説明

半導体光素子、光送信モジュール、光送受信モジュール、光伝送装置、及び、それらの製造方法

【課題】埋め込みヘテロ構造を有する半導体光素子において、寄生容量が軽減される構造にすることにより、特性がさらに向上される半導体光素子、光送信モジュール、光送受信モジュール、光伝送装置、及び、それらの製造方法の提供。
【解決手段】メサストライプ構造と、メサストライプ構造の両側にそれぞれ隣接し、メサストライプ構造の上面の両側に広がる上面斜面部と、さらにその外側に広がる上面平坦部とを有する埋め込み層と、スルーホール領域を除いて形成されるパッシベーション膜と、スルーホール領域を覆って形成される電極とを備える変調器部において、前記パッシベーション膜の内縁のうち、出射方向に沿って延伸する延伸部のうち、少なくとも一部は、前記埋め込み層の上面斜面部に及んでいる、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体光素子、光送信モジュール、光送受信モジュール、光伝送装置、及び、それらの製造方法に関し、特に、埋め込みヘテロ構造を有する変調器を備える半導体光素子の特性向上に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高い伝送速度における長距離光通信において、例えば、電界吸収型変調器(以下、EA(Electro-Absorption)変調器と記す)などの変調器部が、発光器部と同一半導体基板上に集積した変調器集積型半導体光素子が用いられている。
【0003】
EA変調器とは、量子閉じ込めシュタルク効果(Quantum Confinement Stark Effect:以下、QCSEと記す)を利用して、EA変調器の活性領域に、電界を選択的に印加することにより、光を変調する変調器である。ここで、活性領域は、いわゆる単一量子井戸(Single-Quantum Well:以下、SQWと記す)層、もしくは、多重量子井戸(Multiple-Quantum Well:以下、MQWと記す)層となっている。以下、本明細書において、MQWとは、通常のMQWに加えて、SQWをも含むものとする。なお、QCSEとは、MQW層に電界が印加されると、MQW層における光の吸収端が長波長側へシフトするという効果をいう。
【0004】
MQW層において、互いにバンドギャップの異なる半導体薄膜層が交互に積層されている。ここで、バンドギャップの大きい半導体薄膜層が障壁層であり、バンドギャップの小さい半導体薄膜層が井戸層となっている。MQW層の井戸層及び障壁層の層厚や、MQW層の井戸層の層数を設計することで、変調器における消光特性や伝送特性が制御される。しかし、伝送速度の限界値は、変調器の寄生容量によって、大きく依存している。すなわち、変調器の帯域と寄生容量は逆相関の関係にあり、より高い伝送速度を実現するためには、より寄生容量を小さくする必要がある。
【0005】
半導体光素子には、リッジ導波路構造を有する場合と、埋め込みヘテロ構造(Buried Heterostructure:以下、BH構造と記す)を有する場合とが、主にある。
【0006】
図15は、リッジ導波路構造を有する、従来技術に係るEA変調器の構造を示す断面図である。リッジ導波路構造とは、活性領域となるMQW層13の上方に、リッジ部となる半導体層が設けられている構造をいう。図15に示す通り、n型InP基板10に、n型InPバッファ層11、n型InGaAsP下側ガイド層12、MQW層13、p型InGaAsP上側ガイド層14が順に形成されている。ここで、MQW層13の井戸層及び障壁層は、ともに、不純物が添加されていないInGaAsPからなっている。MQW層13のうち、導波路領域となる領域の上方には、リッジ部となる半導体層として、p型InPキャップ層201、p型InPクラッド層16、p型InGaAsコンタクト層17が形成されている。このように、リッジ部の下方に活性領域となるMQWを有するため、本構造はローメサ構造203と呼ばれている。これに対して、後述するBH構造は、活性領域となるMQWがリッジ部に存在するため、ハイメサ構造と呼ばれている。
【0007】
ローメサ構造203のリッジ部の両側がパッシベーション膜21で覆われ、さらに、その両側がポリイミド樹脂202などの有機絶縁物で埋め込まれている。さらに、ローメサ構造203の上側には、p型電極22が、n型InP基板10の下側には、n型電極23が設けられている。
【0008】
リッジ部となる半導体層を介して、リッジ部となる半導体層の下方に、電界が印加されることにより、活性領域となるMQW層13の図中横側に広がる領域のうち、リッジ部となる半導体層の下方の領域の実質的な屈折率が、それ以外の領域と比して、実質的に高まることにより、リッジ部となる半導体層の下方となる領域が、導波路領域となる。それゆえ、このような構造はリッジ導波路構造と呼ばれている。
【0009】
図16は、BH構造を有する、従来技術に係るEA変調器の構造を示す図である。図16(a)は、EA変調器の断面図である。図16(a)に示す断面は、本発明の実施形態に係る半導体光素子を示す図1Aの1D−1D破線を貫く断面に対応している。BH構造とは、活性領域となるMQW層13を含む多層構造のうち、導波路領域の外側となる領域を除去することにより形成されるメサストライプ構造101の両側が、半導体層によって埋め込まれている構造をいう。BH構造を有するEA変調器が集積されるEA変調器集積型半導体光素子について、特許文献1に開示されている。
【0010】
図16(a)に示すEA変調器において、n型InP基板10上に、n型InPバッファ層11、n型InGaAsP下側ガイド層12、活性領域となるMQW層13、p型InGaAsP上側ガイド層14、p型InPキャップ層15、p型InPクラッド層16、p型InGaAsコンタクト層17が、積層されている。これら多層構造のうち、導波路領域の外側が、n型InPバッファ層11の上面まで除去されており、メサストライプ構造101が形成されている。
【0011】
メサストライプ構造101の両側が、半絶縁性InPからなる埋め込み層18によって、埋め込まれている。埋め込み層18が、メサストライプ構造101の上面より、さらに結晶成長される場合、埋め込み層18の結晶構造により、(111)B面に沿って、斜面状に広がって積層されるという現象を伴う。それゆえ、埋め込み層18の上面は、図16(a)に示すような形状をしている。ここで、メサストライプ構造101の上面の両側にそれぞれ広がる埋め込み層18の上面のうち、斜面状になっている部分を、上面斜面部、さらに外側に広がる平坦部分を、上面平坦部とする。
【0012】
メサストライプ構造101及び埋め込み層18の上面には、絶縁膜であるパッシベーション膜21が形成されるが、メサストライプ構造101の上面の一部及び埋め込み層18の上面の一部には、パッシベーション膜21は形成されず、スルーホール121aとなっている。
【0013】
メサストライプ構造101及び埋め込み層18の上方に、p型電極22が形成され、スルーホール121aを介して、p型電極22は、メサストライプ構造101の最上層にあるp型InGaAsコンタクト層17と接続されている。また、n型InP基板10の下側に、n型電極23が設けられている。
【0014】
図16(b)は、図16(a)に示すEA変調器のパッシベーション膜21の形状を示す図である。すなわち、図16(b)の中央部に、パッシベーション膜21が形成されない領域であるスルーホール121aが位置する。なお、図16(a)は、図16(b)の中心付近を図中横方向に貫く断面に対応している。
【0015】
図16(b)に示すスルーホール121aは、矩形状をしている。すなわち、パッシベーション膜21の内縁は、矩形状をしている。パッシベーション膜21の内縁のうち、左右に、図中縦方向に延伸する部分それぞれを、延伸部とする。図16(b)には、パッシベーション膜21の内縁のうち、左右にある延伸部それぞれが、図16(a)に示す埋め込み層18の上面斜面部と上面平坦部の境界それぞれに、位置する場合が示されている。すなわち、図16(b)に示すスルーホール121aは、図16(b)の横方向において、埋め込み層18の上面斜面部の左端から、メサストライプ構造101の上面を介し、他方側の埋め込み層18の上面斜面部の右端に亘って、設けられている。
【0016】
パッシベーション膜21の内縁のうち、左右にある延伸部それぞれが、埋め込み層18の上面斜面部と上面平坦部の境界それぞれより、内側に位置していると、左右にある延伸部それぞれは、埋め込み層18の上面斜面部に及ぶこととなる。この場合、パッシベーション膜21の上側に、p型電極22をスルーホール121aを覆うように形成する際に、パッシベーション膜21の層厚により、p型電極22がパッシベーション膜21の延伸部付近において、段切れを起こしてしまう可能性がある。段切れが起きてしまうと、p型電極22とメサストライプ構造101の最上層にあるp型InGaAsコンタクト層17との電気的な接続が不十分となり、変調器の特性に影響が出る可能性がある。
【0017】
それゆえ、従来において、スルーホール121aの図中右端と左端が、埋め込み層18の上面斜面部と上面平坦部の境界それぞれ、若しくは、その境界の外側(上面平坦部)に、位置するよう形成されるのが一般的である。すなわち、パッシベーション膜21の左右にある延伸部それぞれが、埋め込み層18の上面斜面部と上面平坦部の境界それぞれ、若しくは、その境界の外側(上端平坦部)に、位置するよう形成されるのが、一般的である。すなわち、従来において、パッシベーション膜21の左右にある延伸部それぞれは、埋め込み層18の上面斜面部には及ばないのが、一般的である。
【0018】
図17は、BH構造を有する、従来技術に係るEA変調器の上面図である。図16(a)は、図17の中心付近を図中横方向に貫く断面に対応している。図16(b)に示すパッシベーション膜21の上側に、p型電極22が形成されている。図17には、スルーホール121aが破線で示されており、p型電極22のうち、スルーホール121aより外方にある領域において、p型電極22の下側にパッシベーション膜21が配置されている。
【0019】
