説明

医用診断装置、医用ネットワークシステム及び医用診断装置の制御方法

【課題】医用通信プロトコルに従った通信やサービス制御を行う際に、通信やサービス制御に必要な情報設定を人手を要さずに短時間で正確に実行できるようにした医用診断装置を提供する。
【解決手段】超音波診断装置100において、病院ネットワーク140を介してHIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130と接続する際に、共通システム設計テーブル101aに記憶された情報を用いて、HIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130との間の通信や接続状態の判定等を行い、またHIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130に対し通信回線オープン要求を送出し、この通信回線オープン要求に対する応答から接続先ごとにサポートするDICOMサービスと転送構文とを判断して固有システム設計テーブル101bに記憶するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種医用機器との間をネットワークを介して接続可能で、このネットワークを介して各種医用機器が支援するサービスを制御可能な医用診断装置と、この医用診断装置を使用する医用ネットワークシステム及び医用診断装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、超音波診断装置と各種医用機器との間を病院ネットワークを介して接続し、この超音波診断装置により病院ネットワークを使用して各種医用機器が支援するサービスを制御するシステムがある。
【0003】
この種のシステムは、例えば超音波診断装置と各種医用機器との間にTCP/IP(Transmission Control Protocol /Internet Protocol)によりコネクションを開設したのち、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)通信プロトコルに従い通信を行っている。これにより、接続機器確認、画像転送、画像転送保管の確認、イメージャー出力、予約検査情報発行、検査状態通知が他社装置同士で効率良く行えることが期待されている。
【0004】
ところで、上記システムでは、超音波診断装置に対し各種医用機器との間でDICOM通信を行うために必要な各種パラメータの設定を行う必要があり、これら設定作業の大半を、超音波診断装置の操作者による人為的作業によって行っている。このため、設定時に多くの手間と時間がかかると共に、設定ミスなどを起こし易くなり、設定上の信頼性の低下を招いている。また、超音波診断装置の操作者にTCP/IP通信、DICOM通信固有の知識を必要とするなど操作者の負担が大きかった。
【0005】
なお、従来では、診断画像データの取得等の各種医用機器に対するサービス制御の一部を汎用のパーソナル・コンピュータを用いて実行するシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。この場合、DICOM通信プロトコルを用いなくても、パーソナル・コンピュータにより診断画像データを取得して参照することができる。
【特許文献1】特開平11−239165号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記システムでは、DICOM通信系と非DICOM通信系とで別々の通信インフラを敷設する必要がある。このため、システムの構成が大掛かりなものになるとともに、ユーザの投資負担が大きくなる。
【0007】
そこで、この発明の目的は、医用通信プロトコルに従った通信やサービス制御を行う際に、通信やサービス制御に必要な情報設定を人手を要さずに短時間で正確に実行できるようにし、これにより設定上の信頼性の向上を図るとともに、操作者の負担を大幅に軽減し得る医用診断装置、医用ネットワークシステム及び医用診断装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記目的を達成するために、以下のように構成される。
それぞれ医用通信プロトコルで規定される医用サービス支援機能を備えた複数の医用端末に対し通信ネットワークを介して接続可能で、複数の医用端末の中から任意の医用端末の医用サービスを制御するために必要なパラメータ情報を選択的に通信処理部にセットされ、当該通信処理部にセットされたパラメータ情報に基づいて選択した医用サービスを制御可能な医用診断装置であって、複数の医用端末に対し接続を行う際に、複数の医用端末に対し医用サービスを問い合わせるために必要な医用通信プロトコル規定の制御情報の通信を通信ネットワークを介して行う制御情報通信手段と、この制御情報通信手段により通信される制御情報に基づいて、複数の医用端末それぞれの医用サービスに対応するパラメータ情報を特定するパラメータ特定手段と、このパラメータ特定手段によりパラメータ情報が特定された場合に、必要に応じて当該パラメータ情報を通信処理部にセットする制御手段とを備えるようにしたものである。
