説明

医療機器をコーティングするための改良された方法

【課題】本発明は、医療機器を静電的にコーティングする方法に関する。
【解決手段】一時的な導電性が、通常非導電性である医療装置の表面に誘導される。一時的な導電性を機器表面に誘導した後、その機器表面は、液剤スプレーコーティング、もしくは、乾燥粉末沈着のいずれかを通じて、静電的にコーティングされる。その方法は、機器の機能のために必要な機器の微細な特徴が、コーティングが適用された後に注意深く維持されるような、高程度の一様性、および、そのコーティングを通じた制御を提供する。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は非導電性医療機器をコーティングするための改良された方法に関する。特に、本発明は、帯電したコーティング剤で非導電性医療機器を静電的にスプレーコーティングするための改良された方法に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
医療機器のコーティングは数え切れないほどの有用な目的に役立つ。例えば、コーティングは、機器の表面特性を変えるために、機器表面から放出するための薬剤/生物活性剤もしくは抗菌剤を組み合わせるために、または、よりよい治癒のための細胞シグナリング(cell signaling)を提供するために用いることができる。しかし、医療機器はしばしば、組織工学上の足場(tissue engineering scaffold)、もしくは、複雑な構造を有する機器の形態をしている。両方の場合において、これらの医療機器は、機器のマイクロ規模の細部を密に覆う、微細なコーティングを必要とする。従来の浸漬コーティングもしくはスプレーコーティングでは、この特徴のコーティングは容易には達成できない。その上、コーティング材料は、それらの材料が薬剤もしくは生物活性剤を含む場合、極めて高価でありうる。それゆえ、これらの方法で生ずる無駄により、多くの医療機器に適用して使用することに対して、これらの方法は非常に高価なものになる。
【0003】
一方、静電沈着処理は、基材の細部および構造をなぞるコーティングを提供する、高度に制御可能な方法である。静電沈着方法の標的化された性質のために、その方法に関連する過剰なスプレー、すなわち、無駄が実に少ない。標的化は、荷電された粒子と接地された基材との間の引力の結果である。静電沈着の限界は、この方法を用いることでコーティングすることができる基材の種類にある。静電沈着には導電性の基材が必要である。導電性は、基材を接地させ、それによって、基材がコーティング粒子を引きつけることを可能にする。導電性はまた、コーティング粒子上の荷電の緩和を提供し、マイクロ電流に変換し、それによって表面上の粒子を維持する。
【0004】
静電コーティング方法は、医療機器をコーティングするために提案されてきた。例えば、米国特許第6,355,058号、同第5,824,049号、および、同第6,096,070号は、医療機器を放射線不透過性材料、もしくは、生物活性材料でコーティングするために静電沈着を用いることについて述べている。慣習的な電気的沈着法、すなわち、静電的なスプレー法においては、医療機器の表面が接地され、そして、コーティング溶液を液滴へと粉砕するためにガスが用いられる。その液滴はそれから、例えばコロナ放電を用いて、電気的に荷電される。ガス粉砕された液滴は、コロナフィールドを通過することにより帯電する。液滴は荷電されているため、それらは機器の接地された表面に引きつけられる。
【0005】
医療機器の静電コーティングはまた、米国特許第6,669,980号に提示されている。この特許に記載された方法において、コーティング剤は、特別なノズルによって荷電される。そのノズルは、液体噴出を粉砕して、液滴間の電荷反発によって、高荷電の液滴からなるスプレー円錐を生じさせるものであり、結果的にガス粉砕の必要性を消失させるものである。米国特許第6,669,980号は、金属製ステントのような導電性医療機器上の、一様で均一なコーティングについて説明した。米国特許第6,669,980号は、この方法が、ポリマー基板の医療機器に対しても、適切なものであろうことをさらに提示している。しかし、このような機器上に蓄積された静電荷は、機器によるコーティング粒子の反発という結果をもたらし、望ましくない結果が導かれる。
【0006】
先行技術の欠陥という観点において、特に、機器の表面が、ポリマー材料で作られた表面のような非導電性表面である場合、医療機器を静電的にコーティングするための改良されたコーティング方法が必要である。重要なことは、静電スプレーもしくは静電沈着をしている間に構築され、実際にコーティング粒子を反発し、望ましくないコーティング結果を導くような、避けられない静電荷を避けるだろう改良された方法が必要とされる。
【0007】
〔発明の概要〕
本発明は、医療機器の静電コーティングのための既知の方法を改良するものである。その方法において、医療機器がまず用意される。その機器は金属担体上に置かれ、そして、その機器は接地される。接地された医療機器の表面はその後、コーティング剤で静電的にコーティングされる。
【0008】
本発明の改良された方法において、医療機器は非導電性の表面を有する。その改良は、機器表面をコーティング剤で静電的にコーティングするステップの前に、医療機器の非導電性表面上に一時的な導電層を誘導することを含む。好ましい実施形態では、一時的な導電層は極性溶媒を用いて誘導される。