図17に示す通り、p型電極22には、スルーホール121aを覆って図中縦方向に延伸する領域と、さらに、図中左側に位置する埋め込み層18の上面平坦部のうち、ワイヤと接続される電極パッドとなる領域と、を含んでいる。p型電極22のうち、スルーホール121aを覆って図中縦方向に延伸する領域には、メサストライプ上面部22cと、その両側にそれぞれ位置する埋め込み斜面部22bがあり、電極パッドとなる領域には、電極パッド部22aがある。図17に示す通り、埋め込み層18の上面斜面部が露出することを防ぐために、実際には、スルーホール121aのみならず、パッシベーション膜21の内縁からさらに内側に位置する部分にまで、p型電極22は広がっており、p型電極22の埋め込み斜面部22bとメサストライプ上面部22cとは、パッシベーション膜21のうち内縁より内側に位置する部分をそれぞれ含むものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開2004−273993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
一般に、リッジ導波路構造は、活性領域となるMQW層が、リッジ部となる半導体層の両脇よりも外側にも広く形成されているので、変調器に電界が印加される場合に、活性領域に対して効率よく電界が印加されない。それゆえ、変調器部で発生したキャリアが活性領域から十分に放出されずに、活性領域に一部のキャリアが蓄積され、半導体光素子から光が出射する際においても、この蓄積されたキャリアによって、変調器部において光が吸収されてしまう。それゆえ、リッジ導波路構造は、半導体光素子に高出力の出射が望まれる場合、不利な構造である。
【0022】
これに対して、BH構造は、活性領域となるMQW層を含む多層構造がメサストライプ構造となっており、メサストライプ構造の両側が埋め込み層によって埋め込まれているため、リッジ導波路構造と比べて、より効率的に活性領域に対して電界が印加される。それゆえ、BH構造は、半導体光素子に高出力の出射が望まれる場合、有利な構造である。
【0023】
BH構造において、従来、埋め込み層がpn結合となる構造が用いられていたが、より高い伝送速度を可能とするために、寄生容量をより小さくする構造として、近年、埋め込み層が半絶縁性半導体層となる構造が用いられている。ここで、半絶縁性半導体層として、鉄(Fe)やルテニウム(Ru)などの金属が不純物として添加された半導体層が用いられている。
【0024】
図18は、BH構造を有する、従来技術に係るEA変調器の寄生容量を表す図である。図18(a)は、図16(a)に示すEA変調器の寄生容量を表している。EA変調器において、p型電極22とn型電極23の間に、寄生容量が主に存在している。まず、p型電極22のうち、電極パッド部22aとn型電極23の間に、パッド部容量Cが存在している。さらに、p型電極22のうち、メサストライプ上面部22cの下方にメサストライプ構造101が位置しており、メサストライプ構造において、活性領域となるMQW層13をはさんで、ジャンクション容量Cが存在している。メサストライプ構造101の両側には、p型電極22のうち、埋め込み斜面部22bとn型電極23の間に斜面部容量C2a,C2bがそれぞれ存在している。そして、変調器が有する寄生容量Callは、これらの容量の総和で近似して表すことが出来るので、寄生容量Callは、Call≒C+C2a+C2b+Cと表される。
【0025】
例えば、埋め込み層18として、Feが不純物として添加されたInP層が用いられる場合、EA変調器長を100μm、埋め込み層18の層厚を5μm、MQW層13の層厚を0.18μm、メサストライプ構造101の層厚を3.5μm、メサストライプ構造101の幅を1.5μm、スルーホール121aの幅を9.5μm、p型電極22の幅を11.5μmとして、典型的なEA変調器に存在する寄生容量から計算されるEA変調器の帯域は、15.3GHzである。この計算値は、実験的に得られる帯域にも整合している。ここで、計算により得られる変調器の帯域の値は、埋め込み層18に含まれるFeと、メサストライプ構造101の多層に含まれる亜鉛(Zn)の相互拡散による寄生容量が増大する効果を含んでいる。
【0026】
前述の通り、この帯域に対応する伝送速度より、さらに高い伝送速度が可能となるEA変調器を実現するためには、EA変調器の寄生容量Callをさらに小さくする必要がある。寄生容量Callを小さくするためには、埋め込み層18の層厚をさらに大きくすることが考えられる。なぜならば、一般に、容量は、電極間の距離に反比例するからである。しかし、図16(a)に示す従来技術に係るEA変調器において、埋め込み層18の層厚をさらに大きくすると、容量軽減にとって新たな問題が生じてしまう。
【0027】
図18(b)は、従来技術に係るEA変調器主要部の他の例を示す断面図である。図18(b)に示すEA変調器は、図16(a)及び図18(a)に示すEA変調器の埋め込み層18の層厚をさらに大きくしたものである。前述の通り、埋め込み層18が、メサストライプ構造101の上面より、さらに結晶成長される場合、埋め込み層18は、(111)B面に沿って、斜面状に広がって積層され、図18(b)に示すEA変調器は、埋め込み層18の層厚が大きくなるのに伴い、埋め込み層18の上面斜面部がさらに大きくなっている。
【0028】
図18(a)に示すEA変調器と比べると、図18(b)に示すEA変調器では、埋め込み層18の層厚が大きくなっているので、パッド部容量Cの電極間の距離は大きくなっており、パッド部容量Cを軽減させる要因となっている。しかし、埋め込み層18の層厚が大きくなるのに伴い、埋め込み層18の上面斜面部の面積も大きくなり、p型電極22のうち、埋め込み斜面部22bの面積が大きくなる。それゆえ、斜面部容量C2a,C2bの電極の面積が大きくなることとなり、それぞれの容量を増大させる要因となっている。
【0029】
すなわち、従来技術に係るEA変調器における寄生容量Callのうち、斜面部容量C2a,C2bにおいて、埋め込み層18の層厚と、斜面部容量C2a,C2bの面積は、トレードオフの関係になっており、容量軽減にとって問題となってしまう。それゆえ、単に、埋め込み層18の層厚を大きくするだけでは、EA変調器における寄生容量Callは軽減されない。
【0030】
これに対して、リッジ導波路構造を有するEA変調器の場合、ローメサ構造203の両側は、誘電率εの小さい物質であるポリイミド樹脂202で埋め込むことが可能である。ポリイミド樹脂202の誘電率εが小さいので、一般的なBH構造を有するEA変調器と比べて、寄生容量が低減されている。また、ポリイミド樹脂202の誘電率εが小さいので、p型電極22のうち、電極パッド部22aの面積を大きくしても、パッド部容量Cの増加は抑制されるため、設計上の制約は小さい。
【0031】
それゆえ、例えば、40Gbit/sといった高い伝送速度で動作するEA変調器に主に用いられている構造は、光出力において不利な構造をしているにもかかわらず、寄生容量が低減されている構造であるリッジ導波路構造となっている。それゆえ、変調器部としてEA変調器が、発光器部として分布帰還型レーザ(Distributed Feedback Laser:以下、DFBレーザと記す)が、同一半導体基板上に集積したEA変調器集積型DFBレーザ素子において、40Gbit/sといった高い伝送速度で動作させるためには、リッジ導波路構造が用いられている。
【0032】
しかし、高い伝送速度で動作する、より高出力の半導体光素子を実現するために、光出力において有利な構造をしているBH構造において、さらなる寄生容量の軽減が必要となっている。
【0033】
本発明の目的は、上記課題を鑑みて、BH構造を有する半導体光素子において、寄生容量が軽減される構造とすることにより、特性がさらに向上される半導体光素子、光送信モジュール、光送受信モジュール、光伝送装置、及び、それらの製造方法を提供することとする。
【課題を解決するための手段】
【0034】
(1)上記課題を解決するために、本発明に係る半導体光素子は、出射方向に沿って入力される光を変調して出射する変調器部、を備える半導体光素子であって、前記変調器部は、活性層を含むとともに出射方向に延伸するメサストライプ構造と、前記メサストライプ構造の両側にそれぞれ隣接して配置されるとともに、前記メサストライプ構造の上面の両側それぞれに積層方向に対して斜面となって広がる上面斜面部と、さらにその外側にそれぞれ広がる上面平坦部とを有する埋め込み層と、前記メサストライプ構造の上面の両側に広がるとともに出射方向に沿って延伸するスルーホール領域を除いて、前記メサストライプ構造の上面及び前記埋め込み層の上面に形成されるパッシベーション膜と、前記スルーホール領域を覆って前記出射方向に延伸するとともに、さらに、前記埋め込み層の一方側の上面平坦部の一部の上方に位置するワイヤ接続パッド領域を含んで形成される、電極と、を備え、前記パッシベーション膜の内縁には、前記メサストライプ構造の上面の両側を出射方向に沿って延伸する延伸部をそれぞれ備え、前記一方側とは他方側にある前記延伸部のうち、少なくとも一部は、前記他方側の前記埋め込み層の上面斜面部に及んでいる、ことを特徴とする。
【0035】
(2)上記(1)に記載の半導体光素子であって、前記他方側にある前記延伸部すべてが、前記他方側の前記埋め込み層の上面斜面部に及んでいてもよい。
【0036】
(3)上記(1)に記載の半導体光素子であって、前記電極の外縁のうち、前記他方側にあって出射方向に延伸する部分の少なくとも一部は、前記他方側の前記埋め込み層の上面平坦部より内側にあってもよい。
【0037】
(4)上記(2)に記載の半導体光素子であって、前記電極の外縁のうち、前記他方側にあって出射方向に延伸する部分すべてが、前記他方側の前記埋め込み層の上面平坦部より内側にあってもよい。
【0038】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の半導体光素子であって、前記パッシベーション膜の前記一方側の前記延伸部には、前記電極の前記ワイヤ接続領域との接合部を備え、前記パッシベーション膜の前記一方側の前記延伸部のうち、前記接合部となる部分以外のすべてが、前記一方側の前記埋め込み層の上面斜面部に及んでいてもよい。
【0039】
