説明

医療器具

【課題】湾曲操作ワイヤが挿通するコイルパイプが、湾曲操作ワイヤから受ける圧縮力によって変形されることを防止して、長期にわたって湾曲操作ワイヤによる牽引を安定して行える医療器具を提供すること。
【解決手段】医療器具であるオーバーチューブ3は、チューブ部3aの先端側に設けられるチューブ湾曲部33と、湾曲部33を湾曲操作するノブ35、36を備えるチューブ用操作部3bと、ノブ35、36の湾曲操作によって牽引弛緩される湾曲操作ワイヤ5と、この湾曲操作ワイヤ5が内挿される、先端が湾曲部33側に固設されて基端が操作部3b内に配設されるコイルパイプ4と、圧縮コイルバネ8を備え、コイルパイプ4の基端部を操作部3bの基端側に移動可能に支持するコイルパイプ支持手段とを具備している。コイルパイプ支持手段は、例えばコイルパイプ受け6と、筒体7と、圧縮コイルバネ8とを具備する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイルパイプに挿通された湾曲操作ワイヤを牽引操作して、挿入部の備える湾曲部を湾曲動作させる湾曲機構を備える医療器具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に挿入部が軟性な内視鏡は、先端側から順に先端部、湾曲部、及び可撓管部を連設した挿入部と、この挿入部の基端側に設けられた操作部とを主に備えて構成されている。
図16に示すように湾曲部100は複数の湾曲駒101、102、103、104…を連接して構成されている。湾曲部100の最先端に位置する湾曲駒101の内面には上下用の湾曲操作ワイヤ111、及び左右用の湾曲操作ワイヤ112にそれぞれ対応するワイヤ受け(不図示)が固設されている。それぞれのワイヤ受けには、湾曲操作ワイヤ111、112の端部が半田等によって一体的に固定されている。湾曲操作ワイヤ111、112の例えば中途部は、操作部を構成する操作部本体113内に回転可能に軸支されたプーリー114にそれぞれ固定されている。
【0003】
湾曲操作ワイヤ111、112は、密巻きコイルなどで構成されたコイルパイプ115内に挿通されている。コイルパイプ115の先端は、例えば湾曲駒101の内面に固定された図示しないコイルパイプ受けに固定され、他端部は操作部本体113に固定されたコイルパイプ受け116に一体的に固定されている。なお、コイルパイプ受け116は半田117によって一体的に固定されている。なお、図15は、内視鏡の湾曲操作ワイヤが挿通されるコイルパイプと操作部本体内に固設されたコイルパイプ受け部材とを説明する図である。
【0004】
上述した構成の内視鏡では、操作部に設けられた図示しない湾曲ノブを操作してプーリー114を回転させると、プーリー114に固定された湾曲操作ワイヤ111、112が牽引・弛緩されて、湾曲部100が所望の湾曲状態に変化する。
【0005】
湾曲部を湾曲させるために挿入部内に挿通された湾曲操作ワイヤ、の牽引・弛緩を長期にわたって繰り返し行うと、湾曲操作ワイヤが伸びる、或いはコイルパイプの全長が湾曲操作ワイヤから受ける圧縮力によって縮んで、湾曲操作ワイヤが相対的に弛んだ状態になる。
【0006】
すると、湾曲ノブの操作に湾曲部の湾曲変化が追従しない不具合、或いは湾曲操作ワイヤから受ける圧縮力によってコイルパイプが変形されて、例えば、コイルパイプの基端側の密着度が高まって図16の一点鎖線に示すように屈曲部の屈曲角度が元の屈曲部の屈曲角度より大きくなって湾曲操作ワイヤを牽引する力量が重くなる不具合等が発生する。
【0007】
湾曲操作ワイヤが相対的に弛んだ状態になることによって、湾曲ノブの操作に湾曲部の湾曲変化が追従しない不具合を解消するため、例えば特許文献1には操作ワイヤ系統の弛みを取り除くことができる内視鏡における操作ワイヤの弛緩除去装置が示されている。この操作ワイヤの弛緩除去装置では、ガイドシースの一部に第1の調整部材を設けるとともに、この第1の調整部材に該第1の調整部材とガイドシースの長手方向に対して移動可能に噛み合う第2の調整部材を設けて、両者における噛合位置の可変からガイドシース長を代えて弛みを解消することができる。
【0008】
一方、湾曲操作ワイヤから受ける圧縮力によってコイルパイプが変形する不具合を解消するため、図17に示すように破線のコイルパイプ115を構成するコイル118の径寸法より太径な実線に示すコイル119でコイルパイプ120を構成する。すると、コイルの径寸法が太径に構成されることによって、コイルパイプ120の強度がコイルパイプ115の強度に比べて大幅に向上して、例えば湾曲操作ワイヤ111がコイルパイプ120に接触して圧縮力が生じた場合でもコイルパイプ120の基端が押し潰される等の不具合が解消される。なお、図17はコイルパイプが変形する不具合を解消する構成を説明する図である。
【0009】
しかし、近年、送水チャンネルの複数化、処置具チャンネルの複数化、或いは内視鏡の細径化に伴って挿入部内に挿通される内蔵物の充填率が高まっている。このため、挿入部内のスペースを拡げることを理由に、コイルパイプを構成するコイルの線経を再び細径にすることが望まれている。