【0009】
有利なことに、静電コーティングの前に医療機器の表面に一時的な導電層を誘導することは、構築されたあらゆる静電荷を緩和するように、その機器を適当に接地する。結果的に、医療機器の表面は、静電的に荷電されたコーティングを、反発するよりも、むしろ引きつける。このやり方によって、望ましいコーティングを医療機器の表面に適用することができ、そして、機器の機能のために必要な機器の微細な特徴が、コーティングが適用された後に注意深く維持され得るような高程度の一様性を提供するために、その方法パラメーターを注意深く制御することができる。
【0010】
本発明に係る改良されたコーティング方法は、組織工学上の足場のような数多くの医療機器、および、骨ねじのような複雑な形状の医療機器の表面をコーティングするために用いることができる。
【0011】
〔発明の詳細な説明〕
本発明に係る改良されたコーティング方法において、非導電性表面を有する医療機器が用意される。その機器は金属担体上に置かれ、それから接地される。重要なことに、そして、本発明に係る改良された方法に従って、一時的な導電性が機器表面上に誘導される。理想的には、一時的な導電性は、機器を極性液体の中に浸漬すること、もしくは、機器に極性液体をスプレーすることのいずれかによって誘導される。
【0012】
本発明に用いるための適当な極性溶媒は、機器を「湿らせる」ことができ、どのような方法でも機器を溶解したり、もしくは、破損したりすることなしに、機器に一時的な導電性を誘導することができるものである。機器が導電性を維持する時間の長さは、極性液体の揮発性に依存する。N−メチルピロリドンのような、より低揮発性の極性溶媒は、イソプロパノールのような、より高揮発性の極性溶媒よりも、より長いコーティング時間を有することができるであろう。本発明で用いるための極性液体の例は、それらに限定されないが、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アルコール類(例えば、イソプロパノール、もしくは、エタノール)、塩化メチレン、メチルエチルケトン(MEK)、および、それらの混合物である。酢酸エチルおよびイソプロパノールが、好ましい極性溶媒である。
【0013】
ひとたび医療機器の表面に一時的な導電層が誘導されるならば、その後その機器は効果的に、コーティング剤で静電的にコーティングされるかもしれない。コーティング方法は、コーティング剤の形態、および、医療機器の複雑さに依存する。コーティング剤の形態には、液体(例えば、溶媒中のポリマー溶液、または、乳濁液状、もしくは、懸濁液状のポリマー)を含む。あるいは、粉末(例えば、モノマー粉末、もしくは、ポリマー粉末)を用いることができる。
【0014】
1つの実施例において、コーティング剤は、溶媒中、乳剤中、もしくは、懸濁液中のポリマー溶液のような液体である。液体コーティング剤は、例えば、米国特許第4,749,125号に記載されたように静電的に適用される。複雑な形状の医療機器の場合、誘導環(inductor ring)が、伝導体(conductor)の代わりに、ノズル端に中心を合わせて置かれることが好ましい。誘導環は、米国特許第5,332,154号に記載された誘導棒(inductor bar)と同様のものである。誘導環は、接地されているか、もしくは、ノズルそれ自体の電圧よりも低い電圧レベルで保持されているかのいずれかである。作られた帯電したコーティング剤の液滴は、ノズル開口部を通じて施用され、誘導環を通じて流れ、そしてその後、接地された複雑な形状の医療機器の表面に沈着する。
【0015】
ノズル装置はあらゆる絶縁性の材料(例えば、ポリアミド)で作ることができるが、好ましくは、セラミックで作られる。また、好ましくは、ノズル装置の開口部におけるコーティング剤の流量は、約0.1ミリリットル毎時(mL/時)から約10mL/時である。加えて、コーティング剤を荷電するために用いられる電圧量は、約4キロボルト(kV)から約20kV(正極性もしくは負極性)の範囲であり、結果的な電流は約5マイクロアンペアから約40マイクロアンペアの範囲である。
【0016】
ノズル装置は、好ましくは、コーティングされる機器の表面から約2センチメートルから約20センチメートル離れたところに置かれる。更に、本発明に係る改良された方法のために、1個以上のノズル装置を同時に用いることができる。回転する円形トレイ(carousel)を、大きな機器に対して、もしくは、製造規模のコーティングの際に用いることができる。
【0017】
他の実施形態において、コーティング剤は、乾燥した粉末剤である。粉末コーティングは、例えば、米国特許第5,695,826号に記載されたように達成される。もし粉末が塊状であるならば、米国特許第5,035,364号に記載されたように、粉末をまず粉砕し、空気に混入させることが可能である。ポリマー粉末の場合、粉末を融解し、および、流れさせることが十分なほどの温度までポリマー粉末を加熱するための短い加熱ステップを加えることができ、そして、医療機器への付着を可能なかぎり増やすことができる。モノマー粉末の場合、熱、もしくは、紫外線(UV)照射を、機器上のモノマーの重合、もしくは、硬化のために用いてもよい。
【0018】
