説明

半導体チップ及び半導体装置

【課題】半導体チップの小型化を妨げず、集積度を低下させずに、Alワイヤによるボンディングが可能な半導体チップ及び半導体装置を提供する。
【解決手段】プリント基板10と、プリント基板10上に搭載され、上面の外周に沿った第1の列L1をなす複数の第1の接続パッド21、及び、第1の列L1と平行かつ第1の列L1よりも内側に離間した第2の列L2をなす複数の第2の接続パッド22が設けられた半導体チップ20と、プリント基板10と半導体チップ20とを接続する第1のボンディングワイヤ31、第2のボンディングワイヤ32とを備える半導体装置1である。第1の列L1をなす第1の接続パッド21と第2の列L2をなす第2の接続パッド22との間には回路素子23、24が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップ及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
接続パッドを2列に配列したLSI等の半導体チップをプリント基板上にワイヤボンディングによって実装した半導体装置がある(例えば、特許文献1参照)。
ボンディング用のワイヤの材料として、アルミニウム(Al)を用いることが考えられる(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−332096号公報
【特許文献2】特開2005−101256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、Alワイヤ用のボンディングヘッドは一般に金ワイヤ用のボンディングヘッドよりも大きい。このため、半導体チップ上に設ける接続パッドの間隔を広くする必要があり、半導体チップの小型化を妨げるとともに、集積度が低下するという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、半導体チップの小型化を妨げず、集積度を低下させずに、Alワイヤによるボンディングが可能な半導体チップ及び半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明の半導体チップは、上面の外周の辺に沿った第1の列に配列された複数の第1接続パッドと、前記辺において前記上面側から見て前記第1の列よりも内側の第2の列に配列され、且つ前記第1接続パッドと離間した複数の第2接続パッドと、前記辺における前記第1接続パッド及び前記辺における前記第2接続パッドの間に配置された複数の回路素子と、を備える。
【0007】
上記半導体チップは、集積回路領域に集積回路を備え、前記回路素子は、前記集積回路に接続されていてもよい。
前記回路素子は、前記第1接続パッド及び前記第2接続パッドの少なくともいずれかに接続されていてもよい。
前記複数の第1接続パッドは、それぞれ前記複数の第2接続パッドのそれぞれと互い違いに配置されていてもよい。
前記第1接続パッド及び前記第2接続パッドのいずれか一方は、複数の導体層が積層されてなり、前記回路素子は、前記複数の導体層の少なくとも一つの層と同一平面に、前記一つの層と同一材料の層を含んでもよい。
本発明の半導体装置は、複数の第1の電極及び複数の第2の電極が設けられたプリント基板と、上面の外周の辺に沿った第1の列に配列された複数の第1接続パッドと、前記辺において前記上面側から見て前記第1の列よりも内側の第2の列に配列され、且つ前記第1接続パッドと離間した複数の第2接続パッドと、前記辺における前記第1接続パッド及び前記辺における前記第2接続パッドの間に配置された複数の回路素子と、を備え、前記プリント基板上に搭載された半導体チップと、前記プリント基板の前記第1の電極及び前記半導体チップの前記第1接続パッドを接続する第1のボンディングワイヤと、前記プリント基板の前記第2の電極及び前記半導体チップの前記第2接続パッドを接続する第2のボンディングワイヤと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、半導体チップの小型化を妨げず、集積度を低下させずに、Alワイヤによるボンディングが可能な半導体チップ及び半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態にかかる半導体装置1の平面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】半導体チップ20を図1のIII部において拡大した平面図である。
【図4】図3のIV−IV矢視断面図である。
【図5】半導体装置1の製造方法の説明図である。
【図6】(a)、(b)は半導体装置1の製造方法の説明図である。
【図7】半導体装置1の製造方法の説明図である。
【図8】半導体装置1の製造方法の説明図である。
【図9】図7に示す状態における、第2のボンディングワイヤ32を形成するボンディングヘッド50と、第1の接続パッド21、第2の接続パッド22及び既設の第1のボンディングワイヤ31との位置関係を示す平面図である。
