医用画像読影装置、及びカーソル移動プログラム
【課題】医用画像の読影作業におけるカーソルの移動負担を低減する技術を提供する。
【解決手段】カーソルを移動させるポイティングデバイスを有する医用画像読影装置では、医用画像と読影レポートとカーソルを表示画面上に表示し、カーソルの初動情報と移動先情報とを対応付けて記憶しておき、ポインティングデバイスによりカーソルが移動開始すると、その初動に該当する前記初動情報を検索して対応付けられている移動先情報を取得し、取得した移動先情報で示される移動先にカーソルを移動させる。
【解決手段】カーソルを移動させるポイティングデバイスを有する医用画像読影装置では、医用画像と読影レポートとカーソルを表示画面上に表示し、カーソルの初動情報と移動先情報とを対応付けて記憶しておき、ポインティングデバイスによりカーソルが移動開始すると、その初動に該当する前記初動情報を検索して対応付けられている移動先情報を取得し、取得した移動先情報で示される移動先にカーソルを移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読影レポートを作成する際のカーソルの移動技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、医療行為の高度化に伴い、患者の診断は各段階に細分化され、それぞれの段階で専門者が携わる。一般には、画像診断は、画像診断依頼、画像収集、読影、治療方針の決定の手順で行われる。
【0003】
画像診断依頼では、内科等の検査依頼科から放射線科に依頼書が提出される。依頼書には、患者のID番号、患者氏名、生年月日、性別、検査依頼科名、検査依頼医師氏名、検査のモダリティ、検査部位、検査方法、検査目的、臨床情報の各項目が含まれている。画像収集では、検査技師が依頼書の内容に従って画像収集を行う。読影では、読影医師が、収集された画像を読影して結果を読影レポートにまとめる。読影レポートには、読影医師の所見、結論等の各情報が含まれる。治療方針の決定では、担当医師が読影レポートをもとに治療方針の決定をする。
【0004】
読影及び読影レポートの作成では、これら行為を電子的に行う医用画像読影装置が実用化されている(例えば、「特許文献1」参照。)。画像収集によって得られた医用画像を取得してモニタに表示し、同時に読影レポートのシートを表示する。読影医は、読影レポートのシート上に必要な項目を入力する。
【0005】
この医用画像読影装置は、複数のモニタを有するコンピュータで構成され、マンマシンインタフェースとしてキーボードやポインティングデバイスが利用される。複数のモニタは、共通の2次元座標平面を有し、読影レポートを表示しているモニタ、医用画像をサムネイル表示しているモニタ、一の医用画像を拡大表示しているモニタに分かれている。共通の2次元座標平面上に一つのマウスカーソルが表示される。読影医は、マウスカーソルを所望のモニタの所望箇所に移動させ、当該箇所で必要な作業を行いながら読影及び読影レポート作成をしている。
【0006】
例えば、サムネイル表示されている医用画像上にマウスカーソルを移動させ、一の医用画像を選択して別モニタに拡大表示させる。拡大表示された医用画像上にマウスカーソルを移動させ、コントラスト調整、拡大縮小等しながら読影し、読影レポート上にマウスカーソルを戻して、読影レポートに所見を書き込む。拡大表示された医用画像にマウスカーソルを再度移動させ、読影レポート上の文字列に当該医用画像をドラッグアンドドロップしハイパーリンクを設定する。読影医は、このルーチンを何度も繰り返し、読影レポート、医用画像のサムネイル、拡大表示した医用画像上にマウスカーソルを何往復も移動させながら、読影及び読影レポートの作成を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−31719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
医用画像の読影及び読影レポートの作成にあたり、読影医のマウスカーソル移動負担は大きく、読影及び読影レポート作成の思考を妨げる。その結果、読影効率の悪化や読影ミスを招くおそれが指摘されている。特に医用画像を表示されているモニタには、高解像度表示が可能なモニタを用いることが多く、それだけマウスカーソルの移動に手間がかかる。
【0009】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、医用画像の読影作業におけるマウスカーソルの移動負担を低減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための発明の第1の態様では、医用画像の読影と読影レポートの作成を支援する医用画像読影装置であって、カーソルを移動させるポイティングデバイスと、前記医用画像と前記読影レポートと前記カーソルを表示画面上に表示する表示手段と、前記カーソルの初動情報と移動先情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記ポインティングデバイスにより前記カーソルが移動開始すると、その初動に該当する前記初動情報を前記記憶部から検索し、対応付けられている前記移動先情報を取得する検索手段と、前記検索手段により取得された前記移動先情報で示される移動先に前記カーソルを移動させるカーソル移動手段と、を備え、前記記憶部は、所定処理と所定距離情報をさらに記憶し、前記読影レポート上の文字列が範囲指定され、前記医用画像がドラッグされると、前記移動先情報で示される移動先と前記範囲指定された文字列との距離が前記距離情報が表す距離内にあるか否かを判断する距離判断手段と、前記距離が前記距離情報が表す範囲内にあると、前記範囲指定された文字列に対して前記所定処理を反映させる反映手段と、をさらに備えること、を特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る医用画像読影装置の構成を示す。
【図2】モニタに表示される画面を示す。
【図3】マウスカーソルの各種移動処理を示す。
【図4】予測ジャンプ移動の学習モードの処理を示す。
【図5】領域情報によって複数の領域に分割されたモニタの表示画面を示す。
【図6】方向情報によって複数分割された方向を示す。
【図7】マウスカーソルの初動によって記憶された初動情報を示す一例である。
【図8】マウスカーソルの移動停止によって記憶された移動先情報を示す一例である。
【図9】予測情報を示す。
【図10】学習モードにおけるマウスカーソルの移動を反映させた予測情報を示す。
【図11】予測ジャンプ移動の学習反映モード処理を示す。
【図12】学習反映モードにおけるモニタの表示を示し、(a)が学習反映モード開始時、(b)がマウスカーソルの初動時、(c)がマウスカーソルのジャンプ表示時を示す。
【図13】マウスカーソルの初動によって記憶された初動情報を示す一例である。
【図14】予測情報を示す一例である。
【図15】反映移動処理を示す。
【図16】作業エリア情報を示す。
【図17】反映移動モードにおけるモニタの表示を示し、(a)は作業エリアが表示された状態を示し、(b)は作業エリアへの医用画像のドラッグとハイパーリンク設定を示す。
【図18】作業エリアに関連づけられたハイパーリンク処理が反映された作業反映先を示す。
【図19】ジャンプ移動処理を示す。
【図20】ジャンプ移動モードにおけるモニタの表示を示し、(a)はジャンプエリアが表示された状態を示し、(b)は一のジャンプエリアにマウスカーソルが入った状態を示し、(c)は他方のジャンプエリアにマウスカーソルがジャンプ表示された状態を示している。
【図21】ジャンプエリア情報を示す。
【図22】ジャンプ移動処理の第1の変形例を示す。
【図23】この変形例に係るジャンプエリア情報を示す。
【図24】変形例に係るジャンプ移動モードにおけるモニタの表示を示し、(a)はジャンプエリアが表示された状態を示し、(b)はキーボードに配列されるボタンを示し、(c)は他方のジャンプエリアにマウスカーソルがジャンプ表示された状態を示している。
【図25】ジャンプ移動処理の第2の変形例を示す。
【図26】この変形例に係るジャンプエリア情報を示す。
【図27】変形例に係るジャンプ移動モードにおけるモニタの表示を示し、(a)はジャンプエリアが表示された状態を示し、(b)は領域指定されることにより出口側ジャンプエリアが生成され、その後、医用画像が予め表示されている入口側ジャンプエリアにドラッグ操作された状態を示し、(c)は入口ジャンプエリアから出口ジャンプエリアにマウスカーソルがドラッグ状態を維持したままジャンプ表示された状態を示している。
【図28】予測ジャンプ移動の第2の変形例を示す。
【図29】予測ジャンプ移動の第2の変形例にかかるモニタ表示過程を示す。
【図30】予測ジャンプ移動の第2の変形例にかかる予測情報を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る医用画像読影装置の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る医用画像読影装置の構成を示すブロック図である。医用画像読影装置1は、コンピュータで構成され、内部に演算制御部(CPU:Central Processing Unit)2、主記憶部(RAM:Random Access Memory)3、外部記憶部(HDD:Hard Disk Drive)4、通信コントローラ8を備え、共通線で接続されて相互にデータ入出力可能となっている。また、マンマシンインタフェースとして、モニタ5、ポインティングデバイス6、及びキーボード7が図示しない入出力コントローラを介して接続されている。
【0014】
演算制御部2は、プログラムを解読及び実行して、データの演算及び装置の制御をする。主記憶部3は、演算制御部2のワークエリアであり、プログラムが展開され、演算結果や読み出されたデータの一時記憶をする。外部記憶部4は、OS(オペレーティングシステム)及び読影プログラムが記憶されている。読影プログラムは、医用画像の取得及び表示、操作者の入力に応じた読影レポートの作成、及びマウスカーソルの移動のプログラムが含まれている。
【0015】
通信コントローラ8は、ネットワークNに接続されて、ネットワークNを介して行なうデータ通信を制御する。ネットワークNは、電子データの伝送が可能な電子通信回線であり、例えば電話回線網、ISDN、FDDI、専用線、移動体通信網、通信衛星回線、CATV、LAN等、又はこれらの複合が採用される。
【0016】
このネットワークNには、図示しない画像サーバが接続されている。画像サーバには、医用画像が保存されている。医用画像読影装置1は、通信コントローラ8のデータ通信制御によりネットワークNを介して画像サーバ(server)から医用画像を取得する。通信コントローラ8のデータ通信制御には、例えばWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)、TCP/IPプロトコル、或いはDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)プロトコル等が採用される。
【0017】
モニタ5は、LCDディスプレイあるいはCRTディスプレイで構成され、演算制御部2から出力された描画データに応じて、作成中の読影レポート、医用画像、及びマウスカーソルを表示する。医用画像読影装置1では、モニタ5が複数接続されて、読影レポート表示用又は医用画像表示用となる。
【0018】
ポインティングデバイス6は、モニタ5に表示されたマウスカーソルを移動させる装置である。X軸用ローラ及びY軸用ローラを有し、各回転量からX軸方向及びY軸方向の移動距離を求め、座標位置データとして符号化して演算制御部2に送出している。演算制御部2は、この座標位置データが入力される毎にモニタ5に対してその座標位置にマウスカーソルを表示させる制御をする。
【0019】
尚、マウスカーソルは、この所謂マウスと呼ばれるポインティングデバイス6によって操作されるが、ポインティングデバイス6がマウス以外の例えばトラックボールやタッチパッド等のカーソルを移動させる装置であってもよく、以下の実施形態ではこれらマウス以外のポインティングデバイス6で移動させるカーソルも便宜上マウスカーソルと呼ぶ。
【0020】
図2は、医用画像読影装置1のモニタ5に表示される画面を示している。図2に示すように、例えば医用画像読影装置1には、3台のモニタ5a、5b、5cが接続されている。モニタ5aには、読影レポートRが表示される。モニタ5bには、例えば同一シリーズ(series)の医用画像Pが表示される。モニタ5cには、同一シリーズの医用画像Pのうち、特に関心の高い医用画像Pが拡大表示される。
【0021】
また、モニタ5a、5b、5cには、ポインティングデバイス6が送出した座標位置にマウスカーソルCが表示されている。このモニタ5a、5b、5cは、共通の2次元座標平面を有し、その座標平面の何れかの範囲が表示されている。読影レポートRや医用画像Pは、表示される範囲に合うように表示位置が初期設定されている。マウスカーソルCは、座標位置データに従ってモニタ5a、5b、5c間を移動し、何れかに表示される。
【0022】
この表示態様において、本実施形態の医用画像読影装置1は、ポインティングデバイス6やキーボード7を用いた入力操作に応じて割り込み処理を発生させる。演算制御部2は、この割り込み処理のために、入力操作に応じたマウスカーソル移動プログラムを主記憶部3に展開して解読及び実行する。
【0023】
即ち、演算制御部2は、入力操作に応じて、マウスカーソルCを通常移動、予測ジャンプ移動、所定箇所ジャンプ移動、あるいは反映移動させる。マウスカーソルCの通常移動では、ポインティングデバイス6が座標位置データに連続的に送出するとその都度マウスカーソルCを連続移動表示させる。
【0024】
マウスカーソルCの予測ジャンプ移動では、マウスカーソルCをその初動から予測し得る移動先へジャンプ表示させる。マウスカーソルCの所定箇所ジャンプ移動、換言するとワープ移動では、所定エリアに入ったマウスカーソルCを別の所定エリアへジャンプ表示させる。マウスカーソルCの反映移動では、所定処理が関連づけられた作業エリアにデータがドラッグされると、予め指示された作業反映先に対してドラッグされたデータの処理を反映させる。関連づけられる処理としては、例えばハイパーリンクの設定が挙げられる。
【0025】
図3は、マウスカーソルCの各種移動処理を示すPADチャートである。まず、オペレータにより医用画像読影装置1が起動されると、マウスカーソルCを初期位置に表示する(S01)。初期位置は、予め設定されてある座標位置データに対応する。
【0026】
