説明

医療用器具

【課題】体内の異物を好適に除去することができる医療用器具を提供する。
【解決手段】医療用器具20は、血栓捕捉器具21と、収容カテーテル22とを備える。血栓捕捉器具21は、コアワイヤ24と、コアワイヤ24の遠位端部に設けられたブラシ部25とを備える。ブラシ部25は、体内の血栓を捕捉するものであり、ワイヤ部27と、ワイヤ部27に放射状に設けられた複数の毛材28とを備える。収容カテーテル22は、ブラシ部25を収容する収容筒部38を有する。収容筒部38にブラシ部25が収容された状態において、複数の毛材28は、収容筒部38の内周面により外力が付与されることで、自己の付勢力によりワイヤ部27に対して起立する側に付勢されながら近位側に倒れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管内の血栓等といった体内の異物を除去するための医療用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、血管内に形成された血栓を除去する方法として、吸引カテーテルにより血栓を吸引除去する方法が知られている。吸引カテーテルにより血栓を吸引する場合、吸引カテーテルは血管内に挿入されて、その遠位端が血栓の存在する治療対象箇所に到達するまで移動される。そして、吸引カテーテルの近位端に設けられた吸引具によりカテーテル内が陰圧とされることにより、血栓が吸引除去される。
【0003】
上記吸引除去に代わるものとして、特許文献1には、血管内に挿入されるガイドワイヤの遠位端部に複数の剛毛を有してなるブラシを設け、このブラシにより血栓を捕捉する医療器具が開示されている。この医療器具について詳しく説明すると、医療器具は、ブラシを先端に向けた状態でマイクロカテーテル内に収容され、その収容状態で治療対象箇所に搬送される。そして、治療対象箇所の手前まで搬送されたら、医療器具が遠位側に押し込まれ、ブラシがマイクロカテーテルの遠位側に導出される。導出後、さらに医療器具が遠位側に押し込まれ、ブラシが血栓を通過して血栓よりも遠位側に移動される。この移動の際、ブラシの剛毛は機械的な抵抗により近位側を向く旨が上記文献1には記載されている。そして、この後、医療器具が近位側に引き戻されることで、ブラシによる血栓の捕捉が行われる。この場合、近位側を向いていた剛毛は直立状態となり、その先端を血栓に引っ掛けながら血栓の捕捉が行われるため、血栓を好適に除去することが期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−510541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1には、カテーテル内におけるブラシの収容状態について、例えば収容時に剛毛がどの向きに倒れているか等についての記載がない。ここで、例えば剛毛が遠位側に倒れた状態でブラシがカテーテル内に収容されていたとすると、ブラシがカテーテルの遠位側に導出された際、剛毛が遠位側を向いたままの状態となる可能性がある。その場合、血栓を通過して血栓の遠位側にブラシを移動させる際に、剛毛が近位側を向かないおそれがあり、そうなると医療器具を近位側に引き戻してブラシにより血栓を捕捉する際に、剛毛が遠位側を向いたまま血栓を通過する可能性がある。その場合、剛毛を血栓に引っ掛けることが困難となり、血栓を効果的に除去できないおそれがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、体内の異物を好適に除去することができる医療用器具を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、第1の発明の医療用器具は、シャフト部と、該シャフト部の遠位端側において放射状に設けられた複数の線部と、を有する血栓捕捉器具を備え、前記血栓捕捉器具には、前記複数の線部と、前記シャフト部におけるそれらの線部が設けられた部位とによりブラシ部が形成され、そのブラシ部を用いて体内の異物を除去する医療用器具であって、前記ブラシ部を内部に収容する収容筒部を有する収容カテーテルを備え、前記収容筒部に前記ブラシ部が収容された状態において、前記複数の線部は、前記収容筒部の内周面により押さえつけられることで、自らの付勢力により前記シャフト部に対して起立する側に付勢されながら近位側に倒れていることを特徴とする。
【0008】
本発明の医療用器具では、収容カテーテルの収容筒部にブラシ部が収容された状態で、血栓捕捉器具が所定の治療対象部位に搬送される。搬送後、かかる収容状態のまま血栓捕捉器具が遠位側に押し込まれることにより、ブラシ部が異物を通過し異物よりも遠位側に移動される。そして、異物よりも遠位側の位置で、例えば血栓捕捉器具をその位置に保持しながら収容カテーテルが近位側に引っ張られることで、ブラシ部が収容筒部の遠位端開口から同筒部よりも遠位側に露出される。これにより、ブラシ部の線部が収容筒部の内周面による外力から解放され、自己の付勢力により起立する側に復元される。そして、かかる線部の復元状態において血栓捕捉器具を引き戻し、ブラシ部を異物の遠位側から近位側に移動させることで、ブラシ部により異物を捕捉することができる。
【0009】
そして、本発明では、ブラシ部が収容筒部に収容されている状態では、ブラシ部の線部が自己の付勢力によりシャフト部に対して起立する側に付勢されながら近位側に倒れているため、ブラシ部が収容筒部の遠位端開口から遠位側に導出された場合に、線部を近位側に傾いた状態とし易い。このため、血栓捕捉器具を近位側に引き戻してブラシ部により体内の異物を捕捉する際、線部を異物に引っ掛け易くすることができ、その結果体内の異物を好適に除去することができる。
【0010】
第2の発明の医療用器具は、第1の発明において、前記複数の線部は、外力が加えられていない自然状態において近位側に傾くように形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、複数の線部が自然状態において近位側に傾くように形成されているため、ブラシ部が収容筒部から遠位側に導出された場合において、より一層線部を近位側に傾いた状態とし易い。そのため、線部を異物に対してより一層引っ掛け易くすることができ、異物を除去する効果を高めることができる。
【0012】
第3の発明の医療用器具は、第1又は第2の発明において、前記シャフト部は、前記ブラシ部よりも遠位端側に延出したガイド部と、該ガイド部が前記収容筒部の遠位端開口から遠位端側に突出した状態で前記ブラシ部が前記収容筒部に収容されている場合に、前記ガイド部の一部が前記収容筒部の軸線方向に対して直交する方向おいて前記収容筒部の外周面よりも外側に延出するように、前記シャフト部を湾曲させる湾曲部と、を備えていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、ガイド部を収容筒部の遠位端開口から遠位端側に突出させた状態で、ブラシ部を収容筒部に収容することにより、血栓捕捉器具を体内の治療対象部位に搬送する際、ガイド部を用いて血栓捕捉器具を当該部位に導くことができる。したがって、例えば血栓捕捉器具を分岐血管を通じて搬送する際には、ガイド部により血栓捕捉器具を目的の血管の方に導くことが可能となる。そして、ガイド部の一部が、収容筒部の軸線方向に直交する方向おいて収容筒部の外周面よりも外側に延出しているため、収容筒部がガイド部よりも先に血管壁に接触し、ガイド部のガイド機能が損なわれることが抑制されている。これにより、収容筒部にブラシ部を収容させた状態で血栓捕捉器具を治療対象部位に搬送する場合において、当該血栓捕捉器具を好適に搬送することができる。
