されて、シリーズごとに分類される。すなわち、ある患者IDが付帯された複数の医用画像のデータは、検査IDによって検査ごとに分類される。さらにそれぞれの検査は、シリーズIDによって、シリーズごとに分類される。なお、上記付帯情報は、DICOM規格に基づいて説明をしたが、他の標準規格を適用してもよい。
【0014】
医用画像保管装置102は、複数の医用画像を保管するための複数のハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:以下HDDと呼ぶ)やNAS(Network Attached Storage)などを有する。医用画像保管装置102は、医用画像撮影装置101により発生された医用画像のデータを、LANを介して受信し、保管する。医用画像保管装置102は、医用画像表示装置104によりアノテーション(Anotation)が付加された医用画像を、LANを介して受信し、保管する。アノテーションとは、例えば、医用画像において着目されている位置につけられるマーカ、医用画像の所見を示す文字列、および医用画像に付けられたコメントなどの医用画像に付加する付加情報である。
【0015】
図2は、第1の実施形態に係る医用画像表示装置104のブロック構成の一例を示す図である。医用画像表示装置104は、インターフェース部1、画像記憶部3、対応表記憶部4、入力部5、制御部7、画像群発生部9、表示部11を有している。なお、本実施形態における医用画像表示装置104は、画像記憶部3を具備しない装置としても動作可能である。このとき、医用画像画像撮影装置101および医用画像保管装置102から受信された医用画像のデータは、以下で説明する制御部7による制御のもとで、表示部11の表示画面に表示される。
【0016】
インターフェース部1は、入力部5、ネットワーク、図示していない外部記憶装置などに関するインターフェースである。医用画像撮影装置101で発生された医用画像のデータ、または医用画像保管装置102で保管された複数の医用画像のデータは、インターフェース部1を介して、画像記憶部3に記憶される。また、本医用画像表示装置104で発生された複数の医用画像のデータは、ネットワークを介して医用画像保管装置102などの他の装置に転送可能である。
【0017】
画像記憶部3および対応表記憶部4は、半導体集積回路で構成されたRAM(Random Access Memory)、半導体記憶素子であるFlash SSD(Solid State Disk)などの半導体記憶装置、HDDなどである。画像記憶部3は、後述する画像群発生部9で発生された医用画像のデータ、一つのシリーズに含まれる複数の医用画像(以下、第1画像群と呼ぶ)のデータ、後述する画像群発生部9で発生された第2画像群のデータなどを記憶する。
【0018】
対応表記憶部4は、病症の種類と病症が拡大する可能性のある範囲(以下、拡大範囲と呼ぶ)との対応表、第1画像群に関するスライス厚(以下、第1スライス厚とよぶ)、後述する関連の薄い画像に基づいて発生される医用画像に関する第1のスライス厚より厚いスライス厚(以下、第2スライス厚と呼ぶ)、後述する束ねられる医用画像を特定するための複数のルールなどを記憶する。束ねられる医用画像を特定するためのルールとは、例えば第1のルールは、第1画像群に含まれる医用画像に関する第1スライス厚と予め設定された第2スライス厚とに基づいて、束ねられる医用画像が特定されるルールである。第2のルールは、第1画像群に属する医用画像の総数から後述する第2画像群に属する医用画像の総数を減算した数と、後述する第1画像群の範囲外スライスに関する医用画像の枚数とに基づいて、束ねられる医用画像が特定されるルールである。第3のルールは、所見画像からの距離に応じて設定された第1スライス厚より厚い複数のスライス厚と第1スライス厚とに基づいて、束ねられる医用画像を特定するルールである。
【0019】
なお、対応表記憶部4は、第1スライス厚より厚いスライス厚を複数記憶してもよい。第1スライス厚より厚い複数のスライス厚は、例えば、所見画像からの距離に応じたスライス厚の厚さである。また、対応表記憶部4は、以下で説明する範囲外スライスに含まれるスライスを間引く間隔(以下、間引き間隔と呼ぶ)を記憶してもよい。さらに対応表記憶部4は、第1画像群に属する医用画像の総数と後述する第2画像群に属する医用画像の総数とを記憶してもよい。なお、画像記憶部3と対応表記憶部4とは、一つの記憶装置に組み込まれてもよい。
【0020】
入力部5は、読影医等からの各種指示・命令・情報・選択・設定を制御部7に入力する。具体的には、入力部5は、シリーズ内の医用画像を選択するための画像めくりに関する指示、選択された医用画像へのアノテーションの入力、選択された医用画像に対する医用レポートの作成、読影医等により選択された特定の医用画像に対する病症、第2画像群に属する医用画像の総数の入力、および第2スライス厚の入力などを行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の入力デバイスを有する。なお、入力デバイスは、表示画面を覆うように設けられたタッチパネルでもよい。
【0021】
制御部7は、図示しない中央処理装置(Central Processing Unit:以下CPUと呼ぶ)を備える。制御部7は、入力部5を介して入力された所見情報などのアノテーションを、読影医等により選択された第1画像群の特定の医用画像に付加する。なお、制御部7は、入力部5を介した読影医等の指示に従って、第1画像群に含まれる特定の医用画像に関する医用レポートの作成の制御をしてもよい。制御部7は、入力された所見情報または作成された医用レポートに基づいて、被検体の病症を決定する。なお、被検体の病症は、入力部5を介した読影医等の指示により決定されてもよい。
【0022】