医用画像読影装置1が起動されると、ポインティングデバイス6やキーボード7を用いて医用画像Pの取得を指示する操作が行われる。この操作に応じて、画像サーバから通信コントローラ8及びネットワークNを介して医用画像Pを取得し、主記憶部3に一時的に記憶させておく。主記憶部3に一時記憶された医用画像Pは、表示信号に変換されてモニタ5に表示される。オペレータは、表示された医用画像Pを拡大、縮小、画質変更等しながら読影し、読影レポートRを作成する。
【0027】
読影レポートRの作成が終了するまでは(S02)、演算制御部2は、ポインティングデバイス6やキーボード7から送出される信号に従い、割り込み処理を発生させてマウスカーソルCを移動させる(S03〜S12)。尚、演算制御部2は、ポインティングデバイス6やキーボード7から送出される信号を入出力コントローラを介して受け取るが、入出力コントローラで信号からコードが生成され、当該コードの形式で受け取る。
【0028】
ポインティングデバイス6が操作されて(S03,Yes)、モニタ5の表示画面上に設定されるジャンプエリアにマウスカーソルCが移動すると(S04,Yes)、演算制御部2は、ジャンプ移動制御を行い、マウスカーソルCを他のジャンプエリアへジャンプ表示させる(S05)。
【0029】
一方、マウスカーソルCの移動先がジャンプエリアでない場合(S04,No)、演算制御部2は、通常移動制御を行い、ポインティングデバイス6の操作に対応してマウスカーソルCを連続移動させる(S06)。
【0030】
通常移動制御では、演算制御部2は、ポインティングデバイス6から送出される座標位置データを受け取り、座標位置データが示す座標位置にマウスカーソルCを表示させる。座標位置データは、ポインティングデバイス6の操作に追随して連続的に送出される。演算制御部2は、その度座標位置データが示す座標位置にマウスカーソルCを表示させる信号をモニタ5に送出する。
【0031】
また、例えばF1キーの押下等の学習モード指示のための特定操作が検出されると(S07,Yes)、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されている学習モードのプログラムを主記憶部3に展開して解読及び実行する。医用画像読影装置1は、予測ジャンプ移動制御のための学習モードに突入する(S08)。
【0032】
学習モードでは、マウスカーソルCの初動から移動先を予測するための予測情報を蓄積する。
【0033】
また、例えばF2キーの押下等の学習反映モード指示のための特定操作が検出されると(S09,Yes)、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されている学習反映モードのプログラムを主記憶部3に展開して解読及び実行する。医用画像読影装置1は、マウスカーソルCを予測される移動先へジャンプ表示させる学習反映モードに突入する(S10)。
【0034】
学習反映モードでは、マウスカーソルCの初動をもとに学習モードで蓄積した予測情報から移動先を検索し、検索された移動先へマウスカーソルCをジャンプ表示する。
【0035】
さらに、ポインティングデバイス6やキーボード7を用いて読影レポート上の文字列等の作業反映先が指示され、モニタ5上に表示されている作業エリアに医用画像等のデータがドラッグされると(S11,Yes)、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されている作業反映モードのプログラムを主記憶部3に展開して解読及び実行する。医用画像読影装置1は、作業エリアに関連づけられている処理を作業反映先に反映する作業反映モードに突入する(S12)。
【0036】
読影レポートの作成が終了するまでは(S02)、マウスカーソルCの移動あるいはキーボード7又はポインティングデバイス6の特定操作がなされると、演算制御部2は、その移動や特定操作に対応したプログラムを実行して、マウスカーソルCの通常移動制御、ジャンプ移動制御、予測ジャンプ移動制御、又は反映移動制御をする(S03〜S12)。
【0037】
このような医用画像読影装置1において、予測ジャンプ移動についてさらに詳細に説明する。まず予測ジャンプ移動の学習モードについて説明する。図4は、予測ジャンプ移動の学習モードの処理を示すフローチャートである。
【0038】
まず、例えばF1キーの押下等の学習モードを指示する特定操作がされると(S21,Yes)、学習モードが開始される(S22)。演算制御部2は、学習モードのプログラムを外部記憶部4から読み出して主記憶部3に展開して解読及び実行する。ポインティングデバイス6やキーボード7からの特定操作を検出している間は、学習モードを継続する。
【0039】
学習モードが開始されると、演算制御部2は、マウスカーソルCの移動元情報を取得する(S23)。
【0040】
移動元情報は、マウスカーソルCの移動元が属する領域で特定される。モニタ5の座標平面は、予め複数の領域に分割される。外部記憶部4には、各領域の座標範囲とその領域のIDである領域情報が対になって記憶されている。
【0041】
図5に、領域情報によって複数の領域に分割されたモニタ5の表示画面を模式的に示す。モニタ5の座標平面は、外部記憶部4に記憶された各領域の座標範囲により、領域情報で表される複数の領域に分割される。例えばモニタ5aは、領域情報A1〜C3で分割され、モニタ5bは、領域情報A4〜C6及びD1〜D3で分割され、モニタ5cは、領域情報A7〜C9及びD4〜D6で分割される。
【0042】
演算制御部2は、主記憶部3に記憶された移動開始時点の座標位置データが示す座標と各領域の座標範囲とを比較して、領域の範囲外か範囲内か判定する。範囲内と判定した領域の領域情報をマウスカーソルCの移動元情報として主記憶部3に記憶させる。
【0043】
ポインティングデバイス6が操作されてマウスカーソルCが移動開始すると(S24,Yes)、演算制御部2は、マウスカーソルCの初動方向情報を取得する(S25)。
【0044】
初動方向情報は、マウスカーソルCの初動において移動した方向を示す。移動方向は、全方位を複数分割した各方向の何れかで特定される。外部記憶部4には、各方向の方向ベクトルとその方向のIDである方向情報が対になって記憶されている。
【0045】
図6に、方向情報によって複数分割された方向を示す。例えば全方位を8方向に分割する方向情報Dir1〜8により、移動方向は、方向ベクトルが最も近似するDir1〜8の何れかで特定される。
【0046】
演算制御部2は、初動前後の座標位置データから初動における移動方向を演算する。算出された移動方向と各方向ベクトルとを比較して、最も近似する方向ベクトルと対になった方向情報を初動方向情報として主記憶部3に記憶させる。
【0047】
移動元情報と初動方向情報とは初動情報として対になって記憶される。図7は、マウスカーソルCの初動によって主記憶部3に記憶された初動情報を示す一例である。例えば、主記憶部3には、マウスカーソルCの初動によって移動元情報C8と初動方向情報Dir8とが対になって記憶される。
【0048】
初動情報を取得すると、演算制御部2は、マウスカーソルCの移動停止を監視する。マウスカーソルCの移動が停止すると(S26,Yes)、演算制御部2は、移動先情報を取得する(S27)。
【0049】
演算制御部2は、主記憶部3に記憶される座標位置データをサンプリングし、値に相違がなくなれば、マウスカーソルCの移動が停止したと判断する。移動先情報は、マウスカーソルCが移動を停止した座標である。演算制御部2は、停止を判断すると、主記憶部3から停止時点の座標位置データを取得し、移動先情報として主記憶部3に記憶させる。
【0050】
図8は、マウスカーソルCの移動停止によって主記憶部3に記憶された移動先情報を示す一例である。例えば、主記憶部3には、移動先情報(X1,Y1)として(3089,502)が記憶される。
【0051】
初動情報及び移動先情報を取得すると、演算制御部2は、予測情報を作成して外部記憶部4に記憶させる(S28〜S33)。予測情報は、マウスカーソルCの初動に対する移動先を示す情報である。この予測情報は、初動情報と移動先情報と学習回数とを対応付けしている。
【0052】
図9は、外部記憶部4に記憶されている予測情報を示す図である。例えば、予測情報は、移動元情報C8、初動方向情報Dir8、移動先情報(X2,Y2)として(3100,500)と、学習回数8とを対応付けしている。
【0053】
演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されている複数の予測情報から、同一の初動情報を有する予測情報の存在を検索する(S28)。該当する予測情報が存在しなければ(S28,No)、取得した初動情報及び移動情報と学習回数の初期値「1」を対応付けて新たな予測情報を外部記憶部4に記憶させる(S29)。
【0054】
同一の初動情報を有する予測情報が存在すれば(S28,Yes)、該当する予測情報から移動先情報(X2,Y2)と学習回数を取得し(S30)、今回の学習モードで新たに取得した移動先情報(X1,Y1)を加えて平均位置(X3,Y3)を算出する(S31)。
【0055】
平均位置(X3,Y3)は、同一の初動情報で表されるマウスカーソルCの各初動における移動先の平均位置の座標である。平均位置(X3,Y3)の算出は、具体的には、以下の式1を計算することで求める。ここで、求める平均位置を(X3,Y3)とし、今回の学習モードで取得した移動先情報を(X1,X2)とし、既に記憶されている予測情報に含まれる移動先情報を(X2,Y2)とし、学習回数をNとする。
【0056】
式1:(X3,Y3)={(X1,X2)+(X2,Y2)×N}/(N+1)
平均位置(X3,Y3)を算出すると、演算制御部2は、S28の検索で該当した予測情報に含まれる移動先情報(X2,Y2)を平均位置(X3,Y3)の座標に変更し(S32)、学習回数を1カウントアップする(S33)。
【0057】
図10は、今回のマウスカーソルCの移動を反映させた予測情報を示す図である。
【0058】
今回のマウスカーソルCの移動により、初動情報として、移動元情報C8及び初動方向情報Dir8が記憶され、移動先情報(X1=3089,Y1=502)が取得されたものとする。また、移動元情報C8及び初動方向情報Dir8、移動先情報(X2=3100,Y2=500)、学習回数8を含む予測情報が外部記憶部4に記憶されているものとする。
【0059】
この予測情報に含まれる初動情報と今回のマウスカーソルCの移動により取得された初動情報は同一であり、検索によりこの予測情報が該当してくる。
【0060】
図10に示すように、予測情報の移動先情報及び学習回数と今回のマウスカーソルCの移動により取得された移動先情報とにより平均位置(3098,500)が算出され、算出された平均位置(3098,500)に予測情報が含む移動先情報が更新される。また、学習回数が1カウントアップされ、学習回数9に更新される。
【0061】
学習モードを指示する特定操作が解除されない間(S34,No)、及び例えばポインティングデバイス6が備えるボタンが押下されたり、離されたりする等のマウスカーソルCの移動以外の操作がされない間は(S35,No)、マウスカーソルCの移動開始及び終了の度にS23〜S33が繰り返される。学習モードを指示する特定操作が解除され(S34,Yes)、又はマウスカーソルCの移動以外の操作がなされる(S35,Yes)と、学習モードは終了する。
【0062】
予測ジャンプ移動の学習反映モードについて説明する。図11は、予測ジャンプ移動の学習反映モード処理を示すフローチャートである。
【0063】
まず、例えばF2キーの押下等の学習反映モードを指示する特定操作がされると(S41,Yes)、学習反映モードが開始される(S42)。演算制御部2は、学習反映モードのプログラムを外部記憶部4から読み出して主記憶部3に展開して解読及び実行する。ポインティングデバイス6やキーボード7からの特定操作を検出している間は、学習反映モードを継続する。
【0064】
学習反映モードが開始されると、演算制御部2は、マウスカーソルCの移動元情報を取得する(S43)。
【0065】
学習反映モードにおいても、移動元情報は、領域情報で分割された領域で特定される。演算制御部2は、主記憶部3に記憶された移動開始時点の座標位置データが示す座標と各領域の座標範囲とを比較して、領域の範囲外か範囲内か判別する。範囲内と判別した領域の領域情報をマウスカーソルCの移動元情報として主記憶部3に記憶させる。
【0066】
ポインティングデバイス6が操作されてマウスカーソルCが移動開始すると(S44,Yes)、演算制御部2は、マウスカーソルCの初動方向情報を取得する(S45)。
【0067】
学習反映モードにおいても初動方向情報は、方向情報で分割された各方向の何れかで特定される。演算制御部2は、初動前後の座標位置データから初動における移動方向を演算する。算出された移動方向と方向ベクトルとを比較して、最も近似する方向ベクトルと対になった方向情報を初動方向情報として主記憶部3に記憶させる。
【0068】
主記憶部3には、マウスカーソルCの初動によって移動元情報と初動方向情報とが対になって記憶される。即ち、マウスカーソルCの初動に係る移動元情報と初動方向情報が初動情報として取得される。
【0069】
初動情報を取得すると、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶された予測情報から、主記憶部3に記憶された初動情報と同一の初動情報を有する予測情報を検索する(S46)。同一の初動情報を有する予測情報が存在すれば(S46,Yes)、該当する予測情報から移動先情報を取得する(S47)。
【0070】
移動先情報を取得すると、演算制御部2は、取得した移動先情報を座標位置データとして当該移動先情報が示す座標位置にマウスカーソルCを表示させる(S48)。尚、存在しない場合は(S46,No)、マウスカーソルCを通常移動させる(S49)。
【0071】
図12は、学習反映モードにおけるモニタ5の表示を示す図であり、図12(a)が学習反映モード開始時、図12(b)がマウスカーソルCの初動時、図12(c)がマウスカーソルCのジャンプ表示時を示す。
【0072】
図12(a)に示すように、学習反映モード開始時点においてマウスカーソルCは、領域情報C8で特定される領域に表示されている。ポインティングデバイス6を操作すると、図12(b)に示すように、ポインティングデバイス6の操作に対応してマウスカーソルCが移動開始する。例えば、マウスカーソルCは、初動において方向情報Dir8の方向に移動を開始する。
【0073】
図13は、マウスカーソルCの初動によって主記憶部3に記憶された初動情報を示す一例である。マウスカーソルCが領域情報C8で特定される領域に表示されている状態において、学習モードに突入し、初動においてマウスカーソルCが方向情報Dir8の方向に移動を開始した。これにより、主記憶部3には、移動元情報C8と初動方向情報Dir8とが対になって記憶される。