【図10】図9のX−X矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は本発明の実施形態にかかる半導体装置1の平面図であり、図2は図1のII−II矢視断面図である。半導体装置1は、プリント基板10と、半導体チップ20と、第1のボンディングワイヤ31、第2のボンディングワイヤ32と、封止層40と、等から概略構成される。
【0011】
プリント基板10は半導体チップ20を搭載する回路基板等であり、上面には半導体チップ20を搭載する部分を中心とする同心円C1、C2上に複数の第1の電極11、第2の電極12、及び、第1の電極11、第2の電極12と接続される配線が形成されている。なお、内側の同心円C1上に配列された第1の電極11の数が同心円C1の外側に位置する同心円C2上に配列された第2の電極12の数より多い。第1の電極11にはそれぞれ第1のボンディングワイヤ31の一端が固定されて電気的に接続され、第2の電極12にはそれぞれ第1のボンディングワイヤ31よりも長い第2のボンディングワイヤ32の一端が固定されて電気的に接続される。
【0012】
半導体チップ20は、半導体チップ20の上面側から見て外周が略四辺形状であり、半導体チップ20の一方の面上には、各辺ごとに外周に沿って互いに平行な2列の第1の接続パッド21、第2の接続パッド22が形成されている。第1の接続パッド21、第2の接続パッド22は例えば少なくともアルミニウムを含む電極である。各第1の接続パッド21は、半導体チップ20の上面側から見て、中心が外側の列L1に重なり且つ列L1に並んで互いに離間されて配列され、各第2の接続パッド22は半導体チップ20の上面側から見て、列L1よりも内側の列L2に中心が重なり且つ列L2に並んで互いに離間されて配列されている。縦横4辺に配列した列L2に囲まれた、内側の部分(半導体チップ20の中央部)には集積回路が形成されている集積回路領域29が設けられている。各辺における第1の接続パッド21、第2の接続パッド22は、列L1、L2の方向に互い違いに設けられている。すなわち、各辺と直交する側から見て、当該辺側に配置された列L1の互いに隣接する二つの第1の接続パッド21、21の境界領域に、当該辺側に配置された列L2の一つの第2の接続パッド22が重なるように配置されており、同時に、各辺と直交する側から見て、当該辺側に配置された列L2の互いに隣接する二つの第2の接続パッド22、第2の接続パッド22の境界領域に、当該辺側に配置された列L1の一つの第1の接続パッド21が重なるように配置されている。
【0013】
第1の接続パッド21にはそれぞれ第1のボンディングワイヤ31の他端が固定されて電気的に接続され、第2の接続パッド22にはそれぞれ第2のボンディングワイヤ32の他端が固定され電気的に接続されている。
【0014】
各辺における第1の接続パッド21の列L1と第2の接続パッド22の列L2との間は、後述するボンディングヘッド50が第1の接続パッド21と第2の接続パッド22の両方を同時に接触しないような長さに設定され、列L1と列L2の距離は、例えば約300〜400μm離れている。
なお、電源電圧端子(VDD端子、VSS端子)やシステムリセット端子には、列L1側の第1の接続パッド21のいずれかが用いられており、列L2の第2の接続パッド22は用いられていない。また、後述する接続テストを行うための入力端子や出力端子も、列L1側の第1の接続パッド21のいずれかが用いられており、列L2の第2の接続パッド22は用いられていない。
【0015】
第1のボンディングワイヤ31はプリント基板10の第2の電極12より内側の第1の電極11と半導体チップ20の第2の接続パッド22より外側の第1の接続パッド21とを接続する。第2のボンディングワイヤ32はプリント基板10の第1の電極11より外側の第2の電極12と半導体チップ20の第1の接続パッド21より内側の第2の接続パッド22とを接続する。図2に示すように、第1のボンディングワイヤ31は第2のボンディングワイヤ32よりも短く、第2のボンディングワイヤ32よりも下方に形成される。
第1のボンディングワイヤ31、第2のボンディングワイヤ32は例えば直径約20〜30μmのアルミニウムを含むワイヤであり、超音波圧着によって第1の電極11、第2の電極12をそれぞれ第1の接続パッド21、第2の接続パッド22に接続させる配線である。
【0016】
封止層40は絶縁性の樹脂からなり、第1のボンディングワイヤ31、第2のボンディングワイヤ32及び第1のボンディングワイヤ31、第2のボンディングワイヤ32により接続されたプリント基板10及び半導体チップ20を封止し、隣接する第1のボンディングワイヤ31、第2のボンディングワイヤ32同士を絶縁する。
【0017】
図3は半導体チップ20を図1のIII部において拡大した平面図であり、図4は図3のIV−IV矢視断面図である。図3、図4に示すように、半導体チップ20には、各辺における列L1に配列された第1の接続パッド21と列L2に配列された第2の接続パッド22との間に、半導体素子等の回路素子23、24が設けられている。第1の接続パッド21と回路素子23とは配線27aにより接続され、回路素子23と集積回路領域29の回路とは配線27bにより接続されている。同様に、第2の接続パッド22と回路素子24とが配線28aにより接続され、回路素子24と集積回路領域29の回路とが配線28bにより接続されている。