本発明に係る非導電性医療機器は、それらに限定されないが、組織工学上の足場(例えば、不織性フェルト(non-woven felts)、凍結乾燥フォーム、もしくは、織り網(woven meshes))、および、複雑な形状の医療機器[例えば、縫合錨(suture anchors)、縫合糸、ステープル(staples)、手術用鋲(surgical tacks)、クリップ(clips)、薄板(plates)、ねじ等]を含む。複雑な形状の医療機器は、縁、窩(recesses)、陥没(depressions)、空洞(cavities)、溝、湾曲、および、鋭利な側面を有するかもしれないし、そして、対称的ではないかもしれないあらゆる機器として規定される。
【0019】
本発明に適した非導電性医療機器は、生体適合性であり、好ましくは、生物分解性のポリマーを用いて作られる。生物分解性ポリマーは、湿った体組織もしくは生理学的酵素に暴露された場合、容易に小さな断片に分解される。その断片は、肉体によって吸収されるか、もしくは、肉体から排出されるかのいずれかである。更に特には、生物分解された断片は、永続性の慢性異物反応を誘発しない。なぜならば、その断片の永続的な痕跡もしくはそれらの断片の残余が決して体内に保持されないように、肉体によって吸収されるか、もしくは、肉体から排出されるからである。複雑な形状の医療機器に対して用いられる適切な生物分解性ポリマーは、それらに限定されないが、ホモポリマー[例えば、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、および、ポリ(p−ジオキサノン)(poly(p-dioxanone))];ならびに、コポリマー(copolymer)[例えば、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)すなわち、PLGA、ポリ(ε−カプロラクトン−co−グリコリド)、および、ポリ(グリコリド−co−トリメチレンカーボネート)]である。ポリマーは、統計的に、ランダムコポリマー、セグメントコポリマー(segmented copolymer)、ブロックコポリマー、もしくは、グラフトコポリマーであるかもしれない。その他の生物分解性ポリマーは、アルブミン;カゼイン;ワックス(例えば、グリセロール脂肪酸エステル);モノステアリン酸グリセロール、および、ジステアリン酸グリセロール;デンプン、架橋デンプン;単糖(例えば、グルコース)、および、多糖;ポリビニルアルコール;ゼラチン;ヒアルロン酸;修飾されたセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および、酢酸セルロース);アルギン酸ナトリウム;ポリマレイン酸無水エステル;ポリオルトエステル;ポリエチレンイミン;グリコール類(例えば、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、および、エトキシポリエチレングリコール);ポリエチレンオキシド;ポリ(1,3−bis−p−カルボキシフェノキシプロパン−co−セバシン酸無水物);N,N−ジエチルアミノアセテート;ならびに、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマー;そして、それらの組み合わせを含む。
【0020】
医療機器表面のコーティングを形成するために有用なポリマーは、生体適合性であるべきであり、好ましくは生物分解性である。医療機器を作る際に用いる可能性のある候補として、以上に列記した生物分解性ポリマーは、本発明に係る改良された方法のためのコーティングポリマーとしても用いられるかもしれない。
【0021】
液体コーティング剤を形成するために適した溶媒は、ポリマー材料を溶媒中に溶かすことができるか、もしくは、溶媒中にポリマー材料の分散を形成することができるものである。医療機器を変形させない、もしくは、不利に医療機器に衝撃を与えない、あらゆる溶媒を採用することができる。好ましくは、その溶媒は極性溶媒であるが、非極性溶媒をも用いることができる。有用な溶媒の例は、クロロホルム、塩化メチレン、酢酸エチル、アセトン、イソプロパノール、および、エタノールを含む。コーティング剤におけるポリマー材料の量は、約1〜約60%重量/重量(w/w)の範囲であるべきである。好ましくは、コーティング剤におけるポリマー量は、約1〜約20%であるべきである。コーティング溶液の適切な粘度は、約0.001パスカル秒〜約50パスカル秒[約1センチポアズ(cps)〜約500,00cps]の範囲であるべきである。
【0022】
