医療用ガラス容器の製造方法
【課題】アルカリ成分等の溶出が少ない医療用ガラス容器を簡易に製造できる手段を提供する。
【解決手段】底部73と口部71とを有する容器形状にガラス管65を加工してアンプル70とする第1工程と、アンプル70の内部空間72へポイントバーナー30の炎23を噴出させて炎23を内周面75に当てる第2工程と、を含むので、アンプル70の内周面75に付着又は残留したアルカリ成分が吹き飛ばされて除去される。これにより、アルカリ成分等の溶出が少ないアンプル70が簡易且つ低コストで製造される。
【解決手段】底部73と口部71とを有する容器形状にガラス管65を加工してアンプル70とする第1工程と、アンプル70の内部空間72へポイントバーナー30の炎23を噴出させて炎23を内周面75に当てる第2工程と、を含むので、アンプル70の内周面75に付着又は残留したアルカリ成分が吹き飛ばされて除去される。これにより、アルカリ成分等の溶出が少ないアンプル70が簡易且つ低コストで製造される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス壁内面からのアルカリ成分等の溶出が少ない医療用ガラス容器の製造方法に関する。
【0002】
また、本発明は、医療用ガラス容器の内面処理に適したバーナーに関する。
【背景技術】
【0003】
医薬品などの保存に用いられるガラス製の容器として、例えばアンプルやバイアルが知られている。アンプルなどは、例えば、ガラス管から成形加工される。ガラスの主原料にはアルカリ成分を含むものが多く、アルカリホウ酸などのアルカリ成分が、アンプルなどの内壁に付着又は凝集することが知られている。医薬品の保存容器として、つまり医療用としてアンプルなどを用いる場合に、このようなアルカリ成分が、アンプルなどに保存されている医薬品中に溶出されると、医薬品が変質するおそれがある。この問題に対して、バイアルの内面に、硫酸アンモニウムによるサルファー処理が施されたり、シリカ膜が被着されたりする(特許文献1参照)
【0004】
また、ガラス管からバイアルを加熱成形するときに、瓶底を加熱成形しながら瓶口から加圧空気又は加圧不活性ガスを注入することによって、瓶底を加熱成形するときにガラスから揮発されたアルカリホウ酸成分をバイアル内から排出させる方法が知られている(特許文献2参照)。
【0005】
また、ホウケイ酸ガラス管よりバイアルを成形する工程において、底部を成形した後に、ガス炎によってバイアル内側面における加工劣化域を除去することが知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平6−76233号公報
【特許文献2】特開昭63−170233号公報
【特許文献3】国際公開第2006/123621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アンプルなどの内面に、硫酸アンモニウムによるサルファー処理が施されたり、シリカ膜が被着されたりすることによって、アンプルなどからのアルカリ成分の溶出が抑制されるが、アンプルなどの製造工程において、新たな原料が必要とされ、更に工数も増えることから、コストアップが避けられないという問題がある。
【0008】
これに対して、瓶底を加熱成形しながら瓶口から加圧空気又は加圧不活性ガスを注入する手法でも、新たな原料を必要とせず、工数の増加も比較的少なく済むという利点がある。しかしながら、加熱成形において揮発されたアルカリ成分を除去するのみでは、揮発せずにガラス表面に付着しているアルカリ成分等が残留し、加熱成形後に医薬品中に溶出するおそれがある。また、特許文献2に記載されているように、瓶底の外側から炎を当てて加熱する手法では、バイアルの内面の表面温度が高温とならないので、アルカリ成分か揮発せずに内面に残留するおそれがある。
【0009】
特許文献3に記載されているように、ガス炎によってバイアル内側面における加工劣化域を除去する手法では、新たな原料を必要とせず、工数の増加も比較的少なく済むという利点がある。しかしながら、バイアルが成形される過程において、底部を成形してから加工劣化域を除去し、その後に口部を成形する工法では、既存のバイアル製造設備が利用できず、新たな製造設備を必要とする。また、口部が成形されるときに生じた加工劣化域が除去されない。また、バイアルに比べて容量の小さなアンプルでは、ガス炎が立ち消えするという問題もある。
【0010】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アルカリ成分等の溶出が少ない医療用ガラス容器を簡易に製造できる手段を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、細長な口部を有するアンプルの加工劣化域を除去するに好適な手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1) 本発明に係る医療用ガラス容器の製造方法は、底部と口部とを有する容器形状にガラス管を加工してガラス容器とする第1工程と、上記ガラス容器の内部空間へバーナーの炎を噴出させて当該炎を内面に当てる第2工程と、を含む。
【0013】
医療用ガラス容器とは、例えば、液体の医薬品が貯留されて保持され、使用に際して開口部から医薬品を取り出すことが可能なガラス容器であり、一般にバイアルと称されるものやアンプルと称されるものが挙げられる。
【0014】
第1工程において、原料素材であるガラス管が加工されて、底部と口部とを有する容器形状のガラス容器とされる。この加工において、ガラス管が加熱されて底部と口部に変形される。ガラス管が加熱されると、ガラスのアルカリ成分などが揮発されてガラス容器の内部空間に滞留し、ガラス容器が冷却される過程において揮発したアルカリ成分などがガラス容器の内面に付着する。このようなアルカリ成分が付着する領域は、例えば、ガラス管の軸線を水平方向へ向けて加工が施されるか、鉛直方向へ向けて加工が施されるかによって異なる。また、ガラスから揮発しなくとも、ガラス容器の内面付近にアルカリ成分が残留することが想定される。
【0015】
第2工程において、ガラス容器の内面にバーナーの炎が直接当てられることによって、ガラス容器の内面に付着又は残留したアルカリ成分の大半が揮発する程度に内面が加熱される。揮発されたアルカリ成分は、炎による熱流と共にガラス容器の外部へ排出される。
【0016】
(2) 上記第2工程において、上記ガラス容器の内部空間へバーナーの炎を噴出させて当該炎を内面に当てると共に、当該内面へ気流を当ててもよい。
【0017】
ガラス容器の内面に気流が当てられることによって、揮発したアルカリ成分が吹き飛ばされてガラス容器の外部へ排出される。さらに、気流によってガラス容器の内面が平滑に均される。
【0018】
(3) 上記第2工程において、ガラス容器を軸線周りに回転しながら、その内面に炎及び気流を当てられてもよい。
【0019】
これにより、ガラス容器の内面に炎及び気流を均等に当てることができる。また、ガラス容器の内面の一部が継続して炎で加熱されないので、ガラス容器の変形が防止される。
【0020】
(4) 上記第2工程において、上記ガラス容器の内面に当てられる気流が、バーナーから燃料と共に噴出されてもよい。
【0021】
例えば、バーナーに供給されるガスなどの燃料に、空気や酸素などが混合されて所定の流速でバーナーに供給されることによって、バーナーから炎と共に気流が噴出される。
【0022】
(5) 上記第2工程において、上記ガラス容器の内面に当てられる気流が、バーナーによって形成された炎の周りにおいて噴出されてもよい。
【0023】
例えば、二重管構造のバーナーが用いられて、内管から燃料が噴出されて炎が形成され、外管と内管との間から空気などが噴出されて気流が形成される。バーナーの先端がガラス容器内へ挿入されるときや、ガラス容器内においてバーナーの炎が消えるおそれがあるが、気流によってバーナーに酸素が供給されると共に、ガラス容器内における燃焼後の気体が外部へ排出されることによって、バーナーの炎が消えることが防止される。
【0024】
(6) 上記ガラス容器として、細長な口部を有するアンプル形状のものが挙げられる。
【0025】