(6)上記(5)に記載の半導体光素子であって、電極の外縁のうち、前記一方側にあって出射方向に延伸する部分の一部が、前記一方側の前記埋め込み層の上面平坦部より内側にあってもよい。
【0040】
(7)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の半導体光素子であって、前記埋め込み層は、鉄又はルテニウム、若しくは、それらの組み合わせを、不純物として添加した半導体を含んでいてもよい。
【0041】
(8)上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の半導体光素子であって、前記変調器部は、電界吸収型変調器、若しくは、マッハツェンダー型変調器であってもよい。
【0042】
(9)本発明に係る半導体光素子モジュールは、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の半導体光素子を搭載する、半導体光素子モジュールであってもよい。
【0043】
(10)本発明に係る半導体光素子の製造方法は、出射方向に沿って入力される光を変調して出射する変調器部、を備える半導体光素子の製造方法であって、活性層を含むとともに出射方向に延伸するメサストライプ構造を形成する工程と、前記メサストライプ構造の上面の両側それぞれに積層方向に対して斜面となって広がる上面斜面部と、さらにその外側にそれぞれ広がる上面平坦部とを有する埋め込み層を、前記メサストライプ構造の両側にそれぞれ隣接して、形成する工程と、前記メサストライプ構造の上面及び前記埋め込み層の上面に、前記メサストライプ構造の上面の両側に広がるとともに出射方向に沿って延伸するスルーホール領域を除いて、パッシベーション膜を形成する工程と、前記スルーホール領域を覆って前記出射方向に延伸するとともに、さらに、一方側の前記埋め込み層の上面平坦部の一部の上方に位置するワイヤ接続パッド領域を含んで、電極を形成する工程とを、含み、前記パッシベーション膜の内縁には、前記メサストライプ構造の上面の両側を出射方向に沿って延伸する延伸部をそれぞれ備え、前記パッシベーション膜を形成する工程において、前記一方側とは他方側にある前記延伸部のうち、少なくとも一部は、前記他方側の前記埋め込み層の上面斜面部に及ぶように、前記パッシベーション膜を形成する、ことを特徴としてもよい。
【0044】
(11)上記(10)に記載の半導体光素子の製造方法であって、前記パッシベーション膜を形成する工程において、前記他方側にある前記延伸部すべてが、前記他方側の前記埋め込み層の上面斜面部に及ぶように、前記パッシベーション膜を形成してもよい。
【0045】
(12)上記(10)に記載の半導体光素子の製造方法であって、前記電極を形成する工程において、前記電極の外縁のうち、前記他方側にあって出射方向に延伸する部分の少なくとも一部は、前記他方側の前記埋め込み層の上面平坦部より内側にあるように、前記電極を形成してもよい。
【0046】
(13)上記(11)に記載の半導体光素子の製造方法であって、前記電極を形成する工程において、前記電極の外縁のうち、前記他方側にあって出射方向に延伸する部分すべてが、前記他方側の前記埋め込み層の上面平坦部より内側にあるように、前記電極を形成してもよい。
【0047】
(14)上記(10)乃至(13)のいずれかに記載の半導体光素子の製造方法であって、前記パッシベーション膜を形成する工程において、前記パッシベーション膜の前記一方側の前記延伸部には、前記電極の前記ワイヤ接続領域との接合部を備え、前記パッシベーション膜の前記一方側の前記延伸部のうち、前記接合部となる部分以外のすべてが、前記一方側の前記埋め込み層の上面斜面部に及ぶように、前記パッシベーション膜を形成してもよい。
【0048】
(15)上記(14)に記載の半導体光素子の製造方法であって、前記電極を形成する工程において、電極の外縁のうち、前記一方側にあって出射方向に延伸する部分の一部が、前記一方側の前記埋め込み層の上面平坦部より内側にあるように、前記電極を形成してもよい。
【0049】
(16)上記(10)乃至(15)のいずれかに記載の半導体光素子の製造方法であって、前記埋め込み層を形成する工程において、前記埋め込み層を、鉄又はルテニウム、若しくは、それらの組み合わせを、不純物として添加した半導体を含んで、形成してもよい。
【0050】
(17)上記(10)乃至(16)のいずれかに記載の半導体光素子の製造方法であって、前記変調器部は、電界吸収型変調器、若しくは、マッハツェンダー型変調器であってもよい。
【0051】
(18)本発明に係る半導体光モジュールは、上記(10)乃至(17)のいずれかに記載の方法によって製造される半導体光素子を搭載する、半導体光素子モジュールであってもよい。
【0052】
(19)本発明に係る光送信用モジュール若しくは光送受信用モジュールは、上記(9)または(18)に記載の半導体光素子モジュールを搭載する、光送信用モジュール若しくは光送受信用モジュールであってもよい。
【0053】
(20)本発明に係る光伝送装置は、上記(19)に記載の光送信用モジュール若しくは光送受信用モジュールを搭載する、光伝送装置であってもよい。
【発明の効果】
【0054】
本発明により、BH構造を有する半導体光素子において、寄生容量が軽減される構造とすることにより、特性がさらに向上される半導体光素子、光送信モジュール、光送受信モジュール、光伝送装置、及び、それらの製造方法が、提供される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1A】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の上面図である。
【図1B】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の断面図である。
【図1C】本発明の第1の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の断面図である。
【図1D】本発明の第1の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の変調器部の構造を示す図である。
【図1E】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の発振器部の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の変調器部の上面図である。
【図3A】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す上面図である。
【図3B】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す断面図である。
【図4A】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す上面図である。
【図4B】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す断面図である。
【図5A】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す上面図である。
【図5B】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す断面図である。
【図6A】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す上面図である。
【図6B】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す断面図である。
【図7A】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す上面図である。
【図7B】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す断面図である。
【図8A】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す上面図である。
【図8B】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す断面図である。
【図8C】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す断面図である。
【図9A】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す上面図である。
【図9B】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す断面図である。
【図9C】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す断面図である。
【図10A】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す上面図である。
【図10B】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す断面図である。
【図10C】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す断面図である。
【図11A】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す上面図である。
【図11B】本発明の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の製造方法の工程を示す断面図である。
【図12A】本発明の第1の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の上面模式図である。
【図12B】本発明の第2の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の上面模式図である。