【0010】
コイルの線経を細径にした構成のコイルパイプは、内蔵物が高充填率で挿通されている挿入部内において湾曲操作ワイヤから圧縮力を受けた場合、圧縮力によって例えば折り曲げられようとするコイルパイプが他の内蔵物に接触することによって変形する等の不具合は回避される。
【特許文献1】実公平4−11687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記図16に示すように操作部本体113内においては内蔵物の充填率が低い。このため、操作部本体113内に図18に示すようにコイルパイプ115が略ストレート状態で配設されている場合には、牽引操作された湾曲操作ワイヤ111の外周面とコイルパイプ115の内周面との隙間tが確保されている。このため、湾曲操作ワイヤ111を繰り返し牽引・弛緩させた場合でも、湾曲操作ワイヤ111がコイルパイプ115に接触し難い構成であるので圧縮力の発生が比較的少ない。これに対して、操作部本体113内に図19に示すようにコイルパイプ115が、屈曲部121を有して配設されている場合には、牽引操作された湾曲操作ワイヤ111の外周面とコイルパイプ115の内周面とが接触する接触部122が出現する。このため、湾曲操作ワイヤ111を繰り返し牽引・弛緩させた場合、湾曲操作ワイヤ111からコイルパイプ115に対して圧縮力が加わって前述した不具合が発生するおそれがある。なお、図18はコイルパイプが略ストレート状態で配設されている場合の湾曲操作ワイヤとコイルパイプとの関係を説明する図、図19はコイルパイプが屈曲部を有して配設されている場合の湾曲操作ワイヤとコイルパイプとの関係を説明する図である。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、湾曲操作ワイヤが挿通するコイルパイプが、湾曲操作ワイヤから受ける圧縮力によって変形されることを防止して、長期にわたって湾曲操作ワイヤによる牽引を安定して行える医療器具を提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の医療器具は、可撓管の先端側に設けられる湾曲部と、前記可撓管の基端に連設され、前記湾曲部を湾曲操作する湾曲操作手段を備える操作部と、前記湾曲操作手段の湾曲操作によって牽引弛緩される湾曲操作ワイヤと、この湾曲操作ワイヤが内挿される、先端が前記湾曲部側に固設されて基端が操作部内に配設される、コイルパイプと、付勢手段を備え、前記コイルパイプの基端部を前記操作部の基端側に移動可能に支持するコイルパイプ支持手段とを具備している。
【0014】
この構成によれば、湾曲操作ワイヤを牽引操作した際、この湾曲操作ワイヤからコイルパイプに対して圧縮力が加わった場合に、コイルパイプの基端部が操作部の基端側に移動されて、コイルパイプに働く圧縮力が解除される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、湾曲操作ワイヤが挿通するコイルパイプが、湾曲操作ワイヤから受ける圧縮力によって変形されることを防止して、長期にわたって湾曲操作ワイヤによる牽引を安定して行える医療器具を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1乃至図6は湾曲部を備える医療器具の一実施形態に係り、図1は内視鏡の挿入部に外嵌配置されるオーバーチューブの構成を説明する図、図2は図1のA−A線断面図、図3はオーバーチューブの湾曲部の構成を説明する図、図4はオーバーチューブの湾曲操作ワイヤが挿通されるコイルパイプと操作部本体内に固設されたコイルパイプ受け部材とを説明する図、図5はコイルパイプ支持手段の構成を説明する図、図6はコイルパイプ支持手段の作用を説明する図である。
【0017】
図1に示すように本実施の形態の内視鏡装置1は、医療器具である内視鏡2と医療器具である内視鏡用オーバーチューブ(以下、オーバーチューブと略記する)3とを備えている。
内視鏡2は挿入部2aと、操作部2bと、ユニバーサルコード2cとを備えて構成されている。挿入部2aは先端側から順に、先端部21、湾曲部22、及び可撓管部23を連設して構成されている。操作部2bには湾曲操作手段である図示しない湾曲ノブが備えられており、この湾曲ノブを適宜操作することによって図示しない湾曲操作ワイヤが牽引弛緩操作されて湾曲部22が所望する方向、例えば図中の矢印U方向、矢印D方向である上下方向、或いは矢印L方向、矢印R方向である左右方向に湾曲するようになっている。
【0018】
オーバーチューブ3は、内視鏡2の挿入部2aを構成する主に可撓管部23に装着される。オーバーチューブ3は、チューブ部3aとチューブ用操作部3bとを備えて構成されている。
【0019】