画像群発生部9は、対応表記憶部4に記憶された病症と拡大範囲との対応表と、決定された病症とに基づいて、アノテーションが付加された所見画像を基準として、スライス方向に沿った拡大範囲を特定する。すなわち、拡大範囲は、所見画像を中心としてスライス方向の沿って設定される。なお、拡大範囲は、所見画像を中心とせずに、入力部5を介した読影医等の指示に従って、スライス方向に沿って任意に調整可能である。所見画像を除いた拡大範囲に含まれる複数のスライスに関する医用画像を、以下所見周辺画像と呼ぶ。所見周辺画像は、所見との関連が強いことを意味する。画像群発生部9は、特定された拡大範囲と対応表記憶部4に記憶された第1スライス厚とに基づいて、特定された拡大範囲の外に含まれるスライス(以下、範囲外スライスと呼ぶ)を特定する。範囲外スライスは、拡大範囲の外に関するスライスであるため、所見との関連が薄いスライスである。なお、第1スライス厚は、所見画像を有するシリーズに関するDICOM規格の付帯情報から読み出してもよい。
【0023】
画像群発生部9は、第1画像群の範囲外スライスに関する複数の医用画像(所見との関連が薄い画像であり、以下、第1の関連の薄い画像と呼ぶ)のうち、スライス方向に沿って束ねられる医用画像を特定する。具体的には、画像群発生部9は、対応表記憶部4に記憶された第1のルールに従って束ねられる医用画像を特定する。例えば、第1スライス厚が3mm、第2スライス厚が9mmであるとする。第1のルールによれば、束ねられる医用画像は3枚に特定される。第1のルールは、束ねられる医用画像の枚数を固定するときなどに使用される。
【0024】
画像群発生部9は、対応表記憶部4に記憶された第2のルールに従って束ねられる医用画像を特定してもよい。第2のルールは、第1画像群に含まれる医用画像の総数を100枚、後述する第2画像群に含まれる医用画像の総数を60枚とする。また、拡大範囲に含まれる医用画像を20枚とする。束ねられる医用画像の総数は、100−20で80枚となる。一方、束ねられた医用画像の総数は、60−20で、40枚となる。束ねられる医用画像の総数と束ねられた医用画像の総数とに基づいて、束ねられる医用画像が特定される。第2のルールは、後述する第2画像群に含まれる医用画像の総数を一定値に固定するときなどに使用される。なお、画像群発生部9は、対応表記憶部4に記憶された第3のルールに従って束ねられる医用画像を特定してもよい。第3のルールは、所見画像からの距離に応じて設定された第1スライス厚より厚い複数のスライス厚と第1スライス厚とに基づいて、束ねられる医用画像を特定するルールである。第1乃至第3のルールは、適宜組み合わせることも可能である。また、第1乃至第3のルールは、入力部5を介した読影医等の指示に従って、選択されてもよい。なお、第2画像群に属する医用画像の総数は、第1画像群に属する医用画像の総数より少なく設定される。
【0025】
画像群発生部9は、特定された医用画像を束ねることにより、第1スライス厚より厚いスライス厚を有する医用画像を発生する。以下、説明を簡単にするため、画像群発生部9は、第1のルールに従って、第2スライス厚を有する医用画像(以下第2スライス厚画像と呼ぶ)を発生するものとする。なお、画像群発生部9は、第1の関連の薄い画像と入力部5を介して読影医等により入力された第2スライス厚とに基づいて、第2スライス厚画像を発生してもよい。また、画像群発生部9は、第2および第3のルールに従って、所見画像からの距離に応じて厚みの異なるスライス厚と第1の関連の薄い画像とに基づいて、第1スライス厚より厚い医用画像を発生してもよい。
【0026】
具体的には、画像群発生部9は、まず、束ねられる医用画像の枚数(以下、束ねる枚数と呼ぶ)を決定する。画像群発生部9は、束ねる枚数と束ねられる医用画像の濃淡とを用いて、平均処理を実行する。平均処理は、例えば、束ねられる医用画像における各画素からスライス方向に沿った複数の画素の画素値に対する加算平均などである。なお、画素値の替わりにCT値などを用いてもよい。なお、範囲外スライスにおけるスライス厚が所見画像からスライス方向に沿った距離に応じて厚くなる場合、画像群発生部9は、複数のスライス厚それぞれに含まれる束ねる枚数を、複数のスライス厚それぞれに対して決定する。画像群発生部9は、決定された束ねる枚数と束ねられる医用画像の濃淡に対して、平均処理を実行する。
【0027】
画像群発生部9は、画像記憶部3に記憶された所見画像と所見周辺画像と発生された第2スライス厚画像とから構成される第2画像群を発生する。画像群発生部9は、発生された第2画像群を画像記憶部3に記憶させる。画像群発生部9は、第2画像群に含まれる医用画像に対して、スライス方向に沿った並び順を決定する。以下、画像群発生部9で決定される並び順の具体例を説明する。画像群発生部9は、所見画像と所見周辺画像との画像番号に対して、第1画像群における所見画像と所見周辺画像との画像番号を使用する。画像群発生部9は、第2スライス厚画像の発生に寄与した第1の関連の薄い画像(以下寄与画像と呼ぶ)の画像番号のうち最も小さい画像番号を、発生された第2スライス厚画像の画像番号として決定する。なお、画像群発生部9は、寄与画像の画像番号のうち最も大きい画像番号を、この第2スライス厚画像の画像番号として決定してもよい。
【0028】
画像群発生部9は、所見画像と所見周辺画像と第2スライス厚画像とを画像番号順に並べることで、所見画像と所見周辺画像と第2スライス厚画像とに対するスライス方向に沿った並び順を決定する。画像群発生部9は、第2画像群に対して新たなシリーズ番号を付与する。画像群発生部9は、第2画像群とこの第2画像群に含まれる画像の並び順とを画像記憶部3に記憶させる。
【0029】
なお、画像群発生部9は、第1画像群における第1の関連の薄い画像を、対応表記憶部4に記憶された間引き間隔に従って、間引いてもよい。この間引き後、画像群発生部9は、間引かれた後に残った医用画像と所見画像と所見周辺画像とからなる間引き第2画像群を発生する。画像群発生部9は、間引き第2画像群に含まれる医用画像にスライス方向に沿った画像番号を付与する。画像群発生部9は、間引かれた後に残った医用画像と所見画像と所見周辺画像とを画像番号順に並べることで、間引かれた後に残った医用画像と所見画像と所見周辺画像とに対するスライス方向に沿った並び順を決定する。画像群発生部9は、間引き第2画像群に対して新たなシリーズ番号を付与する。画像群発生部9は、間引き第2画像群とこの間引き第2画像群に含まれる医用画像の並び順とを画像記憶部3に記憶させる。