【図12C】従来技術に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の上面模式図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子の変調器部の断面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る光送信モジュールの構成を表す図である。
【図15】リッジ導波路構造を有する、従来技術に係るEA変調器の構造を示す断面図である。
【図16】BH構造を有する、従来技術に係るEA変調器の構造を示す図である。
【図17】BH構造を有する、従来技術に係るEA変調器の上面図である。
【図18】BH構造を有する、従来技術に係るEA変調器の寄生容量を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本発明に係る実施形態について、以下に、詳細な説明をする。ただし、以下に示す図は、あくまで、各実施形態の実施例を説明するものであって、図の大きさと本実施例記載の縮尺は必ずしも一致するものではない。
【0057】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る半導体光素子は、伝送速度が40Gbit/sであって、BH構造を有するEA変調器集積型DFBレーザ素子1である。
【0058】
図1Aは、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の上面図である。前述の通り、EA変調器集積型DFBレーザ素子1は、EA変調器からなる変調器部2と、DFBレーザからなる発振器部3が、同じn型InP基板10(図示せず)上に集積されている。EA変調器集積型DFBレーザ素子1の多層構造には、中央付近に、図中横方向に延伸する導波路領域がある。発振器部3の導波路領域より、変調器部2の導波路領域へ、光が発振される。変調器部2によって、光が変調され、それに応じて、図中左端より、光が出射される。
【0059】
図1Aに示す通り、EA変調器集積型DFBレーザ素子1の上面には、パッシベーション膜21が形成されている。前述の通り、EA変調器集積型DFBレーザ素子1の上面の一部には、パッシベーション膜21が形成されておらずスルーホール21a(図示せず)がある。スルーホール21aを覆うように、変調器部2及び発振器部3それぞれに、p型電極22が形成されている。また、光が出射する図中左側の端面は、反射防止膜35で覆われ、反対側にある図中右側の端面は、高反射膜36で覆われている。
【0060】
EA変調器集積型DFBレーザ素子1の図中横方向(出射方向)の長さである半導体光素子長Lは、650μmである。半導体光素子長Lとは、反射防止膜35から高反射膜36までの距離である。半導体光素子長Lのうち、変調器部2の図中横方向の長さである変調器部長Lは100μmである。また、EA変調器集積型DFBレーザ素子1の図中縦方向の長さである半導体光素子幅Lは、400μmである。
【0061】
図1Bは、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の断面図である。図1Bは、図1Aに示すEA変調器集積型DFBレーザ素子1の1B−1B破線を貫く断面を表している。図1Bに示す通り、EA変調器集積型DFBレーザ素子1は、多層構造をしており、変調器部2と発振器部3とで、異なる構造をしている。それぞれの構造については、後述する。
【0062】
図1Cは、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2の断面図である。図1Cは、図1Aに示すEA変調器集積型DFBレーザ素子1の1C−1C破線を貫く断面を表している。
【0063】
図1Dは、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2の構造を示す図である。図1D(a)は、図1Aに示すEA変調器集積型DFBレーザ素子1の1D−1D破線を貫く断面を表している。
【0064】
図16に示す従来技術に係るEA変調器と同様に、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2は、活性領域となるMQW層13を含む多層構造が、メサストライプ構造101となっており、メサストライプ構造101の両側が埋め込み層18で埋め込まれたBH構造を有している。
【0065】
当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2は、図16に示す従来技術に係るEA変調器と、パッシベーション膜21の形状と、p型電極22の形状が主に異なる。すなわち、パッシベーション膜21が形成されない領域であるスルーホール21aの形状に特徴を有する。
【0066】
図1C及び図1D(a)に示す通り、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2は、n型InP基板10上に、n型InPバッファ層11、n型InGaAsP下側ガイド層12、活性領域となるMQW層13、p型InGaAsP上側ガイド層14、p型InPキャップ層15、p型InPクラッド層16、p型InGaAsコンタクト層17が、積層されている。ここで、MQW層13の井戸層及び障壁層は、ともに、不純物が添加されていないInGaAsPからなっており、MQW層13の層厚は、約0.25μmである。また、MQW層13の井戸層及び障壁層は、InGaAsPの代わりに、InGaAlAsなどを用いてもよい。p型InGaAsP上側ガイド層14、p型InPキャップ層15、p型InPクラッド層16、p型InGaAsコンタクト層17といったp型層に添加される不純物として、Znが用いられる。
【0067】
これら多層構造のうち、導波路領域の外側が、n型InPバッファ層11の上面に至るまで除去されており、メサストライプ構造101が形成されている。n型InGaAsP下側ガイド層12からp型InGaAsコンタクト層17までの層厚の合計が、メサストライプ構造101の高さであり、メサストライプ構造101の高さは、約3.5μmである。また、図1C及び図1D(a)の断面図に示すメサストライプ構造101の幅は、約1.5μmである。
【0068】
メサストライプ構造101の両側が、埋め込み層18によって、埋め込まれている。ここで、埋め込み層18は、Ruが不純物として添加されたInPからなっている。前述の通り、埋め込み層18が、メサストライプ構造101の上面より、さらに結晶成長される際に、埋め込み層18の結晶構造により、(111)B面に沿って、斜面状に広がって積層される。埋め込み層18の上面は、メサストライプ構造の上面の両側にそれぞれ広がる上面斜面部と、さらにその両側に、n型InP基板10と平行に広がる上面平坦部からなっている。
【0069】
ここで、埋め込み層18の下面から、埋め込み層18の上面平坦部までの距離を、埋め込み層18の層厚とする。当該実施形態に係る埋め込み層18の層厚は、7μmである。この層厚は、従来のEA変調器集積型DFBレーザ素子1の埋め込み層18の典型的な層厚である5μmと比べると、2μm程度大きくなっている。前述の通り、埋め込み層18の層厚を従来より大きくすることにより、変調器部2の寄生容量を軽減する要因となっている。
【0070】
前述の通り、メサストライプ構造101の上面より上側に積層される際に、メサストライプ構造101の上面の両側を、(111)B面に沿って広がるので、埋め込み層18の層厚が大きくなるのに伴い、埋め込み層18の上面斜面部はさらに広がり、上面斜面部の面積も大きくなる。
【0071】
図1Cに示す通り、埋め込み層18の開口幅Lを、一方側の上面斜面部と上面平坦部の境界から、他方側の上面斜面部と上面平坦部の境界までの距離とする。この場合、埋め込み層18の開口幅Lは11μmである。
【0072】
メサストライプ構造101及び埋め込み層18の上面には、絶縁膜であるパッシベーション膜21が形成されるが、メサストライプ構造101の上面の一部及び埋め込み層18の上面の一部には、パッシベーション膜21は形成されず、スルーホール21aとなっている。
【0073】
メサストライプ構造101及び埋め込み層18の上方に、p型電極22が形成され、スルーホール21aを介して、p型電極22は、メサストライプ構造101の最上層にあるp型InGaAsコンタクト層17と接続している。また、n型InP基板10の下側に、n型電極23が設けられている。
【0074】
図1D(b)は、図1D(a)に示すEA変調器のパッシベーション膜21の形状を示す図である。すなわち、図1D(b)の中央部に、パッシベーション膜21が形成されない領域があり、その領域がスルーホール21aである。なお、図1D(a)は、図1D(b)の中心付近を図中横方向に貫く断面に対応している。
【0075】
図1D(b)に示すパッシベーション膜21の内縁は、出射方向の前方(図中下側)に図中横方向に広がる前方部43と、前方部の両端からそれぞれ、出射方向(図中縦方向)に沿って延伸する延伸部と、さらに、その後方(図中上側)に図中横方向に広がる後方部44と、からなる。
【0076】
図中左側のパッシベーション膜21の上側には、p型電極22の電極パッド部22aが設けられるので、出射方向に沿って延伸する延伸部のうち、図中左側の延伸部を、電極パッド側延伸部41と、図中右側の延伸部を、他方側延伸部42とする。
【0077】
パッシベーション膜21の他方側延伸部42は、図16(b)に示す従来技術に係るEA変調器のパッシベーション膜21と異なり、埋め込み層18の右側の上面斜面部にまで、及んでいる。すなわち、他方側延伸部42は、メサストライプ構造101の上面の図中右端よりもさらに右側にあり、埋め込み層18の右側にある上面斜面部と上面平坦部の境界よりも左側にある。
【0078】
パッシベーション膜21の電極パッド側延伸部41には、図中中央付近に、凹状の形状となる接合部41bがあり、接合部41bの前後にそれぞれ、電極パッド側延伸前方部41a、電極パッド側延伸後方部41cがある。電極パッド側延伸部41のうち、接合部41b以外の部分である、電極パッド側延伸前方部41a及び、電極パッド側延伸後方部41cは、他方側延伸部42と同様に、埋め込み層18の左側の上面斜面部にまで及んでいる。すなわち、電極パッド側延伸前方部41a及び、電極パッド側延伸後方部41cは、メサストライプ構造101の上面の図中左端よりもさらに左側にあり、埋め込み層18の左側にある上面斜面部と上面平坦部の境界より右側にある。