本発明に係る改良された方法のために有用なコーティング剤はまた、生物活性のある材料を含んでもよい。「生物活性のある材料」、もしくは、「生物活性材料」の用語は、治療薬剤(例えば、薬剤、ならびに、遺伝物質、および、生物材料もまた)を包含する。適切な遺伝物質は、DNAもしくはRNA(例えば、それらに限定はされないが、有用なタンパク質をコードするDNA/RNA、ならびに、ウイルスベクターおよび非ウイルスベクターを含むヒトの肉体に挿入されるように意図されているDNA/RNA)を含む。適切な生物材料は、細胞、細胞栄養因子、細胞溶解物、細胞馴化培地、酵母、細菌、タンパク質、ペプチド、サイトカイン、および、ホルモン類である。適切なペプチド、および、タンパク質の例は、成長因子(例えば、GDF−5、VegF、FGF−2、FGF−1、骨形態形成タンパク質、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、BMP16)を含む。これらのタンパク質は、ホモダイマー、ヘテロダイマー、もしくは、それらの組み合わせとして、単独、もしくは、他の分子とともに提供されることが可能である。細胞は、動物性のもの[異種の(xenogeneic)]由来のヒト起源のもの[自己の、もしくは、同種の(autologous or allogeneic)]であることが可能であり、または、もし移植部位に目的のタンパク質を送達したいのであれば、遺伝子操作されているものであることが可能である。細胞は、骨髄全体、単核細胞由来の骨髄、前駆体細胞、幹細胞、多能性幹細胞、および、繊維芽細胞を含む。
【0023】
生物活性のある材料はまた、それらに限定されないが、抗感染薬(例えば、抗生物質、および、抗ウイルス剤);鎮痛薬、および、鎮痛薬の組み合わせ;食欲抑制薬;駆虫薬(antihelmintics); 抗関節炎薬;抗ぜんそく薬;抗けいれん薬(anticonvulsants);抗うつ剤(antidepressants);抗利尿薬;下痢止め薬;抗ヒスタミン薬;抗炎症剤;抗偏頭痛製剤;制嘔吐剤;抗新生物薬;抗パーキンソン薬;かゆみ止め薬;抗精神病薬(antipsychotics);解熱剤;鎮痙剤(antispasmodics);抗コリン作用薬;交感神経興奮剤; キサンチン誘導体;カルシウムチャネルブロッカー、および、β−ブロッカーを含む心臓血管製剤[例えば、ピンドロール(pindolol)、および、抗不整脈薬];降圧剤;利尿薬;一般の冠状動脈血管、周辺血管、および、脳血管を含む血管拡張神経薬;中枢神経系刺激剤;ホルモン類(エストラジオール、および、コルチコステロイドを含む他のステロイド類);睡眠薬;免疫抑制剤;筋弛緩剤;副交感神経遮断薬;精神興奮薬(psychostimulants);鎮静剤(sedatives);トランキライザー(tranquilizers);天然由来の、もしくは、遺伝子操作されたタンパク質;多糖類;糖タンパク質、もしくは、リポタンパク質;オリゴヌクレオチド;抗体;抗原;コリン作用薬;化学療法薬;止血薬;凝血塊溶解剤;放射性医薬品(radioactive agents);細胞増殖抑制剤(cystostatics);を含む。
【0024】
コーティング剤がポリマー溶液である場合、生物活性材料は溶液の中に混合することができる。このやり方で、ポリマーと生物活性材料は、ともに沈着される。あるいは、複数ステップの方法において、まず生物活性剤の溶液を機器にコーティングし、次にポリマー溶液をコーティングすることができる。
【0025】
コーティング材料が、乾燥したポリマー粉末である場合、生物活性材料はポリマー粉末の中にカプセル化してマイクロ粒子を形成することができる。生物活性剤を充填したマイクロ粒子は、生物分解性ポリマー製基板の上に沈着させることができる。あるいは、ポリマーのマイクロ粒子は、生物活性剤のマイクロ粒子と混合することができ、ともに沈着させることができる。また、複数ステップの方法において、生物活性剤のマイクロ粒子を基板の上にコーティングし、その後、ポリマーのマイクロ粒子をコーティングすることができる。さまざまな溶液コーティング沈着と粉末コーティング沈着の組み合わせが、本発明に記載されたコーティング方法で達成可能である。その組み合わせは、それらに限定されないが、溶液−溶液コーティング、粉末−溶液コーティング、および、粉末−粉末コーティングの複数ステップの層状コーティングを含む。
【0026】
以下の比較例は、先行技術の静電的コーティング方法が、生物適合性コーティングを組織工学上の足場に適用することを試みるために用いられた際に得られた、悪い結果を示している。
【0027】
〔比較例1〕
極性液体で、一時的な導電層を誘導するための前処理をしなかった、不織性の足場の静電的コーティング
【0028】
乾燥した層の、針で穴を開けられた不織性フェルト足場が、10/90のモル比のポリ(ラクチド−co−グリコリド)繊維(10/90 PLA/PGA)(Ethicon, Inc.、米国ニュージャージー州サマービル)で作られた。不織性の足場は、立法センチメートルあたり108ミリグラムの、公称密度(nominal density)であり、かつ、2.14ミリメーターの厚さであった。その足場は、仕上げ材を除去するために、イソプロパノール、および、水のそれぞれ中に浸され、そして、すすがれることによって洗浄された。すすがれた足場は流れている窒素により乾燥され、その後、真空乾燥された。乾燥した後、そのシートは2.54×2.54平方センチメートルのサンプルに切り取られた。乾燥サンプルは、ステンレス製の枠の上に、電気流体力学ノズルのスプレーノズルから6センチメートルのところに置かれ、そして、接地された。使用した電気流体力学ノズル装置(electrohydrodynamic nozzle apparatus)は、Terronics Development Corporation(米国インディアナ州エルウッド)によって市販されている。
【0029】
