説明

医療用位置決め支援装置及び位置決め支援方法

【課題】固定具に対する位置決めを適切に行うことにより、患者が固定具から受ける局部圧迫を無くすことができる医療用位置決め支援装置を提供する。
【解決手段】患者6を固定する固定具5と、この固定具5と患者6との間に設けられ、患者6による押し付け力を測定する圧力分布センサ8と、この圧力分布センサ8からの検出信号を入力し、固定具5表面の圧力分布を示すマトリックスデータを作成する圧力分布測定装置15と、この圧力分布測定装置15で作成したマトリックスデータを記憶する記憶装置17と、記憶装置17から読み出した治療開始前のマトリックスデータと治療計画時のマトリックスデータとを比較し、治療計画時の固定具5に対する患者6の位置が適切に再現できているかどうかを判定する判定装置16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば放射線を患部に照射して行う放射線治療等に際し、固定具に対する患者の位置決めを支援する医療用位置決め支援装置及び位置決め支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、放射線を患部に照射して治療を行う放射線医療や、磁気共鳴イメージング装置により脳機能の計測を行う生体情報計測の分野においては、治療対象や計測対象となる対象部位を含む患者の体の一部又は全部について、精度のよい位置決めが必要となる場合がある。このような場合、通常、患者の体をベッド等に対して固定する固定具を用いて位置決めが行われる。
【0003】
がん治療等に利用される放射線医療においては、放射線を患部に対して正確に照射する必要があるため、予め、患者個人に合わせて作成された固定具により患者の体を固定した上で体内断面を撮影し、どこに放射線を照射すべきか治療計画が行われる。治療時の患者の位置決めは、治療計画時の位置を再現することにより行われる。すなわち、治療計画時に例えば治療室の壁に取付けられたレーザ発生器から患者にレーザを照射してその位置にマーキングをしておき、治療時にはレーザ発生器をマーキングしたときの照射ポイントに固定して、固定具で患者の体を固定した状態でマーキングした位置がレーザに重なるように患者を移動させることにより、位置決めが行われる。
【0004】
一方、磁気共鳴イメージングによる脳機能計測と頭部のX線CTによる断層撮影といったように、異なる種類の生体情報計測を同一部位に対し行う場合には、各計測における座標系を一致させて相互に生体情報を利用するために、高精度な患者(被験者)の位置決めが要求される場合がある。このような生体情報計測における位置決め支援装置の従来技術として、固定具と、この固定具に固定され、患者に設けたマーキング(マーカ)の位置を計測する超音波送受信装置と、固定具の表面のひずみ及び固定具に供給される窒素ガスの圧力をそれぞれ計測するひずみゲージ及び圧力センサと、これらひずみゲージ及び圧力センサで患者の動きを検出した場合に警告等を表示する表示装置(ワークステーション)とを有するものがある(例えば、特許文献1参照。)。この従来技術では、患者の固定時に超音波送受信装置でマーキングの位置を計測しておき、ひずみゲージ及び圧力センサで患者の動きを検出した場合には表示装置で警告等すると共に、再度マーキングの位置を計測して動いた量を算出するようになっている。
【0005】
【特許文献1】特許第3461380号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の放射線治療の際に行う従来の位置決め手法は、体表面のマーキングとレーザ位置とを合わせることにより位置決めを行うものであるが、たとえマーキングとレーザ位置とが一致する場合でも、人体表面は固体ではなく弾力性があることから、固定具に対する患者の相対位置は変動している可能性がある。この場合、患者が固定具から局部圧迫を受け、それにより患部の位置が変動している可能性があり、そのような場合には患部に対する適切な治療照射が行えないおそれがある。
【0007】
また、上記の生体情報計測の際に用いる従来の位置決め支援装置は、超音波送受信装置によるマーキングの位置計測により、固定具に対する患者の定量的な位置決めを行うことが可能であるが、この場合も上記放射線治療における位置決め手法と同様に体表面レベルでの位置決めしか行っていないため、例えば患者が固定具に対し適切な位置にいない等、何らかの原因により患者が固定具の凹凸から局部圧迫を受けている場合には、たとえマーキングによる体表面での位置決めがなされていても、患部の位置が変動する可能性がある。このような場合には、各生体情報計測における座標系が一致せず、各計測間の生体情報を相互に利用できなくなるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、固定具に対する位置決めを適切に行うことにより、患者が固定具から受ける局部圧迫を無くすことができる医療用位置決め支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記目的を達成するために、第1の発明は、固定具に対する患者の位置決めを支援する医療用位置決め支援装置において、患者を固定する固定具と、前記固定具と患者との間に設けられ、患者による押し付け力を測定する圧力センサと、前記圧力センサからの検出信号を入力し、前記固定具表面の圧力分布情報を作成する圧力分布情報作成装置とを備えたことを特徴とする医療用位置決め支援装置にある。
