説明

半導体基板の非成膜部分への成膜材料による汚染の評価方法

【課題】 半導体基板の非成膜部分における金属系成膜材料による汚染状態を容易かつ正確に評価し得る方法を提供すること
【解決手段】 汚染評価装置1の真空容器8内において電子銃2から放射される電子線eを、電子レンズ3でビーム径を100μm程度に絞って評価試料S上に真円状に照射する。電子線eは必要に応じ走査コイル4で評価試料Sの面上を任意の方向、例えば直径方向に走査される。そして、電子線eの照射によって評価試料Sの非成膜部を汚染している成膜材料の金属成分から発生する固有の特性X線x の強度をX線検出器6で測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体基板の汚染の評価方法に関するものであり、更に詳しくは、半導体基板への成膜時における非成膜部分への成膜材料の付着による汚染の評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シリコンウェーハなどの半導体基板への金属系の成膜材料の成膜時には、基板ホルダー上のシリコンウェーハ表面の周縁部にカバーリングを載置することによって周縁部をマスキングすると共にとシリコンウェーハを基板ホルダーに固定したり、シリコンウェーハを静電チャック等のチャッキング機器で挟んで基板ホルダーに固定して成膜されるが、元来、シリコンウェーハの周縁部は研摩が及び難い部分であり、中央部に比して平滑性に劣る部分である。従って、シリコンウェーハの周縁部に載置されたカバーリングの下や、基板ホルダーに接しているシリコンウェーハの裏面の周縁部は本来は非成膜部分となる領域であるが、面が平滑でないために、成膜時に成膜材料がカバーリングとの間、基板ホルダーとの間に回り込んで侵入し、非成膜部分の面に極微量であるが成膜材料が付着して汚染を生じている。
【0003】
シリコンウェーハの周縁部はシリコンウェーハの掴み代となる部分であり、以降の工程においてシリコンウェーハのハンドリング中に汚染となっている成膜材料が脱落し、その結果、その工程における成膜を妨げるなど、成膜プロセスを阻害するトラブルを招くことから、表面側、裏面側を問わず、シリコンウェーハ周縁部の非成膜部分の汚染は、近年、特に厳しく問題視されるようになっており、その汚染について詳細な評価が行なわれている。
【0004】
上記における成膜材料の汚染は極微量であり、表面微量分析の単位であるから、汚染の評価方法として、一般的には二次イオン質量分析(SIMS)法が採用されるところであるが、上記したように、シリコンウェーハの周縁部は中央部ほどには平滑でなく凹凸が存在し、その凹凸の状態は場所によっても異なるので、二次イオン質量分析法において傾斜入射させる一次イオンによってスパッタされる二次イオンの量が一定せず定量的な評価は困難である。そのためもあって透過電子顕微鏡(TEM)によるシリコンウェーハの断面像から汚染を評価する方法が採られている。しかし、透過電子顕微鏡によって極微量の汚染を評価するには高倍率で観察することを要し、そのため評価面積が大である場合には多数の断面像が必要となり、観察試料の作成や汚染の評価に多くの工数と時間を要することから、経済的な負担が大となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、半導体基板の非成膜部分における金属系成膜材料による汚染を容易かつ正確に評価し得る方法を提供することを課題とする。なお、本発明の評価方法は、後述するように、一般的には組成分析に使用されるEPMA(Electron Probe Micro Analysis)装置(別名:XMA装置;X線マイクロアナライザ)を使用するが、その装置を利用して物体表面の微小部分のコーティング膜厚を測定する方法(例えば特許文献1を参照)や、基板上の薄膜内で電子線を基板に平行にジグザグ状に進行させて薄膜内の異物を分析する方法(例えば特許文献2を参照)が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平11−51630号公報
【特許文献2】特開平6−349911号公報