(7) 上記第2工程において、上記ガラス容器の内面に当てられる気流が酸素を含んでもよい。
【0026】
例えば、アンプルの口部は細長であり、通常、アンプルは小容量なので、内部空間の容積が小さい。また、バイアルであっても、細口で小容量のものが想定される。したがって、バーナーの先端をアンプル内へ挿入するときや、アンプル内において炎が消えるおそれがあるが、気流として酸素が供給されることによって、炎が消えることが防止される。
【0027】
(8) 本発明は、前述された医療用ガラス容器の製造方法によって製造された医療用ガラス容器として捉えられてもよい。
【0028】
(9) 本発明に係る医療用ガラス容器の内面処理用バーナーは、燃料が流通される第1流路を有する内管と、上記内管が挿入され、当該内管との間に気体が流通される第2流路を有する外管と、有するノズルを具備する。
【0029】
このような医療用ガラス容器の内面処理用バーナーによって、内管の第1流路から噴出された燃料が燃焼されて炎が形成され、外管と内管との間の第2流路から空気などが噴出されて気流が形成される。
【0030】
(10) 上記内管の先端部分が、当該内管の軸線方向に対して屈曲されていてもよい。
【0031】
これにより、口部が細長なアンプルなどに、アンプルの軸線方向とノズルの軸線方向を一致又は平行にしてノズルが挿入された状態で、アンプルの軸線方向に対してノズルを傾けることなく、第1流路から噴出される燃料によって形成される炎をアンプルの内周面に当てることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、加熱成形されたガラス容器の内面にバーナーの炎が直接当てられることによって、ガラス容器の内面に付着又は残留したアルカリ成分が吹き飛ばされて除去される。これにより、アルカリ成分等の溶出が少ない医療用ガラス容器が簡易且つ低コストで製造される。
【0033】
また、加熱された内面に気流が当てられることによって、炎によって揮発されたアルカリ成分が積極的に吹き飛ばされ、また、ガラス容器の内面が平滑に均される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態にかかるポイントバーナー30の構成を示す一部断面図である。
【図2】図2は、図1におけるII-II切断線の断面構成を示す断面図である。
【図3】図3は、第1工程を説明するための図である。
【図4】図4は、第1工程を説明するための図である。
【図5】図5は、第1工程を説明するための図である。
【図6】図6は、第1工程を説明するための図である。
【図7】図7は、ポイントバーナー30が用いられた第2工程を説明するための図である。
【図8】図8は、本発明の第2実施形態にかかるポイントバーナー10の外観構成を示す正面図である。
【図9】図9は、第1工程において、バイアル50の口部51が形成される過程を示す図である。
【図10】図10は、第1工程において、バイアル50の底部53が形成される過程を示す図である。
【図11】図11は、ポイントバーナー10が用いられた第2工程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。
【0036】
[第1実施形態]
以下、適宜図面が参照されながら本発明の第1実施形態が説明される。
【0037】
[ポイントバーナー30]
図1及び図2に示されるポイントバーナー30が、本発明に係る医療用ガラス容器の製造方法において用いられる。このポイントバーナー30は、本発明の第2工程において、アンプル70の内面を処理するために用いられる。
【0038】
ポイントバーナー30は、主として、バーナー本体31とノズル32とに大別される。バーナー本体31は、混合ガスが流通される第1流路33及び酸素が流通される第2流路34を有する。なお、混合ガスは、ガスと酸素との混合物である。第1流路33は、バーナー本体31の主な部分である第1円管35によって形成されている。第1円管35の先端(ノズル32側)において、第1流路33に対して径方向へ延びる第2流路34が連結されており、この第2流路34は、第1円管35の先端付近から径方向へ延びる第2円管36によって形成されている。なお、各図には示されていないが、第2円管36には空気を供給するためのチューブ等が連結される。
【0039】
ノズル32は、内管37と外管38との二重管構造である。内管37は、その先端が若干屈曲された円管であり、その内部空間がバーナー本体31の第1流路33と連続する第3流路39を形成している。ノズル32がバーナー本体31の先端に連結されることによって、第1流路33と第3流路39とが混合ガスを流通可能に連結されている。なお、第3流路39は、第2流路34とは連結されていない。この第2流路34から噴出される混合ガスが燃焼されることによって炎23が形成される(図7参照)。図2に示されるように、内管37の外周面には、軸線方向へ延びる複数の溝40が円周方向に所定の間隔で並ぶように形成されている。この第3流路39が、本発明における第1流路に想相当し、溝40が、本発明における第2流路に相当する。
【0040】
外管38は、その内径が内管37の外径と同程度の円管であり、その軸線方向の長さが内管37の軸線方向の長さより若干短い。外管38の内部空間に内管37が挿入されることによって、外管38の内面と内管37の外面とが密接した状態で二重管構造が形成されている。そして、外管38と内管37との間には、溝40が軸線方向へ延びる空間を形成している。この溝40は、内管37の両端に渡って形成されているので、溝40は、外管38の両端を連通する流路となる。ノズル32がバーナー本体31の先端に連結されることによって、第2流路34と各溝40とが空気を流通可能に連結されている。この溝40から噴出される空気によって気流24が形成される(図7参照)。
【0041】
前述されたように、外管38の軸線方向の長さは内管37の軸線方向の長さより短く、内管37及び外管38は、バーナー本体31の先端側において、各端がほぼ揃えられるようにして連結されているので、ノズル32の先端側において、内管37の一部が外管38から突出されている。この突出された内管37の一部分において、内管37が軸線方向(図1における左右方向)に対して屈曲されている。この屈曲角度は、アンプル70の口部71の内径R2や、アンプル70の内部空間の内径に対応して設定される。
【0042】
前述されたような二重管構造のノズル32は、全体としてストロー形状の細長な部材であり、その軸線方向においてバーナー本体31から突出する長さL1は(図1参照)、処理対象であるアンプル70の口部71の長さL2より十分に長い(図7参照)。また、ノズル32の外径R1は(図1参照)、口部71の内径R2より小さい(図7参照)。
【0043】
[アンプル70]
アンプル70は、ガラス管が加工されることによって、口部71及び底部73が形成されたものである。アンプル70の内部空間72の内径は、後述されるバイアル50の内径R5より小さい(図11参照)。したがって、アンプル70は、バイアル50の成形において用いられるガラス管60より小径のガラス管65から成形される。また、アンプル70は、その口部71の小径部分74が破壊されることによって開封されるものであり、口部71において小径部分74より先端側が細長な形状をなしている。このアンプル70が、本発明におけるガラス容器の一例である。
【0044】
[アンプル70の製造方法]
以下、アンプル70の製造方法が説明される。この製造方法は、主として次の2つの工程に大別される。
(1)ガラス管を加工して口部71と底部73とを有するアンプル70とする第1工程。
(2)アンプル70の内部空間72へポイントバーナー30の炎23を噴出させて炎23を内周面75に当てると共に、内周面75へ気流24を当てる第2工程。
【0045】
[第1工程]
図3に示されるように、ガラス管65を、その軸線方向が水平方向(図3における左右方向)となるように固定して、所定の箇所にバーナー61の炎を当ててガラス管65を加熱する。そして、加熱された箇所に成形治具66を当てて口部71や底部73などの境界となるネック67を形成する。具体的には、成形治具66によって、ガラス管65の外径を狭めるようにガラス管65の所定の箇所を絞り込む。