図2、図3に示すようにチューブ部3aは、可撓性を有し、長手軸方向に複数の貫通孔を備えるマルチルーメンチューブであり、シリコン、ウレタン、テフロン(登録商標)等で構成される、チューブ部3aは、内視鏡の挿入部2aが配置される内視鏡挿通孔31と、コイルパイプ4が配置される例えば4つのコイルパイプ挿通孔32aと、コイルパイプ4の備える長手軸方向の孔内に挿通され、コイルパイプ4の先端から突出する湾曲操作ワイヤ5が挿通する例えば4つの湾曲操作ワイヤ挿通孔32bとを有している。内視鏡挿通孔31の内径寸法は、内視鏡2の挿入部2aの外径寸法に比べて所定の寸法だけ大きく形成されている。4つのコイルパイプ挿通孔32a及び湾曲操作ワイヤ挿通孔32bは、内視鏡挿通孔31より外側に設けられており、内視鏡挿通孔31の中心軸に対して例えば90度間隔に配置されている。湾曲操作ワイヤ5がコイルパイプ4内に挿通されることによって、湾曲操作ワイヤ5がコイルパイプ4内に挿通されている部分はチューブ部3aに直接、接触することが防止される。
【0020】
図1に示すようにチューブ部3aの先端より手元側の所定位置には、所定長さのチューブ湾曲部33が設けられている。図3に示すようにチューブ湾曲部33は、外部と内視鏡挿通孔31とを連通する複数の例えば長方形形状の角孔34を、所定位置に、所定間隔で設けることによって所望の方向に所定量、湾曲する構成になっている。本実施形態において、図中の上方向及びその上方向に対向する下方向に複数の角孔34が設けられ、図中の左方向及びその左方向に対向する右方向に複数の角孔34が設けられている。
【0021】
図1に示すようにチューブ用操作部3bは、チューブ部3aの基端に一体的に設けられている。チューブ用操作部3bには、チューブ湾曲部33を上下方向に湾曲させる操作を行う湾曲操作手段である第1のノブ35と、チューブ湾曲部33を左右方向に湾曲させる操作を行う湾曲操作手段である第2のノブ36とが回動自在に設けられている。
【0022】
湾曲操作ワイヤ5の先端部は、コイルパイプ4の長手軸方向孔内の先端部において、例えば接着等によってチューブ湾曲部33の先端に一体的に固定されている。湾曲操作ワイヤ5の先端部がチューブ湾曲部33の先端に一体に固定されたコイルパイプ4の先端部4aは、図4に示すようにコイルパイプ挿通孔32a内に接着等によって一体的に固定されている。
【0023】
一方、図5に示すようにコイルパイプ4の基端部4eは、コイルパイプ支持手段を構成する固定部材であるコイルパイプ受け6に半田40等によって一体的に固定されている。コイルパイプ4の基端部4eが一体に固定されているコイルパイプ受け6は、コイルパイプ支持手段である筒形状の固定部材受けである筒体7の受け穴7a凹部内に配設される。本実施形態の筒体7の受け穴7a内には、コイルパイプ受け6を付勢支持するコイルパイプ支持手段であって付勢手段である圧縮コイルバネ8が配設されている。
【0024】
筒体7を構成する受け穴7aの底部にあたる側壁7bには前記湾曲操作ワイヤ5が挿通するワイヤ用孔7cが形成されている。ワイヤ用孔7cは、受け穴7aと外部とを連通する貫通孔であって、筒体7の長手軸上に形成されている。
【0025】
コイルパイプ受け6は、太径部6aと細径部6bとを備えて構成されている。太径部6aは、筒体7の受け穴7a内に摺動自在に配設される。細径部6bの外周側には圧縮コイルバネ8が設置される。太径部6aには、コイルパイプ4の基端部4eが挿入配置されるパイプ穴6cが設けられている。コイルパイプ受け6の長手軸上には湾曲操作ワイヤ5が挿通するワイヤ用孔6dが形成されている。
なお、圧縮コイルバネ8の付勢力Fは、コイルパイプ4が、湾曲操作ワイヤ5から受ける圧縮力F1を考慮して設定されている。
【0026】
図4に示すように筒体7は、チューブ用操作部3bを構成する操作部本体37に備えられる仕切り板37aの所定位置に半田40によって一体的に固定されている。操作部の基端側に位置する仕切り板37aの基端部には一対のプーリー38が設けられている。それぞれのプーリー38は、チューブ用操作部3bに設けられているノブ35、36の操作に伴って回動される構成になっている。
【0027】
それぞれのプーリー38には、上下方向湾曲操作ワイヤ5udの中途部、左右方向湾曲操作ワイヤ5lrの中途部が例えば半田によって一体的に固定されている。湾曲操作ワイヤ5ud、5lrは、屈曲部39を形成して配設されたコイルパイプ4c内、又は略直線上に配設されたコイルパイプ4d内を挿通している。
【0028】
上述のように圧縮コイルバネ8を筒体7の受け穴7aに配設したオーバーチューブ3の作用を説明する。
【0029】
オーバーチューブ3は、例えば第1のノブ35を適宜操作することによって、上下方向湾曲操作ワイヤ5udが牽引弛緩されて、チューブ湾曲部33が上下方向に湾曲する。すると、オーバーチューブ3の先端から突出している内視鏡2の先端部21が前記図1の矢印U方向または矢印D方向に移動される。そして、第1のノブ35に設けられている第1固定ノブ(不図示)を固定位置に移動させることによってチューブ湾曲部33の上下方向の湾曲状態が保持される。
【0030】
一方、オーバーチューブ3は、第2のノブ36を適宜操作することによって、左右方向湾曲操作ワイヤ5lrが牽引弛緩されて、チューブ湾曲部33が左右方向に湾曲する。すると、オーバーチューブ3の先端から突出している内視鏡2の先端部21が矢印L方向または矢印R方向に移動される。そして、第2のノブ36に設けられている第2固定ノブ(不図示)を固定位置に移動させることによってチューブ湾曲部33の左右方向の湾曲状態が保持される。つまり、オーバーチューブ3のチューブ湾曲部33を所望する湾曲状態に保持することによって、オーバーチューブ3の先端から突出されている内視鏡2の先端部21が安定した状態で所望する方向に保持される。
