説明

医用画像診断装置、医用画像保管装置及び医用画像保管通信システム

【課題】効率良く画像データの転送および保存を行う。
【解決手段】送信部1bは、画像データ記憶部1aに記憶された画像データを読み出し、読み出した画像データの管理部に画像データの総サイズをセットする。送信部1bは、画像データの総サイズがセットされた管理部のデータを医用画像保管装置に送信する。送信部1bは、管理部のデータの送信後に医用画像保管装置からエラーが返ってこなかった場合(つまり、医用画像保管装置で空き領域を確保することができた場合)、画像データ記憶部1aから画像データを読み出し、医用画像保管装置に転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像診断装置、医用画像保管装置及び医用画像保管通信システムに関し、特に、効率良く画像データの転送および保存を行う医用画像診断装置、医用画像保管装置及び医用画像保管通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT(Computed Topography)装置では、X線検出器から出力されたX線減衰信号の集合である生データを生成し、この生データに対して再構成処理を行ってX線CT画像を作成する。
【0003】
従来、1回の撮影で生成された生データ全体をX線CT装置内部に長期保存したり、保存媒体に保存したり、あるいは、CT生データ保管装置に転送し、そこに保存したりしていた。
【0004】
例えば、特許文献1には、画像データの保存期間の短縮化に関する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−296609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、CT生データ保管装置への転送(通信)には、DICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)標準規格に従うDICOM Raw Data Storageが用いられ、このフォーマットおよびプロトコルに従って生データの通信を行っている。
【0007】
近年、X線CT装置の検出器は、320列などの多列検出器が出回り、1回の撮影で生成される生データのデータ容量は、数GB乃至数百GBである。
【0008】
しかしながら、DICOMのデータフォーマットでは、送信できるデータサイズが最大4GBである。そのため、数GB乃至数百GBある生データを送信する場合には、4GBずつデータが分割されて送信される。
【0009】
例えば、9GBの生データを送信する場合、4GBの生データ、4GBの生データ、1GBの生データに分割されて送信されるが、受信側では、どれだけのサイズのデータが送信されてくるのかがわからない。つまり、最後の1GBの生データを受信して初めて生データが9GBであることを知ることができる。
【0010】
これでは、適切な保管媒体(空き領域)を確保することができないだけでなく、途中まで受信したのにも関わらず、保管媒体に空き領域が無い状態になる恐れがあった。
【0011】
また、このような場合、送信元であるX線CT装置にエラーが戻されるが、X線CT装置が再び同じデータを送信しても、やはり保管媒体に空き領域が無く、エラーが発生する課題があった。
【0012】
そもそもデータサイズが巨大であるため、送信に時間がかかるだけでなく、受信側の保管媒体の空き領域を確保することができていない状態で、再送を繰り返し、頻繁にエラーを引き起こしてしまうと、本来の撮影業務や読影業務に支障をきたしてしまう課題があった。
【0013】
さらに、無駄な生データの転送(エラーになるデータ転送)は、ネットワーク資源の無駄遣いであり、他のネットワークシステムのスループットにも大きな遅延を及ぼしかねない。
【0014】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率良く画像データの転送および保存を行う医用画像診断装置、医用画像保管装置及び医用画像保管通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1記載の発明の特徴は、医用画像保管装置とネットワークを介して接続される医用画像診断装置において、画像データを記憶する記憶手段と、画像データの管理部に画像データの総サイズをセットし、医用画像保管装置に送信する送信手段とを備える。
【0016】
請求項3記載の発明の特徴は、医用画像診断装置とネットワークを介して接続される医用画像保管装置において、医用画像診断装置から送信されてくる画像データの管理部のデータを受信する受信手段と、受信手段により受信された管理部のデータにセットされている、画像データの総サイズに基づいて、データ保管手段に空き領域があるか否かを判断し、空き領域がある場合に、データ保管手段を保存先に決定する保存先決定手段とを備える。
【0017】