【0046】
図4に示されるように、ガラス管65において一対のネック67に挟まられた箇所であって、口部71となる箇所に、バーナー63の炎が当てられて予備加熱される。そして、図5(A)に示されるように、ガラス管65が軸線方向(図5における左右方向)へ引っ張られることによって、予備加熱された箇所が引き延ばされる。この引き延ばされた箇所が口部71となる。つづいて、図5(B)に示されるように、引き延ばされた箇所の軸線方向における中央が、バーナー61の炎によって焼き切られる。そして、図6に示されるように、口部71の先端がカットされて開口され、また、引き延ばされていない箇所の軸線方向における中央が、バーナー61の炎によって焼き切られる。これにより、口部71及び底部73を有するアンプル70が形成される。なお、図には現れてないが、底部73は、治具などが当てられて適宜成形される。
【0047】
[第2工程]
続いて、得られたアンプル70に対してポイントバーナー30を用いた第2工程が行われる。なお、図7においては、気流24の流れが1点鎖線で示されている。
【0048】
図7に示されるように、アンプル70の内周面75における加工劣化域を除去するために、ポイントバーナー30のノズル32がアンプル70の口部71から内部空間72へ挿入される。具体的には、アンプル70は、口部71と底部73とを水平方向(図7における左右方向)へ対向させた姿勢で、つまり、いわゆる横向きで支持具21に固定される。この支持具21は、横向きのアンプル70を水平方向を軸線として支持している。支持具21に支持されて水平方向へ開口した口部71へ、ノズル32の軸線方向をほぼ水平方向としてノズル32が挿入される。
【0049】
ノズル32の内管37から噴出される混合ガスが燃焼されて炎23が形成されている。また、各溝40から噴出される空気によって気流24が形成されている。この気流24は、炎23の周囲を囲むようにして、炎23とほぼ同じ方向へ噴出される。ノズル32がアンプル70の口部71に挿入されるときや、比較的狭いアンプル70の内部空間72において、溝40から噴出される気流24が炎23の周囲へ供給されることによって、炎23の立ち消えが防止される。
【0050】
ノズル32から噴出される炎23は、アンプル70の内周面75に当たる。前述されたように、ノズル32を構成する内管37の先端側が若干屈曲されているので、アンプル70の口部71に、その軸線方向に沿ってノズル32が延びるように挿入されても、アンプル70の内部空間72において、その軸線方向と交差する方向へ炎23が噴出される。これにより、ノズル32から噴出される炎23は、底部73と内周面75の隅へ向かって内周面75に当たる。また、ノズル32から噴出される気流24も、炎23が当たっている内周面75に当たる。この気流24は、アンプル70の内部空間72を口部71側へ流れ、口部71からアンプル70の外部へ流れ出る。
【0051】
前述されたように、アンプル70の内周面75に炎23及び気流24が当てられた状態で、支持具21に支持されたアンプル70が回転され、炎23及び気流24が内周面75の周方向に対して均等に噴出される。炎23によって、加工劣化域に付着ないし残留したアルカリ成分等が加熱されて揮発され、気流24によって、揮発されたアルカリ成分等がアンプル70の内部空間72から排出されると共に、加熱されたアンプル70の内周面75が平滑に均される。これにより、アンプル70の内周面75からのアルカリ成分の溶出が抑制される。
【0052】
なお、各図には示されていないが、アンプル70の内周面75の別の部分において第2工程が施される場合には、アンプル70に対してポイントバーナー30が相対的に水平方向へ移動されて、所望の内周面75に炎23及び気流24が当てられる。
【0053】
[本実施形態の作用効果]
前述された製造方法によれば、アンプル70の内周面75にポイントバーナー30の炎23が直接当てられることによって、アンプル70の内周面75に付着又は残留したアルカリ成分等が吹き飛ばされて除去される。これにより、アルカリ成分等の溶出が少ないアンプル70が簡易且つ低コストで製造される。
【0054】
また、加熱された内周面75に気流24が当てられることによって、炎23によって揮発されたアルカリ成分等が積極的に吹き飛ばされ、また、アンプル70の内周面75が平滑に均される。
【0055】
また、第2工程において、アンプル70が軸線周りに回転されながら、その内周面75に炎23及び気流24が当てられるので、アンプル70の内周面75に炎23及び気流24が均等に当てられる。また、アンプル70の内周面75の一部が継続して炎23で加熱されないので、第2工程においてアンプル70の変形が防止される。
【0056】
また、第2工程において、アンプル70の内周面75に当てられる気流24が酸素を含むことによって、アンプル70の細長な口部71にポイントバーナー30のノズル32が挿入されるときや、容積が比較的小さい内部空間72において、気流24によってポイントバーナー30の炎23に酸素が供給されると共に、アンプル70内における燃焼後の気体が外部へ排出されることによって、炎23の立ち消えが防止される。
【0057】
また、内管37の先端部分が内管37の軸線方向に対して屈曲されているので、口部71が細長なアンプル70に、アンプル70の軸線方向とノズル32の軸線方向とを平行にしてノズル32が挿入された状態で、アンプル70の軸線方向に対してノズル32を傾けることなく、炎23をアンプル70の内周面75に当てることができる。
【0058】
なお、本実施形態では、溝40によって本発明における第2流路が構成されているが、本発明における第2流路の形状は溝40に限定されず、例えば、内管37の全周において外管38との間に形成された隙間によって、第2流路が構成されてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、内管37の先端が外管38から突出されているが、外管38が内管37の先端まで覆うように構成されて、外管38と共に内管37の先端が軸先方向に対して屈曲されていてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、第1工程において、ガラス管65が、ガラス管65の軸線方向を水平方向として口部71及び底部73が形成されて、アンプル70が作成されるが(所謂、ヨコ式自動成形機によるが)、ガラス管65が、ガラス管65の軸線方向を垂直方向として口部71及び底部73が形成されても(所謂、タテ式自動成形機によっても)よい。
【0061】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態が説明される。第2実施形態では、前述されたアンプル70に代えて、バイアル50が本発明におけるガラス容器として用いられる。また、バイアル50に対する第2工程に好適なように、前述されたポイントバーナー30に代えてポイントバーナー10が用いられる。
【0062】
[ポイントバーナー10]
図8に示されるポイントバーナー10が、本発明に係る医療用ガラス容器の製造方法において用いられる。このポイントバーナー10は、本発明の第2工程において、バイアル50の内面を処理するために用いられる。
【0063】
ポイントバーナー10は、主として、バーナー本体11とノズル12とに大別される。バーナー本体11は、混合ガスが流通される第4流路13を有する管形状のものである。混合ガスは、ガスと酸素との混合物であり、公知の手法によって生成された混合ガスがバーナー本体11の第4流路13に所定の流速で流通される。
【0064】
ノズル12は、バーナー本体11の先端側に設けられている。ノズル12は、ノズル部14と連結部15とに大別される。連結部15は、その内面に雌ネジが形成された円錐形状の部材である。図8には詳細に示されていないが、連結部15に形成された雌ネジが、バーナー本体11の先端に形成された雄ネジに螺合されて、バーナー本体11の先端にノズル12が連結される。これにより、ノズル12は、バーナー本体11に対して取り替え可能に構成されている。
【0065】