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は請求項1の構成によって解決されるが、 請求項1に係る半導体基板の非成膜部分への成膜材料による汚染の評価方法は、半導体基板面への金属または金属化合物からなる成膜材料の成膜時に、基板ホルダーにセットした前記半導体基板の表面をマスキングすることによって生ずる非成膜部分や、前記基板ホルダーに接している前記半導体基板の裏面の非成膜部分へ前記成膜材料が侵入し前記半導体基板面に付着して形成される汚染の評価方法において、前記非成膜部分へ上方から電子線ビームを照射することにより、前記非成膜部分を汚染している前記成膜材料中の前記金属成分から発生する特性X線の強度を測定する評価方法である。
このような評価方法は、汚染となっている成膜材料中の金属成分が電子線で照射されて発生する特性X線の強度を測定することによって行なうので、その操作は極めて容易であり、かつ非成膜部分上の多点に亘って実施することができる。
【0008】
請求項2に係る半導体基板の非成膜部分への成膜材料による汚染の評価方法は、ビーム径を数μmから100μm程度に絞った前記電子線ビームによる前記非成膜部分への照射を走査して、発生する前記特性X線の強度から、前記非成膜部分における前記成膜材料による汚染をμm単位の位置精度で測定する評価方法である。
このような評価方法は、非成膜部分における汚染の状態、すなわち、汚染の位置、汚染の度合いを明確に示す。
【0009】
請求項3に係る半導体基板の非成膜部分への成膜材料による汚染の評価方法は、前記半導体基板の表面の成膜部分における成膜厚さが200nm以下である場合に、加速電圧15keV程度の電子線の照射によって測定される前記成膜の周縁部から前記非成膜部分に亘る箇所における前記特性X線の強度から、前記成膜の周縁部に接する前記非成膜部分の前記成膜材料による汚染を求める評価方法である。
このような評価方法は、成膜の断面プロファイルと非成膜部分の汚染の状態とから、成膜材料の侵入を導いた経路についての精度の高い推定を可能ならしめる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る半導体基板の非成膜部分への成膜材料による汚染の評価方法によれば、半導体基板の非成膜部分への成膜材料による極微量の汚染を容易、迅速、かつ正確に評価することができるので、例えば成膜された半導体基板をハンドリング中に非成膜部分から成膜材料が脱落することにプロセス全体に及ぶ影響に対処する指針を与え、その結果としてプロセスの生産性の向上を可能にする。
【0011】
すなわち、半導体基板の非成膜部分への成膜材料による汚染状態から、成膜装置内の特に半導体基板の周辺に位置する装置部材への成膜材料の付着状態を早期に適確に認識することができ、それら付着成膜材料が脱落して成膜プロセスを阻害することのトラブルを防ぐための、装置部材の交換および装置内のクリーニング等を行なうための適切な時期の設定を可能にする。また、半導体基板の非成膜部分を形成するマスキング部材(カバーリングを含む)、基板ホルダーへの基板半導体基板の固定部材(チャッキング機器を含む)等について、非成膜部分への汚染を抑制するための構造的な改良、それに伴うプロセス全体の装置的改良の手掛かりを与え、新規な装置の開発に資する。
【0012】
請求項2に係る半導体基板の非成膜部分への成膜材料による汚染の評価方法によれば、ビーム径を例えば100μmに絞った電子線によって半導体基板の非成膜部分を走査し、非成膜部分の成膜材料による汚染の状態をμmの位置精度で観測することができるので、評価試料によっては非成膜部分への成膜材料の侵入経路を的確に把握することが可能であり、半導体基板をマスキングする部材、基板ホルダーへ半導体基板を固定する部材について、成膜材料の侵入を防ぐための構造的な改良の指針を与える。
【0013】
請求項3に係る半導体基板の非成膜部分への成膜材料による汚染の評価方法によれば、半導体基板の成膜部分への成膜厚さが200nm以下の場合に、加速電圧15keV程度の電子線の照射によって測定される特性X線の強度から、成膜周縁部の断面プロファイルと共に成膜材料による汚染状態を観測することができるので、その断面プロファイルにおける成膜周縁部の急峻性および非成膜部分の汚染の位置や汚染度合いから、半導体基板をマスキングする部材、基板ホルダーへ半導体基板を固定する部材について、成膜材料の侵入を防ぐための構造的な改良の指針を与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態によるシリコンウェーハの非成膜部の成膜材料による汚染の評価方法について、図面を参照して具体的に説明する。