【0010】
(2)上記目的を達成するために、第2の発明は、前記圧力分布情報作成装置で作成した圧力分布情報を記憶する記憶装置と、前記記憶装置から読み出した圧力分布情報と基準となる圧力分布情報とを比較し、前記固定具に対する患者の位置が適切かどうかを判定する判定装置とを備えたことを特徴とする請求項1記載の医療用位置決め支援装置にある。
【0011】
(3)上記目的を達成するために、第3の発明は、前記判定装置により前記固定具に対する患者の位置が適切でないと判定された場合に、患者が移動すべき方向を演算する演算装置を備えたことを特徴とする請求項2記載の医療用位置決め支援装置にある。
【0012】
(4)上記目的を達成するために、第4の発明は、前記判定装置により前記固定具に対する患者の位置が適切でないと判定された場合に、患者が移動すべき方向及びその移動量を演算する演算装置を備えたことを特徴とする請求項2記載の医療用位置決め支援装置にある。
【0013】
(5)上記目的を達成するために、第5の発明は、前記圧力分布情報作成装置で作成した圧力分布情報、前記判定装置による判定結果、及び前記演算装置による演算結果のうち、少なくとも1つを表示する表示装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の医療用位置決め支援装置にある。
【0014】
(6)上記目的を達成するために、第6の発明は、放射線を発生する放射線発生装置と、前記放射線発生装置から放出された放射線を照射対象に照射する放射線照射装置と、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の医療用位置決め支援装置とを備えたことを特徴とする放射線治療装置にある。
【0015】
(7)上記目的を達成するために、第7の発明は、固定具に対する患者の位置決めを支援する医療用位置決め支援方法において、患者を固定する固定具に対する患者の押し付け力を前記固定具表面の複数箇所において測定し、それらの測定結果から前記固定具表面の圧力分布情報を作成し、その圧力分布情報を表示することを特徴とする医療用位置決め支援方法にある。
【0016】
(8)上記目的を達成するために、第8の発明は、固定具に対する患者の位置決めを支援する医療用位置決め支援方法において、患者を固定する固定具に対する患者の押し付け力を前記固定具表面の複数箇所において測定し、それらの測定結果から前記固定具表面の圧力分布情報を作成し、この作成した圧力分布情報と基準となる圧力分布情報とを比較することにより、前記固定具に対する患者の位置が適切かどうかを判定することを特徴とする医療用位置決め支援方法にある。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、固定具に対する患者の位置決めを適切に行うことにより、患者の身体が固定具から受ける局部圧迫を無くすことができる。その結果、患部の位置が変動するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の医療用位置決め支援装置及び位置決め支援方法の第1実施形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明の医療用位置決め支援装置を、荷電粒子ビームを患者に照射して治療を行う粒子線治療装置に適用したものである。
【0019】
図1は本発明の医療用位置決め支援装置の第1実施形態である粒子線治療装置(放射線治療装置)の全体構成を表す図である。荷電粒子ビーム(放射線)は加速器システム(放射線発生装置)1で照射エネルギまで加速された後、ビーム取出し制御装置2が加速器システム1に対して照射信号を出力すると、加速器システム1から出射され、荷電粒子ビーム照射装置(放射線照射装置)3から治療ベッド4上の固定具5に固定された患者6へ照射される。
【0020】
図2は固定具5の概略構造を示す平面図、図3は図2中III-III矢視断面図である。
これら図2及び図3に示すように、本実施形態の固定具5は主に患者6の上半身を固定する固定具である。この固定具5は、例えばプラスチック等の熱可塑性材料から構成されており、加熱して患者に押し当てその後冷却することにより、各患者に対しその身体形状に合った形状に成型される。
【0021】