酢酸エチル中に50/50のモル比のポリ(ラクチド−co−グリコリド)(50/50 PLA/PGA)を5%重量/体積(w/v)溶液で含んでいるコーティング剤を準備し、電気流体力学ノズル装置の中に入れた。50/50 PLA/PGAの固有粘度(I.V.)は、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を0.1グラム/デシリットルの濃度で溶媒として利用し、サーモスタットで30℃に制御されたウォーターバス中に浸された50 bore Cannon-Ubbelhode希釈粘度計を用いて測定された。ポリマーのI.V.は0.61デシリットル/グラムであった。
【0030】
8キロボルト(負極性)に設定された装置に接続した電圧電源を用いて、装置のチャンバー中のコーティング剤を帯電させた。ノズル開口部におけるコーティング剤の流出速度は、2ミリリットル毎時であった。コーティング処理時間は6分であり、処理環境の温度は室温であった。コーティング粒子は、足場による反発が観察され、ノズルに向かって再び後戻りすることが観察された。
【0031】
不織性フェルト足場の表面は、走査型電子顕微鏡(Jeol JSM05900LV、米国マサチューセッツ州ピーボディ)によって検査された。図1に表面の顕微鏡写真を示す。この顕微鏡写真では、処理の6分後でさえ、基板表面上にコーティングがまったく見られないことを観察することができる。
【0032】
次の実施例は、本発明の原理および実施の例示であるが、それに限定されるものではない。
【0033】
〔実施例1〕
極性液体で、一時的な導電層を誘導するための前処理をした、不織性の足場の静電的コーティング
【0034】
本実施例において、比較例1が、本発明の改良された方法の前処理ステップを加えたことを除いて、以下に詳説するように実質的に再現された。
【0035】
乾燥した層の、針で穴を開けられた不織性フェルト足場が、10/90のモル比のポリ(ラクチド−co−グリコリド)繊維(10/90 PLA/PGA)(Ethicon, Inc.、米国ニュージャージー州サマービル)で作られた。不織性の足場は、立法センチメートルあたり108ミリグラムの、公称密度であり、かつ、2.14ミリメーターの厚さであった。その足場は、仕上げ材を除去するために、イソプロパノール、および、水のそれぞれ中に浸され、そして、すすがれることによって洗浄された。すすがれた足場は流れている窒素により乾燥され、その後、真空乾燥された。乾燥した後、そのシートは2.54×2.54平方センチメートルのサンプルに切り取られた。サンプルは99%イソプロパノール(Aldrich、米国ミズーリ州セントルイス)中に浸漬することで前処理された。過剰なイソプロパノールをサンプルから振り落とした。その後、そのサンプルは、ステンレス製の枠の上に、電気流体力学ノズル装置のスプレーノズルから8センチメートルのところに置かれ、そして、接地された。使用した電気流体力学ノズル装置は、Terronics Development Corporation(米国インディアナ州エルウッド)によって市販されている。
【0036】
酢酸エチル中に50/50のモル比のポリ(ラクチド−co−グリコリド)(50/50 PLA/PGA)を5%重量/体積(w/v)で含んでいる液体コーティング剤を準備し、電気流体力学ノズル装置の中に入れた。50/50 PLA/PGAの固有粘度(I.V.)は、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を0.1グラム/デシリットルの濃度で溶媒として利用し、サーモスタットで30℃に制御されたウォーターバス中に浸された50 bore Cannon-Ubbelhode希釈粘度計を用いて測定された。ポリマーのI.V.は0.61デシリットル/グラムであった。8.5キロボルト(負極性)に設定された装置に接続した電圧電源を用いて、装置のチャンバー中の液体コーティング剤を帯電させた。ノズル開口部におけるコーティング剤の流出速度は、1ミリリットル毎時であった。コーティング処理時間は30秒であり、処理環境の温度は室温であった。不織性フェルト足場の表面は、走査型電子顕微鏡(Jeol JSM05900LV、米国マサチューセッツ州ピーボディ)によって検査された。図2に表面の顕微鏡写真を示す。比較例1で得られた結果に対して、そのコーティングは、足場の表面において、足場の繊維に付着した「ビーズ」として明らかである。
【0037】
〔実施例2〕
液体コーティング剤による射出成形ねじの静電コーティング
【0038】
85%重量/重量(w/w)のポリ酪酸、および、15%(w/w)のリン酸三カルシウムから構成された、約3センチメートル長の射出成形ねじを、99%のイソプロパノール(Aldrich、米国ミズーリ州セントルイス)中に浸漬することで前処理し、金属製のサンプルホルダー上に固定し、接地し、そして、電気流体力学ノズル装置(Terronics Development Corporation、米国インディアナ州エルウッド、から市販されている)のスプレーノズルから6センチメートルのところに置いた。誘導環はノズル端のすぐ近くに置いた。酢酸エチル中に50/50のモル比のポリ(ラクチド−グリコリド)を20%重量/体積(w/v)で含んでいる液体コーティング剤溶液を準備し、電気流体力学ノズル装置の中に入れた。50/50 PLA/PGAの固有粘度(I.V.)は、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を0.1グラム/デシリットルの濃度で溶媒として利用し、サーモスタットで30℃に制御されたウォーターバス中に浸された50 bore Cannon-Ubbelhode希釈粘度計を用いて測定された。ポリマーのI.V.は0.61デシリットル/グラムであった。6キロボルト(負極性)に設定された装置に接続した電圧電源を用いて、装置のチャンバー中の液体コーティング剤を帯電させた。ノズル開口部におけるコーティング剤の流出速度は、3ミリリットル毎時であった。コーティング処理時間は3分であり、処理環境の温度は20℃であった。装置は風乾された。