【0031】
例えば第1のノブ35を操作中、コイルパイプ4の屈曲部39近傍に接触している上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に対して圧縮力が働く。そして、図6に示すようにコイルパイプ4に働く矢印F1に示す圧縮力が、圧縮コイルバネ8の付勢力Fを越えると、コイルパイプ4の基端部4eが固設されたコイルパイプ受け6が筒体7の受け穴7a内を矢印g方向、即ちプーリー38が備えられた基端側に向かって移動する。そして、コイルパイプ受け6が圧縮コイルバネ8の付勢力Fに抗して、破線に示す位置から実勢に示す位置まで移動されることによって、上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に働く圧縮力が解除される。したがって、コイルパイプ4が圧縮力によって変形することが防止される。
【0032】
その後、上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に働く圧縮力F1が、圧縮コイルバネ8の付勢力Fより小さくなった場合には、圧縮コイルバネ8の付勢力によってコイルパイプ4の基端部4eが固設されたコイルパイプ受け6が元の位置に戻るように筒体7の受け穴7a内を移動する。
【0033】
なお、左右方向湾曲操作ワイヤ5lrとコイルパイプ4においても同様であって、説明は省略する。
【0034】
このように、湾曲操作ワイヤ5の基端部を固設したコイルパイプ受け6を、圧縮コイルバネ8を備える筒体7の受け穴7a内に配設している。そして、湾曲操作ワイヤ5からコイルパイプ4に、圧縮コイルバネ8の付勢力より大きな圧縮力が働いたとき、筒体7の受け穴7a内に配置されているコイルパイプ受け6が基端側に移動されて、湾曲操作ワイヤ5からコイルパイプ4に働く圧縮力が解除されて、コイルパイプ4が湾曲操作ワイヤ5から受ける圧縮力によって変形することを防止することができる。このことによって、湾曲操作ワイヤ5による牽引を長期にわたって安定して得られる。
【0035】
なお、上述した実施形態においては、コイルパイプ支持手段を設けることによって医療器具であるオーバーチューブ3のチューブ湾曲部33を湾曲させる湾曲操作ワイヤ5によってコイルパイプ4に圧縮力による不具合が発生することを防止する構成を説明している。しかし、上述したコイルパイプ支持手段を設ける医療器具はオーバーチューブに限定されるものではなく、湾曲部を湾曲させる湾曲操作ワイヤとこのワイヤが挿通されるコイルパイプとを備える内視鏡、或いは内視鏡の処置具チャンネルに挿通される処置具であってもよい。なお、図7及び図8を参照して湾曲部を有する処置具の構成を説明する。
【0036】
図7及び図8は湾曲部を備える医療器具の他の実施形態に係り、図7は医療器具である処置具の構成を説明する図、図8は図7のB−B線断面図である。
【0037】
図7に示すように処置具90は、内視鏡2の備える処置具チャンネルを介して体腔内に導入される。処置具90は、ストッパ部材91と湾曲部92と可撓管部93とを備える挿入部94を有している。挿入部94の基端には図示しない操作部が連結さている。
【0038】
本実施形態の処置具90は電気ナイフであり、ストッパ部材91内にはストッパ受部95が設けられており、このストッパ受部95には電極であるナイフ96が一体的に固設されている。ナイフ96の基端には挿入部94内の中央部を挿通するように構成された電極操作ワイヤ97が連結される。電極操作ワイヤ97の周囲にはワイヤ被覆98が設けられている。ワイヤ被覆98の先端部は、ストッパ受部95に固設されている。
【0039】
湾曲部92は、複数の湾曲駒99を連設して構成されている。複数の湾曲駒99は例えば、先端側から順に第1湾曲駒99a、第2湾曲駒99b、第3湾曲駒99c、第4湾曲駒99d、第5湾曲駒99eであり、それぞれの湾曲駒同士は対向する位置関係で配設されたリベット89によって回動自在に連結されている。
【0040】
これらの湾曲駒99a、99b、99c、99d、99eにはそれぞれ湾曲操作ワイヤ5p、5q、5r、5s、5t、5u、5v、5wの先端部が所定の位置に固設されている。湾曲操作ワイヤ5p、5q、5r、5s、5t、5u、5v、5wの基端部は、操作部に設けられた図示しないプーリーに固定されている。
【0041】
湾曲操作ワイヤ5p、5q、5r、5s、5t、5u、5v、5wは、コイルパイプ4p、4q、4r、4s、4t、4u、4v、4w内に挿通されている。コイルパイプ4p、4q、4r、4s、4t、4u、4v、4wの図示しない基端部は、上述したようにコイルパイプ受け6に固設され、圧縮コイルバネ8を備える筒体7の受け穴7a内に配設される。
【0042】
