説明

医療装置制御システム

【課題】磁気によってその方向が制御され、被検体内で検査または処置などの医療行為を行う医療装置の誘導安定性および操作性を向上する。
【解決手段】被検体内に挿入される挿入部3と、挿入部3に配置され、被検体外から印加される磁界に応答してトルクを発生する磁界応答部とを有する医療装置3と、挿入部3の挿入方向を検出する方向検出部5と、磁界応答部に作用し、挿入部3を制御方向に向けるために磁界を発生する磁界発生部7と、挿入方向に対する制御方向との偏差が、所定の値以下となるように磁界発生部7を制御する磁界制御部とを備える医療装置制御システム1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、被検者等の被検体に飲み込ませて体腔管路内を通過させ、目的位置の体腔管路内における画像の取得が可能な飲み込み型のカプセル型内視鏡等に代表されるカプセル型の医療装置が実用化に向けて研究開発されている。この医療装置は、上記医療行為が可能な、例えば、画像取得が可能なCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備えて構成され、体腔管路内の目的部位で画像取得を行うものである。
【0003】
しかしながら、上記カプセル型医療装置は、蠕動により消化管内を移動するだけであって、カプセル型医療装置の位置および向きを制御することはできなかった。また、カプセル型医療装置を用いた診断を容易にするために、カプセル型医療装置を誘導するためには、カプセル型医療装置が体腔管路内のどの位置にいるかを検出する必要があった。
そのため、目視にて位置を確認できない所(体腔管路内など)へ誘導された医療装置の位置を検出し、目的部位まで誘導する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、上述した要求は、カプセル型の医療装置に限られるものではなく、被検体の体腔管路内に誘導されるプローブを有する医療装置にも求められている。そのため、同じく、目視にて位置を確認できない所(体腔管路内など)へ誘導された医療装置の位置を検出し、目的部位まで誘導する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−255174号公報
【特許文献2】国際公開第00/07641号パンフレット
【特許文献3】特開2003−111720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1においては、体腔内に挿入される医療装置を磁界で制御するシステムであって、医療装置の方向を検出する装置で得られた方向情報に基づいて、医療装置に対して発生させる磁界を決定する技術が記載されている。
しかしながら、上記特許文献1は、医療装置の方向を検出する装置で得られた方向情報に基づいて医療装置に対して発生させる磁界を決定する技術思想のみを開示しているものであり、その具体的な方法については示していない。また、後述の特許文献2と同様に、医療装置の方向と磁場の方向とが大きく外れた場合に、医療装置の制御性(誘導安定性・操作性)が低下するという問題があった。
【0006】
また、上述の特許文献2においては、カテーテルの位置・方向を透視装置で確認しながら、磁場を発生させる方向を操作者が指示・決定する技術が記載されている。
しかしながら、上述の技術においては、カテーテルの位置・方向の情報を画像情報として取得し、操作者が表示された画像情報を読み取り磁場を発生させる方向を指示・決定しているため、常にカテーテルの位置・方向情報を監視できない可能性があった。
そのため、カテーテルの方向と磁場との方向とが大きく外れる状態の発生を防止できない可能性があり、カテーテルの方向と磁場との方向とが大きく外れた場合には、カテーテルの制御性(誘導安定性・操作性)が低下するという問題があった。
【0007】
特許文献3においては、入力装置に作用する力に体内ロボットに作用する力が比例するように制御する。そのため、上記の技術においては体内ロボットに作用する力を算出する必要があるため、システムが複雑になるといった問題があった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、磁気によってその方向が制御され、被検体内で検査または処置などの医療行為を行う医療装置の誘導安定性および操作性を向上できる医療装置制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、被検体内に挿入される挿入部と、前記挿入部に配置され、前記被検体外から印加される磁界に応答してトルクを発生する磁界応答部とを有する医療装置と、前記挿入部の挿入方向を検出する方向検出部と、前記磁界応答部に作用し、前記挿入部を制御方向に向けるために磁界を発生する磁界発生部と、前記挿入方向に対する前記制御方向との偏差が、所定の値以下となるように前記磁界発生部を制御する磁界制御部とを備える医療装置制御システムを提供する。
【0010】
本発明によれば、磁界制御部により磁界発生部を制御することで磁界の方向を制御して、偏差が所定の値より大きくなることを防止できる。そのため、偏差が大きくなりすぎることによる挿入部の操作性低下を防止できる。
例えば、挿入部に働く外力により挿入部の方向と制御方向との偏差が大きくなっても、磁界の方向を制御することにより、偏差が所定の値より大きくなることを防止できる。
【0011】
上記発明においては、前記磁界制御部は、前記偏差が前記所定の値を超えた場合に、前記制御方向を前記挿入方向に略一致するように前記磁界発生部を制御することが望ましい。
本発明によれば、偏差が所定の値を超えるまで大きくなった場合には、磁界の方向がその時点における挿入部の方向に合わせられる。そのため、例えば、挿入部が管腔臓器内を進行する場合において、外部から制御情報を入力しなくても、挿入部を管腔臓器の壁面に沿って進行させることができる。
【0012】
上記発明においては、前記磁界制御部が、前記所定の値を有効な範囲で変更する所定値変更部を有することが望ましい。
本発明によれば、所定値変更部により、上記所定の値を有効な範囲で変更することができる。
【0013】
上記発明においては、前記挿入部が、前記挿入方向に推進力を発生させる推進力発生部を有することが望ましい。
本発明によれば、推進力発生部により挿入部に推進力を発生させることができる。特に、挿入部の挿入方向と制御方向との偏差が、所定の値以下となるように磁界制御部が磁界発生部を制御する場合、推進力で挿入部が進行した結果、管腔臓器の壁によって方向が変わったときに、偏差が所定の値以下となるように制御方向が変化するため、挿入部は自動的に管腔臓器の壁面に沿って挿入される。
【0014】
また、上記発明においては、前記推進力発生部が、前記略円筒形状の挿入部の中心軸の一端に、前記挿入部若しくは前記挿入部の外面を回転させる回転駆動部と、前記略円筒形状の中心軸を中心とするように前記挿入部の外面に設けられた螺旋部とを備えていてもよい。
このようにすることで、挿入部に回転磁界を作用させることにより、挿入部を中心軸周りに回転させることができる。そのため、外面に配置された螺旋部も回転し、回転する螺旋部によって推進力が発生するため、誘導が可能になる。
【0015】
また、上記発明においては、前記磁界応答部が、前記挿入部に固定された電磁石または永久磁石のいずれかであって、前記挿入方向に対して垂直な磁化方向を有し、前記挿入部が、略円筒形状を有するカプセル内視鏡であり、前記円筒形状の中心軸を軸とするように該カプセル内視鏡の外面に設けられた螺旋部を備えていてもよい。