【0079】
パッシベーション膜21の内縁のうち、凹状の形状をした接合部41bにより、パッシベーション膜21が形成されない領域であるスルーホール21aは、凸状の形状をしている。前述の通り、p型電極22は、スルーホール21aを介して、メサストライプ構造101の最上層にあるp型InGaAsコンタクト層17と接続しているが、スルーホール21aのうち、パッシベーション膜21内縁の接合部41bに対応する凸状の領域により、電気的な接続がより確実なものとなる。
【0080】
パッシベーション膜21の内縁のうち、電極パッド側延伸前方部41a及び電極パッド側延伸後方部41cと、他方側延伸部42とが、埋め込み層18の上面斜面部に及んでいることにより、図1D(b)に示す当該実施形態に係るスルーホール21aは、図16(b)に示す従来技術に係るスルーホール121aと比べて、面積が小さくなっている。
【0081】
ここで、電極パッド側延伸前方部41a若しくは電極パッド側延伸後方部41cから、他方側延伸部42までの距離を、図1Cに示す通り、スルーホール幅Lとして定義する。従来技術において、スルーホール幅Lは、埋め込み層18の開口幅Lと同じく約11μmとしていたところ、当該実施形態に係るスルーホール幅Lは、埋め込み層18の開口幅Lより小さい値である5μm程度とすることが可能となっている。
【0082】
図2は、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2の上面図である。すなわち、図1Aに示す当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1のうち、変調器部2に該当する部分を、模式的に示したものである。図17と同様に、図1Dに示すパッシベーション膜21の上側に、p型電極22が形成されている。図2には、スルーホール21aが破線で示されており、p型電極22のうち、スルーホール21aより外方にある領域において、p型電極22の下側にパッシベーション膜21が配置されている。
【0083】
図2に示す通り、p型電極22には、スルーホール21aを覆って、図中縦方向に延伸する領域と、さらに、図中左側に、電極パッドとなる領域と、を含んでいる。p型電極22のうち、電極パッドとなる領域には、電極パッド部22aがある。図2に示す通り、埋め込み層18の上面斜面部が露出することを防ぐために、スルーホール21aのみならず、パッシベーション膜21のうち内縁からさらに内側に位置する部分にまで、p型電極22は広がっている。
【0084】
それゆえ、前述の通り、スルーホール21aは、図17に示す従来技術に係るスルーホール121aと比べて、面積が小さくなっており、スルーホール21aを覆うように設けられるp型電極22も、同様に、従来技術に係るp型電極22よりも、面積が小さくなっている。
【0085】
p型電極22の図中横側の幅のうち、電極パッド部22aが設けられていない部分における幅を、p型電極幅Lと定義する。従来技術において、p型電極幅は、11μmとなるスルーホール幅よりも大きく約13μm必要であったところ、当該実施形態に係るp型電極幅Lは、約5μmとなるスルーホール幅Lよりも大きく7μm程度とすることが可能となっている。
【0086】
これにより、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2において、p型電極22の面積増大を抑制しつつ、埋め込み層18の層厚を大きくすることが可能となる。これにより、リッジ導波路構造と比して、高出力の出射が可能となるBH構造において、寄生容量を低下させることが可能となる。
【0087】
従来技術において、パッシベーション膜21の内縁は、電極の電気的接続を重視して、埋め込み層18の上面斜面部には及ばないように形成されていた。これに対して、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2において、パッシベーション膜21の内縁に接合部41bを設けることにより、p型電極22と、メサストライプ構造101の上面との電気的接続を確保している。そして、パッシベーション膜21の延伸部のうち接合部41b以外の部分である、電極パッド側延伸前方部41a及び電極パッド側延伸後方部41cと、他方側延伸部42とが、埋め込み層18の上面斜面部に及ぶように形成されることにより、電極の面積が減少される構造となっている。
【0088】
図1Eは、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の発振器部3の断面図である。図1Eは、図1Aに示すEA変調器集積型DFBレーザ素子1の1E−1E破線を貫く断面は表している。当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2と同様に、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の発振器部3も、BH構造を有している。
【0089】
当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の発振器部3は、n型InP基板10上に、n型InPバッファ層11、n型InGaAsP下側ガイド層30、活性領域となるMQW層31、p型InGaAsP上側ガイド層32、InPスペーサ層33、回折格子層34、p型InPクラッド層16、p型InGaAsコンタクト層17が積層されている。そして、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2と同様に、これら多層構造がメサストライプ構造101となっており、メサストライプ構造101の両側が埋め込み層18で埋め込まれている。ここで、MQW層31は、MQW層13と同様に、MQW層13の井戸層及び障壁層は、ともに、不純物が添加されていないInGaAsPからなっている。また、MQW層13は、InGaAsPの代わりに、InGaAlAsなどを用いてもよいのも同様である。
【0090】
当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2は、上記の通り、埋め込み層18の層厚が7μm、MQW層13の層厚が0.25μm、メサストライプ幅が1.5μm、メサストライプ構造101の高さが3.5μm、スルーホール幅Lが5μm、p型電極幅Lが7μmとなっている。当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2の帯域は、40.4GHz程度である。
【0091】
埋め込み層18がFeが不純物として添加されたInP層が用いる場合について、すでに前述した従来技術に係るEA変調器の帯域が15.3GHzであることと比較すると、約25GHzの帯域の向上がなされている。
【0092】
次に、図3Aから図11Bを用いて、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の製造方法を説明する。
【0093】
まず、変調器部2の多層構造の一部となる多層を形成する。すなわち、n型InP基板10上に、n型InPバッファ層11、n型InGaAsP下側ガイド層12、活性領域となるMQW層13、p型InGaAsP上側ガイド層14、p型InPキャップ層15を、有機金属気相成長法(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition:以下、MO−CVDと記す)によって形成する。図3Aがこの工程後を示す上面図であり、図3Bが断面図である。図3Bは、図3Aに示す3B−3B破線を貫く断面を表している。
【0094】
多層構造の最上層であるp型InPキャップ層15のうち、変調器部2の導波路領域の上方となる領域に、保護マスク51を形成する。その後、変調器部2となる領域以外の多層構造を、すなわち、発振器部3となる領域の多層構造を、エッチングにより、n型InPバッファ層11の上面に至るまで、除去する。図4Aがこの工程後を示す上面図であり、図4Bが断面図である。図4Bは、図4Aに示す4B−4B破線を貫く断面を表している。
【0095】
次に、発振器部3の多層構造の一部となる多層を形成する。すなわち、発振器部3となる領域にあるn型InPバッファ層11上に、n型InGaAsP下側ガイド層30、活性領域となるMQW層31、p型InGaAsP上側ガイド層32、InPスペーサ層33、回折格子層34となるp型InGaAsP層52を、MO−CVDを用いて、形成する。このとき、変調器部2と発振器部3は、公知のバッドジョイント技術によって、光学的に接続する。図5Aがこの工程後を示す上面図であり、図5Bが断面図である。図5Bは、図5Aに示す5B−5B破線を貫く断面を表している。
【0096】
さらに、p型InGaAsP層52に、干渉露光法によって回折格子(grating)を形成することにより、回折格子層34が形成される。回折格子を、干渉露光法によってではなく、電子線描画法(EB法)によって形成してもよい。また、前述の通り、変調器部2の上面のうち、導波路領域の上方となる領域には、保護マスク51が形成されているので、この領域には、回折格子が形成されない。図6Aがこの工程後を示す上面図であり、図6Bが断面図である。図6Bは、図6Aに示す6B−6B破線を貫く断面を表している。
【0097】
回折格子層34を形成後、変調器部2の上面に形成されている保護マスク51を除去する。さらに、変調器部2及び発振器部3の多層構造の上面に、p型InPクラッド層16、p型InGaAsコンタクト層17を形成する。ここで、p型InPクラッド層16の層厚とp型InGaAsコンタクト層17の層厚の合計が、約2μmとなるようにするとよい。図7Aがこの工程後を示す上面図であり、図7Bが断面図である。図7Bは、図7Aに示す7B−7B破線を貫く断面を表している。
【0098】