連結部15の頂点側にはノズル部14が設けられている。ノズル部14は、ストロー形状の細長な部材であり、連結部15の頂点側から、バーナー本体11の軸線方向へ延出するように設けられている。ノズル部14は、セラミック製である。このノズル部14の外径R3及び軸線方向の長さL3は、処理対象であるバイアル50の口部51の内径R4や、バイヤル50の深さL4などを考慮して設定される。ノズル部14の外径R3は、少なくとも、バイアル50の口部51から内部空間52へ、その先端側が挿入可能に設定される。具体的には、ノズル部14の外径R3は、口部51の内径R4より十分に小さい。また、ノズル部14の軸線方向の長さL3は、ノズル部14の先端から吹き出される炎20が、バイアル50の底部53付近へ到達可能な長さに設定される。具体的には、ノズル部14の長さL3は、バイアル50の深さL4より長い。
【0066】
ノズル部14の内部空間である第5流路16は、連結部15の内部空間を介してバーナー本体11の第4流路13と連続されている。これにより、第4流路13に所定の流速で流通される混合ガスが第5流路16を通じてノズル部14の先端から噴出される。この混合ガスが燃焼することによって炎20が形成される。また、ノズル部14の先端から噴出された混合ガスによって、気流22が形成される。
【0067】
[バイアル50]
バイアル50は、ガラス管60が加工されることによって、口部51及び底部53が形成されたものである。バイアル50の内部空間52の内径R5は、口部51の内径R4より大きい。つまり、バイアル50は、いわゆる細口のガラス容器である。このバイアル50が、本発明におけるガラス容器の一例である。
【0068】
[バイアル50の製造方法]
以下、バイアル50の製造方法が説明される。この製造方法は、主として次の2つの工程に大別される。
(1)ガラス管60を加工して口部51と底部53とを有するバイアル50とする第1工程。
(2)バイアル50の内部空間52へポイントバーナー10の炎20を噴出させて炎20を内周面54に当てると共に、内周面54へ気流22を当てる第2工程。
【0069】
[第1工程]
図9(A)に示されるように、ガラス管60を、その軸線方向が水平方向(図9における左右方向)となるように固定して、その一端側にバーナー61の炎を当ててガラス管60を予備加熱する。そして、図9(B)に示されるように、予備加熱された一端側に成形治具62を当てて口部51を形成する。具体的には、成形治具62によって、ガラス管60の外径を狭めるようにガラス管60の一端を絞り込む。
【0070】
図10(A)に示されるように、バーナー61に対してガラス管60が水平方向(図10における左右方向)へ相対移動されて、ガラス管60に対してバーナー61の炎が当てられる。このバーナー61の炎によって、口部51が形成されたガラス管60の一端側が焼き切られると共に、焼き切られた箇所に底部53が形成される。これにより、図10(B)に示されるように、口部51及び底部53を有する1個のバイヤル50が形成される。なお、この第1工程は、ガラス管60を、その軸線方向が鉛直方向となるように固定して、その下端側に口部51及び底部53を形成してもよい。
【0071】
[第2工程]
続いて、得られたバイアル50に対してポイントバーナー10を用いた第2工程が行われる。なお、図11においては、気流22の流れが1点鎖線で示されている。
【0072】
図11に示されるように、バイアル50の底部53付近の内面に加工劣化域が存在する場合には、ポイントバーナー10のノズル部14の先端側がバイアル50の口部51から内部空間52へ挿入されて、ノズル部14の先端から噴出される炎20が底部53付近の加工劣化域に当たるように、バイヤル50に対してポイントバーナー10の位置が固定される。なお、ポイントバーナー10は、バイアル50に対して接離可能である。
【0073】
具体的には、図11に示されるように、バイアル50は、口部51と底部53とを水平方向(図11における左右方向)へ対向させた姿勢で、つまり、いわゆる横向きで支持具21に固定される。この支持具21は、横向きのバイアル50を水平方向を軸線として支持している。支持具21に支持されて水平方向へ開口した口部51へ、バイヤル50の下方からポイントバーナー10のノズル部14が挿入されている。このノズル部14の軸線は、バイアル50の底部53付近の内周面54の上側へ向いている。つまり、ノズル部14から噴出される炎20は、バイアル50の底部53付近の内周面54の上側に当たる。
【0074】
ノズル部14からは炎20と共に気流22が噴出される。この気流22は、バイアル50の底部53付近の内周面54の上側に当たって内部空間52を口部51側へ流れ、口部51からバイアル50の外部へ流れ出る。
【0075】
前述されたように、バイアル50の内周面54に炎20及び気流22が当てられた状態で、支持具21に支持されているバイアル50が回転され、炎20及び気流22が底部52付近の内周面54に均等に噴出される。炎20によって、加工劣化域に付着ないし残留したアルカリ成分等が加熱されて揮発され、気流22によって、揮発されたアルカリ成分等がバイアル50の内部空間52から排出されると共に、加熱されたバイアル50の内周面54が平滑に均される。これにより、バイアル50の内周面54からのアルカリ成分の溶出が抑制される。
【0076】
なお、バイアル50の内周面54の別の部分において第2工程が施される場合には、バイヤル50の下方から口部51へ挿入されるポイントバーナー10のノズル部14の角度が変更される。
【0077】
[本実施形態の作用効果]
前述された製造方法によっても、第1実施形態と同様の作用効果が発揮され、アルカリ成分等の溶出が少ないバイアル50が簡易且つ低コストで製造される。
【0078】
なお、本実施形態では、第1工程において、ガラス管60が、ガラス管60の軸線方向を水平方向として口部51及び底部53が形成されて、バイアル50が作成される(所謂、ヨコ式自動成形機による)が、ガラス管60が、ガラス管60の軸線方向を垂直方向として口部51及び底部53が形成されても(所謂、タテ式自動成形機によっても)よい。
【符号の説明】
【0079】
10,30・・・ポイントバーナー
20,23・・・炎
21,24・・・気流
37・・・内管
38・・・外管
39・・・第3流路(第1流路)
40・・・溝(第2流路)
50・・・バイアル(ガラス容器)
51,71・・・口部
53,73・・・底部
54,75・・・内面
60・・・ガラス管
70・・・アンプル(ガラス容器)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス壁内面からのアルカリ成分等の溶出が少ない医療用ガラス容器の製造方法に関する。
【0002】
また、本発明は、医療用ガラス容器の内面処理に適したバーナーに関する。
【背景技術】
【0003】
医薬品などの保存に用いられるガラス製の容器として、例えばアンプルやバイアルが知られている。アンプルなどは、例えば、ガラス管から成形加工される。ガラスの主原料にはアルカリ成分を含むものが多く、アルカリホウ酸などのアルカリ成分が、アンプルなどの内壁に付着又は凝集することが知られている。医薬品の保存容器として、つまり医療用としてアンプルなどを用いる場合に、このようなアルカリ成分が、アンプルなどに保存されている医薬品中に溶出されると、医薬品が変質するおそれがある。この問題に対して、バイアルの内面に、硫酸アンモニウムによるサルファー処理が施されたり、シリカ膜が被着されたりする(特許文献1参照)
【0004】
また、ガラス管からバイアルを加熱成形するときに、瓶底を加熱成形しながら瓶口から加圧空気又は加圧不活性ガスを注入することによって、瓶底を加熱成形するときにガラスから揮発されたアルカリホウ酸成分をバイアル内から排出させる方法が知られている(特許文献2参照)。
【0005】
また、ホウケイ酸ガラス管よりバイアルを成形する工程において、底部を成形した後に、ガス炎によってバイアル内側面における加工劣化域を除去することが知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平6−76233号公報
【特許文献2】特開昭63−170233号公報
