説明

半導体の表面、具体的には集積回路を伴う表面の除去装置

【課題】半導体の表面、具体的には集積回路を有する表面を取り除くための装置を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの半導体ウェーハ13又はその少なくとも1つの断片を照射することにより予め設定された厚さの表面層を剥離させるように設計されたレーザエミッタ手段11と、半導体ウェーハ又はその断片のための支持手段14と、上記少なくとも1つの半導体ウェーハ又はその断片に対して上記エミッタ手段を相対移動させるための手段15を備えた装置であって、上記エミッタ手段に、エミッタより放射されるレーザビームが半導体ウェーハ又はその断片の除去されるべき表面の全体に進行する経路をたどらせるように適合化されている、集積回路表面除去装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の表面、具体的には集積回路を有する表面を取り除くための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路又はチップは、半導体材料(概してシリコンであるが、ガリウム砒素又は他の類似材料及び同等材料である場合もある)の基板上へ電子回路を集積することによって構成される電子デバイスである。
【0003】
集積回路(以後IC)の製造コストはその複雑さが増す場合もほとんど、又は全く変化せず、従って、互いに、かつ外部と相互に連接される一連の内部ステージで構成される複雑な回路を開発し、特定の装置に必要とされる全ての機能を集中させることのほうが遙かに経済的である。
【0004】
このような理由により、超小型電子技術の業界は、汎用ICの提供量は比較的少ないものの、各々が特有の目的で設計された、従って企業の貴重なノウハウとなる何万もの特殊化されたICを提供している。
【0005】
企業が考案する各技術的ソリューションは知的及び工業所有権を発生させ、これらは特許によって保護されている場合があるが、これらの技術的ソリューションの大部分は一般的に会社内の産業機密扱いにされ、よって製造会社は、自社の技術コンテンツが競合企業に気付かれないように用心深く隠蔽する措置を講じている。
【0006】
ICを製造するための最初の材料は、基板として知られる半導体の円形部分である。概して既に弱いドーピングが施されているこの材料は、イオンインプランテーションによって、又は熱拡散によってさらにドープされ、並列配置された一連の所定の同一回路を後に作成するためのアクティブな領域が生成される。次に、多結晶半導体層、絶縁薄層、酸化物絶縁層及び電気接続のための金属層(ケイ化物、又は例えばアルミニウム、タングステンもしくは例外的に銅等の金属)等の異なる材料による一連の薄層が、エピタキシによって、又は熱的に蒸着されて成長される。
【0007】
先に述べたように、新しいICは各々知的及び/又は産業財産権を発生させる。これは、使用されていない、又は廃棄された製品を処分する際に、許諾されていない第三者が上記未使用の集積回路のコンテンツをコピーして再現することを不可能にする必要性に関連した問題を引き起こす。
【0008】
現時点では、競合者が廃棄された回路内に存在する知的財産を産業スパイ行為によって入手することを防止するために、廃棄された集積回路はグラインディングによって粉砕される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このグラインディングは、かなりのコストを費やして、破壊されるべき回路の製造業者側のオブザーバによる目視監督下で作業するように要請された専門企業によって実行される。オブザーバは、認定された要員が、廃棄される回路が全て十分に粉砕されるように適切に作業を進めることを確認しなければならない。
【0010】
このグラインディングは、必然的に2つのリスクを伴う。第1のリスクは、認定された要員の忠節に関したリスクであり、第2のより具体的なリスクは、微粉砕は必ずしも回路をそれが使用不可になるサイズにまで縮小しないという事実に関したものである。場合によっては、マイクロチップの微視的な粒からも、マイクロチップが保有する知的財産を復元することが実際に可能である。
【0011】
さらに、回路が設けられるシリコン又は他の同等の半導体製のウェーハはグラインディングによって全て失われることになり、原材料が無為に浪費される。
【0012】
代替方法として、回路の表面を化学洗浄するための技術が知られるが、この技術は、機械装置の観点、使用済み溶剤の処分の観点及び労力の観点から極めて複雑かつコスト高であることが分かっている。
【0013】
本発明の課題は、上述の技術によりかつ既知のタイプの装置により示される欠点を未然に防ぐことのできる、半導体の表面、具体的には集積回路の表面を取り除くための装置を提供することにある。
【0014】
この課題に沿って、本発明の目的は、半導体ウェーハの表面から集積回路のあらゆる痕跡をなくして第三者によるコピー又は復元の試みを不可能にする、半導体の表面を取り除くための装置を提供することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、半導体ウェーハの少なくとも一部を回収できるようにする、半導体の表面を取り除くための装置を提供することにある。