【0074】
図14は、外部記憶部4に記憶された予測情報を示す一例である。例えば、外部記憶部4には、移動先情報C8、初動方向情報Dir8、移動先情報(X2,Y2)として(3098,500)、及び学習回数9とを対応付けした予測情報が記憶されている。主記憶部3に記憶されている初動情報と当該移動先情報が有する初動情報とは同一につき、演算制御部2により検索され、移動先情報として(3098,500)が取得される。
【0075】
移動先情報(3098,500)が取得されると、図12(c)に示すように、マウスカーソルCは、初動後、座標(3098,500)に該当する位置にジャンプ表示される。
【0076】
このように、本実施形態に係る医用画像読影装置1のマウスカーソルCの予測ジャンプ移動表示によると、予め記憶しておいた初動情報とこの情報と対応付けられた移動先情報により、初動情報と一致するマウスカーソルCの初動があれば、移動先情報に示される移動先に移動しようとしているとみなして当該移動先にジャンプ表示させる。
【0077】
従って、マウスカーソルCを少し動かすだけで、所望の移動先へマウスカーソルCがジャンプし、その間のポインティングデバイス6の操作を省くことが可能となる。これにより、ポインティングデバイス6の操作負担が低減され、オペレータの読影レポート作成の思考が妨げられず、読影効率の向上及び読影ミスの低減を図ることができる。
【0078】
また、学習モードによりマウスカーソルCの初動と移動先を学習させることができ、予測される移動先の確度を高めることが可能となる。
【0079】
さらに、移動元を領域で特定し、初動方向を一定区画に分割した方向で特定するようにしたため、移動元と初動方向とが座標単位で完全に一致しなくとも、移動先の予測が可能となる。医用画像表示においては高解像度が要求されるため、座標単位での完全一致とすると、予測情報が膨大になり、予測情報の検索負荷によって予測がマウスカーソルCの移動に間に合わないおそれもあるが、本構成によっては鋭敏にマウスカーソルCをジャンプ表示させることができる。
【0080】
次に反映移動モードについてさらに詳細に説明する。図15は、反映移動処理を示すフローチャートである。
【0081】
まず、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されている作業エリア情報を読み出し(S51)、モニタ5の表示画面上に作業エリアを表示させる(S52)。
【0082】
外部記憶部4には、予め作業エリア情報が記憶されている。図16は、作業エリア情報を示す図である。図16に示すように、作業エリア情報は、作業エリアが表示される箇所の座標範囲情報とこの座標範囲情報に関連づけられた処理プログラムである。処理プログラムは、作業エリアにドラッグされたデータの処理を記述している。
【0083】
演算制御部2は、作業エリア情報を外部記憶部4から取得し、主記憶部3に作業エリア情報の記憶領域を確保して当該領域に展開する。作業エリア情報から座標範囲情報を読み出し、座標範囲情報で示される座標範囲に作業エリアを表示させる。この座標範囲情報は、医用画像Pが表示される領域の近傍に設定されている。
【0084】
図17(a)は、作業エリアが表示された状態を示す。図17(a)に示すように、表示画面の作業エリア情報が示す箇所には、作業エリアEwが表示される。例えば、後述するように作業エリアEwにハイパーリンク処理が関連づけられている場合は、表示されている医用画像Pの近傍に作業エリアEwを表示させることが好適である。
【0085】
ポインティングデバイス6の操作により読影レポート上の文字列が選択されると(S53,Yes)、演算制御部2は、選択された文字列を特定するその文字列の位置や範囲等を示す情報を取得し、作業反映先として主記憶部3に記憶させておく(S54)。
【0086】
作業反映先が指示された状態で、ポインティングデバイス6の操作により医用画像が選択されて作業エリアにドラッグ及びドロップされると(S55,Yes)、演算制御部2は、作業エリアに関連づけられた処理を実行し(S56)、指示された作業反映先に実行した処理を反映させる(S57)。
【0087】
演算制御部2は、作業エリアに医用画像がドラッグされたことを受けて、作業エリアの作業エリア情報から処理プログラムを読み出して解読及び実行する。処理プログラムが例えば、ハイパーリンク処理である場合、選択された文字列に対して医用画像のハイパーリンクを設定する。
【0088】
図17(b)は、作業エリアへの医用画像のドラッグとハイパーリンク設定を示す。図17(b)に示すように、読影レポート上の文字列が作業反映先Pwとして選択されると、その文字列の下地色を例えばグレー(gray)等に変更して視覚上選択されたことを報知する。医用画像を作業エリアへドラッグしてドロップすると、作業反映先Pwの文字列の色が例えば青色に変化するとともに下線が引かれてハイパーリンクが設定されたことが識別表示される。
【0089】
図18は、作業エリアに関連づけられたハイパーリンク処理が反映された作業反映先を示す図である。演算制御部2は、医用画像のアドレス(address)情報等のリンク先を取得し、読影レポートのデータ中の作業反映先である文字列部分に、ドラッグされた医用画像のリンク先を付帯させる。
【0090】
このように、本実施形態に係る医用画像読影装置1のマウスカーソルCの反映移動によっては、作業エリアにハイパーリンク等の所定の処理を関連づけておき、作業反映先を指定した上で作業エリアにデータをドラッグすることで、作業エリアに関連づけられた処理が作業反映先に反映する。
【0091】
従って、作業反映先と処理するデータの双方を選択して所定の処理をさせるために、マウスカーソルCの作業反映先とデータとの間の往復移動をさせる必要がなくなり、ポインティングデバイス6の操作量を低減させることが可能となる。これにより、ポインティングデバイス6の操作負担が低減し、オペレータの読影レポート作成の思考を妨げることなく読影効率の向上及び読影ミスの低減を図ることができる。
【0092】
次に所定箇所ジャンプ移動についてさらに詳細に説明する。図19は、所定箇所ジャンプ移動処理を示すフローチャートである。
【0093】
まず、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されているジャンプエリア情報を読み出し(S61)、モニタ5の表示画面上にジャンプエリアを表示させる(S62)。
【0094】
外部記憶部4には、予めジャンプエリア情報が記憶されている。図21は、外部記憶部4に記憶されたジャンプエリア情報を示す図である。図21に示すように、ジャンプエリア情報は、表示画面上の箇所を示す座標範囲情報である。また、座標範囲情報にその座標範囲の中心座標を示す中心座標情報が付帯している。外部記憶部4には、複数のジャンプエリア情報が記憶されており、一のジャンプエリア情報は、他の一のジャンプエリア情報と一対一で対応付けられている。対となったジャンプエリア情報は、相互にマウスカーソルCの出入り口を規定している。
【0095】
演算制御部2は、対のジャンプエリア情報の双方を外部記憶部4から取得し、主記憶部3にジャンプエリア情報の記憶領域を確保して当該領域に展開する。双方のジャンプエリア情報から座標範囲情報を読み出し、座標範囲情報で示される座標範囲にそれぞれジャンプエリアを表示させる。
【0096】
図20(a)は、ジャンプエリアが表示された状態を示す。図20(a)に示すように、表示画面のジャンプエリア情報が示す箇所には、ジャンプエリアEa1、Ea2、Eb1、Eb2が表示される。外部記憶部4に記憶されている複数組のジャンプエリアEa、Ebが表示される。対のジャンプエリアEa、Ebは、同一形態にデザインされて表示されており、視覚的に対のジャンプエリアEa、Ebを認識できる。
【0097】
ポインティングデバイス6から座標位置データが送出されると(S63,Yes)、演算制御部2は、主記憶部3に展開させた各ジャンプエリア情報が示す座標範囲と座標位置データが示す座標とを比較して、マウスカーソルCが何れかのジャンプエリアの座標範囲内にあるか否かを判断する(S64)。
【0098】
図20(b)は、一のジャンプエリアEa1にマウスカーソルCが入った状態を示している。図20(b)に示すように、マウスカーソルCが移動して、一のジャンプエリアEa1上に位置すると、マウスカーソルCがそのジャンプエリアEa1に入ったと判断される。
【0099】
座標位置データが示す座標が何れかのジャンプエリア情報が示す座標範囲内であると判断すると(S64,Yes)、演算制御部2は、座標範囲内であると判断されたジャンプエリア情報に対応付けられている他方のジャンプエリア情報から中心座標情報を読み出す(S65)。
【0100】
演算制御部2は、読み出した中心座標情報を座標位置データとし、その座標位置データが示す座標にマウスカーソルCを表示させる(S66)。
【0101】
図20(c)は、他方のジャンプエリアにマウスカーソルCがジャンプ表示された状態を示している。図20(c)に示すように、マウスカーソルCが一のジャンプエリアEa1に入ると、そのジャンプエリアEa1に対応付けられている同一態様の他方のジャンプエリアEa2にマウスカーソルCがジャンプ表示される。
【0102】
このように、本実施形態に係る医用画像読影装置1のマウスカーソルCのジャンプ移動表示によっては、一対のジャンプエリアの何れかにマウスカーソルCが入ると他方のジャンプエリアにマウスカーソルCがジャンプ表示される。
【0103】
従って、マウスカーソルCを一のジャンプエリア上に動かすだけで、離れた他のジャンプエリア上にマウスカーソルCが出現する。その間のポインティングデバイス6の操作は、省略することができる。これにより、ポインティングデバイス6の操作負担が低減され、オペレータの読影レポート作成の思考が妨げられず、読影効率の向上及び読影ミスの低減を図ることができる。
【0104】
次に所定箇所ジャンプ移動の変形例についてさらに詳細に説明する。図22は、この変形例に係る所定箇所ジャンプ移動処理を示すフローチャートである。
【0105】
まず、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されているジャンプエリア情報を読み出し(S71)、モニタ5の表示画面上にジャンプエリアを表示させる(S72)。
【0106】
外部記憶部4には、予めジャンプエリア情報が記憶されている。図23は、外部記憶部4に記憶された少なくとも1対のジャンプエリア情報を示す図である。換言すると、2以上のジャンプエリア情報が記憶されている。図23に示すように、各ジャンプエリア情報は、表示画面上の箇所を示す座標範囲情報と、キーボード7に配置された対応のボタンを識別する対応ボタン情報とが対になって含まれている。また、座標範囲情報にその座標範囲の中心座標を示す中心座標情報が付帯している。外部記憶部4には、複数のジャンプエリア情報が記憶されており、そのジャンプエリア情報のそれぞれが固有の対応ボタン情報を有している。即ち、座標範囲情報で表示位置が規定されるジャンプエリアは、対応ボタン情報によって個別的に識別される。
【0107】
演算制御部2は、ジャンプエリア情報を外部記憶部4から取得し、主記憶部3にジャンプエリア情報の記憶領域を確保して当該領域に展開する。双方のジャンプエリア情報から座標範囲情報を読み出し、座標範囲情報で示される座標範囲にそれぞれジャンプエリアを表示させる。
【0108】
図24(a)は、ジャンプエリアが表示された状態を示す。図24(a)に示すように、表示画面のジャンプエリア情報が示す箇所には、ジャンプエリアEc1、Ec2、Ec3が表示される。ジャンプエリアEc1、Ec2、Ec3には、ジャンプエリア情報に含まれている対応ボタン情報が表すボタン名が表示されており、視覚的にどのジャンプエリアにどのボタンが対応しているかを認識できる。
【0109】
ポインティングデバイス6から座標位置データが送出されると(S73,Yes)、演算制御部2は、主記憶部3に展開させた各ジャンプエリア情報が示す座標範囲と座標位置データが示す座標とを比較して、マウスカーソルCが何れかのジャンプエリアの座標範囲内にあるか否かを判断する(S74)。
【0110】
座標位置データが示す座標が何れかのジャンプエリア情報が示す座標範囲内であると判断し(S74,Yes)、マウスカーソルCが何れかのジャンプエリアに入った状態で、図24(b)に示すように、マウスカーソルCが移動しているジャンプエリア以外の何れかのジャンプエリアに対応付けられているボタンが押下されると(S75,Yes)、演算制御部2は、押下されたボタンと合致する対応ボタン情報を有するジャンプエリア情報から中心座標情報を読み出す(S76)。
【0111】
演算制御部2は、読み出した中心座標情報を座標位置データとし、その座標位置データが示す座標にマウスカーソルCを表示させる(S77)。
【0112】
図24(c)は、押下されたボタンに対応するジャンプエリアにマウスカーソルCがジャンプ表示された状態を示している。図24(c)に示すように、マウスカーソルCがジャンプエリアEc1に移動して、かつその状態でジャンプエリアEc3に対応するボタンである「3」キーが押下されると、「3」キーに対応付けられているジャンプエリアEc3にマウスカーソルCがジャンプ表示される。
【0113】
この変形例によっては、マウスカーソルCを一のジャンプエリア上に動かし、ジャンプさせたいジャンプエリアに対応するボタンを押下するだけで、離れた所望のジャンプエリア上にマウスカーソルCが出現する。その間のポインティングデバイス6の操作は、省略することができる。これにより、ポインティングデバイス6の操作負担が低減され、オペレータの読影レポート作成の思考が妨げられず、読影効率の向上及び読影ミスの低減を図ることができる。
【0114】
さらに所定箇所ジャンプ移動の他の変形例についてさらに詳細に説明する。図25は、この変形例に係る所定箇所ジャンプ移動処理を示すフローチャートである。
【0115】
まず、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されている入口ジャンプエリア情報を読み出し(S81)、モニタ5の表示画面上に入口ジャンプエリアを表示させる(S82)。
【0116】
外部記憶部4には、予め入口ジャンプエリア情報が記憶されている。図26(a)は、外部記憶部4に記憶された入口ジャンプエリア情報を示す図である。図26(a)に示すように、この変形例では、ジャンプエリア情報の格納領域には、予め入口側のジャンプエリア情報しか記憶されていない。換言すると、出口側のジャンプエリア情報は、予め記憶されておらず、当初表示されない。
【0117】