【0016】
このようにすることで、電磁石または永久磁石を用いて磁界応答部の構成を簡単にすることができ、挿入方向に対して垂直な磁界を磁界応答部に作用させることにより、挿入部を一方向に向けることができる。また、カプセル内視鏡に回転磁界を作用させることにより、カプセル内視鏡を中心軸周りに回転させることができる。そのため、外面に配置された螺旋部も回転し、回転する螺旋部によって推進力が発生するため、誘導が可能になる。挿入部が推進されることで、例えば、管腔が湾曲している場合には管腔臓器の壁面から外力が加わり、その外力により挿入部が進行すべき方向に向き、自動挿入性が向上する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の医療装置制御システムによれば、制御部が偏差に基づいて磁界発生部を制御するため状況に応じた誘導が可能となり、シンプルなシステムで誘導性を向上できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態について図1から図28を参照して説明する。
図1は、本実施形態におけるカプセル内視鏡制御システムの構成の概略を説明する図である。
【0019】
カプセル内視鏡制御システム(医療装置制御システム)1は、図1に示すように、被検体内に挿入されるカプセル内視鏡(挿入部、医療装置)3と、カプセル内視鏡3の位置情報や方向情報を検出する位置検出センサ(方向検出部)5と、カプセル内視鏡3に搭載された永久磁石に作用させる磁界を形成する3軸ヘルムホルツコイル(磁界発生部)7と、3軸ヘルムホルツコイル7に電力を供給する電源9と、カプセル内視鏡3から送信される画像情報を受信する体外装置11と、カプセル内視鏡3への制御情報が入力される操作部13と、カプセル内視鏡3から送信された画像情報などを表示する表示部15と、3軸ヘルムホルツコイル7や操作部13、表示部15などを制御する制御部(ユーザーインターフェイス制御部)17とから概略構成されている。
【0020】
図2は、図1のカプセル内視鏡制御システム1のシステム構成を説明する概略図である。
カプセル内視鏡制御システム1には、操作者から入力されたカプセル内視鏡3への制御情報が入力される操作部13およびカプセル内視鏡3が取得した画像情報などを提示する表示部15を有するユーザーインターフェイス19が備えられている。制御部17には、入力された制御情報などに基づいて3軸ヘルムホルツコイル7により形成される磁界の方向を制御する磁界制御部(磁界パターン記憶部、磁界パターン変更部、所定値変更部)21と、ユーザーインターフェイス19に提示する情報を決定する提示情報決定部(ユーザーインターフェイス制御部)25とが備えられている。
【0021】
電源9には制御部17からの制御信号が入力され、制御信号に基づいて3軸ヘルムホルツコイル7に電力を供給するように配置されている。
位置検出センサ5はカプセル内視鏡3から発生した誘導磁気を検出し、検出した誘導磁気に基づく信号を制御部17に向けて出力している。体外装置11はカプセル内視鏡3が取得して外部に送信した画像情報を受信し、受信した画像情報を制御部17に向けて出力している。
【0022】
図3は、図1のカプセル内視鏡制御システム1を説明するブロック図である。
まず、位置検出センサ5から制御部17に入力されたカプセル内視鏡3の方向と、後述するカプセル内視鏡3の制御方向とが提示情報決定部25に入力され、方向情報と制御情報との偏差に基づいて、表示部15や操作部13に出力されるデータが生成される。
ユーザーインターフェイス19には操作者から操作入力が行なわれ、次の制御方向が決定される。
【0023】
決定された制御方向は提示情報決定部25に戻されるとともに、磁界制御部21に入力される。さらに磁界制御部21にはカプセル内視鏡3の方向が入力され、制御方向とカプセル内視鏡3の方向との偏差に基づいて、3軸ヘルムホルツコイル7に接続される電源を制御する
【0024】
図4は、図3の磁界パターンの選択を説明する図である。
磁界制御部21の内部には、図4に示すように、複数の磁界パターンが記憶されている。そして、磁界制御部21に入力される情報に基づいて、所定の磁界パターンが選択され、選択された磁界パターンに基づく出力がなされる。
【0025】
図5は、図1のカプセル内視鏡3および体外装置11の概略を説明する図である。
カプセル内視鏡3は、図5に示すように、その内部に各種の機器を収納する外装27と、被検者の体腔内管路の内壁面を撮像する撮像部29と、撮像部29を駆動する電池31と、前述した3軸ヘルムホルツコイル7により誘導磁気を発生させる誘導磁気発生部33と、カプセル内視鏡3を駆動する駆動用磁石である永久磁石(磁界応答部)35と、から概略構成されている。
なお、永久磁石35の代わりに電磁石を駆動用磁石として用いてもよく、特に限定するものではない。
【0026】
外装27は、カプセル内視鏡3の回転軸(挿入方向、中心軸線)Rを中心軸とする円筒形状のカプセル本体と、本体の前端を覆う透明で半球形状の先端カバー37と、本体の後端を覆う半球形状の後端部とから形成され、水密構造で密閉されたカプセル容器を形成している。
また、外装27の本体の外周面には、回転軸Rを中心として断面円形の線材を螺旋状に巻いた螺旋部(推進力発生部)39が備えられている。
【0027】
螺旋部39を備えることにより、カプセル内視鏡3の回転軸R周りの回転を前進・後進の推進力に変換できる。また、例えば、管腔が湾曲している場合には管腔臓器の壁面から外力が加わり、その外力によりカプセル内視鏡3が進行すべき方向に向き、自動挿入性が向上する。
【0028】
撮像部29は、被検者の体腔内管路の内壁面の画像を取得するCCD(荷電結合素子)47と、被検者の体腔内管路の内壁面の画像をCCD47に結像させるレンズ43と、体腔内管路の内壁面を照明するLED(Light Emitting Diode)45と、処理回路41と、画像信号を体外装置11に発信する無線素子49とから概略構成されている。
【0029】
誘導磁気発生部33は、少なくとも、3軸ヘルムホルツコイル7により形成された磁界により誘導磁界を形成する磁気誘導コイル51を備えている。磁気誘導コイル51は、その中心軸がカプセル内視鏡3の回転軸Rと略一致するように配置され、その内周面に例えばフェライトからなる芯部材が配置されていてもよい。また、磁気誘導コイル51を構成要素に含む共振回路が形成されていても構わない。
【0030】
体外装置11は、図5に示すように、カプセル内視鏡3から送信される画像情報などを受信するアンテナ53と、受信された画像情報を演算処理する処理回路55と、演算処理された画像情報を制御部17に向けて出力等する入出力部57と、これらを制御する制御回路59とから概略構成されている。
【0031】
図6(a)は、表示部15における表示を説明する図であり、図6(b)は、偏差が境界条件(偏差量、継続時間)を超えた場合の表示を説明する図である。
表示部15には、図6(a)に示すように、取得画像表示61と、絶対座標系表示63と、偏差オーバー表示65と、時間オーバー表示67との各表示がなされている。
取得画像表示61は、撮像部29が取得した画像情報を表示する部分であり、カプセル内視鏡3の現在の進行方向であり、かつ、画像の中心を示す十字マークと、磁場による制御方向を示す制御方向マーク69と、が画像情報の上に重ねて表示(スーパーインポーズ)されている。
【0032】
このように、カプセル内視鏡3の現在の進行方向と制御方向とを重ね合わせて表示することで、例えば制御方向を入力する操作者が直感的に制御状況を把握できる。そのため、カプセル内視鏡3の操作性を向上させることができる。