このことによって、コイルパイプ4p、4q、4r、4s、4t、4u、4v、4wが湾曲操作ワイヤ5p、5q、5r、5s、5t、5u、5v、5wから受ける圧縮力によって変形することを防止する構成を得られる。
【0043】
また、上述した実施形態においては、コイルパイプ受け6をプーリー38方向に移動可能に支持するコイルパイプ支持手段を、筒体7と、この筒体7の受け穴7aに配設されるコイルパイプ4の基端部4eが固設されたコイルパイプ受け6と、圧縮コイルバネ8とで構成している。しかし、コイルパイプ支持手段はこの構成に限定されるものではなく、図9乃至図14に示すように構成するようにしてもよい。
【0044】
図9乃至図11はコイルパイプ支持手段の他の構成例に係り、図9はコイルパイプ支持手段の構成を説明する平面図、図10はコイルパイプ支持手段の構成を説明する側面図、図11は図9及び図10に示したコイルパイプ支持手段の変形例を説明する図である。
【0045】
図9及び図10に示すように本実施形態のコイルパイプ支持手段は、コイルパイプ受け6Aが固設される、付勢手段である板バネ部51を備える固定支持部材50である。
【0046】
コイルパイプ受け6Aは円柱形状であって、先端側にコイルパイプ4の基端部4eが固設されるパイプ穴6cを備える。コイルパイプ受け6Aの長手軸上には湾曲操作ワイヤ5が挿通するワイヤ用孔6dが形成されている。コイルパイプ受け6Aの外周面には固定用周溝6eが設けられている。
【0047】
固定支持部材50は、バネ部である板バネ部51と、一対の取付部52及び摺動部53と、コイルパイプ受け固定溝(以下、固定溝と略記する)54を備えるコイルパイプ固定部である支持部55とで構成されている。符号56は切り欠きであって、切り欠き56の幅を調整して板バネ部51の付勢力を調整する構成になっている。
【0048】
板バネ部51は、取付部52と摺動部53と間に逆V字状に折曲して形作られている。取付部52には固定ビス41が挿通する孔52aが形成されている。取付部52は、固定ビス41を螺合することによって、チューブ用操作部3bに固定される。摺動部53には段付きビス42の段部42aが配置される長孔53aが形成されている。長孔53aは、固定支持部材50の長手中心軸に対して平行に形成されている。支持部55は、摺動部53に対して略直立するように構成されている。支持部55に形成された固定溝54には、コイルパイプ4の基端部4eが固設されたコイルパイプ受け6Aが配置され、半田40等によって支持部55に一体的に接合される。
【0049】
本実施形態においては、上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に対して矢印F2に示す圧縮力が働き、その圧縮力F2が板バネ部51の付勢力F3を越えると、支持部55が板バネ部51の付勢力F3に抗して矢印hに示すように基端側に移動する。すると、上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に働く圧縮力が解除されて、コイルパイプ4が圧縮力によって変形することが防止される。即ち、上記実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0050】
そして、湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に働く圧縮力F2が、板バネ部51の付勢力F3より小さくなった場合には、板バネ部51の付勢力F3によってコイルパイプ4の基端部4eが固設されたコイルパイプ受け6が元の位置に戻るように移動する。
【0051】
なお、本実施形態においては、コイルパイプ4をコイルパイプ受け6Aに固定し、そのコイルパイプ受け6Aを支持部55の固定溝54に接合している。しかし、図11に示すようにコイルパイプ4を支持部55に直接、半田40等で接合するようにしても良い。この構成においては、支持部55にコイルパイプ4が挿通する貫通孔55aを設け、その貫通孔55aからコイルパイプ4の基端部4eを所定量突出させた状態にして、半田40によって接合する。
【0052】
図12及び図13はコイルパイプ支持手段の別の構成例に係り、図12はコイルパイプ支持手段の構成を説明する平面図、図13はコイルパイプ支持手段の構成を説明するC−C線側面図である。
【0053】
本実施形態のコイルパイプ支持手段は、図12及び図13に示すコイルパイプ受け6Aが固設される板状の摺動部材である摺動支持部材60と、この摺動支持部材60を段階的に移動可能に支持する固定支持軸であるクリップ70とで構成されている。
【0054】
クリップ70は樹脂製であって、鍔部71と、軸部72と、固定部73とを備えて構成されている。軸部72には、この軸部72の外周に対して突出した係止部としての凸部74が設けられている。凸部74の外径寸法は第1径寸法d1である。鍔部71及び軸部72には、スリット75が形成されている。固定部73は、仕切り板37aに設けれているクリップ配置凹部37bに圧入配置される。
【0055】