【0016】
本発明の別の目的は、自動的に運転するようにプログラムすることができ、よって限定的な資格しか有さない少数のオペレータでも管理できる装置を提供することにある。
【0017】
本発明の別の目的は、既知のシステム及び技術を使用して製造できる、半導体の表面、具体的には集積回路の表面を取り除くための装置を提供することにある。
【0018】
後にさらに明白となるこの課題及びこれらの目的及び他の目的を達成する、半導体の表面、具体的には集積回路を有する表面を取り除くための装置は、
− レーザエミッタ手段であってその少なくとも1つのビームが少なくとも1つの半導体ウェーハ又はその少なくとも1つの断片に当たって予め設定された厚さの表面層を剥離させるように設計されたレーザエミッタ手段と、
− 上記少なくとも1つのウェーハ又はその断片の支持手段と、
− 上記少なくとも1つのウェーハ又はその断片に対して上記エミッタ手段を相対移動させるための手段と、を備え、上記移動手段は、上記エミッタ手段に、上記エミッタにより放射される少なくとも1つのビームが上記少なくとも1つのウェーハ又はその断片の除去されるべき表面の全体に進行する経路をたどらせるように適合化されていることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のさらなる特徴及び効果は、添付の図面において非限定的な例として示される、その2つの好適な、但し排他的でない実施形態に関する以下の詳細な説明からより明らかとなるであろう。
【0020】
図を参照すると、本発明による、半導体の表面、具体的には集積回路を有する表面を取り除くための装置の全体を、図1に略示されているその第1の実施形態において参照符号10で示される。
【0021】
装置10はレーザエミッタ手段11を備え、上記エミッタ手段11の少なくとも1つのビーム12は、下に横たわる半導体ウェーハ13に当たって予め設定された厚さAを有する表面層14を剥離するように設計されている。
【0022】
先に述べたように本発明の非限定的な例であるこの第1の実施形態では、後にさらに明確に述べるエミッタ手段11が単一のレーザビーム12を放射する。
【0023】
装置10は、単一のウェーハ13又はその断片を処理するためのものであり、ウェーハ13は、実際には壊れた、又は部分的に砕けた形状で存在することもある。
【0024】
装置10はさらに、例えば支持面14である、上記少なくとも1つのウェーハ13又はその断片のための支持手段を備える。
【0025】
装置10はさらに、ウェーハ13又はその断片に対してエミッタ手段11を相対移動させるための手段15を備え、上記移動手段は、上記エミッタ手段に、上記手段により放射されるビーム12がウェーハ13又はその断片の除去されるべき表面の全体に進行する経路をたどらせるように構成されている。
【0026】
図1は、一例として、それ自体が既知のタイプである移動手段15が、エミッタ手段11によるウェーハ13の中心から外縁へ向かう螺旋動作を可能にすることを示す。
【0027】
ウェーハ13の表面に装備されるマイクロチップ17はウェーハ上に略示されているが、レーザビーム12の作用によって取り除かれるように設計されている。
【0028】
レーザエミッタ手段11は、安全に作動するように一部が破線で示されているフード18内に置かれ、フード18には、レーザビーム12の作用によって昇華される物質から成るガスを排除するための例えばポンプである吸引手段及び濾過手段19が結合される。昇華された物質から成る上記ガスは、昇華領域から低温領域へ遠ざかるにつれて凝固して近傍に落下する傾向があり、よって吸引手段19は、エミッタ手段11の作動領域であるフード18内に破壊屑が蓄積することを防止する。
【0029】
先に述べたように、エミッタ手段11は、Nd:Yag(ネオジムドープ・イットリウムアルミニウムガーネット)結晶タイプ、又はこれに類似する同等タイプのレーザエミッタを備える。
【0030】
エミッタ手段11は、10から30kHzまでの範囲の周波数及び1064nmの波長でパルスビーム12(業界用語でいう「Qスイッチ」)を放射することができる。
【0031】
上記レーザエミッタの出力は、約500公称ワットである。
【0032】
極めて高い比エネルギーを有するレーザパルスは各々、1つの領域と次の領域との間で重複する部分を伴いながら約0.3×0.3mmの表面領域に作用する。上記重複する部分は、好適には、単一のレーザパルスが当たる領域の約50%である。
【0033】
本明細書で使用する「約」という用語は、これが付される値が関連分野では一般的であるとして当業者に周知の範囲内で変わる場合のあることを指すためのものである。
【0034】
装置10の動作は、下記の通りである。
【0035】
剥離は、ウェーハ13を支持面14上に位置合わせし、これをレーザエミッタに対して心合わせした後に開始される。
【0036】
パルスレーザビーム12はウェーハ13の中心領域に当てられ、次いで、螺旋形路を外側へ辿るようにして移動され、ウェーハ13の表面全体をカバーする。