【0018】
回路素子23、24は例えば保護回路であり、静電気や雷サージ等の異常な電圧、電流が第1の接続パッド21、第2の接続パッド22から集積回路領域29の回路へ直接入力されるのを防止する。保護回路素子として、例えば、抵抗、ダイオード、トランジスタ、コンデンサ等を用いることができる。保護回路素子は、半導体基板25上に層間絶縁膜26やパターニングした導体層を所定の順番で積層することで形成することができる。
なお、列L1、L2の間に、保護回路以外の回路素子を設けてもよく、例えばオペアンプやボルテージレギュレータや論理回路の少なくともいずれかを含んでもよい。
各辺において、列L1に配列された第1の接続パッド21と列L2に配列された第2の接続パッド22との間が、後述するボンディングヘッド50の大きさのために、所定の間隔をおかなければならず、集積回路の集積度が低くなってしまう恐れがあったが、第1の接続パッド21と第2の接続パッド22との間に回路素子を設けることにより、半導体チップ20の集積度を損なうことを抑制できる。
【0019】
第1の接続パッド21は、導体層211、212、213の積層体であり、導体層211、212、213同士は、各層間絶縁膜26に形成されたコンタクトホールを介して導通している。第2の接続パッド22は、導体層221、222、223の積層体であり、導体層221、222、223同士は、各層間絶縁膜26に形成されたコンタクトホールを介して導通している。第1の接続パッド21、第2の接続パッド22の導体層は、三層構造に限らず、二層以下であっても、四層以上であってもよく、層間絶縁膜26も二層以下であっても、四層以上であってもよい。このため、第1の接続パッド21は導体層211のみでもよく、第2の接続パッド22は導体層221のみでもよい。
回路素子23は、層231、232、233の積層体であり、回路素子24は、層241、242、243の積層体である。層231は、共通材料層をパターニングして層241と同時に形成することができ、層232は、共通材料層をパターニングして層242と同時に形成することができ、層233は、共通材料層をパターニングして層243と同時に形成することができる。回路素子23、24は、三層構造に限らず、二層以下であっても、四層以上であってもよく、また層と層との間に層間絶縁膜26を介在させてもよい。
なお、回路素子23、24を構成する層の少なくとも一部は、共通材料層をパターニングして第1の接続パッド21、第2の接続パッド22の導体層の少なくとも一部と同時に形成してもよい。この場合、回路素子23、24を構成する層の少なくとも一部と、第1の接続パッド21、第2の接続パッド22の導体層の少なくとも一部は、同一平面上にあることになる。
また、回路素子23、24は、半導体基板25上でなくても、半導体基板25内に形成されていてもよく、一部が半導体基板25内に形成され、他部が半導体基板25上に積層されていてもよい。
【0020】
次に、半導体装置1の製造方法について、図5〜8を用いて説明する。
(1) まず、図5に示すように、プリント基板10の上部に半導体チップ20を載置した状態で、第1のボンディングワイヤ31、第2のボンディングワイヤ32となるAlワイヤ30が挿通孔51に挿通されたボンディングヘッド50の先端に、挿通孔51から延出されたAlワイヤ30の端部を配置させ、ボンディングヘッド50の先端を第1の接続パッド21上に配置する。そして、Alワイヤ30の端部をボンディングヘッド50の先端により第1の接続パッド21に押し付けて潰し、超音波圧着する。Alワイヤ30はアルミニウムを主成分とした配線であり、アルミニウム単体でもよく、アルミニウム合金でもよい。
【0021】
(2) 次に、図6(a)に示すように、ボンディングヘッド50の先端からAlワイヤ30を繰り出しながら、第1のボンディングワイヤ31のループを形成するようにボンディングヘッド50を第1の電極11上に移動する。Alワイヤ30に、Alワイヤ30の弾性力に応じたループのくせをつけることで、隣接する第1のボンディングワイヤ31と接触することを防ぐことができる。
次に、Alワイヤ30の端部をボンディングヘッド50の先端により第1の電極11に押し付けて潰し、超音波圧着してから切断することで第1のボンディングワイヤ31が形成される。
(1)、(2)を繰り返し、全ての第1の電極11と第1の接続パッド21とを第1のボンディングワイヤ31で接続する。
【0022】
(3) 次に、図6(b)に示す状態で全ての第1のボンディングワイヤ31に対し、接続テストを行う。もし接続不良が発見された場合には、不良の第1のボンディングワイヤ31を取り除き、新たな第1のボンディングワイヤ31で接続し、再び接続テストを行う。接続テストは、第1の電極11にプローブ53を接触させて所定の信号又は電圧を供給することによって行われる。なお、電源電圧端子(VDD、VSS)やシステムリセット端子、接続テストを行うための入力端子は、全て列L1側の第1の接続パッド21のいずれかであるため、第2のボンディングワイヤ32を形成していない状態であっても接続テストを行うことができる。