【0039】
コーティングされたねじを光学顕微鏡で検査した。コーティングは完全に骨ねじの表面を覆っているが、その骨ねじを生理環境に配置するために必要なねじ山は覆っていない。
【0040】
〔実施例3〕
乾燥粉末コーティング剤による射出成形ねじの静電コーティング
【0041】
ポリ(モノステアリン酸グリセロール−co−コハク酸エステル)、すなわち、MGSA粉末は、次のとおり合成された。2510グラムのモノステアリン酸グリセリド(Van Waters & Rogers, Quest International、米国イリノイ州ホフマンエステーツ)、770.4グラムのコハク酸無水物(Acros Organics via Fisher Scientific、米国ニュージャージー州モリスプレーンズ)、および、トルエン中、1.41ミリリットルの0.33モル オクタン酸第一スズ(stannous octoate)(Ethicon, Inc.、米国ジョージア州コルネリア)を、8 CV Helicone Mixer(Design Integrated Technology, Inc.、米国ヴァージニア州ワレントン、により製造)中に置いた。混和の最初の5時間の間真空にした。混合液の内容物をまず8回転/分の割合でかき混ぜ、20回転/分まで増加させた。反応時間は約46.5時間であった。Mettler-Toledo FP62融解装置をポリマーの融点を測定するために用い、融点は50.4℃であることがわかった。分子量をテトラヒドロフラン中、ポリスチレン基準でゲル透過クロマトグラフィー(Waters Corporation、米国マサチューセッツ州ミルフォード)によって決定した。平均の分子量は38,489ダルトンであることがわかった。
【0042】
回転盤装置上で粉末をポリマーマイクロ粒子へと変換した。粉末をまず融解し、110℃までつりあわせ、そして、7500回転/分で走らせた7.62センチメートル(3インチ)の回転盤の中央まで、3.5グラム/秒の制御割合で送り込んだ。円盤表面は、ポリマーが円盤の表面で確実に液状になるように、誘導加熱メカニズムを用いて130℃まで加熱された。円盤の回転により、円盤表面上でポリマーの薄い液体フィルムが形成された。液体のフィルムは円盤の表面から外側に放射状に放り出され、液滴が回転盤装置チャンバー中で空気と接することで固体化し、ポリマーのマイクロ粒子を形成した。固体のマイクロ粒子はその後、サイクロン分離機を用いて収集された。マイクロスフィアは冷凍分離され、53μm未満の粒子の画分のみが用いられた。
【0043】
85%重量/重量(w/w)のポリ酪酸、および、15%(w/w)のリン酸三カルシウムから構成された、約3センチメートル長の射出成形ねじを、99%のイソプロパノール(Aldrich、米国ミズーリ州セントルイス)中に浸漬することで前処理し、金属製のサンプルホルダー上に固定し、接地した。マイクロスフィアを粉末塗装機の注入器(Terronics Development Corporation、米国イリノイ州エルウッド、から市販)中に送り込んだ。そこでは、マイクロスフィアは、強められた負コロナを通じて、静電的に荷電された粉末群を一様に分散するように、空気と混入され、加速され、穏やかに分散され、そして、注入された。振動フィーダー(Quaver-ACI, Cole-Palmer、米国イリノイ州バーノンヒル)を、粉末を空気と混ぜる注入器に、できる限り均一に粉末を送り込むために使用した。粉末/空気混合物は、566.34リットル/分[20立方フィート/分(SCFM)]で流され、粉末粒子を荷電するために用いられた電圧は16kV(負極性)であった。静電的に荷電された粉末群がねじをコーティングした。コーティング環境の温度は25℃であった。コーティングされたねじは、コーティング粉末が流れるほど十分に融解するため、静電的コーティングに続いて、54℃に設定された対流式オーブン中に10秒間置かれた。コーティングされたポリマー機器は、光学顕微鏡で検査された。融解されたミクロスフィアコーティングは、骨ねじの複雑な表面上で観察された。また、融解されたミクロスフィアコーティングは、骨ねじを生理環境に配置するために必要なねじ山を覆っていない。
【0044】
〔実施の態様〕
(1)医療機器をコーティングするための改良された静電コーティング方法において、
当該方法では、
前記医療機器が用意されて、金属担体の上に置かれ、
支持された前記医療機器が、接地され、
前記支持された医療機器の表面が、コーティング剤で静電コーティングされ、
前記医療機器の表面は、非導電性表面であり、
当該方法は、改良点として、前記医療機器の表面を前記コーティング剤で静電コーティングする前記ステップの前に、前記医療機器の前記非導電性表面に一時的な導電層を誘導するステップを含む、静電コーティング方法。