【0014】
第4の発明の医療用器具は、第3の発明において、前記湾曲部は、前記ブラシ部よりも遠位端側に存在していることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、ブラシ部の途中位置にて湾曲が生じているのではなく、ブラシ部よりも遠位端側にて湾曲が生じていることにより、ブラシ部の血栓に対する外力のかかり具合を調整し易くなる。よって、ブラシ部による血栓の捕捉機能、及びガイド部によるガイド機能を共に高めることが可能となる。
【0016】
第5の発明の医療用器具は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記シャフト部は、前記ブラシ部よりも遠位端側に延出しており、その延出した部分はそれよりも近位側部分の延長線上から離間される側に向けて延出したガイド部となっており、前記複数の線部の少なくとも一部については、前記収容筒部による外周側からの外力の付与が解除された場合に、前記ガイド部よりも前記離間される側に延出するように形成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、ブラシ部が収容筒部より遠位側に導出された場合、複数の線部の少なくとも一部については、ガイド部よりも近位側部分の延長線上から離間される側に、ガイド部よりも延出するため、ブラシ部により血栓等の異物を捕捉する際、ガイド部よりも先に異物に接触させることができる。これにより、血栓捕捉器具がガイド部を有する構成においても、線部を異物に確実に引っ掛けることができ、異物を好適に捕捉することができる。
【0018】
第6の発明の医療用器具は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記ブラシ部における前記線部の密度は、前記ブラシ部において遠位端側よりも近位端側の方が低くなっていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、ブラシ部の近位側において線部の密度が比較的低くなっているため、ブラシ部により体内の異物を捕捉した後、血栓捕捉器具を近位側に引き込む等して異物が付着したブラシ部を回収用の回収部材(例えば筒状体)に入れ込む際に、ブラシ部を当該回収部材に入れ易くすることができる。そのため、異物の回収作業の容易化を図れる。一方、ブラシ部の遠位側では線部の密度が比較的高くなっているため、かかる構成においても異物を好適に捕捉することができる。
【0020】
第7の発明の医療用器具は、第1乃至第6のいずれかの発明において、前記複数の線部は、前記ブラシ部における遠位端側のものよりも近位端側のものの方が軟らかくなるように形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、ブラシ部の近位側において線部が比較的軟らかく形成されているため、ブラシ部により体内の異物を捕捉した後、血栓捕捉器具を近位側に引き込む等して異物が付着したブラシ部を回収用の回収部材(例えば筒状体)に入れ込む際に、ブラシ部を当該回収部材に入れ易くすることができる。そのため、異物の回収作業の容易化を図れる。一方、ブラシ部の遠位側では、線部が比較的硬く形成されているため、かかる構成においても異物を好適に捕捉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施形態におけるカテーテルキットの構成を示す正面図。
【図2】医療用器具の要部及びその周辺の構成を拡大して示す断面図であり、(a)が血栓捕捉器具のブラシ部の収容状態を示し、(b)が同ブラシ部の展開状態を示す。
【図3】ブラシ部を遠位端側から見た状態を示す図。
【図4】ワイヤ部の一部を拡大した正面図。
【図5】カテーテルチューブを縦断面の状態で示す回収カテーテル及びその周辺の構成を示す正面図であり、(a)が回収部の拡張状態を示し、(b)が回収部の収縮状態を示す。
【図6】(a)〜(d)は血栓を除去する作業を説明するための説明図。
【図7】第2の実施形態における血栓を除去する作業を説明するための説明図。
【図8】他の実施形態におけるブラシ部周辺の構成を示す正面図。
【図9】他の実施形態におけるブラシ部周辺の構成を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔第1の実施形態〕
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、血栓を吸引するための吸引用カテーテルについて具体化している。図1は、吸引用カテーテル10の構成を示す正面図である。
【0024】
図1に示すように、吸引用カテーテル10は、カテーテルチューブ11と、カテーテルチューブ11の近位端部(基端部)に取り付けられたハブ12と、カテーテルチューブ11の遠位端側(先端側)に取り付けられたガイドチューブ13とを備える。
【0025】
カテーテルチューブ11は、管状に形成されており、その内部に軸線方向全域に亘って延びる管孔15(図2参照)を有している。カテーテルチューブ11は、軸線方向の中間位置を基準として遠位側の領域についてはポリアミド樹脂により形成されており、近位側の領域についてはステンレスやNi−Ti合金等の金属材料により形成されている。これにより、カテーテルチューブ11の剛性は近位側よりも遠位側の方が低くなっている。なお、カテーテルチューブ11の管孔15は、吸引用のルーメンを形成している。
【0026】
ハブ12は、近位端部及び遠位端部のそれぞれにおいて開放された貫通孔12aを備えており、当該貫通孔12aはカテーテルチューブ11の管孔15と連通されている。ハブ12は、介在チューブ18を介して図示しない吸引器と接続されている。当該吸引器が動作されることにより、カテーテルチューブ11を通じて血栓等の吸引が行われる。また、ハブ12には、後述する医療用器具20をカテーテルチューブ11の管孔15に挿通するためのポート部19が形成されている。なお、ハブ12の形状、大きさ及び形成材料は任意である。
【0027】
ガイドチューブ13は、ポリアミド樹脂により管状に形成されており、その内部にガイドワイヤGが挿通される管孔13a(図2参照)を有している。ガイドチューブ13は、カテーテルチューブ11の遠位端側においてカテーテルチューブ11と平行となる向きで同チューブ11の外周面に溶着により接合されている。
【0028】
吸引用カテーテル10は、体内の血栓を機械的に除去するための医療用器具20を備えている。医療用器具20は、カテーテルチューブ11の管孔15に挿通されて所定の治療対象箇所に搬送され、使用されるようになっている。すなわち、本カテーテル10は、血栓を吸引除去する機能を有する他に、医療用器具20を用いて血栓を機械的に除去する機能も有している。以下、この医療用器具20の構成について図2に基づいて詳細に説明する。なお、図2は、医療用器具20の要部及びその周辺の構成を拡大して示す断面図であり、(a)が医療用器具20を構成する血栓捕捉器具21のブラシ部25の収容状態を示し、(b)が同ブラシ部25の展開状態を示す。また、図2は、図1における領域Cを拡大して示したものである。図3は、ブラシ部25を遠位端側から見た状態を示す図である。