【0009】
この構成によれば、複数の医用端末と接続する際に、複数の医用端末が支援する医用サービスを問い合わせるために必要な制御情報が複数の医用端末との間で授受され、この制御情報の授受結果に基づいて複数の医用端末それぞれが支援する医用サービスに対応するパラメータ情報が決定され、この決定されたパラメータ情報が必要に応じて通信処理部にセットされる。
【0010】
従って、医用サービス制御に必要なパラメータ情報設定までの工程が人手を要することなく通信ネットワークを介して自動的に行われることになり、これにより医用診断装置の操作者にとっては通信やサービス制御に必要な情報設定を短時間の内に正確に実行できるようになり、操作上の負担が大幅に軽減される。
【0011】
複数の医用端末それぞれを通信ネットワーク上で識別するための識別情報を記憶する記憶手段をさらに備え、制御情報通信手段は、記憶手段に記憶された複数の医用端末それぞれの識別情報に基づいて、医用端末ごとに通信状態の確認を行って、医用通信プロトコルで規定される通信回線オープン要求を送出し、制御手段は、通信回線オープン要求に対する応答から医用端末ごとに支援する医用サービスと当該医用サービスの詳細を示す転送構文をパラメータ情報として判断することを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、記憶媒体に記憶された医用端末それぞれの識別情報を用いて、医用診断装置と複数の医用端末との間の通信や接続状態の判定等を行い、しかも医用端末ごとの医用サービスを示す情報と転送構文とを判定するようにしている。このため、簡単な手順で医用端末ごとの医用サービスに対応するパラメータ情報設定を行うことができる。
【0013】
制御情報通信手段は、制御情報の通信結果をユーザに報知することを特徴とする。
この構成によれば、ユーザ、つまり医用診断装置の操作者は複数の医用端末との通信ができたか否かを確認することができる。そして、通信ができない場合に、ユーザはその原因を把握することができる。
【0014】
制御手段は、パラメータ特定手段により特定されたパラメータ情報を記録媒体に記録する記録手段と、記録媒体上のパラメータ情報を医用サービス別に管理し、要求される医用サービスに応じて選択的にパラメータ情報を読み出して通信処理部にセットする設定手段とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、記録媒体に記録された複数のパラメータ情報を医用サービス別に管理することができるので、希望の医用サービスを制御する際のパラメータ情報を特定でき、これによりサービス選択が容易となる。また、記録媒体上のパラメータ情報を利用すれば、医用サービス制御を実行する際に、その都度医用サービスの問い合わせを行う必要がなく即座に医用サービス制御を実行することができる。
【0015】
記録手段は、パラメータ特定手段により特定された医用端末ごとのパラメータ情報をユーザに報知し、この報知に対しユーザが記録指示を入力した場合に該当する医用端末ごとのパラメータ情報を記録媒体に記録することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、同一サービスを支援する医用端末が多数ある場合に、医用端末ごとにユーザが自身で医用サービス制御のための情報設定が必要か否かを判断して指示することができ、これにより真に必要な医用サービス制御のための情報設定のみを実行することができる。
【0017】
制御情報通信手段は、複数の医用端末に対し予め設定される条件に従って順に制御情報の通信を行うことを特徴とする。
この構成によれば、ユーザが接続先となる医用端末を指定する操作を行なうことなく、通信ネットワークに接続される全医用端末に対し制御情報の通信が自動的に行なわれる。
【発明の効果】
【0018】
以上詳述したようにこの発明によれば、医用通信プロトコルに従った通信やサービス制御を行う際に、通信やサービス制御に必要な情報設定を人手を要さずに短時間で正確に実行できるようにし、これにより設定上の信頼性の向上を図るとともに、操作者の負担を大幅に軽減し得る医用診断装置、医用ネットワークシステム及び医用診断装置の制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明に係わる医用ネットワークシステムの一実施形態を示す概略構成図であり、図中100は医用診断装置としての超音波診断装置、110は医用端末としてのHIS/RISサーバ、120は医用端末としてのPACSサーバ、130は医用端末としてのイメージャーをそれぞれ示している。
【0020】
超音波診断装置100は、病院等の施設内に構築されたコンピュータ・ネットワークとしての病院ネットワーク140に接続され、この病院ネットワーク140からさらにHIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130に接続される。