請求項7記載の発明の特徴は、ネットワークを介して医用画像診断装置と医用画像保管装置が接続される医用画像保管通信システムにおいて、医用画像診断装置が、画像データを記憶する記憶手段と、画像データの管理部に画像データの総サイズをセットし、医用画像保管装置に送信する送信手段とを備え、医用画像保管装置が、医用画像診断装置から送信されてくる画像データの管理部のデータを受信する受信手段と、受信手段により受信された管理のデータにセットされている画像データの総サイズに基づいて、データ保管手段に空き領域があるか否かを判断し、空き領域がある場合に、データ保管手段を保存先に決定する保存先決定手段とを備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画像データの総サイズを先に送信することで、効率良く画像データの転送および保存を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用した医用画像保管通信システムの構成例を示す図である。
【図2】DICOM標準規格で定義されるデータの例を示す図である。
【図3】医用画像診断装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図4】医用画像保管装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図5】医用画像診断装置が実行する送信処理を説明するフローチャートである。
【図6】医用画像保管装置が実行する保存先決定処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明を適用した医用画像保管通信システムの構成例を示す図である。
【0022】
図1に示す医用画像保管通信システムは、医用画像診断装置1と医用画像保管装置2−1,2−2がネットワーク3を介して接続されることによって構成される。
【0023】
医用画像診断装置1は、病院などの医療施設に設置される装置であり、X線CT(Computed Tomography)装置またはMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置などで構成される。
【0024】
医用画像診断装置1は、操作者による指示に応じて被検者を撮影し、撮影で得られた画像データを記憶するとともに、逐次、その画像データを、ネットワーク3を介して医用画像保管装置2−1,2−2に転送する。画像データの転送に先立ち、医用画像診断装置1は、DICOM標準規格で定義されるプライベートタグ(各社が独自にデータをセットすることができるデータ部分)に画像データの総サイズをセットし(埋め込んで)、ネットワーク3を介して医用画像保管装置2−1,2−2に送信する。
【0025】
図2は、DICOM標準規格で定義されるデータの例を示す図である。
【0026】
図2に示すように、DICOM標準規格で定義されるデータは、管理部とデータ部(Raw Data)からなり、管理部は、さらに、管理情報とプライベートタグからなる。管理情報には、患者名、検査UID(Unique ID)、および検査日時などの付帯情報がセットされ、プライベートタグには、画像データの総サイズがセットされる。
【0027】
図1の説明に戻る。医用画像保管装置2−1,2−2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、およびHDD(Hard Disc Drive)などを実装したコンピュータシステムで構成される。医用画像保管装置2−1,2−2は、医用画像診断装置1からネットワーク3を介して送信されてくる画像データの総サイズを受信し、その総サイズに基づいて、画像データの保存先を決定する。
【0028】
医用画像保管装置2−1,2−2は、画像データを保存するのに十分な空き容量がないと判断した場合には、削除可能なデータを削除したり、あるいは、恒久保存媒体へ一時退避したりして空き領域を確保する。
【0029】
また医用画像保管装置2−1,2−2は、空き領域を確保できない場合、他の装置で空き領域があるか否かを判断し(すなわち、医用画像保管装置2−1で空き領域が確保できない場合には、医用画像保管装置2−2で空き領域があるか否かを判断し)、他の装置に空き領域がある場合には、他の装置を画像データの保存先に決定する。
【0030】
ネットワーク3は、公衆回線網、ローカルエリアネットワーク、またはインターネットなどのネットワーク、デジタル衛星放送といった、有線または無線のいずれのものでもよい。
【0031】
以下において、医用画像保管装置2−1,2−2を個々に区別する必要が無い場合、単に医用画像保管装置2と称する。なお、医用画像診断装置1の数は任意であり、図1に示されるように1つに限られるものではない。勿論、医用画像保管装置2−1,2−2の数も任意であり、図1に示されるように2つに限られるものではない。
【0032】
図3は、医用画像診断装置1の機能構成例を示すブロック図である。
【0033】
画像データ記憶部1aは、例えば、HDDからなり、医用画像診断装置1で撮影された画像データをDICOM標準規格に従って記憶する記憶手段として機能する。このDICOM標準規格に従って画像データを記憶させることによって、他の装置での利用が容易となり、情報の有効利用が可能となる。
【0034】