【特許文献3】国際公開第2006/123621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アンプルなどの内面に、硫酸アンモニウムによるサルファー処理が施されたり、シリカ膜が被着されたりすることによって、アンプルなどからのアルカリ成分の溶出が抑制されるが、アンプルなどの製造工程において、新たな原料が必要とされ、更に工数も増えることから、コストアップが避けられないという問題がある。
【0008】
これに対して、瓶底を加熱成形しながら瓶口から加圧空気又は加圧不活性ガスを注入する手法でも、新たな原料を必要とせず、工数の増加も比較的少なく済むという利点がある。しかしながら、加熱成形において揮発されたアルカリ成分を除去するのみでは、揮発せずにガラス表面に付着しているアルカリ成分等が残留し、加熱成形後に医薬品中に溶出するおそれがある。また、特許文献2に記載されているように、瓶底の外側から炎を当てて加熱する手法では、バイアルの内面の表面温度が高温とならないので、アルカリ成分か揮発せずに内面に残留するおそれがある。
【0009】
特許文献3に記載されているように、ガス炎によってバイアル内側面における加工劣化域を除去する手法では、新たな原料を必要とせず、工数の増加も比較的少なく済むという利点がある。しかしながら、バイアルが成形される過程において、底部を成形してから加工劣化域を除去し、その後に口部を成形する工法では、既存のバイアル製造設備が利用できず、新たな製造設備を必要とする。また、口部が成形されるときに生じた加工劣化域が除去されない。また、バイアルに比べて容量の小さなアンプルでは、ガス炎が立ち消えするという問題もある。
【0010】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アルカリ成分等の溶出が少ない医療用ガラス容器を簡易に製造できる手段を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、細長な口部を有するアンプルの加工劣化域を除去するに好適な手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1) 本発明に係る医療用ガラス容器の製造方法は、底部と口部とを有する容器形状にガラス管を加工してガラス容器とする第1工程と、上記ガラス容器の内部空間へバーナーの炎を噴出させて当該炎を内面に当てる第2工程と、を含む。
【0013】
医療用ガラス容器とは、例えば、液体の医薬品が貯留されて保持され、使用に際して開口部から医薬品を取り出すことが可能なガラス容器であり、一般にバイアルと称されるものやアンプルと称されるものが挙げられる。
【0014】
第1工程において、原料素材であるガラス管が加工されて、底部と口部とを有する容器形状のガラス容器とされる。この加工において、ガラス管が加熱されて底部と口部に変形される。ガラス管が加熱されると、ガラスのアルカリ成分などが揮発されてガラス容器の内部空間に滞留し、ガラス容器が冷却される過程において揮発したアルカリ成分などがガラス容器の内面に付着する。このようなアルカリ成分が付着する領域は、例えば、ガラス管の軸線を水平方向へ向けて加工が施されるか、鉛直方向へ向けて加工が施されるかによって異なる。また、ガラスから揮発しなくとも、ガラス容器の内面付近にアルカリ成分が残留することが想定される。
【0015】
第2工程において、ガラス容器の内面にバーナーの炎が直接当てられることによって、ガラス容器の内面に付着又は残留したアルカリ成分の大半が揮発する程度に内面が加熱される。揮発されたアルカリ成分は、炎による熱流と共にガラス容器の外部へ排出される。
【0016】
(2) 上記第2工程において、上記ガラス容器の内部空間へバーナーの炎を噴出させて当該炎を内面に当てると共に、当該内面へ気流を当ててもよい。
【0017】
ガラス容器の内面に気流が当てられることによって、揮発したアルカリ成分が吹き飛ばされてガラス容器の外部へ排出される。さらに、気流によってガラス容器の内面が平滑に均される。
【0018】
(3) 上記第2工程において、ガラス容器を軸線周りに回転しながら、その内面に炎及び気流を当てられてもよい。
【0019】
これにより、ガラス容器の内面に炎及び気流を均等に当てることができる。また、ガラス容器の内面の一部が継続して炎で加熱されないので、ガラス容器の変形が防止される。
【0020】
(4) 上記第2工程において、上記ガラス容器の内面に当てられる気流が、バーナーから燃料と共に噴出されてもよい。
【0021】
例えば、バーナーに供給されるガスなどの燃料に、空気や酸素などが混合されて所定の流速でバーナーに供給されることによって、バーナーから炎と共に気流が噴出される。
【0022】
(5) 上記第2工程において、上記ガラス容器の内面に当てられる気流が、バーナーによって形成された炎の周りにおいて噴出されてもよい。
【0023】
例えば、二重管構造のバーナーが用いられて、内管から燃料が噴出されて炎が形成され、外管と内管との間から空気などが噴出されて気流が形成される。バーナーの先端がガラス容器内へ挿入されるときや、ガラス容器内においてバーナーの炎が消えるおそれがあるが、気流によってバーナーに酸素が供給されると共に、ガラス容器内における燃焼後の気体が外部へ排出されることによって、バーナーの炎が消えることが防止される。
【0024】
(6) 上記ガラス容器として、細長な口部を有するアンプル形状のものが挙げられる。
【0025】
(7) 上記第2工程において、上記ガラス容器の内面に当てられる気流が酸素を含んでもよい。
【0026】
例えば、アンプルの口部は細長であり、通常、アンプルは小容量なので、内部空間の容積が小さい。また、バイアルであっても、細口で小容量のものが想定される。したがって、バーナーの先端をアンプル内へ挿入するときや、アンプル内において炎が消えるおそれがあるが、気流として酸素が供給されることによって、炎が消えることが防止される。
【0027】
(8) 本発明は、前述された医療用ガラス容器の製造方法によって製造された医療用ガラス容器として捉えられてもよい。
【0028】
(9) 本発明に係る医療用ガラス容器の内面処理用バーナーは、燃料が流通される第1流路を有する内管と、上記内管が挿入され、当該内管との間に気体が流通される第2流路を有する外管と、有するノズルを具備する。
【0029】
このような医療用ガラス容器の内面処理用バーナーによって、内管の第1流路から噴出された燃料が燃焼されて炎が形成され、外管と内管との間の第2流路から空気などが噴出されて気流が形成される。
【0030】
(10) 上記内管の先端部分が、当該内管の軸線方向に対して屈曲されていてもよい。
【0031】
これにより、口部が細長なアンプルなどに、アンプルの軸線方向とノズルの軸線方向を一致又は平行にしてノズルが挿入された状態で、アンプルの軸線方向に対してノズルを傾けることなく、第1流路から噴出される燃料によって形成される炎をアンプルの内周面に当てることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、加熱成形されたガラス容器の内面にバーナーの炎が直接当てられることによって、ガラス容器の内面に付着又は残留したアルカリ成分が吹き飛ばされて除去される。これにより、アルカリ成分等の溶出が少ない医療用ガラス容器が簡易且つ低コストで製造される。
【0033】
また、加熱された内面に気流が当てられることによって、炎によって揮発されたアルカリ成分が積極的に吹き飛ばされ、また、ガラス容器の内面が平滑に均される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態にかかるポイントバーナー30の構成を示す一部断面図である。
【図2】図2は、図1におけるII-II切断線の断面構成を示す断面図である。
【図3】図3は、第1工程を説明するための図である。
【図4】図4は、第1工程を説明するための図である。
【図5】図5は、第1工程を説明するための図である。
【図6】図6は、第1工程を説明するための図である。
【図7】図7は、ポイントバーナー30が用いられた第2工程を説明するための図である。
【図8】図8は、本発明の第2実施形態にかかるポイントバーナー10の外観構成を示す正面図である。
【図9】図9は、第1工程において、バイアル50の口部51が形成される過程を示す図である。