演算制御部2は、入口ジャンプエリア情報のみを外部記憶部4から取得し、主記憶部3に入口ジャンプエリア情報の記憶領域を確保して当該領域に展開する。入口ジャンプエリア情報から座標範囲情報を読み出し、座標範囲情報で示される座標範囲にそれぞれ入口ジャンプエリアを表示させる。
【0118】
図27(a)は、入口ジャンプエリアが表示された状態を示す。図27(a)に示すように、表示画面の入口ジャンプエリア情報が示す箇所には、ジャンプエリアE1、E1が表示される。複数の入口ジャンプエリア情報が予め記憶されている場合は、その全てのジャンプエリアE1、E1が表示されるが、何れも入口専用となっている。
【0119】
ポインティングデバイス6やキーボード7を用いて、表示画面上の領域が指定されると(83,Yes)、演算制御部2は、その指定された領域を出口ジャンプエリアとして出口ジャンプエリア情報を生成し、表示させる(S84)。
【0120】
図27(b)に示すように、例えば、読影レポートR内に入力された「前回CT」なる文字列を指定すると、演算制御部2は、その指定された領域の座標範囲を取得する。この指定された領域の座標範囲を取得すると、演算制御部2は、出口ジャンプエリア情報を生成し、この出口ジャンプエリア情報に取得した座標範囲を表す座標範囲情報を含めて記憶させる。さらに、この指定された領域の座標範囲の中心座標を算出し、出口ジャンプエリア情報に中心座標情報として含める。即ち、指定された「前回CT」なる文字列が出口ジャンプエリアE2として後発的に生成され、表示画面上に表示される。
【0121】
出口ジャンプエリアが設定された状態で、図27(b)に示すように、ポインティングデバイス6の操作により医用画像P等の表示データが選択されてドラッグ状態のままマウスカーソルCが入口ジャンプエリアE1に移動すると(S85,Yes)、演算制御部2は、出口ジャンプエリア情報から中心座標情報を読み出す(S86)。
【0122】
演算制御部2は、読み出した中心座標情報を座標位置データとし、その座標位置データが示す座標にドラッグ状態を維持したままマウスカーソルCを表示させる(S87)。
【0123】
図27(c)は、入口ジャンプエリアから出口ジャンプエリアにマウスカーソルがドラッグ操作を維持したままジャンプ表示された状態を示している。図27(c)に示すように、マウスカーソルCが医用画像PをドラッグさせながらジャンプエリアE1に移動すると、マウスカーソルCは、ドラッグ前に領域指定されたことで後発的に出口ジャンプエリアE2となった「前回CT」なる文字列へ、医用画像Pをドラッグさせたままジャンプ表示される。
【0124】
この変形例によっては、領域指定操作によって後発的に所望の場所に出口ジャンプエリアを生成でき、マウスカーソルCを医用画像P等のデータをドラッグさせながら入口ジャンプエリア上に動かすだけで、その所望の場所に生成された出口ジャンプエリアにマウスカーソルCをドラッグ状態のままジャンプ表示できる。これにより、特に後発的に定まるリンク対象にリンク付けをする場合にポインティングデバイス6の操作負担が低減され、オペレータの読影レポート作成の思考が妨げられず、読影効率の向上及び読影ミスの低減を図ることができる。
【0125】
さらに、学習反映モードで行われる予測ジャンプ移動の変形例についてさらに詳細に説明する。図28は、この予測ジャンプ移動の変形例の動作を示すフローチャートである。この予測ジャンプ移動の変形例では、移動元において画像等が予めドラッグされ、移動先情報で表される移動先の所定範囲内に予め範囲指定された文字列が存在すると、その文字列の位置にマウスカーソルCを移動させ、その文字列に対して予め定められた作業、例えばハイパーリンク設定等を行うものである。
【0126】
まず、例えばF2キーの押下等の学習反映モードを指示する特定操作がされると(S91,Yes)、学習反映モードが開始される(S92)。演算制御部2は、学習反映モードのプログラムを外部記憶部4から読み出して主記憶部3に展開して解読及び実行する。ポインティングデバイス6やキーボード7からの特定操作を検出している間は、学習反映モードを継続する。
【0127】
学習反映モードが開始されると、演算制御部2は、マウスカーソルCの移動元情報を取得する(S93)。そして、ポインティングデバイス6が操作されてマウスカーソルCが移動開始すると(S94,Yes)、演算制御部2は、マウスカーソルCの初動方向情報を取得する(S95)。
【0128】
初動情報を取得すると、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶された予測情報から、主記憶部3に記憶された初動情報と同一の初動情報を有する予測情報を検索する(S96)。存在しない場合は(S96,No)、マウスカーソルCを通常移動させる(S97)。
【0129】
同一の初動情報を有する予測情報が存在すれば(S96,Yes)、該当する予測情報から移動先情報を取得する(S98)。
【0130】
移動先情報を取得すると、演算制御部2は、移動先情報が示す座標位置の所定距離内に範囲指定された文字列が存在するか否かを判断する(S99)。
【0131】
文字列の範囲指定は、この学習反映モードが指示される前、例えばF2キーの押下等が行われる前になされる。予めポインティングデバイス6やキーボード7を用いて、表示画面上の領域が指定されると、演算制御部2は、その指定された領域を優先移動先情報として主記憶部3に記憶させておく。演算制御部2は、優先移動先情報を記憶させていると、取得した移動先情報と優先移動先情報が示す領域の中心とが所定距離内にあるか否かを判断する。所定距離は、予めプログラムの一部として外部記憶部4に記憶されている。
【0132】
演算制御部2は、移動先情報が表す座標と優先移動先情報が表す領域の中心座標とからその離間距離を算出し、算出した値が所定距離が表す値よりも小さければ、移動先情報が示す座標位置の所定距離内に範囲指定された文字列が存在すると判断し(S99,Yes)、算出した値が所定距離が表す値よりも大きければ、移動先情報が示す座標位置の所定距離内に範囲指定された文字列が存在しないと判断する(S99,No)。
【0133】
移動先情報が示す座標位置の所定距離内に範囲指定された文字列が存在しないと判断すると(S99,No)、取得した移動先情報を座標位置データとして当該移動先情報が示す座標位置にマウスカーソルCを表示させる(S100)。
【0134】
一方、移動先情報が示す座標位置の所定距離内に範囲指定された文字列が存在すると判断した場合(S99,Yes)、この範囲指定された文字列上にマウスカーソルCを表示させる(S101)。演算制御部2は、優先移動先情報が示す領域の中心座標を計算し、その中心座標にマウスカーソルCを表示させる。
【0135】
さらに、演算制御部2は、ポインティングデバイス6が操作されてマウスカーソルCが移動開始されたときに、同時に医用画像がドラッグされたか否かを判断する(S102)。ドラッグされていなければ(S102,No)、この予測ジャンプ移動の処理は終了する。
【0136】
一方、医用画像がドラッグされたと判断すると(S102,Yes)、演算制御部2は、範囲指定された文字列に対して所定の処理、例えばドラッグされた医用画像のハイパーリンクを設定し(S103)、予測ジャンプ移動の処理は終了する。
【0137】
図29(a)に示すように、例えば読影レポートRに入力した「前回CT」なる文字列を選択すると、その文字列の下地色を例えばグレー(gray)等に変更して視覚上選択されたことを報知する。そして、その文字列の範囲を優先移動先情報PEとして記憶しておく。この優先移動先情報PEが表す範囲の中心座標を例えば(800,250)とする。
【0138】
さらに、例えば医用画像P上にマウスカーソルCを移動させて、医用画像Pを所定方向にドラッグすると、この初動を契機として実施形態に係る予測ジャンプ移動の処理を実行する。
【0139】
図30は、この実施形態に係る予測情報のデータ構造を示す模式図である。予測情報には、処理プログラムと所定距離を表す所定距離情報Dが関連づけられている。処理プログラムは、例えばハイパーリンク処理であり、所定距離情報Dは、例えば100画素分である。この所定プログラムは、学習モード等によって範囲指定された文字列に対する処理をも記憶することで関連づけられる。
【0140】
図29(b)に示すように、医用画像Pが所定方向にドラッグされると、その移動元の領域と初動方向とを用いて予測情報を参照して移動先が暫定的に決定される。予測情報において移動元情報と対応付けられている移動先情報WPが表す移動先の座標が暫定的な移動先である。移動先情報WPが表す座標は、例えば(800,250)である。
【0141】
暫定的に移動先を決定すると、この暫定的な移動先の座標(800,300)と範囲指定された文字列の中心座標(800,250)との距離を算出する。そして、予測情報から所定距離情報Dを読み出して、算出した距離と比較する。暫定的な移動先の座標が(800,300)で範囲指定された文字列の中心座標が(800,250)の場合、算出された距離は「50」であり、予測情報には「100」を表す所定距離情報Dが関連づけられている。この場合、比較の結果、移動先情報が示す座標位置の所定距離内に範囲指定された文字列が存在すると判断される。
【0142】
移動先情報が示す座標位置の所定距離内に範囲指定された文字列が存在すると判断され、かつマウスカーソルCの初動時に医用画像Pをドラッグしていると、予測情報に関連づけられている所定プログラムを読み出し、範囲指定された文字列である「前回CT」に対して所定プログラムを実行する。
【0143】
例えば、図29(c)に示すように、所定プログラムとしてハイパーリンク処理が関連づけられていれば、範囲指定された文字列である「前回CT」に対して医用画像PのハイパーリンクHLを設定する。そして、この「前回CT」の色を例えば青色に変化させて下線を引き、ハイパーリンクHLが設定されたことが識別表示する。さらに、マウスカーソルCをこの「前回CT」の文字列上にジャンプ表示させる。尚、マウスカーソルCの表示位置については、この変形例のように範囲指定された文字列に移動させても良いし、移動先情報が表す移動先に移動させても良い。
【0144】
この変形例によっては、範囲指定等によってその後の処理を予測しうる場合には、その範囲に向けてマウスカーソルCを移動させるだけで、この範囲にリンク付けまで行わせることができ、その間のポインティングデバイス6の操作を省くことが可能となる。これにより、ポインティングデバイス6の操作負担が低減され、オペレータの読影レポート作成の思考が妨げられず、読影効率の向上及び読影ミスの低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0145】
1 医用画像読影装置
2 演算制御部
3 主記憶部
4 外部記憶部
5,5a,5b,5c モニタ
6 ポインティングデバイス
7 キーボード
8 通信コントローラ
C マウスカーソル
Ea1,Ea2,Eb1,Eb2 ジャンプエリア
Ew 作業エリア
P 医用画像
R 読影レポート
【技術分野】
【0001】
本発明は、読影レポートを作成する際のカーソルの移動技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、医療行為の高度化に伴い、患者の診断は各段階に細分化され、それぞれの段階で専門者が携わる。一般には、画像診断は、画像診断依頼、画像収集、読影、治療方針の決定の手順で行われる。
【0003】
画像診断依頼では、内科等の検査依頼科から放射線科に依頼書が提出される。依頼書には、患者のID番号、患者氏名、生年月日、性別、検査依頼科名、検査依頼医師氏名、検査のモダリティ、検査部位、検査方法、検査目的、臨床情報の各項目が含まれている。画像収集では、検査技師が依頼書の内容に従って画像収集を行う。読影では、読影医師が、収集された画像を読影して結果を読影レポートにまとめる。読影レポートには、読影医師の所見、結論等の各情報が含まれる。治療方針の決定では、担当医師が読影レポートをもとに治療方針の決定をする。
【0004】
読影及び読影レポートの作成では、これら行為を電子的に行う医用画像読影装置が実用化されている(例えば、「特許文献1」参照。)。画像収集によって得られた医用画像を取得してモニタに表示し、同時に読影レポートのシートを表示する。読影医は、読影レポートのシート上に必要な項目を入力する。
【0005】
この医用画像読影装置は、複数のモニタを有するコンピュータで構成され、マンマシンインタフェースとしてキーボードやポインティングデバイスが利用される。複数のモニタは、共通の2次元座標平面を有し、読影レポートを表示しているモニタ、医用画像をサムネイル表示しているモニタ、一の医用画像を拡大表示しているモニタに分かれている。共通の2次元座標平面上に一つのマウスカーソルが表示される。読影医は、マウスカーソルを所望のモニタの所望箇所に移動させ、当該箇所で必要な作業を行いながら読影及び読影レポート作成をしている。
【0006】
例えば、サムネイル表示されている医用画像上にマウスカーソルを移動させ、一の医用画像を選択して別モニタに拡大表示させる。拡大表示された医用画像上にマウスカーソルを移動させ、コントラスト調整、拡大縮小等しながら読影し、読影レポート上にマウスカーソルを戻して、読影レポートに所見を書き込む。拡大表示された医用画像にマウスカーソルを再度移動させ、読影レポート上の文字列に当該医用画像をドラッグアンドドロップしハイパーリンクを設定する。読影医は、このルーチンを何度も繰り返し、読影レポート、医用画像のサムネイル、拡大表示した医用画像上にマウスカーソルを何往復も移動させながら、読影及び読影レポートの作成を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−31719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
医用画像の読影及び読影レポートの作成にあたり、読影医のマウスカーソル移動負担は大きく、読影及び読影レポート作成の思考を妨げる。その結果、読影効率の悪化や読影ミスを招くおそれが指摘されている。特に医用画像を表示されているモニタには、高解像度表示が可能なモニタを用いることが多く、それだけマウスカーソルの移動に手間がかかる。