【0029】
図2に示すように、医療用器具20は、血栓捕捉器具21と、収容カテーテル22とを備えており、これら各部材21,22は共にカテーテルチューブ11の管孔15に挿通されている。血栓捕捉器具21は、体内の血栓を捕捉するための部材であり、コアワイヤ24と、コアワイヤ24の遠位端部に設けられたブラシ部25と、ブラシ部25の遠位端部に設けられたガイド部26とを備える。
【0030】
コアワイヤ24は、金属材料により形成されており、具体的にはステンレス合金からなる。コアワイヤ24は、トルク伝達性が比較的高いものとして形成されている。コアワイヤ24は、カテーテルチューブ11よりも長い長さ寸法を有しており、その近位端側がハブ12のポート部19を通じて外部に露出している。なお、コアワイヤ24の材料はステンレス合金に限定されることなく、超弾性合金であるNi−Ti合金等その他の金属材料であってもよい。
【0031】
ブラシ部25は、血管内の血栓を捕捉(除去)するためのものである。ブラシ部25は、図2及び図3に示すように、コアワイヤ24の遠位端部から同ワイヤ24とは反対側(すなわち遠位端側)に向けて延びるワイヤ部27と、ワイヤ部27に対して放射状に設けられた複数の毛材28とを有している。
【0032】
図4には、ワイヤ部27の一部を拡大した正面図を示す。なお、本図では説明の便宜上、毛材28の図示を省略している。図4に示すように、ワイヤ部27は、ステンレス合金からなる2本のワイヤ29が螺旋状に捩られることにより構成されている。ワイヤ部27は、全体としてはコアワイヤ24の軸線と同一軸線上に位置する線状物として形成されており、その近位端部においてコアワイヤ24と溶接により連結されている。
【0033】
毛材28は、可撓性を有し、かつ、血栓を良好に付着する付着性を有する素材により形成されている。具体的には、毛材28は、ポリアミド樹脂により形成されている。但し、毛材28は、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリエステル、ポリエリレン等その他の高分子材料により形成されてもよいし、Ni−Ti合金等の超弾性合金により形成されてもよい。要するに、可撓性を有し、かつ付着性を有する素材であればよい。
【0034】
毛材28の表面には、血液の凝固を助ける凝固因子を含むフィプリン(図示略)がコーティングされている。これにより、毛材28は血栓の付着性が高められている。なお、フィプリン因子に代えて、トロンビン因子等その他の凝固因子を含むコーティングを毛材28に施してもよい。
【0035】
毛材28は、当該毛材28の約2倍の長さを有してなるポリアミド樹脂のフィラメント31を用いて構成されている。フィラメント31は、ワイヤ部27の各ワイヤ29間に挟み込まれた状態で、各ワイヤ29が螺旋状に捩られることによりワイヤ部27に取り付けられている。具体的には、フィラメント31は、その略中央部において各ワイヤ29間に挟み込まれ固定されている。この場合、フィラメント31におけるワイヤ部27を挟んだ両側部分がそれぞれほぼ同じ長さでワイヤ部27から突出しており、その突出した各部分によりそれぞれ毛材28が構成されている。したがって、1本のフィラメント31により2本の毛材28が形成されていることとなる。なお、毛材28の先端は丸く形成されており、これにより毛材28による血管の傷付きが抑制されている。また、血管の傷付きを抑制するために、毛材28の先端を柔らかく形成してもよい。
【0036】
毛材28は、図2(b)に示すように、外力が加えられていない自然状態において、ワイヤ部27に対して近位側に傾くように形成されている。つまり、毛材28は、自然状態では近位側に向かうほどワイヤ部27から遠ざかる向きに傾斜して延びている。また、複数の毛材28はそれぞれ、ワイヤ部27の軸線方向に対する傾斜角度(倒れ角度)がほぼ同じとなるように形成されている。但し、ワイヤ部27の軸線方向に対する各毛材28の傾斜角度は、必ずしも同じとする必要はなく、遠位端側のものから近位端側のものに向かって傾斜角度を小さくする等異ならせてもよい。ちなみに、ワイヤ部27の軸線方向に対する毛材28の傾斜角度は、毛材28が近位側に完全に倒れた状態を0°とした場合に、60°以上90°未満が好ましく、より好ましくは70°以上80°以下である。
【0037】
ブラシ部25において、複数の毛材28はワイヤ部27の軸線方向におけるほぼ全域(詳細には近位端側の一部を除く全域)に亘って設けられている。具体的には、複数の毛材28は同軸線方向における全域に亘り概ね連続して設けられている。但し、複数の毛材28を、同軸線方向において断続的に設けてもよく、例えばワイヤ部27を遠位領域、中間領域、近位領域と3つの領域に分けた(例えば等分した)場合に、遠位領域と近位領域とに毛材28を設け、中間領域には毛材28を設けないようにする等してもよい。
【0038】
複数の毛材28は、上述したようにワイヤ部27に対して放射状に延びており、ワイヤ部27の軸線を中心とした周方向においてほぼ均一に分布するように設けられている。複数の毛材28は、その長さが周方向においてほぼ同じ長さとされている。そのため、ブラシ部25を、ワイヤ部27の軸線に対して直交する面で切断した断面を見た場合、ブラシ部25の外縁、すなわち複数の毛材28からなる毛材集合体の外縁は円形状をなしている(例えば図3参照)。以下、この毛材集合体の外縁の径を単にブラシ部25の外径という。但し、複数の毛材28の長さを周方向において異ならせてもよく、例えば周方向において長さの長いもの(又は毛材28群)と短いもの(又は毛材28群)とを交互に設けてもよい。
【0039】
複数の毛材28は、その長さがブラシ部25の近位端側のものから遠位端側のものに向かって徐々に長くなるように形成されている。そのため、ブラシ部25は、その外径が近位端側から遠位端側に向かって徐々に大きくなるテーパ形状を有している。なお、毛材28の長さを、ブラシ部25の近位端側のものから遠位端側のものに向かって段階的に長くしてもよく、例えば、ブラシ部25の近位端側半分の毛材28については短くし、遠位端側半分の毛材28については長くすることで2段階としてもよい。
【0040】
複数の毛材28は、その硬さがブラシ部25の近位端側のものから遠位端側のものに向かって徐々に硬くなるように形成されている。但し、毛材28の硬さを、ブラシ部25の近位端側のものから遠位端側のものに向かって段階的に硬くしてもよい。例えば、ブラシ部25の近位端側半分の毛材28については硬さを軟らかくし、遠位端側半分の毛材28については硬さを硬くすることで2段階としてもよい。
【0041】
ブラシ部25における毛材28の密度(密集度)、すなわちワイヤ部27の所定長さ当たりにおける毛材28の本数は、ブラシ部25の近位端側から遠位端側に向かって徐々に増大している。但し、毛材28の密度を、ブラシ部25の近位端側から遠位端側に向かって段階的に増大させてもよく、例えば、ブラシ部25の近位端側の半分については密度を低くし、遠位端側の半分については密度を高くすることで2段階としてもよい。
【0042】