【図10】図10は、第1工程において、バイアル50の底部53が形成される過程を示す図である。
【図11】図11は、ポイントバーナー10が用いられた第2工程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。
【0036】
[第1実施形態]
以下、適宜図面が参照されながら本発明の第1実施形態が説明される。
【0037】
[ポイントバーナー30]
図1及び図2に示されるポイントバーナー30が、本発明に係る医療用ガラス容器の製造方法において用いられる。このポイントバーナー30は、本発明の第2工程において、アンプル70の内面を処理するために用いられる。
【0038】
ポイントバーナー30は、主として、バーナー本体31とノズル32とに大別される。バーナー本体31は、混合ガスが流通される第1流路33及び酸素が流通される第2流路34を有する。なお、混合ガスは、ガスと酸素との混合物である。第1流路33は、バーナー本体31の主な部分である第1円管35によって形成されている。第1円管35の先端(ノズル32側)において、第1流路33に対して径方向へ延びる第2流路34が連結されており、この第2流路34は、第1円管35の先端付近から径方向へ延びる第2円管36によって形成されている。なお、各図には示されていないが、第2円管36には空気を供給するためのチューブ等が連結される。
【0039】
ノズル32は、内管37と外管38との二重管構造である。内管37は、その先端が若干屈曲された円管であり、その内部空間がバーナー本体31の第1流路33と連続する第3流路39を形成している。ノズル32がバーナー本体31の先端に連結されることによって、第1流路33と第3流路39とが混合ガスを流通可能に連結されている。なお、第3流路39は、第2流路34とは連結されていない。この第2流路34から噴出される混合ガスが燃焼されることによって炎23が形成される(図7参照)。図2に示されるように、内管37の外周面には、軸線方向へ延びる複数の溝40が円周方向に所定の間隔で並ぶように形成されている。この第3流路39が、本発明における第1流路に想相当し、溝40が、本発明における第2流路に相当する。
【0040】
外管38は、その内径が内管37の外径と同程度の円管であり、その軸線方向の長さが内管37の軸線方向の長さより若干短い。外管38の内部空間に内管37が挿入されることによって、外管38の内面と内管37の外面とが密接した状態で二重管構造が形成されている。そして、外管38と内管37との間には、溝40が軸線方向へ延びる空間を形成している。この溝40は、内管37の両端に渡って形成されているので、溝40は、外管38の両端を連通する流路となる。ノズル32がバーナー本体31の先端に連結されることによって、第2流路34と各溝40とが空気を流通可能に連結されている。この溝40から噴出される空気によって気流24が形成される(図7参照)。
【0041】
前述されたように、外管38の軸線方向の長さは内管37の軸線方向の長さより短く、内管37及び外管38は、バーナー本体31の先端側において、各端がほぼ揃えられるようにして連結されているので、ノズル32の先端側において、内管37の一部が外管38から突出されている。この突出された内管37の一部分において、内管37が軸線方向(図1における左右方向)に対して屈曲されている。この屈曲角度は、アンプル70の口部71の内径R2や、アンプル70の内部空間の内径に対応して設定される。
【0042】
前述されたような二重管構造のノズル32は、全体としてストロー形状の細長な部材であり、その軸線方向においてバーナー本体31から突出する長さL1は(図1参照)、処理対象であるアンプル70の口部71の長さL2より十分に長い(図7参照)。また、ノズル32の外径R1は(図1参照)、口部71の内径R2より小さい(図7参照)。
【0043】
[アンプル70]
アンプル70は、ガラス管が加工されることによって、口部71及び底部73が形成されたものである。アンプル70の内部空間72の内径は、後述されるバイアル50の内径R5より小さい(図11参照)。したがって、アンプル70は、バイアル50の成形において用いられるガラス管60より小径のガラス管65から成形される。また、アンプル70は、その口部71の小径部分74が破壊されることによって開封されるものであり、口部71において小径部分74より先端側が細長な形状をなしている。このアンプル70が、本発明におけるガラス容器の一例である。
【0044】
[アンプル70の製造方法]
以下、アンプル70の製造方法が説明される。この製造方法は、主として次の2つの工程に大別される。
(1)ガラス管を加工して口部71と底部73とを有するアンプル70とする第1工程。
(2)アンプル70の内部空間72へポイントバーナー30の炎23を噴出させて炎23を内周面75に当てると共に、内周面75へ気流24を当てる第2工程。
【0045】
[第1工程]
図3に示されるように、ガラス管65を、その軸線方向が水平方向(図3における左右方向)となるように固定して、所定の箇所にバーナー61の炎を当ててガラス管65を加熱する。そして、加熱された箇所に成形治具66を当てて口部71や底部73などの境界となるネック67を形成する。具体的には、成形治具66によって、ガラス管65の外径を狭めるようにガラス管65の所定の箇所を絞り込む。
【0046】
図4に示されるように、ガラス管65において一対のネック67に挟まられた箇所であって、口部71となる箇所に、バーナー63の炎が当てられて予備加熱される。そして、図5(A)に示されるように、ガラス管65が軸線方向(図5における左右方向)へ引っ張られることによって、予備加熱された箇所が引き延ばされる。この引き延ばされた箇所が口部71となる。つづいて、図5(B)に示されるように、引き延ばされた箇所の軸線方向における中央が、バーナー61の炎によって焼き切られる。そして、図6に示されるように、口部71の先端がカットされて開口され、また、引き延ばされていない箇所の軸線方向における中央が、バーナー61の炎によって焼き切られる。これにより、口部71及び底部73を有するアンプル70が形成される。なお、図には現れてないが、底部73は、治具などが当てられて適宜成形される。
【0047】
[第2工程]
続いて、得られたアンプル70に対してポイントバーナー30を用いた第2工程が行われる。なお、図7においては、気流24の流れが1点鎖線で示されている。
【0048】
図7に示されるように、アンプル70の内周面75における加工劣化域を除去するために、ポイントバーナー30のノズル32がアンプル70の口部71から内部空間72へ挿入される。具体的には、アンプル70は、口部71と底部73とを水平方向(図7における左右方向)へ対向させた姿勢で、つまり、いわゆる横向きで支持具21に固定される。この支持具21は、横向きのアンプル70を水平方向を軸線として支持している。支持具21に支持されて水平方向へ開口した口部71へ、ノズル32の軸線方向をほぼ水平方向としてノズル32が挿入される。
【0049】
ノズル32の内管37から噴出される混合ガスが燃焼されて炎23が形成されている。また、各溝40から噴出される空気によって気流24が形成されている。この気流24は、炎23の周囲を囲むようにして、炎23とほぼ同じ方向へ噴出される。ノズル32がアンプル70の口部71に挿入されるときや、比較的狭いアンプル70の内部空間72において、溝40から噴出される気流24が炎23の周囲へ供給されることによって、炎23の立ち消えが防止される。
【0050】
ノズル32から噴出される炎23は、アンプル70の内周面75に当たる。前述されたように、ノズル32を構成する内管37の先端側が若干屈曲されているので、アンプル70の口部71に、その軸線方向に沿ってノズル32が延びるように挿入されても、アンプル70の内部空間72において、その軸線方向と交差する方向へ炎23が噴出される。これにより、ノズル32から噴出される炎23は、底部73と内周面75の隅へ向かって内周面75に当たる。また、ノズル32から噴出される気流24も、炎23が当たっている内周面75に当たる。この気流24は、アンプル70の内部空間72を口部71側へ流れ、口部71からアンプル70の外部へ流れ出る。