多層構造形成後、p型InGaAsコンタクト層17の上面のうち、導波路領域の上方となる領域に、保護膜53を形成する。その後、ドライエッチング若しくはウェットエッチングによって、多層構造のうち、保護膜53が上面に形成される領域以外の領域を、n型InPバッファ層11の上面に至るまで除去することにより、メサストライプ構造101を形成する。多層構造のうち、変調器部2のMQW層13や発振器部3のMQW層31の高さより十分低い高さまでエッチングを行い、エッチングの深さは、約3.5μmである。図8Aがこの工程後を示す上面図であり、図8B及び図8Cが断面図である。図8Bは、図8Aに示す8B−8B破線を貫く断面を、図8Cは、図8Aに示す8C−8C破線を貫く断面を、表している。
【0099】
メサストライプ構造101を形成後、メサストライプ構造101の両側に、Ruが不純物として添加されたInP層を、550℃から570℃程度の成長温度で、結晶成長させることにより、埋め込み層18を形成する。これにより、BH構造が形成される。さらに、メサストライプ構造101の最上層であるp型InGaAsコンタクト層17のうち、変調器部2と発振器部3の境界付近の領域を、除去する。これにより、変調器部2のp型InGaAsコンタクト層17と、発振器部3のp型InGaAsコンタクト層17とが、電気的に絶縁される。それゆえ、除去されることにより生じる溝は、アイソレーション溝と呼ばれている。図9Aがこの工程後を示す上面図であり、図9B及び図9Cが断面図である。図9Bは、図9Aに示す9B−9B破線を貫く断面を、図9Cは、図9Aに示す9C−9C破線を貫く断面を、表している。
【0100】
アイソレーション溝を形成後、ウェハ表面全体に、パッシベーション膜21を形成し、その後、形成されるパッシベーション膜21のうち、変調器部2及び発振器部3となる領域それぞれの一部の領域を除去し、スルーホール21aとする。図10Aがこの工程後を示す上面図であり、図10B及び図10Cが断面図である。図10Bは、図10Aに示す10B−10B破線を貫く断面を、図10Cは、図10Aに示す10C−10C破線を貫く断面を、表している。
【0101】
図10Aには、変調器部2及び発振器部3それぞれに設けられるスルーホール21aが表されている。ここで、スルーホール21aとは、多層上面のうち、パッシベーション膜21が形成されていない領域である。変調器部2のスルーホール21aの形状の詳細は、図1D(b)に示されている。前述の通り、スルーホール幅は5μmとする。これに対して、発振器部3のDFBレーザは、寄生容量の影響をあまり受けないので、従来通り、スルーホール21aは、埋め込み層18の一方側の上面斜面部と上面平坦部の境界から、他方側の埋め込み層18の上面斜面部と上面平坦部の境界に亘って設けられている。
【0102】
スルーホール21aを作成後、変調器部2及び発振器部3それぞれのスルーホール21aを覆うように、p型電極22をそれぞれ形成する。その後、ウェハの下面を、ウェハが100μm程度になるまで研磨加工し、n型電極23を形成し、ウェハ工程が完了する。図11Aがウェハ工程終了後を示す上面図であり、図11Bが断面図である。図11Bは、図11Aに示す11B−11B破線を貫く断面を、表している。図11Aには、変調器部2及び発振器部3それぞれに設けられるp型電極22が表されている。変調器部2のp型電極22の形状の詳細は、図2に示されている。前述の通り、p型電極幅Lは7μmとする。これに対して、発振器部3のDFBレーザは、寄生容量の影響をあまり受けないので、図11Aに示す通り、p型電極22は、導波路領域の両側に広がる形状をしている。
【0103】
ウェハ工程終了後、さらに、ウェハをバー状に劈開し、変調器部2側の端面に反射防止膜35を、発振器部3側の端面に高反射膜36をそれぞれ形成し、さらに、チップ状態に劈開することにより、図1Aから図1Eに示す当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1は完成する。
【0104】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る半導体光素子は、第1の実施形態と同様に、BH構造を有するEA変調器集積型DFBレーザ素子1である。当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1は、第1の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1と、基本的な構成は同じであるが、変調器部2のパッシベーション膜21及びp型電極22の形状が、主に異なる。
【0105】
図12Aは、第1の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の上面模式図であり、図12Cは、従来技術に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の上面模式図である。第1の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2のパッシベーション膜21の内縁は、図1D(b)に示すように、電極パッド側延伸前方部41a及び電極パッド側延伸後方部41cと、他方側延伸部42とが、埋め込み層18の上面斜面部に及んでいることにより、第1の実施形態に係るスルーホール21aの面積は、従来技術に係るスルーホール121aの面積より、小さくすることが出来ている。
【0106】
図12Aに示す通り、第1の実施形態に係るp型電極22が、スルーホール21aを覆って図中縦方向に延伸するとともに、電極パッド部22aを含んで形成されている。第1の実施形態に係るスルーホール21aの面積を小さくすることにより、スルーホールを覆って形成されるp型電極22の面積は、従来技術に係るp型電極22の面積より、小さくすることが出来ている。
【0107】
p型電極22の外縁のうち、電極パッド部22aの反対側(右側)にあって、図中縦方向に延伸する部分は、右側の埋め込み層18の上面平坦部より内側にある。さらに、p型電極22の外縁のうち、電極パッド部22a側(左側)にあって、図中縦方向に延伸する部分の一部は、左側の埋め込み層18の上面平坦部より内側にある。
【0108】
図12Bは、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の上面模式図である。当該実施形態に係るパッシベーション膜21の他方側延伸部42は、第1の実施形態に係るパッシベーション膜21の他方側延伸部42と同様に、右側の埋め込み層18の上面斜面部に及んでいる。
【0109】
当該実施形態に係るパッシベーション膜21の電極パッド側延伸部41は、第1の実施形態に係るパッシベーション膜21の電極パッド側延伸部41と異なり、そして、図16(b)に示す従来技術と同様に、左側の埋め込み層18の上面斜面部と上面平坦部の境界に位置している。すなわち、当該実施形態に係るパッシベーション膜21の電極パッド側延伸部41は、左側の埋め込み層18の上面斜面部には及んでいない。よって、第2の実施形態に係るスルーホール21aの面積は、従来技術に係るスルーホール121aの面積より、小さくすることが出来ている。
【0110】
図12Bに示す通り、当該実施形態に係るp型電極22が、スルーホール21aを覆って図中縦方向に延伸するとともに、電極パッド部22aを含んで形成されている。スルーホール21aの面積を小さくすることにより、スルーホール21aを覆って形成されるp型電極22の面積は、従来技術に係るp型電極22の面積より、小さくすることが出来ている。
【0111】
当該実施形態に係るp型電極22の面積を、従来技術に係るp型電極22の面積より、小さいことにより、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2において、p型電極22の面積増大を抑制しつつ、埋め込み層18の層厚を大きくすることが可能となる。これにより、リッジ導波路構造と比して、高出力の出射が可能となるBH構造において、寄生容量を低下させることが可能となる。
【0112】
当該実施形態に係るパッシベーション膜21の電極パッド側延伸部41は、図16(b)に示す従来技術と同様に、左側の埋め込み層18の上面斜面部と上面平坦部の境界に位置しており、当該実施形態に係るパッシベーション膜21の形状は、電極パッド側において、スルーホール21aの面積減少には寄与していない。それゆえ、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2は、第1の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2と比較して、寄生容量を低下する効果よりも、p型電極22と、メサストライプ構造101の上面との電気的接続を確保を優先している構造となっている。
【0113】
図13は、当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2の断面図である。図13に示す当該実施形態に係る変調器部2の断面は、図1Aに示すEA変調器集積型DFBレーザ素子1の1C−1C破線を貫く断面に対応している。前述の通り、図1Cに示す第1の実施形態に係る変調器部2と異なり、当該実施形態の変調器部2のパッシベーション膜21の電極パッド側延伸部41は、図中左側の埋め込み層18の上面斜面部と上面平坦部の境界に位置している。すなわち、電極パッド側延伸部41は、埋め込み層18の上面斜面部には及んでいない。しかし、前述の通り、電極パッド部22a側と他方側にある他方側延伸部42は、埋め込み層18の上面斜面部に及んでいる。
【0114】
これにより、当該実施形態に係るスルーホール幅Lは、第1の実施形態に係るスルーホール幅Lの値である5μmより大きくなり、7.5μmである。それに伴い、当該実施形態に係るp型電極幅Lは、第1の実施形態に係るp型電極幅Lの値である7μmより大きくなり、9.5μmである。
【0115】
当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1は、それ以外の寸法は、第1の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1と同じにとる。すなわち、埋め込み層18の層厚が7μm、MQW層13の層厚が0.25μm、メサストライプ幅が1.5μm、メサストライプ構造101の高さが3.5μm、スルーホール幅Lが7.5μm、p型電極幅Lが9.5μmとなっている。当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2の帯域は、39.1GHz程度である。