ガイド部26は、血栓捕捉器具21が分岐を有する血管内に挿入される際に、当該血栓捕捉器具21を目的の血管の方に導くガイド機能を有する。ガイド部26の近位側に設けられたワイヤ部27を構成する各ワイヤ29のうち一方のワイヤ29aは、ブラシ部25よりも遠位端側に延出しており、その延出した部分によりガイド部26が構成されている。なお、ワイヤ29aは、ワイヤ部27においては捩られていたが、ガイド部26においては捩られていない。
【0043】
ガイド部26は、ワイヤ部27の軸線方向に対して一側に湾曲した湾曲部34を有している。湾曲部34は、遠位端側に向かうほど、ワイヤ部27(又はコアワイヤ24)を軸線方向に延長した延長線から離間するように湾曲形成されている(以下、ワイヤ部27の延長線から離間する側を離間側という。)。したがって、ガイド部26の遠位端はワイヤ部27の延長線から離間した位置にあり、具体的には、図2(b)に示すように、ガイド部26の遠位端からワイヤ部27の延長線までの離間距離L1は、自然状態における毛材28の先端、詳しくはブラシ部25遠位端における毛材28の先端からワイヤ部27の延長線までの離間距離L2よりも小さくなっている。つまり、ブラシ部25における遠位端の毛材28は、自然状態において、ワイヤ部27の軸線方向に直交する方向においてガイド部26よりも離間側に延出している。また、具体的には、ブラシ部25における遠位端の毛材28のみならず、ブラシ部25における遠位端側の約半分の領域にある毛材28が、ワイヤ部27の軸線方向に直交する方向においてガイド部26よりも離間側に延出している。なお、本実施形態では、このようにブラシ部25における複数の毛材28の一部について、ガイド部26よりも離間側に延出させているが、ブラシ部25における複数の毛材28全部について、ガイド部26よりも離間側に延出させてもよい。
【0044】
なお、本血栓捕捉器具21では、ガイド部26、ワイヤ部27及びコアワイヤ24によりシャフト部が構成されており、このシャフト部は線状に形成されている。
【0045】
収容カテーテル22は、ワイヤ部37と、ワイヤ部37の遠位端部に設けられブラシ部25を収容する収容筒部38とを備えており、上述したようにカテーテルチューブ11の管孔15に挿通されている。ワイヤ部37は、ステンレス等の金属材料により形成されている。ワイヤ部37は、その長さ寸法がカテーテルチューブ11よりも十分長いものとなっており、その近位端側がハブ12のポート部19を通じて外部に露出されている。
【0046】
収容筒部38は、カテーテルチューブ11の軸線方向に延びる円筒状をなしており、その内部に遠位端及び近位端が開口された収容空間39を有している。収容筒部38は、ポリアミド樹脂により形成されており、その近位端部がワイヤ部37の遠位端部に連結されている。なお、ワイヤ部37は、収容筒部38における収容空間39の内外を区画する周壁の遠位端に連結されており、それ故ワイヤ部37は収容筒部38の軸心に対して径方向にずれた位置にある。したがって、血栓捕捉器具21と収容カテーテル22とを同時にカテーテルチューブ11の管孔15に挿通しても、血栓捕捉器具21のコアワイヤ24と収容カテーテル22のワイヤ部37とが互いに干渉しないようになっている。
【0047】
収容筒部38は、その軸線方向における長さ寸法が同方向におけるブラシ部25の長さとほぼ同じかそれよりも大きくなっている。また、収容筒部38の内径寸法は、その長さ方向全域において一定とされており、複数の毛材28が自然状態にある場合におけるブラシ部25の外径寸法、詳しくはブラシ部25の近位端部における外径寸法(最小外径寸法)よりも小さくなっている。
【0048】
なお、収容筒部38は、必ずしもポリアミド樹脂により形成する必要はなく、ポリエステル等その他の樹脂により形成してもよいし、ステンレス合金等の金属材料により形成してもよい。また、収容筒部38の内周面に、テフロン(登録商標)により摩擦低減層を形成してもよい。
【0049】
収容筒部38には、上述したようにブラシ部25が収容される。ブラシ部25は、図2(a)に示すように、収容筒部38において遠位端側の所定位置に収容され、具体的にはその遠位端部が収容筒部38の遠位端部と位置合わせされた状態で収容される。したがって、かかるブラシ部25の収容状態では、ガイド部26が収容筒部38の遠位端開口41から遠位側に突出されている。そして、このとき、ガイド部26の一部は、ワイヤ部27の軸線方向に直交する方向において収容筒部38の外周面よりも外側に延出している。つまり、ワイヤ部27の延長線からガイド部26の遠位端までの離間距離L3が、ワイヤ部27から収容筒部38の外周面までの離間距離L4よりも大きくなっている。
【0050】
上述したように収容筒部38の内径寸法は、複数の毛材28が自然状態にある場合におけるブラシ部25の外径寸法よりも小さくなっているため、ブラシ部25が収容筒部38に収容された状態では、複数の毛材28は、収容筒部38の内周面により外力が付与されることで、自然状態側に付勢された状態で近位側に倒れている。換言すると、複数の毛材28は、ワイヤ部27に対して起立する側に付勢された状態で近位側に倒れている。なお、ワイヤ部27に対して起立する側とは、毛材28とワイヤ部27とがなす角度(詳しくは鋭角側の角度)が大きくなる側を意味する。
【0051】
医療用器具20をカテーテルチューブ11に挿通して治療対象部位に搬送する際には、収容筒部38は、図2(a)に示すように、カテーテルチューブ11の管孔15において遠位端側に収容される。したがって、収容筒部38内のブラシ部25も同じく管孔15の遠位端側に収容される。すなわち、この状態が本カテーテル10の初期状態である。また、図2(b)に示すように、収容筒部38は、収容カテーテル22を遠位側に押し込むことにより、カテーテルチューブ11の管孔15の遠位端開口15aより同チューブ11の遠位端側へ導出可能となっている。そして、収容筒部38にブラシ部25を収容した状態で収容筒部38をカテーテルチューブ11から導出する際(図6(a)参照)には、収容カテーテル22と併せて血栓捕捉器具21を遠位側に押し込む。また、収容筒部38に収容された状態でカテーテルチューブ11から導出されたブラシ部25は、血栓捕捉器具21を収容カテーテル22に対して遠位側に押し込むことにより、収容筒部38の遠位端開口41から遠位端側に導出可能となっている。ブラシ部25が収容筒部38から導出されると、毛材28は自己の付勢力により自然状態に復帰する。
【0052】
次に、血栓捕捉器具21を用いて捕捉した血栓を回収するための回収カテーテル50について図5に基づいて説明する。なお、図5は、カテーテルチューブ11を横断面の状態で示す回収カテーテル50及びその周辺の構成を示す正面図であり、(a)が回収カテーテル50を構成する回収部52が拡張した状態を示し、(b)が同回収部52が収縮した状態を示している。
【0053】
図5に示すように、回収カテーテル50は、ワイヤ部51と、ワイヤ部51の遠位端部に設けられ血栓を回収するための回収部52とを備える。回収カテーテル50は、血栓捕捉器具21による血栓の捕捉が行われる際に、回収部52を先端とする向きでハブ12のポート部19からカテーテルチューブ11の管孔15に挿入され、所定の回収位置まで搬送される。なお、回収カテーテル50の上記管孔15への挿入は、収容カテーテル22がハブ12のポート部19を通じて外部に引き抜かれた後に行われる。
【0054】
