説明

医療用途における双方向超音波による深さ測定法

骨(または他の組織)へ向かう経路に沿った骨の内部構造を特定するための装置を開示する。該装置は、経路の方向で骨に向けて液体噴射を実現する液体貯蔵器に流体的に接続されたノズルと、液体噴射を介して超音波を生成し、経路に沿った骨の構造の変化を特徴づける骨の音響インピーダンスの変化によって生じる超音波のエコーを検出する超音波変換器と、エコーを経路に沿った構造上の変化の位置に関する有効な情報に解釈する分析器とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術中の改良された深さ測定のための方法および装置に関する。より詳細には、液体噴射口を含む、または液体噴射口を付加することができるいずれかの医療用器具と、該器具の前方の経路に沿って骨の内部構造を特定し、該経路に沿った構造上の変化の位置を測定するために、この液体の噴射を介して超音波を伝送しエコーを検出する超音波生成器とを提供する。
【背景技術】
【0002】
本発明を以下、歯科手術に関連して説明する。しかし本発明の用途は、歯科手術のみに限定されるものではなく、実際には、整形外科などで組織および骨の中に貫入することを目的とする医療器具の使用を含む任意の手術、一般的な手術および他のそのような分野を含む。
【0003】
下顎または上顎での口腔および上顎顔面手術で行なわれる移植処置を計画する場合、患者はX線撮影、X線断層撮影(CT)およびパノラマ撮影を受ける。外科医は、これらの画像から移植処置を計画することができ、また、神経およびこの骨の厚みを包含する管の深さなどの下顎に関するデータを取得することができる。これらの撮影方法は、ドリルの底部と神経を包含する管の上部との間の距離に関して、外科医に所望のリアルタイムの情報を提供しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は穿孔過程中、外科医を誘導し、これにより手術中の創傷の回避を向上させることによって、CTおよびパノラマ撮影によって取得される情報を完全なものにする。移植手術過程中、歯科ドリルの底部と患者の骨の脆弱な部分(下顎の下部にある神経を包含する管など)の間の距離を測定するための方法および装置を提供する。例えば本発明は、移植手術中、歯科医に患者の骨の中でのドリルの先端のリアルタイムの誘導位置を提供するために、歯科用ドリルに組み込むことができる。
【0005】
本発明により外科医は、患者の骨の傷つきやすい領域に対するドリルの先端の場所を知ることができる。これは特に、ドリルの経路上にある神経または血管などの骨の脆弱な領域の創傷を回避するために、ドリルの深さが慎重に監視され誘導されなければならない場合に、外科的処置の効率、安全性および確実性を向上させる。
【0006】
本発明は、超音波(US)照射によって周辺の骨に対するドリルの底部の位置を測定し、外科医が直ぐに利用できるその情報を作成する。超音波は、ドリルから流れる液体の噴射を介して送受される。
【0007】
液体噴射を介する超音波伝送は、ドリル装置でその位置におけるドリルの確認センサとして(US5850184)、歯から歯垢を除去し、歯を清掃する歯科用器具として(US5013241)、歯垢を除去するための高速振動噴射ストリーム(US4012842)、水の噴射を介して、歯に超音波エネルギーを伝送する超音波歯科清掃器具を適用することによって、歯のひびを検出する赤外線撮影システムとして記載された。これにより歯の中のひびが熱くなり、この熱くなったひびが放射する熱放射を検出するために、温度カメラが使用される(US6437334B1)。
【0008】
別の可能性は、超音波を担持する水の噴射で角度をつけて掃引することであり、これにより一部のまたは多くの画像を取得することができる。
【0009】
超音波照射は、多くの医療用の診断用途で使用される証明された技術であり、また、密度、構造および伝播速度などの骨の診断に適用された(US6030221、US5006984、US5115813、US5402781、US5518008,US5564423、US5651363)。これらのパラメータは、先に記載した距離の正確な値を調査するのに重要である。本発明の使用中に適用される照射レベルは、診断における許容範囲内にあり、したがって患者または外科医に害を与えるものではない。照射領域の温度勾配は、特に本発明のケースのように超音波照射が液体噴射を介して伝送される場合に、無視することはできない。
【0010】
本発明は、例えば下顎骨内移植において、下顎および上顎で深さ測定が必要とされる手術に特に有利である。
【0011】
この種の手術における本発明の別の利点は、歯科器具から流れる既存の液体(通常は蒸留水)の噴射を介して超音波照射を加えることである。したがって、追加の手段は必要とされず、本発明に適合されたドリルの寸法を小さく保ち、口内のような限定された空間内の作業にかなり適している。
【0012】