送信部1bは、画像データ記憶部1aに記憶された画像データを読み出し、図2に示したように、読み出した画像データの管理部に画像データの総サイズをセットする。送信部1bは、画像データの総サイズがセットされた管理部のデータを、ネットワーク3を介して医用画像保管装置2に送信する送信手段として機能する。
【0035】
また送信部1bは、管理部のデータの送信後に医用画像保管装置2−1からエラーが返ってこなかった場合(つまり、医用画像保管装置2で空き領域を確保することができた場合)、画像データ記憶部1aから画像データを読み出し、ネットワーク3を介して医用画像保管装置2に転送する。
【0036】
受信部1cは、ネットワーク3を介して医用画像保管装置2−1からエラーを受信した場合、エラーを表示制御部1dおよび制御部1eに通知する。
【0037】
表示制御部1dは、受信部1cからエラーが通知されたとき、例えば、「医用画像保管装置に画像データを保存するための空き領域がありません」といった内容のエラーメッセージを図示せぬモニタに表示させる。
【0038】
制御部1eは、画像データの転送に先立って画像データの管理部のデータを送信するように送信部1bを制御する。また制御部1eは、受信部1cからエラーが通知されたとき、画像データの転送を行わないように送信部1bを制御する。
【0039】
図4は、医用画像保管装置2の機能構成例を示すブロック図である。
【0040】
送受信制御部2aは、ネットワーク3を介して医用画像診断装置1から送信されてきた、画像データの管理部のデータを受信する受信手段として機能する。受信した画像データの管理部のデータは、保存先決定部2bに供給される。
【0041】
また送受信制御部2aは、ネットワーク3を介して医用画像診断装置1から転送されてきた画像データを受信し、受信した画像データを保存先決定部2bに供給する。さらに送受信制御部2aは、保存先決定部2bから供給されたエラーを表す情報を、ネットワーク3を介して医用画像診断装置1に送信する。
【0042】
保存先決定部2bは、送受信制御部2aから供給された、画像データの管理部のデータにセットされている、画像データの総サイズに基づいて、データ保管部2cの空き領域を確認し、画像データを保存するだけの空き領域があるか否かを判断する。保存先決定部2bは、データ保管部2cに空き領域があると判断した場合、データ保管部2cを保存先に決定する保存先決定手段として機能する。
【0043】
保存先決定部2bは、データ保管部2cに空き領域がないと判断した場合、削除・退避部2dにデータの削除または退避を行うように要求する。保存先決定部2bは、削除・退避部2dによって削除や退避が行われた結果、データ保管部2cに空き領域ができたと判断した場合、データ保管部2cを保存先に決定する。
【0044】
また保存先決定部2bは、削除・退避部2dによって削除や退避が行われてもデータ保管部2cに空き領域がないと判断した場合、送受信制御部2aおよびネットワーク3を介して、他の医用画像保管装置2に空き領域があるか否かを問い合わせる。保存先決定部2bは、問い合わせの結果、他の医用画像保管装置2に空き領域があると判断した場合、他の医用画像保管装置2を保存先に決定する。
【0045】
保存先決定部2bは、問い合わせの結果、他の医用画像保管装置2にも空き領域がないと判断した場合、すなわち、画像データを保存するための空き領域がどこにもなかった場合、エラーを表す情報を送受信制御部2aおよび表示制御部2fに供給する。
【0046】
データ保管部2cは、保存先決定部2bにより保存が指示された画像データを保管するデータ保管手段として機能する。
【0047】
削除・退避部2dは、保存先決定部2bの指示に基づいて、データ保管部2cに保管されている画像データのうち、削除可能なデータや所定期間アクセスされていないデータがあるか否かを判断し、削除可能なデータや所定期間アクセスされていないデータが存在した場合、そのデータを読み出して一時保存部2eに転送し、そこに保存(退避)させる削除退避手段として機能する。これによって、データ保管部2cに空き領域が確保される。
【0048】
一時保存部2eは、例えば、恒久保存媒体であって、削除・退避部2dにより保存が指示された画像データを保存する。
【0049】
表示制御部2fは、保存先決定部2bから供給されたエラーを表す情報に基づいて、例えば、「画像データを保存するための空き領域がありません」といった内容のエラーメッセージを図示せぬモニタに表示させる。
【0050】
次に、図5のフローチャートを参照して、医用画像診断装置1が実行する送信処理について説明する。
【0051】
ステップS1において、送信部1bは、画像データ記憶部1aに記憶された画像データを読み出し、図2に示したように、読み出した画像データの管理部に画像データの総サイズをセットする。
【0052】
ステップS2において、送信部1bは、ステップS1の処理で画像データの総サイズをセットした管理部のデータを、ネットワーク3を介して医用画像保管装置2−1に送信する。この管理部のデータを受信した医用画像保管装置2−1は、管理部のデータにセットされている画像データの総サイズに基づいて、画像データの保存先を決定する。