【0021】
これら超音波診断装置100、HIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130は、いずれもDICOM通信アプリケーションを搭載している。
【0022】
HIS/RISサーバ110は、予約検査情報発行、検査状態通知受付を行う。PACSサーバ120は、画像転送/画像保管確認/検査検索・受信を行う。イメージャー130は、画像フィルム出力を行う。
【0023】
ところで、上記超音波診断装置100は、超音波を用いて被検体の診断処理を行う機能を基本機能とし、さらにTCP/IP情報通信機能と、DICOM情報通信機能と、サービス決定機能と、パラメータ設定機能とを備えている。さらに、上記超音波診断装置100は、記憶部101を接続しており、この記憶部101には共通システム設計テーブル101aと、固有システム設計テーブル101bとが設けられている。
【0024】
共通システム設計図101aには、図2(a)に示すように、HIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130それぞれのIPアドレス、DICOM通信プロトコルで規定されるAEタイトル、ポート番号が記憶されている。
【0025】
固有システム設計図101bには、図2(b)に示すように、上記AEタイトルに対応付けて、HIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130それぞれがサポートするサービス内容を示す抽象構文と、サービスの詳細(例えば非圧縮画像、圧縮画像)を示す転送構文とが記憶されている。
【0026】
TCP/IP情報通信機能は、記憶部101内の共通システム設計テーブル101aに従って、HIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130に対し病院ネットワーク140を介してTCP/IP通信PINGコマンドを予め設定された順序で送出してHIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130の接続確認を行う。
【0027】
DICOM情報通信機能は、図3に示すように、上記TCP/IP情報通信機能により接続確認されたHIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130に対し病院ネットワーク140を介して全DICOMサービスについての抽象構文と転送構文との組み合わせから成る通信回線オープン要求を予め設定された順序で送出する。
【0028】
サービス決定機能は、上記通信回線オープン要求に対するHIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130からの応答に従って、各接続先がサポートするホスト名、IPアドレス、AEタイトル、ポート番号、抽象構文、転送構文を判断する。
【0029】
パラメータ設定機能は、上記判断された各接続先がサポートするホスト名、IPアドレス、AEタイトル、ポート番号、抽象構文、転送構文をモニタ102に表示させる。そして、ユーザにからの記録指示入力に応じて該当するAEタイトル、抽象構文、転送構文を固有システム設計テーブル101bに記憶し管理する。
【0030】
以後、超音波診断装置100のユーザが、固有システム設計テーブル101bに記憶される接続先ごとのAEタイトル、抽象構文、転送構文に基づいて、サービス制御を要求する操作を行うことで、該当するホスト名、IPアドレス、AEタイトル、ポート番号、抽象構文、転送構文がパラメータ情報として超音波診断装置100の通信処理部(図示せず)にセットされ、このパラメータ情報に基づいて、HIS/RISサーバ110に対する予約検査情報発行制御(DICOM MWMサービス制御)や、検査状態通知制御(DICOM MPPSサービス制御)、画像転送制御(DICOM Strageサービス制御)、PACSサーバ120に保管された画像の確認を行う制御(DICOM Strage Commitmentサービス制御)、PACSサーバ120に対する検査検索・受信を行う制御、イメージャー130に画像フィルムを出力させる制御(DICOM Printサービス制御)等を実行する。
【0031】
次に、以上のように構成されたシステムの動作を説明する。
図4は、DICOM情報設定を行う際の超音波診断装置100の制御処理を示すフローチャートである。
【0032】
超音波診断装置100においてユーザが、DICOMサービスを利用するための情報設定を要求する操作を行ったとする。そうすると、超音波診断装置100はDICOM情報の自動設定を開始し(ステップST4a)、記憶部101の共通システム設計テーブル101a内にHIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130それぞれについての設定項目があるか否かの判断を行う(ステップST4b)。
【0033】