【0051】
前述されたように、アンプル70の内周面75に炎23及び気流24が当てられた状態で、支持具21に支持されたアンプル70が回転され、炎23及び気流24が内周面75の周方向に対して均等に噴出される。炎23によって、加工劣化域に付着ないし残留したアルカリ成分等が加熱されて揮発され、気流24によって、揮発されたアルカリ成分等がアンプル70の内部空間72から排出されると共に、加熱されたアンプル70の内周面75が平滑に均される。これにより、アンプル70の内周面75からのアルカリ成分の溶出が抑制される。
【0052】
なお、各図には示されていないが、アンプル70の内周面75の別の部分において第2工程が施される場合には、アンプル70に対してポイントバーナー30が相対的に水平方向へ移動されて、所望の内周面75に炎23及び気流24が当てられる。
【0053】
[本実施形態の作用効果]
前述された製造方法によれば、アンプル70の内周面75にポイントバーナー30の炎23が直接当てられることによって、アンプル70の内周面75に付着又は残留したアルカリ成分等が吹き飛ばされて除去される。これにより、アルカリ成分等の溶出が少ないアンプル70が簡易且つ低コストで製造される。
【0054】
また、加熱された内周面75に気流24が当てられることによって、炎23によって揮発されたアルカリ成分等が積極的に吹き飛ばされ、また、アンプル70の内周面75が平滑に均される。
【0055】
また、第2工程において、アンプル70が軸線周りに回転されながら、その内周面75に炎23及び気流24が当てられるので、アンプル70の内周面75に炎23及び気流24が均等に当てられる。また、アンプル70の内周面75の一部が継続して炎23で加熱されないので、第2工程においてアンプル70の変形が防止される。
【0056】
また、第2工程において、アンプル70の内周面75に当てられる気流24が酸素を含むことによって、アンプル70の細長な口部71にポイントバーナー30のノズル32が挿入されるときや、容積が比較的小さい内部空間72において、気流24によってポイントバーナー30の炎23に酸素が供給されると共に、アンプル70内における燃焼後の気体が外部へ排出されることによって、炎23の立ち消えが防止される。
【0057】
また、内管37の先端部分が内管37の軸線方向に対して屈曲されているので、口部71が細長なアンプル70に、アンプル70の軸線方向とノズル32の軸線方向とを平行にしてノズル32が挿入された状態で、アンプル70の軸線方向に対してノズル32を傾けることなく、炎23をアンプル70の内周面75に当てることができる。
【0058】
なお、本実施形態では、溝40によって本発明における第2流路が構成されているが、本発明における第2流路の形状は溝40に限定されず、例えば、内管37の全周において外管38との間に形成された隙間によって、第2流路が構成されてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、内管37の先端が外管38から突出されているが、外管38が内管37の先端まで覆うように構成されて、外管38と共に内管37の先端が軸先方向に対して屈曲されていてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、第1工程において、ガラス管65が、ガラス管65の軸線方向を水平方向として口部71及び底部73が形成されて、アンプル70が作成されるが(所謂、ヨコ式自動成形機によるが)、ガラス管65が、ガラス管65の軸線方向を垂直方向として口部71及び底部73が形成されても(所謂、タテ式自動成形機によっても)よい。
【0061】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態が説明される。第2実施形態では、前述されたアンプル70に代えて、バイアル50が本発明におけるガラス容器として用いられる。また、バイアル50に対する第2工程に好適なように、前述されたポイントバーナー30に代えてポイントバーナー10が用いられる。
【0062】
[ポイントバーナー10]
図8に示されるポイントバーナー10が、本発明に係る医療用ガラス容器の製造方法において用いられる。このポイントバーナー10は、本発明の第2工程において、バイアル50の内面を処理するために用いられる。
【0063】
ポイントバーナー10は、主として、バーナー本体11とノズル12とに大別される。バーナー本体11は、混合ガスが流通される第4流路13を有する管形状のものである。混合ガスは、ガスと酸素との混合物であり、公知の手法によって生成された混合ガスがバーナー本体11の第4流路13に所定の流速で流通される。
【0064】
ノズル12は、バーナー本体11の先端側に設けられている。ノズル12は、ノズル部14と連結部15とに大別される。連結部15は、その内面に雌ネジが形成された円錐形状の部材である。図8には詳細に示されていないが、連結部15に形成された雌ネジが、バーナー本体11の先端に形成された雄ネジに螺合されて、バーナー本体11の先端にノズル12が連結される。これにより、ノズル12は、バーナー本体11に対して取り替え可能に構成されている。
【0065】
連結部15の頂点側にはノズル部14が設けられている。ノズル部14は、ストロー形状の細長な部材であり、連結部15の頂点側から、バーナー本体11の軸線方向へ延出するように設けられている。ノズル部14は、セラミック製である。このノズル部14の外径R3及び軸線方向の長さL3は、処理対象であるバイアル50の口部51の内径R4や、バイヤル50の深さL4などを考慮して設定される。ノズル部14の外径R3は、少なくとも、バイアル50の口部51から内部空間52へ、その先端側が挿入可能に設定される。具体的には、ノズル部14の外径R3は、口部51の内径R4より十分に小さい。また、ノズル部14の軸線方向の長さL3は、ノズル部14の先端から吹き出される炎20が、バイアル50の底部53付近へ到達可能な長さに設定される。具体的には、ノズル部14の長さL3は、バイアル50の深さL4より長い。
【0066】
ノズル部14の内部空間である第5流路16は、連結部15の内部空間を介してバーナー本体11の第4流路13と連続されている。これにより、第4流路13に所定の流速で流通される混合ガスが第5流路16を通じてノズル部14の先端から噴出される。この混合ガスが燃焼することによって炎20が形成される。また、ノズル部14の先端から噴出された混合ガスによって、気流22が形成される。
【0067】
[バイアル50]
バイアル50は、ガラス管60が加工されることによって、口部51及び底部53が形成されたものである。バイアル50の内部空間52の内径R5は、口部51の内径R4より大きい。つまり、バイアル50は、いわゆる細口のガラス容器である。このバイアル50が、本発明におけるガラス容器の一例である。
【0068】
[バイアル50の製造方法]
以下、バイアル50の製造方法が説明される。この製造方法は、主として次の2つの工程に大別される。
(1)ガラス管60を加工して口部51と底部53とを有するバイアル50とする第1工程。
(2)バイアル50の内部空間52へポイントバーナー10の炎20を噴出させて炎20を内周面54に当てると共に、内周面54へ気流22を当てる第2工程。
【0069】
[第1工程]
図9(A)に示されるように、ガラス管60を、その軸線方向が水平方向(図9における左右方向)となるように固定して、その一端側にバーナー61の炎を当ててガラス管60を予備加熱する。そして、図9(B)に示されるように、予備加熱された一端側に成形治具62を当てて口部51を形成する。具体的には、成形治具62によって、ガラス管60の外径を狭めるようにガラス管60の一端を絞り込む。
【0070】
図10(A)に示されるように、バーナー61に対してガラス管60が水平方向(図10における左右方向)へ相対移動されて、ガラス管60に対してバーナー61の炎が当てられる。このバーナー61の炎によって、口部51が形成されたガラス管60の一端側が焼き切られると共に、焼き切られた箇所に底部53が形成される。これにより、図10(B)に示されるように、口部51及び底部53を有する1個のバイヤル50が形成される。なお、この第1工程は、ガラス管60を、その軸線方向が鉛直方向となるように固定して、その下端側に口部51及び底部53を形成してもよい。