【0030】
なお、画像群発生部9は、医用画像保管装置102または医用画像撮影装置101から、入力部5を介した読影医等の指示に従って医用画像を取り込み、上記処理を実行してもよい。画像群発生部9は、第2画像群または間引き第2画像群が画像記憶部3に記憶されるとき、第1画像群に含まれる医用画像を画像記憶部3から削除してもよい。この時画像群発生部9は、第1画像群が有するシリーズ番号を第2画像群または間引き第2画像群に付与してもよい。
【0031】
表示部11は、画像記憶部3から読み出された第1画像群と第2画像群とのうち少なくとも一方に含まれる医用画像を表示画面に表示する。なお、表示部11は、複数の表示画面を有していてもよい。
【0032】
(動作)
次に、本医用画像表示装置104において、図3に示すフローチャートを参照しながら、所見画像と所見周辺画像と第2スライス厚画像とからなる第2画像群を発生させる動作について説明する。
【0033】
入力部5を介した読影医等の指示に従って、第1画像群に含まれる特定の医用画像に対して、アノテーションなどの所見情報が入力される(ステップSa1)。なお、ステップSa1は、入力部5を介した読影医等の指示に従って、第1画像群に含まれる特定の医用画像に対する医用レポートを作成させる処理でもよい。入力された所見情報または作成された医用レポートに基づいて、被検体の病症が決定される。決定された病症と対応表記憶部4に記憶された対応表とに基づいて、決定された病症に関連付けられている拡大範囲が特定される(ステップSa2)。
【0034】
図4は、病症と拡大範囲との対応表の一例を示す図である。図4における対応表は、所見情報が入力された医用画像または医用レポート作成時に参照された画像である所見画像を中心として、病症Aが拡大する可能性のある範囲(拡大範囲)が8cm、病症Bが拡大する可能性のある範囲(拡大範囲)が3cmであることを示している。
【0035】
特定された拡大範囲と所見画像とに基づいて、第1画像群に含まれる複数のスライスのうち、範囲外スライスが特定される(ステップSa3)。図5は、図4の対応表における症例Bに関する所見画像を、病症Bが拡大する可能性のある範囲(図5中の3cm)とともに示す図である。なお、拡大範囲は、入力部5を介して読影医等により適宜変更可能である。
【0036】
特定された範囲外スライスに関する医用画像のうち、第1スライス厚より厚いスライス厚で束ねられる医用画像が、第1のルール乃至第3のルールに従って特定される(ステップSa4)。図6は、ひとつのシリーズに含まれる複数の医用画像のうち、所見画像を、所見周辺画像(図6中の病症が拡大する可能性のある範囲に位置する医用画像に対応)のスライスと第1の関連の薄い画像(図6中の拡大範囲外に含まれる医用画像に対応)のスライスとともに示す図である。例えば、第1スライス厚を3mm、拡大範囲を3cmとすると、所見画像を中心としてスライス方向に沿った3cm÷3mm=10枚の医用画像は、第2スライス厚画像の発生には使用されない。なお、第1の関連の薄い画像が対応表記憶部3に記憶された間引き間隔に従って第1画像群から間引かれる処理は、上記ステップSa3の処理後に実行される。
【0037】
特定された医用画像により、束ねる枚数が特定される。例えば、第1画像群に属する医用画像の第1スライス厚が3mm、第2スライス厚が9mmの場合、束ねる枚数は3枚である。なお、第1画像群に属する医用画像の総数と予め設定された第2画像群における医用画像の総数とに基づいて、束ねる枚数が特定されてもよい(第2のルール)。なお、所見画像からスライス方向に沿った距離に応じて厚くなるスライス厚に基づいて(第3のルール)、複数のスライス厚それぞれに対する束ねる枚数が、それぞれ特定されてもよい。特定された医用画像を束ねることにより、第1スライス厚より厚いスライス厚を有する医用画像が発生される。具体的には、束ねる枚数と束ねられる医用画像の濃淡に対して、平均処理が実行される。平均処理により第1スライス厚より厚い第2スライス厚を有する第2スライス厚画像が発生される(ステップSa5)。なお、第1スライスより厚い複数のスライス厚それぞれに対応して束ねる枚数が決定された場合、決定された束ねる枚数と特定された第1の関連の薄い画像に対して、平均処理が実行される。実行された平均処理に基づいて、第1のスライス厚より厚い複数のスライス厚それぞれに対応する医用画像が発生される。
【0038】
所見画像と所見周辺画像と第2スライス厚画像とからなる第2画像群が発生される(ステップSa6)。なお、第1スライス厚より厚い複数のスライス厚が設定された場合、複数のスライス厚それぞれに対応する医用画像と所見画像と所見周辺画像とからなる第2画像群が発生される。また、第1画像群から第1の関連の薄い画像を間引き間隔に従って間引かれる場合、間引かれた後に残った医用画像と所見画像と所見周辺画像とからなる間引き第2画像群が発生されてもよい。
【0039】
第2画像群に含まれる複数の医用画像の並び順が決定される(ステップSa7)。図7は、第1画像群と第1のルールとに基づいて発生された第2画像群の一例を示す図である。例えば、図7における第2スライス厚は、第1スライス厚2枚分の厚みを有する。図8は、第1画像群と第3のルールとに基づいて発生された図7とは異なる第2画像群の一例を示す図である。図8と図7との相違は、図7における第2スライス厚は一定であるのに対し、図8における第1スライス厚より厚いスライス厚は所見画像からの距離に応じて厚みが変わることである。
【0040】