ワイヤ部51は、ステンレス合金等の金属材料により形成されている。ワイヤ部51は、カテーテルチューブ11よりも長い長さ寸法を有しており、その近位端側がハブ12のポート部19を通じて外部に露出されている。
【0055】
回収部52は、ワイヤ部51の遠位端部に取り付けられており、図5(a)に示すように、遠位端及び近位端において開口されたメガホン状に形成されている。具体的には、回収部52は、その外径及び内径が近位端部から遠位端部に向かって徐々に大きくなる形状とされている。回収部52は、軸線方向における長さがブラシ部25の同方向における長さよりも長くなっており、ブラシ部25全体を内部に取り込むことが可能となっている(図5(b)参照)。
【0056】
回収部52における遠位端側の開口は、捕捉した血栓を当該回収部52内に取り込むための回収口55となっている。本回収カテーテル50では、ブラシ部25により捕捉した血栓をブラシ部25ごと、この回収口55を通じて回収部52に取り込む構成としている。そのため、回収口55の開口径は、ブラシ部25の最大外径であるブラシ部25の遠位端における外径とほぼ同じ大きさとされている。これにより、血栓の回収を好適に行えるようになっている。
【0057】
一方、回収部52における近位端側の開口56は、回収口55よりも開口径が小さくなっている。また、回収部52における同開口56側端部(すなわち近位端)の外径はカテーテルチューブ11の管孔15の孔径よりも小さくなっている。なお、回収口55と開口56とを介して回収部52の内側には、血栓捕捉器具21が挿通されており、かかる挿通状態で回収カテーテル50が所定の回収位置まで搬送されるようになっている。
【0058】
図5(a)及び(b)に示すように、回収部52は、上記メガホン状に形成された拡張状態と、その拡張状態よりも収縮した収縮状態とに変形可能とされている。回収部52は、弾性を有する材料により形成されており、その弾性に基づいて上記各状態に変形可能とされている。具体的には、回収部52は、超弾性合金であるNi−Ti合金により形成されており、より詳しくはNi−Ti合金の線材を編むことにより形成されている。そのため、回収部52の周壁部(回収部52の内外を区画する壁部)はメッシュ状(網目状)をなしている。また、メッシュを構成する線材間の隙間は、血栓の通過を阻止可能な大きさに設定されている。なお、図5では、図を簡略化するためメッシュを示しておらず、外形形状のみ示している。
【0059】
回収部52は、外力が加えられていない自然状態において、自己の付勢力により拡張状態となるように形成されている。回収部52は、拡張状態では上述したようにメガホン状となる一方、収縮状態では図5(b)に示すように、円筒状となるように構成されている。回収部52は、収縮状態では、開口56側端部の外径が拡張状態と同じであるのに対し、回収口55側端部の外径が拡張状態と比べ小さくなっている。具体的には、回収部52は、その収縮状態において、回収口55側端部の外径が開口56側端部の外径とほぼ同じとなるまで収縮されている。この場合、回収部52は、カテーテルチューブ11の管孔15の孔径よりも小さい外径を有する筒状体となり、管孔15内を挿通可能となる。
【0060】
回収部52には、当該回収部52を収縮状態にするための部材として、ポリアミド樹脂からなる操作用線57が設けられている。操作用線57は、カテーテルチューブ11よりも十分に長い長さ寸法を有しており、ハブ12のポート部19を通じてカテーテルチューブ11の管孔15に挿通されている。操作用線57は、遠位端から所定長さ分が回収部52の外周面における遠位端部に対し、同回収部52の外周方向に沿って約1周分巻き付けられている。
【0061】
回収部52の外周面には、同外周面に巻き付けられた操作用線57の巻き付け部分57aに沿って複数の規制部58が設けられている。規制部58は、操作用線57の巻き付け部分57aが巻き付け方向と異なる方向に位置ずれするのを規制するものである。具体的には、規制部58は、回収部52の外周面に向けて開口されたコ字状溝58aを有しており、そのコ字状溝58aに操作用線57を挿通させることで上記位置ずれを規制している。なお、操作用線57の巻き付け部分57aの遠位端部は、回収部52の外周面に固定されている。
【0062】
上記の構成において、回収部52が拡張状態(図5(a)の状態)にある場合に、操作用線57が近位側に向けて引っ張られると、図5(b)に示すように、操作用線57の巻き付け部分57aの巻き付け径が小さくなり、その結果回収部52の外周面には上記巻き付け部分57aから径方向内側への外力が作用する。これにより、回収部52は、拡張状態側への付勢力に抗して径方向内側に向かって縮小され、収縮状態に移行する。
【0063】
次に、上記医療用器具20を用いて血管内の血栓を除去する際の作業内容について図6に基づき説明する。なお、図6は、血栓を除去する作業を説明するための説明図である。
【0064】
まず、前もって血管内に挿入しておいたガイドワイヤGに沿わせて吸引カテーテル10を血管内に挿入し、カテーテルチューブ11の管孔15に挿通(収容)されている医療用器具20を血栓64の存在する治療対象箇所に搬送する作業を行う。なお、この挿入作業の際、医療用器具20は、血栓捕捉器具21のブラシ部25が収容カテーテル22の収容筒部38に収容された初期状態となっており、この初期状態では上述したようにブラシ部25の毛材28が近位側に倒れている。
【0065】
次に、図6(a)に示すように、血栓捕捉器具21のブラシ部25を収容カテーテル22の収容筒部38に収容した状態で、同ブラシ部25をカテーテルチューブ11の遠位端開口15aより遠位端側に導出させ、血栓64よりも遠位側に移動させる作業を行う。この作業は、血栓捕捉器具21及び収容カテーテル22の双方を遠位側に向けて同じ押込量で押し込むことにより行う。
【0066】
次に、図6(b)に示すように、収容カテーテル22を血栓捕捉器具21に対して近位側に後退させて、ブラシ部25を収容筒部38から遠位端開口41を通じて導出する作業を行う。これにより、ブラシ部25は、収容筒部38の内周面により付与されていた外力から解放され、各毛材28が自己の付勢力により自然状態に復帰する。そして、このとき各毛材28は、近位側に傾いた状態となっている。なお、その後、収容カテーテル22は、ハブ12のポート部19より外部に引き抜かれる。
【0067】
次に、回収カテーテル50を治療対象箇所に搬送する作業を行う。この作業は、ハブ12のポート部19から回収カテーテル50をカテーテルチューブ11の管孔15に挿通することにより行う。また、この挿通作業は、回収カテーテル50の回収部52の内側に血栓捕捉器具21を挿通させて行う。この作業では、図6(c)に示すように、回収部52(図6(c)では回収部52のほぼ全体)がカテーテルチューブ11の管孔15の遠位端開口15aを通じて同チューブ11よりも遠位端側に導出されるまで回収カテーテル50を遠位側に押し込む。回収部52がカテーテルチューブ11から導出されると、回収部52は自己の付勢力により拡張状態となり、その遠位端に設けられた回収口55が大きく開口される。なお、回収部52は、このとき血栓64よりも近位側に位置している。
【0068】