クリップ70は、スリット75を有することによって、鍔部71及び軸部72が弾性変形可能に構成される。具体的に、凸部74に対して軸方向に向かう外力が働くことによって、スリット面75aが破線に示すように近接した状態に変形して、凸部74の外径寸法が第1径寸法より小径な第2径寸法d2に変化する。
【0056】
凸部74に働いていた軸方向に向かう外力が解除されることによって、クリップ70の軸部72及び鍔部71は元の状態に復帰する。即ち、凸部74の径寸法が第2径寸法d2から第1径寸法d1になる。本実施形態において凸部74は、付勢手段である。
【0057】
摺動支持部材60は、仕切り板37aに形成されている摺動支持部材設置溝37cに摺動自在な構成である。摺動支持部材60は、摺動部61と支持部62とを備えて構成されている。
【0058】
摺動部61には段付きビス42の段部42aが配置される長孔63が形成されている。長孔63は、摺動支持部材60の長手中心軸に対して平行に形成されている。摺動部61の長手中心軸上には、クリック溝64が形成されている。クリック溝64は、第1径寸法d1の凸部74が配置される係入部である例えば3つの穴部65a、65b、65cと第2径寸法d2の凸部74が通過する移動部である複数の移動溝66とを備えて構成されている。
【0059】
支持部62は、摺動部61に対して略直立する構成である。支持部62はコイルパイプ固定部であって前記固定溝54と同様の固定溝(不図示)が形成されており、その固定溝にはコイルパイプ4の基端部4eを固設したコイルパイプ受け6Aが半田40等によって接合されている。
【0060】
本実施形態において、摺動支持部材60は、初期状態において、この摺動支持部材60の第1穴部65aにクリップ70の凸部74が圧入された状態で摺動支持部材設置溝37c内に設置されている。
【0061】
この設置状態において、例えば上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に対して矢印F4に示す圧縮力が働き、その圧縮力F4が増大していくと、クリップ70の有する付勢力に抗して第1穴部65aの内周面が凸部74の外周面を押圧する押圧力が増加していく。すると、第1径寸法d1であった凸部74の外径寸法が徐々に小径にされて、支持部62が徐々に基端側に移動していく。このことによって、上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に働く圧縮力が解除されて、コイルパイプ4が圧縮力によって変形することが防止される。
【0062】
引き続き、上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に圧縮力が働き矢印F4に示す圧縮力がさらに増大すると、支持部62がさらに基端側に移動して、第1穴部65aの内面によって押圧されている凸部74の外径寸法が第2径寸法d2に変化して、凸部74が移動溝66を通過して第2穴部65bに圧入配置される。このことによって、上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に働く圧縮力が解除されて、コイルパイプ4が圧縮力によって変形することが防止される。
【0063】
つまり、本実施形態においては、径寸法が変化するように構成されたクリップ70の凸部74を摺動支持部材60が有する複数の穴部65a、65b、65cのうち所定の穴部65aに配置する。そして、コイルパイプ4に係る圧縮力が増大したとき、摺動支持部材60が摺動支持部材設置溝37c内を移動して凸部74が穴部65aから穴部65bに移動させて、湾曲操作ワイヤ5からコイルパイプ4に働く圧縮力を解除することができる。即ち、摺動支持部材60とクリップ70とを備えることによって上述した実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0064】
なお、仕切り板37aの所定位置にクリップ70の凸部74が第3穴部65cに配置されたことを検出するセンサーを設けるようにしてもよい。このことによって、摺動支持部材60が最終移動地点まで移動されたことを把握してコイルパイプ4の交換時期等を的確に行うことができる。また、本実施形態においては、クリック溝64に形成する穴部65を3つとしているが、穴部65の数は適宜設定可能であり、3つ以上であってもよい。
【0065】
図14及び図15はコイルパイプ支持手段のまた他の構成にかかり、図14はコイルパイプ支持手段の長手方向断面図、図15はコイルパイプ受けを基端側から見たときの図である。
【0066】
本実施形態のコイルパイプ支持手段は、図14及び図15に示すように係止部である係止凸部83を備える固定部材であるコイルパイプ受け6Bと、このコイルパイプ受け6Bを段階的に支持する溝を有する固定部材受けである筒体7Aとで構成される。
【0067】
コイルパイプ受け6Bは円柱形状であって、先端部にコイルパイプ4の基端部4eが固設されるパイプ穴6cが設けられている。コイルパイプ受け6Bの基端部側には、このコイルパイプ受け6Bの基端側部を弾性変形させるための穴部81と、穴部81と外部とを連通させる複数のスリット82とが形成されている。穴部81とパイプ穴6cとは連通している。このスリット82を設けたことによって、コイルパイプ受け6Bの基端部側は、弾性変形可能に構成される。