固定具5の表面のうち、患者6が係合する側の底部には、シート状の圧力分布センサ(圧力センサ)8が装着されている。この圧力分布センサ8は、略直角に交差するように配置された複数の行・列電極9,10を2枚のシート11,11で挟み込んだ構造となっている。行・列電極9,10の間には感圧導電インク層(図示せず)が介在しており、行・列電極9,10の各交差点への加圧力の相違により行・列電極9,10間の抵抗が変化するようになっている。本実施形態では、圧力分布センサ8を固定具5表面の曲面に合わせて歪みなく装着するために、固定具5表面の曲面をその種類に応じて複数ブロック(ここでは3ブロック)に分け、それぞれのブロックに対して大きさを合わせた圧力分布センサ8を装着している。
【0022】
図1に戻り、固定具5に装着された圧力分布センサ8の測定信号は、圧力分布測定装置(圧力分布情報作成装置)15に入力される。この圧力分布測定装置15は、入力された圧力分布センサ8の測定信号から、固定具5の表面の圧力分布を示すマトリックスデータを作成する。このとき、このマトリックスデータに含まれるそれぞれのポイント圧力は、その大小に応じて任意の閾値により重み付けがなされる。
【0023】
圧力分布測定装置15で作成されたマトリックスデータは、後述の判定装置(演算装置)16が有する記憶装置17(判定装置16と独立して設けてもよい)によって記憶される。本実施形態においては、患者6の治療計画時に作成したマトリックスデータが、その治療計画時の患者6の固定具5に対する位置を示す基準パターン18(後述の図4参照)として記憶装置17に予め記憶されている。
【0024】
この治療計画時の基準パターン18に対し、治療時の患者6の固定具5に対する位置を示すマトリックスデータを治療パターン19とする。この治療パターン19は、治療中、任意の周期で常に圧力分布測定装置15により作成される。そして、その都度、判定装置16により、記憶装置17に記憶されている基準パターン18とのマッチングが行われ、固定具5内の患者6の位置が適切かどうかが判定される。この判定装置16による判定手法及びそのモニタ表示を図4に示す。
【0025】
この図4に示すように、判定装置16によるマッチングは、基準パターン18と治療パターン19のマトリックスの各要素をそれぞれ比較し、マッチ、アンマッチを判定することにより行われる。全てのマトリックスの要素について判定が終了したら、マトリックス全体のマッチ率を算出し、そのマッチ率が任意の割合以上の場合に位置決めが完了したと判定する。図4(a)にこのときのモニタ20の表示を示す。この図4(a)に示すように判定装置16でマッチングが成立すると、モニタ20に位置決め完了のメッセージが表示される。また同時に、判定装置16はビーム取出し制御装置2に照射許可信号を出力し、これにより荷電粒子ビーム照射装置3から患者6への治療照射が可能になる。
【0026】
一方、マッチ率が任意の割合より小さくマッチングが成立しなかった場合には、判定装置16は患者6を適切な位置に導く。具体的には、基準パターン18と治療パターン19のずれを分析・分類し、モニタ20を介して患者6と医師に圧力分布及び位置決めのための指示をフィードバックして、患者6の固定具5に対する位置の調整を支援する。この詳細について、図4(b)〜(e)を用いて以下に説明する。
【0027】
図4(b)〜(e)は、判定装置16でマッチングが成立しなかった場合のモニタ20による位置決め誘導方法を示した図である。この方法は、固定具5が患者6の体型に合わせて成型されていることを利用したものである。すなわち、患者6固有の固定具ということは、患者6が固定具5に対し適切な位置にいる場合には、圧力が等分布となるはずである。その位置を基準パターンに設定し、治療パターンがその基準パターンとなるように誘導する。
【0028】
図4(b)の治療パターン19には体の左側に圧力の集中が見られる。モニタ20に患者6を上から見たときの圧力分布、この場合左側に圧力集中を示す表示21をする。左に圧力が集中しているということは、体が固定具5に対して左によっていると考えられる。そこで、判定装置16はモニタ20に右に移動しなさいという指示表示22を表示し、患者6及び医師はこの指示表示22に基づき、体を動かす等により位置決めを行う。
【0029】
図4(c)の治療パターン19には体の右側に圧力の集中が見られる。モニタ20に患者6を上から見たときの圧力分布、この場合右側に圧力集中を示す表示21をする。右に圧力が集中しているということは、体が固定具5に対して右によっていると考えられる。そこで、判定装置16はモニタ20に左に移動しなさいという指示表示22を表示させ、患者6及び医師はこの指示表示22に基づき、体を動かす等により位置決めを行う。
【0030】