また、接続テスト時に第2のボンディングワイヤ32が形成されていないので、プローブ53を容易に第1の電極11に接触させることができる。
【0023】
(4) 次に、図7に示すように、Alワイヤ30が挿通孔51に挿通されたボンディングヘッド50の先端に、挿通孔51から延出されたAlワイヤ30の端部を配置させ、ボンディングヘッド50の先端を第2の接続パッド22上に配置する。そして、Alワイヤ30の端部をボンディングヘッド50の先端により第2の接続パッド22に押し付けて潰し、超音波圧着する。
【0024】
(5) 次に、図8に示すように、ボンディングヘッド50の先端からAlワイヤ30を繰り出しながら、第2のボンディングワイヤ32のループを形成するようにボンディングヘッド50を第2の電極12上に移動する。Alワイヤ30に、Alワイヤ30の弾性力に応じたループのくせをつけることで、既存の第1のボンディングワイヤ31や隣接する第2のボンディングワイヤ32と接触することを防ぐことができる。
次に、Alワイヤ30の端部をボンディングヘッド50の先端により第2の電極12に押し付けて潰し、超音波圧着してから切断することで第1のボンディングワイヤ31が形成される。
ボンディングヘッド50の先端側で露出される挿通孔51が移動することによって描かれる軌跡が、第1のボンディングワイヤ31、第2のボンディングワイヤ32の略ループ形状となるが、第2のボンディングワイヤ32を形成時のボンディングヘッド50の先端側の挿通孔51の描く軌跡は、第1のボンディングワイヤ31を形成時のボンディングヘッド50の先端側の挿通孔51の描く軌跡の上を越えるようにボンディングヘッド50を移動させることによって、第2のボンディングワイヤ32やボンディングヘッド50が第1のボンディングワイヤ31に接触しないように第2のボンディングワイヤ32のループは第1のボンディングワイヤ31のループより高く配置されている。
【0025】
(6) 次に、全ての第1のボンディングワイヤ31、第2のボンディングワイヤ32に対し、接続テストを行う。もし第2のボンディングワイヤ32に接続不良が発見された場合には、不良の第2のボンディングワイヤ32を取り除き、新たな第2のボンディングワイヤ32で接続し、再び接続テストを行う。
【0026】
なお、第1のボンディングワイヤ31に接続不良が発見された場合には、不良の第1のボンディングワイヤ31を取り除くとともに、不良の第1のボンディングワイヤ31を取り除くために必要な第2のボンディングワイヤ32も取り除く。上記(3)の段階で先に接続テストを行い、不良の第1のボンディングワイヤ31を取り除いているため、第2のボンディングワイヤ32の取り付け後に第1のボンディングワイヤ31の接続不良が発見される確率は低い。
【0027】
(7) その後、封止層40となる絶縁性の樹脂を塗布し、第1のボンディングワイヤ31、第2のボンディングワイヤ32及び第1のボンディングワイヤ31、第2のボンディングワイヤ32により接続されたプリント基板10及び半導体チップ20を封止する。以上により、プリント基板10への半導体チップ20の実装が終了し、半導体装置1が完成する。
【0028】
ここで、図7に示す状態における、第2のボンディングワイヤ32を形成するボンディングヘッド50と、第1の接続パッド21、第2の接続パッド22及び既設の第1のボンディングワイヤ31との位置関係を示す平面図を図9に、図9のX−X矢視断面図を図10に示す。図9、図10に示すように、ボンディングヘッド50の先端には、Alワイヤ30の挿通孔51が形成されている。ボンディングヘッド50の先端の押圧部52でAlワイヤ30の端部を第1の電極11、第2の電極12や、第1の接続パッド21、第2の接続パッド22の上部に押し付け、超音波圧着する。
【0029】
図10に示すように、ボンディングヘッド50の先端の押圧部52が、第2の接続パッド22にAlワイヤ30を押しつけている状態で、ボンディングヘッド50が第1のボンディングワイヤ31に接触しないように、ボンディングヘッド50がAlワイヤ30を繰り出す方向のボンディングヘッド50の長さZ1は、半導体チップ20の上面側から見て第2の接続パッド22の内側先端から第1の接続パッド21の内側先端までの距離Z2より短く設定されている。また、図9に示すように、ボンディングヘッド50の幅W1は、第2の接続パッド22の幅W2と同じかそれよりも短い。
【0030】
図9、図10の一点鎖線は、第1の接続パッド21に第1のボンディングワイヤ31を取り付けるときのボンディングヘッド50の位置を参考までに示したものである。仮に、第2のボンディングワイヤ32を形成してから第1のボンディングワイヤ31を形成しようとする場合、ボンディングヘッド50が第2のボンディングワイヤ32に接触してしまうため、既設の第2のボンディングワイヤ32の隙間にボンディングヘッド50を挿入するのは困難である。さらに、ボンディングワイヤ32が第1の接続パッド21の上方を通過する場合もあり、より困難になる。