【0033】
絶対座標系表示63は、実線で記載されている現在のカプセル内視鏡3の方向と、破線で記載されている制御方向と、が重ねて表示されている。
偏差オーバー表示65は、現在のカプセル内視鏡3の方向と制御方向との偏差量が所定の境界条件を超えたときに、図6(b)に示すように、点灯する。時間オーバー表示67も 同様に、偏差量が所定の値を超えた状態で所定の継続時間を越えた場合に点灯する。
図6(c)に示すように、偏差と偏差の境界条件を示す、表示バーを設けてもよい。偏差に応じて表示バーの点灯部の長さが変化する。
このように、カプセル内視鏡3の方向と制御方向との偏差量を表示することで、例えば制御方向を入力する操作者が容易に制御状況を把握することができる。
【0034】
図7(a)は、表示部15への制御方向表示の概念を説明する図であり、図7(b)は、取得画像表示61上に制御方向が表示された状態を説明する図である。
図7(a)に示すように、カプセル内視鏡3の進行方向である回転軸Rの方向と、制御方向Cとに差が発生している場合において、制御方向Cとカプセル内視鏡3の先端カバー37との交点Pに制御方向マーク69が表示されているように、取得画像表示61上に表示する(図7(b)参照)。
【0035】
図8(a)は、図1の操作部13を説明する概略図である。
操作部13には、カプセル内視鏡3の方向の制御情報が入力される方向制御レバー69と、前進・後進情報が入力される前後進レバー71と、前進・後進時の速度情報が入力されるアクセル73と、偏差情報のフィードバック方法を切り換えるフィードバック切替部75と、3軸ヘルムホルツコイル7で発生される磁場のパターンを切り換える磁場変化パターン切替部77とが設けられている。
【0036】
フィードバック切替部75には、自動挿入モードスイッチ79と、偏差情報表示スイッチ81と、方向フィードバックスイッチ83と、力覚フィードバックスイッチ85と、が備えられている。
磁場変化パターン切替部77には、通常磁場スイッチ87と、トルク最大化スイッチ89と、ジグリングスイッチ91と、が備えられている。
【0037】
図8(b)は、図8(a)の方向制御レバーの構造を説明する概略図である。
方向制御レバー69には、レバー本体(可動体)93と、レバー本体93を回動可能に支持する支持部95と、が備えられている。支持部95には、レバー本体93を互いに直交する方向周りに回動可能に支持する軸97が備えられ、軸97には偏差情報に基づいて制御部17により制御されるフィードバック部99が備えられている。フィードバック部(偏差情報伝達部、振動体、反力発生部、負荷発生部)99には、レバー本体93の傾き角をセンシングするエンコーダ(図示せず)と、偏差情報に基づいて、レバー本体93の傾きに対して反対側へレバー本体93を傾けようとする反力を発生させるモータ(図示せず)とが備えられている。
【0038】
なお、モータは、上述のように、反力を発生させてもよいし、レバー本体93を振動させても構わない。あるいは、レバー本体93の傾き動作に対する抵抗を発生させても構わない。
【0039】
このように方向制御レバー69を構成することにより、フィードバック部99によって偏差に基づく情報を発生される振動として外部に伝達できる。あるいは、偏差に基づく情報をレバー本体93の動きに対する反力として外部に伝達できる。あるいは、偏差に基づく情報をレバー本体93の動きに対する負荷として外部に伝達できる。
【0040】
図9(a)は、図8(b)の方向制御レバーの別の構成例を説明する図である。図9(b)は、図8(b)の方向レバーの更に別の構成例を説明する図である。
レバー本体93を振動させる構成としては、図8(b)に示すようにモータを配置してもよいが、図9(a)に示すように、レバー本体93内に偏心モータ101を配置し、偏心モータ(偏差情報伝達部、振動体)101を回転させることによりレバー本体93を振動させてもよい。
【0041】
偏心モータ101を用いることにより方向制御レバー69の構成を簡略化することができる。また、偏差情報に基づいて偏心モータ101を制御することにより、発生する振動の振動周波数や、振動幅を変更し、偏差情報を操作者に伝達できる。例えば、偏差が大きくなると発生される振動の周波数を大きくし、偏差が小さくなると振動の周波数を小さくすることにより、偏差に基づく情報を伝達できる。
【0042】
また、レバー本体93の傾き動作に対する抵抗力を発生させる構成としては、図8(b)に示すようにモータを配置してもよいし、図9(b)に示すように、レバー本体93に球体部(偏差情報伝達部、負荷発生部)103を形成し、球体部103に押し付けられる摩擦部(偏差情報伝達部、負荷発生部)105と摩擦部105を押し付けるリニアアクチュエータ107とを配置し、摩擦部105と球体部103との摩擦力により抵抗力を発生させてもよい。なお、球体部103内にジャイロなどの加速度センサ109を配置することでレバー本体93に傾きを検出することができる。
【0043】
偏差情報に基づいてリニアアクチュエータ107による押圧力を制御することにより、球体部103と摩擦部105との間の摩擦力を制御でき、偏差情報を操作者に伝達できる。例えば、偏差が大きくなるとレバー本体93の動きに対する負荷を大きくし、偏差が小さくなると負荷を小さくすることにより、偏差に基づく情報を伝達できる。また、臨場感のある操作ができるため、レバー本体93の操作性が向上する。
また、レバー本体93の動きに対して反力を発生させる方法と比較して、方向制御レバー69の構築を容易にできる。
【0044】
図10(a)は、方向制御レバー69によるカプセル内視鏡3の制御方向情報の入力を説明する図である。図10(b)は、方向制御レバー69により入力された制御方向情報に基づくカプセル内視鏡3の制御方向を説明する図である。
方向制御レバー69には、図10(a)に示すように、カプセル内視鏡3の回転軸Rに対する上下左右方向(図10(b)参照)に対応した上下左右方向が定義されている。この上下左右方向に対して、例えば、上方向から左方向に角度αだけ傾いた方向にレバー本体93を傾けると、図10(b)に示すように、上方向から左方向に角度αだけ傾いた方向にカプセル内視鏡3を誘導するように磁界が形成される。
【0045】
また、図10(a)に示すレバー本体93の傾き角θに基づいて、図10(b)に示すカプセル内視鏡3の制御方向の角度θ´が制御される。例えば、傾き角θが大きくなると角度θ´も大きくなり、カプセル内視鏡3を角度αの方向へ誘導する力が大きくなるように制御する。
【0046】
次に、3軸ヘルムホルツコイル7により形成される各磁界変化パターンについて説明する。
図11(a)は、回転磁界モードにおけるカプセル内視鏡3の周囲に形成される回転磁場を説明する図である。
図11(a)に示す回転磁界モード(通常モード)は、通常のカプセル内視鏡3の制御に用いられる磁界変化パターンであり、操作部13の通常磁場スイッチ87と対応する磁界変化パターンである。
【0047】
このモードでは、磁場は回転磁場平面MP内を一方向に回転している。カプセル内視鏡3は、回転磁場平面MPに対して回転軸Rを垂直にする姿勢を保ちつつ回転軸Rを中心に回転される。このとき、カプセル内視鏡3の直進時においては、カプセル内視鏡3の制御方向と回転軸Rの方向とは略一致した状態となっている。
【0048】
図11(b)は、回転磁界モードにおけるカプセル内視鏡3の旋回を説明する図である。