【0009】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、医用画像の読影作業におけるマウスカーソルの移動負担を低減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための発明の第1の態様では、医用画像の読影と読影レポートの作成を支援する医用画像読影装置であって、カーソルを移動させるポイティングデバイスと、前記医用画像と前記読影レポートと前記カーソルを表示画面上に表示する表示手段と、前記カーソルの初動情報と移動先情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記ポインティングデバイスにより前記カーソルが移動開始すると、その初動に該当する前記初動情報を前記記憶部から検索し、対応付けられている前記移動先情報を取得する検索手段と、前記検索手段により取得された前記移動先情報で示される移動先に前記カーソルを移動させるカーソル移動手段と、を備え、前記記憶部は、所定処理と所定距離情報をさらに記憶し、前記読影レポート上の文字列が範囲指定され、前記医用画像がドラッグされると、前記移動先情報で示される移動先と前記範囲指定された文字列との距離が前記距離情報が表す距離内にあるか否かを判断する距離判断手段と、前記距離が前記距離情報が表す範囲内にあると、前記範囲指定された文字列に対して前記所定処理を反映させる反映手段と、をさらに備えること、を特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る医用画像読影装置の構成を示す。
【図2】モニタに表示される画面を示す。
【図3】マウスカーソルの各種移動処理を示す。
【図4】予測ジャンプ移動の学習モードの処理を示す。
【図5】領域情報によって複数の領域に分割されたモニタの表示画面を示す。
【図6】方向情報によって複数分割された方向を示す。
【図7】マウスカーソルの初動によって記憶された初動情報を示す一例である。
【図8】マウスカーソルの移動停止によって記憶された移動先情報を示す一例である。
【図9】予測情報を示す。
【図10】学習モードにおけるマウスカーソルの移動を反映させた予測情報を示す。
【図11】予測ジャンプ移動の学習反映モード処理を示す。
【図12】学習反映モードにおけるモニタの表示を示し、(a)が学習反映モード開始時、(b)がマウスカーソルの初動時、(c)がマウスカーソルのジャンプ表示時を示す。
【図13】マウスカーソルの初動によって記憶された初動情報を示す一例である。
【図14】予測情報を示す一例である。
【図15】反映移動処理を示す。
【図16】作業エリア情報を示す。
【図17】反映移動モードにおけるモニタの表示を示し、(a)は作業エリアが表示された状態を示し、(b)は作業エリアへの医用画像のドラッグとハイパーリンク設定を示す。
【図18】作業エリアに関連づけられたハイパーリンク処理が反映された作業反映先を示す。
【図19】ジャンプ移動処理を示す。
【図20】ジャンプ移動モードにおけるモニタの表示を示し、(a)はジャンプエリアが表示された状態を示し、(b)は一のジャンプエリアにマウスカーソルが入った状態を示し、(c)は他方のジャンプエリアにマウスカーソルがジャンプ表示された状態を示している。
【図21】ジャンプエリア情報を示す。
【図22】ジャンプ移動処理の第1の変形例を示す。
【図23】この変形例に係るジャンプエリア情報を示す。
【図24】変形例に係るジャンプ移動モードにおけるモニタの表示を示し、(a)はジャンプエリアが表示された状態を示し、(b)はキーボードに配列されるボタンを示し、(c)は他方のジャンプエリアにマウスカーソルがジャンプ表示された状態を示している。
【図25】ジャンプ移動処理の第2の変形例を示す。
【図26】この変形例に係るジャンプエリア情報を示す。
【図27】変形例に係るジャンプ移動モードにおけるモニタの表示を示し、(a)はジャンプエリアが表示された状態を示し、(b)は領域指定されることにより出口側ジャンプエリアが生成され、その後、医用画像が予め表示されている入口側ジャンプエリアにドラッグ操作された状態を示し、(c)は入口ジャンプエリアから出口ジャンプエリアにマウスカーソルがドラッグ状態を維持したままジャンプ表示された状態を示している。
【図28】予測ジャンプ移動の第2の変形例を示す。
【図29】予測ジャンプ移動の第2の変形例にかかるモニタ表示過程を示す。
【図30】予測ジャンプ移動の第2の変形例にかかる予測情報を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る医用画像読影装置の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る医用画像読影装置の構成を示すブロック図である。医用画像読影装置1は、コンピュータで構成され、内部に演算制御部(CPU:Central Processing Unit)2、主記憶部(RAM:Random Access Memory)3、外部記憶部(HDD:Hard Disk Drive)4、通信コントローラ8を備え、共通線で接続されて相互にデータ入出力可能となっている。また、マンマシンインタフェースとして、モニタ5、ポインティングデバイス6、及びキーボード7が図示しない入出力コントローラを介して接続されている。
【0014】
演算制御部2は、プログラムを解読及び実行して、データの演算及び装置の制御をする。主記憶部3は、演算制御部2のワークエリアであり、プログラムが展開され、演算結果や読み出されたデータの一時記憶をする。外部記憶部4は、OS(オペレーティングシステム)及び読影プログラムが記憶されている。読影プログラムは、医用画像の取得及び表示、操作者の入力に応じた読影レポートの作成、及びマウスカーソルの移動のプログラムが含まれている。
【0015】
通信コントローラ8は、ネットワークNに接続されて、ネットワークNを介して行なうデータ通信を制御する。ネットワークNは、電子データの伝送が可能な電子通信回線であり、例えば電話回線網、ISDN、FDDI、専用線、移動体通信網、通信衛星回線、CATV、LAN等、又はこれらの複合が採用される。
【0016】
このネットワークNには、図示しない画像サーバが接続されている。画像サーバには、医用画像が保存されている。医用画像読影装置1は、通信コントローラ8のデータ通信制御によりネットワークNを介して画像サーバ(server)から医用画像を取得する。通信コントローラ8のデータ通信制御には、例えばWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)、TCP/IPプロトコル、或いはDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)プロトコル等が採用される。
【0017】
モニタ5は、LCDディスプレイあるいはCRTディスプレイで構成され、演算制御部2から出力された描画データに応じて、作成中の読影レポート、医用画像、及びマウスカーソルを表示する。医用画像読影装置1では、モニタ5が複数接続されて、読影レポート表示用又は医用画像表示用となる。
【0018】
ポインティングデバイス6は、モニタ5に表示されたマウスカーソルを移動させる装置である。X軸用ローラ及びY軸用ローラを有し、各回転量からX軸方向及びY軸方向の移動距離を求め、座標位置データとして符号化して演算制御部2に送出している。演算制御部2は、この座標位置データが入力される毎にモニタ5に対してその座標位置にマウスカーソルを表示させる制御をする。
【0019】
尚、マウスカーソルは、この所謂マウスと呼ばれるポインティングデバイス6によって操作されるが、ポインティングデバイス6がマウス以外の例えばトラックボールやタッチパッド等のカーソルを移動させる装置であってもよく、以下の実施形態ではこれらマウス以外のポインティングデバイス6で移動させるカーソルも便宜上マウスカーソルと呼ぶ。
【0020】
図2は、医用画像読影装置1のモニタ5に表示される画面を示している。図2に示すように、例えば医用画像読影装置1には、3台のモニタ5a、5b、5cが接続されている。モニタ5aには、読影レポートRが表示される。モニタ5bには、例えば同一シリーズ(series)の医用画像Pが表示される。モニタ5cには、同一シリーズの医用画像Pのうち、特に関心の高い医用画像Pが拡大表示される。
【0021】
また、モニタ5a、5b、5cには、ポインティングデバイス6が送出した座標位置にマウスカーソルCが表示されている。このモニタ5a、5b、5cは、共通の2次元座標平面を有し、その座標平面の何れかの範囲が表示されている。読影レポートRや医用画像Pは、表示される範囲に合うように表示位置が初期設定されている。マウスカーソルCは、座標位置データに従ってモニタ5a、5b、5c間を移動し、何れかに表示される。
【0022】
この表示態様において、本実施形態の医用画像読影装置1は、ポインティングデバイス6やキーボード7を用いた入力操作に応じて割り込み処理を発生させる。演算制御部2は、この割り込み処理のために、入力操作に応じたマウスカーソル移動プログラムを主記憶部3に展開して解読及び実行する。
【0023】
即ち、演算制御部2は、入力操作に応じて、マウスカーソルCを通常移動、予測ジャンプ移動、所定箇所ジャンプ移動、あるいは反映移動させる。マウスカーソルCの通常移動では、ポインティングデバイス6が座標位置データに連続的に送出するとその都度マウスカーソルCを連続移動表示させる。
【0024】
マウスカーソルCの予測ジャンプ移動では、マウスカーソルCをその初動から予測し得る移動先へジャンプ表示させる。マウスカーソルCの所定箇所ジャンプ移動、換言するとワープ移動では、所定エリアに入ったマウスカーソルCを別の所定エリアへジャンプ表示させる。マウスカーソルCの反映移動では、所定処理が関連づけられた作業エリアにデータがドラッグされると、予め指示された作業反映先に対してドラッグされたデータの処理を反映させる。関連づけられる処理としては、例えばハイパーリンクの設定が挙げられる。
【0025】
図3は、マウスカーソルCの各種移動処理を示すPADチャートである。まず、オペレータにより医用画像読影装置1が起動されると、マウスカーソルCを初期位置に表示する(S01)。初期位置は、予め設定されてある座標位置データに対応する。
【0026】
医用画像読影装置1が起動されると、ポインティングデバイス6やキーボード7を用いて医用画像Pの取得を指示する操作が行われる。この操作に応じて、画像サーバから通信コントローラ8及びネットワークNを介して医用画像Pを取得し、主記憶部3に一時的に記憶させておく。主記憶部3に一時記憶された医用画像Pは、表示信号に変換されてモニタ5に表示される。オペレータは、表示された医用画像Pを拡大、縮小、画質変更等しながら読影し、読影レポートRを作成する。
【0027】
読影レポートRの作成が終了するまでは(S02)、演算制御部2は、ポインティングデバイス6やキーボード7から送出される信号に従い、割り込み処理を発生させてマウスカーソルCを移動させる(S03〜S12)。尚、演算制御部2は、ポインティングデバイス6やキーボード7から送出される信号を入出力コントローラを介して受け取るが、入出力コントローラで信号からコードが生成され、当該コードの形式で受け取る。
【0028】
ポインティングデバイス6が操作されて(S03,Yes)、モニタ5の表示画面上に設定されるジャンプエリアにマウスカーソルCが移動すると(S04,Yes)、演算制御部2は、ジャンプ移動制御を行い、マウスカーソルCを他のジャンプエリアへジャンプ表示させる(S05)。
【0029】
一方、マウスカーソルCの移動先がジャンプエリアでない場合(S04,No)、演算制御部2は、通常移動制御を行い、ポインティングデバイス6の操作に対応してマウスカーソルCを連続移動させる(S06)。
【0030】
通常移動制御では、演算制御部2は、ポインティングデバイス6から送出される座標位置データを受け取り、座標位置データが示す座標位置にマウスカーソルCを表示させる。座標位置データは、ポインティングデバイス6の操作に追随して連続的に送出される。演算制御部2は、その度座標位置データが示す座標位置にマウスカーソルCを表示させる信号をモニタ5に送出する。
【0031】
また、例えばF1キーの押下等の学習モード指示のための特定操作が検出されると(S07,Yes)、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されている学習モードのプログラムを主記憶部3に展開して解読及び実行する。医用画像読影装置1は、予測ジャンプ移動制御のための学習モードに突入する(S08)。
【0032】
学習モードでは、マウスカーソルCの初動から移動先を予測するための予測情報を蓄積する。
【0033】
また、例えばF2キーの押下等の学習反映モード指示のための特定操作が検出されると(S09,Yes)、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されている学習反映モードのプログラムを主記憶部3に展開して解読及び実行する。医用画像読影装置1は、マウスカーソルCを予測される移動先へジャンプ表示させる学習反映モードに突入する(S10)。
【0034】
学習反映モードでは、マウスカーソルCの初動をもとに学習モードで蓄積した予測情報から移動先を検索し、検索された移動先へマウスカーソルCをジャンプ表示する。
【0035】
さらに、ポインティングデバイス6やキーボード7を用いて読影レポート上の文字列等の作業反映先が指示され、モニタ5上に表示されている作業エリアに医用画像等のデータがドラッグされると(S11,Yes)、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されている作業反映モードのプログラムを主記憶部3に展開して解読及び実行する。医用画像読影装置1は、作業エリアに関連づけられている処理を作業反映先に反映する作業反映モードに突入する(S12)。
【0036】
読影レポートの作成が終了するまでは(S02)、マウスカーソルCの移動あるいはキーボード7又はポインティングデバイス6の特定操作がなされると、演算制御部2は、その移動や特定操作に対応したプログラムを実行して、マウスカーソルCの通常移動制御、ジャンプ移動制御、予測ジャンプ移動制御、又は反映移動制御をする(S03〜S12)。
【0037】
このような医用画像読影装置1において、予測ジャンプ移動についてさらに詳細に説明する。まず予測ジャンプ移動の学習モードについて説明する。図4は、予測ジャンプ移動の学習モードの処理を示すフローチャートである。
【0038】
まず、例えばF1キーの押下等の学習モードを指示する特定操作がされると(S21,Yes)、学習モードが開始される(S22)。演算制御部2は、学習モードのプログラムを外部記憶部4から読み出して主記憶部3に展開して解読及び実行する。ポインティングデバイス6やキーボード7からの特定操作を検出している間は、学習モードを継続する。
【0039】
学習モードが開始されると、演算制御部2は、マウスカーソルCの移動元情報を取得する(S23)。
【0040】
移動元情報は、マウスカーソルCの移動元が属する領域で特定される。モニタ5の座標平面は、予め複数の領域に分割される。外部記憶部4には、各領域の座標範囲とその領域のIDである領域情報が対になって記憶されている。