【0031】
本実施形態においては、第1の電極11と第1の接続パッド21とを第1のボンディングワイヤ31により接続してから、第2のボンディングワイヤ32により、第1の電極11よりも外側の第2の電極12と第1の接続パッド21よりも内側の第2の接続パッド22とを第1のボンディングワイヤ31よりも高い位置で接続する。このため、第1のボンディングワイヤ31が第2のボンディングワイヤ32を形成する妨げとならず、配線の自由度を高めることができる。
【0032】
また、第1の接続パッド21の列L1と、第2の接続パッド22の列L2との間に、回路素子23、24を設けているため、半導体チップ20の集積度を高めることができる。
【0033】
また、第1の接続パッド21、第2の接続パッド22が、列L1、L2の方向に互い違いに設けられているので、隣接する第1のボンディングワイヤ31、第2のボンディングワイヤ32同士がより接触しにくくなる。
また上記実施形態では、回路素子23が第1の接続パッド21に接続され、回路素子24が第2の接続パッド22に接続されたが、回路素子の種類によっては、回路素子23を設けずに回路素子24のみ設けてもよく、また回路素子24を設けずに回路素子23のみ設けてもよい。
また、上記実施形態では、回路素子23、23は互いに同じ機能のものであったが、互いに異なる機能の回路素子であってもよく、また回路素子24、24は互いに同じ機能のものであったが、互いに異なる機能の回路素子であってもよい。
また、上記実施形態では、回路素子23、24は互いに同じ機能のものであったが、回路素子23と回路素子24は互いに異なる機能を有する回路素子でもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 半導体装置
10 プリント基板
11、12 電極
20 半導体チップ
21 接続パッド
22 接続パッド
23、24 回路素子
25 半導体基板
26 層間絶縁膜
27a、27b、28a、28b 配線
29 集積回路領域
30 Alワイヤ
31 ボンディングワイヤ
32 ボンディングワイヤ
40 封止層
50 ボンディングヘッド
51 挿通孔
52 押圧部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面の外周の辺に沿った第1の列に配列された複数の第1接続パッドと、
前記辺において前記上面側から見て前記第1の列よりも内側の第2の列に配列され、且つ前記第1接続パッドと離間した複数の第2接続パッドと、
前記辺における前記第1接続パッド及び前記辺における前記第2接続パッドの間に配置された複数の回路素子と、
を備えることを特徴とする半導体チップ。
【請求項2】
請求項1記載の半導体チップにおいて、
集積回路領域に集積回路を備え、
前記回路素子は、前記集積回路に接続されていることを特徴とする半導体チップ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体チップにおいて、
前記回路素子は、前記第1接続パッド及び前記第2接続パッドの少なくともいずれかに接続されていることを特徴とする半導体チップ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体チップにおいて、
前記複数の第1接続パッドは、それぞれ前記複数の第2接続パッドのそれぞれと互い違いに配置されていることを特徴とする半導体チップ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体チップにおいて、
前記第1接続パッド及び前記第2接続パッドのいずれか一方は、複数の導体層が積層されてなり、
前記回路素子は、前記複数の導体層の少なくとも一つの層と同一平面に、前記一つの層と同一材料の層を含むことを特徴とする半導体チップ。
【請求項6】
複数の第1の電極及び複数の第2の電極が設けられたプリント基板と、
上面の外周の辺に沿った第1の列に配列された複数の第1接続パッドと、前記辺において前記上面側から見て前記第1の列よりも内側の第2の列に配列され、且つ前記第1接続パッドと離間した複数の第2接続パッドと、前記辺における前記第1接続パッド及び前記辺における前記第2接続パッドの間に配置された複数の回路素子と、を備え、前記プリント基板上に搭載された半導体チップと、
前記プリント基板の前記第1の電極及び前記半導体チップの前記第1接続パッドを接続する第1のボンディングワイヤと、
前記プリント基板の前記第2の電極及び前記半導体チップの前記第2接続パッドを接続する第2のボンディングワイヤと、
を備えることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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