カプセル内視鏡3を旋回させるときには、図11(b)に示すように、磁場を一方向に回転させながら回転磁場平面MPを旋回させることによりカプセル内視鏡3を旋回させている。回転磁場平面MPを旋回させると、カプセル内視鏡3に搭載された永久磁石35に旋回トルクが発生し、カプセル内視鏡3の回転軸Rが回転磁場平面MPに対して垂直になるまで、旋回トルクが作用し続ける。
【0049】
具体的には、永久磁石35の磁化方向がカプセル内視鏡3の旋回面(回転軸Rと制御方向Cとからなる平面)と垂直なときには旋回トルクが発生せず、磁化方向が旋回面に沿う方向のときに最大の旋回トルクが発生する。磁化方向がその間では、旋回トルクの大きさは正弦波を描くように変化する。
【0050】
このように、カプセル内視鏡3に回転磁界を作用させることにより、カプセル内視鏡3を回転軸R周りに回転させることができる。このように、カプセル内視鏡3を駆動することにより、例えば、後述する回転磁界と振動磁界とを併せた磁界や、回動磁界を作用させた場合と比較して、カプセル内視鏡3を安定に制御できる。
【0051】
図12は、ジグリングモードにおけるカプセル内視鏡3の周囲に形成される磁場を説明する図である。
図12に示すジグリングモードは、カプセル内視鏡3を首振り回転させる磁界変化パターンであり、操作部13のジグリングスイッチ91と対応する磁界変化パターンである。このモードでは、カプセル内視鏡3の回転軸Rと略同一方向の磁界を有し、磁界の強さが振動する振動磁界と、回転磁場平面MP内を一方向に回転する回転磁界と、が組み合わされた磁界が形成されている。カプセル内視鏡3は回転軸R周りに回転するとともに、図中のX軸方向やY軸方向に首振り運動をする。振動磁界における磁界強さの振動周期と、回転磁界の回転周期との関係を制御することにより、首振り運動の方向を制御できる。さらには、回転軸Rが所定の軸周りに回転する首振り運動(歳差運動)を行わせることができる。
【0052】
このようにカプセル内視鏡3を運動させることにより、例えば、つぶれた腸などの体腔管路内にカプセル内視鏡3を進入させる場合において、カプセル内視鏡3を首振り回転させることにより体腔管路を押し広げることができ、押し広げた体腔管路内に挿入部を進入させられる。
【0053】
図13は、トルク最大化モードにおけるカプセル内視鏡3の周囲に形成される磁場を説明する図である。
図13に示すトルク最大化モードは、主にカプセル内視鏡3の回転軸R方向を旋回させる際に用いる磁界変化パターンであり、操作部13のトルク最大化スイッチ89と対応する磁界変化パターンである。
【0054】
このモードにおける磁場は、回転磁場平面MPとカプセル内視鏡3の旋回面(回転軸Rと制御方向Cとからなる平面)との交線Lを中心とした所定の角度範囲内で、回転磁場平面MP内を双方向に回動する回動磁界である。
カプセル内視鏡3に搭載されている永久磁石35も回動磁界の回動に伴い、旋回面を中心に回動運動する。そのため、常に最大の旋回トルクに近い値の旋回トルクを発生させることができる。
【0055】
図14は、トルク最大化モードにおける磁界変化パターンを説明する図である。
上述のように、回動磁界は、回転磁場平面MP内で交線Lを中心とした所定の角度範囲内で回動する磁界である。より詳しくは、図14に示すようなX軸磁場MXおよびY軸磁場MYにより表すことができる。図14中の横軸は時間を表し、縦軸は回動磁界の磁場強さを表している。
X軸磁場MXは例えばcos(αsinωt)の関数として表すことができ、Y軸磁場MYは例えばsin(αcosωt)の関数として表すことができる。
【0056】
カプセル内視鏡3に作用する磁界が、その磁界の向きと交線Lとのなす角が所定角度以下となる回動磁界であるため、カプセル内視鏡3を制御方向Cに向ける旋回トルクを常に作用させることができる。そのため、カプセル内視鏡3の方向転換時にカプセル内視鏡3の方向を制御方向Cに向ける旋回トルクが常に発生するため、効率よく方向転換することができる。
【0057】
上述の通常モードや、ジグリングモードや、トルク最大化モードは操作部13の通常磁場スイッチ87、トルク最大化スイッチ89、ジグリングスイッチ91に入力を与えることにより切り換えられる。
また、通常モードにおいてカプセル内視鏡3を誘導制御している際に、カプセル内視鏡3の回転軸Rと制御方向Cとの偏差情報に基づいて自動的にモードを切り換えてもよい。切り換える方法としては、偏差が大きくなるにつれて通常モードからトルク最大化モードに切り換え、さらにジグリングモードに切り換えたり、あるいは、通常モードからジグリングモードに切り換え、さらにトルク最大化モードに切り換えたりする方法を挙げることができる。
【0058】
さらに、これらのモード以外に、発生する磁界の強さを上げるモードで、ジグリングモードや、トルク最大化モードと同様に旋回性を向上してもよい。またこれらのモードの切り換えは偏差と偏差が連続して発生した時間によって切り換えてもよい。例えば、ある偏差以上が、ある一定時間以上発生した時にモードの切換えを行なう。
【0059】
なお、最大化モードからジグリングモードへの切り換え時、あるいは、ジグリングモードからトルク最大化モードへの切り換え時に、両モードの間に通常モードを一度挟んで切換えを行っている。
磁界変化パターンの切り換え時には磁界の変化が不連続となる場合もあり得え、この不連続によってカプセル内視鏡3の制御の安定性が損なわれる可能性があるが、切り換え時に最も制御の安定性が高い通常モード(回転磁界)を経由することにより、カプセル内視鏡3の制御の安定性を確保できる。
【0060】
次に、カプセル内視鏡3の各制御モードについて説明する。
図15から図17は、カプセル内視鏡3の自動挿入モードを説明する概略図である。
自動挿入モードは、図15から図17に示すように、カプセル内視鏡3の回転軸R方向と制御方向Cとの偏差が所定値を超えて大きくなったら制御方向Cをカプセル内視鏡3の回転軸R方向に一致させる制御方法であり、操作部13の自動挿入モードスイッチ79と対応する制御方法である。
具体的には、自動挿入モードにおいては、操作部13の方向制御レバー69からの入力は遮断され、前後進レバー71およびアクセル73の入力に基づきカプセル内視鏡3を進行させている(図8参照)。
【0061】
例えば、図15に示すように、体腔管腔内、例えば腸内でカプセル内視鏡3を誘導している場合において、腸Iが直線状になっている部分では、カプセル内視鏡3の回転軸R方向と制御方向Cとが一致している。
そして、図16に示すように、腸Iが曲がっている領域にカプセル内視鏡3が到達すると、腸壁に接触してカプセル内視鏡3が腸壁に沿って旋回する。すると、回転軸R方向と制御方向Cとの間に偏差が生じる。
偏差が徐々に大きくなり、所定値を超えると、図17に示すように、制御方向Cが回転軸R方向に一致するように変更される。
【0062】
自動挿入モードへの切り換えは、上述の自動挿入モードスイッチ79への入力に基づき切り換えられてもよいし(図8参照)、回転軸R方向と制御方向Cとの偏差が所定値を超えると自動的に他の制御モードから自動制御モードへ切り換えられてもよい。
このように、偏差が所定の値まで大きくなった場合に、制御方向Cがその時点における回転軸R方向に合わせられると、例えば、カプセル内視鏡3が管腔臓器内を進行する場合において、カプセル内視鏡2を管腔臓器の壁面に沿って進行させやすくできる。
なお、制御方向Cを回転軸R方向に一致させるときに、制御方向Cをそのまま回転軸R方向に一致させてもよいし、腸壁などの弾性を考慮して制御方向Cをオーバーシュートさせてから回転軸R方向に一致させてもよい。
【0063】
また、カプセル内視鏡3により取得された画像を画像処理することにより、カプセル内視鏡3が進行すべき方向を画像データから抽出し、取得された画像の中心方向を現在のカプセル内視鏡3の進行方向として、カプセル内視鏡3の進行すべき方向と現在の進行方向との偏差に基づいて制御方向の向きを制御してもよい。