【0041】
図5に、領域情報によって複数の領域に分割されたモニタ5の表示画面を模式的に示す。モニタ5の座標平面は、外部記憶部4に記憶された各領域の座標範囲により、領域情報で表される複数の領域に分割される。例えばモニタ5aは、領域情報A1〜C3で分割され、モニタ5bは、領域情報A4〜C6及びD1〜D3で分割され、モニタ5cは、領域情報A7〜C9及びD4〜D6で分割される。
【0042】
演算制御部2は、主記憶部3に記憶された移動開始時点の座標位置データが示す座標と各領域の座標範囲とを比較して、領域の範囲外か範囲内か判定する。範囲内と判定した領域の領域情報をマウスカーソルCの移動元情報として主記憶部3に記憶させる。
【0043】
ポインティングデバイス6が操作されてマウスカーソルCが移動開始すると(S24,Yes)、演算制御部2は、マウスカーソルCの初動方向情報を取得する(S25)。
【0044】
初動方向情報は、マウスカーソルCの初動において移動した方向を示す。移動方向は、全方位を複数分割した各方向の何れかで特定される。外部記憶部4には、各方向の方向ベクトルとその方向のIDである方向情報が対になって記憶されている。
【0045】
図6に、方向情報によって複数分割された方向を示す。例えば全方位を8方向に分割する方向情報Dir1〜8により、移動方向は、方向ベクトルが最も近似するDir1〜8の何れかで特定される。
【0046】
演算制御部2は、初動前後の座標位置データから初動における移動方向を演算する。算出された移動方向と各方向ベクトルとを比較して、最も近似する方向ベクトルと対になった方向情報を初動方向情報として主記憶部3に記憶させる。
【0047】
移動元情報と初動方向情報とは初動情報として対になって記憶される。図7は、マウスカーソルCの初動によって主記憶部3に記憶された初動情報を示す一例である。例えば、主記憶部3には、マウスカーソルCの初動によって移動元情報C8と初動方向情報Dir8とが対になって記憶される。
【0048】
初動情報を取得すると、演算制御部2は、マウスカーソルCの移動停止を監視する。マウスカーソルCの移動が停止すると(S26,Yes)、演算制御部2は、移動先情報を取得する(S27)。
【0049】
演算制御部2は、主記憶部3に記憶される座標位置データをサンプリングし、値に相違がなくなれば、マウスカーソルCの移動が停止したと判断する。移動先情報は、マウスカーソルCが移動を停止した座標である。演算制御部2は、停止を判断すると、主記憶部3から停止時点の座標位置データを取得し、移動先情報として主記憶部3に記憶させる。
【0050】
図8は、マウスカーソルCの移動停止によって主記憶部3に記憶された移動先情報を示す一例である。例えば、主記憶部3には、移動先情報(X1,Y1)として(3089,502)が記憶される。
【0051】
初動情報及び移動先情報を取得すると、演算制御部2は、予測情報を作成して外部記憶部4に記憶させる(S28〜S33)。予測情報は、マウスカーソルCの初動に対する移動先を示す情報である。この予測情報は、初動情報と移動先情報と学習回数とを対応付けしている。
【0052】
図9は、外部記憶部4に記憶されている予測情報を示す図である。例えば、予測情報は、移動元情報C8、初動方向情報Dir8、移動先情報(X2,Y2)として(3100,500)と、学習回数8とを対応付けしている。
【0053】
演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されている複数の予測情報から、同一の初動情報を有する予測情報の存在を検索する(S28)。該当する予測情報が存在しなければ(S28,No)、取得した初動情報及び移動情報と学習回数の初期値「1」を対応付けて新たな予測情報を外部記憶部4に記憶させる(S29)。
【0054】
同一の初動情報を有する予測情報が存在すれば(S28,Yes)、該当する予測情報から移動先情報(X2,Y2)と学習回数を取得し(S30)、今回の学習モードで新たに取得した移動先情報(X1,Y1)を加えて平均位置(X3,Y3)を算出する(S31)。
【0055】
平均位置(X3,Y3)は、同一の初動情報で表されるマウスカーソルCの各初動における移動先の平均位置の座標である。平均位置(X3,Y3)の算出は、具体的には、以下の式1を計算することで求める。ここで、求める平均位置を(X3,Y3)とし、今回の学習モードで取得した移動先情報を(X1,X2)とし、既に記憶されている予測情報に含まれる移動先情報を(X2,Y2)とし、学習回数をNとする。
【0056】
式1:(X3,Y3)={(X1,X2)+(X2,Y2)×N}/(N+1)
平均位置(X3,Y3)を算出すると、演算制御部2は、S28の検索で該当した予測情報に含まれる移動先情報(X2,Y2)を平均位置(X3,Y3)の座標に変更し(S32)、学習回数を1カウントアップする(S33)。
【0057】
図10は、今回のマウスカーソルCの移動を反映させた予測情報を示す図である。
【0058】
今回のマウスカーソルCの移動により、初動情報として、移動元情報C8及び初動方向情報Dir8が記憶され、移動先情報(X1=3089,Y1=502)が取得されたものとする。また、移動元情報C8及び初動方向情報Dir8、移動先情報(X2=3100,Y2=500)、学習回数8を含む予測情報が外部記憶部4に記憶されているものとする。
【0059】
この予測情報に含まれる初動情報と今回のマウスカーソルCの移動により取得された初動情報は同一であり、検索によりこの予測情報が該当してくる。
【0060】
図10に示すように、予測情報の移動先情報及び学習回数と今回のマウスカーソルCの移動により取得された移動先情報とにより平均位置(3098,500)が算出され、算出された平均位置(3098,500)に予測情報が含む移動先情報が更新される。また、学習回数が1カウントアップされ、学習回数9に更新される。
【0061】
学習モードを指示する特定操作が解除されない間(S34,No)、及び例えばポインティングデバイス6が備えるボタンが押下されたり、離されたりする等のマウスカーソルCの移動以外の操作がされない間は(S35,No)、マウスカーソルCの移動開始及び終了の度にS23〜S33が繰り返される。学習モードを指示する特定操作が解除され(S34,Yes)、又はマウスカーソルCの移動以外の操作がなされる(S35,Yes)と、学習モードは終了する。
【0062】
予測ジャンプ移動の学習反映モードについて説明する。図11は、予測ジャンプ移動の学習反映モード処理を示すフローチャートである。
【0063】
まず、例えばF2キーの押下等の学習反映モードを指示する特定操作がされると(S41,Yes)、学習反映モードが開始される(S42)。演算制御部2は、学習反映モードのプログラムを外部記憶部4から読み出して主記憶部3に展開して解読及び実行する。ポインティングデバイス6やキーボード7からの特定操作を検出している間は、学習反映モードを継続する。
【0064】
学習反映モードが開始されると、演算制御部2は、マウスカーソルCの移動元情報を取得する(S43)。
【0065】
学習反映モードにおいても、移動元情報は、領域情報で分割された領域で特定される。演算制御部2は、主記憶部3に記憶された移動開始時点の座標位置データが示す座標と各領域の座標範囲とを比較して、領域の範囲外か範囲内か判別する。範囲内と判別した領域の領域情報をマウスカーソルCの移動元情報として主記憶部3に記憶させる。
【0066】
ポインティングデバイス6が操作されてマウスカーソルCが移動開始すると(S44,Yes)、演算制御部2は、マウスカーソルCの初動方向情報を取得する(S45)。
【0067】
学習反映モードにおいても初動方向情報は、方向情報で分割された各方向の何れかで特定される。演算制御部2は、初動前後の座標位置データから初動における移動方向を演算する。算出された移動方向と方向ベクトルとを比較して、最も近似する方向ベクトルと対になった方向情報を初動方向情報として主記憶部3に記憶させる。
【0068】
主記憶部3には、マウスカーソルCの初動によって移動元情報と初動方向情報とが対になって記憶される。即ち、マウスカーソルCの初動に係る移動元情報と初動方向情報が初動情報として取得される。
【0069】
初動情報を取得すると、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶された予測情報から、主記憶部3に記憶された初動情報と同一の初動情報を有する予測情報を検索する(S46)。同一の初動情報を有する予測情報が存在すれば(S46,Yes)、該当する予測情報から移動先情報を取得する(S47)。
【0070】
移動先情報を取得すると、演算制御部2は、取得した移動先情報を座標位置データとして当該移動先情報が示す座標位置にマウスカーソルCを表示させる(S48)。尚、存在しない場合は(S46,No)、マウスカーソルCを通常移動させる(S49)。
【0071】
図12は、学習反映モードにおけるモニタ5の表示を示す図であり、図12(a)が学習反映モード開始時、図12(b)がマウスカーソルCの初動時、図12(c)がマウスカーソルCのジャンプ表示時を示す。
【0072】
図12(a)に示すように、学習反映モード開始時点においてマウスカーソルCは、領域情報C8で特定される領域に表示されている。ポインティングデバイス6を操作すると、図12(b)に示すように、ポインティングデバイス6の操作に対応してマウスカーソルCが移動開始する。例えば、マウスカーソルCは、初動において方向情報Dir8の方向に移動を開始する。
【0073】
図13は、マウスカーソルCの初動によって主記憶部3に記憶された初動情報を示す一例である。マウスカーソルCが領域情報C8で特定される領域に表示されている状態において、学習モードに突入し、初動においてマウスカーソルCが方向情報Dir8の方向に移動を開始した。これにより、主記憶部3には、移動元情報C8と初動方向情報Dir8とが対になって記憶される。
【0074】
図14は、外部記憶部4に記憶された予測情報を示す一例である。例えば、外部記憶部4には、移動先情報C8、初動方向情報Dir8、移動先情報(X2,Y2)として(3098,500)、及び学習回数9とを対応付けした予測情報が記憶されている。主記憶部3に記憶されている初動情報と当該移動先情報が有する初動情報とは同一につき、演算制御部2により検索され、移動先情報として(3098,500)が取得される。
【0075】
移動先情報(3098,500)が取得されると、図12(c)に示すように、マウスカーソルCは、初動後、座標(3098,500)に該当する位置にジャンプ表示される。
【0076】
このように、本実施形態に係る医用画像読影装置1のマウスカーソルCの予測ジャンプ移動表示によると、予め記憶しておいた初動情報とこの情報と対応付けられた移動先情報により、初動情報と一致するマウスカーソルCの初動があれば、移動先情報に示される移動先に移動しようとしているとみなして当該移動先にジャンプ表示させる。
【0077】
従って、マウスカーソルCを少し動かすだけで、所望の移動先へマウスカーソルCがジャンプし、その間のポインティングデバイス6の操作を省くことが可能となる。これにより、ポインティングデバイス6の操作負担が低減され、オペレータの読影レポート作成の思考が妨げられず、読影効率の向上及び読影ミスの低減を図ることができる。
【0078】
また、学習モードによりマウスカーソルCの初動と移動先を学習させることができ、予測される移動先の確度を高めることが可能となる。
【0079】
さらに、移動元を領域で特定し、初動方向を一定区画に分割した方向で特定するようにしたため、移動元と初動方向とが座標単位で完全に一致しなくとも、移動先の予測が可能となる。医用画像表示においては高解像度が要求されるため、座標単位での完全一致とすると、予測情報が膨大になり、予測情報の検索負荷によって予測がマウスカーソルCの移動に間に合わないおそれもあるが、本構成によっては鋭敏にマウスカーソルCをジャンプ表示させることができる。
【0080】
次に反映移動モードについてさらに詳細に説明する。図15は、反映移動処理を示すフローチャートである。
【0081】
まず、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されている作業エリア情報を読み出し(S51)、モニタ5の表示画面上に作業エリアを表示させる(S52)。
【0082】
外部記憶部4には、予め作業エリア情報が記憶されている。図16は、作業エリア情報を示す図である。図16に示すように、作業エリア情報は、作業エリアが表示される箇所の座標範囲情報とこの座標範囲情報に関連づけられた処理プログラムである。処理プログラムは、作業エリアにドラッグされたデータの処理を記述している。
【0083】
演算制御部2は、作業エリア情報を外部記憶部4から取得し、主記憶部3に作業エリア情報の記憶領域を確保して当該領域に展開する。作業エリア情報から座標範囲情報を読み出し、座標範囲情報で示される座標範囲に作業エリアを表示させる。この座標範囲情報は、医用画像Pが表示される領域の近傍に設定されている。
【0084】
図17(a)は、作業エリアが表示された状態を示す。図17(a)に示すように、表示画面の作業エリア情報が示す箇所には、作業エリアEwが表示される。例えば、後述するように作業エリアEwにハイパーリンク処理が関連づけられている場合は、表示されている医用画像Pの近傍に作業エリアEwを表示させることが好適である。
【0085】
ポインティングデバイス6の操作により読影レポート上の文字列が選択されると(S53,Yes)、演算制御部2は、選択された文字列を特定するその文字列の位置や範囲等を示す情報を取得し、作業反映先として主記憶部3に記憶させておく(S54)。
【0086】
作業反映先が指示された状態で、ポインティングデバイス6の操作により医用画像が選択されて作業エリアにドラッグ及びドロップされると(S55,Yes)、演算制御部2は、作業エリアに関連づけられた処理を実行し(S56)、指示された作業反映先に実行した処理を反映させる(S57)。
【0087】
演算制御部2は、作業エリアに医用画像がドラッグされたことを受けて、作業エリアの作業エリア情報から処理プログラムを読み出して解読及び実行する。処理プログラムが例えば、ハイパーリンク処理である場合、選択された文字列に対して医用画像のハイパーリンクを設定する。
【0088】
図17(b)は、作業エリアへの医用画像のドラッグとハイパーリンク設定を示す。図17(b)に示すように、読影レポート上の文字列が作業反映先Pwとして選択されると、その文字列の下地色を例えばグレー(gray)等に変更して視覚上選択されたことを報知する。医用画像を作業エリアへドラッグしてドロップすると、作業反映先Pwの文字列の色が例えば青色に変化するとともに下線が引かれてハイパーリンクが設定されたことが識別表示される。