第2画像群は、決定された並び順とともに画像記憶部3に記憶される。なお、第2画像群または間引き第2画像群が決定された並び順とともに画像記憶部3に記憶されるとき、画像記憶部3に記憶された第1画像群は、削除されてもよい。図9は、第1画像群に含まれる第1の関連の薄い画像におけるスライス厚に関するタグ情報と、第2画像群に含まれる第2スライス厚画像におけるスライス厚に関するタグ情報との一例を示す図である。図9の第2スライス厚画像における厚みに関するタグ情報(3mm)は、第1画像群における第1の関連の薄い画像に関するスライス厚のタグ情報(厚さ1mm)とは異なる。
【0041】
(第1の変形例)
第1の実施形態との相違は、第1の実施形態で発生された第2画像群に基づいて、第1画像群が撮影された時刻と異なる第3画像群から、第3画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、スライス厚の異なる画像を有する第4画像群を発生させる点である。
【0042】
第1の変形例に係る医用画像表示装置の構成は、第1の実施形態と同様である。
以下、第1の変形例と第1の実施形態との構成要素において、異なる動作を行う構成要素ついて説明する。また、説明を簡便にするため、第2画像群に含まれる複数の医用画像は、所見画像と所見周辺画像と第2スライス厚画像とから構成されるものとする。なお、第2画像群に含まれる複数の医用画像は、所見画像と所見周辺画像と第1スライス厚より厚い複数のスライス厚を有する医用画像とから構成されてもよい。また、第2画像群の替わりに間引き第2画像群であってもよい。
【0043】
画像記憶部3は、第1画像群における医用画像の撮影時刻と異なる第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第3画像群を記憶する。具体的には、第3画像群は、第1画像群における被検体と同じ被検体、第1画像群における撮影範囲と同じ撮影範囲、第1画像群における撮影方法と同じ撮影方法で、医用画像撮影装置101により取得された第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる。画像記憶部3は、第2画像群に含まれる所見画像に対応するスライス(以下、所見スライスと呼ぶ)と、第2画像群に含まれる所見周辺画像に対応するスライス(以下、所見周辺スライスと呼ぶ)と、第1画像群における範囲外スライスとを記憶する。これらのスライスは、被検体に対する医用画像の位置を示す。なお、これらスライスは、DICOM規格の医用画像の付帯情報であってもよい。
【0044】
画像群発生部9は、所見スライスと同じスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像を特定する。なお、所見スライスと同じスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像が存在しない場合、画像群発生部9は、所見スライスに最も近いスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像を特定してもよい。以下、所見スライスと同じもしくは最も近いスライスに関する特定された医用画像を、同一所見画像と呼ぶ。画像群発生部9は、所見周辺スライスと同じスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像を特定する。なお、所見周辺スライスと同じスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像が存在しない場合、画像群発生部9は、所見周辺スライスに最も近いスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像を特定してもよい。以下、所見周辺スライスと同じもしくは最も近いスライスに関する特定された医用画像を、同一所見周辺画像と呼ぶ。画像群発生部9は、第1画像群における範囲外スライスと同じスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像を特定する。なお、第1画像群における範囲外スライスと同じスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像が存在しない場合、画像群発生部9は、第1画像群における範囲外スライスに最も近いスライスに関する第3画像群に含まれる医用画像を特定してもよい。以下、第1画像群における範囲外スライスと同じもしくは最も近いスライスに関する特定された医用画像を、第2の関連の薄い画像と呼ぶ。
【0045】
画像群発生部9は、第3画像群の範囲外スライスに関する第2の関連の薄い画像のうち、スライス方向に沿って束ねられる医用画像を特定する。具体的には、画像群発生部9は、第2画像群に属する第2スライス厚画像の発生に寄与した第1の関連の薄い画像に対応した複数のスライスおよびその枚数(束ねる枚数)を特定する。画像群発生部9は、特定された複数のスライスそれぞれに対応した第2の関連の薄い画像(束ねられる医用画像)を特定する。画像群発生部9は、束ねられる医用画像を束ねる枚数で束ねることにより、第2画像群の第2スライス厚画像の第2スライス厚と同じスライス厚を有する医用画像(以下同一第2スライス厚画像と呼ぶ)を発生する。
【0046】
具体的には、画像群発生部9は、特定された束ねられる医用画像と束ねる枚数とを用いて、平均処理を実行する。画像群発生部9は、第2画像群の第2スライス厚画像を発生させた平均処理と同じ処理を実行する。なお、範囲外スライスにおけるスライス厚が所見画像からスライス方向に沿った距離に応じて厚くなる場合、画像群発生部9は、複数のスライス厚それぞれに対する束ねる枚数を、複数のスライス厚それぞれに対して決定する。画像群発生部9は、特定された束ねる枚数と束ねられる医用画像とを用いて、平均処理を実行する。画像群発生部9は、同一所見画像と同一所見周辺画像と同一第2スライス厚画像とから構成される第4画像群を発生する。画像群発生部9は、発生された第4画像群を画像記憶部3に記憶させる。