ここで、設定項目があるならば(項目あり)、超音波診断装置100は共通システム設計テーブル101aに従って、HIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130に対し病院ネットワーク140を介してTCP/IP通信PINGコマンドを送出してHIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130の接続確認を行う(ステップST4c)。
【0034】
そして、接続エラーとなった場合に(接続NG)、超音波診断装置100は接続エラーの旨のメッセージと該当するホスト名、IPアドレスをモニタ102に供給して表示させる(ステップST4d)。従って、この表示によりユーザはエラーが発生した旨を知ることができる。
【0035】
一方、接続がOKの場合には、超音波診断装置100は接続確認されたHIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130に対し病院ネットワーク140を介して全DICOMサービスについての抽象構文と転送構文との組み合わせから成る通信回線オープン要求を送出し、この通信回線オープン要求に対し返送される応答から各接続先がサポートするホスト名、IPアドレス、AEタイトル、ポート番号、抽象構文、転送構文を判断する(ステップST4e)。ここで、一定時間経過しても応答が返送されなかったり、接続NGとなった場合には、超音波診断装置100は上記ステップST4dの処理に移行する。
【0036】
一方、判断したホスト名、IPアドレス、AEタイトル、ポート番号、抽象構文、転送構文が正当なものである場合(OK)、超音波診断装置100は、図5に示すように、判断した各接続先ごとのホスト名、IPアドレス、AEタイトル、ポート番号、抽象構文、転送構文をモニタ102に表示させる(ステップST4f)。従って、この表示によりユーザは病院ネットワーク140に接続される接続先ごとのホスト名、IPアドレス、AEタイトル、ポート番号、抽象構文、転送構文をチェックすることができる。
【0037】
この状態でユーザが、固有システム設計テーブル101bに記憶すべき接続先のホスト名、IPアドレス、AEタイトル、ポート番号、抽象構文、転送構文を選択指定すると、超音波診断装置100は、選択指定された接続先ごとのAEタイトル、抽象構文、転送構文を固有システム設計テーブル101bに記憶する(ステップST4g)。以後、超音波診断装置100は、固有システム設計テーブル101b内の接続先ごとのAEタイトル、抽象構文、転送構文を管理し、要求されるサービスに応じて、該当する接続先のホスト名、IPアドレス、AEタイトル、ポート番号、抽象構文、転送構文をパラメータ情報として通信処理部にセットし、サービス制御を実行する。
【0038】
かくして、超音波診断装置100のユーザは、超音波診断装置100を用いて固有システム設計テーブル101bに記憶された接続先ごとのAEタイトル、抽象構文、転送構文に基づいて、各接続先がサポートする任意のDICOMサービスを利用することができる。例えば、DICOM MWMサービスを指定すれば、HIS/RISサーバ110にて予約検査情報発行が行われ、DICOM Printサービスを指定すれば、イメージャー130にて画像フィルムが出力される。
【0039】
以上のように上記実施形態では、超音波診断装置100において、病院ネットワーク140を介してHIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130と接続する際に、記憶部101の共通システム設計テーブル101aに記憶された情報を用いて、HIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130との間の通信や接続状態の判定等を行い、またHIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130に対しサポートするDICOMサービスを問い合わせるための通信回線オープン要求を送出し、この通信回線オープン要求に対する応答から接続先ごとにサポートするDICOMサービスと転送構文とを判断して固有システム設計テーブル101bに記憶するようにしている。
【0040】
従って、DICOMサービスを利用するために必要な情報設定までの工程が人手を要することなく病院ネットワーク140を介して自動的に行われることになり、これにより超音波診断装置100のユーザにとっては通信やサービス制御に必要な情報設定を短時間の内に正確に実行できるようになり、操作上の負担が大幅に軽減される。また、簡単な手順で接続先ごとに適切なDICOMサービスの判定を行うことができ、これによりサービス制御上の信頼性をさらに高めることができる。
【0041】