【0089】
図18は、作業エリアに関連づけられたハイパーリンク処理が反映された作業反映先を示す図である。演算制御部2は、医用画像のアドレス(address)情報等のリンク先を取得し、読影レポートのデータ中の作業反映先である文字列部分に、ドラッグされた医用画像のリンク先を付帯させる。
【0090】
このように、本実施形態に係る医用画像読影装置1のマウスカーソルCの反映移動によっては、作業エリアにハイパーリンク等の所定の処理を関連づけておき、作業反映先を指定した上で作業エリアにデータをドラッグすることで、作業エリアに関連づけられた処理が作業反映先に反映する。
【0091】
従って、作業反映先と処理するデータの双方を選択して所定の処理をさせるために、マウスカーソルCの作業反映先とデータとの間の往復移動をさせる必要がなくなり、ポインティングデバイス6の操作量を低減させることが可能となる。これにより、ポインティングデバイス6の操作負担が低減し、オペレータの読影レポート作成の思考を妨げることなく読影効率の向上及び読影ミスの低減を図ることができる。
【0092】
次に所定箇所ジャンプ移動についてさらに詳細に説明する。図19は、所定箇所ジャンプ移動処理を示すフローチャートである。
【0093】
まず、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されているジャンプエリア情報を読み出し(S61)、モニタ5の表示画面上にジャンプエリアを表示させる(S62)。
【0094】
外部記憶部4には、予めジャンプエリア情報が記憶されている。図21は、外部記憶部4に記憶されたジャンプエリア情報を示す図である。図21に示すように、ジャンプエリア情報は、表示画面上の箇所を示す座標範囲情報である。また、座標範囲情報にその座標範囲の中心座標を示す中心座標情報が付帯している。外部記憶部4には、複数のジャンプエリア情報が記憶されており、一のジャンプエリア情報は、他の一のジャンプエリア情報と一対一で対応付けられている。対となったジャンプエリア情報は、相互にマウスカーソルCの出入り口を規定している。
【0095】
演算制御部2は、対のジャンプエリア情報の双方を外部記憶部4から取得し、主記憶部3にジャンプエリア情報の記憶領域を確保して当該領域に展開する。双方のジャンプエリア情報から座標範囲情報を読み出し、座標範囲情報で示される座標範囲にそれぞれジャンプエリアを表示させる。
【0096】
図20(a)は、ジャンプエリアが表示された状態を示す。図20(a)に示すように、表示画面のジャンプエリア情報が示す箇所には、ジャンプエリアEa1、Ea2、Eb1、Eb2が表示される。外部記憶部4に記憶されている複数組のジャンプエリアEa、Ebが表示される。対のジャンプエリアEa、Ebは、同一形態にデザインされて表示されており、視覚的に対のジャンプエリアEa、Ebを認識できる。
【0097】
ポインティングデバイス6から座標位置データが送出されると(S63,Yes)、演算制御部2は、主記憶部3に展開させた各ジャンプエリア情報が示す座標範囲と座標位置データが示す座標とを比較して、マウスカーソルCが何れかのジャンプエリアの座標範囲内にあるか否かを判断する(S64)。
【0098】
図20(b)は、一のジャンプエリアEa1にマウスカーソルCが入った状態を示している。図20(b)に示すように、マウスカーソルCが移動して、一のジャンプエリアEa1上に位置すると、マウスカーソルCがそのジャンプエリアEa1に入ったと判断される。
【0099】
座標位置データが示す座標が何れかのジャンプエリア情報が示す座標範囲内であると判断すると(S64,Yes)、演算制御部2は、座標範囲内であると判断されたジャンプエリア情報に対応付けられている他方のジャンプエリア情報から中心座標情報を読み出す(S65)。
【0100】
演算制御部2は、読み出した中心座標情報を座標位置データとし、その座標位置データが示す座標にマウスカーソルCを表示させる(S66)。
【0101】
図20(c)は、他方のジャンプエリアにマウスカーソルCがジャンプ表示された状態を示している。図20(c)に示すように、マウスカーソルCが一のジャンプエリアEa1に入ると、そのジャンプエリアEa1に対応付けられている同一態様の他方のジャンプエリアEa2にマウスカーソルCがジャンプ表示される。
【0102】
このように、本実施形態に係る医用画像読影装置1のマウスカーソルCのジャンプ移動表示によっては、一対のジャンプエリアの何れかにマウスカーソルCが入ると他方のジャンプエリアにマウスカーソルCがジャンプ表示される。
【0103】
従って、マウスカーソルCを一のジャンプエリア上に動かすだけで、離れた他のジャンプエリア上にマウスカーソルCが出現する。その間のポインティングデバイス6の操作は、省略することができる。これにより、ポインティングデバイス6の操作負担が低減され、オペレータの読影レポート作成の思考が妨げられず、読影効率の向上及び読影ミスの低減を図ることができる。
【0104】
次に所定箇所ジャンプ移動の変形例についてさらに詳細に説明する。図22は、この変形例に係る所定箇所ジャンプ移動処理を示すフローチャートである。
【0105】
まず、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されているジャンプエリア情報を読み出し(S71)、モニタ5の表示画面上にジャンプエリアを表示させる(S72)。
【0106】
外部記憶部4には、予めジャンプエリア情報が記憶されている。図23は、外部記憶部4に記憶された少なくとも1対のジャンプエリア情報を示す図である。換言すると、2以上のジャンプエリア情報が記憶されている。図23に示すように、各ジャンプエリア情報は、表示画面上の箇所を示す座標範囲情報と、キーボード7に配置された対応のボタンを識別する対応ボタン情報とが対になって含まれている。また、座標範囲情報にその座標範囲の中心座標を示す中心座標情報が付帯している。外部記憶部4には、複数のジャンプエリア情報が記憶されており、そのジャンプエリア情報のそれぞれが固有の対応ボタン情報を有している。即ち、座標範囲情報で表示位置が規定されるジャンプエリアは、対応ボタン情報によって個別的に識別される。
【0107】
演算制御部2は、ジャンプエリア情報を外部記憶部4から取得し、主記憶部3にジャンプエリア情報の記憶領域を確保して当該領域に展開する。双方のジャンプエリア情報から座標範囲情報を読み出し、座標範囲情報で示される座標範囲にそれぞれジャンプエリアを表示させる。
【0108】
図24(a)は、ジャンプエリアが表示された状態を示す。図24(a)に示すように、表示画面のジャンプエリア情報が示す箇所には、ジャンプエリアEc1、Ec2、Ec3が表示される。ジャンプエリアEc1、Ec2、Ec3には、ジャンプエリア情報に含まれている対応ボタン情報が表すボタン名が表示されており、視覚的にどのジャンプエリアにどのボタンが対応しているかを認識できる。
【0109】
ポインティングデバイス6から座標位置データが送出されると(S73,Yes)、演算制御部2は、主記憶部3に展開させた各ジャンプエリア情報が示す座標範囲と座標位置データが示す座標とを比較して、マウスカーソルCが何れかのジャンプエリアの座標範囲内にあるか否かを判断する(S74)。
【0110】
座標位置データが示す座標が何れかのジャンプエリア情報が示す座標範囲内であると判断し(S74,Yes)、マウスカーソルCが何れかのジャンプエリアに入った状態で、図24(b)に示すように、マウスカーソルCが移動しているジャンプエリア以外の何れかのジャンプエリアに対応付けられているボタンが押下されると(S75,Yes)、演算制御部2は、押下されたボタンと合致する対応ボタン情報を有するジャンプエリア情報から中心座標情報を読み出す(S76)。
【0111】
演算制御部2は、読み出した中心座標情報を座標位置データとし、その座標位置データが示す座標にマウスカーソルCを表示させる(S77)。
【0112】
図24(c)は、押下されたボタンに対応するジャンプエリアにマウスカーソルCがジャンプ表示された状態を示している。図24(c)に示すように、マウスカーソルCがジャンプエリアEc1に移動して、かつその状態でジャンプエリアEc3に対応するボタンである「3」キーが押下されると、「3」キーに対応付けられているジャンプエリアEc3にマウスカーソルCがジャンプ表示される。
【0113】
この変形例によっては、マウスカーソルCを一のジャンプエリア上に動かし、ジャンプさせたいジャンプエリアに対応するボタンを押下するだけで、離れた所望のジャンプエリア上にマウスカーソルCが出現する。その間のポインティングデバイス6の操作は、省略することができる。これにより、ポインティングデバイス6の操作負担が低減され、オペレータの読影レポート作成の思考が妨げられず、読影効率の向上及び読影ミスの低減を図ることができる。
【0114】
さらに所定箇所ジャンプ移動の他の変形例についてさらに詳細に説明する。図25は、この変形例に係る所定箇所ジャンプ移動処理を示すフローチャートである。
【0115】
まず、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶されている入口ジャンプエリア情報を読み出し(S81)、モニタ5の表示画面上に入口ジャンプエリアを表示させる(S82)。
【0116】
外部記憶部4には、予め入口ジャンプエリア情報が記憶されている。図26(a)は、外部記憶部4に記憶された入口ジャンプエリア情報を示す図である。図26(a)に示すように、この変形例では、ジャンプエリア情報の格納領域には、予め入口側のジャンプエリア情報しか記憶されていない。換言すると、出口側のジャンプエリア情報は、予め記憶されておらず、当初表示されない。
【0117】
演算制御部2は、入口ジャンプエリア情報のみを外部記憶部4から取得し、主記憶部3に入口ジャンプエリア情報の記憶領域を確保して当該領域に展開する。入口ジャンプエリア情報から座標範囲情報を読み出し、座標範囲情報で示される座標範囲にそれぞれ入口ジャンプエリアを表示させる。
【0118】
図27(a)は、入口ジャンプエリアが表示された状態を示す。図27(a)に示すように、表示画面の入口ジャンプエリア情報が示す箇所には、ジャンプエリアE1、E1が表示される。複数の入口ジャンプエリア情報が予め記憶されている場合は、その全てのジャンプエリアE1、E1が表示されるが、何れも入口専用となっている。
【0119】
ポインティングデバイス6やキーボード7を用いて、表示画面上の領域が指定されると(83,Yes)、演算制御部2は、その指定された領域を出口ジャンプエリアとして出口ジャンプエリア情報を生成し、表示させる(S84)。
【0120】
図27(b)に示すように、例えば、読影レポートR内に入力された「前回CT」なる文字列を指定すると、演算制御部2は、その指定された領域の座標範囲を取得する。この指定された領域の座標範囲を取得すると、演算制御部2は、出口ジャンプエリア情報を生成し、この出口ジャンプエリア情報に取得した座標範囲を表す座標範囲情報を含めて記憶させる。さらに、この指定された領域の座標範囲の中心座標を算出し、出口ジャンプエリア情報に中心座標情報として含める。即ち、指定された「前回CT」なる文字列が出口ジャンプエリアE2として後発的に生成され、表示画面上に表示される。
【0121】
出口ジャンプエリアが設定された状態で、図27(b)に示すように、ポインティングデバイス6の操作により医用画像P等の表示データが選択されてドラッグ状態のままマウスカーソルCが入口ジャンプエリアE1に移動すると(S85,Yes)、演算制御部2は、出口ジャンプエリア情報から中心座標情報を読み出す(S86)。
【0122】
演算制御部2は、読み出した中心座標情報を座標位置データとし、その座標位置データが示す座標にドラッグ状態を維持したままマウスカーソルCを表示させる(S87)。
【0123】
図27(c)は、入口ジャンプエリアから出口ジャンプエリアにマウスカーソルがドラッグ操作を維持したままジャンプ表示された状態を示している。図27(c)に示すように、マウスカーソルCが医用画像PをドラッグさせながらジャンプエリアE1に移動すると、マウスカーソルCは、ドラッグ前に領域指定されたことで後発的に出口ジャンプエリアE2となった「前回CT」なる文字列へ、医用画像Pをドラッグさせたままジャンプ表示される。
【0124】
この変形例によっては、領域指定操作によって後発的に所望の場所に出口ジャンプエリアを生成でき、マウスカーソルCを医用画像P等のデータをドラッグさせながら入口ジャンプエリア上に動かすだけで、その所望の場所に生成された出口ジャンプエリアにマウスカーソルCをドラッグ状態のままジャンプ表示できる。これにより、特に後発的に定まるリンク対象にリンク付けをする場合にポインティングデバイス6の操作負担が低減され、オペレータの読影レポート作成の思考が妨げられず、読影効率の向上及び読影ミスの低減を図ることができる。
【0125】
さらに、学習反映モードで行われる予測ジャンプ移動の変形例についてさらに詳細に説明する。図28は、この予測ジャンプ移動の変形例の動作を示すフローチャートである。この予測ジャンプ移動の変形例では、移動元において画像等が予めドラッグされ、移動先情報で表される移動先の所定範囲内に予め範囲指定された文字列が存在すると、その文字列の位置にマウスカーソルCを移動させ、その文字列に対して予め定められた作業、例えばハイパーリンク設定等を行うものである。
【0126】
まず、例えばF2キーの押下等の学習反映モードを指示する特定操作がされると(S91,Yes)、学習反映モードが開始される(S92)。演算制御部2は、学習反映モードのプログラムを外部記憶部4から読み出して主記憶部3に展開して解読及び実行する。ポインティングデバイス6やキーボード7からの特定操作を検出している間は、学習反映モードを継続する。
【0127】
学習反映モードが開始されると、演算制御部2は、マウスカーソルCの移動元情報を取得する(S93)。そして、ポインティングデバイス6が操作されてマウスカーソルCが移動開始すると(S94,Yes)、演算制御部2は、マウスカーソルCの初動方向情報を取得する(S95)。
【0128】
初動情報を取得すると、演算制御部2は、外部記憶部4に記憶された予測情報から、主記憶部3に記憶された初動情報と同一の初動情報を有する予測情報を検索する(S96)。存在しない場合は(S96,No)、マウスカーソルCを通常移動させる(S97)。
【0129】
同一の初動情報を有する予測情報が存在すれば(S96,Yes)、該当する予測情報から移動先情報を取得する(S98)。
【0130】