図4(d)の治療パターン19は加圧部の輪郭が基準パターン18の輪郭と比較して上部に位置している。モニタ20に患者6を上から見たときの圧力分布、この場合上側に圧力集中を示す表示21をする。上部に加圧部があるということは、患者6の治療計画時の固定具5に対する位置より上によっていると考えられる。そこで、判定装置16はモニタ20に下に移動しなさいという指示表示22を表示させ、患者6及び医師はこの指示表示22に基づき、体を動かす等により位置決めを行う。
【0031】
図4(e)の治療パターン19は加圧部の輪郭が基準パターン18の輪郭と比較して下部に位置している。モニタ20に患者6を上から見たときの圧力分布、この場合下側に圧力集中を示す表示21をする。下部に加圧部があるということは、患者6の治療計画時の固定具5に対する位置より下によっていると考えられる。そこで、判定装置16はモニタ20に上に移動しなさいという指示表示22を表示させ、患者6及び医師はこの指示表示22に基づき、体を動かす等により位置決めを行う。
【0032】
なお、上記においては圧力集中を示す表示を表示21のような楕円形で、移動方向の指示を指示表示22のような矢印で示したが、表示の形態はこれに限るものではなく、患者6及び医師等にわかりやすい表示であればその他の表示形態でもよい。
【0033】
以上のような構成である本実施形態の医療用位置決め支援装置によれば、以下のような効果が得られる。
すなわち、本発明によれば、治療計画時における患者6の固定具5に対する位置と治療時における患者6の固定具5に対する位置のずれを、圧力分布センサ8の測定信号をもとに圧力分布測定装置15で作成したマトリックスデータを用いて判定装置16で判定し、判定結果及び患者6の位置情報をモニタ20で患者6と医師にフィードバックすることにより、治療時に治療計画時の固定具5に対する体の位置を正確に再現することができる。このとき、本実施の形態のように、圧力が等分布となる位置を基準パターン18に設定しておくことにより、患者6を圧力が等分布となる位置に導き、患者6の体が例えば固定具5の凹凸等から受ける局部圧迫の影響を無くして患部の位置が変動するのを防止することができる。その結果、患部に対して的確な治療照射を行うことができる。特に、本実施形態のような粒子線治療においては、一般に複数回に分けて治療照射を行うため、本発明を適用することで治療のたびに治療計画時の体の位置を正確に再現して患部の位置を一定に保つことが可能となり、その効果は大きい。
【0034】
次に、本発明の医療用位置決め支援装置及び位置決め支援方法の第2実施形態を図面を参照しつつ以下に説明する。本実施形態は、患者6及び医師に対し移動方向に加えて移動量についてもフィードバックを行うものである。
【0035】
図5は、本実施形態の位置決め手法及びモニタ20の表示を、前述の図4に対応させて示した図である。この図5に示すように、本実施形態では、第1実施形態で用いた圧力が等分布となる基準パターン18のほかに、この位置から少しずらしたパターンを、いくつかの基準パターン(本実施形態では18A〜18Dの4パターン)として記憶装置17に予め記憶させておく。このとき、それぞれの基準パターン18,18A〜18Dには位置のずれ量(移動量)のデータが付加されている。位置決めの際は、判定装置16により、治療時の患者6の位置を示す治療バターン19と記憶装置17から読み出した複数の基準パターン18,18A〜18Dとのマッチングを行い、その中で一番マッチング率が高かったものを患者6の位置とする。そして、マッチした基準パターンに付加してあるずれ量が「0」であれば位置決め完了とする。なお、このずれ量が「0」の基準パターンとは、圧力が等分布である基準パターン18のことである。これ以外のずれ量が付加してある場合には、この付加データに従って判定装置16はモニタ20に移動方向の指示表示22に加えて移動量を示す指示表示23を表示させ、患者と医師はこれらの指示表示22,23をもとに体を動かす等により位置決めを行う。
【0036】
なお、図5では移動量を示す指示表示23をボックス内に数値を収めた表示としたが、これに限らず、例えば指示表示22近傍に数値のみ表示するといったように別の表示形態としてもよい。また図5では移動量の単位をcmとしているが、mmやインチ等他の単位を用いてもよい。
【0037】
以上のような構成である本発明の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を得られると共に、移動量についても指示表示することから、患者6及び医師に対しより正確な位置情報をフィードバックすることが可能である。
【0038】
なお、以上の本発明の第1及び第2実施形態においては、患者6の固定具5に対する位置情報をモニタ20を用いて画像によりフィードバックするようにしたが、これに限らず、音声を用いるようにしてもよい。
【0039】
また、以上においては、圧力分布を得るための圧力センサとしてシート状の圧力分布センサ8を用いたが、これに限るものではない。すなわち、例えば図6及び図7に示すように、小型の圧力センサ24を固定具5の表面にマトリックス状に配置するようにしてもよい。この場合、固定具5の表面が複雑な曲面形状であっても、正確に圧力分布を測定することができる。その他、圧力分布を得る方法として、例えば伝導性プラスチックを用いる方法、摩擦力を圧力に変換する方法、接触面をカメラで撮影して画像処理する方法等を用いてもよい。