【0053】
ステップS3において、受信部1cは、ネットワーク3を介して医用画像保管装置2−1からエラーが通知されたか否かを判断し、エラーが通知されたと判断した場合、エラーを表示制御部1dおよび制御部1eに通知した後、ステップS4に進む。すなわち、ステップS2の処理で転送した画像データの総サイズに基づいて、画像データを保存するための空き領域が確認され、医用画像保管装置2−1、および他の医用画像保管装置2−2のいずれにも画像データを保存するための空き領域がない場合には、エラーが通知される。
【0054】
ステップS4において、表示制御部1dは、受信部1cから通知されたエラーに基づいて、例えば、「医用画像保管装置に画像データを保存するための空き領域がありません」といった内容のエラーメッセージを図示せぬモニタに表示させる。
【0055】
ステップS5において、制御部1eは、受信部1cから通知されたエラーに基づいて、画像データの転送を行わないように送信部1bを制御する。送信部1bは、制御部1eの制御の下、画像データの転送を中止する。
【0056】
ステップS3において、エラーが通知されていないと判断した場合、つまり、画像データを保存するための空き領域を確保できた場合、ステップS6に進み、送信部1bは、制御部1eの制御の下、画像データ記憶部1aから画像データを読み出し、ネットワーク3を介して医用画像保管装置2−1に転送する。
【0057】
このように、画像データの転送に先立って、画像データの総サイズをセットした管理部のデータを送信することにより、画像データを保存するための空き領域を確保させ、確実に、画像データを転送することができる。
【0058】
また、画像データを保存するための空き領域を確保することができなかった場合には、エラーメッセージを表示させるとともに画像データの転送を中止することで、操作者は、空き領域を確保するためのデータ整理を行うことができる。これにより、作業の効率化を図るとともに、無駄なデータ転送(エラーになるデータ転送)を無くし、ネットワークシステムのスループットも向上させることができる。
【0059】
次に、図6のフローチャートを参照して、医用画像保管装置2−1が実行する保存先決定処理について説明する。
【0060】
ステップS11において、送受信制御部2aは、ネットワーク3を介して医用画像診断装置1から送信されてきた、画像データの管理部のデータを受信し、受信した画像データの管理部のデータを保存先決定部2bに供給する。
【0061】
ステップS12において、保存先決定部2bは、送受信制御部2aから供給された、画像データの管理部のデータにセットされている、画像データの総サイズに基づいて、データ保管部2cの空き領域を確認する。
【0062】
ステップS13において、保存先決定部2bは、ステップS12の処理による確認の結果、データ保管部2cに画像データを保存するための空き領域があるか否かを判定し、空き領域があると判定した場合、ステップS16に進む。
【0063】
一方、ステップS13において、保存先決定部2bは、データ保管部2cに画像データを保存するための空き領域がないと判定した場合、削除・退避部2dにデータの削除または退避を行うように要求し、ステップS14に進む。
【0064】
ステップS14において、削除・退避部2dは、保存先決定部2bの要求に基づいて、データ保管部2cに保管されている画像データから、削除可能なデータや所定期間アクセスされていないデータを読み出して一時保存部2eに転送し、そこに保存(退避)させる。これによって、データ保管部2cに空き領域が確保される。
【0065】
ステップS15において、保存先決定部2bは、ステップS14の処理によって削除や退避が行われた結果、データ保管部2cに空き領域を確保することができたか否かを判定し、空き領域を確保することができたと判定した場合、ステップS16に進む。
【0066】
ステップS16において、保存先決定部2bは、空き領域のある(空き領域の確保できた)データ保管部2cを画像データの保存先に決定する。
【0067】
ステップS15において、保存先決定部2bは、ステップS14の処理によって削除や退避が行われてもデータ保管部2cに空き領域がないと判定した場合、ステップS17に進む。ステップS17において、保存先決定部2bは、送受信制御部2aおよびネットワーク3を介して、他の医用画像保管装置2−2の空き領域を確認する。
【0068】
ステップS18において、保存先決定部2bは、ステップS17の処理による確認の結果、他の医用画像保管装置2−2に空き領域があるか否かを判定し、他の医用画像保管装置2−2に空き領域があると判定した場合、ステップS19に進み、他の医用画像保管装置2−2を保存先に決定する。
【0069】
一方、ステップS18において、保存先決定部2bは、他の医用画像保管装置2−2にも空き領域がないと判定した場合、エラーを表す情報を送受信制御部2aおよび表示制御部2fに供給し、ステップS20に進む。
【0070】
ステップS20において、送受信制御部2aは、保存先決定部2bから供給されたエラーを表す情報を、ネットワーク3を介して医用画像診断装置1に通知する。表示制御部2fは、保存先決定部2bから供給されたエラーを表す情報に基づいて、例えば、「画像データを保存するための空き領域がありません」といった内容のエラーメッセージを図示せぬモニタに表示させる。