【0015】
本発明の非成膜部分の成膜材料による汚染の評価方法は、測定領域の微小部分に電子線を照射し、発生する特性X線の強度を測定する方法である。すなわち、入射する電子のエネルギーが汚染となっている成膜材料の原子の例えばK軌道電子の結合エネルギー以上である場合には、電子線の衝突によってK軌道電子は弾き出されて空席ができ、その空席へL軌道の電子が落ち込む。その時、L軌道電子とK軌道電子とのエネルギー準位の差に相当する電磁波、X線が発生するが、軌道エネルギーはそれぞれの原子に固有であるから、そのX線は特性X線または固有X線、特性X線と称される。本発明の汚染の評価方法はこの特性X線の強度によって汚染の状態を評価するので、電子線源とX線検出器とを備えた装置を使用する。
【0016】
図1は実施の形態において使用される汚染評価装置1の基本的な構成を示す図である。すなわち、汚染評価装置1は電子銃2と呼ばれる電子線源、電子線eを細く絞る電子レンズ3、評価試料S上で電子線eを走査させる走査コイル4、評価試料Sを水平方向、上下方向に移動させたり、回転させたり、傾斜させる試料微動装置5、X線検出器6、電子検出器7が真空容器8内に設置されており、真空容器8には排気用の真空ポンプ9が取り付けられている。X線検出器6には特性X線の波長を測定する波長分散形分光器(WDX)によるものと特性X線のエネルギーを測定するエネルギー分散形分光器(EDX)によるものとがあるが、本実施の形態においては波長分散形分光器による場合について説明する。すなわち、X線検出器6はX線を波長で分光するための分光結晶を備えたX線分光器と、各波長域におけるX線強度を検出するためのシンチレーション計数管、光電子増倍管からなっている。
【0017】
本発明の汚染の評価方法は、評価試料Sの汚染の評価に際しては、電子銃2内のフィラメントから出た熱電子が加速され電子銃2から電子線eとして放射され、電子レンズ3でビーム径を100μm程度に絞って評価試料S上に真円状に照射される。電子線の照射によって評価試料Sの非成膜部分を汚染している成膜材料の金属成分から発生する固有の特性X線x はX線検出器6に入り、その強度が測定される。電子線eは必要に応じ、走査コイル4によって評価試料Sの非成膜部分を任意の方向、例えば評価試料Sの直径方向に走査される。そのことにより、走査方向における汚染の位置、汚染の度合いをμm単位の位置精度で測定することができる。
なお、電子検出器7は発生する二次電子e'を参考的に観測するためのものであり、本発明の目的とする汚染の評価に直接の関連はない。勿論、この電子検出器6を別途付設する電子顕微鏡の作像に使用してもよい。
【0018】
具体的には、例えばニッケル(Ni)が成膜されたシリコンウェーハの汚染を評価する場合には、X線検出器6の検出条件をNiの特性X線のピーク位置に固定して、シリコンウェーハの評価対象とする非成膜部分で特性X線のピーク強度を求める。他方、シリコンウェーハにおいて成膜材料が形成されていない部分におけるX線強度をバックグランドとして求めておき、上記特性X線のピーク強度から差し引く。このような評価方法により、1原子層のNiまで検出することができる。すなわち、汚染の検出感度が極めて高い。そのほか、照射する電子線の加速電圧は通常的には15keVであるから、シリコンウェーハに成膜されるNiの膜厚が200nm以下の場合には成膜部分のNi膜厚を求めることができるので、Ni膜の周縁部における膜厚減少の急峻性も評価することができる。
【実施例1】
【0019】
成膜装置内の基板ホルダー上の半導体基板、すなわちシリコンウェーハの表面に、ウェーハエッジ(0mm)から内方へ3mm幅の帯状にカバーするカバーリングを載置し、カバーリングの内周円に囲われているシリコンウェーハの表面にNiを厚さ10nmに成膜したシリコンウェーハについて、カバーリングの下になってマスキングされている非成膜部分のNiによる汚染を評価した。なお、カバーリングの外周円はウェーハエッジよりも外側にあり、かつウェーハエッジからは成膜材料が侵入しないような形状としたものである。図1の汚染評価装置1の試料微動装置5に表面が上になるように取り付けたシリコンウェーハについて、ウェーハエッジから直径上の直線距離5mmまでの間に、ビーム径を100μmに絞った加速電圧15keVの電子線を上方から照射し走査して、発生するNiの特性X線であるNiKα線の強度を測定し、その測定結果を図2に示した。 図2において横軸はウェーハのエッジから中心へ向かう直線距離(mm)であり、縦軸はシリコンによるバックグランド分を差し引いて得たNiKα線の相対的な強度である。