【0037】
レーザパルスは、図中のクラウド20で略示されるプラズマ(概して5000℃から9000℃の範囲の超高温イオン化ガス)を形成する。
【0038】
パルスレーザビーム12の強力なエネルギー衝撃による作用と、レーザパルスが作用する領域に発生されるプラズマ20の高温による作用との結合は、ウェーハ13の表面上に存在するエレメントが金属であれ、酸化物、窒化物、シリコン又は他の物質であれ、上記エレメントの深さAまでの状態変化(昇華)を決定する。深さAは、エミッタ手段11を適切に調節することによって予め設定することができ、典型的には、1から20ミクロンまでの範囲である。
【0039】
ウェーハ13の表面上のマイクロチップ17を構成するこれらのエレメントは、数マイクロ秒で固体状態から気体状態へ移行し、レーザパルスのエネルギー的な連続作用によってウェーハ13のシリコン表面から離昇される。
【0040】
昇華された複合物によるこれらのガスは、昇華点から移動されるとプラズマバブル20の周縁領域へ向かって流れ、遠心力により低温領域へ至り、当該領域で冷却され、凝固する。
【0041】
吸引手段19は、最終的に生じた固体粒子がウェーハ13の表面上へ再び堆積しないように、凝固した上記ガスを除去する。
【0042】
従って、本発明による装置10の動作は、半導体ウェーハ13の表面上に存在するエレメント及び/又は有機物質及び無機物質の層を、格子間拡散であれ、イオンインプランテーション、エピタキシャル蒸着又は他の類似作業及び同等作業であれ、上記エレメント及び/又は層がウェーハ13上へ蒸着された方法に関わらず、一度のパスで同時に、かつ高速で除去しかつ抽出することにある。
【0043】
これらのエレメント及び/又は層は、概してマイクロチップ17を画定する。上記マイクロチップは、概して1ミクロン未満の厚さBを有する。
【0044】
エミッタ手段11が動作する間は、図4に例示されるように、マイクロチップ17の層に加えて、基板の一部であるシリコンの一部も昇華されて除去されるが、ウェーハ13の大部分は保持され、後続のリサイクル作業に利用可能である。
【0045】
装置10が実行するように設計されるこのプロセスは、シリコンに限らず様々なタイプの半導体に、ウェーハ13の全体形状及び破壊した断片形状の双方で実行することができる。
【0046】
図2及び3に略示され、かつ参照数字110で示されている第2の実施形態において、本発明による装置は、並列配置された一連のエミッタを備えるレーザエミッタ手段111を装備している。図示されている例では、上記一連のエミッタは4つであり、各々111a、111b、111c及び111dである。
【0047】
個々のビーム112a、112b、112c及び112dは、処理されている表面領域がレーザの作用によってエッチングされずに残る危険性がなく安全に動作するように、横方向に隣接するエミッタによって生成されるビームに重なる。
【0048】
従って、ビーム112a以下は、全体として、ウェーハ113がその全幅に渡って処理されるようなサイズの一帯へ作用する。
【0049】
エミッタ111a以下は、コンベヤベルト114に対して垂直方向に並列配置され、コンベヤベルト114は、ベルト114上へ位置決めされる一連の連続するウェーハ113、113a又はその断片のための支持面を形成する。
【0050】
ベルト114は、回転することによってウェーハを、エミッタ111a以下がその内部で作動するフード118の下へ相次いで移動させる。
【0051】
同じく本発明の非限定的な例である、本発明のこの第2の実施形態では、吸引及び濾過手段は、第1の吸引手段119aと、第2の吸引手段119bと、濾過又はフィルタ手段119cとを備える。
【0052】
第1の吸引手段119aは、フード118においてコンベヤベルト114より下で作動する。
【0053】
コンベヤベルト114は穴121を装備し、よって、フード118より下に設けられる吸引チャンバ122内へ誘導される吸気によりウェーハ113以下はベルト114へ張り付き、剥離作業の間はその位置に保たれる。ベルト114は、同時にガス及び破壊屑を吸引してガスを冷却させる。
【0054】
また、コンベヤベルト114は、エミッタ手段111と支持手段(事実上ベルト114により構成される)とを相対動作させるための手段115も構成する。
【0055】
第2の吸引手段119bは、フード118の上側部分からガスを吸引する。
【0056】
第1の吸引手段119a及び第2の吸引手段119bは共に、既知のタイプのフィルタで構成される濾過手段119cへ接続される。濾過手段119cは、吸引される有害物質を保留するように適合化されている。
【0057】
こうして、装置110は継続動作によって大量の半導体ウェーハを処理することができ、第1の実施形態における装置10によって達成できる方法に類似する方法で、半導体ウェーハからその上に製造されたマイクロチップを完全に除去する。
【0058】
計算によれば、このような装置110の使用により、直径8インチのウェーハを1時間に150から200枚まで、理想的には、1日に3600から4800枚の範囲で清浄にすることが可能である。
【0059】