さらに、現在のカプセル内視鏡3の進行方向に上記偏差を加えた方向を制御方向とする磁場を発生することにより自動挿入モードを実現してもよい。
【0064】
次に、偏差管理制御モードについて説明する。
図18(a)は、偏差管理制御モードの一例を説明する図である。
偏差管理制御モードは、図18(a)に示すように、方向制御レバー69から入力される操作方向情報と、カプセル内視鏡3の回転軸R方向と制御方向との偏差情報とに基づいて制御する方法である。
【0065】
具体的には、操作方向情報に対してカプセル内視鏡3の回転軸R方向が追従できない場合に、操作方向情報が大きくなると、それに伴い偏差情報も大きくなる。しかし、偏差情報が所定の境界値に達すると、操作方向情報を遮断して制御方向情報を一定の値に固定することにより、偏差情報が所定の境界値を超えないようにする。
【0066】
このように制御することにより、回転軸R方向と制御方向との偏差が大きくなりすぎることを防止できる。偏差が大きくなりすぎると、カプセル内視鏡3を回転軸R周りに回転させることが困難になる等、操作制御性が著しく低下する。そのため、偏差が大きくなりすぎることを防止することにより、カプセル内視鏡3の操作制御性の悪化を防止できる。
【0067】
図18(b)は、偏差管理制御モードの別の例を説明する図である。
なお、図18(a)に示すように、偏差情報が所定の境界値に達するまでは制御を行わず、越えると同時に偏差管理制御を行ってもよいし、図18(b)に示すように、偏差情報が所定の境界値に漸近するように、徐々に偏差管理制御を行ってもよい。
このように制御することにより、突然、操作方向情報が遮断されることがなく、徐々に遮断されるため、操作者に偏差情報が所定の境界値に近づいたことを知らせることができる。
【0068】
図19(a),(b)は、偏差管理制御モードの更に別の例を説明する図であり、図19(a)は横軸に方向制御レバー69から入力される操作方向情報を表した図であり、図19(b)は横軸に時間を表した図である。
この偏差管理制御モードの例では、図19(a),(b)に示すように、まず偏差情報の値が第2の境界値に達したら、偏差情報の値が第2の境界値を超えないように偏差管理制御が行われる。そして、偏差管理制御が行われている状態が所定時間継続すると、次に、偏差情報の値が第1の境界値を超えないように偏差管理制御される。第1の境界値は図に示すように第2の境界値よりも低い値である。
【0069】
なお、上述のように、操作方向情報を制限するとともに、制御方向を制御することにより偏差管理制御を行ってもよいし、3軸ヘルムホルツコイル7が発生する磁界の変化パターンや、発生する磁界の強さを変更する制御を行ってもよい。
このように、偏差に基づいて磁界の変化パターンを変更することにより、カプセル内視鏡3の操作性低下を防止できる。つまり、磁界の変化パターンがカプセル内視鏡3を制御方向へ誘導するのに適さず、偏差が大きくなった場合に、カプセル内視鏡3の誘導に適した磁界の変化パターンや、発生する磁界の強さを変更することにより、偏差の増大を防止することができる。
【0070】
次に、力覚フィードバックの制御方法について説明する。
図20(a)は、偏差情報と操作部13へのフィードバック情報との関係の一例を示す図である。
力覚フィードバックの制御方法は、図20に示すように、カプセル内視鏡3の回転軸R方向と制御方向との偏差情報に基づいて、方向制御レバー69のフィードバック部99からの偏差情報フィードバックの強度を調節する制御である。
具体的には、例えば、偏差情報の増加に比例してレバー本体93への反力を強めたり、レバー本体93に伝えられる振動の振幅を大きくしたり、振動の周期を短くしたり、レバー本体93の動作に対する抵抗を強くしたりしている。
【0071】
そして、フィードバック部99の出力上限値に達すると、偏差情報の増加に関わらず、フィードバック部99からの出力は一定値となる。その後、偏差情報の値が所定の境界値に達すると、自動挿入モードにおいて述べたように、操作方向入力情報に関わらず制御方向を独立に制御して、偏差情報がそれ以上大きくならないように制御する。あるいは、制御方向を回転軸R方向と一致するように制御する。
【0072】
なお、偏差情報の増加に対するフィードバック部99からの偏差情報フィードバックの強度の比例の勾配は図20(a)の点線に示すように、さまざまに変更できる。この勾配を変更することにより、レバー本体93からの偏差情報フィードバックの感度を変更でき、例えば、勾配を急にすることにより感度を向上させることができる。
【0073】
図20(b)は、偏差情報と操作部13へのフィードバック情報との関係の別の例を示す図である。
なお、図20(a)に示すように、フィードバック部99の出力が上限値に達するまでは制御を行わず、到達したと同時に制御を行ってもよいし、図20(b)に示すように、フィードバック部99の出力が上限値に漸近するように、徐々に制御してもよい。
【0074】
このように制御することにより、偏差情報が小さいうちにフィードバック部99から比較的大きな出力で偏差情報をフィードバックすることができる。そのため、偏差の増大によりカプセル内視鏡3が制御困難になることを防止できる。例えば、胃のような広い管腔内では、カプセル内視鏡3の制御が困難になると、カプセル内視鏡3が胃の内部を転がり落ちる可能性があるため、上述のような制御を行うことが好ましい。
【0075】
図21は、偏差情報と操作部13へのフィードバック情報との関係の更に別の例を示す図である。
また、図21に示すように、偏差情報が小さい領域においてフィードバック部99の出力を行わない不感域Zを設け、その後は偏差情報の増加に伴いフィードバック部99の出力を関数的に増加させる制御を行ってもよい。そして、偏差情報の値が所定の境界値に達すると、自動挿入モードにおいて述べたように、操作方向入力情報に関わらず制御方向を独立に制御して、偏差情報がそれ以上大きくならないように制御する。あるいは、制御方向を回転軸R方向と一致するように制御する。
【0076】
このように制御することにより、偏差情報が小さいうちはフィードバック部99の出力は比較的小さいため、カプセル内視鏡3に大きな旋回トルクをかけやすくすることができる。つまり、操作者にフィードバックされる偏差情報が弱いため、偏差情報を気にすることなく操作入力できる。
例えば、腸のような狭い管腔内では、カプセル内視鏡3はつぶれた管腔の壁面を押しのけながら誘導される。このとき、つぶれた管腔を押し広げるためにカプセル内視鏡3に大きな旋回トルクをかける必要があり、このような操作を行うときに上述のような制御を行うことが好ましい。
【0077】
次に、回転磁界発生時のカプセル内視鏡3の偏差の算出方法について説明する。
図22(a),(b)は、カプセル内視鏡3に作用する旋回トルクの変動を説明する図であり、図22(a)は、旋回トルクが最大となる配置関係を説明する図であり、図22(b)は、旋回トルクが最低となる配置関係を説明する図である。図23は、回転磁場の磁場方向の位相と、旋回トルクの強さとの関係を示す図である。
【0078】
カプセル内視鏡3の永久磁石35は、図22(a),(b)に示すように、磁界の回転に追従して回転する。カプセル内視鏡3に作用する旋回トルクは、図22(a)に示すように、磁界の方向が回転軸Rと制御方向Cとから形成される旋回面に沿う方向のときに最大となる。また、図22(b)に示すように、磁界の方向が旋回面に略直交するときに最小となる。
【0079】