【0047】
画像群発生部9は、第4画像群に含まれる画像に対して、スライス方向に沿った並び順を、第2画像群と対応付けて決定する。具体的には、画像群発生部9は、第2画像群の所見画像と第4画像群の同一所見画像、第2画像群の所見周辺画像と第4画像群の同一所見周辺画像、第2画像群の第2スライス厚画像と第4画像群の同一第2スライス厚画像について、それぞれ対応つけて並び順を決定する。画像群発生部9は、第4画像群とこの第4画像群に含まれる医用画像の並び順とを画像記憶部3に記憶させる。なお、画像群発生部9は、医用画像撮影装置101または医用画像保管装置102から、入力部5を介した読影医等の指示に従って医用画像を取り込み、上記処理を実行してもよい。
【0048】
(動作)
次に、医用画像表示装置104において、図10に示すフローチャートを参照しながら、第1の実施形態で発生された第2画像群とに基づいて、第1画像群が撮影された時刻と異なる第3画像群から、第3画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、スライス厚の異なる画像を有する第4画像群を発生させる動作について説明する。
【0049】
画像記憶部3に記憶された第3画像群と、所見スライスと、所見周辺スライスと、第1画像群における範囲外スライスとが、画像記憶部3から読み出される(ステップSb1)。所見スライスと同じスライスに関する第3画像群の医用画像(同一所見画像)が特定される(ステップSb2)。第2画像群に含まれる所見周辺スライスと同じスライスに関する第3画像群の医用画像(同一所見周辺画像)が特定される(ステップSb3)。第3画像群に含まれる複数のスライスのうち、所見スライスと所見周辺スライスとに基づいて、範囲外スライスが特定される(ステップSb4)。特定された範囲外スライスに関する医用画像のうち、第1乃至第3のルールに基づいて、スライス方向に沿って束ねられる医用画像が特定される(ステップSa4)。特定された医用画像を束ねることにより、第2スライス厚を有する同一第2スライス厚画像が発生される(ステップSa5)。同一所見画像と同一所見周辺画像と同一第2スライス厚画像とからなる第4画像群が発生される(ステップSb7)。
【0050】
第2画像群における画像の並び順が、画像記憶部3から読み出される(ステップSb8)。発生された第4画像群に含まれるスライス方向に沿った画像の並び順が、所見画像と同一所見画像、所見周辺画像と同一所見画像、および第2スライス厚画像と同一第2スライス厚画像とをそれぞれ対応付けることで決定される(ステップSb9)。第4画像群は、決定された並び順とともに画像記憶部3に記憶される(ステップSb10)。なお、第4画像群が画像記憶部3に決定された並び順とともに記憶されるとき、画像記憶部3に記憶された第3画像群は、削除されてもよい。
【0051】
第1の実施形態及び第1の変形例の効果をまとめると以下の通りである。
本医用画像表示装置104によれば、第1画像群の所見画像に基づく病症の決定と、病症と拡大範囲との対応表と、第1スライス厚を有する医用画像からなる第1画像群と第1乃至第3のルールとに基づいて、第1スライス厚より厚い第2スライス厚を有する第2スライス厚画像が発生される。発生された第2スライス厚画像と所見画像と所見周辺画像とからなる第2画像群が発生される。発生された第2画像群に含まれる医用画像の総数は、第1画像群に含まれる医用画像の総数に比べて減少させることができる。これにより、読影医等が再度第1画像群の所見画像を表示させるとき、第2画像群を使用することで、シリーズ全体の画像の構成を把握でき、かつ画像めくりの操作を減らすことが可能となる。従って、読影医等にとって、作業負担が減少し、読影効率が向上する。なお、第2画像群が並び順とともに画像記憶部3に記憶されるとき、画像記憶部3に記憶された第1画像群が削除されると、画像記憶部3における記憶容量の節約が可能となる。
【0052】
加えて、本医用画像表示装置104によれば、撮影時刻が異なる第3画像群に対して、第2画像群と同様な処理を実行させることで、第4画像群を発生させることができる。これにより、同じ被検体、同じ撮影範囲、同じ撮影条件を有する医用画像に対して再度所見画像と所見周辺画像と第2スライス厚などの設定を再度実行する必要がなくなる。結果として、入力部5を介した読影医等の作業負担が減少する。さらに、読影医等にとって、被検体の病症の経時変化に対する詳細な観察が可能となり、病症経過の読影効率が向上する。なお、第4画像群が並び順とともに画像記憶部3に記憶されるとき、画像記憶部3に記憶された第3画像群が削除されると、画像記憶部3における記憶容量の節約が可能となる。
【0053】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して、第2の実施形態を説明する。
第1の実施形態との相違は、第1画像群と同じ被検体に関する第1スライス厚より厚い第2スライス厚を有する複数の医用画像のデータと、第1画像群とに基づいて、第1スライス厚を有する画像と第2スライス厚を有する画像とからなる複数の医用画像のデータを発生することである。
【0054】
以下、第2の実施形態と第1の実施形態との構成要素において、異なる動作を行う構成要素について説明する。
【0055】
画像記憶部3は、第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータ(第1画像群)と第1スライス厚より厚い第2スライス厚を有する複数の医用画像のデータ(以下、第2画像群と呼ぶが、第1の実施形態における第2画像群とは関係がない)とを記憶する。例えば、第1画像群と第2画像群とは、被検体に関する一つの検査における医用画像撮影装置101の画像再構成により発生される。なお、画像記憶部3は、第1スライス厚より厚い複数のスライス厚それぞれから構成される複数の画像群を記憶してもよい。第2画像群に含まれる医用画像の総数は、第1画像群に含まれる医用画像の総数より少ない。なお、第1画像群と第2画像群とは、インターフェース部1を介して、医用画像撮影装置101から取得してもよい。