エミッタ111a以下の動作原理は、本発明の第1の実施形態10のNd:Yag結晶エミッタ手段に関して述べたものに完全に類似している。
【0060】
本発明による装置10及び110の用途は、特に電子機器部門において多数存在する可能性がある。
【0061】
装置10及び110は、半導体ウェーハ13及び113の表面、又はその断片の表面に様々な方法で蒸着された金属製及び非金属製双方の全ての回路、パターン、層を電力の使用のみで、故に特にコスト高で複雑な化学プラントに頼ることなく除去することを可能にする。
【0062】
処理されるべきウェーハの表面上におけるレーザパルスの重なりは、知的財産を包含する集積回路の完全な除去を保証し、結果的に、如何なる方法であれ第三者がこの知的財産をコピーしかつ/又は使用することを不可能にする。
【0063】
実際には、これまでに説明した本発明はその課題及び目的を達成することが判明している。
【0064】
具体的には、本発明は、半導体ウェーハの表面から集積回路のあらゆる痕跡をなくして第三者によるコピー又は復元の試みを不可能にする、半導体の表面を取り除くための装置を提供する。
【0065】
さらに、本発明は、マイクロチップを含む表面層が取り除かれた半導体ウェーハの大部分を回収できるようにする、半導体の表面を取り除くための装置を提供する。残された半導体材料は、既知の技術によってリサイクルされることが可能である。
【0066】
さらに、本発明は、自動的に運転するようにプログラムすることができ、よって限定的な資格しか有さない少数のオペレータでも管理できる装置を提供する。
【0067】
さらに、本発明は、既知のシステム及び技術によって製造できる、半導体の表面、具体的には集積回路の表面を取り除くための装置を提供する。
【0068】
このようにして考案される本発明は、多くの修正及び変形が可能であり、これらは全て、添付のクレームの範囲に含まれる。詳細事項は全て、技術的に同等である他のエレメントにさらに置換されてもよい。
【0069】
実際には、特有の使用に適合性がある限り、使用される材料並びに寸法は、要件及び最新技術に従った任意のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明による、その第1の実施形態における装置を示す略斜視図である。
【図2】本発明による、その第2の実施形態における装置を示す略正面図である。
【図3】図2に示す本発明の第2の実施形態における装置の側面図である。
【図4】本発明による装置を使用して実行される剥離を示す側断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体の表面、具体的には集積回路を有する表面を取り除くための装置において、
− 少なくとも1つのビーム(12,112a,112b,112c,112d)が、少なくとも1つの半導体ウェーハ(13,113,113a)又はその少なくとも1つの断片に当たって予め設定された厚さ(A)の表面層を剥離させるように設計された、レーザエミッタ手段(11,111)と、
− 前記少なくとも1つのウェーハ(13,113,113a)又はその断片のための支持手段(14,114)と、
− 前記少なくとも1つのウェーハ(13,113,113a)又はその断片に対して前記エミッタ手段(11,111)を相対移動させるための手段(15,115)であって、前記エミッタ手段に、発光により放射される少なくとも1つのビーム(12,112a,112b,112c,112d)に前記少なくとも1つのウェーハ(13,113,113a)又はその断片の除去されるべき表面の全体に進行する経路をたどらせるように適合化されている手段(15,115)とを備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記エミッタ手段(11,111)は、Nd:Yag結晶タイプ、又はこれに類似するタイプ及びこれと同等タイプである少なくとも1つのレーザエミッタを備えることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記エミッタ手段(11,111)は、10から30kHzまでの範囲の周波数及び1064nmの波長でパルス化されるビーム(12,112a,112b,112c,112d)を放射するように適合化されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記エミッタ手段(11,111)は約500公称ワットの電力レベルを有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1つに記載の装置。
【請求項5】
前記レーザパルスは前記レーザパルスが作用する領域にプラズマ(20)を形成し、前記プラズマ(20)は、前記レーザパルスの作用と共働して前記ウェーハ(13)の表面上に存在するエレメントを深さ(A)まで剥離させ、前記深さ(A)は前記エミッタ手段(11)を適宜調節することによって予め設定され得ることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項6】