次に、血栓捕捉器具21により血栓64を除去するとともに、除去した血栓64を回収カテーテル50を用いて回収する作業を行う。血栓64の除去は、血栓捕捉器具21を近位側に後退させ、ブラシ部25を血栓64よりも近位側に移動させることにより行う。この場合、図6(d)に示すように、ブラシ部25が血栓64を通過する際に、毛材28により血栓64が捕捉される。なお、ブラシ部25が血栓64を通過する際、さらに血栓捕捉器具21をその軸線を中心として回転させれば、ブラシ部25の回転により毛材28によって血栓64を絡め取るように捕捉できる。
【0069】
ここで、毛材28による血栓64の捕捉についてさらに説明すると、上述したように、ブラシ部25が血栓64の遠位側において収容筒部38から導出された状態では、毛材28は近位側に倒れているため、ブラシ部25が近位側に移動する際、毛材28は近位側に傾いた状態に又はブラシ部25から直立した状態となり易い。そのため、本構成では、ブラシ部25が血栓64を通過する際に、血栓64に毛材28を引っ掛け易くなっており、血栓を好適に捕捉することが可能となっている。
【0070】
ブラシ部25により血栓を捕捉した後、血栓捕捉器具21をさらに近位側に移動させることにより、ブラシ部25を回収カテーテル50の回収部52内に回収口55を通じて取り込む。これにより、ブラシ部25により捕捉された血栓がブラシ部25ごと回収部52に回収される。
【0071】
次に、図6(e)に示すように、回収カテーテル50の操作用線57を近位側に引っ張り回収部52を収縮状態とするとともに、収縮状態とした回収部52を回収カテーテル50を近位側に後退させることによりカテーテルチューブ11の管孔15に導入する作業を行う。回収部52が収縮状態とされると、回収部52の回収口55が絞られるため、血栓が外部に漏れるのを抑制しつつ血栓の回収ができる。その後、回収カテーテル50を吸引カテーテル10の内部から、すなわち体内から抜き取る作業を行う。これにより、一連の血栓除去作業が終了する。
【0072】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0073】
血栓捕捉器具21に、ワイヤ部27と該ワイヤ部27に放射状に設けられた複数の毛材28とからなるブラシ部25を設け、このブラシ部25を収容する収容筒部38を有する収容カテーテル22を備えた。そして、収容筒部38にブラシ部25を収容した状態において、複数の毛材28が、収容筒部38の内周面により外力が付与されることで、自らの付勢力によりワイヤ部27に対して起立する側に付勢されながら近位側に倒れるようにした。この場合、ブラシ部25が収容筒部38の遠位端開口41から遠位側に導出された場合に、毛材28を近位側に傾いた状態とし易いため、血栓捕捉器具21を近位側に引き戻してブラシ部25により体内の異物を捕捉する際、毛材28を異物に引っ掛け易くすることができる。これにより、体内の血栓64を好適に除去することができる。
【0074】
複数の毛材28を、外力が加えられていない自然状態において近位側に傾くように形成した。この場合、ブラシ部25が収容筒部38から遠位側に導出された場合において、より一層毛材28を近位側に傾いた状態とし易い。そのため、毛材28を血栓64に対してより一層引っ掛け易くすることができ、血栓を除去する効果を高めることができる。
【0075】
ワイヤ部27を構成するワイヤ29aをブラシ部25よりも遠位端側に延出させ、その延出した部分によりガイド部26を構成した。そして、ガイド部26を収容筒部38の遠位端開口41より遠位端側に突出させた状態で、ブラシ部25を収容筒部38に収容した場合に、ガイド部26の一部が、収容筒部38の軸線方向に直交する方向において収容筒部38の外周面よりも外側に延出するように、ガイド部26に湾曲部34を形成した。この場合、収容筒部38にブラシ部25を収容した状態で血栓捕捉器具21を体内の治療対象部位に搬送する際、ガイド部26を用いて血栓捕捉器具21を当該部位に導くことができる。したがって、例えば血栓捕捉器具21を分岐血管を通じて搬送する際には、ガイド部26により血栓捕捉器具21を目的の血管の方に導くことができる。そして、この搬送に際し、ガイド部26を収容筒部38よりも先に血管の壁に接触させることができるため、ガイド部26のガイド機能が損なわれるのが抑制されている。これにより、収容筒部38にブラシ部25を収容した状態で血栓捕捉器具21を治療対象部位に搬送する場合に、当該血栓捕捉器具21を好適に搬送することができる。
【0076】
また、湾曲部34を、ブラシ部25よりも遠位端側に設けたため、ブラシ部25の途中位置にて湾曲が生じている構成と比べ、ブラシ部25の血栓に対する外力のかかり具合を調整し易い。よって、ブラシ部25による血栓の捕捉機能、及びガイド部26によるガイド機能を共に高めることが可能となる。
【0077】
複数の毛材28の一部については、収容筒部38による外周側からの外力の付与が解除された場合に、ワイヤ部27の延長線上から離間される側にガイド部26よりも延出するように形成したため、当該一部の毛材28についてはブラシ部25により血栓64を捕捉する際、ガイド部26よりも先に血栓64に接触させることができる。これにより、血栓捕捉器具21がガイド部26を有する構成においても、毛材28を血栓に確実に引っ掛けることができ、血栓を好適に捕捉することができる。
【0078】
ブラシ部25における毛材28の密度を、ブラシ部25において遠位端側よりも近位端側の方を低くした。この場合、ブラシ部25の近位側では毛材28の密度が比較的低くなっているため、ブラシ部25により血栓を捕捉した後、血栓が付着したブラシ部25を回収カテーテル50の回収部52に入れ易くすることができる。そのため、血栓の回収作業の容易化を図れる。一方、ブラシ部25の遠位側では毛材28の密度が比較的高くなっているため、かかる構成においても血栓を好適に捕捉できる。
【0079】
複数の毛材28について、ブラシ部25における遠位端側のものよりも近位端側のものの方が軟らかくなるように形成した。この場合、ブラシ部25の近位側では毛材28が比較的軟らかくなっているため、ブラシ部25により体内の血栓を捕捉した後、血栓が付着したブラシ部25を回収カテーテル50の回収部52に入れ易くすることができる。そのため、血栓の回収作業の容易化を図れる。一方、ブラシ部25の遠位側では、毛材28が比較的硬くなっているため、かかる構成においても血栓を好適に捕捉できる。
【0080】
複数の毛材28について、その長さがブラシ部25における遠位端側のものよりも近位端側のものの方が短くなるように形成した。この場合、ブラシ部25の近位側では毛材28が比較的短くなっているため、ブラシ部25により体内の血栓を捕捉した後、血栓が付着したブラシ部25を回収カテーテル50の回収部52に入れ易くすることができる。そのため、血栓の回収作業の容易化を図れる。一方、ブラシ部25の遠位側では、毛材28が比較的長くなっているため、かかる構成においても血栓を好適に捕捉できる。
【0081】
〔第2の実施形態〕
本実施形態では、ステントを用いて血栓を破壊し、その破壊した血栓を捕捉するために医療用器具20を用いることとする。以下、このようにして血栓の除去を行う際の作業内容について図7に基づき説明する。なお、図7は、血栓を除去する作業を説明するための説明図である。
【0082】