【0056】
制御部7は、入力部5を介して入力された所見情報などのアノテーションを、読影医等により選択された第1画像群の特定の医用画像(所見画像)に付加する。なお、制御部7は、入力部5を介した読影医等の指示に従って、第1画像群に含まれる所見画像に関する医用レポートを作成してもよい。制御部7は、入力された所見情報または作成された医用レポートに基づいて、被検体の病症を決定する。なお、被検体の病症は、入力部5を介した読影医等の指示により決定されてもよい。
【0057】
画像群発生部9は、第1画像群に含まれる複数の医用画像から、所見画像を特定する。画像群発生部9は、対応表記憶部4に記憶された病症と拡大範囲との対応表と、決定された病症とに基づいて、所見画像を基準としてスライス方向に沿った拡大範囲を特定する。画像群発生部9は、特定された拡大範囲と対応表記憶部4に記憶された第1スライス厚とに基づいて、特定された拡大範囲に含まれる医用画像(所見周辺画像)を特定する。なお、第1スライス厚は、所見画像を有するシリーズに関するDICOM規格の付帯情報から読み出してもよい。画像群発生部9は、所見画像と特定された拡大範囲とに基づいて、第2画像群に含まれる複数のスライスのうち、拡大範囲の外に位置する範囲外スライスを特定する。画像群発生部9は、第2画像群から範囲外スライスに関する医用画像(以下、抽出画像と呼ぶ)を抽出する。
【0058】
画像群発生部9は、特定された第1画像群の所見画像および所見周辺画像と、抽出画像とからなる第3画像群(第1の変形例における第3画像群とは関係がない)を発生する。画像群発生部9は、発生された第3画像群を画像記憶部3に記憶させる。なお、画像群発生部9は、所見画像からスライス方向に沿った距離に応じてスライス厚が厚くなるように、複数の画像群から範囲外スライスに関する医用画像を抽出してもよい。このとき、画像群発生部9は、所見画像と所見周辺画像と、所見画像からスライス方向に沿った距離に応じてスライス厚が厚くなる複数の医用画像とからなる第3画像群を発生させることも可能である。
【0059】
画像群発生部9は、第3画像群に含まれる複数の医用画像に対して、スライス方向に沿った並び順を決定する。具体的には、画像群発生部9は、第1画像群における所見画像の画像番号と所見周辺画像の画像番号とを、第3画像群における所見画像の画像番号と所見周辺画像の画像番号としてそれぞれ決定する。画像群発生部9は、第2画像群から抽出された抽出画像の画像番号を、スライス方向に沿った番号に変更する。画像群発生部9は、所見画像と所見周辺画像と抽出画像とを画像番号順に並べることで、所見画像と所見周辺画像と抽出画像とに対するスライス方向に沿った並び順を決定する。画像群発生部9は、第3画像群とこの第3画像群に含まれる画像の並び順とを画像記憶部3に記憶させる。なお、画像群発生部9は、第3画像群と第3画像群の画像の並び順とが画像記憶部3に記憶されるとき、画像記憶部3に記憶された第1画像群と第2画像群とを削除してもよい。また、画像群発生部9は、医用画像撮影装置101または医用画像保管装置102から、入力部5を介した読影医等の指示に従って医用画像を取り込み、上記処理を実行してもよい。
【0060】
(動作)
次に、本医用画像表示装置104において、図11に示すフローチャートを参照しながら、第1画像群と同じ被検体に関する第1スライス厚より厚い第2スライス厚を有する複数の医用画像のデータ(第2画像群)と、第1画像群とに基づいて、第1スライス厚を有する画像と第2スライス厚を有する画像とからなる複数の医用画像のデータ(第3画像群)を発生させる動作について説明する。
【0061】
図11におけるステップSa1乃至ステップSa2については、図3の第1の実施形態におけるフローチャートと同じ処理であるので省略する。ステップSa2の後、所見画像と特定された拡大範囲とに基づいて、第2画像群における範囲外スライスが特定される(ステップSc3)。第2画像群から、範囲外スライスに関する医用画像(抽出画像)が抽出される。(ステップSc4)。所見画像と所見周辺画像と抽出画像とからなる第3画像群が発生される(ステップSc5)。発生された第3画像群に含まれる複数の医用画像に関して、スライス方向に沿った画像の並び順が決定される(ステップSc6)。第3画像群に含まれる医用画像と、決定された並び順とが対応づけられて、画像記憶部3に記憶される(ステップSc7)。なお、第3画像群が画像記憶部3に決定された並び順とともに記憶されるとき、画像記憶部3に記憶された第1画像群および第2画像群は、削除されてもよい。
【0062】
図12は、第3画像群に含まれる複数の医用画像のスライスを、第1画像群に含まれる第1スライス厚の複数の医用画像のスライスと第2画像群に含まれる第2スライス厚の複数の医用画像のスライスとともに示す図である。図12におけるAの範囲(拡大範囲)に属する医用画像は、第1画像群における所見画像と所見周辺画像とを示している。図12におけるBおよびCの範囲に属する医用画像は、第2画像群における抽出画像を示している。
【0063】
第2の実施形態の効果をまとめると以下の通りである。