極めて高い比エネルギーを有する前記レーザパルスは各々、約0.3×0.3mmである表面領域に作用することを特徴とする、1から5のいずれか1つに記載の装置。
【請求項7】
前記レーザパルスは、照射される表面の1つの領域と次の領域との間に重複する部分を伴いながら相次いで発生し、前記重複する部分は、好適には、個々のレーザパルスが当たる領域の約50%であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1つ記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのウェーハ(13)又はその断片のための前記支持手段は支持表面(14)によって構成されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1つに記載の装置。
【請求項9】
前記移動手段(15)は、前記エミッタ手段(11)による前記ウェーハ(13)の中心から外縁へ向かう、又はその逆の螺旋動作(16)を可能にすることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1つに記載の装置。
【請求項10】
前記レーザエミッタ手段(11,111)は安全に作動するようにフード(18,118)内に配置され、前記フード(18,118)には、前記レーザビームの作用によって昇華される物質から成るガスを排除するための吸引及びフィルタ手段(19,119a,119b,119c)が結合されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1つに記載の装置。
【請求項11】
前記レーザエミッタ手段(111)は、並列配置された一連のエミッタ(111a,111b,111c,111d)を備えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1つに記載の装置。
【請求項12】
並列配置された前記エミッタ(111a,111b,111c,111d)の個々のビーム(112a,112b,112c,112d)は、処理されている表面の領域が前記レーザの作用によってエッチングされずに残る危険性がなく動作するように、前記横方向に隣接するエミッタによって生成されるビームに重なることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1つに記載の装置。
【請求項13】
前記ビーム(112a,112b,112c,112d)は、全体として、前記ウェーハ(113)の全幅に渡って作用するようなサイズの一帯を形成することを特徴とする、請求項1から12のいずれか1つに記載の装置。
【請求項14】
前記移動手段(115)は、一連の連続するウェーハ(113,113a)又はその断片のための支持面を形成するコンベヤベルト(114)によって構成され、前記一連の連続するウェーハ(113,113a)又はその断片は前記ベルト(114)上へ載せられ、前記エミッタ(111a,111b,111c,111d)は前記ベルト(114)に対して垂直方向に並列配置されていることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1つに記載の装置。
【請求項15】
前記ベルト(114)は回転することにより、前記ウェーハを相次いで、前記エミッタ(111a,111b,111c,111d)がその内部で作業する前記フード(118)より下に置くことを特徴とする、請求項1から14のいずれか1つに記載の装置。
【請求項16】
前記吸引及び濾過手段は、前記フード(118)において前記コンベヤベルト(114)より下で作業するように適合化された第1の吸引手段(119a)と、前記フード(118)の上側部分からガスを吸引することに適する第2の吸引手段(119b)とを備え、前記第1の手段(119a)及び前記第2の手段(119b)は、吸引される有害物質を保留するように適合化された既知のタイプのフィルタで構成される前記濾過手段(119c)へ接続されることを特徴とする、請求項1から15のいずれか1つに記載の装置。
【請求項17】
前記コンベヤベルト(114)には複数の穴(121)が開けられ、よって前記フード(118)より下に設けられる吸引チャンバ(122)内へ誘導される部分的真空により前記ウェーハ(113)以下は前記ベルト(114)へ張り付き、よって剥離作業の間は所定位置に保たれ、かつ前記ベルト(114)は同時にガス及び破壊屑を吸引してガスを冷却させることを特徴とする、請求項1から16のいずれか1つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−34728(P2009−34728A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−21429(P2008−21429)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(508033797)ヘリオス・テクノロジー・ソシエタ・レスポンサビリタ・リミタータ (1)
【氏名又は名称原語表記】HELIOS TECHNOLOGY S.R.L.
【Fターム(参考)】