旋回トルクの強さは、図23に示すように、上述の最大値と最小値との間を、正弦波を描くように変化し、その変化は回転磁場の磁場方向の回転位相の変化に基づいている。
そのため、カプセル内視鏡3は旋回トルクの強さの変化に応じてカプセル内視鏡3の方向つまり偏差が振動する。
【0080】
例えば、カプセル内視鏡3が腸壁のような弾性を有する壁面に接触しており、壁面方向へ旋回する場合には、旋回トルクの強さが強くなると、カプセル内視鏡3は壁面を押し込むように旋回するが、旋回トルクの強さが弱くなると、弾性を有する壁面に押し戻される。
回転磁界発生時のカプセル内視鏡3の偏差の算出は、回転磁場が1/2回転する間の偏差の平均値に基づいて算出してもよいし、旋回トルクが最大値のときの偏差に基づいて算出してもよい。
こうすることで、旋回トルクの振動による偏差の振動が、ユーザーインターフェイスに反映されないため、より安定した操作性が得られる。
【0081】
上記の構成によれば、制御部17が偏差に基づいてユーザーインターフェイス19を制御するため、ユーザーインターフェイス19(操作部13、表示部15)を介して偏差に基づく情報を操作者等に伝達できる。そのため、例えば、操作部13に制御方向情報を入力する操作者に偏差に基づく情報のフィードバックができ、カプセル内視鏡3の誘導安定性および操作性を向上できる。
【0082】
具体的には、フィードバック部99から偏差に基づく情報が操作者等に伝えられる。そのため、操作者への偏差に基づく情報のフィードバックが容易となり、挿入部の操作性を向上できる。
また、表示部15において偏差に基づく情報を提示できるため、操作者等に対して偏差に基づく情報を伝達できる。そのため、カプセル内視鏡3の操作性を向上させることができる。
【0083】
なお、上述のように、永久磁石35をカプセル内視鏡3と固定して搭載してもよいし、図24に示すように、永久磁石35を回転軸Rと同一軸線上で回転可能に搭載してもよい。
図24に示すカプセル内視鏡3A(挿入部、医療装置)に回転磁界を作用させると、永久磁石35がカプセル内視鏡3Aとは独立して回転磁界の回転に従って回転する。また、回転磁界平面の向きを変えると、永久磁石35に旋回トルクが発生し、この旋回トルクがカプセル内視鏡3Aに伝達されてカプセル内視鏡3Aが旋回する。
【0084】
カプセル内視鏡3Aと永久磁石35とが回転軸R周りの回転に関して独立なので、カプセル内視鏡3Aの他の構成要素に影響を与えず、回転磁場の回転周期を短くできる。そのため、カプセル内視鏡3と同様に発生する旋回トルクの変動周期を短くできる。
すると、例えば、カプセル内視鏡3Aが腸壁のような弾性を有する壁面に接触し、壁面方向へ旋回する場合において、旋回トルクの変動に伴って、カプセル内視鏡3Aが壁面に押し付けられたり押し戻されたりして振動する。ここで、旋回トルクの変動周期を短くすることにより、上記の振動幅が均一化され振動を収束させることができる。
【0085】
なお、上述のように、カプセル内視鏡3が外部の装置から完全に独立した構成であってもよいし、図25に示すように、カプセル内視鏡(挿入部、医療装置)3Bの後端に配置された紐部111により外部の装置と接続されていてもよい。このとき、紐部111とカプセル内視鏡3Bとの間には、ベアリング113を介在させて、カプセル内視鏡3Bの回転を紐部111に伝えないようにしている。
【0086】
このような構成を採用することにより、紐部111を介して常に電源をカプセル内視鏡3Bに供給できるとともに、撮像部29により撮像された画像データを、紐部111を介して外部に送信できる。そのため、電源を内部に搭載しなくてもよくなり、カプセル内視鏡3Bを小型化できる。また、画像データを電波等で送信しなくてもよいので、送信の際にノイズが含まれることを防止できる。
【0087】
また、図26(a)に示すように、カプセル内視鏡(挿入部)3Bの後端に配置された紐部112を介して回転力をカプセル内視鏡3Bに伝達可能に配置し、紐部112にも螺旋部114を配置して、全体としてプローブとしてもよい。このように配置することにより、螺旋部114においても推進力を発生させることができる。
【0088】
さらに、図26(b)に示すように、紐部112の端部にモータ116を配置し、永久磁石35とカプセル内視鏡35とを相対回転可能に配置して、全体としてプローブとしてもよい。このように配置することにより、回転磁界を作用させることによりカプセル内視鏡3Bの方向を制御することができる。また、モータ116によりプローブ全体を回転させ螺旋部39,114で推進力を発生させることができる。
【0089】
さらに、図26(c)に示すように、永久磁石35の磁化方向をカプセル内視鏡3Bの回転軸Rと略平行に配置して、全体としてプローブとしてもよい。このように配置することにより、平行磁界を作用させることにより、カプセル内視鏡3Bの方向を制御することができる。また、モータ116によりプローブ全体を回転させ螺旋部39,114で推進力を発生させることができる。
【0090】
なお、上記の実施の形態においては、被検体内に挿入する挿入部をカプセル内視鏡3に適応して説明したが、この挿入部をカプセル内視鏡3として構成しているものに限られることなく、図27(a),(b)に示すように、内視鏡(挿入部、医療装置)3Cとして構成してもよい。
内視鏡3Cには、図27(a),(b)に示すように、回転部115が回転可能に備えられ、回転部115には螺旋部39と磁石117とが備えられている。
【0091】
このような構成を採用することにより、回転磁場が内視鏡3Cに作用した場合に、磁石117により回転部115が回転駆動され、回転部115に備えられた螺旋部39により内視鏡3Cを前進、後進させることができる。また、カプセル内視鏡3と同様に、回転磁場平面の向きを制御することにより、内視鏡3Cの向きを制御できる。
【0092】
なお、図6および図8に示すように、表示部15と操作部13とを構成してもよいし、図28(a)に示すように、表示部15´と操作部13´とを構成してもよい。
表示部15´には、取得画像表示61と、全体座標系表示63と、後述する走査部13´の操作表示119との各表示がなされている。
【0093】
取得画像表示61には、撮像部29により取得した画像情報が表示され、3軸ヘルムホルツコイル7により形成される磁場の方向(制御方向)を示す制御方向マーク121がスーパーインポーズされている。制御方向マーク121は、その中心(制御方向)を示す十字マークとその周囲を示す円とから構成されている。
【0094】
操作部13´は、操作情報が表示される操作表示119と、操作情報を入力するマウス123とから概略構成されている。操作表示119には、現在の制御方向を示すカーソル125が表示される。
この操作部13´を用いてカプセル内視鏡3の操作方向情報を入力するには、例えば、図28(b)に示すように、マウス123を、右ボタンをクリックした状態で、カプセル内視鏡3の操作方向にマウス123を動かすことにより入力を行う。これにより、回転磁場平面MPが制御され、制御方向Cが制御される。
【0095】
そして、マウス123のクリックを解除すると、図28(c)に示すように、カーソル125が中心に戻り、制御方向Cがカプセル内視鏡3の回転軸Rと一致するように制御される。つまり、直進状態となる。
なお、カプセル内視鏡3の前進、後進スピードの入力は、例えば、マウスに備えられたホイールなどを用いる方法を挙げることができる。
【0096】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図29から図34を参照して説明する。