【0068】
コイルパイプ受け6Bは、外周の中途部に周状の係止凸部83を有している。係止凸部83は、断面形状が半円形状であって、筒体7Aに形成されている後述する係入溝である断面形状がV字形状の周溝、V溝85a、85b、85cに係入配置される。
【0069】
コイルパイプ受け6Bの係止凸部83の頂点部分の外径寸法はφD3である。係止凸部83に対して軸方向に向かう外力が働くことによって、係止凸部83の外径は小径に変化する。
【0070】
具体的に、係止凸部83の外径寸法は、受け穴7aの内径寸法d4より小径に変形する。係止凸部83に働く軸方向の外力が解除されることによって、コイルパイプ受け6Bの係止凸部83の頂点部分の外径寸法は、弾性力によって元の状態であるφD3に復帰する。本実施形態において係止凸部83は、付勢手段である。
【0071】
筒体7Aは、仕切り板37aに例えば半田40によって一体的に固定される。筒体7Aは移動穴である受け穴7aを備え、受け穴7aの内周面には係止凸部83が係入配置される係入溝である複数のV溝85a、85b、85cが長手軸方向に所定の間隔で設けられている。
【0072】
筒体7Aを構成する受け穴7aの底部にあたる側壁7bには湾曲操作ワイヤ5が挿通するワイヤ用孔7cが形成されている。ワイヤ用孔7cは、受け穴7aと外部とを連通する貫通孔であって、筒体7Aの長手軸上に形成されている。
【0073】
本実施形態において、コイルパイプ受け6Bの係止凸部83は、初期状態において、筒体7AのV溝85cに係入配置されている。
【0074】
この係入配置状態において、例えば上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に対して矢印F5に示す圧縮力が働き、その圧縮力F5が増大していくと、V溝85cの傾斜面が係止凸部83の外周面を押圧することによって、φD3の外径寸法の係止凸部83が徐々に小径にされて、コイルパイプ受け6Bが徐々に基端側に移動していく。このことによって、上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に働く圧縮力が解除されて、コイルパイプ4が圧縮力によって変形することが防止される。
【0075】
引き続き、上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に圧縮力が働き矢印F5に示す圧縮力がさらに増大すると、コイルパイプ受け6Bがさらに基端側に移動して、V溝85の傾斜面によって押圧されている係止凸部83の外径寸法が受け穴7aの内径寸法d4と略同寸法になって、コイルパイプ受け6Bが受け穴7a内を基端側に移動する。このことによって、上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に働く圧縮力が解除されて、コイルパイプ4が圧縮力によって変形することが防止される。
【0076】
そして、さらに、矢印F5に示す圧縮力が増大すると、受け穴7a内のコイルパイプ受け6Bがさらに基端側に移動して、係止凸部83がV溝85bに係入される。このことによって、上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に働く圧縮力が解除されて、コイルパイプ4が圧縮力によって変形することが防止される。
【0077】
つまり、本実施形態においても、径寸法が変化するように構成されコイルパイプ受け6Bの係止凸部83が、受け穴7aに形成されているV溝85c、85b、85aを順に移動していくことによって、上下方向湾曲操作ワイヤ5udからコイルパイプ4に働く圧縮力を解除することができる。
【0078】
なお、本実施形態において固定部材受けを筒体7Aとしているが、固定部材受けの内径寸法をd4の貫通孔としたる管体であってもよい。また、本実施形態においては、V溝85を3つ設ける構成としているが、V溝85の数は適宜設定可能であり、3つ以上であってもよい。さらに、仕切り板37aの所定位置にコイルパイプ受け6Bが基端側のV溝85aに配置されたことを検出するセンサーを設けことによって、コイルパイプ受け6Bが最終移動地点まで移動されたことを把握して、コイルパイプ4の交換時期等を的確に行うことができる。
【0079】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1乃至図6は湾曲部を備える医療器具の一実施形態に係り、図1は内視鏡の挿入部に外嵌配置されるオーバーチューブの構成を説明する図
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】オーバーチューブの湾曲部の構成を説明する図
【図4】オーバーチューブの湾曲操作ワイヤが挿通されるコイルパイプと操作部本体内に固設されたコイルパイプ受け部材とを説明する図
【図5】コイルパイプ支持手段の構成を説明する図
【図6】コイルパイプ支持手段の作用を説明する図
【図7】図7及び図8は湾曲部を備える医療器具の他の実施形態に係り、図7は医療器具である処置具の構成を説明する図