本発明は、外科医にリアルタイムの情報を提供し、他の満足いく撮影がされない代替品と比べて比較的費用がかからず、患者と外科医の両方にとって時間の短縮になる(撮影装置を出し入れしたり、外科的処置を中断させる必要がないため)。
【0013】
要約すると本発明の主要な目的は、ドリルの底部から周辺の骨への距離を測定するために歯科手術で使用するプローブを提供することであり、該プローブは、超音波信号を送受する機構と、組織までの距離を特定するために超音波信号を処理する機構と、その情報を外科医に伝達する機構を備える。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって本発明の好ましい実施形態によって、骨の中へ向かう経路に沿った骨の内部構造を特定する装置が提供され、該装置は、
経路の方向で骨に向けて液体噴射を実現する液体貯蔵器に流体的に接続されたノズルと、
液体噴射を介して超音波を生成し、経路に沿った骨の構造の変化を特徴づける骨の音響インピーダンスの変化によって生じる超音波のエコーを検出する超音波変換器と、
エコーを経路に沿った構造上の変化の位置に関する有効な情報に解釈する分析器とを
備える。
【0015】
さらに、本発明のいくつかの好ましい実施形態によると、装置は外科用器具に組み込まれる。
【0016】
さらに、本発明のいくつかの好ましい実施形態によると、外科用器具はドリルである。
【0017】
さらに、本発明のいくつかの好ましい実施形態によると、ドリルは中空であり、液体噴射がドリルの中を進むことが可能である。
【0018】
さらに、本発明のいくつかの好ましい実施形態によると、液体噴射口はドリルの先端に向かってドリルの外側にある、
さらに、本発明のいくつかの好ましい実施形態によって骨の中へ向かう経路に沿った骨の内部構造を特定する方法が提供され、該方法は、
経路の方向で骨に向けて液体噴射を実現することと、
液体噴射を介して超音波を生成し、経路に沿った骨の構造の変化を特徴づける骨の音響インピーダンスの変化によって生じる超音波のエコーを検出することと、
エコーを経路に沿った構造上の変化の位置に関する有効な情報に解釈することとを含む。
【0019】
さらに、本発明のいくつかの好ましい実施形態によると、該方法は手術に組み込まれる。
【0020】
さらに、本発明のいくつかの好ましい実施形態によると、手術は骨に穿孔することを含む。
【0021】
さらに、本発明のいくつかの好ましい実施形態によると、該方法は穿孔と同時に実施される。
【0022】
さらに、本発明のいくつかの好ましい実施形態によると、該方法は穿孔が中断されるとき実施される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、同様の構成要素は同様の参照番号が付される添付の図面を参照して、例示の目的でのみ本明細書に記載される。
【0024】
本発明は、吹き付ける噴射の方向で経路に沿った内部構造を特定するために、骨または他の組織またはそれらの組合せ(以下骨とする)を目指して、蒸留水などの液体噴射の誘導を介して超音波(US)を伝送することに基づいている。超音波のエコーは、内部構造の変化を特徴づける骨の音響インピーダンスの変化を特定し、その経路に沿った変化の位置を特定するのに使用される。
【0025】
本発明による好ましい一実施形態で、装置は、器具がそれに沿って骨に貫入する経路に関する情報、具体的には骨の構造上の変化までの距離を外科医に提供し、これにより脆弱な組織に損傷を与える危険性を回避または大きく減少させるために、ドリルまたは他の貫入用医療装置に組み込まれる。
【0026】
しかしながら、本発明はこのような合体に限定されるものではなく、本発明のいくつかの好ましい実施形態による基本的な装置は、液体噴射に担持される超音波を骨の表面に供給するため、および吹き付ける噴射の前方の経路に沿った骨の構造上の変化から反射されるエコーを検出するために超音波変換器を設置することのみを含む。
【0027】
本発明によって実現する測定は、物質の中を通る超音波の伝播が基礎になる。伝播速度に変化があると(すなわち音響インピーダンスの変化)、反射が得られる。これらのエコーは、検出され最終的に電子信号をもたらし、この信号は、最終的に反射が生じた場所の距離(検査媒体の中を通る所定の伝播速度は、これらの超音波測定からわかる)として解釈される。
【0028】
骨の中を通る超音波の伝播速度は変化することが知られている。これは上顎と下顎では異なる。また、男女でも異なる。年齢によって異なることもある。また、骨内で位置が異なると変化する。これを克服し測定において考慮するために、複数の方法を組み合わせてもよい。例えばこれらは、伝送されたパルスと受信したエコーとの間の時間間隔を測定することと、同時に骨の伝播速度を測定することとを含む。
【0029】
したがって、距離測定を正確に行なうために、波が伝送され受信される間の時間ならびに所望の深さでの伝播速度の両方を同時に測定することが重要である。