本医用画像表示装置104によれば、第1スライス厚を有する複数の医用画像からなる第1画像群から所見画像と所見周辺画像とを特定する。第1スライス厚より厚い第2スライス厚を有する複数の医用画像からなる第2画像群から、範囲外スライスに関する医用画像が抽出される。第1スライス厚を有する所見画像および所見周辺画像と第2画像群から抽出された医用画像とからなる第3画像群が発生される。これにより、読影医等が再度第1画像群の所見画像を表示させるとき、第3画像群を使用することで、画像めくりの操作の回数を減らすことが可能となる。従って、読影医等の作業負担が減少し、読影効率が向上する。なお、第3画像群が画像記憶部3に決定された並び順とともに記憶されるとき、画像記憶部3に記憶された第1画像群および第2画像群が削除されると、画像記憶部3における記憶容量の節約が可能となる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1…インターフェース部、3…画像記憶部、4…対応表記憶部、5…入力部、7…制御部、9…画像群発生部、11…表示部、101…医用画像撮影装置、102…医用画像保管装置、104…医用画像表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に関する第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第1画像群を記憶する画像記憶部と、
前記第1画像群から第2画像群を発生する画像群発生部と、
前記第2画像群に含まれる医用画像を表示する表示部とを具備し、
前記第2画像群は、前記第1画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、前記第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と前記第1スライス厚よりも厚い第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とを含むこと、
を特徴とする医用画像表示装置。
【請求項2】
前記第1画像群に含まれる医用画像に関する病症と前記病症が拡大する可能性のある範囲とを対応付けた対応表を記憶する対応表記憶部をさらに具備し、
前記第2画像群は、前記対応表上における前記病症に対応付けられている前記範囲に含まれるスライスに関する第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と、前記範囲の外に含まれるスライスに関する前記第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とからなること、
を特徴とする請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記画像記憶部は、前記病症と関連付けて前記第2画像群を記憶すること、
を特徴とする請求項2記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
前記画像記憶部は、前記第1画像群に含まれる医用画像の撮影時刻と異なる前記第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第3画像群をさらに記憶し、
前記画像群発生部は、前記第3画像群から第4画像群を発生し、
前記表示部は、前記第4画像群に含まれる医用画像を表示し、
前記第4画像群は、前記第3画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、前記第2画像群における前記第1スライス厚を有する医用画像に対応するスライスに関する前記第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と、前記第2画像群における前記第2スライス厚を有する医用画像に対応するスライスに関する前記第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とを含むこと、
を特徴とする請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
被検体に関する第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第1画像群と、前記被検体に関する前記第1スライス厚より厚い第2スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第2画像群とを記憶する画像記憶部と、
前記第1画像群と前記第2画像群とから第3画像群を発生する画像群発生部と、
前記第3画像群に含まれる医用画像を表示する表示部とを具備し、
前記第3画像群は、前記第1画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、前記第1画像群における前記第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と前記第2画像群における前記第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とを含むこと、
を特徴とする医用画像表示装置。
【請求項6】
前記第1画像群に含まれる医用画像に関する病症と、前記病症が拡大する可能性のある範囲とを対応付けた対応表を記憶する対応表記憶部をさらに具備し、
前記第3画像群は、前記対応表上における前記病症に対応付けられている前記範囲に含まれるスライスに関する前記第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と、前記範囲外に含まれるスライスに関する前記第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とからなること、
を特徴とする請求項5記載の医用画像表示装置。
【請求項7】
被検体に関する第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第1画像群に基づいて、第2画像群を発生する画像群発生部と、
前記発生された第2画像群を記憶する画像記憶部と、
前記第2画像群に含まれる医用画像を表示する表示部とを具備し、
前記第2画像群は、前記第1画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、前記第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と前記第1スライス厚よりも厚い第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とを含むこと、