【0020】
図2から明らかなように、カバーリングに覆われているシリコンウェーハのウェーハエッジから内周側であり、カバーリングによってマスキングされていない3mmから5mmまでの部分には比較的平坦なNi膜が形成されている。カバーリングの下では、カバーリングの内周円に相当する3mm位置からカバーリングの下である2mm位置までの部分には、カバーリングの内周側からNiが侵入しており、その間において侵入量は急激に減少している。そして、ウェーハエッジから1.5mm以上で2mmまでの間においては、数10原子数程度のNiの汚染が認められた。しかし、ウェーハエッジの0mmから1.5mmまでの部分においてはNiの汚染は認められなかった。
【実施例2】
【0021】
成膜装置の基板ホルダーに載置し静電チャック法によって固定したシリコンウェーハの表面側へタンタル・ナイトライド(Ta・N)の成膜を行なった場合の、
シリコンウェーハの裏面側へのTa・Nの回り込みによる汚染状態を知るべく、保持方法を従来通りにしたシリコンウェーハと、チャッキング面積を増大させると共に、シリコンウェーハの周縁部を装置部材で物理的にカバーして成膜材料の侵入を抑制するように保持方法を改良したシリコンウェーハとについて、シリコンウェーハの表面側に実際の成膜厚さのほぼ15倍に相当する厚さ(260〜270nm 厚さ)のTa・N膜を成膜し、それぞれのシリコンウェーハについて、ウェーハエッジから裏面側へのTa・Nの回り込みによるシリコンウェーハの裏面側の汚染を評価した。すなわち、図1の汚染評価装置1の試料微動装置5に裏面が上になるようにシリコンウェーハを取り付けて、ウェーハエッジから直径上の直線距離が5mmまでの間に、ビーム径を100μmに絞った加速電圧15keVの電子線を上方から照射して走査し、発生するTaの特性X線であるTaLα線の強度を測定して図3を得た。
【0022】
図3において横軸はウェーハエッジから中心へ向かう直線距離(mm)であり、図3の右端の0mmはウェーハエッジである。そして、シリコンウェーハの直径に沿って中心へ向うほど、図3においては左方ほど、負の値が大になるように位置が表示されている。また、縦軸はシリコンによるバックグランド分を差し引いて得たTaLα線の相対的な強度である。そして、図3において下側の曲線(a)は保持方法を改良したシリコンウェーハについての特性X線の測定強度であり、上側の曲線(b)は従来通りの保持方法のシリコンウェーハについての特性X線の測定強度である。なお、ウェーハエッジの0mm位置においては汚染が測定されず、(−)0.5mm位置における汚染も(−1)mmの位置における汚染より少なく測定される現象を生じたが、その理由は現時点では不明である。
【0023】
図3において、従来通りの保持方法のシリコンウェーハについての上側の曲線(b)では、ウェーハエッジから中心側へ5mm入った位置においても膜厚に換算して1.12nm程度の汚染が観測される。これに対して、改良した保持方法のシリコンウェーハについての下側の曲線(a)では、ウェーハエッジから5mmの位置において、曲線(b)の場合と比較し、汚染を(1/500)程度に抑制することができている。照射した電子線のビーム径は100μmであるから、ビームを照射している領域にTaが疎らに存在する程度の汚染が検出されていることになる。実施例2においては、シリコンウェーハの表面側に実際の成膜厚さのほぼ15倍に相当する厚さにTa・N膜を形成させたが、実際の膜厚に成膜した場合にはビーム径100μmの電子線の照射領域に数個のTa原子が存在する程度の汚染になると推測される。
【0024】
なお、本発明の評価方法による基板表面の原子の検出限界は1原子層(〜5E+15atoms/cm2 )の(1/10)以下と試算された。そして、本発明により、シリコンウェーハの表面や裏面の非成膜部分への汚染量の評価が容易となり、汚染を発生させない装置部材の開発を促進させることができる
【0025】
本発明の実施例によるシリコンウェーハの非成膜部分についての成膜材料による汚染の評価方法は以上のように構成され、作用するが、勿論、本発明はこれらに限られることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0026】