【0030】
超音波は、液体の噴射を介してドリルによって形成された穴の底部に、およびこの穴の底部の下の骨へ向けて伝送される。超音波が横切る物体の音響上の特性の急激な変化は、超音波エコー(反射)を生成する。
図1は原則として、本発明で使用するために超音波のこの特性を用いる方法を示す。電力信号32は、電力回路33から超音波変換器68へ送信される。制御電子機器31は、電力回路33を制御する。以下のケースでは、超音波変換器68は、軟質層26および骨22を通って超音波34を伝送する。超音波34は、神経管20(神経24を包含する)にぶつかり、別個の(ミラー様の)反射36を生成する。反射36が、管20から骨22および軟層26を介して戻ると、同様の(弱まった)反射が得られるが、これは異極性を有する。反射36は超音波変換器68で受信され、この変換器は、データ信号38を信号処理ユニット37へ逆に伝え、このユニットは、反射の原因までの距離を計算し(ソフトウェアによって)、その結果を、典型的にはテキストまたはグラフィック出力39として外科医に提供する。
【0031】
本発明の好ましい実施形態で、典型的には10から20MHzの周波数範囲であり、いずれの波も1周期から数周期のわずかの間持続する正弦波形を有する1μsec以下の標準的な超音波の持続時間で、患者の超音波検査を事前にプログラムすることが可能である。これらはサンプル規格であり、本出願によって変更することができる。これらは、例示の目的で本明細書に提示され、本明細書の範囲を限定するものではない。
【0032】
図2aは、本発明の好ましい実施形態による双方向超音波による深さ測定装置81において、液体噴射口に組み込まれた超音波変換器を示す。超音波変換器68は、液体52(通常は蒸留水)が中を流れる容器67内に配置される。液体52は主貯蔵器50で始まり、栓56が開くと、ポンプ54によってパイプ58を通って前方貯蔵器62へと汲み出される。前方貯蔵器62からの液体の出力は、漏斗およびチューブ72(典型的には1mmから2.5mmの範囲の直径を有する)から外へ進み、隣接する組織または直接骨に向かって流れる。ポンプは好ましくは、医学的考察により一定の質量流量を送り出すが、これは超音波測定システムの要件ではないので、本発明はこのようなポンプに限定されない。この種のポンプの例としては、OsseoCare商標、Nobel Biocare AB, Swedenによる穿孔装置であり、これはまた骨の組織の機械的過負荷を回避するためにトルクリミッターを含む。超音波変換器68は、制御ユニット、電力ユニット、信号処理ユニット、出力ユニットおよび変換器のサブユニットなどの電子回路に電気的に接続64される。超音波変換器68からの/そこへの超音波送受信号70は、液体52の経路74をたどる。
【0033】
本発明に密接な関係があるのは、噴射が、変換器と隣接する組織または骨との間に媒体を形成するために、超音波変換器が伝送する波と受信する反射とが液体噴射を介して進むように、超音波変換器が配置されることであることに留意されたい。液体噴射を実現するいくつかの機構が知られている。本発明の液体噴射を生成するためにどの具体的な機構を使用するかは変更することができ、本発明の変換器が、隣接する組織または骨に対して噴射を介して送受するように配置される限り、本発明にとって不可欠なことではない。本発明の好ましい実施形態で、液体噴射は、歯科用ドリルの通常の操作(骨およびドリルを冷却し、穿孔された物質の穴を清掃する)、および本発明の双方向超音波による深さ測定の操作の両方に作用するように適合される。
【0034】
図2bは、本発明の別の好ましい実施形態による双方向超音波による深さ測定装置81を示し、前端電子機器76は、信号損失を減少させ、これにより信号対ノイズの比(S/N)を増大させるために、超音波変換器68に近接して配置される。前端電子機器76は、前置増幅器および信号処理ユニットの一部などの電子回路の一部を包含する。図3aは、本発明の別の好ましい実施形態による、外科用歯科ドリル84に組み込まれた双方向超音波による深さ測定装置81を示す。ドリル84は、標準的な歯科用ドリルであり、典型的には電力ケーブル80を備え、該ケーブルは電圧を電気モータ82に供給し、該モータはシャフト84を回転させ、該シャフトは、連動してドリルビット88(ドリルロック90で適所にロックされる)を回転させる。噴射は、噴射とドリルの間に形成される一定の角度を有し、ドリルの先端に、または先端のすぐ前方の目標物を目指してドリル88の側部に沿って向けられる。
【0035】
図3bは、図3aに示すものと同様ではあるが、ドリルに沿って形成されるダクトを介して、この先端内の液体噴射がドリルを通って進む歯科用ドリルの先端を示す。
【0036】