【0116】
埋め込み層18がFeが不純物として添加されたInP層が用いる場合について、すでに前述した従来技術に係るEA変調器の帯域が15.3GHzであることと比較すると、約24GHzの帯域の向上がなされている。
【0117】
当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の製造方法は、第1の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の製造方法と、基本的な構成は同じである。当該実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の製造方法は、第1の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の製造方法と、パッシベーション膜21を形成する工程において形成されるパッシベーション膜21の形状と、p型電極22を形成する工程において形成されるp型電極22の形状が、主に異なる。
【0118】
本発明は、パッシベーション膜21の内縁のうち、出射方向に延伸する延伸部の少なくとも一部が、埋め込み層18の上面斜面部に及んでいることを特徴としている。延伸部の少なくとも一部が、埋め込み層18の上面斜面部に及んでいることにより、スルーホール21aの面積を、従来技術に係るスルーホール121aの面積より小さくすることが出来る。それに伴い、スルーホール21aを覆って形成されるp型電極22の面積を、従来技術に係るp型電極22の面積より、小さくすることが出来るので、半導体光素子の寄生容量を低下することが出来る。
【0119】
スルーホール21aによって、p型電極22と、メサストライプ構造101の上面とが、電気的に接続されるので、パッシベーション膜21の内縁のうち、電極パッド部22a側の他方側にある他方側延伸部42の少なくとも一部が、埋め込み層18の上面斜面部に及んでいるのが、望ましい。これによって、p型電極22の面積を小さくすることが出来る。p型電極22の外縁のうち、電極パッド部22a側の他方側にあって出射方向に延伸する部分の少なくとも一部が、前記他方側の埋め込み層の上面平坦部より内側にあると、さらに望ましい。
【0120】
他方側延伸部42すべてが、埋め込み層18の上面斜面部に及んでいると、さらに望ましい。これによって、p型電極22の面積をさらに小さくすることが出来る。p型電極22の外縁のうち、電極パッド部22a側の他方側にあって出射方向に延伸する部分すべてが、前記他方側の埋め込み層の上面平坦部より内側にあると、なお望ましい。
【0121】
パッシベーション膜21の内縁のうち、電極パッド部22a側にある電極パッド側延伸部41の一部が、埋め込み層18の上面斜面部に及んでいるのが、さらに望ましい。これによって、p型電極22の面積をさらに小さくすることが出来る。p型電極22の外縁のうち、電極パッド部22a側にあって出射方向に延伸する部分の一部が、前記他方側の埋め込み層の上面平坦部より内側にあると、さらに望ましい。
【0122】
パッシベーション膜21の内縁のうち、電極パッド側延伸部41の一部が、埋め込み層18の上面斜面部に及んでいる場合、p型電極22と、メサストライプ構造101の上面との電気的接続を確保するために、パッシベーション膜21の内縁は、図2に示す接合部41bを有し、接合部41b以外の部分は、埋め込み層18の上面斜面部に及んでいるのが望ましい。
【0123】
パッシベーション膜21の内縁は、例えば図1D(b)に示す場合、メサストライプ構造101の上面の両側に広がる前方部43及び後方部44と、出射方向に延伸する電極パッド側延伸部41及び他方側延伸部42からなっており、パッシベーション膜21の形状は、出射方向に細長く延伸する形状となっている。前方部43及び前方部44に近傍において、図1D(b)とは異なり、パッシベーション膜21の内縁が大きく湾曲している場合もあり得るが、延伸部には、その両端部にあるそれら湾曲している曲線を含まないものとする。
【0124】
また、接合部41bの形状はいろいろと考えられるが、図2に示すように、パッシベーション膜21の内縁に凹型の屈曲形状となっており、接合部41bのうち、メサストライプ構造101の上面より外側にある部分については、埋め込み層18の上面斜面部と上面平坦部の境界か、その境界よりさらに外側に位置しているのが、望ましい。
【0125】
パッシベーション膜21の形状、及び、p型電極22の形状を、必要としている帯域と、電気的接続とのバランス、また、p型電極22を形成する位置精度などを考慮に入れて、設計するとよい。
【0126】
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1の埋め込み層18として、Ruが不純物として添加されたInP層が用いる場合について、上記に示しているが、不純物はRuに限定されることはなく、Feや、FeとRuの組み合わせなど他の金属であってもよい。
【0127】
しかし、FeとZnは相互拡散しやすいという特徴があるため、埋め込み層18に不純物としてFeが含まれる場合、埋め込み層18に含まれるFeと、メサストライプ構造101のp型となる多層に含まれるZnとが、相互拡散をする傾向がある。それゆえ、埋め込み層18に不純物としてFeが含まれると、埋め込み層18にZnが拡散してくるため、埋め込み層18の寄生容量が増大する。
【0128】
これに対して、RuとZnは、FeとZnの場合と比べて、相互拡散は大幅に抑制されている。それゆえ、埋め込み層18として、Ruが不純物として添加されたInP層などの半導体層であるのが、望ましい。
【0129】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る光送信モジュールは、第1の実施形態若しくは第2の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1が搭載される光送信モジュール4である。光送信モジュール4は、35GHz程度の帯域における光送信が可能である。
【0130】
図14は、当該実施形態に係る光送信モジュール4の構成を表す図である。第1の実施形態若しくは第2の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1は、50Ω終端抵抗が付いた窒化アルミ二ウム(AlN)製のチップキャリア70に、AuSnはんだを用いて、搭載されている。チップキャリア70は、温度調整手段であるペルチェ71の上側に搭載されており、それらが、パッケージ72に搭載されている。サーミスタ73、モニタフォトダイオード74、光アイソレータ75、及び、集光レンズ76が、さらに、パッケージ72に搭載されている。ここで、集光レンズ76は、光の出射先に接続されるファイバー77へ、光を集光するためのレンズである。
【0131】
当該実施形態に係る光送信モジュール4の外部には、制御手段(図示せず)が設けられ、制御手段によって、光送信モジュール4に対して、APC(Auto Power Control)制御が行われる。すなわち、EA変調器集積型DFBレーザ素子1の後方端面より出力する後方出力光を、モニタフォトダイオード74は受光し、モニタ電流81として、制御手段へ出力する。モニタ電流81に対応して、EA変調器集積型DFBレーザ素子1の発振器部3に対して、レーザ駆動電流82が供給される。APC制御により、光送信モジュール4の出力光84の出力パワーを一定に保つことが可能となる。なお、EA変調器集積型DFBレーザ素子1の変調器部2に対しては、変調器駆動信号83が供給される。
【0132】
また、制御手段によって、光送信モジュール4に対して、ATC(Auto Temperature Control)制御が行われる。すなわち、サーミスタ73は、EA変調器集積型DFBレーザ素子1の温度を検知し、その温度をモニタ温度85として、制御手段へ出力する。モニタ温度85に対応して、ペルチェ71に対して、ペルチェ駆動電流86が供給される。ATC制御により、EA変調器集積型DFBレーザ素子1の温度を一定に保つことが可能となる。
【0133】
同様に、当該実施形態に係る光送受信モジュールは、第1の実施形態若しくは第2の実施形態に係るEA変調器集積型DFBレーザ素子1が搭載される光送信部と、公知の光受信部を備える光送受信モジュール5である。光送受信モジュール5の光送信部の構成は、光送信モジュール4の構成と同様のものとする。
【0134】
さらに、当該実施形態に係る光伝送装置は、上記の光送信モジュール4若しくは光送受信モジュール5が搭載される光伝送装置6である。光伝送装置6の他の構成については、公知のものと同じである。
【0135】
なお、パッケージ72は、金属素材をボックス型に加工したものである。パッケージ72は、熱伝導率が高いCuW合金の底板、FeNi合金からなるフレーム、電気信号をパッケージ72内部に伝達するために配線パターンを形成したセラミックフィードスルー、リード端子、キャップをシーム溶接するためのシームリング、光を取り出す窓を気密封止するためのサファイヤガラス、レンズホルダや光ファイバを溶接固定するためのパイプ部材などの部品より構成されており、ロー材やAuSnはんだなどの接合材を用いて組み立てられている。
【0136】
以上、本発明に係る半導体光素子、光送信モジュール、光送受信モジュール、及び、光伝送装置、及び、それらの製造方法について説明した。本発明は、半導体光素子に設けられる電極により生じる寄生容量の軽減を実現するものである。実施形態に係る半導体光素子として、EA変調器集積型DFBレーザ素子1を例として示したが、変調器部2の構造は、EA変調器に限定されることはない。例えば、マッハツェンダー型変調器など、他の変調器であってもよい。さらに、EA変調器集積型DFBレーザ素子1のように、変調器部2が発振器部3と同一半導体基板上に集積した変調器集積型半導体光素子に限定されることはない。本発明に係る半導体光素子は、レーザ素子の出力側の外部に設けられる外部変調器であってもよい。ここで、外部変調器とは、例えば、EA変調器やマッハツェンダー型変調器である。また、本発明に係る半導体光素子は、変調器に限定されることはなく、BH構造を有する他の半導体光素子の寄生容量低減する構造として、本発明を適用することは可能である。