例えば本実施例においては、特性X線を分光結晶によって分光して検出する波長分散形X線検出器(WDX)を備えたX線検出器6による汚染評価装置1を説明したが、特性X線をエネルギー的に分光して検出するエネルギー分散形のX線検出器(EDX)を使用しても汚染の評価は可能である。ただ、エネルギー分散形X線検出器は感度が電流値に依存する領域を使用する検出器であり、その領域の範囲が狭いので適用範囲が限られる。
【0027】
また本実施例においては、ビーム径を100μmに絞った電子線を評価試料に照射したが、ビーム径は必要に応じて数μmから100μmとし、評価試料における分析領域の面積を調整してもよい。
【0028】
また本実施例においては、成膜材料がNiまたはTa・Nである場合を例示したが、成膜材料が電子線の照射によって特性X線を発生する金属成分を含むものである限りにおいて、金属の種類は特には限定されず、ベリウム(Be)からウラニウム(U)までの金属について適用可能である。勿論、複数の金属の混合体、または金属の化合物であってもよい。
【0029】
また本実施例においては、半導体基板がシリコンウェーハである場合を説明したが、シリコンウェーハ以外の半導体基板、例えばガリウム・砒素のウェーハにおいても本発明は同様に適用される。
【0030】
また本実施例においては特に示さなかったが、汚染評価装置1内における評価試料Sである半導体基板の位置決めのために、電子顕微鏡ないしは光学顕微鏡を付設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施例で使用した汚染評価装置の基本構成を示す図である。
【図2】カバーリング下となってマスキングされているシリコンウェーハの表面部分への成膜材料Niによる汚染状態を示す図である
【図3】成膜材料Ta・Nによるシリコンウェーハの裏面側への汚染状態がシリコンウェーハの保持方法によって異なることを示す図である。
【符号の説明】
【0032】
1・・・汚染評価装置、 2・・・電子銃、
3・・・電子レンズ、 4・・・電子線eの走査コイル、
5・・・試料微動装置、 6・・・X線検出器、
7・・・電子検出器、 8・・・真空容器、
9・・・真空ポンプ、 S・・・評価試料、
e・・・電子線、 x・・・特性X線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板面への金属または金属化合物からなる成膜材料の成膜時に、基板ホルダーにセットした前記半導体基板の表面のマスキング効果によって形成される非成膜部分や、前記基板ホルダーに接している前記半導体基板の裏面の非成膜部分へ前記成膜材料が侵入し前記半導体基板面に付着して形成される汚染の評価方法において、
前記非成膜部分へ電子線ビームを上方から照射することにより、前記非成膜部分を汚染している前記成膜材料中の前記金属成分から発生する特性X線の強度を測定することを特徴とする半導体基板の非成膜部分への成膜材料による汚染の評価方法。
【請求項2】
ビーム径を数μmから100μm程度に絞った前記電子線ビームによる前記非成膜部分への照射を走査して、発生する前記特性X線の強度から、前記非成膜部分における前記成膜材料による汚染の度合いをμm単位の位置精度で測定することを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の非成膜部分への成膜材料による汚染の評価方法。
【請求項3】
前記半導体基板の表面の成膜部分における成膜厚さが200nm以下である場合に、加速電圧15keV程度の電子線の照射によって測定される前記成膜の周縁部から前記非成膜部分に亘る箇所における前記特性X線の強度から、前記成膜の周縁部に接する前記非成膜部分の前記成膜材料による汚染を求めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体基板の非成膜部分への成膜材料による汚染の評価方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−156644(P2006−156644A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−343979(P2004−343979)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】