を特徴とする医用画像表示装置。
【請求項1】
被検体に関する第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第1画像群を記憶する画像記憶部と、
前記第1画像群から第2画像群を発生する画像群発生部と、
前記第2画像群に含まれる医用画像を表示する表示部とを具備し、
前記第2画像群は、前記第1画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、前記第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と前記第1スライス厚よりも厚い第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とを含むこと、
を特徴とする医用画像表示装置。
【請求項2】
前記第1画像群に含まれる医用画像に関する病症と前記病症が拡大する可能性のある範囲とを対応付けた対応表を記憶する対応表記憶部をさらに具備し、
前記第2画像群は、前記対応表上における前記病症に対応付けられている前記範囲に含まれるスライスに関する第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と、前記範囲の外に含まれるスライスに関する前記第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とからなること、
を特徴とする請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記画像記憶部は、前記病症と関連付けて前記第2画像群を記憶すること、
を特徴とする請求項2記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
前記画像記憶部は、前記第1画像群に含まれる医用画像の撮影時刻と異なる前記第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第3画像群をさらに記憶し、
前記画像群発生部は、前記第3画像群から第4画像群を発生し、
前記表示部は、前記第4画像群に含まれる医用画像を表示し、
前記第4画像群は、前記第3画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、前記第2画像群における前記第1スライス厚を有する医用画像に対応するスライスに関する前記第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と、前記第2画像群における前記第2スライス厚を有する医用画像に対応するスライスに関する前記第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とを含むこと、
を特徴とする請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
被検体に関する第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第1画像群と、前記被検体に関する前記第1スライス厚より厚い第2スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第2画像群とを記憶する画像記憶部と、
前記第1画像群と前記第2画像群とから第3画像群を発生する画像群発生部と、
前記第3画像群に含まれる医用画像を表示する表示部とを具備し、
前記第3画像群は、前記第1画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、前記第1画像群における前記第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と前記第2画像群における前記第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とを含むこと、
を特徴とする医用画像表示装置。
【請求項6】
前記第1画像群に含まれる医用画像に関する病症と、前記病症が拡大する可能性のある範囲とを対応付けた対応表を記憶する対応表記憶部をさらに具備し、
前記第3画像群は、前記対応表上における前記病症に対応付けられている前記範囲に含まれるスライスに関する前記第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と、前記範囲外に含まれるスライスに関する前記第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とからなること、
を特徴とする請求項5記載の医用画像表示装置。
【請求項7】
被検体に関する第1スライス厚を有する複数の医用画像のデータからなる第1画像群に基づいて、第2画像群を発生する画像群発生部と、
前記発生された第2画像群を記憶する画像記憶部と、
前記第2画像群に含まれる医用画像を表示する表示部とを具備し、
前記第2画像群は、前記第1画像群よりも少ない枚数の医用画像からなり、前記第1スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像と前記第1スライス厚よりも厚い第2スライス厚を有する少なくとも1枚の医用画像とを含むこと、
を特徴とする医用画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−40044(P2012−40044A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181052(P2010−181052)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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