【0040】
また、以上においては、本発明を粒子線治療装置に適用した場合を説明したが、これに限らず、例えば磁気共鳴イメージングによる脳機能計測やX線CTによる断層撮影等、生体情報を計測する際に用いられる生体情報計測装置に適用してもよい。この場合、計測精度の向上に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の医療用位置決め支援装置の第1実施形態である粒子線治療装置の全体構成を表す図である。
【図2】本発明の医療用位置決め支援装置の第1実施形態を構成する固定具及び圧力分布センサの概略構造を表す平面図である。
【図3】図2中III-III矢視断面図である。
【図4】本発明の医療用位置決め支援装置の第1実施形態を構成する判定装置により行われる判定手法及びモニタの表示を示す図である。
【図5】本発明の医療用位置決め支援装置の第2実施形態を構成する判定装置により行われる判定手法及びモニタの表示を示す図である。
【図6】圧力センサの変形例を示す固定具の平面図である。
【図7】図6中VII-VII矢視断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 加速器システム(放射線発生装置)
3 荷電粒子ビーム照射装置(放射線照射装置)
5 固定具
6 患者
8 圧力分布センサ(圧力センサ)
15 圧力分布測定装置(圧力分布情報作成装置)
16 判定装置(演算装置)
17 記憶装置
24 圧力センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定具に対する患者の位置決めを支援する医療用位置決め支援装置において、
患者を固定する固定具と、
前記固定具と患者との間に設けられ、患者による押し付け力を測定する圧力センサと、
前記圧力センサからの検出信号を入力し、前記固定具表面の圧力分布情報を作成する圧力分布情報作成装置とを備えたことを特徴とする医療用位置決め支援装置。
【請求項2】
前記圧力分布情報作成装置で作成した圧力分布情報を記憶する記憶装置と、前記記憶装置から読み出した圧力分布情報と基準となる圧力分布情報とを比較し、前記固定具に対する患者の位置が適切かどうかを判定する判定装置とを備えたことを特徴とする請求項1記載の医療用位置決め支援装置。
【請求項3】
前記判定装置により前記固定具に対する患者の位置が適切でないと判定された場合に、患者が移動すべき方向を演算する演算装置を備えたことを特徴とする請求項2記載の医療用位置決め支援装置。
【請求項4】
前記判定装置により前記固定具に対する患者の位置が適切でないと判定された場合に、患者が移動すべき方向及びその移動量を演算する演算装置を備えたことを特徴とする請求項2記載の医療用位置決め支援装置。
【請求項5】
前記圧力分布情報作成装置で作成した圧力分布情報、前記判定装置による判定結果、及び前記演算装置による演算結果のうち、少なくとも1つを表示する表示装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の医療用位置決め支援装置。
【請求項6】
放射線を発生する放射線発生装置と、
前記放射線発生装置から放出された放射線を照射対象に照射する放射線照射装置と、
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の医療用位置決め支援装置とを備えたことを特徴とする放射線治療装置。
【請求項7】
固定具に対する患者の位置決めを支援する医療用位置決め支援方法において、
患者を固定する固定具に対する患者の押し付け力を前記固定具表面の複数箇所において測定し、
それらの測定結果から前記固定具表面の圧力分布情報を作成することを特徴とする医療用位置決め支援方法。
【請求項8】
固定具に対する患者の位置決めを支援する医療用位置決め支援方法において、
患者を固定する固定具に対する患者の押し付け力を前記固定具表面の複数箇所において測定し、
それらの測定結果から前記固定具表面の圧力分布情報を作成し、
この作成した圧力分布情報と基準となる圧力分布情報とを比較することにより、前記固定具に対する患者の位置が適切かどうかを判定することを特徴とする医療用位置決め支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−75411(P2006−75411A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263934(P2004−263934)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】