図7に示すように、まず上記第1の実施形態と同様の手順(図6(a)及び(b)の手順)で、血栓捕捉器具21のブラシ部25を血栓64よりも遠位側に搬送する。すなわち、収容カテーテル22の収容筒部38にブラシ部25を収容した状態で、同ブラシ部25を血栓64よりも遠位側に搬送する。搬送後、カテーテルチューブ11及び収容カテーテル22(つまり、血栓捕捉器具21を除く吸引カテーテル10全体)を体内から抜き取る。これにより、上記第1の実施形態と同様、ブラシ部25は、毛材28が近位側に傾いた状態で血栓64の遠位側に位置される。
【0083】
続いて、ステント61を、血栓捕捉器具21のコアワイヤ24に沿って血栓64の形成箇所に搬送する。この搬送は、ステント61の内側にコアワイヤ24を挿通させた状態で行う。なお、ステント61は、ステンレス等の金属材料により円筒状に形成されたバルーン拡張型ステントであり、ステント61の内側に設けられるバルーンの拡張力により収縮状態からそれよりも外径の大きい拡張状態に変形されるものとなっている。
【0084】
次に、バルーンを拡張させることにより、ステント61を収縮状態から拡張状態に移行させる。これにより、径方向に拡張したステント61により血管壁に付着した血栓64が破壊される。この場合に、血栓64が存在していた箇所よりも血流方向の下流側には、血栓捕捉器具21が事前に配置されているため、上記破壊された血栓の小片は当該血栓捕捉器具21により捕捉される。続いて、血栓捕捉器具21を近位側に後退させ、当該破壊した血栓をブラシ部25により捕捉する。そして、上記第1の実施形態と同様の手順(図6(c)〜(e)の手順)で、回収カテーテル50により当該捕捉した血栓を回収する。
【0085】
〔他の実施形態〕
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0086】
(1)上記各実施形態では、毛材28を、外力が加えられていない自然状態において、ワイヤ部27に対して近位側に傾くように形成したが、ワイヤ部27から直立するように形成したり、遠位側に傾くように形成してもよい。かかる場合においても、毛材28が近位側に倒れた状態で、収容筒部38にブラシ部25を収容すれば、ブラシ部25を収容筒部38から遠位側に導出した際に毛材28を近位側に傾いた状態とし易くすることができ、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0087】
(2)上記各実施形態では、複数の毛材28について、その長さが、ブラシ部25の近位端側のものから遠位端側のものに向かって長くなるように形成したが、これを変更して、近位端側のものから遠位端側のものに向かって短くなるように形成し、ブラシ部25が上記実施形態とは逆のテーパ形状となるようにしてもよい。また、複数の毛材28の長さを、ブラシ部25の遠位端から近位端に亘って同じ長さとしてもよい。また、近位端側及び遠位端側を長くし、中間部を短くするようにしてもよい。
【0088】
(3)上記各実施形態では、複数の毛材28について、その硬さが、ブラシ部25の近位端側のものから遠位端側のものに向かって硬くなるように形成したが、これを変更して、近位端側のものから遠位端側のものに向かって軟らかくなるように形成してもよいし、ブラシ部25の遠位端から近位端に亘って同じ硬さとしてもよい。
【0089】
(4)上記各実施形態では、ブラシ部25における毛材28の密度を、ブラシ部25の近位端側から遠位端側に向かって高くしたが、これを変更して、ブラシ部25の近位端側から遠位端側に向かって低くしてもよいし、ブラシ部25の遠位端から近位端に亘って同じ密度としてもよい。
【0090】
(5)上記各実施形態では、血栓捕捉器具21により捕捉した血栓を回収カテーテル50を用いて回収したが、回収カテーテル50を用いないで血栓を回収してもよい。例えば、血栓捕捉器具21により血栓を捕捉した後、血栓捕捉器具21を近位側に後退させることでブラシ部25をカテーテルチューブ11の管孔15に導入し、その後、血栓捕捉器具21をカテーテルチューブ11(すなわち体内)から引き抜くことで、血栓を回収することが考えられる。また、この場合、カテーテルチューブ11の遠位端部を径方向に拡張可能な拡張部として形成してもよい。そうすれば、血栓の回収時において拡張部を径方向に拡張させることにより、血栓を好適に回収することができる。
【0091】
また、血栓捕捉器具21により捕捉した血栓を吸引カテーテル10(詳細には吸引部)による吸引により除去してもよい。また、吸引カテーテル10による吸引を行いながら、血栓捕捉器具21による捕捉を行ってもよい。
【0092】
(6)上記各実施形態では、複数の毛材28の少なくとも一部については、収容筒部38による外力の付与が解除された場合(自然状態にある場合)に、ワイヤ部27の軸線方向に直交する方向においてガイド部26よりも離間側に延出するように形成したが、これを変更してもよい。例えば、図8に示すように、ガイド部26を、その一部がワイヤ部27の軸線方向に直交する方向において、自然状態における複数の毛材28よりも離間側に延出するように形成してもよい。つまり、ガイド部26の遠位端からワイヤ部27の延長線までの離間距離L5を、自然状態における毛材28の先端、詳しくはブラシ部25遠位端における毛材28の先端からワイヤ部27の延長線までの離間距離L6よりも小さくしてもよい。この場合、ブラシ部25により血栓を捕捉する場合等、ブラシ部25を収容筒部38から導出し単独で血管内を移動させる際に、複数の毛材28よりも先にガイド部26を血管の壁に接触させることができるため、血栓を捕捉すべく血栓捕捉器具21を近位側に引っ張る際に、毛材28が血管壁において血栓が生じている箇所以外の箇所に接触しづらくなる。
【0093】
なお、血栓捕捉器具21には必ずしもガイド部26を設ける必要はなく、治療対象部位まで分岐血管を経由させることなく血栓捕捉器具21を搬送できる場合等にはガイド部26を不具備としてもよい。
【0094】
(7)上記各実施形態では、ブラシ部25(詳しくは毛材集合体)の外縁形状を、詳しくはブラシ部25をワイヤ部27の軸線に対して直交する面で切断した場合におけるブラシ部25の断面の外縁形状を、円形状としたが、これをその他の形状としてもよい。例えば、三角形状等の多角形状としたり星形形状としたりすることが考えられる。
【0095】
(8)上記各実施形態では、1本のフィラメント31により2つの毛材28(線部)を形成したが、1本のフィラメントにより3つ以上の線部を形成してもよい。その一例を図9に示す。図9では、フィラメント67が、ワイヤ部27の長さよりも長い長さ寸法を有しており、その長さ方向における複数箇所において折り返されて形成されている。フィラメント67は、上記折り返された折り返し部68によって複数の部分67aに区画されており、その区画された各部分67aがそれぞれ中間位置においてワイヤ部27の各ワイヤ29間に挟み込まれている。この場合、折り返し部68を頂点とした山形状の線部70が、ワイヤ部27から起立するようにして複数形成される。したがって、かかる構成においても、それらの線部70により血栓を捕捉することができる。また、かかる構成では、線部70の先端(すなわち折り返し部68)を上記実施形態の毛材28の先端よりも丸みを帯びて形成できるため、ブラシ部25を血管内で移動させる際、線部70による血管壁部の傷付きを抑制できる。さらに、複数の線部70が一連物のフィラメント67により構成されているため、上記実施形態の場合と比べ、フィラメント67がワイヤ部27から抜けるのを抑制することもできる。