本発明の装置を使用する実際の距離測定は、ドリルを使用中のとき(噴射がドリルを通って進む図3bに示す実施形態の場合のような)、あるいはドリルが作動していない、または穿孔された穴から引っ込められたときにも、同時にその穴へ噴射を向けるときに実行することができる。噴射がドリルの側部に沿ってドリルと小さい角度を形成する場合、最善の結果のためにドリルを穿孔された穴から引き抜き、穴の底部にほぼ垂直に噴射を向けることが効果的である場合がある。
【0037】
双方向超音波による深さ測定装置は、ドリル84に組み込むために適合されたいくつかの構成要素を含めて本明細書中に先に記載された構成要素を備える。これらは、漏斗およびチューブ72から金属チューブ55に及ぶ可撓性パイプ53の追加の部分を含み、この部分は、ドリルビット88に隣接した箇所でドリル84を出て、これによりドリルビット88に隣接して、伝送された超音波を担持する液体の出口を形成する。液体は、その通常の機能であるドリルの穴の清掃および冷却と、新規の機能(本発明によって提供されるような)である超音波の伝送の媒体としての作用の両方の機能を果たす。
【0038】
(図3aまたは図3bに示す実施形態で、前端電子機器76は、図2Bでのように、信号損失を低減する(およびこれによりS/Nを増大させる)ために搭載される。あるいは、すべての深さ測定装置81の電子機器は、後方端部に実装され、電気的接続64を介して超音波変換器に接続されてもよい。)
図1および図3aおよび3bを参照すると、穿孔過程中制御ユニット31は、超音波変換器68による超音波34の伝送を引き起こす(自動的にまたは手動で)。変換器68によって受信される異なる密度の組織から戻る超音波反射は、リンク64を介して処理ユニット37へ進み、この処理ユニットは、下顎に穿孔された穴の底部から神経を包含する管20の上部への距離を計算し(ミラー様の反射を有する)、外科医がそれらを検査することができる出力ユニット39にその結果を出力する。典型的にはこの出力は、英数字のまたは図式による表示で表示されて外科医に提供される。
【0039】
図4は、本発明の好ましい実施形態による双方向超音波による深さ測定装置が組み込まれた歯科用ドリルにおいて、液体の噴射を介して超音波が伝播する方法を示す。骨22の穴94に流れ込む液体の噴射52は、骨22への超音波の伝送34、および神経管20からの超音波の反射36の受信の媒体として作用する。
【0040】
下顎の場合、深さは、穴94の底部と神経管20の上部の間でリアルタイムで測定される。深さ測定結果は好ましくは英数字情報として表示され、穿孔された穴94の下部と、神経管20などのドリルが回避しなければならない傷つきやすい組織の上方端部との間の距離(深さ)の正確な表示を外科医に与える。代替の表示も可能である(例えば、該距離の図式による表示)。
図5は、本発明の好ましい実施形態による双方向超音波による深さ測定装置を備える歯科用ドリルの回路の詳細な構成図を示す。この構成図は、アナログ200モードで作動し、それ以外はデジタル300モードで作動する。これらの回路により、超音波の伝送および超音波反射の受信の改良されたノイズフィルタリングおよび信号増幅を実現する。増幅された信号のタイミングが測定され、骨を通る超音波パルスの知られた伝播速度を想定して、上述のようにドリル穴の底部から神経管までの距離が測定され表示される。
【0041】
電力は電源100から送信器104へ供給され、この送信器は、信号生成器102から信号を受信する。送信器104は超音波を伝送し電子スイッチ106を作動させ、該スイッチは、受信器前置増幅器および増幅器110を作動させ、該増幅器は、異なる密度の組織からの波およびタイムゲイン補償108を受ける。アナログ信号は、デジタルに変換され112、タイムゲイン補償114がフィルターにかけられた116あと、圧縮され118、ステッチされオフセットされる120。計算された反射が戻る時間は、深さ測定122に変換され、その結果はディスプレイ124に出力される。
【0042】
本発明の好ましい実施形態で、本発明を使用する深さ測定はリアルタイムで行なうことができ、穿孔は、典型的には1mmから2mmの短い距離(深さ)で穿孔する、次いで処置の前に穿孔された穴の底部と神経管の上方端部との間の距離を測定する工程またはステップ中にある。
【0043】
本発明の別の好ましい実施形態で、測定方法は、側部測定(例えばガムを介して)に適用することができる。この用途の効果の一つは、(単にそれについての直線方向ではなく)神経管の3次元位置を特定することである。
【0044】
本発明の別の好ましい実施形態で、深さ測定は、ドリルの下の神経または血管が穿孔により損傷するのを回避するために、骨の移植などの穿孔を伴うほかの医療用途に適用することができる。
【0045】
本発明の別の好ましい実施形態で、深さ測定は獣医療用途に適用することができる。
【0046】
本発明の別の好ましい実施形態で、上述の深さ測定値を更なる分析、比較および文書化のために磁気または他の媒体に記録することが可能である。
【0047】