【図8】図7のB−B線断面図
【図9】図9乃至図11はコイルパイプ支持手段の他の構成例に係り、図9はコイルパイプ支持手段の構成を説明する平面図
【図10】コイルパイプ支持手段の構成を説明する側面図
【図11】図9及び図10に示したコイルパイプ支持手段の変形例を説明する図
【図12】図12及び図13はコイルパイプ支持手段の別の構成例に係り、図12はコイルパイプ支持手段の構成を説明する平面図
【図13】コイルパイプ支持手段の構成を説明する図12のC−C線側面図
【図14】コイルパイプ支持手段の長手方向断面図
【図15】コイルパイプ受けを基端側から見たときの図
【図16】内視鏡の湾曲操作ワイヤが挿通されるコイルパイプと操作部本体内に固設されたコイルパイプ受け部材とを説明する図
【図17】コイルパイプが変形する不具合を解消する構成を説明する図
【図18】コイルパイプが略ストレート状態で配設されている場合の湾曲操作ワイヤとコイルパイプとの関係を説明する図
【図19】コイルパイプが屈曲部を有して配設されている場合の湾曲操作ワイヤとコイルパイプとの関係を説明する図
【符号の説明】
【0081】
1…内視鏡装置 2… 内視鏡 3…オーバーチューブ 3a…チューブ部
3b…チューブ用操作部 4…コイルパイプ 5…湾曲操作ワイヤ
6…コイルパイプ受け 7…筒体 8…圧縮コイルバネ 33…チューブ湾曲部
39…屈曲部 50…固定支持部材 60… 摺動支持部材 70…クリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓管の先端側に設けられる湾曲部と、
前記可撓管の基端に連設され、前記湾曲部を湾曲操作する湾曲操作手段を備える操作部と、
前記湾曲操作手段の湾曲操作によって牽引弛緩される湾曲操作ワイヤと、
この湾曲操作ワイヤが内挿される、先端が前記湾曲部側に固設されて基端が前記操作部内に配設される、コイルパイプと、
付勢手段を備え、前記コイルパイプの基端部を前記操作部の基端側に移動可能に支持するコイルパイプ支持手段と、
を具備することを特徴とする医療器具。
【請求項2】
前記コイルパイプ支持手段は、
前記コイルパイプの基端部に固定された固定部材と、
前記操作部に固設される、前記固定部材が摺動自在に配設される凹部を備える、固定部材受けと、
前記固定部材受けの前記凹部内に配置された前記固定部材を前記操作部の先端方向に付勢する付勢力を有する前記付勢手段である圧縮コイルバネと、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項3】
前記コイルパイプ支持手段は、前記操作部に固設される固定支持部材であって、
この固定支持部材は、
前記操作部に固定される取付部と、
前記コイルパイプの基端部が固定されるコイルパイプ固定部と、
前記コイルパイプ固定部を前記操作部の先端方向に付勢する付勢力を有する前記付勢手段であるバネ部と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項4】
前記コイルパイプは、当該コイルパイプの基端部に固定される固定部材を備え、この固定部材を前記コイルパイプ固定部に固定することを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項5】
前記コイルパイプの基端部を前記コイルパイプ固定部に固定することを特徴とする請求項3に記載の医療器具。
【請求項6】
前記コイルパイプ支持手段は、
外径寸法が第1径寸法及びその第1径寸法より小径な第2径寸法に変形可能で、第2径寸法の状態から第1径寸法の状態に弾性変形する前記付勢手段である係止部を備え、前記操作部に一体的に固定される固定支持軸と、
前記操作部に摺動自在に配設される、前記係止部が係入する係入部及び前記係止部が移動する移動部を備えて構成されたクリック溝を有する摺動部、及び前記コイルパイプの基端部が直接的、又は間接的に固定されるコイルパイプ固定部を備える摺動支持部材と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項7】
前記コイルパイプ支持手段は、
外径寸法が第1径寸法及びその第1径寸法より小径な第2径寸法に変形可能で、第2径寸法の状態から第1径寸法の状態に弾性変形する前記付勢手段である係止部を備え、前記コイルパイプの基端部に一体的に固定される固定部材と、
前記固定部材が摺動自在な移動穴及び当該固定部材の前記係止部が係入する係入溝を複数配設した、前記操作部に固設された固定部材受けと、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の医療器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−153959(P2009−153959A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2506(P2008−2506)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】