また、上記実施形態では、TCP/IP通信PINGコマンドの通信結果や通信回線オープン要求といったDICOM情報の通信結果をモニタ102に表示するようにしているので、超音波診断装置100のユーザはHIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130との通信ができたか否かを確認することができる。そして、通信ができない場合に、ユーザはHIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130がDICOM通信プロトコルに対応していない旨や、HIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130に障害が発生した等の原因を把握することができる。
【0042】
さらに、上記実施形態では、HIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130からの応答による接続先ごとのホスト名、IPアドレス、AEタイトル、ポート番号、抽象構文、転送構文をモニタ102に表示し、ユーザの指示を待って固有システム設計テーブル101bに記憶するようにしている。このため、病院ネットワーク140上にHIS/RISサーバ110と同一サービスをサポートする医用端末が多数ある場合に、ユーザはHIS/RISサーバ110を選択指定して固有システム設計テーブル101bに記憶することができる。
【0043】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、HIS/RISサーバ110、PACSサーバ120、イメージャー130に、DICOM Verificationサービスや、DICOM Query and Retrieveサービスをサポートさせるものであってもよい。例えば、DICOM Verificationサービスを選択指定すれば、装置の起動状態の通知が行われ、DICOM Query and Retrieveサービスを選択指定すれば、サービスの質等の通知が行われる。また、DICOM Verificationサービス、DICOM Storageサービス、DICOM Storage Commitmentサービス、DICOM Query and Retrieveサービス、DICOM Printサービス、DICOM MWMサービス、DICOM MPPSサービス以外のDICOMサービスであっても同様に実施できる。
【0044】
また、上記実施形態では、接続先ごとのホスト名、IPアドレス、AEタイトル、ポート番号、抽象構文、転送構文を一旦モニタ102に表示し、ユーザが記録指示を入力した場合に、接続先ごとのAEタイトル、抽象構文、転送構文を固有システム設計テーブル101bに記憶するようにした。
【0045】
しかし、これに限定されるものではなく、接続先ごとのホスト名、IPアドレス、AEタイトル、ポート番号、抽象構文、転送構文が得られた時点で、接続先ごとのAEタイトル、抽象構文、転送構文を固有システム設計テーブル101bに記憶するようにしてもよい。
【0046】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明に係わる医用ネットワークシステムの一実施形態を示す概略構成図。
【図2】図1に示した共通システム設計テーブル及び固有システム設計テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図3】同実施形態における超音波診断装置と各接続先との間の通信動作を説明するシーケンス図。
【図4】同実施形態における超音波診断装置の制御処理を説明するために示すフローチャート。
【図5】同実施形態において、超音波診断装置の表示例を説明するために示す図。
【符号の説明】
【0048】
100…超音波診断装置、101…記憶部、101a…共通システム設計テーブル、101b…固有システム設計テーブル、102…モニタ、110…HIS/RISサーバ、120…PACSサーバ、130…イメージャー、140…病院ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ医用通信プロトコルで規定される医用サービス支援機能を備えた複数の医用端末に対し通信ネットワークを介して接続可能で、前記複数の医用端末の中から任意の医用端末の医用サービスを制御するために必要なパラメータ情報を選択的に通信処理部にセットされ、当該通信処理部にセットされたパラメータ情報に基づいて選択した医用サービスを制御可能な医用診断装置であって、
前記複数の医用端末に対し接続を行う際に、前記複数の医用端末に対し前記医用サービスを問い合わせるために必要な前記医用通信プロトコル規定の制御情報の通信を前記通信ネットワークを介して行う制御情報通信手段と、
この制御情報通信手段により通信される制御情報に基づいて、前記複数の医用端末それぞれの医用サービスに対応するパラメータ情報を特定するパラメータ特定手段と、
このパラメータ特定手段によりパラメータ情報が特定された場合に、必要に応じて当該パラメータ情報を前記通信処理部にセットする制御手段とを具備したことを特徴とする医用診断装置。
【請求項2】