【0096】
(9)血栓捕捉器具21において、コアワイヤ24と、ワイヤ部27と、ガイド部26とを同一の部材により構成してもよい。すなわち、血栓捕捉器具21を構成するシャフト部を一連物の単一部材により形成してもよい。例えば、コアワイヤ24を、上記各実施形態のものよりも遠位端側に延出させて形成し、その延出させた部位を用いて毛材28の取付部分(ワイヤ部27に相当する部分)及びガイド部を構成することが考えられる。また、この場合、シャフト部をパイポ管等の細径チューブにより形成してもよい。
【0097】
(10)上記実施形態では、シャフト部においてガイド部26に湾曲部34を設けたが、これを変更し、ガイド部26よりも近位側部分に湾曲部を設け、これによりガイド部26の一部を、ワイヤ部27の軸線方向に直交する方向において収容筒部38の外周面よりも外側に延出させるようにしてもよい。湾曲部は、例えばブラシ部25におけるワイヤ部27の途中部位に設けることが考えられる。
【0098】
(11)上記各実施形態では、医療用器具20を、すなわち血栓捕捉器具21及び収容カテーテル22を吸引カテーテル10(カテーテルチューブ11)を用いて治療対象部位に搬送したが、ガイディングカテーテル等その他のカテーテルを用いて搬送してもよい。また、カテーテルチューブ11を用いないでこれら各部材21,22を搬送してもよい。この場合、収容カテーテル22に、ガイドワイヤを挿通させるルーメンを有するガイドチューブを取り付けることにより、ガイドワイヤに沿わせて収容カテーテル22を、つまりは収容筒部38にブラシ部25が収容された状態で血栓捕捉器具21及び収容カテーテル22を搬送できるようにしてもよい。
【0099】
(本明細書の開示範囲から抽出される他の発明について)
以下に、本明細書の開示範囲内において課題を解決するための手段欄に記載した発明以外に抽出可能な発明について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
【0100】
(A−1)シャフト部と、該シャフト部の遠位端側において放射状に設けられた複数の線部と、を有し、
前記複数の線部と、前記シャフト部におけるそれらの線部が設けられた部位とによりブラシ部が形成された血栓捕捉器具であって、
前記ブラシ部における前記線部の密度は、前記ブラシ部において遠位端側よりも近位端側の方が低くなっていることを特徴とする血栓捕捉器具。
【0101】
本発明によれば、ブラシ部の近位側において線部の密度が比較的低くなっているため、ブラシ部により体内の異物を捕捉した後、血栓捕捉器具を近位側に引き込む等して異物の付着したブラシ部を回収部材に入れ込む際、ブラシ部を回収部材に入れ易くすることができる。そのため、異物の回収作業の容易化を図れる。一方、ブラシ部の遠位側では線部の密度が比較的高くなっているため、かかる構成においても異物を好適に捕捉できる。
【0102】
(A−2)シャフト部と、該シャフト部の遠位端側において放射状に設けられた複数の線部と、を有し、
前記複数の線部と、前記シャフト部におけるそれらの線部が設けられた部位とによりブラシ部が形成された血栓捕捉器具であって、
前記複数の線部は、前記ブラシ部における遠位端側のものよりも近位端側のものの方が軟らかくなるように形成されていることを特徴とする血栓捕捉器具。
【0103】
本発明によれば、ブラシ部の近位側において線部が比較的軟らかく形成されているため、ブラシ部により体内の異物を捕捉した後、血栓捕捉器具を近位側に引き込む等して異物の付着したブラシ部を回収部材に入れ込む際、ブラシ部を回収部材に入れ易くすることができる。そのため、異物の回収作業の容易化を図れる。一方、ブラシ部の遠位側では、線部が比較的硬く形成されているため、かかる構成においても異物を好適に捕捉できる。
【符号の説明】
【0104】
10…吸引カテーテル、20…医療用器具、21…血栓捕捉器具、22…収容カテーテル、25…ブラシ部、26…ガイド部、28…線部としての毛材、34…湾曲部、38…収容筒部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト部と、該シャフト部の遠位端側において放射状に設けられた複数の線部と、を有する血栓捕捉器具を備え、
前記血栓捕捉器具には、前記複数の線部と、前記シャフト部におけるそれらの線部が設けられた部位とによりブラシ部が形成され、そのブラシ部を用いて体内の異物を除去する医療用器具であって、
前記ブラシ部を内部に収容する収容筒部を有する収容カテーテルを備え、
前記収容筒部に前記ブラシ部が収容された状態において、前記複数の線部は、前記収容筒部の内周面により押さえつけられることで、自らの付勢力により前記シャフト部に対して起立する側に付勢されながら近位側に倒れていることを特徴とする医療用器具。
【請求項2】
前記複数の線部は、外力が加えられていない自然状態において近位側に傾くように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用器具。
【請求項3】
前記シャフト部は、
前記ブラシ部よりも遠位端側に延出したガイド部と、
該ガイド部が前記収容筒部の遠位端開口から遠位端側に突出した状態で前記ブラシ部が前記収容筒部に収容されている場合に、前記ガイド部の一部が前記収容筒部の軸線方向に対して直交する方向おいて前記収容筒部の外周面よりも外側に延出するように、前記シャフト部を湾曲させる湾曲部と、
を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用器具。
【請求項4】
前記湾曲部は、前記ブラシ部よりも遠位端側に存在していることを特徴とする請求項3に記載の医療用器具。
【請求項5】
前記シャフト部は、前記ブラシ部よりも遠位端側に延出しており、その延出した部分はそれよりも近位側部分の延長線上から離間される側に向けて延出したガイド部となっており、
前記複数の線部の少なくとも一部については、前記収容筒部による外周側からの外力の付与が解除された場合に、前記ガイド部よりも前記離間される側に延出するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の医療用器具。
【請求項6】
前記ブラシ部における前記線部の密度は、前記ブラシ部において遠位端側よりも近位端側の方が低くなっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の医療用器具。
【請求項7】
前記複数の線部は、前記ブラシ部における遠位端側のものよりも近位端側のものの方が軟らかくなるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の医療用器具。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−100833(P2012−100833A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251214(P2010−251214)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(393015324)株式会社グツドマン (56)
【Fターム(参考)】