【0071】
[第2工程]
続いて、得られたバイアル50に対してポイントバーナー10を用いた第2工程が行われる。なお、図11においては、気流22の流れが1点鎖線で示されている。
【0072】
図11に示されるように、バイアル50の底部53付近の内面に加工劣化域が存在する場合には、ポイントバーナー10のノズル部14の先端側がバイアル50の口部51から内部空間52へ挿入されて、ノズル部14の先端から噴出される炎20が底部53付近の加工劣化域に当たるように、バイヤル50に対してポイントバーナー10の位置が固定される。なお、ポイントバーナー10は、バイアル50に対して接離可能である。
【0073】
具体的には、図11に示されるように、バイアル50は、口部51と底部53とを水平方向(図11における左右方向)へ対向させた姿勢で、つまり、いわゆる横向きで支持具21に固定される。この支持具21は、横向きのバイアル50を水平方向を軸線として支持している。支持具21に支持されて水平方向へ開口した口部51へ、バイヤル50の下方からポイントバーナー10のノズル部14が挿入されている。このノズル部14の軸線は、バイアル50の底部53付近の内周面54の上側へ向いている。つまり、ノズル部14から噴出される炎20は、バイアル50の底部53付近の内周面54の上側に当たる。
【0074】
ノズル部14からは炎20と共に気流22が噴出される。この気流22は、バイアル50の底部53付近の内周面54の上側に当たって内部空間52を口部51側へ流れ、口部51からバイアル50の外部へ流れ出る。
【0075】
前述されたように、バイアル50の内周面54に炎20及び気流22が当てられた状態で、支持具21に支持されているバイアル50が回転され、炎20及び気流22が底部52付近の内周面54に均等に噴出される。炎20によって、加工劣化域に付着ないし残留したアルカリ成分等が加熱されて揮発され、気流22によって、揮発されたアルカリ成分等がバイアル50の内部空間52から排出されると共に、加熱されたバイアル50の内周面54が平滑に均される。これにより、バイアル50の内周面54からのアルカリ成分の溶出が抑制される。
【0076】
なお、バイアル50の内周面54の別の部分において第2工程が施される場合には、バイヤル50の下方から口部51へ挿入されるポイントバーナー10のノズル部14の角度が変更される。
【0077】
[本実施形態の作用効果]
前述された製造方法によっても、第1実施形態と同様の作用効果が発揮され、アルカリ成分等の溶出が少ないバイアル50が簡易且つ低コストで製造される。
【0078】
なお、本実施形態では、第1工程において、ガラス管60が、ガラス管60の軸線方向を水平方向として口部51及び底部53が形成されて、バイアル50が作成される(所謂、ヨコ式自動成形機による)が、ガラス管60が、ガラス管60の軸線方向を垂直方向として口部51及び底部53が形成されても(所謂、タテ式自動成形機によっても)よい。
【符号の説明】
【0079】
10,30・・・ポイントバーナー
20,23・・・炎
21,24・・・気流
37・・・内管
38・・・外管
39・・・第3流路(第1流路)
40・・・溝(第2流路)
50・・・バイアル(ガラス容器)
51,71・・・口部
53,73・・・底部
54,75・・・内面
60・・・ガラス管
70・・・アンプル(ガラス容器)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と口部とを有する容器形状にガラス管を加工してガラス容器とする第1工程と、
上記ガラス容器の内部空間へバーナーの炎を噴出させて当該炎を内面に当てる第2工程と、を含む医療用ガラス容器の製造方法。
【請求項2】
上記第2工程において、上記ガラス容器の内部空間へバーナーの炎を噴出させて当該炎を内面に当てると共に、当該内面へ気流を当てる請求項1に記載の医療用ガラス容器の製造方法。
【請求項3】
上記第2工程において、ガラス容器を軸線周りに回転しながら、その内面に炎及び気流を当てる請求項2に記載の医療用ガラス容器の製造方法。
【請求項4】
上記第2工程において、上記ガラス容器の内面に当てられる気流が、バーナーから燃料と共に噴出される請求項2又は3に記載の医療用ガラス容器の製造方法。
【請求項5】
上記第2工程において、上記ガラス容器の内面に当てられる気流が、バーナーによって形成された炎の周りにおいて噴出される請求項2から4のいずれかに記載の医療用ガラス容器の製造方法。
【請求項6】
上記ガラス容器が、細長な口部を有するアンプル形状である請求項1から5のいずれかに記載の医療用ガラス容器の製造方法。
【請求項7】
上記第2工程において、上記ガラス容器の内面に当てられる気流が酸素を含む請求項2から6のいずれかに記載の医療用ガラス容器の製造方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載された医療用ガラス容器の製造方法によって製造された医療用ガラス容器。
【請求項9】
燃料が流通される第1流路を有する内管と、上記内管が挿入され、当該内管との間に気体が流通される第2流路を有する外管と、有するノズルを具備する医療用ガラス容器の内面処理用バーナー。
【請求項10】
上記内管の先端部分が、当該内管の軸線方向に対して屈曲されている請求項9に記載の医療用ガラス容器の内面処理用バーナー。
【請求項1】
底部と口部とを有する容器形状にガラス管を加工してガラス容器とする第1工程と、
上記ガラス容器の内部空間へバーナーの炎を噴出させて当該炎を内面に当てる第2工程と、を含む医療用ガラス容器の製造方法。
【請求項2】
上記第2工程において、上記ガラス容器の内部空間へバーナーの炎を噴出させて当該炎を内面に当てると共に、当該内面へ気流を当てる請求項1に記載の医療用ガラス容器の製造方法。
【請求項3】
上記第2工程において、ガラス容器を軸線周りに回転しながら、その内面に炎及び気流を当てる請求項2に記載の医療用ガラス容器の製造方法。
【請求項4】
上記第2工程において、上記ガラス容器の内面に当てられる気流が、バーナーから燃料と共に噴出される請求項2又は3に記載の医療用ガラス容器の製造方法。
【請求項5】
上記第2工程において、上記ガラス容器の内面に当てられる気流が、バーナーによって形成された炎の周りにおいて噴出される請求項2から4のいずれかに記載の医療用ガラス容器の製造方法。
【請求項6】
上記ガラス容器が、細長な口部を有するアンプル形状である請求項1から5のいずれかに記載の医療用ガラス容器の製造方法。
【請求項7】
上記第2工程において、上記ガラス容器の内面に当てられる気流が酸素を含む請求項2から6のいずれかに記載の医療用ガラス容器の製造方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載された医療用ガラス容器の製造方法によって製造された医療用ガラス容器。
【請求項9】
燃料が流通される第1流路を有する内管と、上記内管が挿入され、当該内管との間に気体が流通される第2流路を有する外管と、有するノズルを具備する医療用ガラス容器の内面処理用バーナー。
【請求項10】
上記内管の先端部分が、当該内管の軸線方向に対して屈曲されている請求項9に記載の医療用ガラス容器の内面処理用バーナー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−274091(P2010−274091A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190025(P2009−190025)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000135036)ニプロ株式会社 (583)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000135036)ニプロ株式会社 (583)
【Fターム(参考)】
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