本発明の別の好ましい実施形態で、例えば小児患者のために装置をカスタマイズするために、信号処理ユニットへのデータ伝送を制御し、本発明の設定パラメータを容易にする目的でソフトウェアを組み込むことが可能である。本実施形態の記載および本明細書に記載される添付の図面は、本発明をよりよく理解する目的にのみかなうものであり、添付の特許請求の範囲によって包含されるようなその範囲を限定するものではないことが明らかであろう。
【0048】
また本明細書を読めば当業者は、添付の特許請求の範囲によってやはり包含される添付の図面および上述の実施形態に対して、調整または補正をすることができることが明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の好ましい実施形態による、身体の軟質および硬質な層を通って超音波が伝送され、そこから反射される方法を示す図である。
【図2A】本発明の好ましい実施形態による双方向超音波による深さ測定装置の液体噴射口に組み込まれた超音波変換器を示す図である。
【図2B】本発明の好ましい実施形態による双方向超音波による深さ測定装置で、信号損失を減少させるために超音波変換器に近接して配置される前端電子機器を示す図である。
【図3A】本発明の好ましい実施形態による、外科用歯科ドリルに組み込まれた双方向超音波による深さ測定装置を示す図である。
【図3B】図3Aに示すものと同様のドリルの先端を示す図である。ただしこの実施例では、液体噴射が中を通ることができるようにドリル自体が中空である。
【図4】本発明の好ましい実施形態による双方向超音波による深さ測定装置に組み込まれた歯科用ドリルにおいて、液体の噴射を介して超音波が伝播する方法を示す図である。
【図5】本発明の好ましい実施形態による双方向超音波による深さ測定装置を備える歯科用ドリルのアナログおよびデジタル回路の詳細な構成図を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨の中へ向かう経路に沿った骨の内部構造を特定する装置であって、
前記経路の方向で、前記骨に向けて液体噴射を実現する液体貯蔵器に流体的に接続されたノズルと、
前記液体噴射を介して超音波を生成し、前記経路に沿った前記骨の構造の変化を特徴づける前記骨の音響インピーダンスの変化によって生じる前記超音波のエコーを検出する超音波変換器と、
前記エコーを前記経路に沿った前記構造上の変化の位置に関する有効な情報に解釈する分析器とを備える装置。
【請求項2】
外科用器具に組み込まれた、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記外科用器具がドリルである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ドリルが中空であり、前記液体噴射が前記ドリルの中を進むことを可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記液体噴射口が、前記ドリルの先端に向かって前記ドリルの外側にある、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記骨の中へ向かう経路に沿った骨の内部構造を特定する方法であって、
前記経路の方向で前記骨に向けて液体噴射を実現することと、
前記液体噴射を介して超音波を生成し、前記経路に沿った前記骨の構造の変化を特徴づける前記骨の音響インピーダンスの変化によって生じる前記超音波のエコーを検出することと、
前記エコーを前記経路に沿った前記構造上の変化の位置に関する有効な情報に解釈することとを含む方法。
【請求項7】
前記方法が手術に組み込まれる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記手術が前記骨に穿孔することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が前記穿孔と同時に実施される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が前記穿孔が中断されるとき実施される、請求項8に記載の方法。

【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図1】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−526288(P2008−526288A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548955(P2007−548955)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【国際出願番号】PCT/IL2005/001210
【国際公開番号】WO2006/072933
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(507162681)ジェットガイド リミテッド (1)
【Fターム(参考)】