(2)実施態様1に記載の改良された静電コーティング方法において、
前記一時的な導電層を誘導する前記ステップは、極性液体を用いて実行される、静電コーティング方法。
(3)実施態様2に記載の改良された静電コーティング方法において、
前記極性液体は、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、イソプロパノール、エタノール、塩化メチレン、および、メチルエチルケトンからなる群から選ばれる、静電コーティング方法。
(4)実施態様3に記載の改良された静電コーティング方法において、
前記極性液体は、酢酸エチル、もしくは、イソプロパノールである、静電コーティング方法。
(5)実施態様2に記載の改良された静電コーティング方法において、
前記極性液体は、前記一時的な導電層を誘導するために、前記医療機器の表面中に浸漬させられるか、もしくは、前記表面上にスプレーされる、静電コーティング方法。
(6)実施態様5に記載の改良された静電コーティング方法において、
前記医療機器は、組織工学上の足場であるか、もしくは、複雑な形状の医療機器である、静電コーティング方法。
(7)実施態様6に記載の改良された静電コーティング方法において、
前記組織工学上の足場は、不織性フェルト、織り網、もしくは、フォームである、静電コーティング方法。
(8)実施態様6に記載の改良された静電コーティング方法において、
前記複雑な形状の医療機器は、縫合錨、縫合糸、ステープル、手術用鋲、クリップ、薄板、または、ねじである、静電コーティング方法。
(9)実施態様5に記載の改良された静電コーティング方法において、
前記医療機器は、生物分解性ポリマーから構成され、
前記生物分解性ポリマーは、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(p−ジオキサノン)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ε−カプロラクトン−co−グリコリド)、ポリ(グリコリド−co−トリメチレンカーボネート)、アルブミン、カゼイン、グリセロール脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、デンプン、架橋デンプン、グルコース、多糖、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ヒアルロン酸、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリマレイン酸無水エステル、ポリオルトエステル、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリ(1,3 bis(p−カルボキシフェノキシ)、ポリ(1,3−bis−p−カルボキシフェノキシプロパン−co−セバシン酸無水物)、N,N−ジエチルアミノアセテート、および、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマーからなる群から選ばれる、静電コーティング方法。
(10)実施態様5に記載の改良された静電コーティング方法において、
前記コーティング剤は、液剤、もしくは、乾燥粉末剤である、静電コーティング方法。
【0045】
(11)実施態様10に記載の改良された静電コーティング方法において、
前記液剤は、溶媒中のポリマー、乳剤中のポリマー、もしくは、懸濁液中のポリマーである、静電コーティング方法。
(12)実施態様10に記載の改良された静電コーティング方法において、
前記乾燥粉末剤は、モノマー粉末、もしくは、ポリマー粉末である、静電コーティング方法。
(13)実施態様5に記載の改良された静電コーティング方法において、
前記コーティング剤は、生物分解性ポリマーである、静電コーティング方法。
(14)実施態様5に記載の改良された静電コーティング方法において、
前記コーティング剤は、生物活性のある材料を含む、静電コーティング方法。
(15)非導電性医療機器において、
実施態様1に記載の改良された方法によってコーティングされた、非導電性医療機器。
(16)非導電性医療機器において、
実施態様5に記載の改良された方法によってコーティングされた、非導電性医療機器。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】先行技術に従い液状コーティング剤で静電的にコーティングされた非導電性の不織性足場の切断面に係る走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。一時的な導電層を誘導するための極性溶媒による足場の前処理は行われていない。
【図2】液状コーティング剤で静電的にコーティングされた非導電性の不織性足場の切断面に係る走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。一時的な導電層を誘導するために極性溶媒による足場の前処理が行われている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器をコーティングするための改良された静電コーティング方法において、
当該方法では、
前記医療機器が用意されて、金属担体の上に置かれ、
支持された前記医療機器が、接地され、