本実施の形態のプローブ制御システム201の基本構成は、第1の実施形態のカプセル内視鏡制御システムと同様であるが、第1の実施の形態とは、被検体に挿入される挿入部(プローブ)の形状およびその位置検出方法などが異なっている。よって、本実施の形態においては、図29から図34を用いてプローブの形状およびその位置検出装置のみを説明し、制御部等の説明を省略する。
図29は、本実施形態におけるプローブ制御システムの構成の概略を説明する図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0097】
プローブ制御システム(医療装置制御システム)201は、図29に示すように、被検体内に挿入されるプローブ(挿入部)203と、内視鏡203の位置情報や方向情報を検出するX線装置(方向検出部)205と、内視鏡203に搭載された永久磁石に作用させる磁界を形成する3軸ヘルムホルツコイル7と、3軸ヘルムホルツコイル7に電力を供給する電源9と、プローブ203を送り込む送り込み装置211と、内視鏡203への制御情報が入力される操作部13と、内視鏡203から送信された画像情報などを表示する表示部15と、3軸ヘルムホルツコイル7や操作部13、表示部15などを制御する制御部17と、から概略構成されている。
【0098】
プローブ203には、図30に示すように、プローブ203の向きを制御する永久磁石235が搭載され、永久磁石235は、その磁化方向とプローブ203の長軸方向とが一致するように配置されている。
なお、上述のように挿入部としてプローブ203を用いてもよいし、第1の実施形態のようにカプセル内視鏡を用いてもよい。この時、図31に示すように、カプセル内視鏡に搭載されている永久磁石35を、その磁化方向がカプセル内視鏡の長軸方向と一致するように配置することが好ましい。
X線装置205は、X線画像を取得することによりプローブ203の位置および方向情報を検出する画像取得部205Aと、取得された画像情報を表示するX線画像表示部205Bとから構成されている。
【0099】
次に、プローブ203の制御パターンについて説明する。
図32は、プローブ203の向きを所定方向に制御する磁界パターンを説明する図である。
プローブ203の向きを所定方向に制御する場合には、図32に示すように、平行磁界をプローブ203の周囲に形成し、平行磁界の向きを所定方向に一致させることにより制御する。
【0100】
このように、プローブ203の向きを制御した状態で、送り込み装置211によりプローブ203を送り込み、所定の位置へ誘導する。このとき操作者は、X線画像表示部205Bに表示されるプローブ203の位置および方向を確認しつつ、誘導操作を行う。
【0101】
図33は、プローブ203の先端を首振り回転制御する磁界パターンを説明する図である。
プローブ203の周囲に、図33に示すように、円錐状に回転する円錐磁界を形成すると、プローブ203の先端が首振り回転するように制御される。プローブ203の先端を首振り回転させると、例えば、つぶれた管腔を押し広げることができ、プローブ203を容易に誘導することができる。
また、プローブ203の先端を首振り回転させつつ所定方向へ旋回させることにより、例えば管腔を押し広げつつプローブ203を旋回させることができる。
【0102】
図34は、プローブ203の先端を一方向に首振り制御する磁界パターンを説明する図である。
プローブ203の周囲に、図34に示すように、所定の面内で首振り振動する振動磁界を形成すると、プローブ203の先端が首振り振動するように制御される。例えば、旋回面と同一面上でプローブ203の先端を首振り振動させつつ、旋回させることにより、つぶれた管腔内でも旋回させやすくすることができる。また、旋回面に対して略垂直な面上でプローブ203の先端を首振り振動させることにより、同様に、つぶれた管腔内でも旋回させやすくすることができる。
【0103】
なお、円錐磁界から振動磁界への切り換え時、あるいは、振動磁界から円錐磁界への切り換え時に、両磁界の間に平行磁界を一度挟んで切換えを行っている。
磁界の切り換え時には磁界の変化が不連続となる場合もあり得え、この不連続によってプローブ203の制御の安定性が損なわれる可能性があるが、切り換え時に最も制御の安定性が高い平行磁界を経由することにより、プローブ203の制御の安定性を確保できる。
【0104】
なお、上述の実施時形態においては、被検体に挿入される挿入部としてプローブに適用して説明したが、より具体的に内視鏡やカテーテルに適用しても構わない。そのため、診察・治療などの目的に合わせてカテーテル、内視鏡の選択ができ、適切な医療行為を行うことができる。
【0105】
この構成によれば、磁場の方向にプローブ203を向けることができる。また、プローブ203の方向制御をする場合において、3軸ヘルムホルツコイル7などの磁界発生手段の構成をシンプルにすることができ、プローブ203の方向を容易に制御できる。
【0106】
[付記30]
前記磁界応答部が電磁石または磁石のいずれかである請求項1から12、25から29のいずれかに記載の医療装置制御システム。
本発明によれば、電磁石または磁石を用いることにより磁界応答部の構成を簡単にすることができる。
【0107】
[付記31]
前記挿入部は、略円筒形状であり、
前記磁界応答部は、前記挿入方向に対して垂直な磁化方向を有し、前記挿入部に対して、前記略円筒形状の挿入部の中心軸を中心に回転可能に配置された請求項30記載の医療装置制御システム。
本発明によれば、例えば、挿入部に回転磁界を作用させつつ回転磁界の回転面を制御することにより、挿入部の向きを制御できる。つまり、回転磁界の回転面を制御することにより、永久磁石または電磁石の所定の軸の姿勢を制御できる。所定の軸と挿入部との相対位置関係は固定されているため、所定の軸の姿勢を制御することにより挿入部の向きを制御できる。
【0108】
[付記32]
前記磁界応答部は、前記挿入方向に対して垂直な磁化方向を有し、前記挿入部に固定された請求項30記載の医療装置制御システム。
本発明によれば、挿入方向に対して垂直な磁界を磁界応答部に作用させることにより、挿入部を一方向に向けることができる。
【0109】
[付記33]
前記磁界応答部は、前記挿入方向に略平行な磁化方向を有する請求項30記載の医療装置制御システム。
本発明によれば、挿入方向に対して略平行な磁界を磁界応答部に作用させることにより、挿入部を一方向に向けることができる。
【0110】
[付記34]
前記挿入部は、カテーテル、プローブのいずれかである請求項1から33のいずれかに記載の医療装置制御システム。
本発明によれば、挿入部が、カテーテルまたはプローブであるため、被検者の体腔管路内において診察、治療などの目的に合わせて、カテーテルまたはプローブの選択ができ、適切な医療行為を行うことができる。
【0111】
[付記35]
前記挿入部は、前記被検体内の画像を取得する内視鏡、カプセル内視鏡のいずれかである請求項1から33のいずれかに記載の医療装置制御システム。
本発明によれば、挿入部が内視鏡、カプセル内視鏡であるため、被検者の体腔管路内において診察、治療などの目的に合わせて、内視鏡、カプセル内視鏡の選択ができ、適切な医療行為を行うことができる。
【0112】
[付記36]
前記ユーザーインターフェイスは、取得した被検体内の画像を表示するとともに、該取得画像の上に前記内視鏡または前記カプセル内視鏡の前記挿入方向を重ねて表示する請求項35に記載の医療装置制御システム。
本発明によれば、操作者は、取得画像表示部に表示される取得画像を見ると同時に、挿入部の方向情報を見ることができる。そのため、一度の多くの情報を取得でき挿入部の操作性を向上できる。