移動先情報を取得すると、演算制御部2は、移動先情報が示す座標位置の所定距離内に範囲指定された文字列が存在するか否かを判断する(S99)。
【0131】
文字列の範囲指定は、この学習反映モードが指示される前、例えばF2キーの押下等が行われる前になされる。予めポインティングデバイス6やキーボード7を用いて、表示画面上の領域が指定されると、演算制御部2は、その指定された領域を優先移動先情報として主記憶部3に記憶させておく。演算制御部2は、優先移動先情報を記憶させていると、取得した移動先情報と優先移動先情報が示す領域の中心とが所定距離内にあるか否かを判断する。所定距離は、予めプログラムの一部として外部記憶部4に記憶されている。
【0132】
演算制御部2は、移動先情報が表す座標と優先移動先情報が表す領域の中心座標とからその離間距離を算出し、算出した値が所定距離が表す値よりも小さければ、移動先情報が示す座標位置の所定距離内に範囲指定された文字列が存在すると判断し(S99,Yes)、算出した値が所定距離が表す値よりも大きければ、移動先情報が示す座標位置の所定距離内に範囲指定された文字列が存在しないと判断する(S99,No)。
【0133】
移動先情報が示す座標位置の所定距離内に範囲指定された文字列が存在しないと判断すると(S99,No)、取得した移動先情報を座標位置データとして当該移動先情報が示す座標位置にマウスカーソルCを表示させる(S100)。
【0134】
一方、移動先情報が示す座標位置の所定距離内に範囲指定された文字列が存在すると判断した場合(S99,Yes)、この範囲指定された文字列上にマウスカーソルCを表示させる(S101)。演算制御部2は、優先移動先情報が示す領域の中心座標を計算し、その中心座標にマウスカーソルCを表示させる。
【0135】
さらに、演算制御部2は、ポインティングデバイス6が操作されてマウスカーソルCが移動開始されたときに、同時に医用画像がドラッグされたか否かを判断する(S102)。ドラッグされていなければ(S102,No)、この予測ジャンプ移動の処理は終了する。
【0136】
一方、医用画像がドラッグされたと判断すると(S102,Yes)、演算制御部2は、範囲指定された文字列に対して所定の処理、例えばドラッグされた医用画像のハイパーリンクを設定し(S103)、予測ジャンプ移動の処理は終了する。
【0137】
図29(a)に示すように、例えば読影レポートRに入力した「前回CT」なる文字列を選択すると、その文字列の下地色を例えばグレー(gray)等に変更して視覚上選択されたことを報知する。そして、その文字列の範囲を優先移動先情報PEとして記憶しておく。この優先移動先情報PEが表す範囲の中心座標を例えば(800,250)とする。
【0138】
さらに、例えば医用画像P上にマウスカーソルCを移動させて、医用画像Pを所定方向にドラッグすると、この初動を契機として実施形態に係る予測ジャンプ移動の処理を実行する。
【0139】
図30は、この実施形態に係る予測情報のデータ構造を示す模式図である。予測情報には、処理プログラムと所定距離を表す所定距離情報Dが関連づけられている。処理プログラムは、例えばハイパーリンク処理であり、所定距離情報Dは、例えば100画素分である。この所定プログラムは、学習モード等によって範囲指定された文字列に対する処理をも記憶することで関連づけられる。
【0140】
図29(b)に示すように、医用画像Pが所定方向にドラッグされると、その移動元の領域と初動方向とを用いて予測情報を参照して移動先が暫定的に決定される。予測情報において移動元情報と対応付けられている移動先情報WPが表す移動先の座標が暫定的な移動先である。移動先情報WPが表す座標は、例えば(800,250)である。
【0141】
暫定的に移動先を決定すると、この暫定的な移動先の座標(800,300)と範囲指定された文字列の中心座標(800,250)との距離を算出する。そして、予測情報から所定距離情報Dを読み出して、算出した距離と比較する。暫定的な移動先の座標が(800,300)で範囲指定された文字列の中心座標が(800,250)の場合、算出された距離は「50」であり、予測情報には「100」を表す所定距離情報Dが関連づけられている。この場合、比較の結果、移動先情報が示す座標位置の所定距離内に範囲指定された文字列が存在すると判断される。
【0142】
移動先情報が示す座標位置の所定距離内に範囲指定された文字列が存在すると判断され、かつマウスカーソルCの初動時に医用画像Pをドラッグしていると、予測情報に関連づけられている所定プログラムを読み出し、範囲指定された文字列である「前回CT」に対して所定プログラムを実行する。
【0143】
例えば、図29(c)に示すように、所定プログラムとしてハイパーリンク処理が関連づけられていれば、範囲指定された文字列である「前回CT」に対して医用画像PのハイパーリンクHLを設定する。そして、この「前回CT」の色を例えば青色に変化させて下線を引き、ハイパーリンクHLが設定されたことが識別表示する。さらに、マウスカーソルCをこの「前回CT」の文字列上にジャンプ表示させる。尚、マウスカーソルCの表示位置については、この変形例のように範囲指定された文字列に移動させても良いし、移動先情報が表す移動先に移動させても良い。
【0144】
この変形例によっては、範囲指定等によってその後の処理を予測しうる場合には、その範囲に向けてマウスカーソルCを移動させるだけで、この範囲にリンク付けまで行わせることができ、その間のポインティングデバイス6の操作を省くことが可能となる。これにより、ポインティングデバイス6の操作負担が低減され、オペレータの読影レポート作成の思考が妨げられず、読影効率の向上及び読影ミスの低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0145】
1 医用画像読影装置
2 演算制御部
3 主記憶部
4 外部記憶部
5,5a,5b,5c モニタ
6 ポインティングデバイス
7 キーボード
8 通信コントローラ
C マウスカーソル
Ea1,Ea2,Eb1,Eb2 ジャンプエリア
Ew 作業エリア
P 医用画像
R 読影レポート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像の読影と読影レポートの作成を支援する医用画像読影装置であって、
カーソルを移動させるポイティングデバイスと、
前記医用画像と前記読影レポートと前記カーソルを表示画面上に表示する表示手段と、
前記カーソルの初動情報と移動先情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記ポインティングデバイスにより前記カーソルが移動開始すると、その初動に該当する前記初動情報を前記記憶部から検索し、対応付けられている前記移動先情報を取得する検索手段と、
前記検索手段により取得された前記移動先情報で示される移動先に前記カーソルを移動させるカーソル移動手段と、を備え、
前記記憶部は、所定処理と所定距離情報をさらに記憶し、
前記読影レポート上の文字列が範囲指定され、前記医用画像がドラッグされると、前記移動先情報で示される移動先と前記範囲指定された文字列との距離が前記距離情報が表す距離内にあるか否かを判断する距離判断手段と、
前記距離が前記距離情報が表す範囲内にあると、前記範囲指定された文字列に対して前記所定処理を反映させる反映手段と、
をさらに備えること、
を特徴とする医用画像読影装置。
【請求項2】
学習モードを指示する特定操作を検出する検出手段と、
前記特定操作が検出された後の前記ポインティングデバイスによるカーソルの移動態様から、前記初動情報と前記移動先情報とを取得して前記記憶部に記憶させる学習手段と、
前記初動情報は、移動元情報と初動方向とを含み、
前記移動元情報は、前記表示画面を複数領域に分割した領域情報であり、
前記ポインティングデバイスにより前記カーソルが移動開始すると、その初動に該当する前記初動情報を前記記憶部から検索し、対応付けられている前記移動先情報を取得する検索手段と、
前記検索手段により取得された前記移動先情報で示される移動先に前記カーソルを移動させるカーソル移動手段と、
を備えること、
を特徴とする請求項1記載の医用画像読影装置。
【請求項3】
学習モードを指示する特定操作を検出する検出手段と、
前記特定操作が検出された後の前記ポイティングデバイスによるカーソルの移動態様から、前記初動情報と前記移動先情報とを取得して前記記憶部に記憶させる学習手段と、
をさらに備え、
前記学習手段は、前記カーソルの同一初動態様に対する各移動先の平均位置を算出し、当該平均位置を前記移動先情報として記憶させること、
を特徴とする請求項1記載の医用画像読影装置。
【請求項4】
前記所定処理は、前記範囲指定された文字列に対する前記ドラッグされた医用画像のリンク付け処理であること、
を特徴とする請求項1記載の医用画像読影装置。
【請求項5】
カーソルを移動させるポインティングデバイスとコンピュータとを含み、
医用画像の読影と読影レポートの作成を支援する医用画像読影装置を、
前記医用画像と前記読影レポートと前記カーソルを表示画面上に表示する表示手段と、
前記カーソルの初動情報と移動先情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記ポインティングデバイスにより前記カーソルが移動開始すると、その初動に該当する前記初動情報を前記記憶部から検索し、対応付けられている前記移動先情報を取得する検索手段と、
前記検索手段により取得された前記移動先情報で示される移動先に前記カーソルを移動させるカーソル移動手段と、
前記記憶部は、所定処理と所定距離情報をさらに記憶し、
前記読影レポート上の文字列が範囲指定され、前記医用画像がドラッグされると、前記移動先情報で示される移動先と前記範囲指定された文字列との距離が前記距離情報が表す距離内にあるか否かを判断する距離判断手段と、
前記距離が前記距離情報が表す範囲内にあると、前記範囲指定された文字列に対して前記所定処理を反映させる反映手段と、
して機能させること、
を特徴とするカーソル移動プログラム。
【請求項1】
医用画像の読影と読影レポートの作成を支援する医用画像読影装置であって、
カーソルを移動させるポイティングデバイスと、
前記医用画像と前記読影レポートと前記カーソルを表示画面上に表示する表示手段と、
前記カーソルの初動情報と移動先情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記ポインティングデバイスにより前記カーソルが移動開始すると、その初動に該当する前記初動情報を前記記憶部から検索し、対応付けられている前記移動先情報を取得する検索手段と、
前記検索手段により取得された前記移動先情報で示される移動先に前記カーソルを移動させるカーソル移動手段と、を備え、
前記記憶部は、所定処理と所定距離情報をさらに記憶し、
前記読影レポート上の文字列が範囲指定され、前記医用画像がドラッグされると、前記移動先情報で示される移動先と前記範囲指定された文字列との距離が前記距離情報が表す距離内にあるか否かを判断する距離判断手段と、
前記距離が前記距離情報が表す範囲内にあると、前記範囲指定された文字列に対して前記所定処理を反映させる反映手段と、
をさらに備えること、
を特徴とする医用画像読影装置。
【請求項2】
学習モードを指示する特定操作を検出する検出手段と、
前記特定操作が検出された後の前記ポインティングデバイスによるカーソルの移動態様から、前記初動情報と前記移動先情報とを取得して前記記憶部に記憶させる学習手段と、
前記初動情報は、移動元情報と初動方向とを含み、
前記移動元情報は、前記表示画面を複数領域に分割した領域情報であり、
前記ポインティングデバイスにより前記カーソルが移動開始すると、その初動に該当する前記初動情報を前記記憶部から検索し、対応付けられている前記移動先情報を取得する検索手段と、
前記検索手段により取得された前記移動先情報で示される移動先に前記カーソルを移動させるカーソル移動手段と、
を備えること、
を特徴とする請求項1記載の医用画像読影装置。
【請求項3】
学習モードを指示する特定操作を検出する検出手段と、
前記特定操作が検出された後の前記ポイティングデバイスによるカーソルの移動態様から、前記初動情報と前記移動先情報とを取得して前記記憶部に記憶させる学習手段と、
をさらに備え、
前記学習手段は、前記カーソルの同一初動態様に対する各移動先の平均位置を算出し、当該平均位置を前記移動先情報として記憶させること、
を特徴とする請求項1記載の医用画像読影装置。
【請求項4】
前記所定処理は、前記範囲指定された文字列に対する前記ドラッグされた医用画像のリンク付け処理であること、
を特徴とする請求項1記載の医用画像読影装置。
【請求項5】
カーソルを移動させるポインティングデバイスとコンピュータとを含み、
医用画像の読影と読影レポートの作成を支援する医用画像読影装置を、
前記医用画像と前記読影レポートと前記カーソルを表示画面上に表示する表示手段と、
前記カーソルの初動情報と移動先情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記ポインティングデバイスにより前記カーソルが移動開始すると、その初動に該当する前記初動情報を前記記憶部から検索し、対応付けられている前記移動先情報を取得する検索手段と、
前記検索手段により取得された前記移動先情報で示される移動先に前記カーソルを移動させるカーソル移動手段と、
前記記憶部は、所定処理と所定距離情報をさらに記憶し、
前記読影レポート上の文字列が範囲指定され、前記医用画像がドラッグされると、前記移動先情報で示される移動先と前記範囲指定された文字列との距離が前記距離情報が表す距離内にあるか否かを判断する距離判断手段と、
前記距離が前記距離情報が表す範囲内にあると、前記範囲指定された文字列に対して前記所定処理を反映させる反映手段と、
して機能させること、
を特徴とするカーソル移動プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2013−99537(P2013−99537A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−273152(P2012−273152)
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2007−61384(P2007−61384)の分割
【原出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2007−61384(P2007−61384)の分割
【原出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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