【符号の説明】
【0137】
1 EA変調器集積型DFBレーザ素子、2 変調器部、3 発振器部、4 光送信モジュール、5 光送受信モジュール、6 光伝送装置、10 n型InP基板、11 n型InPバッファ層、12 n型InGaAsP下側ガイド層、13 MQW層、14 p型InGaAsP上側ガイド層、15 p型InPキャップ層、16 p型InPクラッド層、17 p型InGaAsコンタクト層、18 埋め込み層、21 パッシベーション膜、21a スルーホール、22 p型電極、22a 電極パッド部、22b 埋め込み斜面部、22c メサストライプ上面部、23 n型電極、30 n型InGaAsP下側ガイド層、31 MQW層、32 p型InGaAsP上側ガイド層、33 InPスペーサ層、34 回折格子層、35 反射防止膜、36 高反射膜、41 電極パッド側延伸部、41a 電極パッド側延伸前方部、41b 接合部、41c 電極パッド側延伸後方部、42 他方側延伸部、43 前方部、44 後方部、51 保護マスク、52 p型InGaAsP層、53 保護膜、70 チップキャリア、71 ペルチェ、72 パッケージ、73 サーミスタ、74 モニタフォトダイオード、75 光アイソレータ、76 集光レンズ、77 ファイバー、81 モニタ電流、82 レーザ駆動電流、83 変調器駆動信号、84 出力光、85 モニタ温度、86 ペルチェ駆動電流、101 メサストライプ構造、121a スルーホール、201 p型InPキャップ層、202 ポリイミド樹脂、203 ローメサ構造、C パッド部容量、C2a,C2b 斜面部容量、C ジャンクション容量、Call 寄生容量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出射方向に沿って入力される光を変調して出射する変調器部、を備える半導体光素子であって、
前記変調器部は、
活性層を含むとともに出射方向に延伸するメサストライプ構造と、
前記メサストライプ構造の両側にそれぞれ隣接して配置されるとともに、前記メサストライプ構造の上面の両側それぞれに積層方向に対して斜面となって広がる上面斜面部と、さらにその外側にそれぞれ広がる上面平坦部とを有する埋め込み層と、
前記メサストライプ構造の上面の両側に広がるとともに出射方向に沿って延伸するスルーホール領域を除いて、前記メサストライプ構造の上面及び前記埋め込み層の上面に形成されるパッシベーション膜と、
前記スルーホール領域を覆って前記出射方向に延伸するとともに、さらに、前記埋め込み層の一方側の上面平坦部の一部の上方に位置するワイヤ接続パッド領域を含んで形成される、電極と、を備え、
前記パッシベーション膜の内縁には、前記メサストライプ構造の上面の両側を出射方向に沿って延伸する延伸部をそれぞれ備え、
前記一方側とは他方側にある前記延伸部のうち、少なくとも一部は、前記他方側の前記埋め込み層の上面斜面部に及んでいる、
ことを特徴とする、半導体光素子。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体光素子であって、
前記他方側にある前記延伸部すべてが、前記他方側の前記埋め込み層の上面斜面部に及んでいる、
ことを特徴とする、半導体光素子。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体光素子であって、
前記電極の外縁のうち、前記他方側にあって出射方向に延伸する部分の少なくとも一部は、前記他方側の前記埋め込み層の上面平坦部より内側にある、
ことを特徴とする、半導体光素子。
【請求項4】
請求項2に記載の半導体光素子であって、
前記電極の外縁のうち、前記他方側にあって出射方向に延伸する部分すべてが、前記他方側の前記埋め込み層の上面平坦部より内側にある、
ことを特徴とする、半導体光素子。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体光素子であって、
前記パッシベーション膜の前記一方側の前記延伸部には、前記電極の前記ワイヤ接続領域との接合部を備え、
前記パッシベーション膜の前記一方側の前記延伸部のうち、前記接合部となる部分以外のすべてが、前記一方側の前記埋め込み層の上面斜面部に及んでいる、
ことを特徴とする、半導体光素子。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体光素子であって、
電極の外縁のうち、前記一方側にあって出射方向に延伸する部分の一部が、前記一方側の前記埋め込み層の上面平坦部より内側にある、
ことを特徴とする、半導体光素子。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の半導体光素子であって、
前記埋め込み層は、鉄又はルテニウム、若しくは、それらの組み合わせを、不純物として添加した半導体を含む、
ことを特徴とする、半導体光素子。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の半導体光素子であって、
前記変調器部は、電界吸収型変調器、若しくは、マッハツェンダー型変調器である、
ことを特徴とする、半導体光素子。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の半導体光素子を搭載する、半導体光素子モジュール。
【請求項10】
出射方向に沿って入力される光を変調して出射する変調器部、を備える半導体光素子の製造方法であって、
活性層を含むとともに出射方向に延伸するメサストライプ構造を形成する工程と、
前記メサストライプ構造の上面の両側それぞれに積層方向に対して斜面となって広がる上面斜面部と、さらにその外側にそれぞれ広がる上面平坦部とを有する埋め込み層を、前記メサストライプ構造の両側にそれぞれ隣接して、形成する工程と、
前記メサストライプ構造の上面及び前記埋め込み層の上面に、前記メサストライプ構造の上面の両側に広がるとともに出射方向に沿って延伸するスルーホール領域を除いて、パッシベーション膜を形成する工程と、
前記スルーホール領域を覆って前記出射方向に延伸するとともに、さらに、一方側の前記埋め込み層の上面平坦部の一部の上方に位置するワイヤ接続パッド領域を含んで、電極を形成する工程とを、含み、
前記パッシベーション膜の内縁には、前記メサストライプ構造の上面の両側を出射方向に沿って延伸する延伸部をそれぞれ備え、
前記パッシベーション膜を形成する工程において、
前記一方側とは他方側にある前記延伸部のうち、少なくとも一部は、前記他方側の前記埋め込み層の上面斜面部に及ぶように、前記パッシベーション膜を形成する、
ことを特徴とする、半導体光素子の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の半導体光素子の製造方法であって、
前記パッシベーション膜を形成する工程において、
前記他方側にある前記延伸部すべてが、前記他方側の前記埋め込み層の上面斜面部に及ぶように、前記パッシベーション膜を形成する、
ことを特徴とする、半導体光素子の製造方法。
【請求項12】
請求項10に記載の半導体光素子の製造方法であって、
前記電極を形成する工程において、
前記電極の外縁のうち、前記他方側にあって出射方向に延伸する部分の少なくとも一部は、前記他方側の前記埋め込み層の上面平坦部より内側にあるように、前記電極を形成する、
ことを特徴とする、半導体光素子の製造方法。
【請求項13】
請求項11に記載の半導体光素子の製造方法であって、
前記電極を形成する工程において、
前記電極の外縁のうち、前記他方側にあって出射方向に延伸する部分すべてが、前記他方側の前記埋め込み層の上面平坦部より内側にあるように、前記電極を形成する、
ことを特徴とする、半導体光素子の製造方法。
【請求項14】
請求項10乃至請求項13のいずれかに記載の半導体光素子の製造方法であって、
前記パッシベーション膜を形成する工程において、
前記パッシベーション膜の前記一方側の前記延伸部には、前記電極の前記ワイヤ接続領域との接合部を備え、
前記パッシベーション膜の前記一方側の前記延伸部のうち、前記接合部となる部分以外のすべてが、前記一方側の前記埋め込み層の上面斜面部に及ぶように、前記パッシベーション膜を形成する、
ことを特徴とする、半導体光素子の製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の半導体光素子の製造方法であって、
前記電極を形成する工程において、
電極の外縁のうち、前記一方側にあって出射方向に延伸する部分の一部が、前記一方側の前記埋め込み層の上面平坦部より内側にあるように、前記電極を形成する、
ことを特徴とする、半導体光素子の製造方法。
【請求項16】
請求項10乃至請求項15のいずれかに記載の半導体光素子の製造方法であって、
前記埋め込み層を形成する工程において、
前記埋め込み層を、鉄又はルテニウム、若しくは、それらの組み合わせを、不純物として添加した半導体を含んで、形成する、
ことを特徴とする、半導体光素子の製造方法。
【請求項17】
請求項10乃至請求項16のいずれかに記載の半導体光素子の製造方法であって、
前記変調器部は、電界吸収型変調器、若しくは、マッハツェンダー型変調器である、
ことを特徴とする、半導体光素子。
【請求項18】
請求項10乃至請求項17のいずれかに記載の方法によって製造される半導体光素子を搭載する、半導体光素子モジュール。
【請求項19】
請求項9または請求項18に記載の半導体光素子モジュールを搭載する、光送信用モジュール若しくは光送受信用モジュール。
【請求項20】
請求項19に記載の光送信用モジュール若しくは光送受信用モジュールを搭載する、光伝送装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−151088(P2011−151088A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9484(P2010−9484)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(301005371)日本オプネクスト株式会社 (311)
【Fターム(参考)】