前記複数の医用端末それぞれを通信ネットワーク上で識別するための識別情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御情報通信手段は、前記記憶手段に記憶された前記複数の医用端末それぞれの識別情報に基づいて、医用端末ごとに通信状態の確認を行って、前記医用通信プロトコルで規定される通信回線オープン要求を送出し、
前記パラメータ特定手段は、前記通信回線オープン要求に対する応答から医用端末ごとに支援する医用サービスを示す情報と当該医用サービスの詳細を示す転送構文を前記パラメータ情報として判断することを特徴とする請求項1記載の医用診断装置。
【請求項3】
前記医用通信プロトコルがDICOM(Digital Image and Communications in Medicine)通信プロトコルであるとき、
前記パラメータ特定手段は、前記制御情報通信手段により通信される制御情報に基づいて、DICOM Verificationサービス、DICOM Storageサービス、DICOM Storage Commitmentサービス、DICOM Query and Retrieveサービス、DICOM Printサービス、DICOM MWMサービス、DICOM MPPSサービスのうち少なくとも1つに対応するパラメータ情報を特定することを特徴とする請求項1記載の医用診断装置。
【請求項4】
前記制御情報通信手段は、前記制御情報の通信結果をユーザに報知することを特徴とする請求項1記載の医用診断装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記パラメータ特定手段により特定されたパラメータ情報を記録媒体に記録する記録手段と、
前記記録媒体上のパラメータ情報を前記医用サービス別に管理し、要求される医用サービスに応じて選択的にパラメータ情報を読み出して前記通信処理部にセットする設定手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の医用診断装置。
【請求項6】
前記記録手段は、前記パラメータ特定手段により特定された医用端末ごとのパラメータ情報をユーザに報知し、この報知に対しユーザが記録指示を入力した場合に該当する医用端末ごとのパラメータ情報を前記記録媒体に記録することを特徴とする請求項5記載の医用診断装置。
【請求項7】
前記制御情報通信手段は、複数の医用端末に対し予め設定される条件に従って順に前記制御情報の通信を行うことを特徴とする請求項1記載の医用診断装置。
【請求項8】
それぞれ医用通信プロトコルで規定される医用サービス支援機能を備えた複数の医用端末と、これら医用端末に対し通信ネットワークを介して接続可能で、前記複数の医用端末の中から任意の医用端末の医用サービスを制御するために必要なパラメータ情報を選択的に通信処理部にセットされ、当該通信処理部にセットされたパラメータ情報に基づいて選択した医用サービスを制御可能な医用診断装置と備えた医用ネットワークシステムであって、
前記医用診断装置と前記複数の医用端末との接続を行う際に、前記医用診断装置と前記複数の医用端末との間で前記通信ネットワークを介して前記複数の医用端末それぞれが支援する前記医用サービスを問い合わせるために必要な前記医用通信プロトコル規定の制御情報の通信を行う制御情報通信手段と、
この制御情報通信手段により通信される制御情報に基づいて、前記複数の医用端末それぞれの医用サービスに対応するパラメータ情報を特定するパラメータ特定手段と、
このパラメータ特定手段によりパラメータ情報が特定された場合に、必要に応じて当該パラメータ情報を前記医用診断装置の通信処理部にセットする制御手段とを具備したことを特徴とを具備したことを特徴とする医用ネットワークシステム。
【請求項9】
それぞれ医用通信プロトコルで規定される医用サービス支援機能を備えた複数の医用端末に対し通信ネットワークを介して接続可能で、前記複数の医用端末の中から任意の医用端末の医用サービスを制御するために必要なパラメータ情報を選択的に通信処理部にセットされ、当該通信処理部にセットされたパラメータ情報に基づいて選択した医用サービスを制御可能な医用診断装置で使用される制御方法であって、
前記複数の医用端末に対し接続を行う際に、前記複数の医用端末に対し前記医用サービスを問い合わせるために必要な前記医用通信プロトコル規定の制御情報の通信を前記通信ネットワークを介して行い、
通信される制御情報に基づいて、前記複数の医用端末それぞれの医用サービスに対応するパラメータ情報を特定し、
パラメータ情報が特定された場合に、必要に応じて当該パラメータ情報を前記通信処理部にセットすることを特徴とする医用診断装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−285376(P2006−285376A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−101157(P2005−101157)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】