前記支持された医療機器の表面が、コーティング剤で静電コーティングされ、
前記医療機器の表面は、非導電性表面であり、
当該方法は、改良点として、前記医療機器の表面を前記コーティング剤で静電コーティングする前記ステップの前に、前記医療機器の前記非導電性表面に一時的な導電層を誘導するステップを含む、静電コーティング方法。
【請求項2】
請求項1に記載の静電コーティング方法において、
前記一時的な導電層を誘導する前記ステップは、極性液体を用いて実行される、静電コーティング方法。
【請求項3】
請求項2に記載の静電コーティング方法において、
前記極性液体は、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、イソプロパノール、エタノール、塩化メチレン、および、メチルエチルケトンからなる群から選ばれる、静電コーティング方法。
【請求項4】
請求項3に記載の静電コーティング方法において、
前記極性液体は、酢酸エチル、もしくは、イソプロパノールである、静電コーティング方法。
【請求項5】
請求項2に記載の静電コーティング方法において、
前記極性液体は、前記一時的な導電層を誘導するために、前記医療機器の表面中に浸漬させられるか、もしくは、前記表面上にスプレーされる、静電コーティング方法。
【請求項6】
請求項5に記載の静電コーティング方法において、
前記医療機器は、組織工学上の足場であるか、もしくは、複雑な形状の医療機器である、静電コーティング方法。
【請求項7】
請求項6に記載の静電コーティング方法において、
前記組織工学上の足場は、不織性フェルト、織り網、もしくは、フォームである、静電コーティング方法。
【請求項8】
請求項6に記載の静電コーティング方法において、
前記複雑な形状の医療機器は、縫合錨、縫合糸、ステープル、手術用鋲、クリップ、薄板、または、ねじである、静電コーティング方法。
【請求項9】
請求項5に記載の静電コーティング方法において、
前記医療機器は、生物分解性ポリマーから構成され、
前記生物分解性ポリマーは、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(p−ジオキサノン)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ε−カプロラクトン−co−グリコリド)、ポリ(グリコリド−co−トリメチレンカーボネート)、アルブミン、カゼイン、グリセロール脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、デンプン、架橋デンプン、グルコース、多糖、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ヒアルロン酸、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリマレイン酸無水エステル、ポリオルトエステル、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリ(1,3 bis(p−カルボキシフェノキシ)、ポリ(1,3−bis−p−カルボキシフェノキシプロパン−co−セバシン酸無水物)、N,N−ジエチルアミノアセテート、および、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマーからなる群から選ばれる、静電コーティング方法。
【請求項10】
請求項5に記載の静電コーティング方法において、
前記コーティング剤は、液剤、もしくは、乾燥粉末剤である、静電コーティング方法。
【請求項11】
請求項10に記載の静電コーティング方法において、
前記液剤は、溶媒中のポリマー、乳剤中のポリマー、もしくは、懸濁液中のポリマーである、静電コーティング方法。
【請求項12】
請求項10に記載の静電コーティング方法において、
前記乾燥粉末剤は、モノマー粉末、もしくは、ポリマー粉末である、静電コーティング方法。
【請求項13】
請求項5に記載の静電コーティング方法において、
前記コーティング剤は、生物分解性ポリマーである、静電コーティング方法。
【請求項14】
請求項5に記載の静電コーティング方法において、
前記コーティング剤は、生物活性のある材料を含む、静電コーティング方法。
【請求項15】
非導電性医療機器において、
請求項1に記載の改良された方法によってコーティングされた、非導電性医療機器。
【請求項16】
非導電性医療機器において、
請求項5に記載の改良された方法によってコーティングされた、非導電性医療機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2009−511120(P2009−511120A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534626(P2008−534626)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/038649
【国際公開番号】WO2007/044339
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(591286579)エシコン・インコーポレイテッド (170)
【氏名又は名称原語表記】ETHICON, INCORPORATED
【Fターム(参考)】