【0071】
このように、画像データの転送に先立って送信されてきた、画像データの総サイズがセットされた管理部のデータに基づいて、画像データを保存するための空き領域を確保することができる。また、空き領域を確保することができなかった場合には、エラーを通知し、無駄なデータ転送を中止させることができる。
【0072】
以上のように、本実施の形態によれば、画像データの転送に先立って、画像データの総サイズがセットされた管理部のデータを送信し、画像データを保存するための空き領域を確保することで、再送の必要のない画像データを転送することができる。また空き領域を確保することができなかった場合には、エラーメッセージを表示させるとともに画像データの転送を中止することで、作業の効率化を図り、ネットワーク資源の無駄遣いを低減することができる。
【0073】
この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化したり、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせたりすることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0074】
1 医用画像診断装置
1a 画像データ記憶部
1b 転送部
1d 表示制御部
2−1,2−2 医用画像保管装置
2a 送受信制御部
2b 保存先決定部
2c データ保管部
2d 削除・退避部
3 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像保管装置とネットワークを介して接続される医用画像診断装置において、
画像データを記憶する記憶手段と、
前記画像データの管理部に前記画像データの総サイズをセットし、前記医用画像保管装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記医用画像保管装置からエラーが通知されなかった場合、前記記憶手段から読み出した前記画像データを転送し、前記医用画像保管装置からエラーが通知された場合、前記画像データの転送を中止する
ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
医用画像診断装置とネットワークを介して接続される医用画像保管装置において、
前記医用画像診断装置から送信されてくる画像データの管理部のデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記管理部のデータにセットされている、前記画像データの総サイズに基づいて、データ保管手段に空き領域があるか否かを判断し、空き領域がある場合に、前記データ保管手段を保存先に決定する保存先決定手段と
を備えることを特徴とする医用画像保管装置。
【請求項4】
前記データ保管手段に空き領域がない場合、前記データ保管手段にあるデータの削除または退避を行う削除退避手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項3に記載の医用画像保管装置。
【請求項5】
前記保存先決定手段は、前記データ保管手段に空き領域がない場合、他の装置に前記画像データを保存するための空き領域があるか否かを判断する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の医用画像保管装置。
【請求項6】
前記保存先決定手段は、前記画像データを保存するための空き領域がなかった場合、前記医用画像診断装置にエラーを通知する
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の医用画像保管装置。
【請求項7】
ネットワークを介して医用画像診断装置と医用画像保管装置が接続される医用画像保管通信システムにおいて、
前記医用画像診断装置は、
画像データを記憶する記憶手段と、
前記画像データの管理部に前記画像データの総サイズをセットし、前記医用画像保管装置に送信する送信手段と
を備え、
前記医用画像保管装置は、
前記医用画像診断装置から送信されてくる前記画像データの管理部のデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記管理部のデータにセットされている前記画像データの総サイズに基づいて、データ保管手段に空き領域があるか否かを判断し、空き領域がある場合に、前記データ保管手段を保存先に決定する保存先決定手段と
を備えることを特徴とする医用画像保管通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−194116(P2010−194116A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42690(P2009−42690)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】