【0113】
[付記37]
前記推進力発生部は、前記略円筒形状の挿入部の中心軸の一端に、前記挿入部若しくは前記挿入部の外面を回転させる回転駆動部と、前記略円筒形状の中心軸を中心とするように前記挿入部の外面に設けられた螺旋部とからなる請求項29に記載の医療装置制御システム。
本発明によれば挿入部に回転磁界を作用させることにより、挿入部を中心軸周りに回転させることができる。そのため、外面に配置された螺旋部も回転し、回転する螺旋部によって推進力が発生するため、誘導が可能になる。
【0114】
[付記38]
前記挿入部は、略円筒形状を有するカプセル内視鏡であり、前記カプセル内視鏡は、前記円筒形状の中心軸を軸とするように前記カプセル内視鏡の外面に設けられた螺旋部を備える請求項19,32に記載の医療装置制御システム。
本発明によればカプセル内視鏡に回転磁界を作用させることにより、カプセル内視鏡を中心軸周りに回転させることができる。そのため、外面に配置された螺旋部も回転し、回転する螺旋部によって推進力が発生するため、誘導が可能になる。挿入部が推進されることで、例えば、管腔が湾曲している場合には管腔臓器の壁面から外力が加わり、その外力により挿入部が進行すべき方向に向き、自動挿入性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるカプセル内視鏡制御システムの構成の概略を示す図である。
【図2】図1のカプセル内視鏡システムのシステム構成を示す概略図である。
【図3】図1のカプセル内視鏡システムの制御ブロックを示す図である。
【図4】図3の磁界パターンの選択を示す図である。
【図5】図1のカプセル内視鏡および体外装置の概略を示すである。
【図6】図1の表示部における表示を示す図である。
【図7】図6の表示部への制御方向表示の概念、および取得画像表示上に制御方向が表示された状態を示す図である。
【図8】図1の操作部および方向制御レバーの構造を示す概略図である。
【図9】図8の方向制御レバーの別の構成例およびさらに別の構成例を示す図である。
【図10】方向制御レバーによるカプセル内視鏡の制御を説明する図である。
【図11】回転磁界モードにおいて形成される回転磁場を説明する図である。
【図12】ジグリングモードにおいて形成される磁場を説明する図である。
【図13】トルク最大化モードにおいて形成される磁場を説明する図である。
【図14】トルク最大化モードにおける磁界変化パターンを説明する図である。
【図15】カプセル内視鏡の自動挿入モードを説明する概略図である。
【図16】カプセル内視鏡の自動挿入モードを説明する概略図である。
【図17】カプセル内視鏡の自動挿入モードを説明する概略図である。
【図18】偏差管理制御モードの一例および別の例を説明する図である。
【図19】偏差管理制御モードの更に別の例を説明する図である。
【図20】偏差情報と操作部へのフィードバック情報との関係の一例および別の例を示す図である。
【図21】偏差情報と操作部へのフィードバック情報との関係の更に別の例を示す図である。
【図22】カプセル内視鏡に作用する旋回トルクの変動を説明する図である。
【図23】回転磁場における旋回トルクの変動を説明する図である。
【図24】図1のカプセル内視鏡の別の実施形態を説明する概略図である。
【図25】図1のカプセル内視鏡の更に別の実施形態を説明する概略図である。
【図26】図1のカプセル内視鏡の更に別の実施形態を説明する概略図である。
【図27】図1のカプセル内視鏡の構成を適用した内視鏡の実施例を説明する概略図である。
【図28】図6および図8の表示部および操作部の別の実施形態を説明する図である。
【図29】本発明の第2の実施形態におけるプローブ制御システムの構成の概略を示す図である。
【図30】図29のプローブに搭載された永久磁石の配置を説明する図である。
【図31】図30のプローブ構成を適用したカプセル内視鏡の構成を説明する図である。
【図32】プローブの周囲に平行磁界を形成した状態を説明する図である。
【図33】プローブの周囲に円錐磁界を形成した状態を説明する図である。
【図34】プローブの周囲に首振り磁界を合成した状態を説明する図である。
【符号の説明】
【0116】
1 カプセル内視鏡制御システム(医療装置制御システム)
3,3A,3B,3C カプセル内視鏡(挿入部、医療装置)
5 位置検出センサ(方向検出部)
7 3軸ヘルムホルツコイル(磁界発生部)
13,13´ 操作部
15,15´ 表示部
17 制御部(ユーザーインターフェイス制御部、所定値変更部)
19 ユーザーインターフェイス
21 磁界制御部(磁界パターン変更部)
23 制御方向決定部
35 永久磁石(磁界応答部)
39 螺旋部(推進部)
61 取得画像表示(取得画像表示部)
93 レバー本体(可動体)
99 フィードバック部(偏差情報伝達部、振動体、反力発生部、負荷発生部)
101 偏心モータ(偏差情報伝達部、振動体)
103 球体部(偏差情報伝達部、負荷発生部)
105 摩擦部(偏差情報伝達部、負荷発生部)
201 プローブ制御システム(医療装置制御システム)
203 プローブ(挿入部)
205 X線装置(方向検出部)
R 回転軸(挿入方向、中心軸線)
C 制御方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内に挿入される挿入部と、前記挿入部に配置され、前記被検体外から印加される磁界に応答してトルクを発生する磁界応答部とを有する医療装置と、
前記挿入部の挿入方向を検出する方向検出部と、
前記磁界応答部に作用し、前記挿入部を制御方向に向けるために磁界を発生する磁界発生部と、
前記挿入方向に対する前記制御方向との偏差が、所定の値以下となるように前記磁界発生部を制御する磁界制御部とを備える医療装置制御システム。
【請求項2】
前記磁界制御部は、前記偏差が前記所定の値を超えた場合に、前記制御方向を前記挿入方向に略一致するように前記磁界発生部を制御する請求項1記載の医療装置制御システム。
【請求項3】
前記磁界制御部が、前記所定の値を有効な範囲で変更する所定値変更部を有する請求項1または請求項2に記載の医療装置制御システム。
【請求項4】
前記挿入部が、前記挿入方向に推進力を発生させる推進力発生部を有する請求項1から請求項3のいずれかに記載の医療装置制御システム。
【請求項5】
前記推進力発生部が、前記略円筒形状の挿入部の中心軸の一端に、前記挿入部若しくは前記挿入部の外面を回転させる回転駆動部と、前記略円筒形状の中心軸を中心とするように前記挿入部の外面に設けられた螺旋部とからなる請求項4記載の医療装置制御システム。
【請求項6】
前記磁界応答部が、前記挿入部に固定された電磁石または永久磁石のいずれかであって、前記挿入方向に対して垂直な磁化方向を有し、
前記挿入部が、略円筒形状を有するカプセル内視鏡であり、前記円筒形状の中心軸を軸とするように該カプセル内視鏡の外面に設けられた螺旋部を備える請求項4記載の医療装置制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2008−168144(P2008−168144A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40701(P2008−40701)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【分割の表示】特願2005−85939(P2